JP2009169229A - エレクトロクロミック素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】層間の隙間や気泡が排除され、電極間の導通不良が抑制されたことにより、着色ムラが抑制されたエレクトロクロミック素子を提供する。また、簡便なプロセスでエレクトロクロミック素子を形成できる、エレクトロクロミック素子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のエレクトロクロミック素子1は、対向する第1および第2の透明電極層103、105と、前記第1および第2の透明電極層の間に配置されたイオン伝導性を有する膜109と、前記第1の透明電極層と前記膜との間に配置された第1のエレクトロクロミック層107および前記第2の透明電極層と前記膜との間に配置された酸化還元反応層111と、前記第1の透明電極層と前記第1のエレクトロクロミック層との間および前記第2の透明電極層と前記酸化還元反応層との間に配置された第1および第2の透明導電性樹脂層105、113とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロクロミック素子およびその製造方法、ならびにそれを用いた調光窓に関する。
エレクトロクロミックとは、物質の電気化学的酸化還元反応に伴って光吸収波長が変化する現象であり、1973年にRCAのS.K.Debらより、酸化タングステンの着消色反応が初めて紹介された(Philos.Mag.,Vol.27,p.801(1973))。
このエレクトロクロミック現象の原理は、例えば酸化タングステンの場合、透明電極上に酸化タングステン膜を形成したものと対向電極とを希硫酸や過塩素酸リチウム溶液等の電解液に浸し、これら電極間に酸化タングステン膜が負極側になるように電圧を印加すると、電解液中の水素イオンやリチウムイオンが酸化タングステン膜中に取り込まれてタングステンブロンズが形成され、その際に酸化タングステンが還元されることによって生成したカラーセンターにより濃青色に着色する。逆に、このタングステンブロンズが正極側になるように電圧を印加して酸化を行うと、タングステンブロンズは酸化タングステンに戻り、無色に消色する。
この着消色反応は可逆であり、また、ある酸化還元状態のまま回路を遮断しても長時間その酸化還元状態が保持されるメモリ効果を有する。すなわち、着色状態を維持するために電力は一切必要としない。
この電気的に着消色が可能であり、かつ着色状態を維持するための電力は一切必要としないメモリ性を有することから、表示素子や光シャッター等の光学素子、また調光窓、調光ミラー等への応用、実用化が進められている。
当初は、電解液を挟み込む構造のエレクトロクロミック素子の開発が行われたが、液状物質の保持安定性等が困難を極めた為、全固体型のエレクトロクロミック素子の開発が進展し、これまでに、このエレクトロクロミック現象の原理を利用した調光機能を有するミラーが実用化されるに至っている。
特開2004−205628号公報 特開平01−054422号公報 特開2005−242228号公報 特開2004−062030号公報 特開2003−050406号公報 特開2003−043526号公報 特開2003−015164号公報 特開2003−015163号公報 特開2000−214494号公報
現状の自動車等に用いられている調光ミラーは特許文献1で例示されるように、ガラス基板上に電極層、エレクトロクロミック層、無機電解質層がスパッタや蒸着等の成膜法で形成された構造を有している。これらを面積が大きくなる調光窓に適用しようとした場合、電極間の膜厚が数百〜数μm程度である為に、ピンホール等による短絡が頻発し、作製が困難になるという問題を有していた。
これに対し、例えば、特許文献2や特許文献3において、基板上に導電層、エレクトロクロミック層を積層したものを一対用意し、これらをゲル状電解質で貼り合せる方法が示されている。しかしながら、これらにおいては、ゲル状電解質中の残留溶媒により気泡の発生や素子劣化を招くという点で改善の余地を有していた。一方、貼り合せ前に溶媒を完全に揮発させると、ゲル的な性質を失う為に、貼り合せが困難になるという課題があった。
また、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8において、基板上に導電層、エレクトロクロミック層を積層したものを一対用意し、これらの間にシートまたはフィルム状の固体電解質やイオン伝導性シートまたはフィルムを狭持する構造が示されているが、これらシートまたはフィルム状の固体電解質やイオン伝導性フィルムまたはシートとエレクトロクロミック層との密着性が十分ではない。また、これらのシートまたはフィルムとエレクトロクロミック層との接触性が十分ではなく、これらの間に隙間が生じることがあった。その結果、イオン供給不良点が生じ、エレクトロクロミック層へのイオン供給が不十分になることがあった。さらに、シートまたはフィルムとエレクトロクロミック層とが容易に剥れて分離することがあった。
さらに、特許文献9には、フィルム状に成形した固体電解質上にエレクトロクロミック層および導電層を形成したエレクトロクロミック現象を利用した表示素子が示されている。しかしながら、本素子構成では、固体電解質フィルムの吸水膨張、熱膨張やハンドリング時等の屈曲で容易に導電層にクラックが入り、面内方向における導電性が部分的に失われるために、エレクトロクロミック現象が起こらない箇所が発生することがあった。特に調光窓のような面積の大きな素子の場合には、これらの導通不良が顕著なものになる。
本発明は、以上のような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、層間の隙間や気泡が排除され、また、電極間の短絡や導電層のクラックによる導通不良を抑制することによって着色ムラが低減されたエレクトロクロミック素子を提供するものである。また、簡便なプロセスでエレクトロクロミック素子を形成できる、エレクトロクロミック素子の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記従来技術の有する課題について鋭意検討した結果、エレクトロクロミック素子において、透明導電性樹脂を含む層構造を採用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、対向する第1および第2の透明電極層と、前記第1および第2の透明電極層の間に配置されたイオン伝導性を有する膜と、前記第1の透明電極層と前記膜との間に配置された第1のエレクトロクロミック層および前記第2の透明電極層と前記膜との間に配置された酸化還元反応層と、前記第1の透明電極層と前記第1のエレクトロクロミック層との間および前記第2の透明電極層と前記酸化還元反応層との間に配置された第1および第2の透明導電性樹脂層とを含むエレクトロクロミック素子が提供される。
固体電解質膜等のイオン伝導性を有する膜は、一般に、表面に微細な凹凸を有する。したがって、このイオン伝導性を有する膜の上に他の膜を積層していくと、下地の影響を受けて、表面凹凸を有する膜が順次形成されていく。
しかしながら、このような積層膜では、層間に微細な隙間が生じやすく、従来技術の項で述べたようなイオン供給不良点が発生しやすくなる。
この点、本発明のエレクトロクロミック素子は、透明導電性樹脂を含む層構造を採用しており、透明導電性樹脂が凹凸表面の凹部に入り込んで平坦化する役割を果たすので、上記隙間が生じることを顕著に抑制することができる。そして、透明導電性樹脂と隣接層との間では、接合面全体にわたって均一な接触が実現される。このため、イオン伝導性を有する膜およびエレクトロクロミック層を含む積層膜において、層間に微細な隙間が生じることが抑制される。この結果、以下の作用効果が得られる。
(i)イオン供給不良点の発生が抑えられる。すなわち、積層方向へのイオン供給に関し、積層膜の面内位置によるばらつきが低減される。この結果、対向電極間の導通不良を抑制できる。
(ii)着色ムラが顕著に抑制される。
(iii)積層方向へ進行する光の乱反射成分を低減することができる。
また、本発明によれば、透明導電性樹脂層を構成する透明導電性樹脂が、透明導電性粘着剤または透明導電性接着剤である、エレクトロクロミック素子が提供される。このような構成とすることにより、透明導電性樹脂が凹凸表面の凹部に入り込んで平坦化する機能がさらに顕著となる。
さらに、本発明によれば、第1および第2の基材を用意し、前記第1の基材上に第1の透明電極層を形成するとともに、前記第2の基材上に第2の透明電極層を形成する工程と、イオン伝導性を有する膜を用意する工程と、前記膜の一方の面上に第1のエレクトロクロミック層を形成し、および他方の面上に酸化還元反応層を形成する工程と、前記第1の基材と前記膜とを、第1の透明導電性樹脂を介在させて、前記第1の透明電極層と前記第1のエレクトロクロミック層が前記第1の基材と前記膜との間に配置されるように貼り合わせるとともに、前記第2の基材と前記膜とを、第2の透明導電性樹脂を介在させて、前記第2の透明電極層と前記酸化還元反応層が前記第2の基材と前記膜との間に配置されるように貼り合わせる工程とを含むエレクトロクロミック素子の製造方法が提供される。
上記の方法では、透明導電性樹脂を使用することにより、各構造体を別工程で作成し、貼り合わせるという簡便なプロセスとすることができる。また、イオン伝導性を有する膜を含む部分と、透明電極層を含む部分とが、それぞれ別工程で作製されるため、各構成部分の品質を向上させることができる。すなわち、イオン伝導性を有する膜においては、電極間の短絡の原因となるピンホールの発生を抑制することができる。さらに、透明電極を基材上に形成するため、クラックや割れのない透明電極層を安定的に形成することができ、歩留まり良くエレクトロクロミック素子を製造することが可能となる。
さらに本発明によれば、上述のエレクトロクロミック素子を用いた調光窓または防眩ミラーが提供される。この調光窓または防眩ミラーは、本発明のエレクトロクロミック素子を用いることにより、これまで困難であった大面積の調光窓または防眩ミラーであっても、品質を維持しながら低コストで製造できる。
本発明によれば、層間の隙間や気泡が排除され、着色ムラや対向する電極間の短絡の発生が抑制されたエレクトロクロミック素子が提供される。また、貼り合わせという簡便なプロセスでエレクトロクロミック素子を製造することが可能となり、低コストで品質の向上されたエレクトロクロミック素子を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。なお、すべての図面において同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
また、以下の実施形態において、層や膜の位置関係について使用される、層と層の「間」、「層上」、「順次形成」等の用語は、言及された層同士が直接接していてもよいし、介在層を含んでいてもよい。
(実施形態1)
図1に本実施形態のエレクトロクロミック素子1を示す。この素子は、対向する第1の透明電極層103および第2の透明電極層115を含み、さらに第1および第2の透明電極層103、115の間に配置されたイオン伝導性を有する膜109を含む。さらに、第1の透明電極層103と前記イオン伝導性を有する膜109との間に配置された第1のエレクトロクロミック層107を含み、第1の透明電極層103と第1のエレクトロクロミック層107との間に配置された第1の透明導電性樹脂層105とを含む。またさらに、第2の透明電極層115と前記イオン伝導性を有する膜109との間に配置された酸化還元反応層111を含み、第2の透明電極層115と酸化還元反応層111との間に配置された第2の透明導電性樹脂層113とを含む。
第1および第2の透明電極層103、115は、金属膜や導電性セラミック膜、導電性高分子膜等、導通を示すものであれば特に限定されない。特に調光窓等に適用する場合は、インジウム−スズ酸化物、スズ酸化物、亜鉛酸化物等の透明導電性膜を用いることが好ましい。ここで第1および第2の透明電極層は、同じ材料または異なる材料から構成されていてよい。
第1の透明電極層103は第1の基材101上に形成され、第2の透明電極層115は第2の基材117上に形成される。透明電極層が形成される基材としては、例えば、金属、ガラス、プラスチックフィルムまたはシート等を用いることができる。特に調光窓等に適用する場合は、透明なガラスやプラスチックフィルムまたはシートが好適に用いられる。
ここで、透明電極層は基材上に形成されていてもいなくてもよく、または一方の透明電極層のみが基材上に形成されていてもよい。
本実施形態のエレクトロクロミック素子1は、第1の透明電極層103および第2の透明電極層115との間に配置されたイオン伝導性を有する膜109を含む。例えば、図1に示すように、第1の透明電極層103が第1の基材101上および第2の透明電極層115が第2の基材117上に形成されている場合には、第1の基材101上に第1の透明電極層103、イオン伝導性層109、第2の透明電極層115、および第2の基材117が順次形成されている。
イオン伝導性を有する膜109は、固体電解質またはイオン伝導性材料から構成される。例えば、スルホン酸基を含有するパーフルオロカーボン重合体、もしくは、スルホン酸基を有する芳香族ポリエーテル、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテルケトン、および芳香族ポリアゾールからなる群から選択される一または二以上の芳香族樹脂を用いることができる。
特に、エレクトロクロミック素子を調光窓等に適用する場合は、透明な材料を選択することが好ましい。
イオン伝導性を有する膜109は例えば、上記の材料を溶剤に溶かしたワニスをキャスト成膜することにより得ることが可能である。
イオン伝導性を有する膜の厚さは、例えば、30〜500μm、好ましくは50〜200μmとすることができる。上記の範囲内であれば、膜の十分な強度が得られる。厚さが薄すぎると強度が不足し、破断しやすくなる。一方、膜厚が厚すぎると、エレクトロクロミック現象を起こす印加電圧が大きくなる。
イオン伝導性を有する膜109は通常、凹凸を有する表面形状を有している。イオン伝導性を有する膜109の表面粗さ(Rmax)は、特に限定されないが、10nm〜500nmであり、さらに好ましくは10nm〜300nmである。
本実施形態におけるエレクトロクロミック素子1は、第1の透明電極層103とイオン伝導性を有する膜109との間に配置された第1のエレクトロクロミック層107および第2の透明電極層115とイオン伝導性を有する膜109との間に配置された酸化還元反応層111を含む。
エレクトロクロミック層とは、エレクトロクロミック現象を示す層であり、可視光領域における光透過性を電気的に変化させる層である。一対の透明電極間に電圧を印加すると、第1のエレクトロクロミック層107と酸化還元反応層111は、一方は酸化され、他方は還元されることになり、第1のエレクトロクロミック層107が着消色される。本実施形態では、一方が、単に酸化還元反応時のイオンや電荷の出し入れを行う透明な酸化還元反応層であり、第1のエレクトロクロミック層107のみが酸化還元反応により着消色する。しかしながら、酸化還元反応層111も酸化還元反応により着消色する第2のエレクトロクロミック層であってもよい。一方が酸化反応により着色、還元反応で消色し、他方が還元反応により着色、酸化反応で消色するエレクトロクロミック層の一対の組み合わせが好ましい。エレクトロクロミック層を構成する材料としては、例えば、ビオロゲンに代表される有機化合物や、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化イリジウム等の金属酸化物、プルシアンブルー等からなる群から選択される一または二以上の無機化合物が挙げられる。一般的に、イオン伝導性を有する膜は大きな吸湿性を有するため、スパッタや蒸着等のドライ成膜が可能である酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化イリジウムを特に好ましく用いることができる。
エレクトロクロミック素子1は、第1の透明電極層103と第1のエレクトロクロミック層107との間に配置された透明導電性樹脂層105、および、第2の透明電極層115と第2のエレクトロクロミック層111との間に配置された第2の透明導電性樹脂層113を含む。
第1および第2の透明導電性樹脂層105、113を構成する透明導電性樹脂は、他の層の表面形状に追随して変形できる変形性を有するものである。
通常、イオン伝導性フィルム等の表面は凹凸を有し、その上にスパッタや真空蒸着等のドライプロセスを用いて他の層を積層しても、その凹凸は引き継がれる。この凹凸面と他の凹凸表面または平坦な表面を有する層とを貼り合わせた場合、層間に隙間が生じ、層間の接触性が不良となる。この接触性の不良は、積層方向へのイオンおよび電荷の供給の導通不良を引き起こし、積層膜の面内位置によるばらつきが発生する要因となる。
また、この隙間のサイズによっては光の乱反射成分の増大を引き起こす要因となる。
一方、本発明では透明導電性樹脂が層間の隙間を埋め、気泡を排除することにより、層間のコンタクトを良好なものとすることができる。それにより、イオンおよび電荷の供給不良点の発生を抑制し、積層膜の面内全体にわたってイオンおよび電荷の供給を均一なものとすることができる。すなわち、接合面全体にわたって積層方向における導通不良の問題が解消されるため、積層膜の面内全体にわたって均一な電気的接合を達成することができる。
従って、結果として、着色ムラ等が顕著に抑制された、性能に優れたエレクトロクロミック素子を提供することができる。
さらに、透明導電性樹脂が層間の隙間を埋め、気泡等の光の乱反射成分の存在を低減するため、積層方向へ進行する光の乱反射が抑制されるという効果もある。
第1および第2の透明導電性樹脂層105、113を構成する透明導電性樹脂の導電率は、導電性を有する限り特に限定されないが、例えば、1×10-6S/m以上、1×10-2S/m以下であり、さらに好ましくは、1×10-4S/m以上、1×10-2S/m以下である。
このような範囲であれば、エレクトロクロミック現象の応答速度を著しく損なうことなく着色、消色反応を行うことができる。
また、第1および第2の透明導電性樹脂層105、113を構成する透明導電性樹脂の光透過率は、エレクトロクロミック層の発色が十分に観察できる程度に透明であれば特に限定されないが、例えば70%以上、100%以下であり、さらに好ましくは、80%以上、100%以下である。
このような範囲であれば、エレクトロクロミック現象の着色時において十分な遮光性を有し、また消色時には十分な透明性を確保することができる。
また、透明導電性樹脂層を構成する透明導電性樹脂は、導電性粘着剤または導電性接着剤であってもよい。この場合、層間の密着性を向上させることができる。導電性粘着剤または導電性接着剤は、例えば、(A)粘着剤または(B)凝集、増粘、接着等の性質を持つ材料に、(C)導電性微粒子または(D)導電性高分子を混合したものを用いることができる。
(A)粘着剤の例としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系の粘着剤が挙げられる。
(B)凝集、増粘、接着等の性質を持つ材料の例としては、水溶性高分子天然由来デンプン、ゼラチン、半合成系のカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、合成系のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
また、(C)導電性微粒子の例としては、インジウム−スズ酸化物、スズ酸化物、亜鉛酸化物、金、銀等の導電性微粒子等が挙げられる。
さらに、(D)導電性高分子の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレン、ポリアセン、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン、ポリチェニレンビニレン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェンPEDOT―PSS、ポリピロール、ポリ(3−カルボン酸―ピロール)、ポリパラフェニレンサルファイド、ポリアニリン等が挙げられる。
特に調光窓等に適用する場合は、透明である導電性粘着剤または導電性接着剤が好ましい。
次に、図2(a)〜(d)を参照してエレクトロクロミック素子1の製造方法について説明する。
まず第1の基材101および第2の基材117を用意する。第1の基材101上に第1の透明電極層103を形成し、第2の基材117上に第2の透明電極層115を形成する(図2(a))。透明電極層はスパッタ、真空蒸着法等により基材上に形成することができる。本実施形態では、基材上に透明電極層を形成しているので、透明電極層の割れを防止することができる。
イオン伝導性を有する膜109を用意する(図2(b))。次いで、前記イオン伝導性を有する膜109の一方の面上に第1のエレクトロクロミック層107を形成し、他方の面上に酸化還元反応層111を形成する(図2(c))。エレクトロクロミック層もスパッタ、真空蒸着等の手段を用いて形成することができる。
以上の工程により、i)第1の透明電極層103が形成された第1の基材101、ii)第2の透明電極層115が形成された第2の基材117、およびiii)第1のエレクトロクロミック層107および酸化還元反応層111が形成されたイオン伝導性を有する膜109がそれぞれ別個の構造体として別工程において製造される。これらの構造体は別工程で製造されるため、高品質の構造体を大面積で作ることが可能になる。
次いで、i)第1の透明電極層103が形成された第1の基材101と、iii)第1のエレクトロクロミック層107および酸化還元反応層111が形成されたイオン伝導性を有する膜109と、ii)第2の透明電極層115が形成された第2の基材117とをヒートプレス等により貼り合わせる。ここで、第1の透明電極層103と第1のエレクトロクロミック層107が第1の基材101とイオン伝導性を有する膜109との間に配置されるように、上記i)と上記iii)とを貼り合わせる。すなわち、i)の第1の透明電極層103とiii)の第1のエレクトロクロミック層107とが内側にくるように配置して、i)とiii)とを貼り合わせる。同様に、第2の透明電極層115と酸化還元反応層111が第2の基材117とイオン伝導性を有する膜109との間に配置されるように、上記ii)と上記iii)とを貼り合わせる。すなわち、ii)の第2の透明電極層115とiii)の酸化還元反応層111とが内側にくるように配置して、ii)とiii)とを貼り合わせる(図2(d))。
i)第1の透明電極層103が形成された第1の基材101とiii)第1のエレクトロクロミック層107が形成されたイオン伝導性を有する膜109とは、第1の透明導電性樹脂105を介在させて、ヒートプレス等により貼り合わせる。同様に、ii)第2の透明電極層115が形成された第2の基材117とiii)酸化還元反応層111が形成されたイオン伝導性を有する膜109とは第2の透明導電性樹脂113を介在させて、ヒートプレス等により貼り合わせる(図2(d))。第1および第2の基材101、117とイオン伝導性を有する膜109とを貼り合わせる方法としては、例えば、加圧状態下で行ってよい。また、使用した透明導電性樹脂の硬化条件等に応じて、加圧するとともに、加熱もしくは紫外線照射等によって接合することが可能である。特に、高い密着性の確保と接合層間に気泡が入らないようにするため、一軸プレスやオートクレーブ等の加圧状態下で行うことが望ましい。
透明導電性樹脂層を介在させて基材とイオン伝導性を有する膜とを貼り合わせる方法としては、以下のものが挙げられる。
(a)貼り合わせ面の一方または両方に、透明導電性樹脂層の原料となるワニスを塗布・乾燥した後、基材とイオン伝導性を有する膜とを加圧して接合させる。
(b)透明導電性樹脂からなるシートを貼り合わせ面に挟み込んだ状態で、基材とイオン伝導性を有する膜とを加圧して接合させる。
また、i)第1の透明電極層103が形成された第1の基材101とiii)第1のエレクトロクロミック層107および酸化還元反応層111が形成されたイオン伝導性を有する膜109とを貼り合わせる工程、およびii)第2の透明電極層115が形成された第2の基材117とiii)第1のエレクトロクロミック層107および酸化還元反応層111が形成されたイオン伝導性を有する膜109とを貼り合わせる工程はいずれを先に行ってもよく、または両工程を同時に行ってもよい。例えば、上記i)およびii)と上記iii)とを貼り合わせる工程を同時に行う場合、iii)がi)およびii)間で挟持された状態において、加圧するとともに、加熱もしくは紫外線照射等によって接合することが可能である。
本実施形態では、透明導電性樹脂を用いることにより、透明電極層が形成された一対の基材およびイオン伝導性を有する膜を別工程で製造し、これらを貼り合わせるという、簡便なプロセスによりエレクトロクロミック素子を製造することが可能となる。
従来、各構造体を別工程で製造したとしても、貼り合わせ面における接触性や密着性が十分でないため、貼り合わせが困難であった。また、貼り合わせ後も、貼り合わせ面が容易に剥がれて分離する可能性があった。さらに、貼り合わせた層間に隙間が生じたりした。隙間があると、その隙間の生じた箇所がイオン供給不良点となり、層の積層方向においてイオン供給不良や導通不良が生じる。そのため、エレクトロクロミック層のイオン供給や層間の電気的接続が面内方向においてばらつきを生じることとなる。その結果、着色ムラ等が生じ、従来、貼り合わせが必要な方法において製造されたエレクトロクロミック素子は製品として性能に劣るものであった。
また、エレクトロクロミック素子をスパッタや蒸着のような連続工程で製造した場合、ピンホールを生じやすく、特に面積の大きな素子の場合には作製が困難であった。また、イオン伝導性フィルムの吸水膨張、熱膨張やハンドリング時等の屈曲により、連続工程で形成した透明電極層に割れが生じるという問題があった。
一方、本実施形態においては、透明導電性樹脂を用いることにより、層の表面形状に関わらず層間の接合が容易になる。例えば、一方が凹凸形状の表面を有し、他方が平坦形状の表面またはもう一方の凹凸形状とは一致しない凹凸形状の表面を有していた場合であっても、透明導電性樹脂が表面間の隙間を埋めるため接合が容易になる。すなわち、層間の表面形状が一致しない場合においても均一な接合と密着性を確保できるようになる。さらに、透明導電性樹脂を用いることにより層間の接合が良好となり、層間剥離が防止される。従って、貼り合わせという簡便なプロセスを採ることが可能となる。
また、貼り合わせが可能となったことにより、各構成部分を別工程で形成でき、各構成部分の品質も高めることができる。すなわち、イオン伝導性を有する膜においては、電極間の短絡の原因となるピンホールの発生を抑制することができる。また、透明電極層においては、透明電極を基板上に形成することで、クラックや割れを防止し、透明電極層を安定的に形成することができる。これにより、大面積でも高品質の透明電極を作製することができる。
さらに、簡便なプロセスを用いることにより、低コストでエレクトロクロミック素子を製造することができる。さらに、別工程で作製した各構成部分を用いることにより、歩留まり良く、エレクトロクロミック素子を製造することが可能となる。また、大面積の素子の製造も可能となるので、さらなる低コスト化が可能となる。
(実施形態2)
本実施形態では、透明電極導電性樹脂層とエレクトロクロミック層および酸化還元反応層との間にさらに透明導電層を含むエレクトロクロミック素子2について説明する。
図3に示すように、本実施形態のエレクトロクロミック素子2は、対向する第1および第2の透明電極層103、115と、第1および第2の透明電極層の間に配置されたイオン伝導性を有する膜109とを含む。さらに、この素子は、第1の透明電極層103とイオン伝導性を有する膜109との間に配置された第1のエレクトロクロミック層107と、第1の透明電極層103とエレクトロクロミック層107との間に配置された第1の透明導電性樹脂層105とを含み、さらに第1の透明導電性樹脂層105と第1のエレクトロクロミック層107の間に透明導電層106を含む。
同様に、エレクトロクロミック素子2は、第2の透明電極層115とイオン伝導性を有する膜109との間に配置された酸化還元反応層111と、第2の透明電極層115と酸化還元反応層111との間に配置された第2の透明導電性樹脂層113とを含み、さらに第2の透明導電性樹脂層113と酸化還元反応層111の間に他の透明導電層112を含む。ここで、酸化還元反応層111は第2のエレクトロクロミック層であってもよい。
以下、本実施形態についてさらに詳細に説明する。
本実施形態における、透明電極層、イオン伝導性を有する膜、エレクトロクロミック層、酸化還元反応層、および透明導電性樹脂を構成する材料は実施形態1と同様のものを用いることができる。また、実施形態1と同様、透明電極層は基材上に形成されていてもよい。本実施形態において、第1の透明電極層103は第1の基材101上に形成され、第2の透明電極層115は第2の基材117上に形成されている。
本実施形態において、第1の透明導電性樹脂層105は第1の透明電極層103と第1のエレクトロクロミック層107との間に配置される。さらに、第1の透明導電性樹脂層105と第1のエレクトロクロミック層107との間に透明導電層106が配置される。
ここで、透明導電層106としては、上述の透明電極層と同様の材料を用いることができる。また、イオン伝導性を有する膜109を中心として反対側の構成においても同様に他の透明導電層が形成されていてもよく、具体的には、図3に示すように、他の透明導電層112を酸化還元反応層111と第2の透明導電性樹脂層113との間に含んでもよい。
この場合、第1の基材101上に、第1の透明電極層103、透明導電性樹脂層105、透明導電層106、エレクトロクロミック層107、イオン伝導性を有する膜109、酸化還元反応層111、他の透明導電層112、第2の透明導電性樹脂層113、第2の透明電極層115、第2の基材117が順次形成されていることとなる。
本実施形態においては、さらに透明導電層106、112を配置することにより、面内横方向の伝導性の改善や、デバイス接合の観点からエレクトロクロミック層および酸化還元反応層と透明導電性樹脂層との電気的接合がより良好となる。この結果、第1の透明導電性樹脂層105と第1のエレクトロクロミック層107との間に、金属膜や導電性セラミック膜、導電性高分子膜等導電層などの透明導電層106を設けることにより、エレクトロクロミック層107の着色性が向上する。
以上のように形成したエレクトロクロミック素子において、透明電極層に電圧を印加することにより着消色ができる。すなわち、電極間に印加した電圧により、濃青色と透明の間の色調を自由に制御できる調光窓を形成することができる。
これらの実施形態におけるエレクトロクロミック素子は、自動車等に使用される調光窓や防眩ミラーに適用することができる。
調光窓の製造方法としては、例えば以下の通りである。透明電極層が形成された強化ガラス基板の透明電極層に透明導電性樹脂層が形成されたものを2枚用意する。これらの間にエレクトロクロミック層が両面に形成されたイオン伝導膜が配置されるように貼り合わせることによって、調光窓を製造することができる。
また、防眩ミラーの製造方法としては、例えば以下の通りである。透明電極層が形成されたガラス基板の透明電極層に透明導電性樹脂層が形成されたものを一対用意し、一方は、透明電極層とガラス基板の間に鏡面を有する金属層が形成されたものとする。これらの間にエレクトロクロミック層が両面に形成されたイオン伝電性を有する膜が配置されるように貼り合わせることによって、防眩ミラーを製造することができる。防眩ミラーの場合は、鏡面を有する金属層が十分な導電性を有する場合、透明電極層を省き、ガラス基板上の金属層上に透明導電性樹脂層を形成することが可能である。さらにこの場合、ガラス基板を金属基板に置き換えることも可能である。
これらの実施形態において、層間の隙間や気泡が排除され、層間剥離、および対向する電極間の導通不良や短絡が抑制された着色ムラの少ないエレクトロクロミック素子が提供される。電極間の導通不良や短絡が抑制されているため大面積のエレクトロクロミック素子が初めて提供できる。また、これまで困難であった大面積のエレクトロクロミック素子を用いた調光窓等を歩留良く、低コストで製造することができる。さらに、貼り合せという簡便なプロセスで、品質の向上されたエレクトロクロミック素子を製造することができる。
本発明について、以下に実施例を示して具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術範囲において、種々の形態に変更可能である。
(実施例1)
スルホン酸基を含有するパーフルオロカーボン重合体からなる、厚み125μmのイオン伝導性フィルム(製品名Nafion、Dupont製)を用意した。このイオン伝導性フィルムの表面粗さ(Rmax)は、原子間力顕微鏡により20μmエリアにおいて測定した結果、270nmであった。イオン伝導性フィルムを10cm×9cmの四角形に切り出し、片面に酸化タングステン粉末を用いた抵抗加熱蒸着法により酸化タングステン薄膜を膜厚300nmとなるように成膜を行った。その後、反対面にNiターゲットを用い、酸素分圧が0.08Pa、全圧が0.27Paとなるようにアルゴン(Ar)および酸素を導入した。次いで、DC電流が0.4AとなるようにDCスパッタを行い、酸化ニッケル薄膜を膜厚100nmとなるように成膜を行った。さらに、酸化タングステンおよび酸化ニッケルのそれぞれの表面に、インジウムスズ酸化物ターゲットを用い、酸素分圧が0.05Pa、全圧が0.13PaとなるようにArおよび酸素を導入した。その後、RF電力が200WとなるようにRFスパッタを行い、透明導電性のインジウムスズ酸化物薄膜を膜厚30nmとなるように成膜を行い、構造体Aを作製した。
次に、分子量が20,000であるポリエチレングリコールの水溶液とポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)混合水溶液(Baytron P HCV4、Bayer製)を用意した。ポリエチレングリコールとPEDOT/PSSの重量比で4:1となるように混合した水溶液を調製した。抵抗率0.02Ωcm以下のシリコンウェハー上に1μmの厚みとなるように透明導電性樹脂として前記水溶液を塗布し、さらにその上に同等のシリコンウェハーを積層し、導電率の測定を行った。透明導電性樹脂の導電率は、3×10-4S/mであった。また、ガラス基板上に0.8μmの厚みとなるように透明導電性樹脂を塗布し、可視紫外分光光度計により380nm〜780nmにおいて2nm置きに光透過率を測定した。透明導電性樹脂の光透過率の平均値は77%であった。
インジウムスズ酸化物からなる透明電極膜が150nmで成膜された10cmの大きさのガラス基板を2枚用意した。これらのガラス基板の透明電極膜上に、透明導電性樹脂としてこの水溶液をスピンコートすることによって透明導電性の粘着性を有する樹脂膜を形成し、構造体Bを作製した。この構造体Bを2枚用意し、スピンコート膜が生乾きになったところで、構造体Aを2枚の構造体Bで挟み込み、140℃で10分間、40kPaの圧力で熱プレスを行い、これらを貼り合せた。図3に示す構造と同様のエレクトロクロミック素子が形成された。
この素子に、酸化タングステン側が正極、酸化ニッケル側が負極となるように直流電源を接続し、4Vの電圧を印加したところ、素子は透明になり、その後電圧印加を停止した後も透明な状態を維持した。続いて今度は、酸化タングステン側が負極、酸化ニッケル側が正極となるように直流電源を接続し、4Vの電圧を印加したところ、素子は濃紺色に変化し、着色ムラは見られなかった。その後電圧印加を停止した後も濃紺色の状態を維持した。その後、これら一連の動作を繰り返したところ、正負の極性の向きにより透明と濃紺色を行き来する変化が観測された。
(比較例1)
実施例1と同様の手順を用いて、構造体Aを作製した。
インジウムスズ酸化物からなる透明電極膜が150nmで成膜された10cmの大きさのガラス基板を2枚用意した。これらの透明電極膜と構造体Aとが接するように、2枚の透明電極膜で構造体Aを挟み込んだ。140℃で10分間、40kPaの圧力で熱プレスを行い、これらを貼り合せることにより、エレクトロクロミック素子を形成した。プレス後取り出した際、十分かつ均一な密着が得られていなかった。そのため、部分的にはがれる部分が発生した。また、この素子に直流電源を接続して4Vの電圧を印加したところ、着消色ムラが現れた。
以上の通り、実施例1では、透明導電性樹脂を介して貼り合わせを行うことにより、着色ムラの抑制されたエレクトロクロミック素子が得られた。一方、比較例1では、透明導電性樹脂を用いないため、得られたエレクトロクロミック素子には着色ムラが見られ、品質に劣るものであった。
本発明のエレクトロクロミック素子は、調光窓をはじめとする大きな面積を有する調光機能部材に適用可能である。
本発明のエレクトロクロミック素子の一実施形態を示す断面図である。 本発明のエレクトロクロミック素子の製造工程の一実施形態を示す断面図である。 本発明のエレクトロクロミック素子の一実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 エレクトロクロミック素子
2 エレクトロクロミック素子
101 第1の基材
103 第1の透明電極層
105 第1の透明導電性樹脂層
106 透明導電層
107 第1のエレクトロクロミック層
109 イオン伝導性を有する膜
111 酸化還元反応層
112 他の透明導電層
113 第2の透明導電性樹脂層
115 第2の透明電極層
117 第2の基材

Claims (15)

  1. 対向する第1および第2の透明電極層と、
    前記第1および第2の透明電極層の間に配置されたイオン伝導性を有する膜と、
    前記第1の透明電極層と前記膜との間に配置された第1のエレクトロクロミック層および前記第2の透明電極層と前記膜との間に配置された酸化還元反応層と、
    前記第1の透明電極層と前記第1のエレクトロクロミック層との間および前記第2の透明電極層と前記酸化還元反応層との間に配置された第1および第2の透明導電性樹脂層と、
    を含むエレクトロクロミック素子。
  2. 前記酸化還元反応層が第2のエレクトロクロミック層である、請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 前記透明導電性樹脂層を構成する透明導電性樹脂の導電率が、1×10-6S/m以上、1×10-2S/m以下である、請求項1または2に記載のエレクトロクロミック素子。
  4. 前記透明導電性樹脂層を構成する透明導電性樹脂の光透過率が70%以上、100%以下である、請求項1乃至3のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  5. 前記透明導電性樹脂層を構成する透明導電性樹脂が、透明導電性粘着剤または透明導電性接着剤である、請求項1乃至4のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  6. 前記第1の透明導電性樹脂層と前記第1のエレクトロクロミック層との間および前記第2の透明導電性樹脂層と前記酸化還元反応層との間に、さらに透明導電層が配置された、請求項1乃至5のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  7. 前記第1の透明電極層および/または前記第2の透明電極層の外側の面に基材が設けられた、請求項1乃至6のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  8. 前記イオン伝導性を有する膜が、スルホン酸基を含有するパーフルオロカーボン重合体により構成されている、請求項1乃至7のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  9. 前記イオン伝導性を有する膜が、スルホン酸基を有する芳香族ポリエーテル、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテルケトンおよび芳香族ポリアゾールからなる群から選択される一または二以上の芳香族樹脂からなる、請求項1乃至7のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  10. 前記エレクトロクロミック層が、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケルおよび酸化イリジウムからなる群から選択される一または二以上の金属酸化物を含む、請求項1乃至9のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  11. 第1および第2の基材を用意し、前記第1の基材上に第1の透明電極層を形成するとともに、前記第2の基材上に第2の透明電極層を形成する工程と、
    イオン伝導性を有する膜を用意する工程と、
    前記膜の一方の面上に第1のエレクトロクロミック層を形成し、他方の面上に酸化還元反応層を形成する工程と、
    前記第1の基材と前記膜とを、第1の透明導電性樹脂を介在させて、前記第1の透明電極層と前記第1のエレクトロクロミック層が前記第1の基材と前記膜との間に配置されるように貼り合わせるとともに、
    前記第2の基材と前記膜とを、第2の透明導電性樹脂を介在させて、前記第2の透明電極層と前記酸化還元反応層が前記第2の基材と前記膜との間に配置されるように貼り合わせる工程と、
    を含むエレクトロクロミック素子の製造方法。
  12. 前記酸化還元反応層が、第2のエレクトロクロミック層である、請求項11に記載のエレクトロクロミック素子の製造方法。
  13. 前記透明導電性樹脂が、透明導電性粘着剤または透明導電性接着剤である、請求項11または12に記載のエレクトロクロミック素子の製造方法。
  14. 前記第1の基材と前記膜および前記第2の基材と前記膜とを、透明導電性樹脂を介在させて貼り合わせる際に、加圧状態下で貼り合せを行う、請求項11乃至13のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子の製造方法。
  15. 請求項1乃至10のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子を用いた調光窓または防眩ミラー。
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