JP2013227492A - ポリマーポリオールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオール(PL)中で、エチレン性不飽和化合物(E)を、ラジカル重合開始剤(K)及び分散剤(D)の存在下で重合させる工程を含む重合体粒子(JR)を含有するポリマーポリオールの製造方法であって、重合時の気相酸素濃度が0.01〜5%であるポリマーポリオールの製造方法。ポリマーポリオール中の重合体粒子(JR)の含有量が、ポリマーポリオールの重量を基準として、20〜75重量%であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、これらの問題を解決したポリマーポリオールの製造方法の提供を目的とする。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、触媒、発泡剤及び整泡剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法であって、ポリオール成分が上記の製造方法で得られるポリマーポリオールをポリオール成分の重量に基づいて10〜100重量%含有することを要旨とする。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、上記の製造方法で得られることを要旨とする。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、アミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
(1)PO−AOの順序でブロック付加したもの
(2)PO−AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
(3)AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
(4)PO−AO−POの順序でブロック付加したもの
(5)PO及びAOを混合付加したランダム付加物
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダム又はブロック付加したもの
また、(PL1)の水酸基当量は、ポリウレタンフォーム(特に軟質ポリウレタンフォーム)の物性の観点から、好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜3,000である。2種以上の(PL1)を併用して水酸基当量がこの範囲内としたものも好ましい。
(PL2)としては、ポリエステルポリオール、ジエン系ポリオール等の高分子ポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
(e2)としてはα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロルスチレン等が挙げられる。
(e3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及びドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基がC1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを意味する。以下における(メタ)アクリル酸及び(メタ)アリル等についても同様の表記法を用いる。
AOの付加モル数は、分散安定性及び粘度の観点から、1〜9が好ましく、さらに好ましくは1〜6、次にさらに好ましくは1〜3である。
50℃が好ましく、さらに好ましくは40〜140℃、特に好ましくは50〜130℃である。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を含有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満のエチレン性不飽和化合物(E)とは区別される。
〔1〕ポリオール(PL)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライド等のアルキレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(特開平07−196749号公報に記載のもの);
〔2〕〔1〕の変性ポリオールに、さらにエチレン性不飽和基含有化合物を反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオール{特開平08−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの};
〔3〕ポリオール(PL)との溶解度パラメーターの差が1以下の(PL)親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物の重合体との溶解度パラメーターの差が2以下の重合体微粒子(JR)親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(特開平05−059134号公報に記載のもの);
〔4〕その少なくとも一部がポリオール(PL)に可溶性である重量平均分子量(以下Mwと略記)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]が1,000〜30,000のビニル系オリゴマー及びこのオリゴマーと〔1〕の変性ポリオールを反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオールを併用する分散剤(特開平09−77968号公報に記載のもの);
〔5〕ポリオール(PL)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤(特開2002−308920号公報(対応米国特許第6756414号)に記載のもの)。
これらの中で重合体微粒子(JR)の粒子径の観点から、〔2〕、〔4〕及び〔5〕が好ましく、特に好ましくは、〔5〕である。
(c)の使用量(重量%)は、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタンの機械物性の観点から、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、0.1〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜40である。(c)は重合反応終了後にポリマーポリオール中に残存してもよいが、ポリウレタンフォーム(特に軟質ポリウレタンフォーム)の物性の観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
(g)の使用量(重量%)は、ポリマーポリオールの粘度及び得られるポリウレタンフォーム(特に軟質ポリウレタンフォーム)の物性の観点から、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、0.01〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1である。
SUS製遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール15gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール15gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Paで60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。
重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
なお、ポリマーポリオールの粘度は、ブルックフィールド型粘度計を用いて、25℃でJIS K1557−5:2007記載の方法により測定される。
バッチ式重合法及び連続式重合法は、ポリマーポリオールを製造するための公知{特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの}の方法が使用できる。
本発明において、重合体粒子中に含まれる10μm以上の粒子の含有抑制の観点から、(E)の重合率が50%を越えるまで、上記気相酸素濃度範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは70%、次にさらに好ましくは80%、最も好ましくは90%を越えるまでである。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
なお、上記及び以下において、部は重量部を意味する。
その他の助剤としては、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の補助成分が挙げられる。
(1)ポリオール
ポリオール(PL1−1):グリセリンにプロピレンオキサイド(PO)を付加した後、エチレンオキサイド(EO)を付加して得られた、水酸基価=34、末端EO含量=14%のポリオール。
ポリオール(PL1−2):ペンタエリスリトールにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=32、末端EO含量=12%のポリオール。
ポリオール(PL1−3):グリセリンにPO−EOをランダム付加して得られた、水酸基価=56、EO含量=5%のポリオール。
分散剤(D−1):ポリオール(PL1−2)1モルと2−ヒドロキシメタクリレート0.2モルをTDI(トリレンジイソシアネート)0.4モルでジョイントして得られた、水酸基価26の分散剤
分散剤(D−2):ポリオール(PL1−3)1モルを、ジクロロメタン2モルでジョイントしたのち、グリシジルメタクリレートを0.35モル付加して得られた、水酸基価45の分散剤
(3)ラジカル重合開始剤
ラジカル重合開始剤(K−1):1,1’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔商品名「V−59」、和光純薬工業(株)製〕
(4)触媒
触媒A:東ソー(株)製「TEDA−L33」(トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/67(重量比)溶液)
触媒B:東ソー(株)社製「TOYOCAT ET」(ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液)
触媒C:日東化成(株)社製「ネオスタン U−28」(スタナスオクトエート)
(5)整泡剤
整泡剤A:EVONIK社製「TEGOSTAB B8737」
整泡剤B:東レ・ダウコーニング(株)社製「SRX−280A」
(6)イソシアネート
イソシアネートA:日本ポリウレタン工業(株)社製「CE−729」(TDI−80(2,4−及び2,6−TDI、2,4−体の比率が80%)/粗製MDI(平均官能基数:2.9)=80/20(重量比))
イソシアネートB:日本ポリウレタン工業(株)社製「コロネート T−80」(トリレンジイソシアネート)
<10μm以上の粒子の含有量および体積平均粒子径>
得られたポリマーポリオールを、レーザー光の透過率が70〜90%となるように、それに用いたポリオールで希釈し、下記の粒度分布測定装置にて10μm以上の粒子の含有量(体積%)および体積平均粒子径(μm)を測定した。
装置 :堀場製作所製 LA−750
測定原理 :Mie散乱理論
測定範囲 :0.020μm〜2000μm
溶液注入量:He−Neレーザー
測定時間 :20秒
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とした。メタノール50gを加えて希釈した。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離した。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去した。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返した。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とした。次式で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とした。
重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口および流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(PL1−1)300部、分散剤(D−1)30.0部及びキシレン60部を投入し、酸素濃度3体積%である空気−窒素混合気体を1L/分の速度で1時間通気後、気相酸素濃度を測定したところ、3体積%であった。さらに、酸素濃度3体積%である空気−窒素混合気体を0.1L/分の速度で通気しながら130℃に昇温した。ついで、ポリオール(PL1−1)128部、ACN245部、St105部、分散剤(D−1)12.8部、キシレン10部及びラジカル重合開始剤(K−1)3.0部の混合液(Z−1)を滴下ポンプを用いて25部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。その後、空気−窒素混合気体の通気を止め、未反応モノマーとキシレンを130℃減圧下で留去し、ポリマーポリオール(A−1)を得た。
空気−窒素混合気体の酸素濃度を0.01体積%にし、130℃に昇温する前の気相酸素濃度は0.01体積%であった以外は、上記実施例1と同様の方法でポリマーポリオール(A−2)を得た。
空気−窒素混合気体の酸素濃度を5体積%にし、130℃に昇温する前の気相酸素濃度は5体積%であった以外は、上記実施例1と同様の方法でポリマーポリオール(A−3)を得た。
ACN105部、St245部とした以外は、実施例1と同様の方法でポリマーポリオール(A−4)を得た。
ACN245部、St100部、ジビニルベンゼン5部とした以外は、実施例1と同様の方法でポリマーポリオール(A−5)を得た。
ACN230部、St100部、アリルアルコールPO2.2モル付加物10部、メチルアクリレート20部とした以外は、実施例1と同様の方法でポリマーポリオール(A−6)を得た。
ポリオール(PL1−1)の代わりにポリオール(PL1−3)、分散剤(D−1)の代わりに分散剤(D−2)とした以外は、実施例4と同様の方法でポリマーポリオール(A−7)を得た。
ACN448部、St192部とした以外は、実施例1と同様の方法でポリマーポリオール(A−8)を得た。
ACN100部、St43部とした以外は、実施例1と同様の方法でポリマーポリオール(A−9)を得た。
空気−窒素混合気体の酸素濃度を0.005体積%にし、130℃に昇温する前の気相酸素濃度は0.005体積%であった以外は、上記実施例1と同様の方法でポリマーポリオール(A−10)を得た。
空気−窒素混合気体の酸素濃度を0.005体積%にし、130℃に昇温する前の気相酸素濃度は0.005体積%であった以外は、上記実施例7と同様の方法でポリマーポリオール(A−11)を得た。
表2に示した発泡処方に従って、下記の発泡条件により軟質ポリウレタンフォームを金型内で発泡してフォームを形成後、金型から取り出し一昼夜放置後の軟質ポリウレタンフォーム諸物性を測定した。物性の測定値も表2にそれぞれ記載した。
金型SIZE:40cm×40cm×10cm(高さ)
金型温度:65℃
金型材質:アルミ
ミキシング方法:高圧ウレタン発泡機(ポリマーエンジニアリング社製)を用いて表2に記載のポリオールプレミックスとイソシアネートとを15MPaで混合
密度:JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
硬さ(25%ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm2
引張強度:JIS K6400に準拠、単位はkgf/cm2
引裂強度:JIS K6400に準拠、単位はkgf/cm
切断伸度:JIS K6400に準拠、単位は%
圧縮残留歪率:JIS K6400に準拠、単位は%
湿熱圧縮残留歪率:JIS K6400に準拠、単位は%
表3に示した発泡処方に従って、下記の発泡条件によりポリウレタンスラブフォームを発泡し、一昼夜放置後ポリウレタンスラブフォームの諸物性を測定した。物性の測定値も表3にそれぞれ記載した。
BOX SIZE:30cm×30cm×30cm天空き箱
材質:木材
ミキシング方法:ハンドミキシング
密度 :JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
硬さ(25%ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm2
引張強度:JIS K6400に準拠、単位はkgf/cm2
引裂強度:JIS K6400に準拠、単位はkgf/cm
切断伸度:JIS K6400に準拠、単位は%
圧縮残留歪率 :JIS K6400に準拠、単位は%
Claims (7)
- ポリオール(PL)中で、エチレン性不飽和化合物(E)を、ラジカル重合開始剤(K)及び分散剤(D)の存在下で重合させる工程を含む重合体粒子(JR)を含有するポリマーポリオールの製造方法であって、重合時の気相酸素濃度が0.01〜5%であるポリマーポリオールの製造方法。
- ポリマーポリオール中の重合体粒子(JR)の含有量が、ポリマーポリオールの重量を基準として、20〜75重量%である請求項1に記載の製造方法。
- エチレン性不飽和化合物(E)中のアクリロニトリル及びスチレンの合計含有量が、(E)の重量を基準として、50〜100重量%である請求項1又は2に記載の製造方法。
- レーザー回折/散乱式粒度分布測定で、0.020〜2,000μmの粒度範囲を85分割して求められる体積基準の粒度分布において、重合体粒子(JR)中に含まれる10μm以上の粒子の含有量が0〜10体積%である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- ポリオール成分とイソシアネート成分とを、触媒、発泡剤及び整泡剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤の存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する方法であって、ポリオール成分が請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で得られるポリマーポリオールをポリオール成分の重量に基づいて10〜100重量%含有する軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 請求項5に記載の製造方法で得られる軟質ポリウレタンフォーム。
- 請求項6に記載の軟質ポリウレタンフォームを含んでなる車両用、家具用、寝具用、アパレル用、電気機器用、電子機器用又は包装用軟質ポリウレタンフォーム成形体。
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