JP2874276B2 - 高品質テトラブロモビスフェノールaの製造法 - Google Patents

高品質テトラブロモビスフェノールaの製造法

Info

Publication number
JP2874276B2
JP2874276B2 JP10891590A JP10891590A JP2874276B2 JP 2874276 B2 JP2874276 B2 JP 2874276B2 JP 10891590 A JP10891590 A JP 10891590A JP 10891590 A JP10891590 A JP 10891590A JP 2874276 B2 JP2874276 B2 JP 2874276B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bromine
tba
reaction
weight
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10891590A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH049346A (ja
Inventor
久雄 江口
雅滋 久保
順隆 長崎
浩二 国本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP10891590A priority Critical patent/JP2874276B2/ja
Publication of JPH049346A publication Critical patent/JPH049346A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2874276B2 publication Critical patent/JP2874276B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、加水分解性臭素及び無機臭素イオン含量を
低減した高品質テトラブロムビスフェノールA(以下、
TBAと略記する。)の製造法に関するものである。
TBAは、エポキシ樹脂及びABS樹脂等の難燃剤として有
用な化合物である。
[従来の技術] TBAは通常、低級アルキルアルコール、ハロゲン化炭
化水素等の有機溶剤を用いて、ビスフェノールA(以
下、BPAと略記する。)と臭素との反応により製造され
る。特に、不純物の生成が比較的少ないことから、工業
的には反応溶媒としてメタノールが選ばれる。しかし、
上記のような従来法で製造されたTBA結晶は、通常、約1
00〜2000ppmの加水分解性臭素と約20〜100ppmの無機臭
素イオンを含有する。
TBAは、反応型難燃剤としてエポキシ樹脂組成物に多
量に使用されており、TBA単独またはTBAを骨格とするエ
ポキシ樹脂の形で配合されている。ところが、これらエ
ポキシ樹脂用途では、TBAに含まれる加水分解性臭素及
び無機臭素イオンが、樹脂の硬化反応や硬化後の樹脂特
性に悪影響を及ぼすため問題となる。
特に、積層板、封止剤等の電気・電子材料用途のエポ
キシ樹脂では、これらの存在が極めて重要な問題とな
る。すなわち、加水分解性臭素含量の多いTBAを電気・
電子材料用途エポキシ樹脂に使用した場合、吸湿等によ
り臭素分が臭素イオンとして遊離してしまい、これが金
属腐蝕等を引き起こし、材料の信頼性低下の原因とな
る。
従って、これらの用途に使用するTBAは、加水分解性
臭素及び無機臭素イオン含量低減のため、再結晶等によ
る精製が必要である。特開昭64−3139号では、特に有効
な精製方法として、芳香族炭化水素に加熱溶解させたTB
Aをアルカリ金属水溶液と接触させ処理する方法が提案
されている。
しかしながら、この精製方法を実施しても、得られる
TBAは50〜100ppm程度の加水分解性臭素を含有してお
り、電気・電子材料用途としては必ずしも満足できるも
のではなかった。加えて、この方法は、特別の精製工程
を必要とすることから、工業的に繁雑であり、非経済的
であった。
尚、TBAを製造する方法としては、特公昭41−3376
号、特公昭50−21465号、特公昭53−20494号等が提案さ
れているが、これらはいずれも加水分解性臭素及び無機
臭素イオン含量の低減方法について何等開示するもので
ない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、従来の方法では満足されなかった加
水分解性臭素及び無機臭素イオン含量を著しく低減した
高品質TBAの製造法を提出することにある。加えて、従
来製造工程上繁雑で、経済的に問題があった製造方法に
於いて、経済的に有利な、かつ従来のプロセスを簡略化
した工業的方法を提出することにある。
本発明でいう加水分解性臭素とは、TBAを水酸化カリ
ウム−メタノール溶液に溶解させた後、15分間加熱還流
した時に脱離する臭素イオン量をTBAの重量比で表した
ものである。また、無機臭素イオンとは、TBAをアセト
ンに溶解させたとき遊離する臭素イオン量をTBAの重量
比で表したものである。
尚、これら臭素イオン量の定量は、硝酸銀水溶液によ
る電位差滴定法やイオンクロマトグラフィー等で実施で
きる。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記の事情に鑑み、加水分解性臭素及
び無機臭素イオン含量を低減した高品質TBAを工業的に
製造すべく鋭意検討を行った結果、BPAをメタノール系
溶媒中で臭素により臭素化し、反応後、反応液に水を添
加してTBAを晶析させるTBAの製造法に於いて、晶析工程
での添加水量を、反応溶媒に対して30〜100重量%と
し、かつ、晶析水の滴下速度を反応溶媒に対して5〜40
重量%/時間とすることにより、加水分解性臭素及び無
機臭素イオン含量を著しく低減した高品質TBAが得られ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
[作用] 加水分解性臭素は、BPA中の不純物及び/又はTBAの側
鎖アルキル基が臭素化された比較的弱い炭素−臭素結合
を持つアルキルブロマイドから生ずると考えられる。ま
た、無機臭素イオンはBPA臭素化反応で副生する臭化水
素のTBA結晶中への取り込みによるものと考えられる。
TBAの製造法に於いて、晶析工程での添加水量を、反
応溶媒に対して30〜100重量%とし、かつ、晶析水の滴
下速度を反応溶媒に対して5〜40重量%/時間とするこ
とにより、加水分解性臭素及び無機臭素イオン含量が低
減される理由は必ずしも明確でないが、本発明のような
晶析条件下では、前記した不純物のTBA結晶中への取り
込みが非常に効果的に抑制されるものと考えられる。
本発明の要旨は、BPAをメタノール系溶媒中臭素によ
り臭素化し、反応後、反応液に水を添加してTBAを晶析
させるTBAの製造法に於いて、晶析工程での添加水量
が、反応溶媒に対して30〜100重量%であり、かつ、晶
析水の滴下速度が反応溶媒に対して5〜40重量%/時間
であることを特徴とする加水分解性臭素及び無機臭素イ
オン含量を低減した高品質TBAの製造法にある。以下そ
の詳細について説明する。
本発明の方法に於いていうメタノール系溶媒とは、メ
タノール溶媒若しくは15重量%以下の水を含有するメタ
ノール水溶液である。水の含有量が15重量%を越えると
生成するTBAの純度低下や着色が起るため、好ましくな
い。尚、反応溶媒中のBPAの基質濃度は、格別の限定は
ないが、通常5〜30重量%程度で実施される。
本発明の方法において使用される臭素の使用量は、BP
Aに対して4.0〜5.0(mol比)であり、好ましくは4.1〜
4.5である。4.0未満ではTBAの収率が低く、5.0を越える
と過剰臭素による副反応が起こりやすくなるため、好ま
しくない。
臭素は、通常0.5〜10時間かけて徐々に添加される。
臭素添加時の反応温度は約0〜50℃であり、特に好まし
くは約10〜30℃が選ばれる。0℃未満では反応速度が極
端に遅くなり、50℃を越えるとTBAの分解等の副反応が
起るため、好ましくない。
臭素添加終了後、反応を完結させるために、通常0.5
〜5時間程度の熟成を行う。熟成時の反応温度について
は格別の限定はないが、臭化メチルの副生を抑制するた
め、通常約10〜30℃が選ばれる。臭化メチルは、BPA臭
素化反応で生成する臭化水素とメタノールとの反応によ
り副生する極めて毒性の強い物質であり、その副生を抑
制することは、作業環境上及び安全上極めて有用であ
る。
反応終了後、反応液に溶解しているTBAを晶析させる
ため、反応液に水を添加する。添加する晶析水量は、反
応溶媒に対して30〜100重量%であり、特に好ましく
は、50〜85重量%である。30重量%未満ではTBAの晶析
量が少なく、100重量%を越えると加水分解性臭素含量
の低減に効果がなく、好ましくない。
本発明の方法に於ける晶析水の滴下速度は、反応溶媒
に対して5〜40重量%/時間であり、特に好ましくは、
10〜30重量%/時間である。5重量%未満では、晶析工
程に長時間を要することから、好ましくない。一方、40
重量%/時間を越えると加水分解性臭素の低減に効果が
なく、好ましくない。
本発明の方法では、TBA結晶を反応液から濾過分離し
た後、水洗、乾燥して製品とする。
本発明の方法で得られるTBAは、僅かに5〜50ppmの加
水分解性臭素と0〜10ppmの無機臭素イオンを含有する
高品質TBAである。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように本発明によれば、TBA
の製造法に於いて、晶析工程での添加水量を、反応溶媒
に対して30〜100重量%とし、かつ、晶析水の滴下速度
を反応溶媒に対して5〜40重量%/時間とすることによ
り、従来法では得ることのできなかった、加水分解性臭
素及び無機臭素イオン含量を著しく低減した高品質TBA
を製造することができる。
従って、本発明の方法で得られるTBAは、特別の精製
工程を必要とせず、そのまま、積層板、封止剤等の電気
・電子材料用途の樹脂用難燃剤として使用できる。
すなわち、本発明の方法を実施することにより、高品
質TBAを従来プロセスを簡略化して工業的に有利に製造
することができる。
[実施例] 以下に本発明の方法を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
(実施例1) 温度計、撹拌翼及び冷却管を有する容量300mlの四ッ
口フラスコに、BPA18.3g(80mmol)を仕込み、これにメ
タノール136mlを加えて溶解した。
次に、反応液を20℃に保ちながら、臭素54.3g(340mm
ol)を3時間かけて滴下し、更に、同温で2時間熟成を
行った。
熟成後、残存する過剰臭素をヒドラジン水溶液を加え
て還元した後、反応液に水(82ml)を3時間かけて加
え、溶解するTBAを晶析させた。
続いて、析出した結晶を濾取し、水洗、乾燥して、4
2.5gのTBA白色結晶を得た。
単離されたTBA結晶を高速液体クロマトグラフィーで
分析したところ、結晶純度は99.5%であった。更に、硝
酸銀水溶液による電位差滴定を行ったところ、38ppmの
加水分解性臭素と7ppmの無機臭素イオンを含有してい
た。
実施した晶析条件を第1表に、得られた結果を第2表
に示す。
(実施例2〜4) 実施例1に準じ、第1表に示した条件下でBPAの臭素
化反応及びTBAの晶析操作を行った。結果を第2表に示
す。
(比較例1〜3) 実施例1に準じ、第1表に示した条件下でBPAの臭素
化反応及びTBAの晶析操作を行った。結果を第2表に示
す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノールAをメタノール系溶媒中で
    臭素により臭素化し、反応後、反応液に水を添加してテ
    トラブロモビスフェノールAを晶析させるテトラブロモ
    ビスフェノールAの製造法に於いて、晶析工程での添加
    水量が、反応溶媒に対して30〜100重量%であり、か
    つ、晶析水の滴下速度が、反応溶媒に対して5〜40重量
    %/時間であることを特徴とする加水分解性臭素及び無
    機臭素イオン含量を低減した高品質テトラブロモビスフ
    ェノールAの製造法。
JP10891590A 1990-04-26 1990-04-26 高品質テトラブロモビスフェノールaの製造法 Expired - Fee Related JP2874276B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10891590A JP2874276B2 (ja) 1990-04-26 1990-04-26 高品質テトラブロモビスフェノールaの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10891590A JP2874276B2 (ja) 1990-04-26 1990-04-26 高品質テトラブロモビスフェノールaの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH049346A JPH049346A (ja) 1992-01-14
JP2874276B2 true JP2874276B2 (ja) 1999-03-24

Family

ID=14496873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10891590A Expired - Fee Related JP2874276B2 (ja) 1990-04-26 1990-04-26 高品質テトラブロモビスフェノールaの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2874276B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4908564B2 (ja) * 2009-09-14 2012-04-04 三菱樹脂株式会社 折り曲げ罫線入りプラスチックシート及びプラスチックシート用罫線刃

Also Published As

Publication number Publication date
JPH049346A (ja) 1992-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0126569B1 (en) Bromination process for preparing decabromodiphenyl ether from diphenyl ether
EP0380363B1 (en) Process for producing tetrabromobisphenol A
US5059726A (en) Process for producing tetrabromobisphenol A
EP0472395B1 (en) Process for producing tetrabromobisphenol A.
US4214103A (en) Purification of brominated organic products
JP2897372B2 (ja) 高品質テトラブロモビスフェノールaの製法
JP4841129B2 (ja) ペナム結晶の製造法
JP4002254B2 (ja) 水素化ホウ素のフッ素化プロセス
JPH10505084A (ja) 臭化メチルの生成を減少させてテトラブロモビスフエノール−aの製造をする方法
JP2874276B2 (ja) 高品質テトラブロモビスフェノールaの製造法
JPH07110827B2 (ja) テトラブロムビスフエノ−ルaの製造方法
JP3008552B2 (ja) 高品質テトラブロモビスフェノ−ルaの製造方法
JP2811851B2 (ja) テトラブロムビスフェノールaの製造法
JP2827399B2 (ja) テトラブロモビスフェノールaを製造する方法
JP2844767B2 (ja) テトラブロムビスフェノールaの製造方法
JP2841680B2 (ja) テトラブロモビスフェノールaの製法
US6383127B2 (en) Method of crystallizing tetrabromobisphenol A
JPH0360826B2 (ja)
JP2000026350A (ja) 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン誘導体の製造方法
JP2517238B2 (ja) 亜2チオン酸ナトリウム反応混合物の処理法
EP0040830B1 (en) Method for the preparation of (e)-4-bromo-2-methylbut-2-en-1-al
JP4321216B2 (ja) 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の製造方法。
JP2785391B2 (ja) ビス(4―ヒドロキシー3,5―ジブロモフェニル)スルホンの製造方法
JPH0613455B2 (ja) テトラブロムビスフエノ−ルaの製造方法
JPS6072858A (ja) メチレンジチオシアナ−トの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees