JP3497054B2 - ホスファゼニウム塩およびその製造方法ならびにポリアルキレンオキシドの製造方法 - Google Patents

ホスファゼニウム塩およびその製造方法ならびにポリアルキレンオキシドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有機反
応において極めて重要な、活性水素化合物からプロトン
が離れて導かれる形の活性水素化合物のアニオンの塩に
関する。より詳しくは、ホスファゼニウムカチオンと活
性水素化合物のアニオンとの新規な塩またはその一つの
形である新規な水酸化ホスファゼニウムおよびそれらの
製造法に関するものであり、さらにそれらがアルキレン
オキシド化合物の重合に効果的な触媒となることに関す
る。
【0002】ポリアルキレンオキシドは有機ポリイソシ
アネート化合物と反応させて得られるポリウレタンフォ
ームやエラストマー等の原料または界面活性剤などとし
て用いられる重要な重合体である。
【0003】
【従来の技術】活性水素化合物からプロトンを引抜いて
アニオンにして、対カチオンとの塩を得る方法は古くか
らよく知られており、活性水素化合物の酸性の強さに応
じて様々な方法が用いられている。例えば、カルボン酸
類、ニトロアルカン類、アルコール類またはフェノール
類などはアルカリ金属水酸化物や、場合によってはアル
カリ金属炭酸塩などとの反応で比較的容易に塩を作るこ
とができるし、ケトン類、アルキルニトリル類、シクロ
ペンタジエン類、アミン類、アミド類またはイミド類な
どは、アルカリ金属、アルカリ金属ヒドリド、アルカリ
金属アミドまたはアルカリ金属アルキルなどのアルカリ
金属またはその化合物を用いて、塩にするのが一般的で
ある。しかしながらこれらの方法で得られる塩は、活性
水素化合物から導かれるアニオンとアルカリ金属カチオ
ンとの塩である。活性水素化合物のアニオンの反応性を
効果的にするためには、溶媒に溶解させる必要がある
が、このようなアルカリ金属カチオンを有する塩を充分
に溶解できる溶媒は極めて限られている。さらにはアニ
オンの反応性はその対であるカチオンの大きさによって
大きく影響される場合があるが、このカチオンがアルカ
リ金属カチオンに限られるとその大きさも限られてしま
う。
【0004】またアルカリ金属もしくはアルカリ土類金
属の水酸化物はその塩基性の故に、有機反応の分野でも
極めて重要な化合物である。これらの水酸化物を有機反
応に用いる際に、その効果をより有効にするためには溶
媒に溶解させることが重要である。しかしながらこれら
の水酸化物は水溶性ではあるが、一般的な有機溶媒には
難溶であり、水を嫌う有機反応には不向きな一面を持っ
ている。活性水素化合物から導かれるアニオンとアルカ
リ金属カチオンとの塩やアルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属の水酸化物を用いて有機反応を工業的に行うに
は、以上のような問題点があった。
【0005】またアルキレンオキシド化合物の重合でポ
リアルキレンオキシドを製造するに際しては、開始剤系
として、例えば多価アルコール等の活性水素化合物と例
えば水酸化カリウム等の塩基性アルカリ金属化合物との
組み合わせを用いるのが最も一般的であり、工業的にも
実用化されてはいる。しかしながら、重合活性や生成ポ
リマーの物性等の面からより効率的な開始剤系が望まれ
ている。開始剤系のこれ以外の組み合わせについては、
USP3,829,505では、活性水素化合物と例え
ば、Zn3[Fe(CN)62・H2O・ジオキサンで表
される化合物を用いて、プロピレンオキシドからその重
合体を得ることを示しており、特開平2−276821
では、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体で製造したポ
リオールにナトリウムメチラートを反応させた後、エチ
レンオキシドを重合させて重合体を得ることを示してお
り、また特開昭62−232433では、ヒュームドシ
リカのヘキサンスラリーに1,4−ブタンジオールと非
イオン系界面活性剤を加えた分散物にジエチル亜鉛のヘ
キサン溶液を添加して得られた生成物を用いてエチレン
オキシドを重合して重合体を得ることを示している。こ
れらは何れも特別な金属成分を含有しており、生成した
ポリアルキレンオキシド中にこれらの金属成分が残存す
るとポリウレタン製造の際の反応またはポリウレタンの
物性に悪影響を与える場合があるため、ポリアルキレン
オキシドの製造にあたってはこれらの金属成分を充分に
除去する特別の方法や煩雑な工程が必要となっている。
【0006】一方金属を含まない開始剤系としては、特
開昭50−159595では活性水素化合物であるアル
カンポリオールと三ふっ化ほう素のエーテル付加物との
組み合わせでエチレンオキシドからその重合体を得てい
る。しかしこの開始剤系についても重合体中の特異な不
純物がポリウレタンの物性に悪影響を及ぼすことが知ら
れており、充分に除去するには煩雑な工程が必要となっ
ている。また特開昭57−12026ではアルコール類
とアミノフェノールを用いて、アルキレンオキシドの重
合体を得ており、特開昭56−38323ではソルビト
ールとテトラメチルアンモニウムヒドロオキシドを用い
てプロピレンオキシドを重合させている。しかしながら
何れも重合活性が充分でないうえ、アミン系の臭気が残
留するなどの問題を抱えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、活性
水素化合物から導かれるアニオンと対カチオンからなる
塩であって、そのカチオンはアルカリ金属カチオンでは
なく、必要に応じて大きさを変え得るものであり、塩は
比較的溶解し易いという性質の塩を提供することにあ
り、また金属成分を持たずアルカリ金属もしくはアルカ
リ土類金属の水酸化物と同様の塩基性を有し、かつ有機
溶媒にも溶解し易いという性質を持つ化合物を提供する
ことにある。またそのような塩の効果的な製造法を提供
することにある。
【0008】本発明のさらなる目的は、アルキレンオキ
シド化合物を重合させてポリアルキレンオキシドを製造
する際に、特別な金属成分は含まないまたはいかなる金
属成分も全く含まない、その上臭気を残留させない開始
剤系を用いてポリアルキレンオキシドを簡便かつ効率的
に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を続けてきた結果、新規な活性
水素化合物のホスファゼニウム塩および新規な水酸化ホ
スファゼニウムが極めて有効であることを見出し、さら
にそれらがアルキレンオキシド化合物の重合に極めて効
果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、化学式(1)
【0010】
【化8】 (式中、nは1〜8の整数であってホスファゼニウムカ
チオンの数を表し、Zn-は最大8個の活性水素原子を酸
素原子または窒素原子上に有する活性水素化合物からn
個のプロトンが離脱して導かれる形のn価の活性水素化
合物のアニオンである。a、b、cおよびdはそれぞれ
3以下の正の整数または0であるが、全てが同時に0で
はない。Rは同種または異種の、炭素数1〜10個の炭
化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結
合して環構造を形成する場合もある。)で表される活性
水素化合物のホスファゼニウム塩であり、また化学式
(2)
【0011】
【化9】 (式中、Meはメチル基を表す。a、b、cおよびdは
0または1であり、全てが同時に0ではない。)で表さ
れる水酸化ホスファゼニウムであり、また化学式(3)
【0012】
【化10】 (式中、mは1〜3の整数であってホスファゼニウムカ
チオンの数を表し、Xm-はm価の無機アニオンである。
a、b、cおよびdはそれぞれ3以下の正の整数または
0であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または
異種の、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒
素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する
場合もある。)で表されるホスファゼニウムカチオンと
無機アニオンとの塩およびM+ nn-(M+ nはn個のアル
カリ金属カチオンを表す。nは1〜8の整数であり、Z
n-は最大8個の活性水素原子を酸素原子または窒素原子
上に有する活性水素化合物からn個のプロトンが離脱し
て導かれる形のn価の活性水素化合物のアニオンであ
り、化学式(1)中のZn-と同一である。)で表される
活性水素化合物のアルカリ金属塩を反応させることを特
徴とする、化学式(1)(式中、nは1〜8の整数であ
ってホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zn-は最大
8個の活性水素原子を酸素原子または窒素原子上に有す
る活性水素化合物からn個のプロトンが離脱して導かれ
る形のn価の活性水素化合物のアニオンである。a、
b、cおよびdはそれぞれ3以下の正の整数または0で
あるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種
の、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素原
子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合
もある。)で表される活性水素化合物のホスファゼニウ
ム塩の製造方法であり、また化学式(4)
【0013】
【化11】 (式中、Meはメチル基を表す。a、b、cおよびdは
0または1であり、全てが同時に0ではない。Y-は一
価の無機アニオンを表す。)で表されるホスファゼニウ
ムカチオンと一価の無機アニオンの塩を、水と水に相溶
性の有機溶媒との混合溶媒に溶解させた溶液を、水酸基
型アニオン交換樹脂と接触させることを特徴する、化学
式(2)(式中、Meはメチル基を表す。a、b、cお
よびdは0または1であり、全てが同時に0ではな
い。)で表される水酸化ホスファゼニウムの製造方法で
ある。さらには、アルキレンオキシド化合物を重合させ
てポリアルキレンオキシドを製造するに際し、 化学式(5)または化学式(6)
【0014】
【化12】
【0015】
【化13】 (化学式(5)中のa、b、cおよびdまたは化学式
(6)中のe、fおよびgは、それぞれ3以下の正の整
数または0であるが、a、b、cおよびdまたはe、f
およびgの全てが同時に0ではない。Rは同種または異
種の、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素
原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場
合もある。rは1〜3の整数であってホスファゼニウム
カチオンの数を表し、Tr-は価数rの無機アニオンを表
す。)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニ
オンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしく
はアルカリ土類金属の塩の存在下、または化学式(5)
で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンと
の塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属の塩から導かれる活性水素化合物のホスフ
ァゼニウム塩の存在下に、または、 化学式(7)
【0016】
【化14】 (化学式(7)中、a、b、cおよびdはそれぞれ3以
下の正の整数または0であるが、全てが同時に0ではな
い。Rは同種または異種の、炭素数1〜10個の炭化水
素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合し
て環構造を形成する場合もある。Q-はヒドロキシアニ
オン、アルコキシアニオン、アリールオキシアニオンま
たはカルボキシアニオンを表す。)で表されるホスファ
ゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、または化学
式(7)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素
化合物から導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム
塩の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させる
ことを特徴とするポリアルキレンオキシドの製造方法で
ある。
【0017】そしてさらには、 化学式(5)または化学式(6)(化学式(5)中
のa、b、cおよびdまたは化学式(6)中のe、fお
よびgは、それぞれ3以下の正の整数または0である
が、a、b、cおよびdまたはe、fおよびgの全てが
同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素数1〜
10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のR
が互いに結合して環構造を形成する場合もある。rは1
〜3の整数であってホスファゼニウムカチオンの数を表
し、Tr-は価数rの無機アニオンを表す。)で表される
ホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および
活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金
属の塩の存在下、または化学式(5)で表されるホスフ
ァゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水
素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩
から導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩の存
在下に、または 化学式(7)(化学式(7)中、a、b、cおよびd
はそれぞれ3以下の正の整数または0であるが、全てが
同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素数1〜
10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のR
が互いに結合して環構造を形成する場合もある。Q-
ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオ
キシアニオンまたはカルボキシアニオンを表す。)で表
されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在
下、または化学式(7)で表されるホスファゼニウム化
合物と活性水素化合物から導かれる活性水素化合物のホ
スファゼニウム塩の存在下に、アルキレンオキシド化合
物を重合させることにより得られるポリアルキレンオキ
シドである。
【0018】本発明における化学式(1)、化学式
(2)、化学式(3)、化学式(4)、化学式(5)、
化学式(6)または化学式(7)で表されるホスファゼ
ニウム化合物中のホスファゼニウムカチオンはその正電
荷が中心のりん原子上に局在する極限構造式で代表して
いるが、これ以外に無数の極限構造式が描かれ実際には
その正電荷は全体に非局在化している。
【0019】
【発明の実施の形態】本願の発明の一部は化学式(1)
で表される活性水素化合物のホスファゼニウム塩であ
り、その製造法である。化学式(1)中のアニオンZn-
を導く活性水素化合物のうち、酸素原子上に活性水素原
子を有する活性水素化合物とは、水であり、例えば蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ラウリン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、フェニル酢酸、ジヒド
ロ桂皮酸またはシクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、
パラメチル安息香酸または2−カルボキシナフタレン等
の炭素数1〜20個のカルボン酸であり、例えば蓚酸、
マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン
酸、イタコン酸酸、ブタンテトラカルボン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸また
はピロメリット酸等の炭素数2〜20個の2〜6個のカ
ルボキシル基を有する多価カルボン酸類であり、例えば
N,N−ジエチルカルバミン酸、N−カルボキシピロリ
ドン、N−カルボキシアニリンまたはN,N’−ジカル
ボキシ−2,4−トルエンジアミン等のカルバミン酸類
であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマル−プ
ロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペン
チルアルコール、ノルマル−オクチルアルコール、ラウ
リルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノー
ル、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチル
アルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアル
コール、1−フェニルエチルアルコール、トリフェニル
カルビノールまたはシンナミルアルコール等の炭素数1
〜20個のアルコール類であり、例えばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
オール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリ
セリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリ
トール等の炭素数2〜20個の2〜8個の水酸基を有す
る多価アルコール類であり、例えばグルコース、ソルビ
トール、デキストロース、フラクトースまたはシュクロ
ース等の糖類またはその誘導体であり、例えばフェノー
ル、2−ナフトール、2,6−ジヒドロキシナフタレン
またはビスフェノールA等の炭素数6〜20個の1〜3
個の水酸基を有する芳香族化合物類であり、例えばポリ
エチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれ
らのコポリマー等であって2〜8個の末端を有しその末
端に1〜8個の水酸基を有するポリアルキレンオキシド
類である。
【0020】アニオンZn-を導く活性水素化合物のう
ち、窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物
とは、例えばメチルアミン、エチルアミン、ノルマル−
プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマル−ブチ
ルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、
tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベン
ジルアミン、β-フェニルエチルアミン、アニリン、o
−トルイジン、m−トルイジンまたはp−トルイジン等
の炭素数1〜20個の脂肪族または芳香族一級アミン類
であり、例えばジメチルアミン、メチルエチルアミン、
ジエチルアミン、ジ−ノルマル−プロピルアミン、エチ
ル−ノルマル−ブチルアミン、メチル−sec−ブチル
アミン、ジペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、
N−メチルアニリンまたはジフェニルアミン等の炭素数
2〜20個の脂肪族または芳香族二級アミン類であり、
例えばエチレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、トリ(2−アミノエチル)アミン、N,
N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル
エチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)
アミン等の炭素数2〜20個の2〜3個の一級もしくは
二級アミノ基を有する多価アミン類であり、例えばピロ
リジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4
−テトラヒドロキノリン等の炭素数4〜20個の飽和環
状二級アミン類であり、3−ピロリン、ピロール、イン
ドール、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾールまた
はプリン等の炭素数4〜20個の不飽和環状二級アミン
類であり、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,
7−トリアザシクロノナン等の炭素数4〜20個の2〜
3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類であり、
例えばアセトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプ
ロピオンアミド、N−メチル安息香酸アミドまたはN−
エチルステアリン酸アミド等の炭素数2〜20個の無置
換またはN−一置換の酸アミド類であり、例えば2−ピ
ロリドンまたはε−カプロラクタム等の5〜7員環の環
状アミド類であり、例えばこはく酸イミド、マレイン酸
イミドまたはフタルイミド等の炭素数4〜10個のジカ
ルボン酸のイミド類である。 上述の活性水素化合物に
は複数個の活性水素を有する物が含まれる。それら活性
水素の全てが離脱してアニオンに導かれる場合もある
が、その一部だけが離脱してアニオンとなる場合もあ
る。nは1〜8である。好ましくは、1〜3である。
【0021】これらの活性水素化合物のうち、好ましく
は、水であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマ
ル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチ
ルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−
ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert
−ペンチルアルコール、ノルマル−オクチルアルコー
ル、ラウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペ
ンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、
クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベン
ジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、トリ
フェニルカルビノールまたはシンナミルアルコール等の
炭素数1〜20個のアルコール類であり、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、
ジグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエ
リスリトール等の炭素数2〜20個の2〜8個の水酸基
を有する多価アルコール類であり、例えばグルコース、
ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシ
ュクロース等の糖類またはその誘導体であり、例えばポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそ
れらのコポリマー等であって2〜8個の末端を有しその
末端に1〜8個の水酸基を有する分子量100〜50,
000のポリアルキレンオキシド類であり、例えばエチ
レンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキサ
メチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、トリ(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ジメ
チルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジ
アミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の
炭素数2〜20個の2〜3個の一級もしくは二級アミノ
基を有する多価アミン類であり、例えばピロリジン、ピ
ペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4−テトラヒ
ドロキノリン等の炭素数4〜20個の飽和環状二級アミ
ン類であり、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,
4,7−トリアザシクロノナン等の炭素数4〜20個の
2〜3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類であ
る。
【0022】より好ましくは、水であり、例えばメタノ
ール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロ
パノール、ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチ
ルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソペン
チルアルコール、tert−ペンチルアルコールまたは
ノルマル−オクチルアルコールなどの炭素数1〜10個
のアルコール類であり、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメ
チロールプロパン、グリセリンもしくはペンタエリスリ
トール等の炭素数2〜10個の2〜4個の水酸基を有す
る多価アルコール類であり、ポリエチレンオキシド、ポ
リプロピレンオキシドもしくはそれらのコポリマー等で
あって2〜6個の末端を有しその末端に2〜6個の水酸
基を有する分子量100〜10,000のポリアルキレ
ンオキシド類であり、例えばN,N’−ジメチルエチレ
ンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンまた
はジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2〜
10個の2〜3個の二級アミノ基を有する多価アミン類
であり、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリンま
たは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン等の炭素数
4〜10個の飽和環状二級アミン類であり、例えばピペ
ラジン、ピラジンまたは1,4,7−トリアザシクロノ
ナン等の炭素数4〜10個の2〜3個の二級アミノ基を
含む環状の多価アミン類である。
【0023】本発明における化学式(1)や化学式
(3)で表されるホスファゼニウムカチオン中のa、
b、cおよびdは、それぞれ3以下の正の整数または0
である。ただし全てが同時に0ではない。好ましくは2
以下の正の整数または0である。より好ましくはa、
b、cおよびdの順序に関わらず、(2,1,1,
1)、(1,1,1,1)、(0,1,1,1)、
(0,0,1,1)または(0,0,0,1)の組み合
わせ中の数である。さらに好ましくは、(1,1,1,
1)、(0,1,1,1)、(0,0,1,1)または
(0,0,0,1)の組み合わせ中の数である。
【0024】本発明における化学式(1)や化学式
(3)で表される塩のホスファゼニウムカチオン中のR
は同種または異種の、炭素数1〜10個の炭化水素基で
あり、具体的には、このRは、例えばメチル、エチル、
ノルマル−プロピル、イソプロピル、アリル、ノルマル
−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−ブ
テニル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、
2−メチル−1−ブチル、イソペンチル、tert−ペ
ンチル、3−メチル−2−ブチル、ネオペンチル、ノル
マル−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、1−ヘプチル、3−ヘプチ
ル、1−オクチル、2−オクチル、2−エチル−1−ヘ
キシル、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル
(通称、tert−オクチル)、ノニル、デシル、フェ
ニル、4−トルイル、ベンジル、1−フェニルエチルま
たは2−フェニルエチル等の脂肪族または芳香族の炭化
水素基から選ばれる。これらのうち、メチル、エチル、
ノルマル−プロピル、イソプロピル、tert−ブチ
ル、tert−ペンチルもしくは1,1−ジメチル−
3,3−ジメチルブチル等の炭素数1〜10個の脂肪族
炭化水素基が好ましく、メチル基またはエチル基がより
好ましい。
【0025】またホスファゼニウムカチオン中の同一窒
素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する
場合の該窒素原子に対する2価の置換基は、主鎖が炭素
数4〜6個の2価の炭化水素基であり(環は窒素原子を
含んだ5〜7員環となる)、好ましくは例えばテトラメ
チレン、ペンタメチレンまたはヘキサメチレン等であ
り、さらにはそれらの主鎖にメチルまたはエチル等のア
ルキル基が置換したものである。より好ましくは、テト
ラメチレンまたはペンタメチレンである。ホスファゼニ
ウムカチオン中の、可能な全ての窒素原子についてこの
ような環構造をとっていても構わないし、一部であって
もよい。
【0026】本発明における化学式(1)で表される活
性水素化合物のホスファゼニウム塩は、化学式(3)で
表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの
塩および M+ nn-で表される活性水素化合物のアルカ
リ金属塩とを反応させることによって得られる。この場
合、整数nの範囲および活性水素化合物のアニオンZ n-
は化学式(1)のそれらと同一のものである。M+ nはn
個のアルカリ金属カチオンを表している。
【0027】このM+ nn-で表される活性水素化合物の
アルカリ金属塩は、上述の活性水素化合物とアルカリ金
属類の金属または塩基性アルカリ金属化合物とを反応さ
せる通常の方法が用いられる。アルカリ金属類の金属と
しては、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム
または金属セシウム等が挙げられ、塩基性アルカリ金属
化合物としては、ナトリウムアミドまたはカリウムアミ
ド等のアルカリ金属のアミド類であり、ノルマル−プロ
ピルリチウム、ノルマル−ブチルリチウム、ビニルリチ
ウム、シクロペンタジエニルリチウム、α−ナフチルリ
チウム、エチニルナトリウム、ノルマル−ブチルナトリ
ウム、フェニルリチウム、シクロペンタジエニルナトリ
ウム、フルオレニルナトリウム、テトラフェニルエチレ
ンジナトリウム、ナトリウムナフタレニド、エチルカリ
ウム、シクロペンタジエニルカリウム、フェニルカリウ
ムまたはベンジルカリウム等の有機アルカリ金属化合物
であり、ナトリウムヒドリドまたはカリウムヒドリド等
のアルカリ金属ヒドリド化合物であり、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セ
シウム等のアルカリ金属の水酸化物であり、炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等のアルカリ金
属の炭酸塩等である。これらのアルカリ金属類の金属ま
たは塩基性アルカリ金属化合物は、活性水素化合物の酸
性の強さに応じて選ばれる。またこのようにして得られ
た活性水素化合物のアルカリ金属塩が塩基性アルカリ金
属化合物として作用し他の活性水素化合物をそのアルカ
リ金属塩となし得る場合もある。
【0028】複数の活性水素を有する活性水素化合物に
おいては、それらの活性水素の全てが離脱してアルカリ
金属類の金属または塩基性アルカリ金属化合物によって
アニオンに導かれる場合もあるが、その一部だけが離脱
してアニオンとなる場合もある。このようにして得られ
る活性水素化合物のアルカリ金属塩(M+ nn-)のアル
カリ金属カチオンは、リチウム、ナトリウムまたはカリ
ウムのカチオンが好ましい。
【0029】本発明における化学式(3)中のXm-は、
価数mの無機アニオンを表す。そして、価数mは1〜3
である。そのような無機アニオンとしては、例えばほう
酸、テトラフルオロほう酸、シアン化水素酸、チオシア
ン酸、フッ化水素酸、塩酸または臭化水素酸などのハロ
ゲン化水素酸、硝酸、硫酸、りん酸、亜りん酸、ヘキサ
フルオロりん酸、炭酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、
ヘキサフルオロタリウム酸および過塩素酸等の無機酸の
アニオンが挙げられる。また、無機アニオンとしてHS
4 -,HCO3 -もある。場合によっては、これらの無機
アニオンはイオン交換反応により互いに交換することも
できる。これらの無機アニオンうち、ほう酸、テトラフ
ルオロほう酸、ハロゲン化水素酸、りん酸、ヘキサフル
オロりん酸および過塩素酸等のアニオンが好ましく、塩
素アニオンがより好ましい。
【0030】本発明の化学式(3)で表されるホスファ
ゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩の合成法につい
ては、その一般的な例として次のような方法が挙げられ
る。 五塩化りんと3当量の二置換アミン(HNR2)を
反応させ、さらに1当量のアンモニアを反応させた後、
これを塩基で処理して、化学式(8)
【0031】
【化15】 で表される2,2,2−トリス(二置換アミノ)−2λ
5−ホスファゼンを合成する。 このホスファゼン化合物(化学式(8))とビス
(二置換アミノ)ホスフォロクロリデート{(R2N)2
P(O)Cl}を反応させて得られるビス(ジ二置換ア
ミノ)トリス(ジ二置換アミノ)ホスフォラニリデンア
ミノホスフィンオキシドをオキシ塩化りんでクロル化
し、次いでこれをアンモニアと反応させた後塩基で処理
して、化学式(9)
【0032】
【化16】 で表される2,2,4,4,4−ペンタキス(二置換ア
ミノ)−2λ5,4λ5−ホスファゼンを得る。 このホスファゼン化合物(化学式(9))をで用
いたホスファゼン化合物(化学式(8))の代わりに用
い、と同様の操作で反応させることにより、化学式
(10)
【0033】
【化17】 (式中、qは0および1〜3の整数を表す。qが0の場
合は二置換アミンであり、1の場合は化学式(8)の化
合物、2の場合は化学式(9)の化合物そして3の場合
はで得られたオリゴホスファゼンを表す。)で表され
る化合物のうちのqが3であるオリゴホスファゼンを得
る。 異なるqおよび/またはRの化学式(10)の化合
物を順次に、または同一のqおよびRの化学式(10)
の化合物を同時に、五塩化りんと4当量を反応させるこ
とにより、化学式(3)でm=1、Xm-=Cl-である
所望のホスファゼニウムカチオンと塩素アニオンとの塩
が得られる。塩素アニオン以外の無機アニオンの塩を得
たい場合には、通常の方法、例えば、アルカリ金属カチ
オンと所望の無機アニオンとの塩等で処理する方法やイ
オン交換樹脂を利用する方法等で、イオン交換すること
ができる。このようにして化学式(3)で表される一般
的なホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩が
得られる。
【0034】このようにして得られた化学式(3)で表
されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩
およびM+ nn-で表される活性水素化合物のアルカリ金
属塩との2種の塩を反応させて、目的の化学式(1)で
表される活性水素化合物のホスファゼニウム塩を製造す
る。その時、アルカリ金属カチオンと無機アニオンとの
塩が副生する。この反応に際しては、原料である2種の
塩の使用量比については目的の塩が生成する限り特に制
限はなく、何れかの塩が過剰であっても特に問題はない
が、通常、活性水素化合物アルカリ金属塩の使用量は、
ホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩の1当
量に対して、0.2〜5当量であり、好ましくは0.5
〜3当量であり、より好ましくは0.7〜1.5当量の
範囲である。両者の接触を効果的にするために通常溶媒
を用いる。それらの溶媒としては、反応を阻害しなけれ
ばいかなる溶媒でも構わないが、例えば、水、メタノー
ル、エタノールまたはプロパノール等のアルコール類、
アセトンまたはメチルエチルケトン等のケトン類、ノル
マル−ペンタン、ノルマル−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の脂肪族また
は芳香族の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ブロモホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロ
ロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、フルオロベンゼ
ンまたはベンゾトリフルオリド等のハロゲン化炭化水素
類、酢酸エチル、プロピオン酸メチルまたは安息香酸メ
チル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテルまたはトリエチレングリコールジメチルエ
ーテル等のエーテル類、トリブチルアミン,N,N−ジ
メチルアニリン、ピリジンまたはキノリン等の三級アミ
ン類、ニトロメタンまたはニトロエタン等のニトロアル
カン類、アセトニトリルまたはプロピオニトリル等のニ
トリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルりん酸トリアミ
ドまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の
極性非プロトン溶媒類等が挙げられる。これらの溶媒
は、反応に用いる原料の塩の化学的安定性に応じて選ば
れる。溶媒は、単独でも2種以上を混合して用いてもよ
い。原料の塩が溶解していることは好ましいが懸濁状態
でも構わない。この反応の温度は用いる塩の種類、量及
び濃度等により一様ではないが、通常150℃以下であ
り、好ましくは−78〜80℃、より好ましくは0〜5
0℃の範囲である。反応圧力は減圧、常圧および加圧の
何れでも実施し得るが、好ましくは0.1〜10Kg/
cm2(絶対圧、以下同様)であり、より好ましくは1
〜3Kg/cm2の範囲である。反応時間は反応温度や
反応系の状態などによって一様ではないが、通常、1分
〜24時間の範囲であり、好ましくは1分〜10時間、
より好ましくは5分〜6時間である。
【0035】この反応の反応液から、目的の活性水素化
合物のホスファゼニウム塩を分離するには、常套の手段
を組み合わせた常用の方法が用いられる。目的の塩の種
類、用いた2原料の塩の種類や過剰率、用いた溶媒の種
類や量などにより、その方法は一様ではないが、通常、
副生するアルカリ金属カチオンと無機アニオンとの塩は
固体として析出しているので、そのままあるいは若干の
濃縮をした後、濾過や遠心分離等の方法で固液分離して
これを除き、液を濃縮乾固して目的の塩を得ることがで
きる。副生する塩が濃縮してもなお溶解している場合に
は、そのままあるいは濃縮後に貧溶媒を加え副生塩また
は目的の塩の何れかを析出させたり、また濃縮乾固後一
方を抽出する等の方法で分離することができる。過剰に
使用した方の原料の塩が目的の塩に多量混入している場
合には、そのままあるいは再溶解後に適した他の溶媒で
抽出しこれらを分離する事ができる。さらに、必要であ
れば再結晶またはカラムクロマトグラフィー等で精製す
ることもできる。目的の塩、すなわち、化学式(1)で
表される活性水素化合物のホスファゼニウム塩は、通常
高粘度の液体または固体として得られる。このようにし
て得られた化学式(1)で表される活性水素化合物のホ
スファゼニウム塩は、活性水素化合物のアニオンの関与
する有機合成反応の反応活性種として極めて有用であ
る。
【0036】本願発明はさらに化学式(2)で表される
水酸化ホスファゼニウムであり、その製造法である。化
学式(2)または化学式(4)中の、a、b、cおよび
dは、それぞれ0または1である。ただし全てが同時に
0ではない。好ましくはa、b、cおよびdの順序に関
わらず、(1,1,1,1)、(0,1,1,1)、
(0,0,1,1)または(0,0,0,1)の組み合
わせ中の数である。
【0037】本発明の化学式(2)で表される水酸化ホ
スファゼニウムは、その前駆体である化学式(4)で表
されるホスファゼニウムカチオンと一価の無機アニオン
の塩から、イオン交換樹脂を用いる方法で製造するが、
その前駆体の合成法としては、一般的な例として次のよ
うな方法が挙げられる。 .五塩化りんと3当量のジメチルアミン(Me2
H)を反応させ、さらに1当量のアンモニアを反応させ
た後、これを塩基で処理して、化学式(11)
【0038】
【化18】 で表される2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)−2
λ5−ホスファゼンを合成する。 .化学式(2)のa、b、cおよびdの数値に対応さ
せた、ジメチルアミンと化学式(11)のホスファゼン
とのモル比率で、先ず五塩化りんとジメチルアミンと
を、次いで五塩化りんの残る部分に該ホスファゼンを反
応させる。例えば、化学式(2)のa、b、cおよびd
がその順序に関わらず(1、1、1、1)の組み合わせ
である場合には、五塩化りんと4当量の化学式(11)
のホスファゼンを反応させる。例えば同じく(0、0、
1、1)の場合には、先ず五塩化りんと2当量のジメチ
ルアミンを、次いで化学式(11)のホスファゼンを2
当量反応させ、両者合わせて4当量を反応させる。この
ようにして化学式(4)でY -がCl-である、ホスファ
ゼニウムクロリドが得られる。 .このホスファゼニウムクロリドの塩素アニオンをこ
れ以外の無機アニオンY-に置き換えるには、例えば、
アルカリ金属カチオンと該無機アニオンとの塩で処理す
る等の通常の方法が用いられる。このようにして化学式
(4)で表される一般的なホスファゼニウムカチオンと
一価の無機アニオンの塩が得られる。
【0039】化学式(4)中の一価の無機アニオンY-
としては、塩化水素酸、テトラフルオロほう酸、ヘキサ
フルオロりん酸および過塩素酸よりなる群から選ばれる
一価の無機酸のアニオン等が挙げられる。化学式(4)
で表されるホスファゼニウムカチオンと一価の無機アニ
オンの塩をイオン交換樹脂でイオン交換して化学式
(2)で表される水酸化ホスファゼニウムに変換する
が、その際ホスファゼニウムカチオンと一価の無機アニ
オンの塩は、水と水に相溶性の有機溶媒との混合溶媒に
溶解させる。
【0040】水に相溶性の有機溶媒としては、好ましく
は例えばメタノール、エタノール、プロパノールまたは
ブタノールなどのアルコール類であり、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、1,2−ジエトキシメタン、1,2
−ジエトキシエタンまたはジエチレングリコールジメチ
ルエーテルなどのエーテル類、アセトニトリルやプロピ
オニトリルなどのニトリル類などが挙げられる。この
他、水酸化ホスファゼニウムへのイオン交換を阻害しな
い性質の水に相溶性の有機溶媒なら何れでも構わない。
水と水に相溶性の有機溶媒との混合溶媒中の水に相溶性
の有機溶媒の割合は、通常5〜95重量%、好ましくは
30〜90重量%、より好ましくは50〜85重量%の
範囲である。
【0041】化学式(4)で表されるホスファゼニウム
カチオンと一価の無機アニオンの塩の混合溶媒中の濃度
としては、通常0.01〜5M(Mはmol/lを表
す。以下同様)、好ましくは0.05〜1Mである。使
用するイオン交換樹脂は水酸基型アニオン交換樹脂であ
り、通常交換基は3級アミン型または4級アンモニウム
型のものである。該イオン交換樹脂は直接ホスファゼニ
ウムカチオンと一価の無機アニオンの塩の溶液中で接触
させてもよいが、通常はカラムに充填して用いる。使用
量は、その樹脂の持つ交換容量が交換しようとする一価
の無機アニオンの通常1〜100倍、好ましくは1.5
〜20倍の範囲である。
【0042】カラムに化学式(4)で表される塩の溶液
を流通させる場合の流速は、通常、水酸基型アニオン交
換樹脂1リットル当たり、0.02〜200リットル/
時であり、好ましくは0.1〜100リットル/時であ
る。イオン交換時の温度は、使用するイオン交換樹脂の
種類によって異なるが、通常10〜80℃、好ましく
は、20〜40℃である。イオン交換樹脂を直接溶液中
で接触させた場合には濾過等の分離操作後の溶液から、
またカラムで用いた場合には流出液そのものから、溶媒
を留去し、乾燥させることで目的の水酸化ホスファゼニ
ウムが得られる。
【0043】このようにして得られた化学式(2)で表
される水酸化ホスファゼニウムは、有機溶媒への溶解度
が高く、また強い塩基性を有する。(例えば、テトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムヒドロキシドすなわち化学式(2)
で、a、b、cおよびdが順序に関わらず(1,1,
1,1)である化合物の0.1Mおよび0.01Mの水
溶液は、それぞれpH値13.3および12.5を示
し、また(ジメチルアミノ)トリス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒ
ドロキシドすなわち化学式(2)で、a、b、cおよび
dが順序に関わらず(0,1,1,1)である化合物の
0.1Mおよび0.01Mの水溶液は、それぞれpH値
13.5および12.6を示す)。このため、極めて効
果的に種々の活性水素化合物からプロトンを脱離させて
活性水素化合物のアニオンを発生させ、その求核性を著
しく高めるなど、有機合成反応における塩基として極め
て有用である。
【0044】さらに本願発明は、 化学式(5)もしくは化学式(6)で表されるホス
ファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性
水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の
塩の存在下、または化学式(5)で表されるホスファゼ
ニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化
合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩から
導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩の存在下
に、または 化学式(7)で表されるれるホスファゼニウム化合
物と活性水素化合物の存在下、または化学式(7)で表
されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物から導
かれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩の存在下
に、アルキレンオキシド化合物を重合させてポリアルキ
レンオキシドを製造する方法である。
【0045】本発明の方法におけるアルキレンオキシド
化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレン
オキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレ
ンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシ
ド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルまたは
フェニルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物であ
る。これらは2種以上を併用してもよい。併用する場合
には、複数のアルキレンオキシド化合物を同時に併用す
る方法、順次に併用する方法または順次を繰り返して行
なう方法などをとり得る。これらのアルキレンオキシド
化合物のうち、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、1,2−ブチレンオキシドまたはスチレンオキシド
が好ましく、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシ
ドがより好ましい。
【0046】本発明の方法の、化学式(5)または化学
式(7)で表されるホスファゼニウムカチオン中のa、
b、cおよびdは、それぞれ3以下の正の整数または0
であるが、全てが同時に0ではない。好ましくは2以下
の正の整数または0である。より好ましくはa、b、c
およびdの順序に関わらず、(2、1、1、1)、
(1、1、1、1)、(0、1、1、1)、(0、0、
1、1)または(0、0、0、1)の組み合わせ中の数
である。さらに好ましくは、(1、1、1、1)、
(0、1、1、1)、(0、0、1、1)または(0、
0、0、1)の組み合わせ中の数である。
【0047】また化学式(6)で表されるホスファゼニ
ウムカチオン中のe、fおよびgは、それぞれ3以下の
正の整数または0であるが、全てが同時に0ではない。
好ましくは2以下の正の整数または0である。より好ま
しくはe、fおよびgの順序に関わらず、(2、1、
1)、(1、1、1)、(0、1、1)または(0、
0、1)の組み合わせ中の数である。
【0048】化学式(5)、化学式(6)または化学式
(7)で表されるホスファゼニウムカチオン中のRは同
種または異種の、1〜10個の炭素原子からなる炭化水
素基であり、具体的には、このRは、例えばメチル、エ
チル、ノルマル−プロピル、イソプロピル、アリル、ノ
ルマル−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
2−ブテニル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペン
チル、2−メチル−1−ブチル、イソペンチル、ter
t−ペンチル、3−メチル−2−ブチル、ネオペンチ
ル、ノルマル−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ヘプチル、3−
ヘプチル、1−オクチル、2−オクチル、2−エチル−
1−ヘキシル、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブ
チル(通称、tert−オクチル)、ノニル、デシル、
フェニル、4−トルイル、ベンジル、1−フェニルエチ
ルまたは2−フェニルエチル等の脂肪族または芳香族の
炭化水素基から選ばれる。これらのうち、メチル、エチ
ル、ノルマル−プロピル、イソプロピル、tert−ブ
チル、tert−ペンチル、1−オクチルまたは1,1
−ジメチル−3,3−ジメチルブチル等の炭素数1〜1
0個の脂肪族炭化水素基が好ましい。
【0049】またホスファゼニウムカチオン中の同一窒
素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する
場合の該窒素原子上の2価の炭化水素基は、4〜6個の
炭素原子からなる主鎖を有する2価の炭化水素基であり
(環は窒素原子を含んだ5〜7員環となる)、好ましく
は例えばテトラメチレン、ペンタメチレンまたはヘキサ
メチレン等であり、また、それらの主鎖にメチルまたは
エチル等のアルキル基が置換したものである。より好ま
しくは、テトラメチレンまたはペンタメチレンである。
ホスファゼニウムカチオン中の、可能な全ての窒素原子
についてこのような環構造をとっていても構わないし
一部であってもよい。
【0050】本願発明のポリアルキレンオキシドの製造
方法の一つの場合、すなわち、化学式(5)もしくは化
学式(6)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機
アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属も
しくはアルカリ土類金属の塩の存在下、または化学式
(5)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニ
オンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしく
はアルカリ土類金属の塩から導かれる活性水素化合物の
ホスファゼニウム塩の存在下に、アルキレンオキシド化
合物を重合させてポリアルキレンオキシドを製造する場
合について述べる。
【0051】化学式(5)または化学式(6)中のTr-
は価数rの無機アニオンを表す。そして、rは1〜3の
整数である。そのような無機アニオンとしては、例えば
ほう酸、テトラフルオロほう酸、シアン化水素酸、チオ
シアン酸、フッ化水素酸、塩酸または臭化水素酸などの
ハロゲン化水素酸、硝酸、硫酸、りん酸、亜りん酸、ヘ
キサフルオロりん酸、炭酸、ヘキサフルオロアンチモン
酸、ヘキサフルオロタリウム酸および過塩素酸等の無機
酸のアニオンが挙げられる。また、無機アニオンとし
て、HSO4 -、HCO3 -もある。
【0052】場合によっては、これらの無機アニオンは
イオン交換反応により互いに交換することもできる。こ
れらの無機アニオンうち、ほう酸、テトラフルオロほう
酸、ハロゲン化水素酸、りん酸、ヘキサフルオロりん酸
および過塩素酸等の無機酸のアニオンが好ましく、塩素
アニオンがより好ましい。化学式(5)で表されるホス
ファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩の一般的合
成法については、先述した化学式(3)で表されるホス
ファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩の合成法と
同一である。一方、化学式(6)で表されるホスファゼ
ニウムカチオンと無機アニオンとの塩については、一般
的に次のような方法で合成される。 .五塩化りんと一置換アミン(RNH2)とを反応さ
せ、化学式(12)
【0053】
【化19】 で表されるトリクロロホスファゼンを得る。 .先述の化学式(10)で表される化合物であって、
異なるqおよび/またはRの化合物を順次に、または同
一のqおよびRの化合物を同時に、化学式(12)のト
リクロロホスファゼンと3当量反応させることにより、
化学式(6)でr=1、Tr-=Cl-である所望のホス
ファゼニウムカチオンと塩素アニオンとの塩が得られ
る。
【0054】塩素アニオン以外の無機アニオンの塩を得
たい場合には、通常の方法、例えば、アルカリ金属カチ
オンと無機アニオンとの塩等で処理する方法やイオン交
換樹脂を利用する方法等で、イオン交換することができ
る。このようにして化学式(6)で表される一般的なホ
スファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩が得られ
る。さらには、化学式(6)で表される塩の幾つかの種
類は、例えば化学式(13)
【0055】
【化20】 で表される化合物、すなわち、1−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)−4,4,4−トリス(ジメチル
アミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]−2λ5,4λ5−カテナジ
(ホスファゼン)等の市販されている幾つかの種類のホ
スファゼン化合物に先述の無機酸を作用させることによ
っても得ることができる。
【0056】化学式(5)もしくは化学式(6)ととも
に共存させる活性水素化合物のアルカリ金属もしくはア
ルカリ土類金属の塩とは、活性水素化合物の活性水素が
水素イオンとして解離してアルカリ金属もしくはアルカ
リ土類金属イオンと置き換わった形の塩である。そのよ
うな塩を与える活性水素化合物としては、例えば水、例
えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ラウ
リン酸、ステアリン酸、オレイン酸、フェニル酢酸、ジ
ヒドロ桂皮酸またはシクロヘキサンカルボン酸、安息香
酸、パラメチル安息香酸または2−カルボキシナフタレ
ン等の炭素数1〜20個のカルボン酸であり、例えば蓚
酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジ
ピン酸、イタコン酸酸、ブタンテトラカルボン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸ま
たはピロメリット酸等の炭素数2〜20個の2〜6個の
カルボキシル基を有する多価カルボン酸類であり、例え
ばN,N−ジエチルカルバミン酸、N−カルボキシピロ
リドン、N−カルボキシアニリンまたはN,N’−ジカ
ルボキシ−2,4−トルエンジアミン等のカルバミン酸
類であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマル−
プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペ
ンチルアルコール、ノルマル−オクチルアルコール、ラ
ウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノ
ール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチ
ルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルア
ルコール、1−フェニルエチルアルコール、トリフェニ
ルカルビノールまたはシンナミルアルコール等の炭素数
1〜20個のアルコール類であり、例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジ
グリセリン、トリメチロールメラミン、ペンタエリスリ
トールまたはジペンタエリスリトール等の炭素数2〜2
0個の2〜8個の水酸基を有する多価アルコール類であ
り、例えばグルコース、ソルビトール、デキストロー
ス、フラクトースまたはシュクロース等の糖類またはそ
の誘導体であり、例えばフェノール、2−ナフトール、
2,6−ジヒドロキシナフタレンまたはビスフェノール
A等の炭素数6〜20個の1〜3個の水酸基を有する芳
香族化合物類であり、例えばポリエチレンオキシド、ポ
リプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であ
って2〜8個の末端を有しその末端に1〜8個の水酸基
を有するポリアルキレンオキシド類等である。
【0057】さらには、例えばメチルアミン、エチルア
ミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミ
ン、ノルマル−ブチルアミン、イソブチルアミン、se
c−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロヘ
キシルアミン、ベンジルアミン、β-フェニルエチルア
ミン、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジンまた
はp−トルイジン等の炭素数1〜20個の脂肪族または
芳香族一級アミン類であり、例えばジメチルアミン、メ
チルエチルアミン、ジエチルアミン、ジ−ノルマル−プ
ロピルアミン、エチル−ノルマル−ブチルアミン、メチ
ル−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシク
ロヘキシルアミン、N−メチルアニリンまたはジフェニ
ルアミン等の炭素数2〜20個の脂肪族または芳香族二
級アミン類であり、例えばエチレンジアミン、ジ(2−
アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、メラミン、トリ(2
−アミノエチル)アミン、N,N’−ジメチルエチレン
ジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)アミン等
の炭素数2〜20個の2〜3個の一級もしくは二級アミ
ノ基を有する多価アミン類であり、例えばピロリジン、
ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4−テトラ
ヒドロキノリン等の炭素数4〜20個の飽和環状二級ア
ミン類であり、3−ピロリン、ピロール、インドール、
カルバゾール、イミダゾール、ピラゾールまたはプリン
等の炭素数4〜20個の不飽和環状二級アミン類であ
り、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−ト
リアザシクロノナン等の炭素数4〜20個の2〜3個の
二級アミノ基を有する環状の多価アミン類であり、例え
ばアセトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプロピ
オンアミド、N−メチル安息香酸アミドまたはN−エチ
ルステアリン酸アミド等の炭素数2〜20個の無置換ま
たはN−一置換の酸アミド類であり、例えば2−ピロリ
ドンまたはε−カプロラクタム等の5〜7員環の環状ア
ミド類であり、例えばこはく酸イミド、マレイン酸イミ
ドまたはフタルイミド等の炭素数4〜10個のジカルボ
ン酸のイミド類等である。
【0058】上述の活性水素化合物には複数個の活性水
素を有する物が含まれる。これらの活性水素化合物はそ
の全ての活性水素がプロトンとして引抜かれて複数の価
数を持つアニオンに導かれる場合もあるが、その一部だ
けが引抜かれて対応する価数のアニオンとなる場合もあ
る。本発明の方法では両方の場合が含まれる。これらの
活性水素化合物のうち、好ましくは、例えばメタノー
ル、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパ
ノール、ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコール、イソペンチ
ルアルコール、tert−ペンチルアルコール、ノルマ
ル−オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチル
アルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノー
ル、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビ
ニルカルビノール、ベンジルアルコール、1−フェニル
エチルアルコール、トリフェニルカルビノールまたはシ
ンナミルアルコール等の炭素数1〜20個のアルコール
類であり、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリ
トールまたはジペンタエリスリトール等の炭素数2〜2
0個の2〜8個の水酸基を有する多価アルコール類であ
り、例えばグルコース、ソルビトール、デキストロー
ス、フラクトースまたはシュクロース等の糖類またはそ
の誘導体であり、例えばポリエチレンオキシド、ポリプ
ロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であって
2〜8個の末端を有しその末端に1〜8個の水酸基を有
する分子量100〜50,000のポリアルキレンオキ
シド類であり、例えばエチレンジアミン、ジ(2−アミ
ノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、トリ(2−アミノエチ
ル)アミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンまた
はジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2〜
20個の2〜3個の一級もしくは二級アミノ基を有する
多価アミン類であり、例えばピロリジン、ピペリジン、
モルホリンまたは1,2,3,4−テトラヒドロキノリ
ン等の炭素数4〜10個の飽和環状二級アミン類であ
り、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−ト
リアザシクロノナン等の炭素数4〜10個の2〜3個の
二級アミノ基を含む環状の多価アミン類である。
【0059】より好ましくは、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
グリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリ
スリトールなどの炭素数2〜20個の2〜8個の水酸基
を有する多価アルコール類であり、例えばグルコース、
ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシ
ュクロース等の糖類またはその誘導体であり、例えばポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそ
れらのコポリマー等であって2〜6個の末端を有しその
末端に2〜6個の水酸基を有する分子量100〜10,
000のポリアルキレンオキシド類であり、例えばエチ
レンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキサ
メチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、トリ(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ジメ
チルエチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチ
ル)アミン等の炭素数2〜20個の2〜3個の一級もし
くは二級アミノ基を有する多価アミン類であり、例えば
ピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−トリアザシク
ロノナン等の炭素数4〜10個の2〜3個の二級アミノ
基を含む環状の多価アミン類等である。
【0060】これらの活性水素化合物からそれらのアル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩を得るには、該
活性水素化合物とアルカリ金属もしくはアルカリ土類金
属類の金属または塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属の化合物とを反応させる通常の方法が用いられ
る。アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属類の金属と
しては、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウ
ム、金属セシウム、金属マグネシウム、金属カルシウ
ム、金属ストロンチウムまたは金属バリウム等が挙げら
れ、塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化
合物としては、ナトリウムアミド、カリウムアミド、マ
グネシウムアミドまたはバリウムアミド等のアルカリ金
属もしくはアルカリ土類金属のアミド類であり、ノルマ
ル−プロピルリチウム、ノルマル−ブチルリチウム、ビ
ニルリチウム、シクロペンタジエニルリチウム、α−ナ
フチルリチウム、エチニルナトリウム、ノルマル−ブチ
ルナトリウム、フェニルナトリウム、シクロペンタジエ
ニルナトリウム、フルオレニルナトリウム、テトラフェ
ニルエチレンジナトリウム、ナトリウムナフタレニド、
エチルカリウム、シクロペンタジエニルカリウム、フェ
ニルカリウム、ベンジルカリウム、ジエチルマグネシウ
ム、エチルイソプロピルマグネシウム、ジ−ノルマル−
ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグネシウ
ム、臭化ビニルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウ
ム、ジシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカ
ルシウム、カルシウムアセチリド、臭化エチルストロン
チウム、よう化フェニルバリウムまたはジシクロペンタ
ジエニルバリウム等の有機アルカリ金属もしくはアルカ
リ土類金属の化合物であり、ナトリウムヒドリド、カリ
ウムヒドリド、カルシウムヒドリドまたはバリウムヒド
リド等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のヒド
リド化合物であり、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムまたは
水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類
金属の水酸化物であり、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム
または炭酸バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属の炭酸塩等である。
【0061】これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属類の金属または塩基性アルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属の化合物は、活性水素化合物の酸性の強さ
に応じて選ばれる。またこのようにして得られた活性水
素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩
が塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合
物として作用し、他の活性水素化合物をそのアルカリ金
属もしくはアルカリ土類金属の塩となし得る場合もあ
る。
【0062】複数の活性水素を有する活性水素化合物に
おいては、それらの活性水素の全てが離脱してアルカリ
金属もしくはアルカリ土類金属類の金属または塩基性ア
ルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物によって
アニオンに導かれる場合もあるが、その一部だけが離脱
してアニオンとなる場合もある。これらの活性水素化合
物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩のう
ち、活性水素化合物のアルカリ金属塩が好ましく、その
活性水素化合物のアルカリ金属塩のカチオンは、リチウ
ム、ナトリウムまたはカリウムから選ばれるカチオンが
より好ましい。
【0063】上述の2種の塩、すなわち、化学式(5)
もしくは化学式(6)で表されるホスファゼニウムカチ
オンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在下にアル
キレンオキシド化合物を重合させる。この際に、アルカ
リ金属もしくはアルカリ土類金属のカチオンと無機アニ
オンとの塩が副生するが、この副生塩の存在が重合反応
に不都合な場合には、重合反応に先立ちこれを濾過など
の方法で除去しておくこともできる。また、化学式
(5)で表される塩と活性水素化合物のアルカリ金属も
しくはアルカリ土類金属の塩とから導かれる活性水素化
合物のホスファゼニウム塩を予め単離してこれの存在下
に、アルキレンオキシド化合物を重合させることもでき
る。
【0064】予めこの活性水素化合物のホスファゼニウ
ム塩を得る方法としては、化学式(5)で表される塩と
活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金
属の塩とを反応させるが、その2種の塩の使用量比につ
いては目的の塩が生成する限り特に制限はなく、何れか
の塩が過剰であっても特に問題はないが、通常、活性水
素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩
の使用量は、ホスファゼニウムカチオンと無機アニオン
との塩の1当量に対して、0.2〜5当量であり、好ま
しくは0.5〜3当量であり、より好ましくは0.7〜
1.5当量の範囲である。
【0065】両者の接触を効果的にするために通常溶媒
を用いる。それらの溶媒としては、反応を阻害しなけれ
ばいかなる溶媒でも構わないが、例えば、水、メタノー
ル、エタノールまたはプロパノール等のアルコール類、
アセトンまたはメチルエチルケトン等のケトン類、ノル
マル−ペンタン、ノルマル−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の脂肪族また
は芳香族の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ブロモホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロ
ロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、フルオロベンゼ
ンまたはベンゾトリフルオリド等のハロゲン化炭化水素
類、酢酸エチル、プロピオン酸メチルまたは安息香酸メ
チル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテルまたはトリエチレングリコールジメチルエ
ーテル等のエーテル類、トリブチルアミン,N,N−ジ
メチルアニリン、ピリジンまたはキノリン等の三級アミ
ン類、アセトニトリルまたはプロピオニトリル等のニト
リル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、スルホラン、ヘキサメチルりん酸トリアミド
または1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極
性非プロトン溶媒類等が挙げられる。これらの溶媒は、
反応に用いる原料の塩の化学的安定性に応じて選ばれ
る。好ましくは、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等
の芳香族炭化水素類であり、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたはエチレングリ
コールジメチルエーテルなどのエーテル類であり、アセ
トニトリルまたはプロピオニトリル等のニトリル類であ
り、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、スルホラン、ヘキサメチルりん酸トリアミドまた
は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非
プロトン溶媒類である。溶媒は、単独でも2種以上を混
合して用いてもよい。原料の塩が溶解していることは好
ましいが懸濁状態でも構わない。この反応の温度は用い
る塩の種類、量及び濃度等により、一様ではないが通常
150℃以下であり、好ましくは−78〜80℃、より
好ましくは0〜50℃の範囲である。反応圧力は減圧、
常圧および加圧の何れでも実施し得るが、好ましくは
0.1〜10Kg/cm2(絶対圧、以下同様)であ
り、より好ましくは1〜3Kg/cm2の範囲である。
反応時間は、通常1分〜24時間の範囲であり、好まし
くは1分〜10時間、より好ましくは5分〜6時間であ
る。
【0066】この反応の反応液から、目的の活性水素化
合物のホスファゼニウム塩を単離する場合には、常套の
手段を組み合わせた常用の方法が用いられる。目的の塩
の種類、用いた2原料の塩の種類や過剰率、用いた溶媒
の種類や量などにより、その方法は一様ではないが、通
常、副生するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の
カチオンと無機アニオンとの塩は固体として析出してい
るので、そのままあるいは若干の濃縮をした後、濾過や
遠心分離等の方法で固液分離してこれを除き、液を濃縮
乾固して目的の塩を得ることができる。副生する塩が濃
縮してもなお溶解している場合には、そのままあるいは
濃縮後に貧溶媒を加え副生塩または目的の塩の何れかを
析出させたり、また濃縮乾固後一方を抽出する等の方法
で分離することができる。過剰に使用した方の原料の塩
が目的の塩に多量混入している場合には、そのままある
いは再溶解後に適した他の溶媒で抽出しこれらを分離す
る事ができる。さらに、必要であれば再結晶またはカラ
ムクロマトグラフィー等で精製することもできる。目的
の塩は通常高粘度の液体または固体として得られる。
【0067】また場合によっては、活性水素化合物とア
ルカリ金属もしくはアルカリ土類金属類の金属または塩
基性のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物
とを反応させて活性水素化合物のアルカリ金属もしくは
アルカリ土類金属の塩を得、特別な単離操作をすること
なくこれにホスファゼニウムカチオンと無機アニオンと
の塩を加えて、アルキレンオキシド化合物の重合を行う
こともできる。
【0068】また、化学式(5)もしくは化学式(6)
で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンと
の塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属の塩の存在下、または化学式(5)で表さ
れるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩と
活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金
属の塩から導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム
塩の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させる
が、この時、必要な場合には、そして重合反応を阻害し
なければ、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属の塩またはそれから導かれる活性水素化合
物のホスファゼニウム塩を構成する活性水素化合物と同
種または異種の活性水素化合物を反応系内に存在させて
もよい。存在させる場合のその量は、特に制限はない
が、アルキレンオキシド化合物1モルに対して、1×1
-15〜5×10-1モルであり、好ましくは1×10-7
〜1×10-1モルの範囲である。
【0069】またこれらの塩が溶液で供給される場合
に、その溶媒が重合反応に不都合であれば事前に、例え
ば減圧下に加熱する等の方法で除くこともできる。化学
式(5)もしくは化学式(6)で表されるホスファゼニ
ウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合
物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在
下にアルキレンオキシド化合物を重合させる場合には、
これらの2種の塩の使用量比については特に制限はない
が、通常、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属の塩の使用量は、ホスファゼニウムカチオ
ンと無機アニオンとの塩の1当量に対して、0.2〜5
当量であり、好ましくは0.5〜3当量であり、より好
ましくは0.7〜1.5当量の範囲である。
【0070】アルキレンオキシド化合物の重合反応に供
するホスファゼニウムカチオンの使用量には特に制限は
ない。そのホスファゼニウムカチオンが無機アニオンと
の塩の形であれ、活性水素化合物アニオンとの塩の形で
あれ、通常、アルキレンオキシド化合物1モル当たり、
1×10-15〜5×10-1モルであり、好ましくは1×
10-7〜1×10-2モルの範囲である。
【0071】化学式(5)もしくは化学式(6)で表さ
れるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩お
よび活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属の塩、または化学式(5)で表されるホスファゼ
ニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化
合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩から
導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩を、重合
後の開始剤除去の負担を軽減するためなどの目的で従来
公知の開始剤系と併用することは構わない。
【0072】本願発明のポリアルキレンオキシドの製造
方法のもう一つの場合、すなわち、化学式(7)で表さ
れるれるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存
在下、または化学式(7)で表されるホスファゼニウム
化合物と活性水素化合物から導かれる活性水素化合物の
ホスファゼニウム塩の存在下に、アルキレンオキシド化
合物を重合させてポリアルキレンオキシドを製造する場
合について述べる。化学式(7)で表されるホスファゼ
ニウム化合物中のQ-は、ヒドロキシアニオン、アルコ
キシアニオン、アリールオキシアニオンおよびカルボキ
シアニオンよりなる群から選らばれるアニオンである。
【0073】これらのQ-のうち、好ましくは、ヒドロ
キシアニオンであり、例えばメタノール、エタノール、
ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、アリルア
ルコール、ノルマル−ブタノール、sec−ブタノー
ル、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、2−
ヘプタノールまたは1−オクタノールなどの炭素数1〜
8個のアルコール類から導かれるアルコキシアニオンで
あり、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールま
たはナフトール等の炭素数6〜18の芳香族ヒドロキシ
化合物から導かれるアリールオキシアニオンであり、例
えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸または
カプロン酸などの炭素数1〜6個のカルボン酸から導か
れるカルボキシアニオンである。
【0074】これらのうち、より好ましくは、ヒドロキ
シアニオン、例えばメタノール、エタノール、ノルマル
−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブタノ
ール、sec−ブタノールもしくはtert−ブタノー
ルなどの炭素数1〜4個の飽和のアルキルアルコールか
ら導かれるアルコキシアニオン、例えばフェノールもし
くはアニソールなどの炭素数6〜8の芳香族ヒドロキシ
化合物から導かれるアリールオキシアニオン、または酢
酸もしくはプロピオン酸などの炭素数2〜4のカルボン
酸から導かれるカルボキシアニオンである。さらに好ま
しくは、ヒドロキシアニオン、メトキシアニオン、エト
キシアニオンおよび酢酸アニオンである。 これらのホ
スファゼニウム化合物は、単独で用いても2種以上を混
合して用いてもよい。
【0075】化学式(7)で表されるホスファゼニウム
化合物の一般的合成法としては、先ず先述した化学式
(3)で表される塩を合成する方法と同様にして、化学
式(3)でm=1、Xm-=Cl-であるホスファゼニウ
ムクロライドを合成し、次いでこのホスファゼニウムク
ロライドを例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の、水酸化物、アルコキシド、アリールオキシドまたは
カルボキシドで処理する方法やイオン交換樹脂を利用す
る方法等によりその塩素アニオンを所望のアニオンQ-
に置き換えることができる。このようにして化学式
(7)で表される一般的なホスファゼニウム化合物が得
られる。
【0076】化学式(7)と共存させる活性水素化合物
または化学式(7)とともにホスファゼニウム塩を導く
ところの活性水素化合物は、活性水素化合物のアルカリ
金属もしくはアルカリ土類金属の塩を与える活性水素化
合物として先に詳細に述べたものと同一である。これら
の活性水素化合物には複数個の活性水素を有する物が含
まれる。本発明の方法では、通常、それらの活性水素化
合物の全ての活性水素が引抜かれて生じる全てのアニオ
ン部位から重合が開始する。
【0077】化学式(7)で表されるホスファゼニウム
化合物と活性水素化合物の存在下に、または化学式
(7)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素化
合物から導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩
の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させる本
発明の方法においては、ホスファゼニウム化合物と活性
水素化合物から活性水素化合物のホスファゼニウム塩が
導かれる際には、通常過剰に用いられる活性水素化合物
の過剰分はそのまま残存するが、この他に、水、アルコ
ール、芳香族ヒドロキシ化合物またはカルボン酸がホス
ファゼニウム化合物の種類に応じて副生する。必要であ
れば、これらの副生成物をアルキレンオキシド化合物の
重合反応に先だって除去しておくこともできる。その方
法としては、それらの副生成物の性質に応じて、加熱も
しくは減圧で留去する方法、不活性気体を通ずる方法ま
たは吸着剤を用いる方法などの常用の方法が用いられ
る。またこれらの除去方法を講ずることによって、ホス
ファゼニウム化合物と活性水素化合物との反応が促進さ
れる場合もある。
【0078】化学式(7)で表されるホスファゼニウム
化合物および活性水素化合物を、重合後の開始剤除去の
負担を軽減するためなどの目的で従来公知の開始剤系と
併用することは構わない。アルキレンオキシド化合物の
重合反応に供する、化学式(7)で表されるホスファゼ
ニウム化合物の使用量は、特に制限はないが、活性水素
化合物1モルに対して、通常1×10-5〜1モル、好ま
しくは1×10-4〜5×10-1モル、より好ましくは1
×10-3〜1×10-1モルの範囲である。
【0079】ホスファゼニウム化合物の使用量すなわち
ホスファゼニウムカチオンの使用量は、特に制限はない
が、アルキレンオキシド化合物1モルに対して、通常
は、1×10-15〜5×10-1モルであり、好ましくは
1×10-7〜1×10-2モルの範囲である。
【0080】本発明のポリアルキレンオキシドの製造方
法のいずれの場合においても、重合反応の形式は特に制
限されものではない。通常、化学式(5)もしくは化
学式(6)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機
アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属も
しくはアルカリ土類金属の塩を、または化学式(5)で
表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの
塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカ
リ土類金属の塩から導かれた活性水素化合物のホスファ
ゼニウム塩を、さらに存在させる場合の活性水素化合物
や使用する場合の溶媒とともに仕込んだ反応器に、また
は化学式(7)で表されるれるホスファゼニウム化合
物と活性水素化合物とを、または化学式(7)で表され
るホスファゼニウム化合物と活性水素化合物から導かれ
た活性水素化合物のホスファゼニウム塩および通常残存
する活性水素化合物を、必要なら生じた場合の副生成物
の除去処理を講じたうえで、また使用する場合の溶媒な
どと共に仕込んだ反応器に、必要量のアルキレンオキシ
ド化合物を一括して供給する方法または間欠的もしくは
連続的に供給する方法が用いられる。
【0081】本発明の方法では、2種以上のアルキレン
オキシド化合物を併用することもできる。複数のアルキ
レンオキシド化合物を同時に併用して重合させると、そ
れらの化合物の反応性の差にもよるが、比較的ランダム
性の高い共重合体が得られ、2種以上のアルキレンオキ
シド化合物を順次に重合させると、2種以上のポリアル
キレンオキシド化合物のブロックを含むブロック共重合
体が得られる。例えば第1種のアルキレンオキシド化合
物の重合反応の終了後にそのまま第2種のアルキレンオ
キシド化合物を重合させると2種類のブロックを含むブ
ロック共重合体が得られる。またこの第2種のアルキレ
ンオキシド化合物の重合終了後、再び元の第1種のアル
キレンオキシド化合物を重合させたり、これを繰り返す
ことにより交互性のブロック共重合体が得られる。3種
以上のアルキレンオキシド化合物をこのように併用すれ
ば、さらに複雑なブロック共重合体が得られる。これら
の共重合体のうち、アルキレンオキシド化合物としてプ
ロピレンオキシドおよびエチレンオキシドを順次に重合
させて得られる、ポリプロピレンオキシド(別名:ポリ
オキシプロピレン)とポリエチレンオキシド(別名:ポ
リオキシエチレン)のブロックを含むブロック共重合体
が好ましい。
【0082】重合反応の反応温度は、使用するアルキレ
ンオキシド化合物やその他の成分の種類や量により一様
ではないが、通常150℃以下であり、好ましくは10
〜130℃、より好ましくは50〜120℃の範囲であ
る。反応時の圧力は、用いるアルキレンオキシド化合物
やその他の成分の種類もしくは量または重合温度に依存
して一様ではないが、通常重合反応時の圧力として30
kg/cm2(絶対圧、以下同様)以下であり、好まし
くは0.1〜15kg/cm2、より好ましくは1〜1
0kg/cm2の範囲である。反応時間は、用いる物質
の種類もしくは量または重合温度や圧力に依存して一様
ではないが、通常70時間以下であり、好ましくは0.
1〜30時間、より好ましくは0.5〜24時間であ
る。
【0083】重合反応に際しては、必要ならば溶媒を使
用することもできる。使用する場合の溶媒としては、例
えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンもしくはシクロヘ
キサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼンもしくはトルエ
ン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、1,3−ジオキサンもしくはアニソール等
のエーテル類またはジメチルスルホキシド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミドおよ
びN,N’−ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロト
ン性極性溶媒等である。この他本発明の方法の重合反応
を阻害しなければ、いかなる溶媒でも用いられる。本発
明の方法における重合反応は、必要であれば窒素または
アルゴン等の不活性ガスの存在下に実施することもでき
る。
【0084】本発明の方法で得られるポリアルキレンオ
キシドは、重合反応に溶媒を用いた場合にはそれを除去
するだけで、そのままポリウレタンフォームやエラスト
マーの原料または界面活性剤として使用し得る場合もあ
るが、通常塩酸、燐酸または硫酸等の鉱酸;蟻酸、酢酸
またはプロピオン酸等の有機カルボン酸;二酸化炭素ま
たは酸型イオン交換樹脂等で処理した後に用いることも
できる。さらに水、有機溶媒またはそれらの混合物で洗
浄するなどの常用の精製を行うこともできる。
【0085】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、これらは限定的でなく単に説明のためと解され
るべきである。 実施例1 メタノールのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩:[(Me
2N)3P=N]4+(MeO)-(Meはメチル基を表
す。以下同様)の合成 100mlのナスフラスコに水素化ナトリウム240m
g(10.0mmol)を秤取り、これに20mlのD
MSO(ジメチルスルホキシドを表す。以下同様)を加
えて懸濁溶液とした。これを80℃で1時間加熱して緑
色の均一溶液を得た。窒素雰囲気下でメタノール320
mg(10.0mmol)を0℃で加え、1時間攪拌し
た後、さらにFluka社製のテトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニ
ウムクロリド{[(Me2N)3P=N]4+ Cl-
7.8g(10.0mmol)を室温で加え、2時間攪
拌した。減圧下でDMSOを留去して、残物に30ml
のTHF(テトラヒドロフランを表す。以下同様)を加
えて不溶物を濾過した後、濾液を濃縮乾固して、目的の
活性水素化合物のホスファゼニウム塩である、メタノー
ルのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフォニウム塩を無色の油状物質と
して7.6g得た。収率は98%であった。DMSO−
6溶液の31P−NMRおよび1H−NMRをそれぞれ図
1および図2に示す。85%りん酸を外部標準とした31
P−NMRの化学シフトは−37.4および3.6pp
mであり、それぞれテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカチオ
ン:[(Me2N)3P=N]4+中の中心のりん原子お
よび周りの4つのりん原子として帰属される。一方、T
MS(テトラメチルシランを表す。以下同様)を内部標
準とした1H−NMRの化学シフトは2.6および3.
2ppmであり、前者はテトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカ
チオン中のメチル基に帰属され、りん原子とのカップリ
ングにより2重線として観測され、後者はメトキシアニ
オン中のメチル基である。元素分析値(重量%、以下同
様)はC 38.55, H 9.90, N 29.51, P20.49(理論値 C
38.95, H 9.81, N 29.07, P 20.09)であった。
【0086】実施例2 ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホス
フォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラフルオロ
ボレート:(Me2N)[(Me2N)3P=N]3+
4 -の合成 温度計、滴下ロートを取り付けた300mlの3口フラ
スコに五塩化りん10.0g(48.0mmol)を秤
取り、50mlのTHFを加えて懸濁液とした。これを
−70℃に冷却し、90mlのTHFに,ラインハルド
シュベジンガー他、「アンゲバンテ ヒミカ インタ
ーナショナル エディション イングリッシュ」32巻
1361〜1363頁 1993年(ReinhardSchwesin
ger,et al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1993, 32,
1361〜1363)の1362頁に記載された方法で合成した
トリス(ジメチルアミノ)ホスファゼン{(Me2N)3
P=NH}50.0g(280.5mmol)を溶解さ
せた溶液を1時間かけて滴下した。同温度で30分間攪
拌した後、約30分間かけて室温まで戻し、さらに20
時間攪拌した。生成した不溶物を濾過し、濾液を500
mlのオートクレーブに仕込んだ。これにジメチルアミ
ン46.0g(1.0mol)を0℃で加えた後、80
℃で20時間反応させた。反応混合物を減圧下で濃縮乾
固し、これに180mlの70%モノエチルアミン水溶
液を加えて均一溶液にした。さらに20mlの水にテト
ラフルオロほう酸ナトリウム6.3g(57.7mmo
l)を溶解させた水溶液を加えた後、400mlの水を
加えて室温で24時間放置した。生成した結晶を濾過
し、その結晶を25%モノエチルアミン水溶液100m
lで2回洗浄した。これをジエチルエーテルと酢酸メチ
ルの5:1の混合溶媒から再結晶させて、ホスファゼニ
ム塩であるジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテト
ラフルオロボレートを14.5g得た。収率は44%で
あった。融点は224〜226℃であり、CDCl3
液の31P−NMRおよび1H−NMRをそれぞれ図3お
よび図4に示す。元素分析値はC 34.53, H 8.71, N 26.
10, P 17.99(理論値 C 34.64, H 8.72, N 26.26, P 1
7.87)であった。
【0087】メタノールのジメチルアミノトリス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホス
フォニウム塩:(Me2N)[(Me2N)3P=N]3
+(MeO)-の合成 実施例1におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに上記の方法で合成したジメチルアミノトリ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムテトラフルオロボレートを使用した
以外は実施例1と全く同様に行って、目的のメタノール
のジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩を得た。収
率は96%であった。DMSO−d 6溶液の1H−NMR
を図5に示す。元素分析値は C 39.69, H 10.10, N 28.
11,P 19.82(理論値 C 39.55, H 9.96, N 28.55, P 1
9.43)であった。
【0088】実施例3 テトラキス[トリ(ピロリジン−1−イル)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラフルオロボレー
ト:(Py3P=N)4+ BF4 -(Pyはピロリジン−
1−イル基を表す。以下同様)の合成 温度計、滴下ロートを取り付けた200mlの3口フラ
スコに五塩化りん1.6g(7.8mmol)を秤取
り、20mlのTHFを加えて懸濁液とした。これを−
70℃に冷却し、20mlのTHFにトリ(ピロリジン
−1−イル)ホスファゼン{Py3P=NH}20.0g
(78.0mmol)を溶解させた溶液を1時間かけて
滴下した。同温度で30分間攪拌した後、約30分間か
けて室温まで戻し、さらに12時間攪拌した。減圧下で
溶媒を留去した後、110℃で41時間反応させた。こ
れを室温まで放冷し、100mlの70%モノエチルア
ミン水溶液を加えて均一溶液にした。これに5mlの水
にテトラフルオロほう酸ナトリウム1.0g(9.4m
mol)を溶解させた水溶液を加え、0℃で24時間放
置した。生成した結晶を濾過し、その結晶を氷冷した7
0%モノエチルアミン水溶液10mlで2回洗浄した。
これをメタノールと酢酸エチルの1:10の混合溶媒か
ら再結晶させて、ホスファゼニム塩であるテトラキス
[トリ(ピロリジン−1−イル)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフォニウムテトラフルオロボレートを5.2
g得た。収率は59%であった。融点測定時、220℃
前後から着色し始め、融解することなく徐々に分解し
て、270℃で黒色を呈した。CDCl3溶液の1H−N
MRを図6に示す。元素分析値はC 50.25, H 8.84, N 1
9.51,P 14.01(理論値C 50.61, H 8.50, N 19.67, P 1
3.60)であった。
【0089】tert−ブタノールのテトラキス[トリ
(ピロリジン−1−イル)ホスフォラニリデンアミノ]
ホスフォニウム塩:(Py3P=N)4+ (tert−
49O)-の合成 実施例1におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに上記の方法で合成したテトラキス[トリ
(ピロリジン−1−イル)ホスフォラニリデンアミノ]
ホスフォニウムテトラフルオロボレートを使用し、メタ
ノールの代わりにtert−ブタノールを使用して、反
応のスケールを1/3にした以外は実施例1と全く同様
に行って、目的のtert−ブタノールのテトラキス
[トリ(ピロリジン−1−イル)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフォニウム塩を得た。収率は99%であっ
た。DMSO−d6溶液の1H−NMRを図7に示す。元
素分析値はC 55.19, H 9.82, N 20.33, P 13.54 (理論
値C 55.50, H 9.40, N 19.91, P 13.76)であった。
【0090】実施例4 フェノールのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩:[(Me
2N)3P=N]4+(C65O)-の合成 実施例1におけるメタノールの代わりにフェノールを使
用した以外は実施例1と全く同様に行って、目的のフェ
ノールのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩を得た。DMS
O−d6溶液の1H−NMRを図8に示す。元素分析値は
C 43.15, H 9.69, N 27.19, P 18.18(理論値C 43.26,
H 9.32, N 26.91, P 18.59)であった。
【0091】実施例5 酢酸のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩:[(Me2N)3
P=N]4+(CH3COO)-の合成 300mlのナスフラスコに酢酸ナトリウム無水物2.
0g(24.4mmol)を秤取り、100mlのメタ
ノールを加えて均一溶液とした。これに室温でテトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムクロリド18.9g(24.4mm
ol)を加えて1時間反応させた。減圧下でメタノール
を留去して、残物に100mlのTHFを加えて不溶物
を濾過した後、濾液を濃縮乾固して固体を得た。これを
ヘキサン50mlで洗浄し、減圧乾燥して、目的の活性
水素化合物のホスファゼニウム塩である、酢酸のテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフォニウム塩を得た。収率は99%であっ
た。DMSO−d6溶液の1H−NMRを図9に示す。ま
た元素分析値はC 38.56, H 9.91, N 28.19, P 19.00
(理論値 C 39.09, H 9.46, N 28.05, P 19.39)であ
った。
【0092】実施例6 N,N’−ジメチルエチレンジアミンのモノ{テトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウム}塩:[(Me2N)3P=N]4+
(MeNHCH2CH2NMe)-の合成 100mlのシュレンク管にN,N’−ジメチルエチレ
ンジアミン0.4g(5.0mmol)を秤取り、され
に10mlのTHFを加えた。これに1.0Mのn−ブ
チルリチウムのヘキサン溶液5.0ml(n−ブチルリ
チウムとして5.0mmol)を0℃で加え、同温度で
10分間攪拌した後、さらに室温で30分間攪拌した。
これを−50℃に冷却し、テトラキス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム
クロリド3.9g(5.0mmol)を30mlのTH
Fに溶解させた溶液を加えた。同温度で5分間攪拌した
後、30分かけて室温に戻し、減圧下で溶媒を留去し
た。残物に50mlのトルエンを加えて不溶物を濾過
し、濾液を濃縮乾固して、目的の活性水素化合物のホス
ファゼニウム塩である、N,N’−ジメチルエチレンジ
アミンのモノ{テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩を固体
として得た。収率は97%であった。THF−d8溶液
1H−NMRを図10に示す。元素分析値はC 40.79,
H 10.45, N 30.41, P 18.23(理論値 C40.67, H 10.1
2, N 30.49, P 18.73)であった。
【0093】実施例7 ピペラジンのモノ{テトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩:
[(Me2N)3P=N]4+(C492-の合成 実施例6におけるN,N’−ジメチルエチレンジアミン
の代わりにピペラジンを用いた以外は実施例6と全く同
様に行って、目的の活性水素化合物のホスファゼニウム
塩である、ピペラジンのモノ{テトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニ
ウム}塩を固体として得た。。収率は98%であった。
THF−d8溶液の1H−NMRおよび13C−NMRを図
11および図12に示す。元素分析値はC 41.02, H 9.5
6, N 30.11, P 18.97(理論値 C40.77, H 9.90, N 30.
56, P 18.77)であった。
【0094】実施例8 ピペリジンのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩:[(Me
2N)3P=N]4+(C510N)-の合成 実施例6におけるN,N’−ジメチルエチレンジアミン
の代わりにピペリジンを用いた以外は実施例6と全く同
様に行って、目的の活性水素化合物のホスファゼニウム
塩である、ピペリジンのテトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩
を得た。。収率は97%であった。THF−d8溶液の1
H−NMRを図13に示す。元素分析値はC 42.55, H 1
0.01, N28.45, P 19.21(理論値 C 42.27, H 10.03, N
28.90, P 18.80)であった。
【0095】実施例9 ジエチルアミノトリス[トリス(ジエチルアミノ)ホス
フォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラフルオロ
ボレート:(Et2N)[(Et2N)3P=N]3+
4 -(Etはエチル基を表す。以下同様)の合成 温度計、滴下ロートを取り付けた300mlの3口フラ
スコに五塩化りん3.2g(15.1mmol)を秤取
り、100mlの塩化メチレンを加えて懸濁液とした。
これを−70℃に冷却し、20mlの塩化メチレンにジ
エチルアミン1.1g(15.1mmol)およびトリエ
チルアミン1.8g(18.2mmol)を溶解させた溶
液を1時間かけて滴下した。同温度で30分間攪拌した
後、トリス(ジエチルアミノ)ホスファゼン{(Et2
N)3P=NH}35.7g(0.1mol)を加えて、
約30分間かけて室温まで戻した。減圧下で溶媒を留去
して、残分に10mlのアセトニトリルを加え混合した
後、濃縮乾固した。この共沸操作をさらに2回繰り返し
た後、残物を110℃で24時間加熱し反応させた。こ
れを室温まで冷却した後、これに30mlのTHFを加
え混合し、トリクロロエタン4.5g(33.7mmo
l)を0℃で加えて2時間攪拌した。溶媒を減圧下で留
去して、残物に150mlの70%モノエチルアミン水
溶液を加えて均一溶液にした。これに5mlの水にテト
ラフルオロほう酸ナトリウム2.0g(18.2mmo
l)を溶解させた水溶液を加え、さらに150mlの水
を加え室温で24時間放置して、生成した結晶を濾過
し、その結晶を35%モノエチルアミン水溶液20ml
で2回洗浄した。減圧乾燥して結晶を14.7g得た。
さらにこれを10mlのTHFに懸濁させて濾過し、濾
液を濃縮乾固して0.90gの無色の結晶を得た。これ
を水−メタノールから再結晶して、ホスファゼニム塩で
あるジエチルアミノトリス[トリス(ジエチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラフル
オロボレートを500mg得た。収率は4%であった。
CDCl3溶液の1H−NMRの化学シフトは0.9〜1.
5(m,60H),2.8〜3.6(m,40H)であり
(図14)、また元素分析値はC 58.81, H12.21, N 21.
85, P 15.54(理論値 C 58.12, H 12.19, N 22.03, P
14.99 )であった。
【0096】ノルマル−オクタノールのジエチルアミノ
トリス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデン
アミノ]ホスフォニウム塩:(Et2N)[(Et2N)
3P=N]3+ (ノルマル−C817O)-の合成 実施例1におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに上記の方法で合成したジエチルアミノトリ
ス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムテトラフルオロボレートを用い、メ
タノールの代わりにノルマル−オクタノールを使用し
て、1/10の反応スケールにした以外は実施例1と同
様に行って、目的の活性水素化合物のホスファゼニウム
塩である、ノルマル−オクタノールのモノ{ジエチルア
ミノトリス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウム}塩を得た。収率は92%
であった。DMSO−d6溶液の1H−NMRを図15に
示す。また元素分析値はC 56.81, H 11.98, N 17.12,P
12.61(理論値 C 56.72, H 11.60, N 17.91, P 12.1
9)であった。
【0097】実施例10 ビス(ジエチルアミノ)ビス[トリス(ジエチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラ
フルオロボレート:(Et2N)2 [(Et2N) 3P=
N]2+ BF4 - の合成 温度計、滴下ロートを取り付けた300mlの3口フラ
スコに五塩化りん3.4g(16.6mmol)を秤取
り、100mlの塩化メチレンを加えて懸濁液とした。
これを−70℃に冷却し、20mlの塩化メチレンにジ
エチルアミン2.4g(33.1mmol)およびトリエ
チルアミン4.0g(40mmol)を溶解させた溶液
を1時間かけて滴下した。同温度で30分間攪拌を続け
た後、トリス(ジエチルアミノ)ホスファゼンを34.
8g(0.1mol)加えて、約30分間かけて室温ま
で戻した。減圧下で溶媒を留去して、残分に10mlの
アセトニトリルを加え混合した後、濃縮乾固した。この
操作をさらに2回繰り返した後、残物を110℃で24
時間加熱した。これを室温まで冷却した後、これに30
mlのTHFを加え混合し、トリクロロエタン4.5g
(33.7mmol)を0℃で加えて2時間攪拌した。
溶媒を減圧下で留去して、残物に150mlの70%モ
ノエチルアミン水溶液を加えて均一溶液にした。これに
5mlの水にテトラフルオロほう酸ナトリウム2.2g
(20mmol)を溶解させた水溶液を加え、さらに1
50mlの水を加え室温で24時間放置して、生成した
結晶を濾過し、その結晶を20mlの35%モノエチル
アミン水溶液で2回洗浄した。減圧乾燥して結晶を1
2.5g得た。さらにこれを10mlのTHFに懸濁さ
せて濾過し、濾液を濃縮乾固して1.2gの無色の結晶
を得た。これを水−メタノールから再結晶してホスファ
ゼニウム塩であるビス(ジエチルアミノ)ビス[トリス
(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフ
ォニウムテトラフルオロボレートを650mg得た。収
率は5%であった。CDCl3溶液の1H−NMRの化学
シフトは0.9−1.5(m,48H),2.8−3.6
(m,32H)であり(図16)、元素分析値はC 48.6
1, H 11.02, N 17.65, P 11.53(理論値 C48.98, H 1
0.28, N 17.85, P 11.84)であった。
【0098】プロピレングリコールのモノ{ビス(ジエ
チルアミノ)ビス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩:(Et2N)2
[(Et2N)3P=N]2+[HOCH2CH(C
3)O]-の合成 実施例1に用いたテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに上記の方法で合成したビス(ジエチルアミ
ノ)ビス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノ]ホスフォニウムテトラフルオロボレートを用
い、メタノールの代わりにプロピレングリコールを使用
して、1/10の反応スケールにした以外は実施例1と
同様に行って、目的の活性水素化合物のホスファゼニウ
ム塩である、プロピレングリコールのモノ{ビス(ジエ
チルアミノ)ビス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩を得た。収率は
87%であった。DMSO−d6溶液の1H−NMRの化
学シフトを図17に示す。また元素分析値はC 54.78,H
11.01, N 17.59, P 12.51(理論値 C 54.38, H 11.34,
N 18.12, P 12.02)であった。
【0099】実施例11 メタノールのトリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノホスフォニウム塩:(Me2N)3 [(M
23P=N] P+(MeO)- の合成 実施例1におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに、ラインハルド シュベジンガー他、「ア
ンゲバンテ ヒミカ インターナショナル エディショ
ンイングリッシュ」31巻 850頁 1992年(Rein
hard Schwesinger, et al.Angew. Chem. Int. Ed. Eng
l., 1992, 31, 850)に記載された方法により合成した
トリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノホスフォニウムテトラフルオロ
ボレート{(Me2N)3 [(Me23P=N] P+
4 -}を用いた以外は実施例1と同様に行って、目的の
活性水素化合物のホスファゼニウム塩である、メタノー
ルのトリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォニウム塩を無色
の結晶として3.3g得た。収率は89%であった。融
点は266〜267℃(分解を伴う)であり、DMSO
−d6溶液の1H−NMRの化学シフトは2.5〜2.8
(m,36H)、3.18(s,3H)であった(図1
8)。また元素分析値はC 42.51, H 10.21, N25.80, P
16.12(理論値 C 42.03, H 10.58, N 26.40, P 16.6
8)であった。
【0100】実施例12〜17 各種活性水素化合物のトリス(ジメチルアミノ)トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォ
ニウム塩の合成 実施例1におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりにトリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォニウムテ
トラフルオロボレートを用い、メタノールの代わりに表
1に示した各種の活性水素化合物を用いた以外は実施例
1と同様にした。ただし実施例16においては、水素化
ナトリウムとトリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォニウムテ
トラフルオロボレートがそれぞれ2倍量使われている。
結果を表1に示す。
【0101】実施例18〜23 実施例1におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドと水素化ナトリウムの代わりに、表2に示す各種のホ
スファゼニウム塩と各種の塩基性アルカリ金属化合物を
使用した以外は実施例1と同様に行って、メタノールの
トリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノホスフォニウム塩を合成した。
6点とも融点265〜268℃(分解を伴う)の範囲に
あり、1H−NMRは実施例1で得られたものと同等で
あった。結果を表2に示す。実施例18〜23において
使用した各種のホスファゼニウム塩は以下に示す方法に
よって合成した。
【0102】実施例18で使用したトリス(ジメチルア
ミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノホスフォニウムクロリド:(Me2N)3[(M
23P=N]P+ Cl- の合成 100mlのメタノールにCl陰イオン型のイオン交換
樹脂アンバーライトIRA−400 Cl型(オルガノ
社製)15.75gを懸濁させ、これにトリス(ジメチ
ルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノホスフォニウムテトラフルオロボレート5.0
g(11.7mmol)を加え室温で2時間攪拌した
後、樹脂を濾過し、50mlのメタノールで2回洗浄し
た。濾液と洗浄液を合わせた溶液を濃縮乾固してトリス
(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノホスフォニウムクロリドを無色の固体
として4.22g(92%)得た。
【0103】実施例19で使用したトリス(ジメチルア
ミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノホスフォニウムヘキサフルオロホスフェート:(M
2N)3[(Me23P=N]P+ PF6 -の合成 10mlの水に実施例18で調製したトリス(ジメチル
アミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデン
アミノホスフォニウムクロリド600mg(1.60m
mol)を溶解させ、これに2mlの水にヘキサフルオ
ロりん酸ナトリウム330mg(1.96mmol)を
溶解させた水溶液を加え1時間撹拌した。生成した結晶
を濾過し、5mlの水で2回洗浄して後、これを減圧乾
燥してトリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォニウムヘキサフ
ルオロホスフェートを無色の結晶として714mg(9
2%)得た。
【0104】実施例20で使用したトリス(ジメチルア
ミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノホスフォニウムパークロレート:(Me2N)
3[(Me 23P=N]P+ ClO4 -の合成 実施例19に使用したトリス(ジメチルアミノ)トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォ
ニウムヘキサフルオロホスフェートの合成におけるヘキ
サフルオロりん酸ナトリウムの代わりに過塩素酸ナトリ
ウムを用いた以外は全く同様に行ってトリス(ジメチル
アミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデン
アミノホスフォニウムパークロレートを無色の結晶とし
て676mg(96%)得た。
【0105】実施例21で使用したトリス(ジメチルア
ミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノホスフォニウムジヒドロゲンホスフェート:(Me
2N)3[(Me23P=N]P+2PO4 -の合成 OH陰イオン型のイオン交換樹脂アンバーライトIRA
−400 OH型(オルガノ社製)を用いて、実施例1
8に用いたホスファゼニウム塩の調製と同様の方法で、
トリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノホスフォニウムヒドロキシドを
調製した。これを572mg(1.6mmol)を含む
メタノール溶液10mlに20%りん酸水溶液784m
g(1.6mmol)を加え混合した後、濃縮乾固し減
圧下で加熱乾燥してトリス(ジメチルアミノ)トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォ
ニウムジヒドロゲンホスフェートを無色の固体として7
01mg(約100%)得た。
【0106】実施例22で使用したビス{トリス(ジメ
チルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノホスフォニウム}ヒドロゲンホスフェート:
{(Me2N)3[(Me23P=N]P+2 HPO4 2-
の合成 上記のトリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォニウムジヒドロ
ゲンホスフェートの合成におけるりん酸の使用量を1/
2倍にした以外は全く同様に行ってビス{トリス(ジメ
チルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノホスフォニウム}ヒドロゲンホスフェートを
無色の固体として621mg(約100%)得た。
【0107】実施例23で使用したトリス{トリス(ジ
メチルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ
リデンアミノホスフォニウム}ホスフェート:{(Me
2N)3[(Me23P=N]P+3 PO4 3-の合成 上記のトリス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォニウムジヒドロ
ゲンホスフェートの合成におけるりん酸の使用量を1/
3倍にした以外は全く同様に行ってトリス{トリス(ジ
メチルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ
リデンアミノホスフォニウム}ホスフェートを無色の固
体として598mg(約100%)得た。
【0108】参考例1 本発明の活性水素化合物のホスファゼニウム塩の有用性
を示す例:ベンジルメチルエーテルの合成 ベンジルクロリド1.57g(10mmol)を含むベ
ンゼン40ml溶液に0℃で実施例1と同様にして合成
したメタノールのトリス(ジメチルアミノ)トリス(ジ
メチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフォニウ
ム塩5.57g(15mmol)を加えた後、室温で3
時間反応させた。反応混合物に水50mlを加えて反応
を停止させた。有機層を分離後、これを水20ml、飽
和食塩水20mlで洗浄した後、濃縮乾固して得た液状
化合物を蒸留して目的のベンジルメチルエーテルを無色
の液状化合物として1.13g得た。収率は93%であ
った。
【0109】実施例24 テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムクロリド31.02g(4
0mmol)を200mlの50%(重量%、以下同
様)メタノール−水の混合溶媒に溶解させて、0.2M
の溶液を調製した。この溶液を140ml/時の流速
で、140mlの水酸基型陰イオン交換樹脂(バイエル
社製、レバチットMP500)を充填したカラム(直径
20mm,高さ450mm)に室温で流通し、さらに4
50mlの50%メタノール−水の混合溶媒を同流速で
流通した。流出液を濃縮した後、80℃、1mmHgで
乾固した。これをTHFとジエチルエーテルの1:15
の混合溶媒から再結晶してテトラキス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム
ヒドロキシド{[(Me2N)3P=N]4+ OH-
28.76gを無色の結晶として得た。収率は95%で
あった。融点は300℃以上であり、DMSO−d6
液中の31P−NMRを図25に示す。またTMSを内部
標準とした1H−NMRの化学シフトは2.59(d,
J=9.9Hz,72H)ppmであった(図26)。
元素分析値はC 38.28, H 9.82, N 29.43, P 19.94(理
論値 C 38.09,H 9.72, N 29.61, P 20.46)であった。
【0110】比較例1 実施例24におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ド31.02g(40mmol)を、200mlの水に
溶解させ0.2Mの水溶液を調製しようとしたが一部不
溶で残った。
【0111】比較例2 実施例24における50%メタノール−水の混合溶媒の
代わりにメタノールを用いた以外は全く実施例と同様に
行って無色の結晶を得たが、硝酸銀滴定およびイオン選
択電極分析から、この結晶中にかなりの塩素イオンが検
出された。
【0112】実施例25〜28 実施例24におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドのかわりに同量(40mmol)の表3に示すホスフ
ァゼニウムカチオンと一価の無機アニオンの塩を用い、
50%メタノール−水の混合溶媒の代わりに表3に示す
混合溶媒を用いた以外は全く実施例24と同様にした。
得られたものは4点とも融点は300℃以上であり、1
H−NMRおよび31P−NMRは実施例24で得られた
ものと同等であった。結果を表3に示す。
【0113】実施例29 実施例24におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに同量(40mmol)の実施例10と同様
にして合成したジメチルアミノトリス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム
テトラフルオロボレート27.74gを用い、再結晶を
行わなかった以外は全て実施例24と同様に行って、ジ
メチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド{M
2N[(Me2N)3P=N]P+ OH-}24.60
gを淡黄色の油状物質として得た。収率は91%であっ
た。DMSO−d6溶液中の31P−NMRおよび1H−N
MRをそれぞれ図27および図28に示す。元素分析値
はC 38.12, H 10.21, N 29.01, P 20.22(理論値 C 38.
52, H 9.86, N 29.20, P 19.86)であった。
【0114】実施例30 実施例24におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに同量(40mmol)のトリス(ジメチル
アミノ)[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノ]ホスフォニウムテトラフルオロボレート1
7.09gを用い、再結晶を行わなかった以外は全て実
施例24と同様に行ってトリス(ジメチルアミノ)[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウムヒドロキシド{(Me 2N)3[(Me
2N)3P=N]P+ OH-}13.87gを無色の油状
物質として得た。収率は97%であった。DMSO−d
6溶液中の31P−NMRを図29に示す。またTMSを
内部標準とした1H−NMRの化学シフトは2.40〜
2.70(m,36H)ppmであった(図30)。元
素分析値はC 40.71, H 10.15, N 27.04, P 17.81(理論
値 C 40.33, H 10.43, N 27.43, P 17.33)であった。
【0115】参考例2 200mlのナスフラスコに4−クロロベンジルアルコ
ール5.3g(37.0mmol)を秤取り、80ml
の無極性溶媒であるo−キシレンを加え溶解させた後、
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド28.0g
(37.0mmol)を加え均一溶液にした。これを8
0℃に昇温し1時間5mmHgに保った後、窒素で常圧
に戻し室温まで冷却した。さらに50mlのo−キシレ
ンと4−クロロベンズアルデヒド5.20g(37.0
mmol)を加えて、130℃で96時間加熱した。こ
の反応混合物を100mlの1規定塩酸で4回洗浄し、
有機層を分離し、濃縮乾固した残渣をエタノールから再
結晶して4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンズアル
デヒドを無色の結晶として5.6g得た。単離収率は6
1%であった。次にポリアルキレンオキシドの製造例に
ついて述べる。
【0116】実施例31 50mlのナスフラスコにグリセリン460mg(5.
0mmol)を秤り取り、これに1.0規定の水酸化カ
リウム水溶液5.0ml(5.0mmol)を室温で加
え均一溶液とした。減圧下で濃縮乾固して無色の結晶を
得、さらに減圧下100℃で加熱乾燥させてグリセリン
のモノカリウム塩を合成した。この塩にテトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウムクロリド3.78g(5.0mmol)を
20mlのTHFに溶解させた溶液を加え、室温で24
時間攪拌した。析出したKClを窒素雰囲気下で濾過し
た後、濾液を減圧下で濃縮乾固してグリセリンのモノ
{テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ
リデンアミノ]ホスフォニウム}塩、すなわち[(Me
2N)3P=N]4+(Gly)-(Gly-はグルセリン
の1価のアニオンを表す。以下同様)を合成した。
【0117】温度測定管、圧力計、攪拌装置およびアル
キレンオキシド導入管を装備した実容積600mlのオ
ートクレーブに、上記の方法で合成した活性水素化合物
のホスファゼニウム塩であるグリセリンのモノ{テトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフォニウム}塩4.05g(5.0mmo
l)を20mlのTHFに溶解させた溶液を仕込み、さ
らに新たにグリセリン20.0g(217mmol)を
加えた。攪拌しながら昇温し減圧下でTHFを留去し
た。その後反応器内を乾燥窒素で置換し、100℃まで
昇温させ、プロピレンオキシドを反応時圧力3.0kg
/cm2(絶対圧、以降同様)前後を保つように間欠的
に供給しながら100℃で6時間反応させた。その後内
容物を室温まで冷却し、残留する未反応のプロピレンオ
キシドを減圧下で留去した。無色無臭の液状のポリオキ
シプロピレントリオール324gが得られた。水酸基価
(KOHmg/gポリマー、以降同様)は115であっ
た。
【0118】比較例3 実施例31の重合反応に用いたグリセリンのモノ{テト
ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデン
アミノ]ホスフォニウム}塩のTHF溶液は用いず、従
ってTHF留去の操作を省略した以外は実施例31の重
合反応と全く同様に重合反応を行った。プロピレンオキ
シドは全く消費されず、反応器内容物は20.1gであ
って、反応器に仕込んだグリセリンそのものの重量とほ
ぼ等しく、ポリオキシプロピレントリオールは得られな
かった。
【0119】実施例32 実施例31の重合反応において新たなグリセリンは使用
せず、反応時間を20時間にした以外は実施例31の重
合反応と全く同様に重合反応を行った。無色無臭の高粘
度の液状ポリオキシプロピレントリオールを161g得
た。水酸基価は5.4であり、高分子量のポリマーが得
られた。
【0120】実施例33 100mlのナスフラスコにグリセリン20.5g(2
22mmol)を秤り取り、これに1.0規定の水酸化
カリウム水溶液5.0ml(5.0mmol)を加えて
均一溶液とした後、110℃減圧下で乾燥窒素を流通さ
せて水を除去し、過剰のグリセリン中に含まれるグリセ
リンのモノカリウム塩を生成させた。これにテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムクロリド3.78g(5.0mmo
l)を20mlのTHFに溶解させた溶液を加えて攪拌
し、懸濁液を得た。
【0121】実施例31と同様の重合反応器に、上記の
方法で得られた懸濁液を仕込み、攪拌しながら昇温し減
圧下でTHFを留去した。その後反応器内を乾燥窒素で
置換し、100℃まで昇温させ、プロピレンオキシドを
反応時圧力3.0kg/cm 2前後を保つように間欠的
に供給しながら100℃で6時間反応させた。その後内
容物を室温まで冷却し、残留する未反応のプロピレンオ
キシドを減圧下で留去した。無色無臭のポリオキシプロ
ピレントリオール330gを得た。水酸基価は114で
あった。
【0122】比較例4 実施例33の前段と同様にして過剰のグリセリン中に含
まれるグリセリンのモノカリウム塩を生成させた。これ
にテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ
リデンアミノ]ホスフォニウムクロリドを加えることな
く、20mlのTHFを加えて懸濁液を得た。この懸濁
液を実施例33で用いた懸濁液の代わりに用いた以外は
実施例33の重合反応と全く同様に重合反応を行った。
反応は極めて遅く、プロピレンオキシドは僅かに消費さ
れただけであった。反応器内容物は23gであり、仕込
んだグリセリンそのものの重量より僅かな増量に過ぎな
い。
【0123】実施例34〜37 実施例33におけるグリセリンの代わりに表4に示す活
性水素化合物およびその量を使用した以外は全て実施例
33と同様にした。結果を実施例33の結果とともに表
4に示す。
【0124】実施例38 実施例33の前段と全く同様にして、懸濁液を得た。実
施例33と同様の重合反応器に、上記の方法で得られた
懸濁液を仕込み、THFを留去することなく重合反応の
溶媒とした。反応器内を乾燥窒素で置換し、攪拌しなが
ら100℃まで昇温させ、プロピレンオキシドを反応時
圧力3.0kg/cm2前後を保つように間欠的に供給
しながら100℃で6時間反応させた。その後、残留す
る未反応のプロピレンオキシドおよび溶媒を減圧下で留
去した。無色無臭のポリオキシプロピレントリオール3
90gを得た。水酸基価は97であった。
【0125】実施例39〜41 実施例38ひいては実施例33におけるグリセリンの代
わりに表5に示す同量(222mmol)の活性水素化
合物を用い、THFの代わりに表5に示す同量(20.
0ml)の溶媒を用いた以外は実施例8と全く同様にし
た。結果を、実施例38の結果とともに表5に示す。
【0126】実施例42 100mlのナスフラスコに、グリセリンと水酸化カリ
ウムを開始剤とし、工業的に製造されている水酸基価1
68のポリオキシプロピレントリオール(三井東圧化学
社製)を20.0g(20.0mmol)秤り取り、こ
れに0.1規定の水酸化カリウム水溶液4.6ml
(0.46mmol)を加えて攪拌し懸濁液を得た。1
10℃に加熱し減圧下で乾燥窒素を流通させて水を除去
し、ポリオキシプロピレントリオールのモノカリウム塩
を生成させた。これにテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロ
リド347mg(0.46mmol)を20mlのTH
Fに溶解させた溶液を加えて攪拌し懸濁液を得た。
【0127】実施例33の重合反応に用いられたグリセ
リンのモノカリウム塩およびテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウ
ムクロリドから得られたTHF懸濁液の代わりに、上記
の方法で得られたポリオキシプロピレントリオールのモ
ノカリウム塩およびテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドから得られたTHF懸濁液を用いた以外は実施例33
の重合反応と全く同様に重合反応を行った。無色無臭の
液状のポリオキシプロピレントリオール231gを得
た。水酸基価は15であった。
【0128】実施例43 100mlのナスフラスコにエチレンジアミン13.3
g(222mmol)を秤り取り、THF20mlで希
釈した後、−70℃に冷却して1.0Mのノルマル−ブ
チルリチウムのヘキサン溶液5.0ml(5.0mmo
l)を加えた。同温度で10分間攪拌した後、約30分
かけて室温にもどしさらに30分間攪拌を続け、エチレ
ンジアミンのモノリチウム塩を得た。これにテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムクロリド3.78g(5.0mmo
l)を20mlのTHFに溶解させた溶液を加え2時間
攪拌し、均一溶液を得た。
【0129】実施例33の重合反応に用いられたTHF
懸濁液の代わりに、上記のエチレンジアミンのモノリチ
ウム塩およびテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリドから
得られたTHF溶液を用いた以外は、実施例33の重合
反応と全く同様に重合反応を行った。やや褐色味を帯び
た無臭の液状のポリオキシプロピレンテトラオールが2
04g得られた。水酸基価は250であった。
【0130】実施例44〜46 実施例43におけるエチレンジアミンの代わりに同量
(222mmol)の表6に示す各種アミン化合物を用
いた以外は実施例43と全く同様にした。結果を、実施
例43の結果とともに表6に示す。
【0131】実施例47〜60 実施例33におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに、同量(5.0mmol)の表7に示す各
種ホスファゼニウムのクロリド塩を用いた以外は全て実
施例33と同様にした。結果を表7に示す。実施例47
〜52で使用したホスファゼニウムのクロリド塩は実施
例2、3、9および10の方法または類似の方法で合成
されたものであり、実施例53〜60で使用したホスフ
ァゼニウムのクロリド塩は、市販または一般的方法で合
成されたホスファゼンベースに塩化水素を反応させて合
成したものである。
【0132】実施例61〜73 実施例33におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりに表8に示すホスファゼニウムの各種無機ア
ニオンの塩を使用した以外は全て実施例33と同様にし
た。ここで使用した種々のホスファゼニウム塩は、対応
するホスファゼニウムクロリド塩から常用のイオン交換
法によって、あるいはホスファゼンベースもしくはホス
ファゼニウムヒドロキシドと各種の酸との反応により合
成したものである。結果を実施例33の結果とともに表
8に示す。
【0133】実施例74〜80 実施例33におけるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ドの代わりホスファゼニウム塩の種類とその量およびグ
リセリンのモノカリウム塩の量(ひいては、水酸化カリ
ウムの量)を表9のように変えた以外は全て実施例33
と同様にした。結果を実施例33の結果とともに表9に
示す。
【0134】実施例81〜86 実施例33におけるプロピレンオキシドの代わりに表1
0に示すアルキレンオキシドを使用し、表10に示すホ
スファゼニウム塩を使用した以外は全て実施例33と同
様にした。その結果を表10に示す。
【0135】実施例87〜89 実施例33における重合反応の反応温度と反応時圧力を
表11に示すように変えた以外は全て実施例33と同様
にした。その結果を実施例33の結果とともに表11に
示す。
【0136】実施例90 100mlのナスフラスコにグリセリン460mg
(5.0mmol)を秤取り、エーテル50mlを加え
て均一溶液とした後、ドライアイス浴を使用して−70
℃まで冷却した。これにアミルクロリドと金属ナトリウ
ムから合成したアミルナトリウム987mg(10.5
mmol)を−70℃で加えた後、同温度で30分間攪
拌した。1時間かけて室温まで戻して、さらに1時間攪
拌した。これにテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリド
7.56g(10.0mmol)を室温で加え、6時間
攪拌した後、析出したNaClを窒素雰囲気下で濾過し
た。濾液を減圧下で濃縮乾固してグリセリンのビス{テ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノ]ホスフォニウム}塩、すなわち{[(Me2
N)3P=N]4+2(Gly)2- (Gly2-はグ
ルセリンの2価のアニオンを表す。)を合成した。
【0137】実施例31の重合に用いたホスファゼニウ
ム塩の代わりに、上記の方法で合成した活性水素化合物
のホスファゼニウム塩を7.64g(5.0mmol)
用いた以外は実施例31の重合反応と全く同様にした。
無色無臭の液状のポリオキシプロピレントリオールを3
91g得た。水酸基価は97であった。
【0138】実施例91 実施例33における水酸化カリウム水溶液の代わりに
1.0Mの水酸化バリウム水溶液2.2ml(2.2m
mol)を用いた以外は同様にして懸濁液を得た。これ
を用いて、重合反応時間を24時間に変えた以外は実施
例33と全く同様にした。無色無臭の液状のポリオキシ
プロピレントリオール181gを得た。水酸基価は21
3であった。
【0139】実施例92 100mlのナスフラスコに、グリセリンと水酸化カリ
ウムを開始剤として工業的に生産されている水酸基価5
5のポリオキシプロピレントリオール(三井東圧化学社
製)を35.0g(11.4mmol)秤り取り、これ
に0.1Mのジ−ノルマル−ブチルマグネシウムのヘキ
サン溶液1.7ml(0.17mmol)を室温で加え
た。これを100℃で3時間加熱攪拌した後、室温まで
冷却した。これにテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリ
ド264mg(0.34mmol)を20mlのTHF
に溶解させた溶液を加えて、均一溶液を得た。この溶液
を実施例33の重合反応に用いた懸濁液の代わりに用
い、重合反応時間を24時間に変えた以外は実施例33
の重合反応と全く同様にした。無色無臭の液状のポリオ
キシプロピレントリオール48gを得た。水酸基価は4
2であった。
【0140】実施例93 50mlのナスフラスコにカリウムメトキシド0.42
g(6.0mmol)を秤り取り、20mlのアセトニ
トリルを加えて均一溶液とした。これにテトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウムクロリド4.65g(6.0mmol)を
室温で加え、2時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した
後、20mlのTHFを加えて、析出したKClを窒素
雰囲気下で濾過した後、濾液を減圧下で濃縮乾固してメ
タノールのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホス
フォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩を合成した。
【0141】実施例31の重合反応におけるグリセリン
のモノ{テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩の代わりに上
記の方法で合成した活性水素化合物のホスファゼニウム
塩3.85g(5.0mmol)を用い、新たなグリセ
リンは使用せず、反応時間を20時間にした以外は実施
例31の重合反応と全く同様に重合反応を行った。無色
無臭の高粘度の液状ポリオキシプロピレンモノオールを
177g得た。水酸基価は1.9であり、高分子量のポ
リマーが得られた。
【0142】実施例94 実施例31の重合反応におけるグリセリンのモノ{テト
ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデン
アミノ]ホスフォニウム}塩の代わりに実施例17で合
成した活性水素化合物のホスファゼニウム塩であるピペ
ラジンのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩4.12g
(5.0mmol)を使用した以外は実施例31の重合
反応と全く同様に重合反応を行った。無色無臭のポリオ
キシプロピレントリオールを261g得た。水酸基価は
145であった。
【0143】実施例95 実施例24と同様にして合成したホスファゼニウム化合
物であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド
{[(Me2N)3P=N]4+ OH-}3.78g
(5.0mmol)とグリセリン20.0g(217.
4mmol)を、温度測定管、圧力計、攪拌装置および
アルキレンオキシド導入管を装備した実容積600ml
のオートクレーブに仕込んだ。その後反応器内を乾燥窒
素で置換し、80℃に昇温して、プロピレンオキシドを
反応時圧力3.0kg/cm2前後を保つように間欠的
に供給しながら80℃で6時間反応させた。次いで30
分間10mmHgに保った後、窒素で常圧に戻し、内容
物を室温まで冷却した。無色無臭の液状のポリオキシプ
ロピレントリオール264gを得た。水酸基価は142
であった。
【0144】比較例5 テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシドを用いなかっ
た以外は実施例95の重合反応と全く同様にした。プロ
ピレンオキシドは全く消費されず、反応器内容物は2
0.1gであって、反応器に仕込んだグリセリンそのも
のの重量とほぼ等しく、ポリオキシプロピレントリオー
ルは得られなかった。
【0145】実施例96 100mlのナスフラスコにテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウ
ムヒドロキシド3.78g(5.0mmol)を秤り取
り、グリセリン20.0g(217.4mmol)を加
えた。攪拌しながら昇温し均一混合物とした後、100
℃、5mmHgに保ち乾燥窒素を流通させて副生した水
を除去した。このようにして過剰のグリセリンとその中
に含まれるグリセリンのホスファゼニウム塩であるグリ
セリンのモノ{テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩
{[(Me2N)3P=N]4+ Gly-との混合物を得
た。
【0146】実施例95と同様の重合反応器に、上記の
方法で得られた混合物を全量仕込み、反応器内を乾燥窒
素で置換し80℃に昇温して、プロピレンオキシドを反
応時圧力3.0kg/cm2前後を保つように間欠的に
供給しながら80℃で6時間反応させた。次いで30分
間10mmHgに保った後、窒素で常圧に戻し、内容物
を室温まで冷却した。無色無臭のポリオキシプロピレン
トリオール289gを得た。水酸基価は129であっ
た。
【0147】実施例97 実施例1と同様にして合成したホスファゼニウム化合物
であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノ]ホスフォニウムメトキシド{[(M
2N)3P=N]4+ CH3-}3.85g(5.0
mmol)を、実施例95の重合反応に用いたテトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムヒドロキシドの代わりに使用し、重
合反応温度を100℃に変更した以外は実施例95の重
合反応と全く同様にした。無色無臭のポリオキシプロピ
レントリオール324gを得た。水酸基価は116であ
った。
【0148】実施例98 100mlのナスフラスコにテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウ
ムメトキシド2.01g(2.6mmol)を秤り取
り、グリセリン20.0g(217.4mmol)を加
えた。攪拌しながら昇温し均一混合物とした後、100
℃、5mmHgに保ち乾燥窒素を流通させて副生したメ
タノールを除去した。このようにして過剰のグリセリン
とその中に含まれるグリセリンのホスファゼニウム塩で
あるグリセリンのモノ{テトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム}
塩の混合物を得た。
【0149】実施例95と同様の重合反応器に、上記の
方法で得られた混合物を全量仕込み、反応器内を乾燥窒
素で置換して、100℃に昇温し、プロピレンオキシド
を反応時圧力3.0kg/cm2前後を保つように間欠
的に供給しながら100℃で6時間反応させた。次いで
30分間10mmHgに保った後、窒素で常圧に戻し、
内容物を室温まで冷却した。無色無臭のポリオキシプロ
ピレントリオール267gを得た。水酸基価は138で
あった。
【0150】実施例99 実施例3と同様にして合成したホスファゼニウム化合物
であるテトラキス[トリ(ピロリジン−1−イル)ホス
フォラニリデンアミノ]ホスフォニウム tert−ブ
トキシド{[Py3P=N]4+ tert−C4
9-}5.63g(5.0mmol)を、実施例95の
重合反応に用いたテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロ
キシドの代わりに使用した以外は実施例95の重合反応
と全く同様にした。無色無臭のポリオキシプロピレント
リオール281gを得た。水酸基価133はであった。
【0151】実施例100 300mlのナスフラスコにテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウ
ムヒドロキシド9.08g(12mmol)を秤り取
り、グリセリン92.0g(1.0mol)を加えた。
攪拌しながら昇温し均一混合物とした後、100℃、5
mmHgに保ち乾燥窒素を流通させて副生した水を除去
した。このようにして過剰のグリセリンとその中に含ま
れるグリセリンのホスファゼニウム塩であるグリセリン
のモノ{テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩との混合物を
得た。
【0152】実施例95と同様の重合反応器に、上記の
方法で得られた混合物21.92gを仕込み、反応器内
を乾燥窒素で置換して、100℃に昇温し、スチレンオ
キシドを反応時圧力1.5kg/cm2前後を保つよう
に間欠的に供給しながら100℃で6時間反応させた。
次いで2時間5mmHgに保った後、窒素で常圧に戻
し、内容物を室温まで冷却した。無色無臭のポリオキシ
スチレントリオール374gを得た。水酸基価は99で
あった。
【0153】実施例101 ジメチルアミノ トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラフルオ
ロボレート{[(Me2N)3P=N]3(Me2N)P+
BF4 -}とカリウムt−ブトキシドを反応させること
により、ホスファゼニウム化合物であるジメチルアミノ
トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノ]ホスフォニウムt−ブトキシド{[(Me2
N)3P=N]3(Me2N)P+ tert−C4
9-}を得た。このホスファゼニウム化合物163mg
(0.24mmol)を100mlのナスフラスコに秤
り取り、これにグリセリンと水酸化カリウムを開始剤と
して工業的に製造されている水酸基価168のポリオキ
シプロピレントリオール(三井東圧化学社製)20.0
g(20.0mmol)を加えた。攪拌しながら昇温し
均一混合物とした後、100℃、5mmHgに保ちで乾
燥窒素を流通させて副生したtert−ブタノールを除
去した。このようにして過剰のポリオキシプロピレント
リオールとその中に含まれるポリオキシプロピレントリ
オールのホスファゼニウム塩であるポリオキシプロピレ
ントリオールのモノ{ジメチルアミノ トリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフ
ォニウム}塩との混合物を得た。
【0154】実施例95と同様の重合反応器に、上記の
方法で得られた混合物全量を仕込み、反応器内を乾燥窒
素で置換して、100℃に昇温し、プロピレンオキシド
を反応時圧力3.0kg/cm2前後を保つように間欠
的に供給しながら100℃で6時間反応させた。次いで
30分間10mmHgに保った後、窒素で常圧に戻し、
内容物を室温まで冷却した。無色無臭のポリオキシプロ
ピレントリオール204gを得た。水酸基価は18であ
った。
【0155】実施例102 実施例95と同様の重合反応器に、実施例100で得ら
れたグリセリンとグリセリンのホスファゼニウム化合物
の混合物21.92gを仕込み、反応器内を乾燥窒素で
置換して、80℃に昇温し、プロピレンオキシドとエチ
レンオキシドのモル比が7対3になるようにプロピレン
オキシドとエチレンオキシドを反応時圧力3.0kg/
cm2前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で
6時間反応させた。次いで30分間10mmHgに保っ
た後、窒素で常圧に戻し、内容物を室温まで冷却した。
無色無臭のランダム共重合体であるポリオキシエチレン
プロピレントリオール267gを得た。水酸基価は13
9であった。
【0156】実施例103 実施例4と同様にして合成したホスファゼニウム化合物
であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノ]ホスフォニウムフェノキシド{(M
2N)3P=N]4+65-}4.16g(5.
0mmol)を、実施例95の重合反応に用いたテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフォニウムヒドロキシドの代わりに使用し、
グリセリンの代わりに同量(217.4mmol)のエ
チレングリコール13.5gを使用し、重合反応温度を
100℃に変更した以外は実施例95の重合反応と全く
同様にした。無色無臭のポリオキシプロピレンジオール
342gを得た。水酸基価は72であった。
【0157】実施例104 実施例103で合成したホスファゼニウム化合物4.1
6g(5.0mmol)を、実施例95の重合反応に用
いたテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシドの代わり
に使用し、グリセリンの代わりに同量(217.4mm
ol)のプロピレングリコール18.3gを使用し、重
合反応温度を100℃に変更した以外は実施例95の重
合反応と全く同様にした。無色無臭のポリオキシプロピ
レンジオール332gを得た。水酸基価は74であっ
た。
【0158】実施例105 テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムクロリドとナトリウム 4
−メチルフェノキシドを反応させることによりホスファ
ゼニウム化合物であるテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム 4
−メチルフェノキシド{(Me2N)3P=N]4+
−CH364-}を合成した。
【0159】このホスファゼニウム化合物4.23g
(5.0mmol)と1,4−ブタンジオール19.6
g(217.4mmol)を、実施例95と同様のオー
トクレーブに仕込んだ。その後反応器内を乾燥窒素で置
換し、110℃に昇温して、1,2−ブチレンオキシド
を反応時圧力2.5kg/cm2前後を保つように間欠
的に供給しながら110℃で6時間反応させた。次いで
30分間10mmHgに保った後、窒素で常圧に戻し、
内容物を室温まで冷却した。無色無臭のポリオキシ−
1,2−ブチレンジオール389gを得た。水酸基価は
65であった。
【0160】実施例106 実施例5と同様にして合成したホスファゼニウム化合物
であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノ]ホスフォニウム アセテート{(M
2N)3P=N]4+ CH3COO-}3.99g
(5.0mmol)を、実施例95の重合反応に用いた
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシドの代わりに使
用し、グリセリンの代わりに同量(217.4mmo
l)のペンタエリスリトール29.6gを使用し、重合
反応温度を100℃に変更した以外は実施例95の重合
反応と全く同様にした。無色無臭のポリオキシプロピレ
ンテトラオール324gを得た。水酸基価は153であ
った。
【0161】実施例107 テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムクロリドとプロピオン酸ナ
トリウムを反応させることによりホスファゼニウム化合
物であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウム プロピオネート
{(Me2N)3P=N]4+25COO-}を合成
した。
【0162】このホスファゼニウム化合物4.06g
(5.0mmol)を、実施例95の重合反応に用いた
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシドの代わりに使
用し、グリセリンの代わりに同量(217.4mmo
l)のグルコース39.1gを使用し、重合反応温度を
100℃に変更した以外は実施例95の重合反応と全く
同様にした。無色無臭のポリオキシプロピレンペンタオ
ール298gを得た。水酸基価は237であった。
【0163】実施例108 ビス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノ]ビス(ジエチルアミノ)ホスフォニウムテトラフ
ルオロボレート{[(Et2N)3P=N]2(Et2N)
2+ BF4 -}とナトリウムフェノキシドを反応させる
ことにより、ホスファゼニウム化合物であるビス[トリ
ス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ビス
(ジエチルアミノ)ホスフォニウムフェノキシド
{[(Et2N)3P=N]2(Et2N)2+65
-}を合成した。
【0164】このホスファゼニウム化合物3.76g
(17.4mmol)とエチレンジアミン13.0g
(217.4mmol)を、実施例95と同様の重合反
応器に仕込んだ後、反応器内を乾燥窒素で置換し100
℃まで昇温し、プロピレンオキシドを反応時圧力3.0
kg/cm2前後を保つように間欠的に供給しながら1
00℃で6時間反応させた。次いで30分間10mmH
gに保った後、窒素で常圧に戻し、内容物を室温まで冷
却した。やや褐色味を帯びた無臭のポリオキシプロピレ
ンテトラオール219gを得た。水酸基価は240であ
った。
【0165】実施例109 実施例108におけるビス[トリス(ジエチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ビス(ジエチルアミノ)ホ
スフォニウムフェノキシドの代わりにテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホス
フォニウムヒドロキシド3.78g(5.0mmol)
を使用し、エチレンジアミンの代わりに同量(217.
4mmol)のN,N’−ジメチルエチレンジアミン1
9.1gを使用した以外は実施例108と同様にした。
やや褐色味を帯びた無臭のポリオキシプロピレンジオー
ル318gを得た。水酸基価は78であった。
【0166】実施例110 実施例108におけるビス[トリス(ジエチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ビス(ジエチルアミノ)ホ
スフォニウムフェノキシドの代わりにテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホス
フォニウムヒドロキシド3.78g(5.0mmol)
を使用し、エチレンジアミンの代わりに同量(217.
4mmol)のピペラジン18.7gを使用した以外は
実施例108と同様にした。無色無臭のポリオキシプロ
ピレンジオール307gを得た。水酸基価は81であっ
た。
【0167】実施例111 実施例108におけるビス[トリス(ジエチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ビス(ジエチルアミノ)ホ
スフォニウムフェノキシドの代わりにテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホス
フォニウムヒドロキシド3.78g(5.0mmol)
を使用し、エチレンジアミンの代わりに同量(217.
4mmol)のピペリジン18.5gを使用した以外は
実施例108と同様にした。無色無臭のポリオキシプロ
ピレンモノオール342gを得た。水酸基価は36であ
った。
【0168】実施例112 ホスファゼニウム化合物であるテトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニ
ウムヒドロキシド{[(Me2N)3P=N]4+ OH
-}3.78g(5.0mmol)とグリセリン20.
0g(217.4mmol)を、温度測定管、圧力計、
攪拌装置およびアルキレンオキシド導入管を装備した実
容積600mlのオートクレーブに仕込んだ。その後反
応器内を乾燥窒素で置換し、80℃に昇温して、第1種
のアルキレンオキシド化合物であるプロピレンオキシド
400g(6.90mol)を反応時圧力3.0kg/
cm2前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で
12時間反応させた(第1段)。次いで30分間10m
mHgに保った後、乾燥窒素で常圧に戻し、内容物を室
温まで冷却した。ポリオキシプロピレントリオールの分
子量をさらに高めるために、その内容物を、温度測定
管、圧力計、攪拌装置およびアルキレンオキシド導入管
を装備した実容積2300mlのオートクレーブに移
し、反応器内を乾燥窒素で置換し、80℃に昇温して、
さらにプロピレンオキシド930g(16.03mo
l)を反応時圧力3.0kg/cm2前後を保つように
間欠的に供給しながら80℃で24時間反応させた(第
2段)。次いで30分間10mmHgに保った。その
後、反応器内を乾燥窒素で常圧に戻した。このようにし
て2段の反応で、第1種のアルキレンオキシド化合物の
重合体であるポリオキシプロピレントリオールを得た。
内容物を100℃に昇温して、第2種のアルキレンオキ
シド化合物であるエチレンレンオキシド200g(4.
55mol)を反応時圧力4.0kg/cm2前後を保
つように間欠的に供給しながら100℃で12時間反応
させた。無色無臭のブロック共重合体1504gを得
た。水酸基価は24であった。このブロック共重合体は
ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドの順に
ブロックを有し、ポリプロピレンオキシドとポリエチレ
ンオキシドのブロックを約5:1の割合(モル比、以下
同様)で含んだポリオキシプロピレンポリオキシエチレ
ントリオールである。
【0169】比較例5 テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシドを用いず、実
施例112の第1段目の重合反応と全く同様にした。プ
ロピレンオキシドは全く消費されず、反応器内容物は2
0.1gであって、反応器に仕込んだグリセリンそのも
のの重量とほぼ等しく、ポリオキシプロピレントリオー
ルは得られなかった。
【0170】実施例113〜116 表12に示すホスファゼン化合物および活性水素化合物
をそれぞれ実施例112と同モル用い、表12に示す第
1種のアルキレンオキシド化合物を同重量用いて、表1
2に示す温度条件下に実施例112と同様にして2段で
第1種のアルキレンオキシドのポリマーを得、さらに第
2種のアルキレンオキシド化合物であるエチレンオキシ
ドの重合を実施例112と同様にした。結果を実施例1
12の結果とともに表12に示す。ここで使用したホス
ファゼニウム化合物は、それぞれ対応するホスファゼニ
ウムクロリドとカリウムメトキシド、カリウムエトキシ
ド、酢酸カリウムまたはナトリウムフェノキシドとを反
応させて合成したものである。
【0171】実施例117 100mlのナスフラスコにテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウ
ムヒドロキシド3.78g(5.0mmol)を秤り取
り、グリセリン20.0g(217.4mmol)を加
えた。攪拌しながら昇温し均一混合物とした後、100
℃、5mmHgに保ち乾燥窒素を流通させて副生した水
を除去した。このようにして過剰のグリセリンとその中
に含まれるグリセリンのホスファゼニウム塩であるグリ
セリンのモノ{テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩
{[(Me2N)3P=N]4+ Gly-(Gly-はグ
リセリンの1個の水酸基から脱プロトンしたアニオンを
表す。以下同様)}との混合物を得た。
【0172】この混合物の全量を、実施例112におけ
る重合反応に用いたホスファゼニウム化合物とグリセリ
ンの代わりに仕込んだ以外は実施例112と全く同様に
した。無色無臭のブロック共重合体1532gを得た。
水酸基価は24であった。このブロック共重合体はポリ
プロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドの順にブロ
ックを有し、ポリプロピレンオキシドとポリエチレンオ
キシドのブロックを約5:1の割合で含んだポリオキシ
プロピレンポリオキシエチレントリオールである。
【0173】実施例118 実施例2と全く同様にしてホスファゼニウム化合物であ
るジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムメトキシド
{[(Me2N)3P=N]3(Me2N)P+ CH
3-}を得た。
【0174】200mlのナスフラスコに上記の方法で
得られたホスファゼニウム化合物0.59g(0.92
mmol)を秤り取り、これにグリセリンと水酸化カリ
ウムを開始剤とするプロピレンオキシドの重合で工業的
に製造されている水酸基価168のポリオキシプロピレ
ントリオール(三井東圧化学社製)40.0g(40.
0mmol)を加えた。攪拌しながら昇温し均一混合物
とした後、100℃、5mmHgに保ち乾燥窒素を流通
させて副生したメタノールを除去した。このようにして
過剰のポリオキシプロピレントリオールとその中に含ま
れるポリオキシプロピレントリオールのホスファゼニウ
ム塩であるポリオキシプロピレントリオールのモノ{ジ
メチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩との混合物を
得た。
【0175】実施例112と同様の600mlの重合反
応器に、上記の方法で得られた混合物を全量仕込み、反
応器内を乾燥窒素で置換して、100℃に昇温し、プロ
ピレンオキシド400g(6.90mol)を反応時圧
力3.0kg/cm2前後を保つように間欠的に供給し
ながら100℃で12時間反応させた。次いで30分間
10mmHgに保った後、窒素で常圧に戻し、第2種の
アルキレンオキシド化合物であるエチレンレンオキシド
130g(2.95mol)を反応時圧力4.0kg/
cm2前後を保つように間欠的に供給しながら100℃
で6時間反応させた。無色無臭のブロック共重合体55
1gを得た。水酸基価は14であった。このブロック共
重合体はポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシ
ドの順にブロックを有し、ポリプロピレンオキシドとポ
リエチレンオキシドのブロックを約2.5:1の割合で
含んだポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオ
ールである。
【0176】実施例119 100mlのナスフラスコにグリセリン20.0g(2
17.4mmol)を秤り取り、これに1.0規定の水
酸化カリウム水溶液5.0ml(5.0mmol)を加
えて均一溶液とした後、110℃減圧下で乾燥窒素を流
通させて水を除去し、過剰のグリセリン中に含まれるグ
リセリンのモノカリウム塩を生成させた。これにテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフォニウムクロリド3.87g(5.0mm
ol)を20mlのTHF(テトラヒドロフラン、以下
同様)に溶解させた溶液を加えて攪拌し、懸濁液を得
た。実施例112と同様の600mlの重合反応器に、
上記の方法で得られた懸濁液を仕込み、攪拌しながら昇
温し減圧下でTHFを留去した。その後反応器内を乾燥
窒素で置換し、80℃まで昇温させ、第1種のアルキレ
ンオキシド化合物であるプロピレンオキシド400g
(6.90mol)を反応時圧力3.0kg/cm2
後を保つように間欠的に供給しながら80℃で12時間
反応させた。次いで30分間10mmHgに保った後、
窒素で常圧に戻し、内容物を室温まで冷却した。ここで
得られた触媒を含むポリオキシプロピレントリオールの
全量を、実施例112と同様の2300mlの重合反応
器に仕込み、反応器内を乾燥窒素で置換し、100℃に
昇温して、第2種のアルキレンオキシド化合物であるエ
チレンレンオキシド200g(4.55mol)を反応
時圧力4.0kg/cm2前後を保つように間欠的に供
給しながら100℃で12時間反応させた。無色無臭の
ブロック共重合体549gを得た。水酸基価は68であ
った。このブロック共重合体はポリプロピレンオキシド
−ポリエチレンオキシドの順にブロックを有し、ポリプ
ロピレンオキシドとポリエチレンオキシドのブロックを
約1.5:1の割合で含んだポリオキシプロピレンポリ
オキシエチレントリオールである。
【0177】比較例6 実施例119の前段と同様にして過剰のグリセリン中に
含まれるグリセリンのモノカリウム塩を生成させた。こ
れにテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリドを加えること
なく、20mlのTHFを加えて懸濁液を得た。この懸
濁液を用いて、実施例119と同様にプロピレンオキシ
ドの重合を行った。反応は極めて遅く、アルキレンオキ
シドは僅かに消費されただけであった。反応器内容物は
25gであり、仕込んだグリセリンそのものの重量より
僅かな増量に過ぎない。
【0178】実施例120〜123 表13に示すホスファゼニウム化合物および塩基性金属
化合物をそれぞれ実施例119と同モル用い、表13に
示す第1種および第2種のアルキレンオキシド化合物を
それぞれ実施例119と同重量用い、表13に示す第1
種のアルキレンオキシド化合物の重合温度条件下に、実
施例119と同様にした。結果を実施例119の結果と
ともに表13に示めす。実施例121および実施例12
2に用いたホスファゼニウム化合物は、それぞれ対応す
るホスファゼニウムクロリドとテトラフルオロほう酸ナ
トリウムおよび過塩素酸ナトリウムとの反応で、また実
施例12に用いたホスファゼニウム化合物は、1−te
rt−ブチル−4,4,6,6,6−ペンタ(ピロリジ
ン−1−イル)−2,2−ビス[トリ(ピロリジン−1
−イル)ホスフォラニリデンアミノ]−2λ5,4λ5
6λ5−カテナトリ(ホスファゼン)と塩酸との反応に
より合成したものである。
【0179】実施例124 100mlのナスフラスコにN,N’−ジメチルエチレ
ンジアミン19.1g(217.4mmol)を秤り取
り、THF20mlで希釈した後、−70℃に冷却して
1.0Mのノルマル−ブチルリチウムのヘキサン溶液
5.0ml(ノルマル−ブチルリチウムとして5.0m
mol)を加えた。同温度で10分間攪拌した後、約3
0分かけて室温にもどしさらに30分間攪拌を続け、過
剰のN,N’−ジメチルエチレンジアミン中に含まれる
N,N’−ジメチルエチレンジアミンのモノリチウム塩
を得た。これに1,1,3,3−テトラメチルブチルア
ミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムクロリド{[(Me2N)3
P=N]3(tert−C817NH)P+ Cl-}3.
63g(5.0mmol)を20mlのTHFに溶解さ
せた溶液を加え2時間攪拌し、均一溶液を得た。
【0180】実施例119における懸濁液の代わりに、
上記の方法で得られた均一溶液を使用しプロピレンオキ
シドのかわりにエチレンオキシドを、エチレンオキシド
の代わりにスチレンオキシドを使用した以外は、実施例
119の重合反応と同様にした。無色無臭のブロック共
重合体492gを得た。水酸基価は100であった。こ
のブロック共重合体はポリエチレンオキシド−ポリスチ
レンオキシドの順にブロックを有し、ポリエチレンオキ
シドとポリスチレンオキシドのブロックを約12.5:
1の割合で含んだポリオキシエチレンポリオキシスチレ
ンジオールである。
【0181】実施例125 1−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2−ジ
メチルアミノ−2−トリス(ジメチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノ−4,4,4−トリス(ジメチルアミ
ノ)− 2λ5 , 4λ5 −カテナジ(ホスファゼン)
{[(Me2N)3P=N]2(Me2N)P=N−ter
t−C817}と1/3当量のりん酸を反応させることに
より、ホスファゼニウム化合物であるトリス{1,1,
3,3−テトラメチルブチルアミノジメチルアミノビス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムホスフェート{{[(Me2N)3
=N] 2(Me2N)(tert−C817NH)P+3
PO4 3-}を合成した。
【0182】200mlのナスフラスコに、エチレング
リコールと水酸化セシウムを開始剤として製造した水酸
基価112のポリオキシエチレンジオール40.0g
(40.0mmol)を秤り取り、40mlのTHFを
加えて均一溶液を得た。これに0.10M(mol/
l)のジ−ノルマル−ブチルマグネシウムのヘキサン溶
液4.60ml(0.46mmol)を室温で加えた
後、2時間加熱還流した。これを室温まで冷却し、上記
の方法で得られたホスファゼン化合物0.49g(0.
31mmol)を加えて懸濁液を得た。
【0183】実施例112と同様の600mlの重合反
応器に、上記の方法で得られた懸濁液を仕込み、攪拌し
ながら昇温し減圧下でTHFを留去した。 その後反応
器内を乾燥窒素で置換し、80℃まで昇温させ、第1種
のアルキレンオキシド化合物であるプロピレンオキシド
400g(6.90mol)を反応時圧力3.0kg/
cm2前後を保つように間欠的に供給しながら110℃
で12時間反応させた。次いで30分間10mmHgに
保った後、窒素で常圧に戻し、100℃に冷却して、第
2種のアルキレンオキシド化合物であるエチレンレンオ
キシド100g(2.27mol)を反応時圧力4.0
kg/cm2前後を保つように間欠的に供給しながら1
00℃で12時間反応させた。無色無臭のブロック共重
合体171gを得た。水酸基価は71であった。 この
ブロック共重合体はポリエチレンオキシド−ポリプロピ
レンオキシド−ポリエチレンオキシドの順にブロックを
有し、ポリエチレンオキシドとポリプロレンオキシドの
ブロックを約1:1の割合で含んだポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンジオールであ
る。
【0184】実施例126 実施例119の前段と全く同様にして得た懸濁液を、濾
過して副生塩を除き、THFで洗浄した後、濾液と洗浄
液を合わせた。実施例119の重合反応における懸濁液
の代わりに、上記の方法で得られた合わせた溶液を使用
した以外は実施例119の重合反応と全く同様にした。
無色無臭のブロック共重合体584gを得た。水酸基価
は64であった。このブロック共重合体はポリプロピレ
ンオキシド−ポリエチレンオキシドの順にブロックを有
し、ポリプロピレンオキシドとポリエチレンオキシドの
ブロックを約1.5:1の割合で含んだポリオキシプロ
ピレンポリオキシエチレントリオールである。
【0185】実施例127 実施例112の第2種のアルキレンオキシド化合物であ
るエチレンオキシドを重合させた後の触媒を含むポリオ
キシプロピレンポリオキシエチレントリオール215g
を実施例112と同様の2300mlの重合反応器に仕
込み、反応器内を乾燥窒素で置換して、90℃に昇温
し、プロピレンオキシド195g(3.36mol)を
反応時圧力3.0kg/cm2前後を保つように間欠的
に供給しながら80℃で12時間反応させた。次いで3
0分間10mmHgに保った後、窒素で常圧に戻し、内
容物を室温まで冷却した。無色無臭のブロック共重合体
405gを得た。水酸基価は15であった。このブロッ
ク共重合体はポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオ
キシド−ポリプロピレンオキシドの順にブロックを有
し、ポリプロピレンオキシドとポリエチレンオキシドの
ブロックを約10:1の割合で含んだポリオキシプロピ
レンポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオー
ルである。
【0186】実施例128 実施例127で得た触媒を含むポリオキシプロピレンポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレントリオール21
2gを実施例112で使用した2300mlの重合反応
器に仕込み、反応器内を乾燥窒素で置換して、100℃
に昇温し、エチレンオキシド125g(2.84mo
l)を反応時圧力4.0kg/cm2前後を保つように
間欠的に供給しながら100℃で24時間反応させた。
次いで30分間10mmHgに保った後、窒素で常圧に
戻し、内容物を室温まで冷却した。無色無臭ブロック共
重合体328gを得た。水酸基価は10であった。この
ブロック共重合体はポリプロピレンオキシド−ポリエチ
レンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレン
オキシドの順にブロックを有し、ポリプロピレンオキシ
ドとポリエチレンオキシドのブロックを約1:1の割合
で含んだポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンポリオキシエチレントリオールであ
る。
【0187】
【表1】
【0188】
【表2】
【0189】
【表3】
【0190】
【表4】
【0191】
【表5】
【0192】
【表6】
【0193】
【表7】
【0194】
【表8】
【0195】
【表9】
【0196】
【表10】
【0197】
【表11】
【0198】
【表12】
【0199】
【表13】
【0200】
【発明の効果】本発明によれば、化学式(1)で表され
る活性水素化合物のホスファゼニウムの塩や化学式
(2)で表される水酸化ホスファゼニウムは、金属成分
は含まず、様々な大きさのカチオンが用意でき、有機溶
媒への溶解度が高いうえ、活性水素化合物のアニオンの
反応性は高められ、有機反応の反応試剤などとして極め
て有用である。
【0201】また本発明の方法によれば、特別な金属成
分を使用することなく、臭気も残存させないポリアルキ
レンオキシドを簡便に効率よく製造することができる。
ホスファゼンベースは、空気中の水分などと容易に反応
するため特別の注意を要するのに比べ、本発明の方法で
用いるホスファゼニウム塩や化合物はより安定であり、
取扱上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタノールのテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩の
31P−NMR (溶媒;DMSO−d6)を示す図であ
る。
【図2】メタノールのテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩の
1H−NMR (溶媒;DMSO−d6)を示す図であ
る。
【図3】ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラ
フルオロボレートの31P−NMR (溶媒;CDCl3
を示す図である。
【図4】ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラ
フルオロボレートの1H−NMR (溶媒;CDCl3
を示す図である。
【図5】メタノールのジメチルアミノトリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフ
ォニウム塩の1H−NMR (溶媒;DMSO−d6)を
示す図である。
【図6】テトラキス[トリ(ピロリジン−1−イル)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテトラフルオ
ロボレートの1H−NMR (溶媒;CDCl3)を示す
図である。
【図7】tert−ブタノールのテトラキス[トリ(ピ
ロリジン−1−イル)ホスフォラニリデンアミノ]ホス
フォニウム塩の1H−NMR (溶媒;DMSO−d6
を示す図である。
【図8】フェノールのテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩の
1H−NMR (溶媒;DMSO−d6)を示す図であ
る。
【図9】酢酸のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩の1H−
NMR (溶媒;DMSO−d6)を示す図である。
【図10】N,N’−ジメチルエチレンジアミンのモノ
{テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ
リデンアミノ]ホスフォニウム}塩の1H−NMR (溶
媒;THF−d8)を示す図である。
【図11】ピペラジンのモノ{テトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニ
ウム}塩の1H−NMR (溶媒;THF−d8)を示す
図である。
【図12】ピペラジンのモノ{テトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニ
ウム}塩の13C−NMR (溶媒;THF−d8)を示す
図である。
【図13】ピペリジンのテトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム塩
1H−NMR (溶媒;THF−d8)を示す図であ
る。
【図14】ジエチルアミノトリス[トリス(ジエチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムテト
ラフルオロボレートの1H−NMR (溶媒;CDC
3)を示す図である。
【図15】ノルマル−オクタノールのジエチルアミノト
リス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフォニウム塩の1H−NMR (溶媒;DMS
O−d6)を示す図である。
【図16】ビス(ジエチルアミノ)ビス[トリス(ジエ
チルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウ
ムテトラフルオロボレートの1H−NMR (溶媒;C
DCl3)を示す図である。
【図17】プロピレングリコールのモノ{ビス(ジエチ
ルアミノ)ビス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフォニウム}塩の1H−NMR
(溶媒;DMSO−d6)を示す図である。
【図18】メタノールのトリス(ジメチルアミノ)トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフ
ォニウム塩の1H−NMR (溶媒;DMSO−d6)を
示す図である。
【図19】tert−ブタノールのトリス(ジメチルア
ミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノホスフォニウム塩の1H−NMR (溶媒;DMS
O−d6)を示す図である。
【図20】ベンジルアルコールのトリス(ジメチルアミ
ノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノホスフォニウム塩の1H−NMR (溶媒;DMSO
−d6)を示す図である。
【図21】エチレングリコールのモノ{トリス(ジメチ
ルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノホスフォニウム}塩の1H−NMR (溶媒;
DMSO−d6)を示す図である。
【図22】グリセリンのモノ{トリス(ジメチルアミ
ノ)トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノホスフォニウム}塩の1H−NMR (溶媒;DMS
O−d6)を示す図である。
【図23】グリセリンのジ{トリス(ジメチルアミノ)
トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノホ
スフォニウム}塩の1H−NMR (溶媒;DMSO−
6)を示す図である。
【図24】ポリオキシプロピレントリオールのモノ{ト
リス(ジメチルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ホス
フォラニリデンアミノホスフォニウム}塩の1H−NM
R(溶媒;DMSO−d6)を示す図である。
【図25】テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホス
フォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシドの
31P−NMR(溶媒:DMSO−d6)を示す図であ
る。
【図26】テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホス
フォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシドの
1H−NMR(溶媒:DMSO−d6)を示す図である。
【図27】ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒド
ロキシドの31P−NMR(溶媒:DMSO−d6)を示
す図である。
【図28】ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒド
ロキシドの1H−NMR(溶媒:DMSO−d6)を示す
図である。
【図29】トリス(ジメチルアミノ)[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム
ヒドロキシドの31P−NMR(溶媒:DMSO−d6
を示す図である。
【図30】トリス(ジメチルアミノ)[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム
ヒドロキシドの1H−NMR(溶媒:DMSO−d6)を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平8−114773 (32)優先日 平成8年5月9日(1996.5.9) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平8−118851 (32)優先日 平成8年5月14日(1996.5.14) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平8−133983 (32)優先日 平成8年5月28日(1996.5.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平8−183545 (32)優先日 平成8年7月12日(1996.7.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 清野 真二 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 園部 善穂 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−120125(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(1) 【化1】 (式中、nは1〜8の整数であってホスファゼニウムカ
    チオンの数を表し、Zn−は最大8個の活性水素原子を
    酸素原子または窒素原子上に有する活性水素化合物から
    n個のプロトンが離脱して導かれる形のn価の活性水素
    化合物のアニオンである。a、b、cおよびdはそれぞ
    れ3以下の正の整数または0であるが、全てが同時に0
    ではない。Rは同種または異種の、炭素数1〜10個の
    炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに
    結合して環構造を形成する場合もある。)で表される活
    性水素化合物のホスファゼニウム塩。
  2. 【請求項2】 活性水素化合物が、水、炭素数1〜20
    個のアルコール類、炭素数2〜20個の2〜8個の水酸
    基を有する多価アルコール類、糖類またはその誘導体、
    2〜8個の末端を有しその末端に1〜8個の水酸基を有
    する分子量100〜50,000のポリアルキレンオキ
    シド類、炭素数2〜20個の2〜3個の一級もしくは二
    級アミノ基を有する多価アミン類、炭素数4〜20個の
    飽和環状二級アミン類および炭素数4〜20個の2〜3
    個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類よりなる群
    から選ばれる活性水素化合物である請求項1記載の塩。
  3. 【請求項3】 nが1〜3の整数である請求項1または
    2に記載の塩。
  4. 【請求項4】 a、b、cおよびdが、全て同時には0
    でなく、それぞれ2以下の正の整数または0である請求
    項1〜3のいずれかに記載の塩。
  5. 【請求項5】 Rが同種または異種の、炭素数1〜10
    個の脂肪族炭化水素基である請求項1〜4のいずれかに
    記載の塩。
  6. 【請求項6】 同一窒素原子上の2個のRが互いに結合
    して環構造を形成する場合の該窒素原子に対する2価の
    置換基がテトラメチレンまたはペンタメチレンである、
    請求項1〜5のいずれかに記載の塩。
  7. 【請求項7】 化学式(2) 【化2】 (式中、Meはメチル基を表す。a、b、cおよびdは
    0または1であり、全てが同時に0ではない。)で表さ
    れる水酸化ホスファゼニウム。
  8. 【請求項8】 化学式(3) 【化3】 (式中、mは1〜3の整数であってホスファゼニウムカ
    チオンの数を表し、Xm−はm価の無機アニオンであ
    る。a、b、cおよびdはそれぞれ3以下の正の整数ま
    たは0であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種ま
    たは異種の、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同
    一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成
    する場合もある。)で表されるホスファゼニウムカチオ
    ンと無機アニオンとの塩およびM n−(M
    n個のアルカリ金属カチオンを表す。nは1〜8の整数
    であり、Zn−は最大8個の活性水素原子を酸素原子ま
    たは窒素原子上に有する活性水素化合物からn個のプロ
    トンが離脱して導かれる形のn価の活性水素化合物のア
    ニオンであり、化学式(1)中のZn−と同一であ
    る。)で表される活性水素化合物のアルカリ金属塩を反
    応させることを特徴とする、化学式(1)で表される活
    性水素化合物のホスファゼニウム塩の製造方法。
  9. 【請求項9】 無機アニオンがほう酸、テトラフルオロ
    ほう酸、ハロゲン化水素酸、りん酸、ヘキサフルオロり
    ん酸および過塩素酸よりなる群から選ばれる酸のアニオ
    ンである請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 化学式(4) 【化4】 (式中、Meはメチル基を表す。a、b、cおよびdは
    0または1であり、全てが同時に0ではない。Yは一
    価の無機アニオンを表す。)で表されるホスファゼニウ
    ムカチオンと一価の無機アニオンの塩を、水と水に相溶
    性の有機溶媒との混合溶媒に溶解させた溶液を、水酸基
    型アニオン交換樹脂と接触させることを特徴する、化学
    式(2)で表される水酸化ホスファゼニウムの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 アルキレンオキシド化合物を重合させ
    てポリアルキレンオキシドを製造するに際し、 化学式(5)または化学式(6) 【化5】 【化6】 (化学式(5)中のa、b、cおよびdまたは化学式
    (6)中のe、fおよびgは、それぞれ3以下の正の整
    数または0であるが、a、b、cおよびdまたはe、f
    およびgの全てが同時に0ではない。Rは同種または異
    種の、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素
    原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場
    合もある。rは1〜3の整数であってホスファゼニウム
    カチオンの数を表し、Tr−は価数rの無機アニオンを
    表す。)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機ア
    ニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もし
    くはアルカリ土類金属の塩の存在下、または化学式
    (5)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニ
    オンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしく
    はアルカリ土類金属の塩から導かれる活性水素化合物の
    ホスファゼニウム塩の存在下に、または 化学式
    (7) 【化7】 (化学式(7)中、a、b、cおよびdはそれぞれ3以
    下の正の整数または0であるが、全てが同時に0ではな
    い。Rは同種または異種の、炭素数1〜10個の炭化水
    素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合し
    て環構造を形成する場合もある。Qはヒドロキシアニ
    オン、アルコキシアニオン、アリールオキシアニオンま
    たはカルボキシアニオンを表す。)で表されるホスファ
    ゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、または化学
    式(7)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素
    化合物から導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム
    塩の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させる
    ことを特徴とするポリアルキレンオキシドの製造方法。
  12. 【請求項12】 アルキレンオキシド化合物が、エチレ
    ンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオ
    キシドおよびスチレンオキシドよりなる群から選ばれる
    化合物である請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 化学式(5)または化学式(7)で表
    されるホスファゼニウムカチオン中のa、b、cおよび
    dが、全て同時には0でなく、それぞれ2以下の正の整
    数または0である請求項11または12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 化学式(6)で表されるホスファゼニ
    ウムカチオン中のe、fおよびgが、全て同時には0で
    なく、それぞれ2以下の正の整数または0である請求項
    11または12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 化学式(5)、化学式(6)または化
    学式(7)で表されるホスファゼニウムカチオン中のR
    が同種または異種の、炭素数1〜10個の脂肪族炭化水
    素基である請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 化学式(5)、化学式(6)または化
    学式(7)で表されるホスファゼニウムカチオン中の同
    一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成
    する場合の該窒素原子に対する2価の置換基がテトラメ
    チレンまたはペンタメチレンである、請求項11〜15
    のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 化学式(5)または化学式(6)中の
    無機アニオンが、ほう酸、テトラフルオロほう酸、ハロ
    ゲン化水素酸、りん酸、ヘキサフルオロりん酸および過
    塩素酸よりなる群から選ばれる無機酸のアニオンである
    請求項11〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 化学式(7)で表されるホスファゼニ
    ウム化合物中のQが、ヒドロキシアニオン、炭素数1
    〜8個のアルコールから導かれるアルコキシアニオン、
    炭素数6〜18の芳香族ヒドロキシ化合物から導かれる
    アリールオキシアニオンおよび炭素数1〜6のカルボン
    酸から導かれるカルボキシアニオンよりなる群から選ば
    れるアニオンである請求項11〜13のいずれか、また
    は15もしくは16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 活性水素化合物が、炭素数1〜20個
    のアルコール類、炭素数2〜20個の2〜8個の水酸基
    を有する多価アルコール類、糖類またはその誘導体、2
    〜8個の末端を有しその末端に1〜8個の水酸基を有す
    る分子量100〜50,000のポリアルキレンオキシ
    ド類、炭素数2〜20個の2〜3個の一級もしくは二級
    アミノ基を有する多価アミン類、炭素数4〜10個の飽
    和環状二級アミン類および炭素数4〜10個の2〜3個
    の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類よりなる群か
    ら選ばれる活性水素化合物である請求項11〜18のい
    ずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 化学式(5)もしくは化学式(6)で
    表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの
    塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカ
    リ土類金属の塩の存在下、または化学式(5)で表され
    るホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩およ
    び活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類
    金属の塩から導かれる活性水素化合物のホスファゼニウ
    ム塩の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させ
    る場合に、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアル
    カリ土類金属の塩または導かれる活性水素化合物のホス
    ファゼニウム塩と同種または異種の活性水素化合物をさ
    らに存在させて重合させる請求項11〜17のいずれ
    か、または請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 アルキレンオキシド化合物の2種以上
    を順次に重合させて、2種以上のポリアルキレンオキシ
    ドのブロックを含むブロック共重合体を製造する請求項
    11〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項11〜21のいずれかに記載の
    方法により得られるポリアルキレンオキシド。
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