JP4736503B2 - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、均一で微細なセル構造を有し、断熱性が良好である、硬質ポリウレタンフォーム、硬質ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームおよび硬質ポリウレアフォーム等の硬質発泡合成樹脂(以下総称して、硬質フォームという。)の製造方法に関する。特に、ポリオールに対する発泡剤の溶解性を向上させ、かつ、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性を向上させた硬質フォームの製造方法に関する。
ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質フォームを製造することは広く行われている。このうち発泡剤に関して、従来用いられてきた塩素化フッ素化炭素化合物(クロロフルオロカーボン化合物、CClF等のいわゆるCFC化合物)および塩素化フッ素化炭化水素化合物(ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、CClFCH等のいわゆるHCFC化合物)は、環境保護の観点から使用が規制されている。
これらの規制対象発泡剤に代わる発泡剤として、シクロペンタン等の炭化水素化合物、フッ素化炭化水素化合物(ハイドロフルオロカーボン化合物、以下、HFC化合物ともいう。)または水を用いることが検討されてきた。具体的なHFC化合物としては、CFCHF(HFC−134a、沸点:−27℃)、CFCHCHF(HFC−245fa、沸点:15℃)、CFCHCFCH(HFC−365mfc、沸点:40℃)等が例示できる。しかしこれらの発泡剤に関しては以下の問題点が指摘されている。
炭化水素化合物およびHFC化合物は、CFC化合物またはHCFC化合物と比較して、ポリオールに溶解しにくいために、発泡剤の添加量を増やした場合にポリオールと発泡剤とが分離しやすいという問題がある。ポリオールと発泡剤とが分離すると、製造される硬質フォームが不均一となり、発泡後に収縮等の成形不良が発生する、断熱性能が発揮できない、機械的強度が不足する等の問題が発生する。さらに夏季等の高温環境下に原料を保管した場合、発泡剤を配合した原料が泡立ち収納容器からあふれたり、ドラム缶等の収納容器が膨れる等の問題もある。また水を単独の発泡剤として用いる場合に、特に低温環境において製造する場合、発泡効率が不充分となりやすい、断熱性能が落ちやすい、硬質フォームの収縮が発生し硬質フォームと基材との接着性が不充分になりやすい等の問題がある。
これらの発泡剤のポリオールに対する溶解性を改善するために、HFC−245faとHFC−365mfcとを併用する技術(特許文献1参照)、HFC化合物の全量をあらかじめ原料系に配合するのではなく、HFC化合物の一部を発泡機のミキシングヘッド内等にて混合する技術(特許文献2参照)、発泡剤に特定のフッ素系界面活性剤を添加する技術(特許文献3参照)、ポリオールとしてフッ素化炭化水素化合物に対する溶解性の高い脂肪族アミン系ポリエーテルポリオールを用いる技術(特許文献4参照)等が提案されている。
しかしこれらの技術においても、HFC化合物を比較的多量に用いると原料系の蒸気圧が高くなりやすいという問題、原料系の蒸気圧を低く抑えると原料系(特にポリオールを含む原料系)の粘度が高くなりやすいという問題、比較的高価な特定のフッ素系界面活性剤を必要とするという問題、脂肪族アミン系ポリエーテルポリオールを使用した場合にHFC化合物のポリオールに対する溶解性は改良できるが、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性が低下し、結果としてフォームのセル荒れ、混合不良による外観不良(縞模様として観察される)が発生する問題等が解決されていない。
また、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性を改良する手段としては、種々の手法が提案されている(特許文献5〜7参照)。しかしポリオールとポリイソシアネートとの相溶性を改良することはできるが、前述の発泡剤のポリオールに対する溶解性の問題が解決されていない。
特表2001−506291号公報 特開2003−231728号公報 特開平10−101837号公報 特開平6−306138号公報 特開昭55−147518号公報 特公平3−3685号公報 特開2003−277462号公報
本発明は、均一で微細なセル構造を有する、断熱性の良好な硬質フォームの製造方法の提供を目的とする。そのために本発明は、発泡剤のポリオールに対する溶解性の向上と、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性の向上とを同時に満足する処方を提供する。
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたものであり、ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、前記発泡剤として炭素数2〜8の炭化水素化合物および炭素数1〜8のフッ素化炭化水素化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を用い、前記ポリオールとして、下記ポリオール(A)をポリオールの全量に対して2〜50質量%、下記ポリオール(B)をポリオールの全量に対して10〜90質量%、および下記ポリオール(C)をポリオールの全量に対して1〜80質量%、併用することを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法を提供する。ただし、ポリオール(A)とは、官能基数が2〜4、水酸基価が30〜200mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が10〜50質量%である、窒素原子を有していないポリオキシアルキレンポリオールであり、ポリオール(B)とは、官能基数が2〜4、水酸基価が100〜800mgKOH/g、オキシエチレン基を含有せず、芳香環を有していないポリオキシアルキレンポリオールであり、ポリオール(C)とは、官能基数が4〜12、水酸基価が100〜800mgKOH/g、窒素原子および芳香環を有するポリオキシアルキレンポリオールである。
また前記ポリオールとして、さらに下記ポリオール(D)をポリオールの全量に対して1〜80質量%用いることが好ましい。ただし、ポリオール(D)とは、官能基数が5〜12、水酸基価が100〜800mgKOH/g、窒素原子も芳香環も有していないポリオキシアルキレンポリオールである。
また、前記ポリオールのうち、前記ポリオール(A)と前記ポリオール(B)との合計の割合は、20〜60質量%であることが好ましく、前記ポリオール(A)と前記ポリオール(B)との合計に対する前記ポリオール(A)の割合は、5〜60質量%であることが好ましい。
また前記ポリイソシアネートの使用量は、イソシアネート指数で80〜150であることが好ましい。また、前記触媒として、3級アミン類及び有機金属化合物から選択されるウレタン化反応を促進する触媒を用いることが好ましく、ウレタン化反応を促進する触媒と共に、イソシアネート基の三量化反応を促進させるカルボン酸金属塩を用いることが好ましい。
さらに前記発泡剤として、ポリオール100質量部に対して2〜5質量部の水を併用することが好ましい。本発明の製造方法は、金型内で発泡硬化させる態様でも、スプレー法を用いる態様でもよい。
本発明によれば、炭素数2〜8の炭化水素化合物および炭素数1〜8のフッ素化炭化水素化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上の発泡剤のポリオールに対する溶解性を向上でき、かつ、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性を向上できる。発泡剤のポリオールに対する溶解性が改良される結果、貯蔵安定性の高い原料系得られ、ポリオールと発泡剤との分離が抑制され、分離に基づく問題が解決できる。さらにフォーム表面のボイドの発生が抑制できる。
またポリオールとポリイソシアネートとの相溶性が改良される結果、反応性混合物が非常に均質化され、反応過程において発生する反応熱、または金型の予熱に由来すると考えられるセル荒れ現象が抑制でき、発泡剤の蒸発によるフォーム表面温度低下が原因と考えられるフォーム表面脆性の発現が回避でき、均一で微細なセルが形成され、断熱性の良好な硬質フォームが得られる。
本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、特定の発泡剤を用い、特定のポリオール組成物を用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法である。以下にそれぞれの項目について説明する。ただし以下では、ポリオールに発泡剤、整泡剤、触媒、その他助剤を混合した組成物をポリオールシステムということがある。
(ポリオール)
本発明において、ポリオールとして、ポリオール(A)およびポリオール(B)を用いる。さらにポリオール(C)、ポリオール(D)を併用することが好ましい。すなわち本発明において用いるポリオールとは、ポリオール(A)およびポリオール(B)を含み、さらに好ましくはポリオール(C)および/またはポリオール(D)を含み、任意にその他ポリオール(E)を含むポリオール混合物である。ただしその他ポリオール(E)とは、ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)またはポリオール(D)以外のポリオールである。
なお以下の説明において、官能基数とはポリオールの官能基(水酸基)の数を意味するが、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオール)においては、開始剤の活性水素原子の数をもってポリオールの官能基数とする。ただしポリオキシアルキレンポリオールとは、開始剤にポリオール製造触媒の存在下に、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールである。またポリオキシアルキレンポリオールにおけるオキシエチレン基含有量とは、開始剤と開環付加重合に用いたアルキレンオキシドとの合計量に対するエチレンオキシドの割合を意味し、質量%で表す。また芳香環とは、環を構成する原子が炭素原子のみであっても、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。具体的にはベンゼン環、ピリジン環等が例示できる。また1,2−エポキシブタンおよび2,3−エポキシブタンを総称してブチレンオキシドという。
(ポリオール(A))
本発明においてポリオール(A)とは、官能基数が2〜4、水酸基価が30〜200mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が10〜50質量%である、窒素原子を有していないポリオキシアルキレンポリオールである。ポリオール(A)は窒素原子を有しておらず、したがってアミン系のポリオールではない。ポリオール(A)としては、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
ポリオール(A)の製造に用いる開始剤としては、官能基数が2〜4の多価アルコールを用いることが好ましい。その具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール、ジグリセリン等が挙げられる。このうちグリセリン、トリメチロールプロパン等の官能基数が3のアルコールが好ましく、グリセリンが最も好ましい。
ポリオール(A)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドと他のアルキレンオキシドとを併用する。ポリオール(A)におけるオキシエチレン基含有量は10〜50質量%であるが、10〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。オキシエチレン基含有量が10質量%未満であるとポリオールとポリイソシアネートの相溶性が不充分となりやすく、フォームのセル荒れ、外観不良が発生しやすく好ましくない。オキシエチレン基含有量が50質量%を超えて大きいとフォームが収縮しやすくなり好ましくない。
ポリオール(A)の製造に用いる他のアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できるが、プロピレンオキシドが特に好ましい。すなわちポリオール(A)の製造に用いるアルキレンオキシドは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよいが、ポリオール(A)においては、プロピレンオキシドを反応させた後にエチレンオキシドを反応させることが好ましい。
ポリオール(A)の水酸基価は30〜200mgKOH/gであるが、30〜80mgKOH/gがポリオールとポリイソシアネートとの相溶性が向上しやすい点で好ましい。この水酸基価が30mgKOH/g未満だと、硬質フォームが製造直後に収縮しやすく好ましくない。またこの水酸基価が200mgKOH/gを超えて大きいとポリオールとポリイソシアネートとの相溶性が不充分となりやすく、フォームのセル荒れ、外観不良が発生しやすく好ましくない。
(ポリオール(B))
本発明においてポリオール(B)とは、官能基数が2〜4、水酸基価が100〜800mgKOH/g、オキシエチレン基を含有せず、芳香環を有していないポリオキシアルキレンポリオールである。ポリオール(B)としては、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
ポリオール(B)の官能基数は2〜4であるが、3〜4がより好ましい。ポリオール(B)の製造に用いる開始剤としては、官能基数が2〜4の多価アルコール、または活性水素原子数が2〜4のアミン化合物を用いることが好ましい。この官能基数が2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール、ジグリセリン等が挙げられる。このうちグリセリン、トリメチロールプロパン等の官能基数が3のアルコールが好ましく、グリセリンが最も好ましい。また活性水素原子数が2〜4のアミン化合物としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のアルキルアミン類;N−(2−アミノエチル)ピペラジン等の脂環族アミン類等が例示できる。これらの開始剤のうち、グリセリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンまたはエチレンジアミンが特に好ましい。
ポリオール(B)におけるオキシエチレン基を有しておらず、したがってオキシエチレン基含有量は0質量%である。すなわちポリオール(B)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数が3以上のアルキレンオキシドを用いる。このうちプロピレンオキシドを単独で用いる、または、プロピレンオキシドとブチレンオキシドとを併用することが好ましい。プロピレンオキシドとブチレンオキシドとを併用する場合に、順次反応させても混合して反応させてもよい。ポリオール(B)の製造に用いるアルキレンオキシドとしてはプロピレンオキシドのみが特に好ましい。
ポリオール(B)の水酸基価は100〜800mgKOH/gであるが、300〜800mgKOH/gが好ましい。この水酸基価が100mgKOH/g未満だと、硬質フォームが製造直後に収縮しやすく好ましくない。またこの水酸基価が800mgKOH/gを超えて大きいと炭化水素化合物またはHFC化合物のポリオールに対する溶解性が低下し、フォーム表面にボイドが多く発生しやすくなるため好ましくない。
(ポリオール(C))
本発明において、ポリオール(C)とは、官能基数が4〜12、水酸基価が100〜800mgKOH/g、窒素原子および芳香環を有するポリオキシアルキレンポリオールである。ポリオール(C)としては、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。このポリオール(C)を所定量用いることで、得られる硬質フォームの難燃性および断熱性が向上できる。
ポリオール(C)の製造に用いる開始剤としては、活性水素原子数が4〜12の芳香環を有するアミン類を用いることが好ましい。その具体例としては、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、マンニッヒ縮合物等が挙げられる。ここでマンニッヒ縮合物とは、フェノール、ノニルフェノール等のフェノール類;ホルムアルデヒド等のアルデヒド類;および、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類を反応させて得られる化合物である。その分子量は、200〜10000程度のものが好ましい。これらの開始剤のうちトリレンジアミンが特に好ましい。
ポリオール(C)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できる。このうちポリオール(C)の製造に用いるアルキレンオキシドは、プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。ポリオール(C)におけるオキシエチレン基含有量は0〜40質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましい。オキシエチレン基含有量が上記範囲であれば、炭化水素化合物またはHFC化合物のポリオールに対する溶解性の低下が原因と考えられるフォーム表面のボイドの発生が抑制されるために好ましい。
ポリオール(C)の水酸基価は100〜800mgKOH/gであるが、300〜600mgKOH/gが好ましい。この水酸基価が100mgKOH/g未満だと、硬質フォームが製造直後に収縮しやすく好ましくない。またこの水酸基価が800mgKOH/gを超えて大きいと、フォームが脆くなりやすく、フォームと基材との接着性が低下しやすい傾向にあり好ましくない。
(ポリオール(D))
本発明においてポリオール(D)とは、官能基数が5〜12、水酸基価が100〜800mgKOH/g、窒素原子も芳香環も有していないポリオキシアルキレンポリオールである。ポリオール(D)としては、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。このポリオール(D)を用いることで、得られる硬質フォームの機械的強度を高くできる。
ポリオール(D)の製造に用いる開始剤としては、窒素原子も芳香環も有していない化合物を用いる。特に官能基数が5〜12の多価アルコール(糖類)を用いることが好ましい。その具体例としては、フルクトース、ソルビトール、シュークロース等が挙げられる。このうちシュークロースが最も好ましい。
ポリオール(D)の製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が例示できるが、プロピレンオキシドが特に好ましい。すなわちポリオール(D)の製造に用いるアルキレンオキシドは、プロピレンオキシド単独の使用、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましい。併用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、混合してから反応させても、順次反応させてもよい。ポリオール(D)におけるオキシエチレン基含有量は0〜40質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましく、0質量%すなわちオキシエチレン基を有していないことが特に好ましい。オキシエチレン基含有量が上記範囲であれば、炭化水素化合物またはHFC化合物のポリオールに対する溶解性の低下が原因と考えられるフォーム表面のボイドの発生が抑制されるために好ましい。
ポリオール(D)の水酸基価は100〜800mgKOH/gであるが、300〜600mgKOH/gが好ましい。この水酸基価が100mgKOH/g未満だと、硬質フォームが製造直後に収縮しやすく好ましくない。またこの水酸基価が800mgKOH/gを超えて大きいと、フォームが脆くなりやすく、フォームと基材との接着性が低下しやすい傾向にあり好ましくない。
(その他ポリオール(E))
本発明においてその他ポリオール(E)とは、ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)またはポリオール(D)以外のポリオールである。具体的には、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、多価アルコール類および多価フェノール類が例示できる。このうちポリエーテルポリオール類およびポリエステルポリオール類が好ましく、ポリエステルポリオール類が特に好ましい。ポリエステルポリオール類のうちエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類とを反応させて得られる芳香族系ポリエステルポリオールが、得られる硬質フォームの難燃性が向上でき好ましい。その他ポリオール(E)の水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜500mgKOH/gがより好ましい。
またその他ポリオール(E)としては、ポリマー微粒子が安定に分散しているポリオール(いわゆるポリマー分散ポリオール)を用いてもよい。ポリマー微粒子としては付加重合系ポリマーまたは縮重合系ポリマー微粒子を用いることができる。付加重合系ポリマーは、例えば、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のモノマーを単独で重合するかまたは2種以上を共重合して得られる。また、縮重合系ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリウレア、ポリウレタン、メラミン等が挙げられる。ポリオール中にポリマー微粒子を存在させることにより、製造された硬質ウレタンフォームの収縮が防止できる。この効果は特により低密度の硬質ウレタンフォーム製造の際に有用である。
(ポリオール混合物の組成)
本発明において用いるポリオールとは、ポリオール(A)およびポリオール(B)を含み、さらに好ましくはポリオール(C)および/またはポリオール(D)を含み、任意にその他ポリオール(E)を含むポリオール混合物である。このポリオール混合物全体の平均水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gがより好ましい。
本発明において用いるポリオールの具体的な組成範囲としては以下のとおりである。ポリオール(A)の使用量はポリオール全量に対して2〜50質量%であるが、2〜25質量%が好ましい。またポリオール(B)の使用量はポリオール全量に対して10〜90質量%であるが、15〜90質量%が好ましい。またポリオール(A)とポリオール(B)との合計に対するポリオール(A)の割合は、5〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜45質量%がさらに好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。すなわちポリオール(B)をポリオール(A)と同量か、または、ポリオール(A)より多く用いることがより好ましい。また本発明において用いるポリオールのうち、ポリオール(A)とポリオール(B)との合計の割合は、20〜100質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。これらの割合とすることで、炭化水素化合物、HFC化合物のポリオールに対する溶解性が良好となり、かつ、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性が良好となる。
またポリオール(C)の使用量はポリオール全量に対して1〜80質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。またポリオール(D)の使用量はポリオール全量に対して1〜80質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。ポリオール(C)とポリオール(D)との合計の使用量はポリオール全量に対して80質量%以下が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
また本発明におけるポリオール混合物においては、ポリオール(A)とポリオール(B)とに加えて、さらにポリオール(C)とポリオール(D)とを併用することが好ましい。すなわち本発明におけるポリオールは、ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)およびポリオール(D)を含む混合物であることが好ましい。ポリオール(C)とポリオール(D)とを併用する場合に、ポリオール(C)とポリオール(D)との合計に対するポリオール(C)の割合は、10〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、50〜80質量%が特に好ましい。またその他ポリオール(E)の使用量は、ポリオール全量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
好適なポリオールの組成範囲としては、ポリオール全量に対してそれぞれ、ポリオール(A)が5〜15質量%、ポリオール(B)が20〜60質量%、ポリオール(C)が30〜50質量%、ポリオール(D)が2〜30質量%、および、その他ポリオール(E)が0〜5質量%が例示できる。
以上の割合とすることにより、発泡剤のポリオールに対する溶解度、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性を良好にしつつ、得られた硬質フォームの断熱性、難燃性、機械的強度を改良できる。
(ポリイソシアネート)
本発明において用いるポリイソシアネートとしては、通常硬質フォームの製造に用いられるポリイソシアネートであればよく特に制限はない。すなわちイソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が用いられる。具体例としては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネート又はこれらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が用いられる。このうち、TDI、MDI、クルードMDI、またはこれらの変性体が好ましい。
ポリイソシアネートの使用量は、ポリオール化合物およびその他の活性水素化合物の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表して(通常この100倍で表した数値をイソシアネート指数という)、80〜150が好ましい。ここで、触媒としてウレタン化触媒を主に用いるウレタン処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネート指数で、90〜140が好ましく、90〜130がより好ましい。また触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネート指数で、150〜300が好ましく、180〜250がより好ましい。本発明においてはフォームと基材との接着性等の観点からウレタン処方を採用することが好ましく、前記イソシアネート指数は50〜170が好ましい。
(発泡剤)
本発明において発泡剤としては、炭素数2〜8の炭化水素化合物および炭素数1〜8のHFC化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を用いる。
炭素数2〜8の炭化水素化合物としては、ブタン、シクロぺンタン、ノルマルぺンタン、イソペンタン等が例示でき、シクロペンタンまたはイソペンタンが特に好ましい。発泡剤として用いるこれらの炭化水素化合物の使用量としては、ポリオール100質量部に対して、5〜40質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましい。
炭素数1〜8のHFC化合物としては、HFC−134a、HFC−245fa、HFC−365mfc等が例示できる。このうち、HFC−245faを単独で用いる、HFC−245faとHFC−365mfcとの併用、または、HFC−134aとHFC−245faとHFC−365mfcとの併用が好ましく、HFC−245faを単独で用いる、または、HFC−245faとHFC−365mfcとの併用が特に好ましい。
これらHFC化合物の使用量の好ましい範囲としては、ポリオール100質量部に対してそれぞれ以下のとおりである。HFC−245fa単独の場合は、5〜70質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。またHFC−245faとHFC−365mfcとの併用の場合は、HFC−245faを10〜50質量部、HFC−365mfcを3〜25質量部が好ましく、HFC−245faを15〜35質量部、HFC−365mfcを5〜10質量部がより好ましい。またHFC−134aとHFC−245faとHFC−365mfcとの併用の場合は、HFC−134aを0.2〜15質量部、HFC−245faを10〜50質量部、HFC−365mfcを3〜25質量部が好ましく、HFC−134aを1〜15質量部、HFC−245faを15〜35質量部、HFC−365mfcを3〜15質量部がより好ましい。他のHFC化合物を発泡剤として用いる場合の使用量については、後述するように用いるHFC化合物の沸点により考える。
本発明においては、前述した炭化水素化合物、HFC化合物に加えて、発泡剤として水を併用することが好ましい。発泡剤としての水の使用量は、ポリオール100質量部に対して、2〜5質量部が好ましく、2.5〜4質量部が特に好ましい。
本発明においては、発泡剤としてさらにパーフルオロ化合物、エーテル性酸素原子を含むフッ素化炭化水素化合物(いわゆるHFE化合物)を併用してもよい。ただしその場合にそれらの使用割合は、併用する化合物の沸点ごとに分けて考えることが好ましい。すなわち化合物の沸点が5℃未満の化合物はHFC−134aに準じて、沸点が5℃以上30℃未満の化合物はHFC−245faに準じて、沸点が30℃以上の化合物はHFC−365mfcに準じて考えることが好ましい。すなわち、併用する化合物の使用量は前述した特定のHFC化合物の量を参照して決めることが好ましい。例えば沸点が17℃のHFE化合物をHFC−245faと併用する場合、その使用量はHFC−245faとの合計でポリオール100質量部に対して、5〜70質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。
(整泡剤)
本発明においては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。整泡剤の使用量は、適宜選定すればよいが、ポリオール100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
(触媒)
本発明において用いられる触媒としては、ウレタン化反応を促進する触媒であれば特に制限はない。例えば、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物が用いられる。またイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用してもよく、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が用いられる。また硬質フォームの製造方法としてスプレー発泡を採用する場合には、反応を短時間で完結させるために、2−エチルヘキサン酸鉛等の有機金属触媒を併用することが好ましい。
(その他の配合剤)
本発明では、前述のポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤、触媒の他に、任意の配合剤が使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等である。
(硬質フォームの製造方法)
本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させる硬質発泡合成樹脂の製造方法であり、特に炭化水素化合物、HFC化合物を発泡剤を比較的多量に用いる硬質フォームの製造に有用である。特に断熱パネル等の密閉空間に硬質フォームを充填するいわゆる注入法による製造には、注入点付近においてもセル荒れが発生しにくい点で好適である。
本発明における硬質フォームの形成方法は、高圧発泡装置、低圧発泡装置、スプレー装置などのいずれでも使用できる。高圧発泡装置、低圧発泡装置を用いる場合では、上記発泡剤をポリオールシステムに配合して、種々の金型内に注入後、発泡硬化させて、硬質フォームを製造する。発泡剤は、ポリオールシステムにあらかじめ配合しておいても、発泡機で発泡する際に配合してもよい。ここで原料系にあらかじめ配合するとは、ポリオールシステムのみに配合する、または、ポリオールシステムとポリイソシアネートの両方に配合することを意味する。
本発明の硬質フォームの形成方法としては、スプレー装置を使用してもよい。スプレー装置による形成方法は、大きく分けてエアスプレー法とエアレススプレー法がある。このうち特に配合液をミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー法が好ましい。ここでスプレー法とは、ポリオールシステムとポリイソシアネートとを吹き付けながら反応させる発泡方法である。
(硬質フォーム)
本発明の製造方法により得られる硬質フォームは、フォーム表面におけるボイドの発生が抑制され、セル荒れが抑制される結果、外観が非常に良好である。また本発明によれば、均一で微細なセルが形成され、断熱性、機械的特性に優れた硬質フォームが得られる。
本発明により得られる硬質フォームは発泡剤を比較的多量に用い軽量としやすい。すなわち本発明は、密度が15〜50kg/m、好ましくは15〜40kg/mの比較的軽量の硬質フォームの製造に好適である。
本発明により得られる硬質フォームは断熱性能が良好である。具体的には24℃における熱伝導率(Kf)で、好適には22mW/mK以下、より好適には21mW/mK以下となる硬質フォームが得られる。また断熱性能が良好であるとは、独立気泡率が高いことを意味する。独立気泡率は好適には90%以上となる硬質フォームが得られる。
本発明により得られる硬質フォームは圧縮強度についても良好である。縦400mm×横800mm×厚さ40mmのアルミニウム製金型に、金型容積に対し15%の過充填となる量を投入し全密度35kg/mで発泡した場合において、厚さ方向で好適には0.08MPa以上、より好適には0.10MPa以上となる硬質フォームが得られる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、この説明が本発明を限定するものではない。ただし例1は参考例を、例2〜34は実施例を、例35〜54は比較例を表す。なお表中単位のない数字は質量部を表す。また使用したポリオールを表1に示すが、詳細は次のとおりである。またエチレンオキシドはEOと、プロピレンオキシドはPOと、オキシエチレン基含有量はEO基含有量とそれぞれ省略する。
ポリオールA1:グリセリンにPOおよびEOをこの順で付加させて得られた、水酸基価が56mgKOH/g、EO基含有量が20質量%ポリエーテルポリオール。
ポリオールA2:グリセリンにPOおよびEOをこの順で付加させて得られた、水酸基価が56mgKOH/g、EO基含有量が15質量%ポリエーテルポリオール。
ポリオールA3:プロピレングリコールにPOおよびEOをこの順で付加させて得られた、水酸基価が35mgKOH/g、EO基含有量が20質量%ポリエーテルポリオール。
ポリオールE1:グリセリンにPOのみを付加させて得られた、水酸基価が56mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールE2:グリセリンにPOおよびEOをこの順で付加させて得られた、水酸基価が56mgKOH/g、EO基含有量が7質量%ポリエーテルポリオール。
ポリオールB1:モノエタノールアミンにPOのみを付加させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールB2:グリセリンにPOのみを付加させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールB3:エチレンジアミンにPOのみを付加させて得られた、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールB4:モノエタノールアミンにPOのみを付加させて得られた、水酸基価が300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールE3:エチレンジアミンにPOおよびEOをこの順で付加させて得られた、水酸基価が450mgKOH/g、EO基含有量が40質量%ポリエーテルポリオール。
ポリオールC1:トリレンジアミンにPOのみを付加させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールC2:トリレンジアミンにEO、PO、EOをこの順で付加させて得られた、水酸基価が350mgKOH/g、EO基含有量が25質量%ポリエーテルポリオール。
ポリオールC3:トリレンジアミンにEO、PO、EOをこの順で付加させて得られた、水酸基価が450mgKOH/g、EO基含有量が25質量%ポリエーテルポリオール。
ポリオールC4:ノニルフェノール、ホルムアルデヒドおよびジエタノールアミンを反応させて平均官能基数が4であるマンニッヒ縮合物を得た。このマンニッヒ縮合物にPOのみを付加させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールB5D1:シュークロースとグリセリンの混合物(質量比で3:2)にPOのみを付加させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールB6D2:シュークロースとグリセリンの混合物(質量比で2:1)にPOのみを付加させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオールD3:ソルビトールにPOのみを付加させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
Figure 0004736503
(発泡評価1:硬質ポリウレタンフォームの製造例)
各表に示したポリオールを合計で100質量部、触媒としてペンタメチルジエチレントリアミン(商品名:TOYOCAT−DT、東ソー社製)およびN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン(商品名:TOYOCAT−MR、東ソー社製)を質量比で1対3の割合で混合しハンド発泡時のゲルタイムが80秒となるのに必要な量、整泡剤としてシリコーン整泡剤(商品名:SZ−1646、日本ユニカー社製)の3質量部、難燃剤としてトリス(2−クロロプロピル)ホスフェート(商品名:TMCPP、大八化学社製)の15質量部、および、表に示した種類と量の発泡剤を調合しポリオールシステムとした。
調整したポリオールシステムに対し、ポリイソシアネートとしてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(商品名:MR−200、日本ポリウレタン工業社製)を、イソシアネート指数が120となる量を用いた。このポリオールシステムとポリイソシアネートとをそれぞれ原料として用いた。
発泡剤としてHFC化合物を用いた場合は原料双方の液温を15℃に、発泡剤として炭化水素化合物を用いた場合は原料双方の液温を20℃に、保温した。40℃に温度調整した縦400mm×横800mm×厚さ40mmのアルミニウム製金型に有機系の離型剤を塗布した状態で、前述の原料を混合して、金型容積に対し15%の過充填となる量を投入し、硬質ポリウレタンフォームを製造した。
(フォームの評価)
得られた硬質フォームの、全密度(単位:kg/m)、発泡剤(HFC−245faおよびシクロペンタン)のポリオール(混合物)に対する溶解性、フォームの表面状態(表面脆性)、セルの状況(注入点のセル荒れおよび(全体的な)セルの均一性)、および24℃における熱伝導率(Kf、単位:mW/mK)、厚さ方向の圧縮強度(単位:MPa)の評価を表に示す。
発泡剤のポリオールに対する溶解性は、25℃において、ポリオール100質量部に対して溶解した発泡剤の量(単位:質量部)を測定し、評価した。
またポリオールとポリイソシアネートとの相溶性は、フォームの表面状態およびセルの状況を目視および触感による官能評価で評価した。すなわち、表面脆性、注入点セル荒れ、およびセルの均一性については、状態の良好なものをA、やや良好なものをAB、若干不良な場所が見られるが実用上支障がないものをB、不良な場所がやや見られ実用上やや支障があるものをBC、不良な場所が多く実用上支障があるものをCとして評価した。
表2〜6に示したように、本発明に基づいて得られた硬質ポリウレタンフォームはいずれも良好な表面状態、セル状態、断熱性能を示した。すなわち例1では、ポリオール(A)、ポリオール(B)を所定の比率で用いているため、表面脆性、注入点のセル荒れ、セルの均一性がいずれも良好な結果となっている。また例2ではさらにポリオール(C)を所定量併用しているため、注入点のセル荒れ、セルの均一性がより良好になり、同時に断熱性能も改善されている。またさらにポリオール(D)を併用した例5〜23および26〜34においては圧縮強度が0.1MPa以上となり、要求物性全体のバランスが取れより良好なフォームが得られている。一方比較例(表7〜9)である例35〜54では、ポリオール(A)またはポリオール(B)を用いていないため、表面脆性、注入点のセル荒れ、セルの均一性の各項目で好ましくない結果となっている。
Figure 0004736503
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Figure 0004736503
本発明は、均一で微細なセル構造を有し、断熱性が良好である、硬質フォームの製造方法として有用である。特に、ポリオールに対する発泡剤の溶解性が向上され、かつ、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性が向上されたことを特徴とする。

Claims (10)

  1. ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、前記発泡剤として炭素数2〜8の炭化水素化合物および炭素数1〜8のフッ素化炭化水素化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を用い、前記ポリオールとして、下記ポリオール(A)をポリオールの全量に対して2〜50質量%、下記ポリオール(B)をポリオールの全量に対して10〜90質量%、および下記ポリオール(C)をポリオールの全量に対して1〜80質量%、併用することを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(A):官能基数が2〜4、水酸基価が30〜200mgKOH/g、オキシエチレン基含有量が10〜50質量%である、窒素原子を有していないポリオキシアルキレンポリオール。
    ポリオール(B):官能基数が2〜4、水酸基価が100〜800mgKOH/g、オキシエチレン基を含有せず、芳香環を有していないポリオキシアルキレンポリオール。
    ポリオール(C):官能基数が4〜12、水酸基価が100〜800mgKOH/g、窒素原子および芳香環を有するポリオキシアルキレンポリオール。
  2. 前記ポリオールとして、さらに下記ポリオール(D)をポリオールの全量に対して1〜80質量%用いる請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(D):官能基数が5〜12、水酸基価が100〜800mgKOH/g、窒素原子も芳香環も有していないポリオキシアルキレンポリオール。
  3. 前記ポリオールのうち、前記ポリオール(A)と前記ポリオール(B)との合計の割合、20〜60質量%である、請求項1または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  4. 前記ポリオール(A)と前記ポリオール(B)との合計に対する前記ポリオール(A)の割合が、5〜60質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  5. 前記ポリイソシアネートの使用量が、イソシアネート指数で80〜150である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  6. 前記触媒として、3級アミン類及び有機金属化合物から選択されるウレタン化反応を促進する触媒を用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  7. 前記触媒として、ウレタン化反応を促進する触媒と共に、イソシアネート基の三量化反応を促進させるカルボン酸金属塩を用いる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  8. 前記発泡剤として、ポリオール100質量部に対して2〜5質量部の水を併用する請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  9. 金型内に注入後発泡硬化させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  10. スプレー法による、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
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