JP5450464B2 - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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本発明の目的は、低密度で成形性が良好かつ耐久性の優れた軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、活性水素成分(S)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、発泡剤(C)、ウレタン化触媒(D)及び整泡剤(E)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(S)中に下記ポリオール(s1)を含有することを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法である。
ポリオール(s1):活性水素含有化合物(H)のアルキレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基の40%以上が下記一般式(I)で表される1級水酸基含有基であり、下記一般式(II)で表され、一般式(II)中、−(AO)q−の部分が、下記一般式(VII−1)で表される化合物、(VII−2)で表される化合物及び(VII−3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒(G)の存在下で、炭素数3〜12のアルキレンオキサイドを開環付加重合させることで得られるポリオールであって、開環付加重合させる際に圧力0.1MPaにおける沸点が150℃以下の副生低沸点化合物(t)を連続的又は断続的に除去したものであり、水酸基価xと総不飽和度yとエチレンオキサイド単位含有量zが数式(1)の関係を満たし、かつ水酸基価xが10〜115mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオール。
y≦28.3×x-2×(100−z)/100 (1)
[数式(1)中、xは単位mgKOH/gで表される水酸基価、yは単位meq/gで表される総不飽和度を表す。zは、(s1)の重量を基準とするエチレンオキサイド単位含有量であり、0〜50重量%である。]
ポリオール(s1):活性水素含有化合物(H)のアルキレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基の40%以上が下記一般式(I)で表される1級水酸基含有基であり、水酸基価xと総不飽和度yとエチレンオキサイド単位含有量zが数式(1)の関係を満たすポリオキシアルキレンポリオール。
y≦(9.0×10-9)w2×(100−z)/100 (2)
y≦18.9×x-2×(100−z)/100 (3)
数式(3)を満たすポリオール(s1)は、数式(1)を満たすときに比べて不飽和モノオール量が低減されており、このようなポリオキシアルキレンポリオールを用いて製造したポリウレタンフォームの機械物性と耐湿性は更に向上する。
上記数式(1)及び(3)の左辺は、総不飽和度yである。
ところで、ポリオキシアルキレンポリオールの不飽和基は、この製造過程でエチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド(特にプロピレンオキサイド)が転移反応して生成するので、ポリオキシアルキレンポリオール中のエチレンオキサイド単位含有量が小さいほど不飽和度yが大きくなる傾向があり、分子量が大きい程不飽和度yが大きくなる傾向がある。したがって、エチレンオキサイド単位含有量が小さい、又は分子量が大きいポリオキシアルキレンポリオールは、式(1)及び(3)を満たすことが困難な傾向にある。
すなわち、数式(1)又は(3)は、水酸基価x及びエチレンオキサイド単位含有量zに比べて、総不飽和度yが小さい領域を示すものである。なお、上記数式(1)及び(3)は、実験的に見出した本発明の効果が得られる範囲を表したものである。
活性水素化合物(H)としては、多価の活性水素を有する化合物であり、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物、リン酸化合物;分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
リン酸化合物としては燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオールの粘度の観点から、p+q+rは1〜400の整数が好ましく、さらに好ましくは200以下である。
例えば、(s1)が上記一般式(II)で表される場合、末端に位置する水酸基含有基としては、上記一般式(I)で表される1級水酸基含有基と、r=0の時に見られる下記一般式(X)で表される2級水酸基含有基の2種類が考えられるが、(s1)は上記一般式(II)中のrの値に関係なく、末端に位置する水酸基の40%以上が上記一般式(I)で表される1級水酸基含有基である。
(s1)において、その末端の全水酸基に対して、上記一般式(I)で表される1級水酸基含有基が占める比率(これを本明細書中、1級水酸基率とする。以下において同様である)は、ポリオール(s1)の全末端水酸基の量を基準として40%以上であり、(s1)の反応性の観点から、好ましくは60%以上、さらに好ましくは65%以上である。1級水酸基率が40%未満の場合には、ポリオール成分としての反応性が不十分である。
R1として、具体的には、水素原子;メチル基、エチル基及びプロピル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基等の分岐アルキル基;フェニル基及びp−メチルフェニル基等の置換フェニル基;クロロメチル基、ブロモメチル基、クロロエチル基及びブロモエチル基等の置換アルキル基;p−クロロフェニル基及びp−ブロモフェニル基等の置換フェニル基;シクロヘキシル基等の環状アルキル基等;並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。R9として、具体的には、R1のうち、水素原子を除いたものが挙げられる。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
上に述べた前処理の方法により、ポリオキシアルキレンポリオールの末端の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される(重水素化クロロホルムを溶媒として使用)。1級水酸基率は次の計算式により算出する。
1級水酸基率(%)=[a/(a+2×b)]×100
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値;bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
ポリオール(s1)は、(J)に炭素数3〜12のAOを触媒(G)の存在下で開環付加重合させ下記一般式(XII)で表される活性水素化合物(K)とすることで得ることができる。また、必要により、その後、(K)の末端にEOを0〜50重量%開環付加重合してもよい。(K)にEOを開環付加重する際の方法は通常知られている条件で良く、特に触媒は限定されない。EOを(K)の末端に付加重合しない場合は、(K)が(s1)であり、得られた(s1)の水酸基価xと総不飽和度yが数式(1)の関係を満たしていればよい。
一般式(XII)中、R2、Z、A、p、q、mは、一般式(II)と同じであり、上述の物を同様に例示することができる。
例えば、(J)の具体例としては、(H)への、EO、PO及びブチレンオキサイド等の付加物が挙げられ、さらに具体的には、水のEO付加物、水のPO付加物、グリセリンのEO付加物、グリセリンのPO付加物、アンモニアのEO付加物、アンモニアのPO付加物、水のEO・PO共重合付加物、水のPO・ブチレンオキサイド共重合付加物、グリセリンのEO・PO共重合付加物、グリセリンのEO・ブチレンオキサイド共重合付加物、グリセリンのPO・ブチレンオキサイド共重合付加物、アンモニアのEO・PO共重合付加物、水のEO・PO・ブチレンオキサイドの共重合付加物、グリセリンのEO・PO・ブチレンオキサイドの共重合付加物、アンモニアのEO・PO・ブチレンオキサイドの共重合付加物等が挙げられる。
例えば(K)は、(J)へのPO、ブチレンオキサイド等の付加物が挙げられる。
また、kは0〜5の数を表す。
一般式(VIII)で表されるフェニル基又は置換フェニル基の具体例としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−メチルフェニル基、p−シアノフェニル基及びp−ニトロフェニル基等が挙げられ、好ましくは、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基及びp−シアノフェニル基であり、さらに好ましくはフェニル基、ペンタフルオロフェニル基である。
重合体ポリオールは、(s1)中にポリマー粒子(P)が分散された重合体ポリオールである。
重合体ポリオールは、(s1)中でビニルモノマー(g)を公知の方法で重合して製造することができる。例えば、(s1)中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(g)が重合され、得られた(g)の重合体が安定分散されたものが挙げられる。重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書及び特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
(g)としては、スチレン及び/又はアクリロニトリルが好ましい。
(s1)以外のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びその他のポリオールが挙げられる。
(s2)のうち、ポリエステルポリオールとしては、下記の(1)〜(5)のものが挙げられる。
(1)多価アルコールとポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とのエステル化物
多価アルコールは、2価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)、ポリエーテルポリオール(好ましくはジオール)、3価以上の多価アルコール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)及びこれらの混合物である。ポリカルボン酸のエステル形成性誘導体は、酸無水物及び低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等である。ポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及びテレフタル酸ジメチル等が挙げられる。
(2)カルボン酸無水物及びAOとの縮合反応物
(3)上記(1)及び(2)のAO(EO、PO等)付加物
(4)ポリラクトンポリオール:例えば多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの。
(5)ポリカーボネートポリオール:例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物。
(s2)のうち、アミンとしては前述のものが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
発泡剤(C)としての水の使用量は、発泡倍率及びフォームの崩壊性の観点から、活性水素成分(S)100重量部に対して、2〜8重量部が好ましく、さらに好ましくは2.5〜7.5重量部である。
発泡剤(C)の使用量が2重量部以上であると発泡倍率が十分でありフォーム成形時に型内での充填が十分となる。8重量部以下であると過剰の発泡ガスが発生せず、フォームが崩壊しにくくなる。
発泡剤(C)としては水のみを用いるのが好ましいが、必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素及び液化炭酸ガス等を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc並びにこれらの2種以上の混合物である。
発泡剤(C)として水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、活性水素成分(S)100重量部当たり、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5〜45重量部である。
発泡剤(C)として低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、活性水素成分(S)100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは25重量部以下である。
発泡剤(C)として液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、活性水素成分(S)100重量部あたり、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは25重量部以下である。
シリコーン整泡剤としては、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製の「SZ−1346」及び「SF−2962」並びにモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「L−3640」等]、ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製の「SRX−253」等]等が挙げられる。
整泡剤の使用量は、活性水素成分(S)100重量部に対して、0.5〜3重量部が好ましく、さらに好ましくは0.8〜2.5重量部である。
これらの補助成分の使用量は、活性水素成分(S)100重量部に対して、着色剤は、1重量部以下が好ましく、難燃剤は、5重量部以下が好ましく、さらに好ましくは2重量部以下であり、老化防止剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.5重量部以下であり、抗酸化剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。
<ポリオール(s1−1)の製造>
図1に示した態様のように、容量2500mlの撹拌装置、温度制御装置、原料供給ライン(3)付きのステンレス製オートクレーブ(1)と、蒸留塔(2)(理論段数50段、ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ3m)とを、循環ライン(4)、(5)で接続した。
オートクレーブ(1)に、グリセリンのPO付加物(水酸基価280)200gとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.09gを仕込んだ後、オートクレーブ(1)と蒸留塔(2)及び循環ライン(4)、(5)内を0.005MPaまで減圧とした。原料供給ライン(3)を通じてPOを反応温度が50〜60℃を保つように制御しながら連続的に液相に投入しつつ、ダイアフラムポンプを用いてオートクレーブ(1)内の気相を5L/minの流量で、オートクレーブ(1)→循環ライン(4)→蒸留塔(2)→循環ライン(5)→オートクレーブ(1)の順に循環させた。蒸留塔(2)にて副生低沸点化合物をPOと分離する事で系外に除去した。分離した副生低沸点化合物は蒸留塔(2)の釜下ライン(6)から抜き取った。オートクレーブ内液量が1680mlとなった時点でPOの投入を停止、気相循環を終了し、70℃で4時間熟成し、水を200g加え130〜140℃で1時間加熱した。1時間加熱後、水を2時間かけて常圧留去した後、水酸化カリウム5.0gを加え130〜140℃にてスチームを通入しながら圧力を30〜50torrに保ちながら残りの水を減圧留去した。引き続き、原料供給ライン(3)を通じてEO320gを反応温度が130〜140℃を保つように制御しながら2時間かけて投入した後、2時間熟成した。90℃まで冷却した後、12gのキョーワード600(協和化学社製;合成珪酸塩)と水40gを加え1時間処理した。オートクレーブより取り出した後、1ミクロンのろ紙を用いてろ過した後、減圧脱水し、液状のグリセリンPOEO付加物のポリオール(s1−1)を得た。(水酸基価=28.1、末端EO単位の含有量=16.0%、1級水酸基化率=93%、総不飽和度=0.013〔式(1)の右辺=0.030〕)
なお、原料として用いたグリセリンのPO付加物は既知の方法で合成されたもの、つまり、水酸化カリウムを触媒としてグリセリンにPOを所定量付加した後、触媒除去のため、水と合成珪酸塩(協和化学社製 キョーワード600)を加えて加熱処理後、ろ過、減圧脱水したものである。
グリセリンのPO付加物(水酸基価280)200gを用いる代わりに、ペンタエリスリトールのPO付加物(水酸基価224)417gを用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなった時点でPOの投入を停止」の代わりに「オートクレーブ内液量が1780mlとなった時点でPOの投入を停止」すること、及び、「EO320g」の代わりに、「EO220g」とする以外はポリオール(s1−1)の製造と同様の方法にて合成し、液状のペンタエリスリトールPOEO付加物のポリオール(s1−2)を得た。(水酸基価=46.8、末端EO単位の含有量=11.0%、1級水酸基化率=87%、総不飽和度=0.008〔式(1)の右辺=0.012〕)
なお、原料として用いたペンタエリスリトールのPO付加物は既知の方法で合成されたもの、つまり、水酸化カリウムを触媒としてグリセリンにPOを所定量付加した後、触媒除去のため、水と合成珪酸塩(協和化学社製 キョーワード600)を加えて加熱処理後、ろ過、減圧脱水したものである。
グリセリンのPO付加物(水酸基価280)200gを用いる代わりに、ペンタエリスリトールのPO付加物(水酸基価224)286gを用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなった時点でPOの投入を停止」の代わりに「オートクレーブ内液量が1760mlとなった時点でPOの投入を停止」すること、及び、「EO320g」の代わりに、「EO240g」とする以外はポリオール(s1−1)の製造と同様の方法にて合成し、液状のペンタエリスリトールPOEO付加物のポリオール(s1−3)を得た。(水酸基価=32.1、末端EO単位の含有量=12.0%、1級OH化率=90%、総不飽和度=0.012〔式(1)の右辺=0.024〕)
グリセリンのPO付加物(水酸基価280)200gを用いる代わりに、ペンタエリスリトールのPO付加物(水酸基価224)250gを用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなった時点でPOの投入を停止」の代わりに「オートクレーブ内液量が1720mlとなった時点でPOの投入を停止」すること、及び、「EO320g」の代わりに、「EO280g」とする以外はポリオール(s1−1)の製造と同様の方法にて合成し、液状のペンタエリスリトールPOEO付加物のポリオール(s1−4)を得た。(水酸基価=28.1、末端EO単位の含有量=14.0%、1級水酸基化率=92%、総不飽和度=0.014〔式(1)の右辺=0.031〕)
グリセリンのPO付加物(水酸基価280)200gを用いる代わりに、ペンタエリスリトールのPO付加物(水酸基価224)250gを用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなった時点でPOの投入を停止」の代わりに「オートクレーブ内液量が1840mlとなった時点でPOの投入を停止」すること、及び、「EO320g」の代わりに、「EO160g」とする以外はポリオール(s1−1)の製造と同様の方法にて合成し、液状のペンタエリスリトールPOEO付加物のポリオール(s1−5)を得た。(水酸基価=28.1、末端EO単位の含有量=8.0%、1級水酸基化率=86%、総不飽和度=0.010〔式(1)の右辺=0.033〕)
「グリセリンのPO付加物(水酸基価280)を200g」用いる代わりに、「グリセリンのPO付加物(水酸基価280)を400g」を用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなった時点でPOの投入を停止」の代わりに「オートクレーブ内液量が1600mlとなった時点でPOの投入を停止」すること、及び、「EO320g」の代わりに、「EO400g」とする以外はポリオール(s1−1)の製造と同様の方法にて合成し、液状のグリセリンPOEO付加物のポリオール(s1−6)を得た。(水酸基価=33.7、末端EO単位の含有量=20.0%、1級水酸基化率=93%、総不飽和度=0.011〔式(1)の右辺=0.020〕)
「グリセリンのPO付加物(水酸基価280)を200g」用いる代わりに、「グリセリンのPO付加物(水酸基価280)を222g」を用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなった時点でPOの投入を停止」の代わりに「オートクレーブ内液量が1720mlとなった時点でPOの投入を停止」すること、及び、「EO320g」の代わりに、「EO280g」とする以外はポリオール(s1−1)の製造と同様の方法にて合成し、液状のグリセリンPOEO付加物のポリオール(s1−7)を得た。(水酸基価=18.7、末端EO単位の含有量=14.0%、1級水酸基化率=94%、総不飽和度=0.018〔式(1)の右辺=0.059〕)
「グリセリンのPO付加物(水酸基価280)200g」を用いる代わりに、「グリセリンのPO付加物(水酸基価280)833g」を用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなった時点でPOの投入を停止」の代わりに「オートクレーブ内液量が1880mlとなった時点でPOの投入を停止」すること、及び、「EO320g」の代わりに、「EO120g」とする以外はポリオール(s1−1)の製造と同様の方法にて合成し、液状のグリセリンPOEO付加物のポリオール(s1−8)を得た。(水酸基価=70.1、末端EO単位の含有量=6.0%、1級水酸基化率=76%、総不飽和度=0.004〔式(1)の右辺=0.008〕)
ポリオール(s1−2)中で、アクリロニトリルを共重合させ、重合体ポリオールs1−9)(重合体含量20.0%、水酸基価=37.4、重合体微粒子の体積平均粒子径=0.4μm)を得た。
ポリオール(s1−4)中で、スチレンとアクリロニトリル(質量比:30/70)を共重合させ、重合体ポリオール(s1−10)(重合体含量30.0%、水酸基価=19.7、重合体微粒子の体積平均粒子径=0.4μm)を得た。
(1)活性水素成分(s2−1):グリセリンのPO・EOランダム付加物。水酸基価=24.0、EO単位の含有量=72.0%、1級水酸基化率=30%
(2)活性水素成分(s2−2):ソルビトールのPO付加物。水酸基価=490
(3)活性水素成分(s2−3):グリセリンのEO付加物。水酸基価=842
(4)活性水素成分(s2−4):エチレングリコール。水酸基価=1810
(5)活性水素成分(s2−5):トリエタノールアミン。水酸基価=1130
図2に示した態様のように、2500mlの撹拌装置、温度制御装置、原料供給ライン(3)付きのステンレス製オートクレーブ(1)に、グリセリン31gと水酸化カリウム5.0gを仕込んだ後、原料供給ライン(3)を通じてPOを反応温度が90〜100℃を保つように制御しながら投入した。但し、POの投入は6時間かけて連続して実施した。オートクレーブ内液量が1680mlとなるまで投入した後、100℃で3時間熟成した。引き続き、原料供給ライン(3)を通じてEO320gを反応温度が130〜140℃を保つように制御しながら2時間かけて投入した後、2時間熟成した。90℃まで冷却した後、12gのキョーワード600(協和化学社製;合成珪酸塩)と水40gを加え1時間処理した。オートクレーブより取り出した後、1ミクロンのろ紙を用いてろ過した後、減圧脱水し、液状のグリセリンPOEO付加物の活性水素成分(s2−6)を得た。(水酸基価=28.1、末端EO単位の含有量=16.0%、1級水酸基化率=82%、総不飽和度=0.069〔式(1)の右辺=0.030〕)
グリセリン31gを用いる代わりに、ペンタエリスリトール57gを用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなるまで投入」の代わりに「オートクレーブ内液量が1780mlとなるまで投入」すること、及び、「EO320g」の代わりに「EO220g」とする以外は活性水素成分(s2−6)の製造と同様の方法で合成し、液状のペンタエリスリトールPOEO付加物の活性水素成分(s2−7)を得た。(水酸基価=46.8、末端EO単位の含有量=11.0%、1級水酸基化率=63%、総不飽和度=0.042〔式(1)の右辺=0.012〕)
グリセリン31gを用いる代わりに、ペンタエリスリトール39gを用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなるまで投入」の代わりに「オートクレーブ内液量が1760mlとなるまで投入」すること、及び、「EO320g」の代わりに「EO240g」とする以外は活性水素成分(s2−6)の製造と同様の方法で合成し、液状のペンタエリスリトールPOEO付加物の活性水素成分(s2−8)を得た。(水酸基価=32.1、末端EO単位の含有量=12.0%、1級水酸基化率=72%、総不飽和度=0.063〔式(1)の右辺=0.024〕)
グリセリン31gを用いる代わりに、ペンタエリスリトール34gを用い、「オートクレーブ内液量が1680mlとなるまで投入」の代わりに「オートクレーブ内液量が1720mlとなるまで投入」すること、及び、「EO320g」の代わりに「EO280g」とする以外は活性水素成分(s2−6)の製造と同様の方法で合成し、液状のペンタエリスリトールPOEO付加物の活性水素成分(s2−9)を得た。(水酸基価=28.1、末端EO単位の含有量=14.0%、1級水酸基化率=79%、総不飽和度=0.071〔式(1)の右辺=0.031〕)
ポリオールb1−2中で、アクリロニトリルを共重合させ、活性水素成分(s2−10)を得た。(重合体含量20.0%、水酸基価=37.4、重合体微粒子の体積平均粒子径=0.4μm)
ポリオールb1−4中で、スチレンとアクリロニトリル(質量比:30/70)を共重合させ、活性水素成分(s2−11)を得た。(重合体含量30.0%、水酸基価=19.7、重合体微粒子の体積平均粒子径=0.4μm)
(1)ウレタン化触媒D−1:エアプロダクツジャパン(株)製「DABCO−33LV」(トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコール溶液)
(2)ウレタン化触媒D−2:東ソー(株)製「TOYOCAT ET」{ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70重量%ジプロピレングリコール溶液}
(1)整泡剤E−1:東レ・ダウコーニング(株)製「SZ−1346」
(2)整泡剤E−2:EVONIK社製「TEGOSTAB B8715LF」
5.発泡剤(C)
(1)発泡剤C−1:水
(1)有機ポリイソシアネートB−1:三井化学(株)製「コスモネート TM−20」(TDI−80(2,4−及び2,6−TDI、2,4−体の比率が80重量%)/粗製MDI(平均官能基数:2.9)=80/20(重量比)(NCO%:44.6%))
<体積平均粒子径>
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリマーポリオールを2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間攪拌、混合した。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準による体積平均粒子径を測定した。
<1>:全密度(kg/m3)
<2>:コア密度(kg/m3)
<3>:フォーム硬さ(kgf/314cm2)
<4>:反発弾性率(%)
<5>:伸び率(%)
<6>:圧縮残留歪み率(%)
<1>〜<6>はJIS K 6400(2004年版)に準拠した。
<7>:湿熱圧縮残留歪み率(%)
<7>の測定条件は、<6>の試験において温度50℃、湿度95%とした。
<8>:キュア性
フォーム脱型直後に、端部を指で10秒間はさみ、
指跡の残らないもの;○
指跡の残るもの ;×
として評価した。
表1、表2に示す部数のポリオールプレミックスと有機ポリイソシアネート成分(B)を、高圧ウレタン発泡機(ポリマーエンジニアリング社製)の原料タンクに仕込み、液温を25℃に調節した。その後、高圧ウレタン発泡機でポリオールプレミックスと表に記載のイソシアネート指数となる量の有機ポリイソシアネート成分(B)とを15MPaで高圧吐出混合し、65℃に温度調節した400mm(長さ)×400mm(幅)×100mm(高さ)のアルミ製モールド、または自動車のシートクッションパッド成形用アルミ製モールド(実型)に注入し、キュアー時間5.5分にて成形した。
各フォームの物性値の測定結果を表1、2に示す。なおコア密度はフォームの中心部から、100mm×100mm×50mmの大きさに切り出して測定した密度である。
実施例1は低密度でもフォームの成形が可能であるのに対し、同じ密度で形成しようとした比較例1はフォーム成形時に崩壊してしまう。実施例3は同程度の密度の比較例2よりもフォーム硬さ、反発弾性、伸び率、湿熱圧縮歪み率、キュア性が優れており、特に湿熱圧縮歪み率が極めて優れている。さらに実施例3は同等のフォーム硬さを示す比較例3よりも軽量であり、湿熱圧縮歪み率は軽量であるにも関わらず優れている。
実施例7は同程度の密度の比較例4よりもフォーム硬さ、反発弾性、伸び率、湿熱圧縮歪み率が優れており、特に湿熱圧縮歪み率が極めて優れている。実施例9は同程度の密度の比較例5よりもフォーム硬さ、反発弾性、伸び率、湿熱圧縮歪み率が優れており、特に湿熱圧縮歪み率が極めて優れている。さらに実施例10は同等のフォーム硬さ、反発弾性、伸び率、湿熱圧縮歪み率を示す比較例6よりも軽量である。
したがって、本発明の製造方法によれば、低密度で成形性が良好かつ湿熱耐久性及び機械物性に優れる軟質ポリウレタンフォームを得ることができることが分かる。
2:蒸留塔
3:原料供給ライン
4:循環ライン
5:循環ライン
6:釜下ライン
Claims (3)
- 活性水素成分(S)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、発泡剤(C)、ウレタン化触媒(D)及び整泡剤(E)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(S)中に下記ポリオール(s1)を含有することを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
ポリオール(s1):活性水素含有化合物(H)のアルキレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基の40%以上が下記一般式(I)で表される1級水酸基含有基であり、下記一般式(II)で表され、一般式(II)中、−(AO)q−の部分が、下記一般式(VII−1)で表される化合物、(VII−2)で表される化合物及び(VII−3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒(G)の存在下で、炭素数3〜12のアルキレンオキサイドを開環付加重合させることで得られるポリオールであって、開環付加重合させる際に圧力0.1MPaにおける沸点が150℃以下の副生低沸点化合物(t)を連続的又は断続的に除去したものであり、水酸基価xと総不飽和度yとエチレンオキサイド単位含有量zが数式(1)の関係を満たし、かつ水酸基価xが10〜115mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオール。
y≦28.3×x-2×(100−z)/100 (1)
[数式(1)中、xは単位mgKOH/gで表される水酸基価、yは単位meq/gで表される総不飽和度を表す。zは、(s1)の重量を基準とするエチレンオキサイド単位含有量であり、0〜50重量%である。]
- 一般式(II)中の(AO)qの部分のうち、末端に位置するAの構造の40%以上が、一般式(VI)で表される構造である請求項1に記載の製造方法。
- ポリオール(s1)の末端に位置する水酸基含有基の60%以上が一般式(I)で表される1級水酸基含有基である請求項1又は2に記載の製造方法。
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