JP3686372B2 - ポリマーポリオール組成物、その製造方法およびポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリマーポリオール組成物、その製造方法およびポリウレタン樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、ポリウレタン樹脂製造用ポリマーポリオール組成物、その製造方法および得られたポリマーポリオールを使用したポリウレタン樹脂またはその発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
ポリオール中でエチレン性不飽和化合物を重合して得られる重合体組成物や混合物は、一般にポリマーポリオールと称され、ポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマー等のポリウレタン樹脂の原料として広く使用されている。
【0003】
より硬度、弾性率の高い高品質のポリウレタンを与えるポリマーポリオールを製造する目的でポリマーポリオール中のポリマー粒子含量をさらに高くすること、そのようなポリマーポリオールを得る手段として、ポリオールの一部をカップリング剤(珪素含有化合物、テトラキシアルコキシオルトホルメート、トリアルコキシアルカン、ジアルコキシアルカン等)と反応させて高分子量化した変性ポリオールの存在下にビニル単量体を重合する方法(たとえば国際公開WO85/04891号公報)、ウレタン結合を含むマクロマーの存在下にビニル単量体を重合する方法(たとえば日本特開昭61−115919号公報)などが知られている。
【0004】
しかしながら、得られるポリマーポリオール組成物の分散安定性が悪かったり、ポリウレタン樹脂の成型の際にイソシアネートとの混合性が悪化して取り扱いに難点があるなどの問題があり、ポリマー粒子含量が高くても分散安定性が良好なポリマーポリオール組成物を得ることが困難であった。
【0005】
本発明者らは、以上の問題点を解決するために鋭意検等した結果、オリゴマー含量を特定量以下にすることで、高品質のポリウレタンを与え、かつ低粘度のポリマーポリオール組成物が得られることを見いだし本発明に到達した。また、特定の分散剤の存在下にモノマーを重合させてなるポリマーポリオールを機械的に分散もしくは粉砕しても、同様なポリマーポリオール組成物が得られることを見いだし本発明に到達した。
【0006】
本発明はポリマー粒子の濃度を高くしても、低粘度かつ分散安定性が極めて良好なポリマーポリオールならびにその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、これらのポリマーポリオール組成物を用いたポリウレタン樹脂またはその発泡体の製造方法であって、作業効率がよく、25%ILD(硬度)および圧縮永久歪性の優れたポリウレタン樹脂またはその発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
すなわち本発明は、次の第3,第5、および第8発明である。
【0008】
なお、下記第1、第2、第4、第6、および第7発明は参考発明である。
【0009】
[第1発明](参考発明) ポリオール(A)と、(A)中に分散されたポリマー粒子(B)からなり、(B)がポリオール中でエチレン性不飽和化合物(b)を重合させて形成されてなるポリマーポリオール組成物(I)において、(B)の含有量が(I)の質量に基づいて35〜75質量%であり、(A)に溶解している可溶性ポリマー(P)の量が(A)の質量に基づいて5質量%以下であるポリマーポリオール組成物。
【0010】
[第2発明](参考発明) ポリオール(A)または(A)と希釈剤(C)からなる分散媒と、該分散媒中に分散されたポリマー粒子(B)からなり、(B)がポリオール中でエチレン性不飽和化合物(b)を重合させて形成されてなるポリマーポリオール組成物(I)において、(B)の含有量が(I)の質量に基づいて35〜75質量%であり、(I)の25℃でのブルックフィールド型粘度計による粘度V(mPa・s)が下記式(1)の範囲内にあるポリマーポリオール組成物。
【0011】
V≦(Va−Va×C/10)^〔e^x〕 (1)
ただし、x=0.0010354×Bp^1.5
Va:(A)の25℃でのブルックフィールド型粘度計による粘度(mPa・s)
C :(I)中の(C)の含有量(質量%)
Bp:(I)中の(B)の含有量(質量%)
^ :べき乗を示す。
e :自然対数の底。
【0012】
[第3発明] ポリオール(A)と、(A)中に分散されたポリマー粒子(B)からなり、(B)がポリオール中でエチレン性不飽和化合物(b)を重合させて形成されてなるポリマーポリオール組成物(II)において、(A)中で、分散剤(D)の存在下、希釈剤(C)の存在下または不存在下、数平均分子量が500以上の、不飽和カルボン酸(p)とグリコール類(q)のエステル、及び/又は不飽和アルコール(r)とカルボン酸(s)のエステル(b1)を5質量%以上含有する(b)を重合させてなるポリマーポリオール組成物。
【0013】
[第4発明](参考発明) ポリオール(A)と(A)中に分散されたポリマー粒子(B)からなるポリマーポリオール組成物において、(B)が、(A)からなる分散媒中で(A)の溶解度パラメーターSPaとの差が0.8以下である溶解度パラメーターSPdを有する分散剤(D’)の存在下に、エチレン性不飽和化合物(b)が重合されてなるポリマー粒子を、さらに機械的に分散もしくは粉砕してなるポリマー粒子であるポリマーポリオール組成物(III)。
【0014】
[第5発明] ポリオール(A)中で、分散剤(D)の存在下、希釈剤(C)の存在下または不存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させるポリマーポリオール組成物の製造方法において、数平均分子量が500以上の、不飽和カルボン酸(p)とグリコール類(q)のエステル、及び/又は不飽和アルコール(r)とカルボン酸(s)のエステル(b1)を少なくとも5質量含有する(b)を用いて、前記第3発明のポリマーポリオール組成物(II)を得ることからなるポリマーポリオール組成物の製造方法。
【0015】
[第6発明](参考発明) ポリオール(A)と(A)中に分散されたポリマー粒子(B)からなるポリマーポリオール組成物の製造方法において、ポリオール中でエチレン性不飽和化合物(b)を重合させて得られるポリマーポリオール組成物から分離したポリマー粒子(B)を、(A)の質量に基づいて5質量%を越える可溶性のポリマーを含んでいない(A)中で機械的に分散することからなる第1発明または第2発明のポリマーポリオール組成物(I)の製造方法。
【0016】
[第7発明](参考発明) ポリオール(A)からなる分散媒中で、(A)の溶解度パラメーターSPaとの差が0.8以下である溶解度パラメーターSPdを有する分散剤(D’)の存在下に、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてなるポリマーポリオール中のポリマー粒子を、さらに機械的に分散もしくは粉砕させることからなる第4発明のポリマーポリオール組成物(III)の製造方法。
【0017】
[第8発明] ポリオール成分とポリイソシアネート成分を発泡剤の存在下又は不存在下に反応させて発泡又は非発泡ポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として、第3発明のポリマーポリオール組成物を用いることからなるポリウレタン樹脂の製造方法。
【0018】
【発明の詳細な開示】
本発明の第1発明において、ポリマーポリオール組成物(I)中の、(A)中に分散されたポリマー粒子(B)の含量は、通常35〜75質量%、好ましくは45〜75質量%である。(B)の含量が35質量%未満では、ポリウレタンフォームを製造した場合に十分なフォーム圧縮硬さが得られない。また、75質量%を越えると、ポリマー粒子が凝集、沈降し取り扱いが困難となる。
【0019】
また、本第1発明において、(I)中のポリオール(A)に溶解している可溶性ポリマー(P)の量は、(A)の質量に基づいて5質量%以下である必要があり、好ましくは3質量%以下である。(P)の量が5質量%を越えると、ポリマーポリオール組成物の粘度が高くなり取り扱いが困難となったり、発泡したポリウレタンフォームの硬度が低くなるなどの欠点が発生する。
【0020】
ここで、ポリオール(A)に溶解している可溶性ポリマー(P)とは、ポリマーポリオール組成物(I)から、(A)に不溶なポリマー粒子(B)と(A)(少量の低分子量副生物を含む)を除いたものであり、通常ポリオール(A)よりも高分子量の化合物である。
【0021】
可溶性ポリマー(P)量の測定は以下の方法にて行う。
5gの(I)にメタノール20gを加え、100ccのステンレス製チューブに入れて、温度20℃で18000rpm×60分間、遠心分離して(B)を凝集させ、上澄みの透明溶液を得る。この溶液から減圧乾燥機によりメタノールを除去した後、分取液体クロマトグラフィーにて、ポリオール(A)(少量の低分子量副生物を含む)と、(A)に可溶性のポリマー(P)〔分子量4000以上、通常はクロマトグラフィーにおける(A)のピークより高分子量側にピークが出現する。〕とを分取し、その質量比から求める。(P)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフによる、以下GPCと略記)は、通常6000〜30000であるが、さらに高分子量のものが含まれることがある。
【0022】
なお、可溶性ポリマー(P)がポリオール(A)と分取液体クロマトグラフィーで分離出来ない場合(分子量が重なる場合)は、上記と同様に遠心分離して(B)を凝集させ、上澄みの透明溶液を得る。この溶液から減圧乾燥機によりメタノールを除去した後、ジエチルエーテルを投入し、沈殿物を濾別し乾燥することで可溶性ポリマー(P)を(A)から分離することができる。
【0023】
本発明の第2発明において、ポリマーポリオール組成物(I)中のポリマー粒子(B)の含量は、通常35〜75質量%、好ましくは45〜75質量%である。(B)の含量が35質量%未満では、ポリウレタンフォームを製造した場合に十分なフォーム圧縮硬さが得られない。また、75質量%を越えると、ポリマー粒子が凝集、沈降し取り扱いが困難となる。
【0024】
また、本第2発明において、ポリマーポリオール組成物(I)は、25℃でのブルックフィールド型粘度計による粘度V(mPa・s)が、通常下記式(1)の範囲内にあり、好ましくは下記式(2)および(3)の両方を満足する範囲内にあるポリマーポリオール組成物である。
【0025】
V≦(Va−Va×C/10)^〔e^x〕 (1)
V≦(Va−Va×C/10)^〔e^y〕 (2)
V≧0.5×(Va−Va×C/10)^〔e^y〕 (3)
ただし、x=0.0010354×Bp^1.5
y=0.0009514×Bp^1.5
Va:(A)の25℃でのブルックフィールド型粘度計による粘度(mPa・s)
C :(I)中の(C)の含有量(質量%)
Bp:(I)中の(B)の含有量(質量%)
^ :べき乗を示す。
e :自然対数の底。
【0026】
ただし、VおよびVaの測定は下記条件による。
1500mPa・s以下 ; ローターNO.3、60rpm
1500〜 3000mPa・s ; ローターNO.3、30rpm
3000〜 8000mPa・s ; ローターNO.3、12rpm
8000〜 16000mPa・s ; ローターNO.3、 6rpm
16000〜 40000mPa・s ; ローターNO.4、12rpm
40000〜100000mPa・s ; ローターNO.4、 6rpm
【0027】
上記式(1)の範囲を満足することにより、ポリマーポリオール組成物(I)と他の原料との混合性が良好で、取扱い性も良好なポリマーポリオール組成物とすることができる。
【0028】
本第2発明において、必要により希釈剤(C)を用いてポリマーポリオール組成物をさらに低粘度としてもよい。(C)としては、ヘキセン、オクテン、デセンなどの炭素数5〜30の内部オレフィン;低粘度(100mPa・s/25℃以下)の難燃剤、例えばトリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート等;および溶剤、例えばトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;などを挙げることができる。
【0029】
(I)中の(C)の含有量は、好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
【0030】
本第1発明および/または第2発明のポリマーポリオール組成物(I)を得る方法としては、例えば、下記(i)および(ii)が挙げられる。
【0031】
(i)〔本第5発明〕 ポリオール(A)中で、分散剤(D)及び/又は希釈剤(C)の存在下または不存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させて、ポリマーポリオール組成物を製造する際に、数平均分子量が500以上のエチレン性不飽和化合物(b1)を(b)中5質量%以上用いる。
【0032】
(ii)〔本第6発明〕 ポリオール中で(b)を重合させて得られるポリマーポリオール組成物から分離したポリマー粒子(B)を、(A)の質量に基づいて5質量%を超える量の可溶性のポリマーを含んでいない(A)中で機械的に分散して、ポリオール(A)と(A)中に分散されたポリマー粒子(B)からなるポリマーポリオール組成物を製造する。
【0033】
これらの中では方法(i)が好ましい。
【0034】
本発明の第3発明は、上記の第5発明の方法において、分散剤(D)を必須成分として用いて得られたポリマーポリオール組成物(II)である。可溶性ポリマー(P)の含量としては、(A)の質量に基づいて5質量%以下であることが好ましいが、10質量%以下であってもよい。
【0035】
本第1〜第3発明に用いるポリオール(A)は、通常、ポリマーポリオールの製造に用いられる公知のポリオールが使用できる。例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン類、ポリカルボン酸、リン酸等)にアルキレンオキサイドを付加した構造の化合物(A1)およびこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
これらのうちで好ましいものは、多価アルコールにアルキレンオキサイド付加した化合物である。
【0037】
多価アルコールとしては、炭素数2〜12の2価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール,プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびシクロヘキサンジオール)、炭素数3〜12の3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールおよびトリエタノールアミン);炭素数5〜18の4〜8価またはそれ以上のアルコール(例えば、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、マンノース、フラクトースおよびショ糖)が挙げられる。
【0038】
多価フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)等が挙げられる。
【0039】
アミン類としては、アンモニア;脂肪族アミン類として、炭素数2〜18のアルカノールアミン類(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミンおよびアミノエチルエタノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン類(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、ポリアルキレンポリアミン類(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミンからヘキサアルキレンヘプタミンまで、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
【0040】
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン類(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜15の脂環式アミン類(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜15の複素環式アミン類(例えば、アミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
【0041】
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0042】
上記活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとしては炭素数2〜8のものが挙げられ、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する。)、スチレンオキサイド(以下、SOと略記する。)等およびこれらの2種以上の併用(ブロック付加および/またはランダム付加)が挙げられる。好ましくは、POまたはPOとEOとの併用(EO含量が25質量%以下)である。
【0043】
上記ポリオ−ルの具体例としては、上記活性水素含有化合物にPOを付加したものおよびPOと他のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する。)を下記の様式で付加したものまたはこれらの付加化合物とポリカルボン酸若しくはリン酸とのエステル化物等が挙げられる。
<1>PO−AOの順序でブロック付加したもの(チップド)
<2>PO−AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの(バランスド)
<3>AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
<4>PO−AO−POの順序でブロック付加したもの(活性セカンダリー)
<5>POおよびAOを混合付加したランダム付加物
<6>米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダム付加またはブロック付加したもの
【0044】
ポリオール(A)として、前記活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加した構造の化合物(A1)と共に他のポリオール(A2)を併用することもできる。この場合、(A1)/(A2)の使用比率は、通常、質量比で100/0〜80/20である。
【0045】
他のポリオール(A2)としては、ポリエステルポリオール、変性ポリオール等の高分子ポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
ポリエステルポリオールとしては、前記の多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコールまたはこれらとグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価またはそれ以上のアルコールとの混合物)と、前記のポリカルボン酸またはその無水物、低級エステル等のエステル形成性誘導体(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル等)との縮合反応物;そのアルキレオンキサイド(EO、PO等)付加反応物;ラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの等が挙げられる。
【0047】
変性ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール;アクリル系ポリオール等の水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物等が挙げられる。
【0048】
これらの高分子ポリオールは、通常2〜8個、好ましくは3〜8個の水酸基と、通常200〜4,000、好ましくは400〜3,000の水酸基当量を有している。
【0049】
ポリオール(A)の数平均分子量(GPCによる。以下の数平均分子量についても同じ)は、通常500以上、好ましくは500〜20,000、特に好ましくは1,200〜15,000、最も好ましくは2,000〜9,000である。数平均分子量が500以上であるとポリウレタンフォームが脆くなりにくく好ましい。また、20,000以下であると低粘度となりポリマーポリオールの取り扱い性の面で好ましい。
【0050】
本第6発明における、(b)を重合させてポリマー粒子(B)を得る際に用いるポリオールについても、上記のポリオール(A)と同じものが挙げられる。該ポリオールと(A)とは、同一であっても異なっていてもよい。
【0051】
本第3発明および第5発明に用いる分散剤(D)としては、特に限定されず、ポリマーポリオールで使用されている通常の分散剤を使用することができる。例えば、<1>エチレン性不飽和基含有変性ポリエーテルポリオール(例えば日本特開平08−333508号公報参照)等のポリオールとエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの分散剤;<2>ポリオールとの溶解度パラメーターの差が1.0以下のポリオール親和性セグメント2個以上を側鎖とし、ビニル単量体からの重合体との溶解度パラメーターの差が2.0以下の重合体親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば日本特開平05−059134号公報参照)等のポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの分散剤;<3>ポリオールの水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライドおよび/またはエチレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(例えば日本特開平07−196749号公報参照)等の高分子量ポリオールタイプの分散剤;<4>重量平均分子量が1000〜30000であり、その少なくとも一部がポリオールに可溶性であるビニル系オリゴマー、および上記<1>のエチレン性不飽和基含有変性ポリエーテルポリオールを使用する分散剤(例えば日本特開平09−77968号公報参照)等のオリゴマータイプの分散剤;等が挙げられる。これらの中で好ましいものは<1>および<4>のタイプである。いずれの場合も数平均分子量(GPCによる)が1,000〜10,000であることが好ましい。
【0052】
また、(D)の使用量は、(b)の質量に基づいて、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは0.1〜3質量%である。
【0053】
本第1発明および/または第2発明のポリマーポリオール組成物(I)、並びに第3発明のポリマーポリオール組成物(II)を得るための方法(i)〔本第5発明〕において、エチレン性不飽和化合物(b)としては、数平均分子量が500以上のエチレン性不飽和化合物(b1)とポリマーポリオール組成物の製造に通常用いられる数平均分子量が500未満のエチレン性不飽和化合物(b2)が使用でき、(b2)としては、芳香族炭化水素モノマー(b2−1)、不飽和ニトリル類(b2−2)、(メタ)アクリル酸エステル類(b2−3)、その他のエチレン性不飽和化合物(b2−4)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0054】
エチレン性不飽和化合物(b1)の数平均分子量は、通常500以上、好ましくは550以上、特に好ましくは800〜10,000、最も好ましくは1,000〜10,000である。数平均分子量を500以上とすることにより、これらを使用して製造されるポリマーポリオール中のポリオール可溶性オリゴマー量を少なくでき、好ましい。
【0055】
又、エチレン性不飽和化合物(b1)の二重結合の数は、少なくとも平均1個以上のものであれば良い。好ましくは1〜500個、さらに好ましくは1〜70個である。二重結合の数が平均1個以上とすることにより、ポリオールの可溶成分を少なくでき、得られるポリマーポリオールの粘度の増大を防止できる。そしてこれらを使用して製造されるポリウレタン樹脂の物性の低下を防止でき、好ましい。
【0056】
また、二重結合の数が2個以上の場合は、非共役二重結合であることが好ましい。
【0057】
また、(b1)の二重結合1個あたりの分子量(X)は通常1200以下、好ましくは1150以下、さらに好ましくは100〜1050である。1200以下であるとこれらを使用して製造されるポリマーポリオール中のポリオール可溶性オリゴマーの減少効果が大きく、好ましい。
【0058】
ここで、(b1)の二重結合1個あたりの分子量(X)は次式で定義されるものである。
【0059】
X=1000/N
N:JIS K−1557に規定された測定法で測定した(b1)の不飽和度
【0060】
エチレン性不飽和化合物(b1)は、分子中にエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合および/またはイミド結合等を有する化合物が好ましい。これらのうち、さらに好ましくは、エステル結合、アミド結合および/またはウレタン結合、特に好ましくはエステル結合である。なお、同一分子内に上記結合が2種類以上混在しても良い。
【0061】
エステル結合は、<1>カルボン酸または酸無水物と、水酸基含有化合物またはアルキレンオキシドとの反応により、又は<2>ラクトンの開環反応により生成することができ、アミド結合は、<1>カルボン酸または酸無水物とアミノ基含有化合物との反応により、又は<2>ラクタムの開環反応により、又は<3>アミノカルボン酸の重縮合反応により生成することができる。イミド結合は、酸とジアミンとの反応によりポリアミック酸を形成し、その後脱水反応により生成することができる。ウレタン結合またはウレア結合は、イソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応により生成することができる。
【0062】
エステル結合およびアミド結合を生成させるカルボン酸の例としては、炭素数3〜24の不飽和脂肪族モノカルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸およびリノール酸;炭素数4〜24の不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸;炭素数2〜24の飽和脂肪族ポリカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘキサントリカルボン酸およびヘキサンテトラカルボン酸;炭素数8〜24の芳香族ポリカルボン酸、例えば、イソフタル酸およびテレフタル酸;炭素数7〜24の脂環状ジカルボン酸、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびテトラヒドロフタル酸;不飽和カルボン酸(共)重合体〔数平均分子量1,000〜10,000〕、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリイタコン酸、(メタ)アクリル酸とマレイン酸との共重合物、(メタ)アクリル酸とスチレンとの共重合物;等が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル……」とは、「アクリル……」及び/または「メタアクリル……」を意味している。
【0063】
エステル結合およびアミド結合を生成させる酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸および無水シトラコン酸等の脂肪族カルボン酸無水物;無水フタル酸等の芳香族酸無水物が挙げられる。
【0064】
エステル結合を生成させる水酸基含有化合物としては、上記の(A1)および(A2);ポリオール(A)の説明で示した活性水素含有化合物のうち多価アルコールおよび多価フェノール;炭素数3〜24の不飽和アルコール(r)、例えば、アリルアルコールおよびプロペニルアルコール;不飽和アルコール(炭素数3〜24)の(ポリ)オキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜8、重合度:n=1〜30、ここで重合度nは、(ポリ)オキシアルキレンセグメントの重合度を示している。)、例えば、(ポリ)オキシプロピレン(n=1〜30)モノアリルエーテル、および(ポリ)オキシブチレン(n=1〜20)モノプロペニルエーテル;ポリビニルアルコール(ケン化度70〜100、数平均分子量1,000〜10,000)等のポリオール重合体が挙げられる。上記アルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜8のものが挙げられ、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド(以下、SOと略記する。)およびこれらの2種以上の併用(ブロック付加および/またはランダム付加)等が挙げられる。
【0065】
又、エステル結合を生成させるラクトンの例としては、炭素数5〜12のものが挙げられ、カプロラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトンおよびウンデカノラクトン等が挙げられる。
【0066】
アミド結合を生成させる活性水素含有化合物の例としては、ポリオール(A)の説明で示した活性水素含有化合物のうちアミン類が挙げられる。
【0067】
又、アミド結合を生成させるラクタムの例としては、炭素数5〜12のものが挙げられ、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびウンデカノラクタム等が挙げられる。
【0068】
又、アミド結合を生成させるアミノカルボン酸の例としては、炭素数2〜18のアミノカルボン酸が挙げられ、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびフェニルアラニン等のアミノ酸、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸並びに12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
【0069】
イミド結合を生成させるのに使用される酸とジアミンとしては、通常のポリイミド樹脂を合成するのに使用される公知の酸とジアミンが使用できる。例えば、酸として、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸およびピロメリット酸等の炭素数10〜20の芳香族テトラカルボン酸、これらの酸の無水物並びにこれら酸のエステル化合物等が挙げられる。又、ジアミンとして、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の炭素数6〜18の芳香族ジアミン等が挙げられる。
【0070】
ウレタン結合またはウレア結合を生成させるのに使用されるイソシアネート化合物は、通常のポリウレタン樹脂を合成するのに使用される公知のイソシアネート化合物を使用することができる。例えば、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)並びに粗製MDI{粗製ジアミノジフェニルメタン(ホルムアルデヒドと芳香族アミン、アニリンまたはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば、5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物)のホスゲン化物;ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)}等の炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下のイソシアネートについても同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートおよびリジンジイソシアネート等の炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート等の炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート;これらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基および/またはオキサゾリドン基含有変性物等);並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0071】
ウレタン結合またはウレア結合を生成させるのに使用される活性水素を含有する化合物は、上記の(A1)、(A2)およびポリオール(A)の説明で示した活性水素含有化合物を使用することができる。
【0072】
本発明の製法に用いる(b1)において、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合またはイミド結合は、通常実施されている公知のエステル化反応、アミド化反応、ウレタン化反応、ウレア化反応またはイミド化反応で得ることができる。
【0073】
例えば、エステル結合またはアミド結合は、カルボン酸または酸無水物と活性水素含有化合物とを所定量反応槽に仕込み、50〜250℃で脱水反応させることにより生成させることができる。又、脱水反応を減圧、常圧、加圧下で行うこともできる。また、カルボン酸または酸無水物とアルキレンオキサイドとの付加反応により得ることもできる。
【0074】
カルボン酸または酸無水物のカルボニル基と活性水素含有化合物の活性水素原子との比[当量比]は、通常0.01/1〜0.98/1、好ましくは0.1/1〜0.8/1である。
【0075】
上記のエステル化、アミド化反応で、公知のエステル化触媒を使用することができる。該触媒としては、三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒;モノブチルスズオキシド等のスズ系触媒;テトラブチルチタネート等のチタン系触媒;テトラブチルジルコネート等のジルコニウム系触媒;酢酸ジルコニルおよび酢酸亜鉛等の酢酸金属塩系触媒;これらの2種以上の併用が挙げられる。触媒の使用量はカルボン酸と活性水素含有化合物の合計質量に基づいて、通常0.1〜5質量%である。
【0076】
又、アミド結合は、上記以外にラクタムを所定量反応槽に仕込み、50〜250℃で開環反応させることにより、又、アミノカルボン酸を所定量反応槽に仕込み50〜250℃で重縮合反応させることにより生成させることもできる。
【0077】
イミド結合は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等の有機極性溶媒を用いて、酸とジアミンを60〜130℃で反応させアミック酸を合成した後、これを60〜400℃で脱水させることにより生成させることができる。イミド化反応を促進する目的で触媒を添加することができる。触媒の具体例としては、トリエチルアミンおよび2−メチルイミダゾール等の塩基性化合物等が挙げられる。触媒の量は、酸およびジアミンの合計質量に基づいて、通常0.01〜5質量%である。
【0078】
ウレタン結合またはウレア結合は、イソシアネート化合物と活性水素含有化合物を所定量反応槽に仕込み、25〜150℃で反応させる。イソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、通常80〜140、好ましくは85〜120、特に好ましくは95〜115である。
【0079】
ウレタン化反応に際しては、反応を促進させるため、ポリウレタン反応に通常使用される触媒を使用することができる。例えば、トリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒;オクタン酸第1スズ、ジブチルチンジラウレート等の錫系触媒;オクタン酸鉛等のその他の金属触媒等が挙げられる。触媒の量は、イソシアネート化合物と活性水素化合物の質量に基づいて、通常0.001〜5質量%である。
【0080】
本発明の製法におけるエチレン性不飽和化合物(b1)の具体例を以下に示す。
【0081】
二重結合を分子内に1個有するものの例としては、脂肪族アルコール(炭素数1〜24)(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)エーテルの不飽和脂肪族ジカルボン酸(炭素数4〜24)ジエステル、例えば、ポリオキシプロピレン(n=4〜30)モノメチルエーテルのマレイン酸ジエステル、ポリオキシプロピレン(n=3〜30)モノブチルエーテルのフマール酸ジエステルおよびブタノールポリオキシブチレン(n=2〜20)・ポリオキシエチレン(n=2〜10)ランダム付加物のイタコン酸ジエステル;脂肪族アルコール(炭素数1〜24)ポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)エーテル(メタ)アクリレート、例えば、ポリオキシプロピレン[n=8(7)〜30]モノメチルエーテル(メタ)アクリレート[但し、nの( )内の数値はメタアクリレートの場合の数値である。以下同様]、ポリオキシブチレン[n=6(5)〜20]モノブチルエーテル(メタ)アクリレート、およびポリオキシプロピレン(n=5〜30)モノラウリルエーテル(メタ)アクリレート;不飽和アルコール(炭素数3〜24)のポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)エーテル、例えば、ポリオキシプロピレン(n=4〜30)モノオレイルエーテル、ポリオキシプロピレン(n=8〜30)モノアリルエーテル;不飽和脂肪族モノカルボン酸(炭素数3〜24)ポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)エステル、例えば、数平均分子量が500以上のオレイン酸プロピレンオキサイド(n=2〜30)・エチレンオキサイド(n=2〜10)ランダム付加物;等が挙げられる。
【0082】
二重結合を分子内に2個有するものの例としては、ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)グリコールジ(メタ)アクリレート、例えば、ポリプロピレングリコール[n=7(6)〜30]ジ(メタ)アクリレート、およびポリブチレングリコール[n=6(5)〜20]ジ(メタ)アクリレート;不飽和アルコール(炭素数3〜24)の脂肪族カルボン酸(炭素数2〜24)ジエステル、例えば、ポリオキシプロピレン(n=3〜30)モノアリルエーテルのコハク酸ジエステル、ポリオキシプロピレン(n=3〜30)モノアリルエーテルのアジピン酸ジエステル、ポリオキシプロピレン(n=3〜30)モノプロペニルエーテルのコハク酸ジエステル;等が挙げられる。
【0083】
二重結合を分子内に3個有するものの例としては、炭素数3〜12の3価アルコールの不飽和脂肪酸(炭素数3〜24)トリエステル、例えば、グリセリンポリオキシプロピレン[n=5(4)〜30]エーテルのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシプロピレン[n=4(3)〜30]エーテルのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリオキシプロピレン[n=4(3)〜30]エーテルのトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンポリオキシプロピレン(n=3〜30)エーテルのトリ(メタ)アクリレート、およびソルビタンポリオキシブチレン[n=3(2)〜20]トリ(メタ)アクリレート;不飽和アルコール(炭素数3〜24)の脂肪族カルボン酸(炭素数3〜24)トリエステル、例えば、アリルアルコール(ポリ)オキシプロピレン(n=1〜30)エーテルのヘキサントリカルボン酸トリエステル;不飽和アルキル基含有エーテル化合物、例えば、グリセリンポリオキシプロピレン(n=5〜30)エーテルのトリアリルエーテル;等が挙げられる。
【0084】
二重結合を分子内に4個以上有するものの例としては、多価(4〜8価、またはそれ以上)アルコールの不飽和脂肪酸(炭素数3〜24)ポリエステル、例えば、数平均分子量が500以上のポリグリセリン(n=3〜4)ポリ(メタ)アクリレート、数平均分子量が500以上のポリグリセリン(n=2〜4)ポリオレート、数平均分子量が500以上のジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、数平均分子量が500以上のポリグリセリン(n=2〜4)(ポリ)オキシプロピレン(n=1〜30)ポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリオキシプロピレン[n=3(2)〜30]エーテルのテトラ(メタ)アクリレート、ソルビタンポリオキシブチレン(n=2〜20)エーテルのテトラ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール(ケン化度70〜100,数平均分子量1,000〜10,000)(メタ)アクリレート;不飽和アルコール(炭素数3〜24)のポリカルボン酸エステル(数平均分子量1,000〜10,000)、例えば、アリルアルコール(ポリ)オキシプロピレン(n=1〜30)エーテルのヘキサンテトラカルボン酸エステル、(メタ)アクリル酸ポリマーとアリルアルコールのポリエステル(数平均分子量1,000〜10,000)、マレイン酸ポリマーとアリルアルコールのポリエステル(数平均分子量1,000〜10,000);不飽和アルキル基含有エーテル化合物、例えば、数平均分子量500以上のテトラグリセリンポリアリルエーテル、数平均分子量500以上のポリグリセリン(n=2〜4)(ポリ)オキシプロピレン(n=1〜30)エーテルのポリアリルエーテル;不飽和カルボン酸(炭素数4〜22)とグリコール類とのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)、例えば、マレイン酸とエチレングリコールとのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)、マレイン酸とジエチレングリコールのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)、マレイン酸とプロピレングリコールのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)、マレイン酸と1,3−もしくは1,4−ブタンジオールのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)、イタコン酸とエチレングリコールのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)、イタコン酸とジエチレングリコールのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)、マレイン酸とポリオキシプロピレングリコール(n=1〜30)とのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)、イタコン酸とポリオキシプロピレングリコール(n=1〜30)とのポリエステル(数平均分子量500〜10,000)およびフマル酸とポリオキシブチレングリコール(n=1〜20)とのポリエステル(数平均分子量500〜10,000);等が挙げられる。
【0085】
これらのうち、不飽和カルボン酸(p)とグリコール類(q)とからなるエステル化合物、および/または不飽和アルコール(r)とカルボン酸(s)とからなるエステル化合物が好ましく、不飽和カルボン酸(p)とグリコール類(q)からなるラジカル重合性化合物が特に好ましい。不飽和カルボン酸(p)は、分子内に二重結合(2個以上の場合は非共役二重結合)を有するカルボン酸またはその誘導体であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびオレイン酸等の炭素数3〜24のカルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸および無水シトラコン酸等の酸無水物が挙げられる。好ましくは、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸から選ばれる1種以上のカルボン酸またはその誘導体である。
【0086】
上記以外に必要によりその他のカルボン酸を併用することもできる。その他のカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸およびセバシン酸等の炭素数2〜24の脂肪族カルボン酸;イソフタル酸およびテレフタル酸等の炭素数7〜18の芳香族カルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびテトラヒドロフタル酸等の炭素数6〜20の脂環状カルボン酸等が挙げられる。
【0087】
グリコール類(q)としては、前記のポリオール(A)の説明で示した活性水素含有化合物のうち多価アルコールおよび多価フェノール、並びに前記炭素数2〜8のアルキレンオキサイドが使用できる。好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール、並びにEO、PO、BO、SO等のアルキレンオキサイドであり、更に好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、EOおよびPOである。
【0088】
前記の芳香族炭化水素モノマー(b2−1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレンなどが挙げられる。
【0089】
不飽和ニトリル類(b2−2)としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが挙げられる。
【0090】
(メタ)アクリル酸エステル類(b2−3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(アルキル基の炭素数が1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
【0091】
その他のエチレン性不飽和化合物(b2−4)としては、(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸などのビニル基含有カルボン酸およびその誘導体;エチレン、プロピレンなどの脂肪族炭化水素系モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレートなどのフッ素含有ビニル系モノマー;ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレートなどの窒素含有ビニル系モノマー;ビニル変性シリコン;α−オレフィン、β−オレフィン、ポリイソブテン等のアルキルオレフィン化合物;ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン化合物などが挙げられる。
【0092】
これらの中では、(b2−1)および(b2−2)が好ましく、スチレンおよび/またはアクリロニトリルがさらに好ましい。
【0093】
(I)を得るための製法としては、前記(i)の方法を用いる場合、(b1)は(b)全体の使用量に基づき、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、特に好ましくは、15〜99質量%、最も好ましくは20〜80質量%である。
【0094】
(b1)の量を5質量%以上とすることにより、得られるポリマーポリオールの粘度が高くなることを防止でき、好ましい。
【0095】
本第1発明または第2発明のポリマーポリオール組成物の製造において、上記(i)の本第5発明以外の方法に用いるエチレン性不飽和化合物(b)としては、重合しうるビニル基を少なくとも1個有するものであり、ポリマーポリオール組成物の製造に用いられる通常のものが使用でき、前記の、(b2−1)、(b2−2)、(b2−3)、(b2−4)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0096】
これらの中では、(b2−1)および(b2−2)が好ましく、スチレンおよび/またはアクリロニトリルがさらに好ましい。
【0097】
(i)の方法以外の方法に用いるエチレン性不飽和化合物中の、芳香族炭化水素モノマー(b2−1)、不飽和ニトリル類(b2−2)、(メタ)アクリル酸エステル類(b2−3)、その他のエチレン性不飽和化合物(b2−4)の(b)全体の使用量に対する質量比率は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて変えることができ、特に限定されないが、一例を示すと次の通りである。
(b2−1):通常0〜100質量%、好ましくは20〜80質量%
(b2−2):通常0〜95質量%、好ましくは20〜80質量%
(b2−3):通常0〜50質量%、好ましくは0〜20質量%
(b2−4):通常0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%。
【0098】
なお、本第5発明以外の方法でポリマーポリオール(I)を得る場合において、(b)の少なくとも一部(好ましくは0.05〜1質量%)として2官能以上(好ましくは2〜8官能)の多官能ビニル基含有モノマー(b2−5)を用いることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。多官能ビニル基含有モノマーとしては、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0099】
(b)の重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合、ディールス・アルダー(Dieles−Alder)重合等が挙げられるが、ラジカル重合することが好ましい。
【0100】
ラジカル重合性化合物の重合は、従来のポリマーポリオールにおける重合と同様に行うことができる。例えば、分散剤(D)を含むポリオール(A)中で、エチレン性不飽和化合物(b)を重合開始剤の存在下に重合させる方法(米国特許第3383351号明細書などに記載の方法)が挙げられる。
【0101】
又、重合は、バッチ式でも連続式でも行うことができ、常圧下、加圧下または減圧下において重合することができる。必要に応じて、溶剤、連鎖移動剤を使用することができる。
【0102】
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−アルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]および1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよび過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩および過ホウ酸塩等の無機過酸化物等が挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
【0103】
ラジカル重合開始剤の使用量は、(b)の使用量に基づいて、通常0.05〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.2〜10質量%である。重合開始剤の使用量が0.05〜20質量%の範囲でポリマーポリオール中の(b)の重合率が十分高くなり、又、分子量も大きくなるため、ウレタンフォームを製造した際に十分なフォーム圧縮硬さが得られる面で優れている。
【0104】
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、オクテン、ノネン、デセン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、イソプロピルアルコールおよびn−ブタノール等が挙げられる。溶剤の使用量は、(b)の使用量に基づいて、通常0〜50質量%である。
【0105】
連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタンおよびメルカプトエタノール等のアルキルメルカプタン類;イソプロピルアルコール、メタノール、2−ブタノールおよびアリルアルコール等のアルコール類;四塩化炭素、四臭化炭素およびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、(b)の使用量に基づいて、通常0〜2質量%である。
【0106】
ラジカル重合以外の重合法における重合開始剤の例としては、配位アニオン重合では、周期律表第I、II、III 族の各種金属の有機アルキル化合物と、第IV〜VII 族の金属塩の組み合わせからなる開始剤が挙げられる。また、メタセシス重合では、WCl6やMoCl5と有機アルミニウムの組み合わせからなる開始剤が挙げられる。
【0107】
ポリマーポリオール組成物(I)を得るために、ポリオール中で(b)を重合させて得られるポリマーポリオール組成物から分離したポリマー粒子(B)を、可溶性のポリマーを含まない(A)中で機械的に分散する前記の方法(ii)〔本第6発明〕において、ポリマー粒子(B)は、ビニル重合体、あるいは重縮合、重付加反応で得られたポリマー粒子で、通常0.1〜50μmの粒子である。ポリマー粒子(B)としては、ポリオール中で、重合開始剤の存在下にエチレン性不飽和化合物(b)を重合させてなる通常のポリマーポリオールから、必要により溶剤を添加し、遠心分離器により沈降させて分離したポリマー微粒子を用いる。また、ポリマー粒子の製法として知られている乳化重合や懸濁重合によって製造したポリマー微粒子を使用することもできる。(B)としては、工程の容易さの点から、ポリオール(A)中で(b)を重合させて得られた粒子が好ましい。
【0108】
(ii)〔本第6発明〕の方法において、必要により用いる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクテン、ノネン、デセン、などの炭化水素系溶媒;メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどのアルコール系溶媒;ジオキサン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
【0109】
重合反応後のポリマーポリオールを、必要により溶剤を加えて遠心分離したポリマーをポリオール(A)に機械的に再分散する装置としては、衝突、衝撃、せん断の原理を利用して、分散または破砕できる装置であれば、その機構、構造、材質を問わない。
【0110】
本発明に使用される分散機もしくは破砕機の一例としては、液を加圧させ、金属壁(バルブ)に衝突させることにより、液を引き裂き、分散させる分散機(ホモジナイザー;A.P.V.GAURIN社製)が挙げられる。
【0111】
本発明の第4発明は、ポリオール(A)と(A)中に分散されたポリマー粒子(B)からなるポリマーポリオール組成物において、(B)が、(A)からなる分散媒中で(A)の溶解度パラメーターSPaとの差が0.8以下である溶解度パラメーターSPdを有する分散剤(D’)の存在下に、エチレン性不飽和化合物(b)が重合されてなるポリマー粒子が、さらに機械的に分散もしくは粉砕されてなる粒子であるポリマーポリオール組成物(III)であり、第7発明は上記の(III)の製造方法である。
【0112】
本第4発明において、分散媒としては、前記のポリオール(A)を単独で用いても、(A)と有機溶媒とを併用してもよい。
【0113】
用いられる有機溶媒としては、前記の第6発明に用いるものとして例示したものと同様のものが挙げられる。
【0114】
分散媒中の有機溶媒の含有量は任意であるが、通常0〜80質量%、好ましくは1〜50質量%である。
【0115】
本第4発明で用いられる分散剤(D’)としては、ポリオールの溶解度パラメーターSPaとの差の絶対値が通常0.8以下、好ましくは0.6以下となるような溶解度パラメーターSPdを有する分散剤を選ぶ必要がある。溶解度パラメータの差の絶対値を0.8以下とすることにより、ポリマーポリオールの分散性安定性が良好になり、ポリマー粒子の凝集、沈降が防止でき好ましい。
【0116】
ここでいう溶解度パラメーターとは、下記に示した様に凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表される。
【0117】
[溶解度パラメーター]=(△E/V)1/2
【0118】
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedoors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、151〜154頁に記載されている。代表的な樹脂について溶解度パラメーターを例示すると、ビニル系重合体の値として、ポリスチレン=10.6、ポリアクリロニトリル=14.4、ポリメタクリル酸メチル=9.9;ポリエーテルの値としてはポリエチレングリコール=9.4、ポリプロピレングリコール=8.7;ポリオレフィンの値としてはポリエチレン=8.6、ポリプロピレン=8.0;ポリエステルの値としてはポリエチレンテレフタレート=12.4、ポリブチレンテレフタレート=11.7;ポリアミドの値としては6−ナイロン=11.9、6,6−ナイロン=11.9と記載されている。これ以外の樹脂も表に記載される化学結合毎の値を組み合わせることにより計算できる。例えばポリイミドの値はピロメリット酸と1,4−ジアミノベンゼンから計算すると19.6、ポリウレタンの値は1,4−ブタンジオールとジフェニルメタンジイソシアネートから計算すると12.3となる。但し微細な構造の違いまたは樹脂末端の構造により多少これらの値からずれる場合がある。
【0119】
本発明の分散剤(D’)としては、上記のSP値の条件を満たすものであれば、前記の分散剤(D)と同様のものでよい。
【0120】
分散剤(D’)の一例として、ポリプロピレングリコールとグリシジルメタクリレートを反応させた化合物は、前記記載の化合物の溶解度パラメーターSPdは8.8であり、ポリエーテル(A)がポリプロピレングリコールである場合のSPaとの差は0.1である。
【0121】
本第4発明においてエチレン性不飽和化合物(b)としては、重合しうるビニル基を少なくとも1個有するものであり、ポリマーポリオールの製造に用いられる公知のものが使用できる。具体的には、前記の、(b2−1)、(b2−2)、(b2−3)、(b2−4)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0122】
これらの中では、(b2−1)および(b2−2)が好ましく、スチレンおよび/またはアクリロニトリルがさらに好ましい。
【0123】
これらの(b)全体量に対する質量比率は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて変えることができ、特に限定されないが、一例を示すと次の通りである。
(b2−1):通常0〜100質量%、好ましくは20〜80質量%
(b2−2):通常0〜95質量%、好ましくは20〜80質量%
(b2−3):通常0〜50質量%、好ましくは0〜20質量%
(b2−4):通常0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%
なお、(b)の少なくとも一部(好ましくは0.05〜1質量%)前記の2官能以上(好ましくは2〜8官能)の多官能ビニル基含有モノマー(b2−5)を用いることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。
【0124】
本第4発明のポリマーポリオールは、ポリマーポリオール中のポリマー粒子含量が高くても低粘度であることを特長とし、通常ポリマー粒子含量は、30〜75質量%であり、好ましくは40〜70質量%、さらに好ましくは45〜60質量%である。ポリマー粒子含量が30質量%以上であれば、十分なフォーム圧縮硬さが得られ好ましい。また、ポリマー粒子含量を75質量%以下とすることにより、ポリマー粒子の凝集、沈降を防止でき、取り扱い性が良好なポリマーポリオールとすることができ好ましい。
【0125】
本第4発明において、ポリマーポリオールの重合は、分散剤(D’)の存在下、前述した通常のポリマーポリオールの重合方法と同様に行うことができる。
【0126】
本第4発明において、ポリマーポリオールの重合で使用する重合開始剤としては、第1発明および第2発明で上述したラジカル重合開始剤などを用いることができる。
【0127】
上記ラジカル重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和化合物(b)の質量に基づいて、通常0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜2.5質量%である。重合開始剤の使用量を0.05質量%以上とすることにより、(b)の重合率の低下を防止し、ポリマーポリオール中の(b)からなるポリマー粒子の含量を十分高くすることができる。また、10質量%以下とすることにより、ポリマー粒子の分子量が低下するのを防止でき、十分なフォーム圧縮硬さを有するポリウレタンフォームが得られ、好ましい。
【0128】
また、必要により連鎖移動剤、たとえば、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノールなどのアルキルメルカプタン類;イソプロピルアルコール、メタノール、2−ブタノール、アリルアルコールなどのアルコール類;四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムなどハロゲン化炭化水素の存在下に重合を行うことができる。
【0129】
本第4発明において、ポリマーポリオール(III)は、重合で得られたポリマーポリオール中に分散されているポリマー粒子を、物理的に機械分散もしくは機械粉砕させて得ることができる。この場合、ポリマー粒子(B)をポリマーポリオールから一旦分離させることなくポリマーポリオール中にポリマー粒子(B)を含有させたまま、ポリマー粒子(B)を機械的に更に分散させるのである。例えばポリマーポリオールを<1>重合反応槽から、分散機もしくは破砕機へ送る。<2>重合槽から一時貯蔵槽に貯蔵された後に、分散機または破砕機へ送る方法がある。
【0130】
分散、破砕のメカニズムは衝突、衝撃を利用したのもの、せん断を利用したものが挙げられ、それらの原理を利用した装置を使用することで分散、または破砕できる装置であれば、その機構、構造、材質を問わない。本発明に使用される分散機もしくは破砕機の一例を挙げれば、液を加圧させ、バルブに衝突させることにより、液を引き裂き、分散させる分散機(ホモジナイザー;A.P.V.GAURIN社製)である。
【0131】
重合が終了したポリマーポリオール中のポリマー粒子(B)の粒径は通常3μm以下、好ましくは2μm以下であるが、このポリマー粒子(B)を含有するポリマーポリオールを分散機または破砕機に投入し、強制的に分散、粉砕し、ポリマー粒子(B)を微細化させ、ポリマーポリオール(III)を得る。分散、破砕後のポリマー粒子の粒子径は通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。〔粒子径の測定は、光散乱式粒度分布計 LA−700(堀場製作所製)による。〕
分散、破砕後の温度は0℃〜100℃の範囲で行われるが、好ましくは5℃〜50℃である。また、ポリマーポリオール中のポリマー粒子(B)を機械分散または機械破砕させる際、必要により、溶剤を用いて希釈してもよい。溶剤としては、前述した分散媒中に(A)と併用できる溶剤として例示したものが使用できる。ポリマーポリオールの機械分散または破砕処理回数は通常1〜20回、好ましくは2〜10回である。なお、分散処理後の溶剤は減圧下で除去させる。
【0132】
除去条件は常圧もしくは減圧(例えば減圧度20〜30mmHg)で、温度60〜100℃で行い、残存溶媒量はポリマーポリオールに対して、好ましくは50ppm以下である。
【0133】
第4発明は、ポリマーポリオール中のポリマー粒子の含有量が通常30〜75質量%であり、重合反応で得られたポリマーポリオールの粘度が2,000〜100,000mPa・s(25℃)であり、かつ重合反応後に物理的に機械分散もしくは機械粉砕させた結果の粘度が500〜20,000mPa・s(25℃)となる。
【0134】
第4発明において、ポリマーポリオール(III)の粘度はポリマー粒子の含有量によっても変化するが、通常500〜20,000mPa・s(25℃)であり、好ましくは700〜15,000mPa・s(25℃)である。ポリマーポリオール(III)の粘度を20,000mPa・s(25℃)以下にすることにより、取り扱い性が良好なポリマーポリオールとすることができ、またポリマーポリオール(III)の粘度を500mPa・s(25℃)以上とすることにより十分なフォーム圧縮硬さのポリウレタンフォームが得られ好ましい。
【0135】
第5発明、第6発明および第7発明の製造方法の中では、第5発明および第6発明が好ましく、第5発明の製法が更に好ましい。
【0136】
本発明の第8発明は、ポリオール成分の少なくとも一部として、第1発明〜第4発明のいずれかのポリマーポリオール組成物を用いることからなるポリウレタン樹脂の製造方法である。
【0137】
ポリオール成分とイソシアネート成分を、必要により触媒、発泡剤、整泡剤、その他の添加剤の存在下に反応させてポリウレタン樹脂を製造する方法において、その際、本発明の製法により得られたポリマーポリオール組成物以外に、必要により公知の他の活性水素原子含有化合物と併用することができる。この他の活性水素原子含有化合物としては、ポリウレタンの製造に普通に用いられている他の高分子ポリオール(T)、低分子活性水素原子含有化合物(U)が使用できる。
【0138】
他の高分子ポリオール(T)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、変性ポリオール;およびこれらの混合物が使用できる。
【0139】
ポリエーテルポリオールとしては、前記のポリオール(A1)の項で例示したポリエーテルポリオールと同様ものが挙げられる。
【0140】
ポリエステルポリオールとしては、前記多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの2価アルコール、またはこれらとグリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価またはそれ以上のアルコールとの混合物)と、前記ポリカルボン酸もしくはその無水物、低級エステルなどのエステル形成性誘導体(たとえばアジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチルなど)との縮合反応物;そのアルキレオンキサイド(EO、POなど)付加反応物;ラクトン(ε−カプロラクトンなど)を開環重合させることにより得られるもの等が挙げられる。
【0141】
変性ポリオールとしては、ポリジエンポリオール(ポリブタジエンポリオールなど)、アクリル系ポリオールやヒマシ油などの天然油系ポリオール、その変性ポリオールなども使用できる。
【0142】
これらの他のポリオールは、通常2〜8個、好ましくは3〜8個の水酸基と、通常200〜4000、好ましくは400〜3000の水酸基当量を有している。
特に好ましいものはポリエーテルポリオールである。
【0143】
低分子活性水素原子含有化合物(U)としては、少なくとも2個(好ましくは2〜3個、とくに好ましくは2個)の活性水素原子(水酸基、アミノ基、メルカプト基など、好ましくは水酸基)を有する分子量500以下(好ましくは60〜400)の化合物、たとえば低分子ポリオール、アミノアルコールが挙げられる。
【0144】
低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖などの3〜8価またはそれ以上の多価アルコール;低分子量(たとえば分子量200〜400)の多価アルコールアルキレンオキサイド付加物(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど);環構造を有する低分子ジオール類、例えばビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0145】
アミノアルコールとしては、モノ−またはジアルカノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミンなど)が挙げられる。
【0146】
これらのうちで好ましいのは、低分子ポリオール、特にジオールであり、具体的にはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの2種以上の混合物である。
【0147】
本第8発明のポリウレタンの製法におけるポリオール成分全体(Z)[ポリマーポリオール組成物(I)、(II)または(III)並びに必要により(T)および/または(U)]中の、ポリマーポリオール組成物の量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。ポリマーポリオール組成物の量が5質量%以上であると、ウレタンフォームとした場合のフォームの圧縮硬さが出やすい。ポリオール成分全体(Z)中の(B)の含量は、好ましくは5〜75質量%、さらに好ましくは7〜55質量%である。
【0148】
また、(T)の含量は、好ましくは0〜95質量%、より好ましくは0〜80質量%である。(T)が95質量%以下であると、フォームの圧縮硬さが出やすい。
【0149】
さらに、(U)の含量は、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜10質量%である。(U)の量が30質量%以下であると、反応時の発熱温度が高くなりすぎず、スコーチが発生する恐れがない。
【0150】
ポリウレタン樹脂を製造する際に使用される有機ポリイソシアネートとしては、従来からポリウレタン樹脂の製造に使用されている公知のものが使用できる。
【0151】
このようなポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く)6〜20の芳香族ポリイソシアネート(たとえば2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物:ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)など];炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(たとえばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなど);炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(たとえばイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート);炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(たとえばキシリレンジイソシアネートなど);およびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など);およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0152】
これらのうちで好ましいものは、2,4−および2,6−TDI、これらの異性体の混合物、粗製TDI;4,4’−および2,4’−MDI、これらの異性体の混合物、PAPI;およびこれらのポリイソシアネート類より誘導されるウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基を含有する変性ポリイソシアネート類である。
【0153】
ポリウレタン樹脂の製造に際してのイソシアネート指数[(NCO/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、通常80〜140、好ましくは85〜120、とくに好ましくは95〜115である。またイソシアネート指数を上記範囲より大幅に高くして(たとえば300〜1000)ポリウレタン中にポリイソシアヌレート基を導入することもできる。
【0154】
ポリウレタン樹脂の製造に際しては、反応を促進させるため、ポリウレタン反応に通常使用される触媒を使用してもよい。たとえばアミン系触媒(トリエチレンジアミン、N−エチルモルホリンなどの3級アミン)、錫系触媒(オクタン酸第1スズ、ジブチルチンジラウレートなど)、その他の金属触媒(オクタン酸鉛など)が挙げられる。これらの中では、アミン系触媒および/または錫系触媒が好ましい。触媒の量は、反応混合物の質量に基づいて、好ましくは0.001〜5質量%である。
【0155】
本第8発明の方法では、必要により発泡剤の存在下で反応させる。
【0156】
発泡剤としては、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、水、低沸点炭化水素、液化炭酸ガスなどから選ばれる少なくとも1種以上が用いられる。
【0157】
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、
HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b)
HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245faおよびHFC−365mcf)
などが挙げられる。
【0158】
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mcfおよびこれらの2種以上の併用である。
【0159】
低沸点炭化水素は、沸点が通常−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としてはブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0160】
水素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物を用いる場合の使用量は、ポリオール成分全体(Z)100質量部当たり、通常50質量部を越えない量、好ましくは5〜45質量部である。
【0161】
低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、(Z)100質量部当たり、通常45質量部を越えない量、好ましくは5〜40質量部である。
【0162】
液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、(Z)100質量部当たり、通常30質量部を越えない量、好ましくは5〜25質量部である。
【0163】
水素原子含有ハロゲン化炭化水素と水とを併用する場合、水素原子含有ハロゲン化炭化水素の使用量は、(Z)100質量部当たり、通常45質量部を越えない量、好ましくは5〜40質量部であり、水の使用量は(Z)100質量部当たり、通常10質量部を越えない量、好ましくは0.5〜8質量部である。
【0164】
低沸点炭化水素と水とを併用する場合、低沸点炭化水素の使用量は、(Z)100質量部当たり、通常40質量部を越えない量、好ましくは2〜35質量部であり、水の使用量は(Z)100質量部当たり、通常10質量部を越えない量、好ましくは0.5〜8質量部である。
【0165】
液化炭酸ガスと水とを併用する場合、液化炭酸ガスの使用量は、(Z)100質量部当たり、通常25質量部を越えない量、好ましくは0.1〜20質量部であり、水の使用量は(Z)100質量部当たり、通常10質量部を越えない量、好ましくは0.5〜8質量部である。
【0166】
発泡剤に水のみを単独で用いる場合、水の使用量は、(Z)100質量部当たり、通常0.1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部である。
【0167】
本第8発明の方法においては、必要により、さらに以下に述べるような、整泡剤やその他の添加剤を用い、その存在下で反応させてもよい。
【0168】
例えば、整泡剤(ジメチルシロキサン系、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系など)、着色剤(染料、顔料、カーボンブラックなど)、可塑剤(フタル酸エステル、アジピン酸エステルなど)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂からなる中空微小球など)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類、メラミン類、ホスファゼン誘導体類など)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)、内部離型剤、殺菌剤などの公知の補助成分の存在下で反応させることができる。
【0169】
ポリオール成分全体(Z)100質量部に対するこれらの添加剤の使用量に関しては、整泡剤は、好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。着色剤は、好ましくは1質量部以下である。可塑剤は、好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。有機充填剤は、好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。難燃剤は、好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは5〜15質量部である。老化防止剤は、好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部である。抗酸化剤は、好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部である。
【0170】
ポリウレタン樹脂の製造は通常の方法で行うことができ、ワンショット法、セミプレポリマー法、プレポリマー法等の公知の方法により行うことができる。
【0171】
ポリウレタン樹脂の製造には、通常用いられている製造装置を用いることができる。無溶媒の場合はたとえばニーダーやエクストルーダーのような装置を用いることができる。例えば、閉鎖モールドあるいは開放モールド内で各種の非発泡あるいは発泡のポリウレタン樹脂の製造を行うことができる。ポリウレタン樹脂の製造は普通低圧あるいは高圧の機械装置を用いて原料を混合反応させることにより行われる。さらには、原料混合前後(とくに原料混合前)、原料中の溶存空気あるいは混合時に混入した空気などのガスを真空法により除去することによりポリウレタン樹脂の製造を行うこともできる。
【0172】
本発明の製法により得られたポリマーポリオールは軟質モールドフォームおよびスラブフォームの製造に特に有用である。またRIM(反応射出成形)法による成形にも適用できる。
【0173】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部、%および比は、それぞれ質量部、質量%および質量比を示す。また、ポリマーポリオールの製造に関する実施例9、10、及び、ポリウレタンフォームの製造に関する実施例(9)、(10)は参考例である。
【0174】
実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
(1)ポリオール(A)
G50 :グリセリンにPOを平均50モルを付加させて得られた数平均分子量3,000、水酸基価55のポリオール、500mPa・s(25℃)。
(2)反応性不飽和基含有カルボン酸(p)
MA :無水マレイン酸
IA :無水イタコン酸
(3)飽和カルボン酸
AA :アジピン酸
FA :フタル酸
(4)グリコール類(q)
EG :エチレングリコール
DEG :ジエチレングリコール
PP−200:ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量200)
PP−400:ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量400)
PO :プロピレンオキサイド
(5)その他のエチレン性不飽和化合物(b2)
ACN :アクリロニトリル
St :スチレン
(6)分散剤(D)
GMAP:ポリプロピレングリコール(数平均分子量3,000)のグリシジルメタクリレート付加物
SAN :アクリロニトリル/スチレン=80/20質量%共重合体
(数平均分子量5,000)
(7)重合開始剤
AVN :2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
(8)有機ポリイソシアネート
TDI−80:“ミリオネートT−80”〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(9)触媒
触媒A :“ネオスタンU−28”(オクタン酸第1スズ)〔日東化成(株)製〕
触媒B :DABCO(トリエチレンジアミン)〔日本乳化剤(株)製〕
触媒C :DABCO33LV(DABCOの33質量%ジプロピレングリコール溶液)[三共エアプロダクト(株)製]
TBT :テトラブチルチタネート
(10)整泡剤
“F−242T”:ポリエーテルシロキサン重合体〔信越シリコーン(株)製〕
また、数平均分子量、不飽和度、粘度、ポリオール可溶性ポリマー、分散安定性は以下のように測定した。
【0175】
<数平均分子量>
Figure 0003686372
【0176】
<不飽和度>
JIS K−1557に規定された測定法に準拠して測定。
【0177】
<粘度>
機種 :BL型粘度計(TOKIMEC社製)
測定温度 :25℃
ローターNo:No3またはNo4
回転数 :測定粘度により式(1)の説明で前記した回転数による。
【0178】
<ポリオール可溶性ポリマー>
前述記載の方法による。ただし分取液体クロマトグラフは、以下に記載のものを用いた。
Figure 0003686372
【0179】
<分散安定性>
<1>140mlガラス製密閉容器に入れたポリマーポリオールを50℃の恒温槽に30日間放置する。
<2>放置後、分散安定性を目視で確認した。
【0180】
評価基準
○ 沈降物がなく、均一分散状態であった。
△ 沈降物が有り、サンプルびんを5回転倒した後、均一再分散した。
× 沈殿物が有り、サンプルびんを5回転倒した後、再分散しなかった。
【0181】
[製造例1] ラジカル重合性化合物の製造−1
ジムロート冷却管とディーン・スターク(Dean−Stark)トラップを備えた容量1リットルの4口フラスコに、MA:98部、PP−400:440部を入れ、窒素置換後、窒素雰囲気下(反応終了まで)で撹拌しながら80℃に昇温し、1時間保った。次いで、170℃まで昇温させ、同温度で6時間反応させた。その後、TBTを0.02部投入し170℃で2時間反応させ、数平均分子量5400、水酸基価21mgKOH/g、不飽和度1.86(X=538)の不飽和ポリエステル(b1<1>)を得た。尚、Xは、先に定義した二重結合1個当たりの分子量である。
【0182】
[製造例2] ラジカル重合性化合物の製造−2
製造例1と同様の装置および方法で、MA:294部、PEG−200:800部を用いて、数平均分子量1094、水酸基価103mgKOH/g、不飽和度2.74(X=365)の不飽和ポリエステル(b1<2>)を得た。
【0183】
[製造例3] ラジカル重合性化合物の製造−3
製造例1と同様の装置および方法で、MA:98部、PP−200:240部を用いて、数平均分子量3400、水酸基価33mgKOH/g、不飽和度2.96(X=338)の不飽和ポリエステル(b1<3>)を得た。
【0184】
[製造例4] ラジカル重合性化合物の製造−4
製造例1と同様の装置および方法で、IA:118部、PP−400:440部を用いて、数平均分子量5600、水酸基価20mgKOH/g、不飽和度1.79(X=559)の不飽和ポリエステル(b1<4>)を得た。
【0185】
[製造例5] ラジカル重合性化合物の製造−5
容量1.5リットルの加圧反応装置に、MA:98部、PP−400:400部、FA:296部、N−エチルモルホリン0.11部を入れ、窒素置換後、窒素雰囲気下(反応終了まで)で撹拌しながら120℃に昇温し、2時間保った。次いで、120℃、圧力0.3mPa・sでPO 232部を6時間かけて吹き込んだ。その後、120℃でさらに2時間反応させた。数平均分子量1100、水酸基価102mgKOH/g、不飽和度0.98(X=1020)の不飽和ポリエステル(b1<5>)を得た。
【0186】
[製造例6] ラジカル重合性化合物の製造−6
製造例1と同様の装置および方法で、MA:280部、DEG:370部を用いて、数平均分子量1000、水酸基価112mgKOH/g、不飽和度4.34(X=230)の不飽和ポリエステル(b1<6>)を得た。
【0187】
[製造例7] ラジカル重合性化合物の製造−7
製造例1と同様の装置および方法で、MA:390部、EG:284部を用いて、数平均分子量920、水酸基価122mgKOH/g、不飽和度5.49(X=182)の不飽和ポリエステル(b1<7>)を得た。
【0188】
[実施例1] ポリマーポリオールの製造−1
ジムロート冷却管を備えた容量1リットルの4口フラスコに、SAN:10部およびG50:440部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌しながら130℃に昇温し、次いで、不飽和ポリエステル(b1<1>):250部とAN:150部、St:100部を予め混合した原料並びに、予め、G50:50部およびAVN:1部を混合した原料を、各々同時に滴下ポンプを用いて1時間かけて連続的に滴下し、130℃で2時間重合させて、ポリマー粒子含量50%、水酸基価28mgKOH/g、粘度4500mPa・s(25℃)のポリマーポリオール(F−1)を得た。
【0189】
[実施例2] ポリマーポリオールの製造−2
ジムロート冷却管を備えた容量1リットルの4口フラスコに、SAN:10部およびG50:390部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌しながら130℃に昇温し、次いで、不飽和ポリエステル(b1<2>):200部とAN:150部、St:200部を予め混合した原料並びに、予め、G50:50部およびAVN:1部を混合した原料を、各々同時に滴下ポンプを用いて1時間かけて連続的に滴下し、130℃で2時間重合させて、ポリマー粒子含量55%、水酸基価25mgKOH/g、粘度4800mPa・s(25℃)のポリマーポリオール(F−2)を得た。
【0190】
[実施例3] ポリマーポリオールの製造−3
ジムロート冷却管を備えた容量1リットルの4口フラスコに、SAN:10部およびG50:490部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌しながら130℃に昇温し、次いで、不飽和ポリエステル(b1<3>):50部とAN:200部、St:200部を予め混合した原料並びに、予め、G50:50部およびAVN:1部を混合した原料を、各々同時に滴下ポンプを用いて1時間かけて連続的に滴下し、130℃で2時間重合させて、ポリマー粒子含量45%、水酸基価31mgKOH/g、粘度4000mPa・s(25℃)のポリマーポリオール(F−3)を得た。
【0191】
[実施例4] ポリマーポリオールの製造−4
ジムロート冷却管を備えた容量1リットルの4口フラスコに、SAN:10部およびG50:340部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌しながら130℃に昇温し、次いで、不飽和ポリエステル(b1<4>):400部とAN:100部、St:100部を予め混合した原料並びに、予め、G50:50部およびAVN:1部を混合した原料を、各々同時に滴下ポンプを用いて1時間かけて連続的に滴下し、130℃で2時間重合させて、ポリマー粒子含量60%、水酸基価22mgKOH/g、粘度6200mPa・s(25℃)のポリマーポリオール(F−4)を得た。
【0192】
[実施例5] ポリマーポリオールの製造−5
ジムロート冷却管を備えた容量1リットルの4口フラスコに、SAN:10部およびG50:440部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌しながら130℃に昇温し、次いで、不飽和ポリエステル(b1<4>):250部とAN:150部、St:100部を予め混合した原料並びに、予め、G50:50部およびAVN:1部を混合した原料を、各々同時に滴下ポンプを用いて1時間かけて連続的に滴下し、130℃で2時間重合させて、ポリマー粒子含量50%、水酸基価28mgKOH/g、粘度4700mPa・s(25℃)のポリマーポリオール(F−5)を得た。
【0193】
[実施例6] ポリマーポリオールの製造−6
ジムロート冷却管を備えた容量1リットルの4口フラスコに、SAN:10部およびG50:440部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌しながら130℃に昇温し、次いで、不飽和ポリエステル(b1<5>):250部とAN:150部、St:100部を予め混合した原料並びに、予め、G50:50部およびAVN:1部を混合した原料を、各々同時に滴下ポンプを用いて1時間かけて連続的に滴下し、130℃で2時間重合させて、ポリマー粒子含量50%、水酸基価28mgKOH/g、粘度4900mPa・s(25℃)のポリマーポリオール(F−6)を得た。
【0194】
[実施例7] ポリマーポリオールの製造−7
ジムロート冷却管を備えた容量1リットルの4口フラスコに、不飽和ポリエステル(b1<6>):500部を入れ、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌しながら130℃に昇温し、次いで、予め、SAN:50部およびG50:400部を混合した原料を投入し、130℃で3時間攪拌させた。その後、予め、G50:50部およびAVN:1部を混合した原料を滴下ポンプを用いて1時間かけて連続的に滴下し、130℃で2時間重合させて、ポリマー粒子含量50%、水酸基価28mgKOH/g、粘度5500mPa・s(25℃)のポリマーポリオール(F−7)を得た。
【0195】
[実施例8] ポリマーポリオールの製造−8
実施例7と同様の装置および方法で、不飽和ポリエステル(b1<6>)の代わりに(b1<7>)を使用して、ポリマー粒子含量50%、水酸基価28mgKOH/g、粘度5640mPa・s(25℃)のポリマーポリオール(F−8)を得た。
【0196】
[実施例9](参考例) ポリマーポリオールの製造−9
温度調節器、バキューム撹拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口および流出口を備えた2L容量の4口フラスコに、G50:50部を入れ、撹拌下で125℃に加熱し、次いで、予めSt450部、ACN300部、GMAP20部、G50:680部、AVN4部を混合した原料を滴下ポンプによりを4時間かけて連続的に滴下し、重合させた。さらに、未反応モノマーを減圧下ストリッピングした。
【0197】
ポリマー粒子含量50%、水酸基価28、粘度20,000mPa・s(25℃)の比較のポリマーポリオール(F−9)を得た。
【0198】
この(F−9)800部にメタノール2000部を加え、8000rpm×60分間、3回遠心分離し分離後のポリマーをメタノールで洗浄し、30〜40℃で減圧乾燥しポリマー350部を得た。さらに本ポリマーを乳鉢で粉砕しG50:350部、メタノール1400部を加えて分散液とした。さらに、装置内部にホモ・バルブを有し、プランジャーポンプにて液の加圧度を変化させることができるA.P.V.GAURIN社製のホモジナイザー(型番15M−8TA)にて本分散液を2回繰り返し分散処理した。分散の処理条件は、分散圧力700Kgf/cm2、処理速度60kg/hr、処理温度25℃で実施した。
【0199】
分散処理後、メタノールを減圧下ストリッピングし得られた、本発明の製法によるポリマーポリオール(F−10)の粘度は5000mPa・s(25℃)であった。
【0200】
[実施例10](参考例) ポリマーポリオールの製造−10
実施例9で得られたポリマーポリオール(F−9)を装置内部にホモ・バルブを有し、プランジャーポンプにて液の加圧度を変化させることができるA.P.V.GAURIN社製のホモジナイザー(型番15M−8TA)にて2回繰り返し分散処理した。分散の処理条件は、分散圧力700Kgf/cm2、処理速度60kg/hr、処理時間2分、処理温度25℃で実施した。分散処理後、得られたポリマーポリオール(F−11)の粘度は9760mPa・s(25℃)であった。
【0201】
[比較例1] ポリマーポリオールの比較製造例−1
実施例9で得られた機械的分散処理がされていない比較のポリマーポリオール(F−9)
【0202】
[比較例2] ポリマーポリオールの比較製造例−2
実施例9の(F−9)の製造に用いたと同様の装置および方法で、G50:150部並びにSt:280部、AN:120部、GMAP:8部、G50:442部およびAVN:1.6部を使用して、ポリマー粒子含量40%、水酸基価33mgKOH/g、粘度5540mPa・s(25℃)の比較ポリマーポリオール(F−12)を得た。
【0203】
[比較例3] ポリマーポリオールの比較製造例−3
実施例9の(F−9)の製造に用いたと同様の装置および方法で、G50:175部並びにSt:210部、AN:90部、GMAP:6部、G50:519部およびAVN:1.2部を使用して、ポリマー粒子含量30%、水酸基価39mgKOH/g、粘度2000mPa・s(25℃)の比較ポリマーポリオール(F−13)を得た。
【0204】
[実施例(1)〜(11)および比較例1〜3] ポリウレタンフォームの製造(実施例(9)および(10)は参考例である。)
実施例1〜10および比較例1〜3から得られた本発明のポリマーポリオール(F−1〜F−8、F−10、11)および比較ポリマーポリオール(F−9、F−12,13)を使用し、表1、2に記載のポリウレタンフォームの配合比で、以下に示す発泡処方によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォーム物性評価結果を表1、2に示す。
<発泡処方>
<1>ポリマーポリオールと有機ポリイソシアネートとをそれぞれ25±2℃に温度調整する。
<2>ポリマーポリオール、整泡剤、水、触媒の順で容量1リットルのステンレス性ビーカーに入れて、室温(25±2℃)で撹拌混合し、直ちに有機ポリイソシアネートを加え、攪拌機(ホモディスパー:特殊機化(株)製、攪拌 条件:2000rpm×6秒)を用いて、攪拌して発泡を行った。
<3>攪拌停止後、25×25×10cmの木箱に内容物を投入して、ポリウレタンフォームを得た。
【0205】
【表1】
Figure 0003686372
【0206】
【表2】
Figure 0003686372
【0207】
表1および表2におけるフォーム物性の評価方法は以下の通りである。
Figure 0003686372
【0208】
なお、通常、ウレタンフォームの物性として、密度は、15〜50kg/m3の範囲が好ましく、25%ILD、引張強度、引裂強度、切断伸度、反発弾性率および通気性は、数値が大きいほど好ましい。また、圧縮永久歪は、数値が小さいほど好ましい。
【0209】
表1から明らかなように、実施例1〜10のポリマーポリオール(F−1〜F−8、F−10、11)は、比較例1のポリマーポリオール(F−9)と比較して、粘度が低く、更にポリウレタンフォームとした場合のフォーム物性、特に、25%ILD(硬度)、通気性および圧縮永久歪が優れている。また、引裂強度、引張強度、切断伸度、反発弾性は、同等若しくはそれ以上であった。尚、比較例2、3のポリマーポリオール(F−12、F−13)は、ポリマー粒子の濃度が実施例1〜10のポリマーポリオール(F−1〜F−8、F−10、11)および比較例1の比較ポリマーポリオール(F−9)よりも少ないため、粘度は低いが、ポリウレタンフォームとした場合のフォーム物性、特に25%ILD(硬度)が著しく劣っている。尚、一般にポリマー粒子が高濃度になる程、引張強度、切断伸度、反発弾性、通気性は低下し、圧縮永久歪みは高くなる傾向にあるが、本発明のポリマーポリオールを使用したポリウレタンフォーム[実施例(1)、(5)〜(10)]は、同じポリマー粒子濃度である比較例1と比較して同等若しくはそれ以上のフォーム物性を示している。
【0210】
【産業上の利用可能性】
本発明のポリマーポリオール及びその製造方法によれば、従来のポリマーポリオールに比べてポリマー粒子の濃度を高くしても、低粘度かつ分散安定性が極めて良好なポリマーポリオールを得ることができる。従って、ポリウレタン樹脂製造等において、作業効率を極めて向上させることができる。
【0211】
更に、本発明のポリマーポリオールをポリオールの必須成分として用いて製造したポリウレタン樹脂は、ポリマーポリオールの粘度が同等のもので比較した場合、本発明のポリマーポリオールを用いた場合の方が、従来のものを使用したのと比較して、25%ILD(硬度)および圧縮永久歪性が極めて良好である。又、同じポリマー粒子濃度の従来のポリマーポリオールを使用した場合と比べて、本発明のポリマーポリオールを使用した場合の方が、ウレタン樹脂の25%ILD、通気性および圧縮永久歪を大幅に向上させることができる。
【0212】
上記効果を奏することから、本発明のポリマーポリオールを用いて製造されたポリウレタン樹脂は、ポリウレタンフォームとして自動車の内装部品や家具の室内調度等の用途に極めて好適である。

Claims (5)

  1. ポリオール(A)と、(A)中に分散されたポリマー粒子(B)からなり、(B)がポリオール中でエチレン性不飽和化合物(b)を重合させて形成されてなるポリマーポリオール組成物(II)において、(A)中で、分散剤(D)の存在下、希釈剤(C)の存在下または不存在下、数平均分子量が500以上の、不飽和カルボン酸(p)とグリコール類(q)のエステル、及び/又は不飽和アルコール(r)とカルボン酸(s)のエステル(b1)を5質量%以上含有する(b)を重合させてなるポリマーポリオール組成物。
  2. 不飽和カルボン酸(p)が、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸から選ばれる1種以上のカルボン酸である請求項記載のポリマーポリオール組成物。
  3. (b1)の二重結合1個あたりの分子量(X)が1200以下である請求項1または2記載のポリマーポリオール組成物。
  4. ポリオール(A)中で、分散剤(D)の存在下、希釈剤(C)の存在下または不存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させるポリマーポリオール組成物の製造方法において、数平均分子量が500以上の、不飽和カルボン酸(p)とグリコール類(q)のエステル、及び/又は不飽和アルコール(r)とカルボン酸(s)のエステル(b1)を少なくとも5質量含有する(b)を用いて、請求項1〜3のいずれか記載のポリマーポリオール組成物(II)を得ることからなるポリマーポリオール組成物の製造方法。
  5. ポリオール成分とポリイソシアネート成分を発泡剤の存在下又は不存在下に反応させて、発泡又は非発泡ポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として請求項1〜3のいずれか記載のポリマーポリオール組成物を用いることからなるポリウレタン樹脂の製造方法。
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