JP6900351B2 - ポリオール組成物及びポリウレタンフォーム - Google Patents
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Description
さらに、ポリウレタンフォームを製造後、経日での変色も消費者は嫌う傾向があり製造する上で重要な課題である。
本発明の目的は、ポリウレタンフォームの製造において、大スケールの場合や、発泡剤の使用量を増やしてフォームを低密度化した場合でも、スコーチの発生を抑制することができる、かつ経日での変色を抑制することができるポリオール組成物及びこれを用いたポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。
すなわち本発明は、溶解度パラメータ(SP値)が8.9〜10.5のポリオール(A)及び酸化防止剤(B)を含有するポリオール組成物であって、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が4.0ppm以下であり、酸化防止剤(B)として、(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)及び(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有する酸化防止剤(B2)を含み、ポリオール組成物中の酸化防止剤(B)の合計含有量が500〜10000ppmであるポリオール組成物;該ポリオール組成物を含有するポリオール成分(X)とポリイソシアネート成分(Y)とを、発泡剤(D)及び触媒(E)の存在下に反応させるポリウレタンフォームの製造方法である。
活性水素含有化合物(H)としては、2〜8価又はそれ以上の多価水酸基含有化合物(H1)、多価アミノ基含有化合物(H2)、多価カルボキシル基含有化合物(H3)、多価チオール基含有化合物(H4)、多価活性水素を有するリン酸化合物(H5)、分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物(H6)及び(H1)〜(H6)で挙げられる化合物の2種以上の混合物が挙げられる。
具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリト―ル、ソルビト―ル及びショ糖等の4〜8価のアルコ―ル;ピロガロ―ル、カテコール及びヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(H1)としては、ポリエーテルポリオール(A1)の品質安定性の観点から、水及び多価アルコールが好ましく、さらに好ましくは2〜8価のアルコールである。
アミンとしては、アンモニア;炭素数(以下、Cと略記する)1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン等が挙げられる。
ポリアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン等が挙げられる。
なお、アミノ基と水酸基の両方を含有するアミノアルコールとしては、モノエタノ―ルアミン、ジエタノ―ルアミン及びトリエタノ―ルアミン等のアルカノ―ルアミンが挙げられる。
その他のアミノ基含有化合物としては、ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミド等が挙げられる。
これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
具体的にはエチレンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
活性水素含有化合物(H)の活性水素当量((H)の分子量を活性水素の数で除した値)は、分子量制御の観点から、20〜300が好ましい。
AOとしては、ポリエーテルポリオール(A1)の性状及びイソシアネート化合物との反応性の観点から、PO及びEOが好ましい。
AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
Mnは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)(ポリスチレン換算)で求められる値である。
本発明において、ポリエーテルポリオール(A1)の官能基数は、出発物質である活性水素含有化合物(H)の有する活性水素基の数と同一であるとみなす。
なお、本発明における水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
(G1)の数平均官能基数としては、成形性及び物性の観点から、2〜8が好ましい。
(G1)としては、(G2)との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)、ビスフェノールAのEO付加物及びビスフェノールAのPO付加物が好ましく、さらに好ましくはポリプロピレングリコールである。
(G1)のMnは、(G2)との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、500〜8000が好ましく、さらに好ましくは1000〜7000である。
(A2)の水酸基価は、イソシアネート化合物との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、10〜500が好ましく、さらに好ましくは15〜300である。
(A2)の官能基数は、イソシアネート化合物との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、2〜8が好ましく、さらに好ましくは2〜6である。
(A2)の数平均官能基数は、イソシアネート化合物との反応性及びポリウレタンフォームの物性の観点から、2〜8が好ましく、さらに好ましくは2〜6である。
本発明において、SP値とは、下記に示す通り凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP値=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
なお、(A1)において、SP値を高くする方法としては、(A1)において活性水素含有化合物(H)に付加させるAO中のEOの重量割合を大きくする、付加させるAO量を減らす等によりSP値を高くすることができる。
また、SP値を低くする方法としては、(A1)において活性水素含有化合物(H)に付加させるAO中のPOの重量割合を大きくする、付加させるAO量を増やす等によりSP値を低くすることができる。
なお、(A2)において、SP値を高くする方法としては、(G1)において活性水素含有化合物(H)に付加させるAO中のEOの重量割合を大きくする、カルボン酸無水物を増やすことでエステル基濃度を上げる等によりSP値を高くすることができる。
また、SP値を低くする方法としては、(G1)において活性水素含有化合物(H)に付加させるAO中のPOの重量割合を大きくする、カルボン酸無水物を減らすことでエステル基濃度を下げる等によりSP値を低くすることができる。
多価アルコールとしては、上述の多価水酸基含有化合物(H1)において列挙した2〜8価の多価アルコールが挙げられ、ハンドリング性の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びグリセリンが好ましく、さらに好ましくはエチレングリコール及びジプロピレングリコールである。
これらのうち、ポリオール(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有するものを酸化防止剤(B1)とし、ポリオール(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有するものを酸化防止剤(B2)とする。
例えば、ポリオール(A)のSP値が9.07である場合、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル{(A)のSP値との差の絶対値が0.35}が酸化防止剤(B1)に該当し、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン{(A)のSP値との差の絶対値が1.35}が酸化防止剤(B2)に該当する。
また、ポリオール(A)のSP値が10.5である場合、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン{(A)のSP値との差の絶対値が0.08}が酸化防止剤(B1)に該当し、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル{(A)のSP値との差の絶対値が1.08}が酸化防止剤(B2)に該当する。
酸化防止剤(B)の含有量が500ppm以上であることで、耐スコーチ性が良好となり、10000ppm以下であることで経日安定性が良好である。
ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が4.0ppm以下であることにより耐スコーチ性が良好となる。
ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定される値である。具体的には、後述する測定条件により測定される値である。
なお、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの量は、EO及びPOを付加させる際の反応温度を低くする、反応後の処理工程での酸素濃度を低くする等により少なくすることができる。
CPR値は、ポリオール製造時に処理剤で触媒を除去する等により小さくすることができる。処理剤として、具体的には、キョーワード600及びキョーワード700等が挙げられる。
重合体微粒子(C)としては、エチレン性不飽和化合物(F)を構成単量体とする重合体微粒子であることが好ましい。
エチレン性不飽和化合物(F)としては、スチレン(以下、Stと略記する)、アクリロニトリル(以下、ACNと略記する)、その他のエチレン性不飽和化合物(f)等が使用できる。
エチレン性不飽和化合物(F)としては、St及び/又はACNを必須成分とすることが好ましい。
芳香環含有モノマー(f2)としてはα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロルスチレン等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル(f3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及びドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基がC1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを意味する。以下における(メタ)アクリル酸及び(メタ)アリル等についても同様の表記法を用いる。
水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物としては、C3〜24の水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物が挙げられ、水酸基を有する不飽和化合物エステルとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
AOの付加モル数は、分散安定性及び粘度の観点から、1〜9が好ましく、さらに好ましくは1〜6、次にさらに好ましくは1〜3である。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を含有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満のエチレン性不飽和化合物(F)とは区別される。
〔1〕ポリオール(A)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライド等のアルキレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(特開平07−196749号公報に記載のもの);
〔2〕〔1〕の変性ポリオールに、さらにエチレン性不飽和基含有化合物を反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオール{特開平08−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの};
〔3〕ポリオール(A)との溶解度パラメーターの差が1以下の(A)親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物の重合体との溶解度パラメーターの差が2以下の後述する重合体微粒子(C)との親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(特開平05−059134号公報に記載のもの;
〔4〕その少なくとも一部がポリオール(A)に可溶性である重量平均分子量(以下Mwと略記)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による。]が1,000〜30,000のビニル系オリゴマー及びこのオリゴマーと〔1〕の変性ポリオールを反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオールを併用する分散剤(特開平09−77968号公報に記載のもの);
〔5〕ポリオール(A)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤(特開2002−308920号公報(対応米国特許第6756414号)に記載のもの);
分散剤(I)としては、後述する重合体微粒子(C)の粒子径の観点から、〔2〕、〔4〕及び〔5〕が好ましく、特に好ましくは、〔5〕である。
(c)の使用量は、ポリオール組成物の粘度及びポリウレタンフォームの機械物性の観点から、エチレン性不飽和化合物(F)の合計重量に基づいて、0.1〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜40重量%である。
(c)は重合反応終了後にポリオール組成物中に残存してもよいが、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
(g)の使用量(重量%)は、ポリオール組成物の粘度及び得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、エチレン性不飽和化合物(F)の合計重量に基づいて、好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
バッチ式重合法及び連続式重合法は、ポリマーポリオールを製造するための公知{特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの等}の方法が使用できる。
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリオール組成物を約2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準による体積平均粒子径を測定する。
ポリオール組成物中の重合体微粒子(C)の含有量は、下記の方法で測定される。
SUS製遠心分離用50ml遠沈管に、ポリオール組成物を約5g精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール15gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:GRX−220、トミー精工(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール15gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式で算出した値を、重合体微粒子含有量(重量%)とする。
重合体微粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
本発明の製造方法によれば、スコーチの発生を抑制してポリウレタンフォームを製造することができる。
ポリオール成分(X)中の重合体微粒子(C)の含有量は、(X)の重量を基準として、成形性の観点から0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜40重量%である。
ポリオール成分(X)中の多価アルコール(A3)の含有量は、(X)の重量を基準として、成形性の観点から0〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜4重量%である。
ポリオール成分(X)中の多価フェノール(A4)の含有量は、(X)の重量を基準として、成形性の観点から0〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜4重量%である。
ポリオール成分(X)中の多価アルコール(A3)の含有量は、(A1)〜(A4)の合計重量を基準として、成形性の観点から、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%である。
ポリオール成分(X)中の多価フェノール(A4)の含有量は、(A1)〜(A4)の合計重量を基準として、成形性の観点から、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%である。
ポリイソシアネート成分(Y)としては、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香脂肪族ポリイソシアネート(Y4)としては、C8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性物(Y5)の具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
ポリイソシアネート成分(Y)として、反応性の観点から、TDI、粗製TDI、MDI及び粗製MDIが好ましく、さらに好ましくはTDI及びMDIである。
公知の発泡剤としては、例えば、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素及び液化炭酸ガス等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、塩化メチレンやHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123及びHCFC−141b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HFC−245fa及びHFC−365mfc);HFO(ハイドロフルオロオレフィン)タイプのもの(例えば、HFO−1336mzzZ)等が挙げられる。
低沸点炭化水素は、沸点が通常−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンが挙げられる。
ポリオール成分(X)の重量に基づく発泡剤(D)の使用量は、成形性の観点から、ポリオール成分(X)の重量に基づいて、0〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは5.5〜15重量%である。
触媒(E)の使用量は、成形性及び反応性の観点から、ポリオール成分(X)の重量に基づいて、0.05〜1.5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.2重量%である。
その他の添加剤としては、整泡剤(S)(ジメチルシロキサン系、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系等)、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)等が挙げられ、これらの公知の添加剤の存在下で反応させることができる。
整泡剤は、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
着色剤は、1重量%以下が好ましい。
可塑剤は、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5重量%以下である。
有機充填剤は、50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは30重量%以下である。
難燃剤は、30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜20重量%である。
老化防止剤は、1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。
他の添加剤の合計使用量は、50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30重量%である。
一例を示せば、まず、ポリオール成分(X)、発泡剤(D)、触媒(E)及び必要により他の添加剤を所定量混合する。次いで、ポリウレタン低圧又は高圧注入発泡機又は撹拌機を使用して、この混合物(ポリオールプレミックス)とイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液を必要により密閉型もしくは開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。
は10〜25kg/m3である。
コア密度の測定は、ポリウレタンフォームの物性の測定に関するJIS K6401の方法に基づいて行うことができる。
(1)ポリエーテルポリオール(A1−1)
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO24.3モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価112.2mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値9.48、ホルムアルデヒド含量0.1ppm、アセトアルデヒド含量0.2ppm、CPR値0.3。
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO50.1モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値9.07、ホルムアルデヒド含量0.1ppm、アセトアルデヒド含量0.3ppm、CPR値0.2。
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO50.1モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値9.07、ホルムアルデヒド含量0.1ppm、アセトアルデヒド含量0.4ppm、CPR値0.1。
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO45.6モル及びEO6.0モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量9.0%、数平均官能基数3.0、SP値9.13、ホルムアルデヒド含量0.2ppm、アセトアルデヒド含量0.3ppm、CPR値0.4。
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO84.6モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度0.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値8.91、ホルムアルデヒド含量0.2ppm、アセトアルデヒド含量0.5ppm、CPR値2.0。
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO50.1モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度1.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価56.1mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値9.07、ホルムアルデヒド含量2.3ppm、アセトアルデヒド含量7.9ppm、CPR値0.2。
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO136.3モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度1.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価24.0mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値8.84、ホルムアルデヒド含量0.2ppm、アセトアルデヒド含量0.3ppm、CPR値0.2。
グリセリン1モルに水酸化カリウムを触媒としてPO8.8モルを付加〔触媒使用量0.25重量%(反応生成物重量基準)、反応温度95〜105℃〕し、水1.0重量%、キョーワード600を0.4重量%仕込み、90℃で30分間撹拌後ろ過する。キョーワード700を0.02重量%濾布にコートし、ろ過する。上記2回のろ過を酸素濃度1.5%以下で行い水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価280.5mgKOH/g、EO単位含有量0%、数平均官能基数3.0、SP値10.64、ホルムアルデヒド含量0.1ppm、アセトアルデヒド含量0.3ppm、CPR値0.2。
ポリオール(A)と酸化防止剤(B)とを、酸化防止剤(B)の濃度が表1に記載の濃度(ppm)となるように、窒素雰囲気下でそれぞれ130℃のポリオール(A)に対して酸化防止剤(B)を添加し、1時間攪拌して混合し、放冷して25℃にし、ポリオール組成物(P−1)〜(P−9)を得た。
ポリオール(A)及び酸化防止剤(B)として表1に記載の種類及び量を用いて、130℃のポリオール(A)に対して酸化防止剤(B)を添加し、1時間攪拌して混合し、放冷して25℃にし、比較用のポリオール組成物(P−1’)〜(P−9’)を得た。
なお、比較例2のポリオール組成物は、25℃まで放冷した際、酸化防止剤(B)が析出したため、後のポリウレタンフォームの製造及びポリウレタンフォームの評価はできなかった。
(B−1):3−(4′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸−n−オクタデシル(商品名:イルガノックス1076、BASF(株)製)
(B−2):テトラキス[メチレン−3−(3′、5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:イルガノックス1010、BASF(株)製)
(B−3):4、4′−ビス(4−α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名:ノンフレックスDCD、精工化学(株)製)
(B−4):ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル(商品名:イルガノックス1135、BASF(株)製)
ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド含有量の測定は、高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCと記載する)にて行った。
○HPLCの条件
カラム:ODS系カラム(例:STR ODS−II 島津製作所製)
移動相:アセトニトリル:水=45:55(V/V)
流速:0.8mL/Min
カラム温度:40℃
検出器:UV−VIS検出器(360nm)
注入量:20μL
○DNPH誘導体化試薬の調製
50mLメスフラスコに2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(以下、DNPHと略記)を50mg、リン酸(85重量%)を1.5mL加えた後、アセトニトリル(LCグレード)でメスアップしたものをDNPH誘導体化試薬とした。
○試料とDNPH誘導体化試薬の反応
20mLメスフラスコに試料0.5g秤量し、アセトニトリル(LCグレード)5mLを加えて溶解させた。DNPH誘導体化試薬5mLを加えて25℃で30分間反応させた。
30分間反応後、アセトニトリル(LCグレード)でメスアップした。
○検量線
2種アルデヒド−DNPH混合標準試薬(和光純薬工業(株)製)をアセトニトリル(LCグレード)にて希釈して0.004〜3.0ppmの範囲で4点以上調整し、検量線とした。
得られたポリオール組成物を作製してから1日以内のもの、70℃で2週間経時変化促進試験を行ったもの(180日保管相当)をそれぞれ用いて、発泡剤(D)、触媒(E)及び整泡剤(S)を表2に記載の割合で混合し、ポリオールプレミックスを得た。得られたポリオールプレミックスに、イソシアネート指数が105となるように所定量のポリイソシアネート成分(Y)を加え、以下の発泡条件で発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。得られたポリウレタンフォームを用いて下記フォーム物性を評価した。結果を表2に示す。
ボックスサイズ :200mm(縦)×200mm(横)×200mm(高さ)
材質 :木材
ミキシング方法 :ハンドミキシング
ミキシング時間 :8秒
撹拌羽回転数 :5000回転/分
○発泡剤(D−1):水
○アミン触媒(E−1):Dabco 33LV(ジプロピレングリコール中にトリエチレンジアミン33重量%含むもの)
○スズ触媒(E−2):ネオスタンU−28(スタナスオクトエート)(日東化成製)
○整泡剤(S−1):L−540(東レダウコーニング製)
○ポリイソシアネート成分(Y−1):コロネートT−80(東ソー製)
○硬度(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm2
ポリウレタンフォームを発泡し、一晩養生した後の重心を中心とした試験片(12×12×12cm)を切り出した。色差計(Spectro Photometer SD5000、日本電色製)にてYI値を測定し、加熱前のYI値とした。
次いで、試験片を電子レンジ(出力1.25kW)の中央にセットし2分10秒加熱し、発熱量が大きい場合のスコーチ性能の評価とした。
加熱後、約16時間、室温(25℃)にて放冷して色差計(Spectro Photometer SD5000、日本電色製)にてYI値を測定し、加熱後のYI値とした。
得られたYI値から、下記式によりΔYI値(スコーチ)を求めた。
ΔYI値(スコーチ)=YI値(加熱後)−YI値(加熱前)
ポリウレタンフォームを発泡し、一晩養生した後に中心部から試験片(10×5×3cm)を切り出した。色差計(Spectro Photometer SD5000、日本電色製)にてYI値を測定し、変色前のYI値とした。
次いで、試験片を70℃のオーブンに入れ2週間静置し、色差計でYI値を測定し変色後のYI値とした。
得られたYI値から、下記式によりΔYI値(経日変色)を求めた。
ΔYI値(経日変色)=YI値(変色後)−YI値(変色前)
一方、酸化防止剤を1種しか用いていない比較例1〜3のポリオール組成物(P’−1)〜(P’−3)を使った比較例10〜12のポリウレタンフォームは、作製後1日以内のΔYI値が65以上となりスコーチが発生しやすいことがわかる。さらに、70℃で2週間保管したもののΔYI値(経日変色)は、大きく、長期間保管することによりスコーチが発生しやすくなることがわかる。
また、酸化防止剤の合計含有量が100ppmと少ない比較例4のポリオール組成物(P’−4)を使った比較例13のポリウレタンフォームは、ΔYI値(スコーチ)とΔYI値(経日変色)共に大きく、スコーチと経日変色が発生しやすいことがわかる。
また、(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)を用いない比較例5のポリオール組成物(P’−5)は、酸化防止剤が析出してしまうことがわかる。
また、(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有する酸化防止剤(B2)を用いない比較例6のポリオール組成物(P’−6)は、経日の変色性は良いものの、スコーチが発生しやすいことがわかる。
また、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が10.2ppmと高い比較例7のポリオール組成物(P’−7)を使った比較例16のポリウレタンフォームも、ΔYI値(スコーチ)が65を超えておりスコーチが発生しやすく、さらにΔYI値(経日変色)も大きく変化しており、長期間保管することにより経日変色が発生しやすくなることがわかる。
また、(A)のSP値が8.9未満の比較例8のポリオール組成物(P’−8)と、(A)のSP値が10.5を超える比較例9のポリオール組成物(P’−9)では、それぞれポリオールの反応性が低すぎるおよび高すぎるためにフォームを成形することができない。
Claims (4)
- 溶解度パラメータ(SP値)[(単位は(cal/cm3)1/2]が8.9〜10.5のポリオール(A)及び酸化防止剤(B)を含有するポリオール組成物であって、前記ポリオール(A)が、ポリエーテルポリオール(A1)を含み、ポリオール組成物中のポリオール(A)の含有量が59〜99.95重量%であって、ポリオール組成物中のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの合計含有量が4.0ppm以下であり、酸化防止剤(B)として、(A)のSP値との差の絶対値が0.05以上0.60未満のSP値を有する酸化防止剤(B1)及び(A)のSP値との差の絶対値が0.60以上1.70以下のSP値を有する酸化防止剤(B2)を含み、前記酸化防止剤(B1)と酸化防止剤(B2)との重量比{(B1)/(B2)}が60/40〜95/5であって、ポリオール組成物中の酸化防止剤(B)の合計含有量が500〜10000ppmであるポリオール組成物(P)。
- ポリエーテルポリオール(A1)の数平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が10〜500mgKOH/gである請求項1に記載のポリオール組成物。
- JISK1557−4:2007に準拠したポリオール組成物のCPR値が0.01〜3.0である請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオール組成物(P)を含有するポリオール成分(X)とポリイソシアネート成分(Y)と発泡剤(D)と触媒(E)の混合物を硬化させてなるポリウレタンフォーム。
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