JP5009057B2 - ポリマーポリオール組成物およびポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
ポリウレタンフォームの機械物性を悪化させる原因となる難燃剤の添加なしに、高い難燃性を有するポリウレタンフォームを作成する方法として、活性水素原子含有化合物の少なくとも一部として、ポリエーテルポリオール中で塩化ビニル単量体を重合させたポリマーポリオールを使用する方法(例えば特許文献1参照)や、塩素化ポリ塩化ビニルの存在下でポリオールとポリイソシアネートとを反応させる方法(例えば特許文献2参照)などが知られている。
即ち本発明は、ポリオール(A)からなる分散媒と、該分散媒中に分散されたポリマー粒子(B)からなり、(B)が分散媒中で、分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)が重合されて形成されてなるポリマーポリオール組成物(I)において、エチレン性不飽和化合物(b)が芳香族ビニル単量体及び/又は不飽和ニトリル類を含有し、(B)の重量平均分子量が850,000〜1,300,000で、かつガラス転移温度(Tg)が80〜100℃であるポリマーポリオール組成物;並びに、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を発泡剤の存在下に反応させて、ポリウレタンフォームを製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として上記ポリマーポリオール組成物を用いることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法;である。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、アミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
〔1〕PO−AOの順序でブロック付加したもの(チップド)
〔2〕PO−AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの(バランスド)
〔3〕AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
〔4〕PO−AO−POの順序でブロック付加したもの(活性セカンダリー)
〔5〕POおよびAOを混合付加したランダム付加物
〔6〕米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダムまたはブロック付加したもの
また、(A1)の水酸基当量は、好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜3,000である。2種以上の(A1)を併用して水酸基当量がこの範囲内としたものも好ましい。
(A2)としては、ポリエステルポリオール、ジエン系ポリオール等の高分子ポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
これらのポリオール(A2)は、通常2〜8個、好ましくは3〜8個の水酸基と、通常200〜4,000、好ましくは400〜3,000の水酸基当量を有している。
なお、GPCとは、ポリスチレンゲルなどを充填したカラムに高分子溶液を流し、溶出液の高分子濃度および分子量を、溶出量の関数として検出するものである。[測定条件、溶媒:ジメチルフォルムアミド(以下DMFと略記する)、分子量校正:ポリプロピレングリコール]
5gのポリマーポリオール組成物(I)にメタノール20gを加え、100ccのステンレス製チューブ(口径30mm、長さ100mm)に入れて、温度20℃で18000rpm×60分間、遠心分離して(B)を凝集させ、上澄みの透明溶液を得る。上澄み溶液を分離後、凝集物を50℃で3時間、減圧乾燥してメタノールを除去し、得られた(B)の重量平均分子量およびTgを測定する。
上記操作で得た(B)2.5gとDMF97.5gとを混合し、マグネチックスターラーで400rpm×15分撹拌する。この混合液を0.2μm Omnipore Membrane Filter(日本ミリポア株式会社製)でろ過したサンプルを使用し、GPCにより以下の条件で測定する。
機種:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製液体クロマトグラフィー)
カラム:TSK GEL α−M(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検出器:RI(Refractive Index)
溶媒:DMF
流速:1.0ml/分
試料濃度 :0.25%
注入量:100μl
基準物質:標準ポリスチレン(東ソー株式会社製;TSK STANDARD POL YSTYRENE)
検出装置:屈折率検出器
前記操作で得た(B)を用い下記条件にてTgを測定する。
機種:RDC220U(セイコーインスツルメンツ株式会社)
試料:5mg
昇温プログラム:スタート温度30℃、昇温スピード20℃/分
(b1)の数平均分子量は、下限は、好ましくは112、さらに好ましくは116であり、上限は、好ましくは480、さらに好ましくは450、とくに好ましくは400、最も好ましくは300である。数平均分子量が110以上であると、ポリマーポリオールの粘度が低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタンフォームの硬度も良好である。(b1)の数平均分子量が490以下であると、それを用いて得られるポリウレタンフォームの硬度が良好である。
上記のエチレン性不飽和基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基などのα−アルケニル基等が挙げられる。
ここで、(b1)の二重結合1個あたりの分子量(X)は次式で定義されるものである。
X=1000/N
N:JIS K−1557(1970年版)に規定された測定法で測定した(b1)の不飽和度
SPとは、下記に示した様に凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
[SP]=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
(b11):末端不飽和アルコール(炭素数3〜24)の(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)エーテル
(b12):下記一般式〔1〕で示される化合物
(b13):下記一般式〔2〕で示される化合物
(b14):下記一般式〔3〕で示される化合物
(b15):下記一般式〔4〕で示される化合物
CH2=CRCOO(AO)kCOCH2COCH3 〔1〕
CH2=CRCOO(AO)k〔CO(CH2)sO〕m(AO)nH 〔2〕
CH2=CRCO〔O(CH2)sCO〕mO(AO)nH 〔3〕
CH2=CRCOO(AO)k〔QO(AO)p〕r(QO)tH 〔4〕
[上記各式中、Rは水素原子またはメチル基;Aは炭素数2〜8のアルキレン基;Qはジカルボン酸から2個のOHを除いた残基;kは数平均分子量が490を越えない1以上の整数、nおよびpは0または数平均分子量が490を越えない1以上の整数、sは3〜7の整数、mおよびrは数平均分子量が490を越えない1以上の整数、tは0または1]
なお、ここで「数平均分子量が490を越えない」の数平均分子量とは、当該化合物の数平均分子量を指すものである。
上記一般式〔1〕〜〔4〕において、Aは炭素数2〜8のアルキレン基であり、AO単位は、通常、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドの付加により形成され、k、nおよびpはそれぞれアルキレンオキサイドの付加モル数に相当する。また、(b11)のアルキレン基の炭素数が2〜8の(ポリ)オキシアルキレン単位も、通常、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドの付加により形成される。
上記アルキレンオキサイドとしては、前述のポリオール(A)の項において、活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとして例示したものと同様のものが挙げられる。好ましくは、POおよび/またはEOである。
kは、好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、とくに好ましくは1である。nは、好ましくは0または1〜7、さらに好ましくは0または1〜5、とくに好ましくは0である。pは、好ましくは0または1〜6である。
〔CO(CH2)sO〕および〔O(CH2)sCO〕単位の部分は、通常、ラクトンの付加により形成される。sは、好ましくは4〜6であり、さらに好ましくは5である。mは、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3、とくに好ましくは2である。
また、rは、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1または2、とくに好ましくは1である。
これら(b11)〜(b15)の中でも、さらに好ましいものは、(b11)および(b12)であり、とくに好ましいものは(b11)である。
(b12)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物のアセト酢酸エステルなどが挙げられる。
(b13)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物にε−カプロラクトンを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物1モルにさらに1〜5モルのPOおよび/またはEOを付加させた化合物などが挙げられる。
(b14)としては、(メタ)アクリル酸1モルにε−カプロラクトンを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物1モルにさらに1〜5モルのPOおよび/またはEOを付加させた化合物などが挙げられる。
(b15)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのコハク酸とのモノエステル、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのマレイン酸もしくはフマル酸とのモノエステル、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのフタル酸とのモノエステル1モルにさらにEOおよび/またはPOを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物と等モルのフタル酸とのモノエステルなどが挙げられる。
(b3)としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
(b4)としては、C、HおよびO原子から構成されるもの、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(アルキル基の炭素数が1〜24)〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレートおよびヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート類〔例えば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000〕が挙げられる。
(b1)が3%〜20%であり、(b2)と(b3)の質量比が上記範囲であると、ポリウレタンフォームの製造に用いた際、得られたフォームの難燃性がとくに高い。
(B)のTgの観点から(b)の少なくとも一部としてホモポリマーのTgが173〜368Kのエチレン性不飽和化合物(b’)を使用するのが望ましい。(b’)は、ホモポリマーのTgが368K以下、好ましくはTgが173〜359Kのエチレン性不飽和化合物であり、ポリマーハンドブック(A WILEY−INTERSCIENCE,19) Solid state properties p.213〜258記載のモノマーのうちホモポリマーのTgが173〜368Kのものが含まれる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜24)〔例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート〔例えば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000〕、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜10)〔例えば2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート〕等が挙げられる。
(b)中の(b’)の含量は、(B)のTgの観点から、3〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは4〜18質量%である。
粒径の測定法は、動的光散乱法での測定が好ましく、以下の条件で測定する。
装置 :堀場製作所製 LA−750
測定原理 :Mie散乱理論
測定範囲 :0.04μm〜262μm
溶液注入量:He−Neレーザー
測定時間 :20秒
また必要に応じて、希釈剤(C)、連鎖移動剤等を使用することができる。重合完了後に、例えば残留モノマー、溶媒等の揮発性成分を、真空蒸留により生成物から除去するのが好ましい。
以下ラジカル重合に用いる各成分について順次説明する。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を有する反応性分散剤は数平均分子量1,000以上であり、数平均分子量が1,000未満の前記エチレン性不飽和モノマー(b)とは区別される。
〔1〕ポリオール(A)とエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの反応性分散剤
エチレン性不飽和基を有する変性ポリエーテルポリオール(例えば特開平08−333508号公報に記載のもの)等;
〔2〕ポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの非反応性分散剤
(A)との溶解度パラメーターの差が1.0以下の、(A)親和性セグメント2個以上を側鎖、(b)の重合体との溶解度パラメーターの差が2.0以下のポリマー粒子(B)親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば特開平05−059134号公報に記載のもの)等;
〔3〕高分子量ポリオールタイプの非反応性分散剤
(b)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライドおよび/またはエチレンジハライドと反応させて高分子量(平均分子量1000〜60,000)化した変性ポリオール(例えば特開平07−196749号公報に記載のもの)等;
〔4〕オリゴマータイプの反応性分散剤
1,000〜30,000の重量平均分子量(以下Mwと略記することがある)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]を有し、少なくとも一部が(A)に可溶性であるビニルオリゴマーおよび該オリゴマーと前記〔3〕の高分子量化した変性ポリオールを反応させてなるビニル基含有変性ポリオールを併用してなる分散剤(例えば特開平09−77968号公報に記載のもの)等;
〔5〕(A)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する1価の活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオール(例えば特開2002−308920号公報に記載のもの)等の反応性分散剤等;が挙げられる。
これらの内で、(D1)の製造に用いられるエチレン性不飽和化合物の少なくとも一部が、ポリオール(A)中での重合に用いられるエチレン性不飽和化合物(b)の少なくとも一部(好ましくは30%以上、さらに好ましくは70%以上、とくに好ましくは80%以上)と同じであることが望ましい。
また、必要により連鎖移動剤たとえば、アルキルメルカプタン類(ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノールなど)、アルコール類(イソプロピルアルコール、メタノール、2−ブタノールなど)、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムなど)、特開昭55−31880号公報記載のエノールエーテル類などの存在下に重合を行うことができる。重合はバッチ式でも連続式でも行うことができる。重合反応は、重合開始剤の分解温度以上(通常50〜250℃、好ましくは80〜200℃、特に好ましくは100〜180℃)で行うことができ、大気圧下または加圧下においても行うことができる。
これらの溶媒のうちで好ましいのはトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n−ブタノールであり、これらの好ましい溶媒の使用により、ポリマーポリオール中の(B)の数平均分子量および重量平均分子量が好ましい範囲となり、ポリウレタンフォームの製造に用いた際のフォームの難燃性が高くなる。
(d)の1分子中の水酸基の数は、少なくとも2個、好ましくは2〜8個、さらに好ましくは3〜4個である。
(e)の重合性不飽和基は重合性二重結合が好ましく、また1分子中の重合性不飽和基の数は1〜3個、とくに1個が好ましい。即ち、(e)として好ましいものは、重合性二重結合を1個有する不飽和モノヒドロキシ化合物である。
上記不飽和モノヒドロキシ化合物としては、例えば、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素、不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステル、不飽和2価アルコールとモノカルボン酸とのモノエステル、アルケニル側鎖基を有するフェノール、不飽和ポリエーテルモノオールなどが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等の炭素数3〜8の不飽和モノカルボン酸と
、前記2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の炭素数2〜12の2価アルコール)とのモノエステルが挙げられ、その具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどが挙げられる。
アルケニル側鎖基を有するフェノールとしては、例えばオキシスチレン、ヒドロキシα−メチルスチレンなどのアルケニル基の炭素数が2〜8のアルケニル側鎖基を有するフェノールが挙げられる。
不飽和ポリエーテルモノオールとしては、前記モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素もしくは前記アルケニル側鎖基を有するフェノールのアルキレンオキサイド(炭素数2〜8)1〜50モル付加物〔例えばポリオキシエチレン(重合度2〜10)モノアリルエーテル〕などが挙げられる。
アミノ基、イミノ基を有する(e)としては、モノ−およびジ−(メタ)アリルアミン、アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート〔アミノエチル(メタ)アクリレートなど〕、モノアルキル(炭素数1〜12)アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート〔モノメチルアミノエチル−メタクリレートなど〕;カルボキシル基を有する(e)としては、前記不飽和モノカルボン酸;SH基を有する(e)としては、前記不飽和モノヒドロキシ化合物に相当する(OHがSHに置き換わった)化合物が挙げられる。
重合性二重結合を2個有以上有する(e)の例としては、前記3価、4〜8価またはそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテルまたは前記不飽和カルボン酸とのポリエステル〔例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジ(メタ)アクリレートなど〕が挙げられる。
また、(e)の分子量は特に限定されないが、1000以下、特に500以下であるものが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDIおよびひまし油変性MDIなどが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましくは2,4−および/または2,6−TDIである。
この含窒素結合は飽和のポリオール(d)の水酸基とポリイソシアネート(f)のイソシアネート基との反応で生じるものと、不飽和単官能活性水素化合物(e)の活性水素含有基と(f)のイソシアネート基との反応で生じるものとがある。
また、(D2)の粘度は、好ましくは10,000〜50,000mPa・s/25℃、さらに好ましくは15,000〜35,000mPa・s/25℃である。粘度が上記範囲内であればポリマーの分散性がさらによく、(D2)を使用して得られるポリマーポリオールの粘度も低く取扱いが容易である。
好ましい方法としては、不飽和単官能活性水素化合物(e)と飽和のポリオール(d)との混合物にポリイソシアネート(f)を加えて、必要により触媒の存在下に反応させる方法と、(e)と(f)とを必要により触媒の存在下に反応させてイソシアネート基を有する不飽和化合物を製造し、これと(d)とを反応させる方法が挙げられる。後者の方法は、水酸基を持たない化合物などの副生物の発生の少ない含窒素結合含有不飽和ポリオールが得られる方法であるので、最も好ましい方法である。
また、(e)もしくは(d)に代えてその前駆体を用いて(f)と反応させた後、前駆体部分を変性して、(D2)を形成してもよい。〔例えば、イソシアネートとの反応後に不飽和モノカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を反応させて不飽和基を導入する、イソシアネートとの反応後にアルキレンジハライド、ジカルボン酸などでジャンプさせて(D2)を形成する〕
触媒の量は、反応混合物の質量に基づいて、好ましくは0.0001〜5%、さらに好ましくは0.001〜3%である。
また、(d)100部に対する反応に用いる(e)の量は、好ましくは2部未満、さらに好ましくは0.5〜1.8部である。上記および以下において部は質量部を意味する。
なお、(f)と反応する以上の大過剰の(d)を用いて、(D2)と(d)の混合物を形成し、未反応の(d)を分離せずにそのまま、ポリオール(A)の一部として用いる方法を採ることもできる。
(OH)q1-g−A1−〔OCO−NH−Z−(NH−CO−X−T)j〕g
| 〔5〕
[NH−COO−A2−(OH)q2-1]h-j-1
−N−
|
T’
;T’はHまたは炭素数1〜12のアルキル基;gは1またはそれ以上の整数;jは1以上の整数である。ただしq1−g≧0、h−j−1≧0である。なお、OH基の合計は2以上である。]
この混合物はそのまま分散剤として使用し得るが、不飽和基を持たない含窒素結合含有ポリオールや水酸基を持たない含窒素結合含有不飽和化合物の含量が少ないものが好ましく、さらに除去しうるこれらの不純物を除去した後に適用することもできる。
また、(D2)中の不飽和基は、ポリオールの分子鎖の末端または末端近傍に位置しているため、モノマーと共重合しやすい。
K=[(e)のモル数×(e)の不飽和基数]/[(f)のモル数×(f)のNCO基数](4)
Kの値は、さらに好ましくは0.1〜0.3であり、とくに好ましくは0.2〜0.3である。Kの値が上記範囲内であると、ポリマーポリオールの分散安定性がとくに良好となる。
また、(b)の質量に基づく(D2)の使用量は、好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下、とくに好ましくは0.1〜15%である。
連鎖移動剤の使用量は、(b)の使用量に基づいて、好ましくは2%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
(I)中の(C)の含有量は、好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。
ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100](インデックス)は、好ましくは80〜140、さらに好ましくは85〜120である。
ポリイソシアネート成分として、好ましいものは芳香族ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、TDI、MDI、粗製TDI、粗製MDI、ウレタン変成MDI、カルボジイミド変性MDIから選ばれる1種以上の有機ポリイソシアネートである。
水以外の発泡剤としては、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガスなどから選ばれる少なくとも1種以上が用いられる。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245faおよびHFC−365mfc)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfcおよびこれらの2種以上の併用である。
低沸点炭化水素は、沸点が通常−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としてはブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。
低沸点炭化水素と水とを併用する場合、低沸点炭化水素の使用量は、ポリオール成分100部当たり、通常15部を越えない量、好ましくは2〜10部であり、水の使用量はポリオール成分100部当たり、通常10部を越えない量、好ましくは0.5〜10部である。
液化炭酸ガスと水とを併用する場合、液化炭酸ガスの使用量は、ポリオール成分100部当たり、通常8部を越えない量、好ましくは0.1〜5部であり、水の使用量はポリオール成分100部当たり、通常15部を越えない量、好ましくは0.5〜10部である。
発泡剤に水のみを単独で用いる場合、水の使用量は、ポリオール成分100部当たり、通常0.1〜30部、好ましくは1〜20部である。
例えば、整泡剤(ジメチルシロキサン系、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系など)、ウレタン化触媒(アミン系触媒、例えばトリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7など、および/または金属触媒、例えばオクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ、オクチル酸など)、着色剤(染料、顔料)、可塑剤(フタル酸エステル、アジピン酸エステルなど)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂からなる中空微小球など)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類など)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)などの公知の添加剤の存在下で反応させることができる。
まず、ポリオール成分、発泡剤、および必要により整泡剤その他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機又は撹拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)をモールドに注入し、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。モールドは開放モールド、密閉モールドのいずれでもよい。また、スプレー発泡、連続発泡してもポリウレタンフォームを得ることができる。なお、ウレタン化反応はプレポリマー法では各成分を混合した原液の粘度が高くなるため、ワン・ショット法が好ましい。
本発明の方法は、スラブフォームの製造にも、RIM(反応射出成形)法による成形にも適用できる。
本発明のポリマーポリオール組成物は、とくに軟質モールドフォームおよびスラブフォームの製造に有用である。
ポリオールa−1:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させた、EO含量(オキシエチレン鎖の含量)20%、水酸基当量1650のポリオール。
ポリオールa−2:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させたEO含量15%、水酸基当量1520のポリオール。
ポリオールa−3:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させたEO含量14%、水酸基当量1650のポリオール。
ポリオールa−4:ペンタエリスリトールにPOを付加し、次いでEOを付加させた、EO含量12%、水酸基当量1750のポリオール。
(2)エチレン性不飽和化合物(b)
b1−1:アリルアルコールにPOを付加させた水酸基価301のポリオール(数平均分子量186、SP値10.2)。
b1−2:アリルアルコールにPOを付加させた水酸基価483のポリオール(数平均分子量116、SP値11.3)。
b2−1:スチレン
b3−1:アクリロニトリル
b’−1:メタクリル酸ヒドロキシエチル(ホモポリマーのTg:328K)
(3)重合開始剤
AVN :2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
表1に記載の組成により、温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート、窒素流入および流出口を備えた1L容の四口フラスコにポリオール(a)の25%を入れ、攪拌下140℃に加熱し、次いで、滴下ポンプにより原料液(残りの原料配合液)を4時間かけて連続的に滴下して分散剤(D1−1)〜(D1−3)を合成した。
温度調節器、撹拌翼、滴下ロートを備えた500mL容量の四つ口フラスコに、トルエン
ジイソシアネート〔コロネートT−80;日本ポリウレタン(株)社製〕を28部(0.16モル)、テトラブチルチタネートを0.01部入れ、30℃に冷却し、続いて2−ヒドロキシエチルメタクリレート9部(0.07モル)を2時間で滴下した。その間反応温度を40〜50℃に保った。その反応液を温度調節器、撹拌翼、滴下ロートを備えた1L容量の四つ口フラスコにあらかじめ入れておいたポリオール(a−4)963部(0.14モル)中に入れ、反応温度80〜90℃で4時間撹拌した。赤外吸収スペクトルにおいて未反応のイソシアネート基が存在しないことを確認して、分散剤(D2−1)を得た。(D2−1)の水酸基価は20、粘度は20000mPa・s/25℃、不飽和基数/含窒素結合の数の比は0.22であった。
分散剤(D1−1)〜(D1−3):製造例1〜3で作成のもの
分散剤(D2−1):製造例4で作成のもの
(5)有機ポリイソシアネート
CE−729〔TDI/ポリメリックMDI=80/20(%);日本ポリウレタン(株)社製〕
(6)触媒
触媒A :TEDAL−33〔トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/
67%溶液;東ソー(株)社製〕
触媒B :TOYOCAT ET〔ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル/ジプロピレングリコール=33/67(%)溶液:東ソー(株)社製〕
(7)整泡剤
SZ−1311:ポリエーテルシロキサン重合体〔日本ユニカー(株)社製〕
L−5309 :ポリエーテルシロキサン重合体〔日本ユニカー(株)社製〕
<粘度>
機種 :BL型粘度計(TOKIMEC社製)
測定温度 :25℃ローターNo:No3またはNo4
温度調節器、攪拌翼、原料供給ポンプを備えた3L容の半回分式重合槽にポリオール(a)を入れ、攪拌下125℃に加熱し、次いで、原料供給ポンプにより表2および表3記載の組成の原料液を連続的に注入してポリマーポリオール組成物(F−1)〜(F−12)と(R−1)〜(R−2)を合成した。未反応単量体は、攪拌下125℃で減圧度20〜30mmHgにて3時間ストリッピングした。結果を表2に示す。
表4におけるフォーム物性の評価方法は下記の通りである。
密度(kg/m3):JIS K6301
25%ILD(kg/314cm2):JIS K6382
燃焼速度(cm/min):米国自動車安全基準(MVSS−302)に準拠
Claims (7)
- ポリオール(A)からなる分散媒と、該分散媒中に分散されたポリマー粒子(B)からなり、(B)が分散媒中で、分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)が重合されて形成されてなるポリマーポリオール組成物(I)において、
エチレン性不飽和化合物(b)が芳香族ビニル単量体及び/又は不飽和ニトリル類を含有し、
(B)の重量平均分子量が850,000〜1,300,000で、かつガラス転移温度(Tg)が80〜100℃であるポリマーポリオール組成物。 - エチレン性不飽和化合物(b)のうち、3〜20質量%がホモポリマーのTgが173〜368Kのメタクリル酸ヒドロキシエチル又はヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートである請求項1記載のポリマーポリオール組成物。
- エチレン性不飽和化合物(b)の3〜20質量%が、数平均分子量が110〜490で、溶解度パラメーター(SP)が9.5〜13である末端不飽和アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテルからなる請求項1または2記載のポリマーポリオール組成物。
- 分散剤(D)が、下記(D1)および(D2)から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1〜3のいずれか記載のポリマーポリオール組成物。
(D1)重量平均分子量が500,000〜800,000のビニル系オリゴマー。
(D2)飽和のポリオール(d)と、少なくとも1個の重合性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(e)が、ポリイソシアネート(f)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。 - ポリマー粒子(B)の含有量(質量%)が、(A)と(B)との合計重量を基準として、15〜60である請求項1〜4のいずれか記載のポリマーポリオール組成物。
- ポリオール成分とポリイソシアネート成分を発泡剤の存在下に反応させて得られるポリウレタンフォームであり、ポリオール成分の少なくとも一部が請求項1〜5のいずれか記載のポリマーポリオール組成物であることを特徴とするポリウレタンフォーム。
- ポリオール成分とポリイソシアネート成分を発泡剤の存在下に反応させて、ポリウレタンフォームを製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として請求項1〜5のいずれか記載のポリマーポリオール組成物を用いることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
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