JP2000355606A - ポリマーの製造方法 - Google Patents

ポリマーの製造方法

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JP2000355606A
JP2000355606A JP2000112089A JP2000112089A JP2000355606A JP 2000355606 A JP2000355606 A JP 2000355606A JP 2000112089 A JP2000112089 A JP 2000112089A JP 2000112089 A JP2000112089 A JP 2000112089A JP 2000355606 A JP2000355606 A JP 2000355606A
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poly
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phosphazenium
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JP2000112089A
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English (en)
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Tadahito Nobori
忠仁 昇
Atsushi Shibahara
敦 柴原
Shinji Kiyono
真二 清野
Takaomi Hayashi
貴臣 林
Katsuhiko Funaki
克彦 船木
Retsu Hara
烈 原
Kazumi Mizutani
一美 水谷
Usaji Takagi
夘三治 高木
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造上や取り扱い上、保存方法や重合中の分
解等に特に問題がなく、更に重合反応制御性に優れた触
媒で、極性不飽和化合物を重合させて、金属成分を全く
含まずまた臭気を残留させないポリマーを、その平均分
子量やその生成分子数を制御し製造する効果的な方法を
提供する。 【解決手段】 特定のホスファゼニウム化合物の存在下
に、または該ホスファゼニウム化合物および活性水素化
合物の存在下に、極性不飽和化合物を重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極性不飽和化合物
のアニオン重合によるポリマーの製造法に関する。これ
らのポリマーおよびコポリマーは、高分子材料または機
能性高分子の原料等として極めて重要な重合体である。
【0002】
【従来の技術】極性不飽和化合物のアニオン重合に関し
ては、古くから膨大な数の研究が行われており、これま
でに様々な技術が開発されている(例えば、鶴田禎二
著、”講座重合反応論4 アニオン重合”、12頁、化
学同人(1973年)や新高分子実験学第2巻、”新高
分子の合成・反応(1)−付加系高分子の合成−”、1
65頁〜196頁、共立出版株式会社(1995年)な
ど)。
【0003】これらのうち金属を含む触媒としては、ア
ルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の金属またはそれ
らの化合物、典型金属錯体や希土類金属錯体等が、極性
不飽和化合物をアニオン重合(または求核的重合)させ
ることはよく知られている。しかしながらこれらの金属
を含む触媒で得られるポリマーの諸物性や熱安定性は、
残留する金属成分によって著しい影響を蒙る場合多く,
そのためこれらのポリマーの製造にあたってはこれらの
金属成分を充分に除去する特別の方法や煩雑な工程が必
要となっている。
【0004】一方金属を含まない触媒としては、アミン
化合物類、四級アンモニウム塩類や四級ホスホニウム塩
類等がアニオン重合させることも公知である。しかしな
がらアミン化合物類は重合活性が充分でないうえ生成ポ
リマー中にアミン系の臭気が残留するなどの、また四級
アンモニウム塩類や四級ホスホニウム塩類等は、不安定
なためそれらを低温保存する必要があるうえに、重合反
応中に該触媒が分解するなどの問題を抱えている。
【0005】また非金属触媒系としてホスファゼン化合
物の存在下に、メタクリル酸メチルを重合させた例が知
られている(T. Pietzonka, D. Seebach, Angew. Chem.
Int. Ed. Engl. 1993, 35, 716 )。しかしながらこの
方法におけるホスファゼン化合物は、強い塩基性を有す
る有効な触媒ではあるが、そのようなホスファゼン化合
物を合成するには、複雑な工程を経る必要があるし、そ
のうえ強い塩基性を持たせるために例えばカリウムアミ
ドなどの更に強い塩基性化合物を使用せねばならず(Na
chr. Chem. Lab. 1990, 38, 1216)、工業的には決して
有利なものではない。またその強い塩基性のため、空気
中の炭酸ガスで変質しやすいなど取り扱い上にも問題が
ある。
【0006】更には比較例1で示すように、上記文献を
参考に該ホスファゼン化合物を用いてメタクリル酸メチ
ルを重合させて得られたポリ(メタクリル酸メチル)
は、数平均分子量が64,400と8,800の二種類
のポリマーの混合物であることが判った。また比較例2
にも示すように、メタクリロニトリルを重合させて得ら
れたポリ(メタクリロニトリル)も2種類のポリマーの
混合物であった。これらの結果は該ホスファゼン化合物
を触媒とする重合反応が精密に制御されていないことを
示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極性
不飽和化合物のアニオン重合において、製造が容易で、
更に保存法や重合中の分解等の取扱いに特に問題なく、
金属成分を全く含まず高活性で、しかも生成ポリマー中
に臭気を残留させず、重合反応制御性に優れた触媒を見
出し、その触媒を用いてポリマーを効率的に製造する方
法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を続けた結果、式(1)で表さ
れるホスファゼニウム化合物が、その保存方法や重合中
の分解等に問題なく、しかも極性不飽和化合物のアニオ
ン重合に高い触媒活性を示し、その重合反応は活性水素
化合物の有無に関わらずリビング的に進行し、生成する
ポリマーの平均分子量のみならず生成するポリマーの分
子数をも精密に制御できる等の、極めて効果的な触媒で
あることを見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は式(1)(化2)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Z-は活性水素化合物からプロト
ンが離脱して導かれる形の活性水素化合物のアニオンで
ある。a、b、cおよびdはそれぞれ1または0である
が、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の炭
素数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子
上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合も
ある。)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下
に、または該ホスファゼニウム化合物および活性水素化
合物の存在下に、少なくとも極性不飽和化合物を含む単
量体をアニオン重合させることを特徴とするポリマーの
製造方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の方法において、不飽和基
とはアルケンから誘導される1価から4価の不飽和基で
あり、また極性不飽和化合物とは、カルボニル基、シア
ノ基およびピリジル基から成る群から選ばれる極性官能
基と不飽和基とを同一分子内に併せ持つ化合物であり、
且つ両者が直接的もしくは間接的に共役系を形成してい
る化合物である。
【0013】これらの化合物としては、例えば、(1)
(メタ)アクリル酸エステル類、(2)(メタ)アクリ
ロニトリル類、(3)アクリルアミド類、(4)ビニル
ピリジン類、(5)N−置換マレイミド類、(6)ビニ
ルケトン類または(7)スチレン誘導体類等が挙げら
る。この他、本発明の方法でアニオン重合できる極性不
飽和化合物であれば如何なるものでも構わない。
【0014】具体的に例示すれば、(1)(メタ)アク
リル酸エステル類とは、アクリル酸もしくはメタクリル
酸のエステル類である。それらは、例えば (1)− 1価のアルコール類とアクリル酸もしくは
メタクリル酸とのモノエステル類、例えばメチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、
ステアリルメタクリレート、1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリ
レート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレー
ト、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、
1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフルオロデシルア
クリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタアクリレート、イソホニルアク
リレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベン
ジルアクリレートまたはβ−フェニルエチルメタクリレ
ート等が例示される。
【0015】(1)−一末端がエーテル結合で保護さ
れた2価アルコール類とアクリル酸もしくはメタクリル
酸とのモノエステル類、例えば、2−メトキシエチルア
クリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−
フェノキシエチルアクリレート、2−ジシクロペンテニ
ルオキシエチルアクリレート、1−メトキシ−2−プロ
ピルメタクリレート、3−メトキシプロピルアクリレー
ト、4−エトキシブチルメタクリレート、6−メトキシ
ヘキサメチルアクリレート、メトキシジエチレングリコ
ールアクリレート、フェノキシジプロピレングリコール
メタクリレート、エトキシトリプロピレングリコールメ
タクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリ
レートまたはメトキシポリプロピレングリコールメタク
リレート等が例示される。
【0016】(1)−2価以上の多価アルコール類の
全てのヒドロキシ基とアクリル酸もしくはメタクリル酸
がエステル化している多価エステル類、例えば、エチレ
ングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−プロ
パンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメ
タクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリ
コールジアクリレートまたはポリプロピレングリコール
ジメタクリレート、更には、グリセリントリアクリレー
ト、グリセリントリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、ポリ(エチレンオキシド)トリオールトリアク
リレート、ポリ(プロピレンオキシド)トリオールトリ
アクリレートまたはポリ(プロピレンオキシド)トリオ
ールトリメタアクリレート等が例示される。
【0017】(1)−エステル結合を含むアルコール
類とアクリル酸もしくはメタクリル酸とのエステル類、
例えば2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート、2−
ベンゾイルオキシエチルメタアクリレート、2−アセチ
ルオキシアクリレート、5−テトラヒドロフルフリルオ
キシカルボニルペンチルアクリレート、5−テトラヒド
ロフルフリルオキシカルボニルペンチルメタアクリレー
ト、2,2,6,6−テトラメチルー4−オキシ−5−
オキサ−ヘプタン−1,7−ジイル−ジアクリレート等
が例示される。
【0018】(1)− 環状アセタール結合を有する
アルコール類とアクリル酸もしくはメタクリル酸とのエ
ステル類、例えば、2−ターシャル−ブチル−1,3−
ジオキシシクロペンタン−2’−イルメタアクリレート
または2−ターシャル−ブチル−5−エチル−5−ビニ
ルカルボニルオキシメチル−1,3−ジオキシシクロヘ
キサン−2’(2)−イルアクリレート等が例示され
る。
【0019】(1)− オキシスクシンイミドとアク
リル酸もしくはメタクリル酸とのエステル類、例えば、
N−オキシスクシンイミドアクリレートまたはN−オキ
シスクシンイミドメタクリレートなどが例示される。
【0020】(1)− 2級アミノ基を有するアルコ
ール類とアクリル酸もしくはメタクリル酸とのエステル
類、例えば2−ジメチルアミノエチルアクリレートまた
は2−エチルプロピルアミノエチルメタクリレート等が
例示される。
【0021】(1)− シアノ基を有するアルコール
類とアクリル酸もしくはメタクリル酸とのエステル類、
例えば2−シアノエチルアクリレートまたは2−シアノ
プロピルメタクリレートなどが例示される。
【0022】(2)(メタ)アクリロニトリル類として
はアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルが挙げら
れる。
【0023】(3)アクリルアミド類とは、アクリルア
ミド、N−一置換もしくはN,N−二置換のアクリルア
ミド類である。それらは、例えば、アクリルアミドが例
示される。
【0024】(3)−N−一置換のアクリルアミド
類、例えばN−メチルアクリルアミド、N−エチルアク
リルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチル
アクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−フ
ェニルアクリルアミド、N−グリシジルアクリルアミド
またはN,N’−エチレンビスアクリルアミド等が例示
される。
【0025】(3)−N,N−二置換のモノアクリル
アミド類、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N−エチル−N−メチルアクリルアミド、N,N−ジエ
チルアクリルアミド、N,N−ジ−ノルマル−プロピル
アクリルアミド、N,N−ジオクチルアクリルアミド、
N,N−ジフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−
グリシジルアクリルアミド、N,N−ジグリシジルアク
リルアミド、N−メチル−N−(4−グリシジルオキシ
ブチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(5−グリ
シジルオキシペンチル)アクリルアミド、N−メチル−
N−(6−グリシジルオキシヘキシル)アクリルアミ
ド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイル−
L−プロリンメチルエステル、N−アクリロイルピペリ
ジン、N−アクリロイルモルホリンまたは1−アクリロ
イルイミダゾール等が例示される。
【0026】(3)− N,N’−二置換のビスアク
リルアミド類、例えばN,N’−ジエチル−N,N’−
エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジメチル−
N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミドまたはジ
(N,N’−エチレン)ビスアクリルアミド等が例示さ
れる。
【0027】(4)ビニルピリジン類としては、例えば
2−ビニルピリジン、2−イソプロペニルピリジンまた
は4−ビニルピリジン等のビニルもしくはイソプロペニ
ル置換ピリジン類が例示される。
【0028】(5)N−置換マレイミド類としては、例
えば(5)−N−脂肪族置換マレイミド類、例えばN
−メチルマレイミドまたはN−エチルマレイミド等が例
示される。
【0029】(5)−N−芳香族置換マレイミド類、
例えばN−フェニルマレイミドまたはN−(4−メチル
フェニル)マレイミド等が例示される。
【0030】(6)ビニルケトン類としては、例えばメ
チルビニルケトン、イソプロペニルメチルケトン、エチ
ルビニルケトン、エチルイソプロペニルケトン、ブチル
ビニルケトンまたはフェニルビニルケトン等が例示され
る。
【0031】(7)スチレン誘導体類としては、例えば
p−メトキシカルボニルスチレン、p−ターシャリー−
ブトキシカルボニルスチレンまたはp−シアノスチレン
等が例示される。
【0032】これらの極性不飽和化合物は、本発明の方
法を阻害しなければ、上述以外のいかなる置換基を有し
ていてもよい。
【0033】これらの極性不飽和化合物のうち、1分子
中に2個以上の不飽和基を有する極性不飽和化合物は、
そのもの自体での重合では高度に架橋されたポリマーを
与えるが、1個の不飽和基を有する極性不飽和化合物と
の共重合により、1個の不飽和基を有する極性不飽和化
合物の重合体の主鎖どおしを架橋させるのにより適して
いる。
【0034】これらの極性不飽和化合物のうち、好まし
くは、 (1)−例えばメチルアクリレート、メチルメタクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、ラウリルアクリレート、ステアリルメタクリレ
ート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプ
ロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,2−ト
リフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフル
オロエチルメタクリレート、1H、1H、2H、2H−
ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、アリルアクリ
レート、アリルメタクリレート、シクロヘキシルメタア
クリレート、イソホニルアクリレート、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、ベンジルアクリレートまたはβ
−フェニルエチルメタクリレート等のような1価のアル
コール類とアクリル酸もしくはメタクリル酸とのモノエ
ステル類。
【0035】(1)−例えば、2−メトキシエチルア
クリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−
フェノキシエチルアクリレート、2−ジシクロペンテニ
ルオキシエチルアクリレート、1−メトキシ−2−プロ
ピルメタクリレート、3−メトキシプロピルアクリレー
ト、4−エトキシブチルメタクリレート、6−メトキシ
へキシルアクリレート、メトキシジエチレングリコール
アクリレート、フェノキシジプロピレングリコールメタ
クリレート、エトキシトリプロピレングリコールメタク
リレート、エトキシポリエチレングリコールアクリレー
トまたはメトキシポリプロピレングリコールメタクリレ
ート等のような一末端がエーテル結合で保護された2価
アルコール類とアクリル酸もしくはメタクリル酸とのモ
ノエステル類。
【0036】(1)−例えば、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリ
コールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジ
メタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピ
レングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリ
レート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、
更には、グリセリントリアクリレート、グリセリントリ
メタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリ(エチ
レンオキシド)トリオールトリアクリレート、ポリ(プ
ロピレンオキシド)トリオールトリアクリレートまたは
ポリ(プロピレンオキシド)トリオールトリメタアクリ
レート等のような2価以上の多価アルコール類の全ての
ヒドロキシ基とアクリル酸もしくはメタクリル酸がエス
テル化している多価エステル類である。
【0037】(2)アクリロニトリルまたはメタクリロ
ニトリルである。
【0038】(3)−例えば、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N−エチル−N−メチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジ−ノルマ
ル−プロピルアクリルアミド、N,N−ジオクチルアク
リルアミド、N,N−ジフェニルアクリルアミド、N−
エチル−N−グリシジルアクリルアミド、N,N−ジグ
リシジルアクリルアミド、N−メチル−N−(4−グリ
シジルオキシブチル)アクリルアミド、N−メチル−N
−(5−グリシジルオキシペンチル)アクリルアミド、
N−メチル−N−(6−グリシジルオキシヘキシル)ア
クリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アク
リロイル−L−プロリンメチルエステル、N−アクリロ
イルピペリジン、N−アクリロイルモルホリンまたは1
−アクリロイルイミダゾール等のようなN,N−二置換
のモノアクリルアミド類である。
【0039】(4)例えば2−ビニルピリジン、2−イ
ソプロペニルピリジンまたは4−ビニルピリジン等のビ
ニルもしくはイソプロペニル置換ピリジン類である。
【0040】(5)−例えばN−フェニルマレイミド
またはN−(4−メチルフェニル)マレイミド等のN−
芳香族置換マレイミド類であり、および(6)例えばメ
チルビニルケトン、イソプロペニルメチルケトン、エチ
ルビニルケトン、エチルイソプロペニルケトン、ブチル
ビニルケトンまたはフェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類である。
【0041】より好ましくは、上述の(1)− 1価
のアルコール類とアクリル酸もしくはメタクリル酸との
モノエステル類、上述の(1)− 一末端がエーテル
結合で保護された2価アルコール類とアクリル酸もしく
はメタクリル酸とのモノエステル類または上述の(1)
− 2価以上の多価アルコール類の全てのヒドロキシ
基とアクリル酸もしくはメタクリル酸がエステル化して
いる多価エステル類であり、(2)アクリロニトリルま
たはメタクリロニトリルであり、および上述の(3)−
N,N−二置換のモノアクリルアミド類である。
【0042】本発明の方法において、これらの極性不飽
和化合物は、単独でも、複数のものを併用してもよい
し、またこれらの極性不飽和化合物とアルキレンオキシ
ド類ともできる。このようにして複数のモノマーの共重
合体を製造することができる。
【0043】併用する場合のアルキレンオキシド化合物
としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキ
シド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エ
ピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシ
ジルエーテル、アリルグリシジルエーテルまたはフェニ
ルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物が挙げられ
る。これらのうち、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、1,2−ブチレンオキシドおよびスチレンオキシ
ドが好ましく、プロピレンオキシドまたはエチレンオキ
シドがより好ましい。プロピレンオキシドが更に好まし
い。
【0044】併用する場合には、複数の極性不飽和化合
物を、または単独もしくは複数の極性不飽和化合物と単
独もしくは複数のアルキレンオキシド化合物、同時に併
用する方法、順次に使用する方法または順次を繰り返し
て行なう方法などがとり得る。複数のモノマーを同時に
併用して重合させると、それらの化合物の反応性の差に
もよるが、比較的ランダム性の高い共重合体が得られ、
2種以上のモノマーを順次に重合させると、2種以上の
ブロックを含むブロック共重合体が得られる。そのよう
な順次併用を繰り返せばさらに複雑な共重合体が得られ
る。
【0045】なかでも、極性不飽和化合物とアルキレン
オキシド化合物を順次に併用して、それらの複数のモノ
マーからなるブロック共重合体を製造することは好まし
い。その際のアルキレンオキシド化合物がプロピレンオ
キシドまたはエチレンオキシドであることがより好まし
く、プロピレンオキシドであることが更に好ましい。
【0046】更には、上述の極性不飽和化合物には、例
えばアクリルアミドや、アクリル酸エステル類等のよう
な活性水素を有する化合物や重合させることによって新
たに活性水素を持って活性水素化合物となり得る化合物
が含まれる。このような極性不飽和化合物を式(1)で
表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、重合させ
ることによってより複雑な重合体や共重合体を製造する
ことができる。
【0047】本発明の方法においては、式(1)で表さ
れるホスファゼニウム化合物の存在下に、または該ホス
ファゼニウム化合物および活性水素化合物の存在下に、
少なくとも極性不飽和化合物をアニオン重合させる。
【0048】本発明の方法における式(1)で表される
ホスファゼニウム化合物中のカチオンはその電荷が中心
のりん原子上に局在する極限構造式で代表しているが、
これ以外に無数の極限構造式が描かれ実際にはその正電
荷は全体に非局在化している。 式(1)で表されるホ
スファゼニウム化合物中のRは、同種または異種の、炭
素数1ないし10個の炭化水素基であり、具体的には、
このRは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、2−ブテニル、1−ペンチル、2−ペン
チル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、イソペ
ンチル、tert−ペンチル、3−メチル−2−ブチ
ル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチル−2−ペ
ンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ヘプチ
ル、3−ヘプチル、1−オクチル、2−オクチル、2−
エチル−1−ヘキシル、1,1−ジメチル−3,3−ジ
メチルブチル(通称、tert−オクチル)、ノニル、
デシル、フェニル、4−トルイル、ベンジル、1−フェ
ニルエチルまたは2−フェニルエチル等の脂肪族または
芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−
ブチル、tert−ペンチルまたは1,1−ジメチル−
3,3−ジメチルブチル等の炭素数1ないし8個の脂肪
族炭化水素基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0049】また化学式(1)で表されるホスファゼニ
ウム化合物中の同一窒素原子上の2個のRが互いに結合
して窒素原子をも含んで環構造を形成する場合の環状ア
ミノ基は、環に4ないし6個の炭素原子を含む環状二級
アミノ基であり、−NR2は窒素原子を含んだ5ないし
7員環の環状二級アミノ基となる。それらの環状二級ア
ミノ基としては、例えばピロリジン−1−イル基、ピペ
リジン−1−イル基またはモルホリン−4−イル基等で
あり、さらにはそれらにメチルまたはエチル等のアルキ
ル基が置換したものである。好ましくは、無置換のピロ
リジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基またはモ
ルホリン−4−イル基である。 化学式(1)で表され
るホスファゼニウム化合物中の、可能な全ての窒素原子
についてこのような環構造をとっていても構わないし、
一部であってもよい。
【0050】本発明における化学式(1)で表されるホ
スファゼニウム化合物中のa、b、cおよびdは、それ
ぞれ1または0である。ただし全てが同時に0ではな
い。これらのうち好ましくは、a、b、cおよびdが、
その順序に関わらず、(1,1,1,1)または(0,
1,1,1)の組み合わせの中の数である。より好まし
くは、(1,1,1,1)の組み合わせの中の数であ
る。
【0051】本発明の方法における化学式(1)で表さ
れるホスファゼニウム化合物中のZ -を与える活性水素
化合物、またはホスファゼニウム化合物および活性水素
化合物の存在下にアニオン重合させる場合に存在させる
活性水素化合物としては、フッ化水素、炭素原子上に活
性水素を有する活性水素化合物、酸素原子上に活性水素
を有する活性水素化合物、窒素原子上に活性水素を有す
る活性水素化合物または硫黄原子上に活性水素を有する
活性水素化合物等が挙げられる。この他、本発明の方法
を阻害しない限り如何なる活性水素化合物でも構わな
い。
【0052】炭素原子上に活性水素を有する活性水素化
合物を、具体的に例示すれば、シアン化水素;1価のカ
ルボン酸エステル類、例えば酢酸エチル、プロピオン酸
シクロヘキシル、酪酸イソプロピル、イソ酪酸メチル、
イソ酪酸ターシャリーブチル、カプロン酸ヘキシル、ラ
ウリン酸ブチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸エチ
ル、フェニル酢酸メチル、シクロヘキサンカルボン酸メ
チル、1,2−ビス(2−プロピルカルボニルオキシ)
エタンまたは1,2,3−トリス(2−プロピルカルボ
ニルオキシ)プロパン等;多価カルボン酸エステル類、
例えばマロン酸ジメチル、メチルマロン酸ジメチル、こ
はく酸ジエチル、2,3−ジメチルこはく酸ブチル、ア
ジピン酸メチル、スベリン酸エチル、ブタンテトラカル
ボン酸メチル、1,2−ビス(2−メトキシカルボニル
エトキシ)エタン、1,2−ビス(2−エトキシカルボ
ニルプロポキシ)エタン、1,2−ビス(2−エトキシ
カルボニルプロピルメルカプト)エタンまたはN,N,
N’,N’−テトラキス(2−ブトキシカルボニルプロ
ピル)エチレンジアミン等;ケトカルボン酸エステル
類、例えばアセト酢酸エチル、アセト酢酸シクロペンチ
ル、カルバモイル酢酸メチル、2−シクロヘキシルカル
ボニル酢酸エチルまたはベンゾイル酢酸ブチル等;ニト
リル類、例えばアセトニトリル、2−シアノプロパン、
マロノニトリル、メチルマロノニトリル、1,3−ジシ
アノプロパンまたはアジポニトリル等;ケトン類、例え
ばアセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケト
ン、ジシクロヘキシルケトン、アセトフェノンまたはイ
ソプロピルフェニルケトン等が挙げられる。
【0053】酸素上に活性水素を有する活性水素化合物
を、具体的に例示すれば、水;1価値のアルコール類、
例えばメタノール、エタノール、ノルマル−プロパノー
ル、イソプロパノール、ノルマル−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアル
コール、ノルマル−オクチルアルコール、ラウリルアル
コール、セチルアルコール、シクロペンタノール、シク
ロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコー
ル、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、
1−フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノ
ール、シンナミルアルコール、パーフロロ−tert−
ブチルアルコール、α−ヒドロキシイソプロピルフェニ
ルケトン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ンまたはα−ヒドロキシイソブタン酸メチル等;多価ア
ルコール類、例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリス
リトールまたはジペンタエリスリトール等;芳香族ヒド
ロキシ化合物、例えば、フェノール、クレゾール、キシ
レノール、2−ナフトール、2,6−ジヒドロキシナフ
タレンまたはビスフェノールA等の芳香族ヒドロキシ化
合物類等が挙げられる。
【0054】窒素原子上に活性水素を有する活性水素化
合物を、具体的に例示すれば、脂肪族または芳香族一級
アミン類、例えばメチルアミン、エチルアミン、ノルマ
ル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマル−
ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミ
ン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、
ベンジルアミン、β-フェニルエチルアミン、アニリ
ン、o−トルイジン、m−トルイジンまたはp−トルイ
ジン等;脂肪族または芳香族二級アミン類、例えばジメ
チルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジ
−ノルマル−プロピルアミン、エチル−ノルマル−ブチ
ルアミン、メチル−sec−ブチルアミン、ジペンチル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルアニリン
またはジフェニルアミン等;一級もしくは二級アミノ基
を有する多価アミン類、例えばエチレンジアミン、ジ
(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリ(2−
アミノエチル)アミン、N,N’−ジメチルエチレンジ
アミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンまたはジ
(2−メチルアミノエチル)アミン等;飽和環状二級ア
ミン類、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリンま
たは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン等:不飽和
環状二級アミン類、例えば3−ピロリン、ピロール、イ
ンドール、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾールま
たはプリン等:ニ級アミノ基を含む環状の多価アミン
類、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−ト
リアザシクロノナン等:無置換またはN−一置換の酸ア
ミド類、例えばアセトアミド、プロピオンアミド、N−
メチルプロピオンアミド、N−メチル安息香酸アミドま
たはN−エチルステアリン酸アミド等;環状アミド類、
例えばβ−プロピオラクタム、2−ピロリドン、δ−バ
レロラクタムまたはε−カプロラクタム等;ジカルボン
酸のイミド類、例えばこはく酸イミド、マレイン酸イミ
ドまたはフタルイミド等が挙げられる。
【0055】硫黄原子上に活性水素を有する活性水素化
合物としては、1価のチオール類、例えばメタンチオー
ル、エタンチオール、ノルマル−ブタンチオール、ター
シャリー−ブタンチオール、ヘキサンチオール、デカン
チオール、シクロペンチルメルカプタンまたはシクロヘ
キシルメルカプタン等;多価チオール類、例えば1,2
−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、
2,3−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオー
ル、1,2,3−プロパントリチオールまたは2,3−
ジ(メルカプトメチル)−1,4−ブタンジチオール
等;芳香族メルカプト化合物、例えばチオフェノール、
o−チオクレゾール、チオナフトールまたは1,2−ベ
ンゼンジチオール等の芳香族メルカプト化合物類が挙げ
られる。
【0056】活性水素化合物としては、さらには、末端
に活性水素を有するポリ(アルキレンオキシド)類例え
ばポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド
等;末端および/または主鎖中に活性水素を有するポリ
{(メタ)アクリル酸エステル}類、ポリ{(メタ)ア
クリロニトリル}類、ポリ(アクリルアミド)類、ポリ
(ビニルピリジン)類、ポリ(N−置換マレイミド)
類、ポリ(ビニルケトン)類またはポリ(スチレン誘導
体)類さらにポリエステル類、ポリアミド類、ポリラク
チド類およびポリシロキサン類などのポリマー、またそ
れらのコポリマーが挙げられる。
【0057】上述の活性水素化合物には複数個の活性水
素を有する化合物が含まれる。それらの活性水素の全て
が離脱してアニオンに導かれ、それが複数個のホスファ
ゼニウムカチオンとイオン対を形成する場合もあるが、
その一部だけがアニオンとなりイオン対を形成し他の部
位は活性水素が離脱していない場合もある。しかしなが
ら該アニオンが極性不飽和化合物へ付加して生じる新た
なアニオンと活性水素を有する部位との平衡反応が、可
逆的にしかも極めて早く起こるために、アニオンとなら
ずに活性水素が残存している部位や共存させる場合の活
性水素化合物の活性水素を有する部位からもプロトンが
離脱してこれらがアニオンに導かれ、その結果これらの
部位からも重合が開始している。重合が、活性水素を有
する全ての部位から、またはその一部から開始するか否
かは、該活性水素の解離度、導かれたアニオンの反応性
や極性不飽和化合物の種類、あるいは使用する場合の溶
媒の種類等に依存する。
【0058】化学式(1)で表される活性化合物のホス
ファゼニウム化合物中のZ-を与える活性水素化合物
と、ホスファゼニウム化合物および活性水素化合物の存
在下にアニオン重合させる場合に存在させる活性水素化
合物とが、同一であっても異なっていても構わない。ま
た活性水素化合物は単独で用いても複数個同時に用いて
も構わない。
【0059】これらの活性水素化合物のうち、好ましく
は、シアン化水素であり、例えば酢酸エチル、プロピオ
ン酸シクロヘキシル、酪酸イソプロピル、イソ酪酸メチ
ル、イソ酪酸ターシャリーブチル、カプロン酸ヘキシ
ル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸メチル、オレイン
酸エチル、フェニル酢酸メチル、シクロヘキサンカルボ
ン酸メチル、1,2−ビス(2−プロピルカルボニルオ
キシ)エタンまたは1,2,3−トリス(2−プロピル
カルボニルオキシ)プロパン等の1価のカルボン酸エス
テル類であり、例えばマロン酸ジメチル、メチルマロン
酸ジメチル、こはく酸ジエチル、2,3−ジメチルこは
く酸ブチル、アジピン酸メチル、スベリン酸エチル、ブ
タンテトラカルボン酸メチル、1,2−ビス(2−メト
キシカルボニルエトキシ)エタン、1,2−ビス(2−
エトキシカルボニルプロポキシ)エタン、1,2−ビス
(2−エトキシカルボニルプロピルメルカプト)エタン
またはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ブトキシ
カルボニルプロピル)エチレンジアミン等の多価カルボ
ン酸エステル類であり、水、例えばメタノール、エタノ
ール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノ
ルマル−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコ
ール、tert−ペンチルアルコール、ノルマル−オク
チルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコー
ル、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリル
アルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビ
ノール、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアル
コール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルア
ルコール、パーフロロ−tert−ブチルアルコール、
α−ヒドロキシイソプロピルフェニルケトン、α−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトンまたはα−ヒドロ
キシイソブタン酸メチル等の1価のアルコール類であ
り、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトー
ルまたはジペンタエリスリトール等の多価アルコール類
であり、1価のチオール類、例えばメタンチオール、エ
タンチオール、ノルマル−ブタンチオール、ターシャリ
ー−ブタンチオール、ヘキサンチオール、デカンチオー
ル、シクロペンチルメルカプタンまたはシクロヘキシル
メルカプタン等;末端および/または主鎖中に活性水素
を有する、ポリ(アルキレンオキシド)類、ポリ{(メ
タ)アクリル酸エステル}類、ポリ{(メタ)アクリロ
ニトリル}類、ポリ(アクリルアミド)類、ポリ(ビニ
ルピリジン)類、ポリ(N−置換マレイミド)類、ポリ
(ビニルケトン)類またはポリ(スチレン誘導体)類で
あり、またそれらのコポリマー等である。
【0060】これらのホスファゼニウム化合物は、単独
で用いても2種以上を混合して用いてもよい。これらの
ホスファゼニウム化合物は、EP0791600の12
頁から13頁に記載の方法または類似の方法で合成する
ことができる。
【0061】本発明の方法における重合反応の形式は特
に制限されものではない。少なくとも式(1)で表され
るホスファゼニウム化合物と該極性不飽和化合物とを、
有効に接触させうる方法ならいかなる方法でも構わな
い。必要に応じてそれらを一括して仕込む回分法でも、
該極性不飽和化合物を間歇または連続的に供給する方法
でも実施できる。また共重合体を得る場合には所望する
形の共重合体に応じて、それらの複数の極性不飽和化合
物を同時に一括、間歇または連続的に供給する方法や複
数の極性不飽和化合物を順次に使用する方法がとり得
る。該ホスファゼニウム化合物の使用量は特に制限はな
いが、通常、該極性不飽和化合物1モルに対して、1×
10-6ないし1×10-1モルであり、好ましくは、1×
10-4ないし3×10-1モルの範囲である。重合反応の
温度は、用いる該ホスファゼニウム化合物および該極性
不飽和化合物の種類や量等によって一様ではないが、通
常、−50℃ないし250℃であり、好ましくは−20
℃ないし150℃の範囲である。重合反応の圧力は、用
いる該極性不飽和化合物の種類や量および反応温度等に
より一様ではないが、通常、3.0MPa(メガパスカ
ルで表す絶対圧、以降同様)以下であり、好ましくは
0.01〜1.5MPa、より好ましくは0.1ないし
1.0MPaである。
【0062】重合反応の反応時間は、用いる該ホスファ
ゼニウム化合物および該極性不飽和化合物の種類や量
等、反応温度等によって異なるが、通常、50時間以内
であり、好ましくは0.1ないし24時間である。
【0063】該極性不飽和化合物には、通常その保存安
定性を向上させるために重合禁止剤が極微量添加されて
いるが、本発明の方法における重合反応は、場合によっ
ては該禁止剤の存在下に実施することもできる。
【0064】このようにして得られたポリマーの生長末
端は反応性の高い炭素アニオンを有している。そのため
このアニオンに種々の有機化合物を反応させて、その末
端を化学的に修飾することもできる。極性不飽和化合物
をアニオン重合させた後、引き続き反応させる場合の有
機化合物としては、特に制限はないが、アルデヒド類が
好ましい。アルデヒド類を反応させて、少なくとも1個
以上の末端に水酸基を有するポリマーを製造することが
できる。
【0065】反応させる場合のアルデヒド類としては、
例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチ
ルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒ
ド、カプロンアルデヒド、ヘプトアルデヒド、カプリル
アルデヒド、シクロヘキサンカルボアルデヒド、ベンズ
アルデヒドまたは4−クロロベンズアルデヒドが挙げら
れる。これらのうち、例えばアセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデ
ヒド、バレルアルデヒド、カプロンアルデヒド、ヘプト
アルデヒドまたはカプリルアルデヒド等の脂肪族アルデ
ヒド類が好ましく、例えばアセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒ
ド、バレルアルデヒドまたはカプロンアルデヒド等の炭
素数2ないし6個の脂肪族アルデヒド類がより好まし
い。
【0066】本発明の方法における重合反応は極性不飽
和化合物の溶融状態で実施することもできるが、必要な
らば適宜な溶媒を用いることもできる。場合により液は
均一でも懸濁でも構わない。それらの溶媒としては、例
えばn−ヘキサン、n−ヘプタンまたはシクロヘキサン
等の脂肪族または脂環族炭化水素類であり、例えばベン
ゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素類で
あり、例えばクロロベンゼンまたはジクロロベンゼン等
の芳香族ハロゲン化物類であり、例えばジエチルエーテ
ル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコー
ルジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジエチ
ルエーテル等のエーテル類であり、例えばジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランまたは
N、N’−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性
極性溶媒類である。この他、本発明の方法を阻害しない
限り、いかなる溶媒でも構わない。
【0067】重合後、生成したポリマーの末端にはホス
ファゼニウムカチオンが対イオンとして残存している。
安定にポリマーを取り出すため、例えば塩酸、硫酸もし
くはりん酸などの無機酸または例えば酢酸、プロピオン
酸、ベンゼンスルホン酸、もしくはパラトルエンスルホ
ン酸などの有機酸を加え、ホスファゼニウムカチオンを
これらの無機酸または有機酸の塩にすることによって反
応を停止することもできる。
【0068】生成したポリマーは、そのまま次の目的の
ために使用される場合もあるし、また反応停止後、必要
な場合に用いた溶媒を留去して乾固するだけで次の目的
のために使用される場合もあるが、通常は、反応液その
ものを、または乾固体を適宜な溶媒に溶解させた溶液
を、貧溶媒に加えて沈殿化する方法などによって取り出
すことができる。またその沈殿化方法を繰り返して精製
することもできる。
【0069】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、これらは限定的でなく単に説明のためと解される
べきである。
【0070】実施例1重合開始剤(ホスファゼニウム化合物)の合成とその溶
液の調整 200mlのフラスコを十分に乾燥後、窒素雰囲気下で
これに蒸留精製したAldrich社製のメチルトリメ
チルシリルジメチルケテンアセタール:Me2C=C
(OMe)OSiMe3{または[(1−メトキシ−2
−メチル−1−プロペニル)オキシ]トリメチルシラン
とも言う} 2.00g(11.5mmol)と乾燥テ
トラヒドロフラン(以下、THFと略す。)40mlを
加え、撹拌して均一溶液にした。この均一溶液を氷冷
し、これにFluka社から入手した1.01M(Mは
モル濃度を表す。以下同様)のテトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
フルオリド:[(Me2N)3P=N]4+,F-(Me
はメチル基を表す。以下同様)のベンゼン溶液10.9
ml(11.0mmol)を10分かけて滴下した。滴
下後、氷浴を除き、約20分かけて内温を室温に戻し、
室温で1時間撹拌した。
【0071】この反応混合物から、この反応で生成した
トリメチルシリルフルオリド(常圧での沸点は16℃で
ある)と過剰に用いて残るメチルトリメチルシリルジメ
チルケテンアセタール(15mmHgでの沸点は35℃
である)を除去するために、THFおよびベンゼンと共
にこれらを500〜5mmHgの減圧下で溜出させ、式
(1)で表されるホスファゼニウム化合物中のRがメチ
ル基、a,b,cおよびdがそれぞれ1であり、Z−が
イソブタン酸メチルからプロトンが離脱して導かれたア
ニオンであるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウム(1−メトキシ−
2−メチル−1−プロペニル)オキシド:[(Me
2N)3P=N]4+,Me2C=C(OMe)O-を9.
07g得た。収率は98%であった。
【0072】このようにして得られたテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
ニウム(1−メトキシ−2−メチル−1−プロペニル)
オキシド8.41g(10.0mmol)に、その容積
が正確に20.0mlになるまで乾燥THFを加えて
0.50Mの該ホスファゼニウム化合物のTHF溶液を
調整した。
【0073】該ホスファゼニウム化合物の保存安定性試
上記0.50Mの該ホスファゼニウム化合物のTHF溶
液2mlを、窒素雰囲気下に室温で保存した。この保存
液から、1ヶ月後、3ヶ月後および6ヶ月後に各々0.
1mlづつ採取し、これを重水素化トルエンに溶解させ
31P−NMR測定を行った。その結果、該ホスファゼ
ニウム化合物を形成するホスファゼニウムカチオンの中
心のりん原子に相当する5重線およびその周りの4個の
りん原子に相当する2重線のスペクトル以外に、新たな
スペクトルはいずれの場合にも全く観察されなかった。
この結果は、該ホスファゼニウム化合物を室温で6ヶ月
間保存しても全く分解等せず安定であることを示してお
り、その保存法に特に問題がないことを示すものであ
る。
【0074】ポリ(メタクリル酸メチル)の製造例 200mlのフラスコを充分に乾燥後、これに上記で調
整した0.50Mの該ホスファゼニウム化合物のTHF
溶液1.00ml(0.50mmol)と乾燥THF2
5mlを加え撹拌して均一溶液とした。これを0℃まで
冷却し、2.00Mのメタクリル酸メチル(以下、MM
Aと略す)のTHF溶液25ml(5.01g:50.
0mmolのMMAを含む)を、反応温度が25℃を超
えない速度で滴下した。滴下に約15分を要した。滴下
終了後、さらに25℃で1時間撹拌した後、1.0Mの
酢酸のTHF溶液1.00ml(1.00mmol)を
加えて反応を停止した。この反応混合物を微量採取し
て、1,3,5−トリクロロベンゼンを内部標準とした
ガスクロマトグラフィーによる定量分析を行ったとこ
ろ、メタクリル酸メチルは完全に消費されていた。反応
混合物を減圧下で濃縮乾固して、白色固体を5.43g
得た。
【0075】この固体を10mlのTHFに溶解させた
溶液を、300mlのメタノールに注いだ。析出した固
体を濾別し、この固体を10mlのメタノールで2回洗
浄した。得られた固体を室温下10mmHgで6時間乾
燥し、無臭の固体を4.68g得た。この固体の、1
−NMR及び13C−NMRスペクトルは、Aldric
h社製のポリ(メタクリル酸メチル)のものとほぼ同等
であった。
【0076】このポリ(メタクリル酸メチル)を0.5
重量%のTHF溶液にして、THFを展開溶媒としたG
PCカラム(昭和電工社製、shodex−KF−80
3Lとshodex−KF−804Lとの2本連結)を
用い、ポリ(メタクリル酸メチル)を標準ポリマーとし
たGPC分析で解析したところ、ホスファゼニウム化合
物と消費MMAから計算される理論数平均分子量10,
100{算出式:数平均分子量=イソブタン酸メチルの
分子量+(消費MMAのモル数/ホスファゼニウム化合
物のモル数)xMMAの分子量、即ち102+(50m
mol/0.5mmol)x100、以下同様)に対し
て、得られたポリ(メタクリル酸メチル)の数平均分子
量は10,300であり理論値とよく一致していた。さ
らに分子量分布(Mw/Mn)は1.06と極めて狭く、
このポリマーが単分散性ポリマーであることが判った。
【0077】メタクリル酸メチルのリビング重合 該ホスファゼニウム化合物によるMMAのリビング重合
性を確認するために、MMAを上記のポリ(メタクリル
酸メチル)の製造例をも含めて5段階で重合させた。<
1段階目>は上記のポリ(メタクリル酸メチル)の製造
例である。<2〜5段階目>上記のポリ(メタクリル酸
メチル)の製造例における2.00Mのメタクリル酸メ
チルのTHF溶液の使用量を、2段階目ではその2倍
に、3段階目ではその3倍に、4段階目ではその4倍
に、5段階目ではその5倍に代え、各段階で該溶液を滴
下するのに要した時間が各々約25、約40分、約50
分、約60分に変わった以外は上記のポリ(メタクリル
酸メチル)の製造例と全く同様にした。いずれの系にお
いてもMMAは完全に消費されいた。
【0078】各段階で得られたポリ(メタクリル酸メチ
ル)の数平均分子量と分子量分布は、2段階目が20,
900(理論数平均分子量20,100)と1.14で
あり、3段階目が28,600(理論数平均分子量3
0,100)と1.25であり、4段階目が41,50
0(理論数平均分子量40,100)と1.21であ
り、5段階目が48,100(理論数平均分子量50,
100)と1.17であった。 図1に示すように、各
段階で得られたポリマーの数平均分子量は、理論数平均
分子量とかなり良い一致を示している。理論平均分子量
に対するズレは理論平均分子量の5%以内であった。更
に得られたポリマーの分子量分布は1.06〜1.25
であり、単分散性ポリマーであることが判った。
【0079】これらの結果は、該ホスファゼニウム化合
物によるMMAの重合がリビング重合で進行しているこ
とを示している。
【0080】比較例1 T. PietzonkaおよびD. Seebachらの文献の717頁の表
1と実験項を参考に、以下のように実施した。
【0081】200mlのフラスコを充分に乾燥後、こ
れにイソブタン酸メチル(0.55mmol)と乾燥T
HF24mlを加え撹拌して均一溶液とした。これに、
Fluka社製の1.02Mの該文献で使用されたホス
ファゼン化合物:[(Me2N)3P=N]3P=NH−
t−Buのヘキサン溶液を濃縮乾固し乾燥THFを加え
0.50Mとした溶液1.00ml(0.50mmo
l)を添加して、ターシャリー−ブチルトリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウム(1−メトキシ−2−メチル−1−プロペニル)オ
キシド:[(Me 2N)3P=N]3P+NH−t−Bu,
Me2C=C(OMe)O-の溶液を調整した。この溶液
を0℃まで冷却し、2.00MのMMAのTHF溶液2
5ml(5.01g:50.0mmolのMMAを含
む)を、反応温度が25℃を超えない速度で滴下した。
滴下に約10分を要した。滴下終了後、さらに25℃で
1時間撹拌した後、1.0Mの酢酸のTHF溶液1.0
0ml(1.00mmol)を加えて反応を停止した。
【0082】この反応混合物を微量採取して、ガスクロ
マトグラフィーによる定量分析を行ったところ、メタク
リル酸メチルは完全に消費されていた。反応混合物を減
圧下で濃縮乾固して、白色固体を5.31g得た。この
固体を10mlのTHFに溶解させた溶液を、300m
lのメタノールに注いだ。析出した固体を濾別し、この
固体を10mlのメタノールで2回洗浄した。得られた
固体を室温下10mmHgで6時間乾燥し、無臭のポリ
(メタクリル酸メチル)を4.34g得た。
【0083】このポリ(メタクリル酸メチル)をGPC
分析で解析したところ、理論数平均分子量10,100
に対して、得られたポリ(メタクリル酸メチル)は、数
平均分子量が64,400と8,800の二種類のポリ
マーの混合物であった。さらに分子量分布は2.21と
広いものであった。これらの結果は該ホスファゼン化合
物を触媒とするMMAの重合反応が精密に制御されてい
ないことを示している。
【0084】実施例2 実施例1におけるポリメタクリル酸メチルの製造例で使
用したMMAの代わりにメタクリロニトリル(以下、M
ANと略す)を用い、THFおよびTHF溶液の代わり
にN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略
す)およびDMF溶液を使用した以外は、実施例1にお
けるポリメタクリル酸メチルの製造例と全く同様に行っ
た。MANは完全に消費されていた。得られたポリマー
の数平均分子量は、理論数平均分子量7,730に対し
て、8,160であり、その分子量分布は1.32と狭
いものであった。このようにホスファゼニウム化合物を
触媒とすることにより、MANの重合反応も同様に精密
に制御されていることが判った。
【0085】比較例2 比較例1におけるMMAの代わりにMANを用い、TH
FおよびTHF溶液の代わりにDMFおよびDMF溶液
を使用した以外は、比較例1と全く同様に行った。MA
Nは完全に消費されていた。得られたポリ(メタクリロ
ニトリル)の数平均分子量は、理論数平均分子量7,7
30に対して、450,000と11,200であり、
分子量分布は3.9であった。
【0086】実施例3 実施例1のポリ(メタクリル酸メチル)の製造例と同様
にして得られた均一溶液に、新たに活性水素化合物であ
るイソブタン酸メチル510mg(5.00mmol)
を存在させた以外は、実施例1のポリ(メタクリル酸メ
チル)の製造例と全く同様に重合および停止反応を実施
した。該製造例と同様のガスクロマトグラフィーによる
定量分析を行ったところ、MMAおよびイソブタン酸メ
チルは完全に消費されていた。この反応混合物を減圧下
で濃縮乾固して無色の固体5.93gを得た。
【0087】この固体の一部を採取しFD−マススペク
トル分析を行ったところ、観察された複数のスペクトル
は、MMAの分子量に相当する100の値で等間隔にあ
り、しかも1,102の値のスペクトルを頂点とした正
規分布に近いものであった。この結果は、得られた固体
がポリ(メタクリル酸メチル)であり、その数平均分子
量が1,102の値をもつことを示している。この値
は、用いたホスファゼニウム化合物中の、0.5mmo
lのイソブタン酸メチル(分子量は102である)から
プロトンが離脱して導かれたアニオンと新たに存在させ
た5.00mmolのイソブタン酸メチルから重合反応
過程においてプロトンが離脱して導かれたアニオンとか
ら重合が開始しており、これらのアニオン全てから重合
が開始した場合の理論数平均分子量1,010{算出
式:理論数平均分子量=存在させた活性水素化合物の分
子量+{極性不飽和化合物のモル数/(ホスファゼニウ
ム化合物のモル数+存在させた活性水素化合物のモル
数)}x極性不飽和化合物の分子量、即ち102+{5
0mmol/(0.50mmol+5.00mmo
l)}x100}に極めて近いことが判る。また該製造
例1と同様にGPC解析を行ったところ、このポリマー
の分子量分布は1.08と極めて狭いものであった。
【0088】更には、このようにホスファゼニウム化合
物および活性水素化合物の存在下に重合を行うことによ
って、ホスファゼニウム化合物の分子数と新たに存在さ
せた活性水素化合物の分子数とを合計した分子数に等し
い数のポリマー分子を製造することが可能である。以上
の結果は、触媒の分子数より遥かに多くの数のポリマー
分子を、しかもその平均分子量を制御して製造すること
ができるということであり、工業的に極めて意義深いも
のである。
【0089】実施例4 200mlのフラスコを十分に乾燥後、これに蒸留精製
したMMA10.0g(100mmol)と乾燥THF
40mlを加え、撹拌して均一溶液にした。この均一溶
液を30℃に保温し、これに0.771g(1.00m
mol)の式(1)で表されるホスファゼニウム化合物
中のRがメチル基、a,b,cおよびdがそれぞれ1で
あり、Z-がメタノールからプロトンが離脱して導かれ
たアニオンであるテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムメトキシ
ド:[(Me2N)3P=N]4+-OMeを含むTH
F溶液10mlを加えた。同温度で3時間撹拌した後、
1.0Mの塩化水素のジエチルエーテル溶液2.50m
l(2.50mmol)を加えて反応を停止した。MM
Aの全量が消費されていた。
【0090】反応混合物を500mlのヘキサンに注い
だ。析出した固体を濾別し、この固体を20mlのヘキ
サンで2回洗浄した。得られた固体を室温下10mmH
gで6時間乾燥し、ポリ(メタクリル酸メチル)を無色
の固体として9.51g得た。この固体の数平均分子量
は9,900であり、分子量分布は1.45であった。
【0091】実施例5〜11 実施例4における、MMAの代わりに等モル量(100
mmol)の表1に示す各種の極性不飽和化合物を使用
し、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムメトキシドの代わりに等モ
ル量(1.00mmol)の表1に示す各種ホスファゼ
ニウム化合物を使用し、THFの代わりに同量の表1に
示す溶媒を使用し、反応温度及び反応時間を表1に示す
ように変えた以外は実施例4と全く同様にして、各種極
性不飽和化合物に対応する重合体を得た。実験結果を表
1に示す。
【0092】実施例12 実施例4における、MMAの代わりにN,N−ジメチル
アクリルアミドを使用し、反応温度及び反応時間を0℃
及び6時間に変え、ヘキサンの代わりにジエチルエーテ
ルを使用した以外は実施例4と全く同様にした。N,N
−ジメチルアクリルアミドの消費率は99%であり、ポ
リ(N,N−ジメチルアクリルアミド)を無臭の固体と
して9.56g得た。このものの数平均分子量は8,7
00であり、分子量分布は1.38であった。
【0093】実施例13 実施例4における、MMAの代わりに同量(100mm
ol)のN−アクリロイルモルホリンを使用し、反応温
度及び反応時間を0℃及び6時間に変え、ヘキサンの代
わりに同量のジエチルエーテルを使用した以外は実施例
4と全く同様にした。N−アクリロイルモルホリンの消
費率は96%であり、ポリ(N−アクリロイルモルホリ
ン)を無臭の固体として12.7g得た。このものの数
平均分子量は12,600であり、分子量分布は1.6
7であった。
【0094】実施例14 実施例4におけるMMAの代わりに同量(100mmo
l)の2−ビニルピリジンを使用し、反応温度及び反応
時間を50℃及び6時間に変えた以外は実施例4と全く
同様に反応させて反応混合物を得た。2−ビニルピリジ
ンの消費率は94%であった。この反応混合物を500
mlのヘキサンに注いだ。不溶の油状物質を分液採取
し、これに新たにヘキサン20mlを加えて10分間激
しく撹拌した。撹拌を停止し、静置後不溶の油状物質を
再度分液採取した。これを室温下10mmHgで6時間
保って、ポリ(2−ビニルピリジン)を無臭の油状物質
として9.35g得た。このものの数平均分子量は1,
400であり、分子量分布は1.45であった。
【0095】実施例15 実施例4における、MMAの代わりに同量(100mm
ol)のN−フェニルマレイミドを使用し、反応時間を
6時間に変えた以外は実施例4と全く同様に反応させて
反応混合物を得た。N−フェニルマレイミドの消費率は
92%であった。この反応混合物を0℃に冷却し同温度
で15時間放置した。析出した固体を濾別し、この固体
をTHF20mlで2回洗浄した。得られた固体を室温
下10mmHgで6時間乾燥し、ポリ(N−フェニルマ
レイミド)を無臭の固体として15.1g得た。このも
のの数平均分子量は6,200であり、分子量分布は
1.32であった。
【0096】実施例16 200mlのフラスコを十分に乾燥後、これに蒸留精製
した1,4−ブタンジオールジアクリレート9.90g
(50.0mmol)と乾燥THF40mlを加え、撹
拌して均一溶液にした。この均一溶液を30℃に保温
し、これに0.771g(1.00mmol)のテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムメトキシドを含むTHF溶液10ml
を加えた。約2分後から徐々に反応液の粘性が増し、2
時間後には反応液全体がゼリー状に固化した。この固化
物を50℃、5mmHgで濃縮乾固して、無臭の固体を
9.75g得た。この固体は、通常使用する溶媒には不
溶であり、このものの平均分子量を測定することはでき
なかった。
【0097】実施例17 200mlのフラスコを十分に乾燥後、これに蒸留精製
した第1種の極性不飽和化合物であるMMA5.00g
(50.0mmol)、第2種の極性不飽和化合物であ
るN,N−ジメチルアクリルアミド4.96g(50.
0mmol)と乾燥THF40mlを加え、撹拌して均
一溶液にした。この均一溶液を30℃に保温し、これに
1.07g(1.00mmol)の式(1)で表される
ホスファゼニウム化合物中のRがメチル基およびオクチ
ル基、a,b,cおよびdがそれぞれ1であり、Z-
メタノールからプロトンが離脱して導かれたアニオンで
あるトリス(n−オクチルメチルアミノ)ホスホラニリ
デンアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
ニリデンアミノ]ホスホニウムメトキシド:[(Me2
N)3P=N]3[(n−Oct(Me)N)3P=N]
+-OMe(n−Octはn−オクチル基を表す。)
を含むTHF溶液10mlを加えた。
【0098】同温度で3時間撹拌した後、1.0Mの塩
化水素のジエチルエーテル溶液2.50ml(2.50
mmol)を加えて反応を停止した。MMA及びN,N
−ジメチルアクリルアミドの消費率はそれぞれ98%及
び95%であった。その後、反応混合物を500mlの
ヘキサンに注いだ。析出した固体を濾別し、この固体を
20mlのヘキサンで2回洗浄した。得られた固体を室
温下10mmHgで6時間乾燥し、無臭の固体を9.0
8g得た。この固体はMMAとN,N−ジメチルアクリ
ルアミドとが約1:1のモル比で無秩序に重合したラン
ダム共重合体であった。このものの数平均分子量は1
0,500であった。
【0099】実施例18 200mlのフラスコを十分に乾燥後、これに蒸留精製
した第1種の極性不飽和化合物であるMMA5.00g
(50.0mmol)と乾燥THF40mlを加え、撹
拌して均一溶液にした。この均一溶液を30℃に保温
し、これに0.771g(1.00mmol)のテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムメトキシドを含むTHF溶液10ml
を加えた。同温度で1時間撹拌した後、これに30℃で
第2種の極性不飽和化合物であるN,N−ジメチルアク
リルアミド4.96g(50.0mmol)を含むTH
F溶液10mlを加えた。更に3時間撹拌させた後、
1.0Mの塩化水素のジエチルエーテル溶液2.50m
l(2.50mmol)を加えて反応を停止した。
【0100】MMA及びN,N−ジメチルアクリルアミ
ドの消費率はそれぞれ99%及び98%であった。その
後反応混合物を500mlのヘキサンに注いだ。析出し
た固体を濾別し、この固体を20mlのヘキサンで2回
洗浄した。得られた固体を室温下10mmHgで6時間
乾燥し、無臭の固体を9.33g得た。この固体はポリ
(メタクリル酸メチル)−ポリ(N,N−ジメチルアク
リルアミド)のブロックを有し、ポリ(メタクリル酸メ
チル)とポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)のブ
ロックを約1:1の割合(モル比)で含んだブロック共
重合体であった。このものの数平均分子量は11,20
0であり、分子量分布は1.43であった。
【0101】実施例19 実施例18における第1種の極性不飽和化合物であるM
MAの代わりに等モル量のN,N−ジメチルアクリルア
ミドを、第2種の極性不飽和化合物であるN,N−ジメ
チルアクリルアミドの代わりにプロピレンオキシドを用
いた以外は、実施例18と全く同様に行って、ポリ
(N,N−ジメチルアクリルアミド)とポリ(プロピレ
ンオキシド)のブロックを有するポリ(N,N−ジメチ
ルアクリルアミド)−ポリ(プロピレンオキシド)モノ
オールを7.56g得た。このものの数平均分子量は
8,980であり、分子量分布は1.63であった。
【0102】実施例20 実施例4と同様にして得られた均一溶液に、新たにラジ
カル重合禁止剤であるヒドロキノン5.00mg(MM
Aの重量に対して500ppmに相当する)を加えた以
外は全て実施例4と同様にした。MMAの消費率は99
%であり、ポリ(メタクリル酸メチル)を無臭の固体と
して9.56g得た。このものの数平均分子量は9,7
80であり、分子量分布は1.57であった。
【0103】実施例21 実施例3において使用したホスファゼニウム化合物の代
わりに等モル量のテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムメトキシド
を使用した以外は、実施例3と全く同様に濃縮乾固まで
の操作を行い、無色の固体を5.78g得た。MMAお
よびイソブタン酸メチルは完全に消費されていた。得ら
れたポリ(メタクリル酸メチル)の数平均分子量は、理
論平均分子量1,010に対して1,150であり、分
子量分布は1.35であった。
【0104】実施例22 実施例3において新たに存在させたイソブタン酸メチル
の代わりに、1.50mmol量のメチルマロン酸メチ
ルを使用した以外は、実施例3と全く同様に濃縮乾固ま
での操作を行って、無色の固体を5.05g得た。MM
Aおよびメチルマロン酸ジメチルの消費率は各々91%
と100%であった。得られたポリ(メタクリル酸メチ
ル)の数平均分子量は、2,470であり、分子量分布
は1.21であった。
【0105】実施例23 実施例3において新たに存在させたイソブタン酸メチル
の代わりに、等モル量の1,2−ビス(イソプロピルカ
ルボニルオキシ)エタンを使用した以外は、実施例3と
全く同様に濃縮乾固までの操作を行って、無色の固体を
4.87g得た。MMAおよび1,2−ビス(イソプロ
ピルカルボニルオキシ)エタンは完全に消費されてい
た。得られたポリ(メタクリル酸メチル)の数平均分子
量は、1,250であり、分子量分布は1.36であっ
た。
【0106】実施例24 実施例3において新たに存在させたイソブタン酸メチル
の代わりに、等モル量の1,3−プロパンジオールを使
用した以外は、実施例3と全く同様に濃縮乾固までの操
作を行って、無色の固体を5.05g得た。MMAおよ
び1,3−プロパンジオールの消費率は各々100%と
87%であった。得られたポリ(メタクリル酸メチル)
の数平均分子量は、1,310であり、分子量分布は
1.63であった。
【0107】実施例25 実施例3において新たに存在させたイソブタン酸メチル
の代わりに、1.50mmol量の平均分子量1,03
0の両末端に水酸基を有するポリ(プロピレンオキシ
ド)を使用した以外は、実施例3と全く同様に濃縮乾固
までの操作を行って、無色の油状物質を6.94g得
た。MMAは完全に消費されていた。得られたポリマー
はポリ(プロピレンオキシド)とポリ(メタクリル酸メ
チル)のブロックを有しており、その数平均分子量は、
3,290であり、分子量分布は1.55であった。
【0108】実施例26 実施例3において使用したMMAの代わりに等モル量の
N,N−ジメチルアクリルアミドを用い、新たに存在さ
せたイソブタン酸メチルの代わりに1.50mmol量
の平均分子量1,030の両末端に水酸基を有するポリ
(プロピレンオキシド)を使用した以外は、実施例3と
全く同様に濃縮乾固までの操作を行って、無色の固体を
6.79g得た。N,N−ジメチルアクリルアミドは完
全に消費されていた。得られたポリマーはポリ(プロピ
レンオキシド)とポリ(N,N−ジメチルアクリルアミ
ド)のブロックを有しており、その数平均分子量は、
3,630であり、分子量分布は1.75であった。
【0109】実施例27 実施例1のポリ(メタクリル酸メチル)の製造例におい
て使用したMMAの代わりにメタクリル酸ターシャリー
−ブチルを用いた以外は、該製造例と全く同様に実施し
て重合反応液を得た。引き続きこれに、ブチルアルデヒ
ド0.040g(0.55mmol)を同温度で加えて
更に1時間攪拌し、1.0Mの酢酸のTHF溶液1.0
0ml(1.00mmol)を加えて反応を停止した。
メタクリル酸ターシャリー−ブチルおよびブチルアルデ
ヒドの消費率は各々100%と92%であった。この反
応混合物を濃縮乾固して、白色固体を5.50g得た。
この固体を10mlのTHFに溶解させた溶液を、30
0mlのメタノールに注いだ。析出した固体を濾別し、
この固体を10mlのメタノールで2回洗浄した。得ら
れた固体を室温下10mmHgで6時間乾燥し、ポリ
(メタクリル酸メチル)の片末端に水酸基を有する無臭
のポリ(メタクリル酸メチル)モノオールを4.55g
得た。このものの数平均分子量と分子量分布は各々1
1,100と1.26であった。
【0110】実施例28 実施例27におけるメタクリル酸ターシャリー−ブチル
の代わりにN,N−ジメチルアクリルアミドを使用した
以外は、実施例27と全く同様に行って、ポリ(N,N
−ジメチルアクリルアミド)の片末端に水酸基を有する
無臭のポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)モノオ
ールを4.21g得た。このものの数平均分子量と分子
量分布は各々12,000と1,66であった。
【0111】実施例29 イソブタン酸メチルに代えて、1,3−プロパンジオー
ル5.00mmol及びα−ヒドロキシイソプロピルフ
ェニルケトン 0.5mmolを用いた以外は実施例3
の方法と同様に行い、この反応混合物を濃縮乾固して、
白色固体を5.17g得た。MMAと1,3−プロパン
ジオールは各々100%消費されていた。得られたポリ
(メチルメタクリレート)の数平均分子量は1060、
分子量分布は1.07であった。少量のα−ヒドロキシ
イソプロピルフェニルケトンの添加によって、1,3−
プロパンジオールの消費率は87%(これは実施例24
での消費率の値である)から100%に向上し、より狭
い分子量分布のポリマーが得られた。
【0112】
【表1】
【0113】
【発明の効果】本発明の方法によれば、極性不飽和化合
物を、製造上や取り扱い上、保存方法や重合中の分解等
に特に問題がなく、更に重合反応制御性に優れた触媒を
用いて重合させて、金属成分を全く含まずまた臭気を残
留させないポリマーを、その平均分子量やその生成分子
数を精密に制御し効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で示したメタクリル酸メチル
の重合がリビング重合であることを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 22/40 C08F 22/40 26/06 26/06 C08G 65/10 C08G 65/10 (72)発明者 清野 真二 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 林 貴臣 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 船木 克彦 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 原 烈 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 水谷 一美 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 (式中、Z-は活性水素化合物からプロトンが離脱して
    導かれる形の活性水素化合物のアニオンである。a、
    b、cおよびdはそれぞれ1または0であるが、全てが
    同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1ない
    し10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個の
    Rが互いに結合して環構造を形成する場合もある。)で
    表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、または該
    ホスファゼニウム化合物および活性水素化合物の存在下
    に、少なくとも極性不飽和化合物を含む単量体をアニオ
    ン重合させることを特徴とするポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 極性不飽和化合物が、カルボニル基、シ
    アノ基およびピリジル基から成る群から選ばれる極性官
    能基と不飽和基とを同一分子内に併せ持つ化合物であ
    り、且つ両者が直接的もしくは間接的に共役系を形成し
    ている化合物である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 極性不飽和化合物が、(メタ)アクリル
    酸エステル類、(メタ)アクリロニトリル類、アクリル
    アミド類、ビニルピリジン類、N−置換マレイミド類、
    ビニルケトン類またはスチレン誘導体類である請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 極性不飽和化合物が、1価のアルコール
    類とアクリル酸もしくはメタクリル酸とのモノエステル
    類、一末端がエーテル結合で保護された2価のアルコー
    ル類とアクリル酸もしくはメタクリル酸とのモノエステ
    ル類または2価以上の多価アルコール類の全てのヒドロ
    キシ基とアクリル酸もしくはメタクリル酸がエステル化
    している多価エステル類であるアクリル酸エステル類、
    アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル、N,N−
    二置換のモノアクリルアミド類、ビニルもしくはイソプ
    ロペニル置換ピリジン類、N−芳香族置換マレイミド類
    またはビニルケトン類である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 式(1)で表されるホスファゼニウム化
    合物中のRが同種または異種の、炭素数1ないし8個の
    脂肪族炭化水素基である請求項1ないし4のいずれかに
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 式(1)で表されるホスファゼニウム化
    合物中のRがメチル基である請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の方法。
  7. 【請求項7】 式(1)で表されるホスファゼニウム化
    合物中の同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して窒
    素原子をも含んで環構造を形成する場合の環状アミノ基
    が、環に4ないし6個の炭素原子を含む環状二級アミノ
    基である請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 式(1)で表されるホスファゼニウム化
    合物中のa,b,cおよびdが、その順序に関わらず
    (1,1,1,1)または(0,1,1,1)の組み合
    わせの中の数である請求項1ないし7のいずれかに記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 式(1)で表されるホスファゼニウム化
    合物中のZ-を与える活性水素化合物、またはホスファ
    ゼニウム化合物および活性水素化合物の存在下にアニオ
    ン重合させる場合に存在させる活性水素化合物が、シア
    ン化水素、1価のカルボン酸エステル類、多価カルボン
    酸エステル類、水、1価のアルコール類、多価アルコー
    ル類、1価のチオール、末端および/または主鎖中に活
    性水素を有するポリ(アルキレンオキシド)類、ポリ
    {(メタ)アクリル酸エステル}類、ポリ{(メタ)ア
    クリロニトリル}類、ポリ(アクリルアミド)類、ポリ
    (ビニルピリジン)類、ポリ(N−置換マレイミド)
    類、ポリ(ビニルケトン)類、ポリ(スチレン誘導体)
    類のポリマーまたはそれらのコポリマーである請求項1
    ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも2以上の極性不飽和化合物
    を併用し、共重合体を製造する請求項1ないし9のいず
    れかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 極性不飽和化合物とアルキレンオキシ
    ド化合物を併用し、共重合体を製造する請求項1ないし
    10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 極性不飽和化合物とプロピレンオキシ
    ド及び/またはエチレンオキシドを併用し、共重合体を
    製造する請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 極性不飽和化合物とアルキレンオキシ
    ド化合物を順次に併用し、ブロック共重合体を製造する
    請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 極性不飽和化合物をアニオン重合させ
    た後、引き続きアルキレンオキシド及び/またはアルデ
    ヒド類を反応させて、少なくとも1個以上の末端に水酸
    基を有するポリマーを製造する請求項1ないし10のい
    ずれかに記載の方法。
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