WO2018139553A1 - ハロゲン含有ポリエーテルポリオールおよびポリウレタン - Google Patents

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Abstract

不飽和成分の含有量が少ないハロゲン含有ポリエーテルポリオール、及びそれを用いたポリウレタンを提供する。分子量が200以上100,000以下であり、かつ、不飽和度が0.02meq/g以下である下記式(1)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオール、およびそれを用いてポリウレタンを製造する。 式(1)中、 mは、2以上8以下の整数を表し; Rは、活性水素含有化合物残基を表し; Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表す; 式[I]中、Xは、ハロゲン原子を表す。

Description

ハロゲン含有ポリエーテルポリオールおよびポリウレタン
 本発明は、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールおよびポリウレタンに関する。
 ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキシドを開環重合することで得ることができ、ポリウレタンのソフトセグメントとして、塗料や接着剤、シーリング剤、自動車シート用フォーム等の幅広い用途で用いられている。
 特許文献1は、せん断強度、耐湿性、及び耐水性に優れるポリウレタン系接着剤の原料として、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを開示している。特許文献1にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、三フッ化ホウ素化合物のような酸触媒を用いて、ハロゲン含有アルキレンオキシドを開環重合することにより合成できる。しかし、特許文献1にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールには、製造する際の副反応により生成する不飽和成分等の副生成物が多く含まれていた。そのため、特許文献1にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールから得られるポリウレタンには欠陥部分が多く、架橋密度が低下するため、ヒステリシスロス、圧縮永久歪み等の物性が低下するといった問題点があった。
 非特許文献1は、不飽和度の低いポリオールが得られるアルキレンオキシドの重合触媒として、複金属シアン化物錯体を開示している。非特許文献1にかかる複金属シアン化物錯体は、ハロゲン含有アルキレンオキシドの重合へも展開されている。
日本国特開平2-202573号公報
RSC Advances,2014,4,21765-21771
 本発明者等が、非特許文献1について検討した結果、非特許文献1にかかる手法で得られるポリオールの不飽和成分の含有量は依然として多く、さらなる低減が必要であることがわかった。
 本発明の一態様は、不飽和成分の含有量が低減されたハロゲン含有ポリエーテルポリオール、及びその製造方法を提供することに向けられている。
 本発明の他の態様は、該ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを含むポリウレタン形成性組成物を提供することに向けられている。
 本発明のさらに他の態様は、前記ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを用いたポリウレタン、及びその製造方法を提供することに向けられている。
 本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、分子量が200以上100,000以下であり、かつ、不飽和度が0.02meq/g以下である、式(1)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオール:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 式(1)中、
  mは、2以上8以下の整数を表し;
  Rは、活性水素含有化合物残基を表し;
  Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表す;
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 式[I]中、Xは、ハロゲン原子を表す。
 本発明の他の態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法は、上記ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法であって、
 オニウム塩、ルイス酸及び活性水素含有化合物を含む組成物の存在下、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことを含み、
 前記活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対する、前記オニウム塩の使用量が0.001モル以上0.1モル以下である。
 本発明の他の態様にかかるポリウレタン形成性組成物は、上記ハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を含む。
 本発明の他の態様にかかるポリウレタンは、上記ハロゲン含有ポリエーテルポリオールをモノマー単位として含む。
 本発明の他の態様にかかるポリウレタンの製造方法は、上記ハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させる。
 本発明の一態様によれば、不飽和成分の含有量が低減されたハロゲン含有ポリエーテルポリオール、及びその製造方法を提供することができる。本発明の他の態様によれば、該ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを含むポリウレタン形成性組成物を提供することができる。本発明のさらに他の態様によれば、前記ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを用いたポリウレタン、及びその製造方法を提供することができる。
 以下、本発明を実施するための例示的な態様について詳細に説明する。
[ハロゲン含有ポリエーテルポリオール]
 本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、分子量が200以上100,000以下であり、かつ、不飽和度が0.02meq/g以下である、式(1)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオールである:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 式(1)中、
  mは、2以上8以下の整数を表し;
  Rは、活性水素含有化合物残基を表し;
  Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表す;
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 式[I]中、Xは、ハロゲン原子を表す。
<式(2)について>
 式(1)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、式(2)で示される構造のものがより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 式(2)中、
  Xは、ハロゲン原子を表し;
  nは、1以上500以下の整数を表し;
  mは、2以上8以下の整数を表し;
  Rは、活性水素含有化合物残基を表す。
<Qについて>
 式(1)中、Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表し、式[I]で示される構造単位と、式[II]で示される構造単位と、を含む重合体成分であってもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
<<Aについて>>
 式[II]中、Aは、水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基を表す。
 Aで表される炭素数1~10の炭化水素としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基が挙げられる。Aとしては、前駆物質の入手しやすさより、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましい。
 式(1)中、Qが構造単位[I]と、構造単位[II]と、を含む重合体成分である場合、それぞれの構造単位の配列はブロックであってもランダムであってもよい。
<Xについて>
 式[I]、式(2)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
 Xで表されるハロゲン原子としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、取扱いの容易さより、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子又は塩素原子であることがさらに好ましい。
<Rについて>
 式[I]、式(2)中、Rで表される活性水素含有化合物残基としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシ残基、アミン残基、カルボン酸残基、チオール残基等が挙げられる。
 また、このような活性水素含有化合物残基を含む活性水素含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、水酸基を有するポリエーテルポリオール等が挙げられる。
 ヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、スクロース、グルコース、2-ナフトール、ビスフェノール等が挙げられる。
 アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン、1,2-ブチレンジアミン等が挙げられる。
 カルボン酸化合物としては、例えば、フタル酸、アジピン酸等が挙げられる。
 チオール化合物としては、例えばエタンジチオール、ブタンジチオール等が挙げられる。
 水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子量200以上2000以下のポリエーテルポリオール等が挙げられる。
 活性水素含有化合物残基を含む活性水素含有化合物としては、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを効率よく製造することが可能となることから、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,9-ノナンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、エチレンジアミン、分子量200以上2000以下のポリエーテルポリオールが好ましく、トリプロピレングリコール、2,5-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、分子量が200以上1000以下のポリエーテルポリオールが特に好ましい。
<分子量>
 ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量は、200以上100,000以下である。ポリウレタン用原材料として用いる際の取扱い性、ポリウレタン生産効率に優れたものとなることから、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量は、200以上20,000以下であることが好ましく、500以上10,000以下であることが特に好ましい。
<不飽和度>
 ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度は、0.02meq/g以下である。得られるポリウレタンのヒステリシスロス、圧縮永久歪み等の物性が向上するため、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度は、0.010meq/g以下が好ましい。
<Mw/Mn>
 ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される数平均分子量をMn、重量平均分子量をMwとしたとき、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールのMw/Mnは、ポリウレタン樹脂を形成する際の成形性が向上するため、2.00以下が好ましく、特に好ましくは1.50以下である。
<1級化率>
 ハロゲン含有ポリエーテルポリオールにおける末端水酸基の1級化率は、特に限定されるものではないが、反応性のバラツキが小さく、均一に反応し、得られるポリウレタンの分子量分布や組成が均一になりやすいため、10%未満であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。
[ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法]
 本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法は、上記のハロゲン含有ポリエーテルポリオールを製造する方法であって、
 オニウム塩、ルイス酸及び活性水素含有化合物を含む組成物の存在下、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことを含み、
 前記活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対する、前記オニウム塩の使用量が0.001モル以上0.1モル以下である。
 ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合の際には、活性水素含有化合物は開始剤として作用する。
<オニウム塩>
 オニウム塩としては、特に限定されるものではないが、ホスファゼニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。
<<ホスファゼニウム塩>>
 ホスファゼニウム塩の構造は特に限定されるものではないが、例えば、式(3)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 式(3)中、
  R及びRは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基、RとRとが互いに結合した環構造、R同士又はR同士が互いに結合した環構造を表し;
  Zは、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン又は炭酸水素アニオンを表し;
  Yは、炭素原子又はリン原子を表し;
  aは、
   Yが炭素原子のとき2であり、
   Yがリン原子のとき3である。
 式(3)中、R、Rで表される炭素数1~20の炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等が挙げられる。
 RとRとが互いに結合し環構造を形成した場合としては、例えば、ピロリジニル基、ピロリル基、ピペリジニル基、インドリル基、イソインドリル基等が挙げられる。
 R同士又はR同士が互いに結合した環構造としては、特に限定されるものではないが、例えば、一方の置換基がエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基となって、他方の置換基と互いに結合した環構造が挙げられる。
 これらの中で、R及びRとしては、特に触媒活性に優れるアルキレンオキシド重合触媒となり、原料の入手が容易という点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることが好ましい。
 また、式(3)におけるZは、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン又は炭酸水素アニオンである。
 炭素数1~4のアルコキシアニオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシアニオン、エトキシアニオン、n-プロポキシアニオン、イソプロポキシアニオン、n-ブトキシアニオン、イソブトキシアニオン、t-ブトキシアニオン等が挙げられる。
 炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトキシアニオン、エチルカルボキシアニオン、n-プロピルカルボキシアニオン、イソプロピルカルボキシアニオン、n-ブチルカルボキシアニオン、イソブチルカルボキシアニオン、t-ブチルカルボキシアニオン等が挙げられる。
 これらの中で、Zとしては、触媒活性に優れるハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒となることから、ヒドロキシアニオン、炭酸水素アニオンが特に好ましい。
 式(3)で示されるホスファゼニウム塩としては、特に限定されるものではないが、具体的には、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-プロピル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-ブチル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-プロピル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-ブチル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート等が挙げられる。
 また、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジエチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジn-プロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、1-tert-ブチル-4,4,4-トリス(ジメチルアミノ)-2,2-ビス(トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ)-2λ5,4λ5-カテナジ(ホスファゼン)、テトラキス[トリス(ジイソプロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジn-ブチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジフェニルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジエチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジn-プロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジイソプロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジn-ブチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジフェニルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート等が挙げられる。
 これらの中で、触媒性能に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドが特に好ましい。
<<アンモニウム塩、ホスホニウム塩>>
 アンモニウム塩又はホスホニウム塩の構造は、式(4)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 式(4)中、
  Dは、窒素原子又はリン原子を表し;
  R、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基若しくはジアルキルアミノ基、ハロゲン原子又は水素原子を表し;
  Eは、無機又は有機の基からなる対イオンを表し;
  前記R~Rのうち、2~4つが結合して環状構造を形成していてもよく;
  該環状構造は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
 炭素数1~20のアルキル基又はアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、ベンジル基、トリル基、オクチル基、シクロオクチル基、キシリル基等が挙げられる。
 アルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ビニルオキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、アリルオキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、シクロブトキシ基、ノルマルペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、へプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、トリルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、キシリルオキシ基が挙げられる。
 ジアルキルアミノ基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジシクロプロピルアミノ基等が挙げられる。
 ハロゲン原子としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
 触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~10のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルブチル基、ノルマルオクチル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
 R~Rのうち、2~4つが結合して環状構造を形成していてもよく、2つ又は3つが結合して環状構造を形成していることが好ましい。該環状構造は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
 R~Rのうち2つ又は3つが結合して環状構造を形成したアンモニウム塩の構造としては、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩が挙げられる。これらのうち、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、アンモニウム塩の構造としては、イミダゾリウム塩であることが好ましい。
 式(4)中で、Eで表される無機又は有機の基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、水素化ホウ素基、ヘキサフルオロリン酸基が挙げられる。これらのうち、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、Eで表される無機又は有機の基としては、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、ヘキサフルオロリン酸基のいずれかであることが好ましい。
 式(4)で表されるアンモニウム塩又はホスホニウム塩としては、特に限定されるものではないが、具体的には、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルプロピルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルペンチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルヘキシルアンモニウムブロミド、テトラノルマルヘプチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルプロピルアンモニウムクロライド、テトラノルマルブチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルペンチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルヘキシルアンモニウムクロライド、テトラノルマルヘプチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルオクチルアンモニウムクロライド1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムクロリド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド等のアンモニウム塩;テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルプロピルホスホニウムブロミド、テトラノルマルブチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルペンチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルヘキシルホスホニウムブロミド、テトラノルマルヘプチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルオクチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルプロピルホスホニウムクロライド、テトラノルマルブチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルペンチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルヘキシルホスホニウムクロライド、テトラノルマルヘプチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルオクチルホスホニウムクロライド、ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等のホスホニウム塩;が挙げられる。
 これらの中で、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造用触媒となることから、式(4)で表されるアンモニウム塩又はホスホニウム塩としては、テトラノルマルオクチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルホスホニウムブロミドが好ましく用いられる。
<ルイス酸>
 ルイス酸としては、例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。これらの中でも、ルイス酸としては、アルミニウム化合物及び亜鉛化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
 アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルモノイソブチルアルミニウム、モノフェニルジイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム;メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチル-イソブチルアルミノキサン等のアルミノキサン;塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機アルミニウム;が挙げられる。
 亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等の有機亜鉛;塩化亜鉛、酸化亜鉛等の無機亜鉛;が挙げられる。
 ホウ素化合物としては、例えば、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフルオロボラン等が挙げられる。
 これらの中でも、触媒性能に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造用触媒となることから、ルイス酸としては、有機アルミニウム、アルミノキサン、有機亜鉛が好ましく、有機アルミニウムが特に好ましい。
<活性水素含有化合物>
 本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法で用いられる活性水素含有化合物としては、上記した本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールで列挙した活性水素含有化合物と同じものが挙げられる。
<活性水素化合物の活性水素に対するオニウム塩の使用量>
 ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを効率よく製造することが可能となることから、活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対する、オニウム塩の使用量は、0.001モル以上0.1モル以下であることが好ましく、0.001モル以上0.05モル以下であることが特に好ましい。
<組成物の調製方法>
 オニウム塩、ルイス酸及び活性水素含有化合物を含む組成物の調製方法としては、当該組成物の調製が可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、特に限定されない。該調整方法としては、例えば、オニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を混合する方法が挙げられる。その際には、溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等を用いてもよい。
 また、オニウム塩、ルイス酸、及び活性水素含有化合物のうち、2成分を混合した後に残り1成分を混合して調製する方法、1成分にあらかじめ混合した残り2成分を混合して調製する方法等の如何なる調製方法を用いてもよい。その中でも、触媒性能に優れる組成物となることから、オニウム塩と活性水素含有化合物とを混合した後に、ルイス酸を混合し、組成物を調製することが好ましい。
 上記した組成物を調製する際は、加熱・減圧処理等を行ってもよい。加熱処理の温度としては、例えば、50℃以上150℃以下が挙げられ、好ましくは70℃以上130℃以下である。また、減圧処理の際の圧力としては、例えば、50kPa以下が挙げられ、好ましくは20kPa以下である。
<他の条件等>
 本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、重合圧力は、特に制限されるものではないが、常圧~1.0MPaの範囲であることが好ましく、常圧以上、0.5MPa以下の範囲であることがより好ましい。ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、重合温度は、特に制限されるものではないが、0℃以上180℃以下の範囲であることが好ましく、50℃以上130℃以下の範囲であることがより好ましい。
 ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、重合反応は無溶媒で実施されるが、溶媒中で行うこともできる。使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等が挙げられる。
[ポリウレタン形成性組成物]
 ポリウレタン形成性組成物は、上記のハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を含む。
 ここで、ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物(単環式脂環族イソシアネート化合物、架橋環式脂環族イソシアネート化合物)、及びこれらのポリイソシアネート誘導体等が挙げられる。
 芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4-もしくは2,6-トリレンジイソシアネ-ト、またはそれらの混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m-もしくはp-フェニレンジイソシアネート、またはそれらの混合物)、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-、2,4’もしくは2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、またはそれらの混合物)(MDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(1,3-もしくは1,4-キシリレンジイソシアネート、またはそれらの混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3-もしくは1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、またはそれらの混合物)(TMXDI)、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、ナフタレンジイソシアネート(1,5-、1,4-もしくは1,8-ナフタレンジイソシアネート、またはそれらの混合物)(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ニトロジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシジフェニル-4,4’-ジイソシアネート等が挙げられる。
 脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネ-ト、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプエート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
 単環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4-シクロヘキサンジイソシアネ-ト、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート)、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート(4,4’-、2,4’-もしくは2,2’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、またはそれらの混合物)(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシネートメチル)シクロヘキサン(1,3-もしくは1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、またはそれらの混合物)(水添XDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート(水添TDI)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート(水添TMXDI)等が挙げられる。
 架橋環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、ノルボルネンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、ビシクロヘプタントリイソシアネート、ジイソシアナートメチルビシクロヘプタン、ジ(ジイソシアナートメチル)トリシクロデカン等が挙げられる。
 また、これらのポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記イソシアネート化合物の多量体(2量体、3量体、5量体、7量体、ウレチジンジオン、ウレイトンイミン、イソシヌレート変性体、ポリカルボジイミド等)、ウレタン変性体(例えば、上記イソシアネート化合物または多量体におけるイソシアネート基の一部をモノオールやポリオールで変性または反応したウレタン変性体等)、ビウレット変性体(例えば、上記イソシアネート化合物と水との反応により生成するビウレット変性体等)、アロファネート変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とモノオールまたはポリオール成分との反応により生成するアロファネート変性体等)、ウレア変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とジアミンとの反応により生成するウレア変性体等)、オキサジアジントリオン(例えば、上記イソシアネート化合物と炭酸ガス等との反応により生成するオキサジアジントリオン等)等が挙げられる。
 なお、上記のイソシアネート化合物またはその誘導体は単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
 上記したハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させると、架橋密度が向上し、貯蔵弾性率が高くなるため、ヒステリシスロス、圧縮永久歪み等の物性が良好なポリウレタンを得ることができる。
[ポリウレタン、ポリウレタンの製造方法]
 本発明の一態様にかかるポリウレタンは、上記したハロゲン含有ポリエーテルポリオールをモノマー単位として含む。
 また、本発明の一態様にかかるポリウレタンの製造方法は、上記したハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、上記したポリイソシアネート化合物と、を反応させる。
 ポリウレタンの構造は、上記したハロゲン含有ポリエーテルポリオールをモノマー単位として含んでいれば特に制限はなく、架橋体でもよいし、直鎖状でも分岐状でもよく、末端構造はNCOでもOHでもよい。
 なお、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させてポリウレタンを得る場合は、例えば、150℃を上限に組成物を加温したり、触媒を加えたりすると、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物の反応が加速され、短時間でポリウレタンを得ることができる。触媒としては、例えば、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、スタナスオクトエート、ジブチルスズジ-2-エチルヘキサノエ-ト、ナトリウム o-フェニルフェネート、カリウムオレート、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネ-ト、塩化第二スズ、塩化第二鉄、三塩化アンチモン等が挙げられる。
 以下、本発明の一態様にかかるポリウレタンの用途について記載する。
 本発明の一態様にかかるポリウレタンは、各種の用途に利用でき、特に用途が制限されるものではないが、例えば、硬質フォームまたは軟質フォームのようなウレタンフォーム用途に用いることができる。
 また、本発明の一態様にかかるポリウレタンは、コーテイング剤・塗料(Coatings)、粘着剤・接着剤(Adhesives)、シーリング材(Sealants)、熱可塑性又は熱硬化性のエラストマー(Elastomers)等の用途に用いることができる。これら4つの用途の英語の頭文字をとって、本技術分野においてはCASEと称されることもある。
 コーテイング材用途の具体例としては、建築物・公共構造物、木工、船舶、自動車などの中塗り等が挙げられる。
 接着剤用途の具体例としては、軟包装材用のラミネート張り合わせ、すなわち、スナック類、ボイル用、レトルト用などの食品用ラミネート袋、洗剤などの非食品用ラミネート袋における接着;ラッピング、床暖フロアー、フローリング用などの建築分野における接着;太陽電池のバックシート、液晶テレビ、その他電池回りなどのエレクトロニクス分野における接着;等が挙げられる。
 シーリング材用途の具体例としては、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)パネルやサッシのシーリングや、RC(Reinforced Concrete)壁の打ち継ぎ、タイル下の躯体や窓外枠用等の建築外装のシーリング;水回りや石膏ボード等の建築内装のシーリング;防水下地や屋根等の建築建材用のシーリング;保冷車等の特殊車両や自動車窓枠等の車用のシーリング;電気・電子機器、通信機器、特にハードディスク装置におけるガスケット等の各種機器のシーリング;等が挙げられる。
 熱可塑性エラストマー用途の具体例としては、高圧ホース、消防ホース、農薬用ホース、塗装用ホース等のホース類;空圧チューブ、油圧チューブ、燃料チューブ、透析用チューブ、動脈・静脈・心臓用チューブ等のチューブ類;自動車用傷つき防止フィルム・シート、インパネ表皮材ソファ用傷つき防止フィルム、エアマット、看護用ベットシート、ダイヤフラム、キーボードシート、ラバースクリーン、コンベアベルト、ガスケット、合成皮革、伸縮シート、柔軟フィルム、ターポリン、衣料、ライフジャケット、ウエットスーツ、ホットメルト、おむつ用品、梱包の緩衝フィルム、医療用サージカルフィルム等のフィルム・シート類;各種ギア類、各種グリップ類、ソリッドタイヤ、キャスター、ローラー、防振・防音部品、ピッカー、ブッシュ、軸受、スリップ止め、建材、パッキン、キャップ、時計ベルト、コネクター、ラバースクリーン、印字ドラム、グリスカバー、ハンマー、ダストカバー、フルイ部品、ボールジョイント等の工業部品類;インパネ表皮、ギアノブ表皮、コンソールボックス表皮、レザーシート、バンパー・サイドモール、テールランプシール、スノーチェーン、ブッシュ、ダストカバー、ギア、軸受、キャップ、ボールジョイント、ペダルストッパー、ドアロックストライカー、スプリングカバー、防振部品等の自動車部品類;コンベアベルト、タイミングベルト、丸ベルト、Vベルト、平ベルト等のベルト類、電力・通信ケーブル、自動車用ABS(Antilock Brake System)センサーケーブル、ロボットケーブル、産業用ケーブル、コンピュータ配線等の電線類;等が挙げられ、さらに、その他の用途として、スポーツシューズ、登山靴、スキー靴、スキー板、スノーボード、モトクロスブーツ、安全靴、ハイヒール、シュノーケル、足ヒレ、ゴルフボールカバー、階段滑り止め、道路のポールコーン、ローラースケートホイール、各種タグ、セールボード用品、スキー部品、各種ロープ、バインダー、医療用ドレッシング材、カテーテル、医療用ロープ、絆創膏;等の多数の用途が挙げられる。
 また、熱硬化性のエラストマー用途の具体例としては、製紙、鉄板圧延ロール、印刷、事務機器用小物ロール、プラテンロール、スケートローラー等のロール類;ソリッドタイヤ、キャスター、バッテリーフォークリフト、作業運搬車用(パレッドリフト等)、工業用トラックホイール等の車輪類;コンベアベルトのアイドラー、ケーブルやベルトのガイドロールやプレーリースプリング、ベルト緩衝材、オイルシール等のベルト類;エレクトロニクス機器部品や複写機用クリーニンググレード等のOA機器類;丸棒、パイプ、角柱、板、シート等の2次加工用素材;等の用途が挙げられ、さらにその他の用途として、各種ギア類、コネクションリング・ライナー、ポンプライニング、インペラサイクロンコーン、サイクロンライナー、研磨パッド;等の多数の用途が挙げられる。
 さらに、これらCASEと称される用途以外にも、皮革、スパンデックス、各種インキ等に用いることができる。
[1]:分子量が200以上100,000以下であり、かつ、不飽和度が0.02meq/g以下である、式(1)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオール:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 式(1)中、
  mは、2以上8以下の整数を表し;
  Rは、活性水素含有化合物残基を表し;
  Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表す;
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 式[I]中、Xは、ハロゲン原子を表す。
[2]:1級化率が10%未満である上記[1]に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
[3]:Qが、
  前記式[I]で示される構造単位と、
  式[II]で示される構造単位と、を含む重合体成分を表す上記[1]又は[2]に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 式[II]中、Aは、水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基を表す。
[4]:式(1)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオールが、式(2)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオールである、上記[1]又は[2]のハロゲン含有ポリエーテルポリオール:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 式(2)中、
  Xは、ハロゲン原子を表し;
  nは、1以上500以下の整数を表し;
  mは、2以上8以下の整数を表し;
  Rは、活性水素含有化合物残基を表す。
[5]:不飽和度が0.01meq/g以下である上記[1]乃至[4]のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
[6]:ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される数平均分子量をMn、重量平均分子量をMwとしたとき、
 Mw/Mnが1.50以下である上記[1]乃至[5]のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
[7]:上記[1]乃至[6]のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法であって、
 オニウム塩、ルイス酸及び活性水素含有化合物を含む組成物の存在下、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことを含み、
 前記活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対する、前記オニウム塩の使用量が0.001モル以上0.1モル以下であるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
[8]:前記オニウム塩が、
  式(2)に示されるホスファゼニウム塩、又は、
  式(3)で示されるアンモニウム塩もしくはホスホニウム塩である上記[7]に記載の製造方法:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 式(3)中、
  R及びRは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基、RとRとが互いに結合した環構造、R同士又はR同士が互いに結合した環構造を表し;
  Zは、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン又は炭酸水素アニオンを表し;
  Yは、炭素原子又はリン原子を表し;
  aは、
   Yが炭素原子のとき2であり、
   Yがリン原子のとき3である;
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 式(4)中、
  Dは、窒素原子又はリン原子を表し;
  R、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基若しくはジアルキルアミノ基、ハロゲン原子又は水素原子を表し;
  Eは、無機又は有機の基からなる対イオンを表し;
  前記R~Rのうち、2~4つが結合して環状構造を形成していてもよく;
  該環状構造は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
[9]:ルイス酸が、アルミニウム化合物及び亜鉛化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である上記[7]又は[8]に記載の製造方法。
[10]:上記[1]乃至[6]のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物と、を含むポリウレタン形成性組成物。
[11]:上記[1]乃至[6]のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールをモノマー単位として含むポリウレタン。
[12]:上記[1]乃至[6]のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させるポリウレタンの製造方法。
 本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、CASEと称される用途、または硬質フォームや軟質フォームのようなウレタンフォーム用途を中心に、種々の用途に好適に用いることができるポリウレタンの原料ポリオールとして利用することができる。
 以下、実施例により本発明を説明するが、本実施例は何ら本発明を制限するものではない。まず、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分析方法および製造方法について説明する。
 (ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分析方法)
 (1)ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量(単位:g/mol)
 JIS K-1557に記載の方法により、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの水酸基価d(単位:mgKOH/g)を測定した。得られるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの官能基数をeとし、次式によりハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量を算出した。
   分子量=(56100/d)×e
 (2)ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量分布(単位:無し)
 ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)(東ソー社製、HLC8020)を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定を行い、標準物質としてポリスチレンを用いて、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)とした。
 上記方法で算出したMn、Mwから、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
 (3)ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度(単位:meq/g)
 JIS K-1557-3に記載の方法により、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度を算出した。
 (4)ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの1級化率(単位:%)
 ハロゲン含有ポリエーテルポリオールをd-クロロホルム中で無水トリフルオロ酢酸と反応させることによりトリフルオロ酢酸エステルとし、核磁気共鳴測定装置(日本電子社製、JNM-ECZ400S)を用いたプロトン核磁気共鳴分光(1H-NMR)スペクトル分析を行い、末端水酸基の1級化率を、次式により算出した。
   1級化率(%)=[r/(r+2s)]×100
 ここで、rは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値、sは5.3-5.4ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値を表す。
 合成例1(ホスファゼニウム塩Aの合成)
 攪拌翼を付した2リットルの4つ口フラスコを窒素雰囲気下とし、五塩化リン96g(0.46mol)、脱水トルエン800mlを加え、20℃で攪拌した。攪拌を維持したまま、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン345g(2.99mol)を滴下した後、100℃に昇温し、さらに1,1,3,3-テトラメチルグアニジン107g(0.92mol)を滴下した。得られた白色のスラリー溶液を100℃で14時間攪拌した後、80℃まで冷却し、イオン交換水250mlを加え、30分間攪拌した。攪拌を止めると、スラリーは全て溶解し、2相溶液が得られた。得られた2相溶液の油水分離を行い、水相を回収した。得られた水相にジクロロメタン100mlを加え、油水分離を行い、ジクロロメタン相を回収した。得られたジクロロメタン溶液をイオン交換水100mlで洗浄した。
 得られたジクロロメタン溶液を、攪拌翼を付した2リットルの四つ口フラスコに移液し2-プロパノール900gを加えた後、常圧下で温度を80~100℃に昇温し、ジクロロメタンを除去した。得られた2-プロパノール溶液を攪拌しながら内部温度を60℃に放冷した後、85質量%水酸化カリウム31g(0.47mol)を加えて、60℃で2時間反応した。温度を25℃まで冷却し、析出した副生塩を濾過により除去することによって、目的とするホスファゼニウム塩Aの2-プロパノール溶液860gを、濃度25質量%、収率92%で得た。ホスファゼニウム塩Aは、上記式(2)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Zがヒドロキシアニオン、Yが炭素原子、aが2に相当するホスファゼニウム塩である。
 合成例2(ホスファゼニウム塩Bの合成)
 磁気回転子を付した100mlシュレンク管を窒素雰囲気下とし、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド5.7g(7.4mmol、Sigma-Aldrich社製)、2-プロパノール16mlを加え、25℃で攪拌し溶解させた。攪拌を維持したまま、85質量%水酸化カリウム0.53g〔8.1mmol、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに対して1.1mol当量〕を2-プロパノールに溶解した溶液を加えた。25℃で5時間攪拌後、析出した副生塩を濾過により除去することによって、目的とするホスファゼニウム塩Bの2-プロパノール溶液32.7gを、濃度17質量%、収率98%で得た。ホスファゼニウム塩Bは、上記式(2)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Zがヒドロキシアニオン、Yがリン原子、aが3に相当するホスファゼニウム塩である。
 実施例1.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]12.5g(31mmol、活性水素量63mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A1.1g(0.78mmol、活性水素1molに対して0.012mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(TiBAL)の1.0mol/lのトルエン溶液2.3ml(2.3mmol、活性水素1molに対して0.037mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Aを得た。得られた組成物Aを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン(ECH)50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-1]を64.0g得た。転化率は99.9%であり、得られたポリオール[A-1]の分子量は2020g/mol、不飽和度は0.003meq/g、Mw/Mnは1.23、1級化率は4%であった。
 実施例2.
 実施例1で得られた組成物Aを70℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に3時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、4時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温65~70℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-2]を63.4g得た。転化率は99.0%であり、得られたポリオール[A-2]の分子量は2040g/mol、不飽和度は0.002meq/g、Mw/Mnは1.20、1級化率は5%であった。
 実施例3.
 実施例1で得られた組成物Aを120℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、1時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温115~120℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオールA-3を63.9g得た。転化率は99.8%であり、得られたポリオールA-3の分子量は2040g/mol、不飽和度は0.008meq/g、Mw/Mnは1.29、1級化率は4%であった。
 実施例4.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]3.0g(7.6mmol、活性水素量15mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A0.26g(0.19mmol、活性水素1molに対して0.013mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液0.6ml(0.6mmol、活性水素1molに対して0.040mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Bを得た。得られた組成物Bを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、4時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-4]を53.1g得た。転化率は99.5%であり、得られたポリオール[A-4]の分子量は7010g/mol、不飽和度は0.008meq/g、Mw/Mnは1.26、1級化率は4%であった。
 実施例5.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として3個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスGP400;水酸基価365mgKOH/g]12.5g(31mmol、活性水素量94mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A1.1g(0.78mmol、活性水素1molに対して0.008mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液2.3ml(2.3mmol、活性水素1molに対して0.024mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Cを得た。得られた組成物Cを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、2.5時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-5]を63.9g得た。転化率は99.7%であり、得られたポリオール[A-5]の分子量は2010g/mol、不飽和度は0.007meq/g、Mw/Mnは1.22、1級化率は3%であった。
 実施例6.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有するトリプロピレングリコール[東京化成工業(TCI)社製]5.3g(27.7mmol、活性水素量55.3mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A1.0g(0.69mmol、活性水素1molに対して0.012mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液2.1ml(2.1mmol、活性水素1molに対して0.038mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Dを得た。得られた組成物Dを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-6]を56.6g得た。転化率は99.8%であり、得られたポリオール[A-6]の分子量は2020g/mol、不飽和度は0.004meq/g、Mw/Mnは1.23、1級化率は4%であった。
 実施例7.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]12.5g(31mmol、活性水素量63mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A1.1g(0.78mmol、活性水素1molに対して0.012mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソプロポキシアルミニウム(Al(OiPr))の1.0mol/lのトルエン溶液2.3ml(2.3mmol、活性水素1molに対して0.037mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Eを得た。得られた組成物Eを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-7]を64.0g得た。転化率は99.9%であり、得られたポリオール[A-7]の分子量は2090g/mol、不飽和度は0.004meq/g、Mw/Mnは1.25、1級化率は4%であった。
 実施例8.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]12.5g(31mmol、活性水素量63mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A1.1g(0.78mmol、活性水素1molに対して0.012mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、ジエチル亜鉛(ZnEt)の1.0mol/lのトルエン溶液2.3ml(2.3mmol、活性水素1molに対して0.037mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Fを得た。得られた組成物Fを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、3時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-8]を62.9g得た。転化率は98.5%であり、得られたポリオール[A-8]の分子量は1990g/mol、不飽和度は0.008meq/g、Mw/Mnは1.30、1級化率は4%であった。
 実施例9.
 実施例1で得られた組成物Aを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピフルオロヒドリン(EFH)50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピフルオロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピフルオロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピフルオロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオールA-9を63.6g得た。転化率は99.5%であり、得られたポリオールA-9の分子量は2050g/mol、不飽和度は0.008meq/g、Mw/Mnは1.27、1級化率は4%であった。
 実施例10.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]12.5g(31mmol、活性水素量63mmol)、及び合成例2で得られたホスファゼニウム塩B1.6g(0.78mmol、活性水素1molに対して0.012mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液2.3ml(2.3mmol、活性水素1molに対して0.037mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Gを得た。得られた組成物Gを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-10]を64.0g得た。転化率は99.9%であり、得られたポリオール[A-10]の分子量は2020g/mol、不飽和度は0.007meq/g、Mw/Mnは1.26、1級化率は5%であった。
 実施例11.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]12.5g(31mmol、活性水素量63mmol)、及びテトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド1.2g(0.78mmol、活性水素1molに対して0.012mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液2.3ml(2.3mmol、活性水素1molに対して0.037mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Hを得た。得られた組成物Hを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に5.5時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去を行い、淡黄色無臭のポリオール[A-11]を63.9g得た。転化率は99.9%であり、得られたポリオール[A-11]の分子量は1900g/mol、不飽和度は0.004meq/g、Mw/Mnは1.22、1級化率は3%であった。
 実施例12.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]12.5g(31mmol、活性水素量63mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A9.4g(6.3mmol、活性水素1molに対して0.10mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウムの1.0mol/lのトルエン溶液12.5ml(12.5mmol、活性水素1molに対して0.20mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Iを得た。得られた組成物Iを90℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に1時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、0.5時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温85~90℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-12]を73.3g得た。転化率は99.9%であり、得られたポリオール[A-12]の分子量は2040g/mol、不飽和度は0.012meq/g、Mw/Mnは1.37、1級化率は2%であった。
 実施例13.
 攪拌翼を付した0.2リットルのオートクレーブに、2,5-ヘキサンジオール[東京化成工業社製]23.6g(59mmol、活性水素量118mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A0.74g(1.48mmol、活性水素1molに対して0.013mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(TiBAL)の1.0mol/lのトルエン溶液4.4ml(4.4mmol、活性水素1molに対して0.038mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Jを得た。得られた組成物Jを90℃に昇温し、エピクロロヒドリン(ECH)71gとプロピレンオキシド(PO)24gを0・06MPa以下で間欠的に11時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温95~100℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留モノマーの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-13]を118.0g得た。転化率は99.5%であり、得られたポリオール[A-13]の分子量は1970g/mol、不飽和度は0.005meq/g、Mw/Mnは1.77、1級化率は3%であった。
 実施例14.
 攪拌翼を付した0.2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]14.7g(37mmol、活性水素量73mmol)、及び合成例1で得られたホスファゼニウム塩A1.3g(0.92mmol、活性水素1molに対して0.013mol)を加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(TiBAL)の1.0mol/lのトルエン溶液2.8ml(2.8mmol、活性水素1molに対して0.038mol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物Kを得た。得られた組成物Kを90℃に昇温し、エピクロロヒドリン(ECH)44gとプロピレンオキシド(PO)18gを0・06MPa以下で間欠的に6時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温90~95℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留モノマーの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[A-14]を77.5g得た。転化率は99.1%であり、得られたポリオール[A-14]の分子量は2030g/mol、不飽和度は0.006meq/g、Mw/Mnは1.34、1級化率は5%であった。
 上記実施例の結果を表1、表2に併せて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000021
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000022
 比較例1.
 攪拌翼を付した0.2リットルの四つ口フラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリエーテルポリオール[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]12.5g(31mmol、活性水素量63mmol)を加え、フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を80℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体[和光純薬工業社製]0.38g(2.66mmol、活性水素1molに対して0.042mol)を加えた。組成物Jを得た。得られた組成物Jに超脱水トルエン[和光純薬工業社製]25gを加え、内温を60℃に昇温し、ハロゲン含有アルキレンオキシドとしてエピクロロヒドリン50gを常圧下で間欠的に2時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後2時間エージングを行った。エピクロロヒドリン供給時及びエージングは、内温55~60℃の範囲で実施した。反応終了後、10%炭酸ナトリウム水溶液にて中和した後、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリン及びトルエンの除去をおこない、ろ過することにより、黄色無臭のポリオール[B-1]を47.5g得た。転化率は95.0%であり、得られたポリオール[B-1]の分子量は1800g/mol、不飽和度は0.051meq/g、Mw/Mnは3.1、1級化率は56%であった。
 比較例2.
 窒素雰囲気とした200mLのオートクレーブに、非特許文献1(RSC Advances,2014,4,21765-21771)に記載の条件に倣って合成した複金属シアン化物錯体600mg、エピクロロヒドリン100mLを加え、内温を60℃とし7時間エージングを行った。エージングは、内温55~60℃の範囲で実施した。次いで、90℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色無臭のポリオール[B-2]を44.8g得た。転化率は38.0%であり、得られたポリオール[B-2]の分子量は1900g/mol、不飽和度は0.025meq/g、Mw/Mnは1.56、1級化率は38%であった。
 上記比較例の結果を表3に併せて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000023
 以下、本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリオールをモノマー単位として含むポリウレタンの物性測定方法、作製、評価について説明する。
 実施例15.
 実施例1で合成したポリオール[A-1]10gと、ヘキサメチレンジイソシアネート(東ソー社製、コロネートC-HXVL)3.1g、ジラウリン酸ジブチルすず(和光純薬工業社製)5mgを50mLのスクリュー管に秤量し、脱泡ミキサー(THINKY社製・ARE-310)を用いて脱泡、撹拌し、混合させることにより、ポリウレタン混合物Aを作製した。平行平板(パラレルプレート)が付いた回転型レオメーター(ユービーエム社製ソリキッドメーター)の2枚の平行平板間に、得られたポリウレタン混合物Aを挟み込み、装置内を窒素雰囲気下、80℃に保つことで、混合物中のハロゲン含有ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とが経時で反応し、回転型レオメーターの平行平板間でポリウレタンが得られることになる。平行平板間で組成物を保持している間、時折、1%の歪量、周波数10Hzで平行平板を振動させ、測定したポリウレタンの貯蔵弾性率は510kPaだった。
 実施例16.
 実施例15において、ポリオール[A-1]10gを、実施例4で合成したポリオール[A-4]10gに変更した以外は実施例15と同様にしてポリウレタン混合物Bを作製した。実施例15と同様に測定したポリウレタンの貯蔵弾性率は490kPaだった。
 実施例17.
 実施例15において、ポリオール[A-1]10gを、実施例12で合成したポリオール[A-12]10gに変更した以外は実施例15と同様にしてポリウレタン混合物Cを作製した。実施例15と同様に測定したポリウレタンの貯蔵弾性率は460kPaだった。
 実施例18.
 実施例15において、ポリオール[A-1]10gを、実施例13で合成したポリオール[A-13]10gに変更した以外は実施例15と同様にしてポリウレタン混合物Dを作製した。実施例15と同様に測定したポリウレタンの貯蔵弾性率は530kPaだった。
 上記実施例の結果を表4に併せて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000024
 比較例3.
 実施例15において、ポリオール[A-1]10gを、比較例1で合成したポリオール[B-1]10gに変更した以外は実施例15と同様にしてポリウレタン混合物Dを作製した。実施例15と同様に測定したポリウレタンの貯蔵弾性率は380kPaだった。
 比較例4.
 実施例15において、ポリオール[A-1]10gを、比較例2で合成したポリオール[B-2]10gに変更した以外は実施例15と同様にしてポリウレタン混合物Eを作製した。実施例15と同様に測定したポリウレタンの貯蔵弾性率は420kPaだった。
 上記比較例の結果を表5に併せて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000025
 本発明は上記の態様に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。
 この出願は2017年1月27日に出願された日本国特許出願第2017-013203、および、2017年7月13日に出願された日本国特許出願第2017-137356からの優先権を主張するものであり、それらの内容を引用してこの出願の一部とするものである。

Claims (12)

  1.  分子量が200以上100,000以下であり、かつ、不飽和度が0.02meq/g以下である、式(1)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオール:
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
     式(1)中、
      mは、2以上8以下の整数を表し;
      Rは、活性水素含有化合物残基を表し;
      Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表す;
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
     式[I]中、Xは、ハロゲン原子を表す。
  2.  1級化率が10%未満であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
  3.  Qが、
      前記式[I]で示される構造単位と、
      式[II]で示される構造単位と、を含む重合体成分を表す請求項1または2に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール:
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003
     式[II]中、Aは、水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基を表す。
  4.  式(1)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオールが、式(2)で示されるハロゲン含有ポリエーテルポリオールである、請求項1または2に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール:
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
     式(2)中、
      Xは、ハロゲン原子を表し;
      nは、1以上500以下の整数を表し;
      mは、2以上8以下の整数を表し;
      Rは、活性水素含有化合物残基を表す。
  5.  不飽和度が0.01meq/g以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
  6.  ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される数平均分子量をMn、重量平均分子量をMwとしたとき、
     Mw/Mnが1.50以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
  7.  請求項1乃至5のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法であって、
     オニウム塩、ルイス酸及び活性水素含有化合物を含む組成物の存在下、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことを含み、
     前記活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対する、前記オニウム塩の使用量が0.001モル以上0.1モル以下であることを特徴とするハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
  8.  前記オニウム塩が、
      式(3)に示されるホスファゼニウム塩、又は、
      式(4)で示されるアンモニウム塩もしくはホスホニウム塩であることを特徴とする請求項6に記載の製造方法:
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
     式(3)中、
      R及びRは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基、RとRとが互いに結合した環構造、R同士又はR同士が互いに結合した環構造を表し;
      Zは、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン又は炭酸水素アニオンを表し;
      Yは、炭素原子又はリン原子を表し;
      aは、
       Yが炭素原子のとき2であり、
       Yがリン原子のとき3である;
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
     式(4)中、
      Dは、窒素原子又はリン原子を表し;
      R、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基若しくはジアルキルアミノ基、ハロゲン原子又は水素原子を表し;
      Eは、無機又は有機の基からなる対イオンを表し;
      前記R~Rのうち、2~4つが結合して環状構造を形成していてもよく;
      該環状構造は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
  9.  前記ルイス酸が、アルミニウム化合物及び亜鉛化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項7又は8に記載の製造方法。
  10.  請求項1乃至6のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を含むことを特徴とするポリウレタン形成性組成物。
  11.  請求項1乃至6のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールをモノマー単位として含むことを特徴とするポリウレタン。
  12.  請求項1乃至6のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
PCT/JP2018/002352 2017-01-27 2018-01-25 ハロゲン含有ポリエーテルポリオールおよびポリウレタン WO2018139553A1 (ja)

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