JP4053691B2 - ホスフィンオキシド化合物およびその製造方法 - Google Patents

ホスフィンオキシド化合物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にしてかつ有用なホスフィンオキシド化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩などはその持つ塩基性の故に様々な反応に触媒や反応試薬として用いられる。しかしながらこれらは水溶性ではあるが、有機溶媒には一般に難溶であり、有機溶媒中での反応には利用し難い面を持つ。このため、例えば1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネンまたは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]などのような、有機化合物であって塩基性の高い化合物が種々考案されている。しかしながらその塩基性またはその塩基性に由来する触媒作用は限られている。近年、炭素、水素、窒素および燐の原子からなるホスファゼンベースと呼ばれる強い水素引き抜き能を持つ極めて強塩基性の有機化合物が見出されている(Nachr. Chem. Tech. Lab.,38,1214-1226(1990))。
【0003】
しかしながらこのようなホスファゼンベースは、その製造法においては複雑な工程を経る必要があるし、そのうえ強い塩基性を持たせるためには例えばカリウムアミドなどの更に強い塩基性化合物を使用せねばならず(Nachr. Chem. Tech. Lab.,38,1216(1990))、工業的には決して有利なものではない。また強い塩基性のため、空気中の炭酸ガスで変質し易いなど取り扱い上にも問題がある。
一方トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド(別名:トリス[トリス(N,N−ジメチルアミド)ホスファゾ]ホスフェイト)が公知である(Journal of general chemistry of the USSR,55,1453(1985))。本発明者らは先にこの化合物がエポキシ化合物と酸無水物との反応を促進することを見出しているが、その触媒活性のさらなる改良が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有機溶媒に可溶な塩基性の化合物であって、なおかつエポキシ化合物と酸無水物との反応においても高い触媒作用を有する有機化合物を提供することであり、さらにはそのような化合物の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、炭素、水素、窒素、りんおよび酸素の原子からなる式(1)で表されるホスフィンオキシド化合物を製造し、該ホスフィンオキシド化合物が上記課題に適した化合物であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は式(1)
【0006】
【化3】
Figure 0004053691
(式中のQはピロリジノ基またはピペリジノ基を示す)
で表されるホスフィンオキシド化合物である。さらには、オキシ三塩化りんと式(2)
【0007】
【化4】
Figure 0004053691
(式中のQはピロリジノ基またはピペリジノ基を示す)
で表されるイミノホスホラン化合物とを反応させることを特徴とするホスフィンオキシド化合物の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における式(1)で表されるホスフィンオキシド化合物は一つの極限構造式である。りん原子と酸素原子の間を二重結合で表現してはいるが、酸素原子上に電子が偏ってアニオンとなり、りん原子上にカチオンが生じた形(P+−O-)の極限構造式もとり得る。またりん原子上のカチオンは共役系を通して全体に非局在化することもできる。本発明における式(1)で表されるホスフィンオキシド化合物は、これらすべてを含んだ共鳴混成体として理解されるべきである。本発明における式(1)で表されるホスフィンオキシド化合物のQがピロリジノ基である場合には式(3)
【0009】
【化5】
Figure 0004053691
で表されるトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドであり、またQがピペリジノ基である場合には式(4)
【0010】
【化6】
Figure 0004053691
で表されるトリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドである。両者とも全く知られていない新規化合物である。ましてやそれらの触媒作用について示唆するような公知文献は一切ない。
【0011】
本発明の式(1)で表されるホスフィンオキシド化合物は、オキシ三塩化りん1分子に式(2)で表されるイミノホスホラン化合物3分子を反応させることによって製造することができる。反応式は式(5)のようになる。
【0012】
Figure 0004053691
(式中のQはピロリジノ基またはピペリジノ基を示す)
【0013】
製造に際して、オキシ三塩化りんの1モルに対する式(2)で表されるイミノホスホラン化合物、即ちイミノトリピロリジノホスホランまたはイミノトリピペリジノホスホランの実際上の使用量は、通常3モル以上であり、好ましく3〜20モル、より好ましくは6〜8モルである。反応で副生する塩化水素の受容体として他の塩基性化合物を共存させても構わないが、6モル以上の該イミノホスホラン化合物を使用して、該イミノホスホランを塩化水素受容体として用いてもよい。塩化水素を受容した該イミノホスホランはアミノホスホニウムクロリド化合物[Q3+(NH22)Cl-](式中のQはピロリジノ基またはピペリジノ基を示す)になる。
【0014】
本発明において、原料として用いられるオキシ三塩化りんは市販されており入手は容易である。もう一つの原料として用いるイミノトリピロリジノホスホランは、例えば「Liebigs Ann.,1074(1996)」に記載されているように、五塩化りんとピロリジンとを反応させ、次いでアンモニアを反応させ、さらに塩交換を経た後にカリウムメトキサイドと反応させる方法などによって合成することができる。イミノトリピペリジノホスホランも同様の方法で合成することができる。
【0015】
オキシ三塩化りんと式(2)で表されるイミノホスホラン化合物とを反応させる際、反応温度は通常−30〜250℃、好ましくは0〜200℃である。反応では例えば初期はより低温で末期はより高温で行うなど、多段階に温度を設定することもできる。反応圧力は減圧、常圧および加圧のいずれでも実施しうるが、通常常圧である。反応時間は反応温度や他の因子により一様ではないが、通常は0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間であり、より好ましくは2〜30時間である。
【0016】
反応に際しては通常、溶媒を用いる。その溶媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンまたはデカン等の飽和脂肪族炭化水素類であり、例えばベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、ノルマルプロピルベンゼン、クメン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,2−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,2,4−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼンまたはドデシルベンゼンなどの無置換またはアルキル置換の芳香族炭化水素類であり、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、1−ブロモ−2−クロロベンゼン、1−ブロモ−3−クロロベンゼン、1−ブロモナフタレンまたは1−クロロナフタレンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類であり、例えば2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−ブロモトルエン、3−ブロモトルエン、2,4−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、1−ブロモ−2−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−エチルベンゼン、1−クロロ−2−エチルベンゼン、1−クロロ−4−エチルベンゼン、1−クロロ−4−イソプロピルベンゼン、1−ブロモ−4−イソプロピルベンゼン、メシチルクロリド、4−クロロ−o−キシレンまたは2−クロロ−o−キシレンなどのアルキル置換ハロゲン化芳香族炭化水素類等が挙げられる。
【0017】
これらの他、本発明の方法を阻害しなければ如何なる溶媒を用いても構わない。これらのうち好ましくは、例えばトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンまたはメシチレンなどの炭素原子数7ないし9個のアルキル置換芳香族炭化水素であり、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンまたは1,2,4−トリクロロベンゼンなどの塩素原子数1ないし3個の塩素化ベンゼンであり、さらには、例えば2−クロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、1−クロロ−4−エチルベンゼンまたはメシチルクロリドなどの炭素原子数7ないし9個で塩素原子数1ないし2個のアルキル置換塩素化芳香族炭化水素である。
これらの溶媒は単独で用いても、または、複数個を併用しても構わない。これらの溶媒の使用量は特に限定されないが、通常、原料のオキシ三塩化りん1重量部に対して、500重量部以下であり、好ましくは1ないし100重量部であり、より好ましくは1.5ないし20重量部である。これらの溶媒に液体であるオキシ三塩化りんの一部が不溶であっても構わない。
【0018】
本発明のホスフィンオキシド化合物を単離精製する方法は特に制限されないが、例えば、反応溶媒を留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製することなどにより、目的物を得ることができる。
【0019】
このようにして製造された式(1)で表されるホスフィンオキシド化合物は、2種とも非極性から極性までの有機溶媒に易溶である。また、式(3)および式(4)のホスフィンオキシド化合物の1.00×10-2Mの水溶液はそれぞれ順にpH12.0およびpH11.9を示し、塩基性であることが判る。また、参考例で示すようにエポキシ化合物と酸無水物との反応の高活性な触媒となる。
【0020】
【実施例】
実施例1
窒素雰囲気下で、50ccのフラスコにオキシ三塩化りん1.35g(8.80mmol)および予めモレキュラーシーブス3Aで乾燥した水分3ppmのo−ジクロロベンゼン14.8gを仕込んだ。撹拌しながら、内部温度を25℃に制御しつつ、これに予め「Liebigs Ann.,1074(1996)」の方法で合成したイミノトリピロリジノホスホラン13.9g(54.1mmol)を約20分かけて滴下した。滴下終了後さらに40℃を19時間保持した。その後常温に戻し黄色液29.7gを得た。これを約6gの水で3回洗浄し、o−ジクロロベンゼンを留去し、アルミナゲルカラムクロマトグラフィーによって単離精製することにより、白色の固体4.4gを得た。
【0021】
この化合物の元素分析値はC52.82%、H8.85%、N20.86%、P14.99%であって、目的とするトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの計算値であるC53.19%、H8.93%、N20.68%、P15.24%に極めてよく一致した。
【0022】
この白色固体をDMSO−d6に溶解し、1H−NMR(図1)および31P−NMR(図2)を測定した。図1の1H−NMRチャートでは、テトラメチルシランの化学シフトを0.00ppmに現れるように設定されている。図1に示されているように、化学シフトはおよそ1.85ppmおよび3.1ppmを中心とした多重線として現れている。これらはトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドのピロリジノ基中の2種のメチレンプロトンに起因するものであり、積分強度比は1:1として現れている。3.1ppmはピロリジノ基中の窒素原子に隣接する4個のメチレンプロトン、1.85ppmはピロリジノ基中の窒素原子に隣接していない4個のメチレンプロトンに相当する。
【0023】
図2の31P−NMRチャートでは、外部標準物質としてりん酸を用い、そのりん原子の化学シフトが0.00ppmとなるよう設定されている。図2に示されているように、化学シフトは−13.3ppmを中心に4重線および4.9ppmを中心に2重線として現れている。これらはトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの2種類のりん原子に起因するものであり、積分強度比は1:3になっている。−13.3ppmは酸素原子と結合している中心の1個のりん原子、4.9ppmはまわりの3個のりん原子によるものである。−13.3ppmの4重線は中心のりん原子がまわりの3個のりん原子とカップリングした結果であり、4.9ppmの2重線はまわりのりん原子が中心の1個のりん原子とカップリングした結果である。
これらのことから、得られた白色固体はトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドである。単離収率は61%であった。
【0024】
実施例2
窒素雰囲気下で、100ccのフラスコにオキシ三塩化りん1.93g(12.6mmol)および予めモレキュラーシーブス3Aで乾燥した水分5ppmのo−ジクロロベンゼン3.4gを仕込んだ。予め「Liebigs Ann.,1074(1996)」記載の方法と同様にして合成したイミノトリピペリジノホスホラン23.0g(77.1mmol)を29.7gのo−ジクロロベンゼン(水分5ppm)に溶かし、その溶液を撹拌しながら、内部温度を25℃に制御しつつ、約11分かけて滴下した。滴下終了後さらに70℃で65時間撹拌した。その後常温に戻し白色懸濁物を含んだ黄色液55.3gを得た。これを濾過し、約15gのo−ジクロロベンゼンで固体を洗浄し、分離した。得られた濾洗液58.0gを約10gの水で3回洗浄し、その後o−ジクロロベンゼンを留去し、アルミナゲルカラムクロマトグラフィーによって単離精製することにより、白色の固体4.0gを得た。
【0025】
この化合物の元素分析値はC57.18%、H9.11%、N17.65%、P12.87%であって、目的とするトリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの計算値であるC57.55%、H9.66%、N17.90%、P13.19%に極めてよく一致した。
【0026】
この白色固体をDMSO−d6に溶解し、1H−NMR(図3)および31P−NMR(図4)を測定した。図3の1H−NMRチャートでは、ジメチルスルホキシドの化学シフトを2.49ppmに現れるように設定されている。図3に示されているように、化学シフトはおよそ1.4ppm、1.5ppmおよび2.9ppmを中心とした3種の多重線として現れている。これらはトリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドのピペリジノ基中の3種のメチレンプロトンに起因するものであり、積分強度比は2:1:2として現れている。2.9ppmはピペリジノ基中の窒素原子に隣接する2、6位の4個のメチレンプロトン、1.5ppmは窒素原子に隣接していない4位の2個のメチレンプロトン、1.4ppmは窒素原子に隣接していない3、5位の4個のメチレンプロトンに相当する。
【0027】
図4の31P−NMRチャートでは、定量分析のため加えたりん酸トリ−n−ブチルのりん原子の化学シフトが0.312ppmに現れるように設定されている。このとき通常標準に用いられるりん酸のりん原子の化学シフトは0.00ppmとなる。図4に示されているように、化学シフトは−10.3ppmを中心に4重線および10.0ppmを中心に2重線として現れている。これらはトリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの2種類のりん原子に起因するものであり、積分強度比は1:3になっている。−10.3ppmは酸素原子と結合している中心の1個のりん原子、10.0ppmはまわりの3個のりん原子によるものであり、−10.3ppmの4重線は中心のりん原子がまわりの3個のりん原子とカップリングした結果であり、10.0ppmの2重線はまわりのりん原子が中心の1個のりん原子とカップリングした結果である。
これらのことから、得られた白色固体はトリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドである。単離収率は34%であった。
【0028】
参考例1
200mlのフラスコに無水安息香酸22.6g(100mmol)と0.195g(0.24mmol)のトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドを加えた。これにジエチレングリコールジメチルエーテル50.0gを加えて均一溶液とした。この均一溶液を110℃まで昇温した後、これに15.0g(100mmol)のフェニルグリシジルエーテルを50.0gのジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させた溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間撹拌した後、約10分かけて室温に戻した。この反応液の一部を採取して、1,3,5−トリクロロベンゼンを内部標準としたガスクロマトグラフィーによる定量分析から、原料のフェニルグリシジルエーテルはほぼ完全に消費されていた。また液体クロマトグラフィーで定量分析を行ったところ、フェニルグリシジルエーテルを基準とした目的物1,2−ジベンゾイルオキシ−3−フェノキシプロパンの生成収率は98%であった。また、触媒活性(目的物生成モル数/触媒モル数、以降同様)は404であった。
【0029】
参考例2
参考例1における0.195g(0.24mmol)のトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの代わりに、0.224g(0.24mmol)のトリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドを使用した以外は参考例1と全く同様に実施した。目的物の生成収率は96%で、触媒活性は401であった。
【0030】
比較参考例1
参考例1における0.195g(0.24mmol)のトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの代わりに、公知のトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドを0.230g(0.40mmol)使用した以外は参考例1と全く同様に実施した。目的物の生成収率は81%で、触媒活性は202であった。このように本発明のトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドまたはトリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドはともに、公知のトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドに比べて触媒活性が約2倍と大幅に高いことが判った。
【0031】
【発明の効果】
本発明のトリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドおよびトリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドは、有機溶媒に可溶な塩基性の化合物であって、なおかつエポキシ化合物と酸無水物との反応においても高い触媒作用を有する有用な化合物である。また本発明によれば、これらの化合物を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの1H−NMRスペクトル(溶媒;DMSO−d6)を示す図である。
【図2】トリス(トリピロリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの31P−NMRスペクトル(溶媒;DMSO−d6)を示す図である。
【図3】トリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの1H−NMRスペクトル(溶媒;DMSO−d6)を示す図である。
【図4】トリス(トリピペリジノホスホラニリデンアミノ)ホスフィンオキシドの31P−NMRスペクトル(溶媒;DMSO−d6)を示す図である。

Claims (2)

  1. 式(1)
    Figure 0004053691
    (式中のQはピロリジノ基またはピペリジノ基を示す)
    で表されるホスフィンオキシド化合物。
  2. オキシ三塩化りんと式(2)
    Figure 0004053691
    (式中のQはピロリジノ基またはピペリジノ基を示す)
    で表されるイミノホスホラン化合物とを反応させることを特徴とする請求項1記載のホスフィンオキシド化合物の製造方法。
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