JP2008274245A - ポリマーポリオール及びポリウレタンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなるポリマーポリオールにおいて、(E)の40〜97重量%がアクリロニトリルであり、(PL)の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合が70〜100モル%であり、かつ、(PL)のオキシエチレン単位の含有量が(PL)の重量に基づいて0.1〜20重量%であることを特徴とするポリマーポリオール(A)。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明は、エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなるポリマーポリオールにおいて、(E)の40〜97重量%がアクリロニトリルであり、(PL)の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合が70〜100モル%であり、かつ、(PL)のオキシエチレン単位の含有量が(PL)の重量に基づいて0.1〜20重量%であることを特徴とするポリマーポリオール(A)、並びに、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させてポリウレタンを製造する方法において、ポリオール成分がこのポリマーポリオールをポリオール成分の重量を基準として10〜100重量%含有することを特徴とするポリウレタンの製造方法である。
(1)本発明のポリマーポリオールを使用して製造したポリウレタンは、機械物性に優れる。
(2)本発明のポリマーポリオールは、粘度が低く、例えばポリウレタンフォームを製造する際の成形性に優れる。
(E)としては、ACN以外に、スチレン(以下Stと略記)、その他のエチレン性不飽和モノマー(e)等が使用できる。エチレン性不飽和化合物(E)としては、St及びACNを必須成分とすることが好ましい。
(e2)としては、C8〜14、例えばα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレンが挙げられる。
(e3)としては、C4〜27、例えばメチル、ブチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル及びドコシル(メタ)アクリレート等のアルキル(アルキル基がC1〜24)(メタ)アクリレート;ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタアクリレートを意味し、以下における(メタ)アクリル酸、(メタ)アリル等も同様であり、以下同様の表記法を用いる。
エチレン性不飽和化合物との反応性及びポリマーポリオールの粘度の観点から、これらのうち好ましいのはアリルアルコールのAO付加物、ヒドロキシアルキル(C2〜12)(メタ)アクリレートのAO付加物である。ポリマーポリオールの粘度の観点から、AOの付加モル数は、好ましくは1〜9、特に好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜3である。
上記AOとしては、C2〜12又はそれ以上のものが含まれ、例えばエチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン及び3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記 )、1,3−プロピレンオキサイド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、置換AO(スチレンオキサイド、エピハロヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加および/またはブロック付加)が挙げられる。
AOとしては、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタンの物性の観点から、C2〜8が好ましく、さらに好ましくはC2〜4、特に好ましくはC2〜3,最も好ましくはPOおよび/またはEOである。
また、AOとしては、ポリウレタンの物性の観点から、単独の使用および2種以上のAOの併用が好ましく、さらに好ましくはPOまたはEOの単独並びにPOおよびEOの併用である。
(e4)のMnは、110〜490が好ましく、下限は、さらに好ましくは120、次にさらに好ましくは160、特に好ましくは170、最も好ましくは180であり、上限は、さらに好ましくは480、次にさらに好ましくは450、特に好ましくは420、最も好ましくは300である。Mnが110以上であると、ポリマーポリオールが低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタンの硬度も良好となり、Mnが490以下であると、それを用いて得られるポリウレタンの硬度が良好である。
なお、SP値とは、下記に示すとおり凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP値=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
(PL)中の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合は、72〜95モル%が好ましく、さらに好ましくは75〜92モル%、次にさらに好ましくは80〜90モル%である。該分子末端1級水酸基の割合が70モル%未満では(PL)の反応性及び得られるポリウレタンの機械物性が悪くなる。ここにおいて、該分子末端1級水酸基の割合は、予め(PL)をエステル化して処理した後に1H−NMR分析法により求められる。
(PL1)は、活性水素含有化合物のAO付加物であって、末端の活性水素にC3以上の1,2−アルキレンオキサイド(以下1,2−AOと略記)が付加されてなり、下記一般式(1)で表される1級水酸基含有分子末端を有するポリオールである。
式(1)中のRの具体例としては、直鎖アルキル基(メチル、エチルおよびプロピル基等)、分岐アルキル基(イソプロピル及び2−エチルヘキシル基等)、(アルキル置換)フェニル基(フェニル及びp−メチルフェニル基等)、ハロゲン原子置換アルキル基(クロロメチル、ブロモメチル、クロロエチル及びブロモエチル基等)、ハロゲン原子置換フェニル基(p−クロロ−及びp−ブロモフェニル基等)、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
C3以上の1,2−AOとしては、前述のAOのうちC3〜12又はそれ以上の1,2−AOが含まれる。具体的には、PO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、置換AO(スチレンオキサイド、エピハロヒドリン等)等が挙げられる。これらのうち、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタンの機械物性の観点からPO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリンが好ましく、さらに好ましくはPO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、特に好ましくはPO、1,2−ブチレンオキサイド、最も好ましくはPOである。
(α)としては、特開2000−344881号公報等に記載のものが挙げられ、具体的には、フッ素原子、(置換)フェニル基及び/又は3級アルキル基が結合したホウ素若しくはアルミニウム化合物であり、例えば、ホウ素化合物では、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルボラン、アルミニウム化合物では、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウムが挙げられる。
これらのうち1級水酸基含有分子末端の生成及びAO付加の反応速度の観点からトリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムが好ましく、さらに好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)−ボラン及び−アルミニウムである。
AOの付加条件についても上記公報等に記載の条件と同様でよく、例えば、生成する開環重合体の重量に対して、通常0.0001〜10%、AO付加の反応速度及びポリウレタンを製造する際の反応性の観点から好ましくは0.001〜1%の上記触媒を用い、通常0〜250℃、AO付加の反応速度及びポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは20〜180℃で反応させて行うことができる。
(PL2)の具体例としては、例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素含有化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等)のAO付加物およびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは多価アルコールのAO付加物である。
(1)(POブロック)−(他のAOブロック)の順序でブロック付加したもの
(2)[(POブロック)−(他のAOブロック)]2の順序でブロック付加したもの
(3)(他のAOブロック)−(POブロック)−(他のAOブロック)の順序でブロック付加したもの
(4)(POブロック)−(他のAOブロック)−(POブロック)の順序でブロック付加したもの
(5)POおよび他のAOをランダム付加したもの
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダムおよびブロック付加したもの。
y≧250x−5000 (2)
y≦400x−8400 (3)
y≦400x−9000 (4)
y≦400x−9300 (5)
なお、ポリマーポリオールの粘度は、ブルックフィールド型粘度計を用いて、25℃で測定される。
(1)(PL)中でエチレン性不飽和化合物(E)を重合させて製造する方法。
(2)エチレン性不飽和化合物(E)を重合させて(JR)を製造した後に、(JR)を(PL)中に分散させて製造する方法。
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合およびディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満の前記その他のエチレン性不飽和モノマー(e)とは区別される。
〔1〕ポリオール(PL)とエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの反応性分散剤
エチレン性不飽和基を有する変性ポリエーテルポリオール(例えば特開平08−333508号公報に記載のもの)等;
〔2〕ポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの非反応性分散剤
(PL)との溶解度パラメーターの差が1.0以下の、(PL)親和性セグメント2個以上を側鎖、(E)の重合体との溶解度パラメーターの差が2.0以下の重合体粒子(JR)親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば特開平05−059134号公報に記載のもの)等;
〔3〕高分子量ポリオールタイプの非反応性分散剤
(PL)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライドおよび/またはエチレンジハライドと反応させて高分子量(平均分子量1000〜60,000)化した変性ポリオール(例えば特開平07−196749号公報に記載のもの)等;
〔4〕オリゴマータイプの反応性分散剤
1,000〜30,000の重量平均分子量(以下Mwと略記)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]を有し、少なくとも一部が(PL)に可溶性であるビニルオリゴマーおよび該オリゴマーと前記〔3〕の高分子量化した変性ポリオールを反応させてなるビニル基含有変性ポリオールを併用してなる分散剤(例えば特開平09−77968号公報に記載のもの)等;
〔5〕(PL)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する1価の活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオール(例えば特開2002−308920号公報に記載のもの)等の反応性分散剤等;が挙げられる。
これらの内で、(JR)の粒子径の観点から、(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物の少なくとも一部が、(JR)を構成しているエチレン性不飽和化合物(E)と同じであることが好ましく、さらに好ましくは(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物の30重量%以上が(E)と同じであり、次に更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
これらの溶媒のうちで、粘度及びウレタンの機械強度の観点から、好ましいのはトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n−ブタノールである。
(b)の1分子中の水酸基の数は、少なくとも2個、好ましくは2〜8個、さらに好ましくは3〜4個である。
(c)の重合性不飽和基は重合性二重結合が好ましく、また1分子中の重合性不飽和基の数は1〜3個、とくに1個が好ましい。即ち、(c)として好ましいものは、重合性二重結合を1個有する不飽和モノヒドロキシ化合物である。
上記不飽和モノヒドロキシ化合物としては、例えば、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素、不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステル、不飽和2価アルコールとモノカルボン酸とのモノエステル、アルケニル側鎖基を有するフェノール、不飽和ポリエーテルモノオールが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のC3〜8の不飽和モノカルボン酸と、前記2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の炭素数2〜12の2価アルコール)とのモノエステルが挙げられ、その具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。
アルケニル側鎖基を有するフェノールとしては、例えばヒドロキシスチレン、ヒドロキシα−メチルスチレン等のアルケニル基のCが2〜8のアルケニル側鎖基を有するフェノールが挙げられる。
不飽和ポリエーテルモノオールとしては、前記モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素もしくは前記アルケニル側鎖基を有するフェノールのアルキレンオキサイド(C2〜8)1〜50モル付加物〔例えばポリオキシエチレン(C2〜10)モノアリルエーテル〕等が挙げられる。
アミノ基、イミノ基を有する(c)としては、モノ−およびジ−(メタ)アリルアミン、アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート〔アミノエチル(メタ)アクリレート等〕、モノアルキル(C1〜12)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート〔モノメチルアミノエチル−メタクリレート等〕;カルボキシル基を有する(c)としては、前記不飽和モノカルボン酸;SH基を有する(c)としては、前記不飽和モノヒドロキシ化合物に相当する(OHがSHに置き換わった)化合物が挙げられる。
重合性二重結合を2個有以上有する(c)の例としては、前記3価、4〜8価またはそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル又は前記不飽和カルボン酸とのポリエステル〔例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジ(メタ)アクリレートなど〕が挙げられる。
また、(c)の分子量は特に限定されないが、1,000以下、特に500以下であるものが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、C2〜18の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、C8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDIおよびひまし油変性MDI等が挙げられる。
これらのうちで芳香族ジイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは2,4−及び2,6−TDIである。
この含窒素結合は飽和のポリオール(b)の水酸基とポリイソシアネート(f)のイソシアネート基との反応で生じるものと、不飽和単官能活性水素化合物(c)の活性水素含有基と(f)のイソシアネート基との反応で生じるものとがある。
また、(D2)の粘度は、(JR)の粒子径及びポリウレタンの成形性の観点から、2,000〜20,000mPa・s/25℃が好ましく、さらに好ましくは3,000〜9,000mPa・s/25℃である。
好ましい方法としては、不飽和単官能活性水素化合物(c)と飽和のポリオール(b)との混合物にポリイソシアネート(f)を加えて、必要により触媒の存在下に反応させる方法と、(c)と(f)とを必要により触媒の存在下に反応させてイソシアネート基を有する不飽和化合物を製造し、これと(b)とを反応させる方法が挙げられる。後者の方法は、水酸基を持たない化合物などの副生物の発生の少ない含窒素結合含有不飽和ポリオールが得られる方法であるので、最も好ましい方法である。
また、(c)もしくは(b)に代えてその前駆体を用いて(f)と反応させた後、前駆体部分を変性して、(D2)を形成してもよい。〔例えば、イソシアネートとの反応後に不飽和モノカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を反応させて不飽和基を導入する、イソシアネートとの反応後にアルキレンジハライド、ジカルボン酸などでジャンプさせて(D2)を形成する〕
触媒の量は、反応混合物の質量に基づいて、0.0001〜5%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜3%である。
また、(b)100部に対する反応に用いる(c)の量は、2部未満が好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.8部である。上記及び以下において部は重量部を意味する。
なお、(f)と反応する以上の大過剰の(b)を用いて、(D2)と(b)の混合物を形成し、未反応の(b)を分離せずにそのまま、ポリオール(A)の一部として用いる方法を採ることもできる。
この混合物はそのまま分散剤として使用し得るが、不飽和基を持たない含窒素結合含有ポリオールや水酸基を持たない含窒素結合含有不飽和化合物の含量が少ないものが好ましく、さらに除去しうるこれらの不純物を除去した後に適用することもできる。
また、(D2)中の不飽和基は、ポリオールの分子鎖の末端または末端近傍に位置しているため、モノマーと共重合しやすい。
H=[(c)のモル数×(c)の不飽和基数]/[(f)のモル数×(f)のNCO基数] (7)
Hの値は、さらに好ましくは0.1〜0.3であり、とくに好ましくは0.2〜0.3である。Hの値が上記範囲内であると、ポリマーポリオールの分散安定性がとくに良好となる。
(C)としては、芳香族炭化水素(C6〜10、例えばベンゼン、トルエン、キシレン);飽和脂肪族炭化水素(C5〜15、例えばヘキサン、ヘプタン、ノルマルデカン);不飽和脂肪族炭化水素(C5〜30、例えばオクテン、ノネン、デセン);およびその他公知の溶剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)等が使用できる。これらのうちポリマーポリオール(A)の粘度の観点から芳香族炭化水素溶剤が好ましい。
(C)の使用量(重量%)は、(E)の重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは0.1〜50、さらに好ましくは1〜40である。(C)は重合反応終了後に(A)中に残存してもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から重合反応終了後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
(G)の使用量(重量%)は、(E)の重量に基づいて、(A)の粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
本発明のポリマーポリオール(A)を得る製造方法としてバッチ式でも連続式でもおこなうことができる。
まず、種々の方法(例えば特開平5−148328号公報、特開平8−100006号公報に記載の方法)でエチレン性不飽和化合物を乳化重合または懸濁重合させることにより(JR)分散液を製造する。得られた(JR)分散液を必要により湿式分級機(沈降槽方式、機械式分級機方式、遠心分級機方式等)等を用いて分級処理を行う。こうして得た(JR)を(PL)中に分散させることで本発明のポリマーポリオール(A)を得ることができる。
分散させるに際しては、重合またはその後さらに湿式分級等分級処理して得られた(JR)分散液をそのまま用いてもよいし、(JR)分散液から分散媒を留去した後に用いてもよい。(JR)分散液をそのまま用いる場合は、(JR)分散液とポリオール(PL)を混合した後、分散媒を留去することで本発明のポリマーポリオールが得られる。
また、(JR)分散液から分散媒を留去した後に用いる場合は、(JR)を(PL)に分散させる際、高いせん断をかけて分散させると(JR)の凝集を容易に防ぐことができる。該分散に用いる装置としては、ホモミキサー等、高いシェアをかけることができる分散装置が好ましい。
難燃剤としては、種々の難燃剤(例えば特開2005−162791号公報記載のもの)が使用でき、ポリマーポリオールの粘度の観点から好ましいのは、低粘度(100mPa・s以下/25℃)の難燃剤、さらに好ましいのはトリス(クロロエチル)ホスフェートおよびトリス(クロロプロピル)ホスフェートである。
(A)中の溶媒および難燃剤の使用量(重量%)は、(JR)および(PL)の合計重量に基づいて、それぞれ通常10以下、ポリマーポリオールの粘度、ポリウレタンの難燃性、およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくはそれぞれ0.01〜5、さらに好ましくは0.05〜3である。
ポリオールとしては、前述したポリオール(PL)等が使用でき、公知のポリマーポリオールとしては、例えば特開2005−162791号公報等記載のポリマーポリオールが使用できる。
ポリオールの使用量(重量%)は、(A)の重量に基づいて、ポリウレタンの機械物性の観点から適宜調整することができるが、好ましくは1〜1,000である。
(A)以外の公知のポリマーポリオールの使用量(重量%)は、(A)の重量に基づいて、ポリウレタンの機械物性、およびポリウレタン製造装置のストレーナや吐出口の目詰まり低減の観点から好ましくは1〜100である。
これらのうちでポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは、2,4−および2,6−TDI、これらの異性体の混合物、粗製TDI(TDIを精製した際の残留物);4,4'−及び2,4'−MDI、これらの異性体の混合物、粗製MDI(MDIを精製した際の残留物);およびこれらのポリイソシアネートより誘導される、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基またはイソシアヌレート基等を含有する変性ポリイソシアネートである。
ポリウレタンフォームを製造する場合、さらに必要により整泡剤をポリウレタン形成性組成物に含有させることができる。 整泡剤としては種々の整泡剤(例えば特開2005−162791号公報に記載のもの)が使用でき、ポリウレタンフォーム中のセル径の均一性の観点から好ましいのはシリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)である。
整泡剤の使用量(重量%)は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて通常5以下、好ましくは0.01〜2である。
難燃剤の使用量(重量%)は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて通常30以下、好ましくは0.01〜10である。
ポリウレタンの製造には従来から用いられている製造装置(低圧あるいは高圧の機械装置等)を用いることができる。無溶媒の場合は、ニーダーやエクストルーダー等の装置を用いることができる。また、非発泡または発泡ポリウレタンを製造する際には、閉鎖モールドまたは開放モールドを用いることができる。
(1)ポリオール
ポリオール(PL−1):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO61.5モル、EO7.2モルをこの順序でブロック付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した後、特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO9.0モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した、水酸基価=37.4、内部EO含量=7%、1級水酸基の比率72モル%のポリオール
ポリオール(PL−2):ペンタエリスリトール1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO81.7モル、EO9.5モルをこの順序でブロック付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した後、特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO12.0モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した、水酸基価=37.4、内部EO単位含量=7%、1級水酸基の比率72モル%のポリオール
ポリオール(PL−3):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO70.5モル、EO7.2モルをこの順序でブロック付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、EO含量=7%、1級水酸基の比率85モル%のポリオール
ポリオール(PL−5):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO55.3モル、EO8.1モルをこの順序でブロック付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した後、特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO9.0モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した後、さらに水酸化カリウムを触媒としてEO7.2モルを付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、内部EO含量=8%、末端EO含量=7%、1級水酸基の比率85モル%のポリオール
ポリオール(PL−6):ペンタエリスリトール1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO73.5モル、EO10.9モルをこの順序でブロック付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した後、特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO12.0モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した後、さらに水酸化カリウムを触媒としてEO9.5モルを付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、内部EO含量=8%、末端EO含量=7%、1級水酸基の比率85モル%のポリオール
ポリオール(PL−8):ペンタエリスリトール1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO96.8モル、EO5.5モルをこの順序でブロック付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、末端EO単位含量=4%、1級水酸基の比率30モル%のポリオール
ポリオール(PL−9):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO60.4モル、EO20.4モルをこの順序でブロック付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、末端EO含量=20%、1級水酸基の比率85モル%のポリオール
ポリオール(PL−11):グリセリン1モルに特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO60.4モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した後、さらに水酸化カリウムを触媒としてEO20.5モルを付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、末端EO含量=20%、1級水酸基の比率92モル%のポリオール
ポリオール(PL−12):ペンタエリスリトール1モルに特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO80.6モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した後、さらに水酸化カリウムを触媒としてEO27.3モルを付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、末端EO含量=20%、1級水酸基の比率92モル%のポリオール
ポリオール(PL−14):ペンタエリスリトール1モルに特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO100.1モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した後、さらに水酸化カリウムを触媒としてEO1.6モルを付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、末端EO含量=20%、1級水酸基の比率74モル%のポリオール
ポリオール(PL−15):グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO68.0モル、EO10.5モルをこの順序でブロック付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、EO含量=10.3%、1級水酸基の比率68モル%のポリオール
ポリオール(PL−17):グリセリン1モルに特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO76.0モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した、水酸基価=37.4、内部EO含量=0%、1級水酸基の比率72モル%のポリオール
ポリオール(PL−18):ペンタエリスリトール1モルに特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO101.3モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した、水酸基価=37.4、内部EO単位含量=0%、1級水酸基の比率72モル%のポリオール
ポリオール(PL−20):ペンタエリスリトール1モルに特開2000−344881号公報の実施例1と同様にして、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを触媒としてPO75.5モルを付加し〔触媒量50ppm(反応生成物重量基準)、反応温度75℃〕、その後触媒成分を除去した後、さらに水酸化カリウムを触媒としてEO34.1モルを付加し〔触媒使用量0.3%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕、常法により水酸化カリウムを除去した、水酸基価=37.4、末端EO含量=25%、1級水酸基の比率94モル%のポリオール
(PL−22):グリセリンにPOとEOをランダムに付加させた、水酸基価=34.0、EO含量=70%、1級水酸基の比率72モル%のポリオール
(PL−23):グリセリンにEOを付加させた、水酸基価=830.0のポリオール
(PL−24):ソルビトールにEOを付加させた、水酸基価=1057のポリオール
(2)ラジカル重合開始剤
K−1:1,1’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔商品名「V−59」、和光純薬工業(株)製〕
(3)分散剤
D−1:ACNとStとの重量比がACN:St=70:30であるMwが600,000のACN−St共重合オリゴマー型非反応性分散剤{このオリゴマー型分散剤を含有量が10重量%となるようにポリオール(PL−15)に混合して使用した。この混合物の水酸基価=29.0}
D−2:特開2002−308920号公報の製造例1に記載の分散剤{ポリオール(PL−12)と2−ヒドロキシエチルメタクリレートをTDIでジョイントして得られる、水酸基価=20、不飽和基数/含窒素基結合基数=0.22/1の反応性分散剤}
(4)ポリイソシアネート
TDI/ポリメリックMDI=80/20:商品名「CE−729」〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(5)触媒
触媒A:商品名「TEDAL−33」(トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/67%溶液)〔東ソー(株)社製〕
触媒B:商品名「TOYOCAT ET」(ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル
/ジプロピレングリコール=33/67(%)溶液)〔東ソー(株)社製〕
(6)整泡剤
SZ−1346(ポリエーテルシロキサン重合体)〔日本ユニカー(株)社製〕
SZ−1327(ポリエーテルシロキサン重合体)〔日本ユニカー(株)社製〕
<重合体粒子(JR)の含有量:(PC)>
SUS製遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール15gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール15gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式(8)で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。
重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1) (8)
重合率は、仕込みモノマー量に対する各モノマーの残存モノマー含量から算出し求めた。残存モノマー含量は、ガスクロマトグラフ法により、内部標準物質に対する面積比から算出した。具体的な分析方法はスチレンを例に以下に示す。
重合率[重量%]
=100−100×[(残存スチレン含量[%] /(原料中のスチレン仕込量[%]))
残存スチレン含量[%]=L/M ×(内部標準物質に対するファクター)
L=(残存スチレンのピーク面積)/(ポリマーポリオールの重量[g])
M=(内部標準のピーク面積)/(内部標準の重量[g])
内部標準物質に対するファクターは、内部標準物質と同重量にした際の各モノマーのピーク面積を内部標準物質のピーク面積で除したものである。
ガスクロマトグラフ :GC−14B〔(株)島津製作所製〕
カラム :内径4mmφ、長さ1.6m、ガラス製
カラム充填剤 :ポリエチレングリコール20M〔信和化工(株)製〕
内部標準物質 :ブロモベンゼン〔ナカライテスク(株)製〕
希釈剤 :ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1級〔和光純薬(株)製〕
インジェクション温度 :200℃
カラム温度 :110℃
昇温速度 :5℃/min
カラムファイナル温度 :200℃
試料注入量 :1μl
(測定方法)
試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加してよく振り混ぜ25℃で約5分間静置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。この分析用試料を1H−NMRで測定する。
ここでの重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
(1級水酸基比率の計算方法)
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されることから、末端水酸基の1級OH化率は下式により算出する。
1級水酸基比率(モル%)=[r/(r+2s)]×100
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
<粘度>
ポリマーポリオールを、BL型粘度計〔東京計器(株)製〕を用いて、3号ローター、12rpmもしくは6rpm、25℃の条件にて測定する。
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリマーポリオールを2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準による粒子径分布を測定する。測定結果から、1μm以上の粒子径の粒子頻度体積%を算出し、粗大粒子の含有量とした。
温度調節器、攪拌翼、原料供給ポンプを備えた3L容の半回分式重合槽に表1又は表2記載の部数のポリオールを仕込み、攪拌下125℃に加熱する。次いで、原料供給ポンプにより表1又は表2記載の組成のエチレン性不飽和化合物、分散剤、重合開始剤をあらかじめ均一混合した原料液を70ml/minで連続的に注入した。次いで、オーバーフローしたポリマーポリオール中間体を温度調節器、撹拌翼を備えたガラス製コルベンに仕込み、攪拌下125℃で減圧度20〜30mmHgにて3時間ストリッピングし、残存するエチレン性不飽和化合物を留去し、ポリマーポリオール(F−1)〜(F−9)及び(R−1)〜(R−6)を製造した。この結果を表1又は表2に示した。
実施例1〜9で得られたポリマーポリオール(F−1)〜(F−9)及び比較例1〜6で得られた比較のポリマーポリオール(R−1)〜(R−6)を使用し、表3に記載の発泡処方の部数の各原料を25±2℃で撹拌混合し、金型温度60±5℃、金型サイズ40×40×10(H)cm、キュアー時間6分の条件で、ポリウレタンフォームを製造した。ポリウレタンフォームを評価し、結果を表3に示した。
(1)コア密度(kg/m3):JIS K6400−1997〔項目5〕に準拠。
(2)フォーム硬さ(25%ILD)(kgf/314cm2):JIS K6382−1995〔項目5.3〕に準拠。
(3)引張強度(kgf/cm2):JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠。
(4)引裂強度(kgf/cm):JIS K6301−1995〔項目9〕に準拠
(5)圧縮残留歪(%):JIS K6382−1995〔項目5.5〕に準拠。
本発明のポリウレタン形成性組成物から形成されるポリウレタンは、各種の幅広い用途に使用されるが、とくにポリウレタンフォームとして自動車内装部品や家具の室内調度品等に好適に用いられる。
Claims (6)
- エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなるポリマーポリオールにおいて、(E)の40〜97重量%がアクリロニトリルであり、(PL)の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合が70〜100モル%であり、かつ、(PL)のオキシエチレン単位の含有量が(PL)の重量に基づいて0.1〜20重量%であることを特徴とするポリマーポリオール(A)。
- (JR)が、下記分散剤(D1)及び/又は分散剤(D2)の存在下で、(E)が重合されて形成されてなる請求項1に記載のポリマーポリオール。
分散剤(D1):重量平均分子量が500,000〜800,000のビニル系オリゴマー。
分散剤(D2):飽和のポリオール(b)と、少なくとも1個の重合性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(c)が、ポリイソシアネート(f)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。 - ポリマーポリオールの重合体粒子(JR)の含有量x(重量%)とポリマーポリオールの粘度y(mPa・s)が下記式(2)及び(3)を満たす請求項1又は2に記載のポリマーポリオール。
y≧250x−5000 (2)
y≦400x−8400 (3) - (E)の0.1〜20重量%が、α−アルケニル基含有化合物の(ポリ)オキシアルキレンエーテルおよび水酸基を有する不飽和エステルのアルキレンオキサイド付加物(e4)である請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーポリオール。
- ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させてポリウレタンを製造する方法において、ポリオール成分が請求項1〜4のいずれかに記載のポリマーポリオールをポリオール成分の重量を基準として10〜100重量%含有することを特徴とするポリウレタンの製造方法。
- 請求項5記載のポリウレタンからなる、車両座席用クッション材。
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