JP2010126579A - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低密度で、従来の方法によるものに比べて、反発弾性が高く乗り心地性に優れた軟質ポリウレタンフォームを製造する方法を提供する。
【解決手段】 官能基数2〜8のポリオール及び重合体ポリオールを含むポリオール成分(A)と、特定のポリイソシアネート成分(B)、発泡剤(C)、触媒(D)並びに整泡剤(E)を必須原料として用いる軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、前記官能基数2〜8のポリオールが、水酸基価20〜40mgKOH/g、末端オキシエチレン単位5〜25重量%である官能基数3のポリエーテルポリオール及び官能基数4のポリエーテルポリオールを含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、車両用座席のクッション等の用途に適した軟質ポリウレタンフォームの製造方法、得られた軟質ポリウレタンフォームおよび車両用座席クッション材に関するものである。
従来、軟質ポリウレタンフォームは、その優れたクッション性を生かし、自動車などのクッション材に広く使用されてきた。特にジフェニルメタンジイソシアネートおよびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートをイソシアネートの主成分として用いて軟質ポリウレタンフォームを得る方法は、生産性の向上および毒性の強いトリレンジイソシアネートの使用を少なくすることで、作業環境が向上することから、近年非常に注目されている。この軟質ポリウレタンフォームからなるクッションの製造方法として、特定のポリオールと重合体ポリオールを含有するポリオール成分と、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートおよび/またはそれらの変性物を主成分とするポリイソシアネート成分とを用いる製造方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)この方法で製造された軟質ポリウレタンフォームは、低密度で成形性が良いという特徴を有している。
特開平7−206961号公報
近年、車両用座席の背もたれ用として、低密度で乗り心地性が優れているクッション材が求められている。しかしながら、上記製造方法では、低密度であっても、反発弾性が低く乗り心地性が十分ではないという問題がある。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討の末、特定の含有比率のポリオール成分と特定のイソシアネートを組み合わせることにより、低密度でありクッション材としての反発弾性が高い軟質ポリウレタンフォームの製造方法を見いだし本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記ポリオール成分(A)、下記ポリイソシアネート成分(B)、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)を必須原料として用いることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法;該製造方法により得られる軟質ポリウレタンフォーム;並びに該軟質ウレタンフォームから構成される車両用座席クッション材;である。
ポリオール成分(A):
官能基数2〜8のポリオール(a)および重合体ポリオール(b)を含有し、前記ポリオール(a)が、官能基数3のポリエーテルポリオール(a1)および官能基数4のポリエーテルポリオール(a2)を含有し、該(a1)および(a2)のいずれもが20〜40mgKOH/gの水酸基価を有し、末端にオキシエチレンが付加されており、かつ末端オキシエチレン単位の含有量が5〜25重量%であり、前記重合体ポリオール(b)が、前記(a1)及び/又は前記(a2)と同じポリエーテルポリオール中でビニルモノマー(v)を重合させて得られる重合体ポリオールであり、ポリオール成分(A)に含まれる、使用された(a1)と(a2)の重量比率[(a1)/(a2)]が(60/40)〜(90/10)である。
ポリイソシアネート成分(B):
ポリイソシアネート成分の50重量%以上が、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートおよびそれらの変性物から選ばれる1種以上のポリイソシアネートであり、50重量%未満がトリレンジイソシアネートである。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、低密度で、従来の方法によるものに比べて、反発弾性が高い軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
本発明におけるポリオ−ル成分(A)のうち、官能基数2〜8のポリオール(a)としては、例えば、2〜8価のアルコール類、フェノール類およびアミン類等の活性水素原子含有化合物のアルキレンオキシド付加物が挙げられ、使用される活性水素原子含有化合物の価数と得られるポリオールの価数とは同じものが得られる。
上記アルコール類としては、例えば、炭素数2〜18の2価アルコール類[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等]、炭素数3〜18の3〜8価のアルコール類[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、グルコース、フラクトース、ショ糖等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。上記フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF等)、フェノール化合物のホルマリン低縮合物(数平均分子量1000以下)(ノボラック樹脂、レゾールの中間体)およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
上記アミン類としては、例えば、アンモニア;アルカノールアミン類[モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等];炭素数1〜20のアルキルアミン類[メチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン等];炭素数2〜6のアルキレンジアミン類[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等];アルキレン基の炭素数が2〜6のポリアルキレンポリアミン類(重合度2〜8)[ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等];炭素数6〜20の芳香族アミン類[アニリン、フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミン等];炭素数4〜15の脂環式アミン類[イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン等];炭素数4〜15の複素環式アミン類[アミノエチルピペラジン、特公昭55−21044号公報記載のもの等]およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
アルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドとしては、炭素数2〜6のアルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,3−プロピレオキシドおよび1,4−ブチレンオキシド等が挙げられる。これらのうち好ましいのは1,2−プロピレンオキシド(以下POと略称する。)およびエチレンオキシド(以下EOと略称する。)である。POおよびEOの付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
本発明における官能基数2〜8のポリオール(a)は、通常、官能基数3のポリエーテルポリオール(a1)および官能基数4のポリエーテルポリオール(a2)を含有し、(a1)及び(a2)はいずれも以下の要件を満たすことが必要である。
(1)20〜40mgKOH/g、好ましくは25〜40mgKOH/gの水酸基価を有すること;(a1)および(a2)の水酸基価が20mgKOH/g未満では圧縮永久歪みが悪くなり、硬化時間も長くなるため実用性に乏しく、40mgKOH/gを超えると独立気泡が多くなるため実用性に乏しい。水酸基価の調整は、官能基数、アルキレンオキシドの種類及び付加モル数で調整することができる。
(2)末端には必ずオキシエチレン基が付加されており、末端オキシエチレン単位の含有量が(a1)又は(a2)の重量に基づいて5〜25重量%、好ましくは8〜20重量%であること;末端オキシエチレン単位の含有量が5重量%未満では発泡終了直前の硬化が不十分でフォームが崩壊しやすく、末端オキシエチレン単位の含有量が25重量%を超えると、独立気泡が多くなりフォームが収縮しやすくなる。
(3)重合体ポリオール(b)が、前記(a1)及び/又は前記(a2)と同じポリエーテルポリオール中でビニルモノマー(v)を重合させて得られる重合体ポリオールであり、ポリオール成分(A)に含まれる、使用された(a1)と(a2)の重量比率[(a1)/(a2)]が(60/40)〜(90/10)、好ましくは(70/30)〜(80/20)であること;(a1)が60未満であると独立気泡が多くなり、フォ−ムの伸び物性が悪くなり、(a1)が90を超えると圧縮永久歪みが悪くなり、硬化時間も長くなるため実用性に乏しくなる。
ポリオール(a)には、前記(a1)および(a2)以外のその他のポリオールを含有することができる。その他のポリオールとしては、下記のポリオール(a3)および下記ポリオール(a4)が挙げられる。
ポリオール(a3):平均官能基数が2〜8、好ましくは2〜6であり、水酸基価が300〜2000mgKOH/g、好ましくは400〜1900mgKOH/gであり、前記活性水素原子含有化合物に炭素数2および/または3のアルキレンオキサイドを付加して得られるポリオール。
ポリオール(a3)のうち、好ましいのは、反応性の観点から、PO単独付加またはEO単独付加物(ポリオキシプロピレンポリオールまたはポリオキシエチレンポリオール)である。ポリオール(a3)の平均官能基数が2以上では圧縮永久歪みがさらに向上し、硬化時間も短くなるためさらに実用的であり、8以下ではフォームの伸び物性がさらに向上する。水酸基価300mgKOH/g以上ではフォームの硬さがさらに十分に発揮でき、2000mgKOH/g以下であればフォーム伸び物性がさらに向上する。
ポリオール(a3)としては、例えば、水酸基価842mgKOH/gのポリオキシエチレンポリオール、および水酸基価1130mgKOH/gのトリエタノールアミン等が挙げられる。
ポリオール(a4):平均官能基数が2〜6、好ましくは2〜4であり、水酸基価が20〜130mgKOH/g、好ましくは22〜120mgKOH/gであり、オキシアルキレン基の炭素数が2および/または3であり、オキシエチレン単位の含有量が50〜80重量%、好ましくは60〜80重量%であるポリエーテルポリオール。ポリオ−ル(a4)のうち、フォーム通気性の観点から好ましいのは、オキシエチレン単位の含有量が50〜80重量%であり、EO/POランダム付加物である。
ポリオール(a4)の平均官能基数が2以上であれば、硬化時間が短くなるためさらに実用的であり、6以下であるとフォームの伸び物性がさらに良好である。オキシエチレン単位の含有量が50重量%以上であれば、フォームの独立気泡がさらに少なくなりフォームが収縮にくくなる傾向にある。水酸基価20mgKOH/g以上であればフォームの硬さがさらに十分になる傾向にあり、130mgKOH/g以下であればフォームの独立気泡がさらに少なくなり、フォームが収縮にくくなる傾向にある。
本発明においては、ポリオール(a)は前記ポリオール(a1)と(a2)を必須のポリオールとするが、さらに前記ポリオール(a3)及び(a4)を含有する場合は、ポリオール(a)の合計重量に基づいて、(a1)と(a2)の合計が88〜98.5重量%、(a3)が1〜8重量%、(a4)が0.5〜4重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、(a1)と(a2)の合計が89〜97.5重量%、(a3)が2〜8重量%、(a4)が0.5〜3重量%である。(a3)が1重量%以上であればフォ−ムの硬さがさらに向上し、8重量%以下であれば伸び物性が向上し易い。(a4)が0.5重量%以上であれば独立気泡がさらに少なくなりやすく、4重量%以下であると硬化時間がさらに短くなる傾向にある。(a1)と(a2)の合計が88重量%以上であるとフォームの伸び物性がさらに良好に発揮できる傾向にあり、98.5重量%以下であればフォームの硬さがさらに充分に発揮できる傾向にある。
本発明におけるポリオール成分(A)のうちの重合体ポリオ−ル(b)は、前記(a1)および/または前記(a2)と同じポリエーテルポリオールの中でビニル系モノマ−(v)を通常の方法で重合して得られた重合体ポリオールである。重合体ポリオールの製造に供されるポリオールとしては、成形性の観点から、好ましくは(a1)である。重合は、通常のラジカル開始剤の存在下にビニル系モノマー(v)を重合させ、安定分散させて得られる。ビニル系モノマー(v)としては、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレートおよびアルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、アクリロニトリルおよびスチレンである。
本発明において、重合体ポリオール(b)中のビニル重合体の含有量は、1〜40重量%が好ましい。1重量%以上であるとフォ−ムの硬さがさらに十分に発揮でき、40重量%以下であると圧縮永久歪みがさらに良好に発揮できる。
本発明におけるポリオール成分(A)において、ポリオール(a)と重合体ポリオール(b)の重量比率は、フォーム硬さの観点から、好ましくは(a)/(b)=50/50〜95/5、さらに好ましくは(a)/(b)=60/40〜90/10である。
本発明におけるポリイソシアネ−ト成分(B)としては、生産性の向上や作業環境の向上などの理由から、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートおよびそれらの変性物から選ばれる1種以上のポリイソシアネート(以下MDIと略称する。)の含有量が50重量%以上、好ましくは60〜90重量%である。上記変性物としては、例えばウレタン変性物、カルボジイミド変性物、アロファネート変性物、ウレア変性物、ビューレット変性物、イソシアヌレート変性物、オキサゾリドン変性物などが挙げられる。他のポリイソシアネートの含有量は50重量%以下、好ましくは10〜40重量%であり、トリレンジイソシアネートである。
本発明における発泡剤(C)としては、水が必須である。その他、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等を用いてもよく、水以外にその他の1種以上を併用してもよい。(C)として水のみを単独で用いる場合の水の使用量は、ポリオール成分(A)100重量部当たり、好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.5〜20重量部、とくに好ましくは2〜6重量部である。他の発泡剤と併用する場合の水の使用量は、ポリオール成分(A)の重量に基づいて、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは2〜6重量部である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245faおよびHFC−365mfc)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfcおよびこれらの2種以上の混合物である。水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリエーテル成分(A)100重量部あたり、好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは5〜45重量部である。
前記低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜50℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリエーテル成分(A)100重量部あたり、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは5〜30重量部である。また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、ポリエーテル成分(A)100重量部あたり、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは25重量部以下である。
本発明における触媒(D)としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒が使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミンおよびそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート等のカルボン酸金属塩;ジブチルチンジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。触媒(D)の使用量はポリエーテル成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜2重量部である。
本発明の製造方法における整泡剤(E)としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものが使用でき、例として、ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、東レダウコーニング(株)製の「SRX−253」等]、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製の「L−3640」、東レダウコーニング(株)製の「SF−2962」、「SZ−1327」、ゴールドシュミット製の「TEGOSTAB B8715LF」等]のシリコーン整泡剤が挙げられる。整泡剤(E)の使用量は、ポリエーテル成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.5〜3重量部、さらに好ましくは0.8〜2.0重量部である。
本発明の製造方法においては、必要により、さらに以下に述べるようなその他の添加剤を用い、その存在下で反応させてもよい。例えば、着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類など)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)などの通常の補助成分の存在下で反応させることができる。ポリオール成分(A)100重量部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1重量部以下である。難燃剤は、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下である。老化防止剤は、好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。
本発明の製造方法において、ポリウレタンの製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基の当量比)×100](以下、インデックスと称する)は、好ましくは70〜125、さらに好ましくは75〜120、特に好ましくは80〜115である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは上記の原料を必須原料として、通常の軟質ウレタンフォームの製造法により得ることができる。製造法の一例を示せば、以下の通りである。まず、ポリオール成分(A)、発泡剤(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、および必要により他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機(例えばPEC社製「高圧発泡機」)または攪拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネート成分(B)を25℃に温調した後、急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を65℃に温調した密閉型もしくは開放型のモールド(金属製または樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型して軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。また、連続発泡しても軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。本発明は、とくにモールドフォームの製造方法として好適である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、好ましくは全密度が28〜50kg/m3、さらに好ましくは33〜45kg/m2であって、好ましくは反発弾性が60〜75%、さらに好ましくは63〜75%である。全密度28kg/m3以上では、さらに湿熱圧縮応力歪みが向上し、50kg/m3以下では、さらにフォーム通気性が向上する。反発弾性が60%以上では乗り心地がさらに向上する。なお、全密度および反発弾性の測定は、ポリウレタンフォームの物性の測定に関するJIS K 6401の方法に基づいて行うことができる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームから構成される車両用座席クッション材は、上記の原料を必須原料として、通常の車両用座席クッション材の製造方法により得ることが出来る。製造方法の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール成分(A)、発泡剤(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、および必要により他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機(例えばPEC社製「高圧発泡機」)または攪拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネート成分(B)を25℃に温調した後、急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を65℃に温調した車両用座席用の密閉型もしくは開放型のモールド(金属製または樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型して車両用座席クッション材用軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。また、連続発泡しても車両用座席クッション材用軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。本発明は、とくにモールドフォームの製造方法として好適である。本発明の軟質ウレタンフォームから構成される車両用座席クッション材は反発弾性が高く、車両用座席として乗り心地のよい特徴を有する。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例および比較例中において、部および%は、特にことわりのないかぎり、それぞれ重量部および重量%を示す。
実施例および比較例における原料は次の通りである。(以下、EO単位とは、オキシエチレン単位を意味する。)
<ポリオール(a1)としての原料>
ポリオール(a1−1):グリセリンにPOを85.4モル付加し、その後EOを21.9モル付加したもの、官能基数3、水酸基価28mgKOH/g、末端EO単位16%、
ポリオール(a1−2):グリセリンにPOを72.5モル付加し、その後EOを15.9モル付加したもの、官能基数3、水酸基価34mgKOH/g、末端EO単位14%、
<ポリオール(a2)としての原料>
ポリオール(a2−1):ペンタエリスリトールにPOを101.4モル付加し、その後EOを19.1モル付加したもの、官能基数4、水酸基価32.1mgKOH/g、末端EO単位12%、
<重合体ポリオール(b)としての原料>
重合体ポリオール(b−1):ポリオール(a1−2)中でアクリロニトリルを130℃で重合させた重合体ポリオール、水酸基価28mgKOH/g(重合体含量20重量%)。
重合体ポリオール(b−2):ポリオール(a1−2)/(a2−1)=80/20中でアクリロニトリルとスチレンを、アクリロニトリル/スチレン=70/30で共重合させた重合体ポリオール、水酸基価26.7mgKOH/g(重合体含量40重量%)。
<ポリオール(a3)としての原料>
ポリオ−ル(a3−1):官能基数6、水酸基価1246mgKOH/g、EO単位の含有量=55%のポリオキシエチレンポリオール。
ポリオ−ル(a3−2):官能基数3、水酸基価842mgKOH/gのポリオキシエチレンポリオール。
ポリオール(a3−3):官能基数3、水酸基価1130mgKOH/gのトリエタノールアミン。
<ポリオール(a4)としての原料>
ポリオール(a4−1):官能基数3、水酸基価24mgKOH/g、EO単位の含有量=70%のランダム付加のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
<その他の原料>
発泡剤(C):水
触媒(D−1):トリエチレンジアミンのエチレングリコール溶液〔東ソー(株)製「TEDA−L33」〕
触媒(D−2):ビス(ジメチルアミノエチル)エ−テルの70%ジプロピレングリコール溶液〔東ソ−(株)製「TOYOCAT ET」〕
整泡剤(E−1):ゴールドシュミット製「TEGOSTAB B8715LF」
整泡剤(E−2):モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製「L−3640」
イソシアネート(B−1):TDI−80/粗製MDI=35/65(重量比)、NCO%=35.6
イソシアネート(B−2):TDI−80/粗製MDI=20/80(重量比)、NCO%=32.0
実施例1〜7および比較例1〜5
高圧発泡機(PEC社製)を用いて、表1及び表2に示すポリオール成分とポリイソシアネート成分を25℃に温調した後、衝突混合させ、65℃に温調した400×400×100mmの密閉モ−ルドに注入し、キュアー時間6分にて成形した。各フォ−ムの物性値の測定結果を表1及び表2に示す。ポリウレタンフォームの物性の測定は、JIS K 6401の方法に基づいて行った。なお、表1及び表2中の「部」は「重量部」を表す。
Figure 2010126579
Figure 2010126579
以上の結果から、同様の密度のフォームで比較した場合、本発明の方法により得られた実施例1〜7のフォームは、比較例1〜5のフォームに比べ、反発弾性が高い軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、従来の方法によるものに比べて、低密度で反発弾性が高く、車両用座席クッション材に用いたときに乗り心地性に優れた軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。

Claims (6)

  1. 下記ポリオール成分(A)、下記ポリイソシアネート成分(B)、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)を必須原料として用いることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ポリオール成分(A):
    官能基数2〜8のポリオール(a)および重合体ポリオール(b)を含有し、前記ポリオ
    ール(a)が、官能基数3のポリエーテルポリオール(a1)および官能基数4のポリエーテルポリオール(a2)を含有し、該(a1)および(a2)のいずれもが20〜40mgKOH/gの水酸基価を有し、末端にオキシエチレンが付加されており、かつ末端オキシエチレン単位の含有量が5〜25重量%であり、前記重合体ポリオール(b)が、前記(a1)及び/又は前記(a2)と同じポリエーテルポリオール中でビニルモノマー(v)を重合させて得られる重合体ポリオールであり、ポリオール成分(A)に含まれる、使用された(a1)と(a2)の重量比率[(a1)/(a2)]が(60/40)〜(90/10)である。
    ポリイソシアネート成分(B):
    ポリイソシアネート成分の50重量%以上が、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートおよびそれらの変性物から選ばれる1種以上のポリイソシアネートであり、50重量%未満がトリレンジイソシアネートである。
  2. 前記ポリオール成分(a)が、さらに下記ポリオール(a3)およびポリオール(a4)を含有し、ポリオール(a)の合計重量に基づいて、ポリオール(a1)およびポリオール(a2)の合計重量が88〜98.5重量%、下記ポリオール(a3)が1〜8重量%、下記ポリオール(a4)が0.5〜4重量%である請求項1記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ポリオール(a3):
    平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が300〜2000mgKOH/gであり、活性水素原子含有化合物に炭素数2および/または3のアルキレンオキサイドを付加して得られるポリオール。
    ポリオール(a4):
    平均官能基数が2〜6であり、水酸基価が20〜130mgKOH/gであり、オキシアルキレン基の炭素数が2および/または3であり、オキシエチレン単位の含有量が50〜80重量%であるポリエーテルポリオール。
  3. 重合体ポリオール(b)の重量に基づいて、ビニルモノマー(v)の重合体の含有量が、1〜40重量%である請求項1または2記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の製造方法により得られる軟質ポリウレタンフォーム。
  5. 全密度が28〜50kg/m3であって、反発弾性が60〜75%である請求項4記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  6. 請求項4または5記載の軟質ポリウレタンフォームから構成される車両用座席クッション材。
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