JP5009057B2 - ポリマーポリオール組成物およびポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリマーポリオール組成物およびポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリマーポリオール組成物、およびそれを使用したポリウレタンフォームの製造方法に関する。
ポリオール中でエチレン性不飽和化合物を重合して得られる重合体組成物や混合物は、一般にポリマーポリオールと称され、ポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマー等のポリウレタンの原料として広く使用されている。
ポリウレタンフォームの機械物性を悪化させる原因となる難燃剤の添加なしに、高い難燃性を有するポリウレタンフォームを作成する方法として、活性水素原子含有化合物の少なくとも一部として、ポリエーテルポリオール中で塩化ビニル単量体を重合させたポリマーポリオールを使用する方法(例えば特許文献1参照)や、塩素化ポリ塩化ビニルの存在下でポリオールとポリイソシアネートとを反応させる方法(例えば特許文献2参照)などが知られている。
特開平3−97715号公報 特開平3−7716号公報
しかしながら、ポリエーテルポリオール中で塩化ビニル単量体を重合させたポリマーポリオールは非常に高粘度となる。また、塩素化ポリ塩化ビニルの存在下でポリオールとポリイソシアネートとを反応させる方法では、分散させた塩素化ポリ塩化ビニルや難燃剤が沈降するという問題がある。本発明は、難燃剤を添加しなくても高い難燃性を有するポリウレタンフォームを作成できる、低粘度なポリマーポリオールを得ることを目的とする。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、ポリオール(A)からなる分散媒と、該分散媒中に分散されたポリマー粒子(B)からなり、(B)が分散媒中で、分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)が重合されて形成されてなるポリマーポリオール組成物(I)において、エチレン性不飽和化合物(b)が芳香族ビニル単量体及び/又は不飽和ニトリル類を含有し、(B)の重量平均分子量が850,000〜1,300,000で、かつガラス転移温度(Tg)が80〜100℃であるポリマーポリオール組成物;並びに、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を発泡剤の存在下に反応させて、ポリウレタンフォームを製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として上記ポリマーポリオール組成物を用いることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法;である。
本発明のポリマーポリオール組成物は、従来のポリマーポリオールに比べてポリマー含量が高くても低粘度であり、かつ本発明のポリマーポリオールを用いて得られるポリウレタンフォームは、十分な難燃性を有し、機械物性(硬度等)に優れる。
本発明において、ポリオール(A)は、通常、ポリマーポリオールの製造に用いられる公知のポリオールが使用できる。例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン類、ポリカルボン酸、リン酸等)にアルキレンオキサイドを付加した構造の化合物(A1)およびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、多価アルコールにアルキレンオキサイドが付加された構造の化合物である。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
多価フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)等が挙げられる。
アミン類としては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミンおよびアミノエチルエタノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、ポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、アミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
上記活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとしては炭素数2〜8のものが好ましく、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する。)、イソBO、C5〜8のα−オレフィンオキサイド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、置換AO(スチレンオキサイド(以下、SOと略記する。)、エピハロヒドリン等)等およびこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。好ましくは、POまたはPOとEOとの併用(EO含量が25%以下)である。上記および以下において、%はとくに断りのない限り、質量%を意味する。
上記ポリオ−ルの具体例としては、上記活性水素含有化合物にPOを付加したものおよびPOと他のアルキレンオキサイド(以下、この項ではAOと略記する。)、好ましくはEOを下記の様式で付加したもの、またはこれらの付加物とポリカルボン酸もしくはリン酸とのエステル化物等が挙げられる。
〔1〕PO−AOの順序でブロック付加したもの(チップド)
〔2〕PO−AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの(バランスド)
〔3〕AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
〔4〕PO−AO−POの順序でブロック付加したもの(活性セカンダリー)
〔5〕POおよびAOを混合付加したランダム付加物
〔6〕米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダムまたはブロック付加したもの
また、(A1)の水酸基当量は、好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜3,000である。2種以上の(A1)を併用して水酸基当量がこの範囲内としたものも好ましい。
ポリオール(A)として、前記活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加した構造の化合物(A1)と共に他のポリオール(A2)を併用することもできる。この場合、(A1)/(A2)の使用比率(質量比)は、好ましくは、100/0〜80/20である。
(A2)としては、ポリエステルポリオール、ジエン系ポリオール等の高分子ポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、前記の多価アルコールおよび/またはポリエーテルポリオール〔エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコールまたはこれらとグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価またはそれ以上の多価アルコールとの混合物、並びにこれら多価アルコールのアルキレンオキサイド低モル(1〜10モル)付加物〕と、前記ポリカルボン酸もしくはその無水物、低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル等)との縮合反応物、または前記の多価アルコールおよび/またはポリエーテルポリオールと、前記カルボン酸無水物およびアルキレンオキサイドとの縮合反応物;それら縮合反応物のアルキレンオキサイド(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
さらには、ポリブタジエンポリオール等のジエン系ポリオールおよびその水素添加物;アクリル系ポリオール等の水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物等が挙げられる。
これらのポリオール(A2)は、通常2〜8個、好ましくは3〜8個の水酸基と、通常200〜4,000、好ましくは400〜3,000の水酸基当量を有している。
ポリオール(A)の数平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による、以下の数平均分子量についても同じ〕は、通常500以上、好ましくは500〜20,000、特に好ましくは1,200〜15,000、最も好ましくは2,000〜9,000である。数平均分子量が500以上であるとポリウレタンフォームの発泡性の面で好ましく、20,000以下であると低粘度となりポリマーポリオールの取り扱い性の面で好ましい。また(A)の水酸基当量は、好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜3,000である。
なお、GPCとは、ポリスチレンゲルなどを充填したカラムに高分子溶液を流し、溶出液の高分子濃度および分子量を、溶出量の関数として検出するものである。[測定条件、溶媒:ジメチルフォルムアミド(以下DMFと略記する)、分子量校正:ポリプロピレングリコール]
本発明のポリマーポリオール組成物中のポリマー粒子(B)の含有量(質量%)は、(A)と(B)との合計重量を基準として、15〜60が好ましく、さらに好ましくは20〜58、特に好ましくは25〜55である。
本発明のポリマーポリオール組成物中のポリマー粒子(B)の重量平均分子量およびTgの測定は以下の方法にて行う。
5gのポリマーポリオール組成物(I)にメタノール20gを加え、100ccのステンレス製チューブ(口径30mm、長さ100mm)に入れて、温度20℃で18000rpm×60分間、遠心分離して(B)を凝集させ、上澄みの透明溶液を得る。上澄み溶液を分離後、凝集物を50℃で3時間、減圧乾燥してメタノールを除去し、得られた(B)の重量平均分子量およびTgを測定する。
(B)の重量平均分子量測定方法は下記の方法による。
上記操作で得た(B)2.5gとDMF97.5gとを混合し、マグネチックスターラーで400rpm×15分撹拌する。この混合液を0.2μm Omnipore Membrane Filter(日本ミリポア株式会社製)でろ過したサンプルを使用し、GPCにより以下の条件で測定する。
機種:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製液体クロマトグラフィー)
カラム:TSK GEL α−M(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検出器:RI(Refractive Index)
溶媒:DMF
流速:1.0ml/分
試料濃度 :0.25%
注入量:100μl
基準物質:標準ポリスチレン(東ソー株式会社製;TSK STANDARD POL YSTYRENE)
検出装置:屈折率検出器
(B)のTg測定方法は下記の条件にてJIS−K−7121に準じた方法による。
前記操作で得た(B)を用い下記条件にてTgを測定する。
機種:RDC220U(セイコーインスツルメンツ株式会社)
試料:5mg
昇温プログラム:スタート温度30℃、昇温スピード20℃/分
ポリマー粒子(B)の重量平均分子量は、通常850,000〜1,300,000、好ましくは900,000〜1,200,000、さらに好ましくは920,000〜1,100,000、特に好ましくは950,000〜1,010,000である。(B)のTgは、通常80〜100℃、好ましくは90〜100℃、特に好ましくは93〜96℃である。(B)の重量平均分子量が850,000未満、あるいはTgが80℃未満のポリマーポリオールを使用し作成したフォームでは、難燃性は得られるが、フォームの硬度が著しく低下する。また、重量平均分子量が1,300,000を超える、あるいはTgが100℃を超えるポリマーポリオールを使用して作成したフォームでは難燃性が低下する。
本発明に用いられるエチレン性不飽和化合物(b)は、数平均分子量[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。以下同じ。]が好ましくは1,000未満のものであり、数平均分子量が110〜490で、後述する溶解度パラメーター(SP)が9.5〜13〔(cal/cm31/2、以下同じ〕である末端エチレン性不飽和基含有化合物(b1)、芳香族ビニル単量体(b2)、不飽和ニトリル類(b3)、(メタ)アクリル酸エステル類(b4)、その他のエチレン性不飽和化合物(b5)、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
(b)として、(b1)を3質量%以上含有すると、得られるポリマーポリオールを使用して作成したフォームの難燃性が高い。また、20質量%以下ではポリウレタンフォームの強度が良好となる。
(b1)の数平均分子量は、下限は、好ましくは112、さらに好ましくは116であり、上限は、好ましくは480、さらに好ましくは450、とくに好ましくは400、最も好ましくは300である。数平均分子量が110以上であると、ポリマーポリオールの粘度が低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタンフォームの硬度も良好である。(b1)の数平均分子量が490以下であると、それを用いて得られるポリウレタンフォームの硬度が良好である。
(b1)のエチレン性不飽和基の数は、平均1個以上有すればよい。好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜2個、とくに好ましくは1個である。エチレン性不飽和基数が平均1個未満であると、ポリオールの可溶成分が多くなり得られるポリマーポリオールの粘度が増大するばかりでなく、これらを使用して製造されるポリウレタンフォームの物性が著しく劣る。なお、(b1)のエチレン性不飽和基は、少なくとも(平均)1個を末端に有するものであれば、残りの不飽和基は、末端に存在しても、末端で無い位置に存在してもよい。
上記のエチレン性不飽和基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基などのα−アルケニル基等が挙げられる。
また、(b1)の二重結合1個あたりの分子量(X)は、好ましくは490以下である。下限は好ましくは110、さらに好ましくは112、とくに好ましくは116であり、上限はさらに好ましくは450、とくに好ましくは400、最も好ましくは300である。490以下であるとこれらを使用して製造されるポリマーポリオールの粘度低下効果が大きい。
ここで、(b1)の二重結合1個あたりの分子量(X)は次式で定義されるものである。
X=1000/N
N:JIS K−1557(1970年版)に規定された測定法で測定した(b1)の不飽和度
また、(b1)の溶解度パラメーター(SP)は通常9.5〜13である。下限は好ましくは9.8、さらに好ましくは10.0である。上限は好ましくは12.5、さらに好ましくは12.2である。(b1)のSPが9.5以上であると、これらを使用して製造されるポリマーポリオールの粘度が低くなる。また、SPが13以下であると、ポリマーポリオールを使用して得られるポリウレタンフォームの硬度が上昇する。
SPとは、下記に示した様に凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
[SP]=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
(b1)の具体例としては、それを用いるとポリマーポリオールの粘度が低くなり、得られるポリウレタンフォームの硬度が高くなることから、下記(b11)〜(b15)が好ましく、2種以上を併用してもよい。
(b11):末端不飽和アルコール(炭素数3〜24)の(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)エーテル
(b12):下記一般式〔1〕で示される化合物
(b13):下記一般式〔2〕で示される化合物
(b14):下記一般式〔3〕で示される化合物
(b15):下記一般式〔4〕で示される化合物
CH2=CRCOO(AO)kCOCH2COCH3 〔1〕
CH2=CRCOO(AO)k〔CO(CH2)sO〕m(AO)nH 〔2〕
CH2=CRCO〔O(CH2)sCO〕mO(AO)nH 〔3〕
CH2=CRCOO(AO)k〔QO(AO)pr(QO)tH 〔4〕
[上記各式中、Rは水素原子またはメチル基;Aは炭素数2〜8のアルキレン基;Qはジカルボン酸から2個のOHを除いた残基;kは数平均分子量が490を越えない1以上の整数、nおよびpは0または数平均分子量が490を越えない1以上の整数、sは3〜7の整数、mおよびrは数平均分子量が490を越えない1以上の整数、tは0または1]
なお、ここで「数平均分子量が490を越えない」の数平均分子量とは、当該化合物の数平均分子量を指すものである。
上記(b11)における炭素数3〜24の末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール、1−ヘキセン−3−オールなどが挙げられる。(b11)のオキシアルキレン単位の数は、通常1〜9、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。AOの付加モル数は、通常1〜9、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3である。
上記一般式〔1〕〜〔4〕において、Aは炭素数2〜8のアルキレン基であり、AO単位は、通常、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドの付加により形成され、k、nおよびpはそれぞれアルキレンオキサイドの付加モル数に相当する。また、(b11)のアルキレン基の炭素数が2〜8の(ポリ)オキシアルキレン単位も、通常、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドの付加により形成される。
上記アルキレンオキサイドとしては、前述のポリオール(A)の項において、活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとして例示したものと同様のものが挙げられる。好ましくは、POおよび/またはEOである。
kは、好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、とくに好ましくは1である。nは、好ましくは0または1〜7、さらに好ましくは0または1〜5、とくに好ましくは0である。pは、好ましくは0または1〜6である。
Qとしては、ジカルボン酸から2個のOHを除いた残基が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数4〜10のものが好ましく、具体的には、フタル酸(イソフタル酸およびテレフタル酸を含む)、マレイン酸、フマル酸およびコハク酸などが挙げられる。好ましくはフタル酸およびコハク酸である。
〔CO(CH2)sO〕および〔O(CH2)sCO〕単位の部分は、通常、ラクトンの付加により形成される。sは、好ましくは4〜6であり、さらに好ましくは5である。mは、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3、とくに好ましくは2である。
また、rは、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1または2、とくに好ましくは1である。
これら(b11)〜(b15)の中でも、さらに好ましいものは、(b11)および(b12)であり、とくに好ましいものは(b11)である。
(b11)〜(b15)の具体例としては、例えば、(b11)としては、アリルアルコールのPOおよび/またはEO1〜5モル付加物が挙げられる。
(b12)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物のアセト酢酸エステルなどが挙げられる。
(b13)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物にε−カプロラクトンを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物1モルにさらに1〜5モルのPOおよび/またはEOを付加させた化合物などが挙げられる。
(b14)としては、(メタ)アクリル酸1モルにε−カプロラクトンを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物1モルにさらに1〜5モルのPOおよび/またはEOを付加させた化合物などが挙げられる。
(b15)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのコハク酸とのモノエステル、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのマレイン酸もしくはフマル酸とのモノエステル、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのフタル酸とのモノエステル1モルにさらにEOおよび/またはPOを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物と等モルのフタル酸とのモノエステルなどが挙げられる。
(b2)としてはスチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。
(b3)としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
(b4)としては、C、HおよびO原子から構成されるもの、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(アルキル基の炭素数が1〜24)〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレートおよびヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート類〔例えば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000〕が挙げられる。
上記以外の、その他のエチレン性不飽和化合物(b5)としては、(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸などのビニル基含有カルボン酸およびその誘導体;エチレン、プロピレンなどの脂肪族炭化水素系モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレートなどのフッ素含有ビニル系モノマー;ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレートなどの上記以外の窒素含有ビニル系モノマー;ビニル変性シリコーン;ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン化合物;などが挙げられる。
なお、本発明において(b1)に該当するものは、(b2)〜(b4)に該当するものであっても、(b1)として取り扱うものとする。
さらに(b)の少なくとも一部(好ましくは0.05〜1%)として2官能以上の多官能モノマーを用いることにより、ポリマーポリオールの分散安定性をさらに向上させることができる。多官能モノマーとは、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ただし多官能モノマーは用いない方が好ましい。
(b)中の(b1)の含量は、好ましくは3〜20%、さらに好ましくは4〜18%、である。(b2)の含量は、好ましくは17〜67%、さらに好ましくは18〜61%である。(b3)の含量は、好ましくは30〜80%、さらに好ましくは33〜75%である。(b4)の含量は、好ましくは50%以下、さらに好ましくは20%以下である。(b5)の含量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。(b2)と(b3)の質量比は、好ましくは(20:80)〜(70:30)、さらに好ましくは(30:70)〜(60:40)である。
(b1)が3%〜20%であり、(b2)と(b3)の質量比が上記範囲であると、ポリウレタンフォームの製造に用いた際、得られたフォームの難燃性がとくに高い。
(B)のTgの観点から(b)の少なくとも一部としてホモポリマーのTgが173〜368Kのエチレン性不飽和化合物(b’)を使用するのが望ましい。(b’)は、ホモポリマーのTgが368K以下、好ましくはTgが173〜359Kのエチレン性不飽和化合物であり、ポリマーハンドブック(A WILEY−INTERSCIENCE,19) Solid state properties p.213〜258記載のモノマーのうちホモポリマーのTgが173〜368Kのものが含まれる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜24)〔例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート〔例えば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000〕、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル(アルキル基の炭素数が1〜10)〔例えば2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート〕等が挙げられる。
(b)中の(b’)の含量は、(B)のTgの観点から、3〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは4〜18質量%である。
本発明における(b)が重合されて形成されるポリマー粒子(B)の体積基準平均粒子径は、好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.1〜0.8μmである。(B)の粒子径が0.05μm以上であるとポリマーポリオールの粘度が低くなり、1μm以下であると、ポリウレタンフォームの製造に用いた際、フォームが適度な硬さになる。
粒径の測定法は、動的光散乱法での測定が好ましく、以下の条件で測定する。
装置 :堀場製作所製 LA−750
測定原理 :Mie散乱理論
測定範囲 :0.04μm〜262μm
溶液注入量:He−Neレーザー
測定時間 :20秒
本発明のポリマーポリオール組成物(I)を得るためのラジカル重合の重合温度は、好ましくは80〜140℃、さらに好ましくは100〜130℃である。重合温度が80〜140℃であると、ポリマーポリオール中の(B)の数平均分子量および重量平均分子量が好ましい範囲となり易く、ポリウレタンフォームの製造に用いた際のフォームの難燃性が高くなる。他の重合条件は、従来のポリマーポリオール製造における重合法と同様に行うことができ、重合開始剤、分散剤(D)の存在下、バッチ式でも連続式でも行うことができる。
また必要に応じて、希釈剤(C)、連鎖移動剤等を使用することができる。重合完了後に、例えば残留モノマー、溶媒等の揮発性成分を、真空蒸留により生成物から除去するのが好ましい。
以下ラジカル重合に用いる各成分について順次説明する。
分散剤(D)としては、数平均分子量が1,000以上(分散性の観点から好ましくは1,100〜1,000,000の種々のもの、例えばポリマーポリオールの製造で使用される公知の分散剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)等を使用することができ、(D)には、エチレン性不飽和化合物(b)と共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤、および(b)とは共重合しない非反応性分散剤が含まれる。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を有する反応性分散剤は数平均分子量1,000以上であり、数平均分子量が1,000未満の前記エチレン性不飽和モノマー(b)とは区別される。
(D)の具体例としては、
〔1〕ポリオール(A)とエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの反応性分散剤
エチレン性不飽和基を有する変性ポリエーテルポリオール(例えば特開平08−333508号公報に記載のもの)等;
〔2〕ポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの非反応性分散剤
(A)との溶解度パラメーターの差が1.0以下の、(A)親和性セグメント2個以上を側鎖、(b)の重合体との溶解度パラメーターの差が2.0以下のポリマー粒子(B)親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば特開平05−059134号公報に記載のもの)等;
〔3〕高分子量ポリオールタイプの非反応性分散剤
(b)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライドおよび/またはエチレンジハライドと反応させて高分子量(平均分子量1000〜60,000)化した変性ポリオール(例えば特開平07−196749号公報に記載のもの)等;
〔4〕オリゴマータイプの反応性分散剤
1,000〜30,000の重量平均分子量(以下Mwと略記することがある)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]を有し、少なくとも一部が(A)に可溶性であるビニルオリゴマーおよび該オリゴマーと前記〔3〕の高分子量化した変性ポリオールを反応させてなるビニル基含有変性ポリオールを併用してなる分散剤(例えば特開平09−77968号公報に記載のもの)等;
〔5〕(A)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する1価の活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオール(例えば特開2002−308920号公報に記載のもの)等の反応性分散剤等;が挙げられる。
(D)としては、以下に述べるビニル系オリゴマー分散剤(D1)および/または反応性分散剤(D2)を用いることが好ましい。
本発明において(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物は、ポリオール(A)中での重合に用いられるエチレン性不飽和化合物(b)と同じ群から選ぶことができる。
これらの内で、(D1)の製造に用いられるエチレン性不飽和化合物の少なくとも一部が、ポリオール(A)中での重合に用いられるエチレン性不飽和化合物(b)の少なくとも一部(好ましくは30%以上、さらに好ましくは70%以上、とくに好ましくは80%以上)と同じであることが望ましい。
(D1)の製造に用いるエチレン性不飽和化合物の、(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、および(b5)の種類と比率は、ポリオール(A)中での重合に用いる(b)に応じて変えることができ、後述するポリオール(A)中での重合に用いる(b)の種類と比率に合わせる、あるいは近づけることが望ましい。
ビニル系オリゴマー(D1)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン基準で、通常500,000〜800,000、好ましくは600,000〜750,000であり、ポリオール(A)に可溶性[(D1)の含量が(D1)と(A)の総質量に基づき5%溶解させたときのレーザー光の透過率が10%以上]であることが望ましい。重量平均分子量が800,000を越えたり500,000より小さいと、十分な分散効果が得られず分散粒子径が大きくなる。また、(D1)が(A)に可溶性であると、重合後の十分な分散効果が得られる。
ビニル系オリゴマー(D1)の製造は、重量平均分子量が500,000〜800,000となるよう重合度を調節する点を除いて、通常のエチレン性不飽和化合物の重合方法で行うことができる。例えば必要により溶媒中で、エチレン性不飽和化合物(b)を後述する重合開始剤の存在下に重合させる方法である。また、(D1)はポリオール(A)中で(b)を重合させて得られるものでもよく、この場合の(D1)の濃度は好ましくは1〜40%、さらに好ましくは5〜20%であり、このものは精製処理することなくポリマーポリオールの製造に使用できる。重合開始剤は比較的多量に使用され、例えば全エチレン性不飽和化合物の質量に基づいて好ましくは2〜30%、さらに好ましくは5〜20%である。
上記重合反応に必要により用いる溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどが挙げられる。
また、必要により連鎖移動剤たとえば、アルキルメルカプタン類(ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノールなど)、アルコール類(イソプロピルアルコール、メタノール、2−ブタノールなど)、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムなど)、特開昭55−31880号公報記載のエノールエーテル類などの存在下に重合を行うことができる。重合はバッチ式でも連続式でも行うことができる。重合反応は、重合開始剤の分解温度以上(通常50〜250℃、好ましくは80〜200℃、特に好ましくは100〜180℃)で行うことができ、大気圧下または加圧下においても行うことができる。
これらの溶媒のうちで好ましいのはトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n−ブタノールであり、これらの好ましい溶媒の使用により、ポリマーポリオール中の(B)の数平均分子量および重量平均分子量が好ましい範囲となり、ポリウレタンフォームの製造に用いた際のフォームの難燃性が高くなる。
本発明の方法における(D)として(D1)を用いる場合のビニル系オリゴマー(D1)の使用量は、(b)の質量に基づいて、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは0.1〜8%である。
反応性分散剤(D2)は、飽和のポリオール(d)に少なくとも1個の重合性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(e)をポリイソシアネート(f)を介して結合して得られる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤である。ここで飽和とは、JISK−1557(1970年版)で規定された測定法で測定された不飽和度が0.2meq/g以下(好ましくは0.08meq/g以下)であることを意味する。
反応性分散剤(D2)を構成する(d)としては、前記(A)として例示したものと同様のものが使用できる。(d)と(A)とは同一であっても異なっていてもよい。
(d)の1分子中の水酸基の数は、少なくとも2個、好ましくは2〜8個、さらに好ましくは3〜4個である。
(D2)を得るのに用いる(e)は、1個の活性水素含有基と少なくとも1個の重合性不飽和基を有する化合物である。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、SH基などがあるが、特に水酸基が好ましい。
(e)の重合性不飽和基は重合性二重結合が好ましく、また1分子中の重合性不飽和基の数は1〜3個、とくに1個が好ましい。即ち、(e)として好ましいものは、重合性二重結合を1個有する不飽和モノヒドロキシ化合物である。
上記不飽和モノヒドロキシ化合物としては、例えば、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素、不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステル、不飽和2価アルコールとモノカルボン酸とのモノエステル、アルケニル側鎖基を有するフェノール、不飽和ポリエーテルモノオールなどが挙げられる。
モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素としては、炭素数3〜6のアルケノール、例えば(メタ)アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オールなど;アルキノール、例えばプロパギルアルコールなどが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等の炭素数3〜8の不飽和モノカルボン酸と
、前記2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の炭素数2〜12の2価アルコール)とのモノエステルが挙げられ、その具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどが挙げられる。
不飽和2価アルコールとモノカルボン酸のモノエステルとしては、例えば、ブテンジオールの酢酸モノエステルなどの、炭素数3〜8の不飽和2価アルコールと炭素数2〜12モノカルボン酸とのモノエステルが挙げられる。
アルケニル側鎖基を有するフェノールとしては、例えばオキシスチレン、ヒドロキシα−メチルスチレンなどのアルケニル基の炭素数が2〜8のアルケニル側鎖基を有するフェノールが挙げられる。
不飽和ポリエーテルモノオールとしては、前記モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素もしくは前記アルケニル側鎖基を有するフェノールのアルキレンオキサイド(炭素数2〜8)1〜50モル付加物〔例えばポリオキシエチレン(重合度2〜10)モノアリルエーテル〕などが挙げられる。
不飽和モノヒドロキシ化合物以外の(e)の例としては以下のものが挙げられる。
アミノ基、イミノ基を有する(e)としては、モノ−およびジ−(メタ)アリルアミン、アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート〔アミノエチル(メタ)アクリレートなど〕、モノアルキル(炭素数1〜12)アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート〔モノメチルアミノエチル−メタクリレートなど〕;カルボキシル基を有する(e)としては、前記不飽和モノカルボン酸;SH基を有する(e)としては、前記不飽和モノヒドロキシ化合物に相当する(OHがSHに置き換わった)化合物が挙げられる。
重合性二重結合を2個有以上有する(e)の例としては、前記3価、4〜8価またはそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテルまたは前記不飽和カルボン酸とのポリエステル〔例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジ(メタ)アクリレートなど〕が挙げられる。
これらのうち好ましい化合物は、炭素数3〜6のアルケノール、炭素数3〜8の不飽和モノカルボン酸と炭素数2〜12の2価アルコールとのモノエステルおよびアルケニル側鎖基を有するフェノールであり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールとのモノエステル;アリルアルコール;およびヒドロキシα−メチルスチレンであり、とくに好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
また、(e)の分子量は特に限定されないが、1000以下、特に500以下であるものが好ましい。
ポリイソシアネート(f)は、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物など)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物:ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)など]、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数4〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDIおよびひまし油変性MDIなどが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましくは2,4−および/または2,6−TDIである。
反応性分散剤(D2)の含窒素結合は、イソシアネート基と活性水素含有基との反応によって生じるものであり、活性水素含有基が水酸基である場合、主にウレタン結合が生成し、アミノ基である場合、主に尿素結合が生成する。カルボキシル基の場合はアミド結合、SH基の場合はチオウレタン結合が生成する。これらの基以外に、他の結合、例えば、ビューレット結合、アロファネート結合などが生成していてもよい。
この含窒素結合は飽和のポリオール(d)の水酸基とポリイソシアネート(f)のイソシアネート基との反応で生じるものと、不飽和単官能活性水素化合物(e)の活性水素含有基と(f)のイソシアネート基との反応で生じるものとがある。
ポリマーポリオールの分散安定性の点から、(D2)の1分子中の水酸基数の平均値は、通常2以上、好ましくは2.5〜10、さらに好ましくは3〜7である。(D2)の1分子中の不飽和基数の平均値は、好ましくは0.8〜2、さらに好ましくは0.9〜1.2である。
また、(D2)の粘度は、好ましくは10,000〜50,000mPa・s/25℃、さらに好ましくは15,000〜35,000mPa・s/25℃である。粘度が上記範囲内であればポリマーの分散性がさらによく、(D2)を使用して得られるポリマーポリオールの粘度も低く取扱いが容易である。
これら原料を使用して反応性分散剤(D2)を製造する方法は特に限定されない。
好ましい方法としては、不飽和単官能活性水素化合物(e)と飽和のポリオール(d)との混合物にポリイソシアネート(f)を加えて、必要により触媒の存在下に反応させる方法と、(e)と(f)とを必要により触媒の存在下に反応させてイソシアネート基を有する不飽和化合物を製造し、これと(d)とを反応させる方法が挙げられる。後者の方法は、水酸基を持たない化合物などの副生物の発生の少ない含窒素結合含有不飽和ポリオールが得られる方法であるので、最も好ましい方法である。
また、(e)もしくは(d)に代えてその前駆体を用いて(f)と反応させた後、前駆体部分を変性して、(D2)を形成してもよい。〔例えば、イソシアネートとの反応後に不飽和モノカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を反応させて不飽和基を導入する、イソシアネートとの反応後にアルキレンジハライド、ジカルボン酸などでジャンプさせて(D2)を形成する〕
上記反応時の触媒としては、例えば、通常用いられるウレタン化触媒が挙げられ、錫系触媒(ジブチルチンジラウレート、スターナスオクトエートなど)、その他の金属触媒(テトラブチルチタネートなど)、アミン系触媒(トリエチレンジアミンなど)などが用いられる。これらの中で好ましいのはテトラブチルチタネートである。
触媒の量は、反応混合物の質量に基づいて、好ましくは0.0001〜5%、さらに好ましくは0.001〜3%である。
これら3成分の反応比率は、反応に用いる合計量に基づく、(e)と(d)の活性水素含有基と(f)のイソシアネート基との当量比が、好ましくは(1.2〜4):1、さらに好ましくは(1.5〜3):1である。
また、(d)100部に対する反応に用いる(e)の量は、好ましくは2部未満、さらに好ましくは0.5〜1.8部である。上記および以下において部は質量部を意味する。
なお、(f)と反応する以上の大過剰の(d)を用いて、(D2)と(d)の混合物を形成し、未反応の(d)を分離せずにそのまま、ポリオール(A)の一部として用いる方法を採ることもできる。
上記方法で得られる反応性分散剤(D2)は単独化合物である場合もあるが、多くの場合、下記一般式〔5〕で表される化合物のような種々の化合物の混合物である。
(OH)q1-g−A1−〔OCO−NH−Z−(NH−CO−X−T)jg
| 〔5〕
[NH−COO−A2−(OH)q2-1]h-j-1
[式中、Zはh価の(f)の残基(ただしhは2以上の整数);Tは(e)の残基(ただし、重合性不飽和基を有する。);A1はq1価のポリオール〔(d)、または(d)と(f)からのOHプレポリマー〕の残基、A2はq2価のポリオール〔(d)、または(d)と(f)からのOHプレポリマー〕の残基(ただしq1、q2は2以上の整数);Xは、単結合、O、S、または
−N−

T’
;T’はHまたは炭素数1〜12のアルキル基;gは1またはそれ以上の整数;jは1以上の整数である。ただしq1−g≧0、h−j−1≧0である。なお、OH基の合計は2以上である。]
すなわち、1個の(d)と1個の(e)が1個の(f)を介して結合したもの、複数の(e)が各々1個の(f)を介して1個の(d)と結合したもの、複数の(f)を介して合計3個以上の(d)および(e)が結合したものなどを含有する。また、これら以外の副生物として、(d)同志が(f)を介して結合したもの(不飽和基を持たない含窒素結合含有ポリオール)、(e)同志が(f)を介して結合したもの(水酸基を持たない含窒素結合含有不飽和化合物)が形成されることがあり、未反応の(d)や(e)を含むこともある。
この混合物はそのまま分散剤として使用し得るが、不飽和基を持たない含窒素結合含有ポリオールや水酸基を持たない含窒素結合含有不飽和化合物の含量が少ないものが好ましく、さらに除去しうるこれらの不純物を除去した後に適用することもできる。
また、(D2)中の不飽和基は、ポリオールの分子鎖の末端または末端近傍に位置しているため、モノマーと共重合しやすい。
(D2)は、下記式(4)によって求められる、1分子中の(f)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値:Kが0.1〜0.4となるような割合で、(d)、(e)および(f)を反応させたものである。
K=[(e)のモル数×(e)の不飽和基数]/[(f)のモル数×(f)のNCO基数](4)
Kの値は、さらに好ましくは0.1〜0.3であり、とくに好ましくは0.2〜0.3である。Kの値が上記範囲内であると、ポリマーポリオールの分散安定性がとくに良好となる。
ポリマーポリオール組成物作成時のポリオール(A)と反応性分散剤(D2)の構成比は、好ましくは、(A)100部に対して(D2)を0.5〜50部使用する。下限は、さらに好ましくは0.8部、とくに好ましくは1部であり、上限は、さらに好ましくは15部、とくに好ましくは10部である。(D2)が50部以下であるとポリマーポリオールの粘度が上昇せず、0.5部以上であると分散性が良好である。
また、(b)の質量に基づく(D2)の使用量は、好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下、とくに好ましくは0.1〜15%である。
反応性分散剤(D2)は、それを用いて得られるポリマーポリオールの分散安定性が極めて良好となる。とくにエチレン性不飽和化合物(b)として、(b1)を用いる高濃度(例えば重合体含量40〜75%)ポリマーポリオールの製造に好適に用いられ、より低粘度のポリマーポリオールを得ることができる。
次に、(b)の重合に用いる重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−アルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]及び1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド及び過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩及び過ホウ酸塩等の無機過酸化物等が挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
重合開始剤の使用量は、(b)の質量に基づいて、通常0.05〜10%、好ましくは0.1〜5%、とくに好ましくは0.2〜3%である。重合開始剤の使用量が0.05〜10%の範囲であると、ポリマーポリオール中の(B)の数平均分子量および重量平均分子量が好ましい範囲となりやすく、ポリウレタンフォームの製造に用いた際のフォームの難燃性が高い。
(b)の重合に必要により用いる希釈剤(C)としては、(D1)の重合反応に用いる溶媒として例示のものが挙げられ、好ましいものはトルエンおよびキシレンである。溶媒の使用量は(b)の質量に基づいて、好ましくは10%以下、さらに好ましくは8%以下である。
また、連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタンおよびメルカプトエタノール等のアルキルメルカプタン類;前述のもの等が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、(b)の使用量に基づいて、好ましくは2%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
また希釈剤(C)を、必要により本発明のポリマーポリオール組成物(I)に添加して、ポリマーポリオールをさらに低粘度とすることもできる。ポリマーポリオール(I)中に含有させる(C)としては、不飽和脂肪族炭化水素系溶剤;芳香族炭化水素系溶剤;および低粘度(100mPa・s/25℃以下)の難燃剤、例えばトリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート;などを挙げることができる。
(I)中の(C)の含有量は、好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。
また、本発明のポリマーポリオール組成物中のポリマー粒子(B)の重量平均分子量およびTgを調整する方法としては、ポリオール中でエチレン性不飽和化合物(b)を重合する際の重合温度および重合開始剤の使用量を調整する方法等がある。例えば、エチレン性不飽和化合物(b)の組成が同じ場合、重合温度を下げると、重量平均分子量およびTgが高くなり、重合開始剤の量を少なくすると、重量平均分子量およびTgが高くなる。また、重合反応条件が同一の場合、モノマー中の(b1)の比率を増加させると、Tgが低下する。
本発明のポリマーポリオール組成物は、ポリオール成分の少なくとも一部(好ましくは5%以上)として用いて、ポリイソシアネート成分〔前記ポリイソシアネート(f)など〕と、発泡剤の存在下、必要により添加剤の存在下、通常の方法で反応させて、ポリウレタンフォームを得るのに用いられる。
ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100](インデックス)は、好ましくは80〜140、さらに好ましくは85〜120である。
ポリオール成分として、本発明のポリマーポリオール組成物以外に、前記ポリオール(A)を用いてもよい。
ポリイソシアネート成分として、好ましいものは芳香族ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、TDI、MDI、粗製TDI、粗製MDI、ウレタン変成MDI、カルボジイミド変性MDIから選ばれる1種以上の有機ポリイソシアネートである。
上記発泡剤としては水が好ましいが、水以外の発泡剤を併用してもよい。
水以外の発泡剤としては、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガスなどから選ばれる少なくとも1種以上が用いられる。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245faおよびHFC−365mfc)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfcおよびこれらの2種以上の併用である。
低沸点炭化水素は、沸点が通常−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としてはブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素と水とを併用する場合、水素原子含有ハロゲン化炭化水素の使用量は、ポリオール成分100部当たり、通常15部を越えない量、好ましくは5〜10部であり、水の使用量はポリオール成分100部当たり、通常15部を越えない量、好ましくは0.5〜10部である。
低沸点炭化水素と水とを併用する場合、低沸点炭化水素の使用量は、ポリオール成分100部当たり、通常15部を越えない量、好ましくは2〜10部であり、水の使用量はポリオール成分100部当たり、通常10部を越えない量、好ましくは0.5〜10部である。
液化炭酸ガスと水とを併用する場合、液化炭酸ガスの使用量は、ポリオール成分100部当たり、通常8部を越えない量、好ましくは0.1〜5部であり、水の使用量はポリオール成分100部当たり、通常15部を越えない量、好ましくは0.5〜10部である。
発泡剤に水のみを単独で用いる場合、水の使用量は、ポリオール成分100部当たり、通常0.1〜30部、好ましくは1〜20部である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、必要により、さらに以下に述べるような、他の添加剤を用い、その存在下で反応させてもよい。
例えば、整泡剤(ジメチルシロキサン系、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系など)、ウレタン化触媒(アミン系触媒、例えばトリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7など、および/または金属触媒、例えばオクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ、オクチル酸など)、着色剤(染料、顔料)、可塑剤(フタル酸エステル、アジピン酸エステルなど)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂からなる中空微小球など)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類など)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)などの公知の添加剤の存在下で反応させることができる。
ポリオール成分100部に対するこれらの添加剤の使用量に関しては、整泡剤は、好ましくは10部以下、さらに好ましくは0.5〜5部である。ウレタン化触媒は好ましくは10部以下、さらに好ましくは0.2〜5部である。着色剤は、好ましくは1部以下である。可塑剤は、好ましくは10部以下、さらに好ましくは5部以下である。有機充填剤は、好ましくは50部以下、さらに好ましくは30部以下である。難燃剤は、好ましくは20部以下、さらに好ましくは5〜15部である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。
本発明の方法によるポリウレタンフォームの製造法の一例を示せば、以下の通りである。
まず、ポリオール成分、発泡剤、および必要により整泡剤その他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機又は撹拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)をモールドに注入し、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。モールドは開放モールド、密閉モールドのいずれでもよい。また、スプレー発泡、連続発泡してもポリウレタンフォームを得ることができる。なお、ウレタン化反応はプレポリマー法では各成分を混合した原液の粘度が高くなるため、ワン・ショット法が好ましい。
本発明の方法は、スラブフォームの製造にも、RIM(反応射出成形)法による成形にも適用できる。
本発明のポリマーポリオール組成物は、とくに軟質モールドフォームおよびスラブフォームの製造に有用である。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)ポリオール
ポリオールa−1:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させた、EO含量(オキシエチレン鎖の含量)20%、水酸基当量1650のポリオール。
ポリオールa−2:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させたEO含量15%、水酸基当量1520のポリオール。
ポリオールa−3:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させたEO含量14%、水酸基当量1650のポリオール。
ポリオールa−4:ペンタエリスリトールにPOを付加し、次いでEOを付加させた、EO含量12%、水酸基当量1750のポリオール。
(2)エチレン性不飽和化合物(b)
b1−1:アリルアルコールにPOを付加させた水酸基価301のポリオール(数平均分子量186、SP値10.2)。
b1−2:アリルアルコールにPOを付加させた水酸基価483のポリオール(数平均分子量116、SP値11.3)。
b2−1:スチレン
b3−1:アクリロニトリル
b’−1:メタクリル酸ヒドロキシエチル(ホモポリマーのTg:328K)
(3)重合開始剤
AVN :2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
<製造例1〜3>分散剤(D1)の製造
表1に記載の組成により、温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート、窒素流入および流出口を備えた1L容の四口フラスコにポリオール(a)の25%を入れ、攪拌下140℃に加熱し、次いで、滴下ポンプにより原料液(残りの原料配合液)を4時間かけて連続的に滴下して分散剤(D1−1)〜(D1−3)を合成した。
Figure 0005009057
<製造例4>分散剤(D2−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、滴下ロートを備えた500mL容量の四つ口フラスコに、トルエン
ジイソシアネート〔コロネートT−80;日本ポリウレタン(株)社製〕を28部(0.16モル)、テトラブチルチタネートを0.01部入れ、30℃に冷却し、続いて2−ヒドロキシエチルメタクリレート9部(0.07モル)を2時間で滴下した。その間反応温度を40〜50℃に保った。その反応液を温度調節器、撹拌翼、滴下ロートを備えた1L容量の四つ口フラスコにあらかじめ入れておいたポリオール(a−4)963部(0.14モル)中に入れ、反応温度80〜90℃で4時間撹拌した。赤外吸収スペクトルにおいて未反応のイソシアネート基が存在しないことを確認して、分散剤(D2−1)を得た。(D2−1)の水酸基価は20、粘度は20000mPa・s/25℃、不飽和基数/含窒素結合の数の比は0.22であった。
(4)分散剤(D)
分散剤(D1−1)〜(D1−3):製造例1〜3で作成のもの
分散剤(D2−1):製造例4で作成のもの
(5)有機ポリイソシアネート
CE−729〔TDI/ポリメリックMDI=80/20(%);日本ポリウレタン(株)社製〕
(6)触媒
触媒A :TEDAL−33〔トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/
67%溶液;東ソー(株)社製〕
触媒B :TOYOCAT ET〔ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル/ジプロピレングリコール=33/67(%)溶液:東ソー(株)社製〕
(7)整泡剤
SZ−1311:ポリエーテルシロキサン重合体〔日本ユニカー(株)社製〕
L−5309 :ポリエーテルシロキサン重合体〔日本ユニカー(株)社製〕
平均分子量、Tg、および重合体平均粒子径は前記の方法により測定した。また、粘度は以下のように測定した。
<粘度>
機種 :BL型粘度計(TOKIMEC社製)
測定温度 :25℃ローターNo:No3またはNo4
<実施例1〜12および比較例1〜2>
温度調節器、攪拌翼、原料供給ポンプを備えた3L容の半回分式重合槽にポリオール(a)を入れ、攪拌下125℃に加熱し、次いで、原料供給ポンプにより表2および表3記載の組成の原料液を連続的に注入してポリマーポリオール組成物(F−1)〜(F−12)と(R−1)〜(R−2)を合成した。未反応単量体は、攪拌下125℃で減圧度20〜30mmHgにて3時間ストリッピングした。結果を表2に示す。
Figure 0005009057
Figure 0005009057
表2および表3に記載の、本発明のポリマーポリオール組成物(F−1)〜(F−12)および比較ポリマーポリオール組成物(R−1)〜(R−2)を使用し、表4に記載の発泡処方により、各原料を25±2℃で撹拌混合し、金型温度は60±5℃、金型サイズ:40×40×10(H)cm、キュアー時間は6分にてポリウレタンフォームを製造した。これらのフォーム物性および難燃性(燃焼速度)試験結果を表4に示す。
Figure 0005009057
表4において、燃焼速度:SEとは、自己消化性である(試験片に点火した炎が伝播せずに消える)ことを示す。
表4におけるフォーム物性の評価方法は下記の通りである。
密度(kg/m3):JIS K6301
25%ILD(kg/314cm2):JIS K6382
燃焼速度(cm/min):米国自動車安全基準(MVSS−302)に準拠
本発明のポリマーポリオール組成物は、従来のポリマーポリオールに比べてポリマー含量が高くても低粘度であり、高硬度のフォームを得ることができる。また、それを用いて得られるポリウレタンは、十分な難燃性を有することから、本発明のポリマーポリオール組成物を使用した難燃化ポリウレタンフォームは、自動車の内装部品や、家具などの室内調度等の用途に有用性である。また、シーラントや合成皮革の材料としても用いられる。

Claims (7)

  1. ポリオール(A)からなる分散媒と、該分散媒中に分散されたポリマー粒子(B)からなり、(B)が分散媒中で、分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)が重合されて形成されてなるポリマーポリオール組成物(I)において、
    エチレン性不飽和化合物(b)が芳香族ビニル単量体及び/又は不飽和ニトリル類を含有し、
    (B)の重量平均分子量が850,000〜1,300,000で、かつガラス転移温度(Tg)が80〜100℃であるポリマーポリオール組成物。
  2. エチレン性不飽和化合物(b)のうち、3〜20質量%がホモポリマーのTgが173〜368Kのメタクリル酸ヒドロキシエチル又はヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートである請求項1記載のポリマーポリオール組成物。
  3. エチレン性不飽和化合物(b)の3〜20質量%が、数平均分子量が110〜490で、溶解度パラメーター(SP)が9.5〜13である末端不飽和アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテルからなる請求項1または2記載のポリマーポリオール組成物。
  4. 分散剤(D)が、下記(D1)および(D2)から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1〜3のいずれか記載のポリマーポリオール組成物。
    (D1)重量平均分子量が500,000〜800,000のビニル系オリゴマー。
    (D2)飽和のポリオール(d)と、少なくとも1個の重合性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(e)が、ポリイソシアネート(f)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。
  5. ポリマー粒子(B)の含有量(質量%)が、(A)と(B)との合計重量を基準として、15〜60である請求項1〜4のいずれか記載のポリマーポリオール組成物。
  6. ポリオール成分とポリイソシアネート成分を発泡剤の存在下に反応させて得られるポリウレタンフォームであり、ポリオール成分の少なくとも一部が請求項1〜5のいずれか記載のポリマーポリオール組成物であることを特徴とするポリウレタンフォーム。
  7. ポリオール成分とポリイソシアネート成分を発泡剤の存在下に反応させて、ポリウレタンフォームを製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として請求項1〜5のいずれか記載のポリマーポリオール組成物を用いることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
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