JP6215285B2 - 軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法 Download PDF

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本発明は、軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、車両用座席のクッション等の用途に適した軟質ポリウレタンモールドフォームを得るための製造方法に関するものである。
軟質ポリウレタンフォームは、自動車等の車両座席クッションに一般的に使用されている。軟質ポリウレタンフォームを製造する場合、型注入から脱型までの時間は通常4〜8分である(非特許文献1参照)。しかし、生産性の向上を目的として、ハイキュアー化(脱型時間の短縮)が求められている。ハイキュアー化の一般的な方法としてはウレタン化触媒の増量や触媒活性のアップがある。しかし、この方法では反応初期の増粘が早いため、注入から型締めまでの間に液が立ち上がってしてしまい、型締め時に形成途中のウレタンフォームが潰され、成形不良の原因となる。またウレタン化触媒の増量はコストアップになり、さらにアミン系触媒は増量に伴って揮発するアミンにより、自動車車内のポリカーボネートが加水分解を起こし、白化する問題も発生している。
このため、ハイキュアーで成形性の良好な軟質ポリウレタンフォームの製造方法が望まれているが、従来の方法(例えば特許文献1参照)では、その両立は困難であった。
ポリウレタン樹脂ハンドブック 184頁(岩田敬治編、日刊工業新聞社刊)
特開2003−246833号公報
本発明の目的は、ハイキュアーで生産性が良好かつポリカーボネートへの汚染性が少ない軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法を提供することにある。
本発明者らはこれらの問題点を解決すべく鋭意検討の結果、特定の構造を有するポリオール成分を用い、反応性型アミン触媒と特定量の非反応性型アミン触媒を併用することにより、ハイキュアー、成形性の良好かつポリカーボネートへの汚染性が少ない軟質ポリウレタンモールドフォームを製造できることを見出し、本発明に達した。
すなわち本発明は、 ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、発泡剤(C)及び触媒(D)の存在下に反応させる軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法において、ポリオール成分(A)中に下記ポリオール(A1)、(A2)及び(A3)を含有し、触媒(D)が非反応性型アミン触媒(D1)及び反応性型アミン触媒(D2)を含有し、(D1)がトリエチレンジアミンのみからなり、(D2)が(A3)以外の化合物であり、(D1)の含有量がポリオール成分(A)100重量部に対して0.001〜0.20重量部であることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法である。
ポリオール(A1):活性水素含有化合物のアルキレンオキサイド付加物であって、エチレンオキサイド単位の含有量が5〜18重量%であり、末端に位置する水酸基の70%以上が1級水酸基であり、水酸基価(mgKOH/g)が20〜45、不飽和度が0.12meq/g以下であるポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオール(A2):ポリオール(A1)中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(v)が重合されて得られた重合体ポリオール。
ポリオール(A3):下記一般式(1)で表されるアミン系ジオール。
[但し、R1およびR2はは独立して炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は独立して水素、またはメチル基であり、Gは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基であり、nは平均が1〜4となる数である。]
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法によれば、従来の方法によるものに比べてウレタン化触媒を増量することなく高反応性で低密度においても耐久性が良く、脱型時間を短縮することが出来、かつポリカーボネートの汚染性が低い軟質ポリウレタンフォームを得ることが出来る。
本発明における軟質ポリウレタンモールドフォーム製造に用いるポリオール成分(A)は、下記ポリオール(A1)、(A2)及び(A3)を含有する。
ポリオール(A1)は、活性水素含有化合物のアルキレンオキサイド付加物である。活性水素化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、リン酸化合物;分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
水酸基含有化合物としては、水、2〜8価の多価アルコール、多価フェノール等が挙げられる。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリト―ル、ソルビト―ル及びショ糖等の4〜8価のアルコ―ル;ピロガロ―ル、カテコール及びヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である
アミン基含有化合物としては、アルカノールアミン、ポリアミン及びモノアミンが挙げられる。
アルカノールアミンとしては、炭素数2〜20のモノ−、ジ−及びトリ−アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びイソプロパノールアミン)等が挙げられる。
ポリアミン(1,2級アミノ基の数:2〜8個)としては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜 ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン)等が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式ポリアミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式ポリアミン(例えば、ピペラジン及びアミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
モノアミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミン及びオクチルアミン);炭素数6〜20の芳香族モノアミン(例えば、アニリン及びトルイジン);炭素数4〜20の脂環式モノアミン(例えば、シクロヘキシルアミン);炭素数4〜20の複素環式モノアミン(例えば、ピペリジン)等が挙げられる。
多価(2〜8価)フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールスルホン等のビスフェノール;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸等)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等)及びこれらの2種以上の混合物があげられる。
これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましくは多価アルコールである。
上記活性水素含有化合物に付加させるAOとしては、プロピレンオキシド(以下POと略称する。)及びエチレンオキシド(以下EOと略称する。)が好ましい。AOは、これらのみを含有することが好ましいが、AO中10重量%以下(特に5重量%以下)の範囲で他のAOを併用してもよい。他のAOとしては、炭素数4〜8のものが好ましく、1,2−、1,3−、1,4−及び2,3−ブチレンオキシド並びにスチレンオキシド等が挙げられ、2種以上用いてもよい。
ポリオール(A1)の数平均官能基数は2〜4が好ましく、さらに好ましくは3〜4である。この範囲以外の官能基数のものが含まれていても、数平均官能基数が2〜4となればよい(他のポリオールの数平均官能基数についても同様)。なお、本発明において、ポリオールの官能基数は、出発物質の官能基数と同一であるとみなす。
(A1)の数平均官能基数が2以上では硬化時間が短くなり生産性が向上し、4以下であるとフォームの伸び物性が向上する。
(A1)の水酸基価(mgKOH/g)はフォームの成形性の観点から20〜45であり、好ましくは25〜40である。水酸基価が20未満ではフォーム硬さが低下し、45を越えるとフォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮しやすくなる。
なお、本発明における水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
ポリオール(A1)の重量を基準とするEO単位の含有量は、ポリウレタンの機械物性の観点から5〜18重量%であり、好ましくは7〜16重量%である。
ポリオール(A1)の全末端水酸基に占める1級水酸基の割合(1級水酸基率)は、フォームの振動特性の観点から70%以上であり、好ましくは80%以上である。
本発明において、1級水酸基率は、予め試料をエステル化の前処理した後に、1H−NMR法により測定し、算出する。
1級水酸基率の測定方法を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<1級水酸基率の計算方法>
上に述べた前処理の方法により、ポリオキシアルキレンポリオールの末端の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される(重水素化クロロホルムを溶媒として使用)。1級水酸基率は次の計算式により算出する。
1級水酸基率(%)=[a/(a+2×b)]×100
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値;bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
ポリオール(A1)の不飽和度(meq/g)は、ポリウレタンの機械物性の観点から、0〜0.12の範囲である。
本発明における不飽和度の測定方法および単位を以下に示す。
不飽和度:JIS K1557−3に準拠、単位はmeq/g
ポリオール(A1)の数平均分子量は、ポリオール成分の用途、例えば製造するポリウレタンフォームの要求物性により適宜選択され、特に限定はされないが、ポリウレタンの機械物性の観点から、400〜100,000が好ましく、更に好ましくは400〜20,000である。
ポリオール(A1)の具体例としては、水のPO付加物、グリセリンのPO付加物、水のPO・ブチレンオキサイド共重合付加物、水のPO・ブチレンオキサイドの共重合付加物、グリセリンのPO・ブチレンオキサイドの共重合付加物及びペンタエリスリトールのPO・EO共重合付加物等が挙げられる。
ポリオール(A1)は、反応性の観点から、亜鉛、鉄、コバルト、クロム、及びマンガンの内の1種又は2種以上の合計含有量が2ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは1ppm以下である。
ポリオール(A1)を合成するための、PO付加後の1級水酸基率が高くなる好ましい触媒(α)としては、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムが挙げられる。
他の触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸カリウム、トリエチレンジアミン等の塩基性触媒;三フッ化ホウ素、塩化スズ、トリエチルアルミニウム、へテロポリ酸等の酸触媒;亜鉛ヘキサシアノコバルテート;フォスファゼン化合物等が挙げられる。これらの中では塩基性触媒が好ましい。
触媒の使用量は特に限定されないが、製造するAO付加物に対して0.0001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0005〜1重量%である。
触媒(α)を用いた場合、末端EO付加物の場合に、EO付加させる前のPOなどの1,2−アルキレンオキサイド付加物の末端水酸基の1級水酸基率が通常40%以上(好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上)と極めて大きいため、少ないEO使用量で末端水酸基の1級水酸基率を大きくできる。なお、上記EO付加に用いる触媒は、触媒(α)をそのまま用いても、それに代えて通常使用される他の触媒等を用いてもよい。
他の触媒としては、前記のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
触媒(α)を用いて得られたポリオール(A1)を使用したポリウレタンフォームは、反発弾性が良好となる傾向がある。
ポリオール(A2)は、前記ポリオール(A1)中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(v)が重合されて得られた重合体ポリオールである。
重合体ポリオール(A2)は、ポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(v)を通常の方法で重合して製造することができる。重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書、特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーイキサイド及び過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩及び過ホウ酸塩等の無機過酸化物等が挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
ビニルモノマー(v)としては、芳香族ビニル単量体(v1)、不飽和ニトリル(v2)、(メタ)アクリル酸エステル(v3)、その他のビニル単量体(v4)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(v1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
(v2)としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。
(v3)としては、C、H及びO原子から構成されるもの、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜24)〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート〕及びヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート〔例えば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000〕が挙げられる。
(v4)としては、エチレン性不飽和カルボン酸及びその誘導体、具体的には(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド等;脂肪族もしくは脂環式炭化水素単量体、具体的にはアルケン(エチレン、プロピレン、ノルボルネン等)、アルカジエン(ブタジエン等)等;フッ素系ビニル単量体、具体的には、フッ素含有(メタ)アクリレート(パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート等)等;塩素系ビニル単量体、具体的には塩化ビニリデン等;上記以外の窒素含有ビニル単量体、具体的には窒素含有(メタ)アクリレート(ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート等)等;及びビニル変性シリコーン等が挙げられる。
これら(v)中で好ましいものは、(v1)及び(v2)であり、とくにスチレン及び/又はアクリロニトリルである。
ビニルモノマー(v)中の、(v1)、(v2)、(v3)及び(v4)の重量比率は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて変えることができ、特に限定されていないが、一例を示すと次の通りである。
(v1)及び(v2)の合計は、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%である。(v1)と(v2)の重量比はとくに限定されないが、好ましくは10/90〜100/0である。(v3)は、好ましくは0〜50重量%、さらに好ましくは0〜20重量%である。(v4)は、好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%である。
また、(v)中に、これらの単官能モノマー以外に、少量(好ましくは0.05〜1重量%)の2官能以上(好ましくは2〜8官能)の多官能ビニルモノマー(v5)を用いることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。(v5)としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8、重合度:2〜10)グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(v)中のスチレンの含有量は、フォームの難燃性の観点から、(v)の重量を基準として、10〜100重量%であり、好ましくは15〜90重量%、さらに好ましくは26〜80重量%である。
ポリオール(A2)において、(v)の重合体の含有量は、(A2)の重量を基準として、25〜60重量%であり、好ましくは、26〜50重量%である。重合体の含有量が25重量%未満では十分なフォーム硬さが発現できず、60重量%を超えると(A2)の粘度が低くなり取扱いが難しい。
(A2)において、重合体粒子の体積平均粒子径(R)は、フォームの機械物性の観点から、0.9μm以下であるのが好ましい。0.9μm以下であるとフォームの成形性が良好である。
重合体粒子の体積平均粒子径(R)をより小さくする方法としては、重合体粒子を構成するビニルモノマー(v)中の、(v2)の比率を高くする方法等が挙げられる。
重合体粒子の体積平均粒子径(R)の測定方法を以下に具体的に説明する。
得られた重合体ポリオールを、レーザー光の透過率が70〜90%となるように、それに用いたポリオールで希釈し、下記の粒度分布測定装置にて10μm以上の粒子の含有量(体積%)及び体積平均粒子径(μm)を測定した。
装置:堀場製作所製 LA−750
測定原理:Mie散乱理論
測定範囲:0.04μm〜262μm
溶液注入量:He−Neレーザー
測定時間:20秒
<体積平均粒子径>
以下の式による。
体積平均粒子径(μm)=Σ〔q(J)×X(J)〕/Σ〔q(J)〕
J:粒子径分割番号(1〜85)
q(J):頻度分布値(体積%)
X(J):粒子径分割番号J番目の粒子径(μm)
ポリオール(A3)は、下記一般式(1)で表されるアミン系ジオールであり、通常、N,N−ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜4)アミンにEOおよび/またはPOが付加されて得られる。
但し、R1およびR2は、独立して炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)であり、好ましくはメチル基およびエチル基である。R3は独立して水素、またはメチル基である。Gは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基(エチレン基、プロピレン基等)であり、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。nは平均が1〜4となる数であり、好ましくは1〜3である。
(A3)の具体例としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO2〜4モル付加物、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのEO2〜4モル付加物、N,N−ジエチルアミノプロピルアミンのPO2〜4モル付加物、N,N−ジエチルアミノプロピルアミンのEO2〜4モル付加物 N,N−ジメチルアミノエチルアミンのPO2〜4モル付加物、N,N−ジメチルアミノエチルアミンのEO2〜4モル付加物が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO2モル付加物である。
ポリオール成分(A)中には、ポリオール(A1)、(A2)および(A3)以外に、さらに必要により、他のポリオール(A4)及び/又は(A5)を含有してもよい。
本発明において、ポリオール(A4)は、数平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が20〜130mgKOH/gであり、オキシアルキレン基の炭素数が2及び3であり、オキシエチレン単位(EO付加物の場合はEO単位)の含有量が50〜80重量%であるポリオキシアルキレンポリオールである。
ポリオール(A4)としては、前記活性水素含有化合物のうち2〜8価のものにAOが付加された構造の化合物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
AOとしてはPOとEOのみを含有するものが好ましいが、AO中10重量%以下(とくに5重量%以下)の範囲で前記の他のAOを含有してもよい。
PO及びEOの付加形式としては、PO、EOのブロック付加であってもランダム付加であってもよいが、ランダム付加が好ましい。
ポリオール(A4)の数平均官能基数は2〜8であり、好ましくは3〜4である。(A3)の数平均官能基数が2以上では、硬化時間が短くなり生産性が向上し、8以下であると、フォームの伸び物性が向上する。
(A4)の水酸基価(mgKOH/g)は20〜130であり、好ましくは21〜120、さらに好ましくは22〜100、とくに好ましくは22〜40である。水酸基価が20以上ではフォーム硬さが向上し、130以下であると、フォームの独立気泡が少なくなり、フォームが収縮しにくくなる。
(A4)のオキシエチレン単位の含有量は50〜80重量%であり、好ましくは55〜78重量%、さらに好ましくは60〜76重量%である。EO単位の含有量が50重量%以上であると硬化時間が短くなり、80重量%以下であると、フォームの独立気泡が少なくなり、フォームが収縮しにくくなる。
ポリオ−ル(A4)のうち、フォーム通気性の観点から、オキシエチレン単位の含有量が50〜80重量%であり、EO/POランダム付加物であるポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
本発明において、ポリオール(A5)としては、脂肪族アミンのAO付加物(A5−1)、多価アルコール、多価フェノール、及びそれらのAO付加物(A5−2)、ポリエステルポリオール(A5−3)から選ばれる、(A1)、(A2)、(A3)および(A4)以外のポリオール等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
(A5−1)の脂肪族アミンとしては、1級及び/又は2級アミンが挙げられ、1級及び/又は2級アミノ基の数は、1〜4個が好ましく、更に好ましくは1〜3個であり、アミノ基に由来する活性水素の数は、2〜8個が好ましく、更に好ましくは2〜4個である。
(A5−1)として具体的には、アルカノールアミン、C1〜20のアルキルアミン、C2〜6のアルキレンジアミン及びアルキレン基のCが2〜6のポリアルキレンポリアミン(重合度2〜8)等が挙げられる。(A5−1)としては、アルカノールアミン及びアルキレンジアミンが好ましい。
(A5−1)において付加するAOとして、軟質ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、PO及び/又はEOを主成分とし、必要により20重量%以下の他のAOを含むものが好ましく、特に好ましくはPO及びPOとEOとの併用である。
(A5−2)の多価アルコールおよび多価フェノールとしては、(A1)と同様のものが挙げられる。
他のポリオール(A5)の水酸基価(mgKOH/g)は、軟質ポリウレタンフォームの機械物性の観点から10〜2000が好ましく、さらに好ましくは20〜1900、とくに好ましくは100〜1850である。
本発明に用いるポリオール成分(A)の合計重量〔ビニルモノマー(v)の重合体の重量を除く〕を基準とするEO単位の含有量は、歪特性や耐久特性の観点から、好ましくは0〜18重量%であり、さらに好ましくは5〜16重量%である。
ポリオール成分(A)中の各ポリオールの含有量に関しては、以下のとおりである。
ポリオール(A1)は、成形性の観点から、好ましくは20〜88重量%、さらに好ましくは40〜78重量%である。ポリオール(A2)は、機械物性の観点から、好ましくは10〜78重量%、さらに好ましくは20〜58重量%である。ポリオール(A3)は、成形性の観点から、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%である。ポリオール(A4)は、成形性の観点から、好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。ポリオール(A5)は、機械物性の観点から、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。
ポリオール成分(A)の重量を基準とするポリオール(A1)および(A2)の合計含有量は、軟質ポリウレタンフォームの機械物性の観点から50〜99.9重量%が好ましく、さらに好ましくは70〜99重量%、とくに好ましくは80〜98重量%である。
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法に用いる有機ポリイソシアネート成分(B)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、又はオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、C(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、C6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、C6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、C6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、C8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
これらの中で好ましいものは、芳香族ポリイソシアネート及びその変性物である。
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法においては、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)の他に、発泡剤(C)を用いる。必要により、その他の添加剤を用いてもよい。
発泡剤(C)としては、水を含有し、他に公知の発泡剤を含有するのが好ましい。公知の発泡剤としては、例えば、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素及び液化炭酸ガス等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、塩化メチレンやHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123及びHCFC−141b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HFC−245fa及びHFC−365mfc);HFO(ハイドロフルオロオレフィン)タイプのもの(例えば、HFO−1336mzzZ)等が挙げられる。
低沸点炭化水素は、沸点が通常−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンが挙げられる。
ポリオール成分(A)の重量に基づく水の使用量は、フォームの成形性及び密度の観点から、ポリオール成分(A)の重量に基づいて、1.0〜6.0重量%が好ましく、さらに好ましくは2.0〜5.0重量%である。
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法においては、触媒(D)を用いる。
触媒(D)としては、フォギング及びポリカーボネートへの汚染性及びウレタンフォームの成形性の点から、非反応性型アミン触媒(D1)と反応性型アミン触媒(D2)を併用する。(D1)を用いないと、フォームを成形することができない。
非反応性型アミン触媒(D1)としては、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、トリエチレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−エチルモルホリン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアミノビシクロオクタン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール及び1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7等の、活性水素を含有しない3級アミン触媒が挙げられる。
反応性型アミン触媒(D2)としては、活性水素(例えば、水酸基、チオール基、カルボキシル基、好ましくは水酸基)を有する3級アミン触媒が挙げられ、具体例としては、ジメチルエタノールアミンジエチルエタノールアミン、ジメチルヘキサノールアミン、エアプロダクツジャパン(株)社製「DABCO NE300」、「DABCO1070」、花王(株)社製「カオライザーNo23NP」、「カオライザーNo25」、「カオライザーNo26」、「カオライザーNo27」、「カオライザーNo28」、「カオライザーP−200」、東ソー(株)社製「TOYOCAT HX63」、「TOYOCAT HX70」、「TOYOCAT RX20」、「TOYOCAT RX21」、「TOYOCAT RX24」、「RZETA」等が挙げられる。
触媒(D)としては、上記非反応性型アミン触媒(D1)及び反応性型アミン触媒(D2)以外に、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、例として、3級アミンのカルボン酸塩、有機金属化合物(D3)が挙げられる。
(D3)としては、オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ及びオクチル酸鉛等が挙げられる。
触媒(D)の使用量は、機械物性(引張強度、引裂強度、圧縮硬さ)向上の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分(A)100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0重量部である。
触媒(D)のうち非反応性型アミン触媒(D1)の使用量は、フォギング及びポリカーボネートへの汚染性の観点から、ポリオール成分(A)100重量部に対して、0.001〜0.20重量部であり、好ましくは0.01〜0.15重量部である。
非反応性型アミン触媒(D1)中のビス(ジメチルアミノエチル)エ−テルの使用量は、フォギング及びポリカーボネートへの汚染性の点から、ポリオール成分(A)100重量部に対して、0〜0.03重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0〜0.01重量部である。
その他の添加剤としては、整泡剤(ジメチルシロキサン系、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系等)、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等が挙げられ、これらの公知の添加剤の存在下で反応させることができる。
ポリオール成分(A)の重量に基づくその他の添加剤の使用量に関しては、整泡剤は、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。着色剤は、1重量%以下が好ましい。可塑剤は、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5重量%以下である。有機充填剤は、50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは30重量%以下である。難燃剤は、30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜20重量%である。老化防止剤は、1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。抗酸化剤は、1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。他の添加剤の合計使用量は、50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30重量%である。
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法において、フォーム製造の際のイソシアネート指数(NCO INDEX)[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、60〜150が好ましく、さらに好ましくは70〜135、特に好ましくは80〜120である。
また、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)を反応させる条件は、通常用いられる公知の条件でよい。
一例を示せば、まず、ポリオール成分(A)、発砲剤、及び必要により他の添加剤を所定量混合する。次いで、ポリウレタン低圧又は高圧注入発泡機又は撹拌機を使用して、この混合物(ポリオールプレミックス)とイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液を密閉型もしくは開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。
本発明の製造方法によれば、モールド温度が55〜75℃でモールド発泡させた場合、原料の注入から脱型までの時間(キュアー時間)を2分以上4分未満(好ましくは2〜3.8分)とハイキュアー化し、かつ成形性の良好なコールドキュア軟質ポリウレタンフォームを、容易に製造することができる。
本発明の製造方法で得られる軟質ポリウレタンモールドフォームは、コア密度が35〜60kg/m3であるのが好ましい。コア密度の測定は、ポリウレタンフォームの物性の測定に関するJIS K6401の方法に基づいて行うことができる。
反発弾性(%)は、車両座席用クッション材としたときのクッション感の観点から、65%以上であることが好ましい。伸び率(%)は、フォームの機械物性の観点から、100%以上であることが好ましい。湿熱圧縮残留歪み(%)は、車両座席用クッション材としたときの機械物性の観点から20%以下が好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中において、部及び%は、特にことわりのない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
〔実施例1〜10及び比較例1〜5〕
表1に示す部数のポリオールプレミックス(有機ポリイソシアネート以外の成分の混合物)に、NCOインデックス100となるよう所定量の有機ポリイソシアネートBを加えて、ホモディスパー(特殊機化社製攪拌機)にて4000rpmで6秒攪拌後、65℃に温度調節した300mm(長さ)×300mm(幅)×100mm(高さ)のアルミ製モールドに注入し、キュアー時間(原料の注入から脱型までの時間)3分30秒にて成形した。
各フォームの物性値等の測定結果を表1に示す。なお、コア密度はフォームの中心部から100mm×100mm×50mmの大きさに切り出して測定した密度である。
実施例及び比較例におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
1.ポリオール成分(A)
(1)ポリオール(A1−1):ペンタエリスリトールにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、官能基数4.0、水酸基価28、末端EO単位の含有量8.0%、末端水酸基の1級水酸基率85%、不飽和度0.05meq/gのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(2)ポリオール(A1−2):ペンタエリスリトールに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、水酸基価30.5、末端EO単位の含有量16%、末端水酸基の1級水酸基率88%、不飽和度0.04meq/gのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。

(3)ポリオール(A1−3):グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、水酸基価28、末端EO単位の含有量16%、末端水酸基の1級水酸基率85%、不飽和度0.10meq/gのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(4)ポリオール(A1’−4):グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加して得られた、水酸基価34.0、末端水酸基の1級水酸基率2%、不飽和度0.08meq/gのポリオキシプロピレンポリオール。
(5)ポリオール(A1’−5):グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、水酸基価56.1、末端EO単位の含有量20%、末端水酸基の1級水酸基率75%、不飽和度0.04meq/gのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(6)ポリオール(A2−1):ペンタエリスリトールに水酸化カリウムを触媒として用いてPOとEOをブロック付加させて得られた、官能基数4.0、水酸基価32、末端EO単位の含有量12%、末端水酸基の1級水酸基率75%、不飽和度0.08meq/gのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、及びグリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOとEOをブロック付加させて得られた官能基数3.0、水酸基価34、末端EO単位の含有量14%、末端水酸基の1級水酸基率82%、不飽和度0.07meq/gのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールの混合物(重量比:20/80)中で、スチレンとアクリロニトリル(重量比:30/70)を共重合させた重合体ポリオール(重合体含量33.5%)、重合体粒子の体積平均粒子(R)0.4μm。
(7)ポリオール(A3−1):N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO2モル付加物。
(8)ポリオール(A4−1):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒として、EO11.5モル付加し、その後、EO99.9モルとPO34.6モルをランダム付加し、常法により水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオールである。水酸基価=24、EO単位の含有量=70.0%。
(9)ポリオール(A5−1):エチレングリコール。水酸基価=1810。
(10)ポリオール(A5−2):トリエタノールアミン。水酸基価=1130。
(11)ポリオール(A5−3):グリセリン。水酸基価=1829。
2.発泡剤(C)
発泡剤(C−1):水
3.触媒(D)
触媒(D1−1):エアプロダクツジャパン(株)社製「DABCO 33LV」:(トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液)
触媒(D1−2):東ソ−(株)製「TOYOCAT ET」:(ビス(ジメチルアミノエチル)エ−テルの70%ジプロピレングリコール溶液)

触媒(D2−1):エアプロダクツジャパン(株)社製「DABCO NE300」
4.整泡剤(E)
整泡剤(E−1):EVONIK社製「TEGOSTAB B8742LF2」(ポリシロキサン系整泡剤)
整泡剤(E−2):EVONIK社製「TEGOSTAB B8715LF2」(ポリシロキサン系整泡剤)
5.有機ポリイソシアネート成分(B)
イソシアネート(B−1):TDI−80/粗製MDI=80/20(重量比)、NCO%=44.6
フォーム物性の測定方法及び単位を以下に示す。
コア密度 :JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
フォーム硬さ(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm2
湿熱圧縮残留歪み:JIS K6400に準拠、温度50℃、湿度95%とした。単位は%
反発弾性:JIS K6400に準拠、単位は%
伸び率:JIS K6400に準拠、単位は%
ライズタイム:25℃で発泡させた時の、攪拌開始からフォームの最高の高さに達するまでの時間
キュアー性:フォーム脱型後、フォームに指を押し当て、5秒後離した後の押跡を確認し、以下の基準で評価した。
○:指跡が残らない。
×:指跡が残る。
ポリカーボネートの白化試験は以下のとおりで実施した。
ポリカーボネートの試験片と5cm×5cm×10cm×ウレタンフォームを4L缶の中に設置し、さらに水を滴下し、密栓して、90℃に設定したオーブンの中で20時間放置後のポリカーボネートの外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:外観上に変化が見られない。
×:ポリカーボネートの一部に白化が見られる。
表1の結果から、同程度のコア密度(kg/m3)[(41.7〜43.2)の範囲、および(50.0〜51.5)の範囲]で対比すると、実施例では湿熱圧縮残留歪みが小さく、比較例より優れていることが分かる。また、実施例ではポリカーボネートの白化は無いことが分かる。
一方、比較例は湿熱圧縮残留歪みで劣り、比較例1〜3では、白化試験において白化が見られた。なお、比較例4のフォームは、フォームが崩壊し成形できなかった。
これらの結果から、本発明の実施例のみにおいて、低密度でポリカーボネートの汚染が低く、機械物性が良好な軟質ポリウレタンフォームが得られていることが分かる。
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法により得られる軟質ポリウレタンモールドフォームは、従来の方法によるものに比べて高反応性で低密度においても耐久性が良く、ポリカーボネートの汚染性が低い軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
上記効果を奏することから、本発明の製造方法により得られるポリウレタンフォームはシート材として有用である。特に車両用座席用クッション材として著しい有用性を発揮する。

Claims (4)

  1. ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、発泡剤(C)及び触媒(D)の存在下に反応させる軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法において、ポリオール成分(A)中に下記ポリオール(A1)、(A2)及び(A3)を含有し、触媒(D)が非反応性型アミン触媒(D1)及び反応性型アミン触媒(D2)を含有し、(D1)がトリエチレンジアミンのみからなり、(D2)が(A3)以外の化合物であり、(D1)の含有量がポリオール成分(A)100重量部に対して0.001〜0.20重量部であることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
    ポリオール(A1):活性水素含有化合物のアルキレンオキサイド付加物であって、エチレンオキサイド単位の含有量が5〜18重量%であり、末端に位置する水酸基の70%以上が1級水酸基であり、水酸基価(mgKOH/g)が20〜45、不飽和度が0.12meq/g以下であるポリオキシアルキレンポリオール。
    ポリオール(A2):ポリオール(A1)中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(v)が重合されて得られた重合体ポリオール。
    ポリオール(A3):下記一般式(1)で表されるアミン系ジオール。
    [但し、R1およびR2は独立して炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は独立して水素、またはメチル基であり、Gは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基であり、nは平均が1〜4となる数である。]
  2. ポリオール成分(A)中のポリオール(A1)の含有量が20〜88重量%、ポリオール(A2)の含有量が10〜78重量%、ポリオール(A3)の含有量が0.1〜5重量%であり、(A1)および(A2)の合計含有量が50〜99.9重量%である請求項1に記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
  3. モールド温度が55〜75℃、原料の注入から脱型までの時間が2分以上4分未満である請求項1又は2に記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
  4. 得られるフォームのコア密度が35〜60kg/m3、伸び率が100%以上、反発弾性が65%以上かつ湿熱圧縮残留歪みが20%以下である請求項1〜のいずれかに記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
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