JP5415098B2 - 重合体ポリオール、この製造方法及びポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち本発明の重合体ポリオールは、次の[1]、[2]及び[3]のものである。[1]エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体微粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなる重合体ポリオールであって、(E)が、スチレン及びアクリロニトリルを必須成分とし、(E)の合計重量に基づくスチレンの割合(重量%)が66〜80、アクリロニトリルの割合(重量%)が20〜34であり、不飽和アルコール( 炭素数3〜24)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物の使用量が(E)の重 量を基準として0.1重量%以下であり、(PL)が、少なくとも2個の活性水素を含有する化合物にアルキレンオキサイドを付加した構造の化合物(a1)を含んでなり、少なくとも2個の活性水素を含有する化合物が多価アルコールであり、アルキレンオキサイドが1,2−プロピレンオキサイド又は1,2−プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの併用であり、(a1)の水酸基当量が400〜3,000であり、重合体ポリオール1g中の重合体微粒子(JR)の粒子総表面積(以下、RMと略す。単位:cm2/g)と、重合体ポリオールの重量に基づく粒子状重合体微粒子含有量(以下、RGと略す。単位:重量%)が下記式1の関係を満たす重合体ポリオール(I)。
0.0000802×RM+1.07×RG−13≧35.5 (1)
[2]下記の工程(1)及び(n)を含む、重合体微粒子を含有する重合体ポリオールの製造方法であって、工程(1)におけるポリオール(PL)、微粒子(P1)、エチレン性不飽和化合物(E)、ラジカル重合開始剤(c)、分散剤(d)及び希釈溶媒(f)の合計重量を基準とする(E)の濃度(重量%)が7〜40であり、得られる重合体ポリオールが上記[1]の重合体ポリオールである重合体ポリオールの製造方法。
工程(1):(PL)中で、(P1)及び(c)の存在下、必要により(d)及び/又は(f)の存在下、(E)を重合させて重合体ポリオール中間体(B1)を得る工程
工程(n):重合体ポリオール中間体(B(n−1))中で、(c)の存在下、必要により(d)及び/又は(f)の存在下、(E)を重合させて重合体ポリオール中間体(B(n))、又は重合体ポリオール(I)を得る工程(n は2〜6の整数を表す。)
[3]ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、必要により触媒、発泡剤及び整泡剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤の存在下で反応させてポリウレタン樹脂を製造する方法において、上記の重合体ポリオールをポリオール成分の重量を基準として10〜100重量%含有するポリオール成分を用いるポリウレタン樹脂の製造方法。
(1)本発明の重合体ポリオールを使用して製造したポリウレタン樹脂(例えば、ポリウレタンフォーム)は、機械物性に優れる。
(2)本発明の重合体ポリオールは、粘度が低く、例えばポリウレタンフォームを製造する際の成形性に優れる。
(3)本発明の重合体ポリオールは、平均粒子径が小さく、この重合体ポリオールを使用して製造したポリウレタン樹脂(例えば、ポリウレタンフォーム)は、機械物性に優れる。
(e2)としてはα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
(e3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基がC1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを意味し、以下における(メタ)アクリル酸、(メタ)アリル等も同様であり、以下同様の表記法を用いる。
α−アルケニル基含有化合物の(ポリ)オキシアルキレンエーテルとしては、C3〜24の不飽和アルコールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記)付加物が挙げられ、不飽和アルコールとしては、末端不飽和アルコールが好ましく用いられる。末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール、1−ヘキセン−3−オールなどが挙げられる。
なお、(ポリ)オキシアルキレンエーテルとは、モノオキシアルキレンエーテル又はポリオキシアルキレンエーテルを意味する。
上記AOとしては、C2〜12又はそれ以上のものが含まれ、例えばエチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−若しくは1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン及び3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THF及びMTHFと略記 )、1,3−プロピレンオキサイド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、置換AO(スチレンオキサイド、エピハロヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加及び/又はブロック付加)が挙げられる。
また、AOとしては、分散安定性及び粘度の観点から、単独の使用及び2種以上のAOの併用が好ましく、さらに好ましくはPO又はEOの単独並びにPO及びEOの併用である。
なお、SP値とは、下記に示すとおり凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP値=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
特に(e4)の使用量(重量%)は、可溶性ポリマーの含有量を低くする観点及びポリウレタン樹脂の物性の観点から、(E)の重量を基準として、0〜0.1が好ましく、さらに好ましくは0〜0.05、次にさらに好ましくは0〜0.01である。
アルカノールアミンとしては、炭素数2〜20のモノ−、ジ−及びトリ−アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びイソプロパノールアミン)等が挙げられる。
ポリアミン(1,2級アミノ基の数:2〜8個又はそれ以上)としては、脂肪族アミンとして、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン、トリアルキレンテトラミン、テトラアルキレンペンタミン、ペンタアルキレンヘキサミン及びヘキサアルキレンヘプタミン)等が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式ポリアミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式ポリアミン(例えば、ピペラジン及びアミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
モノアミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミン及びオクチルアミン);炭素数6〜20の芳香族モノアミン(例えば、アニリン及びトルイジン);炭素数4〜20の脂環式モノアミン(例えば、シクロヘキシルアミン);炭素数4〜20の複素環式モノアミン(例えば、ピペリジン)等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸等)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸等)、及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
これらの活性水素化合物の中で、得られるポリウレタン樹脂の機械物性の観点から、好ましいのは多価アルコールである。
(1)PO−AOの順序でブロック付加したもの
(2)PO−AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
(3)AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
(4)PO−AO−POの順序でブロック付加したもの
(5)PO及びAOを混合付加したランダム付加物
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダム又はブロック付加したもの
また、(a1)の水酸基当量は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜3,000である。2種以上の(a1)を併用して水酸基当量がこの範囲内としたものも好ましい。
ポリオール(a1−2)の活性水素1個あたりのEOの平均付加モル数xは、ウレタン物性の観点から15以下が好ましく、さらに好ましくは12以下、最も好ましくは10以下である。
y≧0.328x+90.44 (I)
y≧42x0.47(1−x/41) (II)
また、xとy(%)はxが7以下のとき、下記式(III)の関係を満たすのが好ましく、下記式(IV)の関係を満たすのがさらに好ましい。
y≧45x0.47(1−x/41) (III)
y≧47x0.47(1−x/41) (IV)
xとy、およびxとyの関係が上記の範囲内であると、疎水性と反応性が共に良好であるため好ましい。
活性水素を含有する化合物としては、前述のものが含まれ、活性水素を含有する化合物の活性水素当量は、得られるウレタン樹脂の機械物性の観点から、20〜300が好ましい。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<末端水酸基の1級OH化率の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、末端水酸基の1級OH化率は下記の式により算出する。
1級OH化率(%)=[r/(r+2s)]×100
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
である。
ポリオール(PL)として、前記(a1)と共に他のポリオール(a2)を併用することもできる。この場合、(a1)/(a2)の使用比率(重量比)は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から好ましくは、100/0〜80/20である。
(a2)としては、公知(特開2007−191682号公報等)のものが挙げられ、ポリエステルポリオール、ジエン系ポリオール及びその水素添加物、水酸基含有ビニル重合体、天然油系ポリオール、天然油系ポリオールの変性物等の高分子ポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
ポリオール(PL)の数平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による、特に記さない限り以下の数平均分子量についても同じ〕は、通常1,500以上、好ましくは1,500〜15,000、特に好ましくは1,800〜12,000、最も好ましくは2,000〜9,000である。数平均分子量が1,500以上であるとポリウレタンフォームの発泡性の面で好ましく、15,000以下であると低粘度となり重合体ポリオールの取り扱い性の面で好ましい。また(PL)の水酸基当量は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは500〜4,000、さらに好ましくは700〜3,000である。
0.0000802×RM+1.07×RG−13≧35.5 (1)
なお、粒子総表面積(RM)は、後述する方法により測定され定義されるものである。また、粒子状微粒子含有量(RG)は、後述するキシレン沈殿物含有量と同義であり、後述する方法により測定される。
なお、体積平均粒子径は、後述する方法により測定される。
なお、重合体微粒子含有量(重量%)は、後述する方法で測定される。
(メタノール沈殿物含有量の測定)
遠心分離用50ml遠沈管に、重合体ポリオール約5gを精秤し、重合体ポリオール重量(W1)とする。メタノール50gを加えて混合する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて混合し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式で算出した値を、メタノール沈殿物含有量(重量%)とする。
メタノール沈殿物含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
遠心分離用50ml遠沈管に、重合体ポリオール約5gを精秤し、重合体ポリオール重量(W3)とする。キシレン50gを加えて混合する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にキシレン50gを加えて混合し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W4)とする。次式で算出した値を、キシレン沈殿物含有量(重量%)とする。
キシレン沈殿物含有量(重量%)=(W4)×100/(W3)
次式で算出した値を、可溶性ポリマー含有量(重量%)とする。
可溶性ポリマー含有量(重量%)=メタノール沈殿物含有量(重量%)−キシレン沈殿粒物含有量(重量%) (2)
<重合体微粒子(JR)の含有量(重量%)>
遠心分離用50ml遠沈管に、重合体ポリオール約5gを精秤し、重合体ポリオール重量(W5)とする。メタノール50gを加えて混合する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて混合し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W6)とする。次式で算出した値を、重合体微粒子含有量(重量%)とする。
重合体微粒子含有量(重量%)=(W6)×100/(W5)
=[Σ{(X(J)−算術平均粒子径(μm)}2×q(J)/100]1/2
粒子総表面積は、以下の式(vii)で算出する。
RM=Σ{6×q(J)×RG/X(J)} (vii)
式(vii)の技術的意味について、以下に説明する。粒子総表面積(RM)は、下記式(i)により求められるものであり、この式(i)を下記の通り変形することで式(vii)が得られる。
粒子総表面積(RM)=Σ{粒子1個あたりの表面積(J)×個数(J)} (i)
式(i)中、粒子1個あたりの表面積(J)は、上記分割番号J番目の粒子径範囲の粒子の粒子の1個あたりの表面積であり、該分割番号J番目の粒子径範囲の中心値をその粒子の粒子径であると仮定して、下記式(ii)で算出される面積である。単位は、cm2である。
粒子1個あたりの表面積(J)=4×π×[{X(J)/2}×10-4]2 (ii)
式(i)中、個数(J)は、上記分割番号J番目の粒子径範囲の粒子の個数であり、下記式(iii)で算出される値である。
個数(J)=ポリマー体積(J)/粒子1個あたり体積(J) (iii)
式(iii)中、ポリマー体積(J)は、上記分割番号J番目の粒子径範囲の粒子径を有する粒子の体積であり、下記式(iv)で算出される値である。単位は、cm3/gである
ポリマー体積(J)={q(J)/100}×{重合体ポリオール1g中の粒子の体積} (iv)
式(iv)中、重合体ポリオール1g中の粒子の体積は、下記式(v)で算出される。
重合体ポリオール1g中の粒子の体積
=1(g)×{粒子状重合体粒子含有量(RG)/100}÷(微粒子の密度)(v)
式(v)において、微粒子の密度を1g/cm3であると近似し、式(v)は、式(vi)となる。
重合体ポリオール1g中の粒子の体積
={粒子状重合体粒子含有量(RG)/100} (vi)
式(ii)〜(iv)及び式(iv)を式(i)に代入し整理すると、下記式(vii)が導かれる。
RM=Σ{6×q(J)×RG/X(J)} (vii)
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合及びディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を含有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満のエチレン性不飽和化合物(E)とは区別される。
これらの中で重合体微粒子(JR)の粒子径の観点から、〔1〕、〔4〕及び〔5〕が好ましく、さらに好ましくは、〔5〕である。
(d1)数平均分子量が1,000〜1,000,000のビニルオリゴマー。
(d2)飽和のポリオール(p)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物(q)が、ポリイソシアネート(r)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。
これらの内で、重合体微粒子(JR)の粒子径の観点から、(d1)を構成するエチレン性不飽和化合物の少なくとも一部が、重合体微粒子を構成しているエチレン性不飽和化合物(E)と同じであることが好ましく、さらに好ましくは(d1)を構成するエチレン性不飽和化合物の30重量%以上が(E)と同じであり、次にさらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
なお、(d1)のMnは、以下の方法で測定される。
遠心分離用50ml遠沈管に、重合体ポリオール約5gを精秤し、メタノール50gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を得る。この沈降物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン基準で数平均分子量を測定し、(d1)のMnとする。
これらの溶媒のうちで、粘度及び製造されるポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、好ましいのはトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n−ブタノールである。
(p)の1分子中の水酸基の数は、少なくとも2個が好ましく、重合体微粒子(JR)の(PL)中での分散安定性の観点から、さらに好ましくは2〜8個、次にさらに好ましくは3〜4個であり、(p)の水酸基当量は、分散安定性の観点から、1,000〜3,000が好ましく、さらに好ましくは1,500〜2,500である。
上記不飽和モノヒドロキシ化合物としては、例えば、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素、不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステル、不飽和2価アルコールとモノカルボン酸とのモノエステル、アルケニル側鎖基を有するフェノール、不飽和ポリエーテルモノオールなどが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のC3〜8の不飽和モノカルボン酸と、前記2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のC2〜12の2価アルコール)とのモノエステルが挙げられ、その具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどが挙げられる。
アルケニル側鎖基を有するフェノールとしては、例えばオキシスチレン、ヒドロキシα−メチルスチレンなどのアルケニル基のCが2〜8のアルケニル側鎖基を有するフェノールが挙げられる。
不飽和ポリエーテルモノオールとしては、前記モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素もしくは前記アルケニル側鎖基を有するフェノールのアルキレンオキサイド(C2〜8)1〜50モル付加物〔例えばポリオキシエチレン(重合度2〜10)モノアリルエーテル〕などが挙げられる。
アミノ基、イミノ基を有する(q)としては、モノ−及びジ−(メタ)アリルアミン、アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート〔アミノエチル(メタ)アクリレートなど〕、モノアルキル(C1〜12)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート〔モノメチルアミノエチル−メタクリレートなど〕;カルボキシル基を有する(q)としては、前記不飽和モノカルボン酸;SH基を有する(q)としては、前記不飽和モノヒドロキシ化合物に相当する(OHがSHに置き換わった)化合物が挙げられる。重合性不飽和基を2個以上有する(q)の例としては、前記3価、4〜8価又はそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル又は前記不飽和カルボン酸とのポリエステル〔例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジ(メタ)アクリレートなど〕が挙げられる。
また、(q)の分子量は特に限定されないが、重合体ポリオールの粘度の観点から、1,000以下が好ましく、特に好ましくは500以下である。
(r2)としては、C2〜18の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
(r4)としては、C8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
(r5)としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI及びひまし油変性MDIなどが挙げられる。
ポリウレタン樹脂の物性の観点から、これらのうちで好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましくは2,4−及び/又は2,6−TDIである。
この含窒素結合は飽和のポリオール(p)の水酸基とポリイソシアネート(r)のイソシアネート基との反応で生じるものと、不飽和単官能活性水素化合物(q)の活性水素含有基と(r)のイソシアネート基との反応で生じるものとがある。
1分子中の(r)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値=
[(q)のモル数×(q)の不飽和基数]/[(r)のモル数×(r)のNCO基数]
1分子中の(r)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値の値は、さらに好ましくは0.1〜0.3であり、とくに好ましくは0.2〜0.3である。不飽和基数の比の平均値の値が上記範囲内であると、重合体ポリオールの分散安定性がとくに良好となる。
希釈溶媒(f)の使用量(重量%)は、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、重合体ポリオールの粘度及びポリウレタン樹脂の機械物性の観点から、0.1〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜40である。(f)は重合反応終了後に重合体ポリオール中に残存してもよいが、ポリウレタン樹脂の機械物性の観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
連鎖移動剤(g)の使用量(重量%)は、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、重合体ポリオールの粘度及び得られるポリウレタン樹脂の機械物性の観点から好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
本発明の第2発明の製造方法は、下記の工程(1)及び(n)を含んでなる。
工程(1):(PL)中で、微粒子(P1)及びラジカル重合開始剤(c)の存在下、必要により分散剤(d)及び/又は希釈溶媒(f)の存在下、エチレン性不飽和化合物(E)を重合させて重合体ポリオール中間体(B1)を得る工程
工程(n):重合体ポリオール中間体(B(n−1))中で、(c)の存在下、必要により(d)及び/又は(f)の存在下、(E)を重合させて重合体ポリオール中間体(B(n))、又は重合体ポリオール(I)を得る工程(n は2〜6の整数を表す。)
なお、工程(n)の(E)の濃度は、(B(n−1))に(E)が含まれる場合には、(B(n−1))に含まれる(E)も合わせて濃度を算出するものとする。
また、工程(n)において、さらにポリオール(PL)を添加してもよく、その場合には、添加した(PL)も合わせて濃度を算出するものとする。
また、工程(1)、工程(n)の重合方式は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
(PA1)としては、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属珪酸塩、金属窒化物、金属チタン酸塩、金属ホウ酸塩、金属燐酸塩、金属硫化物、炭素が好ましい。
(PA2)としては、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。
さらに好ましくは、金属酸化物、金属炭酸塩、金属珪酸塩及び(PA21)であり、次にさらに好ましくはシリカ、珪藻土、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ベントナイト、活性白土、ウレタン樹脂、ビニル樹脂及びポリエステル樹脂であり、特に好ましくは、シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、珪藻土、タルク、クレー、活性白土、ビニル樹脂であり、最も好ましくは、エチレン性不飽和化合物(E)を重合させてなる重合体である。
なお、体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱光式粒度分布測定装置(例えば LA−750:堀場製作所製)で測定できる。
式(1)を満たすことは、重合体微粒子(JR)中の微粒子(P1)に由来する部分が特定の比率を有することを示し、すなわち微粒子(P1)の使用量に対して重合工程で使用するエチレン性不飽和化合物(E)の使用量が特定の関係を有することを示す。この関係を満たすことで、粒子径が十分小さい重合体ポリオールが得られやすく、これを使用したポリウレタン樹脂は、スコーチが生じる等の問題が無く、切断伸度等の機械強度に優れる。
<微粒子含有量(vol%)測定方法>
遠心分離用50ml遠沈管に、重合体ポリオール中間体(B1、B(n))又は重合体ポリオール約5gを精秤し、重合体ポリオール重量(W7)とする。メタノール50gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W8)とする。次式で算出した値を、微粒子含有量(vol%)とする。
微粒子含有量(vol%)=(W8)×100/(W7)/(粒子の比重)×(重合体ポリオール中間体(B1、B(n))又は重合体ポリオールの比重)
分散装置は、一般に乳化機、分散機であれば特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒子径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーである。
また、微粒子(P1)は、あらかじめポリオール(PL)に分散されていることが好ましい。
すなわち、工程(1)においては、(E)を重合させる際に(PL)中で(P1)及び(c)の存在下で行えばよく、あらかじめ(PL)中に(P1)を分散させてから重合反応器に仕込んでもよいし、ポリオール(PL)と微粒子(P1)(又は(P1)を希釈溶媒(f)にあらかじめ分散した分散液)を各々別々に重合反応器に仕込んでもよい。
(P1)を分散させる際のポリオール(PL)もしくはその溶剤溶液の粘度は、粒子径均一性の観点から通常10〜50,000mPa・s(B型粘度計で測定)、好ましくは100〜10,000mPa・sである。
分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは5〜98℃である。分散体の粘度が高い場合は、高温にしてポリオール(PL)もしくはその溶剤溶液の粘度を上記の好ましい範囲に調整し、分散を行うのが好ましい。
ポリオール(PL)の溶剤溶液に用いる溶剤は、重合時に使用する希釈溶媒(f)と同様のものが使用できる。
また、(b)の活性水素当量(すなわち、(b)の活性水素当たりの分子量)は、重合体微粒子の体積平均粒子径の観点から、100〜2,000が好ましく、さらに好ましくは150〜1,700、次にさらに好ましくは250〜1,600である。
(b1)としては、ビスフェノール等のフェノールにアルキレンオキサイドを付加した化合物が挙げられる。フェノールとしては、1価のフェノール(クレゾール、ナフトール、モノスチレン化フェノール等)、2価のフェノール(カテコール、レゾシノール、ビスフェノール等)、3価以上のフェノール(ピロガロール等)等が挙げられる。
(b2)としては、フタル酸等の芳香環含有カルボン酸にアルキレンオキサイドを付加した化合物が挙げられる。芳香環含有カルボン酸としては、1価のカルボン酸(安息香酸、サリチル酸等)、2価のカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸等)、3価以上のカルボン酸(メリト酸等)等が挙げられる。
(b3)としては、TDIなどの芳香族系イソシアネートとポリオールを重縮合した化合物が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、1価のイソシアネート(フェニルイソシアネート等)、2価のイソシアネート(トリレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)、3価以上のイソシアネート(トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオフォスフェート、ポリメリックMDI等)等が挙げられる。
これらの中で、(b)の粘度の観点から、(b1)が好ましい。
90≦X≦360 (5)
−0.012×X+14.0≦S≦−0.012×X+16.0 (6)
式中、Xは活性水素含有化合物(i)の水酸基当量、Sは活性水素含有化合物(i)のSP値を表す。
−0.012×X+14.1≦S≦−0.012×X+15.8 (6’)
110≦X≦310 (5’’)
−0.012×X+14.4≦S≦−0.012×X+15.7 (6’’)
活性水素含有化合物(i)の水酸基当量(X)は、(i)の粘度及び重合体ポリオール中の重合体微粒子の粒子径の観点から式(5)を満たすことが好ましく、さらに好ましくは式(5’)を満たすことであり、特に好ましくは式(5’’)を満たすことである。
また、重合体ポリオール中の重合体微粒子の粒子径及びポリウレタン樹脂の機械物性の観点から、活性水素含有化合物(i)のSP値と水酸基当量の関係が式(6)を満たすことが好ましく、さらに好ましくは式(6’)を満たすことであり、特に好ましくは式(6’’)を満たすことである。
XとSが上記式(6)を満足するためには、(i)が有する水酸基以外のSP値が大きくなる構造又は官能基の数と、SP値が小さくなる構造又は官能基の数を調整すればよい。例えば、Sが(6)式の下限よりも小さい場合には、SP値が10よりも大きな構造又は官能基の数を増やす、あるいは、SP値が10よりも小さな構造又は官能基の数を減らすことで(6)式を満たすように調整できる。また、Sが(6)式の上限よりも大きくなる場合には、SP値が12よりも大きな構造又は官能基の数を減らす、あるいは、SP値が12よりも小さな構造又は官能基の数を増やすことで調整できる。
また、水酸基当量(X)と(i)のSP値(S)が式(6)を満たすと、(i)が、有する水酸基(すなわち、アルキレンオキサイドが付加できる官能基)の量に応じて、適度なSP値を有することを意味する。すなわち、この関係を満たす(i)にアルキレンオキサイドが付加された構造を有する(b−1)がポリオール(PL)との親和性に応じて、適度な重合体微粒子(JR)への親和性を有することを意味する。
よって、これら式(5)及び(6)を満たす(i)にアルキレンオキサイドが付加された構造を有する(b−1)は、適切なポリオール(PL)との親和性と適切な重合体微粒子(JR)との親和性を有し、そのバランスが適切であり、極めて良好な重合体微粒子の分散性を有することを意味する。
また、(i)の活性水素当量(すなわち、(i)の活性水素当たりの分子量)は、粒子径の観点から、60〜500が好ましく、さらに好ましくは80〜450、次にさらに好ましくは100〜400である。
(i1)としては、ビスフェノール等、(i2)としては、モノスチレン化フェノール及びジスチレン化フェノール等が挙げられる。
これらの中で、(b)の粘度及び重合体ポリオール中の重合体微粒子の粒子径の観点から、(i1)が好ましい。
(b−1−1)としては、ビスフェノールにアルキレンオキサイドを付加した化合物等、(b−1−2)としては、モノスチレン化フェノールにアルキレンオキサイドを付加した化合物等が挙げられる。
これらの中で、(b)の粘度及び重合体ポリオール中の重合体微粒子の粒子径の観点から、(b−1−1)が好ましい。
難燃剤としては、種々の難燃剤(特開2005−162791号公報等に記載のものや、リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル、メラミン、ホスファゼン等)が使用でき、重合体ポリオールの粘度の観点から、低粘度(100mPa・s以下/25℃)の難燃剤が好ましく、さらに好ましいのはハロゲン化リン酸エステルの内、トリス(クロロエチル)ホスフェート及びトリス(クロロプロピル)ホスフェートである。
重合体ポリオール(I)中の溶剤及び難燃剤の使用量(重量%)は、重合体微粒子(JR)及びポリオール(PL)の合計重量に基づいて、それぞれ10以下が好ましく、重合体ポリオールの粘度、ポリウレタン樹脂の難燃性、及び得られるポリウレタン樹脂の機械物性の観点から、さらに好ましくはそれぞれ0.01〜5、さらに好ましくは0.05〜3である。
ポリオールとしては、前述したポリオール(PL)等が使用でき、公知の重合体ポリオールとしては、特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)等記載の重合体ポリオールが使用できる。
ポリオールの使用量(重量%)は、得られるポリウレタン樹脂の機械物性の観点から適宜調整することができるが、重合体ポリオール(I)の重量に基づいて、1〜1,000が好ましい。
重合体ポリオール(I)以外の公知の重合体ポリオールの使用量(重量%)は、(I)の重量に基づいて、ポリウレタン樹脂の機械物性及びポリウレタン樹脂の機械物性、ストレーナや製造装置の吐出口の目詰まり低減の観点から、1〜100が好ましい。
これらのうちでポリウレタン樹脂の機械物性の観点から、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、これらの異性体の混合物、粗製TDI(TDIを精製した際の残留物);4,4'−及び2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらの異性体の混合物、粗製MDI(MDIを精製した際の残留物);及びこれらのポリイソシアネートより誘導される、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基又はイソシアヌレート基等を含有する変性ポリイソシアネートが好ましい。
ポリウレタンフォームを製造する場合、さらに必要により整泡剤を使用することができる。整泡剤としては種々の整泡剤{特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)等に記載のもの}が使用でき、ポリウレタンフォーム中のセル径の均一性の観点から、シリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)が好ましい。
整泡剤の使用量(重量%)は、ポリウレタン樹脂形成性組成物の全重量に基づいて、5以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2である。
難燃剤の使用量(重量%)は、ポリウレタン樹脂形成性組成物の全重量に基づいて、30以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜10である。
ポリウレタン樹脂の製造には従来から用いられている製造装置(低圧あるいは高圧の機械装置等)を用いることができる。無溶媒の場合は、ニーダーやエクストルーダー等の装置を用いることができる。また、非発泡又は発泡ポリウレタン樹脂を製造する際には、閉鎖モールド又は開放モールドを用いることができる。
本発明の重合体ポリオール(I)を使用した場合、ポリウレタン樹脂の製造に用いる製造装置の小さい開口部の目詰まりが低減し、メンテナンスが容易になり生産性が向上できる。特に、ポリウレタンフォームの発泡機では、吐出ヘッドの目詰まりが極めて低減し生産性の向上が顕著である。
(1)ポリオール
ポリオール(PL1−1):グリセリンにPO−EO−POの順にブロック付加させた、水酸基価=56、内部EO単位含量=5.5%のポリオール。末端1級化率=2モル%。
ポリオール(PL1−2):ペンタエリスリトールにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=32、末端EO単位含量=14%のポリオール。末端1級化率=74モル%。
ポリオール(PL1−3):ビスフェノールAにPOを付加させた、水酸基価=216、末端PO単位含量=56%のポリオール。末端1級化率=1モル%。
ポリオール(PL1−4):グリセリンにPOをトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン触媒を用いて付加させた、水酸基価=56、内部EO単位含量=0%のポリオール。末端1級化率=70モル%。
(2)ラジカル重合開始剤
c−1:1,1’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔商品名「V−59」、和光純薬工業(株)製〕
(3)分散剤
d−1 :ポリオール(PL1−2)0.14モルと2−ヒドロキシメタクリレート0.07モルをTDI0.16モルでジョイントして得られる水酸基価=20、不飽和基数/含窒素基数=0.22の反応性分散剤〔特開2002−308920号公報参照〕
(4)ポリイソシアネート
TDI−80:商品名「コロネートT−80」〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(5)触媒
触媒A:商品名「DABCO」(トリエチレンジアミン)〔日本乳化剤(株)製〕
触媒B:商品名「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)〔日東化成(株)製〕
(6)整泡剤
商品名「SRX−280A」(ポリエーテルシロキサン重合体)〔東レダウコーニングシリコーン(株)製〕
商品名「TEGSTAB B 4900」(ポリエーテルシロキサン重合体)〔エボニックデグサジャパン(株)製〕
<体積平均粒子径>
得られた重合体ポリオール中間体又は重合体ポリオールを、レーザー光の透過率が70〜90%となるように、それに用いたポリオールで希釈し、下記の粒度分布測定装置にて体積平均粒子径(μm)を測定した。
装置 :堀場製作所製 LA−750
測定原理 :Mie散乱理論
測定範囲 :0.04μm〜262μm
溶液注入量:He−Neレーザー
測定時間 :20秒
以下の式による。
体積平均粒子径(μm) = Σ〔q(J)×X(J)〕/Σ〔q(J)〕
J :粒子径分割番号(1〜85)
q(J):頻度分布値(%)
X(J):粒子径分割番号J番目の粒子径(μm)
(メタノール沈殿物含有量の測定)
遠心分離用50ml遠沈管に、重合体ポリオール約5gを精秤し、重合体ポリオール重量(W1)とする。メタノール50gを加えて混合する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて混合し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式で算出した値を、メタノール沈殿物含有量(重量%)とする。
メタノール沈殿物含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
次に遠心分離用50ml遠沈管に、重合体ポリオール約5gを精秤し、重合体ポリオール重量(W3)とする。キシレン50gを加えて混合する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にキシレン50gを加えて混合し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W4)とする。次式で算出した値を、キシレン沈殿物含有量(重量%)とする。
キシレン沈殿物含有量(重量%)=(W4)×100/(W3)
次式で算出した値を、可溶性ポリマー含有量(重量%)とする。
可溶性ポリマー含有量(重量%)=メタノール沈殿物含有量(重量%)―キシレン沈殿物含有量(重量%)
遠心分離用50ml遠沈管に、重合体ポリオール約5gを精秤し、重合体ポリオール重量(W5)とする。メタノール50gを加えて混合する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて混合し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W6)とする。次式で算出した値を、重合体微粒子含有量(重量%)とする。
重合体微粒子含有量(重量%)=(W6)×100/(W5)
重合体ポリオールを、BL型粘度計〔東京計器(株)製〕を用いて、3号ローター、12rpm又は6rpm、25℃の条件にて測定する。
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(PL1−1)、(PL1−3)、分散剤(d−1)及びキシレンを表1の初期仕込に示す部数で投入し、撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(PL1−1)、分散剤(d−1)、ACN、St、ジビニルベンゼン、ラジカル重合開始剤(c−1)及びキシレンを表1のモノマー液に示す部数で予め混合したモノマー含有混合液(Z1)を滴下ポンプを用いて25部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。さらに、25℃に冷却し、重合体ポリオール中間体(H−1)を得た。(H−1)の体積平均粒子径及び重合体微粒子含有量(重量%)を測定し、表1に示した。
製造例1において、表1に示す部数で混合した初期仕込、モノマー液を使用する以外は製造例1と同様にして、重合体ポリオール中間体(H−2)〜(H−3)を得た。(H−2)〜(H−3)の体積平均粒子径及び重合体微粒子含有量(重量%)を測定し、表1に示した。
〔第1工程〕 連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目及び2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(PL1−1)、キシレンを表2に示す部数で混合した初期仕込液(L−1)2,000部を充液し、130℃に昇温した。重合体ポリオール中間体(H−1)、(PL1−1)、(PL1−3)、(d−1)、ACN、St、アリルアルコールPO2.2モル付加物、ジビニルベンゼン、ラジカル重合開始剤(c−1)及びキシレンを表2に示す部数で混合した原料混合液(G1−1)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、表2に示す1槽目の送液速度で1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせ重合体ポリオール中間体(IB1−1)を得た。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた(IB1−1)は表2に示す1槽目の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
〔第2工程〕 1槽目から表2に示す1槽目の送液速度の速度でオーバーフローさせた(IB1−1)と(PL1−1)、ACN、St、ラジカル重合開始剤(c−1)及びキシレンを表2に示す部数で混合した原料混合液(G1−2)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、表2に示す2槽目の送液速度の速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液をSUS製の受け槽にストックして、重合体ポリオール中間体(IB1−2)を得た。(IB1−2)から過水蒸気(蒸気中に含まれる水分量として、重合体ポリオールに対し4重量%となる量を2時間かけて投入)を別の口から添加しながら未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、重合体ポリオール(I−1)を得た。前記の測定、評価方法で(I−1)を評価した。結果を表3に示す。
実施例1において、第1工程及び第2工程で、表2に示す部数の初期仕込み及び原料混合液を使用する以外は実施例1と同様にして、重合体ポリオール(I−2)〜(I−4)を得た。(I−2)〜(I−4)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
重合体ポリオール(I−1)とポリオール(PL1−1)を60℃にて重量比88/12で配合して重合体ポリオール(I−5)を得た。(I−5)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を用意し、あらかじめポリオール(PL1−1)、キシレンを表2に示す部数で混合した初期仕込液(L−1)を2,000部を充液し、130℃に昇温した。(PL1−1)、(d−1)、ACN、St、アリルアルコールPO2.2モル付加物、ジビニルベンゼン、ラジカル重合開始剤(c−1)及びキシレンを表2に示す部数で混合した原料混合液(G1−1)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、表2に示す送液速度で重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせ重合体ポリオール中間体(RB1−1)を得た。(RB1−1)から過水蒸気(蒸気中に含まれる水分量として、重合体ポリオールに対し4重量%となる量を2時間かけて投入)を別の口から添加しながら未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、重合体ポリオール(R−1)を得た。(R−1)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
〔第1工程〕 連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目及び2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(PL1−1)、キシレンを表2に示す部数で混合した初期仕込液(L−1)2,000部を充液し、130℃に昇温した。(PL1−1)、(d−1)、ACN、St、アリルアルコールPO2.2モル付加物、ジビニルベンゼン、ラジカル重合開始剤(c−1)及びキシレンを表2に示す部数で混合した原料混合液(G1−1)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、表2に示す1槽目の送液速度で1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせ重合体ポリオール中間体(RB2−1)を得た。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた(RB2−1)は表2に示す1槽目の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
〔第2工程〕 1槽目から表2に示す1槽目の送液速度の速度でオーバーフローさせた(IB2−1)と(PL1−1)、ACN、St、ラジカル重合開始剤(c−1)及びキシレンを表2に示す部数で混合した原料混合液(G1−2)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、表2に示す2槽目の送液速度の速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液をSUS製の受け槽にストックして、重合体ポリオール中間体(RB2−2)を得た。(RB2−2)から過水蒸気(蒸気中に含まれる水分量として、重合体ポリオールに対し4重量%となる量を2時間かけて投入)を別の口から添加しながら未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、重合体ポリオール(R−2)を得た。前記の測定、評価方法で(R−2)を評価した。結果を表3に示す。(R−2)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
〔第1工程〕 SUS製耐圧反応容器に、25℃で、(PL1−1)345部、(d−1)59.7部、ACN67.1部、スチレン156.6部、アリルアルコールPO2.2モル付加物53.7部、ジビニルベンゼン1.34部、キシレン49.0部を入れ、撹拌下100℃に温度調整した。ここにラジカル重合開始剤(c−1)3.36部をキシレン10.1部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約140℃に到達した。該温度に到達してから130〜160℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、重合体ポリオール中間体(RB3−1)を得た。
〔第2工程〕 引き続いて反応容器に、25℃で、(PL1−1)6部、ACN67.1部、スチレン156.6部を入れ、撹拌下100℃に温度調整した。ここにラジカル重合開始剤(c−1)1.34部をキシレン12.1部に溶解させた液を5秒間で仕込んで混合し、重合を開始させた。ラジカル重合開始剤溶液投入後、重合反応は1分以内に速やかに開始し、約6分で最高到達温度約160℃に到達した。該温度に到達してから150〜170℃で約10分間熟成させた後、25℃に冷却して、重合体ポリオール中間体(RB3−2)を得た。過水蒸気(蒸気中に含まれる水分量として、重合体ポリオールに対し4重量%となる量を2時間かけて投入)を別の口から添加しながら未反応モノマーとキシレンを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、重合体ポリオール(R−3)を得た。前記の測定、評価方法で(R−3)を評価した。結果を表3に示す。(R−3)について、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表3に示す。
実施例1〜5で得られた重合体ポリオール(I−1)〜(I−5)及び比較例1〜3で得られた比較の重合体ポリオール(R−1)〜(R−3)を使用し、表4記載の配合比で、以下に示す発泡処方によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォームの物性を下記の方法により評価した。結果を表4に示す。
<発泡処方>
〔1〕重合体ポリオール、ポリオール及びポリイソシアネートをそれぞれ25±2℃に温度調整した。
〔2〕重合体ポリオール、ポリオール、整泡剤、水、触媒の順で容量1Lのステンレス製ビーカーに仕込み、25℃±2℃で撹拌混合し、直ちにポリイソシアネートを加え、撹拌機〔ホモディスパー、特殊機化(株)製〕を用いて撹拌した(撹拌条件:2,000rpm×8秒間)。
〔3〕撹拌停止後、25×25×10cmの木箱(25℃±2℃)に混合したビーカー内容物を投入して発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。
(1)密度(kg/m3):JIS K6400−1997〔項目5〕に準拠。
(2)25%ILD(硬度)(kgf/314cm2):JIS K6401−1997に準拠。
(3)引張強度(kgf/cm2):JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠。
(4)切断伸度(%):JIS K6301−1995〔項目3〕に準拠
(5)圧縮永久歪(%):JIS K6382−1995〔項目5.5〕に準拠。
(6)通気性(ml/cm2/s):JIS K6400−7−2004〔項目4〕に準拠。
(1)全ての実施例1〜5は、比較例1〜3に比べて、式1の多項式の値が大きい。
(2)全ての実施例1〜5は、比較例1〜3に比べて、可溶性ポリマー含有量/重合体微粒子含有量の値が小さい。
(3)全ての実施例1〜5は、比較例1〜3に比べて、重合体微粒子の体積平均粒子径が小さい。
(4)実施例4は、比較例1〜3に比べて、重合体微粒子含有量が極めて高い。
(5)実施例1〜3は、比較例3と比べて、重合体微粒子含有量が同じだが、粘度が低い。
(6)実施例5は、比較例1、2と比べて、重合体微粒子含有量が同じだが、粘度が低い。
(1)重合体ポリオール100部使用の、実施例8に比べて、比較例5は、25%ILD、引張強度が劣る。
(2)重合体ポリオール85部使用の、実施例14に比べて、比較例8は、25%ILD、引張強度が劣る。
(3)重合体ポリオール75部使用の、実施例7、10、12に比べて、比較例4、7、10は、25%ILD、引張強度が劣る。
(4)重合体ポリオール57部使用の、実施例13に比べて、比較例6は、25%ILD、引張強度が劣る。
(5)重合体ポリオール50部使用の、実施例6、9、11に比べて、比較例9は、25%ILD、引張強度が劣る。
(6)実施例、比較例ともに25%ILDが大きくなると、切断伸度が小さくなり、圧縮永久歪が大きくなる傾向にあるが、実施例に比べて、比較例は25%ILDあたりの切断伸度、25%ILDあたりの圧縮永久歪が劣る。
(7)よって、本発明の実施例6〜14は比較例4〜10に対して、25%ILD、引張強度、引裂強度、切断伸度、圧縮永久歪において、満足する結果が得られ、機械物性に優れたポリウレタンフォームが得られる。
本発明のポリウレタン形成性組成物から形成されるポリウレタンは、各種の幅広い用途に使用されるが、特にポリウレタンフォームとして自動車内装部品や家具の室内調度品等に好適に用いられる。
Claims (6)
- エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体微粒子(JR)がポリオール(PL)中に含有されてなる重合体ポリオールであって、(E)が、スチレン及びアクリロニトリルを必須成分とし、(E)の合計重量に基づくスチレンの割合(重量%)が66〜80、アクリロニトリルの割合(重量%)が20〜34であり、不飽和アルコール(炭素 数3〜24)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物の使用量が(E)の重量を 基準として0.1重量%以下であり、(PL)が、少なくとも2個の活性水素を含有する化合物にアルキレンオキサイドを付加した構造の化合物(a1)を含んでなり、少なくとも2個の活性水素を含有する化合物が多価アルコールであり、アルキレンオキサイドが1,2−プロピレンオキサイド又は1,2−プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの併用であり、(a1)の水酸基当量が400〜3,000であり、重合体ポリオール1g中の重合体微粒子(JR)の粒子総表面積(以下、RMと略す。単位:cm2/g)と、重合体ポリオールの重量に基づく粒子状重合体微粒子含有量(以下、RGと略す。単位:重量%)が下記式1の関係を満たす重合体ポリオール(I)。
0.0000802×RM+1.07×RG−13≧35.5 (1) - 重合体微粒子(JR)の含有量が重合体ポリオールの重量に基づいて30〜60重量%であり、下記式(2)で表される可溶性ポリマー含有量(重量%)と重合体微粒子含有量(重量%)との比(可溶性ポリマー含有量/重合体微粒子含有量)が、3/30以下である請求項1に記載の重合体ポリオール。
可溶性ポリマー含有量(重量%)
=メタノール沈殿物含有量(重量%)−キシレン沈殿物含有量(重量%) (2) - 重合体微粒子(JR)の体積平均粒子径(R)が0.1〜0.9μmである請求項1又は2に記載の重合体ポリオール。
- さらに分散剤(d)を含有し、分散剤(d)が下記(d1)及び/又は(d2)である請求項1〜3のいずれかに記載の重合体ポリオール。
(d1)数平均分子量が1,000〜1,000,000のビニルオリゴマー。
(d2)飽和のポリオール(p)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物(q)が、ポリイソシアネート(r)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1〜0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。 - 下記の工程(1)及び(n)を含む、重合体微粒子を含有する重合体ポリオールの製造方法であって、工程(1)におけるポリオール(PL)、微粒子(P1)、エチレン性不飽和化合物(E)、ラジカル重合開始剤(c)、分散剤(d)及び希釈溶媒(f)の合計重量を基準とする(E)の濃度(重量%)が7〜40であり、得られる重合体ポリオールが請求項1〜4のいずれかに記載の重合体ポリオールである重合体ポリオールの製造方法。
工程(1):(PL)中で、(P1)及び(c)の存在下、必要により(d)及び/又は(f)の存在下、(E)を重合させて重合体ポリオール中間体(B1)を得る工程
工程(n):重合体ポリオール中間体(B(n−1))中で、(c)の存在下、必要により(d)及び/又は(f)の存在下、(E)を重合させて重合体ポリオール中間体(B(n))、又は重合体ポリオール(I)を得る工程(nは2〜6の整数を表す) - ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、必要により触媒、発泡剤及び整泡剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤の存在下で反応させてポリウレタン樹脂を製造する方法において、請求項1〜4のいずれかに記載の重合体ポリオールをポリオール成分の重量を基準として10〜100重量%含有するポリオール成分を用いるポリウレタン樹脂の製造方法。
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