JP3703259B2 - ポリウレタン分散体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリウレタン分散体およびそれを用いたポリウレタンの製造方法に関する。詳しくは本発明はポリイソシアネート化合物、水、およびポリオールを主成分とするポリウレタン分散体において、前記ポリオール100重量部に対して、活性水素化合物にホスファゼニウム化合物の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールを2〜100重量部用いたポリウレタン分散体の製造方法に関する。ポリウレタン分散体は皮膜、塗料、接着剤、バインダーあるいはコーティング剤分野に使用されている。
【0002】
【従来の技術】
従来のポリウレタン分散体は、揮発性の有機溶剤を溶媒成分としていたが、該ポリウレタン分散体を乾燥中に発生する有機溶剤が環境、人体に悪影響を及ぼすことが指摘されている。そのため、有機溶剤を含まないポリウレタン分散体、あるいは安全で公害面での制約のない水を溶媒としたポリウレタン分散体に対する関心が高まっている。特開平6−271636号公報には、プロピレンオキシド鎖を含み、末端にエチレンオキシドが付加された総不飽和度0.07以下のポリオキシアルキレンポリオールと、ブロック化イソシアネート化合物と、水とからなる硬化型エマルジョン組成物が例示されている。また、このような総不飽和度の小さいポリオキシアルキレンポリオールは、複金属シアン化物錯体(Double Metal Cyanide complex。以下、DMCと略する。)等を触媒として使用することにより得られること(カラム2、6〜8行)、および、総不飽和度が0.07以下のポリオキシアルキレンポリオールの末端にエチレンオキシドを付加したポリオールは、水に乳化可能であることが記載されている(カラム3、4行〜7行)。
【0003】
DMCをアルキレンオキサイド、特にプロピレンオキサイドの重合触媒として用いることにより、総不飽和度(C=C)が低く、高分子量のポリオールが得られる。しかし、得られるポリオキシアルキレンポリオールの粘度が高いという欠点がある。USP5,300,535号公報には、DMCを触媒とした高分子量ポリオキシアルキレンポリオールの粘度が高いため、アクリレート系、ビニルエーテル系の化合物を低粘度化剤として使用することが教示されている(カラム2、5行〜カラム4、14行)。さらに、DMC触媒では、アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイドを付加重合する場合には、一旦、酸素を含んだガス、過酸化物、硫酸などの酸化剤との反応により触媒を失活させ、ポリオールから触媒残渣を分別し、更に水酸化カリウム(KOH)のようなアルカリ金属水酸化物やそのアルカリ金属アルコキシド等を用いてエチレンオキサイドを付加重合する必要がある(USP5,144,093、USP5,235,114)。触媒を失活させるために、酸化剤の他にアルカリ金属アルコキシドまたはアルカリ土類金属アルコキシドを用いる方法(特表平5−508833号公報)、強塩基とイオン交換樹脂による処理法(USP4,355,188)も提案されているが、いずれの方法も製造工程が複雑で経済性が悪いといった問題がある。本発明者らが調べた結果、DMCを触媒としてプロピレンオキサイドを重合後、次いでアルカリ金属であるカリウムメトキサイドによるエチレンオキサイドの重合を行ったポリオキシアルキレンポリオールは粘度が高く、水を溶媒としたポリウレタン分散体を調整した際にポリウレタンの分散性が悪くなることがわかった。
【0004】
また、特開平6−271636号公報には総不飽和度が0.07以下のポリオキシアルキレンポリオールの分子量は、任意に変更可能であるが、一般的に使用されるのは、3万以下であること(カラム2、9行〜12行)、および、従来のポリプロピレンポリオールに親水性基であるエチレンオキシド鎖を付加した化合物は、同程度の重量の水と混合するとゲル状又は糊状に変化し、これらの化合物をエマルジョンとして使用することは不可能であること(カラム1、30行〜36行)が記載されている。本発明者らは、該公報に例示されているDMCを触媒として水酸基価33mgKOH/g、分子末端のエチレンオキサイド含有量が15重量%で総不飽和度が0.02meq./gのポリオールを合成し、該公報の実施例(カラム4、14行〜16行)を追試した結果、該ポリオール100重量部と水(イオン交換水)と100重量部とを混合攪拌すると、糊状の高粘度液体となることがわかった。
【0005】
一方、Macromol.Rapid Commun. 17,143−148(1996)にはポリイミノホスファゼン塩基(t−Bu−P4 )を触媒としたオキシラン環の重合に関して記載されている。この化合物は、1,8−ジアザビシクロ[ 5,4,0] −7−ウンデセン(DBU)やイミダゾール化合物に類した強塩基性を特徴とするのに対して、本願発明の触媒はホスファゼニウムカチオンと無機あるいは有機アニオンから構成される化合物であり、該文献記載の化合物とは構造ならびに作用が異なる。しかも、該文献中には、本願発明のポリウレタン分散体の製造法に関する記載はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はアルキレンオキサイドの重合触媒を切り替える等の複雑な製造工程を経ることなく、高分子量化した際にも低粘度で、かつ総不飽和度(C=C)の低いポリオキシアルキレンポリオールを用いることにより、水を分散媒とした際に分散安定性が良く、乾燥処理後に得られるポリウレタンの力学物性に優れたポリウレタン分散体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、活性水素化合物に特定のホスファゼニウム化合物を触媒とし、アルキレンオキサイドを付加重合する際に、ホスファゼニウム化合物の濃度、反応温度、反応圧力を特定して得られた特定のポリオキシアルキレンポリオールを、ポリオール100重量部に対して2〜100重量部用い、ポリイソシアネート化合物と反応、あるいは活性なイソシアネート基(以下、NCO基と略する。)を揮発性の活性水素化合物と反応させて、常温では不活性な状態としたブロックイソシアネート(以下、BIと略する。)と併用させる等の従来の方法で水を溶媒としたポリウレタン分散体を製造することによって上記目的を達成できることを見出した。
即ち本発明の第一の目的は、ポリイソシアネート化合物、水、およびポリオールを主成分とするポリウレタン分散体において、化学式(1)
【0008】
【化3】
(化学式(1)中のa、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であるが、a、b、cおよびdの全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。化学式(1)中のrは1〜3の整数であってホスファゼニウムカチオンの数を表し、Tr-は価数rの無機アニオンを表す。)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在下、
または、化学式(2)
【0009】
【化4】
(化学式(2)中のa、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であるが、a、b、cおよびdの全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。Q- はヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオキシアニオンまたはカルボキシアニオンを表す。)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下に、アルキレンオキサイドを付加重合して得られるポリオキシアルキレンポリオールを前記ポリオール100重量部に対して2〜100重量部用いることを特徴とするポリウレタン分散体の製造方法である。
本発明の第二の目的は、第一の目的で得られたポリウレタン分散体中の水の乾燥工程を経て調製されることを特徴とするポリウレタンの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における化学式(1)または化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のホスファゼニウムカチオンはその正電荷が中心のリン原子上に局在する極限構造式で代表されているが、これ以外に無数の無限構造式が描かれ実際にはその正電荷は全体に非局在化している。
【0011】
本発明における化学式(1)や化学式(2)で表されるホスファゼニウムカチオン中のa、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数である。好ましくは0〜2の整数である。ただし、いずれの場合にも全てが同時に0ではない。より好ましくはa、b、cおよびdの順序に関わらず、(2,1,1,1)、(1,1,1,1)、(0,1,1,1)、(0,0,1,1)または(0,0,0,1)の組み合わせ中の数である。さらに好ましくは、(1,1,1,1)、(0,1,1,1)、(0,0,1,1)または(0,0,0,1)の組み合わせ中の数である。
【0012】
本発明における化学式(1)や化学式(2)で表される塩のホスファゼニウムカチオン中のRは同種または異種の、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、具体的には、このRは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−ブテニル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチル、3−メチル−2−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ヘプチル、3−ヘプチル、1−オクチル、2−オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル(tert−オクチル)、ノニル、デシル、フェニル、4−トルイル、ベンジル、1−フェニルエチルまたは2−フェニルエチル等の脂肪族または芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert−オクチル等の炭素数1〜10個の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
【0013】
また、ホスファゼニウムカチオン中の同一窒素原子上の2個のRが結合して環構造を形成する場合の該窒素原子上の2価の炭化水素基は、4〜6個の炭素原子からなる主鎖を有する2価の炭化水素基であり(環は窒素原子を含んだ5〜7員環となる)、好ましくは例えばテトラメチレン、ペンタメチレンまたはヘキサメチレン等であり、また、それらの主鎖にメチルまたはエチル等のアルキル基が置換したものである。より好ましくは、テトラメチレンまたはペンタメチレン基である。ホスファゼニウムカチオン中の、可能な全ての窒素原子についてこのような環構造をとっていても構わず、一部であってもよい。
【0014】
本発明における化学式(1)中のTr-は価数rの無機アニオンを表す。そして、rは1〜3の整数である。このような無機アニオンとしては、例えばホウ酸、テトラフルオロホウ酸、シアン化水素酸、チオシアン酸、フッ化水素酸、塩酸またはシュウ化水素酸などのハロゲン化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、ヘキサフルオロリン酸、炭酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロタリウム酸および過塩素酸などの無機アニオンが挙げられる。また、無機アニオンとしてHSO4 - 、HCO3 - もある。
【0015】
場合によっては、これらの無機アニオンはイオン交換反応により互いに交換することができる。これらの無機アニオンのうち、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸、ハロゲン化水素酸、リン酸、ヘキサフルオロリン酸および過塩素酸等の無機酸のアニオンが好ましく、塩素アニオンがより好ましい。
本発明の化学式(1)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩の合成については、その一般的な例として次のような方法が挙げられる。
(a)五塩化リン1当量と3当量の二置換アミン(HNR2 )を反応させ、さらに1当量のアンモニアを反応させた後、これを塩基で処理して化学式(3)
【0016】
【化5】
で表される2,2,2−トリス(二置換アミノ)−2λ5 −ホスファゼンを合成する。
(b)このホスファゼン化合物(化学式(3))とビス(二置換アミノ)ホスフォロクロリデート{(R2 N)2 P(O)Cl}を反応させて得られるビス(二置換アミノ)トリス(二置換アミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフィンオキシドをオキシ塩化リンでクロル化し、次いで、これをアンモニアと反応させた後、塩基で処理して、化学式(4)
【0017】
【化6】
で表される2,2,4,4−ペンタキス(二置換アミノ)−2λ5 、4λ5 −ホスファゼンを得る。
(c)このホスファゼン化合物(化学式(4))を(b)で用いたホスファゼン化合物(化学式(3))の代わりに用い、(b)と同様の操作で反応させることにより、化学式(5)
【0018】
【化7】
(式中、qは0〜3の整数を表す。qが0の場合は二置換アミンであり、1の場合は化学式(3)の化合物、2の場合は化学式(4)の化合物そして3の場合は(c)で得られたオリゴホスファゼンを表す。)
で表される化合物のうちのqが3であるオリゴホスファゼンを得る。
(d)異なるqおよび/またはRの化学式(5)の化合物を順次に、または同一のqおよびRの化学式(5)の化合物を同時に、五塩化リンと4当量反応させることにより、化学式(1)でr=1、Tr-=Cl- である所望のホスファゼニウムカチオンと塩素アニオンとの塩が得られる。塩素アニオン以外の無機アニオンの塩を得たい場合には、通常の方法、例えば、アルカリ金属カチオンと所望の無機アニオンとの塩等で処理する方法やイオン交換樹脂を利用する方法等でイオン交換することができる。このようにして化学式(1)で表される一般的なホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩が得られる。
【0019】
化学式(1)とともに共存させる活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩とは、活性水素化合物の活性水素が水素イオンとして解離してアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオンと置き換わった形の塩である。そのような塩を与える活性水素化合物としては、アルコール類、フェノール化合物、ポリアミン、アルカノールアミンなどがある。例えば水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の2価アルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等の多価アルコール類、グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトース、蔗糖、メチルグルコシド等の糖類またはその誘導体、エチレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪酸アミン類、トルイレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族アミン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ノボラック、レゾール、レゾルシン等のフェノール化合物等が挙げられる。これらの活性水素化合物は2種以上併用して使用することもできる。さらにこれらの活性水素化合物に従来公知の方法でアルキレンオキサイドを活性水素化合基1当量あたり約2〜8当量付加重合して得られる化合物も使用できる。
【0020】
これらの活性水素化合物からそれらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩を得るには、該活性水素化合物とアルカリ金属類もしくはアルカリ土類金属類から選ばれた金属または塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物とを反応させる通常の方法が用いられる。アルカリ金属類もしくはアルカリ土類金属類から選ばれた金属としては、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム、金属セシウム、金属ルビジウム、金属マグネシウム、金属カルシウム、金属ストロンチウムまたは金属バリウム等が挙げられ、塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物としては、ナトリウムアミド、カリウムアミド、マグネシウムアミドまたはバリウムアミド等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアミド類であり、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、ビニルリチウム、シクロペンタジエニルリチウム、エチニルナトリウム、n−ブチルナトリウム、フェニルナトリウム、シクロペンタジエニルナトリウム、エチルカリウム、シクロペンタジエニルカリウム、フェニルカリウム、ベンジルカリウム、ジエチルマグネシウム、エチルイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグネシウム、臭化ビニルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、ジシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、カリウムアセチリド、臭化エチルストロンチウム、ヨウ化フェニルバリウム等の有機アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物であり、ナトリウムヒドリド、カリウムヒドリド、カルシウムヒドリド等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のヒドリド化合物であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムまたは水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物であり、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムまたは炭酸バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩であり、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素セシウムなどの炭酸水素塩等である。
【0021】
これらのアルカリ金属類もしくはアルカリ土類金属類から選ばれた金属または塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物は、活性水素化合物の酸性の強さに応じて選ばれる。また、このようにして得られた活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩が塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物として作用し、他の活性水素化合物をそのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩となし得る場合もある。
【0022】
複数の活性水素を有する活性水素化合物においては、それらの活性水素の全てが離脱してアルカリ金属類もしくはアルカリ土類金属類から選ばれた金属または塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物によってアニオンに導かれる場合もあるが、その一部だけが離脱してアニオンとなる場合もある。
これらの活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩のうち、活性水素化合物のアルカリ金属塩が好ましく、その活性水素化合物のアルカリ金属塩のカチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムから選ばれるカチオンがより好ましい。
【0023】
化学式(1)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在下にアルキレンオキサイドを付加重合させる。この際、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のカチオンと無機アニオンとの塩が副生する。この副生塩が重合反応を阻害する場合は、重合反応に先立ちこれを濾過等の方法で除去しておくこともできる。また、化学式(1)で表される塩と活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩から導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩を予め単離し、これの存在下にアルキレンオキサイドを重合させることもできる。
【0024】
予めこの活性水素化合物のホスファゼニウム塩を得る方法としては、化学式(1)で表される塩と活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩とを反応させるが、その2種類の塩の使用比については目的の塩が生成する限り特に制限はなく、何れかの塩が過剰にあっても特に問題がない。通常、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の使用量は、ホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩の1当量に対して、0.2〜5当量であり、好ましくは0.5〜3当量であり、より好ましくは0.7〜1.5当量の範囲である。
【0025】
両者の接触を効果的にするために通常溶媒を用いる。それらの溶媒としては、反応を阻害しなければいかなる溶媒でも構わないが、例えば、水、メタノール、エタノールまたはプロパノール等のアルコール類、アセトンまたはメチルエチルケトン等のケトン類、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の脂肪族または芳香族の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、プロピオン酸メチルまたは安息香酸メチル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルまたはトリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリルまたはプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミドまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、反応に用いる原料の塩の化学的安定性に応じて選ばれる。好ましくは、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素類であり、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたはエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類であり、アセトニトリル等のニトリル類であり、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミドまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン溶媒等である。溶媒は、単独でも2種以上混合して使用しても良い。原料の塩が溶解していることが好ましいが、懸濁状態でも構わない。この反応の温度は用いる塩の種類、量および濃度等により一様ではないが、通常150℃以下であり、好ましくは−78〜80℃、より好ましくは0〜50℃の範囲である。反応圧力は減圧、常圧および加圧の何れでも実施できるが、好ましくは0.1〜10kgf/cm2 (絶対圧、以下同様 9.8〜980kPa)であり、より好ましくは1〜3kgf/cm2 (98〜294kPa)の範囲である。反応時間は、通常1分〜24時間の範囲であり、好ましくは1分〜10時間、より好ましくは5分〜6時間である。
【0026】
この反応液から、目的の活性水素化合物のホスファゼニウム塩を単離する場合には、常套の手段を組み合わせた常用の方法が用いられる。目的の塩の種類、用いた2種の原料の塩の種類や過剰率、用いた溶媒の種類や量などにより、その方法は一様ではない。通常、副生するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のカチオンと無機アニオンとの塩は固体として析出しているので、そのままあるいは若干の濃縮を行った後、濾過や遠心分離等の方法で固液分離してこれを除き、液を濃縮乾固して目的の塩を得ることができる。副生する塩が濃縮してもなお溶解している場合には、そのままあるいは濃縮後に貧溶媒を加え副生塩または目的の塩の何れかを析出させたり、または濃縮乾固後、一方を抽出する等の方法で分離することができる。過剰に使用した方の原料の塩が目的の塩に多量に混入している場合には、そのままあるいは再溶解後に好適な他の溶媒で抽出し、これらを分離することができる。さらに、必要であれば再結晶またはカラムクロマトグラフィー等で精製することもできる。目的の塩は通常中、高粘度の液体または固体として得られる。
【0027】
化学式(1)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在下に、アルキレンオキサイドを付加重合させる。この時、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩またはそれから導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩を構成する活性水素化合物と同種または異種の活性水素化合物を反応系に存在させてもよい。塩を存在させる場合のその量は、特に制限がないが、アルキレンオキサイド1モルに対して、1×10-15 〜5×10-1モルであり、好ましくは1×10-7〜1×10-1モルの範囲である。
【0028】
また、これらの塩が溶液で供給される場合に、その溶媒が重合反応を阻害するなら、事前に例えば、減圧下に加熱する等の方法で除くこともできる。
【0029】
化学式(1)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩に、従来公知の開始剤系と併用することは構わない。従来公知の開始剤系とは、活性水素化合物とアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属類の金属または塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物とを反応させたものである。
但し、従来公知の開始剤系の過度の併用はポリオキシアルキレンポリオール中の総不飽和度(C=C)を上げる要因となるため、その使用量はなるべく少ない方がよい。通常、活性水素化合物1モルに対して1×10-8〜1×10-1モル、好ましくは1×10-5〜1×10-1モル、さらに好ましくは1×10-4〜1×10-2モルの範囲である。
【0030】
本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法のもう1つの場合、すなわち、化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合させてポリオキシアルキレンポリオールを製造する場合について述べる。化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のQ- は、ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオキシアニオンおよびカルボキシアニオンよりなる群から選ばれるアニオンである。
【0031】
これらのQ- のうち、好ましくは、ヒドロキシアニオンであり、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の脂肪族アルコール類から導かれるアルコキシアニオンであり、例えばフェノール、クレゾール等の芳香族ヒドロキシ化合物から導かれるアリールオキシアニオンであり、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸等から導かれるカルボキシアニオンである。
【0032】
これらのうち、より好ましくは、ヒドロキシアニオン、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールなどの低沸点アルキルアルコールから導かれるアルコキシアニオン、またはギ酸、酢酸等のカルボン酸から導かれるカルボキシアニオンである。さらに好ましくは、ヒドロキシアニオン、メトキシアニオン、エトキシアニオンおよび酢酸アニオンである。これらのホスファゼニウム化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物の一般的合成法としては、まず前述した化学式(1)で表される塩を合成する方法と同様にして、化学式(1)でr=1、Tr-=Cl- であるホスファゼニウムクロライドを合成する。次いでこのホスファゼニウムクロライドを例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド、アリールオキシドまたはカルボキシドで処理する方法やイオン交換樹脂を利用する方法等によりその塩素アニオンを所望のアニオンQ- に置き換えることができる。このようにして化学式(2)で表される一般的なホスファゼニウム化合物が得られる。
【0034】
化学式(2)と共存させる活性水素化合物は、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩を与える活性水素化合物として先に詳細に述べたものと同一である。
【0035】
化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合させる本発明の方法においては、通常過剰に用いられる活性水素化合物の過剰分はそのまま残存する。この他に、水、アルコール、芳香族ヒドロキシ化合物またはカルボン酸はホスファゼニウム化合物の種類に応じて副生する。必要であれば、これらの副生物をアルキレンオキサイドの付加重合反応に先だって除去しておく。その方法としては、それらの副生物の物性に応じて、加熱もしくは減圧で留去する方法、不活性気体を通ずる方法または吸着剤を用いる方法などの常用の方法が用いられる。
【0036】
化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物および活性水素化合物に、従来公知の開始剤系と併用することは構わない。従来公知の開始剤系とは先に詳述した化合物である。
但し、従来公知の開始剤系の過度の併用はポリオキシアルキレンポリオール中の総不飽和度(C=C)を上げる要因となるため、その使用量はなるべく少ない方がよい。通常、活性水素化合物1モルに対して1×10-8〜1×10-1モル、好ましくは1×10-5〜1×10-1モル、さらに好ましくは1×10-4〜1×10-2モルの範囲である。
【0037】
ホスファゼニウム化合物の存在下、活性水素化合物へ付加重合させるアルキレンオキサイドとしては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。これらのうち、好ましくはプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドである。より好ましくは、アルキレンオキサイド100重量部に対してプロピレンオキサイドの使用量が70重量部以上である。重合方法としては、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを例にした場合、プロピレンオキサイドの重合後に、エチレンオキサイドをブロックで共重合するエチレンオキサイドキャップ反応、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドをランダムに共重合するランダム反応、さらにはプロピレンオキサイド重合後にエチレンオキサイドを重合し、次いで、プロピレンオキサイドを重合するトリブロック共重合反応が挙げられる。
【0038】
ホスファゼニウム化合物存在下、活性水素化合物へアルキレンオキサイドを付加重合させたポリオキシアルキレンポリオールは、下記の条件を満たすことが好ましい。
a.水酸基価(OHV)が2〜200mgKOH/gの範囲である。
b.ポリオキシアルキレンポリオール中の総不飽和度(C=C)が0.0001〜0.07meq./gである。
c.プロピレンオキサイド付加重合によるポリオキシアルキレンポリオールのヘッド−トウ−テイル(Head−to−Tail)結合選択率が95モル%以上である。
【0039】
ポリオキシアルキレンポリオールのOHVは2〜200mgKOH/gである。好ましくは9〜180mgKOH/gである。より好ましくは11〜100mgKOH/gである。OHVが2mgKOH/gより小さくなるまでアルキレンオキサイド、特にプロピレンオキサイドの付加重合を行うとポリオキシアルキレンポリオールの反応時間が長くなる。また、OHVが200mgKOH/gより大きくなると我々が着目しているポリオキシアルキレンポリオールの総不飽和度(C=C)は従来のKOH触媒系で得られるポリオキシアルキレンポリオールと有意差がなくなる。
【0040】
ポリオキシアルキレンポリオール中の総不飽和度は主としてプロピレンオキサイドの副反応により生成した分子末端に不飽和基を有するモノオール量の指標となる。C=Cは0.0001〜0.07meq./gである。好ましくは0.0001〜0.05meq./gである。さらに好ましくは0.0005〜0.03meq./gの範囲である。モノオール(C=C)は全くないことが好ましいが、上記OHVの範囲でモノオール(C=C)を全くなくするためには反応温度、圧力等の条件を緩和しなければならないため、反応時間が長くなる。C=Cが0.07meq./gより大きくなるとポリウレタン分散体中の水を乾燥して得られるポリウレタンの力学物性、特に伸長性が低下するので好ましくない。
【0041】
この様な総不飽和度の低いポリオキシアルキレンポリオールにおけるプロピレンオキサイド付加重合によるヘッド−トウ−テイル(Head−to−Tail)結合選択率が95%より少なくなるとヘッド−トウ−テイル(Head−to−Tail)結合選択率低下に伴うポリオキシアルキレンポリオールの粘度の上昇、あるいはポリウレタン分散体の経時粘度変化が大きくなる等の問題が生じる。
【0042】
以上のように構造が制御されたポリオキシアルキレンポリオールの製造は以下の条件を選んで行う必要がある。すなわち、活性水素化合物1モルに対する化学式(1)または化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物は5×10-5〜5モル、好ましくは1×10-4〜5×10-1モル、より好ましくは1×10-3〜1×10-2モルの範囲である。ポリオキシアルキレンポリオールを高分子量化する際には、活性水素化合物に対するホスファゼニウム化合物の濃度が上記範囲内で高めることが好ましい。活性水素化合物1モルに対して化学式(1)または化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物が5×10-5モルより低い場合には、アルキレンオキサイドの重合速度が低下し、ポリオキシアルキレンポリオールの製造時間が長くなる。活性水素化合物1モルに対して化学式(1)または化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物が5モルより多くなると、ポリオキシアルキレンポリオール製造コストに占めるホスファゼニウム化合物のコストが高くなる。
【0043】
また、アルキレンオキサイドの反応温度は15〜130℃、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは50〜110℃の範囲である。アルキレンオキサイドの反応を上記範囲内でより低温側で行う場合は、活性水素化合物に対するホスファゼニウム化合物の濃度を先に述べた範囲内で高めることが好ましい。耐圧反応機に仕込んだホスファゼニウム化合物を触媒とする活性水素化合物へのアルキレンオキサイド供給方法は、必要量のアルキレンオキサイドの一部を一括して供給する方法、または連続的にもしくは間欠的にアルキレンオキサイドを供給する方法が用いられる。必要量のアルキレンオキサイドの一部を一括して供給する方法においては、アルキレンオキサイド重合反応初期の反応温度は上記範囲内でより低温側とし、アルキレンオキサイド装入後に次第に反応温度を上昇する方法が好ましい。反応温度が15℃より低い場合には、アルキレンオキサイドの重合速度が低下し、ポリオキシアルキレンポリオールの製造時間が長くなる。反応温度が130℃を越えるとアルキレンオキサイドとしてプロピレンオキサイドを用いた場合、総不飽和度(C=C)が0.07meq./gより高くなる。
【0044】
アルキレンオキサイドの反応時の最大圧力は9kgf/cm2 (882kPa、絶対圧、以下同様)が好適である。通常、耐圧反応機によりアルキレンオキサイドの反応が行われる。アルキレンオキサイドの反応は減圧状態から開始しても、大気圧の状態から開始してもよい。大気圧状態から反応を開始する場合には、窒素またはヘリウム等の不活性気体存在下で行うことが望ましい。アルキレンオキサイドの最大反応圧力が9kgf/cm2 (882kPa)を越えると副生モノオール量が増加する傾向にある。最大反応圧力として好ましくは7kgf/cm2 (686kPa)、より好ましくは5kgf/cm2 (490kPa)である。アルキレンオキサイドとして、プロピレンオキサイドを用いる場合には、最大反応圧力は5kgf/cm2 (490kPa)が好ましい。
【0045】
アルキレンオキサイド付加重合反応に際して、必要ならば溶媒を使用することもできる。使用する場合の溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類またはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等である。溶媒を使用する場合には、ポリオキシアルキレンポリオールの製造コストを上げないためにも、製造後に溶媒を回収し再利用する方法が望ましい。
【0046】
本発明の方法で得られるポリオキシアルキレンポリオールは、重合反応に溶媒を用いた場合にはそれを除去するだけで、そのままポリウレタン分散体の原料として使用できる場合もある。通常、塩酸、リン酸、硫酸等の無機塩、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、二酸化炭素から選ばれる少なくとも1種類の中和剤により処理する方法、イオン交換樹脂により処理する方法や、トミックスADシリーズ、例えば、トミックスAD−600、トミックスAD−700(富田製薬製)、キョーワードシリーズ、例えば、キョーワード300、キョーワード400、キョーワード500、キョーワード600、キョーワード700、キョーワード2000(協和化学工業製)、MAGNESOL(DALLAS社製)等各種の商品名で市販されている吸着剤により処理する方法、あるいは前述した中和処理と吸着剤を併用する方法によりホスファゼニウム化合物を除去して使用する。さらに水、ポリオキシアルキレンポリオールに不活性な溶媒、またはそれらの混合物を用いてポリオキシアルキレンポリオールの精製を行った後に使用することもできる。
【0047】
ポリオキシアルキレンポリオールの品質を安定化させる目的で、上述した精製処理後にt−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)等の酸化防止剤を添加することもできる。酸化防止剤はポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して、通常100〜5000ppm用いる。
【0048】
本発明のポリウレタン分散体に用いるポリオール100重量部に対して、前述した方法により得られたポリオキシアルキレンポリオールは2〜100重量部使用する。好ましくは、ポリオール100重量部に対して本発明のポリオキシアルキレンポリオールは20〜100重量部用いる。より好ましくは、ポリオール100重量部に対して本発明のポリオキシアルキレンポリオールは40〜100重量部である。本発明のポリオキシアルキレンポリオールの使用量が2重量部より少ないと、ポリウレタン分散体中の水を乾燥して得られるポリウレタンの柔軟性が低下する。本発明のポリオキシアルキレンポリオール以外に使用できるポリオールとして、水酸化カリウムあるいは水酸化セシウムを触媒として製造されたポリオキシアルキレンポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエン系ポリオールおよびポリカーボネート系ポリオール等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオールであり、より好ましくは、ポリオキシテトラメチレングリコールである。但し、本発明に用いるポリオールの総不飽和度は0.07meq./g以下、好ましくは0.05meq./g以下である。
【0049】
本発明のポリウレタン分散体を製造する際のポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する芳香族系、脂肪族系、脂環族系などのポリウレタンの製造に用いられる公知のものが使用できる。例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、これら有機ポリイソシアネートの80/20重量比(TDI−80/20)、65/35重量比(TDI−65/35)の異性体混合物、多官能性タールを含有する粗製トリレンジイソシアネート(多官能性タールとは、イソシアネートを製造する際に副生し、イソシアネート基を分子内に2個以上含有するタール状の物質の混合物である。以下同じ。)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの任意の異性体混合物、3核体以上の多官能性タールを含有する粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリックMDI)、トルイレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジイソシアネートシクロヘキサン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタンとこれらの異性体、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体、ウレトミニン変性体、ウレア変性体または、これらをポリオール、モノオール単独で、またはこれらを併用して変性したプレポリマーなどが挙げられる。上記のポリイソシアネート化合物は任意の割合で混合して用いることもできる。特に好ましくは2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、これら有機ポリイソシアネートの80/20重量比(TDI−80/20)、65/35重量比(TDI−65/35)の異性体混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその変性体、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートである。
【0050】
本発明のポリウレタン分散体は一液型ポリウレタンに分類される。本発明のポリウレタン分散体を製造する方法として、以下の2つの方法が挙げられる。
(d)ポリオール、ポリイソシアネート化合物およびカルボン酸基を有する分散性向上化剤とを水溶性の有機溶剤存在下、イソシアネート基末端プレポリマー化を調製する。次いで、水を加えて3級アミン(水溶液の形態)等のカルボン酸中和剤を添加し、1級あるいは2級のアミノ基の少なくとも1種を有するポリアミン化合物(水溶液の形態)により鎖延長反応を行い、さらに水を加え、前記有機溶剤を除きポリウレタン分散体を調製する方法。
(e)活性なNCO基を揮発性の化合物(以下、ブロック化剤と称する。)と反応させて、常温では不活性としたブロックイソシアネート(BI)、ポリオールを目的に応じて触媒、界面活性剤を添加し、水を加えポリウレタン分散体を調製する方法。
これらの方法は公知であり、(d)法については、例えば、「液状ポリウレタンの最新応用技術」(発行所 中日社 1989年2月発行)の271〜274頁に記載されており、(e)法については、同書の262〜268頁にかけて詳述されている。
【0051】
まず、(d)法について説明する。本発明で用いられるカルボン酸基を有する分散性向上化剤は、イソシアネート基末端プレポリマー分子間の凝集を抑制するために用いられる。通常、分散性向上化剤は活性水素基を有する化合物を用いるため、ポリイソシアネート化合物との重付加反応に伴いイソシアネート基末端プレポリマー分子中に導入される。本発明で用いられる分散性向上化剤として、例えば、クエン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸等の水酸基を有するカルボン酸が挙げられ、特に2,2−ジメチロールプロピオン酸が好適な化合物である。水溶性の有機溶剤としては、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。一般的には、前記のポリオール、ポリイソシアネート化合物およびカルボン酸基を有する分散性向上化剤を上記水溶性有機溶剤を溶媒とし、窒素、ヘリウム等の不活性気体の雰囲気下で40〜120℃の範囲で反応させ、分子中にカルボン酸基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを調製する。プレポリマー化反応時には、従来公知のウレタン化触媒を用いることもできる。ウレタン化触媒としては、有機金属化合物が好適である。例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリド、2−エチルヘキシル酸錫、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケルおよびナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらの触媒は任意に混合して使用できる。その使用量は本発明のポリオキシアルキレンポリオールを含むポリオール100重量部に対して0.001〜5.0重量部、好ましくは0.01〜1.0重量部である。
【0052】
イソシアネート基末端プレポリマー分子間の凝集を抑制するために導入した分散性向上化剤中のカルボン酸を中和するために、3級アミンを用いる。3級アミンを用いる際には、水溶液の形態が好ましい。3級アミン水溶液の濃度は特に限定されるものではないが、通常、0.5〜10重量%の水溶液に調整する。本発明で使用する3級アミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルパルミチルアミン等が挙げられる。3級アミン水溶液は、通常、反応温度15〜90℃で、反応時間はスケールにもよるが、1分〜2時間である。
【0053】
鎖延長反応に用いる1級あるいは2級のアミノ基の少なくとも1種を有するポリアミン化合物を以下に例示する。n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン等のアルキルアミン、β−アミノプロピルメチルエーテル、β−アミノプロピルエチルエーテル等の置換基を有するアルキルアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサミン、イソホロンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,6−ジアミノヘキサン、エチレンジアミン、ベンジルアミン、p−メチルベンジルアミン等のアラルキルアミン類、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂環族アミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチルプロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、N−メチルドデシルアミン等のアルキルアミン類、ジベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン等のアラルキルアミン類、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノトルエン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノフェニルスルフォン、ジエチルジアミノトルエン、ジアミノインダン誘導体等が例に挙げられる。さらに上記アミン化合物の中から選ばれた2種以上の混合物も使用できる。これらのアミン化合物のなかで好ましくは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサミン、イソホロンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,6−ジアミノヘキサン、エチレンジアミンである。
【0054】
前述したイソシアネート基末端プレポリマー中のNCO基に対するポリアミン化合物のアミノ基の当量比は0.7〜1.3で、より好ましくは0.8〜1.1、最も好ましくは、0.95〜1.05である。イソシアネート基末端プレポリマーとポリアミン化合物との反応温度は2〜95℃で、好ましくは15〜80℃である。反応は、イソシアネート基末端プレポリマー中のNCO基が完全に消失するまで行う。このような方法により水を溶媒としたポリウレタン分散体が得られる。
【0055】
次に、(e)法について説明する。ブロックイソシアネート(BI)を調製するために用いられるブロック化剤としては、ブロック化剤の解離温度、安定性、揮発性、有害性等が使用目的に応じて選択される。通常、イソプロパノール、n−ブタノール、2−エトキシヘキサノール、シクロヘキサノール、メタノール、エタノール、t−アミノアルコール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類、ε−カプロラクタム等のラクタム類、メチルエチルケトオキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、シクロブタノンオキシム、アセトフェノンオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム類、N,N−ジメチルヒドロキシアミン等のヒドロキシアミン類、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、マロンニトリル、サリチル酸エステル、ヒドロキシ安息香酸エステル等の活性メチレン化合物やハイドロキサミックス酸エステル等が用いられる。これらの化合物は1種以上併用しても構わない。
【0056】
ポリイソシアネート化合物は前述した化合物を使用する。BIを調製する際には、ポリイソシアネート化合物中のNCO基に対するブロック化剤の活性水素基の当量比は0.7〜1.3で、好ましくは0.8〜1.2の範囲である。ブロック化反応温度は通常、10〜150℃であり、用いるブロック化剤の化学的性質に基づいて選択される。
【0057】
上記ブロック化剤は、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させたイソシアネート基末端プレポリマーと反応させる場合と予め、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤を反応させた後に、ポリオールと反応させる場合がある。BIを調製した後に、水を加え、ポリウレタン分散体を製造する。この際に、触媒を使用することもできる。通常、有機金属化合物、アミン化合物が触媒として用いられる。有機金属化合物として、例えば、1,3−ジアセトキシテトラブチルスタノキサン、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリド、、2−エチルヘキシル酸錫、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケルおよびナフテン酸コバルト等が挙げられる。アミン化合物としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス[2−(ジメチルアミノ)エチル]エーテル、トリエチレンジアミンおよびトリエチレンジアミンの塩等、ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩が挙げられる。これらの触媒は任意に混合して使用できる。その使用量は本発明のポリオキシアルキレンポリオールを含むポリオール100重量部に対して0.001〜5.0重量部、好ましくは0.01〜1.0重量部である。
【0058】
前述した方法により製造されたポリウレタン分散体中の水を乾燥させてポリウレタンを製造する。その乾燥方法としては特に限定されるものではないが、例えば、温度10〜250℃、好ましくは20〜120℃、760mmHgabs.(101kPa)以下の条件で3時間〜3週間、水を減圧乾燥する方法が挙げられる。水の乾燥温度が250℃より高くなると乾燥後のポリウレタンが劣化しやすくなるので好ましくない。水の乾燥温度が10℃未満になると乾燥時間が長くなる。
【0059】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明の態様を明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0060】
実施例、比較例のポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(OHV)および総不飽和度はJIS K 1557記載の測定方法により求めた。
実施例、比較例のポリオキシアルキレンポリオールのヘッド−トウ−テイル(Head−to−Tail)結合選択率は以下の方法で求めた。
ヘッド−トウ−テイル(Head−to−Tail、H−Tと略する。:単位モル%)結合選択率;日本電子製400MHz13C核磁気共鳴(NMR)装置を用い、重クロロホルムを溶媒として、ポリオキシアルキレンポリオールの13C−NMRスペクトルをとり、ヘッド−トウ−テイル(Head−to−Tail)結合のオキシプロピレンユニットのメチル基のシグナル(16.9〜17.4ppm)とヘッド−トウ−ヘッド(Head−to−Head)結合のオキシプロピレンユニットのメチル基のシグナル(17.7〜18.5ppm)の比から求めた。なお、各シグナルの帰属はMacromolecules 19,1337−1343 (1986)、F.C.Schilling、A.E.Tonelliの報文に記載された値を参考にした。
実施例、比較例のポリウレタン分散体の25℃における粘度はJIS K 1557記載の方法によりトキメック社製のB型粘度計で測定を行った。ポリウレタンの分散安定性は、ポリウレタン分散体を調製し、1週間後の外観を目視で観察することにより評価を行った。外観に変化が無いときは○で、沈降物等が確認されたときは×と判定した。さらに、ポリウレタン分散体から調製されたポリウレタンの力学物性はJIS K 7312に準じて測定を行った。
【0061】
ポリオキシアルキレンポリオールの合成において、以下のホスファゼニウム化合物をアルキレンオキサイドの触媒として使用した。
ホスファゼニウム化合物(以下、P5NMe2OHと略する。);Fluka社製のテトラキス[ トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] ホスホニウムクロライド{[ (Me2 N)3 P=N]4P+ Cl- }をMILL−Q
Labo(日本ミリポア・リミテッド製小型超純水装置)により比抵抗値16MΩ−cmに調製した水(以降超純水と略する)により2.5重量%水溶液に調製した。次いで、1N 水酸化ナトリウム水溶液により交換基を水酸基型にしたイオン交換樹脂レバチットMP−500(バイエル社製)を充填したポリカーボネート製円筒状カラムにテトラキス[ トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] ホスホニウムクロライドの2.5重量%水溶液を23℃、SV(Space V elocity)0.5(1/hr)でカラム底部より上昇流で通液し、テトラキス[ トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] ホスホニウムヒドロキシドにイオン交換を行った。更に、該イオン交換樹脂を充填したカラムに超純水を通液し、カラムに残存しているホスファゼニウム化合物の回収を行った。その後、テトラキス[ トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] ホスホニウムヒドロキシドの水溶液を80℃、減圧度60mmHgabs.(7980Pa)の条件下で2時間、更に80℃、1mmHgabs.(133Pa)の条件で7時間減圧脱水処理を行うことにより、粉末のテトラキス[ トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] ホスホニウムヒドロキシド{[ (Me2 N)3 P=N]4P+ OH- }を得た。乾燥後の該化合物の重量測定から求めた収率は98%であった。重水素化ジメチルホルムアミド溶液によるテトラメチルシランを内部標準とした 1H−NMR(日本電子製400MHzNMR)の化学シフトは2.6ppm(d,J=9.9Hz、72H)であった。元素分析値はC 38.28、H 9.82、N 29.43、P 19.94(理論値C 38.09、H 9.72、N 29.61、P 20.46)であった。該ホスファゼニウム化合物は化学式(2)においてa、b、c、dの順に(1,1,1,1)で、Rがメチル基であり、Q- がOH- のヒドロキシアニオンである。
【0062】
ポリオキシアルキレンポリアミンの前駆体であるポリオキシアルキレンポリオールの合成装置(以下、オートクレーブと略する。)は、攪拌機、温度計、圧力計、窒素装入口およびモノマーであるアルキレンオキサイド装入口を装着した内容積1.0Lおよび2.5Lの耐圧製オートクレーブ(日東高圧製)を使用した。
【0063】
実施例1
ポリウレタン分散体A
攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500mlの4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに対して0.020モルのP5NMe2OHと0.04モルのトルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しながら105℃、10mmHgabs.、3時間の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を行った。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った後、10mmHgabs.(1330Pa)の減圧状態から反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHVが56.1mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行った。その後、窒素によりゲージ圧1.2kgf/cm2(219kPa)に調整し、反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHV51.0mgKOH/gになるまでエチレンオキサイドの付加重合を行った。さらに、オートクレーブAの内圧の変化が無くなった時点で105℃、5mmHgabs.(665Pa)の条件で20分間減圧処理を行った後、大気圧状態から反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHVが28.0mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。ホスファゼニウム化合物を含んだ状態の粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して10重量部のイオン交換水ならびに粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モルに対して2.0モルのリン酸(75.1重量%の水溶液の形態)を装入し、90℃で2時間の中和反応を行った。中和反応終了後に減圧下で脱水を行い、オートクレーブ内の圧力が400mmHgabs.(53kPa)の状態で吸着剤であるKW−700(協和化学工業(株)製)を5000ppm、AD−600NS(富田製薬(株)製)を3000ppm加えた。更に減圧下で脱水しながら最終的に105℃、10mmHgabs.(1330Pa)以下の条件で4時間、同操作を行った。窒素により減圧から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙(保持粒径1μ)により減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの回収を行った。ホスファゼニウム化合物除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(OHV)は28.1mgKOH/g、総不飽和度(C=C)0.010meq./g、ヘッド−トウ−テイル(H−T)96.4モル%であった。次に、温度計ならびに攪拌機を装着した500ml容量のガラス製反応器に、該ポリオキシアルキレンポリオール297.8g、イソホロンジイソシアネート(ヒュルス社製)92.1g、2,2−ジメチロールプロピオン酸15.2gならびにジメチルホルムアミド35g加え、窒素雰囲気下、80℃、1時間反応させた。次いで、ジブチルチンジラウレート(三共有機合成製)を0.04g加え、100℃の条件で9時間反応を行った。反応後、70℃まで冷却し、9.25gのトリエチルアミンを加え、1時間攪拌し、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。該プレポリマー300gを10分間かけて、55℃のイオン交換水380gを入れた1.0Lのガラス製反応器に装入後、ジメチルホルムアミドの除去を行った。ジメチルホルムアミドを除去した後のプレポリマー水溶液に対してエチレンジアミン7.67gと49.5gのイオン交換水からなるアミン水溶液を滴下し、50℃で3時間反応させた。粘度が30mPa・s/25℃のポリウレタン分散体を調製した。1週間後の外観変化はなかった(分散安定性;○)。
【0064】
実施例2
ポリウレタン分散体B
攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した500mlの4つ口フラスコにジプロピレングリコール1モルに対して0.020モルのP5NMe2OHと0.04モルのトルエンを加え、窒素をキャピラリー管で導入しながら105℃、10mmHgabs.、3時間の条件で減圧脱水、脱トルエン操作を行った。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った後、10mmHgabs.(1330Pa)の減圧状態から反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHVが112.2mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行った。その後、窒素によりゲージ圧1.2kgf/cm2 (219kPa)に調整し、反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHV107mgKOH/gになるまでエチレンオキサイドの付加重合を行った。さらに、オートクレーブの内圧の変化が無くなった時点で105℃、5mmHgabs.(665Pa)の条件で20分間減圧処理を行った後、大気圧状態から反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHVが56.0mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。ホスファゼニウム化合物を含んだ状態の粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して4重量部のイオン交換水ならびに粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モルに対して2.0モルのリン酸(75.1重量%の水溶液の形態)を装入し、80℃で2時間の中和反応を行った。中和反応終了後に減圧下で脱水を行い、オートクレーブ内の圧力が400mmHgabs.(53kPa)の状態で吸着剤であるKW−700(協和化学工業(株)製)を500ppm、AD−600NS(富田製薬(株)製)を3000ppm加えた。更に減圧下で脱水しながら最終的に105℃、10mmHgabs.(1330Pa)以下の条件で4時間、同操作を行った。窒素により減圧から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙(保持粒径1μ)により減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの回収を行った。ホスファゼニウム化合物除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(OHV)は56.1mgKOH/g、総不飽和度(C=C)0.008meq./g、ヘッド−トウ−テイル(H−T)96.5モル%であった。次に、温度計ならびに攪拌機を装着した500ml容量のガラス製反応器に、該ポリオキシアルキレンポリオール280.8g、イソホロンジイソシアネート(ヒュルス社製)93.6g、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.2gならびにジメチルホルムアミド35g加え、窒素雰囲気下、80℃、1時間反応させた。次いで、ジブチルチンジラウレート(三共有機合成製)を0.04g加え、100℃の条件で9時間反応を行った。反応後、70℃まで冷却し、7.41gのトリエチルアミンを加え、1時間攪拌し、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。該プレポリマー300gを8分間かけて、35℃のイオン交換水380gを入れた1.0Lのガラス製反応器に装入後、ジメチルホルムアミドの除去を行った。ジメチルホルムアミドを除去した後のプレポリマー水溶液に対してエチレンジアミン3.58gと23.8gのイオン交換水からなるアミン水溶液を滴下し、50℃で3時間反応させた。粘度が41mPa・s/25℃のポリウレタン分散体を調製した。1週間後の外観変化は無かった(分散安定性;○)。
【0065】
以下、比較例について詳述する。比較例として用いたポリオキシアルキレンポリオール合成用触媒は、USP5,144,093(カラム4、52行〜カラム5、4行目)に記載されている複金属シアン化物錯体(Zn3[Co(CN)6]2 ・2.48DME・4.65H2 O・0.94ZnCl2 ;以降、DMCと略する。DMEとはジメトキシエタンの略号である。)を使用した。DMCを触媒として得られたポリオキシプロピレンポリオールにエチレンオキサイド付加重合を行う際のアルカリ金属触媒として和光純薬(株)製の30重量%のカリウムメチラート(以降、KOMeと略する。)のメタノール溶液を用いた。
【0066】
比較例1
ポリウレタン分散体C
プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加重合したポリプロピレンポリオールDiol400(三井東圧化学(株)製)100重量部に対して0.05重量部のDMCを添加し、105℃、10mmHgabs.(1330Pa)以下で3時間の減圧脱水を行った。次に、オートクレーブに該化合物を仕込み、窒素置換後、大気圧の状態から反応温度70℃、反応時の最大圧力4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHV56.1mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行い、DMCを含有している粗製ポリオキシプロピレンポリオールを得た。該ポリオキシプロピレンポリオール100重量部に対して2.9重量部の30重量%のカリウムメチラート(KOMe)のメタノール溶液を添加し、脱メタノール反応を90℃、20mmHgabs.(2660Pa)の条件で2時間行った。その後、水を3重量部とAD−600NS(富田製薬(株)製)を5重量部加え、90℃、窒素雰囲気下で2時間撹拌し、アドバンテック東洋株式会社製5Cろ紙(保持粒径1μ)を用いて減圧ろ過を行った。ろ過後、120℃、10mmHgabs.(1330Pa)以下の条件で2時間減圧脱水を行い、DMCの除去処理を行った。エチレンオキサイドの付加重合を行うため、DMC除去後のポリオキシプロピレンポリオール100重量部に2.5重量部の30重量%のKOMeのメタノール溶液を添加し、脱メタノール反応を100℃、10mmHgabs.(1330Pa)以下の条件で3時間行った。オートクレーブに該化合物を仕込み、窒素置換後、反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHVが51.0mgKOH/gになるまでエチレンオキサイドを装入し、反応させた。反応後、減圧処理を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。さらにDMCを用いてプロピレンオキサイドの付加重合を行うため、ポリオキシアルキレンポリオール中からカリウムの除去を行った。粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のカリウム1モルに対して1.1モルのリン酸(75.1重量%のリン酸水溶液)ならびに粗製ポリエーテルポリオール100重量部に対して4重量部のイオン交換水を装入し、90℃、2時間の条件で中和反応を行った。吸着剤KW−700SN(協和化学工業(株)製)を8000ppm添加し、減圧下、水を留去しながら最終的に105℃、10mmHgabs.(1330Pa)で3時間減圧脱水を行った。窒素により減圧から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙(保持粒径1μ)により減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの回収を行った。該ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して先に用いたDMCを0.01重量部添加し、105℃、10mmHgabs.(1330Pa)、3時間減圧脱水を行った後、反応温度70℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHV28.0mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行った。該ポリオキシアルキレンポリオールからのDMC除去操作は先に詳述したKOMeを用いる方法で実施した。DMC除去操作後のポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(OHV)は28.1mgKOH/g、総不飽和度(C=C)0.013meq./g、ヘッド−トウ−テイル(H−T)89.5モル%であった。続いて、該ポリオキシアルキレンポリオールを用いてポリウレタン分散体の調製を行った。反応条件および化合物の仕込量は実施例1と同様にして反応を行った。このようにして得られたポリウレタン分散体の粘度は42mPa・s/25℃で、1週間後には沈降物が確認された(分散安定性;×)。
【0067】
実施例、比較例で得られたポリオキシアルキレンポリオール(以下、ポリオールと略する。)の水酸基価(以下、OHVと略する。)、総不飽和度(以下、C=Cと略する。)ならびにヘッド−トウ−テイル(Head−to−Tail)結合選択率(以下、H−Tと略する。)を表1にまとめて表記した。さらにこれらのポリオールを用いたときのポリウレタン分散体の粘度(以下、ηと略する。)、1週間後の分散安定性も表1に示した。表中のポリオール重合触媒で、PZは実施例で用いたホスファゼニウム化合物の略号である。DMCは複金属シアン化物錯体の略である。アルキレンオキサイドはAOと略し、POはプロピレンオキサイドを、EOはエチレンオキサイドの略号である。表中のアルキレンオキサイド(AO)重合形式とは、反応させたアルキレンオキサイドの順序を表す。
【0068】
【表1】
【0069】
実施例、比較例より本発明のホスファゼニウム化合物をアルキレンオキサイドの重合触媒としたポリオキシアルキレンポリオールを用いたポリウレタン分散体は複金属シアン化物錯体(DMC)で得られたポリオールを用いたポリウレタン分散体と比較して粘度が低く、ポリウレタンの分散安定性にも優れている。DMC系では、エチレンオキサイドの共重合反応に際しては、一旦、DMCをアルカリ金属化合物(カリウムメチラート)との反応により失活させ、次いで、該触媒によりエチレンオキサイドを重合しなければならないため、操作が複雑である。一方、本発明のホスファゼニウム化合物系では、エチレンオキサイドとの共重合反応においても複雑な操作を必要とせず、作業性に優れたポリウレタン分散体を製造することができる。
【0070】
次に、実施例および比較例で得られたポリウレタン分散体を45℃に加熱し、薄層クロマトグラフィー測定用のガラス板(以下、ガラス板と略する。)上で均一な膜を形成後、23℃まで急冷し、さらに80℃のオーブン中で2時間乾燥した。膜が形成されたガラス板をイオン交換水に浸積し、ガラス板から膜を剥がした後、さらに23℃、相対湿度50%の恒温恒湿条件下のオーブン中で3週間乾燥した(水の乾燥工程)。その後、得られたポリウレタンの力学物性を測定した。また、ポリウレタンの外観を目視で観察し、透明均一状態だと○で、ぶつ等が生じ不均一な状態だと×で評価を行った。引張強度、伸びおよび外観の評価結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】
実施例3、4および比較例2より、本発明のポリオールを用いたポリウレタンは複金属シアン化物錯体(DMC)を触媒とするポリオールにより得られたポリウレタンと比較して強度、伸び等の力学物性が優れている。また、得られたポリウレタンの外観についても良好である。
Claims (2)
- ポリイソシアネート化合物およびポリオールを構成成分として含むポリウレタンおよび水を主成分とするポリウレタン分散体において、化学式(1)
- 請求項1記載のポリウレタン分散体中の水の乾燥工程を経て調製されることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
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