JP3748692B2 - イミノトリス(二置換アミノ)ホスホランの製造方法 - Google Patents

イミノトリス(二置換アミノ)ホスホランの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドから、イミノトリス(二置換アミノ)ホスホラン{別名:2,2,2−トリス(二置換アミノ)−2λ5−ホスファゼン}を製造する簡便かつ効果的な方法に関する。イミノトリス(二置換アミノ)ホスホランは、有機の強塩基として極めて有用なホスファゼンベースやホスファゼニウム化合物等の合成中間体として重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムクロリドとナトリウムメトキシドをメタノール中で反応させてイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランを製造する方法が、「ナヒリテン ヘミー テクニック ラボラトリウム」38巻10号1990年の1216頁(Nachr. Chem. Tec. Lab., 38(10)1216 (1990 )に示されている。また「ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー」71巻1974年の164頁(J. Organometallic Chem., 71 164 (1974)には別途の方法で得られたものであるが、イミノトリス(二置換アミノ)ホスホランを、0.1mmHgで60−62℃で蒸留することが開示されている。
【0003】
しかしながら、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムクロリドを溶解するような溶媒は、反応で副生する塩化ナトリウムをも溶解し易いので、濾過では充分な塩化ナトリウムの分離ができない。そのため蒸留による精製が必要となっている。しかしイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランは熱的に不安定なため、蒸留温度を下げざるを得ず、そのため極めて高度の減圧下で蒸留しなければならない。より高い温度での蒸留操作では収率のロスは極めて大きくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物との反応で、容易に高収率で目的物イミノトリス(二置換アミノ)ホスホランが得られ、その目的物は簡便な方法で充分に副生するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハライドと分離でき、過酷な減圧下での蒸留等の煩雑な操作は不要であるという方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を続けてきたところ、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドとアルカリ金属のアルコキシドとを炭化水素溶媒中またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒中に懸濁させた状態であっても、系内に少量のアルコールまたは水が存在すれば、反応は容易に進み高収率でイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランが得られるばかりでなく、未反応物は固体として残存するし、副生する金属ハライドは殆ど不溶でありほぼ完全に析出するため、濾過のみで充分にこれらを除去でき、蒸留は不要であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物とを、アルコールまたは水の存在下に、炭化水素溶媒中またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒中で反応させることを特徴とするイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の方法における、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドとは一般式(1)
【0008】
【化1】
Figure 0003748692
(式中、Rは二置換アミノ基の同種または異種の置換基を表す。二個の置換基Rが互いに結合して二置換アミノ基が環状アミノ基となる場合もある。X-はハロゲンアニオンを表す。)で表される化合物であり、それから製造されるイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランは、一般式(2)
【0009】
【化2】
Figure 0003748692
(式中、Rは一般式(1)のそれに同じである。)で表される化合物である。
【0010】
二置換アミノ基の置換基(R)は、同種または異種の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1ないし10個の炭化水素基である。具体的には、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−ブテニル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチル、3−メチル−2−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ヘプチル、3−ヘプチル、1−オクチル、2−オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル(通称、tert−オクチル)、ノニル、デシル、フェニル、4−トルイル、ベンジル、1−フェニルエチルまたは2−フェニルエチル等の脂肪族または芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、tert−ペンチルまたは1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル等の炭素数1ないし10個の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはメチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルの炭素数1ないし3個の脂肪族炭化水素基であり、メチル基またはエチル基が更に好ましい。
【0011】
また2個の置換基(R)が互いに結合して二置換アミノ基が環状アミノ基となる場合の環状アミノ基としては、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンおよびヘキサメチレンイミン、またはそれらにメチルまたはエチルなどのアルキル基が置換した5ないし7員環の環状二級アミンから導かれる環状アミノ基であり、好ましくは5ないし7員環の無置換環状二級アミンから導かれる環状アミノ基であり、より好ましくはピロリジン、ピペリジンまたはモルホリンから導かれる環状アミノ基である。
【0012】
アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドまたは対応するイミノ(二置換アミノ)ホスホラン中の全ての二置換アミノ基がこのような環構造をとっていても構わないし、一部であってもよい。
アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライド中のハロゲンとしては、ふっ素、塩素、臭素またはよう素であり、塩素または臭素が好ましい。
【0013】
本発明の方法におけるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドを与えるアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノールまたは1−オクタノールなどの炭素数1ないし8個のアルコールが好ましく、なかでもメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1ないし3個のアルコールがより好ましい。
【0014】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物を与えるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムもしくはセシウムのアルカリ金属類、またはマグネシウム、カルシウム、ストロンシウムもしくはバリウムのアルカリ土類金属から選ばれるものであり、なかでもアルカリ金属が好ましく、ナトリウムまたはカリウムがより好ましい。
【0015】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物は単独でも、複数個を併用しても構わない。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物の使用量は特に制限はないが、通常、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドの1モルに対して、1ないし10モルであり、好ましくは1ないし3モルである。
【0016】
本発明の方法における炭化水素溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、2,2−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、ノナン、デカンまたはドデカン等の脂肪族炭化水素であり、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、ナフタレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、ジエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼンまたはビフェニルなどのアルキル置換または無置換の芳香族炭化水素であり、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼン、p−メンタンビシクロヘキシルまたはデカリンなどのアルキルもしくはアリ−ル置換または無置換の脂環式炭化水素などが挙げられる。また、ハロゲン化芳香族炭化水素溶媒としては、例えばクロルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、ブロモクロロベンゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、p−クロロエチルベンゼンまたは1−クロロナフタレンなどのように芳香環に直接ハロゲン原子が結合したものが挙げられる。この他、本発明の方法を阻害しなければ如何なる炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒でも構わない。これらのうち、炭化水素溶媒としては、アルキル置換または無置換の芳香族炭化水素が好ましく、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンまたはメシチレンなどの炭素数6ないし9個のアルキル置換または無置換の芳香族炭化水素がより好ましい。また、ハロゲン化芳香族炭化水素溶媒としては、クロルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、p−クロロエチルベンゼンまたは1−クロロナフタレンなどの塩素化芳香族炭化水素が好ましく、クロルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−クロロトルエンまたはp−クロロトルエンなどの炭素数6および7個の塩素化芳香族炭化水素がより好ましい。
【0017】
これらの溶媒は単独で用いても、複数個を併用しても構わない。これらの溶媒そのものが原料のアミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドやアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドを溶解する必要はない。
これらの炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒の使用量は特に制限はないが、通常、原料のアミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライド1重量部に対して、200重量部以下であり、好ましくは1ないし100重量部であり、より好ましくは1.5ないし20重量部である。
【0018】
本発明の方法において、存在させるアルコールまたは水のうち、アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アリルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノールまたは1−オクタノールなどの炭素数1ないし8個のアルコールが好ましく、なかでもメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1ないし3個のアルコールがより好ましい。これらは存在させるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドを導くアルコールと、同種であっても異種であっても構わない。
【0019】
これらの存在させるアルコールまたは水は、単独で用いても複数個を併用してもよい。
本発明の方法においては、アルコールまたは水を存在させる方法には特に制限はない。反応器に他の全ての成分を加えた後に、これらのアルコールや水を加える方法、これらのアルコールや水を含有する炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒を用いる方法あるいは原料のアミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドおよび/またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物をこれらのアルコールや水の溶液または湿潤物にして用いる方法などいずれでも構わない。
【0020】
アルコールまたは水の存在量は、炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒およびアルコールまたは水との合計の量に対して、通常、40重量%以下であり、好ましくは0.1ないし20重量%であり、より好ましくは1.0ないし10重量%である。この存在量は、複数個のアルコールまたは水を併用する場合、あるいは複数個の炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒を用いる場合にはおのおのその合計に対して求められる量である。
【0021】
本発明の方法において、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドを用いる場合には、アルコールを存在させるのが通常であるが、水を存在させても構わない。また同じく水酸化物を用いる場合には、水を存在させるのが通常ではあるが、アルコールを存在させても構わない。
【0022】
本発明の方法では、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物とを、アルコールまたは水の存在下に、炭化水素溶媒中またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒中で反応させるが、反応温度は、通常、10ないし100゜Cであり、好ましくは15ないし80゜C、より好ましくは20ないし70゜Cである。反応は減圧、常圧または加圧の何れでも実施し得るが、通常は常圧である。反応時間は、他の条件により一様ではないが、通常20時間以内であり、好ましくは0.1ないし10時間である。
【0023】
反応終了後、生成したイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランは通常炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒に溶解している。一方、未反応のアミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドやアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物は不溶固体として残存しており、また副生したアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハライドは不溶の固体として充分に析出している。これらの固体は濾過や遠心分離などの通常の固液分離操作で容易に除去することができる。必要であれば、反応混合物を望む程度に濃縮した上で固液分離することもできるし、また反応混合物を一旦固液分離して得られた液を望む程度に濃縮し、再度固液分離してもよい。
【0024】
また生成したイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランは、場合に応じて、その固液分離後の母液からアルコールまたは水を優先的に留去して炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒の溶液として取り出したり、更に炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒を留去して通常粘度の高い液体として取り出すこともできる。更には必要であれば蒸留により精製することもできる。
【0025】
【実施例】
実施例1
200mlの反応器に、アミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリド10.0g(46.6ミリモル)を秤取り、これに48.5gのトルエンと1.5gのメタノールを加えた。攪拌しながら更にナトリウムメトキシド2.72g(50.3ミリモル)を加えた。これを50℃に加熱した。内容物は殆ど溶解せず、白色のスラリー液であった。この温度で5時間攪拌を続けた。その後反応混合物を常温に戻し、平均細孔径0.5ミクロンのメンブランフィルターを用いて減圧下に濾過した。白色の固体が濾別され、濾液は無色透明の液となった。原子吸光法により濾液中のナトリウム量を測定したところ、0.07重量%のナトリウムイオンが含まれていた。この液を充分に濃縮して透明の液体7.89gを得た。このものの1H−NMRおよび31P−NMRのスペクトルは標準のイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと一致した。収率は95%であった。
【0026】
比較例1
トルエン50.0gを用い、メタノールは加えなかった以外は実施例1と全く同様にした。ナトリウムイオン含有率は0.07重量%であり、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの収率はわずか11%であった。
【0027】
比較例2
メタノール50.0gを用い、トルエンは加えなかった以外は実施例1と全く同様にした。ナトリウムイオン含有率は1.5重量%と高い価を示した。イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの収率は96%であった。
【0028】
実施例2
200mlの反応器に、アミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリド10.0g(46.6ミリモル)を秤取り、これに48.5gのトルエンと1.5gのメタノールを加えた。攪拌しながら更にカリウムメトキシド3.52g(50.3ミリモル)を加えた。これを50℃で2時間反応させた。その後の処理は実施例1と同様にした。カリウムイオンの含有率は0.01重量%以下であった。イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの収率は98%であった。
【0029】
実施例3
48.5gのトルエンの代わりに45.0gのトルエンそして1.5gのメタノール代わりに5.0gのメタノールを用いた以外は実施例2と同様にした。カリウムイオン含有率は0.02重量%であり、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの収率は96%であった。
【0030】
実施例4
200mlの反応器に、アミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリド10.0g(46.6ミリモル)を秤取り、これに49.3gのトルエンと0.7gの水を加えた。攪拌しながら更に水酸化ナトリウム2.01g(50.3ミリモル)を加えた。これを45℃で3時間反応させた。その後の処理は実施例1と同様にした。ナトリウムイオンの含有率は0.09重量%であり、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの収率は94%であった。
【0031】
実施例5
水酸化ナトリウムの代わりに2.72g(50.3ミリモル)のナトリウムメトキシドを用いた以外は実施例4と同様にした。ナトリウムイオンの含有率は0.09重量%であり、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの収率は97%であった。
【0032】
実施例6
トルエンと水の代わりに、48.5gのトルエンと1.5gのエタノールを用い、水酸化ナトリウムの代わりに水酸化バリウム・8水塩を7.95g(25.2ミリモル)使用した以外は実施例4と同様にした。バリウムイオンの含有率は0.01重量%以下であり、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの収率は95%であった。
【0033】
実施例7
100mlの反応器にアミノトリス(ジエチルアミノ)ホスホニウムブロミドを5.0g(14.6ミリモル)秤取り、これに24.3gのトルエンと0.7gのメタノールを加えた。攪拌しながら更にカリウムエトキシド1.32g(15.7ミリモル)を加えた。これを50℃で2時間反応させた。その後の処理を実施例1と同様にした。カリウムイオンの含有率は0.01重量%以下であり、イミノトリス(ジエチルアミノ)ホスホランの収率は95%であった。
【0034】
実施例8
100mlの反応器にアミノトリ(ピロリジン−1−イル)ホスホニウムクロリドを5.0g(17.1ミリモル)秤取り、これに24.3gのキシレンと0.7gのメタノールを加えた。攪拌しながら更にナトリウムイソプロポキシド1.52g(18.5ミリモル)を加えた。これを50℃で2時間反応させた。その後の処理を実施例1と同様にした。ナトリウムイオンの含有率は0.06重量%以下であり、イミノトリ(ピロリジン-1-イル)ホスホランの収率は94%であった。
【0035】
実施例9
100mlの反応器にアミノトリ(モルホリン−4−イル)ホスホニウムクロリドを5.0g(14.7ミリモル)秤取り、これに24.3gのベンゼンと0.7gのメタノールを加えた。攪拌しながら更にカリウムメトキシド1.11g(15.9ミリモル)を加えた。これを50℃で2時間反応させた。その後の処理を実施例1と同様にした。カリウムイオンの含有率は0.01重量%以下であり、イミノトリ(モルホリン−4−イル)ホスホランの収率は97%であった。
【0036】
実施例10
実施例4におけるトルエンの代わりに同重量のo−ジクロロベンゼンを使用した以外は実施例4と全く同様に行った。ナトリウムイオンの含有率は0.07重量%であり、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの収率は96%であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物との反応で、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の成分の含有率が低いイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランを、極く簡便に且つ高収率で得ることができる。

Claims (9)

  1. アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムハライドとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物とを、アルコールまたは水の存在下に、炭化水素溶媒中またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒中で反応させることを特徴とするイミノトリス(二置換アミノ)ホスホランの製造方法。
  2. 二置換アミノ基の二個の置換基が、同種または異種の炭素数1ないし3個の脂肪族炭化水素基である請求項1記載の方法。
  3. 二置換アミノ基が、5ないし7員環の無置換環状二級アミンから導かれる環状アミノ基である請求項1記載の方法。
  4. アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドを与えるアルコールが、炭素数1ないし3個のアルコールである請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたは水酸化物が、アルカリ金属のアルコキシドまたは水酸化物である請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 存在させるアルコールが、炭素数1ないし3個のアルコールである請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 炭化水素溶媒が、炭素数6ないし9個のアルキル置換または無置換の芳香族炭化水素である請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. ハロゲン化芳香族炭化水素溶媒が、炭素数6および/または7個の塩素化芳香族炭化水素である請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  9. アルコールまたは水の存在量が、炭化水素溶媒またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒とアルコールまたは水との合計の量に対して、1.0ないし10.0重量%の範囲である請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
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