JP5913195B2 - ポリマーポリオール及びこれを用いたポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
近年、ポリウレタンフォームの軽量化のニーズがますます強くなっているが、軽量化により難燃性が悪化するという問題がある。
ポリウレタンフォームの難燃化には、ポリオールに難燃剤としてメラミンを分散させる方法や、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートのようなリンハロゲン系難燃剤を添加する方法等が知られている。しかしながら、これら難燃剤を添加するとポリウレタンフォームの物性(特にフォーム硬さ)が著しく低下する上、メラミンはポリオール中での分散安定性が既存のポリマー分散ポリオールに比べ著しく劣ること、ハロゲン系難燃剤は自動車用途でフォギングの原因となること及び燃焼した際にハロゲン系ガス等の有害物質を生成するため環境面から好ましくないことなどの問題がある。
本発明は、これらの問題点を解決したポリマーポリオールの提供を目的とする。
エチレン性不飽和化合物(E)がスチレン及びアクリロニトリルを含んでなり、それぞれの含有量(重量%)が(E)の合計重量を基準に40〜65、35〜60であり、(JR)を構成する重合体のガラス転位温度が100〜140℃であり、(JR)のメジアン径が0.1〜0.34μmであり、
(PL)の重量平均分子量が3,000〜7,500であり、(PL)の末端に位置する水酸基の50%以上が1級水酸基含有基であり、(PL)の粘度u(mPa・s)及びポリマーポリオールの重量を基準とする重合体粒子(JR)の含有量v(重量%)とポリマーポリオールの粘度w(mPa・s)とが下記式(1)及び(2)の関係を満たすことを要旨とする。
log(w)≧44×10-5v2+log(u) (1)
log(w)≦55×10-5v2+log(u) (2)
(1)ポリマーポリオール(A)を用いて製造されたポリウレタンフォームは硬さが良好となる等、ポリウレタンフォームの物性が向上する。
(2)ポリマーポリオール(A)を用いて製造されたポリウレタンフォームは米国自動車安全基準FMVSS−302を満たすことができる。
(3)ポリマーポリオール(A)は、重合体粒子の含有量に対し粘度が低く、作業性に優れる。
(e2)としてはα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロルスチレン等が挙げられる。
(e3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及びドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基がC1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを意味する。以下における(メタ)アクリル酸及び(メタ)アリル等についても同様の表記法を用いる。
AOの付加モル数は、分散安定性及び粘度の観点から、1〜9が好ましく、さらに好ましくは1〜6、次にさらに好ましくは1〜3である。
メジアン径の測定は、以下の方法にて行う。
<メジアン径>
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリマーポリオールを2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準によるメジアン径を測定する。
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、メタノール50gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、3〜4kPaで80℃×3時間減圧乾燥し得られた(JR)を下記の条件にてJIS−K−7121に準じ測定する。
機種:RDC220U(セイコーインスツルメンツ株式会社)
試料:5mg
昇温プログラム:スタート温度30℃、昇温スピード20℃/分
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール50gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、3〜4kPaで80℃×3時間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。
重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
C2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。
C3〜20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。
C5〜20の4〜8価の多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等並びに糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
上に述べた前処理の方法により、ポリオールの末端の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される(重水素化クロロホルムを溶媒として使用)。1級水酸基率は次の計算式により算出する。
1級水酸基率(%)=[a/(a+2×b)]×100
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値;bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
カラム:TSK gel SuperH4000、TSK gel SuperH3000及びTSK gel SuperH2000(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
試料濃度:0.25%
注入量:10μl
標準:ポリオキシエチレングリコール(東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
log(w)≧44×10-5v2+log(u) (1)
log(w)≦55×10-5v2+log(u) (2)
logは、10を底とする対数の意味である。
数式(1)を満たさない場合、フォーム硬さが悪化し、式(2)を満たさない場合は、作業性が悪化する。
式(1)及び(2)は、フォーム硬さと作業性の両立を達成できる領域を実験的に求めた範囲を示す。
式(1)を満たさないポリマーポリオールは、少なくとも(JR)のメジアン径が0.34μmより大きいことを意味する。すなわち、式(1)を満たさないポリマーポリオールは、本願の(JR)の範囲であるメジアン径0.1〜0.34μmを満たさず、フォーム硬さが悪化する。
なお、ポリマーポリオールの粘度は、ブルックフィールド型粘度計を用いて、25℃でJIS K1557−5記載の方法により測定される(ローターNo.3を用いて、粘度が10,000mPa・s以下の場合は12rpm、粘度が10,000を超える場合は6rpmで測定)。
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合及びディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を含有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満のエチレン性不飽和モノマー(e)とは区別される。
これらの中で重合体粒子(JR)のメジアン径の観点から、〔5〕が好ましい。
希釈溶剤(c)の使用量(重量%)は、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度及びフォーム硬さの観点から、5〜50が好ましく、さらに好ましくは10〜40である。(c)は重合反応終了後にポリマーポリオール中に残存してもよいが、フォーム硬さの観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
連鎖移動剤(g)の使用量(重量%)は、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度及び得られるフォーム硬さの観点から好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
多段連続重合法は、下記の工程(1)及び(n)を含んでなる。
工程(1):ポリオール(PL)中で、ラジカル重合開始剤(K)の存在下、必要により分散剤(B)、希釈溶剤(c)及び/又は連鎖移動剤(g)の存在下、エチレン性不飽和化合物(E)を重合させてポリマーポリオール中間体(H1)を得る工程
工程(n):ポリマーポリオール中間体(Hn−1)中で、(K)の存在下、必要により(B)、(c)及び/又は(g)の存在下、(E)を重合させて、ポリマーポリオール中間体(Hn)又はポリマーポリオール(A)を得る工程(nは2〜6の整数を表す。)
多段連続重合法では、上記工程(1)〜(n)のうち、連続する工程であって、少なくとも2つの工程を連続重合法で行う。
連続重合法とは、重合反応液の一部又は全部を次工程に連続的に送る形式の重合方法であり、管型反応装置を用いる連続重合法や、回分式反応装置を用いて反応液の一部を次の回分式反応装置に連続的に送る連続重合法が含まれる。
多段連続重合法のうち、本発明のポリマーポリオールを得る観点から、工程(1)又は工程(1)から数段階をバッチ式重合で行い、その後の2工程以上を工程(n)まで連続重合法で行う多段連続重合法が好ましく、さらに好ましくは工程(1)をバッチ式重合法で行い、工程(2)〜(n)を回分式反応装置を用いて反応液の一部を次の回分式反応装置に連続的に送る連続重合法で行うことが好ましい
なお、工程(n)の(E)の濃度は、(Hn−1)に(E)が含まれる場合には、(Hn−1)に含まれる(E)も合わせて濃度を算出するものとする。
また、工程(n)において、さらにポリオール(PL)を添加してもよく、その場合には、添加した(PL)も合わせて濃度を算出するものとする。
難燃剤としては、種々の難燃剤(特開2005−162791号公報等に記載のものや、リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル、メラミン、ホスファゼン等)が使用でき、ポリマーポリオールの粘度の観点から、低粘度(100mPa・s以下/25℃)の難燃剤が好ましく、さらに好ましいのはハロゲン化リン酸エステルの内、トリス(クロロエチル)ホスフェート及びトリス(クロロプロピル)ホスフェートである。
ポリマーポリオール(A)中の溶剤及び難燃剤の使用量(重量%)は、重合体粒子(JR)及びポリオール(PL)の合計重量に基づいて、それぞれ10以下が好ましく、ポリマーポリオールの粘度、ポリウレタンフォームの難燃性及び得られるフォーム硬さの観点から、さらに好ましくはそれぞれ0.01〜5、さらに好ましくは0.05〜3である。
ポリオールとしては、前述したポリオール(PL)等が使用でき、公知のポリマーポリオールとしては、特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)等記載のポリマーポリオールが使用できる。
ポリオールの使用量(重量%)は、得られるポリウレタンフォームの物性の観点から適宜調整することができるが、ポリマーポリオール(A)の重量に基づいて、1〜1,000が好ましい。
ポリマーポリオール(A)以外の公知のポリマーポリオールの使用量(重量%)は、(A)の重量に基づいて、フォーム硬さ及びストレーナや製造装置の吐出口の目詰まり低減の観点から、1〜100が好ましい。
これらのうちでポリウレタンフォームの物性の観点から、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、これらの異性体の混合物、粗製TDI(TDIを精製した際の残留物);4,4'−及び2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらの異性体の混合物、粗製MDI(MDIを精製した際の残留物);及びこれらのポリイソシアネートより誘導される、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基又はイソシアヌレート基等を含有する変性ポリイソシアネートが好ましい。
ポリウレタンフォームを製造する場合、さらに必要により整泡剤を使用することができる。整泡剤としては種々の整泡剤{特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)等に記載のもの}が使用でき、ポリウレタンフォーム中のセル径の均一性の観点から、シリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)が好ましい。
整泡剤の使用量(重量%)は、ポリウレタンフォーム形成性組成物の全重量に基づいて、5以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2である。
難燃剤の使用量(重量%)は、ポリウレタンフォーム形成性組成物の全重量に基づいて、30以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜10である。
その他添加剤の使用量(重量%)は、ポリウレタンフォーム形成性組成物の全重量に基づいて、反応遅延剤は2以下が好ましく、さらに好ましくは1以下である。着色剤は2以下が好ましく、さらに好ましくは1以下である。内部離型剤は10以下が好ましく、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは3以下である。老化防止剤は1以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5である。抗酸化剤は1以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5である。可塑剤は50以下が好ましく、さらに好ましくは20以下、特に好ましくは10以下である。殺菌剤は1以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5である。充填剤は50以下が好ましく、さらに好ましくは40以下、特に好ましくは30以下である。
ポリウレタンフォームの製造には従来から用いられている製造装置(低圧あるいは高圧の機械装置等)を用いることができる。無溶媒の場合は、ニーダーやエクストルーダー等の装置を用いることができる。また、非発泡又は発泡ポリウレタンを製造する際には、閉鎖モールド又は開放モールドを用いることができる。
本発明のポリマーポリオール(A)を使用した場合、ポリウレタンフォームの製造に用いる製造装置の小さい開口部の目詰まりが低減し、メンテナンスが容易になり生産性が向上できる。特に、ポリウレタンフォームの発泡機では、吐出ヘッドの目詰まりが極めて低減し生産性の向上が顕著である。
(1)ポリオール
ポリオール(PL1−1):グリセリンにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=33、末端EO含量=14重量%、重量平均分子量=5,200、1級水酸基率=75%、粘度=910mPa・sのポリオール。
ポリオール(PL1−2):ペンタエリスリトールにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=32、末端EO含量=12重量%、重量平均分子量=7,200、1級水酸基率=74%、粘度=1,100mPa・sのポリオール。
ポリオール(PL1−3):グリセリンにプロピレンオキサイド(PO)を付加した後、エチレンオキサイド(EO)を付加して得られた、水酸基価=56、末端EO含量=12重量%、重量平均分子量=3,100、1級水酸基率=61%、粘度=520mPa・sのポリオール。
ポリオール(PL1−4):グリセリンにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=34、末端EO含量=20重量%、重量平均分子量=5,100、1級水酸基率=83%、粘度=900mPa・sのポリオール。
ポリオール(PL1−5):グリセリンにPOを付加して得られた、水酸基価=56、末端EO含量=0重量%、重量平均分子量=3,100、1級水酸基率=70%、粘度=600mPa・sのポリオール。
ポリオール(PL1−6):グリセリンにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=50、末端EO含量=14重量%、重量平均分子量=3,600、1級水酸基率=90%、粘度=630mPa・sのポリオール。
ポリオール(PL1−7):グリセリンにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=34、末端EO含量=8重量%、重量平均分子量=5,100、1級水酸基率=52%、粘度=880mPa・sのポリオール。
ポリオール(PL1−8):ペンタエリスリトールにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=40、末端EO含量=16重量%、重量平均分子量=5,800、1級水酸基率=92%、粘度=1,000mPa・sのポリオール。
ポリオール(PL1−9):グリセリンにPO−EOをランダム付加して得られた、水酸基価=56、EO含量=5重量%、重量平均分子量=3,100、1級水酸基率=2%、粘度=480mPa・sのポリオール。
分散剤(B−1):ポリオール(PL1−2)1モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.2モルをTDI0.4モルでジョイントして得られた、水酸基価26の分散剤
(3)ラジカル重合開始剤
ラジカル重合開始剤(K−1):1,1’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔商品名「V−59」、和光純薬工業(株)製〕
(4)触媒
触媒A:東ソー(株)製「TEDA−L33」(トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/67(重量比)溶液)
触媒B:東ソー(株)社製「TOYOCAT ET」(ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液)
(5)整泡剤
整泡剤A:EVONIK社製「TEGOSTAB B8737」
(6)イソシアネート
イソシアネートA:日本ポリウレタン工業(株)社製「CE−729」(TDI−80(2,4−及び2,6−TDI(2,4−体の比率が80%)/粗製MDI(平均官能基数:2.9)=80/20(重量比)
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(PL1−1)、分散剤(B−1)及びキシレンを表1の初期仕込に示す重量部数で投入し、撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(PL1−1)、分散剤(B−1)、St、ACN、ラジカル重合開始剤(K−1)及びキシレンを表1のモノマー液に示す重量部数で予め混合したモノマー含有混合液(Z1)を、滴下ポンプを用いて25重量部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。その後、25℃に冷却し、ポリマーポリオール中間体(H−1)を得た。(H−1)中の微粒子のメジアン径(μm)及び重合体微粒子含有量(重量%)を測定し、表1に示した。
製造例1において、表1に示す初期仕込、モノマー液を使用する以外は製造例1と同様にして、ポリマーポリオール中間体(H−2)〜(H−11)を得た。(H−2)〜(H−11)中の微粒子のメジアン径(μm)及び重合体微粒子含有量(重量%)を測定し、表1に示した。
〔第1工程〕 連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目及び2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(PL1−1)2,000重量部を充液し、130℃に昇温した。ポリマーポリオール中間体(H-1)、(PL1−1)、(B−1)、St、ACN、ラジカル重合開始剤(K−1)及びキシレンを表2の第1工程に示す重量部数で混合した原料混合液を、スタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、113重量部数/分の送液速度で1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせポリマーポリオール中間体(B1−1)を得た。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた(B1−1)は113重量部数/分の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
〔第2工程〕 1槽目から113重量部数/分の送液速度でオーバーフローさせた(B1−1)と(PL1−1)、St、ACN、ラジカル重合開始剤(K−1)及びキシレンを表2の第2工程に示す重量部数で混合した原料混合液を、スタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、97重量部数/分の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液をSUS製の受け槽にストックして、ポリマーポリオール中間体(B1−2)を得た。(B1−2)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール(A−1)を得た。前記の測定、評価方法で(A−1)を評価した。結果を表3に示す。
実施例1において、第1工程及び第2工程で、表2に示す重量部数で混合した原料混合液を使用する以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−2)〜(A−21)を得た。(A−2)〜(A−21)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
実施例1において、第1工程及び第2工程で、表2又は3に示す重量部数で混合した原料混合液を使用する以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−22)〜(A−24)を得た。(A−22)〜(A−24)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(PL1−1)190重量部及びポリマーポリオール中間体(H−1)130重量部を投入し、撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(PL1−1)260重量部、分散剤(B−1)50重量部、St210重量部、ACN210重量部、ラジカル重合開始剤(K−1)4.2重量部及びキシレン52重量部の混合液を、滴下ポンプを用いて25重量部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。その後、未反応モノマーとキシレンを130℃減圧下で留去し、ポリマーポリオール(A−25)を得た。(A−25)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(PL1−1)250重量部及びポリマーポリオール中間体(H−1)100重量部を投入し、撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(PL1−1)250重量部、分散剤(B−1)60重量部、St210重量部、ACN90重量部、ラジカル重合開始剤(K−1)4.2重量部及びキシレン52重量部の混合液を、滴下ポンプを用いて25重量部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。その後、未反応モノマーとキシレンを130℃減圧下で留去し、ポリマーポリオール(A−26)を得た。(A−26)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
表4に示した発泡処方に従って、下記の発泡条件により軟質ポリウレタンフォームを金型内で発泡してフォームを形成後、金型から取り出し一昼夜放置後の軟質ポリウレタンフォーム諸物性を測定した。物性の測定値も表4にそれぞれ記載した。
金型SIZE:40cm×40cm×10cm(高さ)
金型温度:65℃
金型材質:アルミ
ミキシング方法:高圧ウレタン発泡機(ポリマーエンジニアリング社製)を用いて、予めポリマーポリオール、ポリオール、水、触媒及び整泡剤を混合したポリオールプレミックスとイソシアネートとを15MPaで混合した。
密度:JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
フォーム硬さ(25%ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm2
難燃性:米国自動車安全基準(MVSS−302)に準拠、燃焼距離が50mm以上かつ燃焼時間が60秒以上の場合、燃焼速度(単位はcm/min)を示し、燃焼距離が50mm未満かつ燃焼時間が60秒未満の場合、自己消化性(SE)を示す。
引張強度:JIS K6400に準拠、単位はN/cm2
引裂強度:JIS K6400に準拠、単位はN/cm
伸び:JIS K6400に準拠、単位は%
圧縮残留歪率:JIS K6400に準拠、単位は%
湿熱圧縮残留歪率:JIS K6400に準拠、単位は%
反発弾性:JIS K6400に準拠、単位は%
また、表4において、本発明実施例22〜40のポリウレタンフォームは、比較例6〜10のポリウレタンフォームに比べて、フォーム硬さ、難燃性、引張強度、引裂強度、伸び、圧縮残留歪率、湿熱圧縮残留歪率及び反発弾性の全ての項目において同等以上である。
Claims (3)
- エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体微粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなるポリマーポリオールにおいて、
エチレン性不飽和化合物(E)がスチレン及びアクリロニトリルを含んでなり、それぞれの含有量(重量%)が(E)の合計重量を基準に40〜65、35〜60であり、
(JR)を構成する重合体のガラス転位温度が100〜140℃であり、(JR)のメジアン径が0.1〜0.34μmであり、
(PL)の重量平均分子量が3,000〜7,500であり、(PL)の末端に位置する水酸基の50%以上が1級水酸基含有基であり、
(PL)の粘度u(mPa・s)及びポリマーポリオールの重量を基準とする重合体粒子(JR)の含有量v(重量%)とポリマーポリオールの粘度w(mPa・s)とが下記式(1)及び(2)の関係を満たすポリマーポリオール(A)。
log(w)≧44×10-5v2+log(u) (1)
log(w)≦55×10-5v2+log(u) (2) - 重合体微粒子(JR)の含有量(重量%)がポリマーポリオールの重量を基準として35〜50である請求項1に記載のポリマーポリオール。
- ポリオール成分とイソシアネート成分とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法において、ポリオール成分が請求項1又は2に記載のポリマーポリオールをポリオール成分の重量を基準として10〜100重量%含有するポリウレタンフォームの製造方法。
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