JP2013087261A - ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物及びこれを用いたポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低密度にした際でも、難燃性及び機械物性が十分なフォームが得られるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を提供する。
【解決手段】P-C-O-P結合を有する難燃剤(A)及びポリオール(P)を含有するポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物であって、(P)が、活性水素含有化合物に炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール、又は炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオールであって、活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが0〜20、末端水酸基の1級OH比率yが40〜100%、(P)のxとyが下記式(1)の関係を満たすポリオールであるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(I)。y≧42.0x0.47(1−x/41)(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物及びこれを用いたポリウレタンフォームの製造方法に関する。
従来技術としては、例えば、軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法としてポリオールと有機ポリイソシアネートとを、発泡剤、触媒、整泡剤等の存在下で反応させて軟質ポリウレタンスラブフォームを製造する方法があり、難燃剤としては、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、芳香族縮合リン酸エステル及びトリス(クロロプロピル)ホスフェート等のリン酸エステルが知られている(特許文献1)。
一方、近年コスト低減要求が強く、軽量化のためポリウレタンフォームの低密度化が求められている。
低密度化の要望に応えるため、発泡剤(特に水)の使用量は更に増加の傾向にある。発泡剤の使用量を増加させる(非特許文献1等)ことは、フォーム製造時の発生炭酸ガス量を増加させることができ、ポリウレタンフォームの密度を低下させるには有効であるが、フォームの密度が低下するとフォームの機械強度(フォーム硬度等)が低下する。ポリウレタンフォームの硬度を向上させる具体的技術としては、使用する架橋剤の使用量を上げる方法(非特許文献1)等があるが、このような方法では、ポリウレタンフォームの伸びや引張強度のような機械物性が不十分である等の課題が残されており、硬度が向上し機械物性が維持されるポリウレタンフォームが望まれている。
特開2009−96858号公報
岩田敬治、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」、日刊工業、1987年5月20日発行、第1版、32頁
しかし、低密度にした際に、従来のポリウレタンフォームでは、機械物性が不十分という問題がある。
本発明は、これらの問題点を解決したポリオール組成物の提供を目的とする。
すなわち、本発明のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(I)は、P-C-O-P結合を有する難燃剤(A)及びポリオール(P)を含有するポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物であって、
(P)が、活性水素含有化合物に炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール、又は炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドがブロック付加されてなる、若しくはランダム及びブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが0〜20で、末端水酸基の1級OH比率yが40〜100%であるポリエーテルポリオールであり、(P)が、活性水素1個あたりの末端に付加しているエチレンオキサイドの平均付加モル数xと末端水酸基の1級OH比率y(%)が下記式(1)の関係を満たすポリオールであることを要旨とする。
y≧42.0x0.47(1−x/41) (1)
また、本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、上記のポリオール組成物(I)及び有機ポリイソシアネート(B)を、発泡剤(C)及びウレタン化触媒(D)の存在下に反応させることを要旨とする。
本発明のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を使用して得られるポリウレタンフォームは、低密度にした際でも、十分な難燃性及び機械物性を有する。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法で得られるポリウレタンフォームは、低密度にした際でも、十分な難燃性及び機械物性を有する。
製造例1〜3の反応装置を示す図である。
本発明において、難燃剤(A)は、P-C-O-P結合を有する化合物である。
P−C−O−P結合を有する化合物としては、1分子内に少なくとも1つのこの結合を有する物であればよい。P−C−O−P結合を有する化合物としては、ホスフェート−ホスホネート結合を有する有機リン化合物が含まれ、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013087261
一般式(I)において、R1〜R4はそれぞれ同一又は異なって、炭素数(以下、Cと略す)2〜8の直鎖又は分岐のアルキル基、置換基を有していてもよいC5〜10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6〜15アリール基、R1とR2が結合して環状構造を形成した場合はC2〜9アルキレン基、R3とR4が結合して環状構造を形成した場合はC2〜9アルキレン基のいずれかである。難燃性の観点から、R1とR2の組み合わせ又はR3とR4の組み合わせのうちの少なくとも一方が酸素原子及びリン原子とともに環状構造を形成することが好ましい。
1〜R4のいずれかが、直鎖又は分岐のアルキル基である場合、このアルキル基は、難燃性の観点から、C2〜5であることが好ましく、より好ましくはC3〜5、さらに好ましくはC4〜5である。ことがさらに好ましい。
1〜R4のいずれかが、置換基を有してもよいC5〜10シクロアルキル基である場合、このシクロアルキル基が有し得る置換基とは、例えば、C1〜7の直鎖又は分岐のアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等)である。
シクロアルキル基中の環は、3〜10員環であり得る。原料の入手のしやすさという点で、5員環〜7員環が好ましく、より好ましくは6員環である。
1〜R4のいずれかが、C6〜15アリール基である場合、アリール基としては、例えば、フェニル、1−ナフチル及び2−ナフチル等が挙げられる。難燃剤中のリン含有率を低下させないという点で、フェニルが好ましい。
1〜R4のいずれかが、置換基を有してもよいC6〜15アリール基である場合、このアリール基が有し得る置換基とは、例えば、C1〜9の直鎖又は分岐のアルキルである。当該置換基を有してもよい置換アリールとしては、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル等が挙げられる。
1とR2とが結合してC2〜9アルキレン基となって酸素原子及びリン原子とともに環状構造を形成する場合、R1とR2とが結合した連結基−R1−R2−は、C2〜6アルキレン基が好ましい。この環状構造における環は、難燃性の観点から、5〜7員環であることが好ましく、より好ましくは5員環又は6員環であり、さらに好ましくは6員環である。
3とR4とが結合してC2〜9アルキレン基となって酸素原子及びリン原子とともに環状構造を形成する場合、R3とR4とが結合した連結基−R3−R4−は、C2〜6アルキレン基が好ましい。この環状構造における環は、難燃性の観点から、5〜7員環であることが好ましく、より好ましくは5員環又は6員環であり、さらに好ましくは6員環である。
1〜R4は、それぞれ独立して上述した各種の基であり得るが、化合物がR1とR2とが結合して環状構造を形成し、かつR3とR4とが結合して環状構造を形成する場合、難燃性及びフォームの機械物性の観点から、R1〜R4の炭素数の合計が、6以上となるように選択されることが好ましく、さらに好ましくは10以上である。
また、R1とR2とが結合した環状構造、又はR3とR4とが結合した環状構造のいずれか1つを有する場合、難燃性及びフォームの機械物性の観点から、R1〜R4の炭素数の合計が、9以上となるように選択されることが好ましく、さらに好ましくは13以上である。
5は、下記一般式(II)で表される連結基である。
Figure 2013087261
ここで、R6及びR7は、同一であってもよく、異なってもよく、水素、C1〜6アルキル基及びC6〜11アリール基のいずれかであるか、あるいはR6とR7とが結合して置換基を有していてもよいC4〜10アルキレン基となって炭素原子とともに環状構造を形成してもよい。
6の炭素数とR7の炭素数との和は0〜12である。R6又はR7がC6〜11アリール基である場合、C6〜11アリール基は、C1〜5アルキルで置換されてもよいフェニルであることが好ましく、より好ましくはフェニルである。すなわち、R5は、メチレン基、C2〜13の分岐のアルキレン基、C5〜11の環構造を有するアルキレン基又はC7〜12アリール置換アルキレン基のいずれかである。これらの中では、メチレン基及びC2〜13の分岐のアルキレン基が好ましく、より好ましくはメチレン基及びC2〜7の分岐のアルキレン基、さらに好ましくはメチレン基、−CH(CH3)−基及び−C(CH32−基である。
5は、2つのリン原子の間を、炭素1原子と酸素1原子とで連結する。すなわち、P−C−O−P結合の骨格となる。従って、R5は、−CH2−又はその置換体である。例えば、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−CH(C25)−、−C(CH3)(C25)−、−C(CH3)(CH2CH(CH32)−等が挙げられる。R5が環状構造となる場合の具体例としては、例えば、環状の−C610−、すなわちシクロヘキシレンが例示される。
C7〜12アリール置換アルキレン基とは、アルキレン基の水素をアリールで置換した基であって、アリール置換アルキレン基の全体として炭素数がC7〜12であるものをいう。C7〜12アリール置換アルキレン基中のアルキレン部分の炭素数は、C1〜4であることが好ましく、より好ましくはC1(メチレン)である。C7〜12アリール置換アルキレン基中のアリール部分は任意のアリールであり、好ましくは、C7〜12アリール置換アルキレン基中のアリール部分はフェニルである。具体的には例えば、このような好ましいR5の例としては、−CH(C65)−が挙げられる。
5の具体例としては、原料として入手しやすい点から、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−C(CH3)(C25)−、−C(CH3)(CH2CH(CH32)−、−CH(C65)−、−C610−(すなわち、シクロヘキシレン)が好ましく、より好ましくは−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−C(CH3)(CH2CH(CH32)−、さらに好ましくは−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−である。
上記一般式(I)で表される化合物としては、下記化学式(III)で表される化合物が挙げられ、難燃性及びフォームの機械物性の観点から、この化合物が好ましい。
Figure 2013087261
P−C−O−P結合を有する難燃剤は、特許第4582713号公報に記載の方法により製造できる。
本発明において、ポリオール(P)は、ポリエーテルポリオールであり、活性水素含有化合物に炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール、又は炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドがブロック付加されてなる、若しくはランダム及びブロック付加されてなるポリエーテルポリオールである。
活性水素含有化合物としては、多価の活性水素を有する化合物であり、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物、リン酸化合物;分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
水酸基含有化合物としては、水、2〜8価の多価アルコール、多価フェノール等が挙げられる。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリト―ル、ソルビト―ル及びショ糖等の4〜8価のアルコ―ル;ピロガロ―ル、カテコール及びヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
アミノ基含有化合物としては、アミン、ポリアミン、アミノアルコール等が挙げられる。具体的には、アンモニア;C1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン;モノエタノ―ルアミン、ジエタノ―ルアミン及びトリエタノ―ルアミン等のアルカノ―ルアミン;ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
カルボキシル基含有化合物としては、コハク酸及びアジピン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸及びトリメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等が挙げられる。
チオール基含有化合物としては、ポリチオール化合物が含まれ、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエチレンジチオール及び1、6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
リン酸化合物としては燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物のうち、得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、水酸基含有化合物及びアミノ基含有化合物が好ましく、特に好ましくは、水、アルコール及びアミンである。
活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)としては、C2〜6の1,2−AO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、C3以上の1,2−AO{1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)及び1,2ブチレンオキサイド}等が挙げられる。これらのうち、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2-ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
なお、(P)が、活性水素含有化合物に炭素数3以上の1,2−AOが付加されてなるポリエーテルポリオールである場合、AOとしては炭素数3以上の1,2−AOのみ使用し、EOを使用しない意味である。この場合、AOとしては、PO及び1,2−ブチレンオキサイドが好ましく、さらに好ましくはPOである。
(P)が、炭素数3以上の1,2−AOを主体としEOを含むアルキレンオキサイドがブロック付加されてなる、若しくはランダム及びブロック付加されてなるポリエーテルポリオールである場合、AOとしては炭素数3以上の1,2−AOとEOとを使用する意味である。この場合、1,2−AOとしては、PO及び1,2−ブチレンオキサイドが好ましく、さらに好ましくはPOである。
また、後述するように、活性水素1個当たりのEOの平均付加モル数は0〜20モルであるところ、(P)において、「炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイド」の意味は、「その量のEOを含みその他は炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドである」という意味である。
本発明において、ポリオール(P)は、活性水素1個あたりのEOの平均付加モル数xが20以下であり、ウレタンフォームの機械物性の観点から、0.1〜19が好ましく、さらに好ましくは1〜18、次にさらに好ましくは1.5〜10、最も好ましくは2〜9である。
xが20を超えると、湿熱圧縮残留歪みが悪くなる。
(P)の末端水酸基の1級OH比率(すなわち、末端に位置する水酸基中の1級水酸基の比率)yは、40〜100%であり、機械物性の向上の観点から、好ましくは50〜90%、さらに好ましくは60〜85%、特に好ましくは65〜80%である。末端水酸基の1級OH比率が40%未満では、機械物性が悪化する。
本発明において、末端水酸基の1級OH比率は、予め試料をエステル化の前処理した後に、1H−NMR法により測定し、算出する。
1級水酸基率の測定方法を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<1級水酸基率の計算方法>
上に述べた前処理の方法により、ポリエーテルポリオールの末端の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される(重水素化クロロホルムを溶媒として使用)。1級水酸基率は次の計算式により算出する。
1級水酸基率(%)=[a/(a+2×b)]×100
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値;bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
ポリオール(P)は、活性水素1個あたりの末端に付加しているエチレンオキサイドの平均付加モル数xと末端水酸基の1級OH比率y(%)が下記数式(1)の関係を満たす。
y≧42.0x0.47(1−x/41) (1)
xとy、およびxとyの関係が上記であると、疎水性と反応性が共に良好である。
なお、通常EOを付加する量が増えるほど、ポリエーテルポリオールの末端水酸基の1級OH比率が大きくなる。しかし、EOを付加する量が増えるほどポリエーテルポリオールの親水性が高くなり、得られるウレタンフォームの耐湿性が悪化する。したがって、EOの付加モル数が比較的小さいが1級OH比率が大きいポリオールが、ポリオールの反応性と疎水性の両立の面で好ましい。式(1)は、その好ましい領域を表したものであり、1級OH比率yが、EO付加モル数xに比較して大きい領域を示すものである。
(P)の数平均官能基数は、機械物性の向上及び取り扱い性の観点から、2〜8が好ましくであり、より好ましくは2.5〜7.8、さらに好ましくは3〜7.6である。
(P)の数平均分子量/数平均官能基数は、引張強度及び機械物性の向上の観点から、80〜5000が好ましく、より好ましくは100〜4000、さらに好ましくは120〜3500である。
なお、数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により求められる。検出器は示差屈折計(RI)、流量は0.6ml/min、サンプル濃度は0.25mg/ml、溶離液はTHF、標準物質はポリスチレンを使用する。
また、数平均官能基数は、各ポリオールを製造する際に用いた活性水素含有化合物と同じとする。
(P)のエチレンオキサイド単位の含有量は、ウレタンフォームの機械物性の観点から、5〜40重量%であることが好ましく、さらに好ましくは7〜30重量%である。
(P)の水酸基価は、ポリオールの粘度及びポリウレタンフォームの破断伸びの観点から、20〜700mgKOH/gが好ましい。
軟質ポリウレタンフォームの製造に用いる場合は、(P)の水酸基価は、ポリオールの粘度及びポリウレタンフォームの破断伸びの観点から、20〜170mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは25〜120mgKOH/gである。
硬質ポリウレタンフォームの製造に用いる場合は、(P)の水酸基価は、ポリウレタンフォームの機械物性の向上及び取り扱い性の観点から、280〜700mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは350〜600mgKOH/gである。
なお、水酸基価はJISK−1557−1により求められる。
本発明におけるポリオール(P)を得る方法としては、特定の触媒(α)の存在下で、前記活性水素含有化合物にAOを付加させる方法等が挙げられる。(α)は1,2−AO付加時に用いるが、必ずしも1,2−AO付加の全段階に用いる必要はなく、後述する通常使用される他の触媒の存在下で一部の1,2−AOを付加後、付加反応後期のみに(α)を用いて、残りの1,2−AOを付加してもよい。
(α)としては、特開2000−344881号公報に記載のものが挙げられ、具体的には、フッ素原子、(置換)フェニル基および/または3級アルキル基が結合したホウ素もしくはアルミニウム化合物であり、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウムなどが挙げられる。
これらの中で好ましいものは、トリフェニルボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムであり、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムである。
AOの付加条件についても上記公報に記載の方法と同様でよく、例えば、生成する開環重合体に対して、通常0.0001〜10%、好ましくは0.001〜1%の上記触媒を用い、通常0〜250℃、好ましくは20〜180℃で反応させる。
上記の1,2−AO付加物に、さらにEOを付加させることでさらに1級OH化率の大きなポリオールが得られる。上記触媒(α)での1,2−AO付加物、すなわちEO付加させる前のポリオールの末端水酸基の1級OH化率が40%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上と極めて大きいため、少ないEO使用量で末端水酸基の1級OH化率を大きくでき、xとyが前述の関係を満足するものが得られる。なお、上記EO付加に用いる触媒は、前記のホウ素もしくはアルミニウム化合物をそのまま用いても、それに代えて通常使用される他の触媒などを用いてもよい。
他の触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸カリウム、トリエチレンジアミンなどの塩基性触媒;三フッ化ホウ素、塩化スズ、トリエチルアルミニウム、へテロポリ酸などの酸触媒;亜鉛ヘキサシアノコバルテート;フォスファゼン化合物などが挙げられる。これらの中では塩基性触媒が好ましい。触媒の使用量は特に限定されないが、生成する重合体に対して、好ましくは0.0001〜10%、さらに好ましくは0.001〜1%である。
本発明のポリオール組成物(I)は、ポリオール(P)を含んでなる。
ポリオール組成物(I)に(P)が含まれることには、(P)中でビニルモノマー(g)を重合させて得られる重合体ポリオールを使用することも含まれる。
重合体ポリオールは、(P)中にポリマー粒子が分散された重合体ポリオールである。
重合体ポリオールは、(P)中でビニルモノマー(g)を公知の方法で重合して製造することができる。例えば、(P)中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(g)が重合され、得られた(g)の重合体が安定分散されたものが挙げられる。重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書及び特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
(g)としては、スチレン及び/又はアクリロニトリルが好ましい。
本発明において、ポリオール組成物(I)中には、ポリオール(P)以外に、他のポリオールあるいは活性水素成分を含有してもよく、例えば、(P)以外のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、モノオール、多価アルコール、アミン並びにこれらの混合物等が挙げられる。
(P)以外のポリエーテルポリオールとしては、活性水素化合物のAO付加物であって、(P)以外のものが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、下記の(1)〜(5)のものが挙げられる。
(1)多価アルコールと、ポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とのエステル
多価アルコールは、2価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)、ポリエーテルポリオール(好ましくはジオール)、及びこれらと3価以上の多価アルコール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)との混合物}等である。ポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体は、酸無水物及び低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等であり、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及びテレフタル酸ジメチル等が挙げられる。
(2)カルボン酸無水物及びAOとの反応物
(3)上記(1)及び(2)のAO(EO、PO等)付加物
(4)ポリラクトンポリオール
例えば多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの。
(5)ポリカーボネートポリオール
例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物。
その他のポリオール及びモノオールとしては、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール及びこれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報及び特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油脂系ポリオール;ヒマシ油変性物(例えば多価アルコールエステル交換生成物、水添物)等の天然油脂系ポリオールの変性物;国際公開WO98/44016号公報に記載の末端ラジカル重合性官能基含有活性水素化合物(モノオールも含まれる。);ポリエーテルポリオールをメチレンジハライド等のアルキレンジハライド等でジャンプした変性ポリオール;ポリエーテルポリオールのOH末端プレポリマー;等が挙げられる。
多価アルコール、アミンとしては前述のものが挙げられる。
これらの他のポリオールあるいは活性水素成分の中で、ポリエーテルポリオールが好ましい。
本発明において、ポリオール(P)の含有量(重量%)は、ポリオール組成物(I)の合計重量に基づいて、機械物性の観点から、10〜98が好ましく、さらに好ましくは20〜97、次にさらに好ましくは80〜96である。
本発明において、難燃剤(A)の含有量(重量%)は、ポリオール組成物(I)の合計重量に基づいて、難燃性及び機械物性の観点から、2〜90が好ましく、さらに好ましくは3〜80、次にさらに好ましくは4〜20である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、上述の本発明のポリオール組成物(I)及び有機ポリイソシアネート(B)を、発泡剤(C)及びウレタン化触媒(D)の存在下に反応させるポリウレタンフォームの製造方法である。
有機ポリイソシアネート成分(B)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、又はオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
発泡剤(C)は、水が好ましく、生産性の観点から水のみであることがさらに好ましい。
発泡剤(C)としての水の使用量は、発泡倍率及びフォームの崩壊性の観点から、ポリオール組成物(I)100重量部に対して、1〜8重量部が好ましく、さらに好ましくは2.5〜7.5重量部である。
発泡剤(C)としては水のみを用いるのが好ましいが、必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素及び液化炭酸ガス等を併用してもよい。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤の具体例としては、ジクロロメタン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(HCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22及びHCFC−142b等);HFC(ハイドロフルオロカーボン)(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc並びにこれらの2種以上の混合物である。
発泡剤(C)として水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール組成物(I)100重量部当たり、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5〜45重量部である。
低沸点炭化水素は、沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタン及びこれらの混合物が挙げられる。
発泡剤(C)として低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール組成物(I)100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは25重量部以下である。
発泡剤(C)として液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、ポリオール組成物(I)100重量部あたり、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは25重量部以下である。
ウレタン化触媒(D)としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、3級アミン{トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル及び、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等}、3級アミンのカルボン酸塩、カルボン酸金属塩(酢酸カリウム、オクチル酸カリウム及びスタナスオクトエート等)及び有機金属化合物(ジブチルチンジラウレート等)が挙げられる。ウレタン化触媒(D)の使用量は、ポリオール組成物(I)と有機ポリイソシアネート(B)の合計値100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.2重量部である。
本発明において、必要により整泡剤(S)を使用することができる。整泡剤(S)としては、ポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、シリコーン整泡剤等が挙げられる。
シリコーン整泡剤としては、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製の「SZ−1346」及び「SF−2962」並びにモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「L−540」等]、ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製の「SRX−253」等]等が挙げられる。
整泡剤の使用量は、ポリオール組成物(I)と有機ポリイソシアネート(B)の合計100重量部に対して、0.3〜3重量部が好ましく、さらに好ましくは0.6〜2.5重量部である。
本発明においては、必要により、着色剤、難燃剤(P-C-O-P結合を有する難燃剤(A)を除く)、老化防止剤及び抗酸化剤等の公知の補助成分を用い、その存在下で反応させてもよい。着色剤としては、染料及び顔料が含まれる。難燃剤としては、リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等が含まれる。老化防止剤としては、トリアゾール系及びベンゾフェノン系の老化防止剤等が含まれる。抗酸化剤としては、ヒンダードフェノール系及びヒンダードアミン系の抗酸化剤等が含まれる。
これらの補助成分の使用量は、ポリオール組成物(I)100重量部に対して、着色剤は、1重量部以下が好ましく、難燃剤(P-C-O-P結合を有する難燃剤(A)を除く)は、20重量部以下が好ましく、さらに好ましくは10重量部以下であり、老化防止剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.5重量部以下であり、抗酸化剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。
本発明の製造方法において、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)×100]は、ウレタンフォームの機械物性の観点から、80〜450が好ましい。
軟質ポリウレタンフォームを製造する場合には、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数は、ウレタンフォームの機械物性の観点から、80〜130が好ましく、さらに好ましくは85〜125、特に好ましくは90〜120である。
硬質ポリウレタンフォームを製造する場合には、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数は、ウレタンフォームの機械物性の観点から、
80〜450が好ましく、さらに好ましくは85〜250、特に好ましくは90〜200である。
なお、活性水素原子含有基には、発泡剤である水由来のものを含むものとする。
本発明の製造方法で得られるフォームのフォームコア密度は、軽量化及び発明の効果を得られやすい観点から、15〜80kg/m3であることが好ましい。
軟質ポリウレタンフォームを製造する場合には、フォームコア密度は、軽量化及び発明の効果を得られやすい観点から、15〜45kg/m3であることが好ましく、さらに好ましくは、15〜35kg/m3である。
硬質ポリウレタンフォームを製造する場合には、フォームコア密度は、軽量化及び発明の効果を得られやすい観点から、15〜80kg/m3であることが好ましく、さらに好ましくは、15〜45kg/m3である。
なお、フォームコア密度は、軟質ポリウレタンフォームの場合はJIS K6400に準拠した方法で測定される。硬質ポリウレタンフォームの場合はJIS A 9511(1995年度版)に準拠した方法で測定される。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例及び比較例に使用した原料の組成、記号等は次のとおりである。
(1)ポリオール
ポリオール(P1):グリセリンにPOを付加させた、水酸基価=56のポリオール。末端1級化率=2モル%。(三洋化成(株)社製「サンニックスGP−3000」)
(2)発泡剤
(C1)水
(C2)ジクロロメタン(和光純薬工業(株)社製、試薬特級)
(3)添加剤
(A1)DAIGUARD-880 (大八化学工業(株)社製)
(D1)メラミン樹脂(三協化成(株)社製)
(D2)TOYOCAT ET(ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液)(東ソー(株)社製)
(D3)DABCO−33LV(トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコール溶液)(エアプロダクツジャパン(株)社製)
(D4)ネオスタン U−28(スタナスオクトエート)(日東化成(株)社製)
(S1)L−540(東レ・ダウコーニング社製)
(4)ポリイソシアネート
(B1)TDI−80(2,4−及び2,6−TDI、2,4−体の比率が80%)/粗製MDI(平均官能基数:2.9)=80/20(重量比)(日本ポリウレタン工業(株)社製)
製造例1 [ポリオール(a−1)の製造]
図1に示した態様のように、容量2500mlの撹拌装置、温度制御装置及び原料供給ライン(5)を備えたステンレス製オートクレーブ{反応槽(1)}、酸化マグネシウム(顆粒、直径2〜0.1mm)を400部充填した反応塔(2)(ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ30cmを2基使用)及び蒸留塔(3)(理論段数30段、ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ2m)を、循環ライン(6)、(7)及び(8)で接続した。
反応槽(1)に、グリセリンのPO付加物(水酸基価280)400gとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.09gとを仕込んだ後、反応槽(1)と反応塔(2)並びに循環ライン(6)、(7)及び(8)内を0.005MPaまで減圧とした。原料供給ライン(5)を通じてPOを反応温度が50〜60℃を保つように制御しながら連続的に液相に投入しつつ、ダイアフラムポンプを用いて反応槽(1)内の気相を5L/minの流量で、反応槽(1)→循環ライン(6)→反応塔(2)→循環ライン(7)→蒸留塔(3)→循環ライン(8)→反応槽(1)の順に循環させた。反応塔(2)を75℃、0.08〜0.15MPaとなるように制御しながら副生低沸点化合物を連続的に酸化マグネシウムと接触させて高沸点化合物とし、蒸留塔(3)にてPOと分離して系外に除去した。分離した高沸点化合物は蒸留塔(3)の釜下ライン(4)から抜き取った。オートクレーブ内液量が1920mlとなった時点でPOの投入を停止、気相循環を終了し、70℃で4時間熟成し、水を170g加え130〜140℃で1時間加熱した。その後、水を2時間かけて常圧留去した後、水酸化カリウム2gを加え130〜140℃にてスチームを通入しながら圧力を3.9〜6.6kPaに保ちながら残りの水を減圧留去した。引き続き、原料供給ライン(5)を通じてEO80gを反応温度が130〜140℃を保つように制御しながら2時間かけて投入した後、2時間熟成した。90℃まで冷却した後、12gのキョーワード600(協和化学社製;合成珪酸塩)と水40gを加え1時間処理した。オートクレーブより取り出した後、1ミクロンのろ紙を用いてろ過した後、減圧脱水し、液状のグリセリンPOEO付加物(a−1)を得た。
なお、原料として用いたグリセリンのPO付加物は既知の方法で合成されたものであり、水酸化カリウムを触媒としてグリセリンにPOを所定量付加した後、触媒除去のため、水と合成珪酸塩(協和化学社製 キョーワード600)を加えて加熱処理後、ろ過、減圧脱水したものである。
製造例2 [ポリオール(a−2)の製造]
図1に示した態様のように、容量2500mlの撹拌装置、温度制御装置及び原料供給ライン(5)を備えたステンレス製オートクレーブ{反応槽(1)}、酸化マグネシウム(顆粒、直径2〜0.1mm)を400部充填した反応塔(2)(ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ30cmを2基使用)及び蒸留塔(3)(理論段数30段、ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ2m)を、循環ライン(6)、(7)及び(8)で接続した。
反応槽(1)に、グリセリンのPO付加物(水酸基価280)400gとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.09gとを仕込んだ後、反応槽(1)と反応塔(2)並びに循環ライン(6)、(7)及び(8)内を0.005MPaまで減圧とした。原料供給ライン(5)を通じてPOを反応温度が50〜60℃を保つように制御しながら連続的に液相に投入しつつ、ダイアフラムポンプを用いて反応槽(1)内の気相を5L/minの流量で、反応槽(1)→循環ライン(6)→反応塔(2)→循環ライン(7)→蒸留塔(3)→循環ライン(8)→反応槽(1)の順に循環させた。反応塔(2)を75℃、0.08〜0.15MPaとなるように制御しながら副生低沸点化合物を連続的に酸化マグネシウムと接触させて高沸点化合物とし、蒸留塔(3)にてPOと分離して系外に除去した。分離した高沸点化合物は蒸留塔(3)の釜下ライン(4)から抜き取った。オートクレーブ内液量が2000mlとなった時点でPOの投入を停止、気相循環を終了し、70℃で4時間熟成し、水を200g加え130〜140℃で1時間加熱した。その後、水を2時間かけて常圧留去したのち、引き続いてスチームを通入しながら圧力を3.9〜6.6kPaに保ちながら3時間かけて残りの水を減圧留去し液状のグリセリンPO付加物(a−2)を得た。
製造例3 [ポリオール(a−3)の製造]
図1に示した態様のように、容量2500mlの撹拌装置、温度制御装置及び原料供給ライン(5)を備えたステンレス製オートクレーブ{反応槽(1)}、酸化マグネシウム(顆粒、直径2〜0.1mm)を400部充填した反応塔(2)(ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ30cmを2基使用)及び蒸留塔(3)(理論段数30段、ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ2m)を、循環ライン(6)、(7)及び(8)で接続した。
反応槽(1)に、グリセリン(水酸基価1829)53gとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.09gとを仕込んだ後、反応槽(1)と反応塔(2)並びに循環ライン(6)、(7)及び(8)内を0.005MPaまで減圧とした。原料供給ライン(5)を通じてPOを反応温度が50〜60℃を保つように制御しながら連続的に液相に投入しつつ、ダイアフラムポンプを用いて反応槽(1)内の気相を5L/minの流量で、反応槽(1)→循環ライン(6)→反応塔(2)→循環ライン(7)→蒸留塔(3)→循環ライン(8)→反応槽(1)の順に循環させた。反応塔(2)を75℃、0.08〜0.15MPaとなるように制御しながら副生低沸点化合物を連続的に酸化マグネシウムと接触させて高沸点化合物とし、蒸留塔(3)にてPOと分離して系外に除去した。分離した高沸点化合物は蒸留塔(3)の釜下ライン(4)から抜き取った。オートクレーブ内液量が2000mlとなった時点でPOの投入を停止、気相循環を終了し、70℃で4時間熟成し、水を200g加え130〜140℃で1時間加熱した。その後、水を2時間かけて常圧留去したのち、引き続いてスチームを通入しながら圧力を3.9〜6.6kPaに保ちながら3時間かけて残りの水を減圧留去し液状のグリセリンPO付加物(a−3)を得た。
製造例1〜3で得られたポリオールについて、ポリオールの性状等を表1に示した。
Figure 2013087261
〔実施例1〜7、比較例1〜5〕
表2に示す部数のポリオールプレミックスとポリイソシアネート(B)とを、下記の発泡条件により軟質ポリウレタンフォームを製造して、一昼夜放置後の軟質ポリウレタンフォーム諸物性を測定した。物性の測定値も表2にそれぞれ記載した。結果を表2に示す。
(発泡条件)
BOX SIZE:25cm×25cm×25cm天空き箱
材質:木材
ミキシング方法:ハンドミキシング
Figure 2013087261
<表2のフォーム物性の評価方法>
(1)コア密度(kg/m3):JIS K6400に準拠
(2)通気性(ml/cm2/s):JIS K6400に準拠
(3)引張強度(kgf/cm2):JIS K6400に準拠
(4)引裂強度(kgf/cm):JIS K6400に準拠
(5)切断伸度(%):JIS K6400に準拠
(6)燃焼試験(難燃性):FMVSS−302に準拠
表2において、本発明実施例1〜7のウレタンフォームは、比較例1〜5のウレタンフォームよりも、フォーム物性、特に引張強度、引裂強度、切断伸度が向上している。
また、本発明実施例1〜7のウレタンフォームは、比較例1及び4のウレタンフォームよりも難燃性が向上している。
本発明のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を使用して得られるポリウレタンフォームは、低密度にした際でも、十分な難燃性及び機械物性を有する。本発明により得られるフォームはクッション材として有用であり、特に家具用マットレス材として著しい有用性を発揮する。
1:反応槽
2:反応塔
3:蒸留塔
4:釜下ライン
5:原料供給ライン
6:循環ライン
7:循環ライン
8:循環ライン

Claims (8)

  1. P-C-O-P結合を有する難燃剤(A)及びポリオール(P)を含有するポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物であって、
    (P)が、活性水素含有化合物に炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール、又は炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドがブロック付加されてなる、若しくはランダム及びブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが0〜20で、末端水酸基の1級OH比率yが40〜100%であるポリエーテルポリオールであり、(P)が、活性水素1個あたりの末端に付加しているエチレンオキサイドの平均付加モル数xと末端水酸基の1級OH比率y(%)が下記式(1)の関係を満たすポリオールであるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(I)。
    y≧42.0x0.47(1−x/41) (1)
  2. 難燃剤(A)が環状構造を有する請求項1に記載のポリオール組成物。
  3. ポリオール(P)の水酸基価が20〜700mgKOH/gである請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
  4. ポリオール(P)の末端水酸基の1級OH比率が50〜90%である請求項1〜3のいずれかに記載のポリオール組成物。
  5. ポリオール(P)のエチレンオキサイド単位の含有量が5〜40重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリオール組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリオール組成物(I)及び有機ポリイソシアネート(B)を、発泡剤(C)及びウレタン化触媒(D)の存在下に反応させるポリウレタンフォームの製造方法。
  7. 得られるポリウレタンフォームのフォームコア密度が15〜80kg/m3である請求項6に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  8. 有機ポリイソシアネート(B)のイソシアネート指数が80〜450である請求項6又は7に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
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