JP4707790B2 - 高耐久性軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームおよびその製造方法 - Google Patents

高耐久性軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、軽量で湿熱圧縮永久歪みに代表される耐久性の改善された車両用内装材、家具用クッション材、寝具、雑貨等に好適に使用される軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームおよびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォーム(以下、軟質フォームと略記することがある。)は、そのクッション性により、車両、家具、寝具、雑貨等に幅広く使用されている。この軟質フォームは、ポリオール、あるいはポリオール中でアクリロニトリルやスチレンをラジカル重合させて得られたポリマー粒子がポリオール中に分散したポリマーポリオールと、発泡剤としての水と、シリコーン系界面活性剤と、アミン類、スズ化合物等の触媒と、必要により架橋剤等と、難燃剤、顔料等の添加剤と、芳香族ポリイソシアナートとを混合することにより製造される。
【0003】
発泡剤としての水は、芳香族ポリイソシアナートと水とが反応し、脱離した炭酸ガスが発泡ガスとなり、同時に芳香族ポリ尿素を生成する反応により発泡剤として機能する。近年、地球環境保護を目的とするモントリオール条約により、CFC−11(CCl3F)が使用できなくなり、この発泡助剤(物理的発泡剤)の発泡効果に見合う分、配合上使用する水の量が増加している。
【0004】
さらに近年は、軟質フォームのコスト低減要求が強く、軽量化のための低密度化が要望され、また車両用の軟質フォームでは、燃費規制に対応する軽量化のための低密度化も要望されている。このような低密度化の要望に応えるため、発泡剤としての水の使用量は、更に増加の傾向にある。
【0005】
しかしながら、水を増加させることは、発生炭酸ガス量を増加させるため、軟質フォームの密度を低下させるには有効であるが、生成する芳香族ポリ尿素が増加すると、軟質フォームの圧縮永久歪み特性等の耐久特性を維持することが困難となる。さらに、軟質フォームの密度が低下すること自体が、軟質フォームの圧縮永久歪み特性等の耐久特性を悪化させる原因となる。
【0006】
このように、軟質フォームの圧縮永久歪み特性が悪化するということは、軟質フォームの形状安定性が悪いということであり、このことは、種々の不具合の原因となる。たとえばベッド用クッションの厚みが使用に伴って低下したり、車両用クッションが使用に伴い、厚みや硬さが変化したりする不具合の原因となる。特に車両用クッション等では長時間の車両運転により、設計当初のクッション厚みや硬さが低下し、運転者の定位置が下降し、座り心地や乗り心地が悪化する。これらの問題は、軟質フォームの耐久性の問題であり、繰り返し圧縮試験における硬度変化や、湿熱圧縮永久歪みにより評価することができる。
【0007】
したがって、軽量で、かつ、湿熱圧縮永久歪みと繰り返し圧縮試験における硬度変化率の小さい、すなわち耐久性に優れた軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの出現が望まれていた。
【0008】
そこで、本願発明者らは、種々検討の結果、低密度においても耐久性に優れた軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームを見出し、発明を完成した。又その軟質フォームの製造において、使用するポリオールおよび/またはポリオール中でアクリロニトリル、スチレン等の不飽和結合を有する化合物をラジカル重合させて得られたポリマー微粒子(ビニルポリマー微粒子)を該ポリオール中に分散させたポリマーポリオールにおいて、少なくとも窒素−リン二重結合を有する化合物、水酸化セシウムまたは水酸化ルビジウムのいずれか一つを含有する触媒を用いて合成されたポリオールを含有するポリオールを使用することにより、耐久性に優れた軟質フォームを効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、耐久性、特に繰り返し圧縮試験における硬度変化率および湿熱圧縮永久歪みにおける厚み変化特性に優れた、より低密度の軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造方法においては、軟質フォーム製造プロセスにおいて成形性等に優れたレジンプレミックスを用いて、高耐久性の軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームを経済的に製造できる方法を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームは、
全密度が35kg/m3以上45kg/m3以下、かつ、湿熱圧縮永久歪みが15%以下であることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームとしては、繰り返し圧縮試験における硬度変化率が15%以下であることが好ましい。
上記のような、本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームは、具体的には、ポリオールおよび/またはポリオール中で不飽和結合を有する化合物をラジカル重合させて得られたポリマー微粒子を該ポリオール中に分散させたポリマーポリオールと、水と、触媒と、ポリイソシアナートと、必要に応じて架橋剤および/または整泡剤とから得られる軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームであって、
前記ポリオールが、
(1)水酸基価が15mgKOH/g以上、25mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.060meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオール、
(2)水酸基価が25mgKOH/gを超え、35mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.050meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオール、および
(3)水酸基が35mgKOH/gを超え、45mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.040meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオールからなる群から選ばれる、いずれかのポリオキシアルキレンポリオールが好ましく用いられる。
【0013】
前記ポリオールとしては、少なくとも窒素−リン二重結合を有する化合物、水酸化セシウムまたは水酸化ルビジウムのいずれか一つを含有する触媒を用いて合成されたものが好ましい。
【0014】
前記のポリオールおよび/またはポリマーポリオールと、水と、触媒と、必要に応じて架橋剤および/または整泡剤とを含有するレジンプレミックスの粘度は、2500mPa・s以下であることが好ましい。
【0015】
前記ポリイソシアナートとしては、トルイレンジイソシアナート、およびトルイレンジイソシアナートと、一般式(1)
【0016】
【化3】
Figure 0004707790
【0017】
[式中、n=0または1以上の整数]で表わされるポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートとを98:2〜50:50の重量比で含む混合物が好ましい。
前記窒素−リン二重結合を有する化合物としては、ホスファゼニウム化合物またはホスフィンオキシド化合物が好ましい。
【0018】
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造方法は、ポリオールおよび/またはポリオール中で不飽和結合を有する化合物をラジカル重合させて得られたポリマー微粒子を該ポリオール中に分散させたポリマーポリオールと、水と、触媒と、ポリイソシアナートと、必要に応じて架橋剤および/または整泡剤とから得られる軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造方法であって、
前記ポリオールが、
(1)水酸基価が15mgKOH/g以上、25mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.060meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオール、
(2)水酸基価が25mgKOH/gを超え、35mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.050meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオール、および
(3)水酸基が35mgKOH/gを超え、45mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.040meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオールからなる群から選ばれる、いずれかのポリオキシアルキレンポリオールであることを特徴としている。
【0019】
この方法により、全密度が35kg/m3以上45kg/m3以下、かつ、湿熱圧縮永久歪みが15%以下である軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォーム、さらには、全密度が35kg/m3以上45kg/m3以下、かつ、湿熱圧縮永久歪みが15%以下で、繰り返し圧縮試験における硬度変化率が15%以下である軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームが得られる。
【0020】
前記ポリオールとしては、少なくとも窒素−リン二重結合を有する化合物、水酸化セシウムまたは水酸化ルビジウムのいずれか一つを含有する触媒を用いて合成されたものが好ましい。
【0021】
前記のポリオールおよび/またはポリマーポリオールと、水と、触媒と、必要に応じて架橋剤および/または整泡剤とを含有するレジンプレミックスの粘度は2500mPa・s以下であることが好ましい。
【0022】
前記ポリイソシアナートとしては、トルイレンジイソシアナート、およびトルイレンジイソシアナートと、前記一般式(1)で表わされるポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートとを98:2〜50:50の重量比で含む混合物が好ましい。
【0023】
前記窒素−リン二重結合を有する化合物としては、ホスファゼニウム化合物またはホスフィンオキシド化合物が好ましい。
本発明によれば、軽量で、かつ、湿熱圧縮永久歪みと繰り返し圧縮試験における硬度変化率の小さい、すなわち耐久性に優れた軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームを提供することができる。
【0024】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームおよびその製造方法について具体的に説明する。
【0025】
軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォーム
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームは、全密度が35kg/m3以上45kg/m3以下、かつ、湿熱圧縮永久歪みが15%下であり、好ましくは全密度が35kg/m3以上43kg/m3以下、かつ、湿熱圧縮永久歪みが15%以下8%以上である。
【0026】
また、本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの繰り返し圧縮試験における硬度変化率は15%以下であることが好ましく、14%以下8%以上であることがより好ましく、12%以下8%以上であることが最も好ましい。
【0027】
さらに、本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの伸びは、50%以上500%以下、好ましくは80%以上500%以下、さらに好ましくは100%以上350%以下である。
【0028】
軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造方法
上記のような本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームは、ポリイソシアナート、発泡剤(水)および触媒と、下記(a)〜(g)の化合物または混合物のいずれかとを反応させることによって製造される。
【0029】
本製造において、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて整泡剤、架橋剤、その他添加剤をいずれか単独または2種以上組み合わせて混合して使用してもよい。その際に、整泡剤、架橋剤、その他添加剤は、下記(a)〜(g)の化合物または混合物およびポリイソシアナートのいずれか、または双方にあらかじめ添加してもよいし、また、ポリイソシアナート、発泡剤(水)および触媒と、下記(a)〜(g)の化合物または混合物とを混合する混合機または反応機において添加してもよい。
(a)ポリオール単独。
(b)複数のポリオールの混合物
(c)ポリマーポリオール単独
(d)複数のポリマーポリオールの混合物
(e)ポリオールとポリマーポリオールとの混合物
(f)複数のポリオールとポリマーポリオールとの混合物
(g)複数のポリオールと複数のポリマーポリオールとの混合物
[ポリオール]
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームを製造するに際し、ポリイソシアナートと反応させるポリオールとしては、たとえば
エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール類;
グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール類;
ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の4価アルコール類;
ポリオキシアルキレンポリオール;
ポリエステルポリオールなどが挙げられる。中でも、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、特にポリオキシアルキレンポリオールを用いることが更に好ましい。
【0030】
これらのポリオールは、単独で用いてもよいし、また、2種以上併用してもよい。
本発明においては、ポリオールの水酸基価は、好ましくは15mgKOH/g以上45mgKOH/g以下、さらに好ましくは20mgKOH/g以上35mgKOH/g以下である。
【0031】
また、本発明においては、ポリオールとしてポリオキシアルキレンポリオールを用いる場合は、ポリオキシアルキレンポリオールを構成しているアルキレンオキシドから導かれる構成単位総量100wt%に対して、エチレンオキシドから導かれる構成単位の含有量(エチレンオキシド含有量)が20wt%以上、かつ、水酸基価が15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下のポリオキシアルキレンポリオールを、エチレンオキサイド含量20wt%未満の他のポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して、0.5〜30重量部の割合で配合して用いることができる。
【0032】
(ポリオキシアルキレンポリオール)
本発明で好ましく用いられるポリオキシアルキレンポリオールとは、アルキレンオキシドを開環重合させて得られたオリゴマーないし重合物を指し、通常は触媒存在下に、活性水素化合物を開始剤としてアルキレンオキシドを開環重合させて得られる。このようにして得られるポリオキシアルキレンポリオールは、1種単独で用いてもよいし、また2種以上を併用してもよい。ポリオキシアルキレンポリオールは、「ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオール」と呼称されることもある。
【0033】
ポリオキシアルキレンポリオールの製造に際し、開始剤やアルキレンオキシドはそれぞれ単独でも複数併用してもよい。また、上記触媒としては、少なくとも窒素―リン二重結合を有する化合物、水酸化セシウムまたは水酸化ルビジウムのいずれか一つを含有するポリオール合成用触媒が用いられる。
【0034】
このようなポリオール合成用触媒を用いると、ポリオール合成触媒として水酸化カリウム触媒を用いる場合に比較して、ポリオキシアルキレンポリオールの分子量の増加とともに、副生する分子片末端に不飽和基を有するモノオールを抑制し、モノオール含有量の極めて低いポリオキシアルキレンポリオールを製造することができる。このモノオールは、主反応で生成するポリオキシアルキレンポリオールと比較して低分子量であるため、ポリオキシアルキレンポリオールの分子量分布を大幅に広げ、平均官能基数を低下させる原因となることがある。このため、ポリオキシアルキレンポリオール中のモノオール含有量は、より少ないことが好ましい。ポリオキシアルキレンポリオール中のモノオール含有量は通常、総不飽和度で表記され、この値が低いほどモノオール含有量が低いことを示す。
【0035】
本発明で用いられるポリオキシアルキレンポリオールとしては、
(1)水酸基価が15mgKOH/g以上、25mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.060meq/g以下、好ましくは0.040meq/g以下、さらに好ましくは0.025meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオール、
(2)水酸基価が25mgKOH/gを超え、35mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.050meq/g以下、好ましくは0.030meq/g以下、さらに好ましくは0.020meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオール、
または、
(3)水酸基が35mgKOH/gを超え、45mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.040meq/g以下、好ましくは0.020meq/g以下、さらに好ましくは0.015meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオール
が好適に用いられる。
【0036】
これらポリオキシアルキレンポリオールは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリオキシアルキレンポリオールの製造の際に、少なくとも窒素―リン二重結合を有する化合物、水酸化セシウムまたは水酸化ルビジウムのいずれか一つを含有するポリオール合成触媒を用いると、上記の分子方末端に不飽和基を有するモノオール含有量の低い、あるいはこのモノオールを実質的に含有しないポリオキシアルキレンポリオールを得ることができるため、そのポリオキシアルキレンポリオールを用いて軟質ポリウレタンフォームを製造すると、ヒステリシス、伸張性、キュア性等の物性に優れた軟質フォームを容易に得ることができるので好ましい。
【0037】
本発明の主旨に反しない限り、上記のようなモノオールやモノオールを含有したポリオキシアルキレンポリオールを用いてもよいことは言うまでもない。
また、プロピレンオキシドを開環重合してポリオキシアルキレンポリオールを合成する場合には、オキシプロピレン基がヘッド-トゥ-ヘッドで結合するように重合させたり、またヘッド-トゥ-テイルで結合するように重合させることが可能である。ヘッド-トゥ-テイル結合選択率が高いと、発泡したフォームの安定性が向上するので好ましい。具体的には、ヘッド-トゥ-テイル結合選択率が96%以上のポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。なお該ポリオキシプロピレンポリオールは、エチレンオキサイド等のプロピレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド由来のセグメントを有していても良いことは言うまでもない。
【0038】
(ポリオキシアルキレンポリオール製造用触媒)
本発明では、ポリオキシアルキレンポリオールの製造に際し、少なくとも窒素−リン二重結合を有する化合物、水酸化セシウムまたは水酸化ルビジウムのいずれか一つを含有するポリオキシアルキレンポリオール製造用触媒を用いる。
【0039】
(窒素―リン二重結合を有する化合物)
本発明で使用するポリオキシアルキレンポリオールを製造するための触媒としての窒素−リン二重結合を有する化合物は特に限定されないが、ホスファゼニウム化合物またはホスフィンオキシド化合物が好ましい。
【0040】
<ホスファゼニウム化合物>
本発明で用いられるホスファゼニウム化合物とは、一般式(2)
【0041】
【化4】
Figure 0004707790
【0042】
[式中のa、bおよびcは、それぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは、同種または異種の、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xは、ホスファゼニウムカチオンの数を表わし、Zx-は、活性水素化合物のx価のアニオンを表わす。]、
または一般式(3)
【0043】
【化5】
Figure 0004707790
【0044】
[式中のd、e、fおよびgは、それぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは、同種または異種の、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xは、ホスファゼニウムカチオンの数を表わし、Zx-は、活性水素化合物のx価のアニオンを表わす。]で表わされる構造を有するホスファゼニウムカチオンと活性水素化合物アニオンとの塩であり、ホスファゼニウムカチオンはその電荷が中心のリン原子上に極在する極限構造式で代表しているが、これ以外に無数の極限構造式が描かれ、実際にはその電荷は全体に非極在化している。
【0045】
ホスファゼニウム化合物を表わす一般式(2)中のa、bおよびcは、それぞれ0または3以下の正の整数である。好ましくは0または2以下の正の整数である。より好ましくは、a、bおよびcの順序に関わらず、(2、1、1)、(1、1、1)、(0、1、1)または(0、0、1)の組み合わせの中の数である。
【0046】
ホスファゼニウム化合物を表わす一般式(3)中のd、e、fおよびgは、それぞれ0または3以下の正の整数である。好ましくは0または2以下の正の整数である。より好ましくはd、e、fおよびgの順序に関わらず、(2、1、1、1)、(1、1、1、1)、(0、1、1、1)、(0、0、1、1)または(0、0、0、1)の組み合わせの中の数である。さらに好ましくは、(1、1、1、1)、(0、1、1、1)、(0、0、1、1)または(0、0、0、1)の組み合わせの中の数である。
【0047】
ホスファゼニウム化合物を表わす一般式(2)または一般式(3)中のRは、同種または異種の、炭素原子数1〜10の脂肪族または芳香族の炭化水素基である。
【0048】
このようなRとしては、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、アリル、n-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、2-ブテニル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1- ブチル、イソペンチル、tert- ペンチル、3-メチル-2- ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、4-メチル-2- ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ヘプチル、3-ヘプチル、1-オクチル、2-オクチル、2-エチル-1- ヘキシル、1,1-ジメチル-3,3- ジメチルブチル(通称、tert- オクチル)、ノニル、デシル、フェニル、4-トルイル、ベンジル、1-フェニルエチルまたは2-フェニルエチル等の脂肪族または芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、メチル、エチル、n-プロピル、イソペロピル、tert- ブチル、tert- ペンチルまたは1,1-ジメチル-3,3- ジメチルブチル等の脂肪族炭化水素基が好ましい。
【0049】
また、ホスファゼニウム化合物を表わす一般式(2)または一般式(3)中の同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合の該窒素原子上の二価の基(R−R)は、炭素原子数4〜6の主鎖を有する二価の炭化水素基であり(環は窒素原子を含んだ5ないし7員環となる)、たとえばテトラメチレン、ペンタメチレンまたはヘキサメチレン等であり、それらの主鎖にメチルまたはエチル等のアルキル基が置換したものが挙げられる。中でも、テトラメチレンまたはペンタメチレンが好ましい。ホスファゼニウムカチオン中の、可能な全ての窒素原子についてこのような環構造をとっていても構わないし、一部の窒素原子について環構造をとっていてもよい。
【0050】
ホスファゼニウム化合物を表わす一般式(2)または一般式(3)中のxは、活性水素化合物の種類により一様ではないが、通常1〜8、好ましくは1である。
【0051】
<ホスフィンオキシド化合物>
本発明で用いられるホスフィンオキシド化合物は、一般式(4)
【0052】
【化6】
Figure 0004707790
【0053】
[式中、R’は、同種または異種の、水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基である。xは、含まれる水分子の量をモル比で示し、0ないし5.0である。]で表わされるホスフィンオキシド化合物である。
【0054】
ホスフィンオキシド化合物を表わす一般式(4)中のR’は、同種または異種の、水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基である。R’の炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、アリル、n-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、2-ブテニル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1- ブチル、イソペンチル、tert- ペンチル、3-メチル-2- ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、4-メチル-2- ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ヘプチル、3-ヘプチル、1-オクチル、2-オクチル、2-エチル-1- ヘキシル、1,1-ジメチル-3,3- ジメチルブチル(通称、tert- オクチル)、ノニル、デシル、フェニル、4-トルイル、ベンジル、1-フェニルエチルまたは2-フェニルエチル等の脂肪族または芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert- ブチル、tert- ペンチルまたは1,1-ジメチル-3,3-ジメチルブチル等の炭素原子数1〜8の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
【0055】
上記一般式(4)で表わされるホスフィンオキシド化合物は、ジー.エヌ.コイダン(G.N.Koidan)ら、 ジャーナル オブ ジェネラル ケミストリー オブ ザ ユーエスエスアール(USSR)、55巻、頁1453、1985年に記載の方法または類似する方法で合成することができる。
【0056】
通常、上記一般式(4)で表わされるホスフィンオキシド化合物は、吸湿性を有しており、その含水物あるいは水和物になり易い。この含まれる水分子の量を表すxは、該ホスフィンオキシドに対するモル比で、0ないし5.0であり、好ましくは0ないし2.0である。この水分量は、多くとも触媒量の数倍程度であり、この水分によって反応原料およびオキシアルキレン誘導体等の加水分解などが起こったとしても極微量であり、本発明の目的を阻害するものではない。
【0057】
(ポリオキシアルキレンポリオール製造用活性水素化合物)
ポリオキシアルキレンポリオールの製造に際して開始剤として用いられる活性水素化合物としては、酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物、窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物などが挙げられる。
【0058】
この酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物の具体例としては、
水;
蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、フェニル酢酸、ジヒドロ桂皮酸またはシクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、パラメチル安息香酸または2-カルボキシナフタレン等の炭素原子数1〜20のカルボン酸;
蓚酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸酸、ブタンテトラカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸等の炭素原子数2〜20の、2〜6個のカルボキシル基を有する多価カルボン酸類;
n,n-ジエチルカルバミン酸、n-カルボキシピロリドン、n-カルボキシアニリンまたはn,n'- ジカルボキシ-2,4- トルエンジアミン等のカルバミン酸類;
メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert- ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert- ペンチルアルコール、n-オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルアルコール等の炭素原子数1〜20のアルコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール等の炭素原子数2〜20の、2〜8個の水酸基を有する多価アルコール類;
グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシュクロース等の糖類またはその誘導体;
フェノール、2-ナフトール、2,6-ジヒドロキシナフタレンまたはビスフェノールA等の炭素原子数6〜20の、1〜3個の水酸基を有する芳香族化合物類;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であって、2〜8個の末端を有し、その末端に1〜8個の水酸基を有するポリアルキレンオキシド類などが挙げられる。
【0059】
上記の窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert- ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、β- フェニルエチルアミン、アニリン、o-トルイジン、m-トルイジンまたはp-トルイジン等の炭素原子数1〜20の脂肪族または芳香族一級アミン類;
ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n- プロピルアミン、エチル-n- ブチルアミン、メチル-sec- ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、n-メチルアニリンまたはジフェニルアミン等の炭素原子数2〜20の脂肪族または芳香族二級アミン類;
エチレンジアミン、ジ(2-アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4'- ジアミノジフェニルメタン、トリ(2-アミノエチル)アミン、n,n'- ジメチルエチレンジアミン、n,n'- ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2-メチルアミノエチル)アミン等の炭素原子数2〜20の、2〜3個の一級もしくは二級アミノ基を有する多価アミン類;
ピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4-テトラヒドロキノリン等の炭素原子数4〜20の飽和環状二級アミン類;
3-ピロリン、ピロール、インドール、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾールまたはプリン等の炭素原子数4〜20の不飽和環状二級アミン類;
ピペラジン、ピラジンまたは1,4,7-トリアザシクロノナン等の炭素原子数4〜20の、2〜3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類;
アセトアミド、プロピオンアミド、n-メチルプロピオンアミド、n-メチル安息香酸アミドまたはn-エチルステアリン酸アミド等の炭素原子数2〜20の無置換またはn-一置換の酸アミド類;
2-ピロリドンまたはε- カプロラクタム等の5〜7員環の環状アミド類;
こはく酸イミド、マレイン酸イミドまたはフタルイミド等の炭素原子数4〜10のジカルボン酸のイミド類などが挙げられる。
【0060】
これらの活性水素化合物のうち、好ましい活性水素化合物は、
水;
メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert- ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert- ペンチルアルコール、n-オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルアルコール等の炭素原子数1〜20のアルコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール等の炭素原子数2〜20の、2〜8個の水酸基を有する多価アルコール類;
グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシュクロース等の糖類またはその誘導体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であって、2〜8個の末端を有し、その末端に1〜8個の水酸基を有する分子量100〜50,000のポリアルキレンオキシド類;
エチレンジアミン、ジ(2-アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4'- ジアミノジフェニルメタン、トリ(2-アミノエチル)アミン、n,n'- ジメチルエチレンジアミン、n,n'- ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2-メチルアミノエチル)アミン等の炭素原子数2〜20の、2〜3個の一級もしくは二級アミノ基を有する多価アミン類;
ピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4-テトラヒドロキノリン等の炭素原子数4〜20の飽和環状二級アミン類;
ピペラジン、ピラジンまたは1,4,7-トリアザシクロノナン等の炭素原子数4〜20の、2〜3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類である。
【0061】
より好ましい活性水素化合物は、
水;
メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert- ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert- ペンチルアルコールまたはn-オクチルアルコール等の炭素原子数1〜10のアルコール類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンもしくはペンタエリスリトール等の炭素原子数2〜10の、2〜4個の水酸基を有する多価アルコール類;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドもしくはそれらのコポリマー等であって、2〜6個の末端を有し、その末端に2〜6個の水酸基を有する分子量100〜10,000のポリアルキレンオキシド類;
n,n'- ジメチルエチレンジアミン、n,n'- ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2-メチルアミノエチル)アミン等の炭素原子数2〜10の、2〜3個の二級アミノ基を有する多価アミン類;
ピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4-テトラヒドロキノリン等の炭素原子数4〜10の飽和環状二級アミン類;
ピペラジン、ピラジンまたは1,4,7-トリアザシクロノナン等の炭素原子数4〜10の、2〜3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類である。
【0062】
(アルキレンオキシド化合物)
本発明で用いられるポリオキシアルキレンポリオールを製造する際に使用されるアルキレンオキシド化合物としては、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルまたはフェニルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物が挙げられる。これらのアルキレンオキシド化合物のうち、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシドまたはスチレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドがさらに好ましい。
【0063】
これらの化合物は、1種単独で使用してもよいし、また2種以上を併用してもよい。これらの化合物を併用する場合には、複数のアルキレンオキシド化合物を同時に併用する方法、順次に併用する方法、または順次を繰り返して行なう方法などがとり得る。併用する場合には、アルキレンオキシド中のエチレンオキシドの比率が5〜30重量%とすることが特に好ましい。
【0064】
[ポリマーポリオール ]
本発明において、ポリマーポリオール(以下、「ポリマー分散ポリオール」ということがある)とは、アクリロニトリルやスチレン等の不飽和結合を有する化合物にアゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤を用いて、ポリオール中で分散重合させて得られたビニルポリマー粒子(以下、単に、「ポリマー微粒子」ということがある)の分散体を言う。
【0065】
このビニルポリマー粒子は、不飽和結合を有する化合物の単独重合体からなるビニルポリマー粒子でもよいが、本発明では、分散重合時に、アクリロニトリル等の不飽和結合を有する化合物の少なくとも一部が分散媒であるポリオールにグラフト化することが好ましい。このように、本発明では、ポリオールは、非反応溶媒で使用されることもあれば、反応溶媒として使用されることもある。
【0066】
ここで用いられるポリオールは、前述のポリオールのいずれでもよいが、ポリオキシアルキレンポリオールを用いることがより好ましい。
本発明で用いられるポリマー分散ポリオールにおいて、ポリオキシアルキレンポリオール中に占めるポリマー微粒子の割合は、通常2〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。
【0067】
(不飽和結合を有する化合物)
上記の不飽和結合を有する化合物とは、分子中に不飽和結合を有する化合物であり、たとえばアクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
【0068】
これらの化合物は、単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。本発明では、不飽和結合を有する化合物を2種以上混合して用いることが好ましい。
【0069】
また、ポリマー分散ポリオールを製造する際に、不飽和結合を有する化合物の他に、分散安定化剤や連鎖移動剤等を併用して良い。
[発泡剤]
水は、ポリイソシアナートと反応して発生する炭酸ガスにより、ポリウレタン樹脂を発泡させることができるので、本発明では発泡剤として用いられる。
【0070】
通常使用される水量は、ポリオールおよび/またはポリマーポリオールの総量100重量部に対して、2〜7重量部が好ましく、さらに好ましくは2.5〜6重量部である。
【0071】
水とともに、本発明の主旨を損なわない範囲であれば、地球環境保護の目的で開発されたクロロフルオロカーボン類や、ヒドロキシクロロフルオロカーボン類(HCFC−134a等)、炭化水素類(シクロペンタン等)、その他の発泡剤を発泡助剤として併用してもよい。又、水以外の発泡剤のみで発泡してもよい。
【0072】
[触 媒]
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造に際して用いられる触媒としては、従来公知の触媒が使用でき、特に制限は無いが、たとえばトリエチレンジアミン、ビス(n,n-ジメチルアミノエチルエーテル)、モルホリン類等の脂肪族アミン類;オクタン酸スズ、ジブチルチンジラウレイト等の有機錫化合物などが用いられる。
【0073】
これらの触媒は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
触媒の使用量は、ポリオールおよび/またはポリマーポリオールの総量100重量部に対して、0.005〜10重量部であることが好ましい。
【0074】
[その他の添加剤]
本発明においては、架橋剤、整泡剤などのその他添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。
【0075】
(架橋剤)
本発明においては、架橋剤は特に使用しなくてもよいが、使用する場合には、水酸基価が200〜1800mgKOH/gである化合物が用いられる。
【0076】
たとえばグリセリン等の脂肪族多価アルコール類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類などが用いられる。
また、水酸基価が200〜1800mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールが架橋剤として用いられる他、従来公知の架橋剤が、ポリオールおよび/またはポリマーポリオールの総量100重量部に対して、0.5〜10重量部の間で任意の量を使用できる。
【0077】
(整泡剤)
本発明で必要に応じて用いられる整泡剤としては、通常用いられる有機ケイ素系界面活性剤を使用することができる。
【0078】
たとえば東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSRX−274C、SF−2969、SF−2961、SF−2962(以上、商品名)や、日本ユニカー社製のL−5309、L−3601、L−5307、L−3600などが使用できる。
【0079】
整泡剤の使用量は、ポリオールおよび/またはポリマーポリオールの総量100重量部に対して、0.2〜3重量部である。
(レジンプレミックス)
上記したポリオールおよび/またはポリマーポリオール、必要に応じて架橋剤、界面活性剤、水、触媒を混合したものを「レジンプレミックス」と呼ぶ。
【0080】
また、このレジンプレミックスには、その他助剤として難燃剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も必要に応じて添加することができる。
[ポリイソシアナート]
上記レジンプレミックスと反応させるポリイソシアナートは、特に限定されないが、従来公知のトルイレンジイソシアナート(2,4-体や2,6-体等の異性体比率は特に限定されないが、2,4-体/2,6-体が80/20の比率のものが好ましく使用される。)や、トルイレンジイソシアナートと下記一般式(1)で表わされるポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート(たとえば三井化学(株)製のコスモネートM−200(商品名)等)との混合物が好ましく用いられる。
【0081】
【化7】
Figure 0004707790
【0082】
一般式(1)において、nは0または1以上の整数である。
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートを表わす上記式(1)中のn=0の成分の異性体は、2,4'-体、4,4'-体、2,2'-体であり、これらの異性体の比率は特に限定されないが、通常2,2'-体は痕跡量であり、2,4'-体は10%未満である。また、式(1)中のn=0の成分の比率は、特に限定されないが、n=0の成分が50%未満の量で含まれているポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートが通常用いられている。
【0083】
ポリイソシアナートがトルイレンジイソシアナートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートとの混合物の場合、その混合比は重量で98:2〜50:50であることが軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造に特に適している。
【0084】
また、ポリイソシアナートは、重合度の異なるポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートからなる組成物であっても好ましく使用できる。このようなポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート組成物であるポリイソシアナートまたはそのウレタン変性体とトルイレンジイソシアナートとの混合物も好ましく使用できる。
【0085】
レジンプレミックス中の水酸基やアミノ基のような、イソシアナート基と反応する官能基の総量と化学量論的に等しいイソシアナート基を含む有機ポリイソシアナートの量を、軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造に使用した場合、NCOインデックスを1.00と定義すると、本発明におけるNCOインデックスは0.70以上1.40以下であることが好ましい。
【0086】
[軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造方法]
軟質ポリウレタンフォームの製造方法は特に限定されないが、通常レジンプレミックスとポリイソシアナートを高圧発泡機や低圧発泡機等を用いて混合する方法がとられる。
【0087】
低圧発泡機の場合には2種を超える成分の混合が可能であるため、ポリオール系、水系、有機スズ触媒系、難燃剤系、イソシアナート系等に分割して混合することもできる。このような混合により得られた混合液を金型(モールド)内に吐出し、発泡、充填、硬化させて一定形状の目的物を得ることができる。硬化時間は通常30秒〜30分であり、型温は室温から80℃程度であり、硬化温度は、室温から80℃である。本発明に係る軟質ポリウレタンフォームの製造は、このような硬化条件で行なわれる(通常コールドキュア法と呼ばれる。)。本発明の目的・効果を損なわない範囲で硬化後80〜180℃までしてもよい。
【0088】
レジンプレミックスは、通常高圧発泡機または低圧発泡機でポリイソシアナートと混合されるが、有機スズ触媒のように加水分解性を示す化合物を触媒として使用する場合、水との接触を避けるため水成分と有機スズ触媒成分とを別系とし、発泡機の混合ヘッドで混合することが好ましい。
【0089】
使用するレジンプレミックスの粘度は、発泡機での混合性、フォームの成形性の観点から2500mPa・s以下であることが好ましい。
【0090】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0091】
実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表わす。
なお、合成例、実施例等で測定した全密度、フォームの硬度、湿熱圧縮永久歪み、繰り返し圧縮試験における硬度変化率、伸び、水酸基価、総不飽和度、およびヘッド-トゥ-テイル結合選択率は、下記の方法に従って測定した。
【0092】
(測定方法)
(1)全密度
JIS K-6400に記載の方法により、全密度の測定を実施した。全密度は、JIS規格で規定している「見掛け密度」を指す。本発明では、表皮スキン有りの直方体フォームサンプルを用いて全密度の測定を行なった。
(2)フォームの硬度
JIS K-6400に記載のA法により、フォームの硬度(25%ILD)の測定を実施した。サンプルとして厚み94〜100mmのフォームを使用した。
(3)湿熱圧縮永久歪み
JIS K-6400に記載の圧縮残留ひずみの測定方法により、湿熱圧縮永久歪みの測定を実施した。ただし、測定に際しては成形した軟質フォームのコア部を50×50×25mm切り抜き、これを試験片として使用した。試験片を50%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、50℃、相対湿度95%の条件下に、22時間放置した。そして、22時間放置後、この試験片を取り出して30分後、その厚みを測定し、試験前の厚みの値と比較し、歪み率を測定し、この歪み率を湿熱圧縮永久歪みとした。表4〜表9では、この湿熱圧縮永久歪みを湿熱耐久性(Wet set [%])で表示した。
(4)繰り返し圧縮試験における硬度変化率
JIS K-6400に記載の繰り返し圧縮残留ひずみの測定方法(A方法)により、繰り返し圧縮試験における硬度変化率の測定を実施した。測定に際して成形した軟質フォームのコア部を100×100×50mm切り抜き、これを試験片として使用した。試験片を平行平面板に挟み、常温で毎分60回の速さで厚さの50%で連続8万回繰り返し圧縮を行なった。試験片を取り出して30分後、その硬度を測定し、試験前の硬度の値と比較し、硬度変化率を測定した。表4〜表9では、この硬度変化率を硬度ロス[%]で表示した。
【0093】
なお、硬度変化率には25%CLD変化率を用いる。25%CLDの測定には、25%ILDと同じ装置を用いて以下の条件にて実施した。
・50mm/分の圧縮速度で、サンプル厚みに対して75%圧縮する(予備圧縮)。
・圧縮を開放し、1分間静置する。
・50mm/分の圧縮速度で25%圧縮する。
・圧縮したまま20秒保持した後、抗力を読み取る(この抗力が硬度/25%CLD)。
・記述の通りサンプル形状は100×100×50mm(厚み50mm)。
(5)伸び
JIS K-6400に記載の方法により引張伸びの測定を実施した。
(6)水酸基価
JIS K-1557に記載の方法により、水酸基価の測定を実施した。
(7)総不飽和度
JIS K-1557に記載の方法により、総不飽和度の測定を実施した。
(8)ヘッド-トゥ-テイル結合選択率
日本電子(株)製の、400MHz、C13−核磁気共鳴(NMR)装置を用い、重クロロホルムを溶媒として使用し、このポリオキシアルキレンポリオールのC13−NMRスペクトルをとり、ヘッド-トゥ-テイル(Head-to-Tail)結合のオキシプロピレンセグメントのメチル基のシグナル(16.9〜17.4ppm)と、ヘッド-トゥ-ヘッド(Head-to-Head)結合のオキシプロピレンセグメントのメチル基のシグナル(17.7〜18.5ppm)との比からヘッド-トゥ-テイル結合選択率を求めた。
【0094】
なお、各シグナルの帰属は、マクロモレキュール(Macromolecules),19.1337-1343(1986)、エフ、シ、シェリング(F.C.Schiling)、エィ、イ、トーネル(A.E.Tonelli)の報文に記載された値を基準に行なった。
(ポリオキシアルキレンポリオールの合成)
【0095】
【合成例1】
(ポリオキシアルキレンポリオールAの合成)
グリセリン1モルに対してテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド0.01モルを加え、100℃で6時間減圧脱水した後、プロピレンオキシドを反応温度80℃、最大反応圧力3.8kg/cm2で付加重合し、次いで、エチレンオキシドを反応温度100℃で付加重合して水酸基価28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールAを得た。
【0096】
得られたポリオキシアルキレンポリオールAの末端オキシエチレン基含量は15重量%、総不飽和度は0.015meq/g、ヘッド-トゥ-テイル結合選択率は96.7%であった。
【0097】
【合成例2〜4】
(ポリオキシアルキレンポリオールB、C、Dの合成)
合成例1において、開始剤である活性水素化合物と、得られたポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価を表1に記載のとおりとした以外は、合成例1と同様にして、ポリオキシアルキレンポリオールB、C、Dを合成した。
【0098】
表1にポリオキシアルキレンポリオールA〜Dの構造および分析値を示す。表1中で水酸基数3はグリセリンを、水酸基数4はペンタエリスリトールを活性水素化合物として使用した。
【0099】
【表1】
Figure 0004707790
【0100】
【合成例5】
(ポリオキシアルキレンポリオールEの合成)
グリセリン1モルに対して水酸化カリウム0.37モルを加え、100℃で6時間、減圧脱水した後プロピレンオキサイドを反応温度115℃、最大反応圧力5.0kg/cm2で付加重合し、次いで、エチレンオキサイドを反応温度115℃で付加重合して水酸基価28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールEを得た。
【0101】
得られたポリオキシアルキレンポリオールEの末端オキシエチレン基含量は15重量%、総不飽和度は0.065meq/g、ヘッド-トゥ-テイル結合選択率は96.2%であった。
【0102】
【合成例6および7】
(ポリオキシアルキレンポリオールF、Gの合成)
合成例5において、開始剤である活性水素化合物と、得られたポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価を表2に記載のとおりとした以外は、合成例5と同様にして、ポリオキシアルキレンポリオールF、Gを合成した。
【0103】
表2にポリオキシアルキレンポリオールE〜Gの構造および分析値を示す。表2中で水酸基数3はグリセリンを、水酸基数4はペンタエリスリトールを活性水素化合物として使用した。
【0104】
【表2】
Figure 0004707790
【0105】
【合成例8】
(ポリオキシアルキレンポリオールHの合成)
グリセリン1モルに対して水酸化セシウム0.23モルを加え、100℃で6時間減圧脱水後プロピレンオキシドを反応温度80℃、最大反応圧力3.5kg/cm2で付加重合し、次いで、エチレンオキシドを反応温度100℃で付加重合して水酸基価28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールHを得た。
【0106】
得られたポリオキシアルキレンポリオールHの末端オキシエチレン基含量は15重量%、総不飽和度は0.016meq/g、ヘッド-トゥ-テイル結合選択率は97.1%であった。
【0107】
【合成例9〜11】
(ポリオキシアルキレンポリオールI、J、Kの合成)
合成例8において、開始剤である活性水素化合物と、得られたポリオールの水酸基価を表3に記載のとおりとした以外は、合成例8と同様にして、ポリオキシアルキレンポリオールI、J、Kを合成した。
【0108】
表3にポリオキシアルキレンポリオールH〜Kの構造および分析値を示す。表3中で水酸基数3はグリセリンを、水酸基数4はペンタエリスリトールを活性水素化合物として使用した。
【0109】
【表3】
Figure 0004707790
【0110】
(ポリマーポリオールの合成)
【0111】
【合成例−21】
(ポリマーポリオールaの合成)
合成例2で得られた水酸基価34mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールB中で、アクリロニトリル、およびスチレンをグラフト重合させて水酸基価28mgKOH/gのポリマーポリオールaを得た。なお、ビニルポリマー含量は20重量%(アクリロニトリルおよびスチレンの総使用量が、ポリオキシアルキレンポリオールB、アクリロニトリルおよびスチレンの総使用量100重量%に対して20重量%)であった。具体的には、以下のようにしてポリマーポリオールaを合成した。
【0112】
使用した原料の性状は以下のとおりである。
ラジカル重合開始剤:2,2'-アゾビス(2-イソブチロニトリル)。
分散安定化剤:KOHを触媒として、グリセリンにプロピレンオキサイド、次いで、エチレンオキサイドを付加重合して得られた水酸基価(OHV)が34mgKOH/g、末端エチレンオキサイド(EO)含量が14重量%のポリオールに、無水マレイン酸、およびエチレンオキサイドを反応させた水酸基価(OHV)が29mgKOH/gのポリエーテルエステルポリオール。
【0113】
温度計、攪拌装置、圧力計、および送液装置を装着した1リットル容量の耐圧オートクレーブに、ポリオキシアルキレンポリオールBを満液状態になるまで仕込み、攪拌しながら、120℃に昇温した。ポリオキシアルキレンポリオールB、ラジカル重合開始剤、アクリロニトリル、スチレンおよび分散安定化剤の混合液を該オートクレーブに連続装入し、排出口より、初留を除き、連続的にポリマーポリオールaを得た。反応温度120℃、反応圧力440kPaの条件で、滞留時間は、50分の条件であった。得られた反応液を120℃、655Pa以下の条件で、3時間の加熱減圧処理を行ない、未反応のアクリロニトリル、スチレンおよびラジカル重合開始剤の分解物等の除去を行なった。原料の仕込み量は、以下のとおりであった。
【0114】
ポリオキシアルキレンポリオールB 7500g
ラジカル重合開始剤 50g
アクリロニトリル 1500g
スチレン 500g
分散安定化剤 500g
【0115】
【合成例−22】
(ポリマーポリオールbの合成)
合成例6で得られた水酸基価34mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールF中でアクリロニトリル、およびスチレンをグラフト重合させて水酸基価28mgKOH/gのポリマーポリオールbを得た。なお、ビニルポリマー含量は20重量%であった。具体的には、以下のようにしてポリマーポリオールbを合成した。
【0116】
温度計、攪拌装置、圧力計、および送液装置を装着した1リットル容量の耐圧オートクレーブに、ポリオキシアルキレンポリオールFを満液状態になるまで仕込み、攪拌しながら、120℃に昇温した。ポリオキシアルキレンポリオールF、ラジカル重合開始剤、アクリロニトリル、スチレンおよび分散安定化剤の混合液を該オートクレーブに連続装入し、排出口より、初留を除き、連続的にポリマーポリオールbを得た。反応温度120℃、反応圧力440kPaの条件で、滞留時間は、50分の条件であった。得られた反応液を120℃、655Pa以下の条件で、3時間の加熱減圧処理を行ない、未反応のアクリロニトリル、スチレンおよびラジカル重合開始剤の分解物等の除去を行なった。原料の仕込み量は、以下のとおりであった。
【0117】
ポリオキシアルキレンポリオールF 7500g
ラジカル重合開始剤 50g
アクリロニトリル 1500g
スチレン 500g
分散安定化剤 500g
【0118】
【合成例−23】
(ポリマーポリオールcの合成)
合成例9で得られた水酸基価34mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールI中でアクリロニトリル、およびスチレンをグラフト重合させて水酸基価28mgKOH/gのポリマーポリオールcを得た。なお、ビニルポリマー含量は20重量%であった。具体的には、以下のようにしてポリマーポリオールcを合成した。
【0119】
温度計、攪拌装置、圧力計、および送液装置を装着した1リットル容量の耐圧オートクレーブに、ポリオキシアルキレンポリオールIを満液状態になるまで仕込み、攪拌しながら、120℃に昇温した。ポリオキシアルキレンポリオールI、ラジカル重合開始剤、アクリロニトリル、スチレンおよび分散安定化剤の混合液を該オートクレーブに連続装入し、排出口より、初留を除き、連続的にポリマーポリオールcを得た。反応温度120℃、反応圧力440kPaの条件で、滞留時間は、50分の条件であった。得られた反応液を120℃、655Pa以下の条件で、3時間の加熱減圧処理を行ない、未反応のアクリロニトリル、スチレンおよびラジカル重合開始剤の分解物等の除去を行なった。原料の仕込み量は、以下のとおりであった。
【0120】
ポリオキシアルキレンポリオールI 7500g
ラジカル重合開始剤 50g
アクリロニトリル 1500g
スチレン 500g
分散安定化剤 500g
(軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造)
ポリイソシアナートとしては、以下に示す原料を使用した。
【0121】
ポリイソシアナート -1
三井化学(株)製のコスモネート TM-20(商品名);
2,4-トルイレンジイソシアナートと2,6-トルイレンジイソシアナートとを80:20重量比で含んでなる混合物80重量部と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート20重量部とからなる混合物。
【0122】
ポリイソシアナート -2
三井化学(株)製のコスモネートT-80(商品名);
2,4-トルイレンジイソシアナートと2,6-トルイレンジイソシアナートとを80:20重量比で含んでなる混合物。
【0123】
また、前述のポリオキシアルキレンポリオール、ポリマーポリオール、ポリイソシアナートの他に、以下に示す原料を使用した。
触媒 -1
Minico L-1020(商品名);
活材ケミカル社製のアミン触媒(トリエチレンジアミンの33%ジエチレングリコール溶液)。
【0124】
触媒 -2
Minico TMDA(商品名);
活材ケミカル社製のアミン触媒。
【0125】
架橋剤 -1
KL-210(商品名);
三井化学(株)製、水酸基価830mgKOH/gの架橋剤。
【0126】
整泡剤 -1
SRX-274C(商品名);
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のシリコーン整泡剤。
【0127】
なお、実施例および比較例中の密度とは、全密度(オーバーオール密度)を示す。
(ポリオール合成触媒として窒素−リン二重結合を有する化合物を用いたポリオキシアルキレンポリオールと、水酸化カリウムを用いたポリオキシアルキレンポリオールとの比較)
【0128】
【実施例1】
以下に示す7成分を混合してレジン液(レジンプレミックス)を調製した。
ポリオキシアルキレンポリオールA 50部
ポリマーポリオールa 50部
架橋剤-1 3.0部
水 4.2部
触媒-1 0.4部
触媒-2 0.1部
整泡剤-1 1.0部
ポリオキシアルキレンポリオールとしてポリオキシアルキレンポリオールA、ポリマーポリオールとしてポリマーポリオールaを使用した、上記レジン液108.7部にイソシアナート-1を55.3部を混合し、得られた混合物を直ちに予め65℃に調整した内寸400×400×100mmの金型へ注入し、蓋を閉めて発泡させた。
【0129】
次いで、この金型をそのまま、設定温度100℃の熱風オーブン中に入れ、金型内のフォームを7分間加熱硬化させた後、軟質フォームを金型より取り出した。得られた軟質フォームの物性を表4に示す。
【0130】
なお、ポリイソシアナート-1とレジン液(レジンプレミックス)の活性水素との当量比(NCO/H)(NCOインデックス)は1.05とした。
【0131】
【実施例2】
実施例1において、得られる軟質フォームの全密度(見掛け密度)35.1kg/m3を42.7kg/m3に制御した以外は、実施例1と同様にして、軟質フォームを得た。得られた軟質フォームの物性を表4に示す。
【0132】
【実施例3〜7】
実施例1において、ポリオキシアルキレンポリオールAをポリオキシアルキレンポリオールB〜Dに変更し、得られる軟質フォームの全密度(見掛け密度)を表4に従って制御した以外は、実施例1と同様にして、軟質フォームを得た。得られた軟質フォームの物性を表4に示す。
【0133】
【表4】
Figure 0004707790
【0134】
【比較例1〜6】
実施例1において、ポリオキシアルキレンポリオールAをポリオキシアルキレンポリオールE〜Gに変更するとともに、ポリマーポリオールaをポリマーポリオールbに変更し、得られる軟質フォームの全密度(見掛け密度)を表5に従って制御した以外は、実施例1と同様にして、軟質フォームを得た。得られた軟質フォームの物性を表5に示す。
【0135】
なお、ポリイソシアナート-1とレジン液(レジンプレミックス)の活性水素との当量比(NCO/H)(NCOインデックス)は1.05とした。
【0136】
【表5】
Figure 0004707790
【0137】
表4および表5より以下のことが理解される。すなわち、実施例1〜7の軟質フォームは、良好な湿熱圧縮歪み、および繰り返し圧縮試験における硬度変化を示す。一方、比較例1〜6の軟質フォームは、使用したポリオールが本発明の範囲外で、軟質フォームの物性が劣ることがわかる。また、実施例1〜6の軟質フォーム製造に使用したレジンプレミックスの粘度は、実施例7と比較して、レジンプレミックス粘度が低く、良好な混合性、液伸び性(流動性)を示すため、さらに好ましい。
【0138】
【実施例8〜12】
実施例1において、ポリオキシアルキレンポリオールAをポリオキシアルキレンポリオールB〜Dに変更するとともに、ポリイソシアナート-1をポリイソシアナート-2に変更し、得られる軟質フォームの全密度(見掛け密度)を表6に従って制御した以外は、実施例1と同様にして、軟質フォームを得た。得られた軟質フォームの物性を表6に示す。
【0139】
なお、ポリイソシアナート-2とレジン液(レジンプレミックス)の活性水素との当量比(NCO/H)(NCOインデックス)は1.05とした。
【0140】
【表6】
Figure 0004707790
【0141】
【比較例7〜10】
実施例1において、ポリオキシアルキレンポリオールAをポリオキシアルキレンポリオールF、Gに、ポリマーポリオールaをポリマーポリオールbに、ポリイソシアナート-1をポリイソシアナート-2に変更し、得られる軟質フォームの全密度(見掛け密度)を表7に従って制御した以外は、実施例1と同様にして、軟質フォームを得た。得られた軟質フォームの物性を表7に示す。
【0142】
なお、ポリイソシアナート-2とレジン液(レジンプレミックス)の活性水素との当量比(NCO/H)(NCOインデックス)は1.05とした。
【0143】
【表7】
Figure 0004707790
【0144】
表6および表7より以下のことが理解される。すなわち、実施例8〜12の軟質フォームは、良好な湿熱圧縮歪み、および繰り返し圧縮試験における硬度変化を示す。一方、比較例7〜10の軟質フォームは使用したポリオールが本発明の範囲外で、フォーム物性が劣ることがわかる。また、実施例8〜11の軟質フォームは、実施例12と比較してレジンプレミックス粘度が低く、良好な混合性、液伸び性を示すため、さらに好ましい。
(ポリオール合成触媒として水酸化セシウムを用いたポリオキシアルキレンポリオールと水酸化カリウムを用いたポリオキシアルキレンポリオールとの比較)
【0145】
【実施例13〜19】
実施例1において、ポリオキシアルキレンポリオールAをポリオキシアルキレンポリオールH〜Kに、ポリマーポリオールaをポリマーポリオールcに変更し、得られる軟質フォームの全密度(見掛け密度)を表8に従って制御した以外は、実施例1と同様にして、軟質フォームを得た。得られた軟質フォームの物性を表8に示す。
【0146】
【表8】
Figure 0004707790
【0147】
表8および表5より以下のことが理解される。すなわち、実施例13〜19の軟質フォームは良好な湿熱圧縮歪み、および繰り返し圧縮試験における硬度変化を示す。一方、比較例1〜6の軟質フォームは使用したポリオールが本発明の範囲外で、フォーム物性が劣ることがわかる。また、実施例13〜18の軟質フォームは、実施例19と比較してレジンプレミックス粘度が低く、良好な混合性、液伸び性を示すため、さらに好ましい。
【0148】
【実施例20〜24】
実施例1において、ポリオキシアルキレンポリオールAをポリオキシアルキレンポリオールI〜Kに、ポリマーポリオールaをポリマーポリオールcに、ポリイソシアナート-1をポリイソシアナート-2に変更し、得られる軟質フォームの全密度(見掛け密度)を表9に従って制御した以外は、実施例1と同様にして、軟質フォームを得た。得られた軟質フォームの物性を表9に示す。
【0149】
なお、ポリイソシアナート-2とレジン液(レジンプレミックス)の活性水素との当量比(NCO/H)(NCOインデックス)は1.05とした。
【0150】
【表9】
Figure 0004707790
【0151】
表9および表7よりより以下のことが理解される。すなわち、実施例20〜24の軟質フォームは良好な湿熱圧縮歪み、および繰り返し圧縮試験における硬度変化を示す。一方、比較例7〜10の軟質フォームは使用したポリオールが本発明の範囲外で、フォーム物性が劣ることがわかる。また、実施例20〜23の軟質フォームは、実施例24と比較して、レジンプレミックス粘度が低く、良好な混合性、液伸び性を示すため、さらに好ましい。
【0152】
【発明の効果】
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームは、低密度で、耐久性、特に繰り返し圧縮試験における硬度変化率および湿熱圧縮永久歪みに優れている。
【0153】
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームは、全密度が35kg/m3以上45kg/m3以下、かつ、湿熱圧縮永久歪みが15%以下であり、繰り返し圧縮試験における硬度変化率を15%以下とすることもできるので、軽量で、歪み特性等の耐久特性に優れ、ベットや車両用等において優れたクッションとなる。
【0154】
本発明に係る軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造方法によれば、上記のような効果を有する軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームを提供することができる。
【0155】
本発明では、少なくとも窒素−リン二重結合を有する化合物、水酸化セシウムまたは水酸化ルビジウムの一つを含有する触媒を用いて合成されたポリオールを使用することによって、レジンプレミックスの粘度が2500mPa・s以下とすることができ、ポリウレタンフォームの製造時のハンドリングを容易にしたり、安価な装置で軟質フォームの製造が可能となる。その結果、湿熱圧縮永久歪みと繰り返し圧縮試験における硬度変化率の小さい、すなわち耐久性に優れた軟質フォームを簡便に製造することができる。

Claims (1)

  1. ポリオール(I)と、ポリオール(II)(ポリオール(I)およびポリオール(II)は同じであっても異なっていてもよい。)中で不飽和結合を有する化合物をラジカル重合させて得られたポリマー微粒子を該ポリオール中に分散させたポリマーポリオールと、水と、軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの製造に際して用いられる触媒(1)と、ポリイソシアナートとから得られる軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームであって、
    該ポリオール(I)およびポリオール(II)が、(2)水酸基価が25mgKOH/gを超え、35mgKOH/g以下で、総不飽和度が0.030meq/g以下のポリオキシアルキレンポリオールであり、かつポリオキシアルキレンポリオール製造用触媒(2)を用いて合成されたものであり、
    該触媒(2)が、少なくともホスファゼニウム化合物、ホスフィンオキシド化合物、水酸化セシウムおよび水酸化ルビジウムのいずれか一つを含有するものであり、
    該ポリイソシアナートが、トルイレンジイソシアナートであるか、または該トルイレンジイソシアナートと一般式(1)
    Figure 0004707790
    [式中、n=0または1以上の整数]で表わされるポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートとを98:2〜50:50の重量比で含む混合物であり、
    少なくとも該ポリオール(I)と、該ポリマーポリオールと、該水と、該触媒(1)とを含有するレジンプレミックスの粘度が2500mPa・s以下であり、
    該軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォームの全密度が35kg/m3以上45kg/m3以下、湿熱圧縮永久歪み(JIS K−6400)が15%以下および繰り返し圧縮試験における硬度変化率(JIS K−6400)が15%以下であることを特徴とする軟質ポリウレタンコールドキュアモールドフォーム。
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