JP2006016611A - 重合体ポリオールの製造方法 - Google Patents

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洋毅 森
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Abstract

【課題】 重合体ポリオール中に沈殿物が生じたり、重合体ポリオールの粘度を上昇させることなく、未反応のエチレン性不飽和化合物の含量が低減された重合体ポリオールを製造する。
【解決手段】 ポリオール(a)中で、重合開始剤(B)、分散剤(C)、および必要により有機溶媒(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてなるベース重合体ポリオール(A)に、さらに(B)、(C)および必要により(D)を添加し、(A)中に残存する(b)を重合させることを特徴とする、重合体ポリオール(I)の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は重合体ポリオールの製造方法に関する。さらに詳しくは、未反応のエチレン性不飽和化合物の含量が低減された重合体ポリオールの製造方法に関する。
従来、重合体ポリオール中の未反応のエチレン性不飽和化合物を低減する方法としては、亜硫酸ナトリウム等を付加させる方法(例えば特許文献1参照)や、ラジカル開始剤と溶媒のみを重合後に添加する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2004−18543号公報(第19頁) 特開平9−124750号公報(第7頁)
しかしながら、付加反応による低減方法では重合体ポリオール中に沈殿物が生じる。また、ラジカル開始剤と溶媒のみを重合後に添加する方法では重合体ポリオールの粘度上昇が激しくなる。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、ポリオール(a)中で、重合開始剤(B)、分散剤(C)、および必要により有機溶媒(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてなるベース重合体ポリオール(A)に、さらに(B)、(C)および必要により(D)を添加し、(A)中に残存する(b)を重合させることを特徴とする、重合体ポリオール(I)の製造方法である。
本発明の重合体ポリオールの製造方法によれば、重合体ポリオール中の、未反応のエチレン性不飽和化合物の濃度が大幅に減少する。したがって、重合体ポリオールの臭気を著しく低下させることができ、ポリウレタン製造時の作業環境を改善すること、及びフォームにした場合の着色を防ぐことができる。
本発明において、ポリオール(a)は、通常、重合体ポリオールの製造に用いられる公知のポリオールが使用できる。例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン類、ポリカルボン酸、リン酸等)にアルキレンオキサイドが付加された構造の化合物(a1)およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、多価アルコールにアルキレンオキサイドが付加された構造の化合物である。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
多価フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)等が挙げられる。
アミン類としては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミンおよびアミノエチルエタノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、ポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、アミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
上記活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとしては炭素数2〜8のものが好ましく、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する。)、スチレンオキサイド(以下、SOと略記する。)等およびこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。好ましくは、POまたはPOとEOとの併用(EO含量が25%以下)である。上記および以下において、%はとくに記載のない限り、質量%を意味する。
上記ポリオ−ルの具体例としては、上記活性水素含有化合物にPOを付加したものおよびPOと他のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する。)、好ましくはEOを下記の様式で付加したもの、またはこれらの付加物とポリカルボン酸もしくはリン酸とのエステル化物等が挙げられる。
〔1〕PO−AOの順序でブロック付加したもの(チップド)
〔2〕PO−AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの(バランスド)
〔3〕AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
〔4〕PO−AO−POの順序でブロック付加したもの(活性セカンダリ−)
〔5〕POおよびAOを混合付加したランダム付加物
〔6〕米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダムまたはブロック付加したもの
また、(a1)の水酸基当量は、好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜3,000である。2種以上の(a1)を併用しても水酸基当量がこの範囲内としたものも好ましい。
ポリオール(a)として、前記活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加した構造の化合物(a1)と共に他のポリオール(a2)を併用することもできる。この場合、(a1)/(a2)の使用比率(質量比)は、好ましくは、100/0〜80/20である。
他のポリオール(a2)としては、ポリエステルポリオール、ジエン系ポリオール等の高分子ポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、前記の多価アルコールおよび/またはポリエーテルポリオール〔エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコールまたはこれらとグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価またはそれ以上の多価アルコールとの混合物、並びにこれら多価アルコールのアルキレンオキサイド低モル(1〜10モル)付加物〕と、前記ポリカルボン酸もしくはその無水物、低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル等)、または前記カルボン酸無水物およびアルキレンオキサイドとの縮合反応物;そのアルキレオンキサイド(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
さらには、ポリブタジエンポリオール等のジエン系ポリオールおよびその水素添加物;アクリル系ポリオール等の水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物等が挙げられる。
これらのポリオール(a2)は、通常2〜8個、好ましくは3〜8個の水酸基と、通常200〜4,000、好ましくは400〜3,000の水酸基当量を有している。
ポリオール(a)の数平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による、とくに記さない限り以下の数平均分子量についても同じ〕は、通常500以上、好ましくは500〜20,000、特に好ましくは1,200〜15,000、最も好ましくは2,000〜9,000である。数平均分子量が500以上であるとポリウレタンフォームの発泡性の面で好ましく、20,000以下であると低粘度となり重合体ポリオールの取り扱い性の面で好ましい。また(a)の水酸基当量は、好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜3,000である。
ベース重合体ポリオール(A)の製造に用いられるエチレン性不飽和化合物(b)としては、芳香族炭化水素単量体類(b1)、不飽和ニトリル類(b2)、(メタ)アクリル酸エステル類(b3)、数平均分子量が160〜490で、SP値が9.5〜13〔(cal/cm31/2、以下同じ〕ある末端エチレン性不飽和基含有化合物(b4)、その他のエチレン性不飽和化合物(b5)、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
(b1)としてはスチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレンなどが挙げられる。
(b2)としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
(b3)としてはメチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(アルキル基の炭素数が1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)モノ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
また、とくに重合体含量が高くても粘度が低いベース重合体ポリオールを得たい場合、(b4)を含有するのが好ましい。(b4)の数平均分子量は、下限は、好ましくは170、さらに好ましくは180、とくに好ましくは182、最も好ましくは185であり、上限は、好ましくは480、さらに好ましくは450、とくに好ましくは420、最も好ましくは400である。数平均分子量が160以上であると、重合体ポリオールの粘度が低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタンフォームの硬度も良好である。(b4)の数平均分子量が490以下であると、それを用いて得られるポリウレタンフォームの硬度が良好である。
(b4)のエチレン性不飽和基の数は、平均1個以上有すればよい。好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜2個、とくに好ましくは1個である。エチレン性不飽和基数が平均1個未満であると、ポリオールの可溶成分が多くなり得られる重合体ポリオールの粘度が増大するばかりでなく、これらを使用して製造されるポリウレタン樹脂の物性が著しく劣る。なお、(b4)のエチレン性不飽和基は、少なくとも(平均)1個を末端に有するものであれば、残りの不飽和基は、末端に存在しても、末端で無い位置に存在してもよい。
上記のエチレン性不飽和基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基などのα−アルケニル基等が挙げられる。
また、(b4)の二重結合1個あたりの分子量(X)は、好ましくは490以下である。下限は好ましくは160、さらに好ましくは180、とくに好ましくは185であり、上限はさらに好ましくは480、とくに好ましくは450、最も好ましくは400である。490以下であるとこれらを使用して製造される重合体ポリオールの粘度低下効果が大きい。
ここで、(b4)の二重結合1個あたりの分子量(X)は次式で定義されるものである。
X=1000/N
N:JIS K−1557(1970年版)に規定された測定法で測定した(b4)の不飽和度
また、(b4)の溶解度パラメーターSPは通常9.5〜13である。下限は好ましくは9.8、さらに好ましくは10.0である。上限は好ましくは12.5、さらに好ましくは12.2である。(b1)のSPが9.5以上であると、これらを使用して製造される重合体ポリオールの粘度が低くなる。また、SPが13以下である、重合体ポリオールを使用して得られるポリウレタンフォームの硬度が上昇する。
SP値とは、下記に示した様に凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
[SP値]=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
(b4)の具体例としては、それを用いると重合体ポリオールの粘度が低くなり、得られるポリウレタンフォームの硬度が高くなることから、下記(b41)〜(b45)が好ましく、2種以上を併用してもよい。
(b41):末端不飽和アルコール(炭素数3〜24)の(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)エーテル
(b42):下記一般式〔1〕で示される化合物
(b43):下記一般式〔2〕で示される化合物
(b44):下記一般式〔3〕で示される化合物
(b45):下記一般式〔4〕で示される化合物
CH2=CRCOO(AO)kCOCH2COCH3 〔1〕
CH2=CRCOO(AO)k〔CO(CH2)sO〕m(AO)nH 〔2〕
CH2=CRCO〔O(CH2)sCO〕mO(AO)nH 〔3〕
CH2=CRCOO(AO)k〔QO(AO)pr(QO)tH 〔4〕
[上記各式中、Rは水素原子またはメチル基;Aは炭素数2〜8のアルキレン基;Qはジカルボン酸から2個のOHを除いた残基;kは数平均分子量が490を越えない1以上の整数、nおよびpは0または数平均分子量が490を越えない1以上の整数、sは3〜7の整数、mおよびrは数平均分子量が490を越えない1以上の整数、tは0または1]
なお、ここで「数平均分子量が490を越えない」の数平均分子量とは、当該化合物の数平均分子量を指すものである。
上記(b41)における炭素数3〜24の末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、1−ヘキセン−3−オールなどが挙げられる。(b41)のオキシアルキレン単位の数は、通常1〜9、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。
上記一般式〔1〕〜〔4〕において、Aは炭素数2〜8のアルキレン基であり、AO単位は、通常、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドの付加により形成され、k、nおよびpはそれぞれアルキレンオキサイドの付加モル数に相当する。また、(b41)のアルキレン基の炭素数が2〜8の(ポリ)オキシアルキレン単位も、通常、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドの付加により形成される。
上記アルキレンオキサイドとしては、前述のポリオール(a)の項において、活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとして例示したものと同様のものが挙げられる。好ましくは、POおよび/またはEOである。
kは、好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、とくに好ましくは1である。nは、好ましくは0または1〜7、さらに好ましくは0または1〜5、とくに好ましくは0である。pは、好ましくは0または1〜6である。
Qとしては、ジカルボン酸から2個のOHを除いた残基が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数4〜10のものが好ましく、具体的には、フタル酸(イソフタル酸およびテレフタル酸を含む)、マレイン酸、フマル酸およびコハク酸などが挙げられる。好ましくはフタル酸およびコハク酸である。
〔CO(CH2)sO〕および〔O(CH2)sCO〕単位の部分は、通常、ラクトンの付加により形成される。sは、好ましくは4〜6であり、さらに好ましくは5である。mは、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3、とくに好ましくは2である。
また、rは、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1または2、とくに好ましくは1である。
これら(b41)〜(b45)の中でも、さらに好ましいものは、(b41)および(b42)であり、とくに好ましいものは(b41)である。
(b41)〜(b45)の具体例としては、例えば、(b41)としては、アリルアルコールのPOおよび/またはEO1〜5モル付加物が挙げられる。
(b42)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物のアセト酢酸エステルなどが挙げられる。
(b43)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物にε−カプロラクトンを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物1モルにさらに1〜5モルのPOおよび/またはEOを付加させた化合物などが挙げられる。
(b44)としては、(メタ)アクリル酸1モルにε−カプロラクトンを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物1モルにさらに1〜5モルのPOおよび/またはEOを付加させた化合物などが挙げられる。
(b45)としては、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのコハク酸とのモノエステル、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのマレイン酸もしくはフマル酸とのモノエステル、(メタ)アクリル酸1モルにPOおよび/またはEOを1〜5モル付加させた化合物と等モルのフタル酸とのモノエステル1モルにさらにEOおよび/またはPOを1〜5モル付加させた化合物、およびこの化合物と等モルのフタル酸とのモノエステルなどが挙げられる。
上記以外の、その他のエチレン性不飽和化合物(b5)としては、(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸などのビニル基含有カルボン酸およびその誘導体;エチレン、プロピレンなどの脂肪族炭化水素系モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレートなどのフッ素含有ビニル系モノマー;ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレートなどの上記以外の窒素含有ビニル系モノマー;ビニル変性シリコーン;ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン化合物;などが挙げられる。
さらに(b)の少なくとも一部(好ましくは0.05〜1%)として2官能以上の多官能モノマーを用いることにより、重合体ポリオールの分散安定性をさらに向上させることができる。多官能モノマーとは、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明の方法において、重合に用いるエチレン性不飽和化合物(b)中の(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、および(b5)の種類と比率は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて変えることができる。重合に用いる(b)における各単量体の種類と比率は次の通りである。
(b1)の含量は好ましくは0〜100%、さらに好ましくは20〜90%である。(b2)の含量は好ましくは0〜100%、さらに好ましくは10〜80%である。(b3)の含量は好ましくは0〜50%、さらに好ましくは0〜20%である。(b4)の含量は好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜8%である。とくに重合体含量が高くても粘度が低いベース重合体ポリオールを得たい場合、(b4)の含量は好ましくは1〜10%である。(b5)の含量は好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%である。(b1)と(b2)の質量比は、通常(0:100)〜(100:0)、好ましくは(0:100)〜(80:20)である。
(b)の具体例としては、アクリロニトリルおよび/またはスチレンと必要により(b4)〔とくに(b41)〕からなるものが好ましい。(b)中のアクリロニトリルとスチレンの合計量は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60〜99%である。
本発明における(b)を重合させてなる重合体分散粒子の体積基準平均粒子径は、通常5μm以下、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。重合体分散粒子の粒子径が5μm以下であると、粒子分散安定性が高く、ポリウレタンフォームの製造に用いた際、フォームの硬さが高い。
ベース重合体ポリオール(A)を得るためのラジカル重合は、従来の重合体ポリオールにおける重合と同様に行うことができる。例えば、分散剤(C)を含むポリオール(a)中で、エチレン性不飽和化合物(b)を重合開始剤と必要により有機溶剤(D)の存在下に重合させる方法(米国特許第3383351号明細書などに記載の方法)が挙げられる。
また、重合は、バッチ式でも連続式でも行うことができ、常圧下、加圧下または減圧下において重合することができる。必要に応じて、希釈剤(E)、連鎖移動剤等を使用することができる。
以下ラジカル重合に用いる各成分について順次説明する。
(C)としては、ビニル系オリゴマー分散剤(C1)および/または反応性分散剤(C2)が好ましい。
本発明において(C1)を構成するエチレン性不飽和化合物は、ポリオール(a)中での重合に用いられるエチレン性不飽和化合物(b)と同じ群から選ぶことができる。
これらの内で、(C1)の製造に用いられるエチレン性不飽和化合物の少なくとも一部が、ポリオール(a)中での重合に用いられるエチレン性不飽和化合物(b)の少なくとも一部(好ましくは30%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上)と同じであることが望ましい。(C1)の製造に用いられるエチレン性不飽和化合物とポリオール(a)中での重合に用いられるエチレン性不飽和化合物(b)は同じであることがとくに好ましい。
(C1)の製造にエチレン性不飽和化合物を用いる場合の(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、および(b5)の種類と比率は、ポリオール(a)中での重合に用いる(b)に応じて変えることができ、ポリオール(a)中での重合に用いる(b)の種類と比率に合わせることが望ましい。
ビニル系オリゴマー分散剤(C1)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン基準の重量平均で通常1,000〜30,000、好ましくは2,000〜20,000、さらに好ましくは3,000〜15,000であり、ポリオール(a)に可溶性[(C1)の含量が(C1)と(a)の総重量に基づき5%溶解させたときのレーザー光の透過率が10%以上]であることが望ましい。分子量が30,000を越えたり、1,000より小さいと十分な分散効果が得られず分散粒子径が大きくなる。また、(C1)が(a)に可溶性でないと該重合後の十分な分散効果が得られない。
ビニル系オリゴマー分散剤(C1)の製造は、重量平均分子量が1,000〜30,000となるよう重合度を調節する点を除いて、通常のエチレン性不飽和化合物の重合方法で行うことができる。例えば溶媒中で、エチレン性不飽和化合物(b)を重合開始剤(後に記載するラジカル発生剤など)の存在下に重合させる方法である。また、(C1)はポリオール(a)中で(b)を重合させて得られるもの(重量平均分子量が30000を越えるポリマーを実質的に含有しない)でもよく、この場合の(C1)の濃度は通常1〜40%、好ましくは5〜20%であり、このものは精製処理することなく重合体ポリオールの製造に使用できる。重合開始剤は比較的多量に使用され、例えば全エチレン性不飽和化合物の質量に基づいて通常2〜30%、好ましくは5〜20%である。
上記重合反応に用いる溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどが挙げられる。また、必要により連鎖移動剤たとえば、・アルキルメルカプタン類(ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノールなど)、・アルコール類(イソプロピルアルコール、メタノール、2−ブタノール、アリルアルコールなど)、・ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムなど)、・特開昭55−31880号公報記載のエノールエーテル類などの存在下に重合を行うことができる。重合はバッチ式でも連続式でも行うことができる。重合反応は、重合開始剤の分解温度以上(通常50〜250℃、好ましくは80〜200℃、特に好ましくは100〜180℃)で行うことができ、大気圧下または加圧下においても行うことができる。
本発明の方法におけるビニル系オリゴマー分散剤(C1)の使用量は、(b)の質量に基づいて、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、とくに好ましくは0.1〜8%である。
反応性分散剤(C2)は、実質的に飽和のポリオール(d)と、少なくとも1個の重合性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(e)が、ポリイソシアネート(f)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオールである。
ここで実質的に飽和とは、JISK−1557(1970年版)で規定された測定法で測定された不飽和度が0.2meq/g以下(好ましくは0.08meq/g以下)であることを意味する。
反応性分散剤(C2)を構成する(d)としては、前記(a)として例示したものと同様のものが使用できる。(d)と(a)とは同一であっても異なっていてもよい。
(d)の1分子中の水酸基の数は、少なくとも2個、好ましくは2〜8個、さらに好ましくは3〜4個であり、(d)の水酸基当量は、好ましくは1,000〜3,000、さらに好ましくは1,500〜2,500である。
(C2)を得るのに用いる(e)は、1個の活性水素含有基と少なくとも1個の重合性不飽和基を有する化合物である。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、SH基などがあるが、特に水酸基が好ましい。
(e)の重合性不飽和基は重合性二重結合が好ましく、また1分子中の重合性不飽和基の数は1〜3個、とくに1個が好ましい。即ち、(e)として好ましいものは、重合性二重結合を1個有する不飽和モノヒドロキシ化合物である。
上記不飽和モノヒドロキシ化合物としては、例えば、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素、不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステル、不飽和2価アルコールとモノカルボン酸とのモノエステル、アルケニル側鎖基を有するフェノール、不飽和ポリエーテルモノオールなどが挙げられる。
モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素としては、炭素数3〜6のアルケノール、例えば(メタ)アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オールなど;アルキノール、例えばプロパギルアルコールなどが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等の炭素数3〜8の不飽和モノカルボン酸と、前記2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の炭素数2〜12の2価アルコール)とのモノエステルが挙げられ、その具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどが挙げられる。
不飽和2価アルコールとモノカルボン酸のモノエステルとしては、例えば、ブテンジオールの酢酸モノエステルなどの、炭素数3〜8の不飽和2価アルコールと炭素数2〜12モノカルボン酸とのモノエステルが挙げられる。
アルケニル側鎖基を有するフェノールとしては、例えばオキシスチレン、ヒドロキシα−メチルスチレンなどのアルケニル基の炭素数が2〜8のアルケニル側鎖基を有するフェノールが挙げられる。
不飽和ポリエーテルモノオールとしては、前記モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素もしくは前記アルケニル側鎖基を有するフェノールのアルキレンオキサイド(炭素数2〜8)1〜50モル付加物〔例えばポリオキシエチレン(重合度2〜10)モノアリルエーテル〕などが挙げられる。
不飽和モノヒドロキシ化合物以外の(e)の例としては以下のものが挙げられる。
アミノ基、イミノ基を有する(e)としては、モノ−およびジ−(メタ)アリルアミン、アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート〔アミノエチル(メタ)アクリレートなど〕、モノアルキル(炭素数1〜12)アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート〔モノメチルアミノエチル−メタクリレートなど〕;カルボキシル基を有する(e)としては、前記不飽和モノカルボン酸;SH基を有する(e)としては、前記不飽和モノヒドロキシ化合物に相当する(OHがSHに置き換わった)化合物が挙げられる。
重合性二重結合を2個有以上有する(e)の例としては、前記3価、4〜8価またはそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテルまたは前記不飽和カルボン酸とのポリエステル〔例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジ(メタ)アクリレートなど〕が挙げられる。
これらのうち好ましい化合物は、炭素数3〜6のアルケノール、炭素数3〜8の不飽和モノカルボン酸と炭素数2〜12の2価アルコールとのモノエステルおよびアルケニル側鎖基を有するフェノールであり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールとのモノエステル;アリルアルコール;およびヒドロキシα−メチルスチレンであり、とくに好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
また、(e)の分子量は特に限定されないが、1000以下、特に500以下であるものが好ましい。
ポリイソシアネート(f)は、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物など)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物:ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)など]、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数4〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDIおよびひまし油変性MDIなどが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましくは2,4−および/または2,6−TDIである。
反応性分散剤(C2)の含窒素結合は、イソシアネート基と活性水素含有基との反応によって生じるものであり、活性水素含有基が水酸基である場合、主にウレタン結合が生成し、アミノ基である場合、主に尿素結合が生成する。カルボキシル基の場合はアミド結合、SH基の場合はチオウレタン結合が生成する。これらの基以外に、他の結合、例えば、ビューレット結合、アロファネート結合などが生成していてもよい。
この含窒素結合は実質的に飽和のポリオール(d)の水酸基とポリイソシアネート(f)のイソシアネート基との反応で生じるものと、不飽和単官能活性水素化合物(e)の活性水素含有基と(f)のイソシアネート基との反応で生じるものとがある。
重合体ポリオールの分散安定性の点から、(C2)の1分子中の水酸基数の平均値は、通常2以上、好ましくは2.5〜10、さらに好ましくは3〜7である。(C2)の1分子中の不飽和基数の平均値は、好ましくは0.8〜2、さらに好ましくは0.9〜1.2である。
また、重合体ポリオールの分散安定性の点から、(C2)の水酸基当量は、好ましくは500〜10000、さらに好ましくは1000〜7000、とくに好ましくは2000〜6000である。
また、重合体ポリオールの分散安定性と取り扱いの容易さから、(C2)の数平均分子量(末端基定量法による)は、好ましくは5000〜40000である。下限はさらに好ましくは10000、とくに好ましくは15500であり、上限はさらに好ましくは30000、とくに好ましくは25000である。
また、(C2)の粘度は、好ましくは10000〜50000mPa・s/25℃、さらに好ましくは15000〜35000mPa・s/25℃である。粘度が上記範囲内であれば重合体の分散性がさらによく、(C2)を使用して得られる重合体ポリオールの粘度も低く取扱いが容易である。
これら原料を使用して反応性分散剤(C2)を製造する方法は特に限定されない。
好ましい方法としては、不飽和単官能活性水素化合物(e)と実質的に飽和のポリオール(d)との混合物にポリイソシアネート(f)を加えて、必要により触媒の存在下に反応させる方法と、(e)と(f)とを必要により触媒の存在下に反応させてイソシアネート基を有する不飽和化合物を製造し、これと(d)とを反応させる方法が挙げられる。後者の方法は、水酸基を持たない化合物などの副生物の発生の少ない含窒素結合含有不飽和ポリオールが得られる方法であるので、最も好ましい方法である。
また、(e)もしくは(d)に代えてその前駆体を用いて(f)と反応させた後、前駆体部分を変性して、(C2)を形成してもよい。〔例えば、イソシアネートとの反応後に不飽和モノカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を反応させて不飽和基を導入する、イソシアネートとの反応後にアルキレンジハライド、ジカルボン酸などでジャンプさせて(C2)を形成する〕
上記反応時の触媒としては、例えば、通常用いられるウレタン化触媒が挙げられ、錫系触媒(ジブチルチンジラウレート、スターナスオクトエートなど)、その他の金属触媒(テトラブチルチタネートなど)、アミン系触媒(トリエチレンジアミンなど)などが用いられる。これらの中で好ましいのはテトラブチルチタネートである。
触媒の量は、反応混合物の質量に基づいて、好ましくは0.0001〜5%、さらに好ましくは0.001〜3%である。
これら3成分の反応比率は、反応に用いる合計量に基づく、(e)と(d)の活性水素含有基と(f)のイソシアネート基との当量比が、好ましくは(1.2〜4):1、さらに好ましくは(1.5〜3):1である。
また、(d)100部に対する反応に用いる(e)の量は、好ましくは2部未満、さらに好ましくは0.5〜1.8部である。上記および以下において、部は質量部を意味する
なお、(f)と反応する以上の大過剰の(d)を用いて、(C2)と(d)の混合物を形成し、未反応の(d)を分離せずにそのまま、ポリオール(a)の一部として用いる方法を採ることもできる。
上記方法で得られる反応性分散剤(C2)は単独化合物である場合もあるが、多くの場合、下記一般式〔5〕で表される化合物のような種々の化合物の混合物である。
[式中、Zはh価の(f)の残基(ただしhは2以上の整数);Tは(e)の残基(ただし、重合性不飽和基を有する。);A1 はq1 価のポリオール〔(d)、または(d)と(f)からのOHプレポリマー〕の残基、A2 はq2 価のポリオール〔(d)、または(d)と(f)からのOHプレポリマー〕の残基(ただしq1 、q2 は2以上の整数);Xは、単結合、O、S、または−N−;

T’
T’はHまたは炭素数1〜12のアルキル基;gは1またはそれ以上の整数;jは1以上の整数である。ただしq1 −g≧0、h−j−1≧0である。なお、OH基の合計は2以上である。]
すなわち、1個の(d)と1個の(e)が1個の(f)を介して結合したもの、複数の(e)が各々1個の(f)を介して1個の(d)と結合したもの、複数の(f)を介して合計3個以上の(d)および(e)が結合したものなどを含有する。また、これら以外の副生物として、(d)同志が(f)を介して結合したもの(不飽和基を持たない含窒素結合含有ポリオール)、(e)同志が(f)を介して結合したもの(水酸基を持たない含窒素結合含有不飽和化合物)が形成されることがあり、未反応の(d)や(e)を含むこともある。
この混合物はそのまま分散剤として使用し得るが、不飽和基を持たない含窒素結合含有ポリオールや水酸基を持たない含窒素結合含有不飽和化合物の含量が少ないものが好ましく、さらに除去しうるこれらの不純物を除去した後に適用することもできる。
また、(C2)中の不飽和基は、ポリオールの分子鎖の末端または末端近傍に位置しているため、モノマーと共重合しやすい。
(C2)は、下記式(4)によって求められる、1分子中の(f)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値:Kが0.1〜0.4となるような割合で、(d)、(e)および(f)を反応させたものである。
K=[(e)のモル数×(e)の不飽和基数]/[(f)のモル数×(f)のNCO基数](4)
Kの値は、さらに好ましくは0.1〜0.3であり、とくに好ましくは0.2〜0.3である。Kの値が上記範囲内であると、重合体ポリオールの分散安定性がとくに良好となる。
重合体ポリオール作成時のポリオール(a)と反応性分散剤(C2)の構成比は、好ましくは、(a)100部に対して(C2)を0.5〜50部使用する。下限は、さらに好ましくは0.8部、とくに好ましくは1部であり、上限は、さらに好ましくは15部、とくに好ましくは10部である。(C2)が50部以下であると重合体ポリオールの粘度が上昇せず、0.5部以上であると分散性が良好である。
また、(b)の質量に基づく(C1)の使用量は、好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下、とくに好ましくは0.1〜15%である。
反応性分散剤(C2)は、それを用いて得られる重合体ポリオールの分散安定性が極めて良好となる。とくにエチレン性不飽和化合物(b)として、(b4)を用いる高濃度(例えば重合体含量40〜75%)重合体ポリオールの製造に好適に用いられ、より低粘度の重合体ポリオールを得ることができる。
(C)としては、上記の(C1)、(C2)以外に、以下に述べる通常用いられる分散剤も使用できる。
例えば、
(1)エチレン性不飽和基含有変性ポリエーテルポリオール(例えば特開平08−333508号公報)等のポリオールとエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの分散剤;
(2)ポリオールとの溶解度パラメーターの差が1.0以下のポリオール親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物からの重合体との溶解度パラメーターの差が2.0以下の重合体親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば特開平05−059134号公報)等のポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの分散剤;
(3)ポリオールの水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライドおよび/またはエチレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(例えば特開平07−196749号公報)等の高分子量ポリオールタイプの分散剤
等が挙げられる。
これらの中で好ましいものは(1)のタイプである。
また、(C)としてこれらの(C1)、(C2)以外の分散剤を用いる場合の使用量は、(b)の質量に基づいて、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、とくに好ましくは0.1〜8%である。
次に、(b)の重合に用いる重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−アルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]及び1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド及び過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩及び過ホウ酸塩等の無機過酸化物等が挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
重合開始剤の使用量は、(b)の質量に基づいて、通常0.05〜20%、好ましくは0.1〜15%、とくに好ましくは0.2〜10%である。重合開始剤の使用量が0.05〜20%の範囲で重合体ポリオール中の(b)の重合率が十分高くなり、また、分子量も大きくなるため、ウレタンフォームにした際に十分なフォーム圧縮硬さが得られる面で優れている。
ラジカル重合に用いる有機溶媒(D)としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタンなどの炭素数5〜15の飽和脂肪族炭化水素系溶剤;ヘキセン、ノネンなどの炭素数5〜15の不飽和脂肪族炭化水素系溶剤;ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
(D)の使用量は、(b)の使用量に基づいて、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。用いた(D)は、重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが好ましい。
また、連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタンおよびメルカプトエタノール等のアルキルメルカプタン類;等が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、(b)の使用量に基づいて、通常2%以下、好ましくは0.1%以下である。
本発明の製造方法においては、ベース重合体ポリオール(A)に、さらに重合開始剤(B)、分散剤(C)、および必要により有機溶媒(D)を添加し、(A)中に残存する(b)を重合させる。
本発明の製造方法を適用するベース重合体ポリオール(A)中に残存する(b)の量は、(b)を重合させて(b)の量を低減させる効率の点等から、(A)の質量に対して0.1〜6%が好ましい。さらに好ましくは0.2〜5%である。
重合開始剤(B)としては、前に例示のものが使用でき、2種以上を併用することができる。(B)は、(A)の作成に用いられるものと同一であることが好ましい。
(B)の使用量は、(A)の質量に基づいて、好ましくは0.001〜0.5%である。下限は、さらに好ましくは0.005%、とくに好ましくは0.01%であり、上限は、さらに好ましくは0.3%、とくに好ましくは0.1%である。(B)の使用量が0.001〜0.5%であると、(A)中に残存する(b)の重合率を十分に高めることができる。
分散剤(C)としては、前記(A)の作成に用いられるものと同様のものが挙げられる。同様に(C1)および/または(C2)が好ましく、(A)の作成に用いられるものと同一であることが、さらに好ましい。
(C)の使用量は、(A)の質量に基づいて、好ましくは0.001〜0.5%である。下限は、さらに好ましくは0.01%、とくに好ましくは0.05%であり、上限は、さらに好ましくは0.45%、とくに好ましくは0.4%である。(B)の使用量が0.001〜0.5%であると、(A)中に残存する(b)の重合による粘度上昇を抑えることができる。
(A)中に残存する(b)の重合は必要により、有機溶媒(D)の存在下で行うこともできる。(D)を用いることにより、重合開始剤(B)の(A)への溶解性が向上し、(b)の重合率が向上する。(D)としては、前に例示の溶媒が使用でき、好ましいものはトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n−ブタノールである。
(D)の使用量は(A)の質量に基づき、好ましくは5%を越えない量、さらに好ましくは0.01〜3%である。
(B)、(C)および必要により用いる(D)の(A)への添加は同時であることが好ましく、必要により(D)を用いる場合、(B)は(D)に溶解していることが好ましい。
また、各成分の(A)への添加時期や添加温度に特に制約は無いが、攪拌下に添加されることが好ましい。
本発明の方法において、該重合に用いる(B)、(C)、および必要により用いる(D)の質量比率は、好ましくは1/(0.002〜500)/(0〜5000)、さらに好ましくは1/(0.03〜90)/(0〜600)、とくに好ましくは1/(0.5〜40)/(1〜300) である。
(A)中に残存する(b)の重合はバッチ式でも連続式でも行うことができるが、バッチ式の方が重合率が高く、好ましい。重合反応は、(B)の分解温度以上(通常50〜250℃、好ましくは80〜200℃、特に好ましくは100〜180℃)で行うことができ、大気圧下または加圧下においても行うことができる。重合時間は通常10分〜120分、好ましくは15分〜60分である。
重合体ポリオール(I)中の(b)から形成された重合体分散粒子の含量は、組成物の全質量に基づいて、好ましくは10〜60%、特に好ましくは20〜50%である。重合体分散粒子の含量が10〜60%であると(A)の粘度が低く、またポリウレタンフォームの製造に用いた際、ポリウレタンフォームの強度が高い。
本発明において、(I)に溶解している可溶性ポリマー(P)の量は、(I)の質量に基づいて5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下である。(P)の量が5%以下であると、(I)の粘度が低く、取扱いが容易である。
ここで、(I)に溶解している可溶性ポリマー(P)とは、(I)から、(a)に不溶なポリマー粒子を除いたものであり、通常(a)よりも高分子量の化合物である。
可溶性ポリマー(P)量の測定は以下の方法にて行う。
5gの(I)にメタノール20gを加え、100ccのステンレス製チューブに入れて、温度20℃で18000rpm×60分間、遠心分離してポリマー粒子を凝集させ、上澄みの透明溶液を得る。この溶液から減圧乾燥機によりメタノールを除去した後、分取液体クロマトグラフィーにて、(a)(少量の低分子量副生物を含む)と、(a)に可溶性のポリマー(P)〔分子量4000以上、通常はクロマトグラフィーにおける(a)のピークより高分子量側にピークが出現する。〕とを分取し、その質量比から求める。(P)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフによる、以下GPCと略記)は、通常6000〜30000であるが、さらに高分子量のものが含まれることがある。
なお、可溶性ポリマー(P)が(a)と分取液体クロマトグラフィーで分離出来ない場合(分子量が重なる場合)は、上記と同様に遠心分離してポリマー粒子を凝集させ、上澄みの透明溶液を得る。この溶液から減圧乾燥機によりメタノールを除去した後、ジエチルエーテルを投入し、沈殿物を濾別し乾燥することで可溶性ポリマー(P)を(a)から分離することができる。
(D)は、(b)の重合後に減圧留去するのが好ましい。減圧留去する条件としては、留去するのに有効な条件であれば特に限定されないが、例えば、温度110℃〜150℃で1〜100(好ましくは2〜50)torrの減圧下、1〜10時間ストリッピングする方法が挙げられる。
なお、希釈剤(E)を、必要により本発明の重合体ポリオール(I)に含有させて、重合体ポリオールをさらに低粘度とすることもできる。重合体ポリオール(I)中に含有させる(E)としては、上記不飽和脂肪族炭化水素系溶剤;芳香族炭化水素系溶剤;および低粘度(100mPa・s/25℃以下)の難燃剤、例えばトリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート;などを挙げることができる。
(I)中の(E)の含有量は、好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。
本発明の方法により、(b)の含量の低い重合体ポリオールを得ることができるが、(I)中に残存する(b)の量は、モノマー臭気等の点から、好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.1%以下、とくに好ましくは0.05%以下である。
また、(b)がスチレンおよび/またはアクリロニトリルからなるとき、得られる重合体ポリオール中の、スチレン、アクリロニトリルの含量(ガスクロマトグラフ法による)は、重合体ポリオールを用いてポリウレタンフォームを成形する際の作業環境の点から、アクリロニトリル含量が50ppm以下、スチレン含量が300ppm以下であることが好ましい。アクリロニトリル含量は、さらに好ましくは30ppm以下、とくに好ましくは5ppm以下であり、スチレン含量は、さらに好ましくは250ppm以下、とくに好ましくは100ppm以下である。なお、ガスクロマトグラフ法の詳細は後述の実施例の方法による。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において比は、質量比を示す。
製造例、実施例及び比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
(1)ポリオール
ポリオールa1:グリセリンにPOを平均46モル付加し、次いでEOを平均6モル付加させて得られた、数平均分子量3000、水酸基当量1000のポリオール。
ポリオールa2:ペンタエリスリトールにPOを平均104モル付加し、次いでEOを平均19モル付加させて得られた数平均分子量7000、水酸基当量1750のポリオール。
(2)エチレン性不飽和化合物
ACN :アクリロニトリル
St :スチレン
(3)重合開始剤
AIBN :2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
AVN :2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
(4)重合性不飽和基を有する単官能活性水素化合物
HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(5)触媒
TBT :テトラブチルチタネート〔ナカライテスク(株)製〕
(6)ポリイソシアネート
TDI :コロネートT−80〔日本ポリウレタン(株)製〕
また、重合体ポリオール中のエチレン性不飽和化合物の含量は、以下のように測定した。
<エチレン性不飽和化合物含量測定法>
ガスクロマトグラフ :GC−14B(島津製作所製)
カラム :内径4mmφ、長さ1.6m、ガラス製
カラム充填剤 :ポリエチレングリコール20M〔信和化工(株)製〕20%保持
内部標準物質 :トルエン(スペクトル用)〔ナカライテスク(株)製〕
希釈溶媒 :ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1級〔和光純薬(株)製〕(50%溶液とする。)
インジェクション温度:200℃
カラム初期温度 :110℃
昇温速度 :5℃/min.
カラムファイナル温度:200℃
試料注入量 :1μl
<製造例1>反応性分散剤(C2−1)の製造
温度調節器、バキューム撹拌翼、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、TDIを28部、TBTを0.01部入れ、30℃に冷却し、続いてHEMA9部を2時間で滴下した。その間反応温度を40〜50℃に保った。その反応液を温度調節器、撹拌翼、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにあらかじめ入れておいたポリオールa2、963部中に入れ、反応温度80〜90℃で4時間撹拌した。赤外吸収スペクトルにおいて未反応のイソシアネート基が存在しないことを確認して、反応性分散剤(C2−1)を得た。
(C2−1)の水酸基価は20、粘度は20000mPa・s/25℃、不飽和基数/含窒素結合の数、の比は0.22であった。
<製造例2>オリゴマー分散剤(C1−1)の製造
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプを備えた四つ口フラスコに、ポリオールa1を225部入れ、攪拌下140℃に加熱し、次いで、反応温度を140〜145℃に保ちながら、滴下ポンプにより、ACN:30部、St:70部、AVN:10部の均一混合液を4時間で滴下し、オリゴマー分散剤(C1−1)を得た。
(C1−1)の重量平均分子量は9000、水酸基価は32、粘度は1800mPa・s/25℃であった。
<製造例3>ベース重合体ポリオールの製造
温度調節器、バキューム撹拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口および流出口を備えた4口フラスコに、ポリオールa1:30部、キシレン:7部および(C2−1):1部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌しながら130℃に昇温した。次いで、アリルアルコールPO2.2モル付加物(数平均分子量186、SP=10.2):4部とACN:15部、St:34部、ポリオールa1:13部を予め混合した原料、並びに、予め、ポリオールa1:8部およびAIBN:1部を混合した原料を、各々同時に滴下ポンプを用いて3時間かけて連続的に滴下し、130℃で重合させた。さらに未反応モノマーとキシレンを20〜30torrで2時間減圧下ストリッピングして、ポリマー粒子含量50%、粘度5000mPa・s(25℃)のベース重合体ポリオールを得た。
ガスクロマトグラフ法により測定した、得られたベース重合体ポリオールのアクリロニトリル含量は300ppm、スチレン含量は1000ppm、アリルアルコールPO2.2モル付加物は2000ppmであった。
実施例1
温度調節器、バキューム撹拌翼、ジムロート冷却管、減圧装置、窒素流入および流出口を備えた四つ口フラスコに、製造例3で得たベース重合体ポリオール1000部を入れ、130℃まで昇温させた。攪拌しながら、AIBN:1部、(C2−1):1部を投入し、30分間攪拌した。さらに未反応モノマーとキシレンを20〜30torrで2時間減圧下ストリッピングして、ポリマー粒子含量54%、粘度7000mPa・s(25℃)の重合体ポリオールを得た。
ガスクロマトグラフ法により測定した、得られたベース重合体ポリオールのアクリロニトリル含量は10ppm、スチレン含量は100ppm、アリルアルコールPO2.2モル付加物は200ppmであった。
実施例2
実施例1のAIBN:1部をキシレン:5部に溶解させた後に投入した以外は、実施例1と同様に加熱および減圧を行い、ポリマー粒子含量54%、粘度7000mPa・s(25℃)の重合体ポリオールを得た。
ガスクロマトグラフ法により測定した、得られた重合体ポリオール中のアクリロニトリル含量は1ppm、スチレン含量は70ppm、アリルアルコールPO2.2モル付加物含量は160ppmであった。
実施例3
実施例1の(C2−1)を(C1−1)に変更した以外は、実施例1と同様に加熱および減圧を行い、ポリマー粒子濃度54%、粘度7500mPa・s(25℃)の重合体ポリオールを得た。
ガスクロマトグラフ法により測定した、得られた重合体ポリオール中のアクリロニトリル含量は1ppm、スチレン含量は76ppm、アリルアルコールPO2.2モル付加物含量は162ppmであった。
比較例1
実施例1の(C2−1)を使用しないこと以外は、実施例1と同様に加熱および減圧を行い、ポリマー粒子含量53%、粘度13,000mPa・s(25℃)の重合体ポリオールを得た。
ガスクロマトグラフ法により測定した、得られた重合体ポリオール中のアクリロニトリル含量は50ppm、スチレン含量は130ppm、アリルアルコールPO2.2モル付加物含量は600ppmであった。
比較例2
実施例2の(C2−1)を使用しないこと以外は、実施例2と同様に加熱および減圧を行い、ポリマー粒子含量53%、粘度13,000mPa・s(25℃)の重合体ポリオールを得た。
ガスクロマトグラフ法により測定した、得られた重合体ポリオール中のアクリロニトリル含量は40ppm、スチレン含量は100ppm、アリルアルコールPO2.2モル付加物含量は550ppmであった。
上記の結果から、反応性分散剤(C2)を用いた実施例1および2、並びにオリゴマー分散剤(C1)を用いた実施例3では、得られた重合体ポリオール中の、アクリロニトリルとスチレンの濃度が大幅に減少している。
本発明の方法により得られる重合体ポリオールは、未反応のエチレン性不飽和化合物の含量が低く、ポリオール成分とポリイソシアネート成分〔前記ポリイソシアネート(f)として例示したもの等〕を発泡剤(水等)の存在下又は不存在下に反応させて、発泡又は非発泡ポリウレタン樹脂を製造する際のポリオール成分の少なくとも一部として、好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリオール(a)中で、重合開始剤(B)、分散剤(C)、および必要により有機溶媒(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてなるベース重合体ポリオール(A)に、さらに(B)、(C)および必要により(D)を添加し、(A)中に残存する(b)を重合させることを特徴とする、重合体ポリオール(I)の製造方法。
  2. (A)中に残存する(b)の量が、(A)の質量に対して0.1〜6質量%であり、(I)中に残存する(b)の量が、(I)の質量に対して0.8質量%以下である請求項1記載の重合体ポリオールの製造方法。
  3. (A)に対する(B)の添加量が、0.001〜0.5質量%であり、(C)の添加量が、0.001〜0.5質量%である請求項1または2記載の重合体ポリオールの製造方法。
  4. (C)が、下記(C1)および(C2)から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1〜3のいずれか記載の重合体ポリオールの製造方法。
    (C1)重量平均分子量が1,000〜30,000のビニル系オリゴマー。
    (C2)実質的に飽和のポリオール(d)と、少なくとも1個の重合性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(e)が、ポリイソシアネート(f)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。
  5. (I)中の(b)の重合体の含有量が、(I)の質量に基づいて10〜60質量%であり、(I)に溶解している可溶性ポリマー(P)の量が(I)の質量に基づいて5質量%以下である、請求項1〜4のいずれか記載の重合体ポリオールの製造方法。
  6. (b)がスチレンおよび/またはアクリロニトリルからなり、(I)中のスチレン含量が300ppm以下、アクリロニトリル含量が50ppm以下である請求項1〜5のいずれか記載の重合体ポリオールの製造方法。
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