JP2011144212A - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬度を向上し、かつ軟質フォームの伸び及び湿熱耐久性に優れた低密度の軟質ポリウレタンフォームが得られる製造方法を提供すること。
【解決手段】
ポリオール成分(A)、架橋剤(B)及び有機ポリイソシアネート成分(C)を、発泡剤(D)、触媒(E)及び整泡剤(F)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、(A)が、特定のポリオール(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)を含有し、(B)がグリセリンを含有し、(B)中のグリセリン含有量が(B)の重量の50重量%以上であり、(A)と(B)との重量比が98/2〜95/5であり、(C)中に、(C)の重量に基づいて60重量%以上の2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート、この粗製物並びにこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートを含有し、(D)が水を含む軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、架橋剤により高硬度化された自動車等の乗り物に設置されるシート用クッション材等の用途に適した軟質ポリウレタンフォームの製造方法及び得られた車両座席用クッション材に関するものである。
軟質ポリウレタンフォームは、そのクッション性により、車両用クッション材やバックレスト材、家具、寝具及び雑貨等に幅広く使用されている。この軟質フォームはポリオールや、ポリオール中でアクリロニトリルやスチレンをラジカル重合させて得られたポリオール中にポリマー粒子が分散したポリマーポリオール、発泡剤としての水、シリコーン系界面活性剤、アミン類やスズ化合物等の触媒、必要により架橋剤等と、難燃剤、顔料等とイソシアナートを混合することにより製造される。
さらに近年はコスト低減要求が強く、軽量化のための低密度化が求められ、また車両用では燃費規制に対応する軽量化のための低密度化も求められている。低密度化の要望に応えるため、発泡剤としての水の使用量は更に増加の傾向にある。水の使用量を増加させる(非特許文献1等)ことは、発生炭酸ガス量を増加させるため、軟質フォームの密度を低下させるには有効であるが、フォームの密度が低下することそのものが、フォーム硬度の低下、さらには歪特性、耐久特性を悪化させる原因となる。軟質フォームの硬度を向上させる具体的技術としては、配合上使用する架橋剤の使用量を上げる方法(非特許文献1)等があるが、このような方法では、軟質フォームの伸びや引裂強度のような機械物性が不十分である等の課題が残されており、硬度が向上しても機械物性が維持される軟質フォームが望まれている。
岩田啓治、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」、日刊工業社発行、昭和62年9月25日発行
本発明の目的は、硬度を向上し、かつ軟質フォームの伸び及び湿熱耐久性に優れた低密度の軟質ポリウレタンフォームが得られる製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者はこれらの問題点を解決すべく鋭意検討の結果、特定の構造を有するポリオール成分を用い、特定の架橋剤を特定量用いることにより、低密度かつ高硬度、さらに伸びが良好な軟質ポリウレタンフォームを製造できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオール成分(A)、架橋剤(B)及び有機ポリイソシアネート成分(C)を、発泡剤(D)、触媒(E)及び整泡剤(F)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
(A)が、下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)を含有し、
(B)がグリセリンを含有し、(B)中のグリセリン含有量が(B)の重量の50重量%以上であり、(A)と(B)との重量比{(A)/(B)}が98/2〜95/5であり、
(C)中に、(C)の重量に基づいて60重量%以上の2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート、この粗製物並びにこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートと、40重量%以下の前記以外の他のポリイソシアネートを含有し、
(D)が水を含むことを要旨とする。
ポリオール(a1):1,2−アルキレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドが活性水素含有化合物にランダム及び/又はブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜70mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が0〜30重量%であり、活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが20以下であり、末端水酸基の1級OH化率yが40%以上であり、かつxとy(%)はxが10〜20のとき下記式(1)、xが10未満のとき下記式(2)の関係を満たすポリエーテルポリオール。
y>0.328x+90.44 (1)
y>42x0.47(1−x/41) (2)
ポリオール(a2):1,2−アルキレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドが活性水素含有化合物にランダム及び/又はブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜70mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が0〜30重量%であり、活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが20以下で、末端水酸基の1級OH化率yが40%以上で、かつxとyはxが10〜20のとき式(3)、xが10未満のとき式(4)の関係を満たすポリエーテルポリオール。
y≦0.328x+90.44 (3)
y≦42x0.47(1−x/41) (4)
ポリオール(a3):1,2−アルキレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドが活性水素含有化合物にランダム及び/又はブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が20〜130mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が50〜90重量%であるポリエーテルポリオール。
ポリオール(a4):ポリオール(a1)、(a2)又は(a3)中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(b)を重合させて得られた重合体ポリオール。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、上記の製造方法により得られるコア密度が35〜45kg/m3である軟質ポリウレタンフォームであることを要旨とする。
また、本発明の車両座席用クッション材は、上記の軟質ポリウレタンフォームからなることを要旨とする。
本発明の製造方法によれば、低密度かつ高硬度な軟質ポリウレタンフォームを製造でき、得られたフォームは伸びの低下もなく良好な機械物性を有する。
本発明の製造方法に用いるポリオール成分(A)は、ポリオール(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)を含有する。
(a1)、(a2)及び(a3)は、いずれも、1,2−アルキレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドが活性水素含有化合物にランダム及び/又はブロック付加されてなるポリエーテルポリオールである。
活性水素含有化合物としては、2〜8価の多価アルコール、アミン、多価フェノール、ポリカルボン酸及びこれらの混合物が挙げられる。混合物の場合は、平均官能基数(活性水素の1分子あたりの数平均)が2〜8であればよく、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。平均官能基数が2以上であれば硬化時間が短くなり生産性がさらに良くなる傾向があり、8以下であれば、得られるフォームの伸び物性がさらに良くなる傾向になる。
前記多価アルコールとしては、炭素数(以下Cと略記)2〜20の2価アルコール、C3〜20の3価アルコール及びC5〜20の4〜8価アルコール等が挙げられる。
C2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。
C3〜20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。
C5〜20の4〜8価の多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等並びに糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。
アミンとしては、1価アミン、多価アミン及びアルカノールアミン等が挙げられる。
1価アミンとしては、アンモニア、C1〜20の脂肪族アミン(n−ブチルアミン及びオクチルアミン等)、C6〜20の芳香族アミン(アニリン及びトルイジン等)、C4〜20の脂環式アミン(シクロヘキシルアミン等)及びC4〜20の複素環式アミン(ピペリジン等)等が挙げられる。
多価アミンとしては、C2〜6の脂肪族アミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)、C4〜20のポリアルキレンポリアミン(C2〜6のジアルキレントリアミン、トリアルキレンテトラミン、テトラアルキレンペンタミン、ペンタアルキレンヘキサミン及びヘキサアルキレンヘプタミン)等が挙げられる。
アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びイソプロパノールアミン等が挙げられる。
多価(2〜8価又はそれ以上)フェノールとしては、単環多価フェノール(ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールスルホン等)、フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)及び米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、C4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸及びアゼライン酸等)及びC8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸及びイソフタル酸等)が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物の中で、生産性及び得られるウレタンフォーム物性の観点から多価アルコールである。
活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイド(以下AOと略記)は、1,2−AOを主体とするものであり、得られるウレタンフォームの物性の観点から、エチレンオキサイド(以下EOと略記)を含むものが好ましい。
C3以上の1,2−AOとしては、C3〜8のものが好ましく、例えば、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−、2,3−及び1,3−ブチレンオキサイド(以下BOと略記)、1,2−ペンテンオキサイド、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド及びこれらの2種以上の併用(ブロック及び/又はランダム付加)が挙げられる。得られるポリウレタンの機械物性の観点から、これらの中でPOが好ましい。
AOとしては、C3以上の1,2−AOとEOのみからなるものが好ましいが、これらに加えてこれら以外のAOを少割合(例えば全AOの重量を基準として5重量%以下)で含んでいてもよい。用いるAO中の、C3以上の1,2−AOの含量は、得られるポリウレタンの耐湿性能の観点から、全AOの重量を基準として50重量%以上が好ましく、さらに好ましくは70重量%以上である。
2種以上のAOを用いる場合、AOの付加形式としては、活性水素含有化合物にAOがランダム及び/又はブロック付加したものである。具体例としては、上記活性水素含有化合物にC3以上の1,2−AO(例としてPOの場合)とEOを下記の様式で付加したものが挙げられる。
(1)PO−EOの順序でブロック付加したもの
(2)PO−EO−PO−EOの順序でブロック付加したもの
(3)EO−PO−EOの順序でブロック付加したもの
(4)PO−EO−POの順序でブロック付加したもの
(5)PO及びEOを混合付加したランダム付加
(6)特開昭57−209920号公報記載の順序でランダム又はブロック付加したもの
(7)特開昭53−13700号公報記載の順序でランダム又はブロック付加したもの
(1)〜(7)の中では、ポリエーテルポリオールの活性水素の反応性の観点から、末端EO付加物が好ましく、(1)がさらに好ましい。
ポリオール(a1)の水酸基価は、ウレタンフォームの硬さ並びにウレタンフォームの独立気泡を少なくする及びウレタンフォームの収縮を抑制する観点から、10〜70mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは20〜50mgKOH/gである。
なお、水酸基価は、JIS K1557−1:2007に準拠して測定される。以降に記載する水酸基価も同様である。
ポリオール(a1)のオキシエチレン単位の含有量は、0〜30重量%であり、好ましくは8〜20重量%である。オキシエチレン単位の含有量が30重量%を超えると、フォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮し易く成形性が悪くなる。
ポリオール(a1)の活性水素1個当たりのEOの平均付加モル数xは、ポリウレタンフォームの物性の観点から、20以下であり、疎水性と反応性の観点から好ましくは0.1〜19、さらに好ましくは1〜18、特に好ましくは2〜10である。
ポリオール(a1)の末端水酸基の1級OH化率yは、40%以上であり、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
本発明において、末端水酸基の1級OH化率yは、予め試料を前処理(エステル化)をした後に1H−NMR法により求める。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<末端水酸基の1級OH化率yの計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される。したがって、末端水酸基の1級OH化率yは下記の式により算出する。
1級OH化率y(%)=[r/(r+2s)]×100
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
である。
ポリオール(a1)は、前記xが10〜20のとき式(1)、xが10未満のとき式(2)の関係を満たす。x、y、及びxとyの関係がこの範囲内であると、疎水性と反応性が共に良好となる。
y>0.328x+90.44 (1)
y>42x0.47(1−x/41) (2)
また、xとyは、xが7以下のとき、疎水性と反応性の観点から、下記式(2’)の関係を満たすのが好ましく、下記式(2’’)の関係を満たすのがさらに好ましい。
y>45x0.47(1−x/41) (2’)
y>47x0.47(1−x/41) (2’’)
上記式(1)、(2)、(2’)及び(2’’)の左辺は、末端水酸基の1級OH化率であり、右辺はEOの付加モル数から計算される値であり、式(1)は左辺が右辺より大きいことを意味する。したがって、これらの式を満たす(a1)は、EO付加モル数に比して1級OH化率が大きい、すなわち、親水性に比べて1級OH化率が大きいことを意味する。なお、上記式(1)、(2)、(2’)及び(2’’)は、実験的に見出した本発明の効果が得られる範囲を表したものである。
(a1)としては、活性水素含有化合物に、1,2−AOを主体としEOを含むAOを、後述する方法で付加して得られる実質的に飽和のポリオールが挙げられる。本発明において実質的に飽和とは、JIS K−1557記載の方法で測定される総不飽和度が0.2meq/g以下であることを意味する。ここで用いる活性水素含有化合物の活性水素当量は、20〜300が好ましい。
なお、水酸基当量は、水酸基価[試料1g中の水酸基と当量の水酸化カリウムの重量(mg)]で56100を除することにより算出される。以降に記載する水酸基当量も同様である。
ポリオール(a1)を得る方法としては、特定の触媒(α)の存在下で、前記活性水素含有化合物に、上記(1)〜(7)に記載の順序でAOを付加させる方法等が挙げられる。以下(1)について説明する。
(α)はPO(C3以上の1,2−AOの例示)付加時に用いるが、必ずしもPO付加の全段階に用いる必要はなく、通常使用される他の触媒の存在下で一部のPOを付加後、付加反応後期のみに(α)を用いて残りのPOを付加してもよい。
触媒(α)を用いると、PO付加物の1級OH化率が大きなものが得られる。触媒(α)としては、特開2000−344881号公報に記載のものが挙げられ、具体的には、フッ素原子、(置換)フェニル基及び3級アルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が結合したホウ素化合物又はアルミニウム化合物であり、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム等が挙げられる。
これらの中で、得られるウレタンフォームの物性の観点から、トリフェニルボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムが好ましく、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムである。
POの付加条件についても上記公報に記載の方法と同様でよく、生成する開環重合体に対して、好ましくは0.0001〜10重量%、さらに好ましくは0.001〜1重量%の上記触媒を用い、好ましくは0〜250℃、さらに好ましくは20〜180℃で反応させる。
上記のPO付加物に、さらにEOを付加させることでさらに1級OH化率の大きなポリオールが得られる。上記のPO付加物は、EO付加させる前のポリオールの末端水酸基の1級OH化率が40%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上と極めて大きいため、少ないEO使用量で末端水酸基の1級OH化率を大きくでき、xとyが前述の関係を満足するものが得られる。なお、上記EO付加に用いる触媒は、前記の触媒(α)をそのまま用いても、それに代えて通常使用される他の触媒などを用いてもよい。
他の触媒としては、塩基性触媒(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸カリウム及びトリエチレンジアミン等)、酸触媒(三フッ化ホウ素、塩化スズ、トリエチルアルミニウム及びへテロポリ酸等)、亜鉛ヘキサシアノコバルテート及びフォスファゼン化合物等が挙げられる。これらの中では塩基性触媒が好ましい。触媒の使用量は特に限定されないが、生成するポリオールに対して、0.0001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜1重量%である。
ポリオール(a2)は、1,2−アルキレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドが活性水素含有化合物にランダム及び/又はブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜70mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が0〜30重量%であり、活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが20以下で、末端水酸基の1級OH化率yが40%以上で、かつxとy(%)はxが10〜20のとき下記式(3)、xが10未満のとき下記式(4)の関係を満たすポリエーテルポリオールである。
すなわち、(a2)はxとy(%)はxが10〜20のとき上記式(1)、xが10未満のとき上記式(2)の関係を満たさないものである。
y≦0.328x+90.44 (3)
y≦42x0.47(1−x/41) (4)
上記式(3)及び(4)の左辺は、末端水酸基の1級OH化率であり、右辺はEOの付加モル数から計算される値であり、式(1)は左辺が右辺以下であることを意味する。したがって、これらの式を満たす(a1)は、EO付加モル数に比して1級OH化率が小さく、すなわち、親水性に比べて1級OH化率が小さいことを意味する。なお、上記式(3)及び(4)は、実験的に見出した本発明の効果が得られる範囲を表したものである。
ポリオール(a2)の水酸基価は、10〜70mgKOH/gであり、好ましくは22〜60mgKOH/g、さらに好ましくは22〜38mgKOH/gである。(a2)の水酸基価が10mgKOH/g未満ではフォーム硬さが悪くなり、70mgKOH/gを超えるとフォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮し易く成形性が悪くなる。
ポリオール(a2)のオキシエチレン単位の含有量は、0〜30重量%であり、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。(a2)のオキシエチレン単位の含有量が30重量%を超えると、フォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮し易く成形性が悪くなる。
ポリオール(a2)の活性水素1個当たりのEOの平均付加モル数xは、20以下であり、疎水性と反応性の観点から好ましくは0.1〜19、さらに好ましくは1〜18、特に好ましくは2〜10である。
ポリオール(a2)は、末端水酸基の1級OH化率yが、40%以上であり、イソシアネートとの反応性の観点から、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
ポリオール(a2)を得る方法としては、水酸化カリウム等の塩基性触媒等、通常用いられる触媒の存在下で、前記活性水素含有化合物に、例えばポリオール(a1)と同様に前述(1)〜(7)の順序でAOを付加させる方法等が挙げられる。
ポリオール(a3)は、2〜8価のポリエーテルポリオールであって、水酸基価が20〜130mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が50〜90重量%であるポリエーテルポリオールである。
ポリオール(a3)としては、前記に記載したポリオール(a1)やポリオール(a2)に用いる活性水素含有化合物のうち、2〜8価、好ましくは2〜6価の活性水素含有化合物にEO及びPOがランダム及び/又はブロック付加されたものが挙げられる。
(a3)の水酸基価は、20〜130mgKOH/gであり、フォームの通気性の観点から、好ましくは20〜80、さらに好ましくは20〜50である。
(a3)のオキシエチレン単位の含有量は、50〜90重量%であり、フォームの通気性の観点から、好ましくは60〜80、さらに好ましくは65〜75である。
(a3)としては、例えば、グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いて、PO及びEOをランダム付加(POが32.2モルとEOが114.5モル)させて得られたポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリオール(a4)は、前記ポリオール(a1)、(a2)又は(a3)から選ばれる少なくとも1種のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(b)を重合させて得られた重合体ポリオールである。
使用されるポリオールのうち、重合体ポリオールの分散安定性の観点から、(a1)、(a2)及びこれらの併用が好ましい。重合条件の具体例としては、米国特許第3383351号明細書及び特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
ポリオール(a4)の製造に使用されるラジカル重合開始剤としては、公知のものが使用でき、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド及び過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩及び過ホウ酸塩等の無機過酸化物等が挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
ビニルモノマー(b)としては、公知のビニルモノマーが使用でき、芳香環含有単量体(b1)、不飽和ニトリル(b2)、(メタ)アクリル酸エステル(b3)、その他のビニル単量体(b4)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。(b1)としては、スチレン等が挙げられる。(b2)としては、アクリロニトリル等が挙げられる。(b3)としては、メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜30);末端にヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(たとえば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1,000)等が挙げられる。
その他のビニル単量体(b4)としては、ビニル基含有カルボン酸及びその誘導体〔(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリルアミド等〕、脂肪族又は脂環式炭化水素単量体〔エチレン及びプロピレン等〕、フッ素含有ビニル単量体〔パーフルオロオクチルエチルメタクリレート等〕、上記以外の窒素含有ビニル単量体〔ジアミノエチルメタクリレート等〕並びにビニル変性シリコーン等が挙げられる。
ビニルモノマー(b)の中では、ウレタンフォームの硬度向上の観点から、(b1)、(b2)及びこれらの併用が好ましく、さらに好ましくはスチレン、アクリロニトリル及びこれらの併用である。(b1)〜(b4)の(b)の重量を基準とする重量割合は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて適宜変えることができ、とくに限定されないが、例えば次の通りである。
(b1):0〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜80重量%
(b2):0〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜90重量%
(b3):0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜20重量%
(b4):0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%
なお、(b)中に少量(好ましくは(b1)〜(b4)の合計に対して1重量%以下)の多官能(好ましくは2〜8官能)ビニル基含有モノマー〔ジビニルベンゼン及びエチレンジ(メタ)クリレート等〕を用いることにより、ポリウレタンフォームの強度をさらに向上させることができるため好ましい。
ポリオール成分(A)の合計重量に基づく、(a1)〜(a4)のそれぞれのポリオールの含有量は;(a1)は、5〜83重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜85重量%、特に好ましくは15〜50重量%;(a2)は、5〜83重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは10〜40重量%;(a3)は、0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜8重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%;(a4)は、10〜83重量%、さらに好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは10〜60重量%である。
(a1)が5重量%以上であるとフォームの耐湿物性がさらに良好に発揮できる傾向にあり、83重量%以下であると、イソシアネートとの反応性がさらに良好になる。(a2)が5重量%以上であるとフォームの安定性がさらに向上し、85重量%以下ではフォームの硬さがさらに十分になりやすい。(a3)が0.1重量%以上では通気性に優れ、フォームの安定性も向上する。(a4)が10重量%以上であるとフォームの硬さが不足しない。
ポリオール成分(A)の平均官能基数は、2〜6が好ましい。
架橋剤(B)は、2価以上の低分子化合物を用いることが好ましく、このような架橋剤を用いることにより、架橋密度を上げて、フォームの強度、硬度を高め、この結果、形状保持性を高めることができる。2価以上の低分子化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトール等およびそれらの化合物にアルキレンオキサイドを付加させたものが挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で又は2種以上併用して用いることができる。
架橋剤(B)は、2以上の活性水素を有する低分子化合物である。ここで低分子とは、水酸基価が400〜2000mgKOH/gであることを意味する。このような架橋剤を用いることにより、架橋密度を上げて、フォームの強度、硬度を高め、この結果、形状保持性を高めることができる。
(B)の活性水素は2以上であり、フォームの25%硬さ及び伸び率の観点から、2〜6が好ましい。
(B)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びペンタエリスリトール等並びにそれらの化合物にアルキレンオキサイドを付加させたものが挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で又は2種以上併用して用いることができる。
(B)は、グリセリンを含有し、(B)の重量を基準としてグリセリン含有量は、50重量%以上であり、フォームの伸び率の観点から、好ましくは50〜80重量%である。グリセリンの含有量が50重量%未満ではフォームの硬さが不足する。
(A)と(B)との重量比{(A)/(B)}は98/2〜95/5であり、フォームの硬さ及び伸びの観点から、好ましくは97/3〜95/5である。(A)/(B)が98/2未満の場合は硬さが不足し、95/5を超えると伸びが不足する。
(C)は、(C)の重量に基づいて60重量%以上の2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記)、この粗製物並びにこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートと、40重量%以下の前記以外のポリイソシアネートを含有する。
粗製物とは、TDIの製造過程又は製造から使用までの保存時に生成する不純物を含んだTDIであり、不純物としてはTDIの前駆体であるトルエンジアミン、イソシアネート基を1つしか持たないトルエンイソシアネート及びTDIが有する2つのイソシアネート基の片方又は両方がアミノ基であるもの並びにこれらとTDIとの反応物等である。
変性物とは、TDIをショ糖等の活性水素含有低分子化合物とTDIが過剰量の条件下で反応させて変性させたものである。
TDI以外のポリイソシアネートとしては、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、この粗製物並びにこれらの変性物;1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート;ナフチレン−1,5−ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート;等が挙げられる。
MDIの粗製物としては、製造過程で生成するポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)などが挙げられる。前記これらの変性物[即ち、MDIの変性物及びMDIの粗製物の変性物]としては、活性水素を含有するカルボジイミドとMDIとをMDIが過剰量の条件下で反応させて得られるカルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
(C)のうちで好ましいのは、生産性の向上等の観点から、TDI及びMDI、その粗製物並びにそれらの変性物である。(C)としてさらに好ましいのは、生産性の向上等の観点から、(C)の重量に基づいて、60〜100重量%、特に好ましくは75〜85重量%のTDIと、0〜40重量%、特に好ましくは15〜25質量%のMDI、この粗製物並びにこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートを含有する有機ポリイソシアネートである。
発泡剤(D)は、水、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素及び液化炭酸ガス等から1種以上を使用する。このうち水のみを使用することが好ましく、水を利用する場合の使用量は、ポリオール成分(A)100重量部当たり、フォームの発泡倍率の観点から、0.1〜30重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜20重量部、特に好ましくは1.5〜10重量部である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22及びHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc)等が挙げられる。これらのうち、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc並びにこれらの2種以上の混合物が好ましい。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、フォームの発泡倍率の観点から、(A)100重量部当たり、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは45重量部以下である。
低沸点炭化水素は、沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタン及びこれらの混合物が挙げられる。低沸点化合物を用いる場合の使用量は、フォームの発泡倍率の観点から、(A)100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは25重量部以下である。
また液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、フォームの発泡倍率の観点から、(A)100重量部あたり、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは25重量部以下である。
触媒(E)は、イソシアネートの反応に用いる公知の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル及びN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン並びにそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム及びスタナスオクトエート等のカルボン酸金属塩;ジブチルチンジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。(E)の使用量はポリオール成分(A)100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3重量部である。
整泡剤(F)は、ポリウレタンフォームの製造に用いられる公知のものはすべて使用でき、例として、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン[東レ・ダウコーニング(株)製の「SZ−1346」、「SF−2962」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「L−3640」等]及びジメチルシロキサン[東レ・ダウコーニング(株)製の「SRX−274DL」、「SRX−253」等]等のシリコーン整泡剤が挙げられる。(F)の使用量は、ポリオール成分(A)100重量部に対して、フォームの独泡性の観点から、0.5〜3重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜2.5重量部である。
本発明の製造方法においては、必要により、さらに以下に述べるようなその他の添加剤を用い、その存在下で反応させてもよい。その他の添加剤としては、着色剤(染料及び顔料)、難燃剤(リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の添加剤が使用できる。ポリオール成分(A)100重量部に対するこれらの添加剤の使用量に関しては、着色剤は、1部以下が好ましい。難燃剤は、5部以下が好ましく、さらに好ましくは2部以下である。老化防止剤は、1部以下が好ましく、さらに好ましくは0.5部以下である。抗酸化剤は、1部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。
本発明の製造方法において、軟質ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数(インデックス)[(NCO基/活性水素含有基)の当量比×100]は、フォームの成形性の観点から、70〜135が好ましく、さらに好ましくは80〜120、特に好ましくは90〜110である。
本発明の製造方法による軟質ポリウレタンフォームの製造方法の一例を示せば、下記の通りである。
まず、ポリオール成分(A)、架橋剤(B)、発泡剤(D)、触媒(E)、整泡剤(F)及び必要により他の添加剤を所定量混合し、ポリオールプレミックスを調製する。次いでポリウレタン低圧若しくは高圧発泡機又は攪拌機を使用して、このポリオールプレミックスと有機ポリイソシアネート成分(C)とをそれぞれの液温が15〜40℃で急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を、必要により加温した密閉型又は開放型のモールド(金属製又は樹脂製、型温20〜80℃)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型して軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。また、連続発泡しても軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
本発明は、とくにモールドフォームの製造方法として好適である。モールドフォームの場合のパック率は、100〜300%が好ましい。
本発明により得られるフォームのコア密度は、フォームの中心部から、100mm×100mm×50mmの大きさに切り出して測定した密度で、本発明の効果を発揮しやすい観点から、35〜45kg/m3が好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1〜16及び比較例1〜28
表1〜表4に示す重量部比率で混合したポリオールプレミックスと、有機ポリイソシアネート成分(C)とを高圧ウレタン発泡機(ポリマーエンジニアリング社製)の原料タンクに仕込み、液温を25℃に調節した。その後、高圧ウレタン発泡機でポリオールプレミックスと表に記載のイソシアネート指数となる量の有機ポリイソシアネート成分(C)を15MPaで高圧吐出混合し、65℃に温度調節した400mm(長さ)×400mm(幅)×100mm(高さ)のアルミ製モールド、または自動車のシートクッションパッド成形用アルミ製モールド(実型)に注入し、キュアー時間5分にて成形した。なお、表1〜表4において、ポリオールプレミックスの各成分量の単位は、重量部である。
実施例及び比較例におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
1.ポリオール(a1)
ポリオールa1−1:ペンタエリスリトール1モルに特開2006−063344号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPOを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物基準)、反応温度75℃〕、さらにEOを水酸化カリウムを触媒として付加し、その後触媒成分を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。水酸基価=39、末端EO単位の含有量=8.0%、1級OH化率=84%、活性水素1個あたりのEO平均付加モル数2.6モル、〔式(2)の右辺=61.5〕
2.ポリオール(a2)
ポリオールa2−1:グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPOを付加し、次いでEOを付加し、その後触媒を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。水酸基価=34.0、末端EO単位の含有量=20.0%、1級OH化率=83%、活性水素1個あたりのEO平均付加モル数7.6モル、〔式(4)の右辺=88.7〕
ポリオールa2−2:グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPOを付加し、次いでEOを付加し、その後触媒を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。水酸基価=34.0、末端EO単位の含有量=15.0%、1級OH化率=77%、活性水素1個あたりのEO平均付加モル数5.7モル、〔式(4)の右辺=81.9〕
ポリオールa2−3:グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPOを付加し、次いでEOを付加し、その後触媒を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。官能基数3、水酸基価33.7、EO含量14%、1級OH化率=75%、活性水素1個あたりのEO平均付加モル数5.3モル、〔式(4)の右辺=80.1〕
ポリオールa2−4:ペンタエリスリトール1モルに水酸化カリウムを触媒としてPOを付加し、次いでEOを付加し、その後触媒を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。官能基数4、水酸基価32.1、EO含量12%、1級OH化率=75%、活性水素1個あたりのEO平均付加モル数4.8モル、〔式(4)の右辺=77.4〕
ポリオールa2−5:グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPOを付加し、次いでEOを付加し、その後触媒を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。官能基数3、水酸基価37.4、EO含量14%、1級OH化率=76%、〔式(4)の右辺=77.4〕
ポリオールa2−6:ペンタエリスリトール1モルに水酸化カリウムを触媒としてPOを付加し、次いでEOを付加し、その後触媒を除去した、常温で液状のポリエーテルポリオールである。官能基数4、水酸基価37.4、EO含量17.5%、1級OH化率=80%、活性水素1個あたりのEO平均付加モル数4.8モル、〔式(4)の右辺=83.1〕
3.ポリオール(a3)
ポリオールa3−1:グリセリンのPO・EOランダム付加物。水酸基価=24.0、EO単位の含有量=70%
4.ポリオール(a4)
ポリオールa4−1:ポリオールa2−3及びポリオールa2−4(重量比:80/20)中で、スチレンとアクリロニトリル(質量比:30/70)を共重合させた重合体ポリオール(重合体含量33.5%)、体積平均粒子径0.4μm、水酸基価=22.0
ポリオールa4−2:ポリオールa2−5、ポリオールa2−6及びポリオールa2−3(重量比:48.5/12.0/7.5)中で、スチレンとアクリロニトリル(質量比:30/70)を共重合させた重合体ポリオール(重合体含量31.9%)、体積平均粒子径0.4μm、水酸基価=24.0
5.架橋剤(B)
架橋剤B−1:グリセリン。水酸基価:1829
架橋剤B−2:ソルビトールにEOを2.0モル付加したもの。水酸基価:1247
架橋剤B−3:ソルビトールにPOを8.7モル付加したもの。水酸基価:490
架橋剤B−4:トリエタノルアミン。水酸基価:1130
6.触媒(E)
触媒E−1:トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコール溶液〔エアプロダクツジャパン(株)製「DABCO−33LV」〕
触媒E−2:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70重量%ジプロピレングリコール溶液〔東ソー(株)製「TOYOCAT ET」〕
7.整泡剤(F)
整泡剤F−1:Degussa製「TEGOSTAB B8715LF」
整泡剤F−2:Degussa製「TEGOSTAB B8719LF」
8.発泡剤(D)
発泡剤D−1:水
9.有機ポリイソシアネート成分(C)
有機ポリイソシアネートC−1:三井化学(株)製「コスモネート TM−20」(TDI−80(2,4−及び2,6−TDIであり、2,4−体の比率が80重量%、以下同様)/粗製MDI(平均官能基数:2.9))
有機ポリイソシアネートC−2:日本ポリウレタン工業(株)製「コロネート T−80」(TDI−80)
フォーム物性の評価方法は下記の通りである。
<物性試験>
<1>:コア密度(kg/m3
<2>:フォーム硬さ(25%ILD)(kgf/314cm2
<3>:反発弾性率(%)
<4>:伸び率(%)
<5>:湿熱圧縮残留歪み率(%)
<1>〜<5>はJIS K6400(1997年版)に準拠した。
Figure 2011144212
Figure 2011144212
Figure 2011144212
Figure 2011144212
表1〜表4の結果より、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、比較例に対し、密度が同等の場合に優れたフォーム硬さを示すことがわかる。
さらに、有機ポリイソシアネート成分(C)の種類が同じで架橋剤の使用量が同等であるもの同志を比較すると、実施例1〜4に対して、比較例3〜5及び7〜8は伸び率が劣っており、比較例3及び5〜6は湿熱圧縮残留歪みが劣っている。同様に、実施例5〜8に対して、比較例9〜10及び13〜14は伸び率が劣っており、比較例11〜12は湿熱圧縮残留歪みが劣っている。同様に、実施例9〜12に対して、比較例17〜22は伸び率が劣っており、比較例17及び19〜20は湿熱圧縮残留歪みが劣っている。同様に、実施例13〜16に対して、比較例23〜24及び27〜28は伸び率が劣っており、比較例25〜26は湿熱圧縮残留歪みが劣っている。
すなわち、フォーム硬さ、伸び率及び湿熱圧縮残留歪みの全てにおいて優れているのは、本願発明のもののみであることが分かる。
本発明の製造方法により得られる軟質ポリウレタンフォームは、低密度で高硬度、優れた耐久性及び伸び率を兼備えており、良好な車両座席用クッション材として有用である。また、本発明の製造方法により得られた軟質ポリウレタンフォームは、これ以外にも通常軟質ポリウレタンフォームが用いられる用途に、広く用いることができるが、用途の詳細は、例えば、日刊工業新聞社刊「ポリウレタン樹脂ハンドブック」191〜195頁(1987年)に記載されている。

Claims (4)

  1. ポリオール成分(A)、架橋剤(B)及び有機ポリイソシアネート成分(C)を、発泡剤(D)、触媒(E)及び整泡剤(F)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
    (A)が、下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)を含有し、
    (B)がグリセリンを含有し、(B)中のグリセリン含有量が(B)の重量の50重量%以上であり、(A)と(B)との重量比{(A)/(B)}が98/2〜95/5であり、
    (C)中に、(C)の重量に基づいて60重量%以上の2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート、この粗製物並びにこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートと、40重量%以下の前記以外の他のポリイソシアネートを含有し、
    (D)が水を含む軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ポリオール(a1):1,2−アルキレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドが活性水素含有化合物にランダム及び/又はブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜70mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が0〜30重量%であり、活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが20以下であり、末端水酸基の1級OH化率yが40%以上であり、かつxとy(%)はxが10〜20のとき下記式(1)、xが10未満のとき下記式(2)の関係を満たすポリエーテルポリオール。
    y>0.328x+90.44 (1)
    y>42x0.47(1−x/41) (2)
    ポリオール(a2):1,2−アルキレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドが活性水素含有化合物にランダム及び/又はブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜70mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が0〜30重量%であり、活性水素1個あたりのエチレンオキサイドの平均付加モル数xが20以下で、末端水酸基の1級OH化率yが40%以上で、かつxとyはxが10〜20のとき式(3)、xが10未満のとき式(4)の関係を満たすポリエーテルポリオール。
    y≦0.328x+90.44 (3)
    y≦42x0.47(1−x/41) (4)
    ポリオール(a3):1,2−アルキレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドが活性水素含有化合物にランダム及び/又はブロック付加されてなるポリエーテルポリオールであって、平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が20〜130mgKOH/gであり、オキシエチレン単位の含有量が50〜90重量%であるポリエーテルポリオール。
    ポリオール(a4):ポリオール(a1)、(a2)又は(a3)中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(b)を重合させて得られた重合体ポリオール。
  2. ポリオール成分(A)において、ポリオール(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)の合計重量に基づいて、
    ポリオール(a1)の含量が5〜83重量%、
    ポリオール(a2)の含量が5〜83重量%、
    ポリオール(a3)の含量が0.1〜10重量%、
    ポリオール(a4)の含量が10〜83重量%である請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られるコア密度が35〜45kg/m3である軟質ポリウレタンフォーム。
  4. 請求項3に記載の軟質ポリウレタンフォームからなる車両座席用クッション材。
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