JP2004331494A - 水素化ホウ素のフッ素化プロセス - Google Patents

水素化ホウ素のフッ素化プロセス Download PDF

Info

Publication number
JP2004331494A
JP2004331494A JP2004133402A JP2004133402A JP2004331494A JP 2004331494 A JP2004331494 A JP 2004331494A JP 2004133402 A JP2004133402 A JP 2004133402A JP 2004133402 A JP2004133402 A JP 2004133402A JP 2004331494 A JP2004331494 A JP 2004331494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorination
reaction medium
borohydride
integer
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004133402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4002254B2 (ja
Inventor
William Jack Casteel Jr
ジャック キャスティール,ジュニア ウィリアム
Sergei Vladimirovich Ivanov
フラディミロビッチ イワノフ セルギ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Air Products and Chemicals Inc
Original Assignee
Air Products and Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Air Products and Chemicals Inc filed Critical Air Products and Chemicals Inc
Publication of JP2004331494A publication Critical patent/JP2004331494A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4002254B2 publication Critical patent/JP4002254B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B35/00Boron; Compounds thereof
    • C01B35/06Boron halogen compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B35/00Boron; Compounds thereof
    • C01B35/06Boron halogen compounds
    • C01B35/068Halogenated hydrides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 反応媒体中への反応体の高充填を達成し、副生成物の形成による収率の損失を最小限に抑え、水素化ホウ素アニオンの高レベルのフッ素化、並びに優れた収率及び反応効率を達成すること。
【解決手段】 水素化ホウ素塩を直接フッ素化し、化学式Ma[Rbcdeyk、の化合物を製造するための液相プロセスにおいて、該水素化ホウ素塩がフッ素化された水素化ホウ素塩を形成するための条件下でフッ素と接触し、
水と無水HFの間の酸度を有する反応媒体の存在下で該水素化ホウ素塩をフッ素化することを含んで成る、液相プロセスの改良された方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

ハロゲン化された水素化ホウ素アニオンは、弱配位アニオンであり、特に金属カチオンの触媒活性を向上させるために電解質及び触媒成分として使用され、さまざまな反応においてその使用を見出している。典型的には、ハロゲン化された水素化ホウ素は、フッ素化、塩素化、及び臭素化された水素化ホウ素である。
以下の参考文献は、フッ素化された水素化ホウ素を含む、ハロゲン化された水素化ホウ素の製造プロセスについての実例である。
米国特許第3,551,120号明細書(特許文献1)では、化学式Ma(B1212-yyb、式中、Mが1〜4価のカチオン、(B1212-yy)が水溶液中で2価のアニオンを形成する基である、ホウ素化合物を開示している。Mという語は、水素、アンモニウム、及び金属カチオン(例えば、I、II、VIII、IIIb族など)を表す。Xは、ハロゲン(F、Cl、Br及びI)、カルボキシル、ニトロ、ニトロソ、スルホニルなどを表す。例1では、無水HF中でCsB1211OHをフッ素化して、Cs21275を形成することを示している。
米国特許第6,180,829号明細書(特許文献2)では、化学式M[RaZBbcde(OR")fk、式中、Mが1〜4価のカチオン、例えばアルカリ又はアルカリ土類金属のカチオン、Rが典型的にはハロゲン又はアルキル基、ZがC、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb及びBi、Xがハロゲン化物、並びにR"がポリマー、水素、アルキルなどである、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオンの金属化合物を開示している。下付文字は整数を表す。例2では、モノカルボラン水素化物からポリフッ素化されたモノカルボランアニオンを形成することを示しており、CaCB1112が、HFとN2中10%F2の混合物と反応する。CsCB1111Hが白色固体として回収された。かなりのクラスター分解がフッ素化中に起こり、収率はこれらの充填で50〜60%であった。
米国特許第6,448,447号(特許文献3)は、米国特許第6,180,829号及びその他の一部継続であり、例11において、HF中のK21212懸濁液にフッ素/窒素ガス相を連続的に添加して、K21212(1g)を形成することを開示している。
KnothらのChemistry of Boranes,IX.Fluorination of B1010 -2 and B1212 -2,Inorganic Chemistry,Vol.2,No.2,February 1964(非特許文献1)では、(a)無水HFのみを用いてB1266 2-までの組成にフッ素化すること、及び(b)5wt%B1212 2-のカリウム塩を水の存在下でF2と接触させて直接フッ素化することによる、高度にフッ素化されたデカボレートの調製を開示している(これらの条件下では、HF濃度は10%以下であり、したがって、ハメット酸度H0はフッ素化を通して0よりも大きいままである(Gillespie及びLiang))。反応が水の存在下で実施される場合には、5倍の過剰フッ素を使用することで明らかなように、反応を完了させることは困難であった。最終的に、所望のフッ素置換されたドデカボレートよりむしろ、低収率(32%)のヒドロキシ置換されたフルオロボレート、B1211(OH)2-が得られた。
SolntsevらのStereochemical Aspects of the Fluorination of the B1212 -2 Anion,Russian Journal of Coordination of Chemistry,Vol.23,No.6,1997,369−376頁(非特許文献2)では、超臨界のHFをK21212と600℃で反応させることによって、完全にフッ素化されたアニオンが生成されることを開示している。かなりの分解が観測され、これらの条件下では25%の収率しか得られなかった。
米国特許第3,551,120号明細書 米国特許第6,180,829号明細書 米国特許第6,448,447号明細書 KnothらのChemistry of Boranes,IX.Fluorination of B10H10-2 and B12H12-2,Inorganic Chemistry,Vol.2,No.2,February 1964 SolntsevらのStereochemical Aspects of the Fluorination of the B12H12-2 Anion,Russian Journal of Coordination of Chemistry,Vol.23,No.6,1997,369−376頁
本発明は、B1010 -2及びB1212 -2の塩を含む水素化ホウ素塩を直接フッ素化し、概して化学式Ma[Rbcdeyk、式中、Mが1〜4価のカチオン、例えばアルカリ又はアルカリ土類金属のカチオン、Rが典型的にはハロゲン又はアルキル基、ZがC、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb及びBi、Bがホウ素、Hが水素、aが1又は2、bが0〜7の整数、cが0〜1の整数、dが5〜12の整数、eが0〜9の整数、yが3〜12の整数であり、a及びkは、それぞれの値がMの価数で決まる1〜3の整数であり、即ち、整数aとMの価数を掛けると、整数(k)の2倍に等しい化合物を製造するための液相プロセスの改良であって、該水素化ホウ素塩がフッ素化された水素化ホウ素塩を形成するための条件下でフッ素と接触する、水素化ホウ素塩を直接フッ素化するための液相プロセスの改良に関する。液相プロセスの改良は、水と無水HFの間の酸度を有する反応媒体の存在下で該水素化ホウ素塩をフッ素化することにある。より具体的には、該反応媒体は、−11よりも大きく0よりも小さいハメット酸度H0を有するべきである。好ましい実施態様においては、反応媒体、例えばキャリヤーは、10wt%以上の水素化ホウ素塩の充填をキャリヤー中に与えるよう、水素化ホウ素塩を可溶化できるべきである。好ましいフッ素化化合物は、Ma10(10-y)y及びMa12(12-y)y、式中、y>3であり、より好ましくは、yは化合物Ma10(10-y)yについて少なくとも9、化合物Ma12(12-y)yについて少なくとも10である。
いくつかの利点が本明細書で記載されるプロセスによって達成できる。それらは、
例えばyが10〜12である水素化ホウ素アニオンの高レベルのフッ素化を達成できること;
優れた収率及び反応効率を達成できること;
キャリヤー中への反応体の高充填を達成できること;及び
副生成物の形成による収率の損失を最小限に抑えることができること
を含む。
上に記載した通り、本発明は、塩、Ma[Rbcdeykにおける水素化ホウ素アニオン、好ましくは化学式B1010-yy 2-及びB1212-yy 2-のデカボレート及びドデカボレートアニオンをフッ素化するためのプロセス、並びに好ましくは化学式B12y(H12-y2-、式中、y≧3、より好ましくはy≧10の過フッ素化されたドデカボレートアニオンを調製するためのプロセスの改良に関する。該プロセスの改良は、ハメット酸度(H0)が−11よりも大きく0よりも小さい、好ましくは−6〜−2の酸度を有する媒体中でフッ素化反応を達成することにある。上記の酸度、及び先行技術で実践されている無水又は純粋HFの酸度(−11〜−15のハメット酸度)よりも相当に低い酸度で作用させることにより、フッ素化された水素化ホウ素塩の媒体における溶解性を改善でき、水素化ホウ素アニオン、例えばドデカボレート、例えばB12(H12-y)Fy 2-(y=10〜12)のより効率的なフッ素化を達成でき、より高充填で作用させることができ、わずかな副生成物で以って優れた転化を達成できる。
水素化ホウ素塩においては、Mはカチオンである。グループMの主な作用は、アニオン、例えば(B1212-yy-2と結合するのに必要な正電荷を有する元素又は元素群を提供し、したがって安定化合物の一部として該アニオンの単離を可能にすることである。グループMの特性は絶対的に重要であるというわけではないが、そのいくつかによって、反応媒体中での前駆体水素化ホウ素及びフッ素化された水素化ホウ素の溶解性を向上させることができる。カチオンMの例は、水素、ヒドロニウム(H3+)、アンモニウム(NH4 +)、(ヒドラジニウムとも呼ばれる)ヒドラゾニウム(NH2NH3 +)、N−置換アンモニウム、N−置換ヒドラジン(CH3NHNH3 +)、アリールジアゾニウム(ArN2 +)、スルホニウム、ホスホニウム、金属アミン、2,2’−ビピリジニウム、キノリニウム、フェナゾニウム、N−アルキルピリジニウムなどを含む。
N−置換アンモニウムラジカル、S−置換スルホニウム基、及びP−置換ホスホニウム基の例は、化学式RNH3 +、R2NH2 +1、R3NH+、R4+、R3+及びR4+である。R基はこれらカチオンの重要な特徴ではない。したがって、Rは、開鎖、閉鎖、飽和若しくは不飽和炭化水素、又は置換炭化水素基であることができる。Rは、窒素、硫黄、又はリン原子が構成部分である複素環であることができる。したがって、Mが置換アンモニウム基である場合には、Rは、ピリジン、キノリン、モルホリン、ヘキサメチレンイミンなどに由来することができる。好ましくは、Rは、反応体の入手し易さから多くとも18の炭素原子を含有する。例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、オクタデシル、アリル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、ナフチル、アントリル、シクロヘキシルフェニル、ジフェニリル、ベンジル、クロロエチル、ω−シアノアミル、β−ヒドロキシエチル、ρ−ヒドロキシフェニルなどであることができる。
上記リストにおけるN−置換ヒドラゾニウム(ヒドラジニウムとも呼ばれる)ラジカルの例は、化学式(RNHNH3+、(R2NNH3+などを有する。化学式中で、Rは先の段落で与えられるのと同じ規定を有する。例示すると、ヒドラゾニウムカチオンは、フェニルヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、エチルヒドラジン、1,1−ジエチルヒドラジン、及び同種の化合物に由来することができる。
カチオンMの別の分類は、周期表のI、II、VIII、III−B、IV−B、V−B、VI−B、及びVII−B族からの金属である。例示すると、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ベリリウム、バリウム、ランタン、ジルコニウム、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、水銀、アルミニウム、タリウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、及び銀であることができる。好ましい金属は、その価数が1と3を含めて1〜3の金属である。Mを得ることのできる特に好ましい金属群は、80以下の原子番号を有するI−A、II−A、I−B、及びII−B族の元素から成る。最も好ましい金属は、アルカリ及びアルカリ土類金属、即ち、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウムである。
水素化ホウ素アニオンは、多数の形態の塩で存在できる。概して、該アニオンは化学式[Rbcdey]で表される。Rはハロゲン、典型的には塩素若しくは臭素又はアルキルであることができる。Rがフッ素以外のハロゲンである場合、整数bは1よりも大きく、例えば0〜5であることができる。Rがアルキルである場合、典型的には、整数bは0又は1に限定される。ヘテロボラン水素化物塩においては、Zという語は多くの金属に適用でき、本質的には、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズなどのような非金属であることができる。好ましい系においては、水素化ホウ素アニオンは、化学式B1010 2-及びB1212 2-によって表される。
水素化ホウ素の直接フッ素化は液体媒体中で実施される。フッ素は、フッ素化を行う際には不活性ガス、例えば窒素で希釈される。10〜40vol%のフッ素濃度が通常用いられる。
水素化ホウ素塩のための液体媒体又はキャリヤーは、実質的にフッ素と反応しないものである。通常の媒体はHFを含む。他の液体が、本明細書で記載されるプロセスにおいて使用でき、水、及びギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などのような有機酸を含むことができる。
特に水素化ホウ素のフッ素化に用いられるフッ素化媒体の酸度は、前駆体及びフッ素化された水素化ホウ素塩の溶解性に作用する。上記リストにおける液体キャリヤーの多くはまた、その酸度が変化する。例えば、水、アセトニトリル、又はプロトン酸(例えばギ酸又は酢酸)をHFに添加することで、純粋又は無水HFの酸度が低下する。緩衝塩、例えば、フッ化カリウム及びフッ化ナトリウムなどのアルカリ金属フッ化物を添加することで、フッ素化反応における純粋HFの酸度を低下させることもできる。何れにしてもHFが多くのキャリヤーとフッ素の反応によりその場で形成されるので、好ましいキャリヤー系はHFを用いる。つまり、実験的な観測に基づいて、これらの酸は、意図した結果を達成するために無水HFよりも相当に弱くなければならないが、水よりも酸性でなければならない。
フッ素化で用いるのに好適な酸は、C1-4のアルキル酸、好ましくはC1-2の酸である。酸の例は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、希釈硫酸、トリフリック酸、スルホン酸、及びハロゲン化水素酸(HCl(水溶液)、HBr(水溶液)、HI(水溶液)及びHF(水溶液))を含む。
ラジカルスカベンジャーは、副生成物の形成を低減し、反応効率を改善するためにフッ素化プロセスにおいて使用できる。水溶液中において、ラジカルスカベンジャーは、過酸化水素の形成又はフッ素によって生成される場合のあるHOFの形成を制限するようである。ラジカルスカベンジャーは、ギ酸などの有機酸が酸度を調整するのに用いられる液体キャリヤー中で使用される場合には、フッ素と溶媒の副反応を抑制し、それによりフッ素化効率が改善される。ラジカルスカベンジャーの例は、酸素及びニトロ芳香族を含む。少量の空気を液体媒体に導入することによって、水素化ホウ素塩の直接フッ素化で生成されるフリーラジカルが除去される。
水素化ホウ素アニオンのフッ素化は、液相状態を維持するのに十分な温度範囲で実施できる。ドデカボレートアニオンのフッ素化を達成するためには、温度は−30〜100℃、典型的には0〜20℃である。フッ素化中の圧力は、液相状態を維持するような圧力であり、典型的にはドデカボレートアニオンのフッ素化については大気圧である。
前述の通り、先行技術の水素化ホウ素アニオンのフッ素化における問題の1つは、副生成物の形成の問題である。理論によって結びつけることを意図するものではないが、以下のファクターが、水素化ホウ素のフッ素化における副生成物、例えば二量体アニオンB2422 4-の形成と関係している。B2423 3-の提案された構造は、水素の架橋結合によって連結された2つのB1211クラスターに由来する。機械学の観点から、二量体は、2つの一陰性ラジカルアニオンB1212 -(このようなラジカルアニオンは、B1212-yy 2-の負イオンエレクトロスプレースペクトルにおいて観測された)間の反応、又はB1212 2-と二電子酸化された中性クラスターとの反応の何れかによって形成する場合がある。強酸の条件下では、2つのプロトン化されたクラスター間の反応により二量体が形成される場合もある。
HB1212 - + HB1212 - → HB2422 3- + H+ + H2 (1)
上記反応のすべては、反応ごとにホウ素クラスター2分子の相互作用を伴うため、アニオン濃度において2次である。フッ素化反応は、出発材料濃度の増加がより高含量の二量体副生成物を与えると予想されることから、アニオン濃度において1次であると予想される。ここでの驚くべき発見は、塩基を添加することで無水HFを含む純粋な液体HFよりも弱い酸媒体中において水素化ホウ素塩をフッ素化することにより、フッ素化に関して二量体生成物がほとんど又は全く生成されないということである。この発見のために、上の反応(1)が優勢で、そのことが先行技術のプロセスで言及されている高い副生成物形成の原因であることを示唆している。
以下の例は、本発明のさまざまな実施態様を説明するために提供されるが、本発明の範囲を限定しようとするものではない。比較例及び代表例における回収方法は、先行技術のプロセスであることを認めたとしてみなされるべきではない。“%充填”という語は、[分散された水素化ホウ素塩]グラム/[キャリヤーを含む反応混合物]グラムを示すのに用いられる。
[比較例1]
[無水HF中でのK21212のフッ素化]
対照標準を与えるために、K21212約300mg(1.4mmol)を無水HF30mL中に溶解し(1%充填)、該溶液を25℃で2時間放置した。水素を排気した後、該溶液を−30℃まで冷却し、該溶液に20%F2/N2を通気してフッ素化した。約8mmolのフッ素を添加した後、スパージャーを完全に塞いでフッ素の添加を停止した。真空下で溶媒を除去し、粗生成物の19F NMR分析によって、B12210 2-、B1239 3-、B12112-、及びB1212 2-のアニオン、並びに少量のBF4 -の混合物が示された。完全なフッ素化は、この例示的な先行技術の手順では達成されなかった。
[比較例2]
[無水HF中でのCs21212のフッ素化]
21212の代わりにCs21212を使用したこと以外は、例1の手順に従った。生成物のフッ素NMRスペクトルによって、B12102 2-、B1293 3-(HFのみとの反応による生成物)、及びB12HF11 2-、並びにB1212 2-の存在が示された。中程度の数のフッ素原子を有する誘導体はほとんどなかった。
このフッ素化で観測された主な問題は、反応中のフッ素スパージャー/バブラーのプラギングであった。
[比較例3]
[無水HF及びBF3を用いたK21212のフッ素化]
2スパージャーのプラギングを克服するために、BF3を添加して反応媒体の酸度を高くした。HF10ml中K212121g(4.5mmol)のスラリーに、約10mmolのBF3を20℃で添加した。BF3は、溶液上の反応器ヘッドスペースにいくつかに分割して添加した。なぜなら、BF3は最初直ちに溶解するが、それに応じて水素が発生し、結局はBF3の添加量が制限されることが観測されたからである。水素を排気してからでしか、更なるBF3の添加を行うことができなかった。反応完了時に、無色の固体生成物を残して揮発性物質を除去した。19F NMRによって、主なドデカボレートのクラスターアニオンとしてB1248 2-が示された。
BF3を用いて溶液の酸度を高くすることによって、より塩基性のK21212塩をHFでフッ素化する程度が増すが、KBF4が形成されて続いて沈殿し、水素が急激に発生して、主としてB1284 2-が形成される。あいにく、反応混合物からKBF4を濾過することは困難であった。濾液中に残った残留KBF4が、更なるフッ素化の間に溶液から沈殿してスパージャーを塞いだ。認められた反応が以下の通り記載される。
21212 + (2+x)HF + 2BF3 → H21212-xx
xH2 + 2KBF4 (2)
[比較例4]
[無水HF中でのLi21212のフッ素化(3%充填)]
リチウムのドデカボレート塩を3%充填で用いたこと以外は、例1の手順に従った。Li21212約1.0g(6.4mmol)を無水HF30mL中に溶解し、該溶液を25℃で2時間放置した。水素を排気した後、該溶液を−30℃まで冷却し、該溶液に20%F2/N2を通気してフッ素化した。最初は無色の溶液が、急に濃青色(恐らくラジカルアニオンの形成を示す)に変化するまでフッ素を添加した(約65mmol)。HFを乾燥するまで排気して無色の固体が残った。粗生成物の19F NMR分析によって、少量のBF4 -とともに、主としてB1212 2-及びB2422 4-が8.3/1のモル比で示された。
フッ素化は、例1及び例2よりもこの例において効果的であったが、この塩のフッ素化に関する問題は、キャリヤー中の反応体Li21212の充填が十分でないことである。例1及び例2の1%充填に比べて3%充填を用いたが、商業的な適用には低過ぎる。
[比較例5]
[無水HF中でのLi21212のフッ素化(30%充填)]
比較例4の手順に従って、フッ素化プロセスにおけるより高充填の反応体の効果を明らかにした。Li21212、5.0g(32mmol)を無水HF15ml中に溶解し、該溶液を25℃で2時間放置した。水素を排気した後、該溶液を−30℃まで冷却し、該溶液に20%F2/N2を通気してフッ素化した。非常に急速に固体が溶液中に形成し始めた。150mmolのフッ素を添加した後、多量の無色固体が形成し、フッ素バブラーが塞がり始めた。合計210mmolのフッ素を添加した後、溶媒を除去して処理の難しい白色固体が残り、それはB12のクラスターアニオンとは異なり水に不溶性であった。この固体のIRスペクトルによって、その化合物は、B−H−B(又はB−O−B)架橋の部分的にフッ素化されたクラスターアニオンのオリゴマー混合物であることが示される。
この例は、純粋な液体HF中で反応体の充填を増やそうとすることが成功しなかったことを実証している。このことは、キャリヤーにおけるフッ素化生成物の不溶性と、このような強酸中での不純物の形成によるものであると推測される。
[比較例6]
[無水HF中でのフッ素を用いた(H2O)n1212のフッ素化(2%充填)]
HF中H21212・6H2O2wt%溶液を、約−15℃でN2中20%F2を用いてフッ素化し、非常に少量の他のアニオン(副生成物)とともにB1212 2-を得た。粗反応混合物の19F NMRスペクトルに基づいて、アニオンのモル比は、B1212 2-(1)、B2422 4-(0.01)、B1211(OH)2-(0.05)、及びBF4 -(0.36)であった。二量体の化学式はその19F NMRスペクトルに基づいて仮定されており、5:5:1比の3つのフッ素シグナルがあった。テトラブチルアンモニウム塩の負イオンエレクトロスプレースペクトルにおいて、イオン[(Bu4N)32422-のm/zavと同じm/zav=1403のシグナルが存在する。BF4 -/B1212 2-のモル比を0.36にするには、B1212 2-の約3mol%を反応中に分解しなければならない。こうして、上記反応におけるB1212 2-の収率は90%に近かった。
結果は、塩のフッ素化において十分な収率が得られたことを示している。しかしながら、例1及び例2の1%充填に比べて2%充填を用いたが、商業的な適用には低過ぎる。
[比較例7]
[無水HF中でのフッ素を用いた(H2O)n1212のフッ素化(15%充填)]
比較例6の手順に従って、より高充填の反応体の効果を明らかにした。固体H21212・nH2O(20.8g)を、300mlのParr反応器においてHF120mlを用いて−40℃で処理した。混合物を35℃に加温して、1時間この温度で、次いで60℃で40分間加熱した。発生した水素は真空下で除去した。混合物を−25℃まで冷却し、20%フッ素/窒素の混合ガスを該反応混合物に200ml/分で通した。反応温度を−10℃まで上昇させ、流量を1時間のうちに300ml/分まで上昇させて、この速度で維持した。通過したフッ素の合計量は2400mlであり、それはアニオン当たり約12当量のフッ素に相当する。粗生成物の19F NMR分析によって、B1212 2-及びB2422 2-が1/0.12モル比の主生成物として示される。すべての揮発性物質を真空下で除去し、反応生成物を水150mlに溶解してトリエチルアミン(16g)を添加した。形成した白色沈殿を濾過によって収集した。その固体をアセトンに再び溶解して、少量の不溶性材料を濾過によって除去した。アセトンを真空下で除去し、残留固体を水で洗浄して真空下で乾燥させ、[Et3NH]2[B1212]26.6gを生成した(H21212・nH2O(n=6)に基づいて55%収率、又はn=8に基づいて63%収率)。
他の例の場合と同様、ポリフッ素化された水素化ホウ素アニオンの収率は、純粋な液体HF中における二量体形成のために低かった。
[比較例8]
[無水HF中でのフッ素を用いたBaB1212のフッ素化(20%充填)]
バリウム塩を充填したこと及び代わりに用いたこと以外は、例7に記載した方法と同様にして無水BaB1212のフッ素化を実施した。バリウム塩約40〜45gとHF120〜160mlをバッチごとに用いた。混合物を約80℃で2時間加熱し、続いて水素を除去してフッ素を添加した。フッ素は−30℃で混合物中に通した。フッ素スパージャーは、フッ素化の終了近くに固体で塞がり始めた。HFをスパージャーに凝縮させることでスパージャーを洗浄することができ、それにより、該固体はHFにかなり可溶性であり、恐らくBaB1212-nnであることが示された。
1212 2-アニオンを単離し、上述したように[Et3NH]2[B1212]として50〜55%の収率で精製した。後処理前の19F NMRによる粗生成物分析によって、主としてB1212 2-、及び約15〜20mol%のB2422 2-不純物が示された。後処理後の19FNMRでは、後処理によって主生成物の収率が減少することを示した。
結果は、Ba塩が先の例で示した塩の多くよりも高いフッ素化を受けるが、その収率は、純粋な液体HF中で二量体が形成するために低いままであり、溶解性が依然として問題であることを示している。
[比較例9]
[無水HF中での(TEAH)21212のフッ素化]
この例では、フッ素化の間中トリエチルアンモニウムドデカボレート塩の高い溶解性が示され、純粋HFのように強い酸において高含量の不純物が形成した。(TEAH)212122.22g上に約10mLの無水HFを凝縮させた。室温まで加温すると、水素の発生が観測された。H2の発生が終わると、少量のクリーム色の固体が淡黄色の溶液中に残った。固体生成物を残してHFを排気した。数mgの生成物が19F NMRによって分析され、それぞれ約5%の(TEAH)212102と、部分的にフッ素化された二量体生成物B24616 -4であると考えられるものとともに、主として(TEAH)21293であることが示された。
固体の大部分を約10mLの無水HF中に再び溶解した。該溶液を−20℃まで冷却し、窒素で希釈した20%フッ素を添加した。
フッ素化の初期には、溶液は−20℃で幾分濁っていたが、固体は直ぐに溶解して、以降のフッ素化では沈殿物は全く観測されなかった。フッ素化の完了時に、揮発性物質を除去した。生成物はHFに極めて可溶性であり、約80wt%の濃度に達するまで、固体は室温で全く観測されなかった。最終的に、生成物をガラス質固体として単離した。19F NMR分析によって、65wt%のB1212 2-、17wt%のB12112-及び17wt%の二量体生成物B2422 -4、又は35wt%近くの二量体不純物から成る生成物が示される。
比較例5〜9は、カチオンを適切に選択することで、基質の充填を純粋なHF中で増加させることができるが、このことは、副生成物、二量体が形成するために相当な収率の損失を犠牲にしているということを示している。
[例10]
[フッ化ナトリウムで緩衝化された無水HF中での(TEAH)21212のフッ素化]
この例は、HFの酸度がフッ化物の緩衝剤で低下されるという条件で、例9で示した非常に可溶性の塩が、無水HF中でのわずかな二量体形成で以って高充填でフッ素化できるということを実証している。(TEAH)212122.17gとフッ化ナトリウム1.5gとの混合物上に約8mLの無水HFを凝縮させた。室温まで加温した際、非常に少量の水素発生しか観測されず、クリーム色の懸濁が観測された。固体生成物を残してHFを排気した。数mgの生成物を19F NMRによって分析し、フッ素化が全く行われていなかったことが示され、無水HFの酸度がかなり低下していたことを確認した。
スラリーを−15〜−20℃まで冷却し、20%F2/N2を添加した。フッ素化の間、色の変化は全く観測されなかったが、スラリーはかなり粘性がなくなった。フッ素化の完了時に、揮発性物質を除去して微粉固体の生成物を残した。19F NMR分析によって、85%のB1212 2-、12%のB12112-、3%のB12102-から成る生成物が示され、二量体の副生成物は全く観測されなかった。
[例11]
[ギ酸中でのフッ素を用いたK21212のフッ素化(15%充填、O2添加)]
この例においては、(純粋HFよりも)より弱酸の反応媒体、即ちギ酸を用いた。この例においては、ギ酸10ml中にK21212・CH3OH1.8g(7.2mmol)を含有する無色のスラリーを0〜10℃でフッ素化した。合計108mmolのF2(25%過剰)を10%F2/10%O2/80%N2として添加した。フッ素化するうちに、反応媒体の平均ハメット酸度が−2〜−4に及び、すべての固体が完全に溶解して、フッ素化が完了した時には無色の均一な溶液が残った。19F NMRによる粗生成物溶液の分析によって、主としてB12112-(35%)及びB1212 2-(60%)、並びにモノヒドロキシ不純物B1211OH約5%が示された。二量体不純物は全く観測されなかった。上記のトリエチルアンモニウム塩を介した生成物の単離によって、不純物を除去し、上記のフッ素化されたボレートクラスター生成物を80%収率で得た。
その結果は、例えば、同様の充填での例7と比較した場合に、ギ酸が反応生成物の沈殿、及び副生成物の形成を最小限に抑えるのに効果的であったことを示している。
[例12]
[ギ酸中でのフッ素を用いたK21212のフッ素化(30%充填;O2添加)]
充填量を2倍にしたこと以外は、例11の手順に従った。例11で記載したように、H0=−2〜−4の平均ハメット酸度で以って、ギ酸6ml中にK21212・CH3OH2.96g(11.8mmol)を含有する無色のスラリーを0〜20℃でフッ素化した。所望のF2(142mmol)100%を10%F2/10%O2/80%N2の混合ガスとして添加した。無色の溶液が残った。30℃での更なるフッ素化(3%)によって、溶液から固体が沈殿した。溶媒を一晩かけて排気し、5.1gの無色の砕けやすい固体5.1gが残った。19F NMRによるこの粗生成物の分析によって、主としてB12102 2-(60%)、B12112-(35%)、及びB1212 2-(5%)が示された。この固体の半分を取り出し、ギ酸3.8g及びHF3g中に再び溶解した。新たに29mmolのF2を添加し、先と同様に溶媒を排気した。ライトピンクの固体(2.7g)が残った。19F NMRによるこの粗生成物の分析によって、主としてB12112-(35%)及びB1212 2-(60%)が示された。2%未満のヒドロキシ置換化合物が観測された。
例11及び例12は、ギ酸がB1212 2-をフッ素化するための酸性修飾剤として効果的であると判明したことを示している。30wt%のスラリーとして充填するときでさえ、該塩を効率的にフッ素化して、B12y(12-y) 2-(y=10〜12)を70〜90%の収率で与えることができ、二量体の形成が全くなく、クラスターに関するヒドロキシ置換もほとんどなかった。
[例13]
[ギ酸中でのフッ素を用いたK21212のフッ素化(20%充填;O2添加なし)]
充填量以外は例12の手順に従った。ギ酸8ml中にK21212・CH3OH2.00g(8mmol)を含有する無色のスラリーを、10%F2/90%N2のガス混合物を用いて0〜20℃でフッ素化した。合計116mmolのF2を添加した(22%過剰)。溶媒を一晩かけて排気した。19F NMRによるこの粗生成物の分析では、例11及び例12でO2が存在した場合よりも相当に低い転化を示した。主化学種はB12y(12-y) 2-(式中x=8〜10)であった。
この例は、無水有機溶媒中でのドデカボレート塩に関するラジカルスカベンジャーの効果を示すのに役立つ。
[例14]
[酢酸中でのフッ素を用いたK21212のフッ素化(15%充填、O2添加)]
氷酢酸10g中K21212・CH3OH2.01gのスラリーを、10%F2/10%O2/80%N2を用いて20℃でフッ素化した。合計116mmolのF2を添加した(22%過剰)。スラリーはフッ素化を通して無色のままであり、その粘度は減少したが、固体の完全な溶解は観測されなかった。フッ素化の完了時に、生成物スラリーは、酸化剤についてネガティブヨウ化物試験(ヨウ素滴定)を行った。次いで溶媒を排気し、粗生成物を水中に溶解した。溶液のpHを5にするのに十分なトリエチルアミンとともに、塩酸トリエチルアンモニウム(240mmol)を添加した。生成物を濾過し、水で洗浄して乾燥させた。フルオロボレート塩3.2g(65%収率)を単離した。19F NMR分析によって、B12102 2-(7%)、B12112-(18%)、及びB1212 2-(75%)が示され、ヒドロキシ置換不純物は微量しかなかった。
酢酸は反応媒体に所望の酸度を与えるのに効果的であったが、酢酸はそれ自体フッ素化して、潜在的に有害な副生成物をもたらす場合がある。
[例15]
[酢酸中でのフッ素を用いたK21212のフッ素化(15%充填、O2添加なし)]
氷酢酸10g中K21212・CH3OH2.01gのスラリーを、10%F2/90%N2を用いて20℃でフッ素化した。合計116mmolのF2を添加した(22%過剰)。スラリーはフッ素化を通して無色のままであり、その粘度は減少したが、固体の完全な溶解は観測されなかった。フッ素化の完了時に、生成物スラリーは、酸化剤についてネガティブヨウ化物試験を行った。次いで溶媒を排気し、粗生成物を水中に溶解した。溶液のpHを5にするのに十分なトリエチルアミンとともに、塩酸トリエチルアンモニウム(240mmol)を添加した。生成物を濾過し、水で洗浄して乾燥させた。フルオロボレート塩2.8g(62%収率)を単離した。19F NMR分析によって、B12102 2-(15%)、B12112-(26%)、及びB1212 2-(59%)が示され、ヒドロキシ置換不純物は微量しかなかった。
この例は、例14と対照的に、フッ素と溶媒の反応を抑制して転化を改善することにおけるラジカルスカベンジャーとしてのO2の有効性を示している。
例14及び例15は、酢酸が例11及び例12のギ酸と同等の反応性を与えたことを示しているが、ギ酸溶媒は、潜在的に有害な副生成物をフッ素と形成することが知られている。フッ素が容易に反応するギ酸などの溶媒については、添加された酸素が、有効なラジカルスカベンジャーであることがわかった。
[例16]
[ギ酸/HF中でのフッ素を用いたK21212のフッ素化(15%充填)]
ギ酸10g及びHF4g中、乾燥したK212122.16g(9.81mmol)のスラリーを10%F2/10%O2/80%N2を用いて0℃でフッ素化した。合計141mmolのF2を添加した(20%過剰)。フッ素化するうちに、すべての固体が完全に溶解した。フッ素化の完了時に、生成物溶液は、酸化剤についてネガティブヨウ化物試験を行った。次いで溶媒を排気し、粗生成物を水中に溶解した。溶液のpHを5にするのに十分なトリエチルアミンとともに、塩酸トリエチルアンモニウム(20mmol)を添加した。生成物を濾過し、水で洗浄して乾燥させた。フルオロボレート塩3.8g(78%収率)を単離した。19F NMR分析によって、B12112-(25%)及びB1212 2-(75%)が示され、ヒドロキシ置換不純物は微量しかなかった。
この例は、無水HFを用いて有機酸と純粋HFの間のハメット酸度にさらに酸性化された有機酸が、ドデカボレート塩のフッ素化に効果的な反応媒体であることを示している。
[例17]
[0.5M H2SO4中でのフッ素を用いたK21212のフッ素化(15%充填;O2添加)]
0.5M H2SO4水溶液9ml中K21212・CH3OH1.99g(7.9mmol)の溶液を、10%F2/10%O2/80%N2を用いて0℃でフッ素化した。合計116mmolのF2を添加し(22%過剰)、フッ素化するうちに、溶液は無色から黄色、オレンジブラウンに変化した。フッ素化中の反応媒体のハメット酸度H0は約−4であった。フッ素化の完了時に、生成物溶液は、酸化剤についてネガティブヨウ化物試験を行い、次いで、トリエチルアミンを用いてpH5に中和した。無色の固体生成物を濾過して洗浄した。乾燥後3.4gの生成物を単離し、該生成物は、19F NMR分析によって44%のB12102 2-、46%のB12112-、及び10%のB1212 2-と特徴づけられた。単離収率は78%であった。
その結果は、所望の範囲のハメット酸度を有する希釈硫酸が、効果的な反応媒体であることを示している。
[例18]
[水中30%K21212のフッ素化]
濃縮溶液(水中30%K21212)を1mol当量のフッ素を用いて0℃でフッ素化したこと以外は、例12の手順に従った。フッ素化によって、ポリフッ素化されたB12102 2-及びB12112-アニオンの驚くほど高い収率(78%収率)と、過フッ素化されたB1212 2-への幾分低い(10%)転化が得られた。興味深いことには、非常に低い10%未満のヒドロキシ置換が観測された。より重要には、二量体のクラスターアニオンB2422-yy 4-の形成による収率の損失が全くなかった。水中でのフッ素化においては、酸性溶液がHFの同時生成により生成する(20〜30%のHF水溶液がフッ素化の完了近くで存在している)と考えられる。この反応媒体は、無水HFよりも相当に低い酸度であるが、依然として高度なフッ素化を可能にし、かつ生成物の溶解性を維持するのに十分な酸性である(フッ素化の間にH0が約−2のハメット酸度に達する)。さらには、水溶液の酸度が高いほど、H22及びHOFを与えるフッ素の水との反応性が低くなる。これら2つの副生成物は、フッ素化中にヒドロキシ置換ボレートの副生成物、B1211OH2-が形成することに関係しているようである。
この例は、所望の範囲内の酸度をもたらすのに十分なHFがフッ素化中に生成されるという条件で、所望の酸度範囲外の反応媒体が使用でき、良好な結果をもたらすということを示している。
[例19]
[水中30%K21212のフッ素化]
上記の結果に基づいて、K21212のフッ素化を50%のHF水溶液中で実施した。これにより、1当量のフッ素で以って著しくより高いレベルのフッ素化が得られ、高収率のB12112-及びB1212 2-アニオンが得られ、それでもなお少量のヒドロキシ置換しかなく、二量体の形成は全くなかった。
この例は、例18と比べて、好ましい酸度の反応媒体中で全体のフッ素化を実施することが、単にこのような媒体中でフッ素化を完了するよりも効果的であることを示している。
[例20]
[水中でのフッ素を用いたK21212のフッ素化(20%充填;O2添加、HCO3 -添加)]
水25mL中にK21212・CH3OH2.0g(8.0mmol)、NaHCO37.8g(93mmol)を含有する水溶液を、116molの10%F2/10%O2/80%N2を用いて0℃〜20℃でフッ素化した。ハメット酸度は、フッ素化を通して0よりも大きいままであった。溶液はフッ素化するうちに淡黄色になった。
フッ素化の完了時に、粗生成物溶液の試料を19F NMRによって分析した。これにより、主化学種としてのB1284 2-、B1293 2-、B12102 2-に関し、比較的低い転化が示された。
その結果は、反応を通して所望のレベルよりも低いままである反応媒体が、非常に効率的でないフッ素化を与えることを示している。
これらの例から、水と無水HFの中間の酸度、即ちハメット酸度0>H0>−11を有する反応媒体が最も効果的であることが判明し、15〜30%充填で70〜90%の収率を可能にする。ラジカルスカベンジャーとしてO2を用いることで、酸性媒体のフッ素反応が抑制され、それによって反応効率が改善される。
以下は具体的な例について説明したものである。
比較例1〜3は、HFが、特にyが10以上である水素化ホウ素形態のドデカボレートアニオンの直接フッ素化に最適な溶媒ではないことを示している。HFはB1212 2-を部分的にフッ素化することができたが、HFがBF3によってさらに酸性化される場合でさえ、商業的に有用なドデカボレート塩は、この溶媒において2wt%未満の低い溶解性である。
例4〜9は、水素化ホウ素のカチオンを変えることで、HFにおけるドデカボレートの溶解性を相当に改善でき、それにより商業的な適用に必要とされる10%以上のより高い基質充填を可能にする。しかしながら、例5、7、8、9のように10%よりも大きい基質充填では、無水又は純粋HFは、副生成物B2423 2-の形成によって大きくかつ不可逆的な収率の損失をもたらす。
例10は、フッ化物イオンなどのさらに比較的弱い塩基で以って純粋HFの酸度を低下させることで、二量体の形成による収率の損失を避けることができるということを示している。
例11〜13は、溶媒/キャリヤーとしてのギ酸が、高収率の実質的に完全にフッ素化された水素化ホウ素をもたらすことができ、生成物塩の非溶解性による操作上の問題を制限することを示している。アニオンB12y12-y 2-のyが10よりも大きい、好ましくは少なくとも11であるフッ素化生成物の高含量を達成でき、高収率を達成できるのは、高度にフッ素化された水素化ホウ素が反応媒体に可溶であるという理由のためである。例1〜3で用いられる無水HFにおいては、生成物はフッ素化を増すとともにより不溶性になった。この問題は、主としてHF溶液で観測され、HF中で濃縮された基質溶液をフッ素化しようとするときは常に生じた。
反応媒体の酸度には関係しないが、副生成物の形成を低減させるファクターに関係して、例12及び例13はまた、有機酸中でのドデカボレートのフッ素化に関するラジカルスカベンジャーの効果を実証している。
例14及び例15は、ドデカボレートアニオン塩の直接フッ素化に好適な反応媒体を提供するのに、酢酸が効果的であることを示している。
同時に例11〜16は、無水有機酸又はこれらの酸と無水HFとの混合物が、ドデカボレートアニオンの直接フッ素化に効果的な反応媒体を提供することを示している。
例17は、H2SO4が直接フッ素化反応の媒体を適切なレベルに調整するのに好適な酸であることを示している。
例18及び例19は、基質濃度が反応の完了までに10wt%よりも大きな酸を生成するほど十分高く、かつラジカルスカベンジャーがフッ素化で用いられるという条件で、水でさえ相当に効果的な溶媒であることを示している。
比較例20は、酸度の非常に低い反応媒体の効果を示している。

Claims (20)

  1. 水素化ホウ素塩を直接フッ素化し、化学式Ma[Rbcdeyk、式中、Mが1〜4価のカチオン、Rがハロゲン又はアルキル基、ZがC、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb及びBi、Bがホウ素、Hが水素、aが1又は2、bが0〜7の整数、cが0〜1の整数、dが5〜12の整数、eが0〜9の整数、yが3〜12の整数であり、a及びkは、それぞれの値がMの価数で決まる1〜3の整数であり、即ち、整数aとMの価数を掛けると、整数(k)の2倍に等しい化合物を製造するための液相プロセスにおいて、該水素化ホウ素塩がフッ素化された水素化ホウ素塩を形成するための条件下でフッ素と接触し、
    水と無水HFの間の酸度を有する反応媒体の存在下で該水素化ホウ素塩をフッ素化することを含んで成る、液相プロセスの改良された方法
  2. 前記b及びcが0である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応媒体が、−11よりも大きく0よりも小さいハメット酸度H0を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記aが1又は2の整数である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記Mが、80以下の原子番号を有するI−A、II−A、I−B、及びII−B族である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記カチオンMが、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウムから成る群より選択されたアルカリ及びアルカリ土類金属である、請求項5に記載の方法。
  7. 10〜40vol%のフッ素濃度が直接フッ素化で用いられる、請求項4に記載の方法。
  8. 前記dが10及び12から成る群より選択された整数である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記カチオンMが、リチウム、カリウム、バリウム、及びセシウムから成る群より選択された、請求項8に記載の方法。
  10. 前記カチオンMが、H3+、RNH3 +、R2NH2 +1、R3NH+、R4+、R3+及びR4+から成る群より選択された、請求項4に記載の方法。
  11. 前記カチオンMがRNH3 +であり、Rがメチル又はエチルである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記反応媒体がギ酸から構成された、請求項4に記載の方法。
  13. 前記反応媒体が、アルカリ金属フッ化物又はギ酸で緩衝化された無水フッ化水素から構成された、請求項7に記載の方法。
  14. 水素化ホウ素塩を直接フッ素化して、フッ素化された水素化ホウ素化合物Ma12(12-y)yを製造するためのプロセスにおいて、yが少なくとも10であり、
    −11よりも大きく0よりも小さいハメット酸度H0を有する反応媒体中で該水素化ホウ素塩をフッ素化することを含んで成る、フッ素化された水素化ホウ素化合物を製造するための改良された方法。
  15. 前記カチオンが、H3+、リチウム、カリウム、バリウム、セシウム、及びRNH3 +から成る群より選択された、請求項14に記載の方法。
  16. 前記反応媒体のハメット酸度が−2〜−6である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記反応媒体が、ギ酸、酢酸、硫酸、トリフリック酸、及びトリフルオロ酢酸から成る群より選択される酸から構成された、請求項14に記載の方法。
  18. 10〜40vol%のフッ素濃度が直接フッ素化で用いられる、請求項15に記載の方法。
  19. 前記反応媒体が、ギ酸、又はフッ化カリウム若しくはフッ化ナトリウムから成る群より選択されるフッ化物から構成された、請求項16に記載の方法。
  20. 前記反応媒体が、アルカリ金属フッ化物又は水で緩衝化された無水フッ化水素から構成された、請求項16に記載の方法。
JP2004133402A 2003-05-01 2004-04-28 水素化ホウ素のフッ素化プロセス Expired - Fee Related JP4002254B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/427,341 US6781005B1 (en) 2003-05-01 2003-05-01 Process for the fluorination of boron hydrides

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004331494A true JP2004331494A (ja) 2004-11-25
JP4002254B2 JP4002254B2 (ja) 2007-10-31

Family

ID=32869269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004133402A Expired - Fee Related JP4002254B2 (ja) 2003-05-01 2004-04-28 水素化ホウ素のフッ素化プロセス

Country Status (9)

Country Link
US (1) US6781005B1 (ja)
EP (1) EP1473276B1 (ja)
JP (1) JP4002254B2 (ja)
KR (1) KR100582879B1 (ja)
CN (1) CN1266029C (ja)
BR (1) BRPI0401485A (ja)
CA (1) CA2465198C (ja)
MX (1) MXPA04003916A (ja)
TW (1) TWI341841B (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7311993B2 (en) * 2003-09-04 2007-12-25 Air Products And Chemicals, Inc. Polyfluorinated boron cluster anions for lithium electrolytes
CA2479589C (en) * 2003-09-04 2011-05-24 Air Products And Chemicals, Inc. Polyfluorinated boron cluster anions for lithium electrolytes
US7785740B2 (en) * 2004-04-09 2010-08-31 Air Products And Chemicals, Inc. Overcharge protection for electrochemical cells
US7419623B2 (en) 2004-08-03 2008-09-02 Air Products And Chemicals, Inc. Proton conducting mediums for electrochemical devices and electrochemical devices comprising the same
US7465517B2 (en) * 2004-08-23 2008-12-16 Air Products And Chemicals, Inc. High purity lithium polyhalogenated boron cluster salts useful in lithium batteries
US7981388B2 (en) * 2004-08-23 2011-07-19 Air Products And Chemicals, Inc. Process for the purification of lithium salts
US20060216612A1 (en) * 2005-01-11 2006-09-28 Krishnakumar Jambunathan Electrolytes, cells and methods of forming passivation layers
US20080026297A1 (en) * 2005-01-11 2008-01-31 Air Products And Chemicals, Inc. Electrolytes, cells and methods of forming passivaton layers
US20060204843A1 (en) * 2005-03-10 2006-09-14 Ivanov Sergei V Polyfluorinated boron cluster anions for lithium electrolytes
US7429671B2 (en) * 2006-12-06 2008-09-30 Air Products And Chemicals, Inc. Process for the fluorination of boron hydrides
WO2013115889A2 (en) 2011-11-18 2013-08-08 The Curators Of The University Of Missouri Process and device for the production of polyhedral boranes
CN112961655A (zh) * 2021-02-28 2021-06-15 天津大学 一种制冷剂

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3551120A (en) 1962-12-21 1970-12-29 Du Pont Substituted dodecaborates
US6448447B1 (en) 1997-04-03 2002-09-10 Colorado State University Research Foundation Fluoroborate salts comprising a reactive cation and uses thereof
WO1998043983A1 (en) 1997-04-03 1998-10-08 Colorado State University Research Foundation Polyhalogenated monoheteroborane anion compositions

Also Published As

Publication number Publication date
CN1550451A (zh) 2004-12-01
CA2465198C (en) 2011-03-22
CA2465198A1 (en) 2004-11-01
BRPI0401485A (pt) 2005-01-18
MXPA04003916A (es) 2004-11-09
EP1473276B1 (en) 2014-08-20
EP1473276A2 (en) 2004-11-03
KR100582879B1 (ko) 2006-05-25
CN1266029C (zh) 2006-07-26
TW200427693A (en) 2004-12-16
KR20040094620A (ko) 2004-11-10
TWI341841B (en) 2011-05-11
US6781005B1 (en) 2004-08-24
EP1473276A3 (en) 2013-01-30
JP4002254B2 (ja) 2007-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2832644B2 (ja) リチウムヘキサフルオロホスフェートの製造法
WO2013180174A1 (ja) シュウ酸を配位子とする金属錯体精製物及び該金属錯体の非水溶媒精製溶液の製造方法
JP4002254B2 (ja) 水素化ホウ素のフッ素化プロセス
JP2010280586A (ja) イミド酸塩の製造方法
JP6292996B2 (ja) フルオロ硫酸リチウムとそれを含む溶液の製造方法
JP5148125B2 (ja) 六フッ化リン酸塩の製造方法
JP2010155773A (ja) ジフルオロリン酸塩の製造方法
JP5341425B2 (ja) フッ化物ガスの製造方法
TWI383992B (zh) 製備巰基烷基烷氧基矽烷之方法
JP2008143777A (ja) 水素化ホウ素のフッ素化プロセス
JP5653130B2 (ja) ビス(フルオロスルホニル)イミドの製造方法
JP5789397B2 (ja) テトラシアノボレート化合物の製造方法
JPH0499743A (ja) 高品質テトラブロモビスフェノールaの製法
US8501138B2 (en) Production method of high purity silver tetrafluoroborate
JP5485583B2 (ja) ジアリールヨードニウム化合物の製造方法
WO2016002773A1 (ja) 精製イオン性錯体の製造方法
US3431087A (en) Method for the preparation of high purity nitronium salts
WO2016002772A1 (ja) 精製イオン性錯体の製造方法及びイオン性錯体
JP2000086623A (ja) 過酢酸水溶液の製造方法
JP2844767B2 (ja) テトラブロムビスフェノールaの製造方法
JP2874276B2 (ja) 高品質テトラブロモビスフェノールaの製造法
EP4313998A1 (en) Process for the synthesis of oligomeric siloxane having sulfone moiety, and silicon-containing compounds having sulfone moiety
JP2841680B2 (ja) テトラブロモビスフェノールaの製法
JP2005047824A (ja) 塩素化炭化水素化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060822

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20061121

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20061127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070816

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130824

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees