JP2019073687A - ポリオール組成物及びポリウレタンフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ポリウレタンフォームの製造において、大スケールの場合や、発泡剤の使用量を増やしてフォームを低密度化した場合でも、スコーチの発生を抑制することができるポリオール組成物及びこれを用いたポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。【解決手段】溶解度パラメータ(SP値)が8.9〜10.5のポリオール(A)及び酸化防止剤(B)を含有するポリオール組成物であって、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が4.0ppm以下であり、酸化防止剤(B)として、(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)及び(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有する酸化防止剤(B2)を含み、ポリオール組成物中の酸化防止剤(B)の合計含有量が500〜10000ppmであるポリオール組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオール組成物及びポリウレタンフォームに関する。
近年、コストダウンを目的に軟質ポリウレタンフォームの低密度化が進んでいる。低密度化を達成するためには、発泡剤(特に水)を増量する必要がある。しかし、発泡剤を増量するとフォーム製造時のフォーム内部温度が上昇し、スコーチ(焼け)が発生する問題がある。
特許文献1には、ポリオール成分中のアルデヒド含有量を低くし、使用するウレタン化触媒の種類及び量を調整することにより、スコーチの発生を抑制することが開示されている。
特開2013−227490号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、小スケールや発泡剤の使用量が少ない場合(発熱量が小さい場合)でのポリウレタンフォームの製造においてはスコーチの発生を抑制することができるものの、大スケールや発泡剤の使用量が多い場合(発熱量が大きい場合)でのポリウレタンフォームの製造においてはスコーチの発生を十分抑制することができない問題がある。
さらに、ポリウレタンフォームを製造後、経日での変色も消費者は嫌う傾向があり製造する上で重要な課題である。
本発明の目的は、ポリウレタンフォームの製造において、大スケールの場合や、発泡剤の使用量を増やしてフォームを低密度化した場合でも、スコーチの発生を抑制することができる、かつ経日での変色を抑制することができるポリオール組成物及びこれを用いたポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。
本発明者は、以上の問題点を解決するために鋭意検討した結果、以下に示される発明に到達した。
すなわち本発明は、溶解度パラメータ(SP値)が8.9〜10.5のポリオール(A)及び酸化防止剤(B)を含有するポリオール組成物であって、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が4.0ppm以下であり、酸化防止剤(B)として、(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)及び(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有する酸化防止剤(B2)を含み、ポリオール組成物中の酸化防止剤(B)の合計含有量が500〜10000ppmであるポリオール組成物;該ポリオール組成物を含有するポリオール成分(X)とポリイソシアネート成分(Y)とを、発泡剤(D)及び触媒(E)の存在下に反応させるポリウレタンフォームの製造方法である。
本発明のポリオール組成物を用いてポリウレタンフォームを製造すれば、大スケールの場合や、発泡剤の使用量を増やしてフォームを低密度化した場合でも、スコーチの発生を抑制することができる。
本発明のポリオール組成物は、ポリオール(A)及び酸化防止剤(B)を含有するポリオール組成物であって、(A)の溶解度パラメータ(SP値)が8.9〜10.5であり、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が4.0ppm以下であり、酸化防止剤(B)として、(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)及び(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有する酸化防止剤(B2)を含み、ポリオール組成物中の酸化防止剤(B)の合計含有量が500〜10000ppmであるポリオール組成物である。
ポリオール(A)としては、ヒドロキシル基を2個以上有するものが含まれ、ポリエーテルポリオール(A1)及びポリエステルポリオール(A2)が含まれる。
ポリエーテルポリオール(A1)としては、活性水素含有化合物(H)のアルキレンオキサイド付加物が含まれる。
活性水素含有化合物(H)としては、2〜8価又はそれ以上の多価水酸基含有化合物(H1)、多価アミノ基含有化合物(H2)、多価カルボキシル基含有化合物(H3)、多価チオール基含有化合物(H4)、多価活性水素を有するリン酸化合物(H5)、分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物(H6)及び(H1)〜(H6)で挙げられる化合物の2種以上の混合物が挙げられる。
多価水酸基含有化合物(H1)としては2〜8価の多価アルコール及び多価フェノール等が挙げられる。
具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリト―ル、ソルビト―ル及びショ糖等の4〜8価のアルコ―ル;ピロガロ―ル、カテコール及びヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(H1)としては、ポリエーテルポリオール(A1)の品質安定性の観点から、水及び多価アルコールが好ましく、さらに好ましくは2〜8価のアルコールである。
多価活性水素を有するアミノ基含有化合物(H2)としては、アミン、ポリアミン、アミノアルコール及びその他のアミノ基含有化合物等が挙げられる。
アミンとしては、アンモニア;炭素数(以下、Cと略記する)1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン等が挙げられる。
ポリアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン等が挙げられる。
なお、アミノ基と水酸基の両方を含有するアミノアルコールとしては、モノエタノ―ルアミン、ジエタノ―ルアミン及びトリエタノ―ルアミン等のアルカノ―ルアミンが挙げられる。
その他のアミノ基含有化合物としては、ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミド等が挙げられる。
これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多価カルボキシル基含有化合物(H3)としては、コハク酸及びアジピン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸及びトリメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等が挙げられる。
多価チオール基含有化合物(H4)としては、ポリチオール化合物が含まれ、2〜8価の多価チオールが挙げられる。
具体的にはエチレンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
多価活性水素を有するリン酸化合物(H5)としては燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物(H)のうち、貯蔵安定性の観点から、多価水酸基含有化合物(H1)及び多価活性水素を有するアミノ基含有化合物(H2)が好ましく、さらに好ましくは多価アルコール及びアミンであり、特に好ましくは多価アルコールである。
活性水素含有化合物(H)の活性水素当量((H)の分子量を活性水素の数で除した値)は、分子量制御の観点から、20〜300が好ましい。
活性水素含有化合物(H)に付加させるアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)としては、C2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
AOとしては、ポリエーテルポリオール(A1)の性状及びイソシアネート化合物との反応性の観点から、PO及びEOが好ましい。
AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオール(A1)の数平均分子量(以下、Mnと略す)は、イソシアネート化合物との反応性の観点から、500〜10000が好ましく、さらに好ましくは1000〜8000である。
Mnは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)(ポリスチレン換算)で求められる値である。
ポリエーテルポリオール(A1)の数平均官能基数は、ポリウレタンフォームの成形性及び物性の観点から、2〜8が好ましい。なお、数平均官能基数は、上記範囲以外の官能基数のものが含まれていても、数平均官能基数が上記範囲内となればよいことを意味する。
本発明において、ポリエーテルポリオール(A1)の官能基数は、出発物質である活性水素含有化合物(H)の有する活性水素基の数と同一であるとみなす。
ポリエーテルポリオール(A1)の水酸基価(mgKOH/g)は、成形性及び物性の観点から、10〜500が好ましく、さらに好ましくは15〜300である。
なお、本発明における水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
ポリエステルポリオール(A2)としては、ポリエーテルポリオール(G1)とポリカルボン酸(G2)とのエステル化物が含まれる。
ポリエーテルポリオール(G1)としては、上記(A1)が含まれる。
(G1)の数平均官能基数としては、成形性及び物性の観点から、2〜8が好ましい。
(G1)としては、(G2)との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)、ビスフェノールAのEO付加物及びビスフェノールAのPO付加物が好ましく、さらに好ましくはポリプロピレングリコールである。
(G1)のMnは、(G2)との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、500〜8000が好ましく、さらに好ましくは1000〜7000である。
ポリカルボン酸(G2)としては、ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2’−ビベンジルジカルボン酸、トリメリット酸、ヘミリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3,6−トリカルボン酸、ジフェン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、2,3,6−アントラセントリカルボン酸、ピレンジカルボン酸、コハク酸、フマル酸、セバシン酸及びアジピン酸等)、ポリカルボン酸の無水物(無水フタル酸等)並びに低級アルキル(アルキル基の炭素数が1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(テレフタル酸ジメチル等)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(A2)のMnは、イソシアネート化合物との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、500〜10000が好ましく、さらに好ましくは1000〜8000である。
(A2)の水酸基価は、イソシアネート化合物との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、10〜500が好ましく、さらに好ましくは15〜300である。
(A2)の官能基数は、イソシアネート化合物との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、2〜8が好ましく、さらに好ましくは2〜6である。
(A2)の数平均官能基数は、イソシアネート化合物との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、2〜8が好ましく、さらに好ましくは2〜6である。
ポリオール(A)の溶解度パラメーター(SP値)[(単位は(cal/cm1/2]は、8.9〜10.5である。
本発明において、SP値とは、下記に示す通り凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP値=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
ポリオール(A)が2種以上のポリオールの混合物である場合、ポリオール(A)のSP値としては、重量による加重平均値を意味する。つまり、SP値が上記範囲外のポリオールを含んでいてもよく、(A)中のポリオールのSP値の重量平均が上記範囲であればいい。
上記SP値を満たすポリエーテルポリオール(A1)として、具体的にはグリセリンのPO32.9モル付加物(SP値9.28)、グリセリンのPO50.1モル付加物(SP値9.07)、グリセリンのPO84.6モル付加物(SP値8.91)等が挙げられる。
なお、(A1)において、SP値を高くする方法としては、(A1)において活性水素含有化合物(H)に付加させるAO中のEOの重量割合を大きくする、付加させるAO量を減らす等によりSP値を高くすることができる。
また、SP値を低くする方法としては、(A1)において活性水素含有化合物(H)に付加させるAO中のPOの重量割合を大きくする、付加させるAO量を増やす等によりSP値を低くすることができる。
上記SP値を満たすポリエステルポリオール(A2)として、具体的にはグリセリンのPO24.7モル付加物に無水フタル酸及びPOをそれぞれ6モルずつ付加したもの(SP値10.50)、グリセリンのPO44.7モル付加物に無水フタル酸及びPOをそれぞれ6モルずつ付加したもの(SP値9.94)、グリセリンのPO27.7モル付加物に無水フタル酸及びPOをそれぞれ3モルずつ付加したもの(SP値10.12)等が挙げられる。
なお、(A2)において、SP値を高くする方法としては、(G1)において活性水素含有化合物(H)に付加させるAO中のEOの重量割合を大きくする、カルボン酸無水物を増やすことでエステル基濃度を上げる等によりSP値を高くすることができる。
また、SP値を低くする方法としては、(G1)において活性水素含有化合物(H)に付加させるAO中のPOの重量割合を大きくする、カルボン酸無水物を減らすことでエステル基濃度を下げる等によりSP値を低くすることができる。
本発明において、ポリオール組成物(P)中には、上記のポリオール(A)以外に、多価アルコール及び多価フェノールを含有してもよい。
多価アルコールとしては、上述の多価水酸基含有化合物(H1)において列挙した2〜8価の多価アルコールが挙げられ、ハンドリング性の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びグリセリンが好ましく、さらに好ましくはエチレングリコール及びジプロピレングリコールである。
多価フェノールとしては、上述の多価水酸基含有化合物(H1)において列挙した多価フェノールが挙げられ、反応性の観点から、ビスフェノールA及びビスフェノールSが好ましく、さらに好ましくはビスフェノールAである。
本発明において、酸化防止剤(B)としては(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)及び(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70未満のSP値を有する酸化防止剤(B2)を含む。
酸化防止剤(B)としては、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル(SP値9.42)、オクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ肉桂酸(SP値9.75)、ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)](SP値10.84)等のフェノール系の酸化防止剤;4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(SP値10.42)、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]アミン(SP値9.47)等のアミン系の酸化防止剤等が挙げられる。
これらのうち、ポリオール(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有するものを酸化防止剤(B1)とし、ポリオール(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有するものを酸化防止剤(B2)とする。
例えば、ポリオール(A)のSP値が9.07である場合、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル{(A)のSP値との差の絶対値が0.35}が酸化防止剤(B1)に該当し、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン{(A)のSP値との差の絶対値が1.35}が酸化防止剤(B2)に該当する。
また、ポリオール(A)のSP値が10.5である場合、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン{(A)のSP値との差の絶対値が0.08}が酸化防止剤(B1)に該当し、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル{(A)のSP値との差の絶対値が1.08}が酸化防止剤(B2)に該当する。
酸化防止剤(B1)のSP値と酸化防止剤(B2)のSP値との差の絶対値|{(B1)のSP値}−{(B2)のSP値}|は、相溶性の観点から、0.1〜1.5が好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2である。
本発明のポリオール組成物中の酸化防止剤(B1)と酸化防止剤(B2)重量比{(B1)/(B2)}は、ポリオール(A)と酸化防止剤(B)との相溶性の観点から、5/95〜95/5が好ましく、さらに好ましくは10/90〜90/10である。
本発明においては、(A)のSP値との差の絶対値の小さい(0.05以上0.60未満)SP値を有する酸化防止剤(B1)と、(A)のSP値との差の絶対値の大きい(0.60以上1.70以下)SP値を有する酸化防止剤(B2)とを併用することにより、ポリオール(A)と酸化防止剤(B)との相溶性が良化し、酸化防止剤(B)がポリオール(A)中に均一に分散するため耐スコーチ性の効果が最大限発揮される。また、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量の変化を抑制することができるので、長期間保管後もスコーチの発生を抑制することができる。
本発明において、ポリオール組成物中の酸化防止剤(B)の合計含有量は、500〜10000ppmであり、耐スコーチ性の観点から、800〜9500ppmが好ましく、さらに好ましくは1000〜9000ppmである。
酸化防止剤(B)の含有量が500ppm以上であることで、耐スコーチ性が良好となり、10000ppm以下であることで経日安定性が良好である。
本発明のポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量は4.0ppm以下であり、耐スコーチ性の観点から、3.5ppm以下が好ましく、さらに好ましくは3.0ppm以下である。
ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が4.0ppm以下であることにより耐スコーチ性が良好となる。
ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定される値である。具体的には、後述する測定条件により測定される値である。
なお、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの量は、EO及びPOを付加させる際の反応温度を低くする、反応後の処理工程での酸素濃度を低くする等により少なくすることができる。
本発明において、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が上記範囲であり、酸化防止剤(B)として前記酸化防止剤(B1)及び(B2)を併用することにより、大スケールの場合や、発泡剤の使用量を増やしてフォームを低密度化した場合でも、スコーチの発生を抑制することができる。さらに、ポリオール組成物の性状(例えばアルデヒド含有量等)が経時的に変化しにくく、ポリオール組成物を長期間保管後もスコーチの発生が少なくなる。
本発明において、JIS K1557−4:2007に準拠したポリオール組成物のCPR値は、ポリウレタンフォームを製造する際の反応性の観点から、0.01〜3.0が好ましく、さらに好ましくは0.05〜2.5である。
CPR値は、ポリオール製造時に処理剤で触媒を除去する等により小さくすることができる。処理剤として、具体的には、キョーワード600及びキョーワード700等が挙げられる。
本発明のポリオール組成物中には、ポリオール(A)及び酸化防止剤(B)以外に、重合体微粒子(C)を含有してもよい。
重合体微粒子(C)としては、エチレン性不飽和化合物(F)を構成単量体とする重合体微粒子であることが好ましい。
エチレン性不飽和化合物(F)としては、スチレン(以下、Stと略記する)、アクリロニトリル(以下、ACNと略記する)、その他のエチレン性不飽和化合物(f)等が使用できる。
エチレン性不飽和化合物(F)としては、St及び/又はACNを必須成分とすることが好ましい。
エチレン性不飽和化合物(F)中のStの含有量(重量%)は、重合体微粒子(C)の粒径の観点から、(F)の合計重量を基準に0〜51が好ましく、さらに好ましくは9〜49、次にさらに好ましくは18〜43、最も好ましくは22〜34である。
エチレン性不飽和化合物(F)中の ACNの含有量(重量%)は、重合体微粒子(C)の粒径の観点から、(F)の合計重量を基準に49〜100が好ましく、さらに好ましくは51〜91、次にさらに好ましくは57〜82、最も好ましくは66〜78である。
エチレン性不飽和化合物(F)中のStとACNとの重量比(St:ACN)は、重合体微粒子(C)の粒径の観点から、0:100〜51:49が好ましく、さらに好ましくは43:57〜18:82、最も好ましくは22:78〜34:66である。
その他のエチレン性不飽和化合物(f)としては、C2以上かつ数平均分子量{以下においてMnと略記する。また、Mnの測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による。}1,000未満のもので、St及び/又はACNと共重合可能なものであれば特に制限はなく、下記に示す1官能のもの{不飽和ニトリル(f1)、芳香環含有モノマー(f2)、(メタ)アクリル酸エステル(f3)、α−アルケニル基含有化合物のポリオキシアルキレンエーテル及び水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物(f4)並びにその他のエチレン性不飽和モノマー(f5)}及び多官能モノマー(f6)等が使用できる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
不飽和ニトリル(f1)としてはメタクリロニトリル等が挙げられる。
芳香環含有モノマー(f2)としてはα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロルスチレン等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル(f3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及びドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基がC1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを意味する。以下における(メタ)アクリル酸及び(メタ)アリル等についても同様の表記法を用いる。
(f4)において、α−アルケニル基含有化合物の(ポリ)オキシアルキレンエーテルとしては、C3〜24の不飽和アルコールのAO付加物が挙げられ、不飽和アルコールとしては、末端不飽和アルコールが好ましく用いられる。末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール及び1−ヘキセン−3−オール等が挙げられる。
水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物としては、C3〜24の水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物が挙げられ、水酸基を有する不飽和化合物エステルとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記AOとしては、C2〜12のものが挙げられ、例えばEO、PO、BO及びテトラヒドロフラン(以下THFと略記)並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加及び/又はブロック付加)が挙げられる。AOとしては、分散安定性及び粘度の観点から、好ましくはPO及び/又はEOである。
AOの付加モル数は、分散安定性及び粘度の観点から、1〜9が好ましく、さらに好ましくは1〜6、次にさらに好ましくは1〜3である。
その他のエチレン性不飽和モノマー(f5)としては、C2〜24のエチレン性不飽和モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸等のビニル基含有カルボン酸;エチレン及びプロピレン等の脂肪族炭化水素モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート及びパーフルオロオクチルエチルアクリレート等のフッ素含有ビニルモノマー;ジアミノエチルメタクリレート及びモルホリノエチルメタクリレート等の窒素含有ビニルモノマー;ビニル変性シリコーン;ノルボルネン、シクロペンタジエン及びノルボルナジエン等の環状オレフィン及び環状ジエン;等が挙げられる。
多官能モノマー(f6)としては、C8〜40の多官能モノマーが好ましく、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(f1)〜(f6)のうち、ポリオール組成物の粘度の観点から、(f3)、(f4)及び(f6)が好ましく、さらに好ましくは(f4)及び(f6)、特に好ましくは末端不飽和アルコールのPO及び/又はEO付加物並びに2官能モノマー、最も好ましくはアリルアルコールのPO付加物及びジビニルベンゼンである。
ポリオール組成物が重合体微粒子(C)を含有する場合、ポリオール組成物としては、重合体微粒子(C)の分散性の観点から、ポリオール(A)中で、エチレン性不飽和化合物(F)を、ラジカル重合開始剤(h)及び分散剤(I)の存在下で重合させて製造した重合体微粒子(C1)を含むポリオール組成物{以下においてポリマーポリオール(N)と記載することがある}であることがさらに好ましい。
ラジカル重合開始剤(h)としては、アゾ化合物及び過酸化物等{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの等}が使用できる。また、(h)の10時間半減期温度は、(F)の重合率及び重合時間とポリマーポリオール(N)の生産性の観点から、30〜150℃が好ましく、さらに好ましくは40〜140℃、特に好ましくは50〜130℃である。
ラジカル重合開始剤(h)の使用量(重量%)は、(F)の重合度及び得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、(F)の合計重量に基づいて、0.05〜20が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.2〜2である。
分散剤(I)としては、Mnが1,000以上(好ましくは1,000〜10,000)のもの、例えばポリマーポリオールの製造で使用されている公知の分散剤{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの}等を使用することができ、(I)には、St又はACNと共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤及びSt又はACNとは共重合しない非反応性分散剤が挙げられる。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を含有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満のエチレン性不飽和化合物(F)とは区別される。
分散剤(I)の具体例としては以下のものが挙げられる。
〔1〕ポリオール(A)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライド等のアルキレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(特開平07−196749号公報に記載のもの);
〔2〕〔1〕の変性ポリオールに、さらにエチレン性不飽和基含有化合物を反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオール{特開平08−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの};
〔3〕ポリオール(A)との溶解度パラメーターの差が1以下の(A)親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物の重合体との溶解度パラメーターの差が2以下の後述する重合体微粒子(C)との親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(特開平05−059134号公報に記載のもの;
〔4〕その少なくとも一部がポリオール(A)に可溶性である重量平均分子量(以下Mwと略記)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による。]が1,000〜30,000のビニル系オリゴマー及びこのオリゴマーと〔1〕の変性ポリオールを反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオールを併用する分散剤(特開平09−77968号公報に記載のもの);
〔5〕ポリオール(A)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤(特開2002−308920号公報(対応米国特許第6756414号)に記載のもの);
分散剤(I)としては、後述する重合体微粒子(C)の粒子径の観点から、〔2〕、〔4〕及び〔5〕が好ましく、特に好ましくは、〔5〕である。
分散剤(I)の使用量は、後述する重合体微粒子(C)の粒子径及びポリオール組成物の粘度の観点から、ポリオール(A)の重量に基づいて、2〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%である。
重合において、必要により希釈溶媒(c)を使用してもよい。(c)としては、C6〜10の芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等);C5〜15の飽和脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン及びノルマルデカン等);C5〜30の不飽和脂肪族炭化水素(オクテン、ノネン及びデセン等);及びその他公知の溶剤(例えば特開2005−162791号公報に記載のもの)が挙げられる。(c)のうちポリオール組成物の粘度の観点から、芳香族炭化水素が好ましい。
(c)の使用量は、ポリオール組成物の粘度及びポリウレタンフォームの機械物性の観点から、エチレン性不飽和化合物(F)の合計重量に基づいて、0.1〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜40重量%である。
(c)は重合反応終了後にポリオール組成物中に残存してもよいが、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
重合において、必要により連鎖移動剤(g)を使用してもよい。(g)としてはC1〜20の脂肪族チオール(n−ドデカンチオール及びメルカプトエタノール等)等の連鎖移動剤{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの}が挙げられる。
(g)の使用量(重量%)は、ポリオール組成物の粘度及び得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、エチレン性不飽和化合物(F)の合計重量に基づいて、好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
重合温度は、ポリオール組成物の生産性及び分解防止の観点から、100〜200℃、さらに好ましくは110〜180℃、特に好ましくは120〜160℃である。
ポリオール(A)中で、エチレン性不飽和化合物(F)を、ラジカル重合開始剤(h)及び分散剤(I)の存在下で重合させる製造方法としては、ポリマーポリオールを製造する方法として一般的に知られている方法が使用でき、ポリオール組成物の粘度の観点から、バッチ式重合法及び連続式重合法が好ましく、さらに好ましくは下記に述べる多段連続式重合法である。
バッチ式重合法及び連続式重合法は、ポリマーポリオールを製造するための公知{特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの等}の方法が使用できる。
多段連続式重合法とは、ポリオール(A)、エチレン性不飽和化合物(F)、ラジカル重合開始剤(h)及び分散剤(I)を含むモノマー含有混合液(M1)を連続式重合方法にて重合させてポリマーポリオールを得る第1工程と、次いでポリオール(A)、エチレン性不飽和化合物(F)、ラジカル重合開始剤(h)、分散剤(I)及び第1工程で得られたポリマーポリオールを含むモノマー含有混合液(M2)を連続式重合方法にて重合させる第2工程を含んでなるポリマーポリオール(N)を製造する方法である。
多段連続式重合法において、連続式重合方法とは、連続的にモノマー含有混合液を反応槽へ供給し、連続的にポリマーポリオールを得る方法であり、重合は半回分式重合方法で行っても、連続流通式の配管中で行っても良い。
重合体微粒子(C)の体積平均粒子径は、ポリオール組成物の粘度及びポリウレタンフォームの物性の観点から、0.1〜1.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.25〜1.2μm、次にさらに好ましくは0.3〜1.1μm、特に好ましくは0.4〜0.9μmである。体積平均粒子径は下記方法により測定される。
<体積平均粒子径>
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリオール組成物を約2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準による体積平均粒子径を測定する。
重合体微粒子(C)の形状は特に限定なく、球状、回転楕円体状及び平板状等いずれの形状でもよいが、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、球状が好ましい。
ポリオール組成物中の重合体微粒子(C)の含有量は、0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜40重量%である。
ポリオール組成物中の重合体微粒子(C)の含有量は、下記の方法で測定される。
<重合体微粒子(C)の含有量>
SUS製遠心分離用50ml遠沈管に、ポリオール組成物を約5g精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール15gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール15gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式で算出した値を、重合体微粒子含有量(重量%)とする。
重合体微粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
本発明のポリオール組成物を含むポリオール成分を用いてウレタンフォームを製造すれば、大スケールの場合や、発泡剤の使用量を増やしてフォームを低密度化した場合等の発熱量が大きい場合でも、スコーチの発生を抑制することができる。したがって、本発明のポリオール組成物は、大スケールで製造することの多いスラブ発泡用のポリオール組成物として有用である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、上記本発明のポリオール組成物を含有するポリオール成分(X)とポリイソシアネート成分(Y)とを、発泡剤(D)及び触媒(E)の存在下に反応させるポリウレタンフォームの製造方法である。
本発明の製造方法によれば、スコーチの発生を抑制してポリウレタンフォームを製造することができる。
ポリオール成分(X)中のポリオール組成物の含有量は、(X)の重量を基準として、耐スコーチ性の観点から、90〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは92〜100重量%である。
ポリオール成分(X)中の重合体微粒子(C)の含有量は、(X)の重量を基準として、成形性の観点から0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜40重量%である。
ポリオール成分(X)中の多価アルコール(A3)の含有量は、(X)の重量を基準として、成形性の観点から0〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜4重量%である。
ポリオール成分(X)中の多価フェノール(A4)の含有量は、(X)の重量を基準として、成形性の観点から0〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜4重量%である。
ポリオール成分(X)中のポリエーテルポリオール(A1)及びポリエステルポリオール(A2)の合計含有量は、(A1)〜(A4)の合計重量を基準として、耐スコーチ性の観点から、80〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは90〜100重量%である。
ポリオール成分(X)中の多価アルコール(A3)の含有量は、(A1)〜(A4)の合計重量を基準として、成形性の観点から、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%である。
ポリオール成分(X)中の多価フェノール(A4)の含有量は、(A1)〜(A4)の合計重量を基準として、成形性の観点から、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法に用いるポリイソシアネート成分(Y)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用でき、芳香族ポリイソシアネート(Y1)、脂肪族ポリイソシアネート(Y2)、脂環式ポリイソシアネート(Y3)及び芳香脂肪族ポリイソシアネート(Y4)並びにこれらの変性物(Y5)(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、又はオキサゾリドン基含有変性物等)が挙げられる。
ポリイソシアネート成分(Y)としては、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリイソシアネート(Y1)としては、C(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、C6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記する)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記する)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(以下、粗製MDIと略記する)、等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート(Y2)としては、C6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネート(Y3)としては、C6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート(Y4)としては、C8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性物(Y5)の具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
ポリイソシアネート成分(Y)として、反応性の観点から、TDI、粗製TDI、MDI及び粗製MDIが好ましく、さらに好ましくはTDI及びMDIである。
発泡剤(D)としては、水が好ましく、水以外に公知の発泡剤を含有してもよい。
公知の発泡剤としては、例えば、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素及び液化炭酸ガス等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、塩化メチレンやHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123及びHCFC−141b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HFC−245fa及びHFC−365mfc);HFO(ハイドロフルオロオレフィン)タイプのもの(例えば、HFO−1336mzzZ)等が挙げられる。
低沸点炭化水素は、沸点が通常−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンが挙げられる。
ポリオール成分(X)の重量に基づく水の使用量は、発明の効果を得やすい(発熱量が多い)観点から、ポリオール成分(X)の重量に基づいて、5.0〜8.5重量%が好ましく、さらに好ましくは5.5〜8.0重量%である。
ポリオール成分(X)の重量に基づく発泡剤(D)の使用量は、成形性の観点から、ポリオール成分(X)の重量に基づいて、0〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは5.5〜15重量%である。
触媒(E)としては、ウレタン化反応を促進するものとして用いられている公知の触媒を用いることができ、例えば、3級アミン[トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル及びN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等]、カルボン酸金属塩[酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ及びオクチル酸鉛等]等が挙げられる。
触媒(E)の使用量は、成形性及び反応性の観点から、ポリオール成分(X)の重量に基づいて、0.05〜1.5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.2重量%である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法には、その他の添加剤を用いてもよい。
その他の添加剤としては、整泡剤(S)(ジメチルシロキサン系、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系等)、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)等が挙げられ、これらの公知の添加剤の存在下で反応させることができる。
ポリオール成分(X)の重量に基づくその他の添加剤の使用量を以下に記載する。
整泡剤は、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
着色剤は、1重量%以下が好ましい。
可塑剤は、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5重量%以下である。
有機充填剤は、50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは30重量%以下である。
難燃剤は、30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜20重量%である。
老化防止剤は、1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。
他の添加剤の合計使用量は、50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30重量%である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、フォーム製造の際のイソシアネート指数(NCO INDEX)[(NCO基/水酸基)の当量比×100]は、60〜150が好ましく、さらに好ましくは70〜135、特に好ましくは80〜120である。
また、ポリオール成分(X)とポリイソシアネート成分(Y)とを反応させる条件は、一般的に用いられる公知の条件でよい。
一例を示せば、まず、ポリオール成分(X)、発泡剤(D)、触媒(E)及び必要により他の添加剤を所定量混合する。次いで、ポリウレタン低圧又は高圧注入発泡機又は撹拌機を使用して、この混合物(ポリオールプレミックス)とイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液を必要により密閉型もしくは開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。
本発明の製造方法で得られるポリウレタンフォームのコア密度は、発明の効果を得やすい(発熱量が多い)観点から、8〜28kg/m3であるのが好ましく、さらに好ましく
は10〜25kg/m3である。
コア密度の測定は、ポリウレタンフォームの物性の測定に関するJIS K6401の方法に基づいて行うことができる。
本発明の製造方法により得られるポリウレタンフォームは、耐スコーチ性に優れたものであるので、寝具、家具及びマットレス等として有用である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、以下において部は重量部を意味する。
実施例1〜9及び比較例1〜9に使用したポリオール(A)は以下の通りである。
(1)ポリエーテルポリオール(A1−1)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO24.3モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価112.2mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値9.48、ホルムアルデヒド含量0.1ppm、アセトアルデヒド含量0.2ppm、CPR値0.3。
(2)ポリエーテルポリオール(A1−2)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO50.1モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値9.07、ホルムアルデヒド含量0.1ppm、アセトアルデヒド含量0.3ppm、CPR値0.2。
(3)ポリエーテルポリオール(A1−3)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO50.1モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値9.07、ホルムアルデヒド含量0.1ppm、アセトアルデヒド含量0.4ppm、CPR値0.1。
(4)ポリエーテルポリオール(A1−4)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO45.6モル及びEO6.0モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量9.0%、数平均官能基数3.0、SP値9.13、ホルムアルデヒド含量0.2ppm、アセトアルデヒド含量0.3ppm、CPR値0.4。
(5)ポリエーテルポリオール(A1−5)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO84.6モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値8.91、ホルムアルデヒド含量0.2ppm、アセトアルデヒド含量0.5ppm、CPR値2.0。
(6)ポリエーテルポリオール(A1−6)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO50.1モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度1.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値9.07、ホルムアルデヒド含量2.3ppm、アセトアルデヒド含量7.9ppm、CPR値0.2。
(7)ポリエーテルポリオール(A1’−1)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO136.3モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度1.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価24.0mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値8.84、ホルムアルデヒド含量0.2ppm、アセトアルデヒド含量0.3ppm、CPR値0.2。
(8)ポリエーテルポリオール(A1’−2)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO8.8モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度1.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価280.5mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値10.64、ホルムアルデヒド含量0.1ppm、アセトアルデヒド含量0.3ppm、CPR値0.2。
<実施例1〜9>
ポリオール(A)と酸化防止剤(B)とを、酸化防止剤(B)の濃度が表1に記載の濃度(ppm)となるように、窒素雰囲気下でそれぞれ130℃のポリオール(A)に対して酸化防止剤(B)を添加し、1時間攪拌して混合し、放冷して25℃にし、ポリオール組成物(P−1)〜(P−9)を得た。
<比較例1〜9>
ポリオール(A)及び酸化防止剤(B)として表1に記載の種類及び量を用いて、130℃のポリオール(A)に対して酸化防止剤(B)を添加し、1時間攪拌して混合し、放冷して25℃にし、比較用のポリオール組成物(P−1’)〜(P−9’)を得た。
なお、比較例2のポリオール組成物は、25℃まで放冷した際、酸化防止剤(B)が析出したため、後のポリウレタンフォームの製造及びポリウレタンフォームの評価はできなかった。
Figure 2019073687
なお、表1中、酸化防止剤(B)は下記のものを用いた。
(B−1):3−(4′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸−n−オクタデシル(商品名:イルガノックス1076、BASF(株)製)
(B−2):テトラキス[メチレン−3−(3′、5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:イルガノックス1010、BASF(株)製)
(B−3):4、4′−ビス(4−α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名:ノンフレックスDCD、精工化学(株)製)
(B−4):ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル(商品名:イルガノックス1135、BASF(株)製)
<ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの含有量の測定>
ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド含有量の測定は、高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCと記載する)にて行った。
○HPLCの条件
カラム:ODS系カラム(例:STR ODS−II 島津製作所製)
移動相:アセトニトリル:水=45:55(V/V)
流速:0.8mL/Min
カラム温度:40℃
検出器:UV−VIS検出器(360nm)
注入量:20μL
○DNPH誘導体化試薬の調製
50mLメスフラスコに2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(以下、DNPHと略記)を50mg、リン酸(85重量%)を1.5mL加えた後、アセトニトリル(LCグレード)でメスアップしたものをDNPH誘導体化試薬とした。
○試料とDNPH誘導体化試薬の反応
20mLメスフラスコに試料0.5g秤量し、アセトニトリル(LCグレード)5mLを加えて溶解させた。DNPH誘導体化試薬5mLを加えて25℃で30分間反応させた。
30分間反応後、アセトニトリル(LCグレード)でメスアップした。
○検量線
2種アルデヒド−DNPH混合標準試薬(和光純薬工業(株)製)をアセトニトリル(LCグレード)にて希釈して0.004〜3.0ppmの範囲で4点以上調整し、検量線とした。
<実施例10〜18及び比較例10〜18>
得られたポリオール組成物を作製してから1日以内のもの、70℃で2週間経時変化促進試験を行ったもの(180日保管相当)をそれぞれ用いて、発泡剤(D)、触媒(E)及び整泡剤(S)を表2に記載の割合で混合し、ポリオールプレミックスを得た。得られたポリオールプレミックスに、イソシアネート指数が105となるように所定量のポリイソシアネート成分(Y)を加え、以下の発泡条件で発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。得られたポリウレタンフォームを用いて下記フォーム物性を評価した。結果を表2に示す。
ボックスサイズ :200mm(縦)×200mm(横)×200mm(高さ)
材質 :木材
ミキシング方法 :ハンドミキシング
ミキシング時間 :8秒
撹拌羽回転数 :5000回転/分
Figure 2019073687
なお、表2中、各成分は下記のものを用いた。
○発泡剤(D−1):水
○アミン触媒(E−1):Dabco 33LV(ジプロピレングリコール中にトリエチレンジアミン33重量%含むもの)
○スズ触媒(E−2):ネオスタンU−28(スタナスオクトエート)(日東化成製)
○整泡剤(S−1):L−540(東レダウコーニング製)
○ポリイソシアネート成分(Y−1):コロネートT−80(東ソー製)
ポリウレタンフォームのフォーム物性各項目の測定方法及び単位は下記の通りである。○コア密度:JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
○硬度(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm2
<スコーチの評価:ΔYI値(スコーチ)>
ポリウレタンフォームを発泡し、一晩養生した後の重心を中心とした試験片(12×12×12cm)を切り出した。色差計(Spectro Photometer SD5000、日本電色製)にてYI値を測定し、加熱前のYI値とした。
次いで、試験片を電子レンジ(出力1.25kW)の中央にセットし2分10秒加熱し、発熱量が大きい場合のスコーチ性能の評価とした。
加熱後、約16時間、室温(25℃)にて放冷して色差計(Spectro Photometer SD5000、日本電色製)にてYI値を測定し、加熱後のYI値とした。
得られたYI値から、下記式によりΔYI値(スコーチ)を求めた。
ΔYI値(スコーチ)=YI値(加熱後)−YI値(加熱前)
<経日変色の評価:ΔYI値(経日変色)>
ポリウレタンフォームを発泡し、一晩養生した後に中心部から試験片(10×5×3cm)を切り出した。色差計(Spectro Photometer SD5000、日本電色製)にてYI値を測定し、変色前のYI値とした。
次いで、試験片を70℃のオーブンに入れ2週間静置し、色差計でYI値を測定し変色後のYI値とした。
得られたYI値から、下記式によりΔYI値(経日変色)を求めた。
ΔYI値(経日変色)=YI値(変色後)−YI値(変色前)
表2の結果から、実施例1〜9のポリオール組成物を用いた実施例10〜18のポリウレタンフォームはいずれも、発熱量が大きい場合でもスコーチの発生を抑えることができることがわかる。また、長期間保管したポリオール組成物を用いても、スコーチの発生を抑制できていることがわかる。
一方、酸化防止剤を1種しか用いていない比較例1〜3のポリオール組成物(P’−1)〜(P’−3)を使った比較例10〜12のポリウレタンフォームは、作製後1日以内のΔYI値が65以上となりスコーチが発生しやすいことがわかる。さらに、70℃で2週間保管したもののΔYI値(経日変色)は、大きく、長期間保管することによりスコーチが発生しやすくなることがわかる。
また、酸化防止剤の合計含有量が100ppmと少ない比較例4のポリオール組成物(P’−4)を使った比較例13のポリウレタンフォームは、ΔYI値(スコーチ)とΔYI値(経日変色)共に大きく、スコーチと経日変色が発生しやすいことがわかる。
また、(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)を用いない比較例5のポリオール組成物(P’−5)は、酸化防止剤が析出してしまうことがわかる。
また、(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有する酸化防止剤(B2)を用いない比較例6のポリオール組成物(P’−6)は、経日の変色性は良いものの、スコーチが発生しやすいことがわかる。
また、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が10.2ppmと高い比較例7のポリオール組成物(P’−7)を使った比較例16のポリウレタンフォームも、ΔYI値(スコーチ)が65を超えておりスコーチが発生しやすく、さらにΔYI値(経日変色)も大きく変化しており、長期間保管することにより経日変色が発生しやすくなることがわかる。
また、(A)のSP値が8.9未満の比較例8のポリオール組成物(P’−8)と、(A)のSP値が10.5を超える比較例9のポリオール組成物(P’−9)では、それぞれポリオールの反応性が低すぎるおよび高すぎるためにフォームを成形することができない。
本発明の製造方法により得られる軟質ポリウレタンフォームは、寝具、家具及びマットレス等の用途に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 溶解度パラメータ(SP値)[(単位は(cal/cm1/2]が8.9〜10.5のポリオール(A)及び酸化防止剤(B)を含有するポリオール組成物であって、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が4.0ppm以下であり、酸化防止剤(B)として、(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)及び(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有する酸化防止剤(B2)を含み、ポリオール組成物中の酸化防止剤(B)の合計含有量が500〜10000ppmであるポリオール組成物(P)。
  2. 酸化防止剤(B1)と酸化防止剤(B2)との重量比{(B1)/(B2)}が5/95〜95/5である請求項1に記載のポリオール組成物。
  3. ポリオール(A)が、ポリエーテルポリオール(A1)を含む請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
  4. ポリエーテルポリオール(A1)の数平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜500mgKOH/gである請求項3に記載のポリオール組成物。
  5. JIS K1557−4:2007に準拠したポリオール組成物のCPR値が0.01〜3.0である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオール組成物(P)を含有するポリオール成分(X)とポリイソシアネート成分(Y)と発泡剤(D)と触媒(E)の混合物を硬化させてなるポリウレタンフォーム。
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