JP2013076078A - ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の方法で製造したポリウレタンフォーム、特に軟質ポリウレタンフォームは、フォーム硬度及び機械物性が不十分という問題がある。
【解決手段】エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体微粒子(JR)がポリオール(PL)中に分散されてなるポリマーポリオール(A)を含んでなるポリオール組成物、又は(A)とポリオール(B)とを含んでなるポリオール組成物であって、(E)中の不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物の含有量が(E)の重量を基準として2重量%以下であり、(JR)の体積平均粒子径が0.1〜1.0μm、(JR)の含有量が(A)の重量に基づいて35〜45重量%、(PL)の水酸基価が40〜80mgKOH/g、且つ(PL)及び(B)のHLBの重量平均値が1.4〜6.0であるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタンフォーム用原料として好適であり、優れた機械物性をポリウレタンフォームに付与するポリオール組成物に関する。
近年コスト低減要求が強く、軽量化のためポリウレタンフォームの低密度化が求められている。例えば、車両用途では燃費規制に対応する軽量化のための軟質ポリウレタンフォームの低密度化が求められている。
低密度化の要望に応えるため、発泡剤としての水の使用量は更に増加の傾向にある。水の使用量を増加させる(非特許文献1等)ことは、フォーム製造時の発生炭酸ガス量を増加させることができ、軟質ポリウレタンフォームの密度を低下させるには有効である。しかし一方では、フォームの密度が低下するとフォーム硬度が低下する。軟質ポリウレタンフォームの硬度を向上させる具体的技術としては、使用する架橋剤の使用量を上げる方法(非特許文献1)等があるが、このような方法では、軟質ポリウレタンフォームの伸びや引張強度のような機械物性が不十分である等の課題が残されており、硬度が向上し機械物性が維持される軟質ポリウレタンフォームが望まれている。
岩田敬治、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」、日刊工業、1987年5月20日発行、第1版、32頁
しかし、上記従来の方法で製造したポリウレタンフォーム、特に軟質ポリウレタンフォームは、フォーム硬度及び機械物性が不十分という問題がある。
本発明は、これらの問題点を解決したポリオール組成物の提供を目的とする。
すなわち、本発明のポリオール組成物は、エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体微粒子(JR)がポリオール(PL)中に分散されてなるポリマーポリオール(A)を含んでなるポリオール組成物、又は(A)とポリオール(B)とを含んでなるポリオール組成物であって、(E)中の不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物の含有量が(E)の重量を基準として2重量%以下であり、(JR)の体積平均粒子径が0.1〜1.0μm、(JR)の含有量が(A)の重量に基づいて35〜45重量%、(PL)の水酸基価が40〜80mgKOH/g、且つ(PL)及び(B)のHLBの重量平均値が1.4〜6.0であることを要旨とする。
本発明のポリオール組成物を用いて得られたポリウレタンフォームは以下の効果を奏する。
本発明のポリオール組成物を用いて製造されたポリウレタンフォームはフォーム硬度が良好となる等、ポリウレタンの機械物性が向上する。特に低密度の軟質ポリウレタンフォームにおいて、機械物性が向上する。
本発明におけるポリオール組成物は、ポリマーポリオール(A)を含んでなるポリオール組成物、又は(A)とポリオール(B)とを含んでなるポリオール組成物である。(A)とは、エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位として重合させて得られる重合体微粒子(JR)がポリオール(PL)中に分散されてなるものである。
エチレン性不飽和化合物(E)としては、スチレン(以下Stと略記)、アクリロニトリル(以下、ACNと略記)、その他のエチレン性不飽和モノマー(e)等が使用できる。(E)としては、重合体粒子の硬度及び分散性の観点から、St及び/又はACNを必須成分とすることが好ましい。
Stの含有量(重量%)は、ポリウレタンの変色及び粗大粒子の含有量の観点から、(E)の合計重量を基準に49〜100が好ましく、さらに好ましくは51〜91、次にさらに好ましくは57〜82、最も好ましくは66〜78である。
ACNの含有量(重量%)は、上記と同様の観点から、(E)の合計重量を基準に0〜51が好ましく、さらに好ましくは9〜49、次にさらに好ましくは18〜43、最も好ましくは22〜34である。
StとACNとの重量比(St:ACN)は、上記と同様の観点から、100:0〜49:51が好ましく、さらに好ましくは57:43〜82:18、最も好ましくは78:22〜66:34である。
その他のエチレン性不飽和モノマー(e)としては、炭素数(以下、Cと略す)2以上かつ数平均分子量(以下、Mnと略す){Mnの測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。}1,000未満のもので、St及び/又はACNと共重合可能なものであれば特に制限はなく、下記に示す1官能のもの{不飽和ニトリル(e1)、芳香環含有モノマー(e2)、(メタ)アクリル酸エステル(e3)、不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物(e4)及びその他のエチレン性不飽和モノマー(e5)}及び多官能モノマー(e6)等が使用できる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(e1)としてはメタクリロニトリル等が挙げられる。
(e2)としてはα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロルスチレン等が挙げられる。
(e3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及びドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基がC1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを意味する。以下における(メタ)アクリル酸及び(メタ)アリル等についても同様の表記法を用いる。
(e4)の不飽和アルコールとしては、末端不飽和アルコールが好ましく用いられる。不飽和アルコールの炭素数は、重合体粒子の分散性の観点から、3〜12が好ましい。末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール及び1−ヘキセン−3−オールが挙げられる。
(e4)において、不飽和アルコールに付加するアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)としては、C2〜12のものが挙げられ、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略す、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,2−ブチレンオキサイド(以下、BOと略す)、テトラヒドロフラン(以下THFと略す)並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加及び/又はブロック付加)が挙げられる。AOとしては、分散安定性及び粘度の観点から、PO及び/又はEOが好ましい。
AOの付加モル数は、分散安定性及び粘度の観点から、1〜9が好ましく、さらに好ましくは1〜6、次にさらに好ましくは1〜3である。
その他のエチレン性不飽和モノマー(e5) としては、C2〜24のエチレン性不飽和モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸等のビニル基含有カルボン酸;エチレン及びプロピレン等の脂肪族炭化水素モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート及びパーフルオロオクチルエチルアクリレート等のフッ素含有ビニルモノマー;ジアミノエチルメタクリレート及びモルホリノエチルメタクリレート等の窒素含有ビニルモノマー;ビニル変性シリコーン;ノルボルネン、シクロペンタジエン及びノルボルナジエン等の環状オレフィン及び環状ジエン;等が挙げられる。
多官能モノマー(e6)としては、C8〜40の多官能モノマーが好ましく、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(e1)〜(e6)のうち、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタンフォームの機械物性の観点から、(e3)、(e4)及び(e6)が好ましく、さらに好ましくは(e4)及び(e6)、特に好ましくは末端不飽和アルコールのPO及び/又はEO付加物並びに2官能モノマー、最も好ましくはアリルアルコールのPO付加物及びジビニルベンゼンである。
特定のHLBの重量平均値を有するポリオールを使用する本発明において、(E)の重量を基準とした(e4)の含有量は、2重量%以下であり、ポリウレタンフォームの機械物性向上の観点から、1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0重量%である。2重量%を越えるとフォーム硬度が悪化する。
重合体微粒子(JR)の体積平均粒子径は、0.1〜1.0μmであり、ポリマーポリオールの粘度及びフォーム硬度の観点から、好ましくは0.15〜0.9μm、さらに好ましくは0.20〜0.85μm、次にさらに好ましくは0.25〜0.8μm、特に好ましくは0.35〜0.7μmである。0.1μm未満では、(JR)のフィラーとしての機能が発現しにくくフォーム硬度が低下し、1.0μmを越えると(JR)の体積当たりの表面積が小さくなるためウレタン樹脂との相互作用が小さくなりフォーム硬度が低下する。
なお、体積平均粒子径は、後述する方法により測定される。
重合体微粒子(JR)の形状は特に限定なく、球状、回転楕円体状及び平板状等いずれの形状でもよいが、フォーム硬度の観点から、球状が好ましい。
ポリマーポリオール(A)中の重合体微粒子(JR)含有量(重量%)は、35〜45重量%であり、フォーム硬度及びポリマーポリオール中の(JR)の凝集防止の観点から、37〜44重量%が好ましく、さらに好ましくは39〜43重量%である。(JR)含有量は、下記の方法で測定される。
<重合体粒子(JR)の含有量>
SUS製遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール15gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール15gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。

重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
ポリマーポリオール(A)の粘度(mPa・s)は、成形性の観点から、1,250〜12,000が好ましく、さらに好ましくは1,500〜8,000、最も好ましくは2,500〜4,500である。
なお、ポリマーポリオールの粘度は、ブルックフィールド型粘度計を用いて、25℃でJIS K1557−5:2007記載の方法により測定される。
ポリオール(PL)としては、下記の多価アルコール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等の公知のポリオールが含まれる。
多価アルコールとしては、C2〜20の2価アルコール、C3〜20の3価アルコール及びC5〜20の4〜8価アルコール等が挙げられる。
C2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。
C3〜20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。
C5〜20の4〜8価の多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等並びに糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールのAO付加物が挙げられる。AOとしては前述のAOが挙げられ、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2-ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエステルポリオールとしては、多価水酸基含有化合物(前記の多価アルコール及び前記ポリエーテルポリオール)と、芳香族ポリカルボン酸(フタル酸等)及び脂肪族ポリカルボン酸(マレイン酸、フマル酸及びアジピン酸等)並びにこれらの無水物及びこれらの低級アルキル(アルキル基のCが1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(無水フタル酸及びテレフタル酸ジメチル等)との縮合反応生成物;多価アルコールのカルボン酸無水物及びAOの付加反応物;これらのAO(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール{例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの};並びにポリカーボネートポリオール(例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物)等が挙げられる。
これら以外の各種ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール及びそれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報及び特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物;等が挙げられる。
(PL)は、フォームの機械強度の観点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。
(PL)の水酸基価は、40〜80mgKOH/gであり、フォーム硬度及びフォームの機械物性の観点から好ましくは45〜75mgKOH/g、さらに好ましくは50〜70mgKOH/g、特に好ましくは52〜68mgKOH/gである。40mgKOH/g未満ではフォーム硬度が低下し、80mgKOH/gを超えるとフォームの伸び率が低下する等機械物性が悪化する。
(A)は、ポリオール(PL)中でエチレン性不飽和化合物(E)を重合させ重合体微粒子(JR)を生成させる方法により得られる。
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合及びディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点からラジカル重合が好ましい。
ラジカル重合は、例えば分散剤(D)を含むポリオール(PL)中で、エチレン性不飽和化合物(E)をラジカル重合開始剤(K)の存在下に重合させる方法(米国特許第3383351号に記載の方法)等が使用できる。
ラジカル重合開始剤(K)としては、アゾ化合物及び過酸化物等{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの}が使用できる。また、(K)の10時間半減期温度は、(E)の重合率及び重合時間とポリマーポリオールの生産性の観点から、30〜150℃が好ましく、さらに好ましくは40〜140℃、特に好ましくは50〜130℃である。
(K)の使用量(重量%)は、(E)の重合度及び得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から(E)の合計重量に基づいて、0.05〜20が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.2〜2である。
分散剤(D)としては、Mnが1,000以上(好ましくは1,000〜10,000)のもの、例えばポリマーポリオールの製造で使用されている公知の分散剤{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの}等を使用することができ、(D)には、St又はACNと共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤及びSt又はACNとは共重合しない非反応性分散剤が挙げられる。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を含有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満のエチレン性不飽和化合物(E)とは区別される。
分散剤(D)の具体例としては以下のものが挙げられる。
〔1〕ポリオール(PL)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライド等のアルキレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(特開平07−196749号公報に記載のもの);
〔2〕〔1〕の変性ポリオールに、さらにエチレン性不飽和基含有化合物を反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオール{特開平08−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの};
〔3〕ポリオール(PL)との溶解度パラメーターの差が1以下の(PL)親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物の重合体との溶解度パラメーターの差が2以下の重合体微粒子(JR)親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(特開平05−059134号公報に記載のもの;
〔4〕その少なくとも一部がポリオール(PL)に可溶性である重量平均分子量(以下Mwと略記)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]が1,000〜30,000のビニル系オリゴマー及びこのオリゴマーと〔1〕の変性ポリオールを反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオールを併用する分散剤(特開平09−77968号公報に記載のもの);
〔5〕ポリオール(PL)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤(特開2002−308920号公報(対応米国特許第6756414号)に記載のもの);
これらの中で重合体微粒子(JR)の粒子径の観点から、〔2〕、〔4〕及び〔5〕が好ましく、特に好ましくは、〔5〕である。
分散剤(D)の使用量(重量%)は、重合体微粒子(JR)の粒子径及びポリマーポリオールの粘度の観点から、ポリオール(PL)の重量に基づいて、2〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜15である。
ラジカル重合において、必要により希釈溶媒(c)を使用してもよい。(c)としては、C6〜10の芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等);C5〜15の飽和脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン及びノルマルデカン等);C5〜30の不飽和脂肪族炭化水素(オクテン、ノネン及びデセン等);及びその他公知の溶剤(例えば特開2005−162791号公報に記載のもの)が挙げられる。(c)のうちポリマーポリオールの粘度の観点から、芳香族炭化水素が好ましい。
(c)の使用量(重量%)は、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタンの機械物性の観点から、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、0.1〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜40である。(c)は重合反応終了後にポリマーポリオール中に残存してもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
ラジカル重合において、必要により連鎖移動剤(g)を使用してもよい。(g)としてはC1〜20の脂肪族チオール(n−ドデカンチオール及びメルカプトエタノール等)等の連鎖移動剤{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの}が挙げられる。
(g)の使用量(重量%)は、ポリマーポリオールの粘度及び得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
重合温度は、生産性及びポリオールの分解防止の観点から、100〜200℃、さらに好ましくは110〜180℃、特に好ましくは120〜160℃である。
ポリマーポリオールを得る製造方法として、バッチ式重合法及び連続式重合法が好ましく、さらに好ましくは下記に述べる多段連続式重合法が挙げられる。
バッチ式重合法及び連続式重合法は、ポリマーポリオールを製造するための公知{特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの}の方法が使用できる。
多段連続式重合法とは、ポリオール(PL)、エチレン性不飽和化合物(E)、ラジカル重合開始剤(K)、及び分散剤(D)を含むモノマー含有混合液(M1)を連続式重合方法にて重合させてポリマーポリオールを得る第1工程と、次いでポリオール(PL)、エチレン性不飽和化合物(E)、ラジカル重合開始剤(K)、分散剤(D)及び第1工程で得られたポリマーポリオールを含むモノマー含有混合液(M2)を連続式重合方法にて重合させる第2工程を含んでなるポリマーポリオールを製造する方法である。
多段連続式重合法において、連続式重合方法とは、連続的にモノマー含有混合液を反応槽へ供給し、連続的にポリマーポリオールを得る方法であり、重合は半回分式重合方法で行っても、連続流通式の配管中で行っても良い。
重合により得られたポリマーポリオールを必要により、脱モノマー・脱溶剤処理を行ってもよい。脱モノマー・脱溶剤処理としては、公知(特開2004−002800号公報等)の方法が適用でき、ポリウレタンの白色度の観点から、減圧下で残存エチレン性不飽和化合物及び/又は希釈溶媒(c)を除去する方法、又は水を連続的に添加しながら減圧下で蒸留する方法(特公昭62−36052号公報等)が好ましい。
ポリマーポリオール(A)中の、可溶性ポリマー含有量(重量%)と重合体微粒子含有量(重量%)との比(可溶性ポリマー含有量/重合体微粒子含有量)は、(A)中の重合体微粒子の粒子径を小さくすること、得られるポリウレタンフォームの機械物性及びポリマーポリオールの粘度の観点から、1/10以下が好ましく、さらに好ましくは0.8/10以下、次にさらに好ましくは0.7/10以下、特に好ましくは0.5/10以下である。なお、可溶性ポリマー含有量は、下記の方法で測定される。
<可溶性ポリマー含有量(重量%)測定方法>
(メタノール沈殿物含有量の測定)
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W3)とする。メタノール50gを加えて混合する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて混合し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W4)とする。次式で算出した値を、メタノール沈殿物含有量(重量%)とする。

メタノール沈殿物含有量(重量%)=(W4)×100/(W3)
(キシレン沈殿物含有量の測定)
次に遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W5)とする。キシレン50gを加えて混合する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にキシレン50gを加えて混合し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W6)とする。次式で算出した値を、キシレン沈殿物含有量(重量%)とする。

キシレン沈殿物含有量(重量%)=(W6)×100/(W5)
(可溶性ポリマー含有量の算出)
次式で算出した値を、可溶性ポリマー含有量(重量%)とする。

可溶性ポリマー含有量(重量%)=メタノール沈殿物含有量(重量%)―キシレン沈殿粒物含有量(重量%)
可溶性ポリマーとは、上記の測定法において、メタノールには溶解しないが、キシレンには溶解するポリマーを意味する。この可溶性ポリマーの含有量が大きいと、ポリマーポリオールの粘度が大きくなり、ハンドリングが悪化する。またフォーム硬さに寄与する粒子状重合体微粒子含有量(=重合体微粒子含有量-可溶性ポリマー含有量)が低下するためフォーム硬度悪化にも繋がる。
可溶性ポリマー含有量(重量%)と重合体微粒子含有量(重量%)との比(可溶性ポリマー含有量/重合体微粒子含有量)は、この可溶性ポリマーと重合体微粒子の重量比を意味し、この重量比が大きいと、ポリマーポリオールの粘度が大きくなり、ハンドリングが悪化する。またフォーム硬度に寄与する粒子状重合体微粒子含有量(=重合体微粒子含有量-可溶性ポリマー含有量)が低下するためポリウレタンフォームの機械物性悪化にも繋がる。
ポリオール(B)は、前述したポリオール(PL)等が使用できる。
(B)は、フォームの機械強度の観点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。
(B)の水酸基価は、フォーム硬度及びフォームの機械物性の観点から、20〜100mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは40〜80mgKOH/g、次にさらに好ましくは50〜70mgKOH/g、特に好ましくは52〜68mgKOH/gである。
(PL)及び(B)のHLB(親水性−疎水性バランス)の重量平均値は、1.4〜6.0であり、フォーム硬度及びポリウレタンフォームの機械物性の観点から好ましくは1.6〜5.5、さらに好ましくは1.8〜5.0である。1.4未満ではフォーム硬度が低下し、6.0を超えると機械物性が悪化する。
HLBは有機概念図に基づく小田法による計算値であり、この計算方法は、例えば「乳化・可溶化の技術」〔昭和51年、工学図書(株)〕に記載されている。またHLBを導き出すための有機性値及び無機性値については「有機概念図−基礎と応用−」〔昭和59年 三共出版(株)〕記載の無機性基表(昭和49年、藤田らの報告値)を用いて算出できる。
(PL)及び(B)のHLBは、(PL)及び(B)中のオキシエチレン単位の含有量で、上記範囲に調整することができる。
(PL)及び(B)中のオキシエチレン単位の含有量は、(PL)及び(B)の合計重量に基づいて、フォーム硬度及びポリウレタンフォームの機械物性の観点から、7〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは7.5〜25重量%、次にさらに好ましくは8〜20重量%である。
ポリマーポリオール(A)の含有量は、(A)及びポリオール(B)の合計重量を基準として、フォーム硬度及びポリウレタンフォームの成形性の観点から、5〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜100重量%、次にさらに好ましくは15〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%、最も好ましくは25〜70重量%である。
本発明のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を製造するに当たって、ポリマーポリオール(A)とポリオール(B)とを混合することで製造でき、この方法は公知のいかなる方法でも良い。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、本発明のポリオール組成物と有機ポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてポリウレタンフォームを形成させる。
有機ポリイソシアネート成分(C)としては、通常ポリウレタンフォームに使用される有機ポリイオシアネートはすべて使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、C(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)が6〜16の芳香族ジイソシアネート、C6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート並びにトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、C6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、C6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、C8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
これらの中で、反応性及びポリウレタンフォームの機械物性の観点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは、TDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI及びこれらのイソシアネートの変性物、特に好ましくは、TDI、MDI及び粗製MDIである。
発泡剤としては、水、液化炭酸ガス及び沸点が−5〜70℃の低沸点化合物が含まれる。
低沸点化合物には、水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素等が含まれる。 水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素の具体例としては、塩化メチレン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(HCFC−123、HCFC−141b及びHCFC−142b等);HFC(ハイドロフルオロカーボン)(HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc等)、ブタン、ペンタン及びシクロペンタン等が挙げられる。
これらのうち、成形性の観点から、水、液化炭酸ガス、塩化メチレン、シクロペンタン、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfc及びこれらの2種以上の混合物を発泡剤として使用するのが好ましい。
発泡剤のうち、水の使用量は、フォーム形成時のフォーム密度、スコーチ発生の抑制の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分{ポリマーポリオール(A)を含んでなるポリオール組成物、又は(A)とポリオール(B)を含んでなるポリオール組成物(B)}100重量部に対して、1.0〜8.0重量部が好ましく、さらに好ましくは1.5〜7.0重量部である。低沸点化合物の使用量は、成形不良の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5〜25重量部である。液化炭酸ガスは、30部以下が好ましく、さらに好ましくは1〜25部である。
なお、上記及び以下において、部は重量部を意味する。
触媒としては、ウレタン化反応を促進するすべての触媒を使用でき、3級アミン{トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、ジエチルエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアミノビシクロオクタン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル及びN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等}、及び/又はカルボン酸金属塩(酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ及びオクチル酸鉛等)が挙げられる。触媒の使用量は、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0重量部である。
整泡剤としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製の「SRX−253」、「PRX−607」等]及びポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製の「L−540」、「SZ−1142」、「L−3601」、「SRX−294A」、「SH−193」、「SZ−1720」、「SZ−1675t」、「SF−2936F」及びデグサジャパン(株)製「B−4900」等]が挙げられる。整泡剤の使用量は、ポリウレタンフォームの機械物性、機械物性の経時変化及びフォームの変色の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜3.0重量部である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法においては、必要により、さらに以下に述べるその他の助剤を用い、その存在下で反応させてもよい。
その他の助剤としては、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の補助成分が挙げられる。
これら助剤の添加量としては、ポリオール成分100重量部に対して、着色剤は、1重量部以下が好ましい。可塑剤は、10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5重量部以下である。有機充填剤は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは30重量部以下である。難燃剤は、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは2〜20重量部である。老化防止剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。抗酸化剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。助剤の合計使用量は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30重量部である。
本発明の製造方法において、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数(インデックス)[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、成形性の観点、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、70〜150が好ましく、さらに好ましくは80〜130、特に好ましくは90〜120である。
本発明の方法によるポリウレタンフォームの製造方法の具体例の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分、発泡剤、触媒、整泡剤並びに必要によりその他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタンフォーム発泡機又は攪拌機を使用して、この混合物と有機ポリイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を連続発泡してポリウレタンフォームを得ることができる。また、密閉型又は開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得ることもできる。
本発明の方法で得られたポリウレタンフォームは、車両用、家具用、寝具用、アパレル用、電気機器用、電子機器用又は包装用として好適に使用される。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において、%、部及び比は、特に断りのない限り、それぞれ、重量%、重量部及び重量比を示す。
実施例及び比較例に使用した原料の組成、記号等は次のとおりである。
(1)ポリオール
ポリオール(PL1−1):グリセリンにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=56、EO含量=9%、HLB=1.8のポリオール。
ポリオール(PL1−2):グリセリンにPO付加させた、水酸基価=56、EO含量=0%、HLB=0のポリオール。〔商品名「サンニックス(登録商標)GP−3000」、三洋化成工業(株)製〕
ポリオール(PL1−3):ペンタエリスリトールにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=46、EO含量=17%、HLB=3.4のポリオール。
ポリオール(PL1−4):グリセリンにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=56、EO含量=20%、HLB=4.0のポリオール。
ポリオール(PL1−5):グリセリンにPO付加後、PO−EOをランダム付加させた、水酸基価=56、EO含量=25%、HLB=5.0のポリオール。
ポリオール(PL1−6):グリセリンにPO付加後、PO−EOをランダム付加させた、水酸基価=56、EO含量=70%、HLB=14.0のポリオール。
ポリオール(PL1−7):グリセリンにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=32、EO含量=10%、HLB=2.0のポリオール。
ポリオール(PL1−8):グリセリンにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=115、EO含量=10%、HLB=2.0のポリオール。
ポリオール(PL1−9):グリセリンにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=42、EO含量=15%、HLB=3.0のポリオール。
ポリオール(PL1−10):グリセリンにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=70、EO含量=10%、HLB=2.0のポリオール。
(2)ポリマーポリオール
ポリマーポリオール(POP−HS):体積平均粒子径=1.2μm、ポリマー含有量=44重量%。使用しているポリオールの水酸基価=48、EO含量=10%、HLB=2.0。可溶性ポリマー含有量/重合体微粒子含有量=0.05〔商品名「alcohol HS−100」、BAYER製〕
(2)ラジカル重合開始剤
K−1:1,1’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔商品名「V−59」、和光純薬工業(株)製〕
(3)分散剤
B−1 :ポリオール(PL1−2)0.14モルと2−ヒドロキシメタクリレート0.07モルとをTDI0.16モルでジョイントして得られる水酸基価=20、不飽和基数/含窒素基数=0.22の反応性分散剤〔特開2002−308920号公報参照〕
(4)ポリイソシアネート
TDI−80:商品名「コロネートT−80」〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(5)触媒
触媒A:商品名「TEDA−L33」(トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/67重量%溶液)〔東ソー(株)製〕
触媒B:商品名「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)〔日東化成(株)製〕
(6)整泡剤
商品名「SRX−280A」(ポリエーテルシロキサン重合体)〔東レダウコーニングシリコーン(株)製〕
実施例における測定、評価方法は次のとおりである。
<体積平均粒子径>
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリマーポリオールを2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準による体積平均粒子径を測定する。
<ろ過性>
ポリマーポリオール300gを70℃に加温する。ろ過面の大きさに裁断した目開き0.045mmの工業用織金網(JIS G3556)をろ過面の直径が96mmのブフナー漏斗にアルミニウム接着テープで固定する。ブフナー漏斗をろ過鐘の上部口に固定し、真空ポンプと直結する。温調したポリマーポリオールを30秒以内にブフナー漏斗の金網面上にあけ、ポリマーポリオールを金網上にあけてから、60秒以内に真空ポンプ〔型番TSW−300、佐藤真空(株)製〕を作動させる。真空ポンプを作動させた時点から計時を開始し、一部金網面が見えるまでの時間をろ過時間とする。ろ過した後のポリマーポリオールの重量を測定し、これを(W7)とする。次式で算出した値を、ろ過性とする。
ろ過性(g/s・cm2
=(W7)(g)÷[ろ過時間(秒)×ろ過面積〔72.4cm2〕]
製造例1 [ポリマーポリオール(A−1)の製造]
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(PL1−1)295部、分散剤(B−1)57.4部及びキシレン124部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(PL1−1)142部、分散剤(B−1)17.5部、ACN(アクリロニトリル)105部、スチレン245部、ジビニルベンゼン0.35部、ラジカル重合開始剤(K−1)3.5部及びキシレン10.5部を混合したモノマー含有混合液(Z1)を滴下ポンプを用いて25部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた後、未反応モノマーとキシレンを130℃減圧下で留去し、ポリマーポリオール(A−1)を得た。(A−1)の体積平均粒子径、重合体微粒子含有量(重量%)、可溶性ポリマー含有量/重合体微粒子含量及びろ過性を測定し、表1に示した。
製造例2〜11及び比較製造例1〜6 [ポリマーポリオール(A−2)〜(A−17)の製造]
製造例1において、表1に示す部数の初期仕込、モノマー含有混合液を使用する以外は製造例1と同様にして、ポリマーポリオール(A−2)〜(A−17)を得た。(A−2)〜(A−17)の体積平均粒子径、重合体微粒子含有量(重量%)、可溶性ポリマー含有量/重合体微粒子含量及びろ過性を測定し、表1に示した。
表1から比較製造例3、4、6のポリマーポリオールはろ過性が悪いことが分かり、特に比較製造例6の物は、極めて悪いため使用が困難であることが分かる。
Figure 2013076078
実施例1 [ポリオール組成物(Y−1)の製造]
攪拌装置、温度制御装置付きの3つ口フラスコに、ポリマーポリオール(A−1)55部及びポリオール(PL1−1)45部を仕込み、25℃で30分攪拌し、ポリオール組成物(Y−1)を得た。(Y−1)中のポリオールのHLBの重量平均値及びEO含有量を表2に示した。
Figure 2013076078
実施例2〜13及び比較例1〜8 [ポリオール組成物(Y−2)〜(Y−21)の製造]
実施例1において、表2に示す部数のポリマーポリオール及びポリオールを使用する以外は実施例1と同様にして、ポリオール組成物(Y−2)〜(Y−21)を得た。(Y−2)〜(Y−21)中のポリオールのHLBの重量平均値及びEO含有量を表2に示した。
実施例14〜27及び比較例9〜16 [ポリウレタンフォームの製造]
実施例1〜13、比較例1〜8で得られたポリオール組成物(Y−1)〜(Y−21)を使用し、表3記載の配合比で、以下に示す発泡処方によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォームの物性を下記の方法により評価した。結果を表3に示す。
<発泡処方>
〔1〕 ポリオール組成物及びポリイソシアネートをそれぞれ25±2℃に温度調整した。
〔2〕 ポリオール組成物、整泡剤、水、触媒の順で容量1Lのステンレス製ビーカーに仕込み、25℃±2℃で撹拌混合し、直ちにポリイソシアネートを加え、撹拌機〔ホモディスパー、特殊機化(株)製〕を用いて撹拌した(撹拌条件:2,000rpm×8秒間)。
〔3〕 撹拌停止後、25×25×10cmの木箱(25℃±2℃)に混合したビーカー内容物を投入して発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。
Figure 2013076078
<表3のフォーム物性の評価方法>
(1)密度(kg/m3
(2)25%ILD(硬度)(kgf/314cm2
(3)引張強度(kgf/cm2
(4)引裂強度(kgf/cm)
(5)切断伸度(%)
(6)圧縮残留歪(%)
(7)通気性(ml/cm2/s)
(1)〜(7)はJIS K6400−2004に準拠した。
表3の結果から、本発明のポリオール組成物を用いて製造したポリウレタンフォームは、比較例に比べて、密度が同等であるにもかかわらず、25%ILD、引張強度、引裂強度、切断伸度、圧縮残留歪及び通気性の全ての項目において、優れた結果となっている。特に、25%ILD、引張強度、切断伸度において、極めて良好な結果となっている。
本発明のポリオール組成物は、軟質ポリウレタンフォームの各種物性(特に、フォーム硬さ及び機械物性)をバランス良く調整でき、好適である。
本発明のポリオール組成物から形成されるポリウレタンフォーム成形体は、各種の幅広い用途に使用されるが、特に車両用、家具用、寝具用、アパレル用、電気機器用、電子機器用、放送用等に好適に用いられる。

Claims (8)

  1. エチレン性不飽和化合物(E)を構成単位とする重合体微粒子(JR)がポリオール(PL)中に分散されてなるポリマーポリオール(A)を含んでなるポリオール組成物、又は(A)とポリオール(B)とを含んでなるポリオール組成物であって、(E)中の不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物の含有量が(E)の重量を基準として2重量%以下であり、(JR)の体積平均粒子径が0.1〜1.0μm、(JR)の含有量が(A)の重量に基づいて35〜45重量%、(PL)の水酸基価が40〜80mgKOH/g、且つ(PL)及び(B)のHLBの重量平均値が1.4〜6.0であるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  2. ポリオール(PL)及びポリオール(B)中のオキシエチレン単位の含有量が、(PL)及び(B)の合計重量に基づいて7〜30重量%である請求項1に記載のポリオール組成物。
  3. ポリマーポリオール(A)の可溶性ポリマー含有量(重量%)と重合体微粒子含有量(重量%)との比(可溶性ポリマー含有量/重合体微粒子含有量)が1/10以下である請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
    可溶性ポリマー含有量(重量%)
    =メタノール沈殿物含有量(重量%)−キシレン沈殿物含有量(重量%)
  4. ポリオール(B)の水酸基価が20〜100mgKOH/gである請求項1〜3のいずれかに記載のポリオール組成物。
  5. ポリマーポリオール(A)の含有量が、(A)及びポリオール(B)の合計重量を基準として、5〜100重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリオール組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリオール組成物と有機ポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてなるポリウレタンフォームの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリオール組成物と有機ポリイソシアネート成分とを反応させて得られる軟質ポリウレタンフォーム。
  8. 請求項7に記載の軟質ポリウレタンフォームを含んでなる車両用、家具用、寝具用、アパレル用、電気機器用、電子機器用又は包装用軟質ポリウレタンフォーム成形体。
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