JP2005194362A - ポリエーテル組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類と少なくとも一種類の抗酸化剤とを含むポリエーテル組成物であって、該ポリエーテル組成物が、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンをポリエーテル類に対して10〜20000ppm、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm含有することを特徴とするポリエーテル組成物。
【選択図】なし
Description
ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類と少なくとも一種類の抗酸化剤とを含むポリエーテル組成物であって、該ポリエーテル組成物が、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンをポリエーテル類に対して10〜20000ppm、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm含有することを特徴とするポリエーテル組成物。
本発明のポリエーテル組成物は、ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類を含有する。
ホスファゼン化合物触媒としては公知のものが採用できる(例えば、特許文献1に開示されたもの)。ホスファゼニウムカチオンのヒドロキシド、炭化水素オキシド、またはカルボキシ化合物が好ましい。具体例としては、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド{[(Me2N)3P=N]4P+OH−}、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウム炭化水素オキシド{[(Me2N)3P=N]4P+OR−}、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムカルボキシド{[(Me2N)3P=N]4P+RCOO−}が挙げられる。ただし、Meはメチル基を、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表す(以下、同じ)。特に好ましいホスファゼン化合物触媒はテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドである。
開始剤に付加するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、メチルグリシジルエーテル、またはそれらの組み合せである。
ホスファゼン化合物触媒を用いたアルキレンオキシドの開環重合は、活性水素原子を少なくとも1個を有する活性水素化合物を開始剤として用いて行うことが好ましい。開始剤として使用できる活性水素化合物は、アルコール類、フェノール類、アミン類、カルボン酸類などである。また、これらの活性水素化合物に従来公知の方法でアルキレンオキシドを活性水素基あたり約2〜8モル開環重合して得られるポリエーテル類も開始剤として使用できる。また、ポリエステルモノオールやポリオール、ポリカーボネートモノオールやポリオールも開始剤として使用できる。
重合系において、前記ホスファゼン化合物触媒は、開始剤である活性水素化合物から活性水素原子をプロトンとして引き抜き、水、アルコールまたはカルボン酸を生成し、一方ホスファゼン化合物触媒はホスファゼニウムカチオンを形成し、アニオン重合機構で嵩高い安定な対カチオンとして機能し、アルキレンオキシドの開環重合を進める。副生物である水、アルコールまたはカルボン酸などは、減圧下脱気操作または窒素ガス流通操作などの方法で重合系内から除くことが好ましい。
本発明におけるポリエーテル組成物は、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンをポリエーテル類に対して10〜20000ppm含有する。好ましい上限は15000ppmであり、さらに好ましくは10000ppmである。また、好ましい下限は85ppmである。
本発明のポリエーテル組成物は、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000である高分子量の抗酸化剤を含有する。分子量は400〜5000が好ましく、500〜3000が特に好ましい。また、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基を持つものがより好ましい。
抗酸化剤の添加は、触媒の除去工程を省略する場合は、重合終了後の脱モノマー後に行うことが好ましい。一部の触媒の除去を行う場合には、重合終了後、中和反応した後、脱水した後、または、吸着剤添加時に、添加することが好ましい。
上記のようにして得られるポリエーテル組成物は、不飽和度の低いポリエーテル類からなる。その不飽和度は、ポリプロピレンオキシドの場合、水酸基価5〜200mgKOH/gにおいて、0.001〜0.05meq/gであることが好ましく、0.005〜0.03meq/gであることが特に好ましい。
本発明のポリエーテル組成物は、ポリエーテル組成物とポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基末端プレポリマー、さらにはポリウレタン樹脂を製造するのに適している。また、本発明のホスファゼン化合物触媒は難燃剤としても使用できるので、難燃性のポリウレタンを製造する際には、他の難燃剤とともにその一部として機能させることができる。
特開平10−330475号公報に従って、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド{[(Me2N)3P=N]4P+Cl−}(Fluka社製)を用い、イオン交換樹脂でテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド{[(Me2N)3P=N]4P+OH−}を調製した。
(例1)
反応器中に、分子量1000のポリオキシプロピレングリコール700gと上記テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドのトルエン溶液(40%)45g(ホスファゼン化合物としては25mmol)を投入した。110℃で5時間減圧下、トルエンを留去した。反応器内を窒素置換後、プロピレンオキシドを導入し、80℃で付加重合を行った。その後減圧脱気を行い未反応のプロピレンオキシドを除き、600ppmのペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](以下、抗酸化剤(a1)という)を添加し、撹拌を1時間続けてポリエーテルポリオール(ポリオールA)を得た。
ホスホニウムヒドロキシドのトルエン溶液(40%)91g投入した以外は、例1と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールB)を製造した。ポリオールBの水酸基価は26.0mgKOH/g、不飽和度は0.016meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
反応器中に、分子量1000のポリオキシプロピレングリコール700gと上記テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドのトルエン溶液(40%)45gを投入した。110℃で5時間減圧下、トルエンを留去した。反応機内を窒素置換後、プロピレンオキシドを導入し、80℃で付加重合を行った。減圧脱気を行い未反応のプロピレンオキシドを除き、その後、0.1Nの塩酸水溶液を用いて中和し、再度減圧脱気で乾燥した。次に、吸着剤としてKW600S(協和化学工業社製)をポリエーテルポリオール全量に対して0.3質量%を加え、100℃で3時間撹拌した後、加圧ろ過した。次に、300ppmの抗酸化剤(a1)と300ppmのステアリル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(以下、抗酸化剤(a2)という)を添加し、100℃で30分間撹拌しポリエーテルポリオール(ポリオールC)を得た。
吸着剤としてKW600Sをポリエーテルポリオール全量に対して2.5質量%を用いた以外は、例3と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールD)を製造した。ポリオールDの水酸基価は26.2mgKOH/g、不飽和度は0.016meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
抗酸化剤として250ppmの抗酸化剤(a1)を添加した以外は、例1と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールE)を製造した。ポリオールEの水酸基価は26.2mgKOH/g、不飽和度は0.016meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
抗酸化剤を全く添加しなかった以外は、例1と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールF)を製造した。ポリオールFの水酸基価は26.1mgKOH/g、不飽和度は0.017meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
吸着剤としてKW600Sをポリエーテルポリオール全量に対して5.0質量%を用いた以外は、例3と同様に行い、ポリエーテルポリオール(ポリオールG)を製造した。ポリオールGの水酸基価は26.1mgKOH/g、不飽和度は0.017meq/gであった。例1と同様に性状を測定した結果を表1に示す。
Claims (7)
- ホスファゼン化合物触媒の存在下アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類と少なくとも一種類の抗酸化剤とを含むポリエーテル組成物であって、該ポリエーテル組成物が、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンをポリエーテル類に対して10〜20000ppm、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm含有することを特徴とするポリエーテル組成物。
- ポリエーテル類が、ホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類であって、ホスファゼン化合物触媒の除去工程を経ないポリエーテル類である、請求項1に記載のポリエーテル組成物。
- ポリエーテル類が、ホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させて得られたポリエーテル類であって、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンの一部を除去したポリエーテル類である、請求項1に記載のポリエーテル組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテル組成物とポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテル組成物とポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン。
- 最終生成ポリエーテル類に対してホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが300〜20000ppmとなる量のホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテル類を得た後、ホスファゼン化合物触媒の除去工程を行わずに、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm添加することからなる、ポリエーテル組成物の製造方法。
- 最終生成ポリエーテル類に対してホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンが300〜20000ppmとなる量のホスファゼン化合物触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテル類を得た後、ホスファゼン化合物触媒の一部を除去し、ホスファゼン化合物触媒由来のホスファゼニウムカチオンの含有量をポリエーテル類に対して10〜10000ppmとした後、t−ブチル置換ヒドロキシフェニル基を有しかつ分子量が300〜10000の抗酸化剤をポリエーテル類に対して200〜10000ppm添加することからなる、ポリエーテル組成物の製造方法。
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