JP2020180170A - ハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物 - Google Patents

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茉由加 鈴木
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Abstract

【課題】硬化性を低下させることなく、難燃性に優れたポリウレタンを製造することができるハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物の提供。【解決手段】式(1)で示される、数平均分子量が500以上5,000以下で、かつ、不飽和度が0.020meq/g以下のハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ウレタン化触媒を含有するハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物。(上記式(1)中、mは2〜8の整数、R1は活性水素含有化合物残基、Xはハロゲン原子を表す。)【選択図】なし

Description

本開示は、ハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物に関する。
ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキシドを開環重合することで得ることができ、ポリウレタンのソフトセグメントとして、塗料や接着剤、シーリング剤、ポリウレタンフォーム等幅広い用途で用いられている。
従来、ポリウレタンを難燃化するためには、難燃剤が添加使用されてきた。難燃剤としては、リン酸エステルモノマーに代表される常温で液状の難燃剤が主に使用されてきた。
一般に常温で液状のリン酸エステルモノマーをポリウレタンの難燃剤として使用した場合、可塑化作用があるため、難燃剤の使用量の増大に伴い、ポリウレタンの成形性の低下を引き起こしやすいという問題があった。
上記問題を解決するため、3,4−ジクロロ−1,2−エポキシブタンを開環重合して得られる塩素化ポリエーテルポリオールを用いる方法が提案されている(特許文献1)。
特許−5655281号公報
しかしながら、このような塩素化ポリエーテルポリオールには、製造する際の副反応により生成する不飽和成分等の副生成物が多く含まれており、ポリウレタンの硬化性に課題があった。
そこで、本発明の一態様は、硬化性を低下させることなく、難燃性に優れたポリウレタンを製造することができるハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物を提供することに向けられている。
本発明の各態様は以下に示す[1]〜[4]である。
[1]
式(1)で示される、数平均分子量が500以上5,000以下で、かつ、不飽和度が0.020meq/g以下のハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ウレタン化触媒を含有するハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物。
(上記式(1)中、mは2〜8の整数、Rは活性水素含有化合残基、Xはハロゲン原子を表す。)
[2]
発泡剤を含有する[1]に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物。
[3]
[1]乃至[2]のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物に、他のポリオール、架橋剤、整泡剤、難燃剤のうち1種又は2種以上を含む、ハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物。
[4]
[1]乃至[3]のいずれかに記載の組成物とイソシアネート化合物の反応生成物であるポリウレタン。
<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物>
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物は、
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールとウレタン化触媒を含有する。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール>>
該ハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、
式(1)で示され、
平均分子量が500以上5,000以下である
式(1)中、Rは、活性水素含有化合物残基を表し、
Xはハロゲン原子を表す。
式(1)中、Xで表されるハロゲン原子は、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、取扱いの容易さからフッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子又は塩素原子であることがさらに好ましい。
式(1)中、Rで表される活性水素含有化合物残基としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシ残基、カルボン酸残基、チオール残基等が挙げられる。
ヒドロキシ残基としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、シュークロース、グルコース、2−ナフトール、ビスフェノール、水酸基を有するポリエーテルポリオール等の残基が挙げられる。
アミン残基としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−又は、1,2−ブチレンジアミン等の残基が挙げられる。
カルボン酸残基としては、例えば、フタル酸、アジピン酸等の残基が挙げられる。
チオール残基としては、例えば、エタンジチオール、ブタンジチオール等の残基が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物残基のうち、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを効率よく製造することが可能となることから、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,9−ノナンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、分子量200以上1,000以下のポリエーテルポリオールの残基が好ましく、トリプロピレングリコール、2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、分子量が200以上1,000以下のポリエーテルポリオールの残基が特に好ましい。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの数平均分子量は500以上10,000以下であり、取扱い性、ポリウレタン生産効率に優れたものとなることから、数平均分子量500以上5,000以下であることが好ましく、500以上3,000以下であることが特に好ましい。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度は0.02meq/g以下であり、ポリウレタンとした際の硬化性が向上するため、0.01meq/g以下が特に好ましい。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの質量平均分子量Mwの数平均分子量Mnに対する比(Mw/Mn)は、熱可塑性ポリウレタン樹脂としたとした際の硬化性が向上するため、2.00以下が好ましく、特に好ましくは1.50以下である。ただし、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定から求めた数平均分子量をMn、質量平均分子量をMwとする。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法>>
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法で製造することができる。
例えば、(A)2官能以上の活性水素化合物にルイス酸触媒または複合金属シアン化物錯体触媒を用いて所定の分子量までハロゲン含有アルキレンオキシドを付加する方法;(B)2官能以上の活性水素含有化合物と、ホスファゼニウム塩又はアンモニウム塩やホスホニウム塩等のオニウム塩触媒と、ルイス酸触媒と、の存在下に、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行う方法;が挙げられる。
ルイス酸触媒としては、例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。
不飽和度が低く、分子量分布が狭いハロゲン含有ポリアルキレンオキシドが得やすくプレポリマーとする際のハンドリング性の向上や得られるプレポリマーの硬化性が優れやすいため、(B)に記載のハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことによりハロゲン含有ポリエーテルポリオールを製造することが好ましい。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造の際に用いられるホスファゼニウム塩の構造は特に限定されるものではない。
該ホスファゼニウム塩は、例えば、式(2)で表されるホスファゼニウム塩である:
式(2)中、
及びRは、各々独立して、
水素原子、
炭素数1〜20の炭化水素基、
とRとが互いに結合した環構造、
同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表し;
は、ヒドロキシアニオン、炭素数1〜4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、よう素アニオン又は炭酸水素アニオンを表し;
Yは、炭素原子又はリン原子を表し;
aは、
Yが炭素原子のとき2であり、
Yがリン原子のとき3である。
アンモニウム塩又はホスホニウム塩の構造は、式(3)で表される:
式(3)中、
Dは、窒素原子又はリン原子を表し;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、
炭素数1〜20の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、もしくは、ジアルキルアミノ基、
ハロゲン原子、又は、
水素原子を表し;
は、無機又は有機の基からなる対イオンを表し;
〜Rのうち2〜4つが結合して環状構造を形成していてもよく、またその環状構造中にヘテロ原子を含んでいてもよい。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを製造する際の重合温度としては、特に限定されるものではないが、ポリアルキレンオキシドが分解して分子量分布が広がりにくく触媒活性を発現しやすいため、70〜150℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは90〜110℃の範囲である。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、重合反応は無溶媒で行うことが好ましいが、溶媒中で行うこともできる。使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
<<ウレタン化触媒>>
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物は、ウレタン化触媒を含み、ウレタン化触媒としては特に限定されず、公知の触媒を使用することができる。例えば、三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
三級アミン系化合物としては、特に限定されないが、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)等が挙げられる。これらは、単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
有機金属系化合物としては、特に限定されないが、錫系化合物、及び非錫系化合物が挙げられる。
錫系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、ジオクチル錫ジラウリレート(別名:DOTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
上記ウレタン化触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジオクチル錫ジラウレート(別名:DOTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が、反応性及び衛生性の点で好ましい。
上記三級アミン系化合物、有機金属系化合物等の触媒は、単独でも使用できるが、2種以上を併用することもできる。
<<発泡剤>>
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物をポリウレタンフォームとする場合、発泡剤を含有しても良い。発泡剤としては、市販の物理的発泡剤及び/又は化学的発泡剤等を使用できる。特に限定されないが、例えば、物理的発泡剤としては、クロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロオレフィン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロオレフィン類、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、塩化メチレン等の低沸点のハロゲン系ハイドロカーボン類、ペンタン、シクロペンタン等のハイドロカーボン類、空気、窒素、二酸化炭素等の気体又は低温液体等が挙げられる。化学発泡剤としては、水、有機酸、硼酸等の無機酸類、アルカリ炭酸塩類、環状カーボネート類、ジアルキルカーボネートが挙げられ、また、ポリウレタン原料と反応または熱等により分解してガスを発生させるもの等が挙げられる。
なかでも、オゾン破壊係数(ODP)が小さく、温暖化係数(GWP)が小さいことから、HCFO−1233zd、そのトランス異性体、HCFO−1233xf、ジクロローフッ化プロペン等のハイドロクロロフルオロオレフィン類、HCFC−141b等のハイドロクロロフルオロカーボン類等、ODPがゼロ、小さいGWPを持つため、HFO−1234zf、E−HFO−1234ze、Z−HFO−1234ze、HFO−1234yf、E−HFO−1255ye、Z−HFO−125ye、E−HFO−1336mzz、Z−HFO−1336mzz、HFO−1438mzz等のハイドロフルオロオレフィン類、HFC−134a,HFC−245、HFC−236、HFC−356、HFC−365mfc、HFC−227ea等のハイドロフルオロカーボン類、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン等のハイドロカーボン類等、又は水が好ましい。
<<添加剤>>
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物をより良好に反応、させ、物性良好なポリウレタンを得るために、必要に応じて他のポリオール、架橋剤、触媒、整泡剤、難燃剤等の添加剤を配合することができる。
他のポリオールとしては、特に限定されないが、ポリウレタンの製造に用いられる市販のポリオール等が挙げられる。例えば、アルキレンオキシドの開環重合等により得られるポリエーテルポリオール類、ポリエーテルポリオール中でビニルモノマーをラジカル重合して得られるポリマーポリオール類、多価アルコールと多価カルボン酸類との重縮合により得られるポリエステルポリオール類、多価アルコール類と多価カルボン酸類とアミノアルコール類との重縮合により得られるポリエステルアミドポリオール類、ラクトン類の開環重合により得られるポリラクトンポリオール類、多価アルコール類とカーボネート類との重縮合により得られるポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール及びその水素添加物類、ポリイソプレンポリオール及びその水素添加物類、部分鹸化エチレン− 酢酸ビニル共重合体、大豆油やひまし油等の天然油系ポリオール類、フェノール系ポリオール等が挙げられる。なかでも、難燃性に優れるため、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、フェノール系ポリオールが好ましい。これらポリオールは、一種又は二種以上混合して使用してもよい。
ポリエステルポリオール類としては、二塩基酸と多価アルコールより誘導される化合物が挙げられる。特に限定されないが、例えば、アジピン酸、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、リノシール酸、ジメチルテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートから誘導されるポリエステルポリオール等が挙げられるが、ポリエチレンテレフタレート系廃棄物、ジメチルテレフタレート系プロセス廃棄物、ナイロン系廃棄物、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールの廃棄物、フタル酸系ポリエステルの廃棄物より製造されたポリエステルポリオールも含む。また、ε−カプロラクトン、メチルバレロラクトン等の環状エステルの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール等も挙げられる。ポリエステルポリオールのなかでも、難燃性が高いため、芳香族ポリエステルポリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオール類としては、例えば、エチレンジアミン、トリレンジアミン、シュークロース、アミノアルコール、ジエチレングリコール等の開始剤に対してエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオール化合物等が挙げられる。
フェノール系ポリオールとしては、例えば、フェノール、又はノニルフェノール、アル
キルフェノール等のフェノール誘導体をホルムアルデヒドとジエタノールアミン等の2級アミンやアンモニア、1級アミン等を用いてマンニッヒ変性し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるマンニッヒ系ポリオール等が挙げられる。
架橋剤としては、特に限定されないが、公知の架橋剤を使用することができる。例えば、アルカノールアミン、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの上記の低分子量ポリオール、および/または、そのアルキレンオキサイド付加ポリオール等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、例えば、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンなどのトリアルカノールアミンや、ジエタノールアミンなどのジアルカノールアミンなどの、ポリアルカノールアミンが挙げられる。
上記架橋剤の中でも、ポリウレタンフォームの成形性が良好であるため、低分子量ポリオールおよび/またはそのアルキレンオキサイド付加ポリオールが好ましい。
整泡剤としては、特に限定されないが、ポリウレタンフォームの製造に用いられる市販の整泡剤等が挙げられ、例えば、整泡剤としては、界面活性剤が挙げられ、有機シロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤等の有機シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。特に限定されないが、例えば、東レ・ダウコーニング社製SZ−1328、SZ−1642、SZ−1720、エボニック デグサ ジャパン社製B8481、B8443、B8465、B8486、B8466、B8450等の市販品が挙げられる。整泡剤の添加量としては、気泡構造やサイズが安定しやすいため、ポリオール100重量部に対して0.1以上5重量部以下の範囲が好ましい。
難燃剤としては、特に限定されないが、ポリウレタンフォームに用いられる市販の難燃剤等を使用することができる。例えば、リン酸エステル類、ハロゲン含有有機化合物、無機化合物類等からなる市販の難燃剤が挙げられる。例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート、2,2−ビス(クロロメチル)−1,3−プロパンビス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、2,2−ビス(クロロメチル)トリメチレンビス(ビス(2−クロロエチル)ホスフェート)、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェート、含ハロゲン系ホスフェートホスホネートオリゴマーエステル(大八化学工業社製CR−530、CR−570、CR−509等)、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリ2−エチルヘキシルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジエチルフェニルホスフォネート、ジメチルフェニルホスフォネート、レゾルシノールジフェニルホスフェート、亜リン酸エチル、亜リン酸ジエチル、芳香族系リン酸オリゴマーエステル(レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビスジフェニルホスフェート、大八化学工業社製CR−735等) 等のハロゲン系リン酸エステル又は非ハロゲン系リン酸エステル及びそのオリゴマー、ジブロモプロパノール、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールA 等のハロゲン含有有機化合物、炭酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、ポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、メラミン樹脂、クレー、三酸化アンチモン、亜鉛華、炭酸カルシウム等の無機化合物等が挙げられる。なかでも、難燃性の高さから、ハロゲン系リン酸エステル又は非ハロゲン系リン酸エステル及びそれらのオリゴマー、ポリリン酸アンモニウムが好ましい。さらに好ましくは、混合の容易性から、GPC法によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000以下のハロゲン系リン酸エステル及びそのオリゴマー、又はGPC法によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000以下の非ハロゲン系リン酸エステル及びそのオリゴマーである。これら難燃剤は一種又は二種以上混合して使用してもよい。
<ポリウレタン>
本発明の一態様にかかるポリウレタンは、ハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物とイソシアネート化合物との反応によって製造できる。イソシアネート化合物としては特に限定されず、少なくとも2個のイソシアネート基を持つ化合物が使用できる。例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネート誘導体等が挙げられる。
この中で、芳香族イソシアネート化合物としては。例えば、トリレンジイソシアネート
(2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネ−ト若しくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−,p−フェニレンジイソシアネート若しくはその混合物、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−、2,4’又は2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート若しくはその混合物)(MDI)、4,4’−トルイジンイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−又は1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート若しくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、ナフタレンジイソシアネート(1,5−、1,4−又は1,8−ナフタレンジイソシアネート若しくはその混合物)(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート化合物としては。例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
単環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート(4,4’−、2,4’−又は2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート若しくはこれらの混合物)(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシネートメチル)シクロヘキサン(1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン若しくはその混合物)(水添XDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート(水添TDI)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート(水加TMXDI)等が挙げられる。
架橋環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、ノルボルネンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、ビシクロヘプタントリイソシアネート、シイソシアナートメチルビシクロヘプタン、ジ(ジイソシアナートメチル)トリシクロデカン等が挙げられる。
なお、上記のイソシアネート化合物又はその誘導体は単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
以下、本発明の一態様にかかるポリウレタンの用途について記載する。
本発明のポリウレタンは、各種の用途に利用でき、特に用途が制限されるものではないが、例えば、硬質フォーム又は軟質フォームのようなポリウレタンフォーム用途に用いることができる。
本発明の一態様にかかる組成物の反応生成物からなるポリウレタンの特徴から、自動車・車両用のシートや枕、家具・インテリア、寝装具、シューソール、スポンジ、各種クッション、テニスボール、着地マット等、軟質系のポリウレタンフォームが適用される用途に用いることができる。また、本発明の組成物の反応生成物からなるポリウレタンは、断熱・保冷材、防振・吸音材、緩衝材、浮力材等の硬質系のポリウレタンフォームが適用される用途に用いることができる。例えば、漁船・大型船・冷凍貨物船・LNG船、LPG船、液化ガス船、コンテナーの断熱材やFRPボートの芯材、大型船舶・救命艇・ブイ・浮き類の浮力材として船舶用に、冷凍車・保冷車・鉄道のコンテナー、タンクローリーの断熱材、車両・トラックの天井の断熱材としての車両用に、化学工業設備タンク・配管の断熱材、重油タンク・配管等の保温材、LPG・LNG低温液化ガス保冷・配管の断熱材、断熱カバー、タンク蓋用としてプラント用に、冷蔵庫・冷凍機の断熱材、エアコンの断熱部材、ショーケース・ストッカー・自動販売機・温水器・貯湯槽等の各種断熱機器の断熱材用に、さらに、住宅・オフィスビルの断熱材(壁、床下、天井、屋根下等)、断熱建材(ラミネートボード、複合パネル、サイデイング材等)、浴槽(ステンレス・FRP・ほうろう)の断熱材、冷凍倉庫・冷蔵倉庫・農業倉庫・畜舎等の断熱材、ボイド充填(断熱サッシ)、恒温室・地域集中冷暖房の断熱材としての建築・建材用に、道路床の断熱材や振動防止材としての土木用に、その他として、椅子芯材、ドアーパネル、装飾工芸品、娯楽用具(クーラーボックス・水筒)、教材(立体地図等)、型材・治具関係、サーフィンの芯材、RIM方式製品(スキー芯材・ラケット芯材・ハウジング類)、梱包材等が挙げられる。
また、コーティング剤・塗料(Coatings)、粘着剤・接着剤(Adhesives)、シーリング材(Sealants)、熱可塑性又は熱硬化性のエラストマー(Elastomers)等、これら4つの用途の英語の頭文字をとって本技術分野でCASEと称される用途に用いることができる。
これらの中で、本発明の一態様にかかるポリウレタンの特徴から、コーティング材としては、建築物・公共構造物、木工、船舶、自動車の中塗り等の多くの用途に用いることができる。
また、本発明の一態様にかかるポリウレタンの特徴から、接着剤としては、例えば、軟包装材用のラミネート張り合わせ、すなわち、スナック類、ボイル用、レトルト用の食品用ラミネート袋、洗剤等の非食品用ラミネート袋の接着に、建築分野では、ラッピング、床暖フロアー、フローリング用の接着に、エレクトロニクスの分野では太陽電池のバックシート、液晶テレビ、その他電池回りの接着等に用いることができる。
また、本発明の一態様にかかるポリウレタンの特徴から、シーリング材の用途では、建築外装、例えば、ALCパネルやサッシのシーリングや、RC壁の打ち継ぎ、タイル下の躯体や窓外枠用のシーリング、建築内装では水回りや石膏ボードのシーリング、さらには防水下地や屋根等に代表される建築建材用のシーリングに、また、保冷車等の特殊車両や自動車窓枠のシーリング、さらには、電気・電子機器、通信機器、特にハードディスク装置におけるガスケット等に用いることができる。
さらに、本発明の一態様にかかるポリウレタンの特徴から、エラストマーの用途では、熱可塑性のエラストマーとして、高圧ホース、消防ホース、農薬用ホース、塗装用ホース等のホース類、空圧チューブ、油圧チューブ、燃料チューブ、透析用チューブ、動脈・静脈・心臓用チューブ等のチューブ類、自動車用傷つき防止フィルム・シート、インパネ表皮材ソファ用傷つき防止フィルム、エアマット、看護用ベットシート、ダイヤフラム、キーボードシート、ラバースクリーン、コンベアベルト、ガスケット、合成皮革、伸縮シート、柔軟フィルム、ターポリン、衣料、ライフジャケット、ウエットスーツ、ホットメルト、おむつ用品、梱包の緩衝フィルム、医療用サージカルフィルム等のフィルム・シート類、各種ギア類、各種グリップ類、ソリッドタイヤ、キャスター、ローラー、防振・防音部品、ピッカー、ブッシュ、軸受、スリップ止め、建材、パッキン、キャップ、時計ベルト、コネクター、ラバースクリーン、印字ドラム、グリスカバー、ハンマー、ダストカバー、フルイ部品、ボールジョイント等の工業部品類、インパネ表皮、ギアノブ表皮、コンソールボックス表皮、レザーシート、バンパー・サイドモール、テールランプシール、スノーチェーン、ブッシュ、ダストカバー、ギア、軸受、キャップ、ボールジョイント、ペダルストッパー、ドアロックストライカー、スプリングカバー、防振部品等の自動車部品類、コンベアベルト、タイミングベルト、丸ベルト、Vベルト、平ベルト等のベルト類、電力・通信ケーブル、自動車用ABSセンサーケーブル、ロボットケーブル、産業用ケーブル、コンピュータ配線等の電線類に使用でき、その他として、スポーツシューズ、登山靴、スキー靴、スキー板、スノーボード、モトクロスブーツ、安全靴、ハイヒール、シュノーケル、足ヒレ、ゴルフボールカバー、階段滑り止め、道路のポールコーン、ローラースケートホイール、各種タグ、セールボード用品、スキー部品、各種ロープ、バインダー、医療用ドレッシング材、カテーテル、医療用ロープ、絆創膏等、広範な用途に、また、熱硬化性のエラストマーとしては、製紙、鉄板圧延ロール、印刷、事務機器用小物ロール、プラテンロール、スケートローラー等のロール類、ソリッドタイヤ、キャスター、バッテリーフォークリフト、作業運搬車用(パレッドリフト等)、工業用トラックホイール等の車輪類、コンベアベルトのアイドラー、ケーブルやベルトのガイドロールやプレーリースプリング、ベルト緩衝材、オイルシール等のベルト類、エレクトロニクス機器部品や複写機用クリーニンググレード等のOA機器類、丸棒、パイプ、角柱、板、シート等の2次加工用素材に使用でき、その他として、各種ギア類、コネクションリング・ライナー、ポンプライニング、インペラサイクロンコーン、サイクロンライナー、研磨パッド等、広範な用途に用いることができる。
さらに、これらCASEと称される用途以外にも、本発明のポリウレタンの特徴から、皮革、スパンデックス、各種インキ等に用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本実施例は何ら本発明を制限するものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用した原料、及び評価方法は以下に示す通りである。
<ポリオール>
実施例、比較例では、式(1)に示される構造をもつハロゲン含有ポリエーテルポリオール、及び市販のPPGを用いた。ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの性状は表1に示す。
表1〜表3に記載の原料としてはそれぞれ以下のものを使用した。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール(A)、(B)>>
テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬工業社製)と、トリイソプロポキシアルミニウムを併用して脱水・脱溶媒を十分に行い、分子量400のポリプロピレングリコール(三洋化成工業社製、商品名:サンニックスPP−400)に対して、17.3mol当量のエピクロロヒドリン(富士フイルム和光純薬工業社製)を付加することで、分子量が2,000で2官能のハロゲン含有ポリエーテルポリオール(A)を作製した。
さらに、ハロゲン含有ポリエーテルポリオール(A)の作製において、17.3mol当量のエピクロロヒドリンに代えて6.5mol当量のエピクロロヒドリンを付加する以外は同様にすることで、分子量が1,000で2官能のハロゲン含有ポリエーテルポリオール(B)を作製した。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール(C)>>
テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬工業社製)と、トリイソプロポキシアルミニウムを併用して脱水・脱溶媒を十分に行い、分子量600のポリプロピレングリセリルエーテル(三洋化成工業社製、商品名:サンニックスGP−600)に対して、エピクロロヒドリン(富士フイルム和光純薬工業社製)を15.1mol当量付加することで、分子量が2000で3官能のハロゲン含有ポリエーテルポリオール(C)を作製した。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール(D)>>
ルイス酸触媒のBF−EtOを用いて、分子量400のポリプロピレングリコール(三洋化成工業社製、商品名:サンニックスPP−400)にエピクロロヒドリンを付加することで、分子量が2,000で2官能のポリエーテルポリオール(D)を作製した。
<<市販のPPG>>
分子量2000の汎用PPG:旭硝子社製、商品名:エクセノール2020(官能基数:2、不飽和度:0.039meq/g)
分子量5000の高純度PPG:旭硝子社製、商品名:プレミノールS3006(官能基数:3、不飽和度:0.006meq/g)
<触媒>
いずれの実施例、比較例においても、触媒としてジラウリン酸ジブチルすず(富士フイルム和光純薬工業社製)を使用した。
<難燃剤>
比較例4において、難燃剤としてトリス(クロロプロピル)ホスフェート(ICL−IP社製、FYROLPCF)を使用した。
<イソシアネート化合物>
いずれの実施例、比較例においても、ヘキサメチレンジイソシアネート変性体(東ソー社製、C−HXLV)を使用した。
(ポリオール性状の分析)
<不飽和度>
JIS−K1557−6の方法に従い、測定した。
<分子量分布(Mw/Mn)>
ポリオール10mgとTHF10mlをサンプル瓶に添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカートリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。
検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとしてTSKgelGMR−HHRL×2本直列、HLC−8020GPCを用いた(いずれも東ソー社製)。
測定条件としては、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、溶媒THFの条件で測定し、東ソー社製標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線を検量線として、分子量分布(Mw/Mn)の解析を行った。
調整例(組成物の調整)
表1に示すハロゲン含有ポリエーテルポリオールAを100重量部と、ウレタン化触媒0.08重量部とをサンプル瓶に加えて、ペンシルミキサーを用いて撹拌し、混合させることにより、組成物1を調整した。
表2に記載の所定の原材料を、所定量用いた以外は組成物1の調整例と同様の操作にて、組成物2から7を調整した。
(ポリウレタンシートの評価方法)
<ポリウレタンシートの作製>
組成物の調整例にて得られた組成物に、イソシアネート化合物を[NCO]/[OH]=1.05となるように加え、脱泡ミキサー(THINKY社製、ARE−310)を用いて脱泡、撹拌し、混合させた。離型処理したPETフィルム(帝人フィルムソリューション社製、ピューレックスA31)上に混合物を流し込み、厚みが0.5mm程度となるようにベーカー式アプリケーターを用いて塗工した。塗工後に、80℃に設定したオーブンで3時間硬化させ、その後、23℃、相対湿度50%の環境で1週間静置することでポリウレタンシートを作製した。
<硬化性>
作製したポリウレタンを指触し、硬化性を評価した。
A(硬化性合格):良好
B(硬化性合格):べたついている
C(硬化性不合格):指にポリウレタンが付着する(硬化していない)
<難燃性>
作製したポリウレタンを125mm×13mm×0.5mmの試験片とし、片側をクランプで垂直に固定し、20秒間の接炎を2回行い、燃焼挙動を観察した。試験回数は5回とし、有炎燃焼時間の合計を算出し、合計有炎燃焼時間とした。
A(難燃性合格):合計有炎燃焼時間が250秒未満で、クランプまでの残炎無し
B(難燃性合格):合計有炎燃焼時間が250秒以上で、クランプまでの残炎無し
C(難燃性不合格):合計有炎燃焼時間が250秒以上で、クランプまでの残炎有り
実施例1〜3.
ポリウレタンの評価方法に従い、組成物1〜3を用いてポリウレタンシートを作製し、評価を行った。いずれのポリウレタンシートも、硬化性が良好で、難燃性に優れるものだった。
比較例1.
ポリウレタンシートの評価方法に従い、組成物4を用いてポリウレタンシートを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンシートは、難燃性に優れたが、硬化性に劣るものだった。
比較例2.
ポリウレタンシートの評価方法に従い、組成物5を用いてポリウレタンシートを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンシートは、難燃性に劣るものだった。
比較例3.
ポリウレタンシートの評価方法に従い、組成物6を用いてポリウレタンシートを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンシートは、難燃性に劣るものだった。
比較例4.
ポリウレタンシートの評価方法に従い、組成物7を用いてポリウレタンシートを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンシートは、硬化性に劣るものだった。
上記実施例1〜3及び、比較例1〜4の結果を表3及び表4に併せて示す。
(ポリウレタンフォームとしての評価)
<ポリウレタンフォームの作製>
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールまたは市販のPPGを90重量部と水4.5重量部を混合し、さらに、その混合物に、触媒1(東ソー社製、TEDA−L33)0.08重量部と触媒2(東ソー社製、TOYOCAT−ET)1重量部、ポリマーポリオール(三洋化成工業製のサンニックスFA−728R)10重量部、架橋剤(三井化学社製のアクトコールKL−210)2.0重量部、シリコーン系の整泡剤(東レ・ダウコーニング社製のSZ−1327)1.0重量部、連通化剤(東邦化学工業社製トーホーポリオールQB8000)2.5重量部を混合し、それらの混合物を小型の高速撹拌機(プライミクス社製PRIMIX)を用いて毎分2000回転で20分間撹拌混合し、ポリエーテルポリオール組成物を得た。
得られた組成物に、イソシアネート基の全量(NCO基)と水に含まれる水酸基(OH基)を含めて当該NCO基と反応しうるイソシアネート基反応性基(NCO反応性基)の比率、すなわちNCO/NCO反応性基=1.0となるようにトリレンジイソシアネート(TDI)とポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートが80重量%と20重量%の比率となる混合物(東ソー社製、コロネート1021)を加え、小型の高速撹拌機(プライミクス社製PRIMIX)を用いて毎分4000回転で8秒間撹拌混合した後、上面開放型アルミ製モールドに直ちに注入し、静置することでポリウレタンフォームを得た。
<成形性>
ポリウレタンフォームの最大高さと、組成物とイソシアネート混合5分後の高さの比(落ち込み率)を算出し、成形性とした。
A(成形性合格):5%未満
B(成形性合格):5%以上25%未満
C(成形性不合格):25%以上
<難燃性>
作製したポリウレタンフォームを125mm×13mm×1mmの試験片とし、片側をクランプで垂直に固定し、20秒間の接炎を2回行い、燃焼挙動を観察した。試験回数は5回とし、有炎燃焼時間の合計を算出し、合計有炎燃焼時間とした。
A(難燃性合格):合計有炎燃焼時間が250秒未満で、クランプまでの残炎無し
B(難燃性合格):合計有炎燃焼時間が250秒以上で、クランプまでの残炎無し
C(難燃性不合格):合計有炎燃焼時間が250秒以上で、クランプまでの残炎有り
応用例1
ポリウレタンフォームとしての評価方法に従い、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールAを用いてポリウレタンフォーム1を作製した。当該ポリウレタンフォームは成形性及び難燃性に優れるものだった。
応用比較例1
ポリウレタンフォームとしての評価方法に従い、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールDを用いてポリウレタンフォーム2を作製した。当該ポリウレタンフォームは、難燃性に優れたが、成形性に劣るものだった。
応用比較例2
ポリウレタンフォームとしての評価方法に従い、分子量2000の汎用PPGを用いてポリウレタンフォーム3を作製した。当該ポリウレタンフォームは、成形性に優れたが、難燃性に劣るものだった。
上記応用例及び応用比較例の結果を表5に併せて示す。

Claims (4)

  1. 式(1)で示される、数平均分子量が500以上5,000以下で、かつ、不飽和度が0.020meq/g以下のハロゲン含有ポリエーテルポリオールと、ウレタン化触媒を含有するハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物。
    (上記式(1)中、mは2〜8の整数、Rは活性水素含有化合残基、Xはハロゲン原子を表す。)
  2. 発泡剤を含有する請求項1に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物。
  3. 請求項1乃至2のいずれか1項に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物に、他のポリオール、架橋剤、整泡剤、難燃剤のうち1種又は2種以上を含む、ハロゲン含有ポリエーテルポリオール組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の組成物とイソシアネート化合物の反応生成物であるポリウレタン。
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