JP2000281771A - ポリアルキレンオキシドの製造方法 - Google Patents

ポリアルキレンオキシドの製造方法

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JP2000281771A
JP2000281771A JP11091081A JP9108199A JP2000281771A JP 2000281771 A JP2000281771 A JP 2000281771A JP 11091081 A JP11091081 A JP 11091081A JP 9108199 A JP9108199 A JP 9108199A JP 2000281771 A JP2000281771 A JP 2000281771A
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oxide
carbon atoms
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Paraa Hen
パラー ヘン
Kaoru Inoue
薫 井上
Takeaki Kakigano
武明 柿ヶ野
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルキレンオキシド化合物を重合させてポリア
ルキレンオキシドを製造する際に、金属成分を含まず臭
気を残留させない開始剤系を用いてポリアルキレンオキ
シドを簡便かつ効率的に製造する方法を提供することで
ある。 【解決手段】対アニオンをOH-イオンとして計算化学
的に求めた最大静電ポテンシャルが 260kJ/mol以下とな
るホスファゼニウムカチオンと活性水素化合物から導か
れたアニオンからなるホスファゼニウム塩の存在下にア
ルキレンオキシド化合物を重合させることを特徴とする
ポリアルキレンオキシドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアルキレンオキシド
の製造方法に関する。詳しくは対アニオンをOH-とし
て、計算化学的に求めた最大静電ポテンシャルの値が26
0 kJ/mol以下となるホスファゼニウムカチオンと活性水
素化合物から導かれたアニオンからなる塩の存在下、ア
ルキレンオキシド化合物を重合してポリアルキレンオキ
シドを製造する方法に関する。ポリアルキレンオキシド
は有機ポリイソシアネート化合物と反応させて得られる
ポリウレタンフォームやエラストマー等の原料または界
面活性剤などとして用いられる重要な重合体である。
【0002】
【従来の技術】活性水素化合物からプロトンを引抜いて
アニオンにして、対カチオンとの塩を得る方法は古くか
らよく知られており、活性水素化合物の酸性の強さに応
じて様々な方法が用いられている。例えば、カルボン酸
類、ニトロアルカン類、アルコール類またはフェノール
類などはアルカリ金属水酸化物や、場合によってはアル
カリ金属炭酸塩などとの反応で比較的容易に塩を作るこ
とができるし、ケトン類、アルキルニトリル類、シクロ
ペンタジエン類、アミン類、アミド類またはイミド類な
どは、アルカリ金属、アルカリ金属ハイドライド、アル
カリ金属アミドまたはアルカリ金属アルキルなどのアル
カリ金属またはその化合物を用いて、塩にするのが一般
的である。しかしながらこれらの方法で得られる塩は、
活性水素化合物から導かれるアニオンとアルカリ金属カ
チオンとの塩である。活性水素化合物のアニオンの反応
性を効果的にするためには、溶媒に溶解させる必要があ
るが、このようなアルカリ金属カチオンを有する塩を充
分に溶解できる溶媒は極めて限られている。さらにはア
ニオンの反応性はその対であるカチオンの大きさによっ
て大きく影響される場合があるが、このカチオンがアル
カリ金属カチオンに限られるとその大きさも限られてし
まう。
【0003】またアルカリ金属もしくはアルカリ土類金
属水酸化物はその塩基性の故に、有機反応の分野でも極
めて重要な化合物である。これらの水酸化物を有機反応
に用いる際に、その効果をより有効にするためには溶媒
に溶解させることが重要である。しかしながらこれらの
水酸化物は水溶性ではあるが、一般的な有機溶媒には難
溶であり、水を嫌う有機反応には不向きな一面を持って
いる。
【0004】活性水素化合物から導かれるアニオンとア
ルカリ金属カチオンとの塩やアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属水酸化物を用いて有機反応を工業的に行う
には、以上のような問題点があった。
【0005】またアルキレンオキシド化合物の重合でポ
リアルキレンオキシドを製造するに際しては、開始剤系
として、例えば多価アルコール等の活性水素化合物と例
えば水酸化カリウム等の塩基性アルカリ金属化合物との
組み合わせを用いるのが最も一般的であり、工業的にも
実用化されてはいる。しかしながら、重合活性や生成ポ
リマーの物性等の面からより効率的な開始剤系が望まれ
ている。開始剤系のこれ以外の組み合わせについては、
USP3,829,505では、活性水素化合物と例え
ば、Zn3[Fe(CN)62・H2O・ジオキサンで表
される化合物を用いて、プロピレンオキシドからその重
合体を得ることを示しており、特開平2−276821
では、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体で製造したポ
リオールにナトリウムメチラートを反応させた後、エチ
レンオキシドを重合させて重合体を得ることを示してお
り、また特開昭62−232433では、ヒュームドシ
リカのヘキサンスラリーに1,4−ブタンジオールと非
イオン系界面活性剤を加えた分散物にジエチル亜鉛のヘ
キサン溶液を添加して得られた生成物を用いてエチレン
オキシドを重合して重合体を得ることを示している。こ
れらは何れも特別な金属成分を含有しており、生成した
ポリアルキレンオキシド中にこれらの金属成分が残存す
るとポリウレタン製造の際の反応またはポリウレタンの
物性に悪影響を与える場合があるため、ポリアルキレン
オキシドの製造にあたってはこれらの金属成分を充分に
除去する特別の方法や煩雑な工程が必要となっている。
【0006】一方金属を含まない開始剤系としては、特
開昭50−159595では活性水素化合物であるアル
カンポリオールと三ふっ化ほう素のエーテル付加物との
組み合わせでエチレンオキシドからその重合体を得てい
る。しかしこの開始剤系についても重合体中の特異な不
純物がポリウレタンの物性に悪影響を及ぼすことが知ら
れており、充分に除去するには煩雑な工程が必要となっ
ている。また特開昭57−12026ではアルコール類
とアミノフェノールを用いて、アルキレンオキシドの重
合体を得ており、特開昭56−38323ではソルビト
ールとテトラメチルアンモニウムヒドロオキシドを用い
てプロピレンオキシドを重合させている。しかしながら
何れも重合活性が充分でないうえ、アミン系の臭気が残
留するなどの問題を抱えている。また、特開平7−23
3111、特開昭62−62814、特開昭56−38
322及び特開昭56−38323ではアルキレンオキ
シドの重合触媒として同様に4級アンモニウム塩化合物
が提示されている。しかしながら、該特許においては触
媒としての有効性は記載されているが、対アニオン種の
限定されており、更にはその触媒性能の基準も明確とは
言えなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
キレンオキシド化合物を重合させてポリアルキレンオキ
シドを製造する際に、特別な金属成分は含まない、また
はいかなる金属成分も全く含まない、その上臭気を残留
させない開始剤系を用いてポリアルキレンオキシドを簡
便かつ効率的に製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは上記目的を達
成するために鋭意検討を続けてきた結果、一般式(1)
で表される少なくとも1種を触媒として用いることでア
ルキレンオキシドの重合反応が効率的に起こることを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
以下の(1)〜(3)に示すポリアルキレンオキシドの
製造方法である。 (1) 一般式
【0009】
【化2】 (但し、式中、Rはそれぞれ独立に水素、脂肪族炭化水
素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ原子を含む脂肪族炭化
水素基または芳香族炭化水素基であり、Bn-は活性水素
化合物から導かれるアニオンの群から選ばれる少なくと
も1種であり、nは整数である。a、b、c、dは0以上の
整数であり、すべてが同一であっても異なる値であって
もよい。)で表わされるホスファゼニウム塩であり、か
つホスファゼニウムカチオンの対アニオンをOH-とし
て計算化学的に求めた最大静電ポテンシャルの値が260k
J/mol以下となるホスファゼニウム塩の少なくとも1種の
存在下にアルキレンオキシド化合物を付加重合させるこ
とを特徴とするポリアルキレンオキシドの製造方法。
【0010】(2)Bn-が導かれる活性水素化合物が、
水、炭素数1以上20以下のアルコール類、炭素数2以
上20以下であり2以上8以下の水酸基を有する多価ア
ルコール類、糖類またはその誘導体、2以上8以下の末
端を有し且つその末端に1以上8以下の水酸基を有する
分子量100以上50,000以下のポリアルキレンオ
キシド類、炭素数20以下の1級または2級モノアミン
類、炭素数2以上20以下であり2ないし3個の1級ま
たは2級アミノ基を有する多価アミン類、炭素数4ない
し20個の飽和環状2級アミン類および炭素数4以上2
0以下の2ないし3個の2級アミノ基を含む環状の多価
アミン類よりなる群から選ばれる活性水素化合物である
ことを特徴とする(1)記載のポリアルキレンオキシド
の製造方法。 (3)アルキレンオキシド化合物が、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドお
よびスチレンオキシドよりなる群から選ばれる化合物で
ある(1)記載のポリアルキレンオキシドの製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いる一般式(1)で表
されるホスファゼニウム塩を構成するホスファゼニウム
カチオンは、対アニオンをOH-として計算化学的に求
めた最大静電ポテンシャルの値が260kJ/mol以下となる
カチオンである。本発明でいう計算化学的に求めた最大
静電ポテンシャルとは、対アニオンとしてOH-を仮定
し、OH-とカチオンが立体的に近づき得る距離おいて
最も大きな値を示す静電ポテンシャルを指す。本発明に
おいて計算化学的に求めた静電ポテンシャルとは対象と
している分子に対してある距離離れた位置に正電荷を配
置した時に正電荷に対するエネルギーとして計算され、
半経験的分子軌道法のMNDOハミルトニアンを用いて得ら
れた値である。詳しくは、まずカチオンの分子構造とし
て、半経験的分子軌道法のMNDOハミルトニアンを用いて
最適化を行った構造を用いる。静電ポテンシャルを求め
る際、対象とするカチオン分子の表面からアニオンの近
づき得る周りの空間に対して少なくとも0.05オングスト
ローム四方に1点の割合で静電ポテンシャルを求める。
具体的には、MOPAC93を使用し、EF、GNORM=0.5、LET、D
DMIN=0.0のキーワードを用いて構造最適化を行った後、
得られた構造に対しESP、POTWRT、SCALE=1.8、SCINCR=
0.05、NSURF=10のキーワードを用いて特定の空間におけ
る静電ポテンシャルを計算する。
【0012】ここにおいて本発明でいう対アニオンをO
-イオンとして計算化学的に求めたカチオンの最大静
電ポテンシャルとは上記分子軌道法計算により求めた任
意の点の静電ポテンシャルに対し、アニオンとしてOH
-を仮定し、任意の点と分子を構成する全ての原子との
距離を算出し、全ての組み合わせにおいて任意の点とカ
チオン分子を構成する原子の距離が酸素のファンデルワ
ールス半径と分子を構成する原子のファンデルワールス
半径の和より大きい場合の中で静電ポテンシャルの値が
最大となる静電ポテンシャル値である。
【0013】一般式(1)で表わされたホスファゼニウ
ム塩におけるホスファゼニウムカチオン中に示したRは
水素、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ原
子を含む脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であ
り、具体的には水素、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、2−ブテ
ニル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−
ブチル、イソペンチル、tert−ペンチル、3−メチ
ル−2−ブチル、ネオペンチル、4−メチル−2−ペン
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、3−ヘプチ
ル、2−オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、1,1
−ジメチル−3,3−ジメチルブチル(通称、tert
−オクチル)、o-メチルフェニル、o-tert-ブチルフェ
ニル、ジイソプロピルアミノ、ジ-tert-ブチルアミノ、
フェニル、ベンジル、クミル、ナフチル、ピリジル、ジ
ピリジル等の基が挙げられる。本発明におけるホスファ
ゼニウムカチオンは上記したごとく、これらの基から構
成され、更にホスファゼニウムカチオンがOH-イオン
を対アニオンとして計算化学的に計算された最大静電ポ
テンシャルが260kJ/mol以下となることが必須である。
【0014】上記の最大静電ポテンシャルが260kJ/mol
以下となるには一般的にはそのカチオンのイオン半径が
大きいことで達成される。従って、比較的嵩高い基から
なるホスファゼニウムカチオンとなり、必ずしも上記例
示の基における全ての組み合わせで最大静電ポテンシャ
ルが260kJ/mol以下となるとは限らない。また、これら
の基はあくまでも例示したに過ぎず本発明はこれらの基
のみに限定されない。従って、本発明における化学式
(1)で表わされるホスファゼニウム塩のカチオンの中
でOH-イオンを対アニオンとして計算化学的に計算さ
れた最大静電ポテンシャルが260kJ/mol以下となるカチ
オンを具体的に例示すれば、テトラキス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカ
チオン、ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカチオ
ン、テトラキス(ジイソプロピルアミノ)ホスフォニウム
カチオン等が挙げられるが、これらはあくまでも例示し
たに過ぎず、対アニオンををOH -として計算化学的に
求めたカチオンの最大静電ポテンシャルが260kJ/mol以
下となるようなRの組み合わせであれば如何なるホスフ
ァゼニウムカチオンであっても差し支えない。
【0015】本発明において、一般式(1)中のBn-
表されるアニオンを導く活性水素化合物とは、活性水素
が引き抜かれてアニオンを形成する化合物であり、形態
的に活性水素が引き抜かれてアニオンの形態を取るもの
であれば如何なる化合物でも差し支えないが、具体的に
は水が最も一般的な化合物として例示され、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ラウリン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、フェニル酢酸、ジヒドロ桂皮酸
またはシクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、パラメチ
ル安息香酸または2−カルボキシナフタレン等の炭素数
1ないし20個のカルボン酸類、蓚酸、マロン酸、こは
く酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸
酸、ブタンテトラカルボン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット
酸等の炭素数2ないし20個の2ないし6個のカルボキ
シル基を有する多価カルボン酸類、N,N−ジエチルカ
ルバミン酸、N−カルボキシピロリドン、N−カルボキ
シアニリンまたはN,N’−ジカルボキシ−2,4−ト
ルエンジアミン等のカルバミン酸類、メタノール、エタ
ノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、
ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコ
ール、tert−ペンチルアルコール、ノルマル−オク
チルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコー
ル、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリル
アルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビ
ノール、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアル
コール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルア
ルコール等の炭素数1ないし20個のアルコール類、
【0016】エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトー
ルまたはジペンタエリスリトール等の炭素数2ないし2
0個の2ないし8個の水酸基を有する多価アルコール
類、グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラ
クトースまたはシュクロース等の糖類またはその誘導、
フェノール、2−ナフトール、2,6−ジヒドロキシナ
フタレンまたはビスフェノールA等の炭素数6ないし2
0個の1ないし3個の水酸基を有する芳香族化合物類、
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたは
それらのコポリマー等であって2ないし8個の末端を有
しその末端に1ないし8個の水酸基を有する分子量10
0ないし50,000のポリアルキレンオキシド類、メ
チルアミン、エチルアミン、ノルマル−プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン、ノルマル−ブチルアミン、イ
ソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブ
チルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、
β-フェニルエチルアミン、アニリン、o−トルイジ
ン、m−トルイジンまたはp−トルイジン等の炭素数1
ないし20個の脂肪族または芳香族1級アミン類、ジメ
チルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジ
−ノルマル−プロピルアミン、エチル−ノルマル−ブチ
ルアミン、メチル−sec−ブチルアミン、ジペンチル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルアニリン
またはジフェニルアミン等の炭素数2ないし20個の脂
肪族または芳香族2級アミン類であり、
【0017】エチレンジアミン、ジ(2−アミノエチ
ル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、トリ(2−アミノエチル)アミ
ン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−
ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノ
エチル)アミン等の炭素数2ないし20個の2ないし3
個の1級もしくは2級アミノ基を有する多価アミン類、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,
3,4−テトラヒドロキノリン等の炭素数4ないし20
個の飽和環状2級アミン類、3−ピロリン、ピロール、
インドール、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール
またはプリン等の炭素数4ないし20個の不飽和環状2
級アミン類、ピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−
トリアザシクロノナン等の炭素数4ないし20個の2な
いし3個の2級アミノ基を含む環状の多価アミン類、ア
セトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプロピオン
アミド、N−メチル安息香酸アミドまたはN−エチルス
テアリン酸アミド等の炭素数2ないし20個の無置換ま
たはN−一置換の酸アミド類、2−ピロリドンまたはε
−カプロラクタム等の5ないし7員環の環状アミド類、
およびこはく酸イミド、マレイン酸イミドまたはフタル
イミド等の炭素数4ないし10個のジカルボン酸のイミ
ド類等が入手しやすい化合物として例示される。しかし
ながら本発明方法は上記したように水素を引き抜かれて
アニオンを形成する化合物であれば差し支えなく、従っ
てこれらの活性水素化合物のみに限定されないことは無
論である。
【0018】本発明における一般式(1)で表されるホ
スファゼニウム塩は、通常市販試薬を用いることも可能
であるが、ホスファゼニウムカチオンと無機アニオンと
の塩と活性水素化合物のアルカリ金属塩とを反応させる
ことによっても得られる。活性水素化合物のアルカリ金
属塩は、上述の活性水素化合物とアルカリ金属類の金属
または塩基性アルカリ金属化合物とを反応させる通常の
方法が用いられる。
【0019】アルカリ金属類の金属としては、金属リチ
ウム、金属ナトリウム、金属カリウムまたは金属セシウ
ム等が挙げられ、塩基性アルカリ金属化合物としては、
ナトリウムアミドまたはカリウムアミド等のアルカリ金
属のアミド類であり、ノルマル−プロピルリチウム、ノ
ルマル−ブチルリチウム、ビニルリチウム、シクロペン
タジエニルリチウム、α−ナフチルリチウム、エチニル
ナトリウム、ノルマル−ブチルナトリウム、フェニルリ
チウム、シクロペンタジエニルナトリウム、フルオレニ
ルナトリウム、テトラフェニルエチレンジナトリウム、
ナトリウムナフタレニド、エチルカリウム、シクロペン
タジエニルカリウム、フェニルカリウムまたはベンジル
カリウム等の有機アルカリ金属化合物であり、ナトリウ
ムヒドリドまたはカリウムヒドリド等のアルカリ金属ヒ
ドリド化合物であり、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウム等のアルカリ
金属の水酸化物であり、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム
および炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等であ
る。これらのアルカリ金属類の金属または塩基性アルカ
リ金属化合物は、活性水素化合物の酸性の強さに応じて
選ばれる。またこのようにして得られた活性水素化合物
のアルカリ金属塩が塩基性アルカリ金属化合物として作
用し他の活性水素化合物をそのアルカリ金属塩となし得
る場合もある。但し、本発明はこれらの方法のみに限定
されるものではなく、上記カチオン類及び活性水素から
導かれたアニオンからなる形態としてのホスファゼニウ
ム塩であることが必須であり、従って反応系において上
記塩の形態を取りうるホスファゼニウム塩であれば本発
明に使用することが可能である。
【0020】以下に具体的に本発明で用いられるホスフ
ァゼニウム塩を例示する。なお括弧内は対アニオンをO
-として計算化学的に求めたカチオンの最大静電ポテ
ンシャルであり、単位はkJ/molである。ホスファゼニウ
ム塩としては、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロオキシ
ド(196.8)、ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロ
オキシド(235.1)、テトラキス(ジイソプロピルアミノ)
ホスフォニウムヒドロオキシド(227.6)、テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホス
フォニウムアセテート(196.8)、ジメチルアミノトリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウムモノグリセラート(235.1)、テトラキス(ジ
イソプロピルアミノ)ホスフォニウムメトキシド(227.
6)、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ
リデンアミノ]ホスフォニウムベンゾエート(196.8)、ジ
メチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォ
ラニリデンアミノ]ホスフォニウムモノフェノキシド(23
5.1)が挙げられるが、本発明はこれらホスファゼニウム
塩にのみに限定されるものではない。
【0021】本発明の製造方法における原料となるアル
キレンオキシド化合物としては、例えばエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、
2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロ
ヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒ
ドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテルまたはフェニルグリシジルエーテル等のエポキ
シ化合物である。これらは2種以上を併用してもよい。
併用する場合には、複数のアルキレンオキシド化合物を
同時に併用する方法、順次に併用する方法または順次を
繰り返して行なう方法などがとり得る。これらのアルキ
レンオキシド化合物のうち、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、1,2−ブチレンオキシドまたはスチレ
ンオキシドが好ましく、エチレンオキシドおよびプロピ
レンオキシドがより好ましい。
【0022】重合反応の反応温度は、使用するアルキレ
ンオキシド化合物やその他の成分の種類や量により一様
ではないが、通常150℃以下であり、好ましくは10
ないし130℃、より好ましくは50ないし120℃の
範囲である。反応時の圧力は、用いるアルキレンオキシ
ド化合物やその他の成分の種類もしくは量または重合温
度に依存して一様ではないが、通常重合反応時の圧力と
して30kg/cm2(絶対圧、以下同様)以下であ
り、好ましくは0.1ないし15kg/cm2、より好
ましくは1ないし10kg/cm2の範囲である。反応
時間は、用いる物質の種類もしくは量または重合温度や
圧力に依存して一様ではないが、通常70時間以下であ
り、好ましくは0.1ないし30時間、より好ましくは
0.5ないし24時間である。
【0023】重合反応に際しては、必要ならば溶媒を使
用することもできる。使用する場合の溶媒としては、例
えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンもしくはシクロヘ
キサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼンもしくはトルエ
ン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、1,3−ジオキサンもしくはアニソール等
のエーテル類またはジメチルスルホキシド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミドおよ
びN,N’−ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロト
ン性極性溶媒等である。この他本発明の方法の重合反応
を阻害しなければ、いかなる溶媒でも用いられる。本発
明の方法における重合反応は、必要であれば窒素または
アルゴン等の不活性ガスの存在下に実施することもでき
る。
【0024】本発明の方法で得られるポリアルキレンオ
キシドは、重合反応に溶媒を用いた場合にはそれを除去
するだけで、そのままポリウレタンフォームやエラスト
マーの原料または界面活性剤として使用し得る場合もあ
るが、通常塩酸、燐酸もしくは硫酸等の鉱酸、蟻酸、酢
酸もしくはプロピオン酸等の有機カルボン酸、二酸化炭
素または酸型イオン交換樹脂等で処理した後に用いるこ
ともできる。更に水、有機溶媒またはそれらの混合物で
洗浄するなどの常用の精製を行うこともできる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 実施例1 グリセリン0.46g(0.005mol)に対して1.0規定の水酸化カ
リウム水溶液5.0ml(0.005mol)を室温で加え均一溶液と
した。減圧下で濃縮乾固して無色の結晶を得、さらに減
圧下100℃で加熱乾燥させてグリセリンのモノカリウム
塩を合成した。この塩にテトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリ
ド3.87g(0.005mol)を20mlのTHFに溶解させた溶液
を加え、室温で24時間撹拌した。析出したKClを窒
素雰囲気下で濾過した後、濾液を減圧下で濃縮してTH
Fを取り除きグリセリンのモノ{テトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウム}塩、即ち[(Me2N)3P=N] 4P+](Gly)-(Gl
-はグルセリンの1価のアニオンを表す。以下同様)
を合成した。計算から得たテトラキス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムカチ
オンの静電ポテンシャルの値は、196.8kJ/molであっ
た。
【0026】温度測定管、圧力計、撹拌装置およびアル
キレンオキシド導入管を装備したオートクレーブに、上
記の方法で合成したグリセリンのモノ{テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウム}塩4.15g(0.005mol)を20mlのTHFに溶解さ
せた溶液を仕込み、更に新たにグリセリン 20.0g(0.217
mol)を加えた。攪拌しながら昇温し減圧下でTHFを留
去した。その後反応器内を窒素置換し、100℃まで昇温
し、反応時圧力3.0kg/cm2(絶対圧、以降同様)前後を保
つようにプロピレンオキシドを間欠的に供給しながら10
0℃で6時間反応させた。その後内容物を室温まで冷却
し、残留する未反応のプロピレンオキシドを減圧下で留
去した。粘ちょうな液体としてポリオキシプロピレント
リオールを324g得た。
【0027】実施例2 グリセリン0.46g(0.005mol)に対して1.0規定の水酸化カ
リウム水溶液5.0ml(0.005mol)を室温で加え均一溶液と
した。減圧下で濃縮乾固して無色の結晶を得、さらに減
圧下100℃で加熱乾燥させてグリセリンのモノカリウム
塩を合成した。この塩にトリス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ](ジメチルアミノ)ホスホ
ニウムクロリド3.21g(0.005mol)を20mlのTHFに
溶解させた溶液を加え、室温で24時間撹拌した。析出
したKClを窒素雰囲気下で濾過した後、濾液を減圧下
で濃縮してTHFを取り除きグリセリンのモノ{トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
(ジメチルアミノ)ホスホニウム}塩、即ち[(Me2N)3P
=N]3(Me2N)P+](Gly)-(Gly-はグルセリンの1
価のアニオンを表す。以下同様)を合成した。計算から
得たトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ](ジメチルアミノ)ホスホニウムカチオンの静
電ポテンシャルの値は、235.3kJ/molであった。
【0028】温度測定管、圧力計、撹拌装置およびアル
キレンオキシド導入管を装備したオートクレーブに、上
記の方法で合成したグリセリンのモノ{トリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ](ジメチル
アミノ)ホスホニウム}塩3.48g(0.005mol)を20mlのTH
Fに溶解させた溶液を仕込み、更に新たにグリセリン2
0.0g(0.217mol)を加えた。攪拌しながら昇温し減圧下で
THFを留去した。その後反応器内を窒素置換し、100
℃まで昇温し、反応時圧力3.0kg/cm2(絶対圧、以降同
様)前後を保つようにプロピレンオキシドを間欠的に供
給しながら100℃で6時間反応させた。その後内容物を室
温まで冷却し、残留する未反応のプロピレンオキシドを
減圧下で留去した。粘ちょうな液体としてポリオキシプ
ロピレントリオールを328g得た。
【0029】実施例3 グリセリン0.46g(0.005mol)に対して1.0規定の水酸化カ
リウム水溶液5.0ml(0.005mol)を室温で加え均一溶液と
した。減圧下で濃縮乾固して無色の結晶を得、さらに減
圧下100℃で加熱乾燥させてグリセリンのモノカリウム
塩を合成した。この塩にテトラ(イソプロピルメチルア
ミノ)ホスホニウムクロリド1.73g(0.005mol)を20ml
のTHFに溶解させた溶液を加え、室温で24時間撹拌
した。析出したKClを窒素雰囲気下で濾過した後、濾
液を減圧下で濃縮してTHFを取り除きグリセリンのモ
ノ [テトラ(イソプロピルメチルアミノ)ホスホニウ
ム}塩、即ち[(Me)(iso-C3H9)N]4P+](Gly)-(G
ly-はグルセリンの1価のアニオンを表す。以下同
様)を合成した。計算から得たテトラ(イソプロピルメ
チルアミノ)ホスホニウムカチオンの静電ポテンシャル
の値は、255.0kJ/molであった。
【0030】温度測定管、圧力計、撹拌装置およびアル
キレンオキシド導入管を装備したオートクレーブに、上
記の方法で合成したグリセリンのモノ{テトラ(イソプ
ロピルメチルアミノ)ホスホニウム}塩2.01g(0.005mo
l)を20mlのTHFに溶解させた溶液を仕込み、更に新た
にグリセリン 20.0g(0.217mol)を加えた。攪拌しながら
昇温し減圧下でTHFを留去した。その後反応器内を窒
素置換し、100℃まで昇温し、反応時圧力3.0kg/cm2(絶
対圧、以降同様)前後を保つようにプロピレンオキシド
を間欠的に供給しながら100℃で6時間反応させた。その
後内容物を室温まで冷却し、残留する未反応のプロピレ
ンオキシドを減圧下で留去した。粘ちょうな液体として
ポリオキシプロピレントリオールを260g得た。
【0031】実施例4 グリセリン0.46g(0.005mol)に対して0.005molのトリ
(イソプロピルメチルアミノ)(1,1,3,3-テトラメチル
ブチルメチルアミノ)ホスホニウムハイドロオキシドを
20mlのTHFに溶解させた溶液を加えを加え室温で加え
均一溶液とした。減圧下で濃縮乾固して無色の結晶を
得、さらに減圧下100℃で加熱乾燥させてグリセリンの
トリ(イソプロピルメチルアミノ)(1,1,3,3-テトラメ
チルブチルメチルアミノ)ホスホニウム塩、即ち[[(is
o-C3H7)(CH3)N]3[(CH32CCH2(CH3) 2C)(CH3)N]P+(G
ly)-]を合成した。計算から得たトリ(イソプロピル
メチルアミノ)(1,1,3,3-テトラメチルブチルメチルア
ミノ)ホスホニウムカチオンの静電ポテンシャルの値
は、259.4kJ/molであった。温度測定管、圧力計、撹拌
装置およびアルキレンオキシド導入管を装備したオート
クレーブに、上記の方法で合成したグリセリンのモノ
{トリ(イソプロピルメチルアミノ)(1,1,3,3-テトラ
メチルブチルメチルアミノ)ホスホニウム}塩2.40g(0.
005mol)を20mlのTHFに溶解させた溶液を仕込み、更
に新たにグリセリン 20.0g(0.217mol)を加えた。攪拌し
ながら昇温し減圧下でTHFを留去した。その後反応器
内を窒素置換し、100℃まで昇温し、反応時圧力3.0kg/c
m2(絶対圧、以降同様)前後を保つようにプロピレンオキ
シドを間欠的に供給しながら100℃で6時間反応させた。
その後内容物を室温まで冷却し、残留する未反応のプロ
ピレンオキシドを減圧下で留去した。粘ちょうな液体と
してポリオキシプロピレントリオールを237g得た。
【0032】比較例1 グリセリン0.46g(0.005mol)に対して1.0規定の水酸化カ
リウム水溶液5.0ml(0.005mol)を室温で加え均一溶液と
した。減圧下で濃縮乾固して無色の結晶を得、さらに減
圧下100℃で加熱乾燥させてグリセリンのモノカリウム
塩を合成した。この塩に [トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ][トリス(ジメチルアミノ)]ホ
スホニウムクロリド1.87g(0.005mol)を20mlのTHF
に溶解させた溶液を加え、室温で24時間撹拌した。析
出したKClを窒素雰囲気下で濾過した後、濾液を減圧
下で濃縮してTHFを取り除きグリセリンのモノ{[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ][トリ
ス(ジメチルアミノ)]ホスホニウム}塩、即ち[(Me
2N)3P=N](Me2N)3P+](Gly)-(Gly-はグルセ
リンの1価のアニオンを表す。以下同様)を合成した。
計算から得た[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリ
デンアミノ][トリス(ジメチルアミノ)]ホスホニウム
カチオンの静電ポテンシャルの値は、265.8kJ/molであ
った。
【0033】温度測定管、圧力計、撹拌装置およびアル
キレンオキシド導入管を装備したオートクレーブに、上
記の方法で合成したグリセリンのモノ{[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ][トリス(ジメチ
ルアミノ)]ホスホニウム}塩2.15g(0.005mol)を20mlの
THFに溶解させた溶液を仕込み、更に新たにグリセリ
ン 20.0g(0.217mol)を加えた。攪拌しながら昇温し減圧
下でTHFを留去した。その後反応器内を窒素置換し、
100℃まで昇温し、反応時圧力3.0kg/cm2(絶対圧、以降
同様)前後を保つようにプロピレンオキシドを間欠的に
供給しながら100℃で6時間反応させた。その後内容物を
室温まで冷却し、残留する未反応のプロピレンオキシド
を減圧下で留去した。粘ちょうな液体としてポリオキシ
プロピレントリオールを115g得た。
【0034】比較例2 グリセリン0.46g(0.005mol)に対して1.0規定の水酸化カ
リウム水溶液5.0ml(0.005mol)を室温で加え均一溶液と
した。減圧下で濃縮乾固して無色の結晶を得、さらに減
圧下100℃で加熱乾燥させてグリセリンのモノカリウム
塩を合成した。この塩にテトラ(ジメチルアミノ)ホス
ホニウムクロリド1.21g(0.005mol)を20mlのTHFに
溶解させた溶液を加え、室温で24時間撹拌した。析出
したKClを窒素雰囲気下で濾過した後、濾液を減圧下
で濃縮してTHFを取り除きグリセリンのモノ{テトラ
(ジメチルアミノ)ホスホニウム}塩、即ち[(Me2N)4
P+](Gly)-(Gly-はグルセリンの1価のアニオ
ンを表す。以下同様)を合成した。計算から得たテトラ
(ジメチルアミノ)ホスホニウムカチオンの静電ポテン
シャルの値は、284.6kJ/molであった。
【0035】温度測定管、圧力計、撹拌装置およびアル
キレンオキシド導入管を装備したオートクレーブに、上
記の方法で合成したグリセリンのモノ{テトラ(ジメチ
ルアミノ)ホスホニウム}塩1.49g(0.005mol)を20mlの
THFに溶解させた溶液を仕込み、更に新たにグリセリ
ン 20.0g(0.217mol)を加えた。攪拌しながら昇温し減圧
下でTHFを留去した。その後反応器内を窒素置換し、
100℃まで昇温し、反応時圧力3.0kg/cm2(絶対圧、以降
同様)前後を保つようにプロピレンオキシドを間欠的に
供給しながら100℃で6時間反応させた。その後内容物を
室温まで冷却し、残留する未反応のプロピレンオキシド
を減圧下で留去した。粘ちょうな液体としてポリオキシ
プロピレントリオールを60g得た。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、化学式(1)で表され
る活性水素化合物のホスファゼニウム塩は、様々な大き
さのカチオンが用意でき、有機溶媒への溶解度が高いう
え、活性水素化合物のアニオンの反応性は高められ、有
機反応の反応試剤などとして極めて有用であり、ポリア
ルキレンオキシドを簡便に効率よく製造することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (但し、式中、Rはそれぞれ独立に水素、脂肪族炭化水
    素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ原子を含む脂肪族炭化
    水素基または芳香族炭化水素基であり、Bn-は活性水素
    化合物から導かれるアニオンの群から選ばれる少なくと
    も1種であり、nは整数である。a、b、c、dは0以上の
    整数であり、すべてが同一であっても異なる値であって
    もよい。)で表わされるホスファゼニウム塩であり、か
    つホスファゼニウムカチオンの対アニオンをOH-とし
    て計算化学的に求めた最大静電ポテンシャルの値が260k
    J/mol以下となるホスファゼニウム塩の少なくとも1種の
    存在下にアルキレンオキシド化合物を付加重合させるこ
    とを特徴とするポリアルキレンオキシドの製造方法。
  2. 【請求項2】 Bn-が導かれる活性水素化合物が、水、
    炭素数1以上20以下のアルコール類、炭素数2以上2
    0以下であり2以上8以下の水酸基を有する多価アルコ
    ール類、糖類またはその誘導体、2以上8以下の末端を
    有し且つその末端に1以上8以下の水酸基を有する分子
    量100以上50,000以下のポリアルキレンオキシ
    ド類、炭素数20以下の1級または2級モノアミン類、
    炭素数2以上20以下であり2ないし3個の1級または
    2級アミノ基を有する多価アミン類、炭素数4ないし2
    0個の飽和環状2級アミン類および炭素数4以上20以
    下の2ないし3個の2級アミノ基を含む環状の多価アミ
    ン類よりなる群から選ばれる活性水素化合物であること
    を特徴とする請求項1記載のポリアルキレンオキシドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 アルキレンオキシド化合物が、エチレン
    オキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキ
    シドおよびスチレンオキシドよりなる群から選ばれる化
    合物である請求項1記載のポリアルキレンオキシドの製
    造方法。
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