JP2019044104A - ポリマーポリオール - Google Patents

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Tsunetaro Kuwata
恒太郎 桑田
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Abstract

【課題】粘度上昇を抑制して、低い粘度を有し、着色が抑制されたポリマーポリオールを提供することを目的とする。【解決手段】エチレン性不飽和化合物を構成単位として含むポリマー微粒子がポリオール中に含有されているポリマーポリオールであって、下記(a)〜(c)の構成を備えている、ポリマーポリオール。(a)エチレン性不飽和化合物中のメタクリロニトリルの含有率が、0.1〜90質量%である(b)メタクリロニトリル以外のエチレン性不飽和化合物として、スチレン及び/又はアクリロニトリルを含み、エチレン性不飽和化合物中、スチレン及びアクリロニトリルの合計の含有率が10〜99.9質量%である(c)ポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg)が103〜120℃である【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリマーポリオールに関する。
従来、ポリマーポリオールは、ウレタンフォームの硬さを向上する目的のために、主として、軟質ポリウレタンフォーム用原料として使用される。
近年、ポリウレタンフォームは、室内、あるいは自動車、航空機などの交通機関内での使用の観点から、十分な強度が必要である一方、さらに軽量化のニーズも高まっている。しかしながら、ポリウレタンフォームの強度と軽量化を両立することは困難である。
ポリオール中でエチレン性不飽和単量体を重合させて得られるポリマーポリオールは、一般に分散安定性が悪く、粘度が高い。これを解決するために、連鎖移動剤を用いることがあり、例えば、特許文献1には連鎖移動剤としてアルキルメルカプタンを用いると、低粘度のポリマーポリオールが得られることが開示されている。
特許文献2には、ポリマーポリオールを構成するシード集団の粒径及び含有率を規定し、ポリオール中に分散体を形成し、さらに当該ポリオール中にポリ尿素、ポリウレタン等の粒子集団を形成することによりポリマーポリオールを得ること、さらにはこのポリマーポリオールとイソシアネートとを反応させることが開示されている。
特許文献3には、ポリマーポリオール中のポリマー微粒子成分として含まれるアクリロニトリルとスチレンの比率、ポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg)、ポリマー微粒子の粒子径、並びにポリオールの分子量及び末端水酸基量をそれぞれ特定範囲内とし、ポリマーポリオールの粘度をポリオール粘度とポリマー微粒子の含有率との関係から規定することにより、低粘度のポリマーポリオールが得られることが開示されている。
特開平01−221403号公報 特表2014−514428号公報 特開2014−43551号公報
しかしながら、特許文献1のように、連鎖移動剤としてアルキルメルカプタンを使用すると、得られるポリマーポリオールは、臭気に問題があり、さらにはポリマー濃度を高くした場合に生じる急激な粘度上昇を抑えることができない。このため、特許文献1の方法では、実用的なポリマーポリオールを得ることは困難である。また、特許文献2及び3のように、シード粒子、ポリマー微粒子の粒子径及び含有率を制御しても、ポリマー成分としてアクリロニトリル及びスチレンのみを使用する以上は、ポリマーポリオールの粘度上昇を抑制することは不十分であり、さらにはポリアクリロニトリルに由来する着色を抑制できない。
そこで、本発明は、粘度上昇を抑制して、低い粘度を有し、着色が抑制されたポリマーポリオールを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ポリオール中に、メタクリロニトリルを必須成分として含有し、それ以外にスチレン及び/又はアクリロニトリルとを所定の割合で含有するエチレン性不飽和化合物を所定の割合で含有し、ガラス転移温度が所定範囲内であるポリマー微粒子を含有して得られるポリオールは、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
エチレン性不飽和化合物を構成単位として含むポリマー微粒子がポリオール中に含有されているポリマーポリオールであって、
下記(a)〜(c)の構成を備えている、ポリマーポリオール。
(a)エチレン性不飽和化合物中のメタクリロニトリルの含有率が、0.1〜90質量%である
(b)メタクリロニトリル以外のエチレン性不飽和化合物として、スチレン及び/又はアクリロニトリルを含み、エチレン性不飽和化合物中、スチレン及びアクリロニトリルの合計の含有率が10〜99.9質量%である
(c)ポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg)が103〜120℃である
[2]
さらに下記(d)の構成を備えている、[1]のポリマーポリオール。
(d)ポリマーポリオール中のポリマー微粒子の含有率が、10〜80質量%である
[3]
前記エチレン性不飽和化合物中のメタクリロニトリルの含有率(α)、アクリロニトリルの含有率(β)、スチレンの含有率(γ)が下記条件(a)、(b)、及び(c)を満たす、[1]又は[2]のポリマーポリオール。
(条件(a))
0≦β≦40である場合、α≧−0.247β+9.9873であり、かつ40≦β≦99.9である場合、α≧0.1である
(条件(b))
59.8≦γ≦99.9である場合、α≧0.3307γ−19.78であり、かつ
0≦γ≦59.8である場合、α≧0.1である
(条件(c))
α+β+γ=100、0.1≦α≦90、及び10<β+γ<99.9を全て満たす
[4]
前記ポリマーポリオールの粘度(25℃)が、1,000〜15,000mPa・s、である[1]〜[3]のいずれかのポリマーポリオール。
本発明によれば、粘度上昇を抑制して低い粘度を有し、着色が抑制されたポリマーポリオールを提供可能である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ポリマーポリオール]
本実施形態のポリマーポリオール(以下、「POP」ともいう。)は、エチレン性不飽和化合物を構成単位として含むポリマー微粒子がポリオール中に含有されており、下記(a)〜(c)の構成を備えている。本実施形態のポリマーポリオールは、下記(a)〜(c)の構成を備えていることにより、ポリマー濃度を高めても、粘度上昇が抑制可能であるため低い粘度を有しており、例えば、ポリウレタンフォームの原料として用いる際、ハンドリング性、及び得られるポリウレタンフォームの発泡性を向上できる。また、本実施形態のポリマーポリオールは、下記(a)〜(c)の構成を備えていることにより、ポリマーポリオールの着色(例えば、黄変)を抑制することができ、良好な外観を有している。
(a)エチレン性不飽和化合物中のメタクリロニトリル(以下、「MAN」ともいう。)の含有率が、0.1〜90質量%である
(b)メタクリロニトリル以外のエチレン性不飽和化合物として、スチレン(以下、「St」ともいう。)及び/又はアクリロニトリル(以下、「AN」ともいう。)を含み、エチレン性不飽和化合物中、スチレン及びアクリロニトリルの合計の含有率が10〜99.9質量%である
(c)ポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg)が103〜120℃である
以下、ポリマーポリオールの各構成要素について詳細に説明する。
<1. エチレン性不飽和化合物>
(1−1. メタクリロニトリル(MAN))
本実施形態では、エチレン性不飽和化合物として、メタクリロニトリル(MAN)を必須成分として含有する。エチレン性不飽和化合物中のMANの含有率は、0.1〜90質量%である。含有率が上記範囲内であることにより、ポリマー微粒子の分子量が十分に高く、ポリマーポリオールの粘度を低くでき、ポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg)を高くすることができる。同様の観点から、含有率は、1〜70質量%であることが好ましく、3〜60質量%であることがより好ましい。
(1−2. アクリロニトリル(AN)及びスチレン(St))
本実施形態のエチレン性不飽和化合物には、さらにスチレン(St)及び/又はアクリロニトリル(AN)が含まれる。エチレン性不飽和化合物中のAN及びStの含有率は、10〜99.9質量%である。含有率が上記範囲内であることにより、ポリマーポリオールの粘度上昇が抑制され、かつポリマー微粒子のTgが高く保持される。同様の観点から、含有率は、40〜97質量%であることが好ましく、30〜99質量%であることがより好ましい。
本実施形態のポリマーポリオールにおいて、エチレン性不飽和化合物のMANの含有率(α)、ANの含有率(β)、Stの含有率(γ)が下記条件(a)、(b)、及び(c)を満たすことが好ましい。
(条件(a))
0≦β≦40である場合、α≧−0.247β+9.9873であり、かつ40≦β≦99.9である場合、α≧0.1である
(条件(b))
59.8≦γ≦99.9である場合、α≧0.3307γ−19.78であり、かつ
0≦γ≦59.8である場合、α≧0.1である
(条件(c))
α+β+γ=100、0.1≦α≦90、及び10<β+γ<99.9を全て満たす
条件(a)〜(c)を同時に満たすことにより、ポリマー微粒子の分子量をより一層十分に高くでき、ポリマーポリオールの粘度をより一層低くでき、ポリマー微粒子のTgをより一層高くできる。
(1−3. その他のエチレン性不飽和化合物)
エチレン性不飽和化合物は、MAN、AN、及びSt以外にその他のエチレン性不飽和化合物を使用してもよい。その他のエチレン性不飽和化合物成分としては、MAN、St、ANと共重合可能な成分であれば、特に制限はなく、例えば、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロロスチレン、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、及びドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(好ましくは、アルキル基の炭素数が1〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル)、ヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(好ましくは、アルキレン基の炭素数が2〜8であるヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート)、アリルアルコール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール、1−ヘキセン−3−オール、(メタ)アクリル酸、エチレン、プロピレン、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート、ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、ビニル変性シリコーン、ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのエチレン性不飽和化合物成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<2. ポリマー微粒子>
(2−1. 製造方法)
MAN、AN,St等のエチレン性不飽和化合物からポリマー微粒子を製造する方法は、ポリオール中、例えば、ラジカル開始剤の存在下で重合することにより得ることができる。詳細は、(4.ポリマーポリオール)の項で説明する。
(2−2. Tg)
本実施形態において、エチレン性不飽和化合物から重合されるポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg)が103〜120℃であり、好ましくは105〜118℃であり、より好ましくは107〜116℃である。ポリマー微粒子のTgが上記範囲内にあれば、ポリマー微粒子を含有するポリマーポリオールをポリウレタンフォームの原料として用いると、ポリウレタンフォームに優れた耐熱性を付与できる。
本実施形態のポリマーポリオールにおいて、ポリマー微粒子のTg(℃)は、例えば、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
(2−3. 形状)
本実施形態のポリマーポリオールにおいて、ポリマー微粒子の形状は、特に限定なく、球状、回転楕円体状及び平板状等、いずれの形状であってもよいが、ポリマーポリオールの粘度、流動性、ハンドリング性、及び形成されるポリウレタンフォームの硬さの観点から、球状であることが好ましい。
ポリマー微粒子のメディアン径(D50)は、特に制限はないが、ポリマーポリオールの粘度、形成されるポリウレタンフォームの発泡の均一性及び強度の観点から、0.1〜5.0μmであることが好ましい。メディアン径は、例えば、以下の方法により測定できる。すなわち、まず、50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリマーポリオールを2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準によるメジアン径を測定できる。
<3. ポリオール>
(3−1. 合成方法)
本実施形態のポリマーポリオールにおいて、ポリオールは、例えば、後述する多価アルコールにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる。ポリオールは、合成して使用してもよく、市販品を入手して使用してもよい、
(3−2. 種類)
本発明のポリオールとしては、以下の多価アルコール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等の公知のポリオールが含まれる。
多価アルコールとしては、例えば、炭素数2〜20の2価アルコール、炭素数3〜20の3価アルコール、炭素数5〜25の4価以上のアルコール等が挙げられる。炭素数2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)、及び脂環式ジオール(例えば、シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。炭素数3〜20の3価アルコールとしては、例えば、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。炭素数5〜25の4価以上の多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ポリオール(例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール、糖類(例えば、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、性状及び反応性の観点から、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド1,2−ブチレンオキサイドが好ましい。これらのアルキレンオキサイドは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上使用する場合の付加方法としては、ブロック付加であっても、ランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエステルポリオールとしては、多価水酸基含有化合物(例えば、前記多価アルコール及び前記ポリエーテルポリオール)と、芳香族ポリカルボン酸(例えば、フタル酸等)及び脂肪族ポリカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸及びアジピン酸等)並びにこれらの無水物及びこれらの低級アルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数が1〜4であるアルキルエステル)等のエステル形成性誘導体(無水フタル酸及びテレフタル酸ジメチル等)との縮合反応生成物;多価アルコールのカルボン酸無水物及びアルキレンオキサイドの付加反応物;これらのアルキレンオキサイド(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール(例えば、前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(例えば、ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの);並びにポリカーボネートポリオール(例えば、前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物)等が挙げられる。これらのポリエステルポリオールは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら以外の各種ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール及びそれらの水添物;アクリル系ポリオール、ヒマシ油等の天然油系ポリオール、天然油系ポリオールの変性物等が挙げられる。
上記ポリオールの内、本発明で好適に使用されるポリオールは、形成されるポリウレタンフォームの機械強度の観点から、ポリエーテルポリオールである。
(3−3. 物性)
本実施形態のポリマーポリオールにおいて、ポリオールの重量平均分子量は、1000〜20000であることが好ましい。重量平均分子量が上記範囲内にあれば、低粘度のポリマーポリオールが得られる傾向にある。ポリオールの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により、例えば、以下の測定条件で算出できる。
[GPCの測定条件]
カラム:TSK gel SuperH4000、TSK gel SuperH3000及びTSK gel SuperH2000(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃、検出器:RI
溶媒:テトラヒドロフラン、流速:0.6ml/分
試料濃度:0.25%、注入量:10μl
標準:ポリオキシエチレングリコール(東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
<4. ポリマーポリオール>
(4−1.製造方法)
本実施形態のポリマーポリオール(POP)は、例えば、ポリオールからなる分散媒中で、エチレン性不飽和化合物を重合させる製造方法により製造できる。
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合及びディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
ラジカル重合は、種々の方法、例えば分散剤を含むポリオール中で、エチレン性不飽和化合物をラジカル重合開始剤の存在下に重合させる方法(例えば、米国特許第3383351号等に記載の方法)等が使用できる。
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させる化合物が使用でき、アゾ化合物及び過酸化物等(例えば、特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの)が使用できる。また、重合開始剤の10時間半減期温度は、エチレン性不飽和化合物の重合率及び重合時間とポリマーポリオールの生産性の観点から、30〜150℃が好ましく、さらに好ましくは40〜140℃、特に好ましくは50〜130℃である。
重合開始剤の使用量(質量%)は、エチレン性不飽和化合物の合計重量に基づいて、エチレン性不飽和化合物の重合度及び得られるポリウレタンフォームの物性(フォーム硬さ)の観点から、好ましくは0.05〜20、さらに好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.2〜2である。
ラジカル重合開始剤は、そのまま使用してもよいし、希釈溶剤、分散剤及び/又はポリオールに溶解(又は分散)したものを使用してもよい。
分散剤としては、数平均分子量(Mn)が1,000以上(好ましくは1,000〜10,000)の種々のもの、例えばポリマーポリオールの製造で使用されている公知の分散剤(例えば、特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの)等を使用することができ、分散剤には、MAN、St、ANと共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤、及びMANやSt、ANとは共重合しない非反応性分散剤が含まれる。
分散剤の具体例としては、〔1〕ポリオールの水酸基の少なくとも一部を、メチレンジハライド及び/又はエチレンジハライドと反応させて高分子量化し、該反応物にさらにエチレン性不飽和基含有化合物を反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオール(例えば、特開平08−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの)等のマクロマータイプの分散剤;〔2〕ポリオールとの溶解度パラメーターの差が1.0以下のポリオール親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物のポリマーとの溶解度パラメーターの差が2.0以下のポリマー微粒子親和性セグメントを主鎖とするグラフト型ポリマー(例えば、特開平05−059134号公報等に記載のもの)等の、ポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの分散剤;〔3〕ポリオールの水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライド及び/又はエチレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(例えば、特開平07−196749号公報等に記載のもの)等の高分子量ポリオールタイプの分散剤;〔4〕その少なくとも一部がポリオールに可溶性である重量平均分子量(以下(Mw)と略記)[測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]が1,000〜30,000のビニル系オリゴマー及びこのオリゴマーと前記〔3〕の高分子量化した変性ポリオールを反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオールを併用する分散剤(例えば、特開平09−77968号公報等に記載のもの)等のオリゴマータイプの分散剤;〔5〕ポリオール(PL)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤(例えば、特開2002−308920号公報(対応米国特許第6756414号)等に記載のもの)等の反応性分散剤等が挙げられる。
分散剤の使用量は、ポリオールの重量に対して、ポリマー微粒子の粒子径及びポリマーポリオールの粘度の観点から、例えば、2〜15質量%である。
ラジカル重合においては、必要により希釈溶剤を使用してもよい。希釈溶剤としては、芳香族炭化水素(例えば、炭素数6〜10である芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン);飽和脂肪族炭化水素(例えば、炭素数5〜15である飽和脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン、n−デカン);不飽和脂肪族炭化水素(例えば、炭素数5〜30である不飽和脂肪族炭化水素、例えばオクテン、ノネン、デセン);及びその他公知の溶剤(例えば、特開2005−162791号公報等に記載のもの)等が使用できる。これらのうちポリマーポリオールの粘度の観点から好ましいのは芳香族炭化水素溶剤である。
希釈溶剤の使用量は、エチレン性不飽和化合物の合計重量に対して、ポリマーポリオールの粘度及び形成されるポリウレタンフォームの硬さの観点から、5〜50質量%である。
希釈溶剤は重合反応終了後にポリマーポリオール中に残存してもよいが、ポリウレタンフォームの硬さの観点から、重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
また、ラジカル重合においては必要により連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては脂肪族チオール(例えば、炭素数1〜20である脂肪族チオール、例えば、n−ドデカンチオール、メルカプトエタノール)等種々の連鎖移動剤(例えば、特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの)が使用できる。
連鎖移動剤の使用量は、エチレン性不飽和化合物の合計重量に対して、例えば、0.01〜2質量%である。
重合工程としては、バッチ式及び連続式等といったポリマーポリオールを製造するための公知の方法(例えば、特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの)の工程からなる製造方法で製造できる。本発明のポリマーポリオールを得る工程として、バッチ式重合法及び連続重合法が好ましく、ポリマーポリオールの生産性の観点から、好ましくは多段連続重合法である。
(4−2. 物性)
本実施形態のポリマーポリオールは低い粘度(25℃)を有しており、例えば、ハンドリング性及び形成されるポリウレタンフォームの発泡性が向上する。粘度は、1,000〜20,000mPa・sであることが好ましく、1,500〜18,000mPa・sであることがより好ましく、2,000〜16,000mPa・sであることがさらに好ましい。
ポリマーポリオールの粘度は、例えば、ブルックフィールド型粘度計(B型回転粘度計)を用いて、25℃でJIS K1557−5記載の方法により測定できる。例えば、ローターNo.3を用いて、粘度が10,000mPa・s以下の場合は12rpm、粘度が10,000を超える場合は6rpmで測定する。
(4−3.組成)
本実施形態のポリマーポリオール中のポリマー微粒子の含有率は、10〜80質量%であることが好ましく、、20〜70質量%であることがより好ましく、25〜60質量%であることがさらに好ましい。含有率が上記範囲内にあることにより、ポリマー微粒子が凝集しにくくなり、形成されるポリウレタンフォームの硬さが向上する。
POP中のポリマー微粒子の含有率は、例えば、後述する実施例の方法により測定できる。
(4−4. その他の成分)
本発明のポリマーポリオールは、必要により溶剤及び難燃剤を添加してもよい。溶剤としては、前述した希釈溶剤と同様の溶剤が使用でき、ポリマーポリオールの粘度等の観点から、不飽和脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素が好ましい。
難燃剤としては、種々の難燃剤(特開2005−162791号公報等に記載のものや、リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル、メラミン、ホスファゼン等)が使用でき、ポリマーポリオールの粘度の観点から、低粘度(100mPa・s以下/25℃)の難燃剤が好ましく、さらに好ましいのはハロゲン化リン酸エステルの内、トリス(クロロエチル)ホスフェート及びトリス(クロロプロピル)ホスフェートである。
ポリマーポリオール中の溶剤及び難燃剤の使用量は、例えば、ポリマー微粒子及びポリオールの合計重量に対して、それぞれ10質量%以下である。本実施形態のポリマーポリオールは、ポリウレタンフォーム製造に使用するポリオールとして用いることができる。すなわち、ポリマーポリオール又はポリマーポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネートからなるイソシアネート成分とを、公知の方法(例えば、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)等に記載の方法)等で反応させてポリウレタンを得ることができる。
ポリウレタンフォームの製造には、従来から用いられている製造装置(低圧あるいは高圧の機械装置等)を用いることができる。無溶媒の場合は、ニーダーやエクストルーダー等の装置を用いることができる。また、非発泡又は発泡ポリウレタンを製造する際には、閉鎖モールド又は開放モールドを用いることができる。
〔用途〕
本実施形態のポリマーポリオールは、イソシアネートと反応、発泡させて、ポリウレタンフォームとして使用できる。具体的には、自動車用や航空機、鉄道、船舶などの交通機関の座席用クッションやベッドやなどのクッションに好適である。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例に使用した原料の組成、評価方法等は次の通りである。
(1)ポリオール
ポリオール:グリセリンにプロピレンオキサイド(以下PO)−エチレンオキサイド(以下EO)の順にブロック付加させた、水酸基価が37であり、EO含有量が12質量%であり、粘度1220mPa・sのポリオールを得た。末端1級化率が72モル%であった。
(2)ラジカル重合開始剤
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル(東京化成社製品)。
(3)触媒
触媒:トリエチルアミン(東京化成社製品)。
(4)ポリマーポリオール中のポリマー微粒子の含有率の算出
下記1)〜9)の順序で行った。
1)遠心分離用400ml遠沈管に、ポリマーポリオール約10gを秤量し、ポリマーポリオール重量(W1)とした
2)メタノール100gを加えて希釈した
3)遠心分離機(Thermo Scientific社製品「LegendTM XTR」)を用いて、15200rpm×90分間遠心分離した
4)上澄み液をデカンテーション除去した
5)残留沈降物にメタノール80gを加えて希釈した
6)上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を3回繰り返した
7)遠沈管内の残留沈降物を、50℃×時間真空乾燥した
8)乾燥した沈降物の重量を秤量し、該重量を(W2)とした
9)下記式から算出した値を、ポリマー微粒子の含有率(質量%)とした
ポリマー微粒子の含有率(質量%)=(W2)/(W1)×100
(5)ポリマー微粒子のTg測定
下記1)〜5)の手順で行った。
1)JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCで実施した
2)ポリマー微粒子をホットステージ(Mettler社製EP80)で溶融させた
3)得られた溶融状態のサンプルを、液体窒素を用いて急冷し、固化させた
4)得られた固化物から10mgを測り取り、昇温スピード20℃/minの条件下、30〜350℃の範囲で昇温することにより測定した
5)得られたピークからTgを算出した
(6)ポリマーポリオールの着色性の判定
下記1)〜3)の手順で行った。1)得られたポリマーポリオールを100mlのガラス瓶に投入し密閉した
2)60℃の恒温槽で168時間保持した
3)168時間経過後のポリマーポリオールの着色度合を目視で判定した
判定基準は以下のとおりである。判定がA又はBである場合、着色が全くないか、あるいは十分に抑制されていることを示す。
<判定基準>
A:着色なし
B:やや着色あり
C:着色あり
[実施例1〜13及び比較例1〜6]
温度計、撹拌装置、送液装置付の1リットルオートクレーブに、ポリオールを満液状態に仕込み、撹拌しながら120℃まで昇温した。あらかじめ表1及び表2に示す比率で混合した、表1及び表2に示すポリオール、連鎖移動剤、各構成単位の混合液を連続的に装入し、排出口より連続的にポリマーポリオールを得た。このとき、反応圧力は3.5kg/cm2、滞留時間は50分であった。得られたポリマーポリオールを120℃、20mmHgで4時間減圧吸引処理し、未反応単量体およびトリエチルアミンを除去した。得られたポリマーポリオールを用いて、ポリマー微粒子の含有率、Tg、ポリマーポリオールの着色性判定を行った結果を表1及び表2に示す。
Figure 2019044104
Figure 2019044104

Claims (4)

  1. エチレン性不飽和化合物を構成単位として含むポリマー微粒子がポリオール中に含有されているポリマーポリオールであって、
    下記(a)〜(c)の構成を備えている、ポリマーポリオール。
    (a)エチレン性不飽和化合物中のメタクリロニトリルの含有率が、0.1〜90質量%である
    (b)メタクリロニトリル以外のエチレン性不飽和化合物として、スチレン及び/又はアクリロニトリルを含み、エチレン性不飽和化合物中、スチレン及びアクリロニトリルの合計の含有率が10〜99.9質量%である
    (c)ポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg)が103〜120℃である
  2. さらに下記(d)の構成を備えている、請求項1記載のポリマーポリオール。
    (d)ポリマーポリオール中のポリマー微粒子の含有率が、10〜80質量%である
  3. 前記エチレン性不飽和化合物中のメタクリロニトリルの含有率(α)、アクリロニトリルの含有率(β)、スチレンの含有率(γ)が下記条件(a)、(b)、及び(c)を満たす、請求項1又は2記載のポリマーポリオール。
    (条件(a))
    0≦β≦40である場合、α≧−0.247β+9.9873であり、かつ40≦β≦99.9である場合、α≧0.1である
    (条件(b))
    59.8≦γ≦99.9である場合、α≧0.3307γ−19.78であり、かつ
    0≦γ≦59.8である場合、α≧0.1である
    (条件(c))
    α+β+γ=100、0.1≦α≦90、及び10<β+γ<99.9を全て満たす
  4. 前記ポリマーポリオールの粘度(25℃)が、1,000〜15,000mPa・s、である請求項1〜3のいずれか1項記載のポリマーポリオール。
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