JP5058872B2 - ポリエーテルポリオールおよびポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、このように末端に多量のEOを付加重合したポリエーテルは親水性が増大するため、これを用いた硬化後の樹脂は成型品、接着剤、塗料、フィルム等多くの用途において、吸水性の増大や耐水性の悪化等の好ましくない性質を有し、限られた用途でしか用いることができない。例えば、半硬質ポリウレタンフォームに用いた場合、硬化性には優れるものの、脱型時に膨れたり、逆に収縮が大きいという問題があり、軟質ポリウレタンフォームに用いた場合、得られたフォームの耐湿物性が低下するという問題がある。
ポリウレタン樹脂ハンドブック(岩田敬治編、日刊工業新聞社刊)
すなわち本発明は、活性水素含有化合物に、炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドがブロック付加、またはランダムおよびブロック付加されてなる末端エチレンオキサイド付加ポリエーテルポリオールであって、末端に三弗化ほう素の存在下、炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドが付加され、さらにアルカリ触媒の存在下、エチレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール(a);並びに、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、水を含有する発泡剤(C)、ウレタン化触媒(D)、および必要により整泡剤(E)の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)が、請求項1〜3のいずれか記載のポリエーテルポリオール(a)を含有することを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法;である。
さらに、このポリエーテルポリオールを用いることにより、硬化性に優れ、且つ、脱型時に膨れや収縮が小さい半硬質ポリウレタンフォームや、耐湿物性の低下がなく、密度の均一な軟質ポリウレタンフォームを製造できる。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<末端水酸基の1級OH化率の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、末端水酸基の1級OH化率は下式〔1〕により算出する。
1級OH化率(%)=[r/(r+2s)]×100 〔1〕
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
である。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオールおよびそのもしくは3価アルコールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フラクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン)などが挙げられる。
ポリアミンとしては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)などが挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式ポリアミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式ポリアミン(例えば、ピペラジンおよびアミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
モノアミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン);炭素数6〜20の芳香族モノアミン(例えば、アニリンおよびトルイジン);炭素数4〜20の脂環式モノアミン(例えば、シクロヘキシルアミン);炭素数4〜20の複素環式モノアミン(例えば、ピペリジン)等が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、多価アルコールである。
AO中の炭素数3以上1,2−のAOの含量は、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
<1>*AO−EOの順序でブロック付加したもの(チップド)
<2>*AO−EO−*AO−EOの順序でブロック付加したもの(バランスド)
<3>EO−*AO−EOの順序でブロック付加したもの
<4>特開昭57−209920号公報記載の順序でランダムまたはブロック付加したもののうち末端EO付加物
<5>特開昭53−13700号公報記載の順序でランダムまたはブロック付加したもののうち末端EO付加物
これらの中では、<1>が好ましい。
分解方法としては、水および/またはアルコール化合物および必要により苛性アルカリやアミン化合物などの塩基性物質を加える方法がある。分解に際して、温度は好ましくは10〜180℃、さらに好ましくは80〜150℃である。分解は密閉状態で行ってもよく、真空源に接続して排気しながら行ってもよく、あるいは水またはアルコール化合物を連続して添加しながら行ってもよい。添加する水またはアルコールは、液体の状態で添加してもよく、蒸気あるいは固体状態で添加してもよい。水および/または、アルコール化合物の使用量は、付加生成物に対して、好ましくは0.1〜100質量%、さらに好ましくは1〜20質量%である。塩基性物質の使用量は、付加生成物に対して好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜2質量%である。
ところが、EOを大量に付加させないと末端水酸基の1級OH化率は高くならない。したがって、同じ組成の、活性水素含有化合物の1,2−AO/EO付加物の場合、本願発明のポリエーテルポリオール(a)の方が、アルカリ触媒のみを用いて得られたものよりも、末端水酸基の1級OH化率が高くなる。
水酸基価が上記範囲内であると、ポリウレタンフォームなどの用途に好適である。
また、ポリエーテルポリオール(a)は、反応性と粘度の点から、好ましくは平均2〜8個、さらに好ましくは平均2.5〜8個の水酸基を有する。
EO付加モル数は、さらに好ましくは19以下、とくに好ましくは0.1〜18である。1級OH化率は、さらに好ましくは60%以上、とくに好ましくは70%以上である。
付加モル数と1級OH化率が上記の範囲内であると、疎水性と反応性が共に良好である。
なお、後述する軟質ポリウレタンフォームの製造に用いる場合の(a)中のEOの含有量は、使用するAOの全質量に基づいて、30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.1〜20質量%、とくに好ましくは1〜15質量%である。
EOの含有量が30質量%以下であると、ポリウレタンフォーム発泡時にセルが独立気泡となりにくく、さらに良好なフォームが得られる傾向にある。
(a)を用いることで、半硬質ポリウレタンフォームを製造した場合は、硬化性に優れ、且つ、脱型時に膨れや収縮が小さいフォームが得られ、軟質ポリウレタンフォームを製造した場合は、耐湿物性の低下がなく密度の均一なフォームが得られる。
(a)の水酸基価が10以上では硬化性が良好であり、粘度が高くならず取り扱い作業性が良好であり、水酸基価が200以下であるとポリウレタンフォームとしての風合いが良好であり、反発弾性率が向上する。
総不飽和度が0.05meq/g以下の(a)は、例えば、前記活性水素含有化合物に水酸化セシウム等(例えば米国特許第3,393,243号明細書)の触媒の存在下で炭素数3以上の1,2−AO(とくにPO)を付加させ、触媒を除去した後、三弗化ほう素の存在下で炭素数3以上の1,2−AOを付加させ、さらにアルカリ触媒の存在下EOを付加させることにより得られる。ここで、総不飽和度は、JISK−1557記載の方法で測定された値である。
なお、この総不飽和度が0.05meq/g以下のポリエーテルポリオール(a)は、ポリウレタンフォーム以外の樹脂の原料としても有用である。
重合体ポリオール(a1)は、本発明のポリエーテルポリオール(a)中でビニルモノマーを重合させて得られたものである。
(a1)は、(a)中で、ラジカル開始剤存在下、アクリロニトリル、スチレン、アルキル(炭素数1〜24)(メタ)アクリレートおよび塩化ビニリデン等のビニルモノマー(好ましくはアクリロニトリルおよび/またはスチレン)を重合し安定分散させたものである。重合体ポリオールは、公知の方法で容易の製造することができ、例えば、米国特許第3383351号明細書などに記載の方法が挙げられる。
重合体ポリオール(a1)中のビニルポリマーの含量は、15〜60質量%が好ましく、さらに好ましくは20〜50質量%である。
(d)の活性水素価は、好ましくは300〜1870、さらに好ましくは350〜1830である。(d)の活性水素価が300〜1870のとき、特に硬化性に優れ、且つ、脱型時に膨れや収縮が小さい。
上記活性水素価は、56100/活性水素含有基1個あたりの分子量、を意味し、活性水素含有基が水酸基の場合、水酸基価に相当する。
上記活性水素含有化合物(2種以上併用してもよい)に付加させるAOとしては、前記のものが挙げられる。
これら(d)のうちで好ましいものは、多価アルコールおよびアルカノールアミンである。
(e)としては、ポリエーテルポリオール、重合体ポリオール、ポリエステルポリオール、変性ポリオールもしくはモノオール、多価アルコール、アミン並びにこれらの混合物であって、(a)以外のもの(例えばアルカリ触媒のみを用いて得られたポリエーテルポリオール、およびそのポリエーテルポリオール中でビニルモノマーを上記の方法で重合させて得られる重合体ポリオール)等が挙げられる。(e)の好ましい水酸基数、水酸基価は(a)と同様である。
また、(A)中の(e)の割合は、好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、とくに好ましくは1〜50質量%である。また、(a)と(d)の合計は、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、とくに好ましくは50〜99質量%である。
また、(e)の中でも、鎖延長剤および/または架橋剤(e1)、あるいは重合体ポリオール(e2)を使用することが好ましい場合がある。
(e1)としては、ポリウレタンに通常使用できるものが使用でき、例えば、(e)のうち、エチレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびD−ソルビトール等の、炭素数2〜6の多価アルコールおよびアルカノールアミンが挙げられる。
ポリオール成分(A)中の(e)の割合は、好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、とくに好ましくは1〜50質量%である。また、(a)の割合は、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、とくに好ましくは50〜99質量%である。また(e1)の量は、(A)中、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは0.01〜5質量%である。
また、(A)中のビニルポリマーの含量は、好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
これらの他のイソシアネートの中で好ましくは、芳香族ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、TDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI、およびこれらのイソシアネートの変性物から選ばれる1種以上である。
上記および以下において、部は質量部を意味する。
発泡剤(C)としては水のみを用いるのが好ましいが、必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等を用いてもよい。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、およびHFC−365mfcおよびこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、(A)100部当たり、好ましくは50部以下、さらに好ましくは5〜45部である。
また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、(A)100部あたり、好ましくは30部以下、さらに好ましくは25部以下である。
(D)の使用量(純分)はポリオール成分(A)100部に対して好ましくは0.1〜0.4部、さらに好ましくは0.15〜0.25部である。
(E)の使用量は、ポリオール成分(A)100部に対して、好ましくは3部以下、さらに好ましくは0.5〜1.5部である。
例えば、着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステルなど)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)などの公知の補助成分の存在下で反応させることができる。ポリオール成分(A)100部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1部以下である。難燃剤は、好ましくは5部以下、さらに好ましくは2部以下である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.5部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。
200mlの撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、「サンニックスGP−1000」(三洋化成工業社製;OH換算数平均分子量(以下Mnと記載):1000のグリセリンPO付加物)57.1gと三弗化ホウ素0.28gとを仕込み、PO86.3gを、反応温度が65〜75℃を保つように制御しながら、10時間かけて滴下した後、70℃で5時間熟成した。水を加えて105〜110℃で4時間常圧留去した後、温度を90〜100℃、圧力を30〜50torrに保って、連続的に水蒸気を通入しながら5時間減圧留去した。水蒸気の通入を停止した後、水酸化カリウム0.1gを加えて、さらに3時間、温度を130℃まで上げ、圧力を50torr以下に保って脱水した。このものの末端水酸基の1級化率は49%であった。引き続き、EO29.6gを、反応温度が125〜135℃を保つように制御しながら、3時間かけて滴下した後、130℃で2時間熟成した。4.1gのキョーワード600(協和化学社製;合成珪酸塩)と2.0gの水を加えて90℃で1時間処理した。オートクレーブより取り出した後、ろ紙を用いてろ過した後、減圧脱水し、液状のグリセリンPO・EO付加物(Mn:3000)150.2gを得た。収率は87質量%、水酸基価は56.3、EO含有量は16.7質量%、末端水酸基の1級化率は78%であった。
三弗化ホウ素の代わりに0.63gの水酸化カリウムを使用し、実施例1と同様の反応装置で、PO86.1gを、反応温度90〜110℃で12時間かけて滴下した後、6時間熟成した。このものの末端水酸基の1級化率は2%であった。引き続き、EO29.5gを、反応温度が120〜140℃を保つように制御しながら、3時間かけて滴下した後、2時間熟成した。次に、3.0gの合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)と水2gを加えて60℃で3時間処理した。オートクレーブより取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後脱水し、液状のグリセリンPO・EO付加物(Mn:3000)161.3gを得た。収率は97質量%、水酸基価は56.7、EO含有量は16.5質量%、末端水酸基の1級化率は70%であった。
200mlの撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、「サンニックスPP−1000」87.8gと三弗化ホウ素0.20gを仕込み、PO65.9gを、反応温度が65〜75℃を保つように制御しながら、10時間かけて滴下した後、70℃で5時間熟成した。水を加えて105〜110℃で4時間常圧留去した後、温度を90〜100℃、圧力を30〜50torrに保って、連続的に水蒸気を通入しながら5時間減圧留去した。水蒸気の通入を停止した後、水酸化カリウム0.09gを加えて、さらに3時間、温度を130℃まで上げ、圧力を50torr以下に保って脱水した。このものの末端水酸基の1級化率は46%であった。ついで、EO22.0gを、反応温度を125〜135℃に保つように制御しながら、4時間かけて滴下した後、130℃で4時間熟成した。3.0gのキョーワード600(協和化学社製;合成珪酸塩)と1.0gの水を加えて70℃で1時間処理した。オートクレーブより取り出した後、1ミクロンのフィルターでろ過した後脱水し、液状のポリプロピレングリコールEO付加物(Mn:2000)156.8gを得た。収率は90質量%、水酸基価は55.9、EO含有量は12.5質量%、末端水酸基の1級化率は70%であった。
0.25gの三弗化ホウ素を使用し、実施例1と同様の反応装置で、「サンニックスPP−1000」中にPO65.0gを、反応温度50〜60℃で30時間かけて滴下した後、20時間熟成した。このものの末端水酸基の1級化率は47%であった。引き続き、EO22.0gを、反応温度を50〜60℃を保つように制御しながら、15時間かけて滴下した後、10時間熟成した。次に、3.0gの合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)と水2gを加えて60℃で3時間処理した。しかし、ポリプロピレングリコールEO付加物を得ることが出来なかった。
表1および表2に示した発泡処方に従って、有機ポリイソシアネート成分(B)以外を所定量配合した原料を高圧発泡機のポリオール成分用タンクに、(B)をイソシアネートタンクに仕込み、それぞれ40℃に温度調節し、15MPaで衝突混合して、あらかじめ鉄芯をセットし、60℃に温度調節したアルミ製モールドに注入し、ウレタンフォームの密度が0.5g/cm3のハンドルを得た。
性能試験の結果を表1および表2に示す。
表3〜表4に示した発泡処方に従って、有機ポリイソシアネート成分(B)以外を所定量配合した原料を高圧発泡機のポリオール成分用タンクに、(B)をイソシアネートタンクに仕込み、それぞれ40℃に温度調節し、15MPaで衝突混合して、あらかじめ表皮材と芯材をセットし、45℃に温度調節したアルミ製モールドに注入し、ポリウレタンフォームの密度が0.16g/cm3のインスツルメントパネルを得た。
性能試験の結果を表3〜表4に示す。
(a−1):実施例1記載の方法と同様にして、グリセリン1モルに三弗化ホウ素を触媒としてPO76.7モルを付加し、ついで水酸化カリウムの存在下、EO10.5モルを付加し、その後触媒成分を除去したポリエーテルポリオールである。
Mn=5000、水酸基価=33.7、活性水素1個あたりのEO付加モル数3.5、1級OH化率76%、総不飽和度0.07meq/g
(a−2):実施例1記載の方法と同様にして、グリセリン1モルに三弗化ホウ素を触媒としてPO73.2モルを付加し、ついで水酸化カリウムの存在下、EO15モルを付加し、その後触媒成分を除去したポリエーテルポリオールである。
Mn=5000、水酸基価=33.7、活性水素1個あたりのEO付加モル数5、1級OH化率83%、総不飽和度0.07meq/g
(a−3):実施例1記載の方法と同様にして、グリセリン1モルに三弗化ホウ素を触媒としてPO57.3モルを付加し、ついで水酸化カリウムの存在下、EO36モルを付加し、その後触媒成分を除去したポリエーテルポリオールである。
Mn=5000、水酸基価=33.7、活性水素1個あたりのEO付加モル数12、1級OH化率92%、総不飽和度0.06meq/g
(a−4):グリセリン1モルに水酸化セシウムを触媒として、Mnが3000になるまでPO50.1モルを段階的に付加し〔反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化セシウムを除去した後、実施例1記載の方法と同様にして三弗化ホウ素を触媒としてPO23.1モルを付加し、ついで水酸化カリウムの存在下、EO15モルを付加し〔反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去したポリエーテルポリオールである。
Mn=5000、水酸基価=33.7、活性水素1個あたりのEO付加モル数5、1級OH化率81%、総不飽和度0.04meq/g
(d−2):エチレングリコール(活性水素価1810)
Mn=5000、水酸基価=33.7、活性水素1個あたりのEO付加モル数5、1級OH化率75%、総不飽和度0.07meq/g
(r−2):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO68.7モルを付加し、ついでEO21モルを付加し、その後触媒成分を常法により除去したポリエーテルポリオールである。
Mn=5000、水酸基価=33.7、活性水素1個あたりのEO付加モル数7、1級OH化率82%、総不飽和度0.06meq/g
(r−3):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO57.3モルを付加し、ついでEO36モルを付加し、その後触媒成分を常法により除去したポリエーテルポリオールである。
Mn=5000、水酸基価=33.7、活性水素1個あたりのEO付加モル数12、1級OH化率90%、総不飽和度0.06meq/g
(B−2):粗製MDI、NCO%=31の有機ポリイソシアネートである。
(D−1):東ソー(株)製「TEDA−L33」トリエチレンジアミンの33質量%エチレングリコール溶液。
(D−2):東ソー(株)製「TOYOCAT−ET」〔ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ジプロピレングリコールの混合物〕
(D−3):東ソー(株)製「TOYOCAT−ETF」〔ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルのカルボン酸塩、ジプロピレングリコールの混合物〕
(D−4):サンアプロ(株)製「Ucat−1000」(N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン)
〔ハンドルの試験〕
<1>:注入150秒後に脱型したときのフォームのC硬度
<2>:注入210秒後に脱型したときのフォームのC硬度
<3>:成形1日後のフォームのC硬度
<4>:注入150秒後に脱型したときのハンドルの太さ(mm)
<5>:注入210秒後に脱型したときのハンドルの太さ(mm)
なお<1>〜<5>を測定した部分の鉄芯の太さは13mm、型の内寸は28mmである。
硬化性の判定:注入150秒後に脱型したときに成形したフォームが、
ハンドルの形状を維持できる場合;○
ハンドルの形状を維持できない場合;×
脱型時膨れ判定:注入150秒後に脱型したときに成形したときのハンドルの太さが、
29mm未満;○
29mm以上;×
<6>:注入120秒後に脱型したときの表皮上C硬度
<7>:成形1日後のフォームの表皮上C硬度
<8>:注入120秒後に脱型したときの成形品厚み(mm)
<9>:成形1日後のフォームの引張強さ(kgf/cm2)
<10>:耐熱試験(110℃、2000時間)後のフォームの引張強さ(kgf/cm2)
なお<6>〜<8>を測定した部分の表皮の厚みは1mm、芯材の厚みは5mm、型の内寸は15mmである。
硬化性の判定:注入120秒後に脱型したときに成形したフォームが、
インスツルメントパネルの形状を維持できる場合;○
インスツルメントパネルの形状を維持できない場合;×
脱型時収縮判定:注入120秒後に脱型したときに成形したときのインスツルメントパネルの厚みが、
14mm以上;○
14mm未満;×
<9>、<10>は、JISK−6301に準じて測定した。
表5に示した発泡処方に従って、金型内でポリウレタンフォームを発泡し、金型から取り出して、一昼夜放置後ポリウレタンモールドフォームを見かけ密度の測定の場合は得られたフォームすべてを、中央部密度の測定の場合には5cm×5cm×3cm、圧縮残留歪率の測定の場合は5cm×5cm×3cm、その他の測定には22cm×22cm×5cmに切断して、その物性を測定した。その結果を表5に示す。
(a−5):末端オキシエチレン基含有量13質量%、水酸基価=28、Mn=6000、1級OH化率=81%、総不飽和度=0.06meq/gのポリエーテルポリオールである。
実施例1記載の方法と同様にして、グリセリンに三弗化ホウ素を触媒としてPOを付加し、ついで水酸化カリウムの存在下でEOを付加し、その後触媒成分を除去したものである。
(a−6):末端オキシエチレン基含有量10質量%、水酸基価=25、Mn=6500、1級OH化率=82%、総不飽和度=0.03meq/gのポリエーテルポリオールである。
グリセリンに水酸化セシウムを触媒として、Mnが5000になるまでPOを付加し水酸化セシウムを除去した後、実施例1記載の方法と同様にして、三弗化ホウ素を触媒としてPOを付加し、ついで水酸化カリウムの存在下でEOを付加し、その後触媒成分を除去したものである。
グリセリンに水酸化カリウムを触媒としてPOを付加し、ついでEOを付加し、その後触媒成分を常法により除去したものである。
(C−1):水
(D−1):東ソー(株)製「TEDA−L33」トリエチレンジアミンの33質量%エチレングリコール溶液。
(D−2):東ソー(株)製「TOYOCAT−ET」〔ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ジプロピレングリコールの混合物〕
(E−1):東レダウコーニング(株)製「SZ−1346」。
(e−3):ジエタノールアミン(鎖延長剤、架橋剤)
(e−4):トリエタノールアミン(鎖延長剤、架橋剤)
金型内寸:50cm×50cm×10cm
材質:アルミニウム製
金型温度:60±2℃
発泡方法:有機ポリイソシアネート成分(B)以外の各成分をプレミックスした後、(B)を加えて8秒間撹拌し金型に注入した。
ミキシング方法:ハンドミキシング
撹拌羽回転数:5000回転/分
原料温度:25±1℃
<1>:ポリウレタンフォームの外観を目視にて判定。
<2>:ポリウレタンフォームの見かけ密度(kg/m3)を示す。
<2’>:ポリウレタンフォームの中央部の密度(kg/m3)を示す。中央部は、図5および図6に示す。図中、8が金型、9が密度測定用サンプル切り出し部分である。
<3>:ポリウレタンフォームのフォーム硬さ(kgf/314cm2)を示す。
<4>:ポリウレタンフォームの反発弾性率(%)を示す。
<5>:ポリウレタンフォームの圧縮残留歪(%)を示す。
<6>:ポリウレタンフォームの湿熱圧縮残留歪(%)を示す。
(上記<2>〜<6>の物性の測定は、JISK6400(1997)に準拠。
2 ウレタンフォーム
3 鉄芯
4 インスツルメントパネル
5 表皮材
6 ウレタンフォーム
7 芯材
8 金型
9 密度測定用サンプル切り出し部分
Claims (5)
- 活性水素含有化合物に、炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドがブロック付加、またはランダムおよびブロック付加されてなる末端エチレンオキサイド付加ポリエーテルポリオールであって、末端に三弗化ほう素の存在下、炭素数3以上の1,2−アルキレンオキサイドが付加され、さらにアルカリ触媒の存在下、エチレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール(a)。
- 末端エチレンオキサイド付加前の末端水酸基の1級OH化率が30〜50%である請求項1記載のポリエーテルポリオール(a)。
- 総不飽和度が0.05meq/g以下である請求項1または2記載のポリエーテルポリオール(a)。
- ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、水を含有する発泡剤(C)、ウレタン化触媒(D)、および必要により整泡剤(E)の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)が、請求項1〜3のいずれか記載のポリエーテルポリオール(a)を含有することを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
- ポリエーテルポリオール(a)の1分子当たりの平均水酸基数が2〜8であり、かつ水酸基価が10〜200mgKOH/gである請求項4記載のポリウレタンフォームの製造方法。
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