JP2005075860A - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原料貯蔵安定性に優れ、寸法安定性に優れる、水を発泡剤として用いた軽量連続気泡性硬質フォームの製造方法の提供。
【解決手段】ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて連続気泡性の硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、水酸基価が20〜120mgKOH/gのポリオール(A)を5〜25質量%、水酸基価が300〜850mgKOH/gの含窒素ポリオール(B)を40〜80質量%、水酸基価が300〜1830mgKOH/gの非含窒素ポリオール(C)を5〜30質量%、水酸基価が20〜150mgKOH/gのモノオール(D)を3〜12質量%含む、水酸基価が380mgKOH/g以上であるポリオール混合物を用い、かつ発泡剤として水を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて連続気泡性の硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、水酸基価が20〜120mgKOH/gのポリオール(A)を5〜25質量%、水酸基価が300〜850mgKOH/gの含窒素ポリオール(B)を40〜80質量%、水酸基価が300〜1830mgKOH/gの非含窒素ポリオール(C)を5〜30質量%、水酸基価が20〜150mgKOH/gのモノオール(D)を3〜12質量%含む、水酸基価が380mgKOH/g以上であるポリオール混合物を用い、かつ発泡剤として水を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は硬質発泡合成樹脂およびその製造方法に関する。より詳しくは、発泡剤として比較的多量の水を使用することを特徴とする連続気泡性の硬質ポリウレタンフォーム等の硬質発泡合成樹脂およびその製造方法に関する。
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを発泡剤等の存在下で反応させて、硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリイソシアヌレートフォーム等の硬質発泡合成樹脂(以下、硬質フォームという。)を製造することは広く行われている。この硬質フォームの気泡の状態としては、大きく独立気泡と連続気泡とに分けられる。このうち連続気泡は個々の気泡がつながっており、連続気泡を多く有する(連続気泡性の)硬質フォームは通気性に富む。このような連続気泡性の硬質フォームは、断熱性能は低いが、苛酷な温度条件下での寸法安定性に優れているという特徴を有する。
一方、硬質フォームを製造するための発泡剤としては種々の化合物が知られている。以前は低沸点の含フッ素化合物が主に用いられてきた。しかし環境への負荷を考慮すると含フッ素化合物の使用を削減することが望ましい。そこでその使用量を削減するために、発泡剤として水を多く使用する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3等を参照。)。
しかし、水を多く使用した硬質フォームは、水とポリイソシアネート化合物とが反応して生じるウレア結合の比率が増すため、得られたフォームが脆くなりやすいという問題がある。また、水を多く使用した場合には、原料のポリオール化合物に水等を混合した溶液(ポリオールシステム液)の安定性が悪くなりやすく、ポリオールシステム液が白濁、分離しやすいという問題もある。特に夏季等の高温環境下で長期間保管されたポリオールシステム液では、析出物が発生しやすいという問題が明らかになってきた。これらの白濁が見られたり、さらに進んで析出物が発生したポリオールシステム液を使用すると、製造される硬質フォームが外観不良となりやすく、寸法安定性も悪化しやすい。
さらに水を多く使用した場合には、ポリオールシステム液とイソシアネート化合物との相溶性、混合性が悪くなりやすく、硬質フォームの製造時に微細な気泡を均一に形成しにくく、良好な気泡(特には連続気泡)を形成できず、得られた硬質フォームの外観不良が発生しやすいという問題もある。
前述の特許文献1〜3においては、低分子量ポリオールと高分子ポリオールとの混合ポリオールを用い、さらに改良を加えることにより水を多く使用し、連続気泡性の硬質フォームを製造する提案がなされている。しかしいずれの提案でも金型に注入して製造した場合に、充分に軽量で良好な連続気泡性を示す硬質フォームが製造でき、かつ原料が良好な貯蔵安定性を示す処方は示されていない。
そこで本発明は、特殊な整泡剤を使用することなく、充分に軽量でかつ原料の貯蔵安定性に優れる連続気泡性の硬質フォームの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて連続気泡性の硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、ポリオール化合物として、下記ポリオール(A)を5〜25質量%、下記ポリオール(B)を40〜80質量%、下記ポリオール(C)を5〜30質量%および下記モノオール(D)を3〜12質量%含む、水酸基価が380mgKOH/g以上であるポリオール混合物を用い、発泡剤として水を用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法を提供する。ただしポリオール(A)は、平均水酸基数が2〜8、水酸基価が20〜120mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が5質量%以下、一級水酸基の割合が全水酸基に対して15モル%以下であるポリオキシアルキレンポリオール、ポリオール(B)は、平均水酸基数が3〜8、水酸基価が300〜850mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が5質量%以下、一級水酸基の割合が全水酸基に対して15モル%以下である、窒素原子を有するポリオキシアルキレンポリオール、ポリオール(C)は、平均水酸基数が2〜3、水酸基価が300〜1830mgKOH/gである、窒素原子を有していないポリオール、モノオール(D)は水酸基価が20〜150mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が10〜100質量%であるポリオキシアルキレンモノオールである。これらの態様によれば、高い安定性を有するポリオールシステム液が得られ、また同時に軽量で外観の良好な硬質フォームが得られる。
ここでポリオール(A)が、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびショ糖から選ばれる少なくとも1種の開始剤にアルキレンオキシドを反応させて得られるポリオキシアルキレンポリオールであることが好ましい。またポリオール(B)が、アミン系化合物を開始剤にしてアルキレンオキシドを反応させて得られるポリオキシアルキレンポリオールであることが好ましい。
またポリオール(C)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンからなる多価アルコール類の群から選ばれる1種または2種以上、または、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンおよびトリメチロールプロパンからなる開始剤の群から選ばれる少なくとも1種または2種以上を開始剤として製造されるポリオキシアルキレンポリオールであることが好ましい。またモノオール(D)が、炭素数1〜10のモノオールの1種または2種以上からなる開始剤にアルキレンオキシドを反応させて得られるポリオキシアルキレンモノオールであることが好ましい。また発泡剤として水をポリオール化合物100質量部に対して9〜15質量部使用することが好ましい。これらの態様によれば、より高い安定性を有するポリオールシステム液が得られ、また同時に軽量で外観の良好な硬質フォームが得られる。
また本発明は、上記製造方法により製造された硬質発泡合成樹脂を提供する。上記製造方法は特に独立気泡率が30%以下である硬質発泡合成樹脂の製造に好適である。
本発明により、水を多量に配合しても原料の貯蔵安定性に優れた処方が可能となる。また水が多量に使用できることから、より軽量な硬質フォームの製造が可能となる。また同時に製造された硬質フォームのセルは微細であり、破泡等が発生してセルが荒れることもなく、寸法安定性に優れかつ良好な強度が得られる。
本発明において、ポリオキシアルキレンポリオールとは、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合反応させて製造されたポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオール)である。またポリオキシアルキレンモノオールとは、開始剤であるモノオールにアルキレンオキシドを開環付加重合反応させて製造されたポリオキシアルキレンモノオール(ポリエーテルモノオール)である。またポリオールまたはモノオール中のオキシエチレン基含有量とは、開始剤に反応させたアルキレンオキシドのうち、エチレンオキシド由来の部分の含有量(単位:質量%)を意味する。またポリオールの一級水酸基の割合とは、ポリオールの有する全水酸基に対する割合(単位:モル%)を意味する。また平均水酸基数とは、ポリオキシアルキレンポリオール以外のポリオールの場合は、ポリオールの活性水素原子の数の平均を意味し、特にポリオキシアルキレンポリオールの場合には、ポリオールの製造に用いた開始剤の活性水素原子の数の平均を意味する。
本発明の硬質フォームの製造方法においては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する。以下にその詳細について説明する。
(ポリオール化合物)
本発明においては、ポリオール化合物として、下記ポリオール(A)を5〜25質量%、下記ポリオール(B)を40〜80質量%、下記ポリオール(C)を5〜30質量%および下記モノオール(D)を3〜12質量%含む、水酸基価が380mgKOH/g以上であるポリオール混合物を用いる。
本発明においては、ポリオール化合物として、下記ポリオール(A)を5〜25質量%、下記ポリオール(B)を40〜80質量%、下記ポリオール(C)を5〜30質量%および下記モノオール(D)を3〜12質量%含む、水酸基価が380mgKOH/g以上であるポリオール混合物を用いる。
本発明においてポリオール(A)とは、平均水酸基数が2〜8、水酸基価が20〜120mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が5質量%以下、一級水酸基の割合が15モル%以下であるポリオキシアルキレンポリオールである。すなわちポリオール(A)は、以下に述べる特性を満たす1種のみのポリオールであっても、2種以上を混合したポリオール混合物であってもよい。
ポリオール(A)の製造に用いる開始剤としては、水、多価アルコール類が好ましい。ここで多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖等が挙げられる。ここでポリオール(A)の製造に用いる開始剤としては、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびショ糖から選ばれる少なくとも1種が好ましく、グリセリンおよび/またはトリメチロールプロパンがより好ましく、グリセリンが最も好ましい。
またポリオール(A)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、スチレンオキシド等が挙げられる。このうち、プロピレンオキシドを単独で、または、プロピレンオキシドと少量のエチレンオキシドとを併用することが好ましい。すなわちポリオール(A)のオキシエチレン基含有量は5質量%以下であり、0〜2質量%が好ましく、0質量%(オキシエチレン基を含まない)が特に好ましい。上記のオキシエチレン基含有量が5質量%を超えて多いと、ポリオール(A)の活性が高くなり、得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。
またポリオール(A)の一級水酸基の割合は、15モル%以下であるが、10モル%以下が好ましく、5モル%以下が特に好ましい。上記の一級水酸基の割合が15モル%を超えて多いと、ポリオール(A)の活性が高くなり、得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。
またポリオール(A)の平均水酸基数は2〜8であるが、2〜6がより好ましく、2〜4が特に好ましい。上記の平均水酸基数が2未満では、得られた硬質フォームの強度が不足しやすく好ましくない。また平均水酸基数が8を超えて大きいと、ポリオール(A)の粘度が高くなりすぎて、原料の混合性が低下しやすく好ましくない。
またポリオール(A)の水酸基価は20〜120mgKOH/gであるが、25〜100mgKOH/gが好ましく、30〜80mgKOH/gがより好ましい。この水酸基価が20mgKOH/g未満であると、ポリオール(A)の粘度が高くなりすぎて好ましくない。また120mgKOH/gを超えて大きいと得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。
本発明に用いるポリオール混合物のうち、ポリオール(A)の割合は、5〜25質量%であるが、10〜25質量%が好ましく、15〜25質量%が特に好ましい。ポリオール(A)の割合が5質量%未満であると、得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。またポリオール(A)の割合が25質量%を超えて多いと、得られた硬質フォームのセルが粗くなりやすく(セル荒れが起こりやすく)、また硬質フォームが強度不足となりやすく好ましくない。
本発明においてポリオール(B)とは、平均水酸基数が3〜8、水酸基価が300〜850mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が5質量%以下、一級水酸基の割合が15モル%以下である、窒素原子を有するポリオキシアルキレンポリオールである。ポリオール(B)は以下に述べる特性を満たす1種のみのポリオールであっても、2種以上を混合したポリオール混合物であってもよい。ただしポリオール(B)は、ポリオールをアミノ変性したものであっても、窒素原子を含む開始剤にアルキレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレンポリオールであってもよりが、後者が好ましい。
ポリオール(B)の製造に用いる開始剤としては、アミン系化合物が好ましい。アミン系化合物としては、脂肪族系アミン類、脂環族系アミン類、芳香族系アミン類が挙げられる。脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。また脂環族系アミン類としては、アミノエチルピペラジン等が挙げられる。また芳香族アミン類としては、ジアミノトルエン、マンニッヒ反応生成物が挙げられる。マンニッヒ反応生成物とは、フェノール類、アルカノールアミン類およびアルデヒド類の反応生成物であり、例えば、ノニルフェノール、モノエタノールアミンおよびホルムアルデヒドの反応生成物が挙げられる。以上の開始剤のうち、エチレンジアミン、トリレンジアミン、モノエタノールアミンから選ばれる1種以上が特に好ましい。
またポリオール(B)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、スチレンオキシド等が挙げられる。このうち、プロピレンオキシドを単独で、または、プロピレンオキシドと少量のエチレンオキシドとを併用することが好ましい。すなわちポリオール(B)のオキシエチレン基含有量は5質量%以下であり、2質量%以下が好ましく、0質量%(オキシエチレン基を含まない)が特に好ましい。上記のオキシエチレン基含有量が5質量%を超えて多いと、ポリオール(B)の活性が高くなり、得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。
またポリオール(B)の一級水酸基の割合は、15モル%以下であるが、10モル%以下が好ましく、5モル%以下が特に好ましい。上記の一級水酸基の割合が15モル%を超えて多いと、ポリオール(B)の活性が高くなり、得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。
またポリオール(B)の平均水酸基数は3〜8であるが、3〜6が好ましく、4〜5が特に好ましい。上記の平均水酸基数が3未満では、得られた硬質フォームの強度が不足しやすく好ましくない。また平均水酸基数が8を超えて大きいと、ポリオール(B)の粘度が高くなりすぎて、原料の混合性が低下しやすく好ましくない。
またポリオール(B)の水酸基価は300〜850mgKOH/gであるが、300〜700mgKOH/gが好ましく、300〜550mgKOH/gがより好ましい。この水酸基価が300mgKOH/g未満であると、得られた硬質フォームの強度(特に圧縮強度)が不足しやすく好ましくない。また850mgKOH/gを超えて大きいと、ポリオール(A)との混合性が悪くなりやすく、また得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。
本発明に用いるポリオール混合物のうち、ポリオール(B)の割合は、40〜80質量%であるが、45〜75質量%が好ましく、50〜70質量%が特に好ましい。ポリオール(B)の割合が40質量%未満であると、得られた硬質フォームの強度が不足しやすく好ましくない。またポリオール(B)の割合が80質量%を超えて多いと、得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。
本発明においてポリオール(C)とは、平均水酸基数が2〜3、水酸基価が300〜1830mgKOH/gである、窒素原子を有していないポリオールである。すなわちポリオール(C)は、以下に述べる特性を満たす1種のみのポリオールであっても、2種以上を混合したポリオール混合物であってもよい。ここでポリオール(C)は、ポリオキシアルキレンポリオールではない多価アルコール類であっても、ポリオキシアルキレンポリオールであってもよい。
ポリオール(C)として使用できるポリオキシアルキレンポリオールの製造に用いる開始剤としては、水、多価アルコール類が好ましい。ここでポリオール(C)として用いられる、または、ポリオール(C)としてのポリオキシアルキレンポリオールの開始剤として用いられる、多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。ポリオール(C)としてのポリオキシアルキレンポリオールの開始剤としては、水および前記多価アルコール類から選ばれる少なくとも1種が好ましい。また多価アルコール類としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。すなわち、ポリオール(C)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンからなる多価アルコール類の群から選ばれる1種または2種以上、または、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンおよびトリメチロールプロパンからなる開始剤の群から選ばれる少なくとも1種または2種以上を開始剤として製造されるポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。またポリオール(C)の平均水酸基数は2〜3である。
またポリオール(C)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、スチレンオキシド等が挙げられる。
またポリオール(C)の水酸基価は300〜1830mgKOH/gであるが、500〜1200mgKOH/gが好ましく、500〜1000mgKOH/gがより好ましい。この水酸基価が300mgKOH/g未満であると、ポリオール(C)の粘度が高くなりすぎて好ましくない。
本発明に用いるポリオール混合物のうち、ポリオール(C)の割合は、5〜30質量%であるが、10〜25質量%が好ましく、15〜25質量%が特に好ましい。ポリオール(C)の割合が5質量%未満であると、得られた硬質フォームが連続気泡性となりにくく好ましくない。またポリオール(C)の割合が25質量%を超えて多いと、得られた硬質フォームのセルが粗くなりやすく(セル荒れが起こりやすく)、また硬質フォームが強度不足となりやすく好ましくない。
本発明においてモノオール(D)とは、水酸基価が20〜150mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が10〜100質量%であるポリオキシアルキレンモノオールである。モノオール(D)は以下に述べる特性を満たす1種のみのモノオールであっても、2種以上を混合したモノオール混合物であってもよい。
モノオール(D)の製造に用いる開始剤は、活性水素含有基として水酸基を1つのみ持つ化合物を使用できる。当該化合物の例としては、脂肪族、脂環族または芳香族のモノオール、ヒドロキシアルキルアクリレートが好適に例示できる。このうちモノオール(D)の製造に用いる開始剤としては、脂肪族のモノオールがより好ましい。また炭素数1〜10のモノオールが特に好ましい。
ヒドロキシアルキルアクリレートとの具体例としては、ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。また炭素数1〜10の脂肪族のモノオールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、2−エチル−1−ヘキサノールが挙げられる。また炭素数1〜10の脂環族のモノオールの具体例としては、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールが挙げられる。炭素数1〜10のモノオールは炭素数11以上のモノオールに比べて相溶性が高い傾向が見られ好ましい。モノオール(D)の平均水酸基数は1である。
またモノオール(D)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドを用い、その他にプロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、スチレンオキシド等が使用できる。このうち、エチレンオキシドを単独で、または、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを併用することが好ましい。すなわちモノオール(D)のオキシエチレン基含有量は10〜100質量%であり、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、100質量%(オキシエチレン基のみ)が特に好ましい。ポリオール(D)のオキシエチレン基含有量が10質量%未満であると、水とポリオール化合物とが分離しやすく、原料安定性が悪くなりやすく好ましくない。
またモノオール(D)の水酸基価は20〜150mgKOH/gであるが、30〜120mgKOH/gが好ましく、50〜100mgKOH/gがより好ましい。この水酸基価が20mgKOH/g未満であると、得られた硬質フォームの強度(特に圧縮強度)が不足しやすく好ましくない。また150mgKOH/gを超えて大きいと、水とポリオール化合物との混合性が悪くなりやすく好ましくない。
本発明に用いるポリオール混合物のうち、モノオール(D)の割合は、3〜20質量%であるが、3〜17質量%が好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。モノオール(D)の割合が3質量%未満であると、水とポリオール化合物との混合性が悪くなりやすく好ましくない。またモノオール(D)の割合が20質量%を超えて多いと、得られた硬質フォームの強度が不足しやすく好ましくない。
本発明に用いるポリオール混合物の水酸基価は380mgKOH/g以上であるが、380〜600mgKOH/gが好ましく、380〜450mgKOH/gがより好ましく、380〜420mgKOH/gが特に好ましい。この水酸基価が380mgKOH/g未満であると、得られた硬質フォームの強度が不足しやすく好ましくない。またこの水酸基価が600mgKOH/gを超えて大きいと、得られた硬質フォームが独立気泡性となりやすい傾向にある。
本発明に用いるポリオール混合物は上述のポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)およびモノオール(D)を含むがその他の活性水素化合物を含んでいてもよい。その他の活性水素化合物としては、ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)以外のポリオール類、多価フェノール類、アミノ化ポリオール類、ポリアミン類が挙げられる。ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)以外のポリオール類としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。多価フェノール類としては、ビスフェノールA、レゾルシノール等の非縮合化合物、フェノール類をアルカリ触媒の存在下で過剰のホルムアルデヒド類と縮合結合させたレゾール型初期縮合物、このレゾール型初期縮合物を合成する際に非水系で反応させたベンジリック型初期縮合物、過剰のフェノール類を酸触媒の存在下でホルムアルデヒド類と反応させたノボラック型初期縮合物等が挙げられる。これらの初期縮合物の分子量は、200〜10000程度のものが好ましい。上記において、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノール等が挙げられ、また、ホルムアルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
(発泡剤)
本発明においては、発泡剤として水を用いる。また発泡剤として、低沸点の炭化水素化合物、低沸点の含フッ素化合物、不活性ガスを併用することができる。しかし本発明においては、発泡剤として、水のみの使用または水と不活性ガスの併用が好ましく、水のみの使用が環境への負荷が小さく特に好ましい。発泡剤としての水の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して、9〜15質量部が好ましく、9〜13質量部が特に好ましい。水の使用量が9質量部未満であると、得られた硬質フォームが軽くなりにくく好ましくない。また使用量が15質量部を超えて多いと、水とポリオール化合物との混合性が悪くなりやすく好ましくない。
本発明においては、発泡剤として水を用いる。また発泡剤として、低沸点の炭化水素化合物、低沸点の含フッ素化合物、不活性ガスを併用することができる。しかし本発明においては、発泡剤として、水のみの使用または水と不活性ガスの併用が好ましく、水のみの使用が環境への負荷が小さく特に好ましい。発泡剤としての水の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して、9〜15質量部が好ましく、9〜13質量部が特に好ましい。水の使用量が9質量部未満であると、得られた硬質フォームが軽くなりにくく好ましくない。また使用量が15質量部を超えて多いと、水とポリオール化合物との混合性が悪くなりやすく好ましくない。
前記の低沸点の炭化水素化合物としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また前記の低沸点の含フッ素化合物としては、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)等が挙げられる。また前記の不活性ガスとしては、空気、窒素、炭酸ガス等が挙げられる。
(ポリイソシアネート化合物)
本発明において、ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。このうち、TDI、MDI、クルードMDI、またはこれらの変性体が好ましい。
本発明において、ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。このうち、TDI、MDI、クルードMDI、またはこれらの変性体が好ましい。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、ポリオール化合物およびその他の活性水素化合物の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表して(通常この100倍で表した数値をイソシアネート指数という)、50〜300が好ましい。ここで、触媒としてウレタン化触媒を主に用いるウレタン処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネート指数で、60〜120が好ましく、70〜100がより好ましく、80〜90が特に好ましい。また触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネート指数で、120〜250が好ましく、150〜200がより好ましい。
(触媒)
本発明において用いられる触媒としては、ウレタン化反応を促進する触媒であれば特に制限はない。例えば、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。またイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用してもよく、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。触媒の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
本発明において用いられる触媒としては、ウレタン化反応を促進する触媒であれば特に制限はない。例えば、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。またイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用してもよく、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。触媒の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
(整泡剤)
本発明においては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。このうち、高通気性の軟質ウレタンフォームの製造に用いられるシリコーン系整泡剤が特に好ましい。整泡剤の使用量は、適宜選定すればよいが、ポリオール化合物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
本発明においては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。このうち、高通気性の軟質ウレタンフォームの製造に用いられるシリコーン系整泡剤が特に好ましい。整泡剤の使用量は、適宜選定すればよいが、ポリオール化合物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
(その他の配合剤)
本発明では、上述したポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、発泡剤、触媒、整泡剤の他に、任意の配合剤が使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
本発明では、上述したポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、発泡剤、触媒、整泡剤の他に、任意の配合剤が使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
(発泡装置)
本発明の硬質フォームの製造方法としては、通常の手発泡でも発泡装置を用いてもよい。発泡装置としては、高圧発泡装置、低圧発泡装置のいずれでも使用できる。また反応条件は適宜選定すればよいが、反応温度としては、0〜50℃が好ましく、15〜40℃がより好ましい。
本発明の硬質フォームの製造方法としては、通常の手発泡でも発泡装置を用いてもよい。発泡装置としては、高圧発泡装置、低圧発泡装置のいずれでも使用できる。また反応条件は適宜選定すればよいが、反応温度としては、0〜50℃が好ましく、15〜40℃がより好ましい。
(硬質フォーム)
本発明は、上述した製造方法により製造される連続気泡性の硬質フォームに関する。ここで連続気泡性とは、独立気泡の少ないことを意味する。本発明において製造される硬質フォームの独立気泡率は、30%以下であることが好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が特に好ましい。高い連続気泡性(低い独立気泡率)とすることで、寸法安定性が向上し、発泡圧が低減される等の点で優れる。ここで独立気泡率は、ASTM D2856に準拠して測定される。
本発明は、上述した製造方法により製造される連続気泡性の硬質フォームに関する。ここで連続気泡性とは、独立気泡の少ないことを意味する。本発明において製造される硬質フォームの独立気泡率は、30%以下であることが好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が特に好ましい。高い連続気泡性(低い独立気泡率)とすることで、寸法安定性が向上し、発泡圧が低減される等の点で優れる。ここで独立気泡率は、ASTM D2856に準拠して測定される。
また本発明により製造される硬質フォームは、軽量であることを特徴とする。特にその密度は30kg/m3以下が好ましく、25kg/m3以下がより好ましい。
本発明により得られる硬質フォームは生産性に優れ、軽量であり、接着性、強度にも優れることから、パネル、ボード等の建築資材として好適に用いられる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお以下の例のうち、例1〜4は実施例を、例5〜6は比較例を表す。また表中で処方を表した部分の数値の単位は質量部である。
実施例および比較例で用いた原料は、表1に示したとおりであるが、その詳細は以下のとおりである。
(ポリオール化合物)
ポリオールA1:開始剤としてグリセリンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレントリオール。水酸基価は35mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールB1:開始剤としてエチレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンテトラオール。水酸基価は500mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールB2:開始剤としてエチレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンテトラオール。水酸基価は300mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールB3:開始剤としてトリレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンテトラオール。水酸基価は350mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールB4:開始剤としてモノエタノールアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンテトラオール。水酸基価は500mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールC1:ジプロピレングリコール。
モノオールD1:開始剤として1−ブタノールを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドとエチレンオキシドとを混合して反応させて得られた、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノオール。水酸基価は40mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は50質量%である。
モノオールD2:開始剤としてメタノールを用い、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシエチレンモノオール。水酸基価は136mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は100質量%である。
モノオールD3:開始剤として2−エチル−1−ヘキサノールを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドとエチレンオキシドとを混合して反応させて得られた、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノオール。水酸基価は48mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は50質量%である。
モノオールD4:開始剤として1−ブタノールを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンモノオール。水酸基価は59mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%である。
ポリオールX1:ポリオールA1の20質量部、ポリオールB1の30質量部、ポリオールB2の15質量部、ポリオールB3の10質量部、ポリオールB4の5質量部およびポリオールC1の20質量部を混合して得られた混合ポリオール。
ポリオールA1:開始剤としてグリセリンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレントリオール。水酸基価は35mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールB1:開始剤としてエチレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンテトラオール。水酸基価は500mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールB2:開始剤としてエチレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンテトラオール。水酸基価は300mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールB3:開始剤としてトリレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンテトラオール。水酸基価は350mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールB4:開始剤としてモノエタノールアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンテトラオール。水酸基価は500mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%、一級水酸基の割合は0%である。
ポリオールC1:ジプロピレングリコール。
モノオールD1:開始剤として1−ブタノールを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドとエチレンオキシドとを混合して反応させて得られた、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノオール。水酸基価は40mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は50質量%である。
モノオールD2:開始剤としてメタノールを用い、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシエチレンモノオール。水酸基価は136mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は100質量%である。
モノオールD3:開始剤として2−エチル−1−ヘキサノールを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドとエチレンオキシドとを混合して反応させて得られた、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノオール。水酸基価は48mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は50質量%である。
モノオールD4:開始剤として1−ブタノールを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、ポリオキシプロピレンモノオール。水酸基価は59mgKOH/g、オキシエチレン基含有量は0質量%である。
ポリオールX1:ポリオールA1の20質量部、ポリオールB1の30質量部、ポリオールB2の15質量部、ポリオールB3の10質量部、ポリオールB4の5質量部およびポリオールC1の20質量部を混合して得られた混合ポリオール。
(ポリオール化合物以外の原料)
難燃剤:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート。
整泡剤:シリコーン系整泡剤(商品名:SZ−1646、日本ユニカー社製)。
触媒:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン。(商品名:トヨキャットMR、東ソー製)
ポリイソシアネート化合物:クルードMDI(商品名:MR−200、日本ポリウレタン工業社製)。
難燃剤:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート。
整泡剤:シリコーン系整泡剤(商品名:SZ−1646、日本ユニカー社製)。
触媒:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン。(商品名:トヨキャットMR、東ソー製)
ポリイソシアネート化合物:クルードMDI(商品名:MR−200、日本ポリウレタン工業社製)。
(反応条件、評価)
表1に製造の処方および評価結果を示した。表に示す組合わせのポリオール化合物(合計は100質量部である。表1には平均水酸基価(単位:mgKOH/g)を示した。)に対し発泡剤(水)、難燃剤、整泡剤および触媒を混合し、これをポリオールシステム液とした。このポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物(クルードMDI)とを、イソシアネート基と活性水素基との割合が0.85(イソシアネート指数85)となるように、液温20℃で混合し、200mm×200mm×200mmの木製の箱内に投入し反応させた。このときゲルタイムは約22秒であった。
表1に製造の処方および評価結果を示した。表に示す組合わせのポリオール化合物(合計は100質量部である。表1には平均水酸基価(単位:mgKOH/g)を示した。)に対し発泡剤(水)、難燃剤、整泡剤および触媒を混合し、これをポリオールシステム液とした。このポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物(クルードMDI)とを、イソシアネート基と活性水素基との割合が0.85(イソシアネート指数85)となるように、液温20℃で混合し、200mm×200mm×200mmの木製の箱内に投入し反応させた。このときゲルタイムは約22秒であった。
得られたフォームの密度(kg/m3)、圧縮強度(水平、垂直)(MPa)、独立気泡率(%)、寸法安定性およびポリオールの貯蔵安定性について評価し、その結果を示した。なお圧縮強度は、JIS K−7220に準拠して、エーアンドディー社製オートテンシロン測定装置を用いて測定した。また独立気泡率は、エステック社製高精度自動体積計VM−100型を用いて測定した。
また寸法安定性は、フォームの試料片(150mm×110mm×75mm)を、−30℃、70℃(乾)、70℃(湿)の環境で24時間放置して、放置前との寸法の変化率(%)を、縦(x)、横(y)厚さ(t)の各方向について測定した。ただし(湿)は相対湿度95%である。また貯蔵安定性試験は、ポリオール混合物100質量部と水10質量部を混合し70℃で所定日数静置し、析出物の有無から貯蔵安定性を評価した。ただし、A:析出物なし、B:析出物がかすかに有る、C:析出物有り、D:析出物多い、と判定した。
試験の結果、本発明の製造方法により得られた硬質フォームは軽量であっても寸法安定性が高いことがわかった。特に高温高湿環境において安定性に優れることが明らかとなった。また貯蔵安定性試験の結果、70℃で長期間保存しても析出物がほとんど認められず優れた安定性を示すことが明らかとなった。
本発明の硬質発泡合成樹脂の製造方法は、原料の貯蔵安定性がすぐれ、軽量で寸法安定性にすぐれた硬質フォームの製造に好適である。
Claims (8)
- ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて連続気泡性の硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、
ポリオール化合物として、下記ポリオール(A)を5〜25質量%、下記ポリオール(B)を40〜80質量%、下記ポリオール(C)を5〜30質量%および下記モノオール(D)を3〜12質量%含む、水酸基価が380mgKOH/g以上であるポリオール混合物を用い、
発泡剤として水を用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(A):平均水酸基数が2〜8、水酸基価が20〜120mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が5質量%以下、一級水酸基の割合が全水酸基に対して15モル%以下である、ポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオール(B):平均水酸基数が3〜8、水酸基価が300〜850mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が5質量%以下、一級水酸基の割合が全水酸基に対して15モル%以下である、窒素原子を有するポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオール(C):平均水酸基数が2〜3、水酸基価が300〜1830mgKOH/gである、窒素原子を有していないポリオール。
モノオール(D):水酸基価が20〜150mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が10〜100質量%であるポリオキシアルキレンモノオール。 - ポリオール(A)が、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびショ糖から選ばれる少なくとも1種の開始剤にアルキレンオキシドを反応させて得られるポリオキシアルキレンポリオールである請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- ポリオール(B)が、アミン系化合物を開始剤にしてアルキレンオキシドを反応させて得られるポリオキシアルキレンポリオールである請求項1または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- ポリオール(C)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンからなる多価アルコール類の群から選ばれる1種または2種以上、または、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンおよびトリメチロールプロパンからなる開始剤の群から選ばれる少なくとも1種または2種以上を開始剤として製造されるポリオキシアルキレンポリオールである請求項1、2または3に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- モノオール(D)が、炭素数1〜10のモノオールの1種または2種以上からなる開始剤にアルキレンオキシドを反応させて得られるポリオキシアルキレンモノオールである、請求項1〜4のいずれかに記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- 発泡剤として水をポリオール化合物100質量部に対して9〜15質量部使用する、請求項1〜5のいずれかに記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造された硬質発泡合成樹脂。
- 独立気泡率が30%以下である請求項7に記載の硬質発泡合成樹脂。
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