JP2000017040A - ポリウレタン樹脂及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリウレタン樹脂及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法

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JP2000017040A
JP2000017040A JP10185801A JP18580198A JP2000017040A JP 2000017040 A JP2000017040 A JP 2000017040A JP 10185801 A JP10185801 A JP 10185801A JP 18580198 A JP18580198 A JP 18580198A JP 2000017040 A JP2000017040 A JP 2000017040A
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polyoxyalkylene polyol
polyol
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Satoshi Yamazaki
聡 山崎
Satoru Akimoto
悟 秋元
Tamotsu Kunihiro
保 国広
Tsukuru Izukawa
作 伊豆川
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイソシアネート化合物との反応性に優
れ、優れた力学特性と高いガラス転移温度を有するポリ
ウレタン樹脂及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法
を提供する。 【解決手段】 ポリオキシアルキレンポリオールとし
て、ホスファゼニウム化合物を触媒として活性水素化合
物にエポキサイド化合物を付加重合した、水酸基価が2
01〜700mgKOH/g、ホスファゼニウム化合物
触媒の残存量が1×10-4〜5×10-1重量%であるポ
リオキシアルキレンポリオールを少なくとも30重量%
含むポリオールを用いることを特徴とするポリウレタン
樹脂、まは硬質ポリウレタンフォームの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン樹脂
の製造方法及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法に
関する。詳しくは、ポリオキシアルキレンポリオールと
して、ホスファゼニウム化合物を触媒として用いて製造
された、特定の水酸基価を有し、特定濃度のホスファゼ
ニウム化合物が残存したポリオキシアルキレンポリオー
ルを主成分とするポリオールを用いるポリウレタン樹脂
及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ポリウレタン原料に用いられてい
るポリオキシアルキレンポリオールは、活性水素化合物
にアルカリ金属化合物触媒の存在下、エポキサイド化合
物を付加重合することにより製造されている。ポリオキ
シアルキレンポリオールを製造するに当たり、生産性向
上や製品品質の改良を目的として種々の検討がなされて
いる。
【0003】先に、本出願人は、ポリアルキレンオキシ
ドを簡便かつ効率的に製造する方法として、活性水素化
合物のホスファゼニウム塩にアルキレンオキシドを付加
重合する方法、または、水酸化ホスファゼニウム化合物
を触媒として用い、活性水素化合物にアルキレンオキシ
ドを付加重合する方法を提案した(EP−A−0791
600号公報)。該公報に記載された方法で得られるポ
リオキシアルキレンポリオールは、実施例によれば、水
酸基価が18〜365mgKOH/g程度のものであ
る。
【0004】このような特性を有するポリオキシアルキ
レンポリオールを原料として、ポリウレタン樹脂を製造
した場合、必ずしも十分に満足し得る弾性率、ガラス転
移温度等を有するポリウレタン樹脂が得られるとは限ら
ない。また、硬質ポリウレタンフォームを製造した場
合、ポリイソシアネート化合物との反応性が劣る他、得
られる硬質ポリウレタンフォームの圧縮強度、寸法安定
性等が必ずしも十分に優れているとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
オキシアルキレンポリオールとポリイソシアネート化合
物との反応性に優れ、優れた力学特性と高いガラス転移
温度を有するポリウレタン樹脂及び硬質ポリウレタンフ
ォームの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリオキシアルキ
レンポリオールとして、ホスファゼニウム化合物を触媒
として活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合
した、比較的高い水酸基価を有し、且つ、特定濃度のホ
スファゼニウム化合物触媒を残存するポリオールを用い
ることにより、上記課題を解決できることを見出し、本
発明に達した。
【0007】即ち、本発明により、ポリオキシアルキレ
ンポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させ
るポリウレタン樹脂の製造方法であって、ポリオキシア
ルキレンポリオールとして、ホスファゼニウム化合物を
触媒として活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加
重合した、水酸基価が201〜700mgKOH/g、
ホスファゼニウム化合物触媒の残存量が1×10-4〜5
×10-1重量%であるポリオキシアルキレンポリオール
を少なくとも30重量%含むポリオールを用いることを
特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法が提供される。
【0008】また、本発明の他の発明により、発泡剤、
整泡剤、触媒の存在下、ポリオキシアルキレンポリオー
ルとポリイソシアネート化合物とを反応させる硬質ポリ
ウレタンフォームの製造方法であって、ポリオキシアル
キレンポリオールとして、ホスファゼニウム化合物を触
媒として活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重
合した、水酸基価が201〜700mgKOH/g、ホ
スファゼニウム化合物触媒の残存量が1×10-4〜5×
10-1重量%であるポリオキシアルキレンポリオールを
少なくとも30重量%含むポリオールを用いることを特
徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法が提供さ
れる。
【0009】本発明のポリウレタン樹脂または硬質ポリ
ウレタンフォームの製造方法における好ましい態様とし
て、水酸基価が300〜600mgKOH/g、ホスフ
ァゼニウム化合物触媒の残存量が2×10-3〜1×10
-1重量%であるポリオキシアルキレンポリオールを用い
る方法が挙げられる。
【0010】本発明の特徴は、ポリウレタン樹脂または
硬質ポリウレタンフォームを製造するに際し、特定のポ
リオキシアルキレンポリオールを用いる点にある。すな
わち、ホスファゼニウム化合物触媒を用いて製造され、
該触媒の特定量が残存しており、且つ、比較的高い水酸
基価を有するポリオキシアルキレンポリオールを主成分
とするポリオキシアルキレンポリオールを用いる点にあ
る。
【0011】上記ポリオールを用いることにより、ポリ
オキシアルキレンポリオールとポリイソシアネート化合
物との反応性が良好となる。また、弾性率、圧縮強度、
寸法安定性等の力学特性に優れ、高いガラス転移温度を
有するポリウレタン樹脂、または硬質ポリウレタンフォ
ームを得ることができる。本発明により得られるポリウ
レタン樹脂は、接着剤、建築材、充填材の分野において
使用できる。また、本発明により得られる硬質ポリウレ
タンフォームは、電気冷蔵庫内の断熱材、住宅、屋外タ
ンク等の断熱材、あるいは、建築材、充填材等の分野に
おいて使用できる。
【0012】尚、本発明におけるホスファゼン化合物触
媒の残存量とは、ホスファゼニウムカチオンの残存量を
意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、特定のポリオキシアルキレンポリオー
ルを原料とする、ポリウレタン樹脂または硬質ポリウレ
タンフォームの製造方法である。先ず、本発明におい
て、主原料として用いるポリオキシアルキレンポリオー
ルについて説明する。
【0014】主原料として用いるポリオキシアルキレン
ポリオールは、ホスファゼニウム化合物触媒存在下、例
えば、少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物
にエポキサイド化合物の付加重合し、得られた粗製ポリ
オキシアルキレンポリオール中に含まれる残存触媒量を
特定の範囲に制御することにより製造される。以下、該
ポリオキシアルキレンポリオールを「主ポリオキシアル
キレンポリオール」と略称する。
【0015】主ポリオキシアルキレンポリオールは、水
酸基価が201〜700mgKOH/gであり、好まし
くは、300〜600mgKOH/g、更に好ましく
は、300〜550mgKOH/gである。水酸基価が
201mgKOH/gより低くなると、得られるポリウ
レタン樹脂、及び硬質ポリウレタンフォームの弾性率が
低下する。一方、水酸基価が700mgKOH/gを超
えると、糖類を開始剤とした主ポリオキシアルキレンポ
リオールを用いた場合には、ポリイソシアネート化合物
との相溶性が低下する。
【0016】主ポリオキシアルキレンポリオール中のホ
スファゼニウム化合物触媒の残存量は、1×10-4〜5
×10-1重量%である。好ましくは、2×10-3〜1×
10 -1重量%であり、更に好ましくは、2×10-3〜1
×10-2重量%である。ホスファゼニウム化合物の残存
量が1×10-4重量%より低下すると、残存したホスフ
ァゼニウム化合物によるポリウレタンの改質効果が得ら
れない。一方、ホスファゼニウム化合物触媒残存量が、
5×10-1重量%を超えると、ポリイソシアネート化合
物との反応制御が困難になる。
【0017】本発明で係わるホスファゼニウム化合物に
ついて説明する。ホスファゼニウム化合物としては、本
出願人が先に出願したEP−A−0791600号公報
にて示されている化合物を使用することが好ましい。
【0018】具体的には、化学式(1)〔化1〕
【0019】
【化1】 〔化学式(1)中、a、b、cおよびdは、それぞれ0
〜3の正の整数であるが、a、b、cおよびdの全てが
同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1〜1
0個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが
互いに結合して環構造を形成する場合もある。rは1〜
3の整数であってホスファゼニウムカチオンの数を表
し、Tr-は価数rの無機アニオンを表す〕、または、化
学式(2)〔化2〕
【0020】
【化2】 〔化学式(2)中、a、b、cおよびdは、それぞれ0
〜3の正の整数であるが、a、b、cおよびdの全てが
同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1〜1
0個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが
互いに結合して環構造を形成する場合もある。Q-はヒ
ドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオキ
シアニオンまたはカルボキシアニオンを表す〕を用い
る。
【0021】化学式(1)、または化学式(2)で表さ
れるホスファゼニウムカチオン中のa、b、cおよびd
は、それぞれ0〜3の正の整数である。ただし、全てが
同時に0ではない。好ましくは0〜2の整数である。よ
り好ましくはa、b、cおよびdの順序に関わらず、
(2,1,1,1)、(1,1,1,1)、(0,1,
1,1)、(0,0,1,1)または(0,0,0,
1)の組み合わせ中の数である。さらに好ましくは、
(1,1,1,1)、(0,1,1,1)、(0,0,
1,1)または(0,0,0,1)の組み合わせ中の数
である。
【0022】化学式(1)、または化学式(2)で表さ
れる塩のホスファゼニウムカチオン中のRは同種または
異種の、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、具体的
には、このRは、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、2−ブテニル、1−ペンチル、
2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチ
ル、イソペンチル、tert−ペンチル、3−メチル−
2−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチル
−2−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1
−ヘプチル、3−ヘプチル、1−オクチル、2−オクチ
ル、2−エチル−1−ヘキシル、1,1−ジメチル−
3,3−ジメチルブチル(tert−オクチル)、ノニ
ル、デシル、フェニル、4−トルイル、ベンジル、1−
フェニルエチルまたは2−フェニルエチル等の脂肪族ま
たは芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ter
t−ブチル、tert−ペンチル、tert−オクチル
等の炭素数1〜10個の脂肪族炭化水素基が好ましく、
メチル基またはエチル基がより好ましい。
【0023】また、ホスファゼニウムカチオン中の同一
窒素原子上の2個のRが結合して環構造を形成する場合
の該窒素原子上の2価の炭化水素基は、4〜6個の炭素
原子からなる主鎖を有する2価の炭化水素基であり(環
は窒素原子を含んだ5〜7員環となる)、好ましくは、
例えば、テトラメチレン、ペンタメチレンまたはヘキサ
メチレン等であり、また、それらの主鎖にメチルまたは
エチル等のアルキル基が置換したものである。より好ま
しくは、テトラメチレンまたはペンタメチレン基であ
る。ホスファゼニウムカチオン中の、可能な全ての窒素
原子についてこのような環構造をとっていても構わず、
一部であってもよい。
【0024】化学式(1)中のTr-は価数rの無機アニ
オンを表す。そして、rは1〜3の整数である。このよ
うな無機アニオンとしては、例えば、ホウ酸、テトラフ
ルオロ酸、シアン化水素酸、チオシアン酸、フッ化水素
酸、塩酸またはシュウ化水素酸などのハロゲン化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、ヘキサフルオロリ
ン酸、炭酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフル
オロタリウム酸および過塩素酸などの無機アニオンが挙
げられる。また、無機アニオンとしてHSO4 -、HCO
3 -もある。
【0025】場合によっては、これらの無機アニオンは
イオン交換反応により互いに交換することができる。こ
れらの無機アニオンのうち、ホウ酸、テトラフルオロホ
ウ酸、ハロゲン化水素酸、リン酸、ヘキサフルオロリン
酸および過塩素酸等の無機酸のアニオンが好ましく、塩
素アニオンがより好ましい。
【0026】化学式(1)のホスファゼニウム化合物を
触媒として使用する場合には、活性水素化合物のアルカ
リ金属、もしくはアルカリ土類金属の塩を予め調製する
必要がある。該化合物の調製方法は従来公知の方法でよ
い。化学式(1)とともに共存させる活性水素化合物の
アルカリ金属の塩、もしくはアルカリ土類金属の塩と
は、活性水素化合物の活性水素が水素イオンとして解離
してアルカリ金属イオンもしくはアルカリ土類金属イオ
ンと置き換わった形の塩である。
【0027】そのような塩を与える活性水素化合物とし
ては、アルコール類、フェノール化合物、ポリアミン、
アルカノールアミンなどがある。例えば、水、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の2価
アルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン
類、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、
トリペンタエリスリトール、ポリグリセロール等の多価
アルコール類、グルコース、ソルビトール、デキストロ
ース、フラクトース、蔗糖、メチルグルコシド、ヒドロ
キシエチルグルコキシド等の糖類またはその誘導体、エ
チレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキ
サメチレンジアミン等の脂肪酸アミン類、トリレンジア
ミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族アミン類、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、ノボラック、レゾール、レゾルシン、ハイドロキノ
ン、マンニッヒ化合物等のフェノール化合物等が挙げら
れる。これらの活性水素化合物は2種以上併用して使用
することもできる。更に、これらの活性水素化合物に従
来公知の方法で活性水素基1当量に対して、6モル以下
のエポキサイド化合物を付加重合して得られる化合物も
使用できる。
【0028】化学式(1)で表されるホスファゼニウム
カチオンと無機アニオンとの塩、及び活性水素化合物の
アルカリ金属の塩、もしくはアルカリ土類金属の塩の存
在下にエポキサイド化合物を付加重合させる。この際、
アルカリ金属のカチオン、もしくはアルカリ土類金属の
カチオンと無機アニオンとの塩が副生するが、この副生
塩が重合反応を阻害する場合は、重合反応に先立ちこれ
を濾過等の方法で除去しておくこともできる。
【0029】また、化学式(1)で表される塩と活性水
素化合物のアルカリ金属の塩、もしくはアルカリ土類金
属の塩から導かれれる活性水素化合物のホスファゼニウ
ム塩を予め単離し、その存在下にエポキサイド化合物を
重合させることもできる。
【0030】主ポリオキシアルキレンポリオールの製造
方法のもう1つの場合、即ち、化学式(2)で表される
ホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、エ
ポキサイド化合物を付加重合させてポリオキシアルキレ
ンポリオールを製造する方法について説明する。化学式
(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のQ-は、
ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオ
キシアニオンおよびカルボキシアニオンよりなる群から
選ばれるアニオンである。
【0031】これらのQ-のうち、好ましくは、ヒドロ
キシアニオンであり、例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール等の脂肪族ア
ルコール類から導かれるアルコキシアニオンであり、例
えばフェノール、クレゾール等の芳香族ヒドロキシ化合
物から導かれるアリールオキシアニオンであり、例えば
ギ酸、酢酸、プロピオン酸等から導かれるカルボキシア
ニオンである。
【0032】これらのうち、より好ましくは、ヒドロキ
シアニオン、例えば、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノールなどの低沸点アルキルアルコールから導かれ
るアルコキシアニオン、またはギ酸、酢酸等のカルボン
酸から導かれるカルボキシアニオンである。さらに好ま
しくは、ヒドロキシアニオン、メトキシアニオン、エト
キシアニオンおよび酢酸アニオンである。これらのホス
ファゼニウム化合物は、単独で用いても2種以上を混合
して用いてもよい。
【0033】化学式(2)で表されるホスファゼニウム
化合物と共存させる活性水素化合物は、活性水素化合物
のアルカリ金属の塩、もしくはアルカリ土類金属の塩を
与える活性水素化合物として先に詳細に述べたものと同
一である。
【0034】化学式(2)で表されるホスファゼニウム
化合物と活性水素化合物の存在下、エポキサイド化合物
を付加重合させる方法においては、通常、過剰に用いら
れる活性水素化合物の過剰分はそのまま残存する。この
他に、水、アルコール、芳香族ヒドロキシ化合物または
カルボン酸はホスファゼニウム化合物の種類に応じて副
生する。これらの副生物、特に低分子量のモノアルコー
ル化合物は加熱減圧処理、例えば、不活性ガスによるバ
ブリング操作下、80〜130℃、1330〜2660
Pa以下の条件でエポキサイド化合物の付加重合反応に
先だって除去しておく。
【0035】ホスファゼニウム化合物の存在下、前記活
性水素化合物へ付加重合させるエポキサイド化合物とし
ては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、
1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサ
イド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイ
ド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、トリ
フルオロプロピレンオキサイドなどが挙げられる。これ
らは2種以上併用してもよい。これらのうち、好ましく
はプロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイ
ド、エチレンオキサイドである。
【0036】エポキサイド化合物の重合方法としては、
プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを例にした
場合、プロピレンオキサイドの重合後に、エチレンオキ
サイドをブロックで共重合するエチレンオキサイドキャ
ップ反応、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイド
をランダムに共重合し、エチレンオキサイドを共重合す
る反応方法が挙げられる。
【0037】主ポリオキシアルキレンポリオールの製造
は、以下の条件を選んで行うことが好ましい。即ち、活
性水素化合物1モルに対する化学式(1)または化学式
(2)で表されるホスファゼニウム化合物は5×10-5
〜5×10-1モル、好ましくは1×10-4〜1×10-1
モル、より好ましくは1×10-3〜1×10-2モルの範
囲である。
【0038】エポキサイド化合物の付加重合反応温度は
15〜170℃、好ましくは40〜150℃、更に、好
ましくは50〜120℃の範囲である。エポキサイド化
合物の反応時の最大圧力は882kPaが好適である。
通常、耐圧反応機によりエポキサイド化合物の反応が行
われる。エポキサイド化合物の反応は減圧状態から開始
しても、大気圧の状態から開始してもよい。大気圧状態
から反応を開始する場合には、窒素またはヘリウム等の
不活性気体存在下で行うことが望ましい。エポキサイド
化合物の最大反応圧力が882kPaを超えると副生モ
ノオール量が増加する。最大反応圧力は、好ましくは6
86kPa、より好ましくは490kPaである。エポ
キサイド化合物として、プロピレンオキサイドを用いる
場合には、最大反応圧力は490kPaが好ましい。
【0039】エポキサイド化合物の付加重合反応に際し
て、溶媒を使用することもできる。溶媒としては、例え
ば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン等の脂肪族炭化水素
類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類またはジメチルスルホキシド、N,N
−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等で
ある。溶媒を使用する場合には、ポリオキシアルキレン
ポリオールの製造コストを上げないためにも、製造後に
溶媒を回収し再利用する方法が望ましい。
【0040】ポリオキシアルキレンポリオール中のホス
ファゼニウム化合物残存量を制御するため、活性水素化
合物にエポキサイド化合物を付加重合した粗製ポリオキ
シアルキレンポリオールを酸中和法、吸着剤処理法、ま
たは、酸中和と吸着剤を併用した方法により精製する。
【0041】主ポリオキシアルキレンポリオールを硬質
ポリウレタンフォームの原料として用いる場合、目的に
応じて、精製処理を行わずに使用することもできる。そ
の場合、粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のホス
ファゼニウム化合物濃度は、1×10-4〜8×10-2
量%の範囲であることが好ましい。
【0042】主ポリオキシアルキレンポリオール中のホ
スファゼニウム化合物残存量を制御するための精製処理
について説明する。活性水素化合物に対するホスファゼ
ニウム化合物の使用量が前記範囲内で低い場合には、粗
製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対し
て、水を0.01〜10重量部加えた後、吸着剤と接触
させることにより、ホスファゼニウム化合物残存量を制
御することが可能である。粗製ポリオキシアルキレンポ
リオール100重量部に対して、吸着剤を0.005〜
2.5重量部添加する。好ましくは、0.02〜1.5
重量部、より好ましくは0.03〜1.1重量部であ
る。
【0043】吸着剤としては、例えば合成ケイ酸マグネ
シウム、合成ケイ酸アルミニウム、活性白土、ゼオライ
ト、酸性白土、合成ケイ酸アルミニウム・マグネシウ
ム、活性炭等が用いられる。具体的な吸着剤としては、
トミタシリーズ、例えば、トミタAD−300、トミタ
AD−600、トミタAD−700、トミタAD−90
0〔富田製薬(株)製〕、キョウワードシリーズ、例え
ば、キョーワード300、キョーワード400、キョー
ワード600、キョーワード700、キョーワード10
00、キョーワード2000〔協和化学工業(株)
製〕、MAGNESOL(DALLAS社製)等各種の
商品名で市販されている。これらの吸着剤は単独、もし
くは2種類以上併用しても構わない。
【0044】粗製ポリオキシアルキレンポリオールと吸
着剤との接触温度は、50〜130℃が好ましい。接触
時間は、反応スケールにも依るが、通常、2〜15時間
である。粗製ポリオキシアルキレンポリオールに加えた
水は、加熱減圧等の方法、例えば、70〜120℃、2
660Pa以下の条件により、ポリオキシアルキレンポ
リオール中の水分量が0.1重量%以下になるまで除去
する。その後、ろ過操作により、ポリオキシアルキレン
ポリオールを回収する。
【0045】水の除去を行う前に、粗製ポリオキシアル
キレンポリオールに酸化防止剤を添加することが好まし
い。粗製ポリオキシアルキレンポリオールに対して、1
00〜4000ppmの酸化防止剤を使用する。好まし
くは、150〜3000ppm、最も好ましくは、20
0〜1800ppmである。酸化防止剤としては、通
常、ポリウレタン分野に使用されているフェノール系化
合物、アミン系化合物、亜リン酸エステル系化合物、ケ
イ皮酸エステル類が挙げられる。
【0046】次に、酸中和法について説明する。粗製ポ
リオキシアルキレンポリオール100重量部に対して、
ポリオキシアルキレンポリオールに水を1〜10重量部
添加した後、粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
ホスファゼニウム化合物1モルに対して、無機酸、無機
酸酸性塩あるいは有機酸から選ばれる少なくとも1種の
中和剤を0.5〜5モル添加して、50〜130℃でホ
スファゼニウム化合物を中和する。その後、粗製ポリオ
キシアルキレンポリオールに対して、100〜4000
ppmの酸化防止剤を添加し、減圧処理を行い、水を留
去し、ポリオキシアルキレンポリオールを回収する。
【0047】ホスファゼニウム化合物を中和する際の酸
として、無機酸、無機酸酸性塩あるいは有機酸から選ば
れる少なくとも1種の中和剤を使用する。無機酸として
は、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン
酸、塩酸、硫酸、亜硫酸およびそれらの水溶液が挙げら
れる。無機酸酸性塩としては、例えば、リン酸二リチウ
ム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、
リン酸一水素リチウム、リン酸一水素ナトリウム、リン
酸一水素カリウム、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリ
ウム、硫酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、酸性ピロリン酸ナトリ
ウム(例えば、ピロリン酸水素ナトリウム)等が挙げら
れる。有機酸としては、例えば、ギ酸、シュウ酸、コハ
ク酸、酢酸、マレイン酸、安息香酸、パラトルエンスル
ホン酸およびそれらの水溶液が挙げられる。特に、好ま
しくはリン酸、硫酸、塩酸、マレイン酸、シュウ酸であ
り、水溶液の形態で用いることが良い。
【0048】これらの酸は粗製ポリオキシアルキレンポ
リオール中に含まれるホスファゼニウム化合物、あるい
はホスファゼニウム化合物とアルカリ金属化合物との混
合物1モルに対して0.5〜5モル使用する。好ましく
は、0.7〜4モル、より好ましくは0.9〜3モルで
ある。中和は50〜130℃の範囲で実施する。特に好
ましくは70〜95℃である。中和時間は反応スケール
にもよるが、0.5〜3時間である。
【0049】中和反応終了後、粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオールに対して、100〜4000ppmの酸化
防止剤を使用する。好ましくは、150〜3000pp
m、最も好ましくは、200〜1800ppmである。
酸化防止剤としては、前記した化合物を使用する。酸中
和法においても、添加した水を加熱減圧処理を行いなが
ら、脱水する。ポリオキシアルキレンポリオール中の水
分量が、0.1重量%以下になるまで前記操作を行う。
その後、ろ過によりポリオキシアルキレンポリオールの
回収を行う。
【0050】酸中和と吸着剤処理の併用法は、前記した
方法を組み合わせて行う。酸中和を行った後、前記した
吸着剤を装入し、ポリオキシアルキレンポリオールの精
製を行う。
【0051】次に、ポリウレタン樹脂の製造方法につい
て説明する。ポリウレタン樹脂は、主ポリオキシアルキ
レンポリオールを主成分とするポリオールとポリイソシ
アネート化合物とを反応させることにより製造される。
【0052】ポリオールに占める主ポリオキシアルキレ
ンポリオールの使用量は、少なくとも30重量%であ
る。好ましくは少なくとも50重量%、更に好ましくは
少なくとも70重量%である。主ポリオキシアルキレン
ポリオールの使用量が、30重量%未満である場合に
は、ポリウレタン樹脂の弾性率が低下する。
【0053】主ポリオキシアルキレンポリオール以外の
ポリオールとしては、水酸化カリウム、或いは水酸化ナ
トリウムを触媒として製造したポリオキシアルキレンポ
リオール、特開平9−194588号公報記載のアミン
化合物を触媒として製造したポリオキシアルキレンポリ
オール、ポリマー分散ポリオール、芳香族ポリエステル
ポリオール、脂肪族ポリエステルポリオール、ポリカー
ボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリブタジエンポリオール、及び、ひまし油ポリオール
等を使用することができる。これらのポリオールの水酸
基価は、200〜700mgKOH/gが好ましい。
【0054】ポリオールの活性水素基濃度に対する、ポ
リイソシアネート化合物のイソシアネート基濃度の比
(イソシアネートインデックス、以下、NCOインデッ
クスと言う)は、0.7〜1.8である。好ましくは、
0.8〜1.5、最も好ましくは、0.85〜1.3で
ある。
【0055】通常、ポリウレタン樹脂の製造は、ポリオ
キシアルキレンポリオール、架橋剤、鎖延長剤、及びポ
リイソシアネート化合物を同時に混合して、ポリウレタ
ン樹脂を製造する方法(以下、ワンショット法と言う)
と、予め、ポリオキシアルキレンポリオールとポリイソ
シアネート化合物を反応させて、イソシアネート基末端
プレポリマーを製造し、次いで、該プレポリマーを、架
橋剤、或いは鎖延長剤と反応させ、ポリウレタン樹脂を
製造する方法(以下、プレポリマー法と言う)が挙げら
れる。本発明では、前記いずれの方法によってもポリウ
レタン樹脂の製造が可能であるが、プレポリマー法で
は、イソシアネート基末端プレポリマーの粘度が高くな
る。作業性の面からワンショット法が好ましい。
【0056】ポリウレタン樹脂の製造において、使用す
るポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート
基を1分子中に2個以上有する芳香族系、脂肪族系、脂
環族系などのポリウレタンの製造に用いられる公知のも
のが使用できる。
【0057】例えば、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、これら有機ポ
リイソシアネートの80/20重量比(TDI−80/
20)、65/35重量比(TDI−65/35)の異
性体混合物、多官能性タールを含有する粗製トリレンジ
イソシアネート(多官能性タールとは、イソシアネート
を製造する際に副生し、イソシアネート基を分子内に2
個以上含有するタール状の物質の混合物である。以下同
じ。)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネートの任意の異性体混合物、3
核体以上の多官能性タールを含有する粗製ジフェニルメ
タンジイソシアネート(ポリメリックMDI)、トルイ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレ
ンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、
及びこれら有機ポリイソシアネートのカルボジイミド変
性体、ビュレット変性体、または、これらをポリオー
ル、モノオール単独で、又は併用して変性したプレポリ
マーなどが挙げられる。
【0058】上記のポリイソシアネート化合物は任意の
割合で混合して用いることもできる。特に好ましくは、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、これら有機ポリイソシアネートの8
0/20重量比(TDI−80/20)、65/35重
量比(TDI−65/35)の異性体混合物、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックM
DI、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイ
ソシアネート、及びその変性体である。
【0059】ポリオキシアルキレンポリオールとポリイ
ソシアネート化合物、及び、目的に応じて使用する鎖延
長剤、或いは架橋剤を計量し、気泡が混入しないよう
に、急速に混合する。ポリウレタン樹脂を製造する時の
温度は、特に限定されるものではないが、10〜130
℃が好ましい。特に好ましくは20〜120℃である。
ポリオールとポリイソシアネート化合物との反応を促進
させるため、触媒を使用しても構わない。但し、主ポリ
オキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウム触媒
残存量が、前記範囲内で高い時は、触媒を使用しなくて
も良い。
【0060】触媒としては、例えば、アミン系触媒とし
て、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメ
チレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモ
ルホリン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス[2−
(ジメチルアミノ)エチル]エーテル、トリエチレンジ
アミンおよびトリエチレンジアミンの塩等、ジブチルア
ミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩が挙げられ
る。
【0061】有機金属系触媒としては、酢酸錫、オクチ
ル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロ
リド、2−エチルヘキシル酸錫、オクタン酸鉛、ナフテ
ン酸鉛、ナフテン酸ニッケルおよびナフテン酸コバルト
等が挙げられる。これらの触媒は任意に混合して使用で
きる。触媒の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオー
ル100重量部に対して、0.0001〜2重量部、好
ましくは0.01〜1重量部である。
【0062】また、鎖延長剤としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール等の2価のアルコール類を用い
る。
【0063】架橋剤としては、グリセリン、ジグリセリ
ン等の多価アルコール類、トリエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカノー
ルアミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン化合物が
挙げられる。更には、アニリン、2,4−トリレンジア
ミン、2,6−トリレンジアミン等の芳香族アミン、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノン、
レゾルシン、ノボラック、レゾール等の芳香族アルコー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトール、及び前記し
た活性水素化合物にプロピレンオキサイド、エチレンオ
キサイド等のアルキレンオキサイドを付加して得られる
OHV200〜800mgKOH/gのポリオールが挙
げられる。最後に、主ポリオキシアルキレンポリオール
を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法について
説明する。硬質ポリウレタンフォームは、発泡剤、整泡
剤、触媒の存在下、主ポリオキシアルキレンポリオール
を主成分とするポリオールとポリイソシアネート化合物
とを反応させることにより製造される。
【0064】ポリオールに占める主ポリオキシアルキレ
ンポリオールの使用量は、少なくとも30重量%であ
る。好ましくは、少なくとも50重量%、更に好ましく
は、少なくとも70重量%である。主ポリオキシアルキ
レンポリオールの使用量が、30重量%未満である場合
には、得られる硬質ポリウレタンフォームの圧縮強度が
低下する。主ポリオキシアルキレンポリオール以外のポ
リオールは、前記したポリオールを使用する。
【0065】硬質ポリウレタンフォームを製造する際に
は、前記したポリオールの他に、水を含む発泡剤、整泡
剤、触媒が必須成分である。更に、目的に応じて、難燃
剤、可塑剤、スコーチ防止剤等を添加することができ
る。
【0066】前記したポリオール、水を含む発泡剤、触
媒、整泡剤、及び架橋剤等の助剤の所定量を混合した液
(以下、レジンプレミックスと言う)を調製し、所定の
温度、例えば、20〜30℃に調整する。ポリイソシア
ネート化合物に関しても所定量計り、所定の温度に調整
する。通常、NCOインデックスにより、使用するポリ
イソシアネート化合物の量を算出する。その後、レジン
プレミックスとポリイソシアネート化合物を急速混合
し、例えば、20〜70℃に温度調整された型に注入し
成形する方法、或いはスプレー方式で基材に直接、レジ
ンプレミックスとポリイソシアネート化合物との混合液
を吹き付け、成形する方法等により硬質ポリウレタンフ
ォームを製造する。
【0067】使用する発泡剤は、要求されるフォームの
断熱性能により異なる。本発明においては、水、シクロ
ペンタン等の低沸点炭化水素系化合物、ハイドロクロロ
フルオロカーボン(以下、HCFCと言う)類、ハイド
ロフルオロカーボン(以下、HFCと言う)類、フルオ
ロカーボン(以下、FCと言う)類、またはフッ素化エ
ーテル類から選ばれる少なくとも1種の化合物を用い
る。特に、水を併用する発泡剤が好ましい。水を併用す
る場合は、硬質ポリウレタンフォームの密度にも依る
が、発泡剤に対して、少なくとも0.5重量%使用す
る。好ましくは、少なくとも0.6重量%、更に、好ま
しくは、1重量%である。
【0068】低沸点炭化水素系化合物は、シクロペンタ
ン、n−ペンタン、イソペンタン等が挙げられる。HC
FC類は、HCFC−141b、HCFC−142が、
HFC類ではHFC−134a、HFC−356あるい
はHFC−245fa等が、FC類としてはC512
挙げられる。フッ素化エーテル類としては、特開平4−
28729号公報に記載されている化合物が使用でき
る。前記発泡剤の使用量は、主ポリオキシアルキレンポ
リオールを含むポリオール100重量部に対して、1〜
50重量部用いる。
【0069】ポリイソシアネート化合物は、前記したポ
リイソシアネート化合物を使用する。通常、NCOイン
デックスは、0.7〜1.8、好ましくは0.8〜1.
5の範囲に調整してポリイソシアネート化合物の使用量
を求める。触媒としては、前記ポリウレタン樹脂の製造
方法の項で述べた化合物を使用する。触媒の使用量は、
ポリオール100重量部に対して、0.01〜4重量部
である。
【0070】硬質ポリウレタンフォームを製造する際に
は、整泡剤が必要である。整泡剤は従来公知の有機珪素
系界面活性剤を用いることができる。例えば、日本ユニ
カー社製のL−520、L−532、L−540、L−
544、L−550、L−3600、L−3601、L
−5305、L−5307、L−5309、L−542
0等、東レ・ダウコーニング社製のSRX−253、S
RX−274C、SF−2961、SF−2962等、
信越シリコーン社製のF−114、F−121、F−1
22、F−220、F−230、F−258、F−26
0B、F−317、F−341、F−601、F−60
6等、東芝シリコーン社製のTFA−420、TFA−
4202等が挙げられる。これらの整泡剤は任意に混合
して用いることもできる。その使用量は、ポリオール1
00重量部に対して、0.05〜4重量部である。
【0071】ポリウレタンフォームの製造方法で前記し
た架橋剤、或いは鎖延長剤を用いても構わない。ポリウ
レタンフォームの使用目的により難燃剤が用いられる。
難燃剤としては、トリス(2−クロロプロピル)ホスフ
ェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、ト
リス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,
2−クロロエチル)ホスフェート、ヘキサブロモシクロ
ドデカンが挙げられる。その使用量は、ポリオール10
0重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは
0.2〜20重量部である。
【0072】
【実施例】以下、実施例を示し本発明についてさらに詳
細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例にしめした特性値は下記方法によ
り測定した。 (1)ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(以
下、OHVと言う:単位mgKOH/g) JIS K−1557記載の方法により求めた。 (2)ポリオール中のホスファゼニウム化合物触媒残存
量(以下、触媒残存量と言う:単位重量%) Waters社製全自動CIAシステムを用いたキャピ
ラリー電気泳動法により行った。ポリオールに塩酸水溶
液を添加し、シェーカーにて塩酸水溶液中にホスファゼ
ニウム化合物の抽出を行う。その後、静置分液を行い、
水層を分離し、キャピラリー電気泳動分析装置を用い
て、ホスファゼニウムカチオンの定量を行った。一方、
ポリオールの水溶性が高い場合には、ポリオール中に残
存している窒素原子を定量することにより、ホスファゼ
ニウムカチオンの残存量を逆算した。ポリオール中の残
存窒素分析は、三菱化学(株)製微量全窒素分析装置
(型式;TN−100)、及びパーキンエルマ社製の元
素分析装置(型式;PE2400)を用いた。
【0073】<ホスファゼニウム化合物(以下、P5N
Me2OHと言う)の合成>実施例のポリオキシアルキ
レンポリオールの合成において、以下のホスファゼニウ
ム化合物をエポキサイド化合物の付加重合の触媒として
使用した。温度計、滴下ロートを取り付けた3000m
lの3つ口フラスコに五塩化リン〔純正化学(株)製〕
60.20gを秤取り、525mlのオルソジクロロベ
ンゼン〔以下、ODCBと言う。三井化学(株)製〕を
加えて懸濁液とした。これを30℃に加熱し、900m
lのODCBに、ラインハルト シュベジンガー他、
「アンゲバンテ ヒミカ インターナショナル エディ
ション イングリッシュ」第32巻、1361〜136
3頁、1993年(ReinhardSchwesinger,et al.Angew.C
hem.Int.Ed.Engl.,1993,32,1361〜1363)記載の方法によ
り合成したトリス(ジメチルアミノ)ホスファゼン
{(Me2N)3P=NH}439.27gを溶解させた
溶液を1時間かけて滴下した。同温度で30分間撹拌し
た後、約30分間かけて160℃まで昇温し、さらに2
0時間撹拌した。生成した不溶物をろ過し、ろ液にイオ
ン交換水を添加し、3回水洗処理を行った。水洗処理後
の水不溶層(以下、有機層と略する。)1091.2g
に対して、イオン交換水619.26gと1規定の塩酸
を289.5ml加え、水層を分液し、テトラキス〔ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ〕ホ
スホニウムクロライド{〔(Me2N)3P=N〕4+
-}を得た。さらに、イオン交換水を加え、2.5重
量%水溶液に調製した。
【0074】次いで、1×10-3mol/lの水酸化ナ
トリウム水溶液により交換基を水酸基型にしたイオン交
換樹脂レバチットMP−500(バイエル社製)を充填
したポリカーボネート製円筒状カラムにテトラキス〔ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ〕ホ
スホニウムクロライドの2.5重量%水溶液を23℃、
SV(Space Velocity)0.5(1/h)でカラム底部よ
り上昇流で通液し、テトラキス〔トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ〕ホスホニウムヒドロキ
シドにイオン交換を行った。更に、該イオン交換樹脂を
充填したカラムにイオン交換水を通液し、カラムに残存
しているホスファゼニウム化合物の回収を行った。その
後、テトラキス〔トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ〕ホスホニウムヒドロキシドの水溶液を
80℃、減圧度7980Paの条件下で2時間、更に8
0℃、133Paの条件で7時間減圧脱水処理を行うこ
とにより、粉末のテトラキス〔トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ〕ホスホニウムヒドロキ
シド{〔(Me2N)3P=N〕4+OH-}(P5NM
e2OH)を得た。
【0075】乾燥後の該化合物の重量測定から求めた収
率は98重量%であった。重水素化ジメチルホルムアミ
ド溶液によるテトラメチルシランを内部標準とした1
−NMR(日本電子製400MHzNMR)の化学シフ
トは2.6ppm(d、J=9.9Hz、72H)であ
った。元素分析値はC:38.28、H:9.82、
N:29.43、P:19.94(理論値C:38.0
9、H:9.72、N:29.61、P:20.46)
であった。該ホスファゼニウム化合物は化学式(2)に
おいてa、b、c、dの順に(1,1,1,1)で、R
がメチル基であり、Q-がOH-のヒドロキシアニオンで
ある。
【0076】比較例のポリオキシアルキレンポリオール
製造用触媒は、水酸化カリウム〔日本曹達(株)製、純
度96重量%〕を用いた。以下、KOHと略する。
【0077】主ポリオキシアルキレンポリオールの合成
について説明する。主ポリオキシアルキレンポリオール
の合成、ならびに精製装置は、攪拌機、温度計、圧力
計、窒素装入口、及びモノマーであるエポキサイド化合
物装入口を装着した内容積2.5L、の耐圧製オートク
レーブ(日東高圧製)を使用した。主ポリオキシアルキ
レンポリオールの合成ならびに精製時には、回転速度1
00〜350r.p.m.の条件で撹拌を行った。
【0078】以下、実施例、比較例につき説明する。 実施例1 ポリオキシアルキレンポリオールA 329gのソルビトール、37gのグリセリン、及び
1.5gのP5NMe2OHをオートクレーブに装入
し、オートクレーブ内を乾燥窒素で置換した。常圧から
昇温を行い、オートクレーブの内温が110℃、圧力が
400kPa以下に保たれる条件で756gのプロピレ
ンオキサイドを徐々に装入した。2時間で所定量のプロ
ピレンオキサイド装入後、圧力の低下が、30分間で5
kPa以下になるまで反応を行った。反応終了後、残存
するプロピレンオキシドを110℃、1330Pa以下
の条件で除去した。その後、内温を80℃に調整し、7
5gの水と3.0gの吸着剤〔富田製薬(株)製、商品
名:トミタAD−600、以下、同様〕を加え、30分
間撹拌し、次いで、徐々に昇温し、最終的に、100
℃、1330Paで3時間乾燥を行った。その後、ろ過
により固形物を除去し、ポリオキシアルキレンポリオー
ルを得た。得られたポリオキシアルキレンポリオール
は、OHV453mgKOH/g、触媒残存量は0.0
1重量%であった。
【0079】実施例2 ポリオキシアルキレンポリオールB 窒素雰囲気下、110℃で溶解した250gの2、4−
トリレンジアミン、及び79gのトリエタノールアミン
をオートクレーブに装入し、オートクレーブ内を乾燥窒
素で置換した。オートクレーブの内温が110℃、圧力
が400kPa以下に保たれる条件で474gのプロピ
レンオキサイドを徐々に装入した。1時間で所定量のプ
ロピレンオキサイド装入後、圧力の低下が30分間で5
kPa以下になるまで反応を行った。反応終了後、残存
するプロピレンオキシドを110℃、1330Paの条
件で除去した後、1.2gのP5NMe2OHを装入
し、窒素置換後、110℃、3時間撹拌した。さらに、
内温110℃、圧力400kPa以下に保たれる条件で
697gのプロピレンオキサイドを徐々に装入し、2時
間で所定量のプロピレンオキサイドを装入した。その
後、圧力の低下が、30分間で5kPa以下になるまで
反応を行った。反応終了後、残存するプロピレンオキサ
イドを110℃、1330Paの条件で除去した。内温
を80℃に調整し、75gの水と5.25gの吸着剤を
加え、3時間撹拌した。さらに、内温を100℃に昇温
し、1330Paで3時間、脱水乾燥を行った。ろ過に
より固形物を除去し、ポリオキシアルキレンポリオール
を得た。得られたポリオキシアルキレンポリオールは、
OHV353mgKOH/g、触媒残存量は0.007
重量%であった。
【0080】実施例3 ポリオキシアルキレンポリオールC 335gの蔗糖、11gのプロピレングリコール、18
gの水、及び1.5gのP5NMe2OHをオートクレ
ーブに装入し、オートクレーブ内を乾燥窒素で置換し
た。オートクレーブの内温が80℃、圧力が400kP
a以下に保たれる条件で756gのプロピレンオキサイ
ドを徐々に装入した。次いで、内温を110℃まで徐々
に昇温し、圧力の低下が30分間で5kPa以下になる
まで反応を行った。反応終了後、残存するプロピレンオ
キサイドを、110℃、1330Paの条件で除去し
た。内温を80℃に調整し、75gの水を装入した。P
5NMe2OH1モルに対して、2.5モルのりん酸
(75.1重量%の水溶液の形態、以下、同様)を添加
し、同温度で2時間反応を行った。その後、4.5gの
吸着剤を加え、30分間撹拌し、徐々に昇温を行いなが
ら、最終的に、105℃、1330Paの条件で3時間
脱水乾燥を行った。次いで、ろ過により固形物を除去
し、ポリオキシアルキレンポリオールを得た。得られた
ポリオキシアルキレンポリオールは、OHV377mg
KOH/g、触媒残存量は0.002重量%であった。
【0081】比較例1 ポリオキシアルキレンポリオールD 329gのソルビトール、37gのグリセリン、及び
4.5gのKOHをオートクレーブに装入し、オートク
レーブ内を乾燥窒素で置換した。常圧から昇温を行い、
オートクレーブの内温が110℃、圧力が400kPa
以下に保たれる条件で、756gのプロピレンオキサイ
ドを徐々に装入した。2時間で所定量のプロピレンオキ
サイドを装入した。圧力の低下が30分間で5kPa以
下になるまで反応を行った。反応終了後、残存するプロ
ピレンオキサイドを、110℃、1330Paの条件で
除去した。内温を80℃に調整し、75gの水、および
KOHに対して1.0当量のりん酸を加え、30分間撹
拌した。さらに、7.5gの吸着剤を加え、徐々に昇温
し、最終的に、100℃、1330Paで3時間脱水乾
燥を行った。その後、ろ過により固形物を除去し、ポリ
オキシアルキレンポリオールを得た。得られたポリオキ
シアルキレンポリオールは、OHV456mgKOH/
gであった。
【0082】比較例2 ポリオキシアルキレンポリオールE 窒素雰囲気下、110℃で溶解した250gの2,4−
トリレンジアミン、及び79gのトリエタノールアミン
をオートクレーブに装入し、オートクレーブ内を乾燥窒
素で置換した。オートクレーブの内温が110℃、圧力
が400kPa以下に保たれる条件で474gのプロピ
レンオキサイドを徐々に装入した。1時間で所定量のプ
ロピレンオキサイド装入後、圧力の低下が30分間で5
kPa以下になるまで反応を行った。反応終了後、残存
するプロピレンオキシドを110℃、1330Paの条
件で除去した後、4.5gのKOHを装入し、窒素置換
した。その後、110℃で3時間撹拌した。次いで、内
温が110℃、圧力が400kPa以下に保たれる条件
で697gのプロピレンオキサイドを徐々に装入し、1
時間で所定量のプロピレンオキサイドを装入後、圧力の
低下が30分間で5kPa以下になるまで反応を行っ
た。反応終了後、残存するプロピレンオキサイドを11
0℃、1330Paの条件で除去した。内温を80℃に
調整し、75gの水、KOHに対して1当量のりん酸を
加え、30分間撹拌し、さらに、7.5gの吸着剤を加
え、徐々に昇温し、最終的に、100℃、1330Pa
の条件で3時間脱水乾燥を行った。その後、ろ過により
固形物を除去し、ポリオキシアルキレンポリオールを得
た。得られたポリオキシアルキレンポリオールは、OH
V357mgKOH/gであった。
【0083】比較例3 ポリオキシアルキレンポリオールF 335gの蔗糖、11gのプロピレングリコール、18
gの水、及び3.0gのKOHをオートクレーブに装入
し、オートクレーブ内を乾燥窒素で置換した。常圧から
昇温を行い、オートクレーブの内温が80℃、圧力が4
00kPa以下に保たれる条件で756gのプロピレン
オキサイドを徐々に装入した。内温が110℃まで徐々
に昇温し、圧力の低下が30分間で5kPa以下になる
まで反応を行った。反応終了後、残存するプロピレンオ
キサイドを、110℃、1330Paの条件で除去し
た。次いで、、内温を80℃に調整し、75gの水、K
OHに対して1当量のりん酸を加え、30分間撹拌し、
さらに、7.5gの吸着剤を加え、徐々に昇温し、最終
的に、100℃、1330Paの条件で3時間脱水乾燥
を行った。その後、ろ過により固形物を除去し、ポリオ
キシアルキレンポリオールを得た。得られたポリオキシ
アルキレンポリオールは、OHV380mgKOH/g
であった。
【0084】実施例、比較例で得られたポリオキシアル
キレンポリオールの分析結果を〔表1〕に示す。 <表中の記号の説明>〔表1〕中のポリオールとは、主
ポリオキシアルキレンポリオールの略号を示す。ポリオ
ール製造触媒において、実施例で用いたホスファゼニウ
ム化合物をPZN、比較例で用いた水酸化カリウムはK
OHと略した。OHVは水酸基価の略号である。また、
主ポリオキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウ
ム化合物触媒の残存量は、触媒残存量という表記にし
た。
【0085】
【表1】
【0086】実施例4〜6、比較例4〜6 <ポリウレタン樹脂の製造>前記実施例1〜3で得られ
た主ポリオキシアルキレンポリオールの効果を明らかに
するため、ポリウレタン樹脂の製造を行い、動的粘弾性
測定を行った。 実施例4:ポリオキシアルキレンポリオールA(以下、
ポリオールAと言う)。 実施例5:ポリオキシアルキレンポリオールB(以下、
ポリオールBと言う)。 実施例6:ポリオキシアルキレンポリオールC(以下、
ポリオールCと言う)。 比較例4:ポリオキシアルキレンポリオールD(以下、
ポリオールDと言う)。 比較例5:ポリオキシアルキレンポリオールE(以下、
ポリオールEと言う)。 比較例6:ポリオキシアルキレンポリオールF(以下、
ポリオールFと言う)。 ポリイソシアネート化合物:コスモネートM−3000
〔三井化学(株)製ポリメリックMDI、イソシアネー
ト基含有率32.6重量%〕。 窒素雰囲気下、23℃の条件で、予め、脱泡した上記ポ
リオール、及びポリイソシアネート化合物とを気泡が混
入しないように3分間攪拌した。この時のイソシアネー
トインデックスは1.00である。その後、1Lのポリ
カップに移液し、デシケーター中で、10分間減圧脱泡
を行った。次いで、予め、80℃の熱風オーブン中で加
熱しておいたガラス板上に、前記反応液を流し、ガラス
管を用いてキャスト製膜を行った。製膜後、直ちに、8
0℃、窒素雰囲気下の熱風オーブン中にガラス板を入
れ、12時間静置した。その後、オーブンの温度を10
0℃に昇温し、同温度にて12時間静置した。硬化後、
オーブン中からガラス板を取り出し、直ちにポリウレタ
ンフィルムをガラス板から剥離した。23℃、相対湿度
50%の恒温室内で、1週間放置後、動的粘弾性測定を
行った。
【0087】(3)ポリウレタン樹脂の貯蔵弾性率(以
下、E’と言う。単位:GPa)、ガラス転移点温度
(以下、Tgと言う。単位:℃) 前記ポリウレタンフィルムから、長さ25mm、幅3m
m、厚さ0.5mmの試験片を切り出して、動的粘弾性
測定を行った。 測定装置:RSAII(レオメトリックス・サイエンティ
フィクス社製) 温度20〜300℃、昇温速度2℃/min.、周波数
6.28rad/s、及び初期歪み0.01%の条件で
測定を行った。〔表2〕に、60℃におけるE’(単
位:Pa)、及びTg(単位:℃)を示す。Tgは、t
anδのピーク最大高さでの温度とした。
【0088】
【表2】
【0089】<実施例の考察1>ホスファゼニウム化合
物触媒が残存している主ポリオキシアルキレンポリオー
ルを用いたポリウレタン樹脂は(実施例4〜6)、KO
H触媒で製造したポリオキシアルキレンポリオールを用
いたポリウレタン樹脂(比較例4〜6)と比較して、
E’、及びTgが高く、力学物性に優れている。主ポリ
オキシアルキレンポリオールは、弾性率、ガラス転移温
度が高いポリウレタン樹脂を提供し得る。
【0090】実施例7、比較例7 <硬質ポリウレタンフォームの製造>主ポリオキシアル
キレンポリオールを用いて、硬質ポリウレタンフォーム
の製造を行った。実施例7、及び比較例7に用いた原料
を以下に示す。 実施例7:ポリオキシアルキレンポリオールC(以下、
ポリオールCと言う)。 比較例7:ポリオキシアルキレンポリオールF(以下、
ポリオールFと言う)。 ポリオールG:TQ−500〔三井化学(株)製、水酸
基価485mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリ
オール〕。 シリコーン整泡剤:L−5420〔日本ユニカー(株)
製〕。 触媒:ミニコTMHD〔活剤ケミカル(株)製、テトラ
メチルヘキサメチレンジアミン、以下、TMHDAと言
う〕。 難燃剤:TCPP〔大八化学(株)製、トリス(2−ク
ロロプロピル)ホスフェート〕。 発泡剤:水(イオン交換水)。 ポリイソシアネート化合物:コスモネートM−200
〔三井化学(株)製ポリメリックMDI、イソシアネー
ト基含有率31.3重量%〕。 上記ポリオール70g、ポリオールG30g、シリコー
ン整泡剤L−5420を2.0g、TMHDAを0.5
g、難燃剤TCPPを15g、水5gを加え、充分に攪
拌し、25℃に調製した(以下、該ポリオール混合液を
レジン液と言う)。予め、25℃に調整したポリイソシ
アネート化合物を、レジン液と6秒間激しく攪拌混合
し、縦25cm×横25cm×高さ18cmの木箱に注
入した。この時のイソシアネートインデックスは、1.
05である。
【0091】(4)ポリオキシアルキレンポリオールの
イソシアネート化合物との反応性。 前記、発泡処方において、発泡による液面の立ち上がり
時間(以下、イニシエーションタイムと言う)、フォー
ム表面の粘り気がなくなる時間(以下、タックフリータ
アイムと言う)を測定した。発泡後、室温で24時間熟
成し、得られた硬質ポリウレタンフォームの物性試験を
行った。
【0092】硬質ポリウレタンフォームの物性試験。 (5)密度(kg/m3) ASTM D−1622−59Tによる。 (6)圧縮強さ(MPa) ASTM D−1621−59Tによる。 (7)寸法安定性(%) フォームから100×100×100mmの試験片を切
り出し、該試験片を〔表3〕記載の条件で静置した。放
置前の試験片長さに対する放置後の試験片長さの変化率
を求めた(ASTM D−756による)。尚、表中の
水平方向とは、フォームの発泡方向を意味し、垂直方向
とは、フォームの発泡方向と垂直の方向を意味する。実
施例7、比較例7のフォーム物性を〔表3〕に示した。
【0093】
【表3】
【0094】<実施例の考察2>〔表3〕より、主ポリ
オキシアルキレンポリオールを用いた硬質ポリウレタン
フォームは、比較例でのフォームと比較して、圧縮強
度、及び寸法安定性が優れている。また、主ポリオキシ
アルキレンポリオールは、イニシエイションタイム、タ
ックフリータイムで表されるポリイソシアネート化合物
との反応性においても優れている。
【0095】
【発明の効果】特定濃度のホスファゼニウム化合物を残
存させたポリオキシアルキレンポリオールを用いること
により、弾性率、ガラス転移温度の高いポリウレタン樹
脂を製造することができる。同様に、圧縮強度、寸法安
定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造すること
ができる。また、特定濃度のホスファゼニウム化合物を
残存させたポリオキシアルキレンポリオールは、ポリイ
ソシアネート化合物との反応性に優れているので、生産
性良くポリウレタン樹脂、及び硬質ポリウレタンフォー
ムを製造することができる。本発明により製造されるポ
リウレタン樹脂は、接着剤、建築材、充填材等の分野に
おいて好適に使用される。また、本発明により製造され
る硬質ポリウレタンフォームは、電気冷蔵庫内の断熱
材、住宅、屋外タンク等の断熱材、あるいは、建築材、
充填材等の分野において好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国広 保 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 伊豆川 作 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J005 AA11 BB04 BD05 4J034 BA08 CA04 CA13 CA15 CC03 CC37 DF01 DF02 DG02 DG03 DG04 DG05 DG06 EA12 GA06 HA07 HC03 HC12 HC17 HC22 HC34 HC35 HC64 HC67 HC71 HC73 KA01 KB01 KD14 NA02 NA03 NA05 RA08 RA10 RA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシアルキレンポリオールとポリ
    イソシアネート化合物とを反応させるポリウレタン樹脂
    の製造方法であって、ポリオキシアルキレンポリオール
    として、ホスファゼニウム化合物を触媒として活性水素
    化合物にエポキサイド化合物を付加重合した、水酸基価
    が201〜700mgKOH/g、ホスファゼニウム化
    合物触媒の残存量が1×10-4〜5×10-1重量%であ
    るポリオキシアルキレンポリオールを少なくとも30重
    量%含むポリオールを用いることを特徴とするポリウレ
    タン樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 水酸基価が300〜600mgKOH/
    g、ホスファゼニウム化合物触媒の残存量が2×10-3
    〜1×10-1重量%であるポリオキシアルキレンポリオ
    ールを少なくとも30重量%含むポリオールを用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリウレタン樹脂の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 発泡剤、整泡剤、触媒の存在下、ポリオ
    キシアルキレンポリオールとポリイソシアネート化合物
    とを反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法で
    あって、ポリオキシアルキレンポリオールとして、ホス
    ファゼニウム化合物を触媒として活性水素化合物にエポ
    キサイド化合物を付加重合した、水酸基価が201〜7
    00mgKOH/g、ホスファゼニウム化合物触媒の残
    存量が1×10-4〜5×10-1重量%であるポリオキシ
    アルキレンポリオールを少なくとも30重量%含むポリ
    オールを用いることを特徴とする硬質ポリウレタンフォ
    ームの製造方法。
  4. 【請求項4】 水酸基価が300〜600mgKOH/
    g、ホスファゼニウム化合物触媒の残存量が2×10-3
    〜1×10-1重量%であるポリオキシアルキレンポリオ
    ールを少なくとも30重量%含むポリオールを用いるこ
    とを特徴とする請求項3記載の硬質ポリウレタンフォー
    ムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002026868A1 (fr) * 2000-09-28 2002-04-04 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Catalyseur metallique conçu pour la polymerisation avec ouverture de cycles de composes heterocycliques
JP2005194362A (ja) * 2004-01-06 2005-07-21 Asahi Glass Co Ltd ポリエーテル組成物およびその製造方法
US7862749B2 (en) 2004-05-28 2011-01-04 Albemarle Corporation Flame retardant polyurethanes and additives therefor

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