JP2014194009A - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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泉 新井
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健司 西山
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Abstract

【課題】フォーム硬度を向上し、歪特性や耐久特性が良好であり、振動特性に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、整泡剤(C)、触媒(D)及び発泡剤(E)の存在下で反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、(A)が下記ポリオール(a1)を含有し、表面張力γps[25℃での特定量の(a1)と(C)との混合物の表面張力]と表面張力γws[25℃での特定量の(C)と(E)との混合物の表面張力]とが下記式(1)の関係を満たす軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
ポリオール(a1):活性水素含有化合物(H)のポリオキシプロピレンポリオキシエチレン付加物であって、特定量のオキシエチレン単位と特定量の末端水酸基の1級水酸基比率(%)を有するポリオール。
0<γps−γws<10 (1)
【選択図】なし

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
従来、軟質ポリウレタンフォームは、その優れたクッション性を生かし、自動車等のクッション材に広く使用されている。近年コストダウンを目的に、フォームの低密度化が求められている。フォームの密度を低下させると、フォーム硬度の低下、さらには歪特性、耐久特性を悪化させる。フォーム硬度の向上を目的に、低分子量ポリオール(いわゆる架橋剤)を使用する方法、ポリマーポリオールを使用する方法、層状粘土鉱物等の無機フィラーを添加する方法が用いられている(例えば特許文献1)。
また、従来求められている機能に加えて、乗り心地の向上を目的に、振動特性の良好なシートが求められている。シートの乗り心地を良好にするためには、JASCO B−407規定の振動伝達特性に関し、人が不快と感じる振動領域(4〜10Hz)での振動伝達率を低下させることが必要である。そのためには、共振周波数を低下させ、且つ共振周波数における振動伝達率(共振倍率)を低下させることが有効であるとされている。振動特性を良好にするために、不飽和度の低い特定のポリオールを用いると共に、有機処理された無機充填材を配合する手法が知られている(特許文献2参照)。
特開2004−210976号公報 特開2008−127514号公報
しかし、特許文献1の方法では、引張特性や歪特性や耐久特性が低下する問題がある。また特許文献2の方法では引張強度や引裂強度など機械強度が低下する問題がある。
本発明は、フォーム硬度を向上し、歪特性や耐久特性が良好であり、振動特性に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、整泡剤(C)、触媒(D)及び発泡剤(E)の存在下で反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、(A)が、下記ポリオール(a1)を含有し、下記表面張力γpsと下記表面張力γwsとが下記式(1)の関係を満たす軟質ポリウレタンフォームの製造方法である。
ポリオール(a1):活性水素含有化合物(H)のポリオキシプロピレンポリオキシエチレン付加物であって、オキシエチレン単位の含有量が(a1)の重量を基準として0.1〜4重量%であり、末端水酸基の1級水酸基比率(%)が50以上のポリオール。
表面張力γps:ウィルヘルミー式(CBVP式)表面張力計を使用し、25℃の条件下で求められる(a1)99.0gと(C)1.0gとの混合物の表面張力(単位:mN/m)。
表面張力γws:ウィルヘルミー式(CBVP式)表面張力計を使用し、25℃の条件下で求められる(C)1.0gと(E)99.0gとの混合物の表面張力(単位:mN/m)。
0<γps−γws<10 (1)
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、低密度でもフォームの硬度が低下しない、従来の方法によるものに比べて歪特性、耐久特性及び振動特性に優れた軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
本発明に用いるポリオール成分(A)は、軟質ポリウレタンフォームの製造に通常用いられるポリオールを含有することができる。
使用できるポリオールとしては、活性水素含有化合物(H)(例えば、多価アルコール、アミン、多価フェノール、ポリカルボン酸及びこれらの混合物)に、アルキレンオキサイド(以下AOと略記する。)が付加された構造の化合物が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール;並びに脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等のシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン及びヘキサントリオール等のアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価又はそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等のアルカンポリオール及びそれら又はアルカントリオールの分子内又は分子間脱水物;並びにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース及びメチルグルコシド等の糖類及びその誘導体)が挙げられる。
アミンとしては、アルカノールアミン、ポリアミン及びモノアミンが挙げられる。
アルカノールアミンとしては、炭素数2〜20のモノ−、ジ−及びトリ−アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びイソプロパノールアミン)等が挙げられる。
ポリアミン(1,2級アミノ基の数:2〜8個又はそれ以上)としては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン)等が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式ポリアミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式ポリアミン(例えば、ピペラジン及びアミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
モノアミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミン及びオクチルアミン);炭素数6〜20の芳香族モノアミン(例えば、アニリン及びトルイジン);炭素数4〜20の脂環式モノアミン(例えば、シクロヘキシルアミン);炭素数4〜20の複素環式モノアミン(例えば、ピペリジン)等が挙げられる。
多価(2〜8価又はそれ以上)フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールスルホン等のビスフェノール;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸及びアゼライン酸等)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びトリメリット酸等)及びこれらの2種以上の混合物があげられる。
これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用してもよい。これらの中で多価アルコールが好ましい。
上記活性水素含有化合物(H)に付加させるAOとしては、1,2−プロピレンオキサイド(以下POと略称する。)及びエチレンオキサイド(以下EOと略称する。)が好ましい。AOは、これらのみを含有することが好ましいが、AO中10重量%以下(特に5重量%以下)の範囲で他のAOを併用してもよい。他のAOとしては、炭素数4〜8のものが好ましく、1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキサイド並びにスチレンオキサイド等が挙げられ、2種以上用いてもよい。
本発明に用いるポリオール成分(A)は、下記ポリオール(a1)を必須成分として含有する。
ポリオール(a1):活性水素含有化合物(H)のポリオキシプロピレンポリオキシエチレン付加物であって、オキシエチレン単位の含有量が(a1)の重量を基準として0.1〜4重量%であり、末端水酸基の1級水酸基比率(%)が50以上のポリオール。
(a1)としては、前記活性水素含有化合物(H)のうち2〜4価又はそれ以上のものに、後述する方法でPO及びEOが付加された構造の化合物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
ポリオール(a1)におけるオキシプロピレン単位とオキシエチレン単位の結合形式は、ランダム形式でもブロック形式でもこれらの併用でもよいが、成形性及び反応性の観点からはブロック形式が好ましく、オキシエチレン単位のブロックが分子末端に位置することが更に好ましい。
ポリオール(a1)の1分子当たりの数平均官能基数は、フォームの硬化速度及び圧縮永久歪率の観点から、3〜8が好ましく、さらに好ましくは3〜4である。この範囲以外の官能基数のものが含まれていても、(a1)の数平均官能基数がこの範囲となればよい(他のポリオールの平均官能基数についても同様)。なお、本発明において、ポリオールの官能基数は、出発物質の官能基数と同一であるとみなす。また、本発明において平均官能基数とは、数平均官能基数を意味する。
(a1)の水酸基価(mgKOH/g、以下の水酸基価も同じ)は、振動特性の観点から、20〜65が好ましく、さらに好ましくは25〜50、次にさらに好ましくは、27〜45である。本発明における水酸基価は、JIS K1557−1に規定の方法で測定される。
また(a1)は、末端水酸基の1級水酸基比率が50%以上であり、フォームの硬化速度の観点から、60%以上が好ましく、さらに好ましくは70%以上である。1級水酸基比率が50%未満であると、発泡終了直前の硬化が不十分であり、フォームが崩壊する。
本発明において、末端水酸基の1級水酸基比率は、全末端水酸基の数に対する1級炭素に結合した水酸基の数の比率を百分率で荒らさした値を意味し、予め試料をエステル化の前処理をした後に1H−NMR法により求めることができる。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
<試料調整法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料に溶解させることができる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<末端水酸基の1級水酸基比率の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、末端水酸基の1級水酸基比率は下記式(2)により算出する。
1級水酸基比率(%)=〔r/(r+2s)〕×100 (2)
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
である。
ポリオール(a1)は、前記活性水素含有化合物(H)にPO及びEOを付加させることにより得ることができる。
POを付加させる場合、通常用いられる水酸化カリウム等の塩基性触媒を用いると、末端水酸基の1級水酸基比率が50%以上を満たすポリオールを得ることが困難であるため、特定の触媒(α)を用いることが好ましい。
(α)はPO付加時に用いるが、必ずしもPO付加の全段階に用いる必要はなく、後述する通常使用される他の触媒の存在下で一部のPOを付加後、付加反応後期のみに(α)を用いて、残りのPOを付加してもよい。
(α)としては、特開2000−344881号公報に記載のものが挙げられ、具体的には、BF3以外の、フッ素原子、(置換)フェニル基及び/又は3級アルキル基が結合したホウ素又はアルミニウム化合物であり、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム及びビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウム等が挙げられる。
これらの中で好ましいものは、触媒活性、1級水酸基生成の選択性の観点から、トリフェニルボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムであり、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムである。
POの付加条件についても上記公報に記載の方法と同様でよく、例えば、生成する開環重合体に対して、好ましくは0.0001〜10重量%、さらに好ましくは0.001〜1重量%の上記触媒を用い、好ましくは0〜250℃、さらに好ましくは20〜180℃で反応させる。
EOを付加する場合は、触媒(α)を用いても通常使用される他の触媒(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸カリウム及びトリエチレンジアミンなどのアルカリ触媒;三フッ化ホウ素、塩化スズ、トリエチルアルミニウム及びへテロポリ酸などの酸触媒;亜鉛ヘキサシアノコバルテート;フォスファゼン化合物など)を用いてもよいが、アルカリ触媒が好ましい。触媒の使用量は特に限定されないが、生成する重合体の重量に基づいて、好ましくは0.0001〜10%、さらに好ましくは0.001〜1%である。
1級水酸基化率の大きなポリオールを得る観点からは、触媒(α)を用いて活性水素含有化合物(H)にPOを付加させた後、EOを付加させることが好ましい。触媒(α)を用いた場合、EO付加させる前のポリオールの末端水酸基の1級水酸基化率は通常50%以上(好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上)と極めて大きいため、少ないEO使用量で末端水酸基の1級水酸基化率を大きくできる。
本発明に用いるポリオール成分(A)は、必要により(a1)以外に下記ポリオール(a2)を含有することができる。
ポリオール(a2):活性水素含有化合物(H)のポリオキシアルキレン付加物であって、水酸基価10〜190、EO含量が31〜95重量%のポリエーテルポリオール。
ポリオール(a2)としては、前記活性水素含有化合物(H)のうち2〜8価又はそれ以上のものにAOが付加された構造の化合物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
AOとしてはPOとEOのみを含有するものが好ましいが、前記の他のAOを、好ましくはAO中10重量%以下(特に5重量%以下)含んでいてもよい。PO及びEOの付加方法としては、PO、EOの順序でブロック付加したものが好ましい。なお、AO付加時に用いる触媒としては、水酸化カリウム等の塩基性触媒等、通常用いられる触媒でよい〔下記(a3)のAO付加物も同様〕。
PO及びEOの付加形式としては、PO、EOのブロック付加であってもランダム付加であってもよいが、ランダム付加が好ましい。
ポリオール(a2)の1分子当たりの数平均官能基数は、硬化時間及びフォームの伸び物性の観点から、2〜8が好ましく、さらに好ましくは3〜6である。(a2)の数平均官能基数が2以上では、硬化時間が短くなり生産性が向上し、8以下では、フォームの伸び物性が向上する。
(a2)の水酸基価は10〜190であり、フォームの硬さを向上する、及びフォームの独立気泡を低減する観点から、好ましくは15〜150、さらに好ましくは20〜120である。(a2)の水酸基価が10以上ではフォーム硬さが向上し、190以下では、フォームの独立気泡が少なくなり、フォームが収縮しにくくなる。
(a2)のEO単位の含有量は31〜95重量%であり、硬化時間を短くする、及びフォームの独立気泡を低減する観点から、好ましくは50〜92重量%、さらに好ましくは60〜90重量%である。(a2)のEO単位の含有量が31%以上であると硬化時間が短くなり、95%以下では、フォームの独立気泡が少なくなり、フォームが収縮しにくくなる。
本発明に用いるポリオール成分(A)は、下記ポリオール(a3)を含有することが好ましい。
ポリオール(a3):活性水素含有化合物(H)のポリオキシアルキレン付加物又は(H)そのものであって、水酸基価340〜1900のポリオール。
本発明の方法におけるポリオール(a3)としては、2〜8価又はそれ以上の、多価アルコール及びアルカノールアミン並びに活性水素含有化合物にAOが付加された構造の化合物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。多価アルコール及びアルカノールアミン並びに活性水素含有化合物としては、具体的には前記のものが挙げられる。
活性水素含有化合物に付加するAOとしては、PO及び/又はEO、特にPOのみ又はEOのみを含有するものが好ましいが、前記の他のAOを、好ましくはAO中10重量%以下(特に5重量%以下)含んでいてもよい。
ポリオール(a3)の1分子当たりの数平均官能基数は、硬化時間及びフォームの伸び物性の観点から、2〜8が好ましく、さらに好ましくは3〜6である。(a3)の数平均官能基数が2以上では、硬化時間が短くなり生産性が向上し、8以下では、フォームの伸び物性が向上する。
水酸基価は340〜1900であり、フォームの硬さを向上する、及びフォームの独立気泡を低減する観点から、好ましくは400〜1250である。(a3)の水酸基価が340以上ではフォーム硬さが向上し、1900以下では、フォームの独立気泡が少なくなり、フォームが収縮しにくくなる。
本発明に用いるポリオール成分(A)は、下記ポリオール(a4)を含有することが好ましい。
ポリオール(a4):ポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(m)を通常の方法で重合して製造されるポリマーポリオール。
重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書、特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーイキサイド及び過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩及び過ホウ酸塩等の無機過酸化物等が挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
(m)としては、芳香族ビニル単量体(m1)、不飽和ニトリル(m2)、(メタ)アクリル酸エステル(m3)、その他のビニル単量体(m4)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(m1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロルスチレン等が挙げられる。
(m2)としては、アクリロニトリル及びメタアクリロニトリル等が挙げられる。
(m3)としては、炭素原子、水素原子及び酸素原子から構成されるもの、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜24)〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート及びドコシル(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート〕及びヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート〔例えば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000〕が挙げられる。
(m4)としては、エチレン性不飽和カルボン酸及びその誘導体、具体的には(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリルアミド等;脂肪族又は脂環式炭化水素単量体、具体的にはアルケン(エチレン、プロピレン及びノルボルネン等)、アルカジエン(ブタジエン等)等;フッ素系ビニル単量体、具体的には、フッ素含有(メタ)アクリレート(パーフルオロオクチルエチルメタクリレート及びパーフルオロオクチルエチルアクリレート等)等;塩素系ビニル単量体、具体的には塩化ビニリデン等;上記以外の窒素含有ビニル単量体、具体的には窒素含有(メタ)アクリレート(ジアミノエチルメタクリレート及びモルホリノエチルメタクリレート等)等;及びビニル変性シリコーン等が挙げられる。
これら(m)中で(m1)及び(m2)が好ましく、特に好ましくはスチレン及び/又はアクリロニトリルである。
ビニルモノマー(m)中の、(m1)、(m2)、(m3)及び(m4)の重量比率は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて変えることができ、特に限定されていないが、一例を示すと次の通りである。
(m1)及び/又は(m2)は、(m)の重量を基準として、50〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは80〜100重量%である。(m1)と(m2)の重量比は特に限定されないが、(m1)/(m2)=0/100〜80/20が好ましい。(m3)は、0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜20重量%である。(m4)は、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%である。
また、(m)中に、これらの単官能モノマー以外に、少量(好ましくは0.05〜1重量%)の2官能以上(好ましくは2〜8官能)の多官能ビニルモノマー(m5)を用いることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。(m5)としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8、重合度:2〜10)グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオール(a4)中の(m)の重合体の含有量は、10〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは、20〜40重量%である。重合体の含有量が10%重量以上では十分なフォーム硬さが発現でき、50重量%以下では(a4)の粘度が低くなり取扱いが容易である。
本発明において、ポリオール(a3)〜(a4)は、下記のように取り扱う。
ポリオール(a3)に該当するものであっても、(a1)に該当するものは、(a1)として取り扱う。
ポリオール(a4)に該当するものであっても、(a4)に用いるポリオールが(a1)に該当するものは、そのポリオールを(a1)として取り扱う。
ポリオール成分(A)中の(a1)の含有量は、10〜89.4重量%が好ましく、さらに好ましくは12〜87重量%、特に好ましくは13〜83重量%である。
(a1)が10重量%以上であるとフォームの伸び物性が良好であり、89.4重量%以下であるとフォームの硬さが不足することがない。
ポリオール成分(A)に(a2)を用いる場合、その含有量は、0.1〜15重量%が好ましく、さらに好ましくは0.15〜5重量%、特に好ましくは0.2〜4重量%である。
(a2)が0.1重量%以上では独立気泡が多くなることがなく、15重量%以下であると硬化時間が長くならない。
ポリオール成分(A)中の(a3)の含有量は、0.5〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは、1〜10重量%、特に好ましくは2〜9重量%である。
(a3)が0.5重量%以上ではフォームの硬さが不足することはなく、20重量%以下であると独立気泡が多くなることがない。
ポリオール成分(A)中の(a4)の含有量は、10〜79.4重量%が好ましく、さらに好ましくは12〜77重量%、特に好ましくは15〜75重量%である。
(a4)が10重量%以上ではフォームの硬さが不足することがなく、79.4重量%以下では伸び物性が低下することがない。
なお、ポリオール成分(A)中には、(a1)、(a3)、(a4)及び必要により(a2)のみを含有するのが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲(好ましくは5重量%以下)で、これら以外の成分を含有してもよい。
本発明で使用される有機ポリイソシアネート成分(B)としては、イソシアネート基を分子内に2個以上有する化合物であればよく、ポリウレタンフォームの製造に通常使用されるものを用いることができる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、又はオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI、ひまし油変性MDI等が挙げられる。
(B)としては、フォームの機械物性の観点から、好ましくは芳香族ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、60重量%以上の、TDI、粗製TDI、及びそれらの変性物から選ばれる1種以上のポリイソシアネート(これらのイソシアネートをTDI系ポリイソシアネートと表記する。)と、40%重量以下の他のポリイソシアネート(好ましくはMDI、粗製MDI、及びこれらのイソシアネートの変性物から選ばれる1種以上)とからなるものである。特に好ましくは、TDI系ポリイソシアネートの量が70〜95重量%のものである。
本発明における整泡剤(C)としては、表面張力の関係が下記式(1)を満たす整泡剤であり、好ましくは下記式(2)を満たす整泡剤、さらに好ましくは下記式(3)を満たす整泡剤である。
0<[γps−γws]<10 (1)
0<[γps−γws]<5 (2)
0<[γps−γws]<2 (3)
[γps−γws]が0以下では、フォームの独立気泡が多く、フォームが収縮しやすく、10以上では、発泡終了直前の硬化が不十分でフォームが崩壊しやすい。
本発明において、γps及びγwsは、予め試料を一定の割合で均一混合した後に表面張力計により求める。表面張力測定法の詳細を以下に具体的に説明する。
<表面張力測定法>
表面張力γpsは、ポリオール(a1)99.0gと整泡剤(C)1.0gとを均一混合したものを分析用試料とし、ウィルヘルミー式(CBVP式)表面張力計を使用して、25℃の条件下で測定される(単位:mN/m)。
表面張力γwsは、同様に、(C)1.0gと発泡剤(E)99.0gと均一混合したものを分析用試料とし、ウィルヘルミー式(CBVP式)表面張力計を使用して、25℃の条件下で測定される(単位:mN/m)。
整泡剤(C)としては、軟質ウレタンフォームの製造に用いられる整泡剤の内、上記関係式を満たすものが使用できる。
(C)として、具体的にはポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、エボニック デグサ ジャパン製「TEGOSTAB B8737LF2」及び「TEGOSTAB B8738LF2」等]が挙げられる。
整泡剤(C)は、2種以上の整泡剤の混合物でもよく、(C)が混合物の場合には、混合物を用いて測定した表面張力が上記式の関係を満たせばよい。
整泡剤(C)は、フォームの通気性とフォームセルの安定性の観点から、HLBが5以下の整泡剤(c1)とHLBが6以上の整泡剤(c2)との混合物が好ましい。
本発明におけるHLBは、「新・界面活性剤入門」[藤本武彦著、三洋化成工業(株)発行(1992年)、P128−129]記載のグリフィンの方法による下記の式から算出される値である。
HLB =(親水基の重量%)×(1/5)
(c1)として、具体的にはジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、東レダウコーニング(株)製の「SZ−1346E」及び「SZ−1333」等]等のシリコーン整泡剤が挙げられる。
(c2)として、具体的にはジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、東レダウコーニング(株)製の「SZ−1142」及び「SH−192」等]等のシリコーン整泡剤が挙げられる。
(C)の使用量は、ポリオール成分(A)100重量部に対して、フォームの機械物性の観点から、好ましくは0.5〜3重量部、さらに好ましくは0.8〜1.5重量部である。
(C)が(c1)及び(c2)の混合物である場合、(c2)の使用量は、フォームの独立気泡性の観点から、(c1)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは、1〜10重量部である。
本発明において、[γps−γws]を前記式(1)の範囲となるように調整する方法としては、例えば下記の方法が挙げられる。
[γps−γws]が0以下の場合は、用いる整泡剤(C)の分子量を小さくする、および/または、(C)中のジメチルシロキサン鎖部分の重量%が高い組成にする。
また、整泡剤(c1)の使用割合を多くする、および/または、(c1)のHLBを小さくすることで調整することもできる。
[γps−γws]が10以上の場合は、用いる整泡剤(C)の分子量を大きくする、および/または、(C)中のジメチルシロキサン鎖部分の重量%が低い組成にする。
また、整泡剤(c2)の使用割合を多くする、および/または、(c2)のHLBを大きくすることで調整することもできる。
また、(C)の使用量を多くすると[γps−γws]は小さくなり、少なくすると大きくなる。
本発明における触媒(D)としては、ウレタン化反応を促進する触媒が使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン及びそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート等のカルボン酸金属塩;ジブチルチンジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。
触媒(D)の使用量はポリオール成分(A)100重量部に対して、樹脂硬化性の観点から、0.01〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜2重量部である。
本発明における発泡剤(E)としては、水が使用できる。
本発明において、発泡剤として水を使用する場合、水の使用量はポリオール成分(A)100重量部に対して、フォームの機械物性の観点から、好ましくは2.0〜5.5重量部、さらに好ましくは2.5〜5.0重量部である。
発泡剤としては水のみを用いるのが好ましいが。必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等を用いてもよい。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤の具体例としてHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22及びHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、及びHFC−365mfc)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、及びHFC−365mfc及びこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、(A)100重量部当たり、好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは45重量部以下である。
低沸点炭化水素は、沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタン及びこれらの混合物が挙げられる。低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、(A)100重量部当たり、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは25重量部以下である。
また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、(A)100重量部あたり、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは25重量部以下である。
本発明においては、必要により以下に述べるような、他の補助成分を用い、その存在下で反応させてもよい。
例えば、着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系等)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系等)等の公知の補助成分の存在下で反応させることができる。ポリオール成分(A)100重量部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1重量部以下である。難燃剤は、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下である。老化防止剤は、好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。
本発明の製造方法において、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100](NCOインデックス)は、フォームの機械物性の観点から、70〜125が好ましく、さらに好ましくは75〜120、特に好ましくは85〜115である。
本発明において、軟質ポリウレタンフォームは、上記の原料を必須原料として、その他の製造条件としては従来の軟質ウレタンフォームの製造法と同様の条件により製造することができる。製造法の一例を示せば、以下の通りである。まず、ポリオール成分(A)、整泡剤(C)、触媒(D)、発泡剤(E)及び必要により他の補助成分を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機(例えばPEC社製「高圧発泡機」)又は攪拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネート成分(B)を25℃に温調した後、急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を65℃に温調した密閉型もしくは開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型して軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。また、連続発泡しても軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。本発明は、特に密閉型のモールドフォームの製造方法として好適である。
モールドフォームのパック率はフォームの成形性の観点から、80〜150%が好ましく、さらに好ましくは90〜130%が好ましい。
本発明で得られるモールドフォームは、コア密度(kg/m3)が30〜70であることが好ましく、さらに好ましくは、42〜58である。30以上であると湿熱圧縮残留歪率が良好となり、70以下であると軽量となり生産性良好となる。反発弾性(%)は52〜68であることが好ましく、さらに好ましくは、57〜67である。反発弾性(%)が上記範囲内であるとであると、車両座席用クッション材としたときのクッション感が良好である。
本発明で得られるモールドフォームの通気性(cc/cm2/s)は、好ましくは、15以下、さらに好ましくは、5〜10である。通気性が15以下であれば共振倍率が良好となる。
本発明の方法によれば、JASCO B−407規定の振動伝達特性で規定される、共振周波数が3.6Hz以下、共振周波数における振動伝達率(共振倍率)が3.0倍以下の軟質ポリウレタンフォームを容易に得ることができる。このようなフォームは、人が不快と感じる振動領域(4〜10Hz)での振動伝達率が十分に低いため、車両座席用クッション材とした場合の乗り心地が良好である。
また、本発明の製造法により得られる軟質ポリウレタンフォームから構成される車両用座席クッション材は、低密度で高硬度な軟質ポリウレタンフォームであるため、得られたフォームは機械物性の低下はなく、歪特性と耐久特性のよい特徴を有する。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例及び比較例におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1)ポリオール(a1−1):ペンタエリスリトールにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均官能基数4.0、水酸基価32、オキシエチレン単位の含有量1.0%、末端水酸基の1級水酸基比率72%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(2)ポリオール(a1−2):ペンタエリスリトールにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均官能基数4.0、水酸基価32、オキシエチレン単位の含有量4.0%、末端水酸基の1級水酸基比率78%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(3)ポリオール(a1−3):ペンタエリスリトールにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均官能基数4.0、水酸基価28、オキシエチレン単位の含有量4.0%、末端水酸基の1級水酸基比率80%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(4)ポリオール(a1−4):ペンタエリスリトールにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均官能基数4.0、水酸基価32、オキシエチレン単位の含有量4.0%、末端水酸基の1級水酸基比率50%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(5)ポリオール(a1−5):グリセリンにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均官能基数4.0、水酸基価32、オキシエチレン単位の含有量4.0%、末端水酸基の1級水酸基比率76%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(6)ポリオール(a1’−1):ペンタエリスリトールに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均官能基数4.0、水酸基価32.0、オキシエチレン単位の含有量4.0%、末端水酸基の1級水酸基比率10%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(7)ポリオール(a1’−2):ペンタエリスリトールに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均官能基数4.0、水酸基価32.0、オキシエチレン単位の含有量14.0%、末端水酸基の1級水酸基比率80%のポリオキシエチレンプロピレンポリオール。
(8)ポリオール(a3−1):トリエタノールアミン(水酸基価=1130)。
(9)ポリオール(a3−2):ソルビトールのPO付加物(水酸基価=490)。
(10)ポリオール(a4−1):グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均官能基数4.0、水酸基価28.0、オキシエチレン単位の含有量13.5%、末端水酸基の1級水酸基比率82%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール中でアクリロニトリルとスチレンを、アクリロニトリル/スチレン=67/33(重量比)で共重合させた重合体ポリオール[水酸基価=20(重合体含量=30.0%)]。
(11)整泡剤(c1−1):エボニック デグサ ジャパン製「TEGOSTAB B8737LF2」(HLB=2〜5)。
(12)整泡剤(c1−2):東レ ダウコーニング製「DOW CORINING TORAY SZ−1328E」(HLB=3)。
(13)整泡剤(c1−3):東レ ダウコーニング製「DOW CORINING TORAY PRX607」(HLB=5)。
(14)整泡剤(c2−1):東レ ダウコーニング製「DOW CORINING TORAY SH−192」(HLB=7)。
(15)整泡剤(c2−2):東レ ダウコーニング製「DOW CORINING TORAY SZ−1142」(HLB=8)。
(16)触媒(d−1):トリエチレンジアミンの33%エチレングリコール溶液[エアプロダクツジャパン(株)製TEDA−L33]。
(17)触媒(d−2):ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液〔東ソー(株)製TOYOCAT ET〕。
(18)発泡剤(e−1):水。
(19)有機ポリイソシアネートb−1:TDI−80/粗製MDI=80/20(重量比)(イソシアネート基含有量:44.6%)[コスモネートTM−20(三井化学ポリウレタン(株)製)]
実施例1〜10及び比較例1〜4
高圧発泡機(PEC社製MiniRIM機)を用いて表1に示す部数のA成分と、表1に示すイソシアネート指数となる量のB成分を25℃に温調した後、衝突混合させ、65℃に温調した400×400×100mmの密閉モールドに注入し、キュアー時間5分にて成形した。各フォームについて行った以下の物性試験の結果を表1に示す。
<物性試験>
<1>:コア密度(kg/m3
<2>:フォーム硬さ(25%ILD)(N/314cm2
<3>:反発弾性率(%)
<4>:通気性(cc/cm2/s)
<5>:湿熱圧縮残留ひずみ率(%)
<1>〜<5>はJIS K6400に準拠した。
<5>は、温度50℃、湿度95%とした。
フォーム物性の振動特性試験方法及び単位を以下に示す。
JASO B407の試験方法に準拠し、このときの共振周波数(Hz)と共振倍率(倍)について評価を実施した。
Figure 2014194009
以上の結果から、本発明の方法により得られた実施例1〜9のフォームは、比較例1〜4のフォームに比べ成形性、振動特性が良いことがわかる。
本発明の製造方法によれば、成形性が良好で、振動特性が良好な軟質ポリウレタンフォームを製造できるので、得られたポリウレタンフォームは、クッション材として有用であり、特に自動車等の車両座席用の高振動吸収クッション材として有用である。

Claims (4)

  1. ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、整泡剤(C)、触媒(D)及び発泡剤(E)の存在下で反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、(A)が、下記ポリオール(a1)を含有し、下記表面張力γpsと下記表面張力γwsとが下記式(1)の関係を満たす軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ポリオール(a1):活性水素含有化合物(H)のポリオキシプロピレンポリオキシエチレン付加物であって、オキシエチレン単位の含有量が(a1)の重量を基準として0.1〜4重量%であり、末端水酸基の1級水酸基比率(%)が50以上のポリオール。
    表面張力γps:ウィルヘルミー式(CBVP式)表面張力計を使用し、25℃の条件下で求められる(a1)99.0gと(C)1.0gとの混合物の表面張力(単位:mN/m)。
    表面張力γws:ウィルヘルミー式(CBVP式)表面張力計を使用し、25℃の条件下で求められる(C)1.0gと(E)99.0gとの混合物の表面張力(単位:mN/m)。
    0<γps−γws<10 (1)
  2. 整泡剤(C)が、HLBが5以下の整泡剤(c1)と、HLBが6以上の整泡剤(c2)とを含有する請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 整泡剤(c1)100重量部に対して、整泡剤(c2)が0.1〜20重量部である請求項2に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 密閉型のモールドで成形する請求項1〜3記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
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