JP2005290202A - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 異なるフォームを組み合わせること無く、振動特性が良好な軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリオール成分と有機ポリイソシアネート成分とを、発泡剤、触媒、および整泡剤の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、前記ポリオール成分が、ポリオール(a)中でビニル系モノマーを重合させて得られる重合体ポリオール(A)、または(A)とポリオール(B)とを含有するポリオール成分であり、(a)および/または(B)中に特定組成のポリオール3種を含有し、発泡剤が水からなることを特徴とする前記方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、自動車等の乗り物に設置されるシート用クッション材等の用途に適した、軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。
軟質ポリウレタンフォームは、自動車等の車両座席用クッション材に一般的に使用されている。しかし近年、クッション材として従来から求められている機能に加えて、乗り心地の向上を目的に、振動特性の良好なシートが求められている。
シートの乗り心地を良好にするためには、JASCO B−407規定の振動伝達特性に関し、人が不快と感じる振動領域(4〜10Hz)での振動伝達率を低下させることが必要である。そのためには、共振周波数を低下させ、且つ共振周波数における振動伝達率(共振倍率)を低下させること(例えば、共振周波数3.6Hz以下、共振倍率3.0倍以下)が有効であるとされている。
振動特性を良好にするために、特性の異なるフォームを組合わせ、多層構造とする手法が知られている(特許文献1参照)。
特開2002−306274号公報
しかし、この方法ではクッションパッドを成形する型成形工程と、薄層材料と軟質フォームを接着する接着工程があり、従来汎用材に比べて生産工程数が増加するという欠点があった。
そこで、本発明者らはこれらの問題点を解決すべく鋭意検討の結果、特定の構造を有するポリオール成分を用いることにより、異なるフォームを組み合わせることなく、振動特性の良好な軟質ポリウレタンフォームを製造できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリオール成分と有機ポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤(D)、触媒(E)、および整泡剤(F)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、前記ポリオール成分が、ポリオール(a)中でビニル系モノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A)、または(A)とポリオール(B)とを含有するポリオール成分であり、ポリオール(a)および/または(B)中に下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)、および必要により他のポリオール(a4)を含有し、発泡剤が水からなることを特徴とする前記方法;上記の方法により得られ、コア密度が40〜60kg/m3、反発弾性が52〜68%、且つ通気性が1.0ft3/min以下である軟質ポリウレタンフォーム;並びに上記の軟質ポリウレタンフォームからなる、車両座席用高振動吸収クッション材;である。
ポリオール(a1):活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが20以下で、末端水酸基の1級OH化率yが40%以上で、かつxとy(%)はxが10〜20のとき式(1)、xが10以下のとき式(2)の関係を満たす、炭素数2以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)を含むアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する。)が活性水素化合物にランダムおよび/またはブロック付加されてなるポリエーテルポリオール。
y≧0.328x+90.44 (1)
y≧42x0.47(1−x/41) (2)
ポリオール(a2):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜70mgKOH/gであり、オキシエチレン単位(以下、EO単位と略記する。)の含有量が0〜30質量%である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオール(a3):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が200〜1850mgKOH/gであるポリオール。
本発明の製法によれば、異なるフォームを組み合わせることなく、振動特性の良好な軟質ポリウレタンフォームを製造でき、得られたフォームは、車両座席用高振動吸収クッション材として優れた性能を有する。
本発明において、末端水酸基の1級OH化率は、予め試料をエステル化の前処理をした後に1H−NMR法により求める。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で 1H−NMR測定を行う。
<末端水酸基の1級OH化率の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、末端水酸基の1級OH化率は下式〔1〕により算出する。
1級OH化率(%)=[r/(r+2s)]×100 〔1〕
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値 s:5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
である。
本発明の製造方法に用いるポリオール成分は、重合体ポリオールの分散媒となるポリオール(a)中で、ビニル系モノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A)のみからなるポリオール成分であっても、(A)と重合体ポリオール以外のポリオール(B)とを併用したポリオール成分であってもよい。ポリオール成分を構成する成分のうち(b)の重合体以外の成分、すなわちポリオール(a)および/または(B)中には、(a1)、(a2)、および(a3)を必須成分として含有する。
本発明に用いるポリオール(a1)は、2種以上を併用してもよく、その1分子当たりの平均官能基数は2〜6が好ましい。さらに好ましくは下限は2.5、上限は4.5である。また、(a1)の水酸基価(平均)(mgKOH/g、以下の水酸基価も同様)は、15〜65が好ましい。さらに好ましくは、下限は18、上限は40である。
(a1)の平均官能基数が2以上であると圧縮永久歪率が良好であり、6以下であると伸び物性が良好である。水酸基価が15以上であるとフォームの硬さが良好であり、65以下であると伸び物性が良好である。
また(a1)は、活性水素1個あたりのEOの平均付加モル数xが20以下で、1級OH化率yが40%以上で、かつxとy(%)はxが10〜20のとき式(1)、xが10以下のとき式(2)の関係を満たす。
y≧0.328x+90.44 (1)
y≧42x0.47(1−x/41) (2)
xは、好ましくは19以下である。下限は、さらに好ましくは0.1、とくに好ましく1、最も好ましくは2であり、上限は、さらに好ましくは18、とくに好ましくは10、最も好ましくは7である。yは、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
また、xとy(%)はxが7以下のとき、下記式(3)の関係を満たすのが好ましく、下記式(4)の関係を満たすのがさらに好ましい。
y≧45x0.47(1−x/41) (3)
y≧47x0.47(1−x/41) (4)
xとy、およびxとyの関係が上記の範囲内であると、疎水性と反応性が共に良好である。
(a1)の具体例としては、2〜8価またはそれ以上の活性水素化合物(例えば、多価アルコール、アミン類、多価フェノール、ポリカルボン酸、およびこれらの混合物)に、炭素数3以上の1,2−AOを主体としEOを含むAOを、後述する方法で付加して得られた実質的に飽和のポリオールが挙げられる。本発明において実質的に飽和とは、JIS K−1557記載の方法で測定される総不飽和度が0.2meq/g以下であることを意味する。
上記活性水素化合物の活性水素当量は、20〜300が好ましい。
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオールおよびそれらもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
アミン類としては、アルカノールアミン、ポリアミン、およびモノアミンが挙げられる。
アルカノールアミンとしては、炭素数2〜20のモノ−、ジ−およびトリ−アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン)などが挙げられる。
ポリアミン(1,2級アミノ基の数:2〜8個またはそれ以上)としては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)などが挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式ポリアミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式ポリアミン(例えば、ピペラジンおよびアミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
モノアミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン);炭素数6〜20の芳香族モノアミン(例えば、アニリンおよびトルイジン);炭素数4〜20の脂環式モノアミン(例えば、シクロヘキシルアミン);炭素数4〜20の複素環式モノアミン(例えば、ピペリジン)等が挙げられる。
多価(2〜8価またはそれ以上)フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
これらの活性水素化合物の中で好ましいのは多価アルコールである。
(a1)において、活性水素化合物に付加させるAOは、炭素数3以上の1,2−AOを主体とし、EOを含むものである。1,2−AOとしては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えば、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−ブチレンオキサイド、1,2−ペンテンオキサイド、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド並びにこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。これらの中で好ましくはPOである。これら以外のAOとしては、炭素数3〜8またはそれ以上のものであり、例えば、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキサイド、1,4
−および2,3−ペンテンオキサイドが挙げられる。AOとしては、1,2−AOとEOのみからなるものが好ましいが、これらに加えてこれら以外のAOを少割合(例えば5質量%以下)で含んでいてもよい。用いるAO中の、炭素数3以上の1,2−AOの含量は、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上である。以下、%はとくに記載のない限り、質量%を意味する。
AOの付加形式としては、活性水素化合物に、AOの一部としてEOを用い、ランダムおよび/またはブロック付加したものである。AO中の全EO含量および末端EO含量は、通常50%以下、好ましくは30%以下である。具体例としては、上記活性水素化合物に炭素数3以上の1,2−AO〔下記(1)〜(5)ではAOと略記する。〕とEOを下記の様式で付加したものが挙げられる。
(1)AO−EOの順序でブロック付加したもの(チップド)
(2)AO−EO−AO−EOの順序でブロック付加したもの(バランスド)
(3)EO−AO−EOの順序でブロック付加したもの
(4)AO−EO−AOの順序でブロック付加したもの(活性セカンダリー)
(5)AOおよびEOを混合付加したランダム付加
(6)特開昭57−209920号公報記載の順序でランダムまたはブロック付加したもの
(7)特開昭53−13700号公報記載の順序でランダムまたはブロック付加したものこれらの中では、末端EO付加物が好ましく、(1)がさらに好ましい。
このポリオール(a1)を得る方法としては、特定の触媒(α)の存在下で、前記活性水素化合物に、上記(1)〜(7)〔好ましくは(1)〕の順序でAOを付加させる方法等が挙げられる。(α)は1,2−AO付加時に用いるが、必ずしも1,2−AO付加の全段階に用いる必要はなく、後述する通常使用される他の触媒の存在下で一部の1,2−AOを付加後、付加反応後期のみに(α)を用いて、残りの1,2−AOを付加してもよい。
(α)としては、特開2000−344881号公報に記載のものが挙げられ、具体的には、フッ素原子、(置換)フェニル基および/または3級アルキル基が結合したホウ素もしくはアルミニウム化合物であり、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウムなどが挙げられる。
これらの中で好ましいものは、トリフェニルボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムであり、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムである。
AOの付加条件についても上記公報に記載の方法と同様でよく、例えば、生成する開環重合体に対して、通常0.0001〜10%、好ましくは0.001〜1%の上記触媒を用い、通常0〜250℃、好ましくは20〜180℃で反応させる。
上記の1,2−AO付加物に、さらにEOを付加させることでさらに1級OH化率の大きなポリオールが得られる。EO付加させる前のポリオールの末端水酸基の1級OH化率が通常40%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上と極めて大きいため、少ないEO使用量で末端水酸基の1級OH化率を大きくでき、xとyが前述の関係を満足するものが得られる。なお、上記EO付加に用いる触媒は、前記のホウ素もしくはアルミニウム化合物をそのまま用いても、それに代えて通常使用される他の触媒などを用いてもよい。
他の触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸カリウ
ム、トリエチレンジアミンなどの塩基性触媒;三フッ化ホウ素、塩化スズ、トリエチルアルミニウム、へテロポリ酸などの酸触媒;亜鉛ヘキサシアノコバルテート;フォスファゼン化合物などが挙げられる。これらの中では塩基性触媒が好ましい。触媒の使用量は特に限定されないが、生成する重合体に対して、好ましくは0.0001〜10%、さらに好ましくは0.001〜1%である。
本発明に用いるポリオール(a2)としては、2〜8価またはそれ以上の活性水素化合物(例えば、多価アルコール、アミン類、多価フェノール)のPOおよび必要によりEO付加物で実質的に飽和のものが挙げられる。多価アルコール、アミン類、および多価フェノールとしては、具体的には前記ポリオール(a1)におけるものと同様のものが挙げられる。これらのものは2種類以上併用してもよい。AOとしてはPOと必要によりEOのみからなるものが好ましいが、これら以外のAOを、好ましくはAO中10%以下(とくに5%以下)含んでいてもよい。EOを用いる場合、POおよびEOの付加方法としては、ブロック付加(好ましくはPO、EOの順序)であってもランダム付加であってもよいが、ブロック付加が好ましい。
(a2)の1分子当たりの平均官能基数は、通常2〜8、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。EO単位の含有量は、通常0〜30%、好ましくは下限は5%、上限は25(とくに20)%である。水酸基価は、通常10〜70、好ましくは下限は22、上限は60(とくに38)である。なお、(a1)に該当するものは(a2)に含まれない。
ポリオール(a2)の平均官能基数が2以上では、硬化時間が短くなり生産性が良く、8以下ではフォームの伸び物性が良い。EO単位の含有量が30%以下では、フォームの独立気泡が少なく、フォームが収縮することなく成形性が良好となる。水酸基価が10以上ではフォーム硬さが良好で、70以下ではフォームの独立気泡が少なく、フォームが収縮することなく成形性が良好となる。
本発明に用いるポリオール(a3)としては、2〜8価またはそれ以上の、多価アルコール、アルカノールアミン、および活性水素化合物〔例えば、前記(a1)の原料の活性水素化合物として例示したもの)のAO付加物で実質的に飽和のものが挙げられる。これらのものは2種類以上併用してもよい。多価アルコール、およびアルカノールアミンとしては、具体的には前記ポリオール(a1)におけるものと同様のものが挙げられる。
AOとしては、POおよび/またはPO、とくにPOもしくはEOのみからなるものが好ましいが、これら以外の炭素数4〜8またはそれ以上のAOを、好ましくはAO中10%以下(とくに5%以下)含んでいてもよい。
(a3)の1分子当たりの平均官能基数は、通常2〜8、好ましくは2〜6である。水酸基価は、通常200〜1850、好ましくは下限は270、上限は1830である。なお、(a1)に該当するものは(a3)に含まれない。
ポリオール(a3)の平均官能基数が2以上では、硬化時間が短くなり生産性が良く、8以下ではフォームの伸び物性が良い。水酸基価200以上ではフォーム硬さが良好で、1850以下ではフォームの独立気泡が少なく、フォームが収縮することなく成形性が良好となる
本発明に用いるポリオール(a)および/または(B)中には、(a1)、(a2)、(a3)以外に、必要により他のポリオール(a4)を併用することができる。
(a4)の水酸基の数は、2〜8またはそれ以上であり、好ましくは2〜6である。(a4)は、水酸基以外に、他の活性水素含有基、例えば、メルカプト基、カルボキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基などから選ばれる1種以上の基を含有していてもよい。
(a4)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、これら以外の各種ポリオール、多価アルコール、アルカノールアミン並びにこれらの混合物であって、(a1)、(a2)および(a3)以外のもの等が挙げられる。(a4)としても実質的に飽和のものが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、前記の(a1)を得るのに用いる活性水素化合物の前記のAO付加物であって、(a1)、(a2)および(a3)に該当しないものが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、前記(a1)で例示した多価アルコールおよび/またはポリエーテル〔エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール、またはこれらとグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価またはそれ以上のアルコールとの混合物、並びにこれら多価アルコールのAO低モル(1〜10モル)付加物〕と、炭素数4〜18のポリカルボン酸、またはその無水物、低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数:1〜4)等のエステル形成性誘導体(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル等)との縮合反応物、または前記カルボン酸無水物およびAOとの縮合反応物;そのAO付加反応物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
これら以外の各種ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオールおよびそれらの水添物;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;ヒマシ油脂肪酸と前記多価アルコールとのエステル等の天然油系ポリオールの変性物;等が挙げられる。
(a4)の1分子当たりの平均官能基数は通常2〜8、好ましくは3〜6であり、水酸基価は、好ましくは20〜1000、さらに好ましくは20〜500である。
(a4)としては、(a1)、(a2)および(a3)以外のポリエーテルポリオールが好ましく、水酸基価が20〜130で、オキシエチレン単位の含有量が50〜90%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール(とくにEO・POランダム付加物)がさらに好ましい
本発明における重合体ポリオール(A)は、ポリオール(a)中でビニル系モノマー(b)を通常の方法で重合して製造することができる。例えば、上記に示したポリオール(a1)、(a2)及び(a3)から選ばれる少なくとも1種のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニル系モノマー(b)を重合させ、得られた重合体を安定分散させたものが挙げられる。(A)としては、(a2)中で(b)を重合させて得られるものが分散安定性の点で好ましい。重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書、特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよび過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩および過ホウ酸塩等の無機過酸化物等が挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
(b)としては、芳香環含有単量体(b1)、不飽和ニトリル類(b2)、(メタ)アクリル酸エステル類(b3)、その他のビニル単量体(b4)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレンなどが挙げられる。
(b2)としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが挙げられる。
(b3)としてはC、H、O原子から構成されるものであり、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(アルキル基の炭素数が1〜30);末端にヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート類(たとえば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000)などが挙げられる。
その他のビニル単量体(b4)としては、ビニル基含有カルボン酸およびその誘導体〔(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミドなど〕、脂肪族もしくは脂環式炭化水素単量体〔エチレン、プロピレン、ノルボルネンなど〕、フッ素含有ビニル単量体〔パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレートなど〕、上記以外の窒素含有ビニル単量体〔ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレートなど〕およびビニル変性シリコンなどが挙げられる。
これらの中では、(b1)および(b2)が好ましく、スチレンおよび/またはアクリロニトリルがさらに好ましい。
これらの質量比は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて変えることができ、とくに限定されないが、一例を示すと次の通りである。
(b1):通常0〜100%、好ましくは10〜80%
(b2):通常0〜100%、好ましくは20〜90%
(b3):通常0〜50%、好ましくは0〜20%
(b4):通常0〜10%、好ましくは0〜5%
なお、(b)中に少量(好ましくは0.05〜1%)の多官能(好ましくは2〜8官能)ビニル基含有モノマー〔ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)クリレートなど〕を用い
ることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。
(A)中の(b)の重合体の含量は、好ましくは2〜50%、さらに好ましくは10〜40%である。ポリオール成分中の重合体含量は、好ましくは1〜30%、さらに好ましくは5〜25%である。
本発明の製法において、ポリオール成分中の(a1)、(a2)、(a3)、および(a4)の含有量は、ポリオール(a)および(B)の合計質量に基づいて、好ましくは、(a1)が5〜94%、(a2)が5〜85%、(a3)が0.1〜20%、(a4)が0〜30%である。さらに好ましくは、(a1)が10〜90%、(a2)が10〜80%、(a3)が0.2〜15%、(a4)が0〜20%である。とくに好ましくは、(a1)が15〜85%、(a2)が15〜75%、(a3)が0.5〜10%、(a4)が0.1〜10%である。
(a1)が5%以上であるとフォームの耐湿物性が良好であり、94%以下であると、イソシアネートとの反応性が良好である。(a2)が5%以上であるとフォームが不安定になることがなく、85%以下ではフォームの硬さが不足することがない。(a3)が0.1%以上ではフォームの硬さが不足することがなく、20%以下では伸び物性が不足することがない。
なお、ポリオール成分全体の平均官能基数は、2〜6が好ましい
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法において、有機ポリイソシアネート(C)としては、通常ポリウレタンフォームに使用される2〜8価またはそれ以上の有機ポリイオシアネートはすべて使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。
具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
これらの中で好ましくは、芳香族ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、TDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI、およびこれらのイソシアネートの変性物から選ばれる1種以上であり、とくに好ましくは、生産性の向上などの理由から、MDI、粗製MDI、および/またはそれらの変性物の合計含有量(%)が10%以上(とくに15〜80%)で、他のポリイソシアネート(とくにTDI)の含有量が90%以下(とくに20〜85%)のものである。(C)全体としてのイソシアネート基含有量(NCO%)は、25〜45%が好ましい。
本発明の製造方法における発泡剤(D)としては、水を使用する。
その他、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)として水のみを単独で用いる場合の水の使用量は、ポリオール成分100部当たり、好ましくは0.1〜30部、さらに好ましくは0.5〜20部、とくに好ましくは1.5〜6部である。他の発泡剤と併用する場合の水の使用量は、好ましくは0.1〜10部、さらに好ましくは2〜5部である。上記および以下において、部は質量部を意味する。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245faおよびHFC−365mfc)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfcおよびこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール成分100部あたり、好ましくは50部以下、さらに好ましくは5〜45部である。
低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール成分100部あたり、好ましくは40部以下、さらに好ましくは5〜30部である。
また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、ポリオール成分100部あたり、好ましくは30部以下、さらに好ましくは25部以下である。
本発明の製造方法における触媒(E)としては、イソシアネートの反応に用いる通常の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミンおよびそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート等のカルボン酸金属塩;ジブチルチンジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。(E)の使用量はポリオール成分100部に対して、好ましくは0.01〜5部、さらに好ましくは0.2〜3部である。
本発明の製造方法における整泡剤(F)としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、トーレダウコーニングシリコーン(株)製の「SRX−253」等]、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、日本ユニカー(株)製の「SZ−1328」、「L−5309」、「SZ−1311」、「L−3601」、トーレダウコーニングシリコーン(株)製の「SF−2969」、「SRX−274C」等]等のシリコーン整泡剤が挙げられる。
(F)の使用量は、ポリオール成分100部に対して、好ましくは0.5〜3部、さらに好ましくは1〜2.5部である。
本発明の製造方法においては、必要により、さらに以下に述べるようなその他の添加剤を用い、その存在下で反応させてもよい。
例えば、着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類など)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)などの公知の補助成分の存在下で反応させることができる。ポリオール成分100部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1部以下である。難燃剤は、好ましくは5部以下、さらに好ましくは2部以下である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.5部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。
本発明の製造方法において、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数(インデックス)[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、好ましくは70〜135、さらに好ましくは75〜130、特に好ましくは80〜125である。
本発明の方法によるポリウレタンフォームの製造方法の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール成分、発泡剤(D)、ウレタン化触媒(E)、整泡剤(F)、および必要により他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタン低圧もしくは高圧発泡機または攪拌機を使用して、この混合物と有機ポリイソシアネート(C)とをそれぞれの液温が15〜40℃で急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を、必要により加温した密閉型もしくは開放型のモールド(金属製または樹脂製、型温20〜80℃)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型して軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。また、連続発泡しても軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。本発明は、とくにモールドフォームの製造方法として好適である。モールドフォームの場合のパック率は、100〜300%が好ましい。
本方法で得られる軟質ポリウレタンフォームは、コア密度が40〜60kg/m3 、反発弾性が52〜68%であることが好ましい。コア密度は、さらに好ましくは、下限は42kg/m3、上限は58kg/m3である。反発弾性は、さらに好ましくは、下限は57%、上限は67%である。コア密度が40kg/m3以上であると湿熱圧縮残留歪率が良好となり、60kg/m3以下であると軽量となり生産性良好となる。また、反発弾性が52〜68%であると、車両座席用クッション材としたときのクッション感が良好である。
また、本方法で得られる軟質ポリウレタンフォームの通気性(ft3/min)は、好ましくは1.0以下、さらに好ましくは、0.15〜0.8である。通気性が1.0以下であれば共振倍率が良好となる。
本発明の方法によれば、JASCO B−407規定の振動伝達特性で規定される、共振周波数が3.6Hz以下、共振周波数における振動伝達率(共振倍率)が3.0倍以下の軟質ポリウレタンフォームを容易に得ることができる。このようなフォームは、人が不快と感じる振動領域(4〜10Hz)での振動伝達率が十分に低いため、車両座席用クッション材とした場合のシートの乗り心地が良好である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1〜2および比較例1〜3
表1に示すポリオールプレミックスと有機イソシアネート(C)を高圧ウレタン発泡機(ポリウレタンエンジニアリング社製)の原料タンクに仕込み、液温を25℃に調節した。その後、高圧ウレタン発泡機でポリオールプレミックスと表に記載のイソシアネート指数となる量の有機ポリイソシアネート(C)を15MPaで高圧吐出混合し、65℃に温度調節した400mm(長さ)×400mm(幅)×100mm(高さ)のアルミ製モールド、または自動車のシートクッションパッド成型用アルミ製モールド(実型)に注入し、キュアー時間6分にて成形した。
各フォームの物性値の測定結果および振動特性試験結果を表1に示す。なお、コア密度はフォームの中心部から、100mm×100mm×50mmの大きさに切り出して測定した密度である。
実施例および比較例におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1)ポリオールa1−1:ペンタエリスリトール1モルに水酸化セシウムを触媒として、PO118.4モルを付加し、常法により水酸化セシウムを除去した後、特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO16.0モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物基準)、反応温度75℃〕、さらにEO15.5モルを水酸化カリウムを触媒として付加し、その後触媒成分を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。水酸基価=30.0、末端EO単位の含有量=8.0%、1級OH化率=85%、式(2)の右辺=71.9。
(2)ポリオールa2−1:グリセリンのPO・EOブロック付加物。水酸基価=34.0、末端EO単位の含有量=14%
(3)ポリオールa2−2:ペンタエリスリトールのPO・EOブロック付加物。水酸基価=28.0、末端EO単位の含有量=14%
(4)ポリオールa2−3:ペンタエリスリトールのPO・EOブロック付加物。水酸基価=24.0、末端EO単位の含有量=12%
(5)ポリオールa3−1:ソルビトールのPO付加物。水酸基価=490
(6)ポリオールa3−2:ソルビトールのEO付加物。水酸基価=1247
(7)ポリオールa3−3:エチレングリコール。水酸基価=1810
(8)ポリオールa3−4:グリセリン。水酸基価=1830
(9)ポリオールa3−5:トリエタノールアミン、水酸基価=1130
(10)ポリオールa4−1:グリセリンのPO・EOランダム付加物。水酸基価=24、EO単位の含有量=72%
(11)重合体ポリオールA:ポリオールa2−1とポリオールa2−3(質量比:96/4)中で、スチレンとアクリロニトリル(質量比:30/70)を共重合させた重合体ポリオール(重合体含量33.5%)、水酸基価=22.0
(12)重合体ポリオールG:ポリオールa4−1中で、スチレンとアクリロニトリル(質量比:30/70)を共重合させた重合体ポリオール(重合体含量33.5%)、水酸基価=16.0
(13)ウレタン化触媒E−1:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液〔三共エアプロ(株)製TEDA−L33〕
(14)ウレタン化触媒E−2:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液〔東ソー(株)製TOYOCAT ET〕
(15)整泡剤F−1:日本ユニカー(株)製「SZ−1328」
(16)発泡剤D−1:水
(17)有機ポリイソシアネートC−1:TDI−80(2,4−および2,6−TDI、2,4−体の比率が80%)/粗製MDI(平均官能基数:2.9)=80/20(質量比)(NCO%:44.6%)〔日本ポリウレタン工業(株)製「CE−729」〕
(18)有機ポリイソシアネートC−2:MDI系ポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製「CEF−215」〕
<物性試験>
<1>:コア密度(kg/m3
<2>:硬さ(25%ILD)(N/314cm2
<3>:反発弾性(%)
<4>:通気性(ft3/min)
<1>〜<3>はJIS K6400(1997年版)に準拠した。<4>はダウ式フローメーターにて測定した。
<振動特性試験>
JASO B407(1987年版)の試験方法に準拠し、このときの共振周波数(Hz)と共振倍率(倍)について評価を実施した。
表1の結果より、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、共振周波数と共振倍率が比較例のフォームよりも低いにことがわかる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、従来のものに比べて、乗り心地が良好で耐久性が良好な、車両座席用高振動吸収クッション材として有用である。
また、本発明の製造方法により得られた軟質ポリウレタンフォームは、これ以外にも通常軟質ポリウレタンフォームが用いられる用途に、広く用いることができるが、用途の詳細は、例えば、日刊工業新聞社刊「ポリウレタン樹脂ハンドブック」191〜195頁(1987年)に記載されている。

Claims (5)

  1. ポリオール成分と有機ポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤(D)、触媒(E)、および整泡剤(F)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、前記ポリオール成分が、ポリオール(a)中でビニル系モノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A)、または(A)とポリオール(B)とを含有するポリオール成分であり、(a)および/または(B)中に下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)、および必要により他のポリオール(a4)を含有し、発泡剤が水からなることを特徴とする前記方法。
    ポリオール(a1):活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが20以下で、末端水酸基の1級OH化率yが40%以上で、かつxとy(%)はxが10〜20のとき式(1)、xが10以下のとき式(2)の関係を満たす、炭素数2以上の1,2−アルキレンオキサイドを主体としエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドが活性水素化合物にランダムおよび/またはブロック付加されてなるポリエーテルポリオール。
    y≧0.328x+90.44 (1)
    y≧42x0.47(1−x/41) (2)
    ポリオール(a2):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜70mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が0〜30質量%である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。
    ポリオール(a3):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が200〜1850mgKOH/gであるポリオール。
  2. (A)が、ポリオール(a2)中でビニル系モノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオールである請求項1記載の方法。
  3. (a)および(B)の合計質量に基づいて、(a1)が5〜94質量%、(a2)が5〜85質量%、(a3)が0.1〜20質量%、(a4)が0〜30質量%である請求項1または2記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の方法により得られ、コア密度が40〜60kg/m3、反発弾性が52〜68%、且つ通気性が1.0ft3/min以下である軟質ポリウレタンフォーム。
  5. 請求項4記載の軟質ポリウレタンフォームからなる、車両座席用高振動吸収クッション材。
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