JP2005047824A - 塩素化炭化水素化合物の製造方法 - Google Patents

塩素化炭化水素化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】次亜塩素酸化合物を用いて塩素化反応により、1,4−ビス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼン等のカチオン重合の開始剤として有用な塩素化炭化水素化合物を製造するにあたって、工業的に安定した高反応収率と、高選択性をもった塩素化炭化水素化合物の製造方法を提供することにある。
【解決手段】特定の炭化水素化合物と、次亜塩素酸金属塩水溶液との混合物中に、プロトン酸を添加して、塩素化炭化水素化合物を製造する工程において、相関移動触媒を添加することを特徴とする塩素化炭化水素化合物の製造方法により達成される。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩素化炭化水素化合物を得る方法に関する。さらに具体的にいえば、次亜塩素酸化合物を用いて炭化水素化合物の3級炭素を選択的に塩素化する方法に関するものである。ここで合成される3級炭素の塩素化された化合物は、塩素置換基の反応活性を利用して各種の合成反応試薬として有用である。たとえば1,4−ビス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼン〔1,4−ジクミルクロライド、p−Cl(CHCCC(CHCl〕のような芳香族置換塩素化炭化水素は末端官能性ポリイソブチレン、あるいはポリイソブチレンをブロック成分とするブロック共重合体、例えばスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等を製造する際のカチオン重合開始剤として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
このような開始剤の合成法としては、例えば、1,4−ジイソプロピルベンゼンを原料として用いる以下の方法が知られている。
【0003】
ひとつは脱水素反応によって1,4−ジイソプロペニルベンゼン(CH=(CH)CCC(CH)=CH)を合成し(特許文献1)、これに塩化水素を付加する反応(非特許文献1)である。もうひとつは空気酸化によって1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン(1,4−HO(CHCCC(CHOH)を合成し(特許文献2)、これに塩化水素を作用させる反応(非特許文献2)が知られている。
【0004】
以上の合成では2段階以上の反応操作を必要とするが、1段階で目的の1,4−ジクミルクロライドを合成する方法としては1,4−ジイソプロピルベンゼンに太陽光照射下、塩素ガスを作用させる反応(非特許文献3)が報告されている。光照射による反応では塩素置換部位の選択性を制御することが課題である。
【0005】
次亜塩素酸を用いて1,4−ジクミルクロライドを1段階で製造する方法もすでに知られているが(特許文献3)、工業化に適した製造方法を提供するものとはいえない。これを改善した方法として(特許文献4)、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と油層との混合液中に塩酸を添加し、反応収率や選択性を向上させた方法も知られているが、まだ十分とはいえない。
【0006】
これに対して、炭化水素化合物の三級炭素を塩素化する方法に関連し、トルエンのベンジル位を塩素化する方法として、予め調製した次亜塩素酸水溶液とトルエン/塩化メチレン溶液の混合液中に相関移動触媒(テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、BuN(HSO))を添加する方法が報告されている(非特許文献4)。同様に、トルエン等のベンジル位を塩素化する方法として、相間移動触媒を使用せずに次亜塩素酸によって塩素化する方法についても報告されている(非特許文献5)。しかしいずれの方法においても充分に満足できる収率のものが得られていない。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第3429941号
【0008】
【特許文献2】
特開昭60−174737号
【0009】
【特許文献3】
特開平9−143106号
【0010】
【特許文献4】
特開2000−63303号
【0011】
【非特許文献1】
O.Nuyken et al.,Makromol.Chem.,186,173(1985)
【0012】
【非特許文献2】
V.S.C.Chang etal.,Polymer Bulletin,4,513(1981)
【0013】
【非特許文献3】
M.S.Kharashch et al.,J.Am.Chem.Soc.,61,2142(1939)
【0014】
【非特許文献4】
H.E.Fonouni et al.,J.Am.Chem.Soc,1983,105,7672)
【0015】
【非特許文献5】
F.Minisci et al.,Chim.Ind.,70,52(1988)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように一段階で、炭化水素化合物の3級炭素を選択的に塩素化する方法に関しては、工業的に満足できる収率を達成できる方法は知られていない。本発明の目的は、次亜塩素酸化合物を用いて塩素化反応を行うにあたって、工業的に安定した高反応収率と、高選択性をもった塩素化炭化水素化合物の製造方法を提供することにある。特に1,4−ビス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼン等、カチオン重合の開始剤として有用な塩素化炭化水素化合物の製造に有用である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの問題点を詳細に解明し解決する方法について鋭意検討した結果、目的物の選択性を向上させる方法を見い出し、本発明に到った。
【0018】
すなわち本発明は、一般式(1):
(CHR (1)
[式中、nは1〜12の整数で、m、kはそれぞれ0〜25の整数であり、jは1〜10の整数である。Rは塩素、臭素、ヨウ素、酸素、窒素、イオウ、及びリンからなる群より選ばれる原子を表し、mが2以上の場合Rは同じでもそれぞれ異なっていてもよい。またC で表されるj価の基は、第三級炭素原子−水素結合を有さない。R、Rはそれぞれ炭素数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基又はその水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基を表し、第三級炭素原子−水素結合を有さないものである。]で表される化合物と、次亜塩素酸金属塩水溶液との混合物中に、プロトン酸を添加して、一般式(2):
(CRCl) (2)
[式中、m、n、k、j、R、R、Rは上記と同じ]で表される塩素化炭化水素化合物を製造する工程において、相関移動触媒を添加することを特徴とする塩素化炭化水素化合物の製造方法に関する。
【0019】
好ましい実施態様としては、相間移動触媒が、第4級アンモニウム塩であることを特徴とする塩素化炭化水素化合物を製造する方法に関する。
【0020】
好ましい実施態様としては、相間移動触媒が、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリオクチルメチルアンモニウムクロライドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする塩素化炭化水素化合物を製造する方法に関する。
【0021】
好ましい実施態様としては、一般式(1)で表される化合物が、一般式(3):
6−z(CHR (3)
[式中、zは1〜4の整数で、R、Rは炭素数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基で、第三級炭素原子−水素結合を有さないものである。]で表される化合物であることを特徴とする塩素化炭化水素化合物の製造方法に関する。
【0022】
好ましい実施態様としては、一般式(3)で表される化合物が、1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼンであることを特徴とする塩素化炭化水素化合物を製造する方法に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明において原料として用いる炭化水素化合物としては、一般式(1):
(CHR (1)
[式中、nは1〜12の整数で、m、kはそれぞれ0〜25の整数であり、jは1〜10の整数である。Rは塩素、臭素、ヨウ素、酸素、窒素、イオウ、及びリンからなる群より選ばれる原子を表し、mが2以上の場合Rは同じでもそれぞれ異なっていてもよい。またC で表されるj価の基は、第三級炭素原子−水素結合を有さない。R、Rはそれぞれ炭素数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基又はその水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基を表し、第三級炭素原子−水素結合を有さないものである。]で表される化合物が使用できる。式中のR、Rとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などの炭化水素基、又はこれらの基の炭素原子上に塩素原子等の置換基を有するものが好ましく、その中でも両方がメチル基であるイソプロピル置換基が特に好ましい。
【0024】
さらに一般式(3):
6−z(CHR (3)
[式中、zは1〜4の整数で、R、Rは炭素数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基で、第三級炭素原子−水素結合を有さないものである。]で表される化合物が好ましく使用できる。R、Rとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などの炭化水素基が好ましく、その中でも両方がメチル基であるイソプロピル置換基が特に好ましい。
【0025】
本発明において一般式(1)で表される化合物としては、例えば以下のものを好ましく例示することができる。
【0026】
【化1】
Figure 2005047824
本発明によって得られる塩素化炭化水素化合物としては、一般式(2):
(CRCl) (2)
[式中、m、n、k、j、R、R、Rは上記と同じ]で表され、具体的化合物としては、以下のものを好ましく例示することができる。
【0027】
【化2】
Figure 2005047824
一般式(2)で表される塩素化炭化水素化合物の中でも、特に1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンや1,4−ビス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの合成において、本発明は特に有効である。
【0028】
本発明で用いる次亜塩素酸金属塩としては、特に限定されないが、例えば次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム、次亜塩素酸銅、及び次亜塩素酸第二銅があげられる。なかでも工業的な入手の容易さや取り扱いの簡便さおよび反応収率・選択性が良好である点から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。次亜塩素酸金属塩水溶液の濃度は特に限定されるものではないが、反応の収率・選択性が良好である点から0.7mol/kg以上が好ましい。入手した次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.7mol/kg以上である場合には、水で希釈して使用することができる。この場合の水は、水道水、イオン交換水、蒸留水等を示すが、場合によってはNaCl、KCl等の金属塩を含有していてもよい。
【0029】
本発明において用いる次亜塩素酸金属塩水溶液の量は、含塩素量が理論量に対して当量以上であれば特に制限されるものではないが、大過剰の次亜塩素酸金属塩水溶液を用いた際には副反応が進行し、目的化合物の純度の低下を招くことも考えられる。このことから、効率良く高純度で目的物を得るために、理論量に対して1.0〜10倍モルであることが好ましく、特に1.0〜5倍モルが好ましい。
【0030】
本発明において用いるプロトン酸の例としては、特に限定されないが、例えば塩酸、硫酸、硝酸、及び酢酸を挙げることができる。なかでも反応収率・選択性が良好である点から、塩酸が好ましい。プロトン酸の添加方法に関しては、連続添加あるいは何回かに分けて添加することが好ましいが、一括添加も可能である。連続添加する場合、添加時間は0.5〜15分が好ましく、特に1〜5分が好ましい。用いるプロトン酸の量に関しては、反応系中の水層のpHが好ましくは4〜9さらに好ましくは5〜7の範囲に調整される量であればよい。また、用いるプロトン酸の濃度に関しては特に限定されるものではないが、品質、反応時間、工業化を考えた時の反応槽の容量等の観点から、比較的高濃度であることが好ましく、35wt%以上の濃塩酸が特に好ましい。
【0031】
本発明において、一般式(1)から一般式(2)への塩素化反応は、無溶媒中で行うことも可能であるが、有機溶剤を用いて、原料を希釈した状態で反応することが好ましい。有機溶剤としては、特に限定はないが、塩素化反応で変質されにくく、添加効果の持続が期待できるハロゲン化有機溶剤が好ましく、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、エチルクロライド、エチレンジクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、1−トリクロロ−2−トリフルオロエタン、及びトリフルオロメチルベンゼンが好ましく用いられ、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、エチルクロライド、が特に好ましく用いられる。
【0032】
プロトン酸の添加時期としては、次亜塩素酸金属塩水溶液と原料炭化水素を混合させた後、添加することが重要である。先に次亜塩素酸金属塩水溶液にプロトン酸を添加して次亜塩素酸水溶液を調製する方法では、分解し易い次亜塩素酸を安定に保持することが困難であるばかりでなく、塩素化反応における目的物の収率も低くなり好ましくない。
【0033】
この塩素化反応の温度は特に制限されるものでは無いが、次亜塩素酸が比較的不安定であるため、低温で反応を行うことが好ましく、−15℃〜40℃で反応を行うことが好ましい。さらに好ましくは、−5℃〜25℃である。反応温度が40℃より高いと次亜塩素酸の分解が加速され、反応途中で濃度がほとんどゼロになってしまう。また、−15℃より低いと氷結しやすく好ましくない。次亜塩素酸の分解は危険な塩素ガスの発生を伴うため、安全上からも上記の温度範囲で反応を行うことが好ましい。
【0034】
相間移動触媒としては、特に制限はなく一般的に使用できるものであればいずれも使用可能であり、第4級アンモニウム塩、クラウンエーテル類、ホスホニウム塩、アミン等が挙げられる。その中でも、入手性や価格といった工業的取り扱い易さにおいて、第4級アンモニウム塩が好ましい。具体例を挙げると、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリオクチルメチルアンモニウムクロライドが好ましく、反応収率の観点から、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリオクチルメチルアンモニウムクロライドがさらに好ましく使用される。
【0035】
相関移動触媒の使用量は、一般式(1)で表される原料に対して0.5〜20mol%が好ましく、1〜10mol%がさらに好ましい。0.5mol%未満では効果が現れにくく、逆に20mol%を超えると添加しても効果が特に向上するわけではないばかりか副反応が進行してしまう場合があり好ましくない。
【0036】
相関移動触媒の添加時期は、特に制限は無く、工業生産における製造安定性等を考慮して決めることができる。例えば次亜塩素酸金属塩水溶液を仕込んだ直後、あるいは原料炭化水素を仕込んだ直後に加えることができる。またプロトン酸を加えた直後に添加することもできる。
【0037】
本発明によって得られた一般式(2)で表される塩素化炭化水素化合物は、塩素置換基の反応活性を利用して各種の合成反応試薬として使用される。特に、末端が制御されたポリイソブチレン、あるいはポリイソブチレンをブロック成分とする各種のブロック共重合体、例えばスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等の開始剤として好適に使用される。
【0038】
【実施例】
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
【0039】
なお、実施例および比較例に記載の収率は、経時データを取得した中での最高値である。
【0040】
(実施例1)
温度計、バッフル、撹拌機を備えた内容積0.002mガラス製セパラブルフラスコに、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(1.3kg,0.9mol/kg、鐘淵化学製)を仕込み、その中に、第4級アンモニウム塩としてテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(東京化成製)0.003kgを添加する。さらに、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン(0.04kg、イーストマン・ケミカル製)、モノクロロベンゼン(0.09kg、和光純薬製)を加え、撹拌しながらエタノール/ドライアイス浴で冷却しておく。液温が0℃の時点で、滴下ロートにより濃塩酸(0.1kg,35wt%)を5分かけてゆっくりと液中に添加した後、さらに150分撹拌した。液温は、反応熱により10℃に昇温した時点以降10℃一定に保持した。反応終了後、有機層と水層を静置分離により分液し、有機層に濃塩酸(0.03kg、35wt%)を加え約5分間激しく撹拌することにより有機層中に微分散している次亜塩素酸の失活を行った。有機層を分液し、モノクロロベンゼン溶液として反応生成物を得た。生成物中の1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率54%)。
【0041】
(実施例2)
実施例1において、先にテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩を添加しておくのではなく、塩酸を添加し終えて反応が開始した直後に引き続き速やかにテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩を添加した以外は、同様に行った。反応時間も実施例1と同様、塩酸添加終了後150分とした。生成物中の1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率52%)。
【0042】
(実施例3)
実施例1において、第4級アンモニウム塩としてベンジルトリブチルアンモニウムクロライドの50%水溶液(ライオン・アクゾ製)0.005kgを使用した以外は同様に行った。生成物中の1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率56%)。
【0043】
(実施例4)
実施例1において、第4級アンモニウム塩としてテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液(ライオン・アクゾ製)0.005kgを使用した以外は同様に行った。生成物中の1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率52%)。
【0044】
(実施例5)
実施例1において、第4級アンモニウム塩としてトリオクチルメチルアンモニウムクロライド(東京化成製)0.003kgを使用した以外は同様に行った。生成物中の1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率51%)。
【0045】
(実施例6)
実施例1と同一の装置に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(1.2kg,0.9mol/kg、鐘淵化学製)を仕込み、その中に、第4級アンモニウム塩としてベンジルトリブチルアンモニウムクロライドの50%水溶液(ライオン・アクゾ製)0.007kgを添加する。さらに、1,4−ジイソプロピルベンゼン(0.045kg、和光純薬製)、モノクロロベンゼン(0.25kg、和光純薬製)を加え、撹拌しながらエタノール/ドライアイス浴で冷却しておく。液温が0℃の時点で、滴下ロートにより濃塩酸(0.08kg,35wt%、和光純薬製)を4分かけてゆっくりと液中に添加した後、さらに150分撹拌した。液温は、反応熱により10℃に昇温した時点以降10℃一定に保持した。反応終了後、有機層と水層を静置分離により分液し、有機層に濃塩酸(0.03kg、35wt%)を加え約5分間激しく撹拌することにより有機層中に微分散している次亜塩素酸の失活を行った。有機層を分液し、モノクロロベンゼン溶液として反応生成物を得た。生成物中の1,4−ビス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、ガスクロマトグラフィ(以下、GCと略記)分析により求めた(収率84%)。
【0046】
(比較例1)
実施例1において、原料の添加順序を変えた。攪拌下、0℃の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に滴下ロートを用いて5分かけてゆっくりと液中に濃塩酸を添加して次亜塩素酸水溶液を先に調製した後で、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩を添加し、その上で、1,3,5−トリイソプロピルベンゼンとモノクロロベンゼンの混合液を添加した。反応温度は、塩酸添加以降に10℃に保った。生成物中の1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率39%)。
【0047】
(比較例2)
実施例2において、比較例1の方法により次亜塩素酸水溶液を先に調製した後で1,3,5−トリイソプロピルベンゼンとモノクロロベンゼンの混合液を添加し、最後にテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩を添加した。反応温度は、塩酸添加以降に10℃に保った。生成物中の1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率36%)。
【0048】
(比較例3)
実施例1において、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩を添加しないこと以外は同様に行った。生成物中の1,3,5−トリス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率41%)。
【0049】
(比較例4)
実施例6において、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライドを添加しないこと以外は同様に行った。生成物中の1,4−ビス(2−クロル−2−プロピル)ベンゼンの収率については、GC分析により求めた(収率73%)。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、一般式(2)で表される塩素化炭化水素化合物を高収率で効率良く得ることができる。

Claims (5)

  1. 一般式(1):
    (CHR (1)
    [式中、nは1〜12の整数で、m、kはそれぞれ0〜25の整数であり、jは1〜10の整数である。Rは塩素、臭素、ヨウ素、酸素、窒素、イオウ、及びリンからなる群より選ばれる原子を表し、mが2以上の場合Rは同じでもそれぞれ異なっていてもよい。またC で表されるj価の基は、第三級炭素原子−水素結合を有さない。R、Rはそれぞれ炭素数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基又はその水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基を表し、第三級炭素原子−水素結合を有さないものである。]で表される化合物と、次亜塩素酸金属塩水溶液との混合物中に、プロトン酸を添加して、一般式(2):
    (CRCl) (2)
    [式中、m、n、k、j、R、R、Rは上記と同じ]で表される塩素化炭化水素化合物を製造する工程において、相間移動触媒を添加することを特徴とする塩素化炭化水素化合物の製造方法。
  2. 相間移動触媒が、第4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1記載の塩素化炭化水素化合物の製造方法。
  3. 相間移動触媒が、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリオクチルメチルアンモニウムクロライドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載の塩素化炭化水素化合物の製造方法。
  4. 一般式(1)で表される化合物が、一般式(3):
    6−z(CHR (3)
    [式中、zは1〜4の整数で、R、Rは炭素数1〜5の脂肪族飽和炭化水素基で、第三級炭素原子−水素結合を有さないものである。]で表される化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の塩素化炭化水素化合物の製造方法。
  5. 一般式(3)で表される化合物が、1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼンであることを特徴とする請求項4に記載の塩素化炭化水素化合物の製造方法。
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