JP2811851B2 - テトラブロムビスフェノールaの製造法 - Google Patents

テトラブロムビスフェノールaの製造法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、加水分解性臭素及び無機臭素イオン含量を
低減した高品質テトラブロムビスフェノールA(以下、
TBAと略記する。)の製造法に関するものである。
TBAは、エポキシ樹脂及びABS樹脂等の難燃剤として有
用な化合物である。
[従来の技術] TBAは、通常低級アルキルアルコール、ハロゲン化炭
化水素等の有機溶剤を用いて、ビスフェノールA(以
下、BPAと略記する。)と臭素との反応により製造され
る。しかし、上記の方法で得られるTBA結晶は、通常約1
00〜2000ppmの加水分解性臭素と約20〜100ppmの無機臭
素イオンを含有している。
TBAは、反応型難燃剤としてエポキシ樹脂組成物に多
量に使用されており、TBA単独またはTBAを骨格とするエ
ポキシ樹脂の形で配合されている。ところが、これらエ
ポキシ樹脂用途では、TBAに含まれる加水分解性臭素及
び無機臭素イオンが、樹脂の硬化反応や硬化後の樹脂特
性に悪影響を及ぼすため問題となる。
特に、積層板、封止剤等の電気・電子材料用途のエポ
キシ樹脂では、これらの存在が極めて重要な問題とな
る。すなわち、加水分解性臭素含量の多いTBAを電気・
電子材料用途エポキシ樹脂に使用した場合、吸湿等によ
り臭素分が臭素イオンとして遊離してしまい、これが金
属腐触等を引き起こし、材料の信頼性低下の原因とな
る。
従って、これらの用途に使用するTBAは、加水分解性
臭素及び無機臭素イオン含量低減のため、再結晶等によ
る精製が必要である。特開昭64−3139号では、特に有効
な精製方法として、芳香族炭化水素に加熱溶解させたTB
Aをアルカリ金属水溶液と接触させ処理する方法が提案
されている。
しかしながら、この精製方法を実施しても、得られる
TBAは50〜100ppm程度の加水分解性臭素を含有してお
り、電気・電子材料用途としては必ずしも満足できるも
のではなかった。更に、この方法は、特別の精製工程を
必要とすることから、工業的に繁雑であり、非経済的で
あった。
尚、TBAを製造する方法としては、特公昭41−3376
号、特公昭50−21465号、特公昭53−20494号等が提案さ
れているが、これらはいずれも加水分解性臭素及び無機
臭素イオンの低減方法について何等開示するものではな
い。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、従来の方法では満足されなかった加
水分解性臭素及び無機臭素イオン含量を著しく低減した
高品質TBAを製造する方法を提出することにある。加え
て、従来製造工程上繁雑で、経済的に問題があった製造
方法に於いて、経済的に有利な、かつ従来のプロセスを
簡略化した工業的方法を提出することにある。
本発明でいう加水分解性臭素とは、TBAを水酸化カリ
ウム−メタノール溶液に溶解させた後、15分間加熱還流
した時に脱離する臭素イオン量をTBAの重量比で表した
ものである。更に、無機臭素イオンとは、TBAをアセト
ンに溶解させたとき遊離する臭素イオン量をTBAの重量
比で表したものである。
尚、これら臭素イオン量の定量は、硝酸銀水溶液によ
る電位差滴定法やイオンクロマトグラフィー等で実施で
きる。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記の事情に鑑み、加水分解性臭素及
び無機臭素イオン含量を低減した高品質TBAを工業的に
すべく鋭意検討を行った結果、BPAをメタノール中で臭
素により臭素化する方法に於いて、メタノール中に対す
るBPAの基質濃度を0.1〜10重量/容量%とした場合、約
15〜57重量/容量%の基質濃度で実施されていた従来の
製造法と比較して、驚くべきことに、加水分解性臭素及
び無機臭素イオン含量を著しく低減した高品質TBAが高
収率で得られることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
[作用] TBAを製造する方法に於いて、メタノールに対するBPA
の基質濃度を0.1〜10重量/容量%とすることにより、
加水分解性臭素及び臭素イオン含量を低減した高品質TB
Aの製造が可能となる。
BPAをメタノール中で臭素により臭素化し、TBAを製造
する方法では、反応系中に副生する臭化水素が臭素化反
応速度に大きな影響を及ぼす。
すなわち、前述の先行特許に開示されているような高
い基質濃度域(15〜57重量/容量%)では、反応系中に
多量の臭化水素が蓄積するため臭素化反応速度は極端に
低下する。これは、蓄積した臭化水素がBPAの水酸基の
解離を阻害するため、BPAの芳香環の電子密度が低下
し、その結果、臭素カチオンとの反応が抑制されるため
と考えられる。従って、このような高い基質濃度域での
反応は、一般に高い反応温度を必要とする。
一方、本発明の方法のような低い基質濃度域では、反
応系中に蓄積する臭化水素が少量であるため、反応速度
の低下は認められない。
加水分解性臭素は、BPA中の不純物及び/又はTBAの側
鎖アルキル基が臭素化された比較的弱い炭素−臭素結合
を持つアルキルブロマイドから生ずると考えられる。更
に、そのアルキルブロマイドは、主に臭素ラジカルとの
反応で生成すると考えられる。
メタノールに対するBPAの基質濃度を0.1〜10重量/容
量%とした場合に加水分解性臭素含量が低減される理由
は必ずしも明確ではないが、このような低い基質濃度域
では、臭素ラジカルの発生が抑制されるため、加水分解
性臭素の原因となるアルキルブロマイドの生成も抑制さ
れると考えられる。すなわち、本発明のような低い基質
濃度域では、前述のようにBPAと臭素カチオンとの反応
が速いため、結果的に臭素ラジカルの絶対的な発生量が
抑制されると考えられる。更に、本発明の方法では、反
応系中の臭化水素濃度が低いため、無機臭素イオン含量
も低減されると考えられる。
本発明の要旨は、BPAをメタノール中で臭素により臭
素化し、TBAを製造する方法に於いて、メタノールに対
するBPAの基質濃度を0.1〜10重量/容量%とすることを
特徴とする加水分解性臭素及び無機臭素イオン含量を低
減したTBAの製造法にある。以下その詳細について説明
する。
本発明を実施するにあたってのBPAの基質濃度は、メ
タノールに対して0.1〜10重量/容量%であり、好まし
くは1〜8重量/容量%である。0.1重量/容量%未満
では経済性に乏しく、10重量/容量%を越えると加水分
解性臭素の低減に効果がなく、好ましくない。
本発明の方法において使用される臭素の使用量は、BP
Aに対して4.0〜5.0(mol比)であり、好ましくは4.1〜
4.5である。
4.0未満ではTBAの収率が低く、5.0を越えると過剰臭
素による副反応が起こりやすくなるため、好ましくな
い。
臭素は、通常0.5〜10時間かけて徐々に添加される。
臭素添加時の反応温度は約0〜50℃であり、特に好まし
くは約10〜30℃が選ばれる。0℃未満では反応速度が極
端に遅くなり、50℃を越えるとTBAの分解等の副反応が
起るため、好ましくない。
臭素添加終了後、反応を完結させるために、通常0.5
〜5時間程度の熟成を行う。熟成時の反応温度について
は格別の限定はないが、通常約10〜60℃が選ばれる。
反応終了後、反応液に溶解するTBAを晶析させるた
め、反応液に水を添加する。添加する水の量は、通常、
反応溶媒に対して約30〜100重量%である。30重量%未
満ではTBAの晶析量が少なく、100重量%を越えるとTBA
の純度が低下するため、好ましくない。
本発明の方法では、TBA結晶を反応液から濾過分離し
た後、水洗、乾燥して製品とする。
本発明の方法で得られるTBAは、僅かに5〜50ppmの加
水分解性臭素と0〜10ppmの無機臭素イオンを含有する
高品質TBAである。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように本発明によれば、メタ
ノールに対するBPAの基質濃度を0.1〜10重量/容量%と
することにより、従来法では得ることのできなかった加
水分解性臭素及び無機臭素イオン含量を著しく低減した
高品質TBAを製造することができる。
従って、本発明の方法で得られるTBAは、特別の精製
工程を必要とせず、そのまま、積層板、封止剤等の電気
・電子材料用途の樹脂用難燃剤として使用できる。
すなわち、本発明の方法を実施することにより、高品
質TBAを従来プロセスを簡略化して工業的に有利に製造
することができる。
[実施例] 以下に本発明の方法を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
(実施例1) 温度計、撹拌翼及び冷却管を有する四ッ口フラスコ
に、BPA18.3g(80mmol)を仕込み、これにメタノール70
0mlを加えて溶解した。
次に、反応液を20℃に保ちながら、臭素54.3g(340mm
ol)を3時間かけて滴下し、更に、同温で2時間熟成を
行った。
熟成後、残存する過剰臭素をヒドラジン水溶液を加え
て還元した後、反応液に水(420ml)を加えて溶解するT
BAを晶析させた。
続いて、析出した結晶を濾取し、水洗、乾燥して、4
2.3gのTBA白色結晶を得た。
単離されたTBA結晶を高速液体クロマトグラフィーで
分析したところ、結晶純度は99.9%であった。更に、硝
酸銀水溶液による電位差滴定を行ったところ、13ppmの
加水分解性臭素と1ppmの無機臭素イオンを含有してい
た。
反応条件を第1表に、反応結果を第2表に示す。
(実施例2〜6) 第1表に示した反応条件以外は、実施例1に準じて操
作を行った。反応結果を、第2表に示す。
(比較例1〜4) 第1表に示した反応条件以外は、実施例1に準じて操
作を行った。反応結果を、第2表に示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノールAをメタノール中で臭素に
    より臭素化し、テトラブロムビスフェノールAを製造す
    る方法に於いて、メタノールに対するビスフェノールA
    の基質濃度を0.1〜10重量/容量%とすることを特徴と
    する加水分解性臭素及び無機臭素イオン含量を低減した
    テトラブロムビスフェノールAの製造法。
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