JP5415121B2 - ポリマーポリオール及びポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマーポリオールの製造方法及びポリウレタン樹脂の製造方法に関する。
ポリオール中でエチレン性不飽和化合物を重合して得られる重合体組成物や混合物は、一般にポリマーポリオールと称され、ポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマー等のポリウレタン樹脂の原料として広く使用されている。近年、切断伸度等の機械物性の更なる向上を目的に、平均粒子径の小さいポリマーポリオールが望まれている。粒子径が小さいポリマーポリオールの製造方法としては、使用するエチレン性不飽和化合物の一部として使用するアクリロニトリルの比率を高めて製造する方法(特許文献1参照)があり、第1ステップの重合で予備形成されたサブミクロン粒子からなるシード分散体を用意し、第2ステップでシード分散体にモノマーを添加し所望の重合体濃度とするプロセスが記されている。また、あらかじめ予備形成されたサブミクロン粒子を核に粒子を得る製造方法が知られている(特許文献2参照)。
特開平6−172462号公報 特開平9−309937号公報
しかしながら、特許文献1の方法で得られたポリマーポリオールを用いると、スラブフォーム用途では重合体粒子中のアクリロニトリル比率が高いためにスコーチを起こしやすく、特許文献2の方法で得られたポリマーポリオールでは、小粒子径を得るために重合場となるポリオール中に結合ポリオールと呼ばれるポリオールをイソシアネートでジョイントした高分子量ポリオールを多量に使用するため、ポリマーポリオールの粘度が高く、得られるポリウレタン樹脂(例えばポリウレタンフォーム)の機械物性(切断伸度等)が不十分となる。
本発明者らは、上記の問題点を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明のポリマーポリオールの製造方法は、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させて得られるポリマー粒子(B)及びポリオール(A)を含んでなるポリマーポリオールの製造方法であって、ポリオール(A)、水及び分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させる工程を含んでなることを要旨とする。
また、本発明のポリウレタン樹脂の製造方法は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させて、ポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として本発明のポリマーポリオールの製造方法により得られるポリマーポリオール(I)を用いることを要旨とする。
本発明の製造方法によれば、粒子径が十分小さく、低粘度のポリマーポリオールが得られる。この得られたポリマーポリオールを使用した本発明のポリウレタン樹脂の製造方法により得られるポリウレタン樹脂は、切断伸度等の機械強度に優れる。
本発明において、エチレン性不飽和化合物(b)としては、不飽和ニトリル(b1)、芳香環含有モノマー(b2)、(メタ)アクリル酸エステル(b3)、水酸基を有する不飽和化合物のポリオキシアルキレンエーテル(b4)、その他のエチレン性不飽和化合物(b5)、及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
(b1)としては、アクリロニトリル(以下、ACNと略す)及びメタクリロニトリル等が挙げられる。
(b2)としては、スチレン(以下、Stと略す)、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロルスチレン等が挙げられる。
(b3)としては、炭素(以下、Cと略す)、水素(以下、Hと略す)、及び酸素(以下、Oと略す)原子のみで構成されるものが挙げられ、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート及びドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数(以下、C数と略す)が1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基のC数2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、以下の記載においても同様である。
(b4)としては、α−アルケニル基含有化合物及び水酸基を有する不飽和エステルのアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)付加物が含まれる。α−アルケニル基含有化合物のAO付加物としては、C数3〜24の末端不飽和アルコールのAO付加物が挙げられ、末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール及び1−ヘキセン−3−オール等が挙げられる。水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物としては、C数3〜24の水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物が挙げられ、水酸基を有する不飽和化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。粒子安定性の観点から、好ましいのはアリルアルコールのAO付加物及びヒドロキシアルキル(C数2〜12)(メタ)アクリレートのAO付加物である。
(b4)のオキシアルキレン単位の数は、粒子安定性の観点から1〜9が好ましく、さらに好ましくは1〜5、次にさらに好ましくは1〜3である。上記AOとしては、後述のポリオール(A)の項において、活性水素含有化合物に付加させるAOとして例示するものと同様のものが挙げられる。粒子安定性の観点から、好ましくは、プロピレンオキサイド(以下、POと略す)及び/又はエチレンオキサイド(以下、EOと略す)である。
(b4)の数平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による。特に記さない限り以下の数平均分子量についても同じ〕は、170〜480が好ましく、さらに好ましくは180〜450、特に好ましくは182〜420、最も好ましくは185〜400である。数平均分子量が170以上であると、ポリマーポリオールの粘度が低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタン樹脂の硬度も良好である。(b4)の数平均分子量が480以下であると、それを用いて得られるポリウレタン樹脂の硬度が良好である。
(b4)の不飽和基の数は、平均1個以上有すればよい。ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜2個、とくに好ましくは1個である。
上記以外の、その他のエチレン性不飽和化合物(b5)としては、(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸等のビニル基含有カルボン酸及びその誘導体;エチレン及びプロピレン等の脂肪族炭化水素系モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート及びパーフルオロオクチルエチルアクリレート等のフッ素含有ビニル系モノマー;ジアミノエチルメタクリレート及びモルホリノエチルメタクリレート等の上記以外の窒素含有ビニル系モノマー;ビニル変性シリコン;ノルボルネン、シクロペンタジエン及びノルボルナジエン等の環状オレフィン化合物;等が挙げられる。
さらに(b)中に少量の上記以外の2官能以上の多官能モノマー(b6)を用いることにより、ポリマーポリオールの分散安定性をさらに向上させることができる。多官能モノマーとは、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、国際公開WO01/009242号公報に記載の数平均分子量が500以上の不飽和カルボン酸とグリコールとのエステル、及び不飽和アルコールとカルボン酸のエステル等が挙げられる。
本発明において、(b)中の(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、(b5)及び(b6)の重量比率は特に限定無く、本発明によれば、モノマーの組成にかかわらず良好なポリマーポリオールを得ることができるが、要求されるポリウレタンの物性等に応じて適宜変えることができる。
耐スコーチ性の点から、不飽和ニトリル(b1)(特にACN)の含有量(重量%)は、(b)の重量を基準として、好ましくは50以下、さらに好ましくは15〜40である。
また、芳香環含有モノマー(b2)(特にSt)の含有量(重量%)は、ポリマーポリオール中のポリマー粒子の小粒子径化の観点から、(b)の重量を基準として、好ましくは99.5以下、さらに好ましくは20〜90、特に好ましくは35〜80である。
これら以外のモノマーの(b)中の含有量(重量%)は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、(b)の重量を基準として、(b3)は好ましくは0〜30、さらに好ましくは0〜20である。(b4)は好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。(b5)は好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。(b6)は好ましくは0.01〜0.7、より好ましくは0.05〜0.4である。
本発明におけるポリマー粒子(B)は、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させて得られるポリマー粒子である。
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合及びディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
(B)の形状は特に限定なく、球状、回転楕円体状及び平板状等いずれの形状でもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から、球状が好ましい。
(B)の体積平均粒子径(μm)は、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタン物性の観点から、0.2〜1.5が好ましく、さらに好ましくは0.25〜1.2、特に好ましくは0.3〜1.1である。なお、体積平均粒子径は、後述する方法により測定される。
ポリオール(A)は、ポリマーポリオールの製造に用いられる公知(特開2007−191682号公報等)のポリオールが使用できる。例えば、少なくとも2個(ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは2〜8個)の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸及びリン酸等)にAOを付加した構造の化合物(a1)及びこれらの混合物が挙げられる。ポリウレタン製造時の生産性の観点から、これらのうちで好ましいものは、多価アルコールにAOが付加された構造の化合物である。
活性水素を含有する化合物に付加させるAOとしては、ポリウレタン樹脂の物性の観点からC数2〜8のものが好ましく、EO、PO、1,2−、1,3−、1,4−及び2,3−ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する。)、スチレンオキサイド(以下、SOと略記する。)等及びこれらの2種以上の併用(ブロック及び/又はランダム付加)が挙げられる。ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは、PO単独又はPOとEOとの併用(EO含量が25重量%以下)である。
上記ポリオ−ルの具体例としては、公知(特開2007−191682号公報等)のものが挙げられ、上記活性水素含有化合物にPOを付加したもの及びPOと他のAOを下記の様式で付加したもの、又はこれらの付加したものとポリカルボン酸若しくはリン酸とのエステル化物等が挙げられる。
(1)PO−AOの順序でブロック付加したもの
(2)PO−AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
(3)AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
(4)PO−AO−POの順序でブロック付加したもの
(5)PO及びAOを混合付加したランダム付加物
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダム又はブロック付加したもの
また、(a1)の水酸基当量は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、200〜4,000が好ましく、さらに好ましくは400〜3,000である。2種以上の(a1)を併用して水酸基当量がこの範囲内としたものも好ましい。
ポリオール(A)としては、さらに、他のポリオール(a2)及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリオール(A)として、前記(a1)と共に他のポリオール(a2)を併用することもできる。この場合、(a1)/(a2)の使用比率(重量比)は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、100/0〜80/20が好ましい。
(a2)としては、公知(特開2007−191682号公報等)のものが挙げられ、ポリエステルポリオール、ジエン系ポリオール及びその水素添加物、水酸基含有ビニル重合体、天然油系ポリオール、天然油系ポリオールの変性物等の高分子ポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
これらの他のポリオール(a2)は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、2〜8個の水酸基を有することが好ましく、さらに好ましくは3〜8個である。(a2)の水酸基当量は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、500〜4,000が好ましく、さらに好ましくは700〜3,000である。
ポリオール(A)の数平均分子量は、1,500以上が好ましく、さらに好ましくは1,500〜15,000、特に好ましくは1,800〜12,000、最も好ましくは2,000〜9,000である。数平均分子量が1,500以上であるとポリウレタンフォームの発泡性の面で好ましく、15,000以下であると低粘度となりポリマーポリオールの取り扱い性の面で好ましい。また(A)の水酸基当量は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは500〜4,000、さらに好ましくは700〜3,000である。
SP値が13.8以上である溶剤(C)としては、アセトアミド(SP値14.8)等のアミド化合物、並びにプロピレングリコール(SP値15.9)、エチレングリコール(SP値17.8)及び水(SP値23.4)等の水酸基含有化合物が挙げられる。
これらの溶媒(C)のうちで、製造されるポリマー粒子(B)の小粒子径化の観点及びポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、水が好ましい。
なお、SP値とは、下記に示す通り凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。

SP値=(△E/V)1/2

ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
溶剤(C)のSP値は、ポリマー粒子(B)の小粒子径化の観点及びポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、13.8〜30が好ましく、さらに好ましくは14.5〜28、次にさらに好ましくは14.8〜23.4である。
なお、本発明においては、後述する希釈剤(L)に使用するその他の公知の溶剤等であっても、SP値が13.8以上である溶剤(C)に該当するものは、(C)として取り扱うものとする。
(C)の使用量(重量%)は、ポリマー粒子の体積平均粒子径及びウレタン樹脂の機械物性の観点から、(b)の重量を基準として、1〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜30、次にさらに好ましくは1〜20、特に好ましくは2〜20、最も好ましくは3〜20である。
本発明のポリマーポリオールの製造方法は、SP値が13.8以上である溶剤(C)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させる工程を含んでなる。
重合方法としては、前述の方法が挙げられ、好ましいものも同様である。
ラジカル重合は、種々の方法、例えばラジカル重合開始剤(K)の存在下に重合させる方法(例えば米国特許第3383351号等に記載の方法)等が使用できる。
ラジカル重合開始剤(K)としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、公知(特開2007−191682号公報等)のものが含まれ、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物及び無機過酸化物等が挙げられる。尚、これらは2種以上を併用することができる。
ラジカル重合開始剤(K)の使用量(重量%)は、(b)の重量に基づいて、好ましくは0.05〜20、さらに好ましくは0.1〜5、とくに好ましくは0.2〜1.5である。(K)の使用量がこの範囲であると、ポリマーポリオール中の(b)の重合率が十分高くなり、また、分子量も大きくなるため、ポリウレタンフォームにした際に十分なフォーム圧縮硬さや切断伸度が得られる面で優れている。
本発明のポリマーポリオールの製造方法において、重合温度(℃)は、生産性及びポリオールの分解防止の観点から、100〜200が好ましく、さらに好ましくは110〜180、特に好ましくは120〜160である。
本発明のポリマーポリオールの製造方法においては、(b)を重合させる工程において、ポリマー粒子(B)の小粒子径化の観点及びポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、さらにポリオール(A)の存在下で行うことが好ましい。
本発明のポリマーポリオールの製造方法においては、(b)を重合させる工程において、ポリマー粒子(B)の小粒子径化の観点及びポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、さらに分散剤(D)の存在下で行うことが好ましい。
分散剤(D)としては、ポリマーポリオールで使用されている公知の分散剤(特開2005−162791号公報等に記載のもの)等を使用することができ(D)には、(b)と共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤、及び(b)とは共重合しない非反応性分散剤が含まれる。
例えば、〔1〕エチレン性不飽和基含有変性ポリエーテルポリオール(例えば特開平08−333508号公報)等のポリオールとエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの分散剤;〔2〕ポリオールとの溶解度パラメーターの差が1.0以下のポリオール親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物からのポリマーとの溶解度パラメーターの差が2.0以下のポリマー親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば特開平05−059134号公報)等のポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの分散剤;〔3〕ポリオールの水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライド及び/又はエチレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(例えば特開平07−196749号公報)等の高分子量ポリオールタイプの分散剤;〔4〕数平均分子量が100,000〜1,000,000であり、その少なくとも一部がポリオールに可溶性であるビニル系オリゴマー、及びこのオリゴマーと上記〔1〕のエチレン性不飽和基含有変性ポリエーテルポリオールを併用する分散剤(例えば特開平09−77968号公報)等のオリゴマータイプの分散剤(後述する(D1)を含む);〔5〕ポリオールと、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤(例えば特開2002−308920号公報に記載のもの)等の反応性分散剤(後述する(D2)を含む)等が挙げられる。
これらの中でポリマー粒子(B)の粒子径の観点から、好ましいものは〔1〕、〔4〕及び〔5〕のタイプであり、さらに好ましくは下記(D1)及び(D2)である。
(D1)数平均分子量が1,000〜1,000,000のビニルオリゴマー。
(D2)飽和のポリオール(f)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物(g)が、ポリイソシアネート(h)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。
(D1)はエチレン性不飽和化合物を重合して得られるビニルオリゴマーである。(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物は、前述したエチレン性不飽和化合物(b)と同様のものが使用できる。
これらの内で、ポリマー粒子(B)の粒子径の観点から、(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物の少なくとも一部が、ポリマー粒子を構成しているエチレン性不飽和化合物(b)と同じであることが好ましく、さらに好ましくは(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物の30重量%以上が(b)と同じであり、次にさらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
(D1)の数平均分子量(以下、Mnと略す)は、ポリマー粒子の粒子径の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン基準で、1,000〜1,000,000であり、好ましくは1,500〜950,000、さらに好ましくは10,000〜900,000である。また、(D1)は、ポリマー粒子の粒子径の観点から、ポリオール(A)に可溶性[(D1)と(A)の合計重量に基づき5重量%の(D1)を(A)に均一混合した混合物のレーザー光の透過率が10%以上]であることが望ましい。
(D1)の製造は、数平均分子量が1,000〜1,000,000となるよう重合度を調節する点を除いて、通常のエチレン性不飽和化合物の重合方法で行うことができる。例えば必要により溶媒中で、エチレン性不飽和化合物(b)を後述のラジカル重合開始剤(K)の存在下に重合させる方法である。また、(D1)はポリオール(A)中で(b)を重合させて得られるものでもよく、この場合の重合濃度は1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜20重量%である。重合で得られたものを精製処理することなくそのままポリマーポリオールの製造に使用してもよい。ラジカル重合開始剤は比較的多量に使用され、例えば全エチレン性不飽和化合物の重量に基づいて好ましくは2〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
また、必要により連鎖移動剤の存在下、例えば、アルキルメルカプタン(ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等)、アルコール(イソプロピルアルコール、メタノール、2−ブタノール等)、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム等)及び特開昭55−31880号公報記載のエノールエーテルの存在下に重合を行うことができる。重合はバッチ式でも連続式でも行うことができる。重合反応は、ラジカル重合開始剤の分解温度以上(50〜250℃が好ましく、さらに好ましくは80〜200℃、特に好ましくは100〜180℃)で行うことができ、大気圧下又は加圧下においても行うことができる。
(D2)は、飽和のポリオール(f)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(g)が、ポリイソシアネート(h)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオールである。
(D2)を構成する(f)としては、前記(A)として例示したものと同様のものが使用できる。(f)と(A)とは同一であっても異なっていてもよい。
(f)の1分子中の水酸基の数は、少なくとも2個、分散安定性の観点から、好ましくは2〜8個、さらに好ましくは3〜4個であり、(f)の水酸基当量は、分散安定性の観点から、1,000〜3,000が好ましく、さらに好ましくは1,500〜2,500である。
(D2)を得るのに用いる(g)は、1個の活性水素含有基と少なくとも1個の重合性不飽和基を有する化合物である。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基及びSH基等があるが、粒子安定性の観点から、特に水酸基が好ましい。
(g)のエチレン性不飽和基はポリマー組成に組み込まれやすい観点から、重合性二重結合が好ましく、また1分子中のエチレン性不飽和基の数は1〜3個が好ましく、特に1個が好ましい。即ち、(g)として好ましいものは、重合性二重結合を1個有する不飽和モノヒドロキシ化合物である。
上記不飽和モノヒドロキシ化合物としては、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素、不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステル、不飽和2価アルコールとモノカルボン酸とのモノエステル、アルケニル側鎖基を有するフェノール及び不飽和ポリエーテルモノオール等が挙げられる。
モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素としては、C数3〜6のアルケノール、例えば(メタ)アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール及び3−ブテン−1−オール等;アルキノール、例えばプロパギルアルコールが挙げられる。尚、上記において「(メタ)アリル・・・」は、「アリル・・・」及び/又は「メタアリル・・・」を意味する。以下同様である。
不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びイタコン酸等のC数3〜8の不飽和モノカルボン酸と、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のC数2〜12の2価アルコール)とのモノエステルが挙げられ、その具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート及び4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。
不飽和2価アルコールとモノカルボン酸のモノエステルとしては、例えば、ブテンジオールの酢酸モノエステル等の、C数3〜8の不飽和2価アルコールとC数2〜12モノカルボン酸とのモノエステルが挙げられる。
アルケニル側鎖基を有するフェノールとしては、例えばオキシスチレン及びヒドロキシα−メチルスチレン等のアルケニル基のC数が2〜8のアルケニル側鎖基を有するフェノールが挙げられる。
不飽和ポリエーテルモノオールとしては、前記モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素の又は前記アルケニル側鎖基を有するフェノールのAO(C数2〜8)1〜50モル付加物〔例えばポリオキシエチレン(重合度2〜10)モノアリルエーテル〕等が挙げられる。
不飽和モノヒドロキシ化合物以外の(g)の例としては、以下のものが挙げられる。
アミノ基又はイミノ基を有する(g)としては、モノ−及びジ−(メタ)アリルアミン並びにアミノアルキル(C数2〜4)(メタ)アクリレート〔アミノエチル(メタ)アクリレート等〕、モノアルキル(C数1〜12)アミノアルキル(C数2〜4)(メタ)アクリレート〔モノメチルアミノエチル−メタクリレート等〕;カルボキシル基を有する(g)としては、前記不飽和モノカルボン酸;SH基を有する(g)としては、前記不飽和モノヒドロキシ化合物に相当する(OHがSHに置き換わった)化合物が挙げられる。重合性不飽和基を2個以上有する(g)の例としては、3価、4〜8価又はそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル又は前記不飽和カルボン酸とのポリエステル〔トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びグリセリンジ(メタ)アクリレート等〕が挙げられる。
分散安定性の観点から、これらのうち好ましい化合物は、C数3〜6のアルケノール、C数3〜8の不飽和モノカルボン酸とC数2〜12の2価アルコールとのモノエステル及びアルケニル側鎖基を有するフェノールであり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、プロピレングリコール又はブチレングリコールとのモノエステル;アリルアルコール;及びヒドロキシα−メチルスチレンであり、特に好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
また、(g)の分子量は特に限定されないが、ポリマーポリオールの粘度の観点から、1,000以下が好ましく、特に好ましくは500以下である。
ポリイソシアネート(h)は、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、芳香族ポリイソシアネート(h1)、脂肪族ポリイソシアネート(h2)、脂環式ポリイソシアネート(h3)、芳香脂肪族ポリイソシアネート(h4)、これらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等)(h5)、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(h1)としては、C数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、C数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略す)、粗製TDI、2,4'−及び/又は4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)との縮合生成物;である主生成物のジアミノジフェニルメタンと副生成物の少量(たとえば5〜20%)の3官能以上のポリアミンとの混合反応物}のホスゲン化物:例えばポリアリルポリイソシアネート(PAPI)等]、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート等が挙げられる。
(h2)としては、C数2〜18の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
(h3)としては、C数4〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
(h4)としては、C数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
(h5)のとしては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI及びひまし油変性MDI等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂の物性の観点から、これらのうちで好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましくは2,4−及び/又は2,6−TDIである。
反応性分散剤(D2)の含窒素結合は、イソシアネート基と活性水素含有基との反応によって生じるものであり、活性水素含有基が水酸基である場合、主にウレタン結合が生成し、アミノ基である場合、主に尿素結合が生成する。カルボキシル基の場合はアミド結合、SH基の場合はチオウレタン結合が生成する。これらの基以外に、他の結合、例えば、ビューレット結合及びアロファネート結合等が生成していてもよい。
この含窒素結合は飽和のポリオール(f)の水酸基とポリイソシアネート(h)のイソシアネート基との反応で生じるものと、不飽和単官能活性水素化合物(g)の活性水素含有基と(h)のイソシアネート基との反応で生じるものとがある。
(D2)は、下記式によって求められる、1分子中の(h)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4となるような割合で、(f)、(g)及び(h)を反応させたものである。
1分子中の(h)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値=
[(g)のモル数×(g)の不飽和基数]/[(h)のモル数×(h)のNCO基数]
1分子中の(h)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値の値は、さらに好ましくは0.1〜0.3であり、とくに好ましくは0.2〜0.3である。不飽和基数の比の平均値の値が上記範囲内であると、ポリマーポリオールの分散安定性が特に良好となる。
本発明のポリマーポリオールの製造方法において、(D)の使用量(重量%)は、(b)の重量に基づいて、ポリマー粒子(B)の粒子径の観点及び得られるポリマーポリオールの粘度の観点から、1〜30が好ましく、さらに好ましくは3〜25、次にさらに好ましくは5〜20である。
溶剤(C)と分散剤(D)との重量比は、ポリマー粒子の体積平均粒子径及びポリマーポリオールの粘度並びにウレタン樹脂の機械物性の観点から、(C):(D)が1:30〜50:1が好ましく、さらに好ましくは1:25〜30:3、次にさらに好ましくは1:20〜20:5、特に好ましくは2:20〜20:6である。
本発明のポリマーポリオールの製造方法においては、(b)を重合させる工程において、ポリマー粒子(B)の小粒子径化の観点及びポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、さらに、芳香環を有する活性水素化合物(d)の存在下で行うことが好ましい。
(d)の数平均分子量は、ポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から、150〜2,000であり、好ましくは300〜1,700、さらに好ましくは500〜1,600である。数平均分子量が150未満又は2,000を超えるとポリマー粒子の体積平均粒子径が大きくなる。
芳香環とは、炭素のみが環を形成した芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)及び炭素と窒素が環を形成した芳香環(ピリジン環等)等が含まれる。
(d)中の芳香環の含有量(重量%)は、ポリマー粒子の体積平均粒子径の観点から、4〜90が好ましく、好ましくは8〜70、さらに好ましくは10〜50である。なお、芳香環の含有量とは、環構造を形成する元素の合計原子量を分子量で割ったものを意味する。
(d)の活性水素は、ポリマー粒子の体積平均粒子径の観点から、(d)の1分子当たり1〜3個が好ましく、さらに好ましくは1〜2個である。
また、(d)の活性水素当量(すなわち、(d)の活性水素当たりの分子量)は、ポリマー粒子の体積平均粒子径の観点から、100〜2,000が好ましく、さらに好ましくは150〜1,700、次にさらに好ましくは250〜1,600である。
(d)としては、芳香環含有エーテル(d1)、芳香環含有エステル(d2)、芳香環含有ウレタン(d3)等が含まれる。
(d1)としては、ビスフェノール等のフェノールにAOを付加した化合物が挙げられる。フェノールとしては、1価のフェノール(クレゾール、ナフトール及びモノスチレン化フェノール等)、2価のフェノール(カテコール、レゾシノール及びビスフェノール等)、及び3価以上のフェノール(ピロガロール等)等が挙げられる。
(d2)としては、フタル酸等の芳香環含有カルボン酸にAOを付加した化合物が挙げられる。芳香環含有カルボン酸としては、1価のカルボン酸(安息香酸、サリチル酸等)、2価のカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸等)、及び3価以上のカルボン酸(メリト酸等)等が挙げられる。
(d3)としては、TDI等の芳香族系イソシアネートとポリオールを重縮合した化合物が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、1価のイソシアネート(フェニルイソシアネート等)、2価のイソシアネート(トリレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネート等)、3価以上のイソシアネート(トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオフォスフェート及びポリメリックMDI等)等が挙げられる。
これらの中で、(d)はポリマーポリオールの粘度の観点から、(d1)が好ましい。
また、(d)は、1個以上の活性水素を有し、水酸基当量及びSP値が式(1)及び式(2)を満たす、活性水素含有化合物(e)のAO付加物(d−1)であることが好ましい。
80≦X≦360 (1)
−0.012×X+14.0≦S≦−0.012×X+17.0 (2)
式中、Xは活性水素含有化合物(e)の水酸基当量、Sは活性水素含有化合物(e)のSP値を表す。
90≦X≦360 (1’)
−0.012×X+14.0≦S≦−0.012×X+16.0 (2’)
95≦X≦340 (1’’)
−0.012×X+14.1≦S≦−0.012×X+15.8 (2’’)
110≦X≦310 (1’’’)
−0.012×X+14.4≦S≦−0.012×X+15.7 (2’’’)
活性水素含有化合物(e)の水酸基当量(X)は、(d)の粘度及び微粒子分散ポリオール中の微粒子の粒子径の観点から式(1)を満たすことが好ましく、さらに好ましくは式(1’)を満たすことであり、次にさらに好ましくは式(1’’)を満たすことであり、特に好ましくは式(1’’’)を満たすことである。
また、微粒子分散ポリオール中の微粒子の粒子径及びポリウレタン樹脂の機械物性の観点から、活性水素含有化合物(e)のSP値と水酸基当量の関係が式(2)を満たすことが好ましく、さらに好ましくは式(2’)を満たすことであり、次にさらに好ましくは式(2’’)を満たすことであり、特に好ましくは式(2’’’)を満たすことである。
水酸基当量(X)は、活性水素含有化合物(e)が有する水酸基の個数と、(e)の分子量により変化する値であり、上記式(1)を満たすように、特定の水酸基の個数と分子量を有する活性水素含有化合物(e)を選択すればよい。
XとSが上記式(2)を満足するためには、(e)が有する水酸基以外のSP値が大きくなる構造又は官能基の数と、SP値が小さくなる構造又は官能基の数を調整すればよい。例えば、Sが(2)式の下限よりも小さい場合には、SP値が10よりも大きな構造又は官能基の数を増やす、あるいは、SP値が10よりも小さな構造又は官能基の数を減らすことで(2)式を満たすように調整できる。また、Sが(2)式の上限よりも大きくなる場合には、SP値が12よりも大きな構造又は官能基の数を減らす、あるいは、SP値が12よりも小さな構造又は官能基の数を増やすことで調整できる。
水酸基当量(X)が式(1)を満たすと、(e)が水酸基、すなわち、AOが付加できる官能基を適量含有することを意味し、この水酸基にAOが付加された構造を有する(d−1)が適度なポリオール(A)との親和性を持つことを意味する。
また、水酸基当量(X)と(e)のSP値(S)が式(2)を満たすと、(e)が、有する水酸基(すなわち、AOが付加できる官能基)の量に応じて、適度なSP値を有することを意味する。すなわち、この関係を満たす(e)にAOが付加された構造を有する(d)がポリオール(A)との親和性に応じて、適度なポリマー粒子(B)への親和性を有することを意味する。
よって、これら式(1)及び(2)を満たす(e)にAOが付加された構造を有する(d−1)は、適切なポリオール(A)との親和性と適切なポリマー粒子(B)との親和性を有し、そのバランスが適切であり、極めて良好なポリマー粒子の分散性を有することを意味する。
(e)の活性水素は、粒子径の観点から、(e)の1分子当たり1〜3個が好ましく、さらに好ましくは1〜2個である。
また、(e)の活性水素当量(すなわち、(e)の活性水素当たりの分子量)は、粒子径の観点から、60〜500が好ましく、さらに好ましくは80〜450、次にさらに好
ましくは100〜400である。
(e)としては、ビスフェノール(e1)、スチレン化フェノール(e2)等が含まれ上述の(d1)のところで記載した、フェノールと同様のものが挙げられる。
(e1)としては、ビスフェノール等、(e2)としては、モノスチレン化フェノール及びジスチレン化フェノール等が挙げられる。
これらの中で、(d)の粘度及びポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から、(e1)が好ましい。
AOは、前述したものと同様のものであり、好ましいものも同様である。
1個以上の活性水素を有し、水酸基当量及びSP値が式(1)及び式(2)を満たす、活性水素含有化合物(e)のAO付加物(d−1)としては、具体的には、(d−1−1)ビスフェノールAO付加物、(d−1−2)スチレン化フェノールAO付加物等が挙げられる。
(d−1−1)としては、ビスフェノールにAOを付加した化合物等、(d−1−2)としては、モノスチレン化フェノールにAOを付加した化合物等が挙げられる。
これらの中で、(d)の粘度及びポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から、(d−1−1)が好ましい。
(d)を使用する場合、(d)の使用量(重量%)は、ポリマー粒子の体積平均粒子径及びウレタン樹脂の機械物性の観点から、(b)の重量を基準として、1〜20が好ましく、さらに好ましくは、1〜15、次にさらに好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜10、最も好ましくは3〜10である。
活性水素含有化合物(d)及び分散剤(D)を使用する場合、(d)と(D)との重量比は、ポリマー粒子の体積平均粒子径及びポリマーポリオールの粘度並びにウレタン樹脂の機械物性の観点から、(d):(D)が1:30〜20:1が好ましく、さらに好ましくは1:25〜15:3、次にさらに好ましくは1:20〜10:5、特に好ましくは2:20〜10:6である。
本発明の(b)を重合させる工程において、さらに必要により溶媒を使用することができる。必要により用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等が挙げられる。
これらの溶媒のうちで、粘度及び製造されるポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、好ましいのはトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n−ブタノールである。
ラジカル重合においては、必要により希釈剤(L)を使用してもよい。希釈剤(L)としては、芳香族炭化水素(C数6〜10、例えばトルエン、キシレン);飽和脂肪族炭化水素(C数5〜15,例えばヘキサン、ヘプタン、ノルマルデカン);及びその他公知の溶剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)等が挙げられる。これらのうち、好ましいのは芳香族炭化水素である。
希釈剤(L)の使用量は、(b)の合計重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度及び粒子の凝集防止の観点から、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは1〜40重量%である。使用した(L)は、重合反応終了後にポリマーポリオール中に残存してもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが好ましい。
また、ラジカル重合においては必要により連鎖移動剤(P)を使用してもよい。(P)としては脂肪族チオール(C数1〜20、例えばn−ドデカンチオール、メルカプトエタノール)等種々の連鎖移動剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)が使用できる。
(P)の使用量(重量%)は、(b)の合計重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度ポリウレタン樹脂の物性の観点から、2以下が好ましく、さらに好ましくは0.1以下である。
重合工程としては、バッチ式及び連続式等といったポリマーポリオールを製造するための公知(例えば特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報に記載のもの)の工程を含む製造方法で製造できる。ポリマー粒子(B)の小粒子径化の観点及び生産性の観点から、バッチ式重合法(多段一括重合法を含む)及び連続重合法が好ましい。
本発明のポリマーポリオールの製造方法としては、生産安定性の観点から、下記の工程(1)及び(2)を含む製造方法が好ましい。
工程(1):(A)中で、(C)及び(D)の存在下、(b)を重合させてポリマーポリオール中間体(B1)を得る工程
工程(2):ポリマーポリオール中間体(B1)中で(b)を重合させてポリマーポリオール中間体(B2)、又はポリマーポリオールを得る工程
工程(1)及び(2)を含む製造方法としては、多段重合方法が含まれ、特に以下の多段連続重合法が含まれる。
多段連続重合法とは、n回(nは2以上の整数)の重合工程を含む重合方法であり、下記(I)〜(III)の工程が含まれる。該製造方法は、(I)〜(III)の工程がこの順序で実施されればよく、各工程が実施される反応容器は同一でも異なっていてもいずれでもよい。なお、本発明のポリマーポリオールの製造方法においては、工程(I)又は(II)のいずれかで(C)を使用することが必須である。
(I)エチレン性不飽和化合物(b)及びポリオール(A)、溶剤(C)、並びに、さらに必要により、分散剤(D)、希釈剤(L)及びラジカル重合開始剤(K)を投入して重合させ、ベースポリマーポリオール(BA1)を得る工程。
(II)得られた(BAi-1)に(b)、(C)、さらに必要により(A)、(D)、(E)及び(K)を投入して重合させ、ベースポリマーポリオール(BAi)を得る工程[iは2〜(n−1)の整数]。なお、(II)の工程はnが2の場合は実施せず、nが3以上の場合に(n−2)回実施して、(II)工程の最後にベースポリマーポリオール(BAn-1)を得る。
(III)得られた(BAn-1)に(b)、(C)、さらに必要により(A)、(D)、(E)及び(K)を投入して重合させ、ポリマーポリオールを得る工程。
n(重合段数)は、重合を行う工程の数であり、上記(I)、(II)及び(III)における工程の合計数である。
nは、粗大粒子含有量の観点から、2〜7が好ましく、さらに好ましくは2〜5、特に好ましくは2〜4である。
多段連続重合法において、ラジカル重合開始剤(K)はそのまま使用してもよいし、希釈剤(L)、分散剤(D)及び/又はポリオール(A)に溶解(又は分散)したものを使用してもよい。
本発明のポリマーポリオールの製造方法においては、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させる工程において、ポリマー粒子(B)の小粒子径化の観点及びポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、溶剤(C)をポリオール(A)、エチレン性不飽和化合物(b)および分散剤(D)からなる群より選ばれる少なくとも1種と(b)を重合する前に混合する工程を含むことが望ましい。
これらのうち、ポリマー粒子(B)の小粒子径化の観点及びポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、(b)重合する前に、ポリオール(A)及び/又は分散剤(D)と混合することが好ましい。
本発明の製造方法では、ポリマーポリオールを、必要によりさらに脱モノマー・脱溶剤処理を行ってもよい。ポリウレタン樹脂の臭気の観点から、脱モノマー処理・脱溶剤処理を行うことが好ましい。
脱モノマー・脱溶剤処理としては、公知(特開2004−002800号公報等)の方法が適用でき、ポリウレタン樹脂の白色度の観点から、減圧下でモノマー及び/又は溶剤をストリッピングする方法が好ましい。
本発明の製造方法により得られるポリマーポリオールのポリマー粒子(B)の含有量(重量%)は、それから得られるポリウレタン樹脂の物性、例えばポリウレタンフォームの切断伸度や圧縮硬さ及びポリマーポリオールの粘度の観点から、35〜60が好ましく、さらに好ましくは40〜55、特に好ましくは40〜50である。
本発明の製造方法により得られるポリマーポリオール中のポリオール(A)の含有量(重量%)は、(B)の凝集防止及びポリウレタンの機械物性の観点から、35〜70が好ましく、さらに好ましくは40〜65、とくに好ましくは43〜62、最も好ましくは45〜60である。
本発明の製造方法により得られるポリマーポリオール中の、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させて得られるポリマー粒子(B)の、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−750;堀場製作所製、以下同じ)による、0.020〜2,000μmの範囲を85分割した際の体積基準による粒度分布において、ポリマー粒子中に含まれる10μm以上の粒子の含有量(体積%)は、それから得られるポリウレタン樹脂の物性(引裂強度等)の観点から、好ましくは1以下、さらに好ましくは0.8以下、特に好ましくは0である。
なお、ポリマー粒子は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、実質的に0.020〜2,000μmの範囲内の粒子径を有するものであることが好ましい。ここで実質的とは、99体積%以上、好ましくは100体積%がこの範囲の粒子径を有することを意味する。
また、本発明の製造方法により得られるポリマーポリオール中のポリマー粒子の、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置による体積平均粒子径は、0.2〜1.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.25〜1.2μm、特に好ましくは0.3〜1.1μmである。体積平均粒子径がこの範囲であると、それから得られるポリウレタン樹脂の物性が良好である。
また(L)を、必要により本発明の製造方法により得られるポリマーポリオールに添加して、さらに低粘度とすることもできる。ポリマーポリオール中に含有させる(L)としては、上記飽和脂肪族炭化水素;芳香族炭化水素;及び低粘度(100mPa・s/25℃以下)の難燃剤、例えばトリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート;等を挙げることができる。なお、ポリマーポリオールの揮発成分低減の観点から、ポリマーポリオールには(L)を添加しないことが好ましい。
ポリマーポリオール中の(L)の含有量(重量%)は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下である。
また、必要により老化防止剤、抗酸化剤を得られたポリマーポリオールに添加して、ポリマーポリオールの変色及びそれを用いて得られるポリウレタン樹脂の変色を防止できる。老化防止剤、抗酸化剤としては、公知(特開2006−188685号公報等)のもの等が使用でき、ラクトン、ヒンダードフェノール、リン含有化合物、ヒンダードアミン、ヒドロキシルアミン、硫黄含有化合物等が挙げられる。ポリウレタン樹脂の変色防止の観点から、ラクトンとヒンダードフェノールの併用が好ましい。
本発明の製造方法により得られるポリマーポリオール(I)は、ポリウレタン樹脂を製造する場合に使用するポリオール成分の少なくとも一部として用いることができる。
すなわち、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させて、ポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として本発明の製造方法により得られるポリマーポリオール(I)を用いるポリウレタン樹脂の製造方法に用いることができ、このポリウレタン樹脂の製造方法が本発明のポリウレタン樹脂の製造方法である。本発明のポリウレタン樹脂の製造方法においては、必要により触媒、発泡剤、整泡剤等の1種以上の通常用いられる添加剤の存在下、反応させることもできる。
ポリオール成分中には、本発明の製造方法により得られるポリマーポリオール(I)以外に、必要により前記ポリオール(A)を含有してもよい。
ポリオール成分中の本発明の製造方法により得られるポリマーポリオール(I)の使用量(重量%)は、得られるポリウレタン樹脂の機械物性及びポリオール成分の粘度の観点から好ましくは10〜100、さらに好ましくは15〜90、とくに好ましくは20〜80、最も好ましくは25〜70である。
ポリイソシアネート成分としては、従来からポリウレタン樹脂の製造に使用されている公知の有機ポリイソシアネートが使用できる。このようなポリイソシアネートとしては、前記のポリイソシアネート(h)として例示したものが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、2,4−及び2,6−TDI、これらの異性体の混合物、粗製TDI;4,4’−及び2,4’−MDI、これらの異性体の混合物、粗製MDI;及びこれらのポリイソシアネートより誘導されるウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、又はイソシアヌレート基を含有する変性ポリイソシアネートである。
ポリウレタン樹脂の製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基の当量比)×100]は、80〜140が好ましく、さらに好ましくは85〜120、特に好ましくは95〜115である。またイソシアネート指数を上記範囲より大幅に高くして(たとえば300〜1,000)ポリウレタン樹脂中にポリイソシアヌレート基を導入することもできる。
ポリウレタン樹脂の製造に際しては反応を促進させるため、ポリウレタン反応に通常使用される触媒[たとえばアミン系触媒(トリエチレンジアミン及びN−エチルモルホリン等の3級アミン)、錫系触媒(オクチル酸第1スズ及びジブチルチンジラウレート等)、その他の金属触媒(オクチル酸鉛等)等]を使用することができる。触媒の量は、反応混合物の重量に基づいて通常0.001〜5重量%である。
また、本発明においては、ポリウレタン樹脂の製造に際し、発泡剤(たとえば水、HFC、HCFC及びメチレンクロライド等)を使用し、ポリウレタンフォームとすることができる。発泡剤の使用量はポリウレタンフォームの所望の密度により変えることができる。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法において、必要により整泡剤を使用することができる。整泡剤としてはシリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共ポリマー)が挙げられる。
本発明において、必要により老化防止剤、抗酸化剤を使用できる。老化防止剤、抗酸化剤としては、公知(特開2006−188685号公報等)のもの等が使用でき、ラクトン、ヒンダードフェノール、リン含有化合物、ヒンダードアミン、ヒドロキシルアミン及び硫黄含有化合物等が挙げられる。ポリウレタン樹脂の変色防止の観点から、ラクトンとヒンダードフェノールの併用が好ましい。
その他、本発明の製造方法において使用できる添加剤としては、例えば難燃剤、反応遅延剤、着色剤、内部離型剤、老化防止剤、抗酸化剤、可塑剤、殺菌剤、カーボンブラック及びその他の充填剤等公知(特開2005−162791号公報等)の添加剤が挙げられる。
ポリウレタン樹脂の製造は通常の方法で行うことができ、ワンショット法、セミプレポリマー法、プレポリマー法等の公知の方法により行うことができる。
ポリウレタン製造には通常用いられている製造装置を用いることができる。無溶媒の場合はたとえばニーダーやエクストルーダーのような装置を用いることができる。閉鎖モールドあるいは開放モールド内で各種の非発泡あるいは発泡のポリウレタン樹脂の製造を行うことができる。ポリウレタンの製造は普通低圧あるいは高圧の機械装置を用いて原料を混合反応させることにより行われる。さらには、原料混合前後(とくに原料混合前)、原料中の溶存空気あるいは混合時に混入した空気等のガスを真空法により除去することによりポリウレタン樹脂の製造を行うこともできる。
本発明の製造方法により得られるポリマーポリオール(I)は、軟質モールドフォーム及びスラブフォーム等のポリウレタンフォームの製造に特に有用である。またRIM(反応射出成形)法による成形にも好適に使用できる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において、部、及び比は、特に断りのない限り、それぞれ、重量部、及び重量比を示す。
実施例及び比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
(1)ポリオール(A1)
ポリオール(A1−1):グリセリンにPO−EO−POの順に付加させた、水酸基価=56、内部EO単位含量=5重量%、末端PO単位含量=5重量%のポリオール。
ポリオール(A1−2):ペンタエリスリトールにPO−EOの順に付加させた、水酸基価=32、末端EO単位含量=14重量%のポリオール。
ポリオール(A1−3):ビスフェノールAにPOを付加させた、水酸基価=216、数平均分子量=518のポリオール
(2)ラジカル重合開始剤(K)
K−1:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)商品名「V−59」、和光純薬工業(株)製〕
(3)SP値が13.8以上である溶剤(C)
C−1:水 (SP値23.4)
(4)分散剤(D)
D−1:ポリオール(A1−2)0.14モルと2−ヒドロキシメタクリレート0.07モルをTDI0.16モルでジョイントして得られる水酸基価=20、不飽和基数/含窒素基数=0.22の反応性分散剤〔特開2002−308920号公報参照〕
(6)ポリイソシアネート(h)
TDI−80:コロネートT−80〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(7)触媒
触媒A:DABCO(トリエチレンジアミン)〔日本乳化剤(株)製〕
触媒B:ネオスタンU−28(オクチル酸第1スズ)〔日東化成(株)製〕
(8)整泡剤
整泡剤A:SRX−280A(ポリエーテルシロキサン重合体)〔東レダウコーニングシリコーン(株)製〕
測定、評価方法は次のとおりである。
<10μm以上の粒子の含有量及び体積平均粒子径>
得られたポリマーポリオールを、レーザー光の透過率が70〜90%となるように、それに用いたポリオールで希釈し、下記の粒度分布測定装置にて10μm以上の粒子の含有量(体積%)及び体積平均粒子径(μm)を測定した。

装置 :堀場製作所製 LA−750
測定原理 :Mie散乱理論
測定範囲 :0.04μm〜262μm
溶液注入量:He−Neレーザー
測定時間 :20秒
<体積平均粒子径>
以下の式による。
体積平均粒子径(μm) = Σ〔q(J)×X(J)〕/Σ〔q(J)〕
J :粒子径分割番号(1〜85)
q(J):頻度分布値(%)
X(J):粒子径分割番号J番目の粒子径(μm)
<ポリマー粒子含有量>
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とした。メタノール50gを加えて希釈した。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離した。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去した。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返した。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とした。次式で算出した値を、ポリマー粒子含有量(重量%)とした。
ポリマー粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
<粘度>
BL型粘度計(東京計器製)を用いて、3号ローター、12rpm、25℃の条件にて求めた。
<転化率>
転化率は、仕込みモノマー量に対する各モノマーの残存モノマー含量から算出し、その重量平均から求めた。残存モノマー含量は、ガスクロマトグラフ法により、内部標準物質に対する面積比から算出した。具体的な分析方法はスチレンを例に以下に示す。
転化率〔重量%〕
=100−100×[(残存スチレン含量〔%〕/(原料中のスチレン仕込量〔%〕]
残存スチレン含量〔%〕=L/M ×(内部標準物質に対するファクター)
L=(残存スチレンのピーク面積)/(ポリマーポリオールの重量〔g〕)
M=(内部標準物質のピーク面積)/(内部標準物質の重量〔g〕)

内部標準物質に対するファクターは、同重量における各モノマーのピーク面積を内部標準物質のピーク面積で除したものである。
ガスクロマトグラフ :GC−14B(島津製作所製)
カラム :内径4mmφ、長さ1.6m、ガラス製
カラム充填剤 :ポリエチレングリコール20M〔信和化工(株)製〕
内部標準物質 :ブロモベンゼン〔ナカライテスク(株)社製〕
希釈溶媒 :ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1級〔和光純薬(株)製〕(50重量%溶液とする。)
インジェクション温度:200℃
カラム初期温度 :110℃
昇温速度 :5℃/min.
カラムファイナル温度:200℃
試料注入量 :1μl
実施例1 [ポリマーポリオール(I−1)の製造]
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、初期仕込みとしてポリオール(A1−1)214.6部、溶剤(C−1)61.6部及び分散剤(D−1)21部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(A1−1)77.7部、ACN84.0部、St196.0部、ジビニルベンゼン0.3部、分散剤(D−1)33.6部、溶剤(C−1)8.4部及びラジカル重合開始剤(K−1)2.8部を予め混合したモノマー含有混合液(M−1)を滴下ポンプを用いて2部/分の速度で連続的に滴下し、130℃で240分重合させポリマーポリオール中間体(Z−1)を得た。(Z−1)にポリオール(A1−1)70部を投入してから未反応モノマーを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール(I−1)を得た。前記の測定、評価方法で(I−1)を評価した。結果を表2に示す。
実施例2〜6及び比較例1〜2 [ポリマーポリオール(I−2)〜(R−2)の製造]
実施例1において、初期仕込み及びモノマー含有混混合液の組成を表1に示す部数にする以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(I−2)〜(I−6)及び比較のポリマーポリオール(R−1)〜(R−2)を得た。これらについて、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表2に示す。
実施例7 [ポリマーポリオール(I−7)の製造]
〔第1工程〕 連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目及び2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(A1−1)を充液し、130℃に昇温した。ポリオール(A1−1)263.2部、ポリオール(A1−3)11.7部、溶剤(C−1)59.4部、分散剤(D−1)50.0部、ACN50.0部、St116.7部及びラジカル重合開始剤(K−1)1.7部を混合した原料混合液(G1−1)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、送液速度68g/分で1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせポリマーポリオール中間体(B1−1)を得た。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた(B1−1)は送液速度68g/分で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
〔第2工程〕 1槽目から送液速度68g/分の速度でオーバーフローさせた(B1−1)と送液速度52g/分の速度で送液したポリオール(A1−1)115.1部、溶剤(C−1)8.9部、ACN88.9部、St207.5部及びラジカル重合開始剤(K−1)3.0部を混合した原料混合液(G1−2)とをスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液をSUS製の受け槽にストックして、ポリマーポリオール中間体(B1−2)を得た。(B1−2)にポリオール(A1−1)120部を投入してから未反応モノマーを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール(I−7)を得た。実施例1と同様に測定、評価した。結果を表2に示す。
比較例3 [ポリマーポリオール(R−3)の製造]
実施例7において、第1工程のポリオール(A1−1)263.2部及び溶剤(C−1)59.4部の代わりにポリオール(A1−1)322.6部、第2工程のポリオール(A1−1)115.0部及び溶剤(C−1)8.9部の代わりにポリオール(A1−1)123.9部、並びに第2工程の(B1−2)に投入したポリオール(A1−1)120部の代わりにポリオール(A1−1)51部とする以外は実施例7と同様にして、比較のポリマーポリオール(R−3)を得た。これらについて、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005415121
Figure 0005415121
表2の結果から実施例1〜6は、比較例1、2に比べて、体積平均粒子径が小さいことがわかる。また、実施例1〜6は、比較例1、2に比べて、10μm以上の粒子の含有量が少ないとなっていることがわかる。さらに、実施例1〜6は、比較例1、2に比べて、粘度が小さいことがわかる。
実施例7は、比較例3に比べて、体積平均粒子が小さいこと、10μm以上の粒子の含有量が少ないこと及び粘度が小さいことがわかる。
実施例8〜14及び比較例4〜6 [ポリウレタンフォームの製造]
実施例1〜7及び比較例1〜3で得られたポリマーポリオール(I−1)〜(I−7)及び比較のポリマーポリオール(R−1)〜(R−3)を使用し、表3記載の配合比で、以下に示す発泡条件によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォーム物性測定結果を表3に示す。発泡処方は以下の通りである。
〔1〕 ポリマーポリオール、ポリオール(A1−1)及びポリイソシアネートをそれぞれ25±2℃に温調する。
〔2〕 ポリマーポリオール、ポリオール(A1−1)、整泡剤、水、触媒の順で容量1リットルの紙コップに入れて、室温(25℃±2℃)で撹拌混合し、直ちにポリイソシアネートを加え、攪拌機〔ホモディスパー:特殊機化(株)製、撹拌条件:2,000rpm×8秒〕を用いて、撹拌して発泡を行った。
〔3〕 撹拌停止後、25×25×10cmの木箱(25℃±2℃)に内容物を投入して、ポリウレタンフォームを得た。
Figure 0005415121
表3におけるフォーム物性の評価方法は以下の通りである。
密度(kg/m3):JIS K6400−1997〔項目5〕に準拠
25%ILD(硬度)(kgf/314cm2
:JIS K6382−1995〔項目5.3〕に準拠
引張強度(kgf/cm2):JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠
引裂強度(kgf/cm) :JIS K6301−1995〔項目9〕に準拠
切断伸度(%) :JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠
圧縮永久歪(%) :JIS K6382−1995〔項目5.5〕に準拠
なお通常ポリウレタンフォームの物性として、密度は15〜50の範囲が好ましく、25%ILD、引張強度、引裂強度、切断伸度は数値が大きいほど好ましい。また、圧縮永久歪は数値が小さいほど好ましい。
表3の結果から、実施例8〜13は、比較例4、5とポリマーポリオール以外の原料組成が同一であるが、25%ILD(硬度)、引張強度、引裂強度及び切断伸度が良好である。また、実施例14は、比較例6とポリマーポリオール以外の原料組成が同一であるが、発泡できることがわかる。
本発明のポリマーポリオール及び本発明の製造方法により得られたポリマーポリオールを用いて製造された本発明のポリウレタン樹脂は、通常のポリウレタン樹脂が用いられる各種用途に使用されるが、硬度や強度が良好であるため特にポリウレタンフォームとして、家具の室内調度等の用途に好適である。

Claims (7)

  1. エチレン性不飽和化合物(b)を重合させて得られるポリマー粒子(B)及びポリオール(A)を含んでなるポリマーポリオールの製造方法であって、ポリオール(A)、水及び分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させる工程を含んでなるポリマーポリオールの製造方法。
  2. 水の使用量が、エチレン性不飽和化合物(b)の重量を基準として、1〜50重量%である請求項1に記載の製造方法。
  3. 下記の工程(1)及び(2)を含む請求項1又は2に記載の製造方法。
    工程(1):ポリオール(A)中で、水及び分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてポリマーポリオール中間体(B1)を得る工程
    工程(2):ポリマーポリオール中間体(B1)中で(b)を重合させてポリマーポリオール中間体(B2)、又はポリマーポリオールを得る工程
  4. 水を、ポリオール(A)、エチレン性不飽和化合物(b)及び分散剤(D)からなる群より選ばれる少なくとも1種と(b)を重合する前に混合する工程を含んでなる請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. エチレン性不飽和モノマー(b)を重合させた後、さらに、減圧下でストリッピングする工程を含む請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  6. ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させて、ポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として請求項1〜のいずれかに記載の製造方法により得られるポリマーポリオール(I)を用いるポリウレタン樹脂の製造方法。
  7. ポリマーポリオール(I)の使用量が、ポリオール成分の重量に基づいて10〜100重量%である請求項記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
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