JP2009007506A - ポリマーポリオールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
重合工程後の残存モノマー量が少なく、低粘度で粗大粒子の少ない、しかも機械物性に優れるポリウレタンを与えるポリマーポリオールが求められている。
【解決手段】
ポリオール(PL)中で、エチレン性不飽和モノマー(E)をラジカル重合開始剤(K)の存在下で重合させる工程を含む、重合体粒子(JR)を含有するポリマーポリオール(A)の製造方法において、(K)が下記関係式(1)を満たすアゾ化合物および下記関係式(2)を満たし水素引抜能が0〜30%である過酸化物を含んでなることを特徴とするポリマーポリオールの製造方法。
(Tp−100)≦ Th ≦(Tp−55) (1)
(Tp−50)≦ Th ≦(Tp+20) (2)
[式中、Tpは重合温度(℃)、Thはラジカル重合開始剤の10時間半減期温度(℃)を表す。]
【選択図】 なし

Description

本発明はポリマーポリオールの製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリウレタン(ポリウレタンフォーム、ポリウレタンエラストマー等)の原料として好適な優れた機械物性をポリウレタンに付与するポリマーポリオールの製造方法に関する。
従来、ポリウレタンの製造に用いるポリマーポリオールとしては、ポリウレタンの製造時の取り扱いの観点から低粘度を目的に、第一の過酸化物と、それとは異なる半減寿命の大きい第二の過酸化物またはアゾ化合物とを組み合わせたラジカル重合開始剤を特定量使用してエチレン性不飽和化合物を重合させてなるポリマーポリオール(例えば特許文献1参照)、および特定のマクロマーを使用しエチレン性不飽和化合物をtert-ブチルペルオキシドおよびアゾビス(イソブチロニトリル)の存在下で重合させてなるポリマーポリオール(例えば特許文献2参照)等が知られている。
特表2002−519453号公報 特開2006−45569号公報
しかしながら、上記ポリマーポリオールでは前者は重合工程後の残存モノマー量が多く、次の残存モノマーを留去する工程に負荷がかかる等の問題がある。後者は、得られたポリマーポリオールの粘度が高く、また粗大粒子が多いため、ポリウレタンフォームを製造する際の成形性が低下する等の問題がある。よって、重合工程後の残存モノマー量が少なく、低粘度で粗大粒子の少ない、しかも機械物性に優れるポリウレタンを与えるポリマーポリオールが求められている。
本発明者らは、上記の問題点を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、ポリオール(PL)中で、エチレン性不飽和モノマー(E)をラジカル重合開始剤(K)の存在下で重合させる工程を含む、重合体粒子(JR)を含有するポリマーポリオール(A)の製造方法において、(K)が下記関係式(1)を満たすアゾ化合物および下記関係式(2)を満たし水素引抜能が0〜30%である過酸化物を含んでなることを特徴とするポリマーポリオールの製造方法である。
(Tp−100)≦ Th ≦(Tp−55) (1)
(Tp−50)≦ Th ≦(Tp+20) (2)
[式中、Tpは重合温度(℃)、Thはラジカル重合開始剤の10時間半減期温度(℃)を表す。]
本発明のポリマーポリオールの製造方法は下記の効果を奏する。
(1)重合工程後の残存モノマー量が少なく、生産性に優れる。
(2)本発明の該製造方法で得られるポリマーポリオールは、ポリウレタン製造装置のメンテナンスを容易にして生産性を向上させる。
(3)該ポリマーポリオールを使用して製造したポリウレタンは、機械物性に優れる。
本発明におけるポリマーポリオールとは、エチレン性不飽和モノマー(E)をラジカル重合開始剤(K)の存在下で重合して得られる重合体粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなるものである。
(E)としては、スチレン(以下Stと略記)、アクリロニトリル(以下、ACNと略記)、その他のエチレン性不飽和モノマー(e)等が使用できる。エチレン性不飽和モノマー(E)としては、Stおよび/またはACNを必須成分とすることが好ましい。
(JR)を構成する(E)の重量に基づくStの割合(%)は、ポリマーポリオールの着色および粗大粒子の含有量低減の観点から、50〜90が好ましく、さらに好ましくは55〜80、最も好ましくは60〜75である。
(JR)を構成する(E)の重量に基づくACNの割合(%)は、粗大粒子の含有量およびポリマーポリオールの着色低減の観点から、0.1〜40が好ましく、さらに好ましくは10〜37、最も好ましくは20〜34である。
StとACNとの重量比(St:ACN)は、粗大粒子の含有量およびポリマーポリオールの着色低減の観点から好ましくは90:0.1〜50:40、さらに好ましくは80:10〜55:37、最も好ましくは75:20〜60:34である。
その他のエチレン性不飽和モノマー(e)としては、炭素数(以下Cと略記)2以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]1,000未満のもので、Stおよび/またはACNと共重合可能であれば特に制限はなく、下記に示す1官能のもの[不飽和ニトリル(e1)、芳香環含有モノマー(e2)、(メタ)アクリレート(e3)、水酸基を有する不飽和化合物の(ポリ)オキシアルキレンエーテル(e4)、その他のエチレン性不飽和モノマー(e5)]および多官能(2またはそれ以上)モノマー(e6)等が使用できる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(e1)としては、C4〜10、例えばメタクリロニトリル等が挙げられる。
(e2)としては、C8〜14、例えばα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
(e3)としては、C4〜27、例えばメチル、ブチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルおよびドコシル(メタ)アクリレート等のアルキル(アルキル基がC1〜24)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタアクリレートを意味し、以下における(メタ)アクリル酸、(メタ)アリル等も同様であり、以下同様の表記法を用いる。また、(e3)の中で、(e4)に該当するものは(e4)として取り扱うものとする。
(e4)としては、α−アルケニル基含有化合物および水酸基を有する不飽和エステルのアルキレンオキサイド付加物が含まれる。α−アルケニル基含有化合物のアルキレンオキサイド付加物としては、C3〜24の不飽和アルコールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記)付加物が挙げられ、不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール、1−ヘキセン−3−オールなどが挙げられる。水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物としては、C3〜24の水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物が挙げられ、水酸基を有する不飽和化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらのうち好ましいのはアリルアルコールのAO付加物、ヒドロキシアルキル(C2〜12)(メタ)アクリレートのAO付加物である。AOの付加モル数は、1〜9が好ましく、さらに好ましくは1〜6、特にさらに好ましくは1〜3である。
上記AOとしては、C2〜12のものが含まれ、例えばエチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記 )、1,3−プロピレンオキサイド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、置換AO(スチレンオキサイド、エピハロヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加および/またはブロック付加)が挙げられる。
AOとしては、C2〜8が好ましく、さらに好ましくはC2〜4、特に好ましくはC2〜3,最も好ましくはPOおよびEOである。
また、AOとしては、単独の使用および2種以上のAOの併用が好ましく、さらに好ましくはPOまたはEOの単独並びにPOおよびEOの併用である。
(e4)のMnは、110〜490が好ましく、下限は、さらに好ましくは120、次にさらに好ましくは160、特に好ましくは170、最も好ましくは180であり、上限は、さらに好ましくは480、次にさらに好ましくは450、特に好ましくは420、最も好ましくは300である。Mnが110以上であると、ポリマーポリオールが低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタンの硬度も良好となり、Mnが490以下であると、それを用いて得られるポリウレタンの硬度が良好である。
(e4)の不飽和基(α−アルケニル基および(メタ)アクリロイル基等)の数は、平均1個以上、ポリマーポリオールの粘度低減および後述するポリウレタンの物性の観点から好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜2個、特に好ましくは1個である。
また、(e4)の溶解度パラメーター(以下SP値と略記)は、ポリマーポリオールの粘度低減および後述するポリウレタンの圧縮硬さの観点から好ましくは9.5〜13、さらに好ましくは9.8〜12.5、特にに好ましくは10〜12.2である。
なお、SP値とは、下記に示すとおり凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。

SP値=(△E/V)1/2

ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
その他のエチレン性不飽和モノマー(e5) としては、C2〜24、例えば(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;エチレン、プロピレンなどの脂肪族炭化水素モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリレート;ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート等の不飽和ニトリル以外の窒素含有モノマー;ビニル変性シリコーン;等が挙げられる。
多官能モノマー(e6)としては、C10〜40、例えば、2官能[ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート等]、3官能[ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等]および4官能[ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等]モノマー;ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状−オレフィンまたはジエン化合物等が挙げられる。
(e1)〜(e6)のうち、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタンの物性の観点から好ましいのは(e3)、(e4)、(e6)、さらに好ましいのは(e4)、(e6)、特に好ましいのは末端不飽和アルコールのPOおよび/またはEO付加物、2官能モノマー、最も好ましいのはアリルアルコールのPO付加物、ジビニルベンゼンである。
(JR)を構成するエチレン性不飽和モノマー(E)中のその他のエチレン性不飽和モノマー(e)の割合(重量%)は、50以下が好ましく、ポリマーポリオールの粘度、分散安定性およびポリウレタンの物性の観点から、さらに好ましくは3〜49.9、次にさらに好ましくは4〜35、とくに好ましくは5〜20である。
特に水酸基を有する不飽和化合物のポリオキシアルキレンエーテル(e4)の使用量(重量%)は、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタンの硬度の観点から、(E)の重量に基づいて、0.1〜20が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15、とくに好ましくは0.7〜10である。
重合体粒子(JR)の形状は特に限定なく、球状、回転楕円体状、平板状等いずれの形状でもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から、球状が好ましい。
(JR)の体積平均粒子径(μm)は、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタン機械物性の観点から好ましくは0.2〜2.0、さらに好ましくは0.25〜1.5、とくに好ましくは0.3〜0.7である。なお、体積平均粒子径は、後述する方法により測定される。
(JR)の粒子径の範囲(μm)は、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタン物性の観点から好ましくは0.1〜100、さらに好ましくは0.1〜20、とくに好ましくは0.1〜5である。
本発明におけるラジカル重合開始剤(K)としては、遊離基を生成して重合を開始させる化合物、例えばアゾ化合物および過酸化物(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)が使用できる。本発明の(K)は、下記関係式(1)を満たすアゾ化合物(k1)および下記関係式(2)を満たす過酸化物(k2)を含んでなる。重合後の残存モノマー低減の観点から、(k1)は下記関係式(3)を満たすアゾ化合物が好ましく、さらに好ましくは下記関係式(4)を満たすアゾ化合物である。重合後の残存モノマー低減の観点から、(k2)は下記関係式(5)を満たす過酸化物が好ましく、さらに好ましくは下記関係式(6)を満たす過酸化物である。
(Tp−100)≦ Th ≦(Tp−55) (1)
(Tp−50)≦ Th ≦(Tp+20) (2)
(Tp−90)≦ Th ≦(Tp−55) (3)
(Tp−80)≦ Th ≦(Tp−55) (4)
(Tp−50)≦ Th ≦(Tp−5) (5)
(Tp−50)≦ Th ≦(Tp−20) (6)
[式中、Tpは重合温度(℃)を表し、Thはラジカル重合開始剤の10時間半減期温度(℃)を表す。]
(k2)の水素引抜能は、ポリマーポリオールの粘度の観点から、0〜30%であり、好ましくは0〜28%、さらに好ましくは0〜25%である。
なお、水素引抜能とは、(k2)の存在下でシクロヘキサンおよびα−メチルスチレンダイマー(以下、MSDと略す。)を140℃で6時間反応させたときに生成するシクロヘキサン−MSD付加生成物(以下、CH−MSDと略す。)の量から求められる値であり、Polymer Journal 第29巻、No.4の366〜369頁に記載されている測定方法に準拠して測定される値であり、例えば以下の方法で測定される。
<シクロヘキサンとMDSの反応方法>
100mlのSUSオートクレーブ中にMSD0.1モル(23.6g)、シクロヘキサン0.69モル(53.8g)、(k2)0.005モルを仕込み、あらかじめ140℃にした恒温槽(ヤマト科学(株)製、送風定温恒温器 形式:DNM400)内で24時間反応させた。反応終了後、25℃の室内にて放冷し、40℃以下で内容物を取りだした。
<シクロヘキサン−MSD付加生成物の定量方法>
生成したCH−MSDは、ガスクロマトグラフィー(以下GCと略記する。)で定量する。GCの条件を以下に示す。
<GC条件>
装置 :島津社製ガスクロマトグラフGC−2014
カラム :ZB−5 (長さ:30m、内径:0.32mm、膜厚:0.25μm)phenomenex社製
気化室温度 :200℃
ディテクタ温度:210℃
カラム初期温度:90℃
カラム昇温速度:10℃/分
カラム最終温度:280℃
試料濃度 :上記反応で得たサンプルを50wt%シクロヘキサン溶液とし、測定試料とする

なお、CH−MSDのピーク位置(リテンションタイム)はあらかじめガスクロマトグラフィー質量分析計(GCMS)を用いて確認する。
<GCMS条件>
装置 :島津社製四重極型質量分析計(GCMS QP−5000)
<GC条件> :上記GC条件と同じ
<MS条件>
測定開始質量範囲:EI 33〜600
走査間隔(I) :1.0sec
しきい値(T) :1000
溶媒溶出時間 :0.05min
測定開始時間 :0.1min
測定終了時間 :40min
スキャンゲイン :1.4KV
<水素引き抜き能の算出>
測定で得られたCH−MSDの量を用いて、以下の式により求める。
Figure 2009007506
(k1)および(k2)としては、それぞれ複数のラジカル重合開始剤を含んでもよいが、粘度及び得られるウレタン樹脂の強度の観点から、それぞれ1〜4種を使用することが好ましく、さらに好ましくは1〜2種、最も好ましくは1種である。
(K)としては、(k1)および(k2)以外のラジカル重合開始剤を含んでもよいが、ウレタン樹脂の物性の観点から、含まないことが好ましい。
(k1)としては、特開2005−162791号公報記載の化合部物の他に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−アルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]及び1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が含まれる。
(k2)としては、特開2005−162791号公報記載の化合部物の他に、パーオキシケタール{1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、アルキルパーオキサイド{2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、等}、ジアシルパーオキサイド{ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等}、パーオキシエステル{1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエイト等}等が含まれる。
(k1)および(k2)の組合せとしては、例えば、Tpが110℃の場合、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(Th:51℃)と1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(Th:87℃)、Tpが130℃の場合、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(Th:67℃)とt−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(Th:95℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(Th:67℃)とt−ブチルパーオキシラウレート(Th:98℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(Th:67℃)とジ−t−ヘキシルパーオキサイド(Th:116℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(Th:51℃)とジ−t−ヘキシルパーオキサイド(Th:116℃)などの組合せが挙げられる。
(K)の使用量(重量%)は、(E)の重合速度およびポリウレタンの機械物性の観点から(E)の重量に基づいて、好ましくは0.05〜20、さらに好ましくは0.1〜4、とくに好ましくは0.2〜2である。
(k1)の使用量(重量%)は、(E)の質量に基づいて、好ましくは0.04〜15、さらに好ましくは0.08〜3、とくに好ましくは0.15〜1.5である。
(k2)の使用量(重量%)は、(E)の質量に基づいて、好ましくは0.01〜5、さらに好ましくは0.02〜1、とくに好ましくは0.05〜0.5である。
(k1)と(k2)との使用量の比{(k1)の使用量(重量%)/(k2)の使用量(重量%)}は、0.04/1.5〜15/0.01が好ましく、さらに好ましくは0.08/1〜3/0.02、とくに好ましくは0.15/0.5〜2/0.05である。
ラジカル重合開始剤(K)はそのまま使用してもよいし、希釈溶媒(C)、分散剤(D)および/またはポリオール(PL)に溶解(または分散)させたものを使用してもよい。
本発明におけるポリオール(PL)には、下記一般式(7)で表される1級水酸基含有分子末端を有するポリオール(PL1)およびそれ以外のポリオール(PL2)が含まれる。
Figure 2009007506
式中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜10の炭化水素基を表す。
式(1)中のRの具体例としては、直鎖アルキル基(メチル、エチルおよびプロピル基等)、分岐アルキル基(イソプロピルおよび2−エチルヘキシル基等)、(アルキル置換)フェニル基(フェニルおよびp−メチルフェニル基等)、ハロゲン原子置換アルキル基(クロロメチル、ブロモメチル、クロロエチルおよびブロモエチル基等)、ハロゲン原子置換フェニル基(p−クロロ−およびp−ブロモフェニル基等)、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(PL1)は、活性水素含有化合物のAO付加物であって、末端の活性水素にC3以上の1,2−アルキレンオキサイド(以下1,2−AOと略記)が付加されてなり、上記一般式(1)で表される1級水酸基含有分子末端を有するポリオールである。
活性水素含有化合物としては、例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素含有化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等)等が挙げられる。これらのうちポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは多価アルコールである。
C3以上の1,2−AOとしては、前述のAOのうちC3〜12またはそれ以上の1,2−AOが含まれる。 具体的には、PO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、置換AO(スチレンオキサイド、エピハロヒドリン等)等が挙げられる。これらのうち、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは、PO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、さらに好ましいのはPO、1,2−ブチレンオキサイド、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、とくに好ましくはPO、1,2−ブチレンオキサイド、最も好ましいのはPOである。
(PL1)の水酸基当量およびMnの好ましい範囲は、後述する(PL)と同様である。
(PL1)は、特定の触媒(α)の存在下で、活性水素含有化合物にAOを付加することにより製造できる。
(α)としては、特開2000−344881号公報等に記載のものが挙げられ、具体的には、フッ素原子、(置換)フェニル基および/または3級アルキル基が結合したホウ素もしくはアルミニウム化合物であり、例えばホウ素化合物では、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルボラン、アルミニウム化合物では、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウム等が挙げられる。
これらのうち1級水酸基含有分子末端の生成およびAO付加の反応速度の観点から好ましいのはトリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフェニル)−ボランおよび−アルミニウムである。
AOの付加条件についても上記公報等に記載の条件と同様でよく、例えば、生成する開環重合体の重量に対して、通常0.0001〜10%、AO付加の反応速度およびポリウレタンを製造する際の反応性の観点から好ましくは0.001〜1%の上記触媒を用い、通常0〜250℃、AO付加の反応速度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは20〜180℃で反応させて行うことができる。
ポリオール(PL2)としては、(PL1)以外で、ポリマーポリオールの製造に用いられる公知のポリオール(例えば特開2005−162791号公報、特開2004−018543号公報、特開2006−016611号公報に記載のもの)等が使用できる。
(PL2)の具体例としては、例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素含有化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等)のAO付加物およびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは多価アルコールのAO付加物である。
上記AOには前記のものが含まれる。これらのAOのうちポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのはC2〜8、さらに好ましいのはEO、PO、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイドおよびこれらの2種以上の併用(ブロック付加および/またはランダム付加)、とくに好ましいのは、POまたはPOとEOとの併用[EO含量が(PL)の重量に基づいて25%以下、好ましくは1〜20%]である。
上記AO付加物の具体例としては、公知の活性水素含有化合物(特開2005−162791号公報等)のPO付加物およびPOと他のAO(好ましいのはEO)を下記の様式で付加したもの、およびこれらの付加物とポリカルボン酸もしくはリン酸とのエステル化物等が挙げられる。
(1)(POブロック)−(他のAOブロック)の順序でブロック付加したもの
(2)[(POブロック)−(他のAOブロック)]2の順序でブロック付加したもの
(3)(他のAOブロック)−(POブロック)−(他のAOブロック)の順序でブロック付加したもの
(4)(POブロック)−(他のAOブロック)−(POブロック)の順序でブロック付加したもの
(5)POおよび他のAOをランダム付加したもの
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダムおよびブロック付加したもの。
(PL2)の水酸基当量およびMnの好ましい範囲は、後述する(PL)と同様である。
(PL)の水酸基当量(測定はJIS K−1557−1970に準じる。)は、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜3,000である。
(PL)のMnは、ポリウレタンの機械物性およびポリマーポリオールの粘度、取り扱い性の観点から好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,200〜15,000、とくに好ましくは2,000〜9,000である。
(PL)中の分子末端水酸基に基づく分子末端1級水酸基の割合は、(PL)の反応性およびポリウレタンの機械物性並びにポリウレタンの成形性の観点から、2〜8モル%が好ましく、さらに好ましくは3〜7モル%である。ここにおいて、該分子末端1級水酸基の割合は、予め(PL)をエステル化して処理した後に1H−NMR分析法により求められる。
また、(PL)の重量に基づく、(PL1)の割合は、(PL)の反応性およびポリウレタンの機械物性並びにポリウレタンの成形性の観点から、2〜8%が好ましく、さらに好ましくは3〜7%である。
ポリマーポリオール(A)中の重合体粒子(JR)の含有量(重量%)は(A)の重量に基づいて、ポリウレタンの機械物性および(JR)の凝集防止の観点から、好ましくは35〜60、さらに好ましくは38〜58、特に好ましくは40〜55である。なお、(A)中の(JR)の含有量は、後述する方法で測定される。
(A)中のポリオール(PL)の含有量(重量%)は、(JR)の凝集防止およびポリウレタンの機械物性の観点から、好ましくは40〜65、さらに好ましくは42〜62、最も好ましくは45〜60である。
本発明の製造方法は、(PL)中でエチレン性不飽和モノマー(E)をラジカル重合開始剤(K)の存在下で重合させて製造する方法である。
重合温度(Tp)(℃)は、70〜180が好ましく、さらに好ましくは80〜170、特に好ましくは90〜160である。
エチレン性不飽和モノマー(E)を重合させる際に、(JR)の凝集防止の観点から、さらに分散剤(D)の存在下で重合させることが好ましい。
分散剤(D)としては、Mnが1,000以上(分散性の観点から好ましくは1,100〜10,000)の種々のもの、例えばポリマーポリオールの製造で使用される公知の分散剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)等を使用することができ、(D)には、(E)と共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤、および(E)とは共重合しない非反応性分散剤が含まれる。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満の前記その他のエチレン性不飽和モノマー(e)とは区別される。
(D)の具体例としては、
〔1〕ポリオール(PL)とエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの反応性分散剤
エチレン性不飽和基を有する変性ポリエーテルポリオール(例えば特開平08−333508号公報に記載のもの)等;
〔2〕ポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの非反応性分散剤
(PL)との溶解度パラメーターの差が1.0以下の、(PL)親和性セグメント2個以上を側鎖、(E)の重合体との溶解度パラメーターの差が2.0以下の重合体粒子(JR)親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば特開平05−059134号公報に記載のもの)等;
〔3〕高分子量ポリオールタイプの非反応性分散剤
(PL)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライドおよび/またはエチレンジハライドと反応させて高分子量(平均分子量1000〜60,000)化した変性ポリオール(例えば特開平07−196749号公報に記載のもの)等;
〔4〕オリゴマータイプの反応性分散剤
1,000〜30,000の重量平均分子量(以下Mwと略記)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]を有し、少なくとも一部が(PL)に可溶性であるビニルオリゴマーおよび該オリゴマーと前記〔3〕の高分子量化した変性ポリオールを反応させてなるビニル基含有変性ポリオールを併用してなる分散剤(例えば特開平09−77968号公報に記載のもの)等;
〔5〕(PL)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する1価の活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオール(例えば特開2002−308920号公報に記載のもの)等の反応性分散剤等;が挙げられる。
(D)としては、以下に述べるビニルオリゴマー分散剤(D1)および/または反応性分散剤(D2)を用いることが好ましい。
(D1)はエチレン性不飽和化合物を重合して得られるビニルオリゴマーである。(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物は、前述したエチレン性不飽和モノマー(E)と同様のものが使用できる。
これらの内で、(JR)の粒子径の観点から、(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物の少なくとも一部が、(JR)を構成しているエチレン性不飽和モノマー(E)と同じであることが好ましく、さらに好ましくは30重量%以上、次にさらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
(D1)の重量平均分子量(以下、Mwと略す)は、(JR)の粒子径の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン基準で、500,000〜800,000が好ましく、さらに好ましくは600,000〜750,000である。また、(D1)は、(JR)の粒子径の観点から、ポリオール(PL)に可溶性[(D1)と(PL)の合計重量に基づき5重量%の(D1)を(PL)に均一混合した混合物のレーザー光の透過率が10%以上]であることが望ましい。
(D1)の製造は、重量平均分子量が500,000〜800,000となるよう重合度を調節する点を除いて、通常のエチレン性不飽和化合物の重合方法で行うことができる。例えば必要により溶媒中で、エチレン性不飽和モノマー(E)を後述する重合開始剤の存在下に重合させる方法である。また、(D1)はポリオール(PL)中で(E)を重合させて得られるものでもよく、この場合の重合濃度は1〜40%が好ましく、さらに好ましくは5〜20%である。重合で得られたものを精製処理することなくそのままポリマーポリオールの製造に使用してもよい。重合開始剤は比較的多量に使用され、例えば全エチレン性不飽和モノマーの質量に基づいて好ましくは2〜30%、さらに好ましくは5〜20%である。
上記重合反応に必要により用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等が挙げられる。
これらの溶媒のうちで、粘度及びウレタンの機械強度の観点から、好ましいのはトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n−ブタノールである。
また、必要により連鎖移動剤、例えば、アルキルメルカプタン(ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等)、アルコール(イソプロピルアルコール、メタノール、2−ブタノール等)、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム等)、特開昭55−31880号公報記載のエノールエーテルの存在下に重合を行うことができる。重合はバッチ式でも連続式でも行うことができる。重合反応は、重合開始剤の分解温度以上(通常50〜250℃、好ましくは80〜200℃、特に好ましくは100〜180℃)で行うことができ、大気圧下または加圧下においても行うことができる。
(D1)を用いる場合の(D1)の使用量(重量%)は、(JR)の粒子径及びウレタンの機械強度の観点から、(E)の重量に基づいて、好ましくは0.001〜15、さらに好ましくは0.01〜10、特に好ましくは0.1〜8である。
反応性分散剤(D2)は、飽和のポリオール(b)に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(c)をポリイソシアネート(f)を介して結合して得られる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤である。
反応性分散剤(D2)を構成する(b)としては、前述の(PL)として例示したものと同様のものが使用できる。(b)と(PL)とは同一であっても異なっていてもよい。
(b)の1分子中の水酸基の数は、少なくとも2個、好ましくは2〜8個、さらに好ましくは3〜4個である。
(D2)を得るのに用いる(c)は、1個の活性水素含有基と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物である。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、SH基などがあるが、特に水酸基が好ましい。
(c)のエチレン性不飽和基は重合性二重結合が好ましく、また1分子中のエチレン性不飽和基の数は1〜3個、とくに1個が好ましい。即ち、(c)として好ましいものは、重合性二重結合を1個有する不飽和モノヒドロキシ化合物である。
上記不飽和モノヒドロキシ化合物としては、例えば、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素、不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステル、不飽和2価アルコールとモノカルボン酸とのモノエステル、アルケニル側鎖基を有するフェノール、不飽和ポリエーテルモノオールが挙げられる。
モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素としては、C3〜6のアルケノール、例えば(メタ)アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール;アルキノール、例えばプロパギルアルコールが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のC3〜8の不飽和モノカルボン酸と、前記2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の炭素数2〜12の2価アルコール)とのモノエステルが挙げられ、その具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。
不飽和2価アルコールとモノカルボン酸のモノエステルとしては、例えば、ブテンジオールの酢酸モノエステル等の、C3〜8の不飽和2価アルコールとC2〜12モノカルボン酸とのモノエステルが挙げられる。
アルケニル側鎖基を有するフェノールとしては、例えばヒドロキシスチレン、ヒドロキシα−メチルスチレン等のアルケニル基のCが2〜8のアルケニル側鎖基を有するフェノールが挙げられる。
不飽和ポリエーテルモノオールとしては、前記モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素もしくは前記アルケニル側鎖基を有するフェノールのアルキレンオキサイド(C2〜8)1〜50モル付加物〔例えばポリオキシエチレン(C2〜10)モノアリルエーテル〕等が挙げられる。
不飽和モノヒドロキシ化合物以外の(c)の例としては以下のものが挙げられる。
アミノ基、イミノ基を有する(c)としては、モノ−およびジ−(メタ)アリルアミン、アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート〔アミノエチル(メタ)アクリレート等〕、モノアルキル(C1〜12)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート〔モノメチルアミノエチル−メタクリレート等〕;カルボキシル基を有する(c)としては、前記不飽和モノカルボン酸;SH基を有する(c)としては、前記不飽和モノヒドロキシ化合物に相当する(OHがSHに置き換わった)化合物が挙げられる。
重合性二重結合を2個有以上有する(c)の例としては、前記3価、4〜8価またはそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル又は前記不飽和カルボン酸とのポリエステル〔例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジ(メタ)アクリレートなど〕が挙げられる。
これらのうち好ましい化合物は、C3〜6のアルケノール、C3〜8の不飽和モノカルボン酸とC2〜12の2価アルコールとのモノエステルおよびアルケニル側鎖基を有するフェノールであり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールとのモノエステル;アリルアルコール;およびヒドロキシα−メチルスチレンであり、とくに好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
また、(c)の分子量は特に限定されないが、1,000以下、特に500以下であるものが好ましい。
ポリイソシアネート(f)は、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物など)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、C(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、C6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略す)、粗製TDI、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物:ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)等]、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、C2〜18の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、C4〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、C8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDIおよびひまし油変性MDI等が挙げられる。
これらのうちで芳香族ジイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは2,4−及び2,6−TDIである。
反応性分散剤(D2)の含窒素結合は、イソシアネート基と活性水素含有基との反応によって生じるものであり、活性水素含有基が水酸基である場合、主にウレタン結合が生成し、アミノ基である場合、主に尿素結合が生成する。カルボキシル基の場合はアミド結合、SH基の場合はチオウレタン結合が生成する。これらの基以外に、他の結合、例えば、ビューレット結合、アロファネート結合などが生成していてもよい。
この含窒素結合は飽和のポリオール(b)の水酸基とポリイソシアネート(f)のイソシアネート基との反応で生じるものと、不飽和単官能活性水素化合物(c)の活性水素含有基と(f)のイソシアネート基との反応で生じるものとがある。
ポリマーポリオールの分散安定性の観点から、(D2)の1分子中の水酸基数の平均値は、通常2以上、好ましくは2.5〜10、さらに好ましくは3〜7である。(D2)の1分子中の不飽和基数の平均値は、0.8〜2が好ましく、さらに好ましくは0.9〜1.2である。
また、(D2)の粘度は、(JR)の粒子径及びポリウレタンの成形性の観点から、10,000〜50,000mPa・s/25℃が好ましく、さらに好ましくは15,000〜35,000mPa・s/25℃である。
反応性分散剤(D2)を製造する方法は特に限定されない。
好ましい方法としては、不飽和単官能活性水素化合物(c)と飽和のポリオール(b)との混合物にポリイソシアネート(f)を加えて、必要により触媒の存在下に反応させる方法と、(c)と(f)とを必要により触媒の存在下に反応させてイソシアネート基を有する不飽和化合物を製造し、これと(b)とを反応させる方法が挙げられる。後者の方法は、水酸基を持たない化合物などの副生物の発生の少ない含窒素結合含有不飽和ポリオールが得られる方法であるので、最も好ましい方法である。
また、(c)もしくは(b)に代えてその前駆体を用いて(f)と反応させた後、前駆体部分を変性して、(D2)を形成してもよい。〔例えば、イソシアネートとの反応後に不飽和モノカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を反応させて不飽和基を導入する、イソシアネートとの反応後にアルキレンジハライド、ジカルボン酸などでジャンプさせて(D2)を形成する〕
上記反応時の触媒としては、例えば、通常用いられるウレタン化触媒が挙げられ、錫系触媒(ジブチルチンジラウレート、スターナスオクトエート等)、その他の金属触媒(テトラブチルチタネート等)、アミン系触媒(トリエチレンジアミン等)が用いられる。これらの中でテトラブチルチタネートが好ましい。
触媒の量は、反応混合物の質量に基づいて、0.0001〜5%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜3%である。
これら3成分の反応比率は、反応に用いる合計量に基づく、(c)と(b)の活性水素含有基と(f)のイソシアネート基との当量比が、(1.2〜4):1が好ましく、さらに好ましくは(1.5〜3):1である。
また、(b)100部に対する反応に用いる(c)の量は、2部未満が好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.8部である。上記及び以下において部は重量部を意味する。
なお、(f)と反応する以上の大過剰の(b)を用いて、(D2)と(b)の混合物を形成し、未反応の(b)を分離せずにそのまま、ポリオール(A)の一部として用いる方法を採ることもできる。
上記方法で得られる反応性分散剤(D2)は単独化合物である場合もあるが、多くの場合、下記一般式(8)で表される化合物のような種々の化合物の混合物である。
Figure 2009007506
[式中、Zはh価の(f)の残基(ただしhは2以上の整数);Tは(c)の残基(ただし、エチレン性不飽和基を有する。);A1はq1価のポリオール〔(b)、又は(b)と(f)からのOHプレポリマー〕の残基、A2はq2価のポリオール〔(b)、又は(b)と(f)からのOHプレポリマー〕の残基(ただしq1、q2は2以上の整数);Xは、単結合、O、S、または
Figure 2009007506
;T’はH又は炭素数1〜12のアルキル基;cは1又はそれ以上の整数;jは1以上の整数である。ただしq1−g≧0、h−j−1≧0である。なお、OH基の合計は2以上である。]
すなわち、1個の(b)と1個の(c)が1個の(f)を介して結合したもの、複数の(c)が各々1個の(f)を介して1個の(b)と結合したもの、複数の(f)を介して合計3個以上の(b)及び(c)が結合したものなどを含有する。また、これら以外の副生物として、(b)同志が(f)を介して結合したもの(不飽和基を持たない含窒素結合含有ポリオール)、(c)同志が(f)を介して結合したもの(水酸基を持たない含窒素結合含有不飽和化合物)が形成されることがあり、未反応の(b)や(c)を含むこともある。
この混合物はそのまま分散剤として使用し得るが、不飽和基を持たない含窒素結合含有ポリオールや水酸基を持たない含窒素結合含有不飽和化合物の含量が少ないものが好ましく、さらに除去しうるこれらの不純物を除去した後に適用することもできる。
また、(D2)中の不飽和基は、ポリオールの分子鎖の末端または末端近傍に位置しているため、モノマーと共重合しやすい。
(D2)は、下記式(7)によって求められる、1分子中の(f)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値:Kが0.1〜0.4となるような割合で、(b)、(c)及び(f)を反応させたものである。
H=[(c)のモル数×(c)の不飽和基数]/[(f)のモル数×(f)のNCO基数](7)
Hの値は、さらに好ましくは0.1〜0.3であり、とくに好ましくは0.2〜0.3である。Hの値が上記範囲内であると、ポリマーポリオールの分散安定性がとくに良好となる。
(D2)を用いる場合の(D2)の使用量(重量%)は、分散性及びポリマーポリオールの粘度の観点から、(E)の重量に基づいて、好ましくは2〜20%、さらに好ましくは4〜15%、特に好ましくは6〜10%である。
エチレン性不飽和モノマー(E)を重合させる際に、さらに希釈溶媒(C)の存在下で重合させることが好ましい。
ラジカル重合においては、必要により希釈溶媒(C)を使用してもよい。
(C)としては、芳香族炭化水素(C6〜10、例えばベンゼン、トルエン、キシレン);飽和脂肪族炭化水素(C5〜15、例えばヘキサン、ヘプタン、ノルマルデカン);不飽和脂肪族炭化水素(C5〜30、例えばオクテン、ノネン、デセン);脂環式炭化水素(C5〜20、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン)およびその他公知の溶媒(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)等が使用できる。これらのうちポリマーポリオール(A)の粘度の観点から好ましいのは飽和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素および芳香族炭化水素である。
(C)の使用量(重量%)は、(E)の重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは0.1〜50、さらに好ましくは1〜40である。(C)は重合反応終了後に(A)中に残存してもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から重合反応終了後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
また、ラジカル重合においては必要により連鎖移動剤(G)を使用してもよい。(G)としては脂肪族チオール(C1〜20、例えばn−ドデカンチオール、メルカプトエタノール)等種々の連鎖移動剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)が使用できる。
(G)の使用量(重量%)は、(E)の重量に基づいて、(A)の粘度およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
ポリマーポリオールの製造方法には、バッチ式重合法および連続重合法等といった種々の(例えば特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報に記載のもの)製造方法が含まれる。バッチ式重合法には、一括重合法、滴下重合法、多段一括重合法等;また、連続重合法には、多段連続重合法等が含まれる。
本発明のポリマーポリオール(A)を得る製造方法として生産性および粒子径の観点から多段一括重合法および連続重合法が好ましく、さらに好ましくは、連続重合法、つぎにさらに好ましいのは、多段連続重合法である。
多段一括重合法とは、n回(nは2以上の整数)の重合工程を含むバッチ式重合方法であり、下記(I)〜(III)の工程が含まれる。該製造方法は、(I)〜(III)の工程がこの順序で実施されればよく、各工程が実施される反応容器は同一でも異なっていてもいずれでもよい。
(I)工程:エチレン性不飽和モノマー(E)、ポリオール(PL)、およびさらに必要により分散剤(D)、希釈溶剤(C)を添加後、ラジカル重合開始剤(K)を投入して重合させ、ベースポリマーポリオール(BA1)を得る工程。
(II)工程:得られた(BAi-1)に(E)、さらに必要により(PL)、(D)、(C)を加えて添加後、(K)を投入して重合させ、ベースポリマーポリオール(BAi)を得る工程[iは2〜(n−1)の整数]。なお、(II)の工程はnが2の場合は実施せず、nが3以上の場合に(n−2)回実施して、(II)工程の最後にベースポリマーポリオール(BAn-1)を得る。
(III)工程:得られた(BAn-1)に(E)、さらに必要により(PL)、(D)、(C)を添加後、(K)を投入して重合させ、ポリマーポリオール(A)を得る工程。
n(重合段数)は、重合を行う工程の数であり、上記(I)、(II)および(III)工程における重合工程の合計数である。
nは、粗大粒子含有量低減および生産性の観点から、好ましくは2〜7、さらに好ましくは2〜5、特に好ましくは3〜4である。
本発明におけるポリマーポリオール(A)には、必要により溶媒および難燃剤を添加してもよい。溶媒としては、前述した希釈溶媒(C)と同様の溶媒が使用でき、ポリマーポリオールの粘度等の観点から、不飽和脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素が好ましい。
難燃剤としては、種々の難燃剤(例えば特開2005−162791号公報記載のもの)が使用でき、ポリマーポリオールの粘度の観点から好ましいのは、低粘度(100mPa・s以下/25℃)の難燃剤、さらに好ましいのはトリス(クロロエチル)ホスフェートおよびトリス(クロロプロピル)ホスフェートである。
(A)中の溶媒および難燃剤の使用量(重量%)は、(JR)および(PL)の合計重量に基づいて、それぞれ通常10以下、ポリマーポリオールの粘度、ポリウレタンの難燃性、およびポリウレタンの機械物性の観点から好ましくはそれぞれ0.01〜5、さらに好ましくは0.05〜3である。
本発明におけるポリマーポリオール(A)は、ポリウレタン(ポリウレタンエラストマー、ポリウレタンフォーム等)の製造に使用するポリオールとして用いることができる。すなわち、(A)または(A)を含むポリオール成分(Po)およびポリイソシアネートからなるイソシアネート成分(Is)[以下において(Po)と(Is)からなる組成物をポリウレタン形成性組成物と称することがある。]を、公知の方法(例えば特開2004−263192号公報に記載の方法)等で反応させてポリウレタンを得ることができる。
ポリオール成分(Po)としては、本発明における(A)以外に、ポリウレタンを製造する際の原料として、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりポリオールおよび(A)以外の公知のポリマーポリオールを使用してもよい。
ポリオールとしては、前述したポリオール(PL)等が使用でき、公知のポリマーポリオールとしては、例えば特開2005−162791号公報等記載のポリマーポリオールが使用できる。
ポリオールの使用量(重量%)は、(A)の重量に基づいて、ポリウレタンの機械物性の観点から適宜調整することができるが、好ましくは1〜1,000である。
(A)以外の公知のポリマーポリオールの使用量(重量%)は、(A)の重量に基づいて、ポリウレタンの機械物性、およびポリウレタン製造装置のストレーナや吐出口の目詰まり低減の観点から好ましくは1〜100である。
ポリオール成分(Po)中の(A)の使用量(重量%)は、得られるポリウレタンの機械物性およびポリオール成分の粘度の観点から好ましくは10〜100、さらに好ましくは15〜90、とくに好ましくは20〜80、最も好ましくは25〜70である。
イソシアネート成分(Is)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されている公知のポリイソシアネート(例えば特開2005−162791号公報に記載のもの)等が使用できる。
これらのうちでポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、これらの異性体の混合物、粗製TDI(TDIを精製した際の残留物);4,4'−および2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらの異性体の混合物、粗製MDI(MDIを精製した際の残留物);およびこれらのポリイソシアネートより誘導される、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基またはイソシアヌレート基等を含有する変性ポリイソシアネートである。
ポリウレタンの製造におけるNCO指数[NCO基と活性水素原子との当量比(NCO基/活性水素原子)×100]は、ポリウレタンの機械物性の観点から適宜調整することができるが、好ましくは80〜140、さらに好ましくは85〜120、とくに好ましくは95〜115である。
ポリウレタンの製造に際しては反応を促進させるため、ウレタン化反応に使用される種々の触媒(例えば特開2005−162791号公報に記載のもの)をポリウレタン形成性組成物に含有させることができる。触媒の使用量(重量%)は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて通常10以下、好ましくは0.001〜5である。
また、ポリウレタンの製造に際し、種々の発泡剤(例えば特開2006−152188号公報に記載のもの)[水、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、メチレンクロライド等]をポリウレタン形成性組成物に含有させて、ポリウレタンフォームとすることができる。発泡剤の使用量(重量%)は、ポリウレタンフォームの所望の密度により変えることができ、特に限定はされないが、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて通常20以下である。
ポリウレタンフォームを製造する場合、さらに必要により整泡剤をポリウレタン形成性組成物に含有させることができる。 整泡剤としては種々の整泡剤(例えば特開2005−162791号公報に記載のもの)が使用でき、ポリウレタンフォーム中のセル径の均一性の観点から好ましいのはシリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)である。
整泡剤の使用量(重量%)は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて通常5以下、好ましくは0.01〜2である。
ポリウレタンの製造において、さらに必要により難燃剤をポリウレタン形成性組成物に含有させることができる。難燃剤としては種々のもの(特開2005−162791号公報に記載のもの、例えばメラミン、リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル、ホスファゼン)が挙げられる。
難燃剤の使用量(重量%)は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて通常30以下、好ましくは0.01〜10である。
ポリウレタンの製造においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに必要により反応遅延剤、着色剤、内部離型剤、老化防止剤、抗酸化剤、可塑剤、殺菌剤および充填剤(カーボンブラックを含む)からなる群から選ばれる少なくとも1種のその他の添加剤をポリウレタン形成性組成物に含有させることができる。
ポリウレタンの製造は種々の方法(例えば特開2005−162791号公報に記載の方法)で行うことができ、ワンショット法、セミプレポリマー法およびプレポリマー法等が挙げられる。
ポリウレタンの製造には従来から用いられている製造装置(低圧あるいは高圧の機械装置等)を用いることができる。無溶媒の場合は、ニーダーやエクストルーダー等の装置を用いることができる。また、非発泡または発泡ポリウレタンを製造する際には、閉鎖モールドまたは開放モールドを用いることができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において、%、部および比は、特に断りのない限り、それぞれ、重量%、重量部および重量比を示す。
実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次のとおりである。
(1)ポリオール
ポリオール(PL−1):ペンタエリスリトールにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=32、末端EO単位含量=12%、1級水酸基の比率80モル%のポリオール
ポリオール(PL−2):グリセリンにPO−EO−POの順にブロック付加させた、水酸基価=56、内部EO単位含量=5%、1級水酸基の比率2モル%のポリオール
ポリオール(PL−3):特開2000−344881号公報に準じて製造したグリセリンにPOを付加させた、水酸基価=56、内部EO単位含量=0%、1級水酸基の比率74%のポリオール{(PL−3)の内、74%が1級水酸基含有分子末端を有するポリオール(PL1)に相当する}
(2)ラジカル重合開始剤
k1−1:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔商品名「V−59」、10時間半減期温度67℃、和光純薬工業(株)製〕
k1−2:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔商品名「V−65」、10時間半減期温度51℃、和光純薬工業(株)製〕
k1−3:1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)〔商品名「V−40」、Th:88℃、和光純薬工業(株)製〕
k2−1:t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート〔商品名「パーヘキシルI」、Th:95℃、水素引抜能19%、日本油脂(株)製〕
k2−2:ジ−t−ヘキシルパーオキサイド〔商品名「パーヘキシルD」、Th:116℃、水素引抜能19%、、日本油脂(株)製〕
k2−3:1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン〔商品名「パーヘキサHC」、Th:87℃、水素引抜能10%、日本油脂(株)製〕
k2−4:t−ブチルパーオキシラウレート〔商品名「パーブチルL」、Th:98℃、水素引抜能30%、日本油脂(株)製〕
k2−5:ジベンゾイルパーオキサイド〔商品名「ナイパーBW」、Th:70℃、水素引抜能17%、日本油脂(株)製〕
k2−6:2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン〔商品名「パーテトラA」、Th:95℃、水素引抜能35%、日本油脂(株)製〕
(2)その他のエチレン性不飽和モノマー(e)
e4−1:アリルアルコールにPOを付加させたポリオキシアルキレンエーテル(水酸基価301、Mn186)
e4−2:ヒドロキシエチルメタクリレートにPOを付加させたポリオキシアルキレンエーテル(水酸基価149、Mn376)
(3)分散剤
D−1:ACNとStとの重量比がACN:St=70:30であるMwが600,000のACN−St共重合オリゴマー型非反応性分散剤{このオリゴマー型分散剤を含有量が10重量%となるようにポリオール(PL−2)に混合して使用した。この混合物の水酸基価=29.0}
D−2:特開2002−308920号公報の製造例1に記載の分散剤{ポリオール(PL−3)と2−ヒドロキシエチルメタクリレートをTDIでジョイントして得られる、水酸基価=20、不飽和基数/含窒素基結合基数=0.22/1の反応性分散剤}
(4)ポリイソシアネート
TDI−80:商品名「コロネートT−80」〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(5)触媒
触媒A:商品名「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)〔日東化成(株)製〕
触媒B:商品名「DABCO」(トリエチレンジアミン)〔日本乳化剤(株)製〕
(6)整泡剤
商品名「SRX−280A」(ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン)〔東レダウコーニングシリコーン(株)製〕
実施例における測定、評価方法は次のとおりである。
<重合体粒子(JR)の含有量:(PC)>
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール50gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式(9)で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。

重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1) (9)
<重合率>
重合率は、仕込みモノマー量に対する各モノマーの残存モノマー含量から算出し求めた。残存モノマー含量は、ガスクロマトグラフ法により、内部標準物質に対する面積比から算出した。具体的な分析方法はスチレンを例に以下に示す。

重合率[重量%]
=100−100×[(残存スチレン含量[%] /(原料中のスチレン仕込量[%]))

残存スチレン含量[%]=L/M ×(内部標準物質に対するファクター)
L=(残存スチレンのピーク面積)/(ポリマーポリオールの重量[g])
M=(内部標準のピーク面積)/(内部標準の重量[g])

内部標準物質に対するファクターは、内部標準物質と同重量にした際の各モノマーのピーク面積を内部標準物質のピーク面積で除したものである。
ガスクロマトグラフの測定条件(スチレンの場合)
ガスクロマトグラフ :GC−14B〔(株)島津製作所製〕
カラム :内径4mmφ、長さ1.6m、ガラス製
カラム充填剤 :ポリエチレングリコール20M〔信和化工(株)製〕
内部標準物質 :ブロモベンゼン〔ナカライテスク(株)製〕
希釈剤 :ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1級〔和光純
薬(株)製〕
インジェクション温度 :200℃
カラム温度 :110℃
昇温速度 :5℃/min
カラムファイナル温度 :200℃
試料注入量 :1μl
<1級水酸基比率>
(測定方法)
試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加してよく振り混ぜ25℃で約5分間静置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。この分析用試料を1H−NMRで測定する。
ここでの重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
(1級水酸基比率の計算方法)
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されることから、末端水酸基の1級OH化率は下式により算出する。
1級水酸基比率(モル%)=[r/(r+2s)]×100
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
<ろ過性>
ポリマーポリオール300gを循風乾燥機にて70℃に加温する。ろ過面の大きさに裁断した目開き0.045mmの工業用織金網(JIS G3556)をろ過面の直径が96mmのブフナー漏斗にアルミテープで固定する。ブフナー漏斗をろ過鐘の上部口に固定し、真空ポンプと直結する。温調したポリマーポリオールを30秒間以内にブフナー漏斗の金網面上にあけ、真空ポンプ〔型番TSW−300、佐藤真空(株)製〕を作動させた。真空ポンプを作動させた時点から計時を開始し、一部金網面が見えるまでの時間をろ過時間とした。ろ過した後のポリマーポリオールの重量を測定し、これを(W4)とする。次式(10)で算出した値を、ろ過性とする。

ろ過性(g/s・cm2)
=(W4)(g)÷[ろ過時間(秒)×ろ過面積〔72.4cm2〕] (10)
<粘度>
ポリマーポリオールを、BL型粘度計〔東京計器(株)製〕を用いて、3号ローター、12rpmもしくは6rpm、25℃の条件にて測定する。
<粗大粒子含有量>
ポリマーポリオール約300gを1Lのビーカーに精秤しポリマーポリオール重量(W1)とする。これに、あらかじめ目開き0.10mmの工業用織金網(JIS G3556、以下同じ。)で濾過し異物を除去しておいたメタノール300gを加え均一液とする。均一液を目開き0.10mmの工業用織金網にて濾過し、金網上に残留した異物を、予め異物を除去しておいたメタノール300gで洗浄する。洗浄した異物を循風乾燥機内で70℃×30分間乾燥した後、乾燥した異物の重量を測定し、これを異物重量(W3)とする(小数点以下4桁までの精度で秤量。単位g)。次式(11)で算出した値を、ポリマーポリオール中の0.10mm以上の粒子径を有する重合体粒子の含有量(以下、粗大粒子含有量と略記)とする。

粗大粒子含有量(重量ppm) =(W3)×100/(W1) (11)
<ポリマーポリオールの白色度>
ポリマーポリオールを、色彩色差計〔コニカミノルタホールディングス(株)製〕を用いて測定する。
<評価>
ポリマーポリオールの白色度およびポリウレタンフォームの物性を次の基準で評価し判定した。
☆ 白色度が3以下であり、フォーム物性良好
◎ 白色度が3より大きく、4.5以下であり、フォーム物性良好
○ 白色度が4.5より大きく、5.5以下であり、フォーム物性良好
△ 白色度が5.5より大きく、6.0以下であり、フォーム物性良好
× 白色度が6.0より大きく、またはフォーム物性不良
実施例1
温度調節器、バキューム撹拌翼、滴下ポンプ、ジムロート冷却管を備えた1.5Lの4口フラスコに、(PL−1)307部、(D−2)4部、キシレン76部を投入し、窒素雰囲気下撹拌しながら表1の重合温度まで昇温した。次いで(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、ACN136部、スチレン317部、(e4−1)31.6部、ジビニルベンゼン1.36部、(D−2)41.3部、(k1−1)4.8部、(k2−1)2.4部を均一混合した原料混合液を滴下ポンプを用いてで180分かけて連続的に滴下し、表1の重合温度にて重合させポリマーポリオール中間体(AH−1)を得た。(AH−1)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、減圧下ストリッピングして、ポリマーポリオール(A−1)を得た。前記の測定、評価方法で(A−1)を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(e4−1)31.6部、(D−2)41.3部の代わりに、(PL−1)170.1部、(e4−2)31.6部、(D−1)41.3部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−2)を得た。(A−2)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(e4−1)31.6部の代わりに、(PL−1)201.7部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−3)を得た。(A−3)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(e4−1)31.6部、(k2−1)2.4部の代わりに、(PL−1)201.7部、(k2−2)2.4部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−4)を得た。(A−4)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(e4−1)31.6部、(k1−1)4.8部、(k2−1)2.4部の代わりに、(PL−1)201.7部、(k1−2)4.8部、(k2−2)2.4部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−5)を得た。(A−5)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(e4−1)31.6部、(k1−1)4.8部、(k2−1)2.4部の代わりに、(PL−1)201.7部、(k1−2)4.8部、(k2−3)2.4部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−6)を得た。(A−6)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
実施例7
連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し、直列に配置する。1槽目および2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(PL−1)2000部を充液し、表1の重合温度に昇温した。ついで、(PL−1)364.5部、(PL−3)19.2部、ACN68.0部、St158.4部、ジビニルベンゼン0.68部、キシレン68.8部、(e4−1)15.8部、(D−2)45.3部、(k1−1)2.40部および(k2−4)1.20部の原料混合液(G1−1)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、145部/分の速度で1槽目の反応容器へ連続的に送液した。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた反応液(Z1−1)は145部/分の速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。(PL−1)88.7部、(PL−3)4.67部、ACN68.0部、St158.4部、ジビニルベンゼン0.68部、キシレン68.8部、(e4−1)15.8部、(k1−1)2.40部および(k2−4)1.20部の原料混合液(G1−2)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、65部/分の速度で2槽目の反応容器へ連続的に送液した。この操作を連続的に行い、2槽目の重合槽からオーバーフローさせた反応液の(Z1−2)をSUS製の受け槽にストックして、表1の重合温度にて重合させポリマーポリオール中間体(AH−7)を得た。(AH−7)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール(A−7)を得た。前記の測定、評価方法で(A−7)を評価した。結果を表1に示す。
実施例8
連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を3槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し、さらに2槽目のオーバーフローラインを3槽目の重合槽の入口と接続し、直列に配置する。1槽目、2槽目および3槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(PL−1)2000部を充液し、表1の重合温度に昇温した。ついで、(PL−1)335.0部、(PL−3)17.6部、ACN45.3部、St105.6部、ジビニルベンゼン0.45部、キシレン68.8部、(e4−1)10.6部、(D−2)45.3部、(k1−1)1.60部および(k2−1)0.80部の原料混合液(G2−1)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、120部/分の速度で1槽目の反応容器へ連続的に送液した。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた反応液(Z2−1)は120部/分の速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。(PL−1)59.2部、(PL−3)3.11部、ACN45.3部、St105.6部、ジビニルベンゼン0.45部、キシレン68.8部、(e4−1)10.6部、(k1−1)1.60部および(k2−1)0.80部の原料混合液(G2−2)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、45部/分の速度で2槽目の反応容器へ連続的に送液した。2槽目の重合槽からオーバーフローさせた反応液(Z2−2)は165部/分の速度で3槽目の重合槽へ連続的に送液した。(PL−1)59.2部、(PL−3)3.11部、ACN45.3部、St105.6部、ジビニルベンゼン0.45部、キシレン68.8部、(e4−1)10.6部、(k1−1)1.60部および(k2−1)0.80部の原料混合液(G2−3)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、65部/分の速度で3槽目の反応容器へ連続的に送液した。この操作を連続的に行い、3槽目の重合槽からオーバーフローさせた反応液の(Z2−3)をSUS製の受け槽にストックして、表1の重合温度にて重合させポリマーポリオール中間体(AH−8)を得た。(AH−8)から未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール(A−8)を得た。前記の測定、評価方法で(A−8)を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(k2−1)2.4部の代わりに、(PL−1)172.5部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(R−1)を得た。(R−1)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(k1−1)4.8部、(k2−1)2.4部の代わりに、(PL−1)172.5部(k2−1)4.8部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(R−2)を得た。(R−1)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(k2−1)2.4部の代わりに、(PL−1)170.1部、(k1−3)2.4部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(R−3)を得た。(R−3)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(k2−1)2.4部の代わりに、(PL−1)170.1部、(k2−5)2.4部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(R−4)を得た。(R−4)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
比較例5
実施例1において、原料混合液の作成で(PL−1)146.2部、(PL−3)23.9部、(k2−1)2.4部の代わりに、(PL−1)170部、(k2−6)2.4部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(R−5)を得た。(R−5)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009007506
実施例9〜16、比較例6〜10 [ポリウレタンフォームの製造]
実施例1〜8で得られたポリマーポリオール(A−1〜A−8)および比較例1〜5で
得られた比較のポリマーポリオール(R−1〜R−5)を使用し、表2記載の配合比で、以下に示す発泡処方によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォームの物性を下記の方法により評価した。結果を表2に示す。
<発泡処方>
〔1〕 ポリマーポリオール、ポリオール(PL−1)およびポリイソシアネートをそれぞれ25±2℃に温度調整した。
〔2〕 ポリマーポリオール、ポリオール(PL−1)、整泡剤、水、触媒の順で容量1Lのステンレス製ビーカーに仕込み、25℃±2℃で撹拌混合し、直ちにポリイソシアネートを加え、撹拌機〔ホモディスパー、特殊機化(株)製〕を用いて撹拌した(撹拌条件:2,000rpm×8秒間)。
〔3〕 撹拌停止後、25×25×10cmの木箱(25℃±2℃)に混合したビーカー内容物を投入して発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。
Figure 2009007506
<フォーム物性の評価方法>
(1)密度(kg/m3):JIS K6400−1997〔項目5〕に準拠。
(2)25%ILD(硬度)(kgf/314cm2):JIS K6382−1995
〔項目5.3〕に準拠。
(3)引張強度(kgf/cm2):JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠。
(4)引裂強度(kgf/cm):JIS K6301−1995〔項目9〕に準拠
(5)切断伸度(%):JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠
(6)圧縮永久歪(%):JIS K6382−1995〔項目5.5〕に準拠。
表1および表2の結果から、実施例1〜8のポリマーポリオールは、比較例1のポリマーポリオールに比べて、重合率が高く、粗大粒子含量が少なく、ろ過性が向上していことがわかる。比較例2のポリマーポリオールは、重合率は高いが、粘度が高いことが分かる。比較例3のポリマーポリオールは、式(2)および水素引抜能を満足しない過酸化物を使用しているので、重合率が低く、粗大粒子含有量が多いことが分かる。比較例4のポリマーポリオールは、水素引抜能は満足するが式(2)を満足しない過酸化物を使用しているため、重合率が低く、粗大粒子含有量が多いことが分かる。比較例5のポリマーポリオールは式(2)は満足するが水素引抜能を満足しない過酸化物を使用しているため、粘度が高く、粗大粒子量が多いことが分かる。さらに、実施例1〜8のポリマーポリオールを用いて得られたポリウレタンフォームは、上記(2)〜(6)の機械物性の評価で比較例1〜5のポリマーポリオールを用いたものに比べて優れており、特に引裂強度が向上することがわかる。
なお、通常ポリウレタンフォームの物性としては、25%ILD、引張強度、引裂強度および切断伸度は数値が大きいほど、また、圧縮永久歪は数値が小さいほど良好であることを表す。

Claims (6)

  1. ポリオール(PL)中で、エチレン性不飽和モノマー(E)をラジカル重合開始剤(K)の存在下で重合させる工程を含む、重合体粒子(JR)を含有するポリマーポリオール(A)の製造方法において、(K)が下記関係式(1)を満たすアゾ化合物および下記関係式(2)を満たし水素引抜能が0〜30%である過酸化物を含んでなることを特徴とするポリマーポリオールの製造方法。
    (Tp−100)≦ Th ≦(Tp−55) (1)
    (Tp−50)≦ Th ≦(Tp+20) (2)
    [式中、Tpは重合温度(℃)、Thはラジカル重合開始剤の10時間半減期温度(℃)を表す。]
  2. (E)のうち、0.01〜10重量%が、水酸基を有する不飽和化合物(炭素数3〜24)の(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8)エーテルである請求項1に記載の製造方法。
  3. 重合させる工程において、さらに分散剤(D)を存在させ、該(D)が下記(D1)および/または(D2)である請求項1または2に記載の製造方法。
    (D1)重量平均分子量が500,000〜800,000のビニルオリゴマー。
    (D2)飽和のポリオール(b)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物(c)が、ポリイソシアネート(f)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。
  4. 重合させる工程において、さらに希釈溶媒(C)を存在させ、該(C)が脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素および芳香族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 重合体粒子(JR)の含有量が、ポリマーポリオール(A)の重量に基づいて35〜60%である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させてポリウレタンを製造する方法において、ポリオール成分が請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で得られるポリマーポリオールをポリオール成分の重量に基づいて10〜100%含有することを特徴とするポリウレタンの製造方法。
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WO2011043299A2 (ja) 2009-10-09 2011-04-14 サンノプコ株式会社 消泡剤

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