JPH06242474A - エレクトロクロミック素子及び高分子電解質薄膜の製造方法 - Google Patents

エレクトロクロミック素子及び高分子電解質薄膜の製造方法

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JPH06242474A
JPH06242474A JP2816893A JP2816893A JPH06242474A JP H06242474 A JPH06242474 A JP H06242474A JP 2816893 A JP2816893 A JP 2816893A JP 2816893 A JP2816893 A JP 2816893A JP H06242474 A JPH06242474 A JP H06242474A
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JP
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thin film
polyimide
electrolyte
polymer electrolyte
high polymer
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JP2816893A
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English (en)
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Keiichi Koseki
恵一 古関
Yuzo Izumi
祐三 出水
Natsuko Oto
奈津子 大戸
Satoshi Sakurada
智 櫻田
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多孔質ポリイミド薄膜を支持体としてイオン
導電体を充填した固体高分子電解質薄膜、及びそれを用
いたエレクトロクロミック素子を提供する。 【構成】 基材上にポリイミド薄膜を、例えば、スピン
コート法で形成し、そのポリイミド薄膜にドライエッチ
ングで微細孔(一般的に、細孔径0.01μm 〜3.0μm 、
空孔率30〜90%)を全面に多数形成し、得られる多孔質
ポリイミド薄膜の空孔中に電解質溶液を充填すると、固
体高分子電解質薄膜が得られる。このポリイミド多孔質
薄膜を支持体とした固体高分子電解質薄膜を電解質層と
して用いてエレクトロクロミック素子を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なエレクトロクロミ
ック素子及び固体高分子電解質薄膜の製造方法に係わ
り、さらに詳しくは、電解質層として空孔中にイオン導
電体を充填したポリイミド多孔性薄膜を用いて成る、調
光素子や表示素子などとして好適なエレクトロクロミッ
ク素子と、そのポリイミド多孔性薄膜からなる固体高分
子電解質薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック(以下ECと略称
する)素子は、通常透明電極基板上にEC材料から成る
層(以下EC層と略称する)を有するEC電極と対向電
極との間に電解質を介在させた構造を有しており、両極
間に電圧を印加すると、電圧に応じて該EC層の色調が
可逆的に変化する性質を有している。
【0003】このようなEC素子は大面積表示が可能で
ある、駆動寿命が長い、応答速度が速い、着色効率が高
い、鮮やかな色が出せる、消色時の透過率が高いなどの
特徴を有することから、近年色調の変化を利用して表示
素子や調光素子に、あるいは適度の応答速度を利用した
防眩材料、メモリー性を利用した記憶センサーなどに用
いられている。
【0004】このEC素子に用いられる電解質は液体電
解質と固体電解質に大別することができ、前者の液体電
解質はイオン電導度が大きいので応答性に優れているも
のの、液体であるため、素子の構造及び組み立て上、液
漏れ対策が必要であり、また液漏れ対策をしても破損に
より、あるいは使用中に液漏れが生じるおそれがあるな
どの欠点を有している。これに対し、通常の固体電解質
は前記のような問題はないものの、イオン電導度が小さ
いために、応答性が悪いという欠点がある。
【0005】そこで、本発明者らは、イオン電導度の大
きな固体電解質を開発するために鋭意研究を重ね、先に
高分子多孔性薄膜の空孔中にイオン電導体を充填して成
る高分子電解質薄膜が、全体として固体として取り扱う
ことができ、液漏れのおそれがない上、イオン導電性に
優れていることを見い出した。このような高分子電解質
薄膜をEC素子の電解質として用いる場合、電極形成後
に該薄膜を両極間に挟めばよく、したがって電極形成時
に該電解質を劣化させることがない上、合わせガラスの
プロセスでEC素子を製作しうるなどの利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の固体高分子電解
質薄膜は上記の如く優れた特性を有しており、本発明者
らは既にその高分子多孔性薄膜としてポリオレフィン、
ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、その他
ポリカーボネートなどを用いた電解質膜と、該電解質膜
を電解質層として用いたエレクトロクロミック素子を提
案し開示している(特開平1-158051号公報、特開平3-67
227 号公報)。これに対して、ポリイミドは機械的強
度、耐熱性などの点で優れた特性を有しているが、多孔
質ポリイミド薄膜の製造が必ずしも容易ではなく、ポリ
イミドを高分子多孔性薄膜とした固体高分子電解質薄
膜、特にこれを電解質層として用いたエレクトロクロミ
ック素子は、まだ実際には提供されていない。
【0007】そこで、本発明はポリイミドの高分子多孔
性薄膜を提供し、よって固体高分子電解質薄膜を電解質
層として用いたエレクトロクロミック素子を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意努力した結果、ポリイミド多孔質薄膜
の空孔中に電解質溶液を充填してなる固体高分子電解質
薄膜を電解質層として用いたことを特徴とするエレクト
ロクロミック素子、及び、基材上にポリイミド薄膜を形
成し、そのポリイミド薄膜にリソグラフィー法によって
微細孔を形成して多孔質ポリイミド薄膜を形成し、その
空孔中に電解質溶液を充填することを特徴とする固体高
分子電解質薄膜の製造方法を提供する。
【0009】基材上にポリイミド薄膜を形成する方法は
公知である。典型的には、ポリイミドの前駆体の溶液を
ロールやベルト上に流延し、乾燥させて薄膜とする。こ
のとき、ポリイミド薄膜は基材に密着してもよく、また
自己支持性のフィルムとすることも可能である。本発明
のエレクトロクロミック素子の電解質層の支持体として
ポリイミド薄膜を形成する場合には、電極(EC電極又
は対極)を形成した基板を基材として、その表面上にポ
リイミド薄膜を形成することができる。
【0010】本発明に用いるポリイミド薄膜の膜厚は一
般的に1μm 〜50μm 、好ましくは5μm 〜25μm とす
る。膜厚が小さすぎると支持膜としての機械的強度に劣
り、特に自己支持性フィルムとした場合には取扱性が悪
い。一方、膜厚が大きすぎると実効抵抗が高くなり、好
ましくない。リソグラフィー法による微細孔の形成方法
もそれ自体は公知の方法によることができるが、ドライ
エッチング方法が好適である。
【0011】ポリイミド薄膜に形成する空孔は、一般的
にいうと、平均貫通孔径0.01〜3.0μm 、空孔率30〜90
%、好ましくは60〜90%である。平均貫通孔径が小さい
場合、イオンの移動に関わる迷路係数が大きくなり、イ
オン導電率が低下する為、小さい面積の素子では問題に
ならないもきの大面積の素子では応答が遅くなる。本発
明で用いるイオン導電体は、本出願人が先に開示してい
る前記公開公報に記載のものを用いることができる。即
ち、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はプロトン
酸と、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミン等の極
性高分子との複合体、あるいはこれらの高分子をセグメ
ントとして含有する網目状、又は架橋状高分子との複合
体を用いることができる。ポリエーテル、例えばポリエ
チレングリコール又はポリプロピレングリコールあるい
はそれらの共重合耐は分子量及び重合度の異なる液状及
び粉末状の試薬が市販されており、簡便に用いることが
できる。
【0012】極性高分子と複合体を形成するアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩又はプロトン酸の陰イオンと
しては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、チオシアン
酸イオン、トリフッ化メタンスルホン酸イオン、ホウフ
ッ化イオン等がある。ポリイミド多孔質薄膜にイオン導
電体を充填する方法としては、溶媒に溶解させたイオン
導電体又は溶媒中にゾル状又はゲル状に微分散させたイ
オン導電体をポリイミド多孔性薄膜に含浸させるか、塗
布又はスプレーした後溶剤を除去する方法、あるいはイ
オン導電体の単量体や可溶性プレカーサーをポリイミド
多孔性薄膜に含浸させるか、塗布又はスプレーした後、
空孔内で反応させる、等の方法を用いることができる。
【0013】次に、本発明EC素子の構成を例を用いて
添付図面に従って説明すると、図1は反射型表示素子と
して用いたEC素子の断面図であって、基板1上に、対
向電極2、背景板3、高分子電解質薄膜4、EC電極を
構成するEC層5と透明導電膜6、及び透明基板7が順
次積層された構造を示す。この表示素子は反射モードで
あるので、基板1は必ずしも透明体である必要がなく、
不透明板であってもよい。
【0014】対向電極2は水素や酸素の発生が少なく、
かつ電気化学的酸化還元反応に対して可逆性の良い電気
容量の大きな材料が用いられる。このような材料として
は、例えばカーボン、遷移金属化合物とカーボンとの複
合材、金属酸化物とカーボンとの複合材などが挙げられ
る。この対向電極2の厚さは、通常1000Åないし10μm
の範囲で選ばれる。
【0015】背景板3は、通常白色背景材、例えばアル
ミナ粉末をバインダーとともに混練してシート成形した
ものなどが用いられるが、対向電極2が兼ねることも可
能である。高分子電解質薄膜4としては、前記のように
して調製された空孔中にイオン導電体を充填して成るポ
リイミド多孔性薄膜が用いられる。EC層5に用いられ
るEC材料は、還元着色するカソーディック材料と酸化
着色するアノーディック材料の2種類に大別することが
できるが、ここでは代表的な還元着色材であるWO3 を用
いる。このWO3 は、例えば電解質からH+ ,Li +など
イオン半径の小さなカチオンと電源から電子が注入され
ると青色に着色してくる。プロトン酸及びリチウム塩を
電解質として用いた場合を例にすると、それぞれ WO3 (無色)+xH+ +xe- = Hx WO3 (青
色) WO3 (無色)+xLi+ +xe- = Lix WO
3 (青色) で示される反応を行う。この反応は可逆的であるが Hx
WO3 又はLix WO3 の状態で電源回路を開放すると、青色
(還元状態)は長時間保持される。このような還元着色
剤としては、該WO3 のほか、例えばMoO3,MoS3,V2O5
MgWO4 ,TiO2,W4O6(C2O4)xなどを用いることができ
る。
【0016】このEC層5は 500〜1500Å程度の厚さで
あり、透明導電膜6上に形成される。透明導電膜6は集
電電極であり、通常酸化インジウムスズや酸化スズなど
で形成され、その厚さは一般的に1000〜5000Å程度であ
る。この透明導電膜6は透明基板7上に形成されるが、
基板7は反射モードであるので透明でなければならな
い。
【0017】EC層5と透明導電膜とで構成されるEC
電極と対向電極2との間に電圧を印加するが、WO3 の還
元時には負の電圧を通常1.3〜1.9V程度印加すればよ
い。一方、図2は透過型調光素子として用いる場合の本
発明EC素子の1例の断面図であって、透明基板11上
に、EC電極IIを構成する透明導電膜12とEC層13、固
体高分子電解質薄膜(ポリイミド多孔質薄膜を支持体と
する)14、EC電極Iを構成するEC層15と透明導電膜
16、及び透明基板17が順次積層された構造を示す。
【0018】この場合、EC層15に還元着色型のEC材
料を、EC層13に酸化着色型のEC材料を用いると、着
色効率の高いEC素子が得られる。また、EC層13には
結晶状態の異なるWO3 を用いてもよいし、 IrOx ,Ni
Ox ,CoOx ,プルシアンブルー,ポリアニリンなどを用い
てもよい。この図2の構造が前記図1の構造と異なる点
は、EC層13は前記のようにIrO x や結晶状態の異なるW
O3 などを用い、 500〜1500Åの厚みに形成し、かつE
C層13と透明導電膜12(EC電極II)が光透過性である
点である。図1の構造では背景板3は光不透過性であ
り、また対向電極2は光不透過性であってもよいし、透
過性であってもよい。
【0019】図2の構造においては、両電極間に電圧を
印加してEC層15及びEC層13を着色すると、このEC
素子は調光ガラス(ECウィンドー)として作用する。
なお、この構造でEC層15(EC層13)をパターン化す
れば、透過型の表示素子としても使用できる。また、防
眩ミラーとして本発明のEC素子を用いる場合には、図
1において背景板3と対向電極2とに、反射性材料、例
えばアルミニウムなどを用いればよい。
【0020】
【実施例】図3を参照して説明する。10cm角のガラ
ス基板21の表面にITO(透明導電体)薄膜22を厚さ16
00Åに形成したITO基板のITO薄膜22上に、ニッケ
ルアルコキシド溶液をスピンコートし、300℃で3時
間焼成して厚さ2500ÅのNiO薄膜23を対極として形成
した(基板)〔図3(ア)〕。
【0021】次いで、芳香族ポリアミック酸5gをジメ
チルホルムアミド95gに溶解した溶液を、NiO薄膜23
上に10500 回/分でスピンコートした後、150 ℃で30分
間、さらに300 ℃で30分間焼成して、厚さ2μm のポリ
イミド薄膜24をNiO薄膜23上に形成した〔図3
(イ)〕。図3(ウ)を参照すると、ガラス基板21に形
成したポリイミド薄膜24の表面上にフォトレジストをス
ピンコートし、270 ℃で2時間焼成して1.2 μm 厚のフ
ォトレジスト膜を形成した。このフォトレジスト膜25に
フィトマスクを用いて、紫外線露光及び現像して細孔径
1μm 、ピッチ1μm の多数の細孔をフォトレジスト膜
25全体に形成した。
【0022】次いで、このパターニングしたフォトレジ
スト膜25をマスクとして、酸素プラズマ処理(ドライエ
ッチング)して、ポリイミド薄膜24に細孔径1μm 、ピ
ッチ1μm の多数の細孔を形成した。こうして、図3
(エ)に示されるように、1μm 径の細孔を全面に形成
したポリイミド薄膜24' を得た。
【0023】この細孔中に、2−フェニルブチロカルボ
ニトリル/ポリエチレングリコールジメチルエーテル
1:1溶液に過塩素酸リチウム5モル%を溶解した電解
質溶液を真空含浸した。含浸された電解質溶液は、基板
を立ててもポリイミド薄膜24'から漏れず、空孔中に固
定されていた。また、図3(ア)に示したと同じ10c
m角ITO基板表面に、酸化タングステンをターゲット
として蒸着を行い、膜厚1500Åの酸化タングステン電極
(EC電極)を作成した(基板)。
【0024】上記の如く作製した基板と基板をそれ
ぞれの電極を対向させて張り合わせ、周囲を紫外線接着
剤でシールして、エレクトロクロミック素子を作製し
た。基板と基板の間に酸化タングステン側をマイナ
スとして電圧1.5Vを印加したところ、エレクトロク
ロミック応答が示された。25%着色するのに要した時
間は29秒であった。また、着消色サイクルが可能であ
った。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ポリイミド多孔質薄膜
を支持体として空孔中にイオン導電体を充填した固体高
分子電解質薄膜と、これを用いたエレクトロクロミック
素子が得られるので、機械的強度、耐熱性等に優れ、塗
布法で印刷できるため、膜厚を薄くできる、薄くできる
ことがヘイズ率の低減、膜抵抗低減などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はエレクトロクロミック表示素子の断面図
である。
【図2】図2は透過型調光素子として用いたエレクトロ
クロミック素子の断面図である。
【図3】図3は実施例における固体高分子電解質薄膜の
支持体としてポリイミド薄膜を用いたエレクトロクロミ
ック素子の製造工程要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…対向電極 3…背景板 4…高分子電解質薄膜層 5…エレクトロクロミック電極層 6…透明導電膜 7…透明基板 11…透明基板 12…透明導電膜 13…電極IIを構成するEC層 14…ポリイミド電解質薄膜 15…電極Iを構成するEC層 16…透明導電膜 17…透明基板 21…ガラス基板 22…ITO薄膜 23…NiO薄膜 24…ポリイミド薄膜 24’…多孔質ポリイミド薄膜 25…フォトレジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻田 智 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド多孔質薄膜の空孔中に電解質
    溶液を充填してなる固体高分子電解質薄膜を電解質層と
    して用いたことを特徴とするエレクトロクロミック素
    子。
  2. 【請求項2】 基材上にポリイミド薄膜を形成し、その
    ポリイミド薄膜にリソグラフィー法によって微細孔を形
    成して多孔質ポリイミド薄膜を形成し、その空孔中に電
    解質溶液を充填することを特徴とする固体高分子電解質
    薄膜の製造方法。
JP2816893A 1993-02-17 1993-02-17 エレクトロクロミック素子及び高分子電解質薄膜の製造方法 Pending JPH06242474A (ja)

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