JP2009155562A - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ハイキュアー化することによっても生産性を損なうことなく、成形性にも優れる、車両座席用クッションに好適な軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)、および整泡剤(E)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)中に、特定組成のポリオール(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、および(a2)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A1)を含有し、(B)中に、60重量%以上の2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、その粗製物、並びにそれらの変性物から選ばれる1種以上のポリイソシアネートと、40重量%以下の他のポリイソシアネートを含有し、(C)が水を含有することを特徴とする製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は軟質ポリウレタンフォームの製造方法、その製造方法により得られた軟質ポリウレタンフォーム、および軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分に関するものである。
軟質ポリウレタンフォームは、自動車等の車両座席用クッションに一般的に使用されている。しかし、近年車両座席用クッションとしての機能だけでなく、生産性の向上を目的に、ハイキュアー化(脱型時間を短くすること)や不良率の低減が求められている。
また、車両座席用クッション用軟質ポリウレタンフォームの製造においては、金型の型締め時間や生産条件から、軟質ポリウレタンフォームの反応性を生産条件に併せて開発することを求められている。通常、ハイキュアー化すると触媒量が増え、下型から反応混合液が溢れだしてしまう。たとえ、型から反応混合液が溢れ出さずに型締めが間に合ったとしても、急激な硬化のため反応液が金型内に充填する際に、エアーボイド(ウレタンフォーム内部に空気を巻き込んだ状態)やウレタンフォーム表面のセル荒れ(不均一のセルが発生し表面が荒れている状態)が発生し、成形不良が増加する。また、下型から反応混合液が溢れ出さない程度まで触媒量を下げると、軟質ウレタンフォームの硬化時間が不足し、軟質ウレタンフォームの変形等の不良がしばしば発生し、不良率が増加し生産性が低下する。
このため、ハイキュアーで生産性に優れた車両座席用クッション用軟質ポリウレタンフォームの製造方法が望まれているが、従来の方法(例えば特許文献1参照)では、ハイキュアーと生産性の両立が困難であった
特開2003−246833号公報
本発明の目的は、ハイキュアー化することによっても生産性を損なうことなく、成形性にも優れる、車両座席用クッションに好適な軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するポリオールと、特定の構造を有する有機ポリイソシアネートを組み合わせることにより、ハイキュアーでかつ成形性良好な軟質ポリウレタンフォームを製造できることを見いだし、本発明を完成した。
即ち本発明は、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)、および整泡剤(E)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)中に、下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、および(a2)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A1)を含有し、(B)中に、60重量%以上の2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、その粗製物、並びにそれらの変性物から選ばれる1種以上のポリイソシアネートと、40重量%以下の他のポリイソシアネートを含有し、(C)が水を含有することを特徴とする製造方法;この製造方法により得られ、フォーム表面のエアーボイドとセル荒れが存在しない軟質ポリウレタンフォーム;この軟質ポリウレタンフォームからなる車両座席用クッション材;並びに下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、および(a2)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A1)を含有する軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分;である。
ポリオール(a1):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が25〜40(mgKOH/g)であり、末端オキシエチレン単位の含有量が5〜15重量%であり、末端水酸基の1級OH化率が84.5〜95%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオール(a2):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が25〜40(mgKOH/g)であり、末端オキシエチレン単位の含有量が10〜25重量%であり、末端水酸基の1級OH化率が84.5%未満であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオール(a3):平均官能基数が2〜6であり、水酸基価が20〜130(mgKOH/g)であり、オキシエチレン単位の含有量が50〜80重量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオール(a4):下記一般式(1)で表されるアミン系ジオール。
Figure 2009155562
[但し、R1およびR2は独立して炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は独立して水素、またはメチル基であり、Gは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基であり、nは平均が1〜4となる数である。]
ポリオール(a5):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が450〜1900(mgKOH/g)であるポリオール。
本発明の製造方法を用いることにより、ハイキュアー化することによっても生産性を損なうことなく、成形性にも優れる軟質ポリウレタンフォームを製造でき、得られたフォームは、とくに車両座席用のクッション材として優れた性能を有する。また、フォームの湿熱圧縮残留ひずみも良好である。
本発明において、末端水酸基の1級OH化率は、予め試料をエステル化の前処理をした後に1H−NMR法により求める。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<末端水酸基の1級OH化率の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、末端水酸基の1級OH化率は下式〔1〕により算出する。
1級OH化率(%)=[r/(r+2s)]×100 〔1〕
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
本発明の製造方法に用いるポリオール成分(A)は、下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)、(a4)および(a5)を必須成分として含有し、さらに重合体の分散媒となるポリオール(a2)中で、ビニル系モノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A1)を必須成分として含有する。(A)がこれらの成分をすべて含有することにより、ハイキュアー化によっても生産性を損なうことなく、成形性にも優れた軟質ポリウレタンフォームが得られる。
本発明に用いるポリオール(a1)の具体例としては、2〜8価またはそれ以上の活性水素含有化合物(例えば、多価アルコール、アミン、多価フェノール、ポリカルボン酸、およびこれらの混合物)に、アルキレンオキシド(以下AOと略記する。)が付加された構造の化合物であって、AOを後述する方法で付加して得られたポリオールが挙げられ、2種以上を併用してもよい。
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール( 脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオールおよびそれらもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
アミンとしては、アルカノールアミン、ポリアミン、およびモノアミンが挙げられる。
アルカノールアミンとしては、炭素数2〜20のモノ−、ジ−およびトリ−アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン)などが挙げられる。
ポリアミン(1,2級アミノ基の数:2〜8個またはそれ以上)としては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜 ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)などが挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式ポリアミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式ポリアミン(例えば、ピペラジンおよびアミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
モノアミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン);炭素数6〜20の芳香族モノアミン(例えば、アニリンおよびトルイジン);炭素数4〜20の脂環式モノアミン(例えば、シクロヘキシルアミン);炭素数4〜20の複素環式モノアミン(例えば、ピペリジン)等が挙げられる。
多価(2〜8価またはそれ以上)フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸など)、およびこれらの2種以上の混合物があげられる。
これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましくは多価アルコールである。
上記活性水素含有化合物に付加させるAOとしては、プロピレンオキシド(以下POと略称する。)およびエチレンオキシド(以下EOと略称する。)である。AOは、これらのみを含有することが好ましいが、AO中10%以下(とくに5%以下)の範囲で他のAOが併用された付加物であってもよい。他のAOとしては、炭素数4〜8のものが好ましく、1,2−、1,3−、1,4−、または2,3−ブチレンオキシド、およびスチレンオキシド等が挙げられ、2種以上用いてもよい。
POおよびEOを含むAOの付加形式としては、PO、EOの順序でブロック付加したものが好ましい。
ポリオール(a1)の1分子当たりの平均官能基数は2〜8であり、好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜4である。この範囲以外の官能基数のものが含まれていても、平均官能基数が2〜8となればよい(他のポリオールの平均官能基数についても同様)。なお、本発明において、ポリオールの官能基数は、出発物質の官能基数と同一であるとみなす。
(a1)の水酸基価は25〜40(mgKOH/g、以下の水酸基価も同じ)であり、好ましくは27〜35であり、さらに好ましくは28〜33である。
本発明における水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
また、(a1)の末端オキシエチレン単位(以下、オキシエチレン単位をEO単位と記載する。)の含有量は5〜15%であり、好ましくは6〜10%である。(a1)の内部EO単位の含有量は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは0%である。
上記および以下において、%はとくに断りのない場合、重量%を意味する。
末端水酸基の1級OH化率は84.5〜95%であり、好ましくは85〜90%である。
(a1)の平均官能基数が2未満であると圧縮永久歪率が低下し、8を越えると伸び物性が低下する。水酸基価が25未満であるとフォームの硬さが低下し、40を越えると伸び物性が低下する。末端EO単位の含有量が5%未満であると発泡終了直前の硬化が不十分でフォームが崩壊しやすく、末端EO単位の含有量が15%を越えると、独立気泡が多くなりフォームが収縮しやすくなる。末端水酸基の1級OH化率が84.5%未満であると硬化速度が低下し、95%を越えると独立気泡が多くなりフォームが収縮しやすくなる。
このポリオール(a1)を得る方法としては、PO付加後の末端水酸基の1級OH化率を高める特定の触媒(α)の存在下で、前記活性水素含有化合物に、PO、EOの順序でAOを付加させる方法等が挙げられる。
(α)はPO付加時に用いるが、必ずしもPO付加の全段階に用いる必要はなく、後述する通常使用される他の触媒の存在下で一部のPOを付加後、付加反応後期のみに(α)を用いて、残りのPOを付加してもよい。
(α)としては、特開2000−344881号公報に記載のものが挙げられ、具体的には、BF3以外の、フッ素原子、(置換)フェニル基および/または3級アルキル基が結合したホウ素もしくはアルミニウム化合物であり、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウムなどが挙げられる。
これらの中で好ましいものは、トリフェニルボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムであり、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムである。
AOの付加条件についても上記公報に記載の方法と同様でよく、例えば、生成する開環重合体に対して、通常0.0001〜10%、好ましくは0.001〜1%の上記触媒を用い、通常0〜250℃、好ましくは20〜180℃で反応させる。
上記のPO付加物に、さらにEOを付加させることでさらに1級OH化率の大きなポリオールが得られる。触媒(α)を用いた場合、EO付加させる前のポリオールの末端水酸基の1級OH化率が通常40%以上(好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上)と極めて大きいため、少ないEO使用量で末端水酸基の1級OH化率を大きくできる。AO付加時に通常用いられる水酸化カリウムなどの塩基性触媒を用いた場合、PO付加後の1級OH化率が極めて低く(水酸化カリウムの場合2%程度)、末端EO単位の含有量が5〜15%、且つ、末端水酸基の1級OH化率が84.5〜95%のポリオールを得ることは非常に困難であり、1級OH化率は通常84.5%未満となる。
なお、上記EO付加に用いる触媒は、触媒(α)をそのまま用いても、それに代えて通常使用される他の触媒などを用いてもよい。
他の触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸カリウム、トリエチレンジアミンなどの塩基性触媒;三フッ化ホウ素、塩化スズ、トリエチルアルミニウム、へテロポリ酸などの酸触媒;亜鉛ヘキサシアノコバルテート;フォスファゼン化合物などが挙げられる。これらの中では塩基性触媒が好ましい。触媒の使用量は特に限定されないが、生成する重合体に対して、好ましくは0.0001〜10%、さらに好ましくは0.001〜1%である。
本発明に用いるポリオール(a2)としては、2〜8価またはそれ以上の活性水素含有化合物にAOが付加された構造の化合物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。活性水素含有化合物としては、具体的には前記ポリオール(a1)におけるものと同様のものが挙げられ、2種類以上併用してもよい。
AOとしてはPOとEOのみを含有するものが好ましいが、前記のこれら以外のAOを、好ましくはAO中10%以下(とくに5%以下)含んでいてもよい。POおよびEOの付加形式としては、PO、EOの順序でブロック付加したものが好ましい。なお、AO付加時に用いる触媒としては、水酸化カリウム等の塩基性触媒など、通常用いられる触媒でよい〔(a2)〜(a5)も同様〕。
ポリオール(a2)の1分子当たりの平均官能基数は2〜8であり、好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜4である。
水酸基価は25〜40であり、好ましくは26〜38、さらに好ましくは27〜35である。
末端EO単位の含有量は10〜25%であり、好ましくは11〜17%である。内部EO単位の含有量は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは0%である。
末端水酸基の1級OH化率は84.5%未満であり、好ましくは70〜84%である。
(a2)の平均官能基数が2未満では、硬化時間が長くなり生産性が低下し、8を越えるとフォームの伸び物性が低下する。末端EO単位の含有量が25%を越えると、フォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮しやすくなる。水酸基価が25未満ではフォーム硬さが低下し、40を越えると、フォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮しやすくなる。末端水酸基の1級OH化率が84.5%未満の(a2)と、84.5〜95%の(a1)を併用することで、ハイキュアー化によっても生産性を損なうことなく、成形性にも優れた軟質ポリウレタンフォームが得られやすい。
本発明に用いるポリオール(a3)としては、2〜8価またはそれ以上(好ましくは2〜6価)の活性水素含有化合物にAOが付加された構造の化合物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。活性水素含有化合物としては、具体的には前記ポリオール(a1)におけるものと同様のものが挙げられ、2種類以上併用してもよい。
AOとしてはPOとEOのみを含有するものが好ましいが、AO中10%以下(とくに5%以下)の範囲で前記の他のAOを含有してもよい。
POおよびEOの付加形式としては、PO、EOのブロック付加であってもランダム付加であってもよいが、ランダム付加が好ましい。
ポリオール(a3)の1分子当たりの平均官能基数は2〜6であり、好ましくは2〜4である。
水酸基価は20〜130であり、好ましくは22〜120、さらに好ましくは23〜80である。
EO単位の含有量は50〜80%であり、好ましくは60〜75%である。
(a3)の平均官能基数が2未満では、硬化時間が長くなり生産性が低下し、6を越えると、フォームの伸び物性が低下する。水酸基価が20未満ではフォーム硬さが低下し、130を越えると、フォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮しやすくなる。EO単位の含有量が50%未満であると硬化時間が長くなり、80%を越えると、フォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮しやすくなる。
本発明の方法におけるポリオール(a4)は、下記一般式(1)で表されるアミン系ジオールであり、通常、N,N−ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜4)アミンにEOおよび/またはPOを付加して得られる。
Figure 2009155562
但し、R1およびR2は、独立して炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)であり、好ましくはメチル基およびエチル基である。R3は独立して水素、またはメチル基である。Gは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基(エチレン基、プロピレン基等)であり、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。nは平均が1〜4となる数であり、好ましくは2〜3である。
(a4)の具体例としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO2〜4モル付加物、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのEO2〜4モル付加物、N,N−ジエチルアミノプロピルアミンのPO2〜4モル付加物、N,N−ジエチルアミノプロピルアミンのEO2〜4モル付加物 N,N−ジメチルアミノエチルアミンのPO2〜4モル付加物、N,N−ジメチルアミノエチルアミンのEO2〜4モル付加物が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO2モル付加物である。
本発明の方法におけるポリオール(a5)としては、2〜8価またはそれ以上の、多価アルコール、アルカノールアミン、および活性水素含有化合物にAOが付加された構造の化合物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。多価アルコール、アルカノールアミン、および活性水素含有化合物としては、具体的には前記ポリオール(a1)において記載したものと同様のものが挙げられる。AOとしては、POおよび/またはPO、とくにPOもしくはEOのみを含有するものが好ましいが、前記の他のAOを、好ましくはAO中10%以下(とくに5%以下)含んでいてもよい。
ポリオール(a5)の1分子当たりの平均官能基数は、2〜8であり、好ましくは2〜6である。水酸基価は、450〜1900であり、好ましくは470〜1850である。
(a5)の平均官能基数が2未満では、硬化時間が長くなり生産性が低下し、8を越えるとフォームの伸び物性が低下する。
(a5)の水酸基価が450未満ではフォーム硬さが不足し、1900を越えるとフォームの独立気泡が多くなり、フォームが収縮しやすくなる。
本発明に用いる重合体ポリオール(A1)は、ポリオール(a2)中でラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(b)を通常の方法で重合して製造することができる。重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書、特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーイキサイドおよび過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩および過ホウ酸塩等の無機過酸化物などが挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
(b)としては、芳香族ビニル単量体(b1)、不飽和ニトリル(b2)、(メタ)アクリル酸エステル(b3)、その他のビニル単量体(b4)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
(b2)としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。
(b3)としては、C、HおよびO原子から構成されるもの、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜24)〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート〕、およびヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート〔例えば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000〕が挙げられる。
(b4)としては、エチレン性不飽和カルボン酸およびその誘導体、具体的には(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミドなど;脂肪族もしくは脂環式炭化水素単量体、具体的にはアルケン(エチレン、プロピレン、ノルボルネン等)、アルカジエン(ブタジエン等)など;フッ素系ビニル単量体、具体的には、フッ素含有(メタ)アクリレート(パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート等)など;塩素系ビニル単量体、具体的には塩化ビニリデンなど;上記以外の窒素含有ビニル単量体、具体的には窒素含有(メタ)アクリレート(ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート等)など;およびビニル変性シリコーンなどが挙げられる。
これら(b)中で好ましいものは、(b1)および(b2)であり、とくにスチレンおよび/またはアクリロニトリルである。
ビニルモノマー(b)中の、(b1)、(b2)、(b3)および(b4)の重量比率は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて変えることができ、特に限定されていないが、一例を示すと次の通りである。
(b1)および/または(b2)は、好ましくは50〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。(b1)と(b2)の重量比はとくに限定されないが、好ましくは0/100〜80/20である。(b3)は、好ましくは0〜50%、さらに好ましくは0〜20%である。(b4)は、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%である。
また、(b)中に、これらの単官能モノマー以外に、少量(好ましくは0.05〜1%)の2官能以上(好ましくは2〜8官能)の多官能ビニルモノマー(b5)を用いることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。(b5)としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8、重合度:2〜10)グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
重合体ポリオール(A1)中の(b)の重合体の含有量は、好ましくは10〜50%、さらに好ましくは、15〜40%である。重合体の含有量が10%以上では十分なフォーム硬さが発現でき、50%以下では(A1)の粘度が低くなり取扱いが容易である。
本発明においては、ポリオール成分(A)のうち(b)の重合体以外の成分の合計〔(A1)中の(a2)を含む〕中の含有量が、(a1)が10〜58%、(a2)が40〜88%、(a3)が0.1〜5%、(a4)が0.01〜5%、(a5)が1〜20%がそれぞれ好ましく、さらに好ましくは、(a1)が15〜48%、(a2)が50〜70%、(a3)が0.15〜4%、(a4)が0.01〜1%、(a5)が1.5〜10%であり。とくに好ましくは、(a1)が20〜35%、(a2)が60〜75%、(a3)が0.2〜1%、(a4)が0.02〜0.5%、(a5)が2〜5%である。
(a1)が10%以上であるとフォームの伸び物性が良好であり、58%以下であるとフォームの硬さが不足することがない。(a2)が40%以上ではフォームの硬さが不足することがなく、88%以下では伸び物性が低下することがない。(a3)が0.1%以上では独立気泡が多くなることがなく、5%以下であると硬化時間が長くならない。(a4)が0.01%以上では独立気泡が多くなることがなく、5%以下であると硬化時間が長くならない。(a5)が1%以上ではフォームの硬さが不足することがなく、20%以下では伸び物性が低下することがない。
なお、ポリオール成分(A)中には、(b)の重合体以外に、(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、および(a5)のみを含有するのが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲(好ましくは5%以下)で、これら以外の成分を含有してもよい。
本発明において、ポリオール成分(A)中の(b)の重合体の含有量は、5〜20%が好ましい。5%以上であると発泡終了直前の硬化が十分発現しており、かつフォームの硬さ損なわれることがない。特に8〜18%が好ましい。
本発明における有機ポリイソシアネート成分(B)は、60%以上の2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、その粗製物、並びにそれらの変性物から選ばれる1種以上のポリイソシアネート(これらのイソシアネートをTDI系ポリイソシアネートと表記する。)と、40%以下の他のポリイソシアネートを含有する。
上記変性物としては、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。
TDI系ポリイソシアネートの量は、好ましくは70〜95%である。TDI系ポリイソシアネートの量が60%未満であると、ポリウレタンフォームの密度低下が不十分である。
他のポリイソシアネートとしては、通常ポリウレタンフォームに使用される2〜8価またはそれ以上の有機ポリイソシアネートはすべて使用でき、TDI系ポリイソシアネート以外の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、上記変性物)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
これらの他のイソシアネートの中で好ましくは、芳香族ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、MDI、粗製MDI、およびこれらのイソシアネートの変性物から選ばれる1種以上である。
有機ポリイソシアネート成分(B)全体としてのイソシアネート基含有量(NCO%)は、40〜50%が好ましい。
本発明における発泡剤(C)としては、水を使用する。
本発明において、水の使用量はポリオール成分(A)100重量部(以下、部は重量部を意味する。)に対して好ましくは2.0〜4.5部、さらに好ましくは2.5〜4.0部である。
発泡剤(C)としては水のみを用いるのが好ましいが。必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等を用いてもよい。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤の具体例としてHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、およびHFC−365mfc)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、およびHFC−365mfcおよびこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、(A)100部当たり、好ましくは50部以下、さらに好ましくは5〜45部である。
低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、(A)100部当たり、好ましくは30部以下、さらに好ましくは25部以下である。
また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、(A)100部あたり、好ましくは30部以下、さらに好ましくは25部以下である。
本発明における触媒(D)としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミンおよびそのカルボン酸塩、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート等のカルボン酸金属塩、ジブチルチンジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。
(D)の使用量(純分)はポリオール成分(A)100部に対して好ましくは0.1〜0.4部、さらに好ましくは0.15〜0.25部である。
本発明における整泡剤(E)としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、モメンティブ製の「L−5309」、東レダウコーニング(株)製の「SZ−1346」、「SF−2969」、「SRX−274C」等]、ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、東レダウコーニング(株)製の「SRX−253」等]等のシリコーン整泡剤が挙げられる。
(E)の使用量は、ポリオール成分(A)100部に対して、好ましくは0.5〜3部、さらに好ましくは0.8〜1.5部である。
本発明においては、必要により以下に述べるような、他の補助成分を用い、その存在下で反応させてもよい。
例えば、着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステルなど)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)などの公知の補助成分の存在下で反応させることができる。ポリオール成分(A)100部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1部以下である。難燃剤は、好ましくは5部以下、さらに好ましくは2部以下である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.5部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。
本発明の製造方法において、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100](NCOインデックス)は、好ましくは70〜125、さらに好ましくは75〜120、特に好ましくは85〜115である。
本発明の方法によるポリウレタンフォームの製造法の具体的な一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール成分(A)、発泡剤(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、および必要により、他の補助成分を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機または攪拌機を使用して、この混合物(以下、A成分という)と有機ポリイソシアネート成分(以下B成分という)とを急速混合する。得られた混合液をモールド(例えば50〜75℃)に注入し、所定時間後脱型して軟質ポリウレタンフォームを得る。
本発明のポリオール成分(A)を用いる本発明の製造方法により、フォーム表面のエアーボイド(ウレタンフォーム内部に空気を巻き込んだ状態)とセル荒れ(不均一のセルが発生し表面が荒れている状態)が存在しない軟質ポリウレタンフォームを、容易に製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例および比較例におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1) ポリオールa1−1:ペンタエリスリトールにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、官能基数4.0、水酸基価30、末端EO単位の含有量8.0%、末端水酸基の1級OH化率86%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(2) ポリオールa2−1:グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、水酸基価28.0、末端EO単位の含有量16.0%、末端水酸基の1級OH化率82%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(3) ポリオールa2−2:ペンタエリスリトールに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、官能基数4.0、水酸基価30、末端EO単位の含有量16.0%、末端水酸基の1級OH化率84%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(4) ポリオールa3−1:グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOとEOをランダム付加させて得られた、官能基数3.0、水酸基価24、EO単位の含有量70%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(5) ポリオールa3−2:グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOとEOをランダム付加させて得られた、官能基数3.0、水酸基価50、EO単位の含有量70%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(6) ポリオールa3−3:グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOとEOをランダム付加させて得られた、官能基数3.0、水酸基価112、EO単位の含有量70%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(7) ポリオールa4−1:N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO2モル付加物。
(8) ポリオールa5−1:ソルビトールのEO付加物。水酸基価=1247。
(9) ポリオールa5−2:エチレングリコール。水酸基価=1810。
(10) ポリオールa5−3:トリエタノールアミン、水酸基価=1130。
(11) ポリオールa5−4:ソルビトールのPO付加物。水酸基価=490。
(12) 重合体ポリオールA1−1:グリセリンに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、平均官能基数3.0、水酸基価34、末端EO単位の含有量14.0%、末端水酸基の1級OH化率75%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールとペンタエリスリトールに水酸化カリウムを触媒として用いてPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、平均官能基数4.0、水酸基価32、末端EO単位の含有量12.0%、末端水酸基の1級OH化率75%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールの混合物(重量比:8/2)中でアクリロニトリルを重合させた重合体ポリオール(重合体含有量33.5%)。
(13) 触媒D−1:トリエチレンジアミンの33%エチレングリコール溶液〔エアプロダクツジャパン(株)製TEDA−L33〕。
(14) 触媒D−2:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液〔東ソー(株)製TOYOCAT ET〕。
(15) 整泡剤E−1:東レダウコーニング(株)製「SZ−1346」。
(16) 有機ポリイソシアネート(B−1):TDI−80(2,4−および2,6−TDI、2,4−体の比率が80%、以下同様)/粗製MDI(平均官能基数:2.9)=80/20(重量比)(NCO%:44.6%)〔日本ポリウレタン工業(株)製「CE−729」〕
(17) 有機ポリイソシアネート(B−2):TDI−80/粗製MDI(平均官能基数:2.9)=70/30(重量比)(NCO%:42.8%)〔日本ポリウレタン工業(株)製「T−80」/日本ポリウレタン工業(株)製「MR−200」=70/30(重量比)〕
実施例1〜7および比較例1〜4
高圧発泡機(PEC社製MiniRIM機)を用いて表1に示す部数のA成分とB成分を25℃に温調した後、衝突混合させ、65℃に温調した400×400×100mmの密閉モールドに注入し、キュアー時間3分にて成形した。各フォームの物性値の測定結果を表1に示す。
Figure 2009155562
表1におけるフォーム物性の評価方法は下記の通りである。
<フォーム成形性>
キュアー時間3分でフォームを脱型した際に、フォームにべとつきがなく、外観良好なものを○とした。フォームの外観は良好であるが、フォームにべとつきがある(キュアー性悪い)ものを△とした。
<試験例>
<1>:コア密度(kg/m3
<2>:フォーム硬さ(25%ILD)(N/314cm2
<3>:引裂強さ(N/cm)
<4>:引張強さ(kPa)
<5>:伸び(%)
<6>:反発弾性(%)
<7>:湿熱圧縮残留ひずみ(%)
<1>〜<7>はJIS K6400(2004年版)に準拠した。
なお、コア密度はフォーム中心部の見掛け密度を意味する。また、成形物表面のエアーボイドの個数は、直径2mm以上のエアーボイドの個数を測定し、セル荒れの有無は目視で判定した。
以上の結果から、本発明の方法により得られた実施例1〜7のフォームは、比較例1〜4のフォームに比べハイキュアーかつフォームの表面性が良好であり、湿熱圧縮残留ひずみが小さいことがわかる。
本発明のポリオール成分を用いる本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、従来の方法によるものに比べてハイキュアーで表面性の良好なフォームが得られることから、本発明により得られるフォームはクッション材として有用であり、特に自動車等の車両座席用のクッション材として著しい有用性を発揮する。

Claims (6)

  1. ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)、および整泡剤(E)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)中に、下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、および(a2)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A1)を含有し、(B)中に、60重量%以上の2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、その粗製物、並びにそれらの変性物から選ばれる1種以上のポリイソシアネートと、40重量%以下の他のポリイソシアネートを含有し、(C)が水を含有することを特徴とする製造方法。
    ポリオール(a1):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が25〜40(mgKOH/g)であり、末端オキシエチレン単位の含有量が5〜15重量%であり、末端水酸基の1級OH化率が84.5〜95%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
    ポリオール(a2):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が25〜40(mgKOH/g)であり、末端オキシエチレン単位の含有量が10〜25重量%であり、末端水酸基の1級OH化率が84.5%未満であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
    ポリオール(a3):平均官能基数が2〜6であり、水酸基価が20〜130(mgKOH/g)であり、オキシエチレン単位の含有量が50〜80重量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
    ポリオール(a4):下記一般式(1)で表されるアミン系ジオール。
    Figure 2009155562
    [但し、R1およびR2は独立して炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は独立して水素、またはメチル基であり、Gは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基であり、nは平均が1〜4となる数である。]
    ポリオール(a5):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が450〜1900(mgKOH/g)であるポリオール。
  2. (A)のうち(b)の重合体以外の成分の合計中の含有量が、(a1)が10〜58重量%、(a2)が40〜88重量%、(a3)が0.1〜5重量%、(a4)が0.01〜5重量%、(a5)が1〜20重量%である請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法により得られ、フォーム表面のエアーボイドとセル荒れが存在しない軟質ポリウレタンフォーム。
  4. 請求項3記載の軟質ポリウレタンフォームからなる車両座席用クッション材。
  5. 下記ポリオール(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、および(a2)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られる重合体ポリオール(A1)を含有する軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分。
    ポリオール(a1):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が25〜40(mgKOH/g)であり、末端オキシエチレン単位の含有量が5〜15重量%であり、末端水酸基の1級OH化率が84.5〜95%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
    ポリオール(a2):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が25〜40(mgKOH/g)であり、末端オキシエチレン単位の含有量が10〜25重量%であり、末端水酸基の1級OH化率が84.5%未満であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
    ポリオール(a3):平均官能基数が2〜6であり、水酸基価が20〜130(mgKOH/g)であり、オキシエチレン単位の含有量が50〜80重量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
    ポリオール(a4):下記一般式(1)で表されるアミン系ジオール。
    Figure 2009155562
    [但し、R1およびR2は独立して炭素数1〜4のアルキル基であり、R3は独立して水素、またはメチル基であり、Gは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基であり、nは平均が1〜4となる数である。]
    ポリオール(a5):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が450〜1900(mgKOH/g)であるポリオール。
  6. (A)のうち(b)の重合体以外の成分の合計中の含有量が、(a1)が10〜58重量%、(a2)が40〜88重量%、(a3)が0.1〜5重量%、(a4)が0.01〜5重量% 、(a5)が1〜20重量%である請求項5記載のポリオール成分。
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