JP2005194362A - ポリエーテル組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリエーテル組成物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005194362A
JP2005194362A JP2004001232A JP2004001232A JP2005194362A JP 2005194362 A JP2005194362 A JP 2005194362A JP 2004001232 A JP2004001232 A JP 2004001232A JP 2004001232 A JP2004001232 A JP 2004001232A JP 2005194362 A JP2005194362 A JP 2005194362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyether
compound catalyst
phosphazene compound
ppm
polyethers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004001232A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Igai
滋 猪飼
Kazutoshi Suzuki
千登志 鈴木
Hiroki Fukuda
博樹 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2004001232A priority Critical patent/JP2005194362A/ja
Publication of JP2005194362A publication Critical patent/JP2005194362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】貯蔵時の酸化安定性が高いポリエーテル組成物の提供。
【解決手段】ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類と少なくとも一種類の抗酸化剤とを含むポリエーテル組成物であって、該ポリエーテル組成物が、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンをポリエーテル類に対して10〜20000ppm、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm含有することを特徴とするポリエーテル組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はホスファゼン化合物触媒を用いて製造されたポリエーテル類に関する。
これまで、ポリウレタンエラストマー、接着剤、シーラント等の原料であるポリエーテルポリオールは、活性水素原子を持つ開始剤を用いてエチレンオキシド、プロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドを重合して製造されてきた。代表的なアルキレンオキシドの開環重合触媒としては、アニオン重合触媒であるNaOH、KOH、CsOHなどのアルカリ金属化合物、第4級アミン塩、ホスファゼン化合物などの第4級リン酸塩、配位重合触媒である複合金属シアン化物錯体、カチオン重合触媒であるBFのようなルイス酸が挙げられる。
近年、高い活性を有し、副反応が抑制されたポリエーテルポリオール製造用の非金属アニオン重合触媒としてホスファゼン化合物が報告されている(特許文献1、2、非特許文献1、2)。
特許文献2によれば、ホスファゼン化合物触媒を使用してポリエーテルポリオールを製造した後、ホスファゼン化合物触媒を回収し再利用する方法、またはポリエーテルポリオールを精製する方法が提案されている。これら提案方法によれば、中和剤の添加、有機相と水相の分離、無機塩などのポリエーテルポリオールのろ過分離などの煩雑な操作が必要であること、ろ過分離操作により無機塩等とポリエーテルポリオールから充分に分離することは困難であることなどの問題点があった。
また、通常、ポリエーテルポリオールには、貯蔵時の酸化安定性を保つために各種の抗酸化剤が添加されているが、経済性、安全衛生面からこうした抗酸化剤は昇華性が少なく、できるだけ少ない量で酸化安定性の効果を示すことが要望されている。
特開平11−106500号公報 特開平10−330475号公報 Macromolecular、Rapid communication、1996年、第17巻、143〜148ページ。 Macromolecular、Rapid communication、2000年、第21巻、390〜395ページ。
本発明は、上記に述べた課題を解決するものであり、ホスファゼン化合物触媒の除去工程を省略するか、または除去工程を行いホスファゼン化合物触媒を全部または一部残存させ、かつ特定の高分子量の抗酸化剤を添加することにより、貯蔵時の酸化安定性に優れたポリエーテル類を提供するものである。
本発明は上記課題を解決する下記の発明である。
ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類と少なくとも一種類の抗酸化剤とを含むポリエーテル組成物であって、該ポリエーテル組成物が、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンをポリエーテル類に対して10〜20000ppm、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm含有することを特徴とするポリエーテル組成物。
上記ポリエーテル組成物とポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー。上記ポリエーテル組成物とポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン。
最終生成ポリエーテル類に対してホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが300〜20000ppmとなる量のホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテル類を得た後、ホスファゼン化合物触媒の除去工程を行わずに、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm添加することからなる、ポリエーテル組成物の製造方法。
最終生成ポリエーテル類に対してホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが300〜20000ppmとなる量のホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテル類を得た後、ホスファゼン化合物触媒の一部を除去し、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンの含有量をポリエーテル類に対して10〜10000ppmとした後、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm添加することからなる、ポリエーテル組成物の製造方法。
本発明により、不飽和度が低く、貯蔵時の酸化安定性に優れるポリエーテル組成物を提供できる。また、ホスファゼン化合物触媒によるアルキレンオキシドの開環重合において煩雑な精製工程を行わずに、または容易な精製工程を行うだけで該ポリエーテル組成物を製造することができるので、生産性を大幅に向上できる。
(ポリエーテル類)
本発明のポリエーテル組成物は、ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類を含有する。
(ホスファゼン化合物触媒)
ホスファゼン化合物触媒としては公知のものが採用できる(例えば、特許文献1に開示されたもの)。ホスファゼニウムカチオンのヒドロキシド、炭化水素オキシド、またはカルボキシ化合物が好ましい。具体例としては、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド{[(MeN)P=N]OH}、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウム炭化水素オキシド{[(MeN)P=N]OR}、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムカルボキシド{[(MeN)P=N]RCOO}が挙げられる。ただし、Meはメチル基を、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表す(以下、同じ)。特に好ましいホスファゼン化合物触媒はテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドである。
(アルキレンオキシド)
開始剤に付加するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、メチルグリシジルエーテル、またはそれらの組み合せである。
(開始剤)
ホスファゼン化合物触媒を用いたアルキレンオキシドの開環重合は、活性水素原子を少なくとも1個を有する活性水素化合物を開始剤として用いて行うことが好ましい。開始剤として使用できる活性水素化合物は、アルコール類、フェノール類、アミン類、カルボン酸類などである。また、これらの活性水素化合物に従来公知の方法でアルキレンオキシドを活性水素基あたり約2〜8モル開環重合して得られるポリエーテル類も開始剤として使用できる。また、ポリエステルモノオールやポリオール、ポリカーボネートモノオールやポリオールも開始剤として使用できる。
(ポリエーテル類の製造)
重合系において、前記ホスファゼン化合物触媒は、開始剤である活性水素化合物から活性水素原子をプロトンとして引き抜き、水、アルコールまたはカルボン酸を生成し、一方ホスファゼン化合物触媒はホスファゼニウムカチオンを形成し、アニオン重合機構で嵩高い安定な対カチオンとして機能し、アルキレンオキシドの開環重合を進める。副生物である水、アルコールまたはカルボン酸などは、減圧下脱気操作または窒素ガス流通操作などの方法で重合系内から除くことが好ましい。
ホスファゼン化合物触媒は、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが、最終生成ポリエーテル類に対して300〜20000ppmとなる量アルキレンオキシドの開環重合において使用することが好ましい。好ましい上限は15000ppmであり、さらに好ましくは10000ppmである。また、好ましい下限は500ppmである。
ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが20000ppmを超える量であると触媒コストが上がり、触媒を除去する必要が生じ、除去工程がコスト高になる。300ppm未満では、触媒除去工程が容易になるが、触媒濃度が小さいためポリエーテル類を製造するのに時間がかかり過ぎる。
(ポリエーテル組成物)
本発明におけるポリエーテル組成物は、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンをポリエーテル類に対して10〜20000ppm含有する。好ましい上限は15000ppmであり、さらに好ましくは10000ppmである。また、好ましい下限は85ppmである。
このようなホスファゼニウムカチオンは、重合時に用いたホスファゼン化合物触媒に由来するものであり、このようなカチオンとt−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有する高分子の抗酸化剤を併有することにより、本発明のポリエーテル組成物は貯蔵時の酸化安定性に優れる効果を有する。
ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが20000ppmを超える量であると該ポリエーテル類を用いてポリウレタンを製造する際の反応の制御が難しく、さらに得られるポリウレタンの機械物性に悪影響を及ぼす。またポリエーテル類から得られるプレポリマーは、貯蔵安定性が劣る。また、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが10ppm未満では、たとえt−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有する高分子の抗酸化剤を併有していても、ポリエーテル類の貯蔵時の酸化安定性の効果が認められにくい。この理由は必ずしも明らかではないが、ポリエーテル類に含有されるホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオン自体が、抗酸化剤の役割を果たしているか、またはt−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有する高分子の抗酸化剤の性能を助けているものと考えられる。
本発明のポリエーテル組成物は、ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させた後、触媒を除去する工程を経ないで得られる組成物であるか、触媒を除去する工程で一部の触媒を残して得られる組成物であることが好ましい。
触媒の除去工程を省略する場合は、重合終了後、未反応のアルキレンオキシドを除去を行うことが好ましい。また、触媒の除去を行う場合には、重合終了後、中和剤を添加し、中和反応を行い、次いで脱水し、さらに吸着剤を添加した後、中和塩および吸着剤をろ過分離することにより、一部の触媒を除去することが好ましい。触媒の除去を行う場合には、触媒除去後のホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンの含有量をポリエーテル類に対して10〜10000ppmとすることが好ましい。この場合、好ましい下限は85ppmである。
(抗酸化剤)
本発明のポリエーテル組成物は、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000である高分子量の抗酸化剤を含有する。分子量は400〜5000が好ましく、500〜3000が特に好ましい。また、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基を持つものがより好ましい。
抗酸化剤の具体例としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量586)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量1178)、ステアリル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(分子量531)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量643)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(分子量391)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン(分子量775)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−イソシアヌレート(分子量784)、1,3,5−トリス[(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)メチル]−イソシアヌレート(分子量703)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(分子量545)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(分子量341)、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(分子量741)、(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−フォスフォネート−ジエチルエステル(分子量356)など公知のものを挙げることができる。
このような抗酸化剤は、酸化安定性は優れており、高分子量体であるために蒸気圧が高く、安全衛生の面でも優れる特徴を有する。
抗酸化剤は、ポリエーテル類に対して200〜10000ppm含有されることが好ましく、400〜5000ppm含有されることが特に好ましい。
抗酸化剤の添加は、触媒の除去工程を省略する場合は、重合終了後の脱モノマー後に行うことが好ましい。一部の触媒の除去を行う場合には、重合終了後、中和反応した後、脱水した後、または、吸着剤添加時に、添加することが好ましい。
抗酸化剤はそのまま添加してポリエーテル類に溶解させてもよく、水、その他の溶媒に希釈して添加してもよい。水、その他の溶媒を使用した場合は、減圧乾燥によって水または溶媒をポリエーテル類から除くことができる。
本発明では、最終生成ポリエーテル類に対してホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが300〜20000ppmとなる量のホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテル類を得た後、ホスファゼン化合物触媒の除去工程を行わずに、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm添加することによりポリエーテル組成物を製造することができる。または、最終生成ポリエーテル類に対してホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが300〜20000ppmとなる量のホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテル類を得た後、ホスファゼン化合物触媒の一部を除去し、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンの含有量をポリエーテル類に対して10〜10000ppmとした後、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm添加することによりポリエーテル組成物を製造することができる。前者の方が特に好ましい。
(ポリエーテル組成物の利用)
上記のようにして得られるポリエーテル組成物は、不飽和度の低いポリエーテル類からなる。その不飽和度は、ポリプロピレンオキシドの場合、水酸基価5〜200mgKOH/gにおいて、0.001〜0.05meq/gであることが好ましく、0.005〜0.03meq/gであることが特に好ましい。
(ポリエーテル組成物の利用)
本発明のポリエーテル組成物は、ポリエーテル組成物とポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基末端プレポリマー、さらにはポリウレタン樹脂を製造するのに適している。また、本発明のホスファゼン化合物触媒は難燃剤としても使用できるので、難燃性のポリウレタンを製造する際には、他の難燃剤とともにその一部として機能させることができる。
使用できるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、等の脂環族ポリイソシアネート、またはこれらの変性体が挙げられる。変性体としては、低分子ジオールや低分子トリオールとの反応物であるプレポリマー変性体、水との反応物であるビュレット体、イソシアヌレート骨格を有する三量体などが挙げられる。
イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリエーテル組成物に対し、化学量論的過剰量のポリイソシアネートを反応させることにより製造できる。ウレタン化触媒としては、錫、鉛、チタン等の有機金属化合物、特に有機錫化合物であるジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、スタナースオクトエート、等が挙げられる。
以下に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例1〜5が実施例、例6〜7が比較例である。
(ホスファゼン化合物触媒の調製)
特開平10−330475号公報に従って、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド{[(MeN)P=N]Cl}(Fluka社製)を用い、イオン交換樹脂でテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド{[(MeN)P=N]OH}を調製した。
(5L反応器でのポリエーテルポリオールの製造)
(例1)
反応器中に、分子量1000のポリオキシプロピレングリコール700gと上記テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドのトルエン溶液(40%)45g(ホスファゼン化合物としては25mmol)を投入した。110℃で5時間減圧下、トルエンを留去した。反応器内を窒素置換後、プロピレンオキシドを導入し、80℃で付加重合を行った。その後減圧脱気を行い未反応のプロピレンオキシドを除き、600ppmのペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](以下、抗酸化剤(a1)という)を添加し、撹拌を1時間続けてポリエーテルポリオール(ポリオールA)を得た。
ポリオールAの水酸基価は26.2mgKOH/g、不飽和度は0.017meq/gであった。ポリオールに含有されるリンの分析によるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムカチオン(表では単に「カチオン」で示す)の含有量、酸価および過酸化物(Hとしてのppm)の含有量を測定した。結果を表1に示す。次いで、500mLの栓付きフラスコにポリオールAの100g採取し、100℃のオーブン中に1週間保管した後、酸価および過酸化物を測定した。結果を表1に示す。酸価の測定はJIS−K−1557による。また、過酸化物の含量の測定は下記の通りである。
過酸化物の含量の測定:試料をイソプロピルアルコールに溶解し、ヨウ化カリウムと酢酸を加える。ヨウ化カリウムは、試料の中の過酸化物によりヨウ素を遊離する。遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム標準液で滴定することにより過酸化物を過酸化水素として定量する。
(例2)
ホスホニウムヒドロキシドのトルエン溶液(40%)91g投入した以外は、例1と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールB)を製造した。ポリオールBの水酸基価は26.0mgKOH/g、不飽和度は0.016meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
(例3)
反応器中に、分子量1000のポリオキシプロピレングリコール700gと上記テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドのトルエン溶液(40%)45gを投入した。110℃で5時間減圧下、トルエンを留去した。反応機内を窒素置換後、プロピレンオキシドを導入し、80℃で付加重合を行った。減圧脱気を行い未反応のプロピレンオキシドを除き、その後、0.1Nの塩酸水溶液を用いて中和し、再度減圧脱気で乾燥した。次に、吸着剤としてKW600S(協和化学工業社製)をポリエーテルポリオール全量に対して0.3質量%を加え、100℃で3時間撹拌した後、加圧ろ過した。次に、300ppmの抗酸化剤(a1)と300ppmのステアリル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(以下、抗酸化剤(a2)という)を添加し、100℃で30分間撹拌しポリエーテルポリオール(ポリオールC)を得た。
得られたポリエーテルポリオールCの水酸基価は26.3mgKOH/g、不飽和度は0.017meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
(例4)
吸着剤としてKW600Sをポリエーテルポリオール全量に対して2.5質量%を用いた以外は、例3と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールD)を製造した。ポリオールDの水酸基価は26.2mgKOH/g、不飽和度は0.016meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
(例5)
抗酸化剤として250ppmの抗酸化剤(a1)を添加した以外は、例1と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールE)を製造した。ポリオールEの水酸基価は26.2mgKOH/g、不飽和度は0.016meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
(例6)
抗酸化剤を全く添加しなかった以外は、例1と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールF)を製造した。ポリオールFの水酸基価は26.1mgKOH/g、不飽和度は0.017meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
(例7)
吸着剤としてKW600Sをポリエーテルポリオール全量に対して5.0質量%を用いた以外は、例3と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールG)を製造した。ポリオールGの水酸基価は26.1mgKOH/g、不飽和度は0.017meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
Figure 2005194362

Claims (7)

  1. ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類と少なくとも一種類の抗酸化剤とを含むポリエーテル組成物であって、該ポリエーテル組成物が、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンをポリエーテル類に対して10〜20000ppm、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm含有することを特徴とするポリエーテル組成物。
  2. ポリエーテル類が、ホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類であって、ホスファゼン化合物触媒の除去工程を経ないポリエーテル類である、請求項1に記載のポリエーテル組成物。
  3. ポリエーテル類が、ホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類であって、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンの一部を除去したポリエーテル類である、請求項1に記載のポリエーテル組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテル組成物とポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテル組成物とポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン。
  6. 最終生成ポリエーテル類に対してホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが300〜20000ppmとなる量のホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテル類を得た後、ホスファゼン化合物触媒の除去工程を行わずに、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm添加することからなる、ポリエーテル組成物の製造方法。
  7. 最終生成ポリエーテル類に対してホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが300〜20000ppmとなる量のホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテル類を得た後、ホスファゼン化合物触媒の一部を除去し、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンの含有量をポリエーテル類に対して10〜10000ppmとした後、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm添加することからなる、ポリエーテル組成物の製造方法。
JP2004001232A 2004-01-06 2004-01-06 ポリエーテル組成物およびその製造方法 Pending JP2005194362A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004001232A JP2005194362A (ja) 2004-01-06 2004-01-06 ポリエーテル組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004001232A JP2005194362A (ja) 2004-01-06 2004-01-06 ポリエーテル組成物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005194362A true JP2005194362A (ja) 2005-07-21

Family

ID=34816815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004001232A Pending JP2005194362A (ja) 2004-01-06 2004-01-06 ポリエーテル組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005194362A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013015242A1 (ja) 2011-07-26 2013-01-31 三井化学株式会社 ポリウレタンフォーム用組成物、ポリウレタンフォーム用調製物、ポリウレタンフォーム用ポリマーポリオール調製物、それらの製造方法、およびポリウレタンフォーム
JP2016102178A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 三井化学株式会社 ポリオール組成物、レジンプレミックスおよびポリウレタンフォーム
JP2016102177A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 三井化学株式会社 ポリウレタン樹脂の難燃化方法
CN113651951A (zh) * 2021-09-03 2021-11-16 山东一诺威新材料有限公司 海绵用自催化聚醚多元醇及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11106500A (ja) * 1997-05-28 1999-04-20 Mitsui Chem Inc ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体、並びに、該ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JPH11302352A (ja) * 1998-04-20 1999-11-02 Mitsui Chem Inc イソシアネート基末端プレポリマー及びそれを用いたポリウレタンエラストマー
JPH11322918A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Mitsui Chem Inc ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP2000017040A (ja) * 1998-07-01 2000-01-18 Mitsui Chemicals Inc ポリウレタン樹脂及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP2001106780A (ja) * 1998-10-20 2001-04-17 Mitsui Chemicals Inc ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11106500A (ja) * 1997-05-28 1999-04-20 Mitsui Chem Inc ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体、並びに、該ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JPH11302352A (ja) * 1998-04-20 1999-11-02 Mitsui Chem Inc イソシアネート基末端プレポリマー及びそれを用いたポリウレタンエラストマー
JPH11322918A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Mitsui Chem Inc ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP2000017040A (ja) * 1998-07-01 2000-01-18 Mitsui Chemicals Inc ポリウレタン樹脂及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP2001106780A (ja) * 1998-10-20 2001-04-17 Mitsui Chemicals Inc ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013015242A1 (ja) 2011-07-26 2013-01-31 三井化学株式会社 ポリウレタンフォーム用組成物、ポリウレタンフォーム用調製物、ポリウレタンフォーム用ポリマーポリオール調製物、それらの製造方法、およびポリウレタンフォーム
CN103635535A (zh) * 2011-07-26 2014-03-12 三井化学株式会社 聚氨酯泡沫用组合物、聚氨酯泡沫用配制物、聚氨酯泡沫用聚合物多元醇配制物、它们的制造方法及聚氨酯泡沫
US10494469B2 (en) 2011-07-26 2019-12-03 Mitsui Chemicals & Skc Polyurethanes Inc. Composition for polyurethane foam, preparation for polyurethane foam, polymer polyol preparation for polyurethane foam, production processes therefor, and polyurethane foam
JP2016102178A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 三井化学株式会社 ポリオール組成物、レジンプレミックスおよびポリウレタンフォーム
JP2016102177A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 三井化学株式会社 ポリウレタン樹脂の難燃化方法
CN113651951A (zh) * 2021-09-03 2021-11-16 山东一诺威新材料有限公司 海绵用自催化聚醚多元醇及其制备方法
CN113651951B (zh) * 2021-09-03 2023-11-10 山东一诺威新材料有限公司 海绵用自催化聚醚多元醇及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI302155B (ja)
US4355188A (en) Method for treating polypropylene ether and poly-1,2-butylene ether polyols
CA2486337C (en) Single reactor synthesis of koh-capped polyols based on dmc-synthesized intermediates
JP2003503516A5 (ja)
CA2756579C (en) Processes for preparing ethylene oxide-capped polyols
WO2013192635A2 (en) Improved process for the production of low molecular weight impact polyethers
EP1751212B1 (en) Process for the preparation of polyether polyols
US3391196A (en) High equivalent weight hydroxy-terminated ethylene oxide-butylene oxide polyether polyols
JP2005194362A (ja) ポリエーテル組成物およびその製造方法
JP5291737B2 (ja) アルキレンオキサイド付加物の製造方法
JPH115833A (ja) ポリエーテルエステルポリオールならびにそれを用いたポリウレタン樹脂の製造方法
US11286330B2 (en) Macromer for use in polymer polyol dispersions, and method for producing such a macromer
JP3442833B2 (ja) ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールのオキソニウムカップリングを経由するブロックコポリエーテル
JP5415323B2 (ja) ポリオキシアルキレンアルコールの製造方法
JPH11302352A (ja) イソシアネート基末端プレポリマー及びそれを用いたポリウレタンエラストマー
JP3703259B2 (ja) ポリウレタン分散体の製造方法
JP5716668B2 (ja) イソシアネート基末端プレポリマーの製造方法およびポリウレタン樹脂の製造方法
JP3651994B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールおよびその製造方法
JPWO2014073580A1 (ja) 水酸基含有ポリエーテルの製造方法、加水分解性シリル基含有ポリエーテルの製造方法、およびウレタンプレポリマーの製造方法
US6569981B1 (en) Crystallizing polyether polyols, a method for producing them and use of the same
JP2014028874A (ja) ポリオキシアルキレン化合物の製造方法
JPH06199980A (ja) プレポリマーの製造方法
KR101318727B1 (ko) 에틸렌옥사이드 캡핑된 폴리(옥시프로필렌)폴리올의 이중 금속 시아나이드 촉매 제거방법
WO2023158327A1 (en) A process for obtaining a polyether polyol with a low content of alkali metal ions
JPH06199979A (ja) プレポリマーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100610

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100921