JPH11240893A - [トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドおよびその製造方法 - Google Patents

[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドおよびその製造方法

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JPH11240893A
JPH11240893A JP10298875A JP29887598A JPH11240893A JP H11240893 A JPH11240893 A JP H11240893A JP 10298875 A JP10298875 A JP 10298875A JP 29887598 A JP29887598 A JP 29887598A JP H11240893 A JPH11240893 A JP H11240893A
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貴臣 林
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敦 柴原
Katsuhiko Funaki
克彦 船木
Shinji Kiyono
真二 清野
Retsu Hara
烈 原
Kazumi Mizutani
一美 水谷
Tadahito Nobori
忠仁 昇
Usaji Takagi
夘三治 高木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホス
ホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドを製造
する際に、極めて簡便な方法でヒドロキシドを与える原
料とその簡便な製造方法を提供する。またその原料から
の該ヒドロキシドの製造方法および関連物質の分離また
は単離方法を提供する。 【解決手段】 式1の[トリス(ジメチルアミノ)ホス
ホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホス
ホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドおよびテ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデン
アミノ]ホスホニウムクロリドに塩化水素を接触させ付
加させるその製造方法。さらにジクロリド水溶液と水酸
基型イオン交換樹脂とを接触させてテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムヒドロキシドを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリドに関する。この化合物はアルキ
レンオキシドの重合触媒として重要なテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
ニウムヒドロキシドの原料として極めて有用である。ま
た、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムクロリドを含む反応液等の
有機溶媒の溶液から該クロリドをその塩化水素付加化合
物である[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして水相に抽出分
離する際の担い手としても重要な化合物である。本発明
はさらに[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムジクロリドの製造方法に関する
ものであり、またテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを
有機溶媒の溶液から該クロリドの塩化水素付加化合物で
ある[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]ト
リス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムジクロリドとして水相に抽出分離する
方法に関するものである。さらにはそのように抽出分離
して得られる[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオア
ミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリ
デンアミノ]ホスホニウムジクロリドの水溶液からテト
ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンア
ミノ]ホスホニウムヒドロキシドを製造する方法および
該ヒドロキシドを単離する方法に関する。さらには該水
溶液からテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを再生しそれ
を単離する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオ
アミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムジクロリドは従来全く未知
の化合物である。またテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド
と塩化水素を接触させると該クロリドの塩化水素付加化
合物である[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムジクロリドが生成するというこ
とも全く知られておらず、いかなる文献にも記載されて
いない。
【0003】ましてやテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド
を有機溶媒から該クロリドの塩化水素付加化合物である
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリドとして水相に抽出分離する方法
や、さらにはそのようにして抽出分離された[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムジクロリドの水溶液からテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒ
ドロキシドを製造する方法および該ヒドロキシドを固体
として単離する方法を実施した前例は全くなく、示唆さ
れる記載もない。また該水溶液からテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドを再生し該クロリドを固体として単離する
方法も全く知られておらず、示唆される記載もない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、アルキレンオキシドの重合触媒として重要なテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムヒドロキシドを製造する際に、極めて
簡便な方法で容易に該ヒドロキシドを与えることのでき
る原料を提供するものである。さらに本発明の第2の目
的はその原料の簡便な製造方法を提供することにある。
【0005】またテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシ
ドの原料としてテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは重要
な化合物である。そして該クロリドをテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
ニウムヒドロキシドに変換するには水溶液であることが
望ましい。しかし、該クロリドは、通常、有機溶媒中で
五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
ンとの反応で得られるが、有機溶媒に極めてよく溶解し
ている。そのため水抽出という簡便な方法では水相にほ
とんど移すことができず、この方法での分離は極めて困
難であった。このため有効な分離方法が望まれていた。
即ち、本発明の第3の目的はテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
ロリドを有機溶媒の溶液から簡便に水相へ移す該クロリ
ドの抽出分離方法を提供することである。
【0006】そして本発明の第4の目的はそのようにし
て抽出分離された水溶液から簡便にかつ容易に簡便にか
つ容易にテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドを製造す
る方法および該ヒドロキシドを固体として単離する方法
を提供することである。さらに本発明の第5の目的はそ
のようにして抽出分離された水溶液からテトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムクロリドを再生し固体として単離する方法を提
供することにもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するため鋭意検討を続けてきた結果、極めて簡便
かつ容易にテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホス
ホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドを与え
ることのできる新規化合物である[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリ
ドを見い出し、さらにそれを容易に製造する方法を見い
出した。またテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは本来水
に4重量%程度は溶解するのであるが、該クロリドを含
む有機溶媒の溶液から該クロリドを水で抽出分離しよう
としても、有機溶媒への溶解性が高くほとんど抽出され
なかった。しかしながら、純水に換えて塩化水素水溶液
を用いて抽出すると、驚くべきことに該クロリドはその
塩化水素付加化合物である[トリス(ジメチルアミノ)
ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドにな
って、その水溶性は大幅に増大し、一方有機溶媒への溶
解性は大幅に低下し、極めて効率よく水相に移すことが
できることを見い出した。この時、有機溶媒は実質的に
水と混ざらないものでなければならない。そしてこのよ
うに抽出分離されて得られるテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
ロリドの塩化水素付加化合物である[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロ
リドの水溶液は、水酸基型イオン交換樹脂と接触させる
だけでテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
ニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドに変換する
ことができることを見い出した。また該ジクロリドの水
溶液を中和することにより容易にテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドに再生できることをも見出した。本発明者
らはこれらの知見に基づき、本発明を完成させた。即
ち、本発明は、式(1)〔化2〕
【0008】
【化2】 で表される[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムジクロリドであり、 テトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドに塩化水素を接触させ、付加
させることを特徴とする式(1)で表される[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムジクロリドの製造方法であり、 少なくともテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらな
い有機溶媒を含む溶液を、水で洗浄した後または洗浄せ
ずに、該溶液に塩化水素水溶液を加えて接触させ、テト
ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンア
ミノ]ホスホニウムクロリドを該クロリドの塩化水素付
加化合物である[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオ
アミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして水相に抽
出分離することを特徴とするテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
ロリドの分離方法であり、少なくともテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
ニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒
を含む溶液を、水で洗浄した後または洗浄せずに、該溶
液に塩化水素水溶液を加えて接触させ、テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムクロリドを該クロリドの塩化水素付加化合物で
ある[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]ト
リス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムジクロリドとして水相に抽出し、得ら
れるその[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムジクロリドの水溶液と水酸基型
イオン交換樹脂とを接触させることを特徴とするテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムヒドロキシドの製造方法であり、少な
くともテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
ニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に
水と混ざらない有機溶媒を含む溶液を、水で洗浄した後
または洗浄せずに、該溶液に塩化水素水溶液を加えて接
触させ、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを該クロリド
の塩化水素付加化合物である[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリド
として水相に抽出し、得られるその[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロ
リドの水溶液と水酸基型イオン交換樹脂とを接触させて
得られるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドの水溶液
から、減圧下に80℃以下で水を留去させ、テトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムヒドロキシドを固体とすることを特徴とす
るテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリ
デンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドの単離方法であ
り、さらには、 少なくともテトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
ロリドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶
液を、水で洗浄した後または洗浄せずに、該溶液に塩化
水素水溶液を加えて接触させ、テトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
クロリドを該クロリドの塩化水素付加化合物である[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムジクロリドとして水相に抽出分離して得られる
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリド水溶液を、直接または濃縮後、
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物で中
和することにより、テトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに
再生し、該水溶液から固体として析出させることを特徴
とするテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
ニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの単離方法であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の式(1)で表される[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムジクロリドは従来未知の新規な化合物である。
この化合物は、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに塩化
水素を接触させ、付加させることで製造することができ
る。
【0010】その製造方法は特に限定はなく、テトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドに塩化水素を有効に接触させ
る方法であり、その目的に不都合がなければいかなる方
法でも良い。塩化水素としては、気体の塩化水素、例え
ばターシャリーブチルクロリド等のように系内で加熱等
によりその分子から塩化水素を放出するような化合物ま
たは塩化水素の水溶液もしくは有機溶媒の溶液等が用い
られる。これらのうち塩化水素水溶液が好ましい。
【0011】テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに塩化水
素を有効に接触させる方法としては、通常は両者を液相
で接触させる方法である。なかでもテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドを水溶液とし、これに塩化水素水溶液を加
える均一な系による方法、または該クロリドを実質的に
水と混ざらない有機溶媒の溶液とし、これに塩化水素水
溶液を加えて2相系となる方法でテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドと塩化水素を接触させることが好ましい。
前者の方法では[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオ
アミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムジクロリドの水溶液が直接
得られ、また後者の方法では2相を充分に撹拌した後静
置し水相と有機相とを分離しその水相を分取する方法で
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリドの水溶液が得られる。このう
ち、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムクロリドを実質的に水と混
ざらない有機溶媒の溶液とし塩化水素を塩化水素水溶液
として接触させる方法がより好ましい。
【0012】本発明の方法においてテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドと塩化水素とを接触させる際の塩化水素の
量は特に制限はないが、通常、テトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
クロリド1モルに対して0.5ないし2モルであり、好
ましくは0.9ないし1.2モルである。またその時の
温度および時間は特に制限はないが、通常、温度は10
ないし80℃、好ましくは15ないし35℃であり、時
間は3時間以内、好ましくは0.01ないし1時間、よ
り好ましくは0.05ないし0.5時間である。溶媒を
用いる場合その使用量は特に制限はないが、通常、テト
ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンア
ミノ]ホスホニウムクロリド1重量部に対して、通常、
500重量部以下であり、好ましくは0.1ないし50
重量部である。
【0013】テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに塩化水
素を接触させると式(1)で表される、該クロリドの塩
化水素付加化合物である[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドが生成
することは、実施例1ないし4で示すように明らかであ
る。
【0014】本発明では、この化合物を式(1)で代表
しているが、これは1つの極限構造式であり別の極限構
造も取り得る。実際には、これらの極限構造の共鳴混成
体である。さらに式(1)ではりん原子と塩素原子の結
合をイオン結合の形で表現してはいるが、多くのイオン
結合性の化合物でもそうであるように、実際にはそのり
ん原子と塩素原子の結合がなにがしかの共有結合性を有
していることを否定するものではない。本発明におけ
る、[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]ト
リス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムジクロリドはそれら全てを含んだ化合
物である。
【0015】このようにして通常[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリ
ドの水溶液が得られるが、必要であれば該水溶液から水
を留去して乾固したり、そのまままたは濃縮後に冷却し
晶析させる等の常用の方法でこの化合物を固体として取
り出すこともできる。
【0016】本発明における実質的に水と混ざらない有
機溶媒とは、通常の抽出等に用いられる有機溶媒であ
り、水には問題となる程度は溶解せず、水相と容易に分
離できるものである。また、テトラキス[トリス(ジメ
チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
ロリドや塩化水素水溶液と接触しても化学変化を起こさ
ないようなものである。そのような実質的に水と混ざら
ない有機溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、シ
クロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等
の飽和脂肪族炭化水素類であり、ベンゼンであり、例え
ばトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレ
ン、エチルベンゼン、ノルマルプロピルベンゼン、クメ
ン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−ト
リメチルベンゼン、メシチレン、テトラリン、ブチルベ
ンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、1,2
−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,
4−ジエチルベンゼン、1,2−ジイソプロピルベンゼ
ン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ジイソ
プロピルベンゼン、1,2,4−トリエチルベンゼン、
1,3,5−トリエチルベンゼンまたはドデシルベンゼ
ンなどのアルキル置換芳香族炭化水素類であり、例えば
クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロ
ベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベ
ンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼ
ン、1−ブロモ−2−クロロベンゼン、1−ブロモ−3
−クロロベンゼン、1−クロロナフタレンまたは1−ブ
ロモナフタレンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類であ
り、例えば2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、
4−クロロトルエン、2−ブロモトルエン、3−ブロモ
トルエン、2,4−ジクロロトルエン、3,4−ジクロ
ロトルエン、1−クロロ−2−エチルベンゼン、1−ク
ロロ−4−エチルベンゼン、1−ブロモ−2−エチルベ
ンゼン、1−ブロモ−4−エチルベンゼン、1−クロロ
−4−イソプロピルベンゼン、1−ブロモ−4−イソプ
ロピルベンゼン、メシチルクロリド、2−クロロ−o−
キシレンまたは4−クロロ−o−キシレンなどのハロゲ
ン化アルキル置換芳香族炭化水素類であり、例えばジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエー
テル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
アニソール、o−ジメトキシベンゼン、エチルフェニル
エーテル、ブチルフェニルエーテルまたはo−ジエトキ
シベンゼン等のエーテル類であり、例えば、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2−トリ
クロロエチレンまたはテトラクロロエチレン等の塩素化
脂肪族炭化水素類等が挙げられる。この他本発明の方法
を阻害しなければいかなる溶媒でも構わない。
【0017】これらのうち好ましくは、例えばヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭素原子
数6ないし8個の飽和脂肪族炭化水素類であり、ベンゼ
ンであり、例えばトルエン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレン、エチルベンゼンまたはメシチレン等
の炭素原子数7ないし9個のアルキル置換芳香族炭化水
素類であり、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベン
ゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロ
ベンゼン等の塩素原子数1ないし3個の塩素化ベンゼン
類であり、例えば2−クロロトルエン、2,4−ジクロ
ロトルエン、1−クロロ−4−エチルベンゼンまたはメ
シチルクロリド等の炭素原子数7ないし9個で塩素原子
数1ないし2個の塩素化アルキル置換芳香族炭化水素類
であり、例えばジエチルエーテル、1,4−ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、アニソール、o−ジメト
キシベンゼン、エチルフェニルエーテル等の炭素原子数
4ないし8このエーテル類等である。
【0018】これらの実質的に水と混ざらない有機溶媒
は単独で用いても、または複数個を併用しても構わな
い。そのような有機溶媒の使用量は特に限定されない
が、通常、少なくともテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド
および実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶液中に
含まれる該クロリド1重量部に対して、500重量部以
下であり、好ましくは1ないし100重量部であり、よ
り好ましくは1.5ないし20重量部である。
【0019】本発明の方法における少なくともテトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらな
い有機溶媒を含む溶液とは、少なくとも該2成分を含有
する溶液であり、本発明の方法を阻害しなければ他の成
分が存在していても構わない。またこの溶液が、一旦分
離されたテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを該有機溶媒
に溶解させて形成した溶液であってもよい。この場合、
該クロリドの一部が不溶で共存していても構わない。
【0020】さらには、少なくともテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を
含む溶液が、五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホランとを反応させて得られるテトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムクロリドを含む反応液から、この反応で副生す
る固体のアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム
クロリドを固液分離して除去した溶液であってもよく、
さらには必要であればこのようにして得られる溶液の溶
媒を留去させる等の方法で除いた後に所望の実質的に水
と混ざらない有機溶媒と置き換えた溶液等であっても構
わない。
【0021】これらの溶液のうち、五塩化りんとイミノ
トリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させて得
られるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
ニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを含む反応液か
ら、この反応で副生する固体のアミノトリス(ジメチル
アミノ)ホスホニウムクロリドを固液分離して除去した
溶液を用いることは、テトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド
を有機相から分離するという観点から重要である。
【0022】そしてそのような溶液としては、芳香族炭
化水素類またはハロゲン化芳香族炭化水素類を溶媒と
し、五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホス
ホランとを、五塩化りんに対するイミノトリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホランのモル比を7.00ないし12.
00とし、反応初期を10ないし90℃、その後110
ないし200℃の温度で反応させて得られるテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムクロリドを含む反応液から、この反応で副
生する固体のアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニ
ウムクロリドを固液分離して除去した溶液であることが
好ましい。なお、ここに云う反応初期とは五塩化りんと
イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを接触させ
る仕込みの時間を含んだ反応の初期段階である。
【0023】本発明の方法において、少なくともテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらな
い有機溶媒を含む溶液を塩化水素水溶液で処理する前
に、水で洗浄を行う場合もある。この水洗浄の方法とし
ては、該溶液および水を充分に接触させる方法であれば
いかなる方法でもよい。洗浄後静置し、有機相と水相が
分離した後に水相を取り除くことによって行うことがで
きる。
【0024】この水洗浄における水の量は特に限定され
ないが、通常、少なくともテトラキス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロ
リドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶液
1重量部に対して5重量部以下である。またそのような
水の量で数回に分けて洗浄することもできる。好ましく
は該溶液1重量部に対して毎回0.05ないし1.0重
量部以下の水で2ないし5回洗浄する。その温度および
時間は特に制限はないが、通常、温度は10ないし80
℃好ましくは15ないし35℃であり、時間は3時間以
内好ましくは0.01ないし1時間より好ましくは0.
05ないし0.5時間である。
【0025】この水洗浄の目的は、少なくともテトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらな
い有機溶媒を含む溶液中に含まれる水溶性の物質を取り
除くことである。特に、五塩化りんとイミノトリス(ジ
メチルアミノ)ホスホランとの反応から得られるテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドを含む反応液から、この反応
で副生する固体のアミノトリス(ジメチルアミノ)ホス
ホニウムクロリドを固液分離して除去した溶液中には、
例えば未反応のイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ランまたは固液分離したがなお溶解していて残存するア
ミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドな
ど少量の原料もしくは副生成物、さらには微量の不純物
が存在するが、これらはこの水洗浄でほぼ完全に水相に
洗い出せる。一方、テトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド
は、該有機溶媒に極めてよく溶解するため水相へはほと
んど分配されない。例えば水とo−ジクロロベンゼン溶
媒の重量比を1:4として、イミノトリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラン、アミノトリス(ジメチルアミノ)ホ
スホニウムクロリドおよびテトラキス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロ
リドそれぞれの水相およびo−ジクロロベンゼンの有機
相への重量分配率を測定したところ、それぞれ89.5
/10.5(水相/有機相、以下同様)、99.5/
0.5および0.1以下/99.9以上であった。この
ように少量の水溶性の原料や副生成物の除去にはこの水
洗浄が非常に有効である。
【0026】一方、少なくともテトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
クロリドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む
溶液が、その中に存在する水溶性の原料、副生成物およ
び不純物をあらかじめなんらかの方法で除いた溶液であ
ったり、または一旦分離されたテトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
クロリドを実質的に水と混ざらない有機溶媒に溶解させ
た溶液のように水溶性の物質を含まない溶液等を処理す
る場合には、前述の水洗浄は省略することができる。
【0027】このような少なくともテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を
含む溶液を水で洗浄した後または洗浄せずに、該溶液に
塩化水素水溶液を加え、両溶液を効率よく接触させる
と、塩化水素とテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは速や
かにその塩化水素付加化合物である[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロ
リドになる。この化合物の水溶性はもとのテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムクロリドに比べて飛躍的に増大し、一方、
有機溶媒に対する溶解性は低下する。
【0028】このことによって、テトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドを[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオ
アミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして、水相に
極めて効率よく移すことができ抽出分離できるのであ
る。そして静置後、水相と有機相を分液することにより
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリドを水溶液として取り出すことが
できる。
【0029】塩化水素水溶液を用いて、実質的に水と混
ざらない有機溶媒中のテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド
を[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムジクロリドとして水相に抽出しその水
溶液を得るに際しては、用いる塩化水素水溶液中の塩化
水素の量には特に制限はないが、通常、テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムクロリド1モルに対して0.5ないし2モルで
あり、好ましくは0.9ないし1.2モルである。この
量は、少なくともテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドお
よび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶液中の該
クロリドと、一部不溶の該クロリドが共存している場合
にはそれらの合計の1モルに対しての量である。このよ
うな量の塩化水素をその水溶液として使用するが、ここ
で用いる水の量としては、通常、少なくともテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらない有
機溶媒を含む溶液1重量部に対して100重量部以下で
あり、好ましくは10重量部以下であり、より好ましく
は5重量部以下である。塩化水素水溶液を該溶液に接触
させる時の温度および時間については特に制限はない
が、通常、温度は10ないし80℃好ましくは15ない
し35℃であり、時間は3時間以内好ましくは0.01
ないし1時間より好ましくは0.05ないし0.5時間
である。
【0030】このようにして、少なくともテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらない有
機溶媒を含む溶液を、水で洗浄した後または洗浄せず
に、該溶液に塩化水素水溶液を加えて接触させ、テトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドを該クロリドの塩化水素付加
化合物である[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオア
ミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリ
デンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして水相に抽出
分離することができ、テトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド
の分離が可能となる。
【0031】またこのようにして、少なくともテトラキ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらな
い有機溶媒を含む溶液を、水で洗浄した後または洗浄せ
ずに、該溶液に塩化水素水溶液を加えて接触させ、テト
ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンア
ミノ]ホスホニウムクロリドを該クロリドの塩化水素付
加化合物である[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオ
アミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして水相に抽
出分離して得られる[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリド水溶液は水
溶液のまま次の目的のため使用することもできるが、該
水溶液を乾固したり、濃縮および/または冷却して晶析
させるなど常用の方法で、固体として[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジク
ロリドを単離することもできる。
【0032】本発明の方法によって、少なくともテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざらな
い有機溶媒を含む溶液を、水で洗浄した後または洗浄せ
ずに、該溶液に塩化水素水溶液を加えて接触させ、テト
ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンア
ミノ]ホスホニウムクロリドを該クロリドの塩化水素付
加化合物である[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオ
アミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして水相に抽
出し、得られるその[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドの水溶液と
水酸基型イオン交換樹脂とを接触させることにより、テ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデン
アミノ]ホスホニウムヒドロキシドを製造することがで
きる。
【0033】この接触方法は特に限定されないが、通常
は該樹脂をカラムに充填し、これに該ジクロリドの水溶
液を流通させることによりイオン交換を行う。用いる水
酸基型イオン交換樹脂は、通常、3級アミンまたは4級
アンモニウム系のものである。
【0034】この際、用いる樹脂の量は、その樹脂の持
つイオン交換能力が、交換しようとする水溶液中の[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムジクロリドのモル数の2倍と、残存する場合の
塩化水素のモル数との合計に対して、通常、1ないし1
00倍モル、好ましくは1.5ないし20倍モルの範囲
となる量である。
【0035】このように、簡便にしかも効率よく[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
ニウムジクロリドからテトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキ
シドの水溶液を製造することができる。通常この水溶液
は充分に高い純度のテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシ
ドの水溶液である。
【0036】さらには、このようにして、少なくともテ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデン
アミノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と混ざ
らない有機溶媒を含む溶液を、水で洗浄した後または洗
浄せずに、該溶液に塩化水素水溶液を加えて接触させ、
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムクロリドを該クロリドの塩化水
素付加化合物である[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして水相
に抽出し、得られるその[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドの水溶
液と水酸基型イオン交換樹脂とを接触させて得られる、
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドの水溶液から、水
を留去させ固体として取り出すこともできる。該水溶液
から水を留去するに際しては、通常100℃以下で行う
が、減圧下に80℃以下で行うことが好ましい。なお必
要であれば、その固体に対して再沈澱などの精製を行う
こともできる。
【0037】さらに、本発明の方法によって、少なくと
もテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリ
デンアミノ]ホスホニウムクロリドおよび実質的に水と
混ざらない有機溶媒を含む溶液を、水で洗浄した後また
は洗浄せずに、該溶液に塩化水素水溶液を加えて接触さ
せ、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムクロリドを該クロリドの塩
化水素付加化合物である[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして
水相に抽出し、得られるその[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリド
の水溶液を、直接または濃縮後、アルカリ金属水酸化物
もしくはアルカリ土類金属水酸化物で中和することによ
り、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムクロリドに再生し、該水溶
液からテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
ニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを固体として析
出させて単離することもできる。
【0038】アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土
類金属水酸化物のうち、アルカリ金属水酸化物が好まし
く、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムがより好ま
しい。中和に用いるアルカリ金属水酸化物もしくはアル
カリ土類金属水酸化物の当量数は、トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリ
ド水溶液中のジクロリドのモル数、即ちジクロリドが生
成する際に取り込んだ塩化水素のモル数、および場合に
よっては該水溶液中に存在する塩化水素のモル数との合
計に対して、通常、0.7〜1.5倍である。好ましく
は、0.8〜1.2倍である。中和される水溶液の濃度
は、通常5〜50重量%であり、好ましくは10〜40
重量%である。中和に際してはアルカリ金属水酸化物も
しくはアルカリ土類金属水酸化物と塩化水素との中和塩
が生じるが、通常この塩は水に充分溶解する量であり、
一方、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
ニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの水への溶解度
は充分小さく、該クロリドが優先的に析出してくるので
通常の固液分離の方法、例えば濾過などで分離は容易で
ある。中和は通常常温で行う。
【0039】本発明の方法では、中和に際して過剰のア
ルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土類金属水酸化物
が用いられた場合でも、再生し析出したテトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムクロリドが更にテトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロ
キシドになることは殆どない。このようにして、再生し
析出させて得られたテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは
充分高い純度のものであるが、必要であれば、さらに再
結晶などにより精製することもできる。
【0040】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、これらは限定的でなく単に説明のためと解される
べきである。 実施例1 トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリドの合成 温度計、滴下ロートおよび撹拌機を装備した300ミリ
リットルのナスフラスコにテトラキス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロ
リド3.01g(3.88mmol)と水101gとを
加え、溶解した。濃度は2.89重量%であった。この
溶液を撹拌しながら、これに滴下ロートから1Nの塩化
水素水溶液(ファクター:1.000)3.88ミリリ
ットル(塩化水素:3.88mmol)を少しずつ加え
ていった。常温で0.2時間撹拌した後、この水溶液を
濃縮乾固して3.15gの白色固体を得た。
【0041】この白色固体の108.9mgを水20ミ
リリットルに溶解させ、ここに2重量%クロム酸カリウ
ム水溶液および硝酸銀水溶液を用いたMohr法により
塩化物イオンの定量分析を行ったところ、この白色固体
中には塩素が8.77重量%存在し、テトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
ニウムクロリドと塩化水素との1:1の付加化合物であ
るトリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリド中の含有塩素量である8.73
重量%とよく一致した。
【0042】元素分析値(重量%)は、C 35.7
0,H 8.99,N 27.61,P 18.95,
Cl 8.75(理論値:C 35.51,H 9.0
6,N27.61,P 19.08,Cl 8.73)
であった。この水相から得られた白色固体を重水(D2
O)に溶解した溶液の、 1H−NMRおよび31P−NM
Rを測定した。その結果をそれぞれ図1および図2に示
す。系内でH−D交換してできるHDOのシグナルを
4.65ppmに合わせた時に、この化合物の 1H−N
MR(図1)の化学シフトは、2.69および2.56
ppmであった。これは環境の異なる2種類のメチル基
に帰属され、りん原子とのカップリングにより2重線と
して観測されている。これらのメチル基の環境の違いに
よる化学シフト値の差異は、もとのテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリド中の4つのトリス(ジメチルアミノ)ホス
ホラニリデンアミノ基のN=P二重結合のうちの1つだ
けに、塩化水素の水素原子が付加してNH−P+ を作っ
ているためである。その結果、図1に示されているよう
に、積分値が3.0081:1.000、即ち3:1に
なっているのである。
【0043】一方、85%りん酸のりん原子のシグナル
を外部標準法で0ppmに合わせた 31P−NMR(図
2)の化学シフトは、35.4、14.6および−3
7.4ppmであった。これらは式(1)中の3種類の
りん原子の起因するものであり、低磁場側から順に、も
とのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムクロリド中の4つのトリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ基のN=P
二重結合のうちの1つだけに、塩化水素の水素原子が付
加してNH−P+ を作ってカチオンになったりん原子、
そのような水素原子の付加を受けていないりん原子およ
び中心のりん原子に帰属される。その結果、図2に示さ
れているように、積分値がそれぞれ、1.0318:
3.0318:1.0000、即ち1:3:1になって
いる。
【0044】また、この白色固体をトリス(ジメチルア
ミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリ
ドであるとして、3種類の濃度のアセトニトリル溶液を
調製した。その濃度は10.0、1.00および0.1
00mM(ミリモーラー)である。これらの溶液の電気
伝導度を測定したところ、それぞれ、2620、323
および31.7μSであった。一方、よう化ナトリウム
の同じ3種類の濃度のアセトニトリル溶液を調製し、同
様にして電気伝導度を測定したところ、それぞれ、12
50、143および15.1μSであった。トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
ジクロリドとよう化ナトリウムの各濃度における電気伝
導度の値の比較ではそれぞれ、ほぼ2倍の値を示してお
り、これは[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムジクロリドがアセトニトリル溶
液中において2価のイオンであることを示している。
これら全ての分析の情報から、得られた白色固体はテト
ラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンア
ミノ]ホスホニウムクロリドと塩化水素との1:1付加
化合物であり、その構造は式(1)で表されるトリス
(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムジクロリドであることが明らかである。
【0045】実施例2 500ミリリットルの分液ロートにテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドを15.5g(20.0mmol)秤りと
り、ここにo−ジクロロベンゼンを63.4g加え、完
全に溶解させた。水43.0gに、1規定塩酸(ファク
ター:1.000)を正確に20.0ミリリットル(塩
化水素:20.0mmol)加えて塩化水素水溶液を調
製した。この塩化水素水溶液を該クロリドのo−ジクロ
ロベンゼン溶液に少しづつ加えていった。全量加えた後
に、分液ロートを常温で0.1時間強く振とうし、両相
を接触させた後に静置した。有機相と水相とが完全に分
離した後に、両相をそれぞれ分取した。有機相は63.
8gであり、水相は78.0gであった。また有機相を
全量および水相の一部の25.0gを濃縮乾固したとこ
ろ、有機相には残渣がほとんどなかったのに対し、水相
では白色固体が5.18g得られた。実施例1と同様の
塩素分析から、この固体中には塩素が8.75重量%
(理論値:8.73重量%)含まれており、重水中での
31P−NMRは図2と全く同じであった。
【0046】実施例3 温度計、撹拌機および気体吹き込み管を装備した300
ミリリットルのナスフラスコにテトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
クロリド31.2g(40.2mmol)とトルエン1
03gとを加え、溶解した。窒素でシールし、常温で撹
拌しながら、吹き込み管の先端を液面よりやや高めにし
て、気体の塩化水素をボンベより送った。直後より白濁
がはじまり、時間とともにその濁りが増加していった。
塩化水素1.76g(48.2mmol)を送った後さ
らに0.2時間撹拌した。この白色固体を濾別して、少
量のトルエン次いでノルマル−ヘキサンで洗浄した後、
減圧下で充分乾燥した。32.6gの固体が得られた。
実施例1と同様の塩素分析からこの固体中には塩素が
8.76重量%(理論値:8.73重量%)含まれてお
り、重水中での31P−NMRは図2と同じであった。
【0047】実施例4 200ミリリットルのコニカルビーカーにテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムクロリド2.979g(3.843mmo
l)と水98.85gとを加え溶解した。濃度は2.9
24重量%であった。これに常温で0.05規定(ファ
クター:1.006)の塩化水素水溶液を加えながら、
自動pH測定装置によりpHを追跡した。図3に示すp
H曲線が得られ、テトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに
塩化水素がちょうど等モル加わった時に変曲点を迎え、
さらに塩化水素を該クロリドの5倍モルまで加えてもそ
れ以外の変曲点はなかった。このことから、テトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムクロリドと塩化水素は1:1の付加化合物
であるトリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]ト
リス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムジクロリドしか生成しないことが判っ
た。
【0048】実施例5 300ミリリットルの分液ロートにテトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムクロリドを9.30g(12.0mmol)秤りと
り、ここにo−ジクロロベンゼンを38.0g加え、完
全に溶解させた。水25.8gに、1規定塩酸(ファク
ター:1.000)を正確に12.0ミリリットル(塩
化水素:12.0mmol)加えて塩化水素水溶液を調
製した。この塩化水素水溶液を該クロリドのo−ジクロ
ロベンゼン溶液に少しずつ加えていった。全量加えた後
に、分液ロートを常温で0.1時間強く振とうし、両相
を接触させた後に静置した。有機相と水相とが完全に分
離した後に、両相をそれぞれ分取した。水相を全て濃縮
乾固したところ、白色固体が9.55g得られた。これ
に対し、有機相を濃縮乾固したところ、残渣はほとんど
残らなかった。実施例1と同様の分析を行ったところ、
このものは純粋なトリス(ジメチルアミノ)ホスホニオ
アミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムジクロリドであった。この
ジクロリドのテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに対する
収率は98.1%であった。このようにして、有機相か
ら水相へほぼ完全に分離することができた。
【0049】比較例1 実施例5と同様にして300ミリリットルの分液ロート
にテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリ
デンアミノ]ホスホニウムクロリドを9.30g(1
2.0mmol)秤りとり、ここにo−ジクロロベンゼ
ンを38.0g加え、完全に溶解させた。これに水を3
8.0g加えた。分液ロートを常温で0.1時間強く振
とうし、両相を接触させた後に静置し、有機相と水相と
が完全に分離した後に両相を分取した。有機相は47.
0gであり、水相は38.3gであった。また有機相お
よび水相全量を濃縮乾固したところ、有機相では白色固
体が9.26g得られたのに対し、水相では残渣はほと
んど残らなかった。
【0050】実施例6ないし11 表1に示す溶媒の種類およびその使用量を用いた以外
は、全て実施例5と同様にした。実施例6ないし11の
いずれの場合も有機相を濃縮乾固しても残渣はほとんど
なかった。結果を実施例5の結果とともに表1に示す。
ここで、収率は使用したテトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリ
ドに対する[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムジクロリドの収率である。(シ
クロヘキサンを用いた実施例10ではテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
ニウムクロリドが一部不溶であったが、抽出操作にはな
んら支障なく均一な水相が得られた)。表1に示す全て
の実施例において、高収率で有機相から水相へ抽出分離
することができた。
【0051】実施例12 2リットルのガラス製反応器に五塩化りん60.20g
(0.2891mol)および予めモレキュラーシーブ
ス3Aで乾燥した水分10ppmのo−ジクロロベンゼ
ン659.82gを仕込んだ。撹拌しながら40℃まで
昇温し、その温度に制御しながらこれに439.3g
(2.465mol)のイミノトリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラン(五塩化りんに対するイミノトリス(ジ
メチルアミノ)ホスホランのモル比は8.53である)
を1.0時間かけて滴下した。滴下終了後さらに40℃
に1.0時間保った。その後約1時間かけて170℃に
昇温し、9.0時間反応させた。(この時点で反応液の
一部を採取し、質量分析を行ったところ、テトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムクロリドのカチオン部の分子量に相当する
740の分子イオンスペクトルが観測された。また重水
素化ジメチルスルホキシド溶媒を用い、りん酸トリ−ノ
ルマル−ブチルを内部標準化合物とした31P−NMRに
よる定量分析から、この反応では0.2840モルのテ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデン
アミノ]ホスホニウムクロリドが生成していることが判
った。反応液は熱時には均一な液であったが、室温まで
冷却したらアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウ
ムクロリドの白色固体が多量析出していた。この白色固
体を容量1リットルの加圧濾過器を用いて濾別し、さら
にこの固体をo−ジクロロベンゼン247.0gで洗浄
した。得られた濾洗液を2リットルの分液ロートに移
し、これに水173gを加えた。常温で0.2時間強く
振とうすることにより両相をよく接触させて洗浄し、静
置後有機相と水相とを分離させそれぞれ分取した。再び
有機相を分液ロートに移し、この水洗浄の操作を同様に
あと2回行った。こうして水洗された有機相を、再度分
液ロートに移し、これに水618gおよび1規定塩酸
(ファクター:1.000)を275ミリリットル(塩
化水素:0.275mol)加えた。これを常温で0.
1時間強く振とうすることにより両相をよく接触させた
後に静置し、有機相と水相とを分離させそれぞれを分取
した。有機相は844.7gであり、水相は1132.
0gであった。有機相を全て濃縮乾固したところ、残渣
として薄黄色の油状物が6.5g得られた。また、水相
の一部の10.30gを濃縮乾固したところ白色固体が
1.999g得られた(このことから、全水相中には2
19.7gの白色固体が存在することになる)。このよ
うにして水相から得られた白色固体に対して、実施例1
と同様の分析を行ったところ、この固体はほぼ純粋な
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリドであることが判った。五塩化り
んに対する収率は93.6%であった。また五塩化りん
とイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとの反応
から生成したテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに対する
収率は95.3%であった。このようにして五塩化りん
とイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応
させて得られるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを含む
反応液から、この反応で副生する固体のアミノトリス
(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドを除去した溶
液を用いても、該クロリドを有機相から水相へほぼ完全
に、高純度のトリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
ンアミノ]ホスホニウムジクロリドとして、分離するこ
とができた。
【0052】実施例13 実施例12と全く同様に反応および後処理を行って濾洗
液を得た。この濾洗液を減圧下で濃縮乾固したところ、
白色固体215.7gを得た。この固体をクロロベンゼ
ン800gに完全に溶解させ2リットルの分液ロートに
移した。これに水175gを加え、常温で0.2時間強
く振とうすることにより両相をよく接触させて洗浄し、
静置後有機相と水相とを分離させそれぞれを分取した。
再び有機相を分液ロートに移し、この水洗浄の操作を同
様にあと2回行った。こうして水洗された有機相を、再
度分液ロートに移し、これに水600gおよび1規定塩
酸(ファクター:1.000)を275ミリリットル
(塩化水素:0.275mol)加えた。これを常温で
0.1時間強く振とうすることにより両相をよく接触さ
せた後に静置し、有機相と水相とを分離させそれぞれを
分取した。有機相は811.5gであり、水相は107
5.2gであった。有機相を完全に濃縮乾固したとこ
ろ、残渣として薄黄色の油状物が7.0g得られた。ま
た、水相の11.50gを濃縮乾固したところ白色固体
が2.342g得られた(このことから、水相中には2
19.0gの固体が存在することになる)。このように
して水相から得られた固体に対して、実施例1と同様の
分析を行ったところ、この固体は[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリ
ドであることが判った。五塩化りんに対する収率は9
3.3%であった。また五塩化りんとイミノトリス(ジ
メチルアミノ)ホスホランとの反応から生成したテトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムクロリドに対する収率は95.0%で
あった。
【0053】実施例14 実施例12と全く同様にして有機相と水相を分離し[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムジクロリドを214.0g(0.2636mo
l)含む水溶液1132.0gを得た。この水溶液にさ
らに水6000gを加え、これをイオン交換能力1.1
meq/mlの4級アンモニウム系水酸基型イオン交換
樹脂(バイエル社製、レバチットMP500)900ミ
リリットルを充填したカラムに流通させた。この後、水
500gを流通させ、流出液と合計で7607gを得
た。流出した水溶液の一部の100.0gを濃縮乾固し
たところ白色固体2.482gが得られた(このことか
ら、この全水溶液中には188.8gの固体が存在する
ことになる)。この白色固体中の塩素の定量分析を行っ
たところ塩素は0.01重量%以下であり、イオン交換
はほぼ完全に行われていることが分かった。また、この
白色固体の質量分析、元素分析および重水素化ジメチル
スルホキシド溶液中の 1H−NMR、31P−NMRの結
果は、標品のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドのも
のと完全に一致した。テトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキ
シドの[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]
トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンア
ミノ]ホスホニウムジクロリドに対する収率は94.7
%であり、効率よいイオン交換を行うことができた。
【0054】実施例15 実施例14と同様にして、テトラキス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒド
ロキシドの水溶液を得た。この全量を50ないし100
mmHgの減圧下に60℃で水を留去させ白色固体を得
た。さらに1mmHg以下の減圧にし、60℃で5時間
かけて乾燥させた。188.5gの固体のテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムヒドロキシドが得られた。
【0055】実施例16 実施例12と全く同様にして有機相と水相を分離し[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムジクロリドを214.0g(0.2636mo
l)含む水溶液1132.0gを得た。この水溶液は該
ジクロリドの濃度18.9重量%である。これを濃縮し
25.7重量%の水溶液にした。この水溶液の全量に1
規定水酸化ナトリウム水溶液(ファクター:1.00
0)を263.6ミリリットル(水酸化ナトリウム0.
2636mol)を徐々に加えた。水酸化ナトリウム水
溶液を加え始めるとすぐに白色の固体が沈澱した。この
固体を濾別し75.0gずつの水で2回洗浄した。濾別
した白色固体を減圧下で乾燥したところ163.8gで
あった。この白色固体の質量分析、元素分析、塩素分析
さらには重水素化ジメチルスルホキシド溶液中の 1H−
NMR、31P−NMRの結果は標品のテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
ニウムクロリドのものと完全に一致した。
【0056】このようにして[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリド
の水溶液からテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを再生し
単離することができた。テトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリ
ドの[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]ト
リス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムジクロリドに対する収率は80.2%
であった。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、式(1)で表される
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
ホスホニウムジクロリドは、アルキレンオキシドの重合
触媒として重要なテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシ
ドを製造する際に、極めて簡便な方法で容易に該ヒドロ
キシドを与えることのできる原料となる。またこの化合
物はテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニ
リデンアミノ]ホスホニウムクロリドと塩化水素から簡
便に製造することができる。
【0059】さらにテトラキス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを
有機溶媒の溶液から簡便に[トリス(ジメチルアミノ)
ホスホニオアミノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムジクロリドとし
て水相へ移し該クロリドを抽出分離することができ、そ
のジクロリド水溶液から簡便かつ容易にテトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホス
ホニウムヒドロキシドを製造することができる。またそ
のジクロリド水溶液から容易にテトラキス[トリス(ジ
メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
クロリドを再生し単離することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた白色固体、即ち、[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムジクロリドの 1H−NMR(溶媒:D2 O)を示す
図である。
【図2】実施例1で得られた白色固体、即ち、[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニ
ウムジクロリドの31P−NMR(溶媒:D2 O)を示す
図である。
【図3】テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに塩化水素水
溶液を加えていった時のpH曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清野 真二 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 原 烈 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 水谷 一美 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 昇 忠仁 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)〔化1〕 【化1】 で表される[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
    ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
    ンアミノ]ホスホニウムジクロリド。
  2. 【請求項2】 テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
    ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに塩化
    水素を接触させ、付加させることを特徴とする式(1)
    で表される[トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミ
    ノ]トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデ
    ンアミノ]ホスホニウムジクロリドの製造方法。
  3. 【請求項3】 テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
    ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドが実質
    的に水と混ざらない有機溶媒の溶液であり、塩化水素が
    塩化水素水溶液である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 少なくともテトラキス[トリス(ジメチ
    ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロ
    リドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶液
    を、水で洗浄した後または洗浄せずに、該溶液に塩化水
    素水溶液を加えて接触させ、テトラキス[トリス(ジメ
    チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
    ロリドを該クロリドの塩化水素付加化合物である[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
    ニウムジクロリドとして水相に抽出分離することを特徴
    とするテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
    ニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの分離方法。
  5. 【請求項5】 少なくともテトラキス[トリス(ジメチ
    ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロ
    リドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶液
    を、水で洗浄した後または洗浄せずに、該溶液に塩化水
    素水溶液を加えて接触させ、テトラキス[トリス(ジメ
    チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
    ロリドを該クロリドの塩化水素付加化合物である[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
    ニウムジクロリドとして水相に抽出し、得られるその
    [トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
    [トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
    ホスホニウムジクロリドの水溶液と水酸基型イオン交換
    樹脂とを接触させることを特徴とするテトラキス[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
    ニウムヒドロキシドの製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくともテトラキス[トリス(ジメチ
    ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロ
    リドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶液
    を、水で洗浄した後または洗浄せずに、該溶液に塩化水
    素水溶液を加えて接触させ、テトラキス[トリス(ジメ
    チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
    ロリドを該クロリドの塩化水素付加化合物である[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
    ニウムジクロリドとして水相に抽出し、得られるその
    [トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
    [トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
    ホスホニウムジクロリドの水溶液と水酸基型イオン交換
    樹脂とを接触させて得られるテトラキス[トリス(ジメ
    チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒ
    ドロキシドの水溶液から、減圧下に80℃以下で水を留
    去させ、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
    ラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドを固体と
    することを特徴とするテトラキス[トリス(ジメチルア
    ミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキ
    シドの単離方法。
  7. 【請求項7】 少なくともテトラキス[トリス(ジメチ
    ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロ
    リドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶液
    を、水で洗浄した後または洗浄せずに、該溶液に塩化水
    素水溶液を加えて接触させ、テトラキス[トリス(ジメ
    チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
    ロリドを該クロリドの塩化水素付加化合物である[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス[トリ
    ス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホ
    ニウムジクロリドとして水相に抽出分離して得られる
    [トリス(ジメチルアミノ)ホスホニオアミノ]トリス
    [トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]
    ホスホニウムジクロリド水溶液を、直接または濃縮後、
    アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物で中
    和することにより、テトラキス[トリス(ジメチルアミ
    ノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに
    再生し、該水溶液から固体として析出させることを特徴
    とするテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラ
    ニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの単離方法。
  8. 【請求項8】 実質的に水と混ざらない有機溶媒が、炭
    素原子数6ないし8個の飽和脂肪族炭化水素類、ベンゼ
    ン、炭素原子数7ないし9個のアルキル置換芳香族炭化
    水素類、塩素原子数1ないし3個の塩素化ベンゼン類、
    炭素原子数7ないし9個で塩素原子数1ないし2個の塩
    素化アルキル置換芳香族炭化水素類または炭素原子数4
    ないし8このエーテル類等から選ばれる有機溶媒である
    請求項3ないし7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 少なくともテトラキス[トリス(ジメチ
    ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロ
    リドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶液
    が、五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホス
    ホランとを反応させて得られるテトラキス[トリス(ジ
    メチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウム
    クロリドを含む反応液から、この反応で副生する固体の
    アミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリド
    を除去した溶液である請求項4ないし8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 少なくともテトラキス[トリス(ジメ
    チルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムク
    ロリドおよび実質的に水と混ざらない有機溶媒を含む溶
    液が、芳香族炭化水素類またはハロゲン化芳香族炭化水
    素類を溶媒とし、五塩化りんとイミノトリス(ジメチル
    アミノ)ホスホランとを、五塩化りんに対するイミノト
    リス(ジメチルアミノ)ホスホランのモル比を7.00
    ないし12.00とし、反応初期を10ないし90℃、
    その後110ないし200℃の温度で反応させて得られ
    るテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリ
    デンアミノ]ホスホニウムクロリドを含む反応液から、
    この反応で副生する固体のアミノトリス(ジメチルアミ
    ノ)ホスホニウムクロリドを除去した溶液である請求項
    4ないし8のいずれかに記載の方法。
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