JP2003277642A - 色素会合体、光記録材料とその製造方法、光記録媒体 - Google Patents

色素会合体、光記録材料とその製造方法、光記録媒体

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JP2003277642A
JP2003277642A JP2002080159A JP2002080159A JP2003277642A JP 2003277642 A JP2003277642 A JP 2003277642A JP 2002080159 A JP2002080159 A JP 2002080159A JP 2002080159 A JP2002080159 A JP 2002080159A JP 2003277642 A JP2003277642 A JP 2003277642A
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JP2002080159A
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English (en)
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Hideki Takagi
秀樹 高木
Masaaki Tsuchimori
正昭 土森
Yasuji Igawa
泰爾 井川
Masahiro Koto
昌大 琴
Osamu Watanabe
修 渡辺
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 400nm 付近に吸収極大を持ち、吸光度の大き
い色素会合体を含む光記録材料とその製造方法等を提供
する。 【解決手段】 光照射により解離性を示す、好ましくは
アゾ基又はアゾベンゼン構造を有する有機色素のH型会
合体であって、 400±10nmの波長域に吸収ピークを持つ
と共に、該吸収ピークにおける吸光係数が1μm−1
上である色素会合体。この色素会合体を含む光記録材
料。珪素アルコキシド、金属アルコキシド等から選ばれ
る第1原料化合物と、有機色素か、又は第1原料化合物
の珪素又は金属原子に有機色素分子を結合させた第2原
料化合物とを用いてゾルゲル法を行う光記録材料の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色素会合体、光記
録材料とその製造方法及び光記録媒体に関し、更に詳し
くは、短波長領域に吸光係数の高いスペクトルを与える
色素会合体、このような色素会合体を含む有機−無機ハ
イブリッド化光記録材料、かかる光記録材料の製造方
法、及びかかる光記録材料を用いた光記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光情報記録に関しては、従来より記録情
報の高密度化が追求されている。記録情報の高密度化に
は、より短波長領域での光情報記録が有利である。近
年、波長400±10nmの青紫色半導体レーザーが開発さ
れ、記録の高密度化を企図した青紫色半導体レーザーに
よる次世代光記録ディスクが実用化されつつある。従っ
て、波長 400±10nmに対応した有効な光記録材料及び光
記録媒体を提供することが強く求められている。
【0003】ところで、有機色素分子は一般に、会合体
を形成することにより本来の電子スペクトルに変化が生
じ、会合の形態に応じて、より短波長側あるいはより長
波長側に吸収極大を持つ尖鋭なスペクトルを与えること
が知られている。
【0004】色素の会合体形成により吸収波長が変化す
る材料に関する報告として、以下のものが例示される。
(a) 有機系ポリマーである液晶ポリマー(λmax =410n
m へシフト)が、Macromolecules 33. 6815-6823(2000)
に報告されている。(b) メロシアニン色素(λmax =50
3nm へシフト)を酸化チタン等へドープしたものが、J.
Am. Chem. Soc. 118, 5420-5431(1996)に報告されてい
る。(c) ゾルゲル法による薄膜材料として、ローダミン
色素(λmax =525nm へシフト)を用いたものが、Che
m. Phys. Lett. 233, 424-429(1995)や、J. Phys. Che
m. B 101 3680-3687(1997)に報告されている。(d) 色素
としてアゾベンゼン誘導体を用いたものでは、Chem. Ph
ys. Lett. 245, 36-40(1995)、Opt. Mater. 15, 279-28
4(2001) 、Opt. commun. 198, 207-215(2001) 等に報告
がある。
【0005】なお、その他にも、記録方式が異なるが、
短波長光利用のための材料として光−磁気記録用のTbFe
Co/Pt,Pd等を用いた研究や、相変化記録用としては Jp
n, J.Appl Phys. 40, 1821(2001)に報告されたものがあ
る。又、本件出願人は、ゾルゲル法によりアゾベンゼン
色素を分散させた光記録材料の発明を、特願2000-19085
9 号として既に出願している。この発明は、アルコキシ
シリル基を有する光応答性有機色素とアルコキシシラン
とからゾルゲル法によって作製したフィルム状等の光記
録材料と、その製造方法に関する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記(a)
の従来技術は、微小記録を行うにはドメインの問題があ
るため、超高密度記録に不向きである。次に上記(b) の
従来技術に関しては、波長λ=400nm の吸収係数が低い
と言う問題があり、更に上記(c) の従来技術に関しても
同様の問題がある。
【0007】色素の吸光度を大きくするためには、遷移
モーメントを大きく取れる分子内電荷移動を利用した、
例えば、プッシュプル型のアゾベンゼン色素が有効であ
る。しかし一般的には、この色素を単量体で用いると吸
収スペクトルは長波長側にシフトしてしまう。そのた
め、前記した短波長領域での、あるいは青紫色半導体レ
ーザーを利用した光情報記録が困難である。アゾベンゼ
ン色素会合体の利用を考えた場合、H型会合体とJ型会
合体とがあるが、今までに報告された例ではJ型会合体
が利用されており、この場合は吸収スペクトルが長波長
側にシフトするので、やはり同様の問題がある。
【0008】そこで本発明は、上記従来技術の問題点を
解消することを、解決すべき課題とする。光情報記録に
色素を利用する場合、前記のように短波長域、特に400n
m 付近に吸収極大を持つ色素会合体が有利であり、又、
効率的な記録を行うためには吸光度の大きいことが更に
有利である。本発明は、これらの利点を備えた新規な色
素会合体、光記録材料とその製造方法、及び光記録媒体
を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、光照射により解離性を示す有機色素の
H型会合体であって、 400±10nmの波長域に吸収ピーク
を持つと共に、薄膜状に形成した材料中での前記H型会
合体の吸収ピークにおける吸光係数が 1μm −1以上で
ある、色素会合体である。
【0010】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係る色素会合体が、色素の解離状態にお
いては以下の(1)又は(2)の内の一つ以上の特性を
示すものである、色素会合体である。 (1)吸収ピークにおける吸光係数が低減する。 (2)屈折率又は反射率が変化する。
【0011】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係る色素会合体が、アゾ基
又はアゾベンゼン構造を有する有機色素の会合体であ
る、色素会合体である。
【0012】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る色素会合体を
含む光記録材料であって、珪素及び/又は金属原子が酸
素を介して結合したネットワークからなるマトリクス材
料中に前記有機色素が含まれ、かつこれらの色素が前記
色素会合体を構成している、光記録材料である。
【0013】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第4発明に係る色素会合体を構成する有機色素が前
記ネットワークを構成する珪素及び/又は金属原子に結
合している、光記録材料である。
【0014】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
下記第1原料化合物と第2原料化合物を混合し、ゾル−
ゲル法により加水分解及び重縮合させることによって光
記録材料を製造する、光記録材料の製造方法である。
【0015】第1原料化合物:珪素アルコキシド,珪素
アセチルアセトネート,珪素有機酸塩,珪素塩化物,珪
素オキシ塩化合物,珪素硝酸塩.金属アルコキシド,金
属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,金属塩化物,
金属オキシ塩化合物及び金属硝酸塩から選ばれる1種又
は2種以上。第2原料化合物:第1発明〜第3発明のい
ずれかに係る色素会合体を構成し得る有機色素。
【0016】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
下記第1原料化合物と第2原料化合物を混合し、ゾル−
ゲル法により加水分解及び重縮合させることによって光
記録材料を製造する、光記録材料の製造方法である。
【0017】第1原料化合物:珪素アルコキシド,珪素
アセチルアセトネート,珪素有機酸塩,珪素塩化物,珪
素オキシ塩化合物,珪素硝酸塩.金属アルコキシド,金
属アセチルアセトネート,金属有機酸塩,金属塩化物,
金属オキシ塩化合物及び金属硝酸塩から選ばれる1種又
は2種以上。第2原料化合物:上記第1原料化合物のい
ずれかであって、その珪素又は金属原子に、第1発明〜
第3発明のいずれかに係る色素会合体を構成し得る有機
色素を結合させたものから選ばれる1種又は2種以上。
【0018】(第8発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
前記第6発明又は第7発明に係る第2原料化合物におけ
る有機色素が、アゾ基又はアゾベンゼン構造を有する有
機色素である、光記録材料の製造方法である。
【0019】(第9発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第9発明(請求項9に記載の発明)の構成は、
前記第6発明〜第8発明のいずれかに係る第1原料化合
物及び第2原料化合物の混合物中における有機色素分子
の混合モル比を、 (1/6)×100 モル%以上とした、光記
録材料の製造方法である。
【0020】(第10発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第10発明(請求項10に記載の発明)の構
成は、前記第6発明〜第9発明のいずれかに係る第1原
料化合物又は第7発明に係る第2原料化合物の一部又は
全部が、珪素に1個又は複数個のアルキル基及び/又は
アリール基を結合したものである、光記録材料の製造方
法である。
【0021】(第11発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第11発明(請求項11に記載の発明)の構
成は、第4発明又は第5発明に係る光記録材料を用い、
あるいは第6発明〜第10発明のいずれかに係る光記録
材料の製造方法により製造された光記録材料を用いて、
記録領域面を構成した、光記録媒体である。
【0022】(第12発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第12発明(請求項12に記載の発明)の構
成は、前記第11発明に係る光記録媒体が、任意の基体
上に前記光記録材料を薄膜状に形成したものである、光
記録媒体である。
【0023】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)本願発
明者は、後述の光記録用材料の製造方法によって、光照
射により解離性を示す有機色素のH型会合体であって 4
00±10nmの波長域に吸収ピークを持つと共に、薄膜状に
形成した材料中での前記H型会合体の吸収ピークにおけ
る吸光係数が 1μm −1以上である色素会合体を形成す
ることに成功した。
【0024】このような色素会合体により、青紫色半導
体レーザーを利用した短波長領域での高密度光情報記録
が可能となった。更に、この色素会合体は、薄膜状に形
成した材料中での吸収ピークにおける吸光係数が 1μm
−1以上と大きいため、効率的な光情報記録が可能であ
ると言う有利さが得られる。
【0025】(第2発明の作用・効果)第2発明に係る
色素会合体は、前記(1)又は(2)に示すように、単
体色素(光照射により解離した状態)に対して多様で明
瞭な光学的特性の差異を示す。従って、光照射を行った
情報記録領域と、未だ光照射を行っていない情報未記録
領域との差異が明瞭であり、この差異を利用した場合、
情報再生の確実性あるいはシグナル/ノイズ比が優れて
いる。
【0026】(第3発明の作用・効果)本願発明に係る
色素会合体は、より好ましくはアゾ基又はアゾベンゼン
構造を有する有機色素の会合体である。アゾ基又はアゾ
ベンゼン構造を有する有機色素の会合体は、通常は500n
m 付近の波長域に吸収ピークを持つが、本発明のH型会
合体を形成することにより、400 ±10nmの波長域に吸収
ピークがシフトする。
【0027】その結果、元々色素吸光度の点で有利であ
るアゾ色素において、青紫色半導体レーザーを利用した
短波長領域での高密度光情報記録が可能となり、かつ吸
収ピークにおける吸光係数が大きいため効率的な光情報
記録が可能となる。
【0028】(第4発明の作用・効果)第4発明の光記
録材料は第1発明〜第3発明のいずれかに係る色素会合
体を含むので、これらの発明の上記作用・効果が確保さ
れる。又、第4発明の光記録材料のマトリクスは所定の
ネットワークからなるので、耐熱性が優れると共に硬度
が高い。色素会合体はこのネットワーク中に含まれるた
め、記録情報の耐熱性が優れる。又、例えば近接場光を
利用した記録再生等において、再生ヘッドの接触による
記録破壊に対して実用レベルの優れた抵抗性を持つ。
【0029】(第5発明の作用・効果)第5発明の光記
録材料においては、色素会合体を構成する有機色素がネ
ットワークを構成する珪素及び/又は金属原子に結合し
ているので、記録情報の耐熱性が特に優れ、又、前記し
たような再生ヘッド等による記録破壊に対して特に優れ
た実用レベルの抵抗性を持つ。
【0030】(第6発明の作用・効果)第6発明の光記
録材料の製造方法により、上記第4発明の光記録材料を
有効に製造できることが分かった。第6発明の光記録材
料の製造方法において特に注目すべき点は、第4発明に
係る光記録材料の所定のネットワークが形成されるだけ
でなく、同時に有機色素のH型会合体が自律的に形成さ
れることである。
【0031】この製造方法において、第1原料の加水分
解及び重縮合の過程(ゾル−ゲル法による反応過程)及
び有機色素のH型会合体形成の過程は、複雑かつ多様で
あって詳細かつ明快に記述することは困難である。
【0032】しかし、この種のゾル−ゲル法による反応
過程について周知のように、基本的には加水分解及び重
縮合により、第1原料のアルコキシル基が解離して、シ
ロキサン結合(Si−O−Si)のネットワーク、金属
原子(以下、単に「M」と表記することがある)が酸素
を介して結合した(M−O−M)ネットワーク、あるい
は珪素と金属原子が酸素を介して結合した(Si−O−
M)ネットワークが形成され、その際にマトリクスのネ
ットワーク中に有機色素が組込まれて色素会合体を形成
する。こうして、結果的に上記第4発明に係る光記録用
材料を製造することができる。
【0033】(第7発明の作用・効果)第7発明の光記
録材料の製造方法により、上記第5発明の光記録材料を
有効に製造できる。第7発明の光記録材料の製造方法に
おいては、基本的には、少なくとも上記第6発明と同様
の作用・効果が得られる。
【0034】更に第7発明においては、その第2原料化
合物が、第1原料化合物のいずれかであってその珪素又
は金属原子に所定の有機色素分子を結合させたものから
選ばれる。その結果、ゾル−ゲル法による加水分解及び
重縮合に第2原料化合物も参加することとなる一方、第
1原料化合物の珪素又は金属原子と有機色素分子との結
合(共有結合)は分解されない。その結果、製造された
光記録材料において、色素会合体を構成する有機色素が
マトリクスのネットワークを構成する珪素及び/又は金
属原子に結合している。
【0035】(第8発明の作用・効果)上記第6発明又
は第7発明における第2原料化合物の有機色素として、
アゾ基又はアゾベンゼン構造を有する有機色素を、特に
好ましく利用できる。
【0036】(第9発明の作用・効果)第9発明のよう
に、第1原料化合物及び第2原料化合物の混合物中にお
ける有機色素分子の混合モル比を (1/6)×100 モル%以
上とすることにより、有機色素(例えば、アゾ基又はア
ゾベンゼン構造を有する有機色素)のH型会合体が、特
に効率良く形成される。
【0037】(第10発明の作用・効果)第10発明の
ように、第1原料化合物又は第2原料化合物の一部又は
全部が珪素に1個又は複数個のアルキル基及び/又はア
リール基を結合したものである場合、有機色素のH型会
合体が更に効率良く形成される。
【0038】(第11発明の作用・効果)第11発明の
光記録媒体においては、第4発明又は第5発明に係る光
記録材料の作用・効果、あるいは第6発明〜第10発明
の製造方法に係る光記録材料の作用・効果を有効に得る
ことができる。
【0039】(第12発明の作用・効果)第12発明の
光記録媒体においては、任意の基体上に光記録材料を薄
膜状に形成するので、上記第11発明の効果を特に良好
に得ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】〔色素会合体〕本発明の色素会合
体は、有機色素のH型会合体であって、光照射により解
離性を示す。又、この色素会合体は 400±10nmの波長域
に吸収ピークを持つと共に、薄膜状に形成した材料中で
の該吸収ピークにおける吸光係数が 1μm −1以上、よ
り好ましくは 2μm −1以上である。例えば、本発明の
色素会合体を含んで薄膜状に形成された光記録材料が、
このような吸収ピークにおける吸光係数を示すものであ
ることが、好ましい。更に、このような色素会合体にお
いて、吸収ピークの尖鋭度がλ1/2 = 65nm 以下で
あることも好ましい。
【0041】本発明の色素会合体は、前記した理由か
ら、より好ましくは、色素会合体が解離した状態(色素
分子単体の状態)においては、色素会合体の状態にある
場合と比較して、吸収ピークにおける吸光係数が低減
し、及び/又は、屈折率又は反射率が変化する。
【0042】本発明の色素会合体を構成する有機色素の
種類は限定されないが、前記した理由から、有機色素は
アゾ基又はアゾベンゼン構造を有する有機色素であるこ
とが、より好ましい。特に好ましくは、アゾ基又はアゾ
ベンゼン構造におけるフェニル基のそれぞれ両端に電子
供与基,電子吸引基を有する分子内電荷移動型のもので
ある。具体的には、例えば Disperse Red 1 、 Dispers
e Red 19、 DisperseOrange 3、 Disperse Orange 25
等を挙げることができる。
【0043】〔光記録材料〕本発明の光記録材料におい
ては、珪素及び/又は金属原子が酸素を介して結合した
ネットワークからなるマトリクス材料中に色素会合体を
構成する有機色素が含まれ、かつこれらの色素が上記し
た本発明に係る色素会合体を構成しているものである
(本発明の第1の光記録材料)。より好ましくは、有機
色素がネットワークを構成する珪素及び/又は金属原子
に結合(共有結合)した状態で含まれ、かつこれらの色
素が上記した本発明に係る色素会合体を構成している
(本発明の第2の光記録材料)。
【0044】従って、光記録材料中に有機色素が含まれ
る態様は、マトリクス材料のネットワーク中に有機色素
の色素会合体が分散している状態、より好ましくは、こ
れら色素会合体を構成する有機色素がマトリクス材料の
ネットワークを構成する珪素及び/又は金属原子に対し
てC−Si結合又はC−M結合によって共有結合した状
態である。
【0045】有機色素分子がマトリクス材料のネットワ
ークを構成する珪素及び/又は金属原子に結合する態様
として、ネットワークの端末に組込まれた状態(ネット
ワークを構成する1個の珪素又は金属原子のみと共有結
合した状態)と、ネットワークの結節点として組込まれ
た状態(ネットワークを構成する2個以上の珪素及び/
又は金属原子と共有結合した状態)とがあり得る。色素
会合体の形成を促進する見地(換言すれば、更に吸光度
を高くする見地)からは、前者の含有形態が相対的に好
ましい。
【0046】マトリクス材料のネットワークを構成する
珪素や金属原子は、基本的には隣接する珪素や金属原子
との間で酸素を介して結合を形成する他、好ましくは上
記のように色素分子と結合を形成している。更には、1
個又は複数個のアルキル基及び/又はアリール基と結合
を形成することが、好ましくあり得る。
【0047】ネットワークの構成要素としての珪素ある
いは金属原子の選択(択一的選択、あるいは併用する場
合における両者の量比の選択)は、最終的にはマトリク
ス材料の変形能,硬度等の特性を考慮して決定される
が、これらの特性は、マトリクス材料の合成段階での反
応速度の違い等によっても変わるため、反応プロセスの
条件設定も含めて、適宜選択することができる。
【0048】金属原子としては、2価以上のもの、より
好ましくは3価以上のものを用いる。この条件に合致す
る限りにおいて金属原子の種類は限定されないが、例え
ば、Ti,Zr,Al,Pb,Zn,Ba,Y,V等を
好ましく例示でき、とりわけ、多くのアルコキシドを比
較的入手し易いと言う理由から、Ti,Zr,Alが好
ましい。なお、金属原子の一部に、例えばLi等の1価
の金属を含ませることも可能であり、マトリクス材料の
変形能,硬度等のバランスで適宜用いることができる。
【0049】〔光記録材料の製造方法〕本発明における
光記録材料の第1の製造方法においては、前記第6発明
に係る第1原料化合物と第2原料化合物を混合し、ゾル
−ゲル法により加水分解及び重縮合させることによって
光記録材料を製造する。この製造方法により、少なくと
も前記本発明の第1の光記録材料を製造することができ
る。
【0050】本発明における光記録材料の第2の製造方
法においては、上記第1の製造方法に係る第1原料化合
物と前記第7発明に係る第2原料化合物とを、ゾル−ゲ
ル法により加水分解及び重縮合させる。この製造方法に
より、少なくとも前記本発明の第2の光記録材料を製造
することができる。
【0051】第1原料化合物は、珪素や金属原子に対し
て、ゾル−ゲル法によって加水分解される基のみを結合
させた原料である。その2,3を例示すれば、珪素アル
コキシドとしてテトラエトキシシラン等のテトラアルコ
キシシランが、珪素塩化物としてトリクロロシランが、
金属有機酸塩として酢酸鉛やシュウ酸バリウムが、金属
硝酸塩として硝酸ニッケルが、金属オキシ塩化合物とし
てオキシ塩化アルミニウムが、それぞれ挙げられる。な
お、2種金属複合アルコキシド等も適宜に選択すること
ができる。
【0052】上記第2の製造方法における第2原料化合
物としては、有機色素分子が各種第1原料化合物におけ
る置換性残基と置換して珪素や金属原子に対して結合
(炭素−珪素結合によって珪素に共有結合)したものを
利用できる。第1、第2の製造方法において、第2原料
化合物の有機色素としては、アゾ基又はアゾベンゼン構
造を有する有機色素が特に好ましい。
【0053】マトリクス材料において色素分子の混合モ
ル比を高めると、具体的には、第1原料化合物及び第2
原料化合物の混合物中における有機色素分子の混合モル
比を(1/6)×100 モル%以上とすると、特に色素会合体
が良好に形成され、あるいは色素会合体の吸収ピークに
おける吸光係数が高くなる。色素分子の混合モル比を高
めたい場合、第1原料化合物に対する第2原料化合物の
混合モル比を高めたり、あるいは第1原料化合物の珪素
や金属原子に対して複数分子の光反応性成分を共有結合
させてなる第2原料化合物を用いたりすることができ
る。
【0054】又、第1原料化合物又は第2の製造方法に
おける第2原料化合物の一部又は全部が、珪素に1個又
は複数個のアルキル基及び/又はアリール基を結合した
ものである場合にも、特に色素会合体が良好に形成さ
れ、あるいは色素会合体の吸収ピークにおける吸光係数
が高くなる。
【0055】ゾル−ゲル法の実施条件は特段に限定され
ないが、好ましくは、例えば、第1の製造方法において
は第1原料化合物を、第2の製造方法においては第1原
料化合物及び第2原料化合物を、酸性条件下で重縮合さ
せることができる。光記録材料を薄膜状に形成したい場
合には、上記のように重縮合させ、一定時間経過後にス
ピンコーティング法により薄膜化することができる。
【0056】〔光記録媒体〕本発明の光記録媒体は、上
記各種の光記録材料を用い、あるいは上記各種の光記録
材料の製造方法により製造された光記録材料を用いて、
記録領域面を構成したものである。その限りにおいて構
成を限定されないが、特に好ましくは、光記録媒体が、
任意の基体上に上記光記録材料を薄膜状に形成したもの
である。又、本発明の光記録媒体は、光情報の記録・再
生を目的とする限りにおいて、その用途や種類も限定さ
れない。
【0057】光記録媒体の情報記録時、記録光として用
いる照射光の種類は限定されず、例えばレーザー光等を
任意に利用できるが、情報記録をより高密度に行いたい
場合には近接場光を好ましく利用できる。照射光として
は、偏光、例えば直線偏光,円偏光又はだ円偏光を使用
しても良い。照射光の波長も限定されないが、例えば波
長400nm 付近の短波長光、とりわけ青紫色半導体レーザ
ー光を好ましく利用することができる。
【0058】再生光による記録情報の再生は、公知の任
意の手段を用いて行うことができる。近接場光を用いて
情報記録を行った場合においても、光ヘッド,ファイバ
ープローブを用いた近接場光により光学的に再生するこ
とはもちろん、ナノスケールでの読出しが可能な公知の
任意の手段を用い、又はそれを利用した有利な読出しシ
ステムを構成して行うことができる。
【0059】本発明の光記録媒体は、記録領域の全部が
本発明に係る光記録材料を用いて構成されていても良い
し、記録領域の一部がそのように構成され、他の部分が
他の任意の光記録材料を用いて構成されていても良い。
光記録媒体は、表面層、変形層又は下地層の他、基板,
保護膜その他の膜体等の構成要素を任意に含むことがで
きる。又、光記録媒体は光情報の記録媒体としての公知
の各種用途、例えば、計算機用の記録媒体や音楽/映像
用の記録媒体、更には近接場光の強度分布を記録する記
録媒体等に任意に使用できる。
【0060】光記録媒体における光情報記録の形態とし
ては、例えば、近接場光学用のファイバープローブある
いは微小開口を有する光ヘッドを用いて情報をビット毎
に書込んだり、光記録媒体にマスクを用いて光照射によ
り一度に情報を記録したりすることも可能である。
【0061】
【実施例】〔実施例1〕図1の反応式に示すように、ア
ゾベンゼン構造を有する色素 Disperse Red 1( DR1)
を用い、DR1 の1級水酸基と3-(トリエトキシシリル)
プロピルイソシアナート( ICPTEOS)のイソシアナート
基との付加反応により、1分子の色素に1分子のアルコ
キシシランを結合させた DR1UPTEOSを合成した。
【0062】即ち、60°Cに加熱した DR1のピリジン溶
液に1.2 当量の ICPTEOSのピリジン溶液を滴下し、7時
間加熱攪拌して DR1と ICPTEOSとを反応させた。その後
減圧下でピリジンを留去し、カラムクロマトグラフィー
(シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/
1)により生成物を得た。これをエタノールから繰返し
再結晶させて、精製 DR1UPTEOSを得た。生成物の化学構
造は、H及び13C NMRスペクトルにより確認した。
【0063】〔実施例2〕図2の反応式に示すように、
アゾベンゼン構造を有する色素 Disperse Red 19( DR1
9 )を用い、 DR19 の水酸基と ICPTEOSのイソシアナー
ト基との付加反応により、1分子の色素に2分子のアル
コキシシランを結合させた DR19TEOS を合成した。
【0064】即ち、60°Cに加熱した DR19 のピリジン
溶液に2.5 当量の ICPTEOSのピリジン溶液を滴下し、7
時間加熱攪拌して DR19 と ICPTEOSとを反応させた。原
料残留のため1.1 当量の ICPTEOSのピリジン溶液を追加
し、更に50〜60°Cで7時間攪拌した。その後減圧下で
ピリジンを留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)によ
り生成物を得た。これをエタノールから繰返し再結晶さ
せて、精製 DR19TEOS を得た。生成物の化学構造は、
H及び13C NMR スペクトルにより確認した。
【0065】〔実施例3〕第2原料たる DR1UPTEOSと、
第1原料たるテトラエトキシシラン(図3に示すTEOS)
とを、ゾル−ゲル法により加水分解及び重縮合させ、光
記録用材料膜を作製した。
【0066】具体的には、試料管に DR1UPTEOS(0.162
g: 0.288mmolに相当)とTEOS(0.915g:4.39mmolに相
当)を精秤した。この場合の DR1UPTEOS:TEOSの仕込み
モル比は、ほぼ1:15である。精秤した DR1UPTEOSと
TEOSとをアセトン1.61g に溶解した。これに 0.01M塩酸
水溶液 0.83gを加えて数分間振蕩し、均一溶液になった
後、室温にて3時間攪拌した。
【0067】次いで上記の反応液に1.24g (用いたシラ
ンのモル数に対して 3.3当量)のピリジンを室温で加
え、この溶液を0.25μmのPTFEフィルターでろ過した。
ろ液から直ちに、スピンコート法で、スライドガラス上
に、膜厚 0.1μmの光記録材料の薄膜を作製した。スピ
ンコートは3000r.p.m.の回転数、30sec.の条件で行っ
た。製膜後、クリーンベンチで一昼夜風乾した。
【0068】更に同上の要領で、 DR1UPTEOS(m) :TEOS
(n) の仕込みモル比がそれぞれ「1:5」、「1:1
0」、「1:20」、「1:30」である、膜厚 0.3μ
mの光記録材料の薄膜をスライドガラス上に作製した。
以上の DR1UPTEOS:TEOSの仕込みモル比が異なる5通り
の各薄膜について、 UV/vis 吸収スペクトルを図4に示
す。各スペクトル線をm:nの比率の表記により区別す
る。
【0069】〔実施例4〕第2原料たる DR1UPTEOSと、
第1原料たるメチルトリエトキシシラン(図3に示すMe
TEOS)とを、ゾル−ゲル法により加水分解及び重縮合さ
せ、光記録用材料膜を作製した。
【0070】具体的には、試料管に DR1UPTEOS(0.158
g: 0.281mmolに相当)と MeTEOS (0.499g:2.8mmol
に相当)を精秤した。この場合の DR1UPTEOS:MeTEOSの
仕込みモル比は、ほぼ1:10である。精秤した DR1UP
TEOSとTEOSとをアセトン1.1gに溶解した。これに 0.01M
塩酸水溶液 0.55gを加えて数分間振蕩し、均一溶液にな
った後、室温にて3時間攪拌した。
【0071】次いで上記の反応液に0.84g (用いたシラ
ンのモル数に対して 3.3当量)のピリジンを室温で加
え、この溶液を0.5 μmのPTFEフィルターでろ過した。
ろ液から直ちに、スピンコート法で、スライドガラス上
に、膜厚0.3 μmの光記録材料の薄膜を作製した。スピ
ンコートは5000r.p.m.の回転数、15sec.の条件で行っ
た。製膜後、クリーンベンチで一昼夜風乾した。
【0072】更に同上の要領で、 DR1UPTEOS(m) :MeTE
OS(n) の仕込みモル比がそれぞれ「1:1」、「1:
5」である、同上の膜厚の光記録材料の薄膜をスライド
ガラス上に作製した。以上の DR1UPTEOS:MeTEOSの仕込
みモル比が異なる3通りの各薄膜について、 UV/vis 吸
収スペクトルを図5に示す。図5において、各スペクト
ル線をm:nの比率の表記により区別する。
【0073】〔実施例5〕第2原料たる DR19TEOS と、
第1原料たるTEOSとを、ゾル−ゲル法により加水分解及
び重縮合させ、光記録用材料膜を作製した。
【0074】具体的には、試料管に DR19TEOS (0.41g
:0.5mmol に相当)とTEOS(1.04g:5.0mmol に相当)
を精秤した。この場合のDR19TEOS:TEOSの仕込みモル比
は、ほぼ1:10である。精秤した DR19TEOS とTEOSと
をアセトン1.9gに溶解した。これに0.01M 塩酸水溶液1.
0gを加えて、室温にて3時間攪拌した。
【0075】次いで上記の反応液に1.4g(用いたシラン
のモル数に対して 3.3当量)のピリジンを室温で加え、
この溶液を0.5 μmのPTFEフィルターでろ過した。ろ液
から直ちに、スピンコート法で、スライドガラス上に、
膜厚0.3 μmの光記録材料の薄膜を作製した。スピンコ
ートは2000r.p.m.の回転数、30sec.の条件で行った。製
膜後、クリーンベンチで一昼夜風乾した。
【0076】更に同上の要領で、 DR1UPTEOS(m) :TEOS
(n) の仕込みモル比がそれぞれ「1:1」、「1:
5」、「1:30」である、同上の膜厚の光記録材料の
薄膜をスライドガラス上に作製した。以上の DR19TEOS
:TEOSの仕込みモル比が異なる4通りの各薄膜につい
て、 UV/vis 吸収スペクトルを図6に示す。図6におい
て、各スペクトル線をm:nの比率の表記により区別す
る。
【0077】〔実施例6〕第2原料たる DR19TEOS (x)
と、第1原料たるTEOS(y) 及びジフェニルジエトキシシ
ラン(図3に示すDPDEOS:z)とを、ゾル−ゲル法により
加水分解及び重縮合させ、光記録用材料膜を作製した。
【0078】具体的には、試料管にDR19TEOS(0.413 g
:0.501mmol に相当)、TEOS(0.418g:2.01mmolに相
当)及びDPDEOS(0.1372g :0.504mmol に相当)を精秤
した。この場合のDR19TEOS:TEOS:DPDEOSの仕込みモル
比は、ほぼ1:4:1である。精秤した DR19TEOS 、TE
OS及びDPDEOSをアセトン1.06g に溶解した。これに0.01
M 塩酸水溶液 0.49gを加えて、室温にて24時間静置し
た。
【0079】次いで上記の反応液に0.37g (用いたシラ
ンのモル数に対して3.3 当量)のピリジンを室温で加
え、この溶液を0.5 μmのPTFEフィルターでろ過した。
ろ液かた直ちに、スピンコート法で、スライドガラス上
に、膜厚0.3 μmの光記録材料の薄膜を作製した。スピ
ンコートは3000r.p.m.の回転数、30sec.の条件で行っ
た。製膜後、クリーンベンチで一昼夜風乾した。
【0080】更に同上の要領で、 DR1UPTEOS:TEOS:DP
DEOSの仕込みモル比が「1:2:3」であるもの、同上
の仕込みモル比が「1:1:4」であるもの、について
同上の膜厚の光記録材料の薄膜をスライドガラス上に作
製した。以上の仕込みモル比等が異なる3通りの各薄膜
について、 UV/vis 吸収スペクトルを図7に示す。図7
において、各スペクトル線をz:y:zの比率の表記に
より区別する。
【0081】〔実施例7〕第2原料たる DR1UPTEOSと、
第1原料たるMeTEOS及びTEOSとを、ゾル−ゲル法により
加水分解及び重縮合させ、光記録用材料膜を作製した。
【0082】具体的には、試料管に DR1UPTEOS(0.156g
:0.278mmol に相当)、MeTEOS(0.246g :1.38mmolに相
当)及びTEOS(0.292g :1.40mmolに相当)を精秤した
後、これらをアセトン1.1gに溶解した。これに0.01M 塩
酸水溶液 0.55gを加えて、室温にて24時間静置した。
本例においては、 DR1UPTEOS:MeTEOS:TEOSの仕込みモ
ル比が1:5:5である。
【0083】次いで上記の反応液に0.84g のピリジンを
室温で加えた後、この溶液を0.2 μmのPTFEフィルター
でろ過した。ろ液から直ちに、スピンコート法で、スラ
イドガラス上に膜厚0.3 μmの光記録材料の薄膜を作製
した。スピンコートの条件は、4000r.p.m.の回転数、30
sec.であった。製膜後、クリーンベンチで一昼夜風乾し
た。この薄膜について、 UV/vis 吸収スペクトルを図8
に示す。
【0084】〔実施例8〕実施例に係る光記録用材料の
薄膜に光照射を行った場合の UV/vis 吸収スペクトルの
変化を見た。即ち、実施例4における DR1UPTEOS:MeTE
OSの仕込みモル比がほぼ1:10である光記録用材料の
薄膜に対し、λ=405nm 、40μW / 1mmφの単色光を所
定時間照射した後の UV/vis 吸収スペクトルを図9に示
す。図9中、例えば「2hrs」とあるのは、2時間照射後
のものを示す。なお、図9は初期(0時間)からの差ス
ペクトルとして表している。
【0085】〔実施例9〕又、実施例7における DR1UP
TEOS:MeTEOS:TEOSの仕込みモル比が1:5:5である
光記録用材料の薄膜に対し、λ=408nm 、300mW /cm
の青紫色レーザー光を所定時間照射した後の UV/vi
s 吸収スペクトルを図10に、その場合における UV/vi
s 吸収スペクトル変化の差スペクトルを図11に、それ
ぞれ示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る化学反応式を示す図である。
【図2】実施例に係る化学反応式を示す図である。
【図3】実施例で用いた各種第1原料の化学構造式を示
す図である。
【図4】実施例に係る光記録用材料薄膜の UV/vis 吸収
スペクトルを示す図である。
【図5】実施例に係る光記録用材料薄膜の UV/vis 吸収
スペクトルを示す図である。
【図6】実施例に係る光記録用材料薄膜の UV/vis 吸収
スペクトルを示す図である。
【図7】実施例に係る光記録用材料薄膜の UV/vis 吸収
スペクトルを示す図である。
【図8】実施例に係る光記録用材料薄膜の UV/vis 吸収
スペクトルを示す図である。
【図9】実施例に係る光記録用材料薄膜の光照射後の U
V/vis 吸収スペクトル変化の差スペクトルを示す図であ
る。
【図10】実施例に係る光記録用材料薄膜の UV/vis 吸
収スペクトルを示す図である。
【図11】実施例に係る光記録用材料薄膜の光照射後の
UV/vis 吸収スペクトル変化の差スペクトルを示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井川 泰爾 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 琴 昌大 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 渡辺 修 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2H123 AA00 AA03 AA51

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射により解離性を示す有機色素のH
    型会合体であって、400±10nmの波長域に吸収ピークを
    持つと共に、薄膜状に形成した材料中での前記H型会合
    体の吸収ピークにおける吸光係数が 1μm −1以上であ
    ることを特徴とする色素会合体。
  2. 【請求項2】 前記色素会合体が、色素の解離状態にお
    いては以下(1)又は(2)の内の一つ以上の特性を示
    すものであることを特徴とする請求項1に記載の色素会
    合体。 (1)吸収ピークにおける吸光係数が低減する。 (2)屈折率又は反射率が変化する。
  3. 【請求項3】 前記色素会合体が、アゾ基又はアゾベン
    ゼン構造を有する有機色素の会合体であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の色素会合体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    色素会合体を含む光記録材料であって、珪素及び/又は
    金属原子が酸素を介して結合したネットワークからなる
    マトリクス材料中に前記有機色素が含まれ、かつこれら
    の色素が前記色素会合体を構成していることを特徴とす
    る光記録材料。
  5. 【請求項5】 前記色素会合体を構成する有機色素が前
    記ネットワークを構成する珪素及び/又は金属原子に結
    合していることを特徴とする請求項4に記載の光記録材
    料。
  6. 【請求項6】 下記第1原料化合物と第2原料化合物を
    混合し、ゾル−ゲル法により加水分解及び重縮合させる
    ことによって光記録材料を製造することを特徴とする光
    記録材料の製造方法。 第1原料化合物:珪素アルコキシド,珪素アセチルアセ
    トネート,珪素有機酸塩,珪素塩化物,珪素オキシ塩化
    合物,珪素硝酸塩.金属アルコキシド,金属アセチルア
    セトネート,金属有機酸塩,金属塩化物,金属オキシ塩
    化合物及び金属硝酸塩から選ばれる1種又は2種以上。 第2原料化合物:請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の色素会合体を構成し得る有機色素。
  7. 【請求項7】 下記第1原料化合物と第2原料化合物を
    混合し、ゾル−ゲル法により加水分解及び重縮合させる
    ことによって光記録材料を製造することを特徴とする光
    記録材料の製造方法。 第1原料化合物:珪素アルコキシド,珪素アセチルアセ
    トネート,珪素有機酸塩,珪素塩化物,珪素オキシ塩化
    合物,珪素硝酸塩.金属アルコキシド,金属アセチルア
    セトネート,金属有機酸塩,金属塩化物,金属オキシ塩
    化合物及び金属硝酸塩から選ばれる1種又は2種以上。 第2原料化合物:上記第1原料化合物のいずれかであっ
    て、その珪素又は金属原子に、請求項1〜請求項3のい
    ずれかに記載の色素会合体を構成し得る有機色素分子を
    結合させたものから選ばれる1種又は2種以上。
  8. 【請求項8】 前記第2原料化合物における有機色素
    が、アゾ基又はアゾベンゼン構造を有する有機色素であ
    ることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の光記
    録材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1原料化合物及び第2原料化合物
    の混合物中における有機色素分子の混合モル比を (1/6)
    ×100 モル%以上としたことを特徴とする請求項6〜請
    求項8のいずれかに記載の光記録材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1原料化合物又は請求項7に記
    載の第2原料化合物の一部又は全部が、珪素に1個又は
    複数個のアルキル基及び/又はアリール基を結合したも
    のであることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれ
    かに記載の光記録材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項4又は請求項5に記載の光記録
    材料を用い、あるいは請求項6〜請求項10のいずれか
    に記載の製造方法により製造された光記録材料を用い
    て、記録領域面を構成したことを特徴とする光記録媒
    体。
  12. 【請求項12】 前記光記録媒体が、任意の基体上に前
    記光記録材料を薄膜状に形成したものであることを特徴
    とする請求項11に記載の光記録媒体。
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