JPH11106500A - ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体、並びに、該ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体、並びに、該ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

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JPH11106500A
JPH11106500A JP10146443A JP14644398A JPH11106500A JP H11106500 A JPH11106500 A JP H11106500A JP 10146443 A JP10146443 A JP 10146443A JP 14644398 A JP14644398 A JP 14644398A JP H11106500 A JPH11106500 A JP H11106500A
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Hitoshi Watanabe
均 渡邉
Mikio Matsufuji
幹夫 松藤
Shinsuke Matsumoto
信介 松本
Masako Nishikawa
存子 西川
Tsukuru Izukawa
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正昭 青木
Tadahito Nobori
忠仁 昇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量化した場合でも、総不飽和度が低
く、H−T結合選択率が高く、分子量分布がシャープで
あるポリルオキシアルキレンポリオール、並びに、その
製造方法及び誘導体を提供する。 【解決手段】 ホスファゼニウム化合物を触媒として用
いて得られた、水酸基価が2〜200mgKOH/g、
総不飽和度が0.0001〜0.07meq./g、ポ
リオキシプロピレンポリオールのH−T結合選択率が9
5モル%以上であり、且つ、GPC溶出曲線のピークの
最大高さを100%とし、そのピーク高さの20%での
ピーク幅をW20、ピーク高さの80%でのピーク幅をW
80と定義したとき、それらの比(W20/W80)が1.5
以上、3未満であるポリオキシアルキレンポリオール、
並びに、その製造方法及び誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオキシアルキ
レンポリオール、その製造方法及びそのポリオキシアル
キレンポリオールの誘導体に関する。詳しくは、ホスフ
ァゼニウム化合物触媒の存在下、活性水素化合物にアル
キレンオキサイドを付加重合することにより得られるポ
リオキシアルキレンポリオール及びその製造方法、並び
に該ポリオキシアルキレンポリオールの誘導体である、
ポリマー分散ポリオール、イソシアネート基末端プレポ
リマー、ポリウレタン樹脂、ポリオキシアルキレンポリ
アミン及び該ポリオキシアルキレンポリアミンを原料と
するポリウレタンウレア樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ポリオキシアルキレンポリオール
は、水酸化カリウム(以下、KOHと略する)触媒の存
在下、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加重
合することにより、工業的規模で製造されている。KO
H触媒と重合開始剤である活性水素化合物を仕込んだ反
応機にアルキレンオキサイドを連続的に装入しながら、
反応温度105〜150℃、最大反応圧力490〜58
8kPa(5〜6kgf/cm2 )の条件で、所定の分
子量が得られるまで反応させ、粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオールを得る。次いで、粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール中のカリウムを無機酸等の酸で中和した
後、脱水、乾燥して析出したカリウム塩を濾過する等の
後処理精製工程を経て製造されている。
【0003】従来、ポリオキシアルキレンポリオールの
生産性を高める検討が種々なされている。例えば、モノ
マーであるアルキレンオキサイドの反応速度を高めるた
め、反応時のアルキレンオキサイド濃度を高くする、触
媒の量を増やす、反応温度を上げる、等の方法が知られ
ている。然し、KOH触媒を用い、アルキレンオキサイ
ドとして最も広く使用されているプロピレンオキサイド
を付加重合する場合、上記方法を適用すると、ポリオキ
シアルキレンポリオールの分子量の増加と共に、分子末
端に不飽和基を有するモノオールが副生することが知ら
れている。通常、モノオールの含有量は、ポリオキシア
ルキレンポリオールの総不飽和度(以下、C= Cと表記
する)に対応する。このモノオールは、主反応により生
成するポリオキシアルキレンポリオールと比較して低分
子量であるため、ポリオキシアルキレンポリオールの分
子量分布を大幅に広げ、平均官能基数を低下させる。従
って、モノオール含有量の高いポリオキシアルキレンポ
リオールを使用したポリウレタン樹脂は、フォーム、エ
ラストマーを問わず、ヒステリシスの増大、硬度の低
下、伸長性の低下、キュア性の低下、永久圧縮歪みの増
加等の好ましくない結果を伴う。
【0004】そこで、副生モノオールの生成を抑制し、
且つ、ポリオキシアルキレンポリオールの生産性の向上
を図ることが種々検討されている。例えば、USP3,
829,505号公報、USP4,472,560号公
報には、プロピレンオキサイド付加重合用の触媒とし
て、複金属シアン化物錯体(Double Metal
Cyanide Complex;以下、DMCと言
う)触媒を用いる方法が提案されており、DMCは、プ
ロピレンオキサイドの重合触媒として優れた性能を示す
ことが記載されている。然し、DMCを触媒として用
い、アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイドを
付加重合する場合には、一旦、酸素を含んだガス、過酸
化物、硫酸などの酸化剤との反応によりDMCを失活さ
せ、ポリオールから触媒残渣を分別し、更に、KOHの
ようなアルカリ金属水酸化物やアルカリ金属アルコキシ
ド等を触媒として用いてエチレンオキサイドを付加重合
する必要がある(USP5,235,114号公報)。
【0005】又、USP5,093,380号公報(カ
ラム2、58〜68行)には、C=Cの低いポリオキシ
アルキレンポリオールを用いた軟質ポリウレタンフォー
ムの製造方法が開示されている。そして、このようなC
=Cの低いポリオキシアルキレンポリオールは、アルカ
リ触媒以外のもの、例えば、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金
属ポルフィリン、DMC等の触媒の存在下に得られ、特
に、DMC触媒が好ましいことが記載されている。又、
特開平4−59825号公報には、DMCを用いてポリ
エーテル類を製造する場合、イニシエーター(重合開始
剤)が低分子量であると、モノエポキサイドの反応が起
こらない、あるいは、反応速度が極めて遅いという問題
があることが記載されている。そして、これらの問題を
解決するためは、あらかじめプロピレンオキサイドを付
加重合したポリオキシプロピレングリコールをその重合
開始剤として使用する必要があると記載されている。然
し、その方法は、使用可能な重合開始剤が制約される
上、製造工程が煩雑になる。
【0006】ポリオキシアルキレンポリオールを高分子
量化させた場合には、ポリオキシアルキレンポリオール
の粘度は上昇する傾向にあるが、特に、DMCを用いた
場合にはその傾向が顕著に現れる。USP5,300,
535号公報には、DMCを触媒とした高分子量ポリオ
キシアルキレンポリオールは粘度が高いため、アクリレ
ート系、ビニルエーテル系の化合物を低粘度化剤として
使用することが教示されている(カラム2、5行〜カラ
ム4、12行)。本発明者らが調査した結果、ポリオー
ルの粘度が高い場合には、軟質ポリウレタンフォームを
機械発泡成形するとき、その成形安定性や混合性の面で
支障が生じたり、又、ポリオールを高分子量化した時の
作業性、助剤との混合性が低下するといった問題が生じ
る。
【0007】一方、特開平7−278289号公報に
は、水酸基価(以下、OHVと言う)10〜35mgK
OH/g、モノオール最大含有量15モル%であり、更
に、プロピレンオキサイド付加重合によるヘッド−トウ
−テイル(Head−to−Tail、以下、単にH−
Tと言う)結合選択率が96%であることを特徴とする
ポリオキシアルキレンポリオールが開示されている。更
に、その公報には、ポリオールの製造触媒として、アル
カリ金属水酸化物が90重量%以上の純度で、水酸化セ
シウム及び水酸化ルビジウムから選ばれる化合物のうち
少なくとも1種類を含む組成であることが記載されてい
る。上記ポリオキシアルキレンポリオールは、モノオー
ル含有量を低下させても粘度が低く、又、得られる軟質
ポリウレタンフォームの機械的性質も良好であり、優れ
た特性を有するポリオキシアルキレンポリオールであ
る。然し、水酸化セシウムを触媒として、OHVが15
mgKOH/gであり、且つ、モノオールの含有量が1
5モル%以下のポリオキシアルキレンポリオールを製造
するためにはかなりの反応時間を要するので、ポリオー
ルの生産性を考慮した場合、それは必ずしも満足し得る
触媒とはいえない。
【0008】ポリオキシアルキレンポリオールを分散媒
としたポリマー分散ポリオール、及びそれを用いたポリ
ウレタン樹脂の特性は、分散媒であるポリオキシアルキ
レンポリオールの構造、組成等に大きく影響される。特
開平3−14812号公報には、ジエチル亜鉛、塩化
鉄、金属ポルフィリン、DMCを触媒として得られたポ
リオキシアルキレンポリオールを分散媒とするポリマー
分散ポリオールの製造方法が教示されている。又、ポリ
オキシアルキレンポリオール中のC=Cを低減すること
により、そのポリオールを分散媒とするポリマー分散ポ
リオールを使用した軟質ポリウレタンフォームの特性が
向上すると記載されている。然し、本発明者らの研究に
よれば、上記DMCを使用したポリオキシアルキレンポ
リオールを分散媒としたポリマー分散ポリオールは、粘
度が高く、これらを用いた軟質ポリウレタンフォーム
は、湿熱耐久性に劣ると言う欠点がある。
【0009】又、特開平7−330843号公報には、
OHV10〜35mgKOH/g、モノオール最大含有
量15モル%であり、更に、プロピレンオキサイド付加
重合によるH−T結合選択率が96%であるポリオキシ
アルキレンポリオールを分散媒としたポリマー分散ポリ
オールが開示されている。そして、そのポリオールは、
90重量%以上の純度の水酸化セシウム、水酸化ルビジ
ウムから選ばれる化合物のうち少なくとも1種類を含む
アルカリ金属を触媒として製造されることが記載されて
いる。上記ポリオキシアルキレンポリオールを分散媒と
するポリマー分散ポリオールは、ポリマー濃度を高くし
た場合であっても、優れた分散安定性を有する。然し、
前述したように、上記触媒を用いて、モノオールの含有
量を低減したポリオキシアルキレンポリオールを生産す
るには、その製造時間が長くなるため、ポリオール及び
ポリマー分散ポリオールの生産性を考慮した場合、必ず
しも満足し得る方法とはいえない。
【0010】ポリオキシアルキレンポリオールとポリイ
ソシアネート化合物を反応させて得られるイソシアネー
ト基末端プレポリマーについても、ポリオキシアルキレ
ンポリオールの構造、組成が、プレポリマー並びにそれ
を用いたポリウレタン樹脂の物性に大きく影響する。U
SP5,096,993号公報、及びUSP5,11
6,931号公報には、DMCを触媒としたC=Cの低
いポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させ
たイソシアネート基末端プレポリマー、並びにそれらを
用いた熱可塑ポリウレタンエラストマー(USP5,0
96,993号公報)、及び、熱硬化ポリウレタンエラ
ストマー(USP5,116,931号公報)がそれぞ
れ教示されている。USP5,096,993号公報に
は、低硬度のポリウレタンエラストマーを得るため、C
=Cが0.04meq./g以下である高分子量のポリ
オール(数平均分子量2,000〜20,000)が有
効であることが記載されている。更に、ポリオールの数
平均分子量が4,000未満である場合、オキシエチレ
ン基の含有量が35重量%未満であることが好ましいと
記載されている。因に、実施例(ポリオールA、C、
D)においては、オキシエチレン基の含有量が7〜23
重量%であるポリオールが記載されている。
【0011】然し、オキシエチレン基を含有するポリオ
ールは、DMC触媒を用いてプロピレンオキサイドを付
加重合した後、更に、水酸化カリウムの如きアルカリ金
属触媒を併用して、エチレンオキサイドを付加重合しな
ければならない。そのため、製造工程が煩雑である。
又、前述したようにポリオキシアルキレンポリオールを
高分子量化させた場合には、ポリオキシアルキレンポリ
オールの粘度が上昇する傾向にある。特に、触媒として
DMCを用いた場合、その傾向が顕著である。そのた
め、ポリイソシアネート化合物と反応させたイソシアネ
ート基末端プレポリマーの粘度も上昇するため、作業性
が低下する。特開平6−16764号公報には、水酸基
数1.5以上、OHVが5〜80mgKOH/g、C=
Cが0.07meq./g以下であるポリオキシアルキ
レンポリオール中で重合性不飽和基含有モノマーの重合
体を含有するポリマー分散ポリオールと有機ポリイソシ
アネートを反応させて得られるイソシアネート基末端ポ
リウレタンプレポリマーを硬化成分とするポリウレタン
系硬化性組成物が教示されている。実施例には、ポリオ
キシアルキレンポリオールの製造法は記載されていない
が、カラム2、33〜39行には、触媒としてDMCを
用いて、上記ポリオールが得られることが記載されてい
る。然し、本発明者らの知見によれば、DMCを触媒と
したポリオールを分散媒とするポリマー分散ポリオール
は粘度が高く、それらを用いたイソシアネート基末端プ
レポリマーの粘度も高くなると言う問題がある。更に、
エチレンオキサイドをポリオール末端に共重合させるた
めには、KOHなどのアルカリ金属触媒を必要とするた
め、製造工程が煩雑になる。
【0012】ポリオールとポリイソシアネート化合物を
反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーを製造す
る場合、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネー
ト化合物が広く使用されている。然し、通常、その芳香
族ポリイソシアネート化合物を用いたプレポリマーに
は、未反応の遊離ポリイソシアネート化合物が残存す
る。その場合、その毒性が問題となるだけでなく、ポリ
ウレタンエラストマーを製造する際に鎖延長剤との反応
の制御が困難となったり、得られるポリウレタンエラス
トマーのヒステリシスロスが大きくなる等の問題があっ
た。これらの問題を解決する方法として、例えば、特公
平6−13593号公報には、2,6−異性体を1重量
%を超えて含有する2,4−及び2,6−トリレンジイ
ソシアネートの混合物とポリオールとを、NCO基とO
H基の当量比2.5〜5.0以下で反応させた後、減圧
蒸留法で遊離のトリレンジイソシアネートをその含有量
が1重量%以下となるまで留去して得たプレポリマー組
成物が開示されている。
【0013】そのプレポリマー組成物は、ポットライフ
が長く、施工性が良好であると共に、ヒステリシスロス
が改良されたポリウレタンエラストマーを与えることが
記載されている。その公報には、平均分子量が200〜
6,000であるポリオールを用いることが記載されて
いる。然し、その公報には、モノオールの含有量が少な
いポリオールを用いることの利点等については何も言及
されていない。ポリウレタンエラストマーの機械的性質
を向上させるため、従来から、モノオール含有量が低
く、且つ、高分子量のポリオキシアルキレンポリオール
を用いたイソシアネート基末端プレポリマーについて多
くの検討がなされてきた。前述の通り、USP5,09
6,993号及び同5,116,931号公報には、D
MCを触媒としたモノオールの含有量が低いポリオール
を用いたイソシアネート基末端プレポリマーが記載され
ている。然し、モノオールの含有量が低いポリオールを
用い、更に、遊離イソシアネート化合物の含有量を低減
したプレポリマーと、そのプレポリマーから得られるポ
リウレタンの機械的物性との関係については何らの教示
もない。
【0014】次いで、ポリオキシアルキレンポリアミン
の従来の技術について説明する。ポリオキシアルキレン
ポリアミンは、ポリイソシアネート化合物との反応性に
富むため、主としてスプレー法や反応射出成形法(Re
action Injection Mold、以下、
RIMと言う)により成形されるポリウレタンウレア樹
脂の原料として使用される。通常、スプレー法やRIM
法は、極めて速いサイクルタイムをもつプロセスであ
り、2〜4秒間で成形物が得られるため、短時間にかな
りの反応熱が発生する。そのため、成形過程における樹
脂の熱特性が重要である。特開平6−16763号公報
では、DMCを触媒とした高分子量ポリオール、及びそ
のポリオールをアミンキャッピングして得られたポリア
ミンが記載されている。更に、それらを用いて調製され
たエラストマーは、ポリオール中のエチレン性不飽和基
含有量(C=Cに相当する)が低いため、低い熱たるみ
と、高い熱変形温度の特徴をもつ優れた熱特性を有する
ことが記載されている(カラム13、19行〜カラム1
4、20行)。
【0015】DMCをアルキレンオキサイド、特にプロ
ピレンオキサイドの重合触媒として用いることにより、
ポリオール中のC=Cが低く、高分子量のポリオールが
得られる。然し、この方法で得られるポリオキシアルキ
レンポリオールには、粘度が高いという欠点があること
は前述した通りである。本発明者らの実験によれば、D
MCを触媒として得られるポリオールを前駆体としたポ
リオキシアルキレンポリアミンは粘度が高く、スプレー
法、RIM法等の衝突混合により樹脂を成形する分野で
は、液の混合性が悪化することがわかった。その結果、
成形物の表面状態が悪化し、更に、伸び、硬度、引張強
度等の機械的性質が低下するものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加重合
して高分子量化した場合にも、C=Cが低く、H−T結
合選択率が高く、かつ、主反応成分のポリオールの分子
量分布がシャープであるポリオキシアルキレンポリオー
ル及びその製造方法を提供することにある。本発明の第
2の目的は、上記ポリオキシアルキレンポリオールから
誘導される低粘度で分散安定性に優れたポリマー分散ポ
リオールを提供することにある。本発明の第3の目的
は、上記ポリオキシアルキレンポリオールから誘導され
る、イソシアネート基末端プレポリマー、及び、遊離イ
ソシアネート化合物の含有量が少ないイソシアネート基
末端プレポリマーを提供することにある。本発明の第4
の目的は、上記ポリマー分散ポリオールから誘導され
る、貯蔵安定性に優れたイソシアネート基末端プレポリ
マーを提供することにある。本発明の第5の目的は、上
記イソシアネート基末端プレポリマーから誘導される、
力学特性、耐水性に優れ、タックが低いポリウレタン樹
脂を提供することにある。本発明の第6の目的は、上記
ポリオキシアルキレンポリオールから誘導される、低粘
度のポリオキシアルキレンポリアミンを提供することに
ある。本発明の第7の目的は、上記ポリオキシアルキレ
ンポリアミンから誘導される、表面状態が良好で、機械
的特性に優れたポリウレタンウレア樹脂を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定のホスファゼ
ニウム化合物を触媒とし、特定の温度及び圧力におい
て、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加重合
して粗製ポリオキシアルキレンポリオールを製造し、更
に、その粗製ポリオキシアルキレンポリオールを特定の
方法で精製することにより、上記課題を解決し、優れた
特性を有するポリオキシアルキレンポリオールが得られ
ることを見出し、後に詳述する第1発明と第2発明を完
成した。又、本発明者らは,更に、 上記特性を有するポリオキシアルキレンポリオール
から、低粘度で分散安定性に優れたポリマー分散ポリオ
ールが得られること(第3発明)、 上記特性を有するポリオキシアルキレンポリオー
ル、又は、ポリマー分散ポリオールから貯蔵安定性に優
れたイソシアネート基末端プレポリマーが得られること
(第4発明及び第5発明)、 上記特性を有するポリオキシアルキレンポリオール
を用いて、遊離イソシアネート化合物の含有量を特定濃
度以下に制御したイソシアネート基末端プレポリマーか
ら、力学特性、耐水性に優れ、タックが低いポリウレタ
ン樹脂が得られること(第6発明)、 上記特性を有するポリオキシアルキレンポリオール
から、低粘度のポリオキシアルキレンポリアミンが得ら
れること(第7発明)、 上記特性を有するポリオキシアルキレンポリアミン
から、表面状態が良好で、機械的特性に優れたポリウレ
タンウレア樹脂が得られること(第8発明)、 を見出し、それぞれの発明を完成した。
【0018】依って、本発明は上記の第1発明ないし第
8発明を包摂するものである。即ち、第1発明は、ホス
ファゼニウム化合物を触媒として得られたポリオキシア
ルキレンポリオールであって、OHVが2〜200mg
KOH/g、C=Cが0.0001〜0.07meq.
/g、H−T結合選択率が95モル%以上であり、且
つ、そのGPC溶出曲線において、ピークの最大高さを
100%とした際に、そのピーク高さの20%でのピー
ク幅をW20、ピーク高さの80%でのピーク幅をW80
定義すると、W80に対するW20の比、即ちW20/W
80(以下、単にW20/W80とする)が1.5以上、3未
満であることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオ
ールである。
【0019】第1発明における上記ホスファゼニウム化
合物として、化学式(1)で表されるホスファゼニウム
カチオンと無機アニオンとの塩、又は、化学式(2)で
表されるホスファゼニウム化合物を用いることが好まし
い。 化学式(1)〔化3〕
【化3】
【0020】化学式(2)〔化4〕
【化4】 但し、ここで、化学式(1)及び(2)の中で、a、
b、c及びdは、全てが同時には0とならない0〜3の
整数である。Rは同種又は異種の炭素数1〜10個の炭
化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが結合して
環構造を形成する場合もある。化学式(1)でrは1〜
3の整数であってホスファゼニウムカチオンの数を表
し、Tr-は価数rの無機アニオンを示し、化学式(2)
のQ- はヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、ア
リールオキシアニオン又はカルボキシアニオンを示す。
【0021】第1発明のポリオキシアルキレンポリオー
ルの好ましい特性は、OHVが9〜120mgKOH/
g、C=Cが0.0001〜0.05meq./g、H
−T結合選択率が96モル%以上であり、且つ、W20
80が2以上、3未満である上記のポリオキシアルキレ
ンポリオールであり、更に好ましくは、C=Cが0.0
001〜0.03meq./g、更には、ホスファゼニ
ウム化合物触媒の残存量が150ppm以下であること
である。
【0022】第2発明は、化学式(1)で表されるホス
ファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩及び活性水
素化合物のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩の存
在下で、又は、化学式(2)で表されるホスファゼニウ
ム化合物と活性水素化合物の存在下で、活性水素化合物
1モルに対して化学式(1)又は化学式(2)で表され
るホスファゼニウム化合物を1×10-4〜5×10-1
ルの範囲で調製し、反応温度が15〜130℃、最大反
応圧力が882kPa(9kgf/cm2 )である条件
下で、アルキレンオキサイドを付加重合して粗製ポリオ
キシアルキレンポリオールを製造し、次いで、下記e〜
hのいずれか一つの方法により、粗製ポリオキシアルキ
レンポリオールに含まれるホスファゼニウム化合物の除
去操作を行なうことを特徴とするポリオキシアルキレン
ポリオールの製造方法である。 e.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に対して、水を1〜40重量部加えた後、粗製ポリオキ
シアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1
モルに対して無機酸又は有機酸を0.5〜8モル添加
し、50〜130℃でホスファゼニウム化合物を中和
し、その後、粗製ポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対して吸着剤を0.005〜2.5重量部添
加し、減圧処理により水を留去し、ろ過操作によりホス
ファゼニウム塩及び吸着剤を除去する。 f.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に対して、ポリオキシアルキレンポリオールに不活性な
有機溶剤及び水の混合物を1〜40重量部加えた後、粗
製ポリオキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウ
ム化合物1モルに対して無機酸又は有機酸を0.5〜8
モル添加し、50〜130℃でホスファゼニウム化合物
を中和し、その後、粗製ポリオキシアルキレンポリオー
ル100重量部に対して吸着剤を0.005〜2.5重
量部添加し、減圧処理により水及び有機溶剤を留去し、
ろ過操作によりホスファゼニウム塩及び吸着剤を除去す
る。 g.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に水単独、又は、水とポリオキシアルキレンポリオール
に不活性な有機溶剤との混合物を1〜200重量部添加
して分液し、水洗後、減圧処理により水及び有機溶剤を
留去する。 h.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に水を20〜200重量部加え15〜100℃でイオン
交換樹脂と接触させた後、減圧処理により脱水を行う。
【0023】而して、この精製方法に於いては、上記e
法及びf法において、粗製ポリオキシアルキレンポリオ
ール中のホスファゼニウム化合物1モルに対して無機酸
又は有機酸を0.5〜2.5モル、及び、粗製ポリオキ
シアルキレンポリオール100重量部に対して吸着剤を
0.005〜1.5重量部添加することが推奨される。
他の好ましい方法として、化学式(1)及び(2)中の
a、b、c、d及びrを、全て1とし、化学式(1)の
- を塩素イオンとし、化学式(2)のQ- をヒドロキ
シアニオンとする方法を採用することができる。更に他
の好ましい方法は、活性水素化合物1モルに対して、化
学式(1)又は化学式(2)で表されるホスファゼニウ
ム化合物を5×10-4〜1×10-1モルの範囲で調製
し、反応温度が40〜120℃、最大反応圧力が686
kPa(7kgf/cm2 )である条件下で、アルキレ
ンオキサイドを付加重合して粗製ポリオキシアルキレン
ポリオールを製造し、これを精製する方法である。
【0024】第3発明は、ポリオール中にポリマー粒子
が分散したポリマー分散ポリオールであって、ポリオー
ルが上記第1発明のポリオキシアルキレンポリオールで
あり、且つ、ポリマー粒子の濃度が5〜60重量%であ
ることを特徴とするポリマー分散ポリオールである。こ
のポリマー分散ポリオールは、望ましくは、10〜50
重量%のポリマー粒子濃度を有する。又、上記ポリマー
粒子は、アクリロニトリル、スチレン、アクリルアミド
及びメタクリル酸メチルから選ばれた少なくとも1種の
エチレン性不飽和単量体のポリマーであることが好まし
い。
【0025】第4発明は、ポリオールとポリイソシアネ
ートとを反応させたイソシアネート基末端プレポリマー
であって、ポリオールが上記第1発明のポリオキシアル
キレンポリオールであり、且つ、イソシアネート基末端
プレポリマーのイソシアネート基の含有量が0.3〜3
0重量%であることを特徴とするイソシアネート基末端
プレポリマーである。このプレポリマーの原料として
は、CPRが5以下である第1発明のポリオキシアルキ
レンポリオールが用いられる。このプレポリマーは、望
ましくはイソシアネート基の含有量が0.4〜20重量
%であり、又、その遊離イソシアネート化合物の含有量
は、1重量%以下であることが好ましい。
【0026】第5発明は、ポリオールとポリイソシアネ
ートとを反応させたイソシアネート基末端プレポリマー
であって、ポリオールが上記第3発明のポリマー分散ポ
リオールであり、且つ、イソシアネート基末端プレポリ
マーのイソシアネート基の含有量が0.3〜30重量%
であることを特徴とするイソシアネート基末端プレポリ
マーである。第5発明のイソシアネート基末端プレポリ
マーは、イソシアネート基の含有量が0.4〜20重量
%であることが好ましい。
【0027】第6発明は、上記第4発明及び第5発明の
イソシアネート基末端プレポリマーを少なくとも60重
量%含むプレポリマーと鎖延長剤を反応させたポリウレ
タン樹脂である。而して望ましいプレポリマーとして
は、遊離イソシアネート化合物の含有量が1重量%以下
である上記第4発明のイソシアネート基末端プレポリマ
ーがある。又、望ましいポリウレタン樹脂は、遊離イソ
シアネート化合物の含有量が1重量%以下である第4発
明のイソシアネート基末端プレポリマーと、ポリテトラ
メチレングリコール、ポリエチレンアジペート及びポリ
カプロラクトンポリオールから選ばれた少なくとも1種
のポリオールから得られた、遊離イソシアネート化合物
の含有量が1重量%以下のイソシアネート基末端プレポ
リマーとの混合物を用いて成るものである。
【0028】第7発明は、ポリオールの末端水酸基がア
ミノ化されたポリオキシアルキレンポリアミンであっ
て、ポリオールが上記第1発明のポリオキシアルキレン
ポリオールであることを特徴とするポリオキシアルキレ
ンポリアミンである。第7発明のポリオキシアルキレン
ポリアミンは、活性水素価が5〜180mgKOH/
g、オキシプロピレン基の含有量が少なくとも50モル
%、オキシプロピレン基結合のH−T結合選択率が95
モル%以上であることが好ましい。
【0029】第8発明は、上記第7発明のポリオキシア
ルキレンポリアミンを含むポリオールとポリイソシアネ
ート化合物を反応させたポリウレタンウレア樹脂であ
る。第1発明により提供されるポリオキシアルキレンポ
リオールは、ホスファゼニウム化合物を触媒として得ら
れたポリオキシアルキレンポリオールであって、高分子
量化した場合であっても、プロピレンオキサイドの副反
応生成物であるモノオールの含有量が少なく、H−T結
合選択率が高い。更に、ポリオキシアルキレンポリオー
ルの主反応成分の分子量分布がシャープである。
【0030】上記特性を有するポリオキシアルキレンポ
リオールから、低粘度で分散安定性に優れたポリマー分
散ポリオール、貯蔵安定性に優れたイソシアネート基末
端プレポリマー、遊離イソシアネート化合物の含有量が
少ないイソシアネート基末端プレポリマー、及び、低粘
度のポリオキシアルキレンポリアミンが得られる。その
ため、上記ポリオキシアルキレンポリオールは、ポリマ
ー分散ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマ
ー、及び、ポリオキシアルキレンポリアミン等の原料と
して好適に用い得る。又、上記ポリマー分散ポリオール
から、貯蔵安定性に優れたイソシアネート基末端プレポ
リマーが得られる。遊離イソシアネート化合物の含有量
が少ないイソシアネート基末端プレポリマーから、力学
特性、耐水性に優れ、しかもタックが低いポリウレタン
樹脂が得られる。更に、上記ポリオキシアルキレンポリ
アミンから、表面状態が良好で、力学特性に優れたポリ
ウレタンウレア樹脂が得られる。
【0031】従って、本発明のポリオキシアルキレンポ
リオール、ポリマー分散ポリオール、イソシアネート基
末端プレポリマー、及び、ポリオキシアルキレンポリア
ミンは、硬質、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、塗
料、接着剤、床材、防水材、シーリング剤、靴底、エラ
ストマー、潤滑剤、作動液及びサニタリー用品等の原料
として、各分野において使用できる、極めて有用な資材
である。更に、ポリオキシアルキレンポリアミンは、エ
ポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド等の各種プラスチ
ックの原料として有用な化合物である。
【0032】
【発明の実施の態様】以下、本発明について詳細に説明
する。先ず、本発明に係るポリオキシアルキレンポリオ
ールについて説明する。本発明のポリオキシアルキレン
ポリオールは、下記 1〜 4の特性、即ち、 1.2〜200mgKOH/gの範囲のOHV。 2.0.0001〜0.07meq./gの範囲のC=
C。 3.95mol%以上のH−T結合選択率。 4.1.5以上、3未満の範囲のW20/W80。 (以下、本発明の4要件という)を有する。ポリオキシ
アルキレンポリオールのOHVは、2〜200mgKO
H/g、好ましくは9〜120mgKOH/g、より好
ましくは11〜60mgKOH/gである。OHVが2
mgKOH/gより小さくなるまでアルキレンオキサイ
ド、特にプロピレンオキサイドの付加重合を行うと、ポ
リオキシアルキレンポリオールの反応時間が長くなり過
ぎる。又、OHVが200mgKOH/gより大きくな
ると、本発明に係るポリオキシアルキレンポリオールの
C=Cと、従来のKOH触媒系で得られるポリオキシア
ルキレンポリオールのそれとの間に、有意差が認められ
なくなる。
【0033】ポリオキシアルキレンポリオール中のC=
Cは、主として、プロピレンオキサイドの副反応により
生成した分子末端に不飽和基を有するモノオール量の指
標となる。C=Cの許容範囲は、通常は0.0001〜
0.07meq./g、好ましくは0.0001〜0.
05meq./g、更に好ましくは0.001〜0.0
3meq./gの範囲である。C=Cは0であることが
望ましいが、上記OHVの範囲でC=Cを0とするため
には反応温度、圧力等の条件を緩和にしなければならな
いため、反応時間が長くなり過ぎる。この観点からC=
Cの許容下限は0.0001〜0.001meq./g
となる。又、C=Cが、0.07meq./gより大き
くなると軟質ポリウレタンフォーム、エラストマー、シ
ーリング材等のポリウレタン樹脂の機械的性質、硬化特
性等が低下するので好ましくない。
【0034】この様なC=Cの低いポリオキシアルキレ
ンポリオールにおいて、H−T結合選択率が95モル%
より少なくなると、ポリオキシアルキレンポリオールの
粘度の上昇、あるいはシリコーン整泡剤等の助剤との相
溶性不良による軟質ポリウレタンフォームの成形性悪化
等の問題が生じる。又、ポリオキシアルキレンポリオー
ルを高分子量化した際の粘度上昇により、ポリイソシア
ネート化合物との反応により得られるプレポリマーの粘
度も上昇するため作業性が低下する。更には、W20/W
80が1.5以上、3未満である。本発明で定義したその
比W 20/W80は、ポリオキシアルキレンポリオールの分
子量分布の均一度を計る指標であり、その分子量分布に
おいて、高分子量側の成分の多寡を示す指標である。従
来の、KOH、NaOH等のアルカリ金属水酸化物によ
るプロピレンオキサイドのアニオン重合において、ポリ
オキシアルキレンポリオールの分子量分布を広げる要因
は、プロピレンオキサイドの副反応によるモノオールの
生成にある。モノオールの分子量は、主反応で得られる
ポリオキシプロピレンポリオールの分子量と比較して小
さく、GPC溶出曲線では、ピークの保持時間は主反応
成分より遅い。
【0035】然し、ジエチル亜鉛、塩化鉄、DMC等の
有機金属触媒により合成された、C=Cの低いポリオキ
シプロピレンポリオールは、主反応成分より高分子量の
ポリオキシプロピレンポリオールが生成し、主反応で得
られるポリオールのGPCピーク保持時間より早い位置
にブロードなピークのテーリングが観測される。その結
果、上記比W20/W80が大きくなることがわかった。ポ
リマーの分子量が、からみあい点間分子量未満である場
合は、ポリマーの粘度は重量平均分子量に比例する。一
方、ポリマーの分子量が、からみあい点間分子量以上で
ある場合は、ポリマーの粘度は重量平均分子量の3.4
乗に比例する(参考文献:講座・レオロジー、日本レオ
ロジー学会編、1992年、高分子刊行会発行)。従っ
て、高分子量成分を多く含有しているポリオキシプロピ
レンポリオールは、高分子量成分の含有量の少ないもの
と比較して粘度が高くなる。高分子量成分を多く含有し
ているポリオキシプロピレンポリオールを分散媒とする
ポリマー分散ポリオール、そのポリオキシプロピレンポ
リオールから誘導されるイソシアネート基末端プレポリ
マー、及び、ポリオキシアルキレンポリアミンの粘度も
上昇する。そのため、これらから得られるポリウレタン
の成形性が低下する。
【0036】上記のことを考慮すると、上記比W20/W
80は1.5以上、3未満であることを要するが、2以
上、3未満であることが望ましく、最も好ましくは2.
2以上、2.8未満の範囲である。上記特性を有する、
本発明のポリオキシアルキレンポリオールは、特定のホ
スファゼニウム化合物を触媒とし、特定の温度及び圧力
において、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付
加重合して粗製ポリオキシアルキレンポリオールを製造
し、更に、これを特定の方法で精製することによって得
られる。本発明において、アルキレンオキサイドの付加
重合の触媒として用いられるホスファゼニウム化合物
は、化学式(1)又は化学式(2)で表されるものが好
ましい。上記両式で表されるホスファゼニウム化合物中
のホスファゼニウムカチオンは、その正電荷が中心のリ
ン原子上に局在する極限構造式で代表されているが、こ
れ以外に無数の無限構造式が描かれるものであり、実際
にはその正電荷は全体に拡散している。
【0037】化学式(1)及び化学式(2)で表される
ホスファゼニウムカチオン中のa、b、c及びdは、そ
れぞれ0〜3、好ましくは0〜2の中から選ばれる正の
整数である。但し、それらの全てが同時には0とはなら
ない。更に好ましくはa、b、c及びdは、(2,1,
1,1)、(1,1,1,1)、(0,1,1,1)、
(0,0,1,1)及び(0,0,0,1)の組み合わ
せの中、更に好ましくは、(1,1,1,1)、(0,
1,1,1)、(0,0,1,1)及び(0,0,0,
1)の組み合わせの中から選ばれる正の整数である。
尚、()内の数字の順序は任意に変更できるものであ
る。
【0038】Rは、同種又は異種の炭素数1〜10個の
炭化水素基である。このRは、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−ブテニ
ル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−
メチル−1−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチ
ル、3−メチル−2−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキ
シル、4−メチル−2−ペンチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、1−ヘプチル、3−ヘプチル、1−オク
チル、2−オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、1,
1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル(tert−オ
クチル)、ノニル、デシル、フェニル、4−トルイル、
ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル等
の脂肪族又は芳香族の炭化水素基から選ばれる。これら
のうち、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert
−オクチル等の炭素数1〜10個の脂肪族炭化水素基が
好ましく、更にメチル基又はエチル基がより好ましい。
【0039】又、ホスファゼニウムカチオン中の同一窒
素原子上の2個のRが結合して環構造を形成する場合の
その窒素原子上の2価の炭化水素基は、4〜6個の炭素
原子からなる主鎖を有する2価の炭化水素基である(環
は窒素原子を含んだ5〜7員環となる)。これは、好ま
しくは、テトラメチレン、ペンタメチレン又はヘキサメ
チレン等であり、又、それらの主鎖にメチル又はエチル
等のアルキル基が置換したものであり、更により好まし
くは、テトラメチレン又はペンタメチレン基である。ホ
スファゼニウムカチオン中の、可能な全ての窒素原子に
ついてこのような環構造をとっていても構わず、一部で
あってもよい。化学式(1)中のTr-は、価数rの無機
アニオンを表す。そして、rは、1〜3の整数である。
このような無機アニオンとしては、例えば、ホウ酸、テ
トラフルオロホウ酸、シアン化水素酸、チオシアン酸、
フッ化水素酸、塩酸又はシュウ化水素酸などのハロゲン
化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、ヘキサフル
オロリン酸、炭酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキ
サフルオロタリウム酸および過塩素酸などの無機アニオ
ンが挙げられる。また、無機アニオンとして、HSO4
- 、HCO3 - もある。
【0040】場合によっては、これらの無機アニオン
は、イオン交換反応により互いに置換され得る。これら
の無機アニオンのうち、特に、ホウ酸、テトラフルオロ
ホウ酸、ハロゲン化水素酸、リン酸、ヘキサフルオロリ
ン酸及び過塩素酸等の無機酸のアニオンが好ましいが、
最も推奨されるのは塩素アニオンである。化学式(1)
で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンと
の塩の合成については、一般的な例として、下記(a)
〜(d)の方法を挙げることができる。 (a)五塩化リン1当量と3〜8当量の二置換アミン
(HNR2 )を反応させ、更に1〜6当量のアンモニア
を反応させた後、これを塩基で処理して、化学式(3)
〔化5〕、
【化5】 で表される2,2,2−トリス(二置換アミノ)−2λ
5 −ホスファゼンを合成する。
【0041】(b)このホスファゼン化合物〔化学式
(3)〕とビス(二置換アミノ)ホスフォロクロリデー
ト{(R2 N)2 P(O)Cl}を反応させて得られる
ビス(二置換アミノ)トリス(二置換アミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノホスフィンオキシドをオキシ塩化リン
でクロル化し、次いで、これをアンモニアと反応させた
後、塩基で処理して、化学式(4)〔化6〕
【化6】 で表される2,2,4,4−ペンタキス(二置換アミ
ノ)−2λ5 、4λ5 −ホスファゼンを得る。
【0042】(c)このホスファゼン化合物〔化学式
(4)〕を(b)で用いたホスファゼン化合物(化学式
3))の代わりに用い、(b)と同様の操作で反応させ
ることにより、化学式(5)〔化7〕
【化7】 (但し、式中、qは0〜3の整数を表す。qが0の場合
は二置換アミンであり、1の場合は化学式(3)の化合
物、2の場合は化学式(4)の化合物、そして3の場合
は(c)で得られたオリゴホスファゼンを表す)で表さ
れる化合物のうちのqが3であるオリゴホスファゼンを
得る。尚、化学式(3)〜(5)におけるRは、化学式
(1)及び(2)におけるRと同じである。
【0043】(d)異なるq及び/又はRの化学式
(5)の化合物を順次に、又は、同一のq及びRの化学
式(5)の化合物を同時に、五塩化リンと4当量反応さ
せることにより、化学式(1)でr=1、Tr-=Cl-
である所望のホスファゼニウムカチオンと塩素アニオン
との塩が得られる。塩素アニオン以外の無機アニオンの
塩を得たい場合には、通常の方法、例えば、アルカリ金
属カチオンと所望の無機アニオンとの塩等で処理する方
法、イオン交換樹脂を利用する方法等によりイオン交換
することができる。このようにして化学式(1)で表さ
れる一般的なホスファゼニウムカチオンと無機アニオン
との塩が得られる。
【0044】化学式(1)で表されるホスファゼニウム
カチオンと無機アニオンとの塩と共に共存させる活性水
素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩
とは、活性水素化合物の活性水素が水素イオンとして解
離して、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオ
ンと置き換わった形の塩である。そのような塩を与える
活性水素化合物としては、アルコール類、フェノール化
合物、ポリアミン、アルカノールアミンなどが挙げられ
る。例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール等の2価アルコール類、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
などのアルカノールアミン類、グリセリン、ジグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等
の多価アルコール類、グルコース、ソルビトール、デキ
ストロース、フラクトース、蔗糖、メチルグルコシド等
の糖類又はその誘導体、エチレンジアミン、ジ(2−ア
ミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪
酸アミン類、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジア
ミン等の芳香族アミン類、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールS、ノボラック、レゾール、
レゾルシン等のフェノール化合物等が挙げられる。これ
らの活性水素化合物は、2種以上併用して使用すること
もできる。
【0045】更にこれらの活性水素化合物に従来公知の
方法でアルキレンオキサイドを付加重合して得られる化
合物も使用できる。これらの化合物の中で最も好ましく
は、2価アルコール類、2価アルコール類にアルキレン
オキサイドを付加重合した数平均分子量が最大2,00
0までの化合物、3価アルコール類、3価アルコール類
にアルキレンオキサイドを付加重合した数平均分子量が
最大2,000までの化合物である。2価アルコール類
あるいは3価アルコール類にアルキレンオキサイドを付
加重合した後の数平均分子量が2,000を超えるもの
は、副生モノオール量が多くなるため好ましくない。こ
れらの活性水素化合物から、それらのアルカリ金属塩又
はアルカリ土類金属塩を得るには、その活性水素化合物
と、アルカリ金属類及びアルカリ土類金属類から選ばれ
た金属、あるいは、塩基性アルカリ金属の化合物又は塩
基性アルカリ土類金属の化合物とを反応させる通常の方
法が用いられる。
【0046】アルカリ金属類及びアルカリ土類金属類か
ら選ばれた金属としては、金属リチウム、金属ナトリウ
ム、金属カリウム、金属セシウム、金属ルビジウム、金
属マグネシウム、金属カルシウム、金属ストロンチウ
ム、金属バリウム等が挙げられる。塩基性アルカリ金属
又はアルカリ土類金属の化合物としては、ナトリウムア
ミド、カリウムアミド、マグネシウムアミド、バリウム
アミド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアミド
類であり、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、ビニルリチウム、シクロペンタジエニルリチウム、
エチニルナトリウム、n−ブチルナトリウム、フェニル
ナトリウム、シクロペンタジエニルナトリウム、エチル
カリウム、シクロペンタジエニルカリウム、フェニルカ
リウム、ベンジルカリウム、ジエチルマグネシウム、エ
チルイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネ
シウム、ジ−tert−ブチルマグネシウム、臭化ビニ
ルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、ジシクロ
ペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、カ
リウムアセチリド、臭化エチルストロンチウム、ヨウ化
フェニルバリウム等の有機アルカリ金属の化合物、又は
アルカリ土類金属の化合物であり、ナトリウムヒドリ
ド、カリウムヒドリド、カルシウムヒドリド等のアルカ
リ金属のヒドリド化合物、又はアルカリ土類金属のヒド
リド化合物であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ス
トロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属の水酸
化物、又はアルカリ土類金属の水酸化物であり、炭酸リ
チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウ
ム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、又はアル
カリ土類金属の炭酸塩であり、炭酸水素カリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素セシウムなどのアルカリ金属
の炭酸水素塩、又はアルカリ土類金属の炭酸塩である。
【0047】複数の活性水素を有する活性水素化合物
は、それらの活性水素の全てが離脱してアルカリ金属類
及びアルカリ土類金属類から選ばれた金属、あるいは、
塩基性アルカリ金属の化合物又はアルカリ土類金属の化
合物によって、アニオンに導かれる場合もある。又、そ
の一部だけが離脱してアニオンとなる場合もある。これ
らの活性水素化合物のアルカリ金属塩、又はアルカリ土
類金属塩のうち、活性水素化合物のアルカリ金属塩が好
ましい。その活性水素化合物のアルカリ金属塩のカチオ
ンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及
びセシウ ムから選ばれるカチオンがより好ましい。化
学式(1)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機
アニオンとの塩、及び、活性水素化合物のアルカリ金属
塩又はアルカリ土類金属塩の存在下に、アルキレンオキ
サイドを付加重合させる。この際、アルカリ金属のカチ
オン又はアルカリ土類金属のカチオンと、無機アニオン
との塩が副生するが、この副生塩が重合反応を阻害する
場合は、重合反応に先立ちこれを濾過等の方法で除去し
ておくこともできる。又、予め、化学式(1)で表され
る塩と、活性水素化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ
土類金属塩から導かれる活性水素化合物のホスファゼニ
ウム塩を単離し、これの存在下にアルキレンオキサイド
を重合させることもできる。
【0048】予め、この活性水素化合物のホスファゼニ
ウム塩を得る方法としては、化学式(1)で表される塩
と活性水素化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金
属塩とを反応させる。目的の塩が生成する限り、2種類
の塩の使用比は特に制限はなく、何れの塩が過剰にあっ
ても特に問題がない。通常、活性水素化合物のアルカリ
金属塩又はアルカリ土類金属塩の使用量は、ホスファゼ
ニウムカチオンと無機アニオンとの塩の1当量に対して
0.2〜5当量であるが、好ましくは0.5〜3当量、
より好ましくは0.7〜1.5当量である。通常、両者
の接触を効果的にするために溶媒を用いる。それらの溶
媒は、反応を阻害しなければいかなる溶媒でも構わな
い。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水
素類又は芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ブロモホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、オ
ルトジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸
エチル、プロピオン酸メチル、安息香酸メチル等のエス
テル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエー
テル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プ
ロトン溶媒等が挙げられる。
【0049】これらの溶媒は、反応に用いる原料の塩の
化学的安定性に応じて選ばれる。好ましくは、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類であり、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエー
テル類であり、アセトニトリル等のニトリル類であり、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロト
ン溶媒等である。これらの溶媒は、単独で用いても良
く、2種以上混合して使用しても良い。原料の塩は溶解
していることが好ましいが、懸濁状態でも構わない。反
応温度は、用いる塩の種類、量及び濃度等により一様で
はないが、通常、150℃以下であり、好ましくは−7
8〜80℃、より好ましくは0〜50℃の範囲である。
反応圧力は、減圧、常圧及び加圧の何れでも実施でき
る。好ましくは9.8〜980kPa(0.1〜10k
gf/cm2 )である。より好ましくは98〜294k
Pa(1〜3kgf/cm2 )の範囲である。反応時間
は、通常1分間〜24時間、好ましくは1分間〜10時
間、より好ましくは5分間〜6時間の範囲である。
【0050】反応液から、目的の活性水素化合物のホス
ファゼニウム塩を単離する場合には、常套の手段を組み
合わせた方法が用いられる。目的の塩の種類、用いた2
種の原料の塩の種類や過剰率、用いた溶媒の種類や量な
どにより、その方法は一様ではない。通常、副生するア
ルカリ金属のカチオン又はアルカリ土類金属のカチオン
と、無機アニオンとの塩は、固体として析出しているの
で、必要なら若干の濃縮を行った後、濾過、遠心分離等
の方法で固液分離して、析出物を除き、液を濃縮乾固し
て目的の塩を得ることができる。濃縮した後、副生した
塩がなお溶解している場合には、必要なら更に濃縮した
後、貧溶媒を加え副生塩又は目的の塩の何れかを析出さ
せたり、濃縮乾固後、一方を抽出する等の方法で分離す
ることができる。過剰に使用した方の原料の塩が、目的
の塩に多量に混入している場合には、必要なら再溶解し
た後、好適な他の溶媒で抽出し、これらを分離すること
ができる。更に、必要であれば再結晶又はカラムクロマ
トグラフィー等で精製することもできる。通常、目的の
塩は、中粘度又は高粘度の液体、あるいは固体として得
られる。
【0051】化学式(1)で表されるホスファゼニウム
カチオンと無機アニオンとの塩、並びに、活性水素化合
物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の存在下
に、アルキレンオキサイドを付加重合させる。この時、
活性水素化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属
塩、あるいは、それらから導かれる活性水素化合物のホ
スファゼニウム塩を構成する活性水素化合物と同種又は
異種の活性水素化合物を反応系に存在させてもよい。塩
を存在させる場合、その量は、特に制限がないが、アル
キレンオキサイド1モルに対して、1×10-15 〜5×
10-1モルであり、好ましくは1×10-7〜1×10-1
モルの範囲である。又、これらの塩が溶液で供給される
場合に、その溶媒が重合反応を阻害するなら、事前に例
えば、減圧下に加熱する等の方法で除くこともできる。
【0052】重合後のホスファゼニウム化合物の除去操
作を容易にするためには、化学式(1)で表されるホス
ファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩、並びに、
活性水素化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属
塩に対し、従来公知の開始剤を併用することは構わな
い。従来公知の開始剤とは、活性水素化合物と、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、塩基性アルカリ金属化合
物、又は塩基性アルカリ土類金属化合物とを反応させた
ものである。但し、従来公知の開始剤の過度の併用は、
ポリオキシアルキレンポリオール中のC=Cを上げる要
因となるため、その使用量はなるべく少ない方がよい。
通常、活性水素化合物1モルに対して1×10-8〜1×
10-1モルである。好ましくは1×10-5〜1×10-1
モル、更に好ましくは1×10-4〜1×10-1モルの範
囲である。
【0053】本発明のポリオキシアルキレンポリオール
の製造方法の他の方法、即ち、化学式(2)で表される
ホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、ア
ルキレンオキサイドを付加重合させてポリオキシアルキ
レンポリオールを製造する方法について述べる。化学式
(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のQ- は、
ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオ
キシアニオン及びカルボキシアニオンよりなる群から選
ばれるアニオンである。これらのQ- のうち、好ましく
は、ヒドロキシアニオンである。例えば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の
脂肪族アルコール類から導かれるアルコキシアニオンで
あり、フェノール、クレゾール等の芳香族ヒドロキシ化
合物から導かれるアリールオキシアニオンであり、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸等から導かれるカルボキシアニ
オンである。
【0054】これらのうち、より好ましくは、ヒドロキ
シアニオン、例えば、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノールなどの低沸点アルキルアルコールから導かれ
るアルコキシアニオン、ギ酸、酢酸等のカルボン酸から
導かれるカルボキシアニオンである。更に好ましくは、
ヒドロキシアニオン、メトキシアニオン、エトキシアニ
オン、酢酸アニオンである。これらのホスファゼニウム
化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いても
よい。化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物
の一般的合成法としては、先ず、前述した化学式(1)
で表される塩を合成する方法と同様にして、化学式
(1)でr=1、Tr-=Cl- であるホスファゼニウム
クロライドを合成する。次いで、このホスファゼニウム
クロライドを、例えば、アルカリ金属の水酸化物又はア
ルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド、アリールオ
キシド又はカルボキシドで処理する方法、イオン交換樹
脂を利用する方法等によりその塩素アニオンを所望のア
ニオンQ- に置き換えることができる。このようにして
化学式(2)で表される一般的なホスファゼニウム化合
物が得られる。
【0055】化学式(2)と共存させる活性水素化合物
は、活性水素化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類
金属塩を与える活性水素化合物として先に詳細に述べた
ものと同一である。通常、化学式(2)で表されるホス
ファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、アルキ
レンオキサイドを付加重合させる方法においては、過剰
に用いられる活性水素化合物の過剰分はそのまま残存す
る。この他に、ホスファゼニウム化合物の種類に応じて
水、アルコール、芳香族ヒドロキシ化合物、カルボン酸
等が副生する。必要であれば、これらの副生物をアルキ
レンオキサイドの付加重合反応に先だって除去してお
く。除去方法としては、それらの副生物の物性に応じ
て、加熱もしくは減圧で留去する方法、不活性気体を通
ずる方法、吸着剤を用いる方法などの常用の方法が用い
られる。
【0056】重合後、ホスファゼニウム化合物の除去を
容易にするため、化学式(2)で表されるホスファゼニ
ウム化合物及び活性水素化合物に対し、従来公知の開始
剤を併用してもよい。従来公知の開始剤とは、先に詳述
した化合物である。但し、従来公知の開始剤を過度に併
用すると、ポリオキシアルキレンポリオールのC=Cが
高くなる要因となるため、その使用量はなるべく少ない
方がよい。通常、活性水素化合物1モルに対して1×1
-8〜1×10-1モルである。好ましくは1×10-5
1×10-1モル、更に好ましくは1×10-4〜1×10
-2モルの範囲である。
【0057】ホスファゼニウム化合物の存在下、活性水
素化合物へ付加重合させるアルキレンオキサイドとして
は、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、1,
2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイ
ド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、
エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリ
シジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げ
られる。これらは2種以上併用してもよい。これらのう
ち、好ましくはプロピレンオキサイド、1,2−ブチレ
ンオキサイド、エチレンオキサイドである。特に好まし
くはプロピレンオキサイドを50モル%以上含むアルキ
レンオキサイドである。最も好ましくはプロピレンオキ
サイドを70モル%以上含むアルキレンオキサイドであ
る。
【0058】重合方法としては、プロピレンオキサイド
とエチレンオキサイドを例にした場合、プロピレンオキ
サイドを重合した後、エチレンオキサイドをブロックで
共重合するエチレンオキサイドキャップ反応、プロピレ
ンオキサイドとエチレンオキサイドをランダムに共重合
するランダム反応、更にはプロピレンオキサイドを重合
後、エチレンオキサイドを重合し、次いで、プロピレン
オキサイドを重合するトリブロック共重合反応が挙げら
れる。これらの中で好ましい重合方法としては、エチレ
ンオキサイドキャップ反応とトリブロック共重合反応で
ある。上記の特性を有するポリオキシアルキレンポリオ
ールは、以下の条件下で製造することにより得られる。
即ち、活性水素化合物1モルに対し、化学式(1)又は
化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物を1×
10-4〜5×10-1モル使用する。好ましくは5×10
-4〜1×10-1モル、更に好ましくは1×10 -3〜1×
10-2モルの範囲である。
【0059】ポリオキシアルキレンポリオールを高分子
量化する際には、活性水素化合物に対するホスファゼニ
ウム化合物の濃度を上記範囲内で高めることが好まし
い。活性水素化合物1モルに対して化学式(1)又は化
学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物が1×1
-4モルより低い場合には、アルキレンオキサイドの重
合速度が低下し、ポリオキシアルキレンポリオールの製
造時間が長くなるが、逆に、5×10-1モルより多くな
ると、製造コストに占めるホスファゼニウム化合物のコ
ストが高くなる。又、アルキレンオキサイドの付加重合
温度は15〜130℃、好ましくは40〜120℃、更
に好ましくは50〜110℃の範囲である。アルキレン
オキサイドの付加重合温度を上記範囲内で低い温度で行
う場合は、活性水素化合物に対するホスファゼニウム化
合物の濃度を先に述べた範囲内で高めることが好まし
い。重合系へのアルキレンオキサイド供給方法は、必要
量のアルキレンオキサイドの一部を一括して供給する方
法、連続的または間欠的にアルキレンオキサイドを供給
する方法等が用いられる。必要量のアルキレンオキサイ
ドの一部を一括して供給する方法においては、アルキレ
ンオキサイド重合反応初期の反応温度は上記範囲内でよ
り低温側とし、アルキレンオキサイド装入後に次第に反
応温度を上昇する方法が好ましい。重合温度が15℃よ
り低い場合には、アルキレンオキサイドの重合速度が低
下し、ポリオキシアルキレンポリオールの製造時間が長
くなる。重合温度が130℃を超えるとアルキレンオキ
サイドとしてプロピレンオキサイドを用いた場合、総不
飽和度(C=C)が0.07meq./gより高くな
る。
【0060】アルキレンオキサイドの付加重合時の最大
圧力は882kPa(9kgf/cm2 )が好適であ
る。通常、耐圧反応機内でアルキレンオキサイドの付加
重合が行われる。アルキレンオキサイドの付加重合は、
減圧状態から開始しても、大気圧の状態から開始しても
よい。大気圧状態から開始する場合には、窒素またはヘ
リウム等の不活性気体の存在下で行うことが望ましい。
アルキレンオキサイドの最大反応圧力が882kPa
(9kgf/cm2 )を超えると、副生モノオール量が
増加する。最大反応圧力は、好ましくは686kPa
(7kgf/cm2 )、より好ましくは490kPa
(5kgf/cm2 )である。アルキレンオキサイドと
して、プロピレンオキサイドを用いる場合には、最大反
応圧力は490kPa(5kgf/cm2 )が好まし
い。
【0061】アルキレンオキサイドの付加重合反応に際
して、必要ならば溶媒を使用することもできる。溶媒と
しては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン等の脂
肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極
性溶媒等が挙げられる。溶媒を使用する場合には、ポリ
オキシアルキレンポリオールの製造コストを上げないた
めにも、溶媒を回収し再利用する方法が望ましい。
【0062】ホスファゼニウム化合物を触媒として、活
性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加重合して得
られた粗製ポリオキシアルキレンポリオールから、ホス
ファゼニウム化合物を除去する方法について述べる。 e.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に対して、水を1〜40重量部加えた後、粗製ポリオキ
シアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1
モルに対して無機酸または有機酸を0.5〜8モル添加
し、50〜130℃でホスファゼニウム化合物を中和
し、その後、粗製ポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対して吸着剤を0.005〜2.5重量部添
加し、減圧処理により水を留去し、ろ過操作によりホス
ファゼニウム塩および吸着剤を除去する。(酸中和除去
方法) f.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に対して、ポリオキシアルキレンポリオールに不活性な
有機溶剤および水の混合物を1〜40重量部加えた後、
粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のホスファゼニ
ウム化合物1モルに対して無機酸または有機酸を0.5
〜8モル添加し、50〜130℃でホスファゼニウム化
合物を中和し、その後、粗製ポリオキシアルキレンポリ
オール100重量部に対して吸着剤を0.005〜2.
5重量部添加し、減圧処理により水および有機溶剤を留
去し、ろ過操作によりホスファゼニウム塩および吸着剤
を除去する。(酸中和除去方法) g.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に水単独、または、水とポリオキシアルキレンポリオー
ルに不活性な有機溶剤との混合物を1〜200重量部添
加して分液し、水洗後、減圧処理により水および有機溶
剤を留去する。(水洗処理方法) h.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に水を20〜200重量部加え15〜100℃でイオン
交換樹脂と接触させた後、ろ過によりイオン交換樹脂を
除き、減圧処理により脱水を行う。(イオン交換処理方
法) 前記e.法及びf.法において、粗製ポリオキシアルキ
レンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モルに対
して無機酸または有機酸を0.5〜2.5モル、及び、
粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対
して吸着剤を0.005〜1.5重量部添加することが
好ましい。
【0063】先ず、e法、f法(酸中和除去方法)につ
いて説明する。本発明のポリオキシアルキレンポリオー
の内、OHVが低い(OHV2〜30mgKOH/gの
範囲)ポリオキシアルキレンポリオールは、分子量が高
く、しかも親水性の水酸基の濃度が低い。アルキレンオ
キサイドの重合反応において、活性水素化合物に対する
ホスファゼニウム化合物の使用量が多い場合は、ホスフ
ァゼニウム化合物の中和の際に用いる水あるいは有機溶
剤の量がポリオキシアルキレンポリオール中からホスフ
ァゼニウム化合物濃度を低減するために重要な因子とな
る。中和の際には、e法では、水を1〜40重量部用い
る。好ましくは1〜30重量部、より好ましくは1.2
〜20重量部である。f法では、ポリオキシアルキレン
ポリオールに不活性な有機溶剤と水との混合物を1〜4
0重量部用いる。好ましくは1〜30重量部、より好ま
しくは1.2〜20重量部である。f法では、少なくと
も20重量%の水を含む混合溶媒を用いることが好まし
い。ポリオキシアルキレンポリオール中に親水基である
オキシエチレン基が10モル%以上あるときは水の使用
量は少なくてもよい。オキシエチレン基がないときには
水の使用量を増加する。1重量部より少ないときは製品
中のホスファゼニウム化合物濃度が多くなる。40重量
部より多くなると脱水、脱溶媒に費やすエネルギーが多
くなる。
【0064】ポリオキシアルキレンポリオールに不活性
な有機溶剤とは、炭化水素系溶剤の中でトルエン、ヘキ
サン類、ペンタン類、ヘプタン類、ブタン類、低級アル
コール類、シクロヘキサン、シクロペンタン、キシレン
類などが挙げられる。これらの有機溶剤をポリオキシア
ルキレンポリオールから留去するには加熱減圧操作によ
り実施する。温度は100〜140℃で減圧度を10m
mHgabs.(1330Pa)以下にする方法が好ま
しい。ホスファゼニウム化合物を中和する際の酸として
無機酸または有機酸を使用する。無機酸としては、例え
ば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、塩
酸、硫酸、亜硫酸およびそれらの水溶液が挙げられる。
その他、無機酸としては、リン酸二リチウム、リン酸二
水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸一水素
リチウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリ
ウム、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水
素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム(例え
ば、ピロリン酸水素ナトリウム)等の無機酸酸性塩が挙
げられる。
【0065】有機酸としては、例えば、ギ酸、シュウ
酸、コハク酸、酢酸、マレイン酸、安息香酸、パラトル
エンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸およびそ
れらの水溶液が挙げられる。特に、好ましくはリン酸、
塩酸、硫酸、マレイン酸、シュウ酸であり、水溶液の形
態で用いることが良い。これらの酸は粗製ポリオキシア
ルキレンポリオール中に含まれるホスファゼニウム化合
物の1モルに対して0.5〜8モル使用する。好ましく
は、0.5〜6モル、より好ましくは0.5〜2.5モ
ルである。中和は50〜130℃の範囲で実施する。特
に好ましくは70〜95℃である。中和時間は反応スケ
ールにもよるが、0.5〜3時間である。ホスファゼニ
ウム化合物1モルに対して、酸の量が8モルに近いとき
は酸吸着剤を併用することが好ましい。0.5モルより
少ないときは製品のポリオキシアルキレンポリオールの
ホスファゼニウム化合物濃度が高くなる傾向にある。8
モルより多くなると酸を除去するための吸着剤使用量が
多くなる。
【0066】中和反応終了後、吸着剤を装入する。その
際、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤
は、単独、または2種以上を併用してもよい。酸化防止
剤としては、例えば、t−ブチルヒドロキシトルエン
(BHT)、ペンタエリスリチル−テトラキス 3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニール)プロピオネート 、オクタデシル−3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニー
ル)−プロピオネート、エチルヘキシルホスファイト、
4,4’−ビス−α、α’−ジメチルベンジルジフェニ
ルアミン、2−tert−ブチル−4−エチルフェノー
ル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノ
ール等が挙げられる。酸化防止剤は、粗製ポリオキシア
ルキレンポリオールに対して200〜5000ppm用
いる。好ましくは300〜4000ppm、より好まし
くは350〜2000ppmである。
【0067】粗製ポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対して、酸およびアルカリ成分を吸着する吸
着剤を0.005〜2.5重量部添加する。好ましく
は、0.005〜1.5重量部、より好ましくは0.0
3〜1.1重量部である。吸着剤としては、例えば、合
成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、活性
白土、酸性白土、合成ケイ酸アルミニウム・マグネシウ
ム等が用いられる。吸着剤は、ナトリウム溶出分が少な
いものが好ましい。具体的な吸着剤は、トミックスシリ
ーズ、例えば、トミックスAD−100、トミックスA
D−200、トミックスAD−300、トミックスAD
−400、トミックスAD−500、トミックスAD−
600、トミックスAD−700、トミックスAD−8
00、トミックスAD−900(富田製薬(株)製)、
キョーワードシリーズ、例えば、キョーワード200、
キョーワード300、キョーワード400、キョーワー
ド500、キョーワード600、キョーワード700、
キョーワード1000、キョーワード2000(協和化
学工業(株)製)、MAGNESOL(DALLAS社
製)等各種の商品名で市販されている。
【0068】吸着剤装入後、100〜140℃、133
0Pa(10mmHgabs.)の条件で水、または、
水と有機溶剤とを留去する。その後、ろ過操作により、
ポリオキシアルキレンポリオールの回収を行う。その際
に、けいそう土、セライトなどのろ過助剤を用いても良
い。このような操作により得られるポリオキシアルキレ
ンポリオールの酸価は0.05mgKOH/g以下であ
ることが好ましい。続いて、g法(水洗処理法)につい
て説明する。粗製ポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に水単独、または、水とポリオキシアルキレン
ポリオールに不活性な有機溶媒との混合物を1〜200
重量部加え、15〜130℃において攪拌、分液し、水
洗後、減圧処理により該溶媒を留去する。水として、イ
オン交換水、市水等を用いることが好ましい。水とポリ
オキシアルキレンポリオールに不活性な有機溶剤との混
合溶媒を用いる場合は、少なくとも20重量%の水を含
む混合溶媒を用いることが好ましい。水単独、または、
水と有機溶媒との混合物を加え、ポリオキシアルキレン
ポリオール中のホスファゼニウム化合物を水に抽出す
る。2〜30時間静置分液を行い、水を交換する。反応
スケールにもよるが、3〜5回の水洗を行う。水洗後
は、加熱減圧処理により、脱水、脱溶媒を行う。加熱処
理前に前述した酸化防止剤を添加することが好ましい。
【0069】h法(イオン交換処理法)について説明す
る。粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に水を20〜200重量部加え、15〜100℃でイオ
ン交換樹脂と接触させた後、減圧処理により脱水を行
う。イオン交換樹脂と粗製ポリオキシアルキレンポリオ
ールとの接触方法は、イオン交換樹脂充填塔に粗製ポリ
オキシアルキレンポリオールを通液する方法、粗製ポリ
オキシアルキレンポリオールにイオン交換樹脂を添加し
て攪拌する方法、等が挙げられる。イオン交換樹脂とし
ては、陽イオン交換樹脂が良く、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体のスルホン化物が好ましく用いられる。
また、ゲル型とマクロポーラス型のどちらの形態のもの
も本発明に供することができる。さらに、イオン交換樹
脂の性質としては、強酸性、弱酸性どちらのものも使用
できるが、強酸性イオン交換樹脂が好ましく用いられ
る。この種の強酸性イオン交換樹脂は、レバチットS1
00、同S109、同SP112、同SP120、同S
100LF(バイエル社製)、ダイヤイオンSK1B、
同PK208、同PK212(三菱化学社製)、ダウエ
ックスHCR−S、50WX1、50WX2(ダウケミ
カル社製)、アンバーライトIR120、同IR12
2、同200C(ロームアンドハース社製)等の各種の
商品名で市販されている。脱水時に前述した酸化防止剤
を用いることが好ましい。
【0070】以上、詳述した各方法により、ホスファゼ
ニウム化合物の除去操作を行った後、ポリオキシアルキ
レンポリオール中のホスファゼニウム化合物触媒の残存
量は150ppm以下である。好ましくは90ppm以
下である。さらに好ましくは50ppm以下である。ポ
リオキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化
合物触媒の残存量が150ppmより多くなると、ポリ
イソシアネート化合物と反応させる際、反応制御が困難
になる。ホスファゼニウム化合物触媒の残存量の下限値
は、可能な限り少ない方が良い。通常、上記精製方法に
よれば、1ppm程度まで除去することが可能である。
本発明において定義するホスファゼニウム化合物触媒の
残存量とは、前記化学式(1)及び(2)で表されるホ
スファゼニウムカチオンを意味する。
【0071】また、上記操作により得られたポリオキシ
アルキレンポリオールのCPR(Controlled
Polymerization Rate、ポリオー
ル中の塩基性物質の量を示す指標)は5以下である。好
ましくは、CPRは3以下、最も好ましくはCPRは0
である。ポリオキシアルキレンポリオールのCPRが5
より大きくなると、ポリイソシアネート化合物と反応さ
せたイソシアネート基末端プレポリマーの貯蔵安定性が
低下する。更に、上記操作により得られるポリオキシア
ルキレンポリオール中の過酸化物濃度は0.28mmo
l/kg以下が好ましい。さらに好ましくは、0.20
mmol/kg以下、最も好ましくは、0.15mmo
l/kg以下である。過酸化物濃度が0.28mmol
/kgを超えると、ポリイソシアネート化合物との反応
に際して、錫系触媒を使用する場合、過酸化物により錫
系触媒の活性が低下するため、ポリウレタンの成形性、
力学物性が低下する。
【0072】次に、本発明のポリマー分散ポリオールに
ついて説明する。ポリマー分散ポリオールは、ポリオー
ルを分散媒として、エチレン性不飽和単量体を重合し、
ポリオール中のポリマー粒子を分散させることにより製
造される。本発明のポリマー分散ポリオールに使用する
ポリオキシアルキレンポリオールは、前記〜の要件
を満たし、且つ、ホスファゼニウム化合物触媒の残存量
が150ppm以下であるポリオキシアルキレンポリオ
ールである。ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基
価(OHV)は、10〜100mgKOH/gの範囲が
好ましい。さらに好ましくは15〜50mgKOH/g
の範囲である。このようなポリオキシアルキレンポリオ
ールは前述した方法によって得られる。ポリマー分散ポ
リオールの製造に用いられるエチレン性不飽和単量体
は、重合しうるエチレン性不飽和基を少なくとも1個有
するものが適当である。例えば、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー、メチルア
クリレート、ブチルアクリレート、ステアリルアクリレ
ート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリ
レート等のメタクリル酸エステル系モノマー、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸
等のカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸、無
水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー、ブタジエ
ン、イソプレン、1,4−ペンタジエン等の炭化水素系
モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、フェニルス
チレン、クロルスチレン等の芳香族炭化水素系モノマ
ー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノ
マー、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等
のビニルエーテル類、ビニルエチルケトン等のビニルケ
トン類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロ
ピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等のアク
リルアミド類、N,N−ジメチルメタクロイルアミド等
のメタクリルアミド類の1種または2種以上の混合物が
挙げられる。
【0073】これらの内、好ましくは、アクリロニトリ
ル、スチレン、アクリルアミド及びメタクリル酸メチル
から選ばれた少なくとも1種の化合物である。本発明で
は重合開始剤として、ラジカルを発生して重合を開始す
るラジカル開始剤が用いられる。具体的には、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾ
イルパーオキシド、t−ブチルパーオキシド、ジ−t−
ブチルパーオキシド等の過酸化物、パーオキシジスルフ
ィド等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、エチレン
性不飽和単量体に対して、0.1〜10.0重量%、好
ましくは0.5〜5.0重量%が好ましい。エチレン性
不飽和単量体の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオ
ールとエチレン性不飽和単量体の総重量に対して5〜6
0重量%、好ましくは10〜50重量%である。エチレ
ン性不飽和単量体の使用量が5重量%未満では、ポリウ
レタンの硬度等、ポリマー分散ポリオールを使用したこ
とによる十分な改質効果が得られない。エチレン性不飽
和単量体の使用量が60重量%を超えると、得られるポ
リマー分散ポリオールの粘度の上昇が著しく、また分散
性も悪化する。
【0074】本発明では、必要に応じて連鎖移動剤を用
いることができる。イソプロパノール等のアルコール
類、メルカプタン類、ハロゲン化炭化水素、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,
N−ジエチルエタノールアミン等の脂肪族3級アミン、
N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のモル
ホリン類、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスル
ホン酸ナトリウム等が挙げられる。好ましくは、トリエ
チルアミン単独、トリエチルアミンとイソプロパノール
の混合物である。連鎖移動剤の使用量は、ポリオキシア
ルキレンポリオールとエチレン性不飽和単量体の総重量
に対して0.1〜10.0重量%が好ましい。更に、ポ
リマー粒子を安定に分散させる目的で、分散安定化剤の
存在下に重合を行うこともできる。このような分散安定
化剤として特公昭49−46556号公報に記載されて
いるような炭素−炭素不飽和結合含有ポリエステルポリ
オールや、アクリル基、メタクリル基、アリル基等を分
子末端に有する変性ポリオール等が挙げられる。また、
実質的に炭素−炭素不飽和結合を含有しない高分子量ポ
リオキシアルキレンポリオールやポリエステルポリオー
ルも使用できる。
【0075】ポリマー分散ポリオールの製造は、前記し
たポリオキシアルキレンポリオール、エチレン性不飽和
単量体、重合開始剤、さらには必要に応じて連鎖移動
剤、分散安定化剤を用いて重合反応を行う。重合反応
は、バッチ式でも、連続式でも行うことができる。重合
温度は重合開始剤の種類に応じて決められるが、重合開
始剤の分解温度以上、好ましくは60〜200℃、さら
に好ましくは90〜150℃の範囲で行う。また、重合
反応は加圧下でも、大気圧下でも行うことができる。重
合反応は、無溶媒でも行うことができるが、水、有機溶
媒から選ばれる少なくとも1種の溶媒または水と該有機
溶媒との混合物の存在下に行うこともできる。有機溶媒
としては、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ヘキ
サン、ヘプタン、ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノ
ール、ブタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
【0076】重合反応終了後、得られたポリマー分散ポ
リオールはそのままポリウレタンの原料として使用でき
るが、未反応エチレン性不飽和単量体、重合開始剤の分
解生成物や連鎖移動剤、溶媒等を減圧下に留去した後に
使用することが好ましい。本発明のポリマー分散ポリオ
ールに含まれるポリマーの平均粒子径は、ポリマーの分
散安定性とポリウレタンの物性に与える影響の観点か
ら、0.01〜10μmであることが好ましい。このよ
うな粒径にするには、前記の連鎖移動剤、分散安定化
剤、溶媒の種類と使用量、エチレン性不飽和単量体の重
量組成比等を適宜調整することで行うことができる。本
発明のイソシアネート基末端プレポリマーについて説明
する。イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリオー
ルとポリイソシアネート化合物とを反応させることによ
り製造される。本発明で使用するポリオールとしては、
前記〜の要件を満たすポリオキシアルキレンポリオ
ール、または、該ポリオキシアルキレンポリオールから
誘導される前記ポリマー分散ポリオールである。
【0077】先ず、ポリオールとして、ポリオキシアル
キレンポリオールを用いる方法について説明する。前記
〜の要件を満たすポリオキシアルキレンポリオール
の内、ホスファゼニウム化合物触媒の残存量が150p
pm以下であるポリオキシアルキレンポリオールが好ま
しい。さらに好ましくは50ppm以下である。
【0078】本発明で用いるポリイソシアネート化合物
としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上有す
る芳香族系、脂肪族系、脂環族系等のポリウレタンの製
造に用いられる公知のものが使用できる。例えば、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、これらポリイソシアネート化合物の80
/20重量比(以下、TDI−80/20と略する)、
65/35重量比(以下、TDI−65/35と略す
る)の異性体混合物、これらトリレンジイソシアネート
化合物中の芳香環に水素添加した水添2,4−トリレン
ジイソシアネート、水添2,6−トリレンジイソシアネ
ート、これら水添トリレンジイソシアネートの80/2
0重量比(以下、水添TDI−80/20と略する)、
65/35重量比(以下、水添TDI−65/35と略
する)の異性体混合物、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートの任意の異性体
混合物、および4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート(以下、水添MDIと略する)、イソプロ
ピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、ビトリレンジイソシアネート、メタキシレンジ
イソシアネート、トルイジンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート中
の芳香環に水素添加したイソシアネート(以下、水添X
DIと略する)、リジンジイソシアネートメチルエステ
ル、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、パラフェ
ニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネー
トおよびこれらのポリイソシアネート化合物のカルボジ
イミド変性体、ビュレット変性体、または、これらをポ
リオール、モノヒドロキシ化合物単独で、または併用し
て変性したプレポリマーなどが挙げられる。上記、ポリ
イソシアネート化合物は任意の割合で混合して用いるこ
ともできる。
【0079】これらポリイソシアネート化合物の中で好
ましくは、2,4−および2,6−トリレンジイソシア
ネートの混合物であり、TDI−80/20、TDI−
65/35、水添TDI−80/20および水添TDI
−65/35が例示され、パラフェニレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート類、水添MD
I類、キシリレンジイソシアネート、水添XDI、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシ
アネート、ノルボルネンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートが挙げられる。イソシアネート基末端
プレポリマーを製造する際には、ポリオキシアルキレン
ポリオール中の活性水素基濃度に対するイソシアネート
基濃度の比であるイソシアネートインデックス(NCO
インデックス)は1.3〜20.0、好ましくは1.4
〜12.0、さらに好ましくは1.5〜9.0である。
【0080】イソシアネート基末端プレポリマーのイソ
シアネート基の含有量(以降、NCO%と略する)は、
0.3〜30重量%である。好ましくは0.4〜20重
量%、さらに好ましくは0.8〜18重量%である。空
気中の水分を硬化剤として得られる一液型硬化性組成物
に用いられるイソシアネート基末端プレポリマーでは、
NCO%が低く設計される。また、1,4−ブタンジオ
ールやポリオキシアルキレンポリオールなどのグリコー
ル類、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、ジエチルジアミノトルエン等のポリアミン
化合物を硬化剤とする二液型硬化性組成物に用いられる
イソシアネート基末端プレポリマーでは、一液型と比較
して高めにNCO%は設計される。イソシアネート基末
端プレポリマーを製造する時の温度は、50〜120℃
が好ましい。特に好ましくは70〜105℃である。反
応させる際には空気中の水分との接触を避けるため、不
活性ガスの存在下で反応させることが望ましい。不活性
ガスとしては窒素、ヘリウムなどが挙げられるが、窒素
が好適である。窒素雰囲気下2〜20時間攪拌しながら
反応を行う。
【0081】触媒は使用しなくても良いが、使用する場
合は、公知のものが使用できる。例えば、アミン系触媒
としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リブチルアミン、N,N,N' ,N' −テトラメチルヘ
キサメチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エ
チルモルホリン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス
〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕エーテル、トリエチ
レンジアミン及びトリエチレンジアミンの塩等、ジブチ
ルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩、有機
金属系触媒としては、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン
酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリド、2−エチル
ヘキシル酸錫、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン
酸ニッケル及びナフテン酸コバルト等が挙げられる。
【0082】これらの触媒は、任意に混合して使用でき
る。これらの触媒のなかでは、特に有機金属系触媒が好
ましい。その使用量は、ポリオキシアルキレンポリオー
ル100重量部に対して、0.0001〜1.0重量
部、好ましくは0.01〜0.8重量部である。イソシ
アネート基末端プレポリマーを製造する際に、反応前あ
るいは反応後、ポリイソシアネート化合物及びポリオキ
シアルキレンポリオールに不活性な有機溶剤を使用でき
る。有機溶剤の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオ
ールとポリイソシアネート化合物の合計重量に対して4
0重量%以下、更に好ましくは20重量%以下とする。
このような溶剤としては、芳香族系、脂肪族系、脂環族
系、ケトン系、エステル系及びエステルエーテル系のも
のが使用できる。例えば、トルエン、キシレン類、ヘキ
サン類、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセ
ロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等で
ある。
【0083】本発明のイソシアネート基末端プレポリマ
ーは、単独で空気中の水分と反応して硬化する一液型硬
化性組成物と活性水素基を有する化合物を硬化剤とする
二液型硬化性組成物のいずれにも使用できる。活性水素
化合基を有する化合物の硬化剤としてポリオキシアルキ
レンポリオールを用いる場合には、本発明で得られたポ
リオキシアルキレンポリオールを用いることが好まし
い。本発明のイソシアネート基末端プレポリマーには、
例えば、以下に述べる硬化用触媒、充填剤、可塑剤、顔
料、補強剤、難燃剤、安定剤などが配合できる。充填剤
としては、ヒュームシリカ、シリカ、無水珪酸、カーボ
ンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ
ソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベ
ントナイト、酸化第2鉄、水添ヒマシ油、ステアリン酸
亜鉛などが挙げられ、その添加量は、イソシアネート基
末端プレポリマー100重量部に対して2〜60重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
【0084】可塑剤としてはジオクチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジオクチルアジペート、ブチルベン
ジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、
ジオクチルセバケート、トリクレジルホスフェート、ト
リブチルホスフェート、塩素化パラフィン、石油エーテ
ル等が挙げられる。その添加量は、イソシアネート基末
端プレポリマー100重量部に対して、5〜40重量
部、好ましくは5〜15重量部である。補強剤としては
黒色フィラーのカーボンブラックや白色フィラーのホワ
イトカーボンやシリカ、ケイ酸塩であるカオリン、ベン
トナイト、無水微粉ケイ酸、バライト、石こう、骨粉、
ドロマイトなどが挙げられ、その添加量はイソシアネー
ト基末端プレポリマーの100重量部に対して、1〜5
0重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0085】難燃剤としてはトリス(2−クロロプロピ
ル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフ
ェート、トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、ト
リス(2,2−クロロエチル)ホスフェート、ヘキサブ
ロモシクロドデカン、大八化学社製のCR−505及び
CR−507、モンサント化学社製のPhosagar
d 2XC−20及びC−22−R、ストファー化学社
製Fyroll6等が挙げられ、その使用量はイソシア
ネート基末端プレポリマー100重量部に対して、0.
1〜30重量部、好ましくは0.2〜20重量部であ
る。安定剤としては酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定
剤が挙げられる。酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルヒド
ロキシトルエン、1,3,5−トリメチルー2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン、3,9−ビス〔2−〔3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プ
ロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカ
ン、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられ
る。
【0086】紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフ
ェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン等が挙げられる。熱安定剤としては、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイトな
どが挙げられる。これらの添加量はイソシアネート基末
端プレポリマー100重量部に対して、各々100〜
8,000ppmが好ましい。必要に応じて、顔料、ビ
ス(トリ−n−ブチルチン)オキシド等の防黴剤、消泡
剤、前述した有機溶剤、水分除去剤などが使用できる。
【0087】次いで、ポリオールとして、ポリマー分散
ポリオールを使用する方法について説明する。ポリマー
分散ポリオールを使用するイソシアネート末端プレポリ
マーは、基本的には、上記したポリオキシアルキレンポ
リオールを使用する方法と同様の方法で製造される。ポ
リイソシアネート化合物、助剤等についても上記と同様
のものが用いられる。即ち、ポリオキシアルキレンポリ
オールの代わりに、ポリマー分散ポリオールを使用する
方法である。ポリマー分散ポリオールとしては、上記本
発明のポリマー分散ポリオールが用いられる。プレポリ
マーの粘度を考慮すると、上記本発明のポリマー分散ポ
リオールの内、ポリマー濃度が5〜30重量%であるも
のを使用することが好ましい。イソシアネート末端プレ
ポリマーのイソシアネート基の含有量は、0.3〜30
重量%、好ましくは、0.4〜20重量%である。
【0088】次に、遊離イソシアネート化合物の含有量
が1重量%以下であるイソシアネート基末端プレポリマ
ーについて説明する。遊離イソシアネート化合物の含有
量が1重量%以下であるイソシアネート基末端プレポリ
マーのイソシアネート基含有量は、0.3〜30重量
%、好ましくは0.4〜20重量%、更に好ましくは
0.8〜18重量%である。又、イソシアネート基末端
プレポリマー中の遊離イソシアネート含有量は0.8重
量%以下であることが好ましい。更に好ましくは0.5
重量%以下である。遊離イソシアネート化合物の含有量
が1重量%を超えると、ポリウレタン樹脂の成形過程に
おいて、反応の制御が困難である。又、得られるポリウ
レタン樹脂のヒステリシスロスが大きくなる。遊離イソ
シアネート化合物の含有量が1重量%以下であるイソシ
アネート基末端プレポリマーは、以下の3工程を経て製
造される。 (第一工程)ポリオキシアルキレンポリオールの製造工
程。 (第二工程)粗製イソシアネート基末端プレポリマーの
製造工程。 (第三工程)粗製イソシアネート基末端プレポリマーの
減圧処理工程。
【0089】第一工程では、上記したポリオキシアルキ
レンポリオールの製造方法と同様の方法でポリオキシア
ルキレンポリオールを製造する。得られたポリオキシア
ルキレンポリオールの内、OHVが10〜200mgK
OH/gであり、上記 2〜 4の特性を満たし、且つ、C
PRが5以下であるポリオキシアルキレンポリオールを
用いる。又、ホスファゼニウム化合物触媒の残存量は1
50ppm以下、更に好ましくは90ppm以下、最も
好ましくは50ppm以下である。第二工程について説
明する。第二工程は、ポリオキシアルキレンポリオール
の水酸基濃度に対するイソシアネート基の濃度の比(N
COインデックス)が2.5〜10.0の範囲で、第一
工程で得られたポリオキシアルキレンポリオールを60
〜100重量%含むポリオールとポリイソシアネート化
合物を不活性気体の存在下、反応温度20〜100℃で
反応させることにより得られる粗製イソシアネート基末
端プレポリマーの製造工程である。
【0090】本発明のホスファゼニウム化合物を触媒と
したポリオキシアルキレンポリオールを60〜100重
量%含むポリオールとポリイソシアネート化合物を反応
させる際、NCOインデックスは2.5〜10.0の範
囲、好ましくは、3.0〜9.0の範囲、最も好ましく
は3.5〜8.0の範囲である。NCOインデックスが
2.5より小さくなると、イソシアネート基末端プレポ
リマーと、部分的にイソシアネート化されたポリオール
とが反応した2量体(以下、オリゴマーと言う)が生成
しやすくなるため、プレポリマーの粘度が上昇するとと
もに、そのプレポリマーを用いたポリウレタンエラスト
マーのヒステリシスロスが大きくなる。又、NCOイン
デックスが10.0より大きくなると本発明の第三工程
におけるポリイソシアネート化合物の減圧処理時間が長
くなる。
【0091】プレポリマー化反応時には、本発明のホス
ファゼニウム化合物を触媒としたポリオキシアルキレン
ポリオールを少なくとも60重量%含むポリオールを用
いる。好ましくは、本発明のホスファゼニウム化合物を
触媒としたポリオキシアルキレンポリオールの含有量は
少なくとも70重量%である。ホスファゼニウム化合物
を触媒としたポリオキシアルキレンポリオールが60重
量%未満になるとイソシアネート基末端プレポリマーの
粘度が上がる。本発明のホスファゼニウム化合物を触媒
としたポリオキシアルキレンポリオールと併用するポリ
オールは、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンか
ら選ばれる少なくとも1種の低分子量ポリオールであ
る。これらの化合物は単独で使用しても、併用しても構
わない。
【0092】これらの化合物の中で、特に推奨されるの
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
オールであり、より好ましくは、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオールである。上記した低分子量ポリ
オールの他に、ポリテトラメチレングリコール、ポリエ
チレンアジペート、ポリカプロラクトンポリオール、ポ
リ カーボネートポリオール、ヒマシ油系ポリオール及
びポリブタジエンポリオールから選ばれる少なくとも1
種のポリオールが使用できる。これらのポリオールは単
独、もしくは併用しても構わない。これらのポリオール
の中で好ましいのは、ポリテトラメチレングリコール、
ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンポリオー
ル、ポリカーボネートポリオールである。これらのポリ
オールの平均分子量は、300〜6,000、特に80
0〜4,000であることが望ましい。
【0093】又、プレポリマー化反応に用いるポリオー
ルとして、本発明のホスファゼニウム化合物を触媒とし
たOHVが異なるポリオキシアルキレンポリオールを2
種類以上併用しても構わない。OHVの他に、ポリオー
ルの平均官能基数の異なるポリオキシアルキレンポリオ
ールを2種類以上併用してもよい。例えば、2官能活性
水素化合物、エチレングリコール、プロピレングリコー
ルあるいはジプロピレングリコールなどを開始剤とした
ポリオキシアルキレンポリオールと3官能活性水素化合
物であるグリセリン、トリメチロールプロパンなどを開
始剤としたポリオキシアルキレンポリオールが用いられ
る。本発明で用いるポリイソシアネート化合物として
は、上記したイソシアネート基末端プレポリマーの項で
説明したものと同一である。本発明のプレポリマー化反
応は、窒素、ヘリウムなどの不活性気体存在下で行う。
ポリオールとトリレンジイソシアネートの混合物との反
応温度は20〜100℃、好ましくは30〜98℃、最
も好ましくは35〜95℃である。反応温度が20℃よ
り低くなるとプレポリマー反応時間が長くなり、又逆に
100℃を超えて高くなると、前述したオリゴマーが生
成しやすくなる。
【0094】第三工程について説明する。第二工程で得
られた粗製イソシアネート基末端プレポリマーを温度7
0〜180℃、圧力665Pa(5mmHgabs.)
以下の条件で減圧処理を行うことにより、遊離イソシア
ネート化合物の含有量が1重量%以下のイソシアネート
基末端プレポリマーを製造する工程である。遊離イソシ
アネート化合物の含有量が1重量%以下のプレポリマー
を製造するために、温度70〜180℃、圧力665P
a(5mmHgabs.)以下の条件で減圧処理を行
う。減圧処理過程で未反応イソシアネート化合物の2量
体の生成を抑制するために減圧処理操作は重要な工程で
ある。減圧操作時の温度は70〜180℃、好ましくは
80〜150℃、より好ましくは85〜130℃であ
る。温度が70℃より低くなると、未反応イソシアネー
ト化合物を除去する時間が長くなる。温度が180℃を
超えると、減圧処理過程でプレポリマーの粘度が上昇す
る。一方、圧力は665Pa(5mmHgabs.)以
下、より好ましくは266Pa(2mmHgab
s.)、最も好ましくは133Pa(1mmHgab
s.)以下とする。
【0095】圧力が665Pa(5mmHgabs.)
を超えると、未反応イソシアネート化合物を除去する時
間が長くなり、減圧処理過程でプレポリマーの粘度が上
昇する。又、減圧処理は薄膜蒸発方法が好ましく、強制
循環式攪拌膜型の蒸発器、あるいは流下膜式分子蒸留装
置などを用いることができる(参考文献;改訂第5版、
化学工学便覧:化学工学協会編集丸善株式会社、198
8年発行)。そのような装置としては、例えば神鋼パン
テック株式会社製のスミス式薄膜蒸発器である商品名ワ
イプレン、エクセバ、あるいは日立製作所株式会社製の
コントロ式薄膜蒸発器、サンベイ式薄膜蒸発器などが挙
げられる。減圧処理によりプレポリマー中から回収され
たポリイソシアネート化合物は再度、プレポリマー化反
応に使用できる。プレポリマー化反応に再使用するポリ
イソシアネート化合物は、2量体、オリゴマーなどの不
純物が少ないポリイソシアネート化合物であることが好
ましい。
【0096】前述した第一工程から第三工程を行うこと
により遊離イソシアネート含有量が1重量%以下のイソ
シアネート基末端プレポリマーを製造する。次に、本発
明のイソシアネート基末端プレポリマーを用いたポリウ
レタン樹脂について説明する。本発明のイソシアネート
基末端プレポリマーを含むプレポリマーと鎖延長剤を反
応させたポリウレタン樹脂は、主にポリウレタンエラス
トマー、ポリウレタンウレアエラストマー、シーリング
剤、塗料、接着剤分野で使用される。プレポリマーは本
発明のイソシアネート基末端プレポリマーを少なくとも
60重量%、望ましくは少なくとも70重量%含むもの
とする。ホスファゼニウム化合物を触媒としたポリオキ
シアルキレンポリオールを用いる、本発明のイソシアネ
ート基末端プレポリマー以外のプレポリマーとは、特公
平6−13593号公報に例示されているポリテトラメ
チレングリコール、ポリエチレンアジペート及びポリカ
プロラクトンポリオールをポリオール成分とした遊離イ
ソシアネート化合物の含有量が1重量%以下のイソシア
ネート基末端プレポリマーである。本発明のホスファゼ
ニウム化合物を触媒としたポリオキシアルキレンポリオ
ールを用いるイソシアネート基末端プレポリマーの含有
量が60重量%未満になるとプレポリマーの粘度が上昇
し、作業性が低下する。
【0097】ポリウレタン樹脂を製造する際に用いられ
る鎖延長剤とは、イソシアネート基と反応できる活性水
素基を1分子中に2個以上有する化合物であり、ポリオ
ール化合物とポリアミン化合物の少なくとも1種類が用
いられる。ポリオール化合物としては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオ
ール等の2価のアルコール類、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン等の3価のアルコール類、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、スピロヘキサンジオールなどのシク
ロヘキシレン、スピロ環及びメチレン鎖を含み、それら
を結合するものとしてエーテル結合、エステル結合など
の各種結合を含み、又それらの誘導体として各種置換基
を含むものなどが使用できる。
【0098】又、ポリアミン化合物としてはトリレンジ
アミン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエ
ン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、ジ
フェニルメタンジアミン、m−フェニレンジアミン、
3,3' −ジクロロ−4,4' −ジアミノジフェニルメ
タン、ジエチルトルエンジアミンなどの芳香族ジアミ
ン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミンなどの
脂肪族、脂環族ジアミン、直鎖脂肪族ジアミン、カルボ
ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドなどのアルキル
ジヒドラジドあるいはそれらの誘導体など従来公知のポ
リアミン化合物が使用できる。更に、これらの活性水素
化合物に従来公知の方法によりアルキレンオキサイドを
付加したポリオールも鎖延長剤として使用できる。又、
本発明のホスファゼニウム化合物を触媒としたポリオキ
シアルキレンポリオールも使用できる。前述したポリオ
ールを用いる場合には、ポリウレタン樹脂の外観及び機
械的性質を向上させるため、C=Cが0.07meq.
/g以下のポリオールを使用する。
【0099】上記化合物の中で好ましいポリオールは、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、3,5−ジエチル−
2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6
−ジアミノトルエン、3,3' −ジクロロ−4,4' −
ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、ノル
ボルネンジアミン及びこれらの化合物にアルキレンオキ
サイドを付加重合したポリオールである。更に好ましく
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン及びこ
れらの化合物にアルキレンオキサイドを付加重合したポ
リオールである。
【0100】通常、ポリウレタン樹脂の製造方法は、前
述したイソシアネート基末端プレポリマー及び鎖延長剤
を予め所定の温度に調整し、減圧脱泡処理を行う。次い
で、両成分を混合、急速攪拌を行い、所定温度、例えば
40〜140℃に加熱した型に注入して成形物を製造す
る。この際に、硬化用触媒、無機酸、有機酸、シリコー
ン系カップリング剤、充填剤、可塑剤、染顔料、補強
剤、難燃剤、安定剤、消泡剤などを目的に応じて使用す
ることができる。ポリウレタン硬化用触媒としては、ア
ミン化合物、有機金属化合物等のポリウレタンを製造す
る従来公知の触媒が使用できる。このようなポリウレタ
ン硬化用触媒は、上記したイソシアネート基末端プレポ
リマーの項で説明した化合物と同一である。プレポリマ
ーの経時的な粘度変化を抑制する目的で、プレポリマー
に無機酸あるいは有機酸を添加しても構わない。無機酸
としては、リン酸が、又、有機酸としては、例えば、ア
ジピン酸、2−エチルヘキサン酸及びオレイン酸などが
推奨される。これらの酸は単独で用いることもできる
が、2種類以上併用しても良い。その使用量は本発明の
イソシアネート基末端プレポリマーを含むプレポリマー
100重量部に対して0.001〜10.0重量部、好
ましくは0.003〜5.0重量部である。
【0101】シリコーン系カップリング剤としては、例
えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。その
使用量は本発明のイソシアネート基末端プレポリマーを
含むプレポリマー100重量部に対して0.01〜8.
0重量部、好ましくは0.03〜5.0重量部である。
充填剤、可塑剤、補強剤、難燃剤及び安定剤は、上記し
たイソシアネート基末端プレポリマーの項で説明した化
合物と同一である。
【0102】最後に、ポリオキシアルキレンポリアミ
ン、及び、そのポリオキシアルキレンポリアミンから誘
導されるポリウレタンウレア樹脂について説明する。本
発明のポリオキシアルキレンポリアミンの活性水素価
は、5〜180mgKOH/g、好ましくは9〜170
mgKOH/g、更に好ましくは12〜150mgKO
H/gである。又、ポリオキシアルキレンポリアミンの
主鎖構造には、オキシプロピレン基が少なくとも50モ
ル%、好ましくは少なくとも70モル%含まれる。更
に、そのオキシプロピレン基結合のH−T結合選択率
は、95モル%以上である。H−T結合選択率が95モ
ル%より少なくなると、ポリオキシアルキレンポリアミ
ンの粘度が上昇し、ポリウレタンウレア樹脂の成形性が
悪化する。
【0103】ポリオキシアルキレンポリアミンの製造法
について説明する。本発明のポリオキシアルキレンポリ
アミンの製造に用いるポリオキシアルキレンポリオール
は、本発明の4要件を満たすものであることが好まし
い。かかる特性を有するポリオキシアルキレンポリオー
ルは、上記した方法により得られる。上記したポリオキ
シアルキレンポリオールの末端水酸基の一部、又は全部
をアミノ化してポリオキシアルキレンポリアミンを製造
する。アミノ化する方法としては、(i)水素化−脱水
素触媒の存在下に、ポリオキシアルキレンポリオール
と、アンモニア、1級アミン、2級アミン、ジアミンか
ら選ばれる少なくとも1種の含窒素活性水素化合物とを
反応させる方法、(j)ポリオキシアルキレンポリオー
ルと、分子内に水酸基と反応可能な官能基、及びシアノ
基又はニトロ基を有する化合物とを反応させた後、水素
添加反応(以下、水添反応と言う)を行う方法、等が挙
げられる。
【0104】先ず、(i)の方法について説明する。水
素化−脱水素触媒は、従来公知の触媒を使用することが
でき、例えば、Ni、Co等をケイソウ土、シリカ、ア
ルミナのような担体に担持させた担持型触媒、Ni、C
o系ラネー型触媒、Ni/Zn系触 媒、Co/Zn系
触媒、Ni/Co/Zn系触媒、Cu/Cr系触媒が代
表的な例である。中でも担持型触媒は特に好適な触媒の
一つである。通常、1級アミンは、炭素数1〜20のア
ミン化合物であり、好ましくは1〜10のアミン化合物
である。具体的にはメチルアミン、エチルアミン、n−
プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、
イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチル
アミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ド
デシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ン、オクタデシルアミン、オレイルアミン等のアルキル
アミン、β−アミノプロピルメチルエーテル、β−アミ
ノプロピルエチルエーテル等の置換基を有するアルキル
アミン類、ベンジルアミン、p−メチルベンジルアミン
等のアラルキルアミン類、シクロペンチルアミン、シク
ロヘキシルアミン等の脂環族アミン類が例に挙げられ
る。更に、上記1級アミンの中から選ばれた2種以上の
混合物も使用できる。
【0105】通常、2級アミンは、炭素数2〜40のア
ミン化合物であり、具体的にはジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミ
ン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチ
ルイソプロピルアミン、エチルプロピルアミン、エチル
イソプロピルアミン、N−メチルドデシルアミン等のア
ルキルアミン類、ジベンジルアミン、N−メチルベンジ
ルアミン等のアラルキルアミン類が例に挙げられる。更
に、上記2級アミンの中から選ばれた2種以上の混合物
も使用できる。ジアミンは、エチレンジアミン、ジアミ
ノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノトルエン、m−
フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジア
ミノフェニルスルフォン、ジエチルジアミノトルエン、
ジアミノインダン誘導体等が例に挙げられる。更に、上
記ジアミンの中から選ばれた2種以上の混合物も使用で
きる。
【0106】これら含窒素活性水素化合物の使用量は、
ポリオキシアルキレンポリアミンの用途に応じて決めら
れるが、通常、水酸基1当量に対して0.2〜50当
量、好ましくは1〜10当量である。前述した触媒はポ
リオキシアルキレンポリオールに対して、通常、0.1
〜20重量%、好ましくは0.3〜10重量%、最も好
ましくは0.5〜5重量%が用いられる。(i)の方法
において、2級アミノ化率が高いポリオキシアルキレン
ポリアミンを得る目的で、含窒素活性水素化合物である
アンモニア、1級アミンと共に、1価のアルコールを共
存させて反応を行うこともできる。1価のアルコールと
しては、炭素数1〜10の1級又は2級のアルコール類
が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、イソブタノール、sec−ブタノール、アミルアル
コール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、
ノニルアルコール、デシルアルコール等のアルキルアル
コール類、β−ヒドロプロピルメチルアルコール、β−
ヒドロプロピルエチルアルコール等の置換基を有するア
ルキルアルコール類、ベンジルアルコール、p−メチル
ベンジルアルコール、o−メチルベンジルアルコール等
のアラルキルアルコール類、シクロペンチルアルコー
ル、シクロヘキシルアルコール等のシクロアルキルアル
コール類が例に挙げられる。
【0107】上記ポリオキシアルキレンポリオール、触
媒、含窒素活性水素化合物、並びに目的に応じて1価の
アルコールを用いて、アミノ化反応を行う。反応条件は
特に限定されるものではないが、一般には、反応温度6
0〜280℃、好ましくは130〜250℃、反応圧力
は490〜14,700kPa(5〜150kgf/c
2 )、とりわけ2940〜9,800kPa(30〜
100kgf/cm2)、反応時間は1〜20時間、望
ましくは5〜10時間の条件で実施する。反応系内に水
素を共存させても構わない。60℃より低い反応温度
は、反応時間を長くし、280℃より高い反応温度は、
生成物を熱劣化させる。反応終了後は、未反応含窒素活
性水素化合物、及び、1価アルコールを共存させた場合
はアルコールの減圧処理による回収、触媒濾別、水洗、
乾燥等の方法を適宜組み合わせることにより、目的物で
あるポリオキシアルキレンポリアミンを得ることができ
る。
【0108】次に(j)の方法について説明する。水酸
基と反応可能な官能基、及びシアノ基又はニトロ基を有
する化合物としては、エチレン性不飽和基、エステル
基、カルボキシル基、ハロゲン置換基等を有するシアノ
化合物又はニトロ化合物が挙げられる。具体的には、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のα、β−不飽
和ニトリル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−ニトロ安
息香酸エチル等のニトロ安息香酸エステル、o−ニトロ
安息香酸、p−ニトロ安息香酸等のニトロ安息香酸、o
−クロロベンゾニトリル、p−クロロベンゾニトリル等
のハロゲン置換ベンゾニトリル、o−シアノベンジルク
ロライド、p−シアノベンジルクロライド等のシアノベ
ンジルハライド、p−ニトロクロロベンゼン、p−ニト
ロブロモベンゼン等のニトロハロベンゼン、p−ニトロ
ベンジルクロライド、p−ニトロベンジルブロマイド等
のニトロベンジルハライド等が挙げられる。
【0109】通常、α、β−不飽和ニトリルを用いた場
合には、アルカリ金属水酸化物と水の存在下にポリオキ
シアルキレンポリオールをシアノアルキル化し、ポリオ
キシアルキレンポリオールの末端にシアノ基を導入す
る。ポリオキシアルキレンポリオール中の残存ホスファ
ゼニウム化合物の濃度が高い場合には、アルカリ金属水
酸化物を用いなくてよいが、一般的には、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシ
ウム等のアルカリ金属水酸化物を用いて反応時間の短縮
を図る。α、β−不飽和ニトリルの重合反応を抑えてポ
リオキシアルキレンポリオールの末端水酸基と反応させ
るためには、水の存在下に反応を行うことが重要であ
る。目的とするシアノアルキル化反応を進行させるた
め、ポリオキシアルキレンポリオール、α、β−不飽和
ニトリル、目的に応じて用いたアルカリ金属水酸化物、
及び水の量を適宜選択する。通常、ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対し、水は2〜15重量部
を使用する。アルカリ金属水酸化物を用いた場合には、
ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して
0.01〜7.0重量部使用する。α、β−不飽和ニト
リルはポリオキシアルキレンポリオールの水酸基1当量
に対し、0.2〜5当量が使用される。又、α、β−不
飽和ニトリルは、反応の進行状況に応じて適宜加えても
よいし、一括装入してもよい。反応条件は特に限定され
るものではないが、通常、反応温度は10〜130℃、
反応時間は5〜20時間で行う。反応終了後はアルカリ
金属水酸化物触媒を酸で中和し、脱水する方法等により
シアノアルキル化したポリオキシアルキレンポリオール
を得る。
【0110】ニトロ安息香酸エステル、ニトロ安息香酸
を用いた場合は、通常、塩基性触媒又は酸触媒の存在下
にポリオキシアルキレンポリオールとエステル交換反
応、あるいは直接エステル化反応を行うことにより、ポ
リオキシアルキレンポリオールの末端にニトロ基を導入
する。ポリオキシアルキレンポリオール中の残存ホスフ
ァゼニウム化合物の濃度が高い場合には、塩基性触媒又
は酸触媒を用いなくてもよいが、一般的には、下記に例
示した塩基性触媒又は酸触媒を用いる。塩基性触媒とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビ
ジウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セ
シウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシ
ウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロン
チウム等のアルカリ土類金属水酸化物、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジメチルパルミチルアミン等の
3級アミン化合物等が挙げられる。酸触媒としては、硫
酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸等のプロトン酸、三
フッ化ホウ素エーテラート等のルイス酸が挙げられる。
ニトロ安息香酸エステル、ニトロ安息香酸は通常、ポリ
オキシアルキレンポリオールの水酸基1当量に対し、
0.2〜20当量使用される。
【0111】塩基性触媒又は酸触媒を使用した場合に
は、その使用量はニトロ安息香酸エステル1当量に対
し、0.002〜0.5当量、ニトロ安息香酸1当量に
対し、0.0001〜0.5当量が使用される。反応条
件は特に限定されるものではないが、通常、反応温度は
50〜250℃、反応時間は1〜20時間の条件で行
う。反応圧力は減圧下でもよいし加圧下でもよい。又、
反応系内に溶媒を存在させても構わない。溶媒として
は、上記反応を阻害せず、かつ水と共沸混合物を形成す
るものであれば良く、具体的には、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等が 挙げられる。反応終了後は触媒の中
和、未反応ニトロ安息香酸エステル又はニトロ安息香酸
の回収、水洗、乾燥等の方法を適宜組み合わせることに
より、目的物であるニトロベンゾエート化したポリオキ
シアルキレンポリオールを得る。
【0112】ハロゲン置換ベンゾニトリル、シアノベン
ジルハライド、ニトロハロベンゼン、ニトロハロベンジ
ル(以下、芳香族シアノ化合物、又は芳香族ニトロ化合
物と総称する)を用いた場合は、ハロゲン化水素捕捉剤
としての塩基性触媒の存在下に、ポリオキシアルキレン
ポリオールと脱ハロゲン化水素反応することにより、ポ
リオキシアルキレンポリオールの分子末端にシアノ基又
はニトロ基を導入する。ポリオキシアルキレンポリオー
ル中の残存ホスファゼニウム化合物の濃度が高い場合に
は、塩基性触媒を用いなくともよいが、一般的には、下
記に例示した塩基性触媒を用いる。
【0113】塩基性触媒としては、金属ナトリウム、金
属カリウム、金属ルビジウム及び金属セシウム等のアル
カリ金属類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化ルビジウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、
炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水
素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化ス
トロンチウム等のアルカリ土類金属水酸化物、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ジメチルパルミチルアミ
ン等の3級アミン化合物等が挙げられる。芳香族シアノ
化合物、又は芳香族ニトロ化合物の使用量は、用途に応
じて決められるが、通常、水酸基1当量に対して0.2
〜20当量が使用される。塩基性触媒を用いる場合は、
通常、芳香族シアノ化合物、又は芳香族ニトロ化合物1
当量に対し1〜10当量が使用される。
【0114】反応条件は特に限定されるものではない
が、通常、反応温度は50〜250℃、反応時間は1〜
20時間の条件で行う。反応圧力は減圧下でもよいし加
圧下でもよい。又、反応系内に溶媒を存在させても構わ
ない。溶媒としては、上記反応を阻害することのない極
性溶媒が特に好適であり、具体的には、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルイミダゾリ
ジノン、スルフォラン等が挙げられる。反応終了後は塩
基性触媒の中和、未反応芳香族シアノ化合物、又は芳香
族ニトロ化合物の回収、水洗、乾燥等の方法を適宜組み
合わせることにより、目的物である分子末端にシアノ基
及びニトロ基を少なくとも1種有する化合物を得る。
【0115】以上述べた方法により、触媒の存在下、分
子末端にシアノ基又はニトロ基を少なくとも1種有する
化合物に水添反応を行い、ポリオキシアルキレンポリア
ミンを得る。触媒としては、従来公知の化合物を用いる
ことができる。例えば、Ni、Co等をケイソウ土、シ
リカ、アルミナのような担体に担持させた担持型触媒、
Ni、Co系ラネー型触媒、Pd、Pt、Ru等の貴金
属をカーボン、アルミナ、シリカのような担体に担持さ
せた担持型触媒が挙げられる。中でも担持型触媒は特に
好適な触媒の一つである。
【0116】通常、前述した分子末端にシアノ基又はニ
トロ基を少なくとも1種有する化合物に対し、触媒は
0.1〜20重量%が使用される。反応条件は特に限定
されるものではないが、一般には反応温度30〜200
℃、好ましくは50〜150℃、反応圧力は98〜8,
820kPa(1〜90kgf/cm2 )、好ましくは
980〜4,900kPa(10〜50kgf/c
2 )、反応時間は1〜20時間、好ましくは5〜10
時間の条件である。反応系内に溶媒を存在させても構わ
ない。溶媒としては、上記反応を阻害しないもの、例え
ば、メタノール、エタノール等の低級アルコール類や、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示できる。
又、反応系内にアンモニアを存在させても構わない。反
応終了後は、触媒濾別、水洗、乾燥等の方法を適宜組み
合わせることにより、目的物であるポリオキシアルキレ
ンポリアミンを得ることができる。
【0117】ポリオキシアルキレンポリオールの末端水
酸基の一部、又は全部をアミノ化してポリオキシアルキ
レンポリアミンを製造する方法は、上記(i)、(j)
以外の方法も可能である。例えば、ポリオキシアルキレ
ンポリオールとアミノ安息香酸エステルとのエステル交
換反応による方法、ポリオキシアルキレンポリオールと
p−ニトロ安息香酸クロライドとをハロゲン化水素捕捉
剤存在下に反応させ、次いでニトロ基を還元する方法、
ポリオキシアルキレンポリオールとイサト酸無水物とを
強塩基の存在下に反応させる方法、ポリイソシアネート
化合物とプレポリマー化した後に残存イソシアネート基
をアミノ基に加水分解する方法等である。
【0118】次に、ポリウレタンウレア樹脂について説
明する。ポリウレタンウレア樹脂は、本発明のポリオキ
シアルキレンポリアミンを含むポリオール、鎖延長剤、
及びポリイソシアネート化合物を急速混合して製造す
る。ポリウレタンウレア樹脂の原料として用いられるポ
リオールは、前述したポリオキシアルキレンポリアミン
を少なくとも2重量%含むポリオール、好ましくは、そ
のポリオキシアルキレンポリアミンを少なくとも30重
量%、最も好ましくは少なくとも50重量%含むポリオ
ールである。ポリオール中のポリオキシアルキレンポリ
アミンの含有量が2重量%より少ないと、ポリウレタン
ウレア樹脂の表面状態及び機械的性質の改質効果が見ら
れない。
【0119】本発明で使用するポリオキシアルキレンポ
リアミン以外のポリオールとしては、本発明でポリオキ
シアルキレンポリアミンの出発物質として用いるポリオ
キシアルキレンポリオール、従来公知の方法で製造され
たポリオキシアルキレンポリオール、ポリオキシアルキ
レンポリアミン、ポリマー分散ポリオール、ポリテトラ
メチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリブ
タジエン系ポリオール及びポリカーボネート系ポリオー
ル等が挙げられる。然しながら、強く推奨されるもの
は、本発明でポリオキシアルキレンポリアミンの出発物
質として用いるポリオキシアルキレンポリオールであ
る。
【0120】ポリウレタンウレア樹脂を製造する際のポ
リイソシアネート化合物は、上記したイソシアネート基
末端プレポリマーの項で述べたものと同様である。鎖延
長剤とは、イソシアネート基と反応できる活性水素基を
1分子中に2個以上有する化合物であり、分子量800
以下のポリオール化合物とポリアミン化合物のうち少な
くとも1種類が用いられる。具体的な化合物は、上記し
たイソシアネート基末端プレポリマーの項で記載したも
のが良い。鎖延長剤は、ポリオキシアルキレンポリアミ
ンを含むポリオールに対して、通常、1〜50重量%を
使用する。又、ポリオキシアルキレンポリアミンを含む
ポリオール及び鎖延長剤中の活性水素基濃度に対するイ
ソシアネート基濃度の比であるイソシアネートインデッ
クス(NCOインデックス)は0.7〜20である。
【0121】通常、ポリウレタンウレア樹脂は、上記し
たポリオキシアルキレンポリアミンを含むポリオール及
び鎖延長剤を混合した液を調製し、得られた混合液とポ
リイソシアネート化合物を急速混合した後、例えば40
〜130℃に加熱した型に注入して製造される。硬化用
触媒、充填剤、可塑剤、補強剤、難燃剤、安定剤、内部
離型剤、発泡剤、整泡剤などを目的に応じて使用するこ
とができる。硬化用触媒、充填剤、可塑剤、補強剤、難
燃剤、及び安定剤は、上記のイソシアネート基末端プレ
ポリマーの項で記載したものが好ましい。本発明のポリ
オキシアルキレンポリアミンを含むポリオール100重
量部に対する硬化用触媒の使用量は0.001〜5.0
重量部、好ましくは0.01〜1.0重量部であり、充
填剤の添加量は0.01〜40重量部、好ましくは0.
1〜10重量部、可塑剤の添加量は、0.1〜40重量
部、好ましくは5〜15重量部、補強剤の添加量は、1
〜50重量部、好ましくは2〜30重量部、難燃剤の使
用量は、0.1〜30重量部、好ましくは0.2〜20
重量部である。
【0122】安定剤としては酸化防止剤、紫外線吸収
剤、熱安定剤が挙げられる。これらの添加量は、本発明
のポリオキシアルキレンポリアミンを含むポリオール1
00重量部に対して、各々200〜5,000ppmが
好ましい。内部離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ポ
リオレフィン系ワックス、あるいは特表昭60−500
418号公報に例示されている化合物が好適である。内
部離型剤の使用量は、本発明のポリオキシアルキレンポ
リアミンを含むポリオール100重量部に対して、0.
1〜10重量部が好ましい。
【0123】発泡剤は、水、低沸点炭化水素系化合物、
ハイドロクロロフルオロカーボン(以下、HCFCと言
う)類又はハイドロフルオロカーボン(以下、HFCと
言う)類の少なくとも1種類の化合物が用いられる。低
沸点炭化水素系化合物としては、シクロペンタン、n−
ペンタン、イソペンタン等が挙げられる。HCFC類と
しては、HCFC−141bが、HFC類ではHFC−
134a、HFC−356あるいはHFC−245fa
等が挙げられる。発泡剤として、水単独を用いる場合に
は、本発明のポリオキシアルキレンポリアミンを含むポ
リオール100重量部に対して、0.1〜9重量部使用
する。低沸点炭化水素系化合物、HCFC類又はHFC
類から選ばれる少なくとも1種の発泡剤を用いる場合に
は、本発明のポリオキシアルキレンポリアミンを含むポ
リオール100重量部に対して、1〜40重量部用い
る。これらの発泡剤と水を併用しても構わない。
【0124】整泡剤は、従来公知の有機珪素系界面活性
剤を用いることができる。例えば、日本ユニカー社製の
商品名:L−520、L−532、L−540、L−5
44、L−550、L−3600、L−3601、L−
5305、L−5307、L−5309等、東レ・ダウ
コーニング社製の商品名:SRX−253、SRX−2
74C、SF−2961、SF−2962等、信越シリ
コーン社製の商品名:F−114、F−121、F−1
22、F−220、F−230、F−258、F−26
0B、F−317、F−341、F−601、F−60
6等、東芝シリコーン社製の商品名:TFA−420、
TFA−4202等が挙げられる。これらの整泡剤は任
意に混合して用いることもできる。その使用量は、本発
明のポリオキシアルキレンポリアミンを含むポリオール
100重量部に対して、0.05〜10重量部である。
【0125】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明の態様
を明らかにする。実施例1〜11及び比較例1〜10に
示したポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価、総
不飽和度、及び、粘度、H−T結合選択率、ポリオキシ
アルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物触媒
の残存量(単位:ppm)は、下記方法により測定し
た。 (1)ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(以
下、OHVと言う。単位:mgKOH/g)、総不飽和
度(以下、C=Cと言う。単位:meq./g)、及
び、粘度(以下、ηと表す。単位:mPa・s/25
℃) JIS K−1557に記載の方法により求めた。 (2)H−T結合選択率 日本電子製400MHz13C核磁気共鳴(NMR)装置
を用い、重水素化クロロホルムを溶媒として、ポリオキ
シアルキレンポリオールの13C−NMRスペクトルをと
り、ヘッド−トウ−テイル(Head−to−Tai
l)結合のオキシプロピレンユニットのメチル基のシグ
ナル(16.9〜17.4ppm)とヘッド−トウ−ヘ
ッド(Head−to−Head)結合のオキシプロピ
レンユニットのメチル基のシグナル(17.7〜18.
5ppm)の比から求めた。
【0126】各シグナルの帰属は、Macromole
cules、第19巻、1337−1343頁(198
6年)、F.C.Schilling、A.E.Ton
elliの報文に記載された値を参考にした。 (3)ポリオキシアルキレンポリオールの分子量分布の
指標値W20/W80 ポリオキシアルキレンポリオールのゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)の溶出曲線から求め
る。GPCの測定条件は、以下の通りであった。 ・測定及び解析装置:島津製作所(株)製、LC−6A
システム ・検出器 :島津製作所(株)製、RID−6A示差屈
折計 ・分離カラム:昭和電工(株)製、Shodex GP
C KFシリーズ KF−801、802、802.5、803の4本直列 ・溶離液 :液体クロマトグラム用テトラヒドロフラン ・液流量 :0.8ml/min ・カラム温度:40℃ (4)ポリオキシアルキレンポリオール中のホスファゼ
ニウム化合物触媒の残存量(単位:ppm) Waters社製、全自動CIAシステムを用いたキャ
ピラリー電気泳動法により行った。試料に塩酸水溶液を
添加し、シェーカー(東京理化機器(株)製、形式:E
YELA SHAKER)にて塩酸水溶液中にホスファ
ゼニウム化合物の抽出を行う。その後、静置分液を行
い、水相を分離し、キャピラリー電気泳動分析装置を用
いて、ホスファゼニウムカチオンの定量を行った。
【0127】ホスファゼニウム化合物触媒 ポリオキシアルキレンポリオールの合成において、以下
のホスファゼニウム化合物をアルキレンオキサイドの触
媒として使用した。 (1)ホスファゼニウム化合物a(以下、P5NMe2
C1と言う) Fluka社製のテトラキス〔トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ〕ホスホニウムクロライ
ド{〔(Me2 N)3 P=N〕4 + Cl- }。そのホ
スファゼニウム化合物は、化学式(1)において、a、
b、c、dの順に(1,1,1,1)で、Rがメチル基
であり、rが1の塩素アニオンである(T - =C
- )。 (2)ホスファゼニウム化合物b(以下、P5NMe2
OHと言う) Fluka社製のテトラキス〔トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ〕ホスホニウムクロライ
ド{〔(Me2 N)3 P=N〕4 + Cl- }を超純水
により、2.5重量%水溶液に調製した。次いで、1N
水酸化ナトリウム水溶液により、交換基を水酸基型にし
たイオン交換樹脂(バイエル社製、商品名:レバチット
MP−500)を充填したポリカーボネート製円筒状カ
ラムに、テトラキス〔トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ〕ホスホニウムクロライドの2.5
重量%水溶液を23℃、SV(Space Veloc
ity)0.5(1/hr)でカラム底部より上昇流で
通液し、テトラキス〔トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ〕ホスホニウムヒドロキシドにイオ
ン交換を行った。
【0128】更に、そのイオン交換樹脂を充填したカラ
ムに超純水を通液し、カラムに残存しているホスファゼ
ニウム化合物の回収を行った。その後、テトラキス〔ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ〕ホ
スホニウムヒドロキシドの水溶液を80℃、圧力7,9
80Pa(60mmHgabs.)の条件下で2時間、
更に80℃、133Pa(1mmHgabs.)の条件
で7時間、減圧脱水処理を行うことにより、粉末のテト
ラキス〔トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデン
アミノ〕ホスホニウムヒドロキシド{〔(Me2 N)3
P=N〕4 +OH- }を得た。乾燥後のその化合物の
重量測定から求めた収率は98%であった。重水素化ジ
メチルホルムアミド溶液によるテトラメチルシランを内
部標準とした 1H−NMR(日本電子製400MHzN
MR)の化学シフトは、2.6ppm(d,J=9.9
Hz、72H)であった。元素分析値は、C:38.2
8、H:9.82、N:29.43、P:19.94
(理論値、C:38.09、H:9.72、N:29.
61、P:20.46)であった。そのホスファゼニウ
ム化合物は化学式(2)において、a、b、c、dの順
に(1,1,1,1)で、Rがメチル基であり、QはO
Hのヒドロキシアニオンである。
【0129】更に、活性水素化合物のアルカリ金属塩を
導くために、アルカリ金属として、和光純薬製の水酸化
カリウム、及びケメタル社の50重量%の水酸化セシウ
ム水溶液を使用した。水酸化カリウムの使用に際して
は、イオン交換水を希釈剤として50重量%の水溶液の
形態で用いた。以降、水酸化カリウムをKOHと、水酸
化セシウムをCsOHと言う。以下に、ポリオキシアル
キレンポリオールの合成結果について詳述する。ポリオ
キシアルキレンポリオールの合成装置は、攪拌機、温度
計、圧力計、窒素装入口及びモノマーであるアルキレン
オキサイド装入口を装着した内容積2.5Lの耐圧製オ
ートクレーブ(日東高圧製)を使用した(以下、その合
成装置をオートクレーブと言う)。
【0130】実施例1 ポリオキシアルキレンポリオールA 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコに、グリセリン1モルに対して0.0
13モルのKOH(50重量%水溶液)を加え、窒素を
キャピラリー管で導入しながら、110℃、10mmH
gabs.(1,330Pa)以下の条件で、4時間減
圧脱水を行い、グリセリンのカリウム塩を調製した(以
降、Gly−Kと言う)。その後、Gly−Kを調製す
るために仕込んだグリセリン1モルに対して0.012
モルのP5NMe2Clを加え、窒素雰囲気下、105
℃で2時間攪拌した後、アドバンテック東洋株式会社製
の5Cろ紙により減圧ろ過を行った。ろ過後の化合物を
オートクレーブに仕込み、窒素置換を行った後、反応温
度70〜85℃で、10mmHgabs.(1,330
Pa)の減圧状態から反応時の最大圧力が4kgf/c
2 (392kPa)の条件で、OHVが27.8mg
KOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合
を行った。
【0131】引き続き、窒素によりゲージ圧1.2kg
f/cm2 (219kPa)まで加圧し、反応温度10
5℃、反応時の最大圧力が5kgf/cm2 (490k
Pa)の条件でOHVが24.0mgKOH/gになる
までエチレンオキサイドの付加重合を行った。オートク
レーブの内圧の変化が無くなった時点で105℃、5m
mHgabs.(665Pa)、40分間減圧処理を行
い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。ホス
ファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリオキシアルキレン
ポリオール100重量部に対して、10重量部のイオン
交換水、及び粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
ホスファゼニウム化合物1モルに対して、4モルのリン
酸を75.1重量%の水溶液の形態で装入し、90℃で
2時間中和反応を行った。中和反応終了後に、t−ブチ
ルヒドロキシトルエン(BHT)を粗製ポリオキシアル
キレンポリオール100重量部に対して、800ppm
添加し、減圧下で脱水を行い、オートクレーブ内の圧力
が400mmHgabs.(53kPa)の状態で吸着
剤(協和化学工業(株)製、商品名:KW−700)を
5,000ppm、吸着剤(富田製薬(株)製、商品
名:AD−600NS)を3,000ppm加えた。更
に、減圧下で脱水しながら最終的に105℃、10mm
Hgabs.(1,330Pa)以下で4時間、同操作
を行った。
【0132】その後、ケイソウ土ろ過助剤(昭和化学工
業製、商品名:R−#500)を粗製ポリオキシアルキ
レンポリオール100重量部に対して2重量部加え、1
05℃、20分間攪拌、窒素により減圧から大気圧状態
にした後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙よ
り減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの
回収を行った(酸中和除去法)。ホスファゼニウム化合
物除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールのOH
Vは24.1mgKOH/g、C=C0.013me
q./g、粘度(η)1220mPa・s/25℃、H
−T結合選択率96.4モル%、W20/W80は2.68
であり、触媒残存量は22ppmであった。
【0133】実施例2 ポリオキシアルキレンポリオールB 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに対
して0.009モルのKOH(50重量%水溶液)を加
え、窒素をキャピラリー管で導入しながら103℃、1
1mmHgabs.(1,463Pa)、の条件で5時
間減圧脱水を行い、ジプロピレングリコールのカリウム
塩を調製した(以降、DPG−Kと言う)。その後、D
PG−Kを調製するために仕込んだジプロピレングリコ
ール1モルに対して、0.008モルのP5NMe2C
lを加え、窒素雰囲気下、100℃、2時間攪拌した
後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙により減
圧ろ過を行った。
【0134】ろ過後の化合物をオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、反応温度75〜78℃で、2
0mmHgabs.(2,660Pa)の減圧状態から
反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)
の条件でOHVが37.3mgKOH/gになるまでプ
ロピレンオキサイドの付加重合を行った。オートクレー
ブの内圧の変化が無くなった時点で105℃、5mmH
gabs.(665Pa)、40分間減圧処理を行い、
粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。ホスファ
ゼニウム化合物を含んだ粗製ポリオキシアルキレンポリ
オール100重量部に対して、10重量部のイオン交換
水、及び、粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のホ
スファゼニウム化合物1モルに対して、2.5モルのリ
ン酸を75.1重量%の水溶液の形態で装入し、80℃
で2時間の中和反応を行った。中和反応終了後に、t−
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を粗製ポリオキシ
アルキレンポリオール100重量部に対して600pp
m添加し、減圧下で脱水を行い、オートクレーブ内の圧
力が400mmHgabs.(53kPa)の状態で吸
着剤(協和化学工業(株)製、商品名:KW−700)
を15,000ppm、吸着剤(富田製薬(株)製、商
品名:AD−600NS)を7,000ppm加えた。
更に減圧下で脱水しながら最終的に105℃、10mm
Hgabs.(1,330Pa)以下で3時間の同操作
を行った。その後、窒素により減圧から大気圧状態にし
た後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙により
減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの回
収を行った(酸中和除去法)。ホスファゼニウム化合物
除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールのOHV
は37.4mgKOH/g、C=C0.009meq.
/g、粘度(η)510mPa・s/25℃、H−T結
合選択率96.6モル%、W20/W80は2.65であ
り、触媒残存量は30ppmであった。
【0135】実施例3 ポリオキシアルキレンポリオールC 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.01
8モルのKOH(50重量%水溶液)を加え、窒素をキ
ャピラリー管で導入しながら110℃、8mmHgab
s.(1064Pa)以下、4時間の条件で減圧脱水を
行い、グリセリンのカリウム塩を調製した(以降、Gl
y−Kと言う)。その後、Gly−Kを調製するために
仕込んだグリセリン1モルに対して0.016モルのP
5NMe2Clを加え、窒素雰囲気下、105℃、1時
間攪拌した後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ
紙により減圧ろ過を行った。
【0136】ろ過後の化合物をオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、10mmHgabs.(1,
330Pa)の減圧状態から反応温度を28℃とし、ポ
リオキシアルキレンポリオールのOHVを31.5mg
KOH/gに調製するのに必要なプロピレンオキサイド
量の5重量%を一括で仕込んだ。反応時の最大圧力が8
kgf/cm2 (784kPa)を超えないように反応
温度を徐々に上げていった。反応温度が78℃の条件で
オートクレーブの内圧の変化が無くなった時点に、同温
度条件でOHVが31.5mgKOH/gになるまでプ
ロピレンオキサイドの付加重合を行った。引き続き、窒
素によりゲージ圧1.2kgf/cm2 (219kP
a)まで加圧し、反応温度115℃、反応時の最大圧力
が5kgf/cm2 (490kPa)の条件でOHV2
7.6mgKOH/gになるまでエチレンオキサイドの
付加重合を行った。オートクレーブの内圧の変化が無く
なった時点で105℃、5m mHgabs.(665
Pa)、40分間減圧処理を行い、粗製ポリオキシアル
キレンポリオールを得た。
【0137】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して、4
重量部のイオン交換水を加え、次いで、粗製ポリオキシ
アルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モ
ルに対して、2.02モルのシュウ酸を8.5重量%の
水溶液の形態で装入し、70℃で2時間の中和反応を行
った。中和反応終了後に、t−ブチルヒドロキシトルエ
ン(BHT)を粗製ポリオキシアルキレンポリオール1
00重量部に対して1500ppm添加し、減圧下で脱
水を行い、オートクレーブ内の圧力が400mmHga
bs.(53kPa)の状態で吸着剤(協和化学工業
(株)製、商品名:KW−700)を1,000pp
m、吸着剤(富田製薬(株)製、商品名:AD−600
NS)を12,000ppm加えた。更に減圧下で脱水
しながら最終的に105℃、10mmHgabs.
(1,330Pa)以下で4時間、同操作を行った。そ
の後、窒素により減圧から大気圧状態にした後、アドバ
ンテック東洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行
い、ポリオキシアルキレンポリオールの回収を行った
(酸中和除去法)。ホスファゼニウム化合物除去操作後
のポリオキシアルキレンポリオールのOHVは27.5
mgKOH/g、C=C0.011meq./g、粘度
(η)1090mPa・s/25℃、H−T結合選択率
95.9モル%、W20/W80は2.61であり、触媒残
存量は83ppmであった。
【0138】実施例4 ポリオキシアルキレンポリオールD 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.15
モルのCsOH(50重量%水溶液)を加え、窒素をキ
ャピラリー管で導入しながら105℃、8mmHgab
s.(1064Pa)以下、5時間の条件で減圧脱水を
行い、グリセリンのセシウム塩を調製した(以降、Gl
y−Csと言う)。その後、Gly−Csを調製するた
めに仕込んだグリセリン1モルに対して0.12モルの
P5NMe2Clを加え、窒素雰囲気下、25℃、1時
間攪拌した後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ
紙により減圧ろ過を行った。
【0139】ろ過後の化合物をオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、大気圧状態から反応温度を8
8℃とし、反応時の最大圧力が3.5k gf/cm2
(343kPa)の条件でOHV38.5mgKOH/
gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行っ
た。引き続き、窒素によりゲージ圧1.2kgf/cm
2(219kPa)に調整し、反応温度120℃、反応
時の最大圧力が5kgf/cm2 (490kPa)の条
件でOHV33.2mgKOH/gになるまでエチレン
オキサイドの付加重合を行った。オートクレーブの内圧
の変化が無くなった時点で105℃、5mmHgab
s.(665Pa)、30分間減圧処理を行い、粗製ポ
リオキシアルキレンポリオールを得た。
【0140】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して10
重量部のイオン交換水と5重量部のn−ヘキサン(和光
純薬(株)製試薬特級;以降、ヘキサンと言う。)を加
え、次いで粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のホ
スファゼニウム化合物1モルに対して4モルのリン酸を
75.1重量%の水溶液の形態で装入し、65℃で2時
間の中和反応を行った。中和反応終了後にt−ブチルヒ
ドロキシトルエン(BHT)を粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対して1,500ppm添
加し、減圧下で脱水、脱ヘキサンを行い、オートクレー
ブ内の圧力が500mmHgabs.(67kPa)の
状態で吸着剤(富田製薬(株)製、商品名:AD−60
0NS)を10,000ppm加えた。更に減圧下で脱
水、脱ヘキサンを行いながら最終的に105℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)以下で4時間、同操
作を行った。その後、窒素により減圧から大気圧状態に
した後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙によ
り減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの
回収を行った(酸中和除去法)。ホスファゼニウム化合
物除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールのOH
Vは 33.1mgKOH/g、C=C0.018me
q./g、粘度(η )850mPa・s/25℃、H
−T結合選択率96.5モル%、W20/W80は2.71
であり、触媒残存量は29ppmであった。
【0141】実施例5 ポリオキシアルキレンポリオールE 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.01
2モルのP5NMe2OHと0.03モルのトルエン
(和光純薬製試薬特級)を加え、窒素をキャピラリー管
で導入し、105℃、10mmHgabs.(1,33
0Pa)以下、4時間の減圧脱水、脱トルエン操作を行
った。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、大気圧状態から反応温度を8
0℃とし、反応時の最大圧力が4.0kgf/cm
2 (392kPa)の条件でOHV28.0mgKOH
/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行っ
た。
【0142】引き続き、窒素によりゲージ圧1.2kg
f/cm2 (219kPa)に調整し、反応温度100
℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kP
a)の条件でOHV24.1mgKOH/gになるまで
エチレンオキサイドの付加重合を行った。オートクレー
ブの内圧の変化が無くなった時点で105℃、5mmH
gabs.(665Pa)、30分間減圧処理を行い、
粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0143】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して10
重量部のイオン交換水を加え、次いで粗製ポリオキシア
ルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モル
に対して2.5モルのリン酸を75.1重量%の水溶液
の形態で装入し、85℃で2時間の中和反応を行った。
中和反応終了後に、t−ブチルヒドロキシトルエン(B
HT)を粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重
量部に対して1,000ppm添加し、減圧下で脱水を
行い、オートクレーブ内の圧力が500mmHgab
s.(67kPa)の状態で吸着剤(富田製薬(株)
製、商品名:AD−600NS)を15,000ppm
加えた。更に、減圧下で脱水を行いながら最終的に10
5℃、10mmHgabs.(1,330Pa)以下で
4時間、同操作を行った。その後、窒素により減圧から
大気圧状態にした後、アドバンテック東洋株式会社製の
5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレン
ポリオールの回収を行った(酸中和除去法)。
【0144】ホスファゼニウム化合物除去操作後のポリ
オキシアルキレンポリオールのOHVは24.1mgK
OH/g、C=C0.015meq./g、粘度(η)
1150mPa・s/25℃、H−T結合選択率95.
9モル%、W20/W80は2.63であり、触媒残存量は
19ppmであった。
【0145】実施例6 ポリオキシアルキレンポリオールF 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに対
して0.016モルのP5NMe2OHと0.02モル
のトルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しなが
ら103℃、10mmHgabs.(1,330P
a)、3時間の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を行っ
た。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、10mmHgabs.(1,
330Pa)の減圧状態から反応温度75〜78℃で、
反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)
の条件でOHVが28.2mgKOH/gになるまでプ
ロピレンオキサイドの付加重合を行った。オートクレー
ブの内圧の変化が無くなった時点で105℃、5mmH
gabs.(665Pa)、40分間減圧処理を行い、
粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0146】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して15
0重量部のイオン交換水、及び希塩酸水溶液で水素イオ
ン型に交換したイオン交換樹脂(バイエル社製、商品
名:レバチットS−100BG)を30重量部加え、窒
素雰囲気下、60℃で4時間攪拌した。次いで、アドバ
ンテック東洋株式会社製の5Bろ紙により減圧ろ過を行
い、イオン交換樹脂を除去した後、再度水を含んだポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して、イ
オン交換水90重量部、水素イオン型に交換したバイエ
ル社製レバチットS−100BGを20重量部加え、前
述した操作を行った。ろ過により、イオン交換樹脂を除
去し、水を含んだポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対してBHTを700ppm添加した。10
5℃、10mmHgabs.(1,330Pa)以下の
条件で3時間減圧脱水を行い、ポリオキシアルキレンポ
リオール中の水分を留去した。更に、アドバンテック東
洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行った(イオ
ン交換処理法)。ホスファゼニウム化合物除去操作後の
ポリオキシアルキレンポリオールのOHVは28.3m
gKOH/g、C=C0.010meq./g、粘度
(η)710mPa・s/25℃、H−T結合選択率9
6.0モル%、W20/W80は2.62であり、触媒残存
量は12ppmであった。
【0147】実施例7 ポリオキシアルキレンポリオールG 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに対
して0.020モルのP5NMe2OHと0.04モル
のトルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しなが
ら105℃、10mmHgabs.(1,330P
a)、3時間の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を行っ
た。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、10mmHgabs.(1,
330Pa)の減圧状態から反応温度70℃で、反応時
の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件
でOHVが32mgKOH/gになるまでプロピレンオ
キサイドの付加重合を行った。その後、窒素によりゲー
ジ圧1.2kgf/cm2 (219kPa)に調整し、
反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2
(392kPa)の条件でOHV28mgKOH/gに
なるまでエチレンオキサイドの付加重合を行った。更
に、オートクレーブの内圧の変化が無くなった時点で1
05℃、5mmHgabs.(665Pa)、20分間
減圧処理を行った後、大気圧状態から反応温度70℃、
反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)
の条件でOHVが18.4mgKOH/gになるまでプ
ロピレンオキサイドの付加重合を行い、粗製ポリオキシ
アルキレンポリオールを得た。
【0148】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して12
重量部のイオン交換水を加え、次いで、粗製ポリオキシ
アルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モ
ルに対して、2.3モルのシュウ酸を8.5重量%の水
溶液の形態で装入し、80℃で2時間の中和反応を行っ
た。中和反応終了後に、t−ブチルヒドロキシトルエン
(BHT)を粗製ポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対して1500ppm添加し、減圧下で脱水
を行い、オートクレーブ内の圧力が100mmHgab
s.(13kPa)の状態で吸着剤であるAD−600
NS(富田製薬(株)製)を5,000ppm加えた。
更に減圧下で脱水しながら最終的に105℃、10mm
Hgabs.(1,330Pa)以下で4時間、同操作
を行った。その後、窒素により減圧から大気圧状態にし
た後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙(保持
粒径1μ)により減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレ
ンポリオールの回収を行った(酸中和除去法)。ホスフ
ァゼニウム化合物除去操作後のポリオキシアルキレンポ
リオールのOHVは18.5mgKOH/g、C=C
0.022meq./g、粘度(η)1100mPa・
s/25℃、H−T結合選択率97.0モル%、W20
80は2.52であり、触媒残存量は82ppmであっ
た。
【0149】実施例8 ポリオキシアルキレンポリオールH 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにエチレングリコール1モルに対して
0.08モルのP5NMe2OHと0.09モルのトル
エンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しながら95
℃、10mmHgabs.(1,330Pa)、3時間
の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を行った。その後、
フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒素置換を
行った後、10mmHgabs.(1,330Pa)の
減圧状態から反応温度60〜78℃で、反応時の最大圧
力が5.5kgf/cm2 (539kPa)の条件でO
HVが9.8mgKOH/gになるまでプロピレンオキ
サイドの多段付加重合を行った。オートクレーブの内圧
の変化が無くなった時点で105℃、5mmHgab
s.(665Pa)、50分間減圧処理を行い、粗製ポ
リオキシアルキレンポリオールを得た。
【0150】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して15
0重量部のイオン交換水及び30重量部のn−ヘキサン
(和光純薬(株)製試薬特級;以降、ヘキサンと言う)
を加え、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業製、モデ
ル;HV−M型)を使用して、70℃で1時間攪拌し
た。その後、70℃で10時間静置し、分液を行った。
その後、水相を取り除き、更に仕込んだ粗製ポリオキシ
アルキレンポリオール100重量部に対して100重量
部のイオン交換水を添加し、前述した操作を2回繰り返
した。水分、ヘキサンを含んだポリオキシアルキレンポ
リオールを105℃、40mmHgabs.(5300
Pa)の条件で2時間減圧処理を行った後、酸化防止剤
であるBHTを粗製ポリオキシアルキレンポリオール1
00重量部に対して700ppm加え、更に105℃、
5mmHgabs.(665Pa)、3時間減圧処理を
行った。窒素により大気圧状態に戻し、アドバンテック
東洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行った(水
洗処理法)。ホスファゼニウム化合物除去操作後のポリ
オキシアルキレンポリオールのOHVは9.8mgKO
H/g、C=C0.058meq./g、粘度(η)4
150mPa・s/25℃、H−T結合選択率96.1
モル%、は2.78であり、触媒残存量は8ppmであ
った。
【0151】実施例9 ポリオキシアルキレンポリオールI 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.01
2モルのP5NMe2OHと0.5モルのトルエンを加
え、窒素をキャピラリー管で導入し、105℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)以下、3時間の減圧
脱水、脱トルエン操作を行った。その後、フラスコ内容
物をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った後、大
気圧状態から反応温度を80℃とし、反応時の最大圧力
が4.0kgf/cm2 (392kPa)の条件でOH
V168.3mgKOH/gになるまでプロピレンオキ
サイドの付加重合を行った。更に、P5NMe2OHの
プロピレンオキサイドの重合活性を調べる目的で、P5
NMe2OHを含んだOHV168.3mgKOH/g
の粗製ポリオキシアルキレンポリオールを重合開始剤と
し、反応温度80℃、反応時の最大圧力が4kgf/c
2 (392kPa)の条件でOHV28.0mgKO
H/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行
った。オートクレーブの内圧の変化が無くなった時点で
105℃、5mmHgabs.(665Pa)、30分
間減圧処理を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオー
ルを得た。
【0152】P5NMe2OHによるプロピレンオキサ
イドの重合活性は以下の手順で求めた。プロピレンオキ
サイド重合前に重合開始剤中に存在しているP5NMe
2OHのモル数を求める(以降、この値をaモルと言
う)。次に、目標のOHVになるまで反応させたプロピ
レンオキサイドの量(以降、この値をbgと言う)、及
び反応時間(以降、この値をc分(min.)と言う)
を求める。bgをaモル並びにcmin.で割った値を
プロピレンオキサイドの重合活性(単位;g/mol・
min.)とする。このようにして求めたP5NMe2
OHによるプロピレンオキサイド重合活性は、490g
/mol・min.であった。但し、この時のプロピレ
ンオキサイド反応条件は上述した反応条件である(反応
温度80℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (3
92kPa))。プロピレンオキサイド重合活性を求め
た後、ポリオキシアルキレンポリオール中からホスファ
ゼニウム化合物の除去操作を行った。
【0153】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して10
0重量部のイオン交換水、及び希塩酸水溶液で水素イオ
ン型に交換したイオン交換樹脂(バイエル社製、商品
名:レバチットS−100BG)を30重量部加え、窒
素雰囲気下、60℃で4時間攪拌した。次いで、アドバ
ンテック東洋株式会社製の5Bろ紙により減圧ろ過を行
い、イオン交換樹脂を除去した後、再度水を含んだポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して、イ
オン交換水90重量部、水素イオン型に交換したバイエ
ル社製レバチットS−100BGを20重量部加え、前
述した操作を行った。ろ過により、イオン交換樹脂を除
去し、水を含んだポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対してBHTを700ppm添加した。10
5℃、10mmHgabs.(1,330Pa)以下の
条件で3時間減圧脱水を行い、ポリオキシアルキレンポ
リオール中の水分を留去した。更に、アドバンテック東
洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行った(イオ
ン交換処理法)。ホスファゼニウム化合物除去操作後の
ポリオキシアルキレンポリオールのOHVは28.0m
gKOH/g、C=C0.020meq./g、粘度
(η)1,000mPa・s/25℃、H−T結合選択
率96.4モル%、W20/W80は2.58であり、触媒
残存量は12ppmであった。
【0154】実施例10 ポリオキシアルキレンポリオールJ 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに
対して0.08モルのP5NMe2OH、0.12モル
のトルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しなが
ら100℃、10mmHgabs.(1,330P
a)、3時間の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を行っ
た。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、10mmHgabs.(1,
330Pa)の減圧状態から反応温度75〜82℃で、
反応時の最大圧力が4.8kgf/cm2 (470kP
a)の条件でOHVが14.2mgKOH/gになるま
でプロピレンオキサイドの多段付加重合を行った。オー
トクレーブの内圧の変化が無くなった時点で105℃、
5mmHgabs.(665Pa)、50分間減圧処理
を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0155】ホスファゼニウム化合物を含んだ状態の粗
製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対し
て100重量部のイオン交換水を加え、T.K.ホモミ
キサー(特殊機化工業製、モデル:HV−M型)にて8
0℃で1時間攪拌した。その後、80℃で10時間静置
し、分液を行った。その後、水相を取り除き、さらに仕
込んだ粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量
部に対して100重量部のイオン交換水を添加し、前述
した操作を2回繰り返した。水分を含んだポリオキシア
ルキレンポリオールを105℃、40mmHgabs.
(5300Pa)の条件で2時間減圧脱水を行った後、
酸化防止剤であるBHTを粗製ポリオキシアルキレンポ
リオール100重量部に対して700ppm加え、さら
に105℃、5mmHgabs.(665Pa)、3時
間減圧脱水を行った。窒素により大気圧状態に戻し、ア
ドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過
を行った(水洗処理法)。ホスファゼニウム化合物除去
操作後のポリオキシアルキレンポリオールのOHVは1
4.2mgKOH/g、C=C0.043meq./
g、粘度(η)2180mPa・s/25℃、H−T結
合選択率96.8モル%、W20/W80は2.72であ
り、触媒残存量は13ppmであった。
【0156】実施例11 ポリオキシアルキレンポリオールK 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコに、グリセリン1モルに対して、
0.012モルのP5NMe2OH、及び0.4モルの
トルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入し、10
5℃、10mmHgabs.(1,330Pa)以下、
4時間の減圧脱水、脱トルエン操作を行った。その後、
フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒素置換を
行った後、10mmHgabs.(1,330Pa)の
減圧状態から反応温度を80℃とし、反応時の最大圧力
が4.0kgf/cm2 (392kPa)の条件でOH
V18.5mgKOH/gになるまでプロピレンオキサ
イドの多段付加重合を行った。オートクレーブの内圧の
変化が無くなった時点で105℃、5mmHgabs.
(665Pa)、50分間減圧処理を行い、粗製ポリオ
キシアルキレンポリオールを得た。
【0157】ホスファゼニウム化合物を含んだ状態の粗
製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対し
て150重量部のイオン交換水を加え、特殊機化工業製
のT.K.ホモミキサー(モデルHV−M型)にて室温
で1時間攪拌した。その後、60℃で10時間静置し、
分液を行った。その後、水相を取り除き、さらに仕込ん
だ粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に
対して100重量部のイオン交換水を添加し、前述した
操作を2回繰り返した。水分を含んだポリオキシアルキ
レンポリオールを105℃、40mmHgabs.
(5,300Pa)の条件で2時間減圧処理を行った
後、酸化防止剤であるBHTを粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対して700ppm加え、
さらに105℃、5mmHgabs.(665Pa)、
3時間減圧処理を行った。窒素により大気圧状態に戻
し、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙により減
圧ろ過を行った(水洗処理法)。ホスファゼニウム化合
物除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールのOH
Vは18.7mgKOH/g、C=C0.027me
q./g、粘度(η)2450mPa・s/25℃、H
−T結合選択率95.9モル%、W20/W80は2.62
であり、触媒残存量は16ppmであった。
【0158】以下、比較例について詳述する。比較例と
して用いたポリオキシアルキレンポリオール合成用触媒
は、先に述べたケメタル社の50重量%の水酸化セシウ
ム(以降、CsOHと言う)水溶液とUSP5,14
4,093(カラム4、52行〜カラム5、4行目)に
記載されているDMC(Zn3 〔Co(CN)6 2
2.48DME・4.65H2 O・0.94ZnCl
2 ;以降、DMCと言う。DMEとはジメトキシエタン
の略号である)を使用した。DMCを触媒として得られ
たポリオキシプロピレンポリオールにエチレンオキサイ
ド付加重合を行う際のアルカリ金属触媒として、和光純
薬(株)製の30重量%のカリウムメチラート(以降、
KOMeと言う)のメタノール溶液を用いた。
【0159】比較例1 ポリオキシアルキレンポリオールAA 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.4
8モルのCsOHの50重量%水溶液を加え、105
℃、10mmHgabs.(1, 330Pa)以下、4
時間の条件で減圧脱水後、フラスコ内容物をオートクレ
ーブに仕込み、窒素置換を行った。大気圧状態から反応
温度を80℃とし、反応時の最大圧力が4.0kgf/
cm2 (392kPa)の条件でOHV168.3mg
KOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合
を行った。さらに、CsOHのプロピレンオキサイドの
重合活性を調べる目的で、CsOHを含んだOHV16
8.3mgKOH/gの粗製ポリオキシアルキレンポリ
オールを重合開始剤とし、反応温度80℃、反応時の最
大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でO
HV28.0mgKOH/gになるまでプロピレンオキ
サイドの付加重合を行った。オートクレーブの内圧の変
化が無くなった時点で105℃、5mmHgabs.
(665Pa)、30分間減圧処理を行い、粗製ポリオ
キシアルキレンポリオールを得た。
【0160】CsOHのプロピレンオキサイドの重合活
性は以下の手順で求めた。プロピレンオキサイド重合前
に重合開始剤中に存在しているCsOHのモル数を求め
る(以降、この値をaモルと言う)。次に、目標のOH
Vになるまで反応させたプロピレンオキサイドの量(以
降、この値をbgと言う。)、および反応時間(以降、
この値をc分(min.)と略する。)を求める。bg
をaモルならびにcmin.で割った値をプロピレンオ
キサイドの重合活性(単位;g/mol・min.)と
する。このようにして求めたCsOHによるプロピレン
オキサイド重合活性は、8.7g/mol・min.で
あった。但し、この時のプロピレンオキサイド反応条件
は上述した条件であり、先に述べたP5NMe2OHを
用いた場合と同じ反応条件である(反応温度80℃、反
応時の最大圧力が4kgf/cm 2 (392kP
a))。プロピレンオキサイド重合活性を求めた後、ポ
リオキシアルキレンポリオール中からセシウムの除去操
作を行った。
【0161】セシウムを含んだ粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対して希塩酸水溶液で水素
イオン型に交換したイオン交換樹脂(バイエル社製、商
品名:レバチットS−100BG)を30重量部および
イオン交換水を80重量部加え、窒素雰囲気下、60℃
で6時間攪拌した。次いで、アドバンテック東洋株式会
社製の5Bろ紙により減圧ろ過を行い、イオン交換樹脂
を除去した後、再度、水を含んだポリオキシアルキレン
ポリオール100重量部に対して、イオン交換水を50
重量部、水素イオン型に交換したバイエル社製レバチッ
トS−100BGを20重量部加え、上述した操作を行
った。ろ過により、イオン交換樹脂を除去し、水を含ん
だポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対し
てBHTを500ppm添加し、105℃、10mmH
gabs.(1, 330Pa)以下の条件で3時間減圧
脱水を行い、ポリオキシアルキレンポリオール中の水分
を留去した。さらに、アドバンテック東洋株式会社製の
5Cろ紙により減圧ろ過を行った(イオン交換処理
法)。セシウム除去操作後のポリオキシアルキレンポリ
オールのOHVは28.0mgKOH/g、C=Cは
0.057meq./g、粘度(η)1150mPa・
s/25℃、H−T結合選択率96.5モル%、W 20
80は2.87であった。
【0162】比較例2 ポリオキシアルキレンポリオールBB 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.3
8モルのCsOHの50重量%水溶液を加え、窒素をキ
ャピラリー管で導入し、105℃、10mmHgab
s.(1,330Pa)以下、4時間の減圧脱水操作を
行った。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕
込み、窒素置換を行った後、大気圧状態から反応温度を
80℃とし、反応時の最大圧力が4.0kgf/cm2
(392kPa)の条件でOHV28.0mgKOH/
gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行っ
た。引き続き、窒素によりゲージ圧1.2kgf/cm
2 (219kPa)に調整し、反応温度100℃、反応
時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条
件でOHV24.1mgKOH/gになるまでエチレン
オキサイドの付加重合を行った。オートクレーブの内圧
の変化が無くなった時点で105℃、5mmHgab
s.(665Pa)、30分間減圧処理を行い、粗製ポ
リオキシアルキレンポリオールを得た。
【0163】セシウムを含んだ粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対して4重量部のイオン交
換水を加え、次いで、粗製ポリオキシアルキレンポリオ
ール中のセシウム1モルに対して1.1モルのリン酸を
75.1重量%の水溶液の形態で装入し、85℃で2時
間の中和反応を行った。中和反応終了後に、t−ブチル
ヒドロキシトルエン(BHT)を粗製ポリオキシアルキ
レンポリオール100重量部に対して1000ppm添
加し、減圧下で脱水を行い、オートクレーブ内の圧力が
500mmHgabs.(67kPa)の状態で吸着剤
(富田製薬(株)製、商品名:AD−600NS)を2
000ppm加えた。更に減圧下で脱水を行いながら最
終的に105℃、10mmHgabs.(1,330P
a)以下で4時間、同操作を行った。その後、窒素によ
り減圧から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋株
式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポリオキシ
アルキレンポリオールの回収を行った(酸中和除去
法)。セシウム除去操作後のポリオキシアルキレンポリ
オールのOHVは24.1mgKOH/g、C=C0.
023meq./g、粘度(η)1560mPa・s/
25℃、H−T結合選択率96.6モル%、W20/W80
は2.95であった。
【0164】比較例3 ポリオキシアルキレンポリオールCC 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.2
8モルのCsOHの50重量%水溶液を加え、窒素をキ
ャピラリー管で導入し、105℃、10mmHgab
s.(1,330Pa)以下、4時間の減圧脱水操作を
行った。フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒
素置換を行った後、大気圧状態から反応温度を88℃と
し、反応時の最大圧力が3.5kgf/cm2 (343
kPa)の条件でOHV38.4mgKOH/gになる
までプロピレンオキサイドの付加重合を行った。引き続
き、窒素によりゲージ圧1.2kgf/cm2 (219
kPa)に調整し、反応温度120℃、反応時の最大圧
力が5kgf/cm2 (490kPa)の条件でOHV
33.2mgKOH/gになるまでエチレンオキサイド
の付加重合を行った。オートクレーブの内圧の変化が無
くなった時点で105℃、5mmHgabs.(665
Pa)、30分間減圧処理を行い、粗製ポリオキシアル
キレンポリオールを得た。
【0165】セシウムを含んだ粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対して4重量部のイオン交
換水と5重量部のn−ヘキサン(和光純薬(株)製試薬
特級;以降、ヘキサンと言う)を加え、次いで粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール中のセシウム1モルに対し
て1.02モルのリン酸を75.1重量%の水溶液の形
態で装入し、65℃で2時間の中和反応を行った。中和
反応終了後に、t−ブチルヒドロキシトルエン(BH
T)を粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量
部に対して1,500ppm添加し、減圧下で脱水、脱
ヘキサンを行い、オートクレーブ内の圧力が500mm
Hgabs.(67kPa)の状態で吸着剤(富田製薬
(株)製、商品名:AD−600NS)を1,000p
pm加えた。更に、減圧下で脱水、脱ヘキサンを行いな
がら最終的に105℃、10mmHgabs.(1,3
30Pa)以下で4時間、同操作を行った。その後、窒
素により減圧から大気圧状態にした後、アドバンテック
東洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポリ
オキシアルキレンポリオールの回収を行った(酸中和除
去法)。セシウム除去操作後のポリオキシアルキレンポ
リオールのOHVは33.2mgKOH/g、C=C
0.039meq./g、粘度(η)1000mPa・
s/25℃、H−T結合選択率96.3モル%、W20
80は2.84であった。
【0166】比較例4 ポリオキシアルキレンポリオールDD 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに
対して0.28モルのCsOHの50重量%水溶液を加
え、窒素をキャピラリー管で導入しながら103℃、1
0mmHgabs.(1,330Pa)、3時間の条件
で減圧脱水を行った。その後、フラスコ内容物をオート
クレーブに仕込み、窒素置換を行った後、10mmHg
abs.(1,330Pa)の減圧状態から反応温度7
8〜81℃で、反応時の最大圧力が4kgf/cm2
(392kPa)の条件でOHVが28.2mgKOH
/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行っ
た。オートクレーブの内圧の変化が無くなった時点で1
05℃、5mmHgabs.(665Pa)、40分間
減圧処理を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール
を得た。
【0167】セシウムを含んだ粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対して100重量部のイオ
ン交換水および希塩酸水溶液で水素イオン型に交換した
イオン交換樹脂(バイエル社製、商品名:レバチットS
−100BG)を30重量部加え、窒素雰囲気下、60
℃で4時間攪拌した。次いで、アドバンテック東洋株式
会社製の5Bろ紙により減圧ろ過を行い、イオン交換樹
脂を除去した後、再度水を含んだポリオキシアルキレン
ポリオール100重量部に対して、イオン交換水90重
量部、水素イオン型に交換したバイエル社製レバチット
S−100BGを20重量部加え、前述した操作を行っ
た。ろ過により、イオン交換樹脂を除去し、水を含んだ
ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して
BHTを700ppm添加した。105℃、10mmH
gabs.(1,330Pa)以下の条件で3時間減圧
脱水を行い、ポリオキシアルキレンポリオール中の水分
を留去した。さらに、アドバンテック東洋株式会社製の
5Cろ紙(保持粒径1μ)により減圧ろ過を行った(イ
オン交換処理法)。セシウム除去操作後のポリオキシア
ルキレンポリオールのOHVは28.2mgKOH/
g、C=C0.038meq./g、粘度(η)790
mPa・s/25℃、H−T結合選択率96.4モル
%、W20/W80は2.85であった。
【0168】比較例5 ポリオキシアルキレンポリオールEE 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに
対して0.38モルのCsOH(50重量%水溶液)を
加え、窒素をキャピラリー管で導入しながら105℃、
10mmHgabs.(1,330Pa)、3時間の条
件で減圧脱水を行った。その後、フラスコ内容物をオー
トクレーブに仕込み、窒素置換を行った後、10mmH
gabs.(1,330Pa)の減圧状態から反応温度
80℃で、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (39
2kPa)の条件でOHVが32mgKOH/gになる
までプロピレンオキサイドの付加重合を行った。その
後、窒素によりゲージ圧1.2kgf/cm2 (219
kPa)に調整し、反応温度80℃、反応時の最大圧力
が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHV2
8mgKOH/gになるまでエチレンオキサイドの付加
重合を行った。さらに、オートクレーブの内圧の変化が
無くなった時点で105℃、5mmHgabs.(66
5Pa)、20分間減圧処理を行った後、大気圧状態か
ら反応温度90℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm
2 (392kPa)の条件でOHVが18.6mgKO
H/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行
い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0169】セシウムを含んだ粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対して12重量部のイオン
交換水を加え、次いで、粗製ポリオキシアルキレンポリ
オール中のセシウム1モルに対して1.1モルのシュウ
酸を8.5重量%の水溶液の形態で装入し、80℃で2
時間の中和反応を行った。中和反応終了後に、t−ブチ
ルヒドロキシトルエン(BHT)を粗製ポリオキシアル
キレンポリオール100重量部に対して1,500pp
m添加し、減圧下で脱水を行い、オートクレーブ内の圧
力が100mmHgabs.(13kPa)の状態で吸
着剤(富田製薬(株)製、商品名:AD−600NS)
を5,000ppm加えた。更に減圧下で脱水しながら
最終的に105℃、10mmHgabs.(1,330
Pa)以下で4時間、同操作を行った。その後、窒素に
より減圧から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋
株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポリオキ
シアルキレンポリオールの回収を行った(酸中和除去
法)。セシウム除去操作後のポリオキシアルキレンポリ
オールのOHVは18.6mgKOH/g、C=C0.
059meq./g、粘度(η)1580mPa・s/
25℃、H−T結合選択率96.8モル%、W20/W80
は2.98であった。
【0170】比較例6 ポリオキシアルキレンポリオールFF グリセリンにプロピレンオキサイドを付加したポリオキ
シプロピレンポリオールMN1000(三井化学(株)
製;OHV168mgKOH/g)100重量部に対し
て0.05重量部のDMC,Zn3 〔Co(CN)6
2 ・2.48DME・4.65H2 O・0.94ZnC
2 を添加し、105℃、10mmHgabs.(1,
330Pa)以下で3時間の減圧脱水を行った。次い
で、オートクレーブに該化合物を仕込み、反応温度80
℃、反応時の最大圧力4kgf/cm2 (392kP
a)の条件でOHV28.1mgKOH/gになるまで
プロピレンオキサイドの付加重合を行い、DMCを含有
している粗製ポリオキシプロピレンポリオールを得た。
DMCによるプロピレンオキサイドの重合活性は以下の
手順により求めた。DMCは錯体構造を形成しているた
め、詳細なアルキレンオキサイドの重合活性点は不明で
ある。そこで、DMC中の亜鉛原子がその活性サイトで
あると仮定して、先に述べた方法によりプロピレンオキ
サイドの重合活性を算出した結果、2100g/mol
・min.であった。プロピレンオキサイドの反応条件
は先に詳述したP5NMe2OH、CsOHを触媒とし
て重合した場合と全く同じである。
【0171】次に、粗製ポリオキシアルキレンポリオー
ルからDMCの除去操作を行った。DMCを含有してい
るポリオキシプロピレンポリオール100重量部に対し
て3.9重量部の30重量%のカリウムメチラート(K
OMe)のメタノール溶液を添加し、脱メタノール反応
を90℃、20mmHgabs.(2,660Pa)で
2時間行った。その後、水を5重量部とAD−600N
S(富田製薬(株)製)を5重量部加え、90℃、窒素
雰囲気下で2時間攪拌し、アドバンテック東洋株式会社
製5Cろ紙を用いて減圧ろ過を行った。ろ過後、酸化防
止剤であるBHTを500ppm添加し、120℃、1
0mmHgabs.(1,330Pa)以下で2時間減
圧脱水を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの回収
を行った。DMC除去操作後のポリオキシアルキレンポ
リオールのOHVは28.1mgKOH/g、C=C
0.010meq./g、粘度(η)2050mPa・
s/25℃、H−T結合選択率89.3モル%、W20
80は4.56であった。
【0172】比較例7 ポリオキシアルキレンポリオールGG グリセリンにプロピレンオキサイドを付加したポリオキ
シプロピレンポリオールMN1000(三井化学(株)
製;OHV168mgKOH/g)100重量部に対し
て0.05重量部のDMCを添加し、105℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)以下で3時間の減圧
脱水を行った。次いで、オートクレーブに該化合物を仕
込み、反応温度80℃、反応時の最大圧力4kgf/c
2 (392kPa)の条件でOHV28.0mgKO
H/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行
い、DMCを含有している粗製ポリオキシプロピレンポ
リオールを得た。
【0173】そのポリオキシプロピレンポリオール10
0重量部に対して2.22重量部の30重量%のカリウ
ムメチラート(KOMe)のメタノール溶液を添加し、
脱メタノール反応を90℃、20mmHgabs.
(2,660Pa)で2時間行った。その後、水を3重
量部とAD−600NS(富田製薬(株)製)を5重量
部加え、90℃、窒素雰囲気下で2時間攪拌し、その
後、アドバンテック東洋株式会社製5Cろ紙を用いて減
圧ろ過を行った。ろ過後、120℃、10mmHgab
s.(1,330Pa)以下で2時間減圧脱水を行い、
DMCの除去処理を行った。エチレンオキサイドの付加
重合を行うため、DMC除去後のポリオキシプロピレン
ポリオール100重量部に2.5重量部の30重量%の
KOMeのメタノール溶液を添加し、脱メタノール反応
を100℃、10mmHgabs.(1,330Pa)
以下で3時間行った。オートクレーブに該化合物を仕込
み、窒素置換後、反応温度100℃、反応時の最大圧力
が5kgf/cm2 (490kPa)の条件でOHVが
24.5mgKOH/gになるまでエチレンオキサイド
を装入し、反応させた。反応後、減圧処理を行い、粗製
ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0174】粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
カリウム1モルに対して1.05モルのリン酸(75.
1重量%のリン酸水溶液)ならびに粗製ポリエーテルポ
リオール100重量部に対して5重量部のイオン交換水
を装入し、90℃、2時間の条件で中和反応を行った。
その後、酸化防止剤であるBHTを500ppm、及び
吸着剤(協和化学工業(株)製、商品名:KW−700
SN)を8,000ppm添加し、減圧下、水を留去し
ながら最終的に105℃、10mmHgabs.(1,
330Pa)で3時間減圧脱水を行った。窒素により減
圧から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋株式会
社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポリオキシアル
キレンポリオールの回収を行った。カリウム除去操作後
のポリオキシアルキレンポリオールのOHVは24.5
mgKOH/g、C=C0.019meq./g、粘度
(η)2900mPa・s/25℃、H−T結合選択率
88.5モル%、W20/W80は4.05であった。
【0175】比較例8 ポリオキシアルキレンポリオールHH グリセリンにプロピレンオキサイドを付加したポリオキ
シプロピレンポリオールMN1000(三井化学(株)
製;OHV168mgKOH/g)100重量部に対し
て0.03重量部のDMCを添加し、105℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)以下で3時間の減圧
脱水を行った。次に、オートクレーブに該化合物を仕込
み、反応温度80℃、反応時の最大圧力4kgf/cm
2 (392kPa)の条件でOHV38.5mgKOH
/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行
い、DMCを含有している粗製ポリオキシプロピレンポ
リオールを得た。該ポリオキシプロピレンポリオール1
00重量部に対して2.22重量部の30重量%のカリ
ウムメチラート(KOMe)のメタノール溶液を添加
し、脱メタノール反応を90℃、20mmHgabs.
(2,660Pa)で2時間行った。その後、水を3重
量部と吸着剤(富田製薬(株)製、商品名:AD−60
0NS)を5重量部加え、90℃、窒素雰囲気下で2時
間攪拌し、アドバンテック東洋株式会社製5Cろ紙を用
いて減圧ろ過を行った。ろ過後、120℃、10mmH
gabs.(1,330Pa)以下で2時間減圧脱水を
行い、DMCの除去処理を行った。エチレンオキサイド
の付加重合を行うため、DMC除去後のポリオキシプロ
ピレンポリオール100重量部に2.5重量部の30重
量%のKOMeのメタノール溶液を添加し、脱メタノー
ル反応を100℃、10mmHgabs.(1,330
Pa)以下で3時間行った。オートクレーブにその化合
物を仕込み、窒素置換後、反応温度100℃、反応時の
最大圧力が5kgf/cm2 (490kPa)の条件で
OHVが33.2mgKOH/gになるまでエチレンオ
キサイドを装入し、反応させた。反応後、減圧処理を行
い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0176】粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
カリウム1モルに対して1.05モルのリン酸(75.
1重量%のリン酸水溶液)並びに粗製ポリエーテルポリ
オール100重量部に対して4重量部のイオン交換水を
装入し、90℃、2時間の条件で中和反応を行った。そ
の後、酸化防止剤であるBHTを500ppm、及び吸
着剤(協和化学工業(株)製、商品名:KW−700S
N)を8,000ppm添加し、減圧下、水を留去しな
がら最終的に105℃、10mmHgabs.(1,3
30Pa)で3時間減圧脱水を行った。窒素により減圧
から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋株式会社
製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキ
レンポリオールの回収を行った。カリウム除去操作後の
ポリオキシアルキレンポリオールのOHV)は33.2
mgKOH/g、C=C0.012meq./g、粘度
(η)1,800mPa・s/25℃、H−T結合選択
率87.6モル%、W20/W80は4.31であった。
【0177】比較例9 ポリオキシアルキレンポリオールII プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加し
たポリオキシプロピレンポリオールDiol400(三
井化学(株)製)100重量部に対して0.03重量部
のDMCを添加し、105℃、10mmHgabs.
(1,330Pa)以下で3時間の減圧脱水を行った。
次に、オートクレーブにその化合物を仕込み、反応温度
80℃、反応時の最大圧力4kgf/cm2 (392k
Pa)の条件でOHV28.5mgKOH/gになるま
でプロピレンオキサイドの付加重合を行い、DMCを含
有している粗製ポリオキシプロピレンポリオールを得
た。
【0178】そのポリオキシプロピレンポリオール10
0重量部に対して2.8重量部の30重量%のカリウム
メチラート(KOMe)のメタノール溶液を添加し、脱
メタノール反応を90℃、20mmHgabs.(2,
660Pa)で2時間行った。その後、水を3重量部と
AD−600NS(富田製薬(株)製)を5重量部加
え、90℃、窒素雰囲気下で2時間攪拌し、アドバンテ
ック東洋株式会社製5Cろ紙を用いて減圧ろ過を行っ
た。ろ過後、120℃、10mmHgabs.(1,3
30Pa)以下で2時間減圧脱水を行い、DMCの除去
処理を行った。
【0179】粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
カリウム1モルに対して1.5モルのリン酸(75.1
重量%のリン酸水溶液)並びに粗製ポリエーテルポリオ
ール100重量部に対して25重量部のイオン交換水を
装入し、90℃、2時間の条件で中和反応を行った。そ
の後、酸化防止剤であるBHTを500ppm加え、減
圧脱水を行った。105℃、300mmHgabs.
(40kPa)の条件下で、吸着剤(協和化学工業
(株)製、商品名:KW−700SN)を8,000p
pm添加し、更に減圧下、水を留去しながら最終的に1
05℃、10mmHgabs.(1,330Pa)で3
時間減圧脱水を行った。窒素により減圧から大気圧状態
にした後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙に
より減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオール
の回収を行った。カリウム除去操作後のポリオキシアル
キレンポリオールのOHVは28.5mgKOH/g、
C=C0.013meq./g、粘度(η)1520m
Pa・s/25℃、H−T結合選択率85.4モル%、
20/W80は4.60であった。
【0180】比較例10 ポリオキシアルキレンポリオールJJ エチレングリコールに水酸化カリウムを触媒としてプロ
ピレンオキサイドを従来の方法により付加重合したポリ
オキシプロピレンポリオール(以降、EG400と言
う。;OHV280mgKOH/g)100重量部に対
して0.03重量部のDMCを添加し、105℃、10
mmHgabs.(1,330Pa)以下で3時間の減
圧脱水を行った。次に、オートクレーブにその化合物を
仕込み、反応温度80℃、反応時の最大圧力4kgf/
cm2 (392kPa)の条件でOHV32.0mgK
OH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を
行い、DMCを含有している粗製ポリオキシプロピレン
ポリオールを得た。
【0181】そのポリオキシプロピレンポリオール10
0重量部に対して2.9重量部の30重量%のカリウム
メチラート(KOMe)のメタノール溶液を添加し、脱
メタノール反応を90℃、20mmHgabs.(2,
660Pa)で2時間行った。その後、水を3重量部と
吸着剤(富田製薬(株)製、商品名:AD−600N
S)を5重量部加え、90℃、窒素雰囲気下で2時間攪
拌し、アドバンテック東洋株式会社製5Cろ紙を用いて
減圧ろ過を行った。ろ過後、120℃、10mmHga
bs.(1,330Pa)以下で2時間減圧脱水を行
い、DMCの除去処理を行った。エチレンオキサイドの
付加重合を行うため、DMC除去後のポリオキシプロピ
レンポリオール100重量部に2.5重量部の30重量
%のKOMeのメタノール溶液を添加し、脱メタノール
反応を100℃、10mmHgabs.(1,330P
a)以下で3時間行った。オートクレーブにその化合物
を仕込み、窒素置換後、反応温度80℃、反応時の最大
圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOH
Vが28.0mgKOH/gになるまでエチレンオキサ
イドを装入し、反応させた。反応後、減圧処理を行い、
粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0182】更に、DMCを用いてプロピレンオキサイ
ドの付加重合を行うため、ポリオキシアルキレンポリオ
ール中からのカリウムの除去を行った。粗製ポリオキシ
アルキレンポリオール中のカリウム1モルに対して1.
2モルのリン酸(75.1重量%のリン酸水溶液)並び
に粗製ポリオキシエルキレンポリオール100重量部に
対して4重量部のイオン交換水を装入し、90℃、2時
間の条件で中和反応を行った。吸着剤(協和化学工業
(株)製、商品名;KW−700SN)を8,000p
pm添加し、減圧下、水を留去しながら最終的に105
℃、10mmHgabs.(1,330Pa)で3時間
減圧脱水を行った。窒素により減圧から大気圧状態にし
た後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙により
減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの回
収を行った。そのポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対して先に用いたDMCを0.01重量部添
加し、105℃、10mmHgabs.(1,330P
a)、3時間減圧脱水を行った後、反応温度80℃、反
応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の
条件でOHV18.6mgKOH/gになるまでプロピ
レンオキサイドの付加重合を行った。そのポリオキシア
ルキレンポリオールからのDMC除去操作は先に詳述し
たKOMeを用いる方法で実施した。カリウム除去操作
後のポリオキシアルキレンポリオールのOHVは18.
6mgKOH/g、C=C0.029meq./g、粘
度(η)3200mPa・s/25℃、H−T結合選択
率86.3モル%、W20/W80は5.20であった。
【0183】実施例1〜11及び比較例1〜10で得ら
れたポリオキシアルキレンポリオール(以下、ポリオー
ルと言う)のOHV、C=C、粘度(η)、H−T結合
選択率、W20/W80、及び、ポリオキシアルキレンポリ
オール中のホスファゼニウム化合物触媒の残存量を、表
1ないし表4にまとめて示した。表中の開始剤で、Gl
yはグリセリンの、DPGはジプロピレングリコール
の、EGはエチレングリコールの略号である。アルキレ
ンオキサイド重合触媒としてP5NMe2Clはホスフ
ァゼニウム化合物aの、P5NMe2OHはホスファゼ
ニウム化合物bの、CsOHは水酸化セシウムの、DM
Cは複金属シアン化物錯体の略である。POはプロピレ
ンオキサイドの、EOはエチレンオキサイドの略号であ
る。又、ホスファゼニウム化合物触媒の残存量は、触媒
残存量と略記した。表中のポリオキシアルキレンポリオ
ールの分析値は先に詳述した方法により求めた。
【0184】
【表1】
【0185】
【表2】
【0186】
【表3】
【0187】
【表4】
【0188】実施例9で用いたP5NMe2OH、及び
比較例で用いたCsOH(比較例1)、DMC(比較例
6)のプロピレンオキサイド重合活性(g/mol・m
in.)を〔表5〕に示す。
【0189】
【表5】
【0190】実施例の考察1 実施例1〜11及び比較例1〜10より以下の知見が得
られる。ホスファゼニウム化合物をアルキレンオキサイ
ドの重合触媒として使用して得た本発明に係るポリオキ
シアルキレンポリオールは、DMCを触媒とした公知の
ものと比較して、モノオール量の指標であるC=Cがほ
ぼ同じレベルであるにも拘わらず、低粘度である。プロ
ピレンオキサイドの重合活性は、DMC触媒系が最も高
い値を示すが、エチレンオキサイドの共重合反応に際し
ては、一旦、DMCをアルカリ金属化合物(カリウムメ
チラート)との反応により失活させ、次いで、その触媒
によりエチレンオキサイドを重合しなければならないた
め、操作が非常に複雑である。一方、本発明の製造方法
では、ホスファゼニウム化合物触媒系を用いるので、プ
ロピレンオキサイドの重合活性が、CsOH触媒系より
高く、しかも、C=Cの低いポリオキシアルキレンポリ
オールが得られる。エチレンオキサイドとの共重合反応
においても、複雑な操作を必要とせず、低粘度のポリオ
キシアルキレンポリオールが得られる。
【0191】実施例12〜15、比較例11〜13 ポリマー分散ポリオール 以下、本発明のポリマー分散ポリオールについて実施例
を示して説明する。実施例12〜15、比較例11〜1
3に用いた原料、略語及び分析法を以下に説明する。 (ポリオキシアルキレンポリオール)D、E、BB、G
G;それぞれ、実施例4(D)、実施例5(E)及び比
較例2(BB)、比較例7(GG)により得られたポリ
オキシアルキレンポリオール(以下、ポリオールと言
う)。 (エチレン性不飽和単量体−1);アクリロニトリル
(以下、ANと言う)。 (エチレン性不飽和単量体−2);スチレン(以下、S
tと言う)。 (連鎖移動剤);トリエチルアミン(以下、TEAと言
う)。 (ラジカル開始剤);アゾビスイソブチロニトリル(以
下、AIBNと言う)。
【0192】(5)ポリマー分散ポリオールの水酸基価
(OHV、単位:mgKOH/g)、及び、粘度(ηと
する。単位:mPa・s/25℃) JIS K−1557に記載の方法により求めた。 (6)ポリマー濃度(単位:重量%) ポリマー分散ポリオールにメタノールを加え、良く分散
させた後に、遠心分離してメタノール不溶分の重量を測
定して求める。ただし、エチレン性不飽和単量体として
アクリロニトリル(AN)を単独で用いたポリマー分散
ポリオールについては、元素分析による窒素分から求め
る。 (7)凝集粒子 ポリマー分散ポリオールの分散安定性の指標である。ポ
リマー分散ポリオールを毎分5000回転、半径方向遠
心力2000Gにおいて1時間遠心分離し、次いで、遠
心分離管を逆さにして24時間自然流下させ、遠心分離
管底部での非流動性ケーキの有無を目視で判定する。
【0193】温度計、攪拌装置、送液装置付き1リット
ルオートクレーブに〔表6〕及び〔表7〕で示したポリ
オールを満液状態に仕込み、攪拌しながら120℃まで
昇温した。続いて、あらかじめ〔表6〕及び〔表7〕に
示す比率で混合したポリオール、AN、St、TEA、
AIBNの混合液を連続的に装入し、排出口より連続的
にポリマー分散ポリオールを得た。このとき反応圧力は
ゲージ圧3.5kgf/cm2 (444kPa)、滞留
時間は50分であった。定常状態に達した後、得られた
反応液を120℃、20mmHgabs.(2,660
Pa)で4時間減圧吸引処理し、未反応エチレン性不飽
和単量体及びTEAを除去してポリマー分散ポリオール
A〜D(実施例12〜15)、ポリマー分散ポリオール
E〜G(比較例11〜13)を得た。結果を〔表6〕及
び〔表7〕に示す。
【0194】
【表6】
【0195】
【表7】
【0196】実施例16〜19、比較例14〜16 ポリウレタンフォームの製造方法 本発明により得られたポリマー分散ポリオールの効果を
明らかにするため、以下にポリマー分散ポリオールを使
用した軟質ポリウレタンフォームの製造例を示す。実施
例、比較例に用いた原料、略語及び分析法は以下の通り
である。 (ポリマー分散ポリオール)A〜G;それぞれ、実施例
12(A)、実施例14(C)、実施例15(D)及び
比較例11(E)、比較例12(F)、比較例13
(G)により得られたポリマー分散ポリオール。 (ポリオールL);三井化学社製ポリオキシアルキレン
ポリオールEP−330N。OHV33mgKOH/g (架橋剤)DEOA;三井化学社製ジエタノールアミ
ン。 (触媒−1);L−1020;活材ケミカル社製3級ア
ミン触媒(トリエチレンジアミンの33重量%ジエチレ
ングリコール溶液)。 (触媒−2);TMDA;活材ケミカル社製3級アミン
触媒(ビスジメチルアミノエチルエーテルの70重量%
ジエチレングリコール溶液)。 (整泡剤)L−5309;日本ユニカー社製シリコーン
整泡剤。 (イソシアネート);コスモネートTM−20;三井化
学社製ポリイソシアネート。TDI−80とポリメリッ
クMDIとの80:20重量比の混合物。 (8) 軟質ポリウレタンフォームの諸物性 JIS K−6301、及び、JIS K−6401記
載の方法により求めた。
【0197】ポリマー分散ポリオール、ポリオールL、
水、DEOA、L−1020、TMDA、L−5309
を表8に示した比率で攪拌混合してレジンプレミックス
とし、25℃に調製した。レジンプレミックス中の活性
水素基濃度に対するイソシアネート基濃度の比(NCO
インデックス)が1.00となる量のコスモネートTM
−20を25℃に調整した。次いで、先に調製したレジ
ンプレミックスと6秒間激しく攪拌混合し、あらかじめ
市販の離型剤を塗布した60℃のアルミ製テストモール
ド(内寸:400×400×100mm)に注入後、蓋
を閉めクランプにより密閉し、発泡硬化させた。攪拌開
始から6分後にテストモールドのクランプを外し、硬化
した軟質ポリウレタンフォームを脱型、フォームを手で
押さえた時の力で独立気泡性を評価した。続いて、ロー
ラーを使って厚みを80%圧縮して気泡を完全に連通化
させた(クラッシング操作)。発泡して24時間後に得
られた軟質ポリウレタンフォームの諸物性を測定した。
結果を〔表8〕に示す。比較例16に示した軟質ポリウ
レタンフォームは発泡状態が不良であったため、フォー
ムの諸物性は測定不可能であった。
【0198】
【表8】
【0199】実施例の考察2 ホスファゼニウム化合物を触媒としたポリオキシアルキ
レンポリオールを分散媒とする本発明のポリマー分散ポ
リオールの特徴は、低粘度である点にある。特に、ポリ
マー濃度を高くした場合であっても、従来品よりも低い
粘度を示す。そのため、広範なポリウレタン用途におい
て、成形性及び物性向上をもたらす。本発明のポリマー
分散ポリオールを用いた軟質ポリウレタンフォームは、
発泡時の連通性が高く、クラッシング後に亀裂を生ずる
等の問題もない。更に、硬度、湿熱圧縮永久歪み、反発
弾性等の物性に優れた軟質ポリウレタンフォームを提供
することが可能である。
【0200】更に、前述の実施例、比較例で得られたポ
リオキシアルキレンポリオール並びにポリマー分散ポリ
オールを用いてイソシアネート基末端プレポリマーの合
成を行った。次いで、本発明により得られたイソシアネ
ート基末端プレポリマーの効果を明らかにするため、ポ
リオキシアルキレンポリオールとポリイソシアネート化
合物との反応により得られたイソシアネート基末端プレ
ポリマーの貯蔵安定性試験結果を示すと共に、イソシア
ネート基末端プレポリマーと1,4−ブタングリコール
(以下、1,4−BGと言う)を硬化剤とするポリウレ
タン樹脂の製造例を示す。 (9)イソシアネート基末端プレポリマー中のイソシア
ネート基含有量(重量%)、及び粘度(mPa・s/2
5℃) JIS K−7301に記載の方法に準拠した。 (10)ポリウレタン樹脂の物性測定 JIS K−6301に記載の方法に準拠した。
【0201】実施例21 イソシアネート基末端プレポリマーA 実施例6で得られたポリオキシアルキレンポリオールF
を772.6重量部、ポリイソシアネート化合物として
コスモネートPH(4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、三井化学(株)製、以下同様)227.4
重量部を添加し、窒素雰囲気下で100℃、4時間攪拌
し、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。この時
の活性水素基濃度に対するイソシアネート基の濃度比
(NCOインデックス)は4.67である。イソシアネ
ート基含有量は6.0重量%、粘度は5120mPa・
s/25℃であった。得られたイソシアネート基末端プ
レポリマー500部を金属製容器に窒素雰囲気下で密閉
し、60℃のオーブンに14日間保管し、貯蔵安定性試
験を行った。貯蔵安定性試験後のイソシアネート基末端
プレポリマーのイソシアネート基含有量は5.8重量
%、粘度は5240mPa・s/25℃と殆ど変化は見
られなかった。
【0202】次に、イソシアネート基末端プレポリマー
A100重量部に、1,4−BG(和光純薬(株)製、
以下同様)6.1重量部、ジブチル錫ジラウリエート
(三共有機合成(株)製StannBL、以下、DBT
DLと略す)0.002重量部を加え、攪拌機により均
一に混合し、テフロンコートした2mm厚の金型に均一
に流し込み、100℃で24時間硬化させた。更に、2
3℃の条件下、7日間静置し、完全硬化させた後、物性
測定を行った。得られたポリウレタン樹脂の硬度は75
A、破断時の引張強度は180kgf/cm2 (17.
7MPa)、破断時の伸びは750%であった。
【0203】実施例22 イソシアネート基末端プレポリマーB 実施例9で得られたポリオキシアルキレンポリオールI
を773.1重量部、ポリイソシアネート化合物として
コスモネートPH226.9重量部を添加し、窒素雰囲
気下で100℃、4時間攪拌し、イソシアネート基末端
プレポリマーを得た。この時のNCOインデックスは
4.70である。イソシアネート基含有量は6.0重量
%、粘度は7800mPa・s/25℃であった。得ら
れたイソシアネート基末端プレポリマー500重量部を
金属製容器に窒素雰囲気下で密閉し、60℃のオーブン
に14日間保管し、貯蔵安定性試験を行った。貯蔵安定
性試験後のイソシアネート基末端プレポリマーのイソシ
アネート基含有量は5.9重量%、粘度は8000mP
a・s/25℃と殆ど変化は見られなかった。
【0204】次に、イソシアネート基末端プレポリマー
B100重量部に、1,4−BG(和光純薬(株)製)
6.1重量部、DBTDL0.002重量部を加え、攪
拌機により均一に混合し、テフロンコートした2mm厚
の金型に均一に流し込み、100℃で24時間硬化させ
た。更に、23℃の条件下、7日間静置し、完全硬化さ
せた後、物性測定を行った。得られたポリウレタン樹脂
の硬度は77A、破断時の引張強度は150kgf/c
2 (14.7MPa)、破断時の伸びは350%であ
った。
【0205】実施例23 イソシアネート基末端プレポリマーC 実施例10で得られたポリオキシアルキレンポリオール
Jを796.2重量部、ポリイソシアネート化合物とし
てコスモネートPH203.8重量部を添加し、窒素雰
囲気下で100℃、4時間攪拌し、イソシアネート基末
端プレポリマーを得た。この時のNCOインデックスは
8.09である。イソシアネート基含有量は6.0重量
%、粘度は6640mPa・s/25℃であった。得ら
れたイソシアネート基末端プレポリマー500重量部を
金属製容器に窒素雰囲気下で密閉し、60℃のオーブン
に14日間保管し、貯蔵安定性試験を行った。貯蔵安定
性試験後のイソシアネート基末端プレポリマーのイソシ
アネート基含有量は5.9重量%、粘度は6690mP
a・s/25℃と殆ど変化は見られなかった。
【0206】次に、イソシアネート基末端プレポリマー
C100重量部に、1,4−BG(和光純薬(株)製)
6.1重量部、DBTDL0.002重量部を加え、攪
拌機により均一に混合し、テフロンコートした2mm厚
の金型に均一に流し込み、100℃で24時間硬化させ
た。更に、23℃の条件下、7日間静置し、完全硬化さ
せた後、物性測定を行った。得られたポリウレタン樹脂
の硬度は73A、破断時の引張強度は130kgf/c
2 (12.8MPa)、破断時の伸びは900%であ
った。
【0207】比較例17 イソシアネート基末端プレポリマーAA 比較例1で得られたポリオキシアルキレンポリオールA
A773.1重量部に、ポリイソシアネート化合物とし
てコスモネートPH226.9重量部を添加し、窒素雰
囲気下で100℃、4時間攪拌し、イソシアネート基末
端プレポリマーを得た。この時のNCOインデックスは
4.70である。イソシアネート基含有量は6.0重量
%、粘度は8000mPa・s/25℃であった。得ら
れたイソシアネート基末端プレポリマー500重量部を
金属製容器に窒素雰囲気下で密閉し、60℃のオーブン
に14日間保管し、貯蔵安定性試験を行った。貯蔵安定
性試験後のイソシアネート基末端プレポリマーのイソシ
アネート基含有量は5.8重量%、粘度は8200mP
a・s/25℃と殆ど変化は見られなかった。
【0208】次に、イソシアネート基末端プレポリマー
AA100重量部に、1,4−BG6.1重量部、DB
TDL0.002重量部を加え、攪拌機により均一に混
合し、テフロンコートした2mm厚の金型に均一に流し
込み、100℃で24時間硬化させた。更に、23℃の
条件下、7日間静置し、完全硬化させた後、物性測定を
行った。得られたポリウレタン樹脂の硬度は73A、破
断時の引張強度は120kgf/cm2 (11.8MP
a)、破断時の伸びは300%であった。
【0209】比較例18 イソシアネート基末端プレポリマーBB 比較例4で得られたポリオキシアルキレンポリオールD
Dを772.8重量部、ポリイソシアネート化合物とし
てコスモネートPH227.2重量部を添加し、窒素雰
囲気下で100℃、4時間攪拌し、イソシアネート基末
端プレポリマーを得た。この時のNCOインデックスは
4.68である。イソシアネート基含有量は6.0重量
%、粘度は5150mPa・s/25℃であった。得ら
れたイソシアネート基末端プレポリマー500重量部を
金属製容器に窒素雰囲気下で密閉し、60℃のオーブン
に14日間保管し、貯蔵安定性試験を行った。貯蔵安定
性試験後のイソシアネート基末端プレポリマーのイソシ
アネート基含有量は5.9重量%、粘度は5260mP
a・s/25℃と殆ど変化は見られなかった。
【0210】次に、イソシアネート基末端プレポリマー
BB100重量部に、1,4−BG6.1部、DBTD
L0.002部を加え、攪拌機により均一に分散し、テ
フロンコートした2mm厚の金型に均一に流し込み、1
00℃で24時間硬化させた。更に、23℃の条件下7
日間静置し、完全硬化させた後、物性測定を行った。得
られた硬化物の硬度は70A、破断時の引張強度は16
5kgf/cm2 (16.2MPa)、破断時の伸びは
700%であった。
【0211】比較例19 イソシアネート基末端ポレポリマーCC 比較例6で得られたポリオキシアルキレンポリオールF
F772.9重量部に、ポリイソシアネート化合物とし
てコスモネートPH227.1重量部を添加し、窒素雰
囲気下で100℃、4時間攪拌し、イソシアネート基末
端プレポリマーを得た。この時のNCOインデックスは
4.69である。イソシアネート基含有量は6.0重量
%、粘度は9800mPa・s/25℃であり、粘度が
高かった。得られたイソシアネート基末端プレポリマー
500重量部を金属製容器に窒素雰囲気下で密閉し、6
0℃のオーブンに14日間保管し、貯蔵安定性試験を行
った。貯蔵安定性試験後のイソシアネート基末端プレポ
リマーのイソシアネート基含有量は5.5重量%、粘度
は15000mPa・s/25℃とイソシアネート基含
有量の低下と、粘度の上昇が見られた。
【0212】次に、イソシアネート基末端プレポリマー
CC100重量部に、1,4−BG6.1重量部、DB
TDL0.002重量部を加え、攪拌機により均一に混
合し、テフロンコートした2mm厚の金型に均一に流し
込み、100℃で24時間硬化させた。更に、23℃の
条件下、7日間静置し、完全硬化させた後、物性測定を
行った。得られたポリウレタン樹脂の硬度は72A、破
断時の引張強度は120kgf/cm2 (11.8MP
a)、破断時の伸びは200%であった。
【0213】比較例20 イソシアネート基末端プレポリマーDD 比較例9で得られたポリオキシアルキレンポリオールI
Iを772.3重量部に、ポリイソシアネート化合物と
してコスモネートPH227.7重量部を添加し、窒素
雰囲気下で100℃、4時間攪拌し、イソシアネート基
末端プレポリマーを得た。この時のNCOインデックス
は4.64である。イソシアネート基含有量は6.0重
量%、粘度は5500mPa・s/25℃であった。得
られたイソシアネート基末端プレポリマー500重量部
を金属製容器に窒素雰囲気下で密閉し、60℃のオーブ
ンに14日間保管し、貯蔵安定性試験を行った。貯蔵安
定性試験後のイソシアネート基末端プレポリマーのイソ
シアネート基含有量は5.4重量%、粘度は9800m
Pa・s/25℃とイソシアネート基含有量の低下と、
粘度の上昇が見られた。
【0214】次に、イソシアネート基末端プレポリマー
DDを100重量部に、1,4−BG6.1重量部、D
BTDL0.002重量部を加え、攪拌機により均一に
混合し、テフロンコートした2mm厚の金型に均一に流
し込み、100℃で24時間硬化させた。更に、23℃
の条件下、7日間静置し、完全硬化させた後、物性測定
を行った。得られたポリウレタン樹脂の硬度は72A、
破断時の引張強度は123kgf/cm2 (12.1M
Pa)、破断時の伸びは550%であった。実施例21
〜23、比較例17〜20の結果を〔表9〕に示す。表
中のポリオールとはポリオキシアルキレンポリオールの
略号である。NCOインデックスとは活性水素基濃度に
対するイソシアネート基濃度の比を表す。
【0215】
【表9】
【0216】実施例の考察3 実施例21〜23、比較例17〜20より、ホスファゼ
ニウム化合物を触媒としたポリオキシアルキレンポリオ
ールを用いた、本発明のイソシアネート基末端プレポリ
マーの特徴は、低粘度であること、及び、貯蔵安定性に
優れていることにある。更には、本発明のイソシアネー
ト基末端プレポリマーを用いることにより、機械的性質
に優れたポリウレタン樹脂を提供することができる。次
に、実施例13、及び比較例13で得られたポリマー分
散ポリオールを用いて、イソシアネート基末端プレポリ
マーの合成を行った。次いで、本発明により得られたイ
ソシアネート基末端プレポリマーの効果を明らかにする
ため、ポリマー分散ポリオールとポリイソシアネート化
合物との反応により得られたイソシアネート基末端プレ
ポリマーの貯蔵安定性試験結果を示す。 (11)イソシアネート基末端プレポリマー中のイソシ
アネート基含有量(重量%)、及び粘度(mPa・s/
25℃) JIS K−7301に記載される方法に準拠して測定
した。
【0217】実施例24 イソシアネート基末端プレポリマーD 実施例13で得られたポリマー分散ポリオールB78
5.8重量部に、ポリイソシアネート化合物としてコス
モネートPH214.2重量部を添加し、窒素雰囲気下
で100℃、4時間攪拌し、イソシアネート基末端プレ
ポリマーを得た。この時のNCOインデックスは6.0
2である。イソシアネート基含有量は6.0重量%、粘
度は10,480mPa・s/25℃であった。得られ
たイソシアネート基末端プレポリマー500重量部を金
属製容器に窒素雰囲気下で密閉し、60℃のオーブンに
14日間保管し、貯蔵安定性試験を行った。貯蔵安定性
試験後のイソシアネート基末端プレポリマーのイソシア
ネート基含有量は5.8重量%、粘度は12,500m
Pa・s/25℃であった。
【0218】比較例21 イソシアネート基末端ポレポリマーEE 比較例13で得られたポリマー分散ポリオールG78
8.2重量部に、ポリイソシアネート化合物としてコス
モネートPH211.8重量部を添加し、窒素雰囲気下
で100℃、4時間攪拌し、イソシアネート基末端プレ
ポリマーを得た。この時のNCOインデックスは6.3
8である。イソシアネート基含有量は5.8重量%、粘
度は98,000mPa・s/25℃であった。得られ
たイソシアネート基末端プレポリマー500重量部を金
属製容器に窒素雰囲気下で密閉し、60℃のオーブンに
14日間保管し、貯蔵安定性試験を行った。貯蔵安定性
試験後のイソシアネート基末端プレポリマーはゲル化し
ており、遊離イソシアネート基含有量及び粘度の測定は
不可能であった。
【0219】実施例24及び比較例21の結果を〔表1
0〕にまとめた。表中のNCOインデックスとは活性水
素基濃度に対するイソシアネート基濃度の比を表す。比
較例1の貯蔵安定性試験後のイソシアネート基末端プレ
ポリマー中のイソシアネート基含有量並びに粘度は測定
不可能であった。
【0220】
【表10】
【0221】実施例の考察4 実施例24及び比較例21より、ホスファゼニウム化合
物を触媒としたポリオキシアルキレンポリオールを分散
媒とするポリマー分散ポリオールを用いた、本発明のイ
ソシアネート基末端プレポリマーは、DMC触媒により
得られるポリオキシアルキレンポリオールを分散媒とす
るポリマー分散ポリオールを用いたイソシアネート基末
端プレポリマーと比較して低粘度である特徴を有し、貯
蔵安定性に優れている。
【0222】遊離イソシアネート化合物の含有量が少な
いイソシアネート基末端プレポリマー (12)実施例25〜27、比較例22〜25のポリオ
キシアルキレンポリオール、及びイソシアネート基末端
プレポリマーの特性は下記方法により測定した。 (13)ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価
(OHV、単位:mgKOH/g)、総不飽和度(C=
C、単位:meq./g)、粘度(η、単位:mPa・
s/25℃)、CPR(単位:無次元) JIS K−1557記載の方法により求めた。 (14)イソシアネート基末端プレポリマーの粘度(以
下、ηpre.と言う、単位:mPa・s/25℃) JIS K−7301記載の方法により求めた。 (15)遊離イソシアネート化合物の濃度(単位:重量
%) ガスクロマトグラフィー(GC)により求めた。ポリオ
キシアルキレンポリオールの合成において、ホスファゼ
ニウム化合物b(P5NMe2OH)を使用した。比較
では、DMC及びケメタル社製の水酸化セシウム(50
重量%水酸化セシウム水溶液の形態)を用いた。粗製イ
ソシアネート基末端プレポリマーから遊離イソシアネー
ト化合物を減圧除去する際には、分子蒸留装置(柴田科
学社製、形式:MS−800型)を用いた。その装置は
小型の回転薄膜式蒸留装置である。以下、その装置を分
子蒸留装置と言う。
【0223】実施例25 イソシアネート基末端プレポリマーA2 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに対
して、0.020モルのP5NMe2OHと0.04モ
ルのトルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しな
がら105℃、20mmHgabs.(2,660P
a)の条件で3時間、減圧脱水、脱トルエン操作を行っ
た。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、10mmHgabs.(1,
330Pa)の減圧状態から反応温度80℃で、反応時
の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件
でOHVが18.8mgKOH/gになるまでプロピレ
ンオキサイドの付加重合を行った。オートクレーブの内
圧の変化が無くなった時点で105℃、5mmHgab
s.(665Pa)の条件で30分間減圧処理を行い、
粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0224】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して10
重量部のイオン交換水を加え、次いで、粗製ポリオキシ
アルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モ
ルに対して、2.2モルのリン酸(75.1重量%の水
溶液の形態)を装入し、80℃で2時間の中和反応を行
った。中和反応終了後に、t−ブチルヒドロキシトルエ
ン(BHT)を粗製ポリオキシアルキレンポリオール1
00重量部に対して、1,500ppm添加し、減圧下
で脱水を行い、オートクレーブ内の圧力が100mmH
gabs.(13kPa)の状態で吸着剤〔富田製薬
(株)製、商品名:AD−600NS、以下同様〕を2
0,000ppm加えた。更に、減圧下で脱水しながら
最終的に105℃、10mmHgabs.(1,330
Pa)以下の条件で4時間、同操作を行った。その後、
窒素により減圧から大気圧状態にした後、アドバンテッ
ク東洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポ
リオキシアルキレンポリオールの回収を行った(酸中和
除去法)。ホスファゼニウム化合物除去操作後のポリオ
キシアルキレンポリオールの(OHV)は18.8mg
KOH/g、C=C0.020meq./g、粘度
(η)2300mPa・s/25℃であり、CPRは
0.5であった。
【0225】次いで、攪拌装置、窒素導入管、滴下ロー
ト、水冷コンデンサー及び温度計を装備した2リットル
の4つ口フラスコに上記ポリオキシアルキレンポリオー
ル870.9gとジプロピレングリコール〔三井化学
(株)製、以下同様〕22.3gを装入し、窒素雰囲気
下、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネートの
混合物〔重量割合2,4−TDI97.5重量%、2,
6−TDI2.5重量%、コスモネートT−100、三
井化学(株)製、以下同様〕354.1gを内温40〜
45℃の範囲で、20分間かけて滴下した。ポリイソシ
アネート化合物を滴下後、70℃に昇温し、同温度で4
時間反応を行った。
【0226】次いで、95℃に昇温し、同温度で5時間
反応した。更に、内温を60℃に降温し、同温度で12
時間反応し、粗製イソシアネート基末端プレポリマーを
得た。この時のNCOインデックスは6.20である。
次に、分子蒸留装置を用い、攪拌しながら、温度110
℃、圧力0.01mmHgabs.(1.33Pa)の
条件で3時間、粗製イソシアネート基末端プレポリマー
中の未反応イソシアネート化合物の減圧除去処理を行っ
た。得られたイソシアネート基末端プレポリマーの粘度
(ηpre.)は8950mPa・s/25℃で、プレ
ポリマー中の遊離イソシアネート化合物の含有量は0.
2重量%であった。
【0227】実施例26 イソシアネート基末端プレポリマーB2 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して、0.0
12モルのP5NMe2OHと0.08モルのトルエン
を加え、窒素をキャピラリー管で導入しながら105
℃、10mmHgabs.(1,330Pa)の条件で
4時間、減圧脱水、脱トルエン操作を行った。その後、
フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒素置換を
行った後、10mmHgabs.(1,330Pa)の
減圧状態から反応温度80℃で、反応時の最大圧力が4
kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHVが3
3.6mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイド
の付加重合を行った。オートクレーブの内圧の変化が無
くなった時点で105℃、5mmHgabs.(665
Pa)の条件で30分間減圧処理を行い、粗製ポリオキ
シアルキレンポリオールを得た。
【0228】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して、1
0重量部のイオン交換水を加え、次いで、粗製ポリオキ
シアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1
モルに対して、2.2モルのリン酸(75.1重量%の
水溶液の形態)を装入し、80℃で2時間の中和反応を
行った。中和反応終了後に、t−ブチルヒドロキシトル
エン(BHT)を粗製ポリオキシアルキレンポリオール
100重量部に対して1500ppm添加し、減圧下で
脱水を行い、オートクレーブ内の圧力が200mmHg
abs.(26kPa)の状態で吸着剤AD−600N
S〔富田製薬(株)製〕を15,000ppm加えた。
更に、減圧下で脱水しながら最終的に105℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)以下の条件で4時
間、同操作を行った。その後、窒素により減圧から大気
圧状態にした後、アドバンテック東洋株式会社製の5C
ろ紙により減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリ
オールの回収を行った(酸中和除去法)。ホスファゼニ
ウム化合物除去操作後のポリオキシアルキレンポリオー
ルの(OHV)は33.6mgKOH/g、C=C0.
016meq./g、粘度(η)830mPa・s/2
5℃であり、CPRは1.0であった。
【0229】次いで、攪拌装置、窒素導入管、滴下ロー
ト、水冷コンデンサー及び温度計を装備した2リットル
の4つ口フラスコに上記ポリオキシアルキレンポリオー
ル1220.2gを装入し、窒素雰囲気下、コスモネー
トT−100を385.2gを内温40〜45℃の範囲
で、20分間かけて滴下した。ポリイソシアネート化合
物を滴下後、70℃に昇温し、同温度で4時間反応を行
った。次いで、95℃に昇温し、同温度で3時間反応し
た。更に、内温を60℃に降温し、同温度で12時間反
応し、粗製イソシアネート基末端プレポリマーを得た。
この時のNCOインデックスは5.80である。分子蒸
留装置を用い、攪拌しながら、温度110℃、圧力0.
01mmHgabs.(1.33Pa)の条件で3時
間、粗製イソシアネート基末端プレポリマー中の未反応
イソシアネート化合物の減圧除去処理を行った。得られ
たイソシアネート基末端プレポリマーの粘度(ηpr
e.)は9850mPa・s/25℃で、プレポリマー
中の遊離イソシアネート化合物の含有量は0.3重量%
であった。
【0230】実施例27 イソシアネート基末端プレポリマーC2 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにエチレングリコール1モルに対し
て、0.020モルのP5NMe2OHと0.04モル
のトルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しなが
ら105℃、10mmHgabs.(1,330Pa)
の条件で3時間、減圧脱水、脱トルエン操作を行った。
その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒
素置換を行った後、10mmHgabs.(1,330
Pa)の減圧状態から反応温度70℃で、反応時の最大
圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOH
Vが32mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイ
ドの付加重合を行った。その後、窒素によりゲージ圧
1.2kgf/cm2 (219kPa)に調整し、反応
温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (3
92kPa)の条件でOHV28mgKOH/gになる
までエチレンオキサイドの付加重合を行った。更に、オ
ートクレーブの内圧の変化が無くなった時点で105
℃、5mmHgabs.(665Pa)、20分間減圧
処理を行った後、大気圧状態から反応温度70℃、反応
時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条
件でOHVが18.4mgKOH/gになるまでプロピ
レンオキサイドの付加重合を行い、粗製ポリオキシアル
キレンポリオールを得た。
【0231】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して、1
2重量部のイオン交換水を加え、次いで粗製ポリオキシ
アルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モ
ルに対して、2.5モルのリン酸(75.1重量%の水
溶液の形態)を装入し、80℃で2時間の中和反応を行
った。中和反応終了後に、t−ブチルヒドロキシトルエ
ン(BHT)を粗製ポリオキシアルキレンポリオール1
00重量部に対して、1,500ppm添加し、減圧下
で脱水を行い、オートクレーブ内の圧力が100mmH
gabs.(13kPa)の状態で吸着剤AD−600
NS〔富田製薬(株)製〕を15,000ppm加え
た。更に減圧下で脱水しながら最終的に105℃、10
mmHgabs.(1,330Pa)以下で4時間、同
操作を行った。その後、窒素により減圧から大気圧状態
にした後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙に
より減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオール
の回収を行った(酸中和除去法)。ホスファゼニウム化
合物除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールのO
HVは18.5mgKOH/g、C=C0.022me
q./g、粘度(η)1100mPa・s/25℃で、
CPRは0.2であった。
【0232】次いで、攪拌装置、窒素導入管、滴下ロー
ト、水冷コンデンサー及び温度計を装備した2リットル
の4つ口フラスコに上記ポリオキシアルキレンポリオー
ル953.5gを装入し、窒素雰囲気下、ノルボルナン
ジイソシアネート〔三井化学(株)製〕197.7gを
内温40〜45℃の範囲で、20分間かけて滴下した。
ポリイソシアネート化合物を滴下後、70℃に昇温し、
同温度で3時間反応を行った。次いで、95℃に昇温
し、同温度で4時間反応した。更に、内温を60℃に降
温し、同温度で15時間反応し、粗製イソシアネート基
末端プレポリマーを得た。この時のNCOインデックス
は5.50である。分子蒸留装置を用い、攪拌しなが
ら、温度160℃、圧力0.01mmHgabs.
(1.33Pa)の条件で3時間、粗製イソシアネート
基末端プレポリマー中の未反応イソシアネート化合物の
減圧除去処理を行った。得られたイソシアネート基末端
プレポリマーの粘度(ηpre.)は12,350mP
a・s/25℃で、プレポリマー中の遊離イソシアネー
ト化合物の含有量は0.8重量%であった。
【0233】以下に比較例を示す。比較例22は、前述
した実施例25で得られたポリオキシアルキレンポリオ
ールを用いて、NCOインデックスを変更したプレポリ
マーに関する。比較例23及び比較例25ではアルキレ
ンオキサイドの重合触媒として前述したDMCを用い
た。水酸化カリウムを触媒として製造されたポリオキシ
アルキレンポリオールを開始剤とし、次いで、DMC触
媒を用いてポリオキシアルキレンポリオールの合成を行
った。更に、エチレンオキサイド付加重合時には、30
重量%のカリウムメチラートのメタノール溶液〔和光純
薬(株)製、以下、KOMeと言う〕を触媒とした。比
較例24ではアルキレンオキサイドの重合触媒として、
上記した水酸化セシウム(CsOH)を用いた。
【0234】比較例22 イソシアネート基末端プレポリマーD2 攪拌装置、窒素導入管、滴下ロート、水冷コンデンサー
及び温度計を装備した2リットルの4つ口フラスコに実
施例25で得られたポリオキシアルキレンポリオールを
720.3gと、ジプロピレングリコール〔三井化学
(株)製、以下同様〕18.4gを装入し、窒素雰囲気
下、コスモネートT−100を99.2gを内温40〜
45℃の範囲で、20分間かけて滴下した。ポリイソシ
アネート化合物を滴下後、70℃に昇温し、同温度で4
時間反応を行った。次いで、95℃に昇温し、同温度で
5時間反応した。更に、内温を60℃に降温し、同温度
で12時間反応し、粗製イソシアネート基末端プレポリ
マーを得た。この時のNCOインデックスは2.10で
ある。得られたイソシアネート基末端プレポリマーの粘
度(ηpre.)は12,500mPa・s/25℃
で、プレポリマー中の遊離イソシアネート化合物の含有
量は2.0重量%であった。
【0235】比較例23 イソシアネート基末端プレポリマーE2 プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加し
たポリプロピレンポリオールDiol400〔三井化学
(株)製〕100重量部に対して、0.03重量部のD
MC(DMC)を添加し、105℃、10mmHgab
s.(1,330Pa)以下の条件で3時間減圧脱水を
行った。次に、オートクレーブにその化合物を仕込み、
窒素置換を行った後、10mmHgabs.(1,33
0Pa)の減圧状態から反応温度80℃、反応時の最大
圧力4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHV
18.7mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイ
ドの付加重合を行い、DMCを含有している粗製ポリオ
キシプロピレンポリオールを得た。そのポリオキシプロ
ピレンポリオール100重量部に対して、2.8重量部
の30重量%のカリウムメチラート(KOMe)のメタ
ノール溶液を添加し、脱メタノール反応を90℃、20
mmHgabs.(2,660Pa)の条件で2時間行
った。その後、水を3重量部と吸着剤AD−600NS
〔富田製薬(株)製〕を5重量部加え、90℃、窒素雰
囲気下で2時間攪拌し、アドバンテック東洋株式会社製
5Cろ紙を用いて減圧ろ過を行った。ろ過後、120
℃、10mmHgabs.(1,330Pa)以下の条
件で2時間減圧脱水を行い、DMCの除去処理を行っ
た。
【0236】粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
カリウム1モルに対して、1.5モルのリン酸(75.
1重量%のリン酸水溶液)並びに粗製ポリオキシアルキ
レンポリオール100重量部に対して、25重量部のイ
オン交換水を装入し、90℃、2時間の条件で中和反応
を行った。その後、酸化防止剤であるBHTを1500
ppm加え、減圧脱水を行った。105℃、300mm
Hgabs.(40kPa)の条件 下で、吸着剤〔協
和化学工業(株)製、商品名:KW−700SN、以下
同様〕を8000ppm添加し、更に減圧下、水を留去
しながら最終的に105℃、10mmHgabs.
(1,330Pa)の条件で3時間減圧脱水を行った。
窒素により減圧から大気圧状態にした後、アドバンテッ
ク東洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポ
リオキシアルキレンポリオールの回収を行った。カリウ
ム除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールのOH
Vは18.7mgKOH/g、C=C0.021me
q./g、粘度(η)3100mPa・s/25℃で、
CPRは5.5であった。
【0237】次いで、攪拌装置、窒素導入管、滴下ロー
ト、水冷コンデンサー及び温度計を装備した2リットル
の4つ口フラスコに上記ポリオキシアルキレンポリオー
ル871.1gとジプロピレングリコール 22.4g
を装入し、窒素雰囲気下、コスモネートT−100を3
54.5gを内温40〜45℃の範囲で、20分間かけ
て滴下した。ポリイソシアネート化合物を滴下後、70
℃に昇温し、同温度で4時間反応を行った。次いで、9
5℃に昇温し、同温度で5時間反応した。更に、内温を
60℃に降温し、同温度で12時間反応し、粗製イソシ
アネート基末端プレポリマーを得た。この時のNCOイ
ンデックスは6.20である。次に、分子蒸留装置を用
い、攪拌しながら、温度110℃、圧力0.01mmH
gabs.(1.33Pa)の条件で3時間、粗製イソ
シアネート基末端プレポリマー中の未反応イソシアネー
ト化合物の減圧除去処理を行った。得られたイソシアネ
ート基末端プレポリマーの粘度(ηpre.)は19,
500mPa・s/25℃で、プレポリマー中の遊離イ
ソシアネート化合物の含有量は0.4重量%であった。
【0238】比較例24 イソシアネート基末端プレポリマーF2 攪拌装置、窒素導入管及び温度計を装備した500ml
の4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して、0.3
6モルの水酸化セシウム(50重量%の水酸化セシウム
水溶液の形態)を加え、窒素をキャピラリー管で導入し
ながら105℃、10mmHgabs.(1,330P
a)以下の条件で3時間、減圧脱水を行った。その後、
フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒素置換を
行った後、10mmHgabs.(1,330Pa)の
減圧状態から反応温度80℃、反応時の最大圧力が4k
gf/cm2 (392kPa)の条件でOHVが33.
4mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付
加重合を行った。オートクレーブの内圧の変化が無くな
った時点で105℃、10mmHgabs.(1,33
0Pa)の条件で20分間減圧処理を行い、粗製ポリオ
キシアルキレンポリオールを得た。
【0239】セシウムを含んだ粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオール100重量部に対して、12重量部のイオ
ン交換水を加え、次いで、粗製ポリオキシアルキレンポ
リオール中のセシウム1モルに対して、1.1モルのシ
ュウ酸(8.5重量%の水溶液の形態)を装入し、80
℃で2時間の中和反応を行った。中和反応終了後に、B
HTを粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量
部に対して1,500ppm添加し、減圧下で脱水を行
い、オートクレーブ内の圧力が100mmHgabs.
(13kPa)の状態で吸着剤AD−600NS〔富田
製薬(株)製〕を5,000ppm加えた。更に、減圧
下で脱水しながら最終的に105℃、10mmHgab
s.(1,330Pa)以下の条件で4時間、同操作を
行った。その後、窒素により減圧から大気圧状態にした
後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙により減
圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの回収
を行った(酸中和除去法)。セシウム除去操作後のポリ
オキシアルキレンポリオールのOHVは33.5mgK
OH/g、C=C0.032meq./g、粘度(η)
940mPa・s/25℃で、CPRは0.5であっ
た。
【0240】次いで、攪拌装置、窒素導入管、滴下ロー
ト、水冷コンデンサー及び温度計を装備した2リットル
の4つ口フラスコに上記ポリオキシアルキレンポリオー
ル1235.1gを装入し、窒素雰囲気下、コスモネー
トT−100を395.1gを内温40〜45℃の範囲
で、20分間かけて滴下した。ポリイソシアネート化合
物を滴下後、70℃に昇温し、同温度で4時間反応を行
った。次いで、95℃に昇温し、同温度で3時間反応し
た。更に、内温を60℃に降温し、同温度で12時間反
応し、粗製イソシアネート基末端プレポリマーを得た。
この時のNCOインデックスは5.80である。分子蒸
留装置を用い、攪拌しながら、温度110℃、圧力0.
01mmHgabs.(1.33Pa)の条件で3時
間、粗製イソシアネート基末端プレポリマー中の未反応
イソシアネート化合物の減圧除去処理を行った。得られ
たイソシアネート基末端プレポリマーの粘度(ηpr
e.)は10,800mPa・s/25℃で、プレポリ
マー中の遊離イソシアネート化合物の含有量は0.3重
量%であった。
【0241】比較例25 イソシアネート基末端プレポリマーG2 エチレングリコールに水酸化カリウムを触媒としてプロ
ピレンオキサイドを従来の方法により付加重合したポリ
プロピレンポリオール(以下、EG400と言う、OH
V280mgKOH/g)100重量部に対して、0.
05重量部のDMCを添加し、105℃、10mmHg
abs.(1,330Pa)以下の条件で3時間、減圧
脱水を行った。次に、オートクレーブにその化合物を仕
込み、反応温度80℃、反応時の最大圧力4kgf/c
2 (392kPa)の条件でOHV32.0mgKO
H/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行
い、DMCを含有している粗製ポリオキシプロピレンポ
リオールを得た。
【0242】そのポリオキシプロピレンポリオール10
0重量部に対して、2.9重量部の30重量%のカリウ
ムメチラート(KOMe)のメタノール溶液を添加し、
脱メタノール反応を90℃、20mmHgabs.
(2,660Pa)の条件で2時間行った。その後、水
を3重量部と 吸着剤AD−600NS〔富田製薬
(株)製〕を5重量部加え、90℃、窒素雰囲気下で2
時間攪拌し、アドバンテック東洋株式会社製5Cろ紙を
用いて減圧ろ過を行った。ろ過後、120℃、10mm
Hgabs.(1,330Pa)以下の条件で2時間減
圧脱水を行い、DMCの除去処理を行った。エチレンオ
キサイドの付加重合を行うため、DMC除去後のポリオ
キシプロピレンポリオール100重量部に対して、2.
5重量部の30重量%のKOMeのメタノール溶液を添
加し、脱メタノール反応を100℃、10mmHgab
s.(1,330Pa)以下の条件で3時間行った。オ
ートクレーブにその化合物を仕込み、窒素置換後、反応
温度80℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (3
92kPa)の条件でOHVが28.0mgKOH/g
になるまでエチレンオキサ イドを装入し、反応させ
た。反応後、減圧処理を行い、粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオールを得た。更に、DMCを用いてプロピレン
オキサイドの付加重合を行うため、ポリオキシアルキレ
ンポリオール中からのカリウムの除去を行った。
【0243】粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
カリウム1モルに対して、1.2モルのリン酸(75.
1重量%のリン酸水溶液の形態)並びに粗製ポリオキシ
アルキレンポリオール100重量部に対して、4重量部
のイオン交換水を装入し、90℃、2時間の条件で中和
反応を行った。吸着剤KW−700SN〔協和化学工業
(株)製〕を8,000ppm添加し、減圧下、水を留
去しながら最終的に105℃、10mmHgabs.
(1,330Pa)の条件で3時間減圧脱水を行った。
窒素により減圧から大気圧状態にした後、アドバンテッ
ク東洋株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポ
リオキシアルキレンポリオールの回収を行った。そのポ
リオキシアルキレンポリオール100重量部に対してD
MCを0.01重量部添加し、105℃、10mmHg
abs.(1,330Pa)の条件で3時間減圧脱水を
行った後 、反応温度80℃、反応時の最大圧力が4k
gf/cm2 (392kPa)の条件でOHV18.6
mgKOH/gになるまでプロピレンオ キサイドの付
加重合を行った。そのポリオキシアルキレンポリオール
からのDMC除去操作は前述したKOMeを用いる方
法で実施した。カリウム除去操作後のポリオキシアルキ
レンポリオールのOHVは18.6mgKOH/g、C
=C0.029meq./g、粘度(η)3200mP
a・s/25℃で、CPRは2.0であった。
【0244】次いで、攪拌装置、窒素導入管、滴下ロー
ト、水冷コンデンサー及び温度計を装備した2リットル
の4つ口フラスコに上記ポリオキシアルキレンポリオー
ル926.3gを装入し、窒素雰囲気下、ノルボルナン
ジイソシアネート〔三井化学(株)製〕192.4gを
内温40〜45℃の範囲で、20分間かけて滴下した。
ポリイソシアネート化合物を滴下後、70℃に昇温し、
同温度で3時間反応を行った。次いで、95℃に昇温
し、同温度で4時間反応した。更に、内温を60℃に降
温し、同温度で15時間反応し、粗製イソシアネート基
末端プレポリマーを得た。この時のNCOインデックス
は5.50である。分子蒸留装置を用い、攪拌しなが
ら、温度160℃、圧力0.01mmHgabs.
(1.33Pa)の条件で3時間、粗製イソシアネート
基末端プレポリマー中の未反応イソシアネート化合物の
減圧除去処理を行った。得られたイソシアネート基末端
プレポリマーの粘度(ηpre.)は21,200mP
a・s/25℃で、プレポリマー中の遊離イソシアネー
ト化合物の含有量は1.3重量%であった。
【0245】実施例25〜27、比較例22〜25で得
られたポリオキシアルキレンポリオール(以下、ポリオ
ールと言う)のOHV、粘度(ηと言う)、C=C、C
PR、及びイソシアネート基末端プレポリマーの粘度
(ηpre.と言う)とプレポリマー中の遊離イソシア
ネート化合物の含有量を〔表11〕にまとめた。表中の
開始剤でDPGはジプロピレングリコールを、Glyは
グリセリンを、EGはエチレングリコールの略号であ
る。Diol400はプロピレングリコールにアルキレ
ンオキサイドを付加重合したポリオールを、EG400
はエチレングリコールにアルキレンオキサイドを付加重
合したOHV280mgKOH/gのポリオールの略号
である。また、アルキレンオキサイドをAOと、プロピ
レンオキサイドをPOと、エチレンオキサイドをEOと
言う。触媒として用いたホスファゼニウム化合物をPZ
と、複金属シアン化物錯体をDMCと、水酸化セシウム
をCsOHと、カリウムメチラートはKOMeと言う。
イソシアネート基末端プレポリマーはプレポリマーと略
する。ポリイソシアネート化合物として用いた2,4−
および2,6−トリレンジイソシアネートの混合物はT
−100と、ノルボルナンジイソシアネートはNBDI
と言う。さらに、ポリオールの水酸基濃度に対するイソ
シアネート基濃度の比をNCOインデックスと言う。
【0246】実施例28 実施例27で得られたプレポリマーC2を60重量部、
及び、ポリテトラメチレングリコールから誘導された、
遊離イソシアネート化合物の含有量が0.3重量%であ
るプレポリマー(三井化学(株)製、商品名:HL−9
01)40重量部とを、窒素雰囲気下、80℃で均一混
合し、減圧脱泡を行なった。その混合プレポリマーをイ
ソシアネート基末端プレポリマーH2と言う。
【0247】
【表11】
【0248】実施例の考察5 実施例25〜27、比較例22〜25より、ホスファゼ
ニウム化合物を触媒としたポリオキシアルキレンポリオ
ールを用い、未反応イソシアネート化合物の減圧除去操
作を行った、本発明のイソシアネート基末端プレポリマ
ーは、DMCを用いた系と比較して、プレポリマーの粘
度が低く、かつ遊離イソシアネート化合物の含有量が低
い。また、水酸化セシウム(CsOH)を用いた系と比
較しても、本発明のプレポリマーの粘度が低いため、可
塑剤、有機溶剤などの低減が可能である上、作業性に優
れている。さらに、DMC触媒系ではプロピレンオキサ
イド、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド
との交互共重合反応時には、複雑な反応操作が必要であ
るが(比較例25)、本発明のホスファゼニウム化合物
系では複雑な反応操作が不要で(実施例27)、且つ、
低粘度のイソシアネート基末端プレポリマーの製造が可
能である。
【0249】次に、本発明のイソシアネート基末端プレ
ポリマーの効果を明らかにするため、プレポリマーの貯
蔵安定性を調べるとともに、ポリウレタン樹脂を調製
し、その機械的性質及び外観の評価を行った。 <ポリウレタン樹脂>予め、減圧脱泡し、80℃に調整
されたイソシアネート基末端プレポリマー、及び、減圧
脱泡され、120℃に調整された4,4’−ジアミノ−
3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメ
タン〔イハラケミカル工業(株)製〕とを1分間、気泡
が混入しないように攪拌混合を行った。鎖延長剤として
用いた、そのアミン化合物の使用量は、NCOインデッ
クスが1.05に相当する量である。
【0250】予め、100℃に加熱した縦20cm、横
20cm、厚さ2mmのテフロンコートした金型に、上
記混合液を均一に流し込み、100℃×24時間で硬化
させた。金型から脱型後、23℃、相対湿度40%の恒
温恒湿のオーブン中で1週間静置した後、物性測定を行
った。 (16)ポリウレタン樹脂の機械的性質(硬度、破断強
度、伸び、反発弾性、引裂強度及びヒステリシス) JIS K−6301、JIS K−7312に準じて
測定した。 (17)イソシアネート基末端プレポリマーの貯蔵安定
性(単位;%) 貯蔵安定性の評価は、製造直後のプレポリマーの粘度
(a)、及び、60℃で14日間保管した後のプレポリ
マーの粘度(b)を測定し、数式〔(b−a)×100
/a〕から粘度変化率を算出した。
【0251】粘度(b)測定用試料は、窒素雰囲気下で
プレポリマーを金属製容器に密閉し、60℃のオーブン
中で14日間保管した。粘度の測定方法は、前記したJ
ISK−7301記載の方法である。 (18)ポリウレタン樹脂の外観評価 ポリウレタン樹脂の表面のタック(ベタツキ)を触感で
評価した。評価基準は下記の通り。○:タックが少な
い。△:ややタックがある。×:タックが大きい。 (19)ポリウレタン樹脂の耐水性(単位:%) 物性測定用サンプルを90℃の熱水中に3日間浸漬し、
前記(14)記載の方法により、破断強度を測定する。
熱水浸漬前の破断強度(c)と熱水浸漬後の破断強度
(d)とを測定し、数式〔(d×100)/c〕から算
出した。これらのポリウレタン樹脂の物性測定結果を
〔表12〕に示す。
【0252】
【表12】
【0253】実施例の考察6 実施例29〜31、比較例26〜28より、ホスファゼ
ニウム化合物を触媒としたポリオキシアルキレンポリオ
ールを用い、未反応イソシアネート化合物を減圧除去し
た、本発明のイソシアネート基末端プレポリマーを用い
たポリウレタン樹脂は、水酸化セシウム(CsOH)、
DMCを触媒としたイソシアネート基末端プレポリマー
を用いたポリウレタン樹脂と比較して、硬度、破断強
度、伸び、反発弾性、引裂強度、耐水性が向上し、ヒス
テリシスが少ない等の利点を有する。また、本発明のポ
リオキシアルキレンポリオールを用いたポリウレタン樹
脂は、タックが少なく、表面の汚染が少ない。さらに、
ホスファゼニウム化合物の特定の除去操作を行った本発
明のポリオキシアルキレンポリオールにより、貯蔵安定
性の優れたイソシアネート基末端プレポリマーを製造す
ることができる。
【0254】<ポリオキシアルキレンポリアミン、及び
ポリウレタンウレア樹脂> (20)ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価
(単位:mgKOH/g) JIS K−1557記載の測定方法により求めた。 (21)ポリオキシアルキレンポリアミンのアミン価
(単位:mgKOH/g) 官能基別有機化合物定量法の実際(Frederick
T.Weiss、江島昭訳、廣川書店発行、1974
年)記載の方法により求めた。ポリオキシアルキレンポ
リアミンをメタノール溶媒中で、サリチルアルデヒドと
反応させて、1級アミノ基のみを弱塩基性のアゾメチン
とし、次いで、塩酸のイソプロパノール溶液で電位差滴
定を行う。最初の変曲点までが、2級および3級アミン
価(f)、次の変曲点までが全アミン価(e)であり、
その差(e−f)が1級アミン価(c)である(アゾメ
チン滴定法)。
【0255】一方、ポリオキシアルキレンポリアミンを
無水酢酸と反応させて、1級アミノ基および2級アミノ
基をアセチル化し、残った3級アミノ基を過塩素酸酢酸
溶液で滴定する(アセチル化−過塩素酸法)。すなわ
ち、アゾメチン滴定法により、全アミン価(e)、1級
アミン価(c)、2級および3級アミン価(f)を分別
定量する。さらに、アセチル化−過塩素酸法により、3
級アミン価(g)を定量して、下記数式(1)により2
級アミン価(d)を算出する。 e=c+d+g=c+f ・・・(数式1) (22)ポリオキシアルキレンポリアミンの活性水素価
(単位:mgKOH/g) JIS K−0070記載の方法により行った。ポリオ
キシアルキレンポリアミンの活性水素価(a)は、OH
V(b)と1級アミン価(c)および(数式1)から求
めた2級アミン価(d)の合計を表す。
【0256】上記(19)及び(20)の分析方法によ
り、ポリオキシアルキレンポリアミンの分子末端の水酸
基、1級アミノ基、2級アミノ基、及び3級アミノ基が
全て求められる。 (23)ポリオキシアルキレンポリアミンの粘度(η、
単位:mPa・s/25℃) JIS K−1557に記載される方法に準ずる。 (24)ポリオキシアルキレンポリアミンのH−T結合
選択率 上記したポリオキシアルキレンポリオールの項に記載し
た方法と同じ。ポリオキシアルキレンポリアミンの製造
に用いるポリオキシアルキレンポリオールの合成触媒
は、ホスファゼニウム化合物b(P5NMe2OH)を
使用した。
【0257】以下に、ポリオキシアルキレンポリアミン
の製造装置について説明する。ポリオキシアルキレンポ
リアミンの製造に用いるポリオキシアルキレンポリオー
ルの製造装置(以下、オートクレーブAと言う)は、攪
拌機、温度計、圧力計、窒素装入口およびモノマーであ
るアルキレンオキサイド装入口を装着した内容積2.5
Lの耐圧製オートクレーブ(日東高圧製)を使用した。
ポリオキシアルキレンポリアミンの製造装置(以下、オ
ートクレーブBと言う)は、攪拌機、温度計、圧力計、
窒素装入口、水素および液体アンモニア装入口を装着し
た内容積1.0Lの耐圧製オートクレーブ(日東高圧
製)を使用した。
【0258】実施例32 ポリオキシアルキレンポリアミンA 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.0
09モルのP5NMe2OH、及び0.02モルのトル
エンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しながら10
3℃、10mmHgabs.(1,330Pa)、3時
間の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を行った。その
後、フラスコ内容物をオートクレーブAに仕込み、窒素
置換を行った後、10mmHgabs.(1,330P
a)の減圧状態から反応温度80℃、反応時の最大圧力
が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHVが
33.6mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイ
ドの付加重合を行った。オートクレーブAの内圧の変化
が無くなった時点で105℃、5mmHgabs.(6
65Pa)の条件で40分間減圧処理を行い、粗製ポリ
オキシアルキレンポリオールを得た。
【0259】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して、5
重量部のNiケイソウ土触媒(Ni含有率50重量%、
以下同様)をオートクレーブBに仕込み、10kgf/
cm2 (980kPa)の条件で窒素置換を5回行っ
た。粗製ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基1当
量に対して、液体アンモニアを10当量になるように装
入した後、水素を圧力50kgf/cm2 (4900k
Pa)になるまで仕込んだ。攪拌しながら220℃まで
昇温し、そのまま8時間反応を行った。このとき最大圧
力は63kgf/cm2 (6174kPa)であった。
反応終了後、105℃、10mmHgabs.(1,3
30Pa)以下の条件で20分間減圧乾燥を行い、ポリ
オキシアルキレンポリアミン中の過剰のアンモニアを留
去した。その後、ポリオキシアルキレンポリアミン10
0重量部に対して、吸着剤(吉富製薬(株)製、商品
名: AD−600NS、以下同様)を0.3重量部加
え、80℃、2時間の条件で処理を行った。次いで、ア
ドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙を用いた減圧ろ
過により触媒、吸着剤を除去した。得られたポリオキシ
アルキレンポリアミンの活性水素価は33.6mgKO
H/g、全アミン価29.8mgKOH/g、1級アミ
ン価29.0mgKOH/g、2級アミン価0.8mg
KOH/g、3級アミン価は検出されなかった。粘度
(η)700mPa・s/25℃、H−T結合選択率9
6.0モル%であった。
【0260】実施例33 ポリオキシアルキレンポリアミンB 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに
対して、0.020モルのP5NMe2OH、及び0.
04モルのトルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導
入しながら105℃、10mmHgabs.(1,33
0Pa)、3時間の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を
行った。その後、フラスコ内容物をオートクレーブAに
仕込み、窒素置換を行った後、10mmHgabs.
(1,330Pa)の減圧状態から反応温度70℃、反
応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の
条件でOHVが32mgKOH/gになるまでプロピレ
ンオキサイドの付加重合を行った。その後、窒素により
ゲージ圧1.2kgf/cm2 (219kPa)に調整
し、反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/c
2 (392kPa)の条件でOHV28mgKOH/
gになるまでエチレンオキサイドの付加重合を行った。
さらに、オートクレーブAの内圧の変化が無くなった時
点で105℃、5mmHgabs.(665Pa)の条
件で20分間減圧処理を行った後、大気圧状態から反応
温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (3
92kPa)の条件でOHVが18.5mgKOH/g
になるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行い、粗
製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0261】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して、5
重量部のNiケイソウ土触媒(Ni含有率50重量%)
をオートクレーブBに仕込み、10kgf/cm2 (9
80kPa)の条件で窒素置換を5回行った。粗製ポリ
オキシアルキレンポリオールの水酸基1当量に対して、
液体アンモニアを10当量になるように装入した後、水
素を圧力50kgf/cm2 (4900kPa)になる
まで仕込んだ。攪拌しながら220℃まで昇温し、その
まま8時間反応を行った。このとき最大圧力は60kg
f/cm2 (5880kPa)であった。反応終了後、
105℃、10mmHgabs.(1,330Pa)以
下の条件で20分間減圧乾燥を行い、ポリオキシアルキ
レンポリアミン中の過剰のアンモニアを留去した。その
後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙を用いた
減圧ろ過によりポリオキシアルキレンポリアミンの精製
を行った。得られたポリオキシアルキレンポリアミンの
活性水素価は18.5mgKOH/g、全アミン価1
6.1mgKOH/g、1級アミン価15.6mgKO
H/g、2級アミン価0.48mgKOH/g、3級ア
ミン価は検出されなかった。粘度(η)1100mPa
・s/25℃、H−T結合選択率97.0モル%であっ
た。
【0262】実施例34 ポリオキシアルキレンポリアミンC 攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500m
lの4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して、0.
010モルのP5NMe2OH、及び0.04モルのト
ルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しながら1
05℃、10mmHgabs.(1,330Pa)、3
時間の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を行った。その
後、フラスコ内容物をオートクレーブAに仕込み、窒素
置換を行った後、10mmHgabs.(1,330P
a)の減圧状態から反応温度75〜82℃で、反応時の
最大圧力が4.8kgf/cm2 (470kPa)の条
件でOHVが28.5mgKOH/gになるまでプロピ
レンオキサイドの多段付加重合を行った。オートクレー
ブの内圧の変化が無くなった時点で105℃、5mmH
gabs.(665Pa)の条件で50分間減圧処理を
行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。
【0263】ホスファゼニウム化合物を含んだ粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール100重量部に対して、5
重量部のNiケイソウ土触媒(Ni含有率50重量%)
をオートクレーブBに仕込み、10kgf/cm2 (9
80kPa)の条件で窒素置換を5回行った。液体アン
モニアを粗製ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基
1当量に対して10当量になるように装入した後、水素
を圧力50kgf/cm2 (4900kPa)になるま
で仕込んだ。攪拌しながら220℃まで昇温し、そのま
ま8時間反応を行った。このとき最大圧力は65kgf
/cm2 (6370kPa)であった。反応終了後、1
05℃、10mmHgabs.(1,330Pa)以下
の条件で20分間減圧乾燥を行い、ポリオキシアルキレ
ンポリアミン中の過剰のアンモニアを留去した。次い
で、ポリオキシアルキレンポリアミン100重量部に対
して、0.3重量部の吸着剤AD−600NSを添加
し、80℃、3時間の精製処理を行った。アドバンテッ
ク東洋株式会社製の5Cろ紙を用いた減圧ろ過により吸
着剤、触媒の除去を行った。得られたポリオキシアルキ
レンポリアミンの活性水素価は28.5mgKOH/
g、全アミン価25.0mgKOH/g、1級アミン価
24.0mgKOH/g、2級アミン価1.00mgK
OH/g、3級アミン価は検出されなかった。粘度
(η)1050mPa・s/25℃、H−T結合選択率
96.4モル%であった。
【0264】以下、比較例について説明する。比較例で
用いたポリオキシアルキレンポリオール合成用触媒は、
前記したDMCとKOMeである。 比較例29 ポリオキシアルキレンポリアミンD グリセリンにプロピレンオキサイドを付加したポリオキ
シプロピレンポリオールMN1000(三井化学(株)
製;OHV168mgKOH/g)100重量部に対し
て、0.5重量部のDMCを添加し、105℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)以下の条件で3時間
の減圧脱水を行った。次いで、オートクレーブAに該化
合物を仕込み、反応温度80℃、反応時の最大圧力4k
gf/cm2 (392kPa)の条件でOHV33.6
mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加
重合を行い、DMCを含有している粗製ポリオキシプロ
ピレンポリオールを得た。
【0265】そのポリオキシプロピレンポリオール10
0重量部に対して、2.22重量部の30重量%のカリ
ウムメチラート(KOMe)のメタノール溶液を添加
し、脱メタノール反応を90℃、20mmHgabs.
(2,660Pa)の条件で2時間行った。その後、水
を3重量部と吸着剤AD−600NS(富田製薬(株)
製)を5重量部加え、90℃、窒素雰囲気下で2時間攪
拌し、その後、アドバンテック東洋株式会社製5Cろ紙
を用いて減圧ろ過を行った。ろ過後、120℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)以下の条件で2時間
減圧脱水を行い、DMCの除去処理を行った。
【0266】得られたポリオキシアルキレンポリオール
100重量部に対して、5重量部のNiケイソウ土触媒
(Ni含有率50重量%)をオートクレーブBに仕込
み、10kgf/cm2 (980kPa)の条件で窒素
置換を5回行った。ポリオキシアルキレンポリオールの
水酸基1当量に対して、液体アンモニアを10当量にな
るように装入した後、水素を圧力50kgf/cm2
(4900kPa)になるまで仕込んだ。攪拌しながら
220℃まで昇温し、そのまま8時間反応を行った。こ
のとき最大圧力は69kgf/cm2 (6762kP
a)であった。反応終了後、105℃、10mmHga
bs.(1,330Pa)以下の条件で20分間減圧乾
燥を行い、ポリオキシアルキレンポリアミン中の過剰の
アンモニアを留去した。その後、アドバンテック東洋株
式会社製の5Cろ紙を用いた減圧ろ過により触媒の除去
を行った。得られたポリオキシアルキレンポリアミンの
活性水素価は33.6mgKOH/g、全アミン価2
9.9mgKOH/g、1級アミン価29.3mgKO
H/g、2級アミン価0.6mgKOH/g、3級アミ
ン価は検出されなかった。粘度(η)2500mPa・
s/25℃、H−T結合選択率87.5モル%であっ
た。
【0267】比較例30 ポリオキシアルキレンポリアミンE プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加重
合したポリオキシプロピレンポリオールDiol400
(三井化学(株)製)100重量部に対して、0.03
重量部のDMCを添加し、105℃、10mmHgab
s.(1,330Pa)以下で3時間の減圧脱水を行っ
た。次に、オートクレーブAにその化合物を仕込み、反
応温度80℃、反応時の最大圧力4kgf/cm2 (3
92kPa)の条件でOHV32.0mgKOH/gに
なるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行い、DM
Cを含有している粗製ポリオキシプロピレンポリオール
を得た。
【0268】そのポリオキシプロピレンポリオール10
0重量部に対して2.9重量部の30重量%のカリウム
メチラート(KOMe)のメタノール溶液を添加し、脱
メタノール反応を90℃、20mmHgabs.(2,
660Pa)で2時間行った。その後、水を3重量部と
吸着剤AD−600NS(富田製薬(株)製)を5重量
部加え、90℃、窒素雰囲気下で2時間攪拌し、アドバ
ンテック東洋株式会社製5Cろ紙を用いて減圧ろ過を行
った。ろ過後、120℃、10mmHgabs.(1,
330Pa)以下の条件で2時間減圧脱水を行い、DM
Cの除去処理を行った。エチレンオキサイドの付加重合
を行うため、DMC除去後のポリオキシプロピレンポリ
オール100重量部に2.5重量部の30重量%のKO
Meのメタノール溶液を添加し、脱メタノール反応を1
00℃、10mmHgabs.(1,330Pa)以下
の条件で3時間行った。オートクレーブAにその化合物
を仕込み、窒素置換後、反応温度80℃、反応時の最大
圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOH
Vが28.0mgKOH/gになるまでエチレンオキサ
イドを装入し、反応させた。反応後、減圧処理を行い、
粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。更にDM
Cを用いてプロピレンオキサイドの付加重合を行うた
め、ポリオキシアルキレンポリオール中からのカリウム
の除去を行った。
【0269】粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
カリウム1モルに対して、1.2モルのリン酸(75.
1重量%のリン酸水溶液)並びに粗製ポリオキシアルキ
レンポリオール100重量部に対して4重量部のイオン
交換水を装入し、90℃、2時間の条件で中和反応を行
った。吸着剤(協和化学工業(株)製、商品名:KW−
700SN)を8000ppm添加し、減圧下、水を留
去しながら最終的に105℃、10mmHgabs.
(1,330Pa)で3時間減圧脱水を行った。窒素に
より減圧から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋
株式会社製の5Cろ紙により減圧ろ過を行い、ポリオキ
シアルキレンポリオールの回収を行った。そのポリオキ
シアルキレンポリオール100重量部に対して、先に用
いたDMCを0.01重量部添加し、105℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)、3時間減圧脱水を
行った後、反応温度80℃、反応時の最大圧力が4kg
f/cm2 (392kPa)の条件でOHV18.6m
gKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重
合を行った。そのポリオキシアルキレンポリオールから
のDMC除去操作は先に詳述したKOMeを用いる方法
で実施した。
【0270】得られたポリオキシアルキレンポリオール
100重量部に対して、5重量部のNiケイソウ土触媒
(Ni含有率50重量%)をオートクレーブBに仕込
み、10kgf/cm2 (980kPa)の条件で窒素
置換を5回行った。液体アンモニアをポリオキシアルキ
レンポリオールの水酸基1当量に対して10当量になる
ように装入した後、水素を圧力50kgf/cm2 (4
900kPa)になるまで仕込んだ。攪拌しながら22
0℃まで昇温し、そのまま8時間反応を行った。このと
きの最大圧力は62kgf/cm2 (6080kPa)
であった。反応終了後、105℃、10mmHgab
s.(1,330Pa)以下の条件で20分間減圧乾燥
を行い、ポリオキシアルキレンポリアミン中の過剰のア
ンモニアを留去した。次いで、アドバンテック東洋株式
会社製の5Cろ紙を用いた減圧ろ過により触媒の除去を
行った。得られたポリオキシアルキレンポリアミンの活
性水素価は18.6mgKOH/g、全アミン価16.
0mgKOH/g、1級アミン価15.5mgKOH/
g、2級アミン価0.5mgKOH/g、3級アミン価
は検出されなかった。粘度(η)3200mPa・s/
25℃、H−T結合選択率86.0モル%であった。
【0271】比較例31 ポリオキシアルキレンポリアミンF グリセリンにプロピレンオキサイドを付加したポリオキ
シプロピレンポリオールMN1000(三井化学(株)
製;OHV168mgKOH/g)100重量部に対し
て、0.7重量部のDMCを添加し、105℃、10m
mHgabs.(1,330Pa)以下で3時間の減圧
脱水を行った。次いで、オートクレーブAにその化合物
を仕込み、反応温度80℃、反応時の最大圧力4kgf
/cm2(392kPa)の条件でOHV28.1mg
KOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合
を行い、DMCを含有している粗製ポリオキシプロピレ
ンポリオールを得た。
【0272】次に、粗製ポリオキシアルキレンポリオー
ルからDMCの除去操作を行った。DMCを含有してい
るポリオキシプロピレンポリオール100重量部に対し
て、3.9重量部の30重量%のカリウムメチラート
(KOMe)のメタノール溶液を添加し、脱メタノール
反応を90℃、20mmHgabs.(2,660P
a)で2時間行った。その後、水を5重量部と吸着剤A
D−600NS(富田製薬(株)製)を5重量部加え、
90℃、窒素雰囲気下で2時間攪拌し、アドバンテック
東洋株式会社製5Cろ紙を用いて減圧ろ過を行った。ろ
過後、120℃、10mmHgabs.(1,330P
a)の条件で2時間減圧脱水を行い、ポリオキシアルキ
レンポリオールの回収を行った。
【0273】得られたポリオキシアルキレンポリオール
100重量部に対して、5重量部のNiケイソウ土触媒
(Ni含有率50重量%)をオートクレーブBに仕込
み、10kgf/cm2 (980kPa)の条件で窒素
置換を5回行った。ポリオキシアルキレンポリオールの
水酸基1当量に対して、液体アンモニアを10当量にな
るように装入した後、水素を圧力50kgf/cm
2 (4900kPa)になるまで仕込んだ。攪拌しなが
ら220℃まで昇温し、そのまま8時間反応を行った。
このときの最大圧力は65kgf/cm2 (6370k
Pa)であった。反応終了後、105℃、10mmHg
abs.(1,330Pa)以下の条件で20分間減圧
乾燥を行い、ポリオキシアルキレンポリアミン中の過剰
のアンモニアを留去した。次いで、アドバンテック東洋
株式会社製の5Cろ紙を用いた減圧ろ過により触媒の除
去を行った。得られたポリオキシアルキレンポリアミン
の活性水素価は28.1mgKOH/g、全アミン価2
4.4mgKOH/g、1級アミン価23.7mgKO
H/g、2級アミン価0.7mgKOH/g、3級アミ
ン価は検出されなかった。粘度(η)2350mPa・
s/25℃、H−T結合選択率86.3モル%であっ
た。
【0274】実施例32〜34、比較例29〜31で得
られたポリオキシアルキレンポリアミン(以下、ポリア
ミンと言う)の活性水素価、アミン価、粘度(η)、並
びにH−T結合選択率(以下、H−Tと言う)を[表1
3]にまとめて表記した。表中の開始剤で、Glyはグ
リセリンを、DPGはジプロピレングリコールの略号で
ある。DMCは複金属シアン化物錯体の略である。PO
はプロピレンオキサイドを、EOはエチレンオキサイド
の略号である。表中のポリオキシアルキレンポリアミン
の分析値は先に詳述した方法により求めた。
【0275】
【表13】
【0276】実施例の考察7 実施例32〜34、比較例29〜31より、ホスファゼ
ニウム化合物をアルキレンオキサイドの重合触媒とした
ポリオキシアルキレンポリオールを前駆体とする、本発
明のポリオキシアルキレンポリアミンは、DMC触媒ポ
リオールを用いたポリオキシアルキレンポリアミンと比
較して粘度が低い。DMC触媒では、エチレンオキサイ
ドの共重合反応に際して、一旦、DMCをアルカリ金属
化合物(カリウムメチラート)との反応により失活さ
せ、次いで、アルカリ金属化合物触媒によりエチレンオ
キサイドを重合しなければならないため、操作が複雑で
ある。一方、本発明のホスファゼニウム化合物触媒で
は、エチレンオキサイドとの共重合反応においても複雑
な操作を必要とせず、低粘度のポリオキシアルキレンポ
リアミンが得られる。
【0277】ポリウレタンウレア樹脂 次に、本発明のポリオキシアルキレンポリアミン(以
下、ポリアミンと言う)の効果を明らかにする目的で、
実施例及び比較例を挙げて説明する。前述した実施例3
2(ポリアミンA)、実施例34(ポリアミンC)、比
較例29(ポリアミンD)、及び比較例31(ポリアミ
ンF)で得られたポリアミンを用いて、ポリウレタン用
の射出成形機により金型内でRIM成形を行った。ポリ
ウレタン用の射出成形機は、東邦機械(株)製のNR−
230、及びシンシナチ・ミラクトン社製のLRM−1
50Mを使用した。ポリアミンと鎖延長剤であるエチル
コーポレーション社製のDETDA(3,5−ジエチル
−2,4−ジアミノトルエンと3,5−ジエチル−2,
6−ジアミノトルエンの重量比が80:20の混合物)
を予備混合し、次いで、十分に減圧脱泡した(以下、そ
の成分をアミン混合液と言う)。
【0278】ポリイソシアネート化合物として、三井化
学(株)製のコスモネートPH(4,4' −ジフェニル
メタンジイソシアネート)と、トリプロピレングリコー
ル(三井化学(株)製)を反応させたイソシアネート基
含有量(NCO%)22.5重量%のイソシアネート基
末端プレポリマーを用いた(以下、プレポリマーと言
う)。そのプレポリマーも成形前には十分に減圧脱泡を
行った。上記したアミン混合液を35℃に、プレポリマ
ーを45℃に温度調整し、射出速度250g/秒、射出
時間2秒の条件で成形を行った。金型は、あらかじめ7
5℃に加熱した500mm×400mm×3.0mmの
アルミニウム製のものを使用した。
【0279】(25)ポリウレタンウレア樹脂の充填性 上記方法により、試料を金型へ注入して成形し、30秒
後に脱型した。金型内部を目視観察して、樹脂の充填性
を調べた。評価基準は以下の通り。 ○:金型へ樹脂が均一に充填されている。 ×:金型へ樹脂が不均一に充填されている。 (26)ポリウレタンウレア樹脂の表面状態 前項で得られた成形品を目視観察して、樹脂の表面状態
を調べた。評価基準は以下の通り。 ○:表面にしわ、ボイドがなく、平滑である。 ×:表面にしわ、ボイドがある。 (27)ポリウレタンウレア樹脂の物性 成形品より試験片を切り出し、120℃のオーブンで2
時間加熱した後、樹脂の物性を測定した。伸び、硬度、
引張強度については、JIS K−7312に記載され
る方法に準じて測定した。 (28)ポリウレタンウレア樹脂の密度 MIRAGE社製、ELECTRONIC DENSI
METER(型式:SD−120L)を用いて、温度2
3℃における密度を測定した。
【0280】[表14]に原料の配合比、成形直後の充
填性、表面状態並びに物性測定結果を示す。[表14]
中のポリアミンはポリオキシアルキレンポリアミン、D
ETDAは上記ジエチルジアミノトルエン、プレポリマ
ーは上記イソシアネート基末端プレポリマーをそれぞれ
示す。
【0281】
【表14】
【0282】実施例の考察8 実施例35〜36、及び比較例32〜33より、本発明
のポリオキシアルキレンポリアミンを用いたポリウレタ
ンウレア樹脂は、DMCを触媒とするポリオールを前駆
体としたポリアミンと比較して、金型への充填性及び成
形品の表面状態が良好である。又、本発明のポリオキシ
アルキレンポリアミンを用いたポリウレタンウレア樹脂
は、伸び、硬度及び引張強度等の機械的性質においても
優れている。
【0283】
【発明の効果】ホスファゼニウム化合物を触媒とした、
本発明のポリオキシアルキレンポリオールは、DMCを
用いる方法と比較して、H―T結合選択率が高く、主反
応成分の分子量分布がシャープである。そのため、低粘
度である特徴を有し、且つ、モノオールの含有量が低
い。更に、DMC触媒は、プロピレンオキサイド、エチ
レンオキサイド及びプロピレンオキサイドとの交互共重
合反応時には、触媒を切り替えるなどの煩雑な反応操作
が必要である。一方、本発明は、ホスファゼニウム化合
物触媒を用いるため、上記の如き煩雑な反応操作は不要
である。又、アルカリ金属水酸化物である水酸化セシウ
ムを触媒とした場合、ポリオキシアルキレンポリオール
のH−T結合選択率が高く、粘度が低い。然し、モノオ
ール含有量を低減させるためには、ポリオキシアルキレ
ンポリオールの反応時間が長く、生産性が悪い。一方、
本発明によれば、モノオール含有量の低い、高分子量の
ポリオキシアルキレンポリオールを効率良く生産するこ
とが可能である。
【0284】本発明のポリマー分散ポリオールは、モノ
オール含有量が低く、H−T結合選択率が高いポリオキ
シアルキレンポリオールを分散媒としているため、低粘
度である特徴を有し、広範なポリウレタン用途において
物性向上をもたらすことができる。又、ポリマー濃度を
高くした場合であっても、従来品に比べ、低粘度で、且
つ、粒子凝集がない分散安定性の良いポリマー分散ポリ
オールである。本発明のイソシアネート基末端プレポリ
マーは、モノオール含有量が低く、H−T結合選択率が
高いポリオキシアルキレンポリオールを使用しているた
め、低粘度である特徴を有し、広範なポリウレタン用途
において物性向上をもたらすことができる。しかも、イ
ソシアネート基末端プレポリマーの貯蔵安定性にも優れ
ている。
【0285】本発明の遊離イソシアネート化合物の含有
量の低いイソシアネート基末端プレポリマーは、DMC
触媒、及びCsOH触媒を用いたプレポリマーと比較し
て、粘度が低い。そのため、可塑剤、有機溶剤などの使
用量が低減できる上、作業性に優れている。本発明のポ
リウレタン樹脂は、DMC触媒、及びCsOH触媒を用
いた系に比較して、硬度、破断強度、伸び、反発弾性、
引裂強度、耐水性が優れ、ヒステリシスが少ない等の利
点を有する。又、本発明のポリウレタン樹脂は、タック
が少なく、表面の汚染も少ない。更に、本発明のポリオ
キシアルキレンポリアミンは、低粘度であり、しかも表
面状態が良好で、力学特性に優れたポリウレタンウレア
樹脂を与える。
【0286】従って、本発明のポリオキシアルキレンポ
リオール、ポリマー分散ポリオール、イソシアネート基
末端プレポリマー、及び、ポリオキシアルキレンポリア
ミンは、硬質、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、塗
料、接着剤、床材、防水材、シーリング剤、靴底、エラ
ストマー、潤滑剤、作動液及びサニタリー用品等の原料
として、各分野において使用できる、極めて有用な資材
である。更に、本発明のポリオキシアルキレンポリアミ
ンは、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド等の各種
プラスチックの原料として有用な化合物である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項22
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】第6発明は、上記第4発明及び第5発明の
イソシアネート基末端プレポリマーを少なくとも60重
量%含むプレポリマーと鎖延長剤を反応させたポリウレ
タン樹脂である。而して望ましいプレポリマーとして
は、遊離イソシアネート化合物の含有量が1重量%以下
である上記第4発明のイソシアネート基末端プレポリマ
ーがある。又、望ましいポリウレタン樹脂は、遊離イソ
シアネート化合物の含有量が1重量%以下である第4発
明のイソシアネート基末端プレポリマーと、ポリテトラ
メチレングリコール、ポリオキシエチレンアジペート
びポリカプロラクトンポリオールから選ばれた少なくと
も1種のポリオールから得られた、遊離イソシアネート
化合物の含有量が1重量%以下のイソシアネート基末端
プレポリマーとの混合物を用いて成るものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】これらの化合物の中で、特に推奨されるの
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
オールであり、より好ましくは、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオールである。上記した低分子量ポリ
オールの他に、ポリテトラメチレングリコール、ポリオ
キシエチレンアジペート、ポリカプロラクトンポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ヒマシ油系ポリオー
ル及びポリブタジエンポリオールから選ばれる少なくと
も1種のポリオールが使用できる。これらのポリオール
は単独、もしくは併用しても構わない。これらのポリオ
ールの中で好ましいのは、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリオキシエチレンアジペート、ポリカプロラクト
ンポリオール、ポリカーボネートポリオールである。こ
れらのポリオールの平均分子量は、300〜6,00
0、特に800〜4,000であることが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】前述した第一工程から第三工程を行うこと
により遊離イソシアネート含有量が1重量%以下のイソ
シアネート基末端プレポリマーを製造する。次に、本発
明のイソシアネート基末端プレポリマーを用いたポリウ
レタン樹脂について説明する。本発明のイソシアネート
基末端プレポリマーを含むプレポリマーと鎖延長剤を反
応させたポリウレタン樹脂は、主にポリウレタンエラス
トマー、ポリウレタンウレアエラストマー、シーリング
剤、塗料、接着剤分野で使用される。プレポリマーは本
発明のイソシアネート基末端プレポリマーを少なくとも
60重量%、望ましくは少なくとも70重量%含むもの
とする。ホスファゼニウム化合物を触媒としたポリオキ
シアルキレンポリオールを用いる、本発明のイソシアネ
ート基末端プレポリマー以外のプレポリマーとは、特公
平6−13593号公報に例示されているポリテトラメ
チレングリコール、ポリオキシエチレンアジペート及び
ポリカプロラクトンポリオールをポリオール成分とした
遊離イソシアネート化合物の含有量が1重量%以下のイ
ソシアネート基末端プレポリマーである。本発明のホス
ファゼニウム化合物を触媒としたポリオキシアルキレン
ポリオールを用いるイソシアネート基末端プレポリマー
の含有量が60重量%未満になるとプレポリマーの粘度
が上昇し、作業性が低下する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33/20 C08L 33/20 33/26 33/26 71/02 71/02 (72)発明者 山崎 文雄 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 渡邉 均 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 松藤 幹夫 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 松本 信介 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 西川 存子 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 伊豆川 作 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 青木 正昭 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 昇 忠仁 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスファゼニウム化合物を触媒として用
    いて得られたポリオキシアルキレンポリオールであっ
    て、水酸基価(OHV)が2〜200mgKOH/g、
    総不飽和度(C=C)が0.0001〜0.07me
    q./g、プロピレンオキサイド付加重合によるポリオ
    キシアルキレンポリオールのヘッド−トウ−テイル(H
    −T)結合選択率が95モル%以上であり、W20/W80
    が1.5以上、3未満であることを特徴とするポリオキ
    シアルキレンポリオール。
  2. 【請求項2】 ホスファゼニウム化合物が、化学式
    (1) 【化1】 で表されるホスファゼニウムカチオンと,無機アニオン
    との塩又は、化学式(2) 【化2】 で表されるホスファゼニウム化合物である、請求項1に
    記載のポリオキシアルキレンポリオール。但し、ここ
    で、化学式(1)及び(2)の中で、a、b、c及びd
    は、全てが同時には0とならない0〜3の整数である。
    Rは同種又は異種の炭素数1〜10個の炭化水素基であ
    り、同一窒素原子上の2個のRが結合して環構造を形成
    する場合もある。化学式(1)でrは1〜3の整数であ
    ってホスファゼニウムカチオンの数を表し、Tr-は価数
    rの無機アニオンを示し、化学式(2)のQ- はヒドロ
    キシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオキシア
    ニオン又はカルボキシアニオンを示す。
  3. 【請求項3】 OHVが9〜120mgKOH/g、C
    =Cが0.0001〜0.05meq./g、H−T結
    合選択率が96モル%以上であり、且つ、W 20/W80
    2以上、3未満である、請求項1に記載のポリオキシア
    ルキレンポリオール。
  4. 【請求項4】 C=Cが0.0001〜0.03me
    q./gである、請求項1に記載のポリオキシアルキレ
    ンポリオール。
  5. 【請求項5】 ホスファゼニウム化合物触媒の残存量が
    150ppm以下である、請求項1に記載のポリオキシ
    アルキレンポリオール。
  6. 【請求項6】 化学式(1)で表されるホスファゼニウ
    ムカチオンと無機アニオンとの塩、及び活性水素化合物
    のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩の存在下、又
    は、化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物と
    活性水素化合物の存在下、活性水素化合物1モルに対し
    て化学式(1)又は化学式(2)で表されるホスファゼ
    ニウム化合物を1×10-4〜5×10-1モルの範囲で調
    製し、反応温度が15〜130℃、最大反応圧力が88
    2kPa(9kgf/cm2 )である条件下で、アルキ
    レンオキサイドを付加重合して粗製ポリオキシアルキレ
    ンポリオールを製造し、次いで、下記e〜hのいずれか
    一つの方法により、粗製ポリオキシアルキレンポリオー
    ルに含まれるホスファゼニウム化合物の除去操作を行う
    ことを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製
    造方法。 e.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
    に対して、水を1〜40重量部加えた後、粗製ポリオキ
    シアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1
    モルに対して無機酸又は有機酸を0.5〜8モル添加
    し、50〜130℃でホスファゼニウム化合物を中和
    し、その後、粗製ポリオキシアルキレンポリオール10
    0重量部に対して吸着剤を0.005〜2.5重量部添
    加し、減圧処理により水を留去し、ろ過操作によりホス
    ファゼニウム塩及び吸着剤を除去する。 f.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
    に対して、ポリオキシアルキレンポリオールに不活性な
    有機溶剤及び水の混合物を1〜40重量部加えた後、粗
    製ポリオキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウ
    ム化合物1モルに対して無機酸又は有機酸を0.5〜8
    モル添加し、50〜130℃でホスファゼニウム化合物
    を中和し、その後、粗製ポリオキシアルキレンポリオー
    ル100重量部に対して吸着剤を0.005〜2.5重
    量部添加し、減圧処理により水及び有機溶剤を留去し、
    ろ過操作によりホスファゼニウム塩及び吸着剤を除去す
    る。 g.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
    に水単独、又は、水とポリオキシアルキレンポリオール
    に不活性な有機溶剤との混合物を1〜200重量部添加
    して分液し、水洗後、減圧処理により水及び有機溶剤を
    留去する。 h.粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
    に水を20〜200重量部加え15〜100℃でイオン
    交換樹脂と接触させた後、減圧処理により脱水を行う。
  7. 【請求項7】 上記e及びfの方法において、粗製ポリ
    オキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合
    物1モルに対して無機酸又は有機酸を0.5〜2.5モ
    ル、及び、粗製ポリオキシアルキレンポリオール100
    重量部に対して吸着剤を0.005〜1.5重量部添加
    することを含む、請求項6に記載のポリオキシアルキレ
    ンポリオールの製造方法。
  8. 【請求項8】 化学式(1)中のa、b、c、d及びr
    が全て1であり、T- が塩素イオンである、請求項6に
    記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  9. 【請求項9】 化学式(2)中のa、b、c、d及びr
    が全て1であり、Q- がヒドロキシアニオンである、請
    求項6に記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 活性水素化合物1モルに対して化学式
    (1)又は化学式(2)で表されるホスファゼニウム化
    合物が5×10-4〜1×10-1モルの範囲で調製され、
    反応温度が40〜120℃、最大反応圧力が686kP
    a(7kgf/cm2 )である条件下で、アルキレンオ
    キサイドを付加重合して粗製ポリオキシアルキレンポリ
    オールを製造する、請求項6に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 ポリオール中にポリマー粒子が分散し
    たポリマー分散ポリオールであって、ポリオールが請求
    項1ないし5のいずれか1項に記載のポリオキシアルキ
    レンポリオールであり、且つ、ポリマー粒子の濃度が5
    〜60重量%である、ポリマー分散ポリオール。
  12. 【請求項12】 ポリマー粒子の濃度が10〜50重量
    %である、請求項11に記載のポリマー分散ポリオー
    ル。
  13. 【請求項13】 ポリマー粒子が、アクリロニトリル、
    スチレン、アクリルアミド及びメタクリル酸メチルから
    選ばれた少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体のポ
    リマーである、請求項11に記載のポリマー分散ポリオ
    ール。
  14. 【請求項14】 ポリオールとポリイソシアネートとを
    反応させたイソシアネート基末端プレポリマーであっ
    て、ポリオールが請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載のポリオキシアルキレンポリオールであり、且つ、イ
    ソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の
    含有量が0.3〜30重量%である、イソシアネート基
    末端プレポリマー。
  15. 【請求項15】 ポリオキシアルキレンポリオールのC
    PRが5以下である、請求項14に記載のイソシアネー
    ト基末端プレポリマー。
  16. 【請求項16】 イソシアネート基の含有量が0.4〜
    20重量%である、請求項14に記載のイソシアネート
    基末端プレポリマー。
  17. 【請求項17】 遊離イソシアネート化合物の含有量が
    1重量%以下である、請求項14に記載のイソシアネー
    ト基末端プレポリマー。
  18. 【請求項18】 ポリオールとポリイソシアネートとを
    反応させたイソシアネート基末端プレポリマーであっ
    て、ポリオールが請求項11ないし13のいずれか1項
    に記載のポリマー分散ポリオールであり、且つ、イソシ
    アネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の含有
    量が0.3〜30重量%である、イソシアネート基末端
    プレポリマー。
  19. 【請求項19】 イソシアネート基の含有量が0.4〜
    20重量%である請求項18に記載のイソシアネート基
    末端プレポリマー。
  20. 【請求項20】 請求項14ないし19のいずれか1項
    に記載のイソシアネート基末端プレポリマーを少なくと
    も60重量%含むプレポリマーと鎖延長剤を反応させて
    成るポリウレタン樹脂。
  21. 【請求項21】 イソシアネート基末端プレポリマーの
    遊離イソシアネート化合物の含有量が1重量%以下であ
    る、請求項20項に記載のポリウレタン樹脂。
  22. 【請求項22】 プレポリマーが、請求項17に記載の
    イソシアネート基末端プレポリマーと、ポリテトラメチ
    レングリコール、ポリエチレンアジペート及びポリカプ
    ロラクトンポリオールから選ばれた少なくとも1種のポ
    リオールから得られた、遊離イソシアネート化合物の含
    有量が1重量%以下のイソシアネート基末端プレポリマ
    ーとの混合物である、請求項20項に記載のポリウレタ
    ン樹脂。
  23. 【請求項23】 ポリオールの末端水酸基がアミノ化さ
    れたポリオキシアルキレンポリアミンであって、ポリオ
    ールが請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリオ
    キシアルキレンポリオールである、ポリオキシアルキレ
    ンポリアミン。
  24. 【請求項24】 活性水素価が5〜180mgKOH/
    g、オキシプロピレン基の含有量が少なくとも50モル
    %、オキシプロピレン基結合のH−T結合選択率が95
    モル%以上である、請求項23に記載のポリオキシアル
    キレンポリアミン。
  25. 【請求項25】 請求項23又は24に記載のポリオキ
    シアルキレンポリアミンを含むポリオールと、ポリイソ
    シアネート化合物とを反応させて得たポリウレタンウレ
    ア樹脂。
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