JP2017141360A - ポリウレタン形成性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のポリウレタンより引張伸びや引張破断強度が大きく、さらには変形後の弾性回復力に優れることに基づく反発弾性やヒステリシスロス及び圧縮永久歪も良好で、それらの諸物性が安定的に得られるポリウレタン形成性組成物、及びその反応生成物からなるポリウレタンを提供する。【解決手段】 下記i)からiv)の全てを満たすポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)とを含むポリウレタン形成性組成物。i)不飽和度が0.020meq/g以下ii)Mw/Mnが1.10以下iii)Mh/fが1,000以上iv)Mh/3以下の分子量の面積比率が2.0%以下(ただし、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミテーションクロマトグラフィー測定から求めた数平均分子量をMn、重量平均分子量をMw、最も高いピークの分子量をMh、ポリアルキレンオキシドの官能基数をfとする)【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリウレタン形成性組成物に関する。
ポリアルキレンオキシドはポリウレタンの原料の一つとして頻用され、ポリアルキレンオキシドとイソシアネート化合物を混合し、それらが反応することによって得られるポリウレタンは、コーテイング材、粘・接着剤、シーリング材、エラストマーを中心に、各種用途に幅広く使用されている。
このポリアルキレンオキシドは水酸化カリウムを触媒とし、アルキレンオキシドを付加重合することによって工業的に製造される。しかしながら、当該方法で、高分子量のポリアルキレンオキシドを製造した場合、得られるポリアルキレンオキシドには、副生物として片末端二重結合(不飽和基)のモノオールが多量に含まれる。
ここで、ポリアルキレンオキシドを用いてポリウレタンを得ようとする際に、ポリアルキレンオキシド中のモノオールの比率が高まると、イソシアネート化合物との反応によって得られるポリウレタンにおいて高分子量化が進まず、得られたポリウレタンに引張変形を加えた際の伸びが低下し、結果として引張破断時の強度も小さくなる。
また、ポリアルキレンオキシドを用いてポリウレタンを得ようとするには、ポリアルキレンオキシドの末端水酸基と多官能性のイソシアネート化合物を反応させることで得られる末端イソシアネート基のプレポリマーを用いる方法もあるが、この方法を用いてポリウレタンを得ようとしても、モノオールの比率が高いポリアルキレンオキシドを用いた場合は、やはり高分子量化が進まず、得られたポリウレタンの機械的な物性において上記と同じ問題が生じる。
さらに、モノオールの比率が高いポリアルキレンオキシドやそれを用いたプレポリマーを用いてポリウレタンを得ようとすると、ポリウレタン中の架橋密度が低下するために、ポリウレタンの特徴である変形後の弾性回復性が乏しくなり、ポリウレタンの反発弾性やヒステリシスロス及び圧縮永久歪みが低下する。
したがって、ポリアルキレンオキシドを用いたポリウレタンにおいては、ポリアルキレンオキシド中のモノオールを減らす(不飽和度を下げる)ことが極めて重要になる。なお、モノオールは分子量が低いので、ポリアルキレンオキシド中のモノオールが減れば、ポリアルキレンオキシド中の低分子量成分も少なくなる。
上記背景の下、モノオールが少ないポリアルキレンオキシドとしては、複合金属シアン化物錯体を触媒として用いることで得られるポリアルキレンオキシドが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、特許文献1、2に記載のポリアルキレンオキシドは分子量分布が広く、さらに、特許文献1、2に記載の触媒では、アルキレンオキシドとして当該分野で頻用されるエチレンオキシドが適応しづらいという課題もある。
また、モノオールが少ないポリアルキレンオキシドとしては、特定のホスファゼニウム塩を触媒として用いることで得られるポリアルキレンオキシドが知られている(例えば、特許文献3、4、5参照。)。しかしながら、特許文献3、4、5に記載のポリアルキレンオキシドでもモノオールは依然として多くなる。
さらに、モノオールが少ないポリアルキレンオキシドとしては、ホスファゼン化合物及びトリイソブチルアルミニウムよりなる触媒を用いて得られるポリアルキレンオキシドも知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、非特許文献1に記載のポリアルキレンオキシドも分子量分布が広くなる。
ここで、モノオールは少ないが、分子量分布が広いポリアルキレンオキシドやそれを用いて得られたプレポリマーを用いてポリウレタンを得ようとすると、得られるポリウレタンの分子量分布も広がり、架橋構造も不均一(架橋点間の分子量が不揃い)となって製品物性が安定しづらくなる。
米国特許第5235114号明細書 特開平4−59825号公報 特許第3497054号明細書(特開平10−77289号公報) 特許第3905638号明細書(特開平11−106500号公報) 特許第5663856号明細書(特開2010−150514号公報)
Polymer Chemistry,2012,3,1189.
本発明は上記の背景技術にかんがみてなされたものであり、その目的は、従来のポリウレタンより引張伸びや引張破断強度が大きく、さらには変形後の弾性回復力に優れることに基づく反発弾性やヒステリシスロス及び圧縮永久歪も良好で、それらの諸物性が安定的に得られるポリウレタン形成性組成物、及びその反応生成物からなるポリウレタンを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、分子量が高く、モノオールが少なく(不飽和度が低く)、分子量分布が狭く、低分子量成分が少ないポリアルキレンオキシドとイソシアネート化合物からなる組成物、及びそれから得られるポリウレタン、及び、当該ポリアリキレンオキシドとイソシアネート化合物からなる組成物から得られるプレポリマーとそれを用いて得られたポリウレタンが課題の解決に繋がることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのポリアルキレンオキシドとイソシアネート化合物からなる組成物及びそれから得られるプレポリマー及びポリウレタンに関する。
[1]下記i)からiv)の全てを満たすポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)とを含むポリウレタン形成性組成物。
i)不飽和度が0.020meq/g以下
ii)Mw/Mnが1.10以下
iii)Mh/fが1,000以上
iv)Mh/3以下の分子量の面積比率が2.0%以下
(ただし、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミテーションクロマトグラフィー測定から求めた数平均分子量をMn、重量平均分子量をMw、最も高いピークの分子量をMh、ポリアルキレンオキシドの官能基数をfとする)
[2]ポリアルキレンオキシド(A)が、JIS K−1557記載の方法により算出したポリアルキレンオキシドの水酸基価と、その官能基数とから算出した分子量が、1000〜50000g/molの範囲であることを特徴とする上記[1]に記載の組成物。
[3]イソシアネート化合物(B)が、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネート誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]ポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)との反応生成物からなるプレポリマーを含む上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の組成物の反応生成物からなるポリウレタン。
本発明のポリウレタン形成組成物の反応生成物からなるポリウレタンは、従来のポリウレタンより引張伸びや引張破断強度が大きく、変形後の弾性回復力に優れることに基づく反発弾性、ヒステリシスロス、圧縮永久歪等が良好で、それらの諸物性が安定的に得られる。
実施例におけるポリアルキレンオキシドの低分子量成分の面積比率の算出方法を示す図である。 実施例におけるポリアルキレンオキシドの低分子量成分の面積比率の算出方法を示す図(拡大図)である。
本発明のポリウレタン形成性組成物は、下記i)からiv)の全てを満たすポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)とを含む。
i)不飽和度が0.020meq/g以下
ii)Mw/Mnが1.10以下
iii)Mh/fが1,000以上
iv)Mh/3以下の分子量の面積比率が2.0%以下
(ただし、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミテーションクロマトグラフィー測定から求めた数平均分子量をMn、重量平均分子量をMw、最も高いピークの分子量をMh、ポリアルキレンオキシドの官能基数をfとする)
本発明において、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミテーションクロマトグラフィー測定から求めた数平均分子量を「Mn」、重量平均分子量を「Mw」、最も高いピークの分子量を「Mh」、ポリアルキレンオキシドの官能基数を「f」とする。
ポリアルキレンオキシド(A)のモノオール量は、不飽和度で0.020meq/g以下、好ましくは0.010meq/g以下である。不飽和度が0.020meq/gより大きくなると、当該ポリアルキレンオキシドからなるプレポリマーを用いた場合を含めて、イソシアネート化合物との反応でポリウレタンとした際の高分子量化が進まず、架橋密度も低下するため、引張伸び、引張破断強度が低下し、反発弾性やヒステリシスロス、圧縮永久歪も悪化するため、好ましくない。
ポリアルキレンオキシド(A)のMw/Mnは、1.10以下、好ましくは1.08以下である。Mw/Mnが1.10より大きくなると、当該ポリアルキレンオキシドからなるプレポリマーを用いた場合を含めて、イソシアネート化合物との反応でポリウレタンとした際の分子量分布も広くなり、架橋構造も不均一(架橋点間の分子量が不揃い)となって製品物性が安定しづらくなるため、好ましくない。
ポリアルキレンオキシド(A)のMh/fは、1,000以上、好ましくは1,500以上である。Mh/fはポリアルキレンオキシドの分子量に関する指標の一つであり、Mh/fが1,000より小さくなると、イソシアネート化合物との反応でポリウレタンとした際に架橋密度が過度に高くなり、ポリウレタンの特徴の一つである柔軟性が悪化するため、好ましくない。
ポリアルキレンオキシド(A)においては、Mh/3以下の分子量の面積比率が、2.0%以下、好ましくは1.0%以下である。Mh/3以下という指標は、モノオールを含めてポリアルキレンオキシド中の低分子量成分の少なさを表すもので、Mh/3以下の分子量の面積比率が2.0%よりより大きくなると、ポリアルキレンオキシド中にモノオールを含む低分子量成分が多くなり、イソシアネート化合物との反応でポリウレタンとした際に高分子量化が進まず、架橋密度も低下するので、引張伸び、引張破断強度が低下し、反発弾性やヒステリシスロス、圧縮永久歪も悪化するため、好ましくない。
ポリアルキレンオキシド(A)は、JIS K−1557記載の方法により算出したポリアルキレンオキシドの水酸基価と、その官能基数とから算出した分子量として、1000〜50000g/molであるものが好ましく、3000〜30000g/molであるものであることが特に好ましい。
ポリアルキレンオキシド(A)は、例えば、ホスファゼン化合物及びルイス酸を含むアルキレンオキシド重合触媒存在下、活性水素含有化合物を開始剤とし、アルキレンオキシドの開環重合を行うことにより得られる。
ホスファゼン化合物としては、例えば、下記一般式(1)で示されるホスファゼニウム塩を挙げることができる。
Figure 2017141360
(上記一般式(1)中、R及びRは、各々独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、RとRが互いに結合した環構造、R同士又はR同士が互いに結合した環構造を表す。Xはヒドロキシアニオン、炭素数1〜4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。aはYが炭素原子のとき2であり、Yがリン原子のとき3である。)
炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等を挙げることができる。
また、RとRが互いに結合し環構造を形成した場合としては、例えば、ピロリジニル基、ピロリル基、ピペリジニル基、インドリル基、イソインドリル基等を挙げることができる。
同士又はR同士が互いに結合した環構造としては、例えば、一方の置換基がエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基となって、他方の置換基と互いに結合した環構造を挙げることができる。
そして、これらの中で、R及びRとしては、特に触媒活性に優れるアルキレンオキシド重合触媒となり、原料の入手が容易という点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることが好ましい。
また、上記ホスファゼニウム塩におけるXは、ヒドロキシアニオン、炭素数1〜4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンである。
炭素数1〜4のアルコキシアニオンとしては、例えば、メトキシアニオン、エトキシアニオン、n−プロポキシアニオン、イソプロポキシアニオン、n−ブトキシアニオン、イソブトキシアニオン、t−ブトキシアニオン等を挙げることができる。
炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオンとしては、例えば、アセトキシアニオン、エチルカルボキシアニオン、n−プロピルカルボキシアニオン、イソプロピルカルボキシアニオン、n−ブチルカルボキシアニオン、イソブチルカルボキシアニオン、t−ブチルカルボキシアニオン等を挙げることができる。
これらの中で、Xとしては、触媒活性に優れるアルキレンオキシド重合触媒となることから、ヒドロキシアニオン、炭酸水素アニオンが特に好ましい。
ホスファゼン化合物としては、具体的には、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−プロピル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−ブチル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−プロピル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−ブチル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート等のホスファゼニウム塩を例示することができる。
また、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジエチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジn−プロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジイソプロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジn−ブチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジフェニルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジエチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジn−プロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジイソプロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジn−ブチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジフェニルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート等のホスファゼニウム塩を例示することができる。
また、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス(トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ)−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)を例示することができる。
これらの中で、触媒性能に優れるポリアルキレンオキシド製造触媒となることから、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドが特に好ましい。
ルイス酸としては、例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物等を挙げることができる。
アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルモノイソブチルアルミニウム、モノフェニルジイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム;メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチル−イソブチルアルミノキサン等のアルミノキサン;塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機アルミニウムを挙げることができる。
亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等の有機亜鉛;塩化亜鉛、酸化亜鉛等の無機亜鉛を挙げることができる。
ホウ素化合物としては、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフルオロボラン等を挙げることができる。
そして、これらの中でも、触媒性能に優れるアルキレンオキシド重合触媒となることから、有機アルミニウム、アルミノキサン、有機亜鉛が好ましく、特に好ましくは、有機アルミニウムが特に好ましい。
アルキレンオキシド重合触媒における、ホスファゼン化合物とルイス酸との割合は、アルキレンオキシド重合触媒としての作用が発現する限りにおいて任意であり、特に限定するものではないが、その中でも特に触媒性能に優れる重合触媒となることから、ホスファゼン化合物:ルイス酸=1:0.002〜500(モル比)であることが好ましい。
活性水素含有化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、水、ヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、水酸基を有するポリエーテルポリオール等を挙げることができる。
ヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、シュークローズ、グルコース、2−ナフトール、ビスフェノール等を挙げることができる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン等を挙げることができる。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、アジピン酸等を挙げることができる。
チオール化合物としては、例えばエタンジチオール、ブタンジチオール等を挙げることができる。
水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば分子量200〜3000のポリエーテルポリオール等を挙げることができる。
そして、これら活性水素含有化合物は、単独で用いても良いし、数種類を混合して用いても良い。
ポリアルキレンオキシド(A)を効率よく製造することが可能となることから、活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対し、ホスファゼン化合物は0.001〜0.1モルが好ましく、0.001〜0.05モルであることが特に好ましい。また、ポリアルキレンオキシド(A)を効率よく製造することが可能となることから、活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対し、ルイス酸は0.001〜0.1モルが好ましく、0.001〜0.05モルであることが特に好ましい。
アルキレンオキシド重合触媒の調製方法は、ポリアルキレンオキシド(A)が可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、特に限定されない。例えば、ホスファゼン化合物とルイス酸とを混合する方法を挙げることができる。その際には、溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等を用いても良い。
また、ホスファゼン化合物及びルイス酸を含むアルキレンオキシド重合触媒存在下、活性水素含有化合物を開始剤とし、アルキレンオキシドの開環重合を行う際は、ホスファゼン化合物、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を同時に混合する方法、これらのうちの1成分に他の2成分を混合する方法、これらのうちの2成分に他の1成分を混合する方法、等の如何なる方法を用いても良い。
それらの中でも、触媒性能に優れることから、ホスファゼン化合物と活性水素含有化合物とを混合した後に、ルイス酸を混合し、アルキレンオキシドの開環重合を行うことが特に好ましい。その際には、加熱・減圧処理等を行ってもよく、加熱処理の温度としては、例えば50〜150℃、好ましくは70〜130℃を挙げることができ、また、減圧処理の際の圧力としては、例えば50kPa以下、好ましくは20kPa以下を挙げることができる。
ポリアルキレンオキシド(A)の製造方法において、アルキレンオキシドとしては、特に限定するものではないが、例えば、炭素数2〜20のアルキレンオキシドを挙げることができる。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、ペンテンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド等が例示される。
これらの中で、アルキレンオキシドの入手が容易で、得られるポリアルキレンオキシド(A)の工業的価値の高いことから、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。
アルキレンオキシドは、単一で用いても2種以上を混合して用いても良い。2種以上を混合して用いる場合は、例えば、第1のアルキレンオキシドを反応させた後、第2のアルキレンオキシドを反応させても良いし、2種以上のアルキレンオキシドを同時に反応させても良い。
ポリアルキレンオキシド(A)の製造方法において、重合圧力は、0.05〜1.0MPaの範囲、好ましくは、0.1〜0.6MPaの範囲が良い。ポリアルキレンオキシドの製造において、重合温度は、50〜140℃の範囲、好ましくは、60〜130℃の範囲が良い。
ポリアルキレンオキシド(A)の製造方法において、重合は、溶媒中又は無溶媒中で行うことができる。使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等を挙げることができる。好ましくは、無溶媒中で行うのが良い。
ポリアルキレンオキシド(A)の製造方法においては、効率的なポリアルキレンオキシドの製造方法となることから、触媒活性として200g/mol・min以上を示すものであることが好ましく、特に300g/mol・min以上を示すものであることが好ましい。
本発明の組成物において、アルキレンオキシド(A)と組み合わせるイソシアネート化合物(B)は特に限定されず、例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネート誘導体等が挙げられる。
この中で、芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネ−トもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−,p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−、2,4’又は2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4’−トルイジンイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−又は1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、ナフタレンジイソシアネート(1,5−、1,4−又は1,8−ナフタレンジイソシアネートもしくはその混合物)(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
単環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート(4,4’−、2,4’−又は2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネートもしくはこれらの混合物)(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシネートメチル)シクロヘキサン(1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(水添XDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート(水添TDI)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート(水加TMXDI)等が挙げられる。
架橋環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、ノルボルネンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、ビシクロヘプタントリイソシアネート、シイソシアナートメチルビシクロヘプタン、ジ(ジイソシアナートメチル)トリシクロデカン等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記イソシアネート化合物の多量体(2量体、3量体、5量体、7量体、ウレチジンジオン、ウレイトンイミン、イソシヌレート変性体、ポリカルボジイミド等)、ウレタン変性体(例えば、上記イソシアネート化合物又は多量体におけるイソシアネート基の一部をモノオールやポリオールで変性又は反応したウレタン変性体等)、ビウレット変性体(例えば、上記イソシアネート化合物と水との反応により生成するビウレット変性体等)、アロファネート変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とモノオール又はポリオール成分との反応により生成するアロファネート変性体等)、ウレア変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とジアミンとの反応により生成するウレア変性体等)、オキサジアジントリオン(例えば、上記イソシアネート化合物と炭酸ガス等との反応により生成するオキサジアジントリオン等)等を挙げることができる。
なお、上記のイソシアネート化合物又はその誘導体は単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
本発明の組成物は、例えば、ポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)との反応生成物からなるプレポリマーを含むことができる。このようなプレポリマーとしては、具体的には、ポリアルキレンオキシド(A)と、イソシアネート化合物(B)として2官能以上の多官能のイソシアネート化合物とを反応させて得られる、ウレタン結合を含み、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーが例示される。このイソシアネート末端プレポリマーとポリアルキレンオキシド(A)とを含む組成物を反応させることでもポリウレタンが得られる。また、このプレポリマーと水からなる組成物を作製し、両成分を反応させることでウレア結合を有するポリウレタン(以下、「ポリウレタンウレア」と記す)を得ることもできる。なお、このポリウレタンウレアについては、プレポリマーに意図的に水を混合しなくても、プレポリマーを空気中に保持することで、空気中の水分がプレポリマーに浸透し、浸透した水がプレポリマーと反応することでポリウレタンウレアを得ることもできる。このようにしてポリウレタンウレアを得ることを本技術分野では「湿気硬化」と称する。したがって、このプレポリマーは、ポリウレタンウレアを作製するための湿気硬化用途にも用いることもできる。
なお、ポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)として多官能のイソシアネート化合物を含む組成物を反応させることでプレポリマーを得る場合には、組成物に影響を与えない範囲で、例えば、150℃を上限に組成物を加温したり、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、スタナスオクトエート、ジブチルチンジ−2−エチルヘキサノエ−ト、ナトリウム o−フェニルフェネート、カリウムオレート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネ−ト、塩化第二スズ、塩化第二鉄、三塩化アンチモン等の触媒を加えると、ポリアルキレンオキシドとイソシアネート化合物の反応を加速し、短い時間でプレポリマーを得ることができる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を含有してもよく、結果として得られたポリウレタンには配合した添加剤の効果が期待される。各種の添加剤としては、例えば、染料、有機顔料、無機顔料、無機補強材、可塑剤、アクリル系加工助剤等の加工助剤、紫外線吸収材、光安定剤、滑剤、ワックス、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、防曇剤、防塵剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填材、有機充填材等を挙げることができる。
本発明の組成物は、各種の用途に利用でき、特に用途が制限されるものではないが、例えば、コーテイング剤・塗料(Coatings)、粘着剤・接着剤(Adhesives)、シーリング材(Sealants)、熱可塑性又は熱硬化性のエラストマー(Elastomers)等、これら4つの用途の英語の頭文字をとって本技術分野でCASEと称される用途に好適に用いることができる。
これらの中で、本発明の組成物の反応生成物からなるポリウレタンの特徴から、コーテイング材としては、建築物・公共構造物、木工、船舶、自動車の中塗り等の多くの用途に用いることができる。
また、本発明の組成物の反応生成物からなるポリウレタンの特徴から、接着剤としては、例えば、軟包装材用のラミネート張り合わせ、すなわち、スナック類、ボイル用、レトルト用の食品用ラミネート袋、洗剤等の非食品用ラミネート袋の接着に、建築分野では、ラッピング、床暖フロアー、フローリング用の接着に、エレクトロニクスの分野では太陽電池のバックシート、液晶テレビ、その他電池回りの接着等に用いることができる。
また、本発明の組成物の反応生成物からなるポリウレタンの特徴から、シーリング材の用途では、建築外装、例えば、ALCパネルやサッシのシーリングや、RC壁の打ち継ぎ、タイル下の躯体や窓外枠用のシーリング、建築内装では水回りや石膏ボードのシーリング、さらには防水下地や屋根等に代表される建築建材用のシーリングに、また、保冷車等の特殊車両や自動車窓枠のシーリング、さらには、電気・電子機器、通信機器、特にハードディスク装置におけるガスケット等に用いることができる。
さらに、本発明の組成物の反応生成物からなるポリウレタンの特徴から、エラストマーの用途では、熱可塑性のエラストマーとして、高圧ホース、消防ホース、農薬用ホース、塗装用ホース等のホース類、空圧チューブ、油圧チューブ、燃料チューブ、透析用チューブ、動脈・静脈・心臓用チューブ等のチューブ類、自動車用傷つき防止フィルム・シート、インパネ表皮材ソファ用傷つき防止フィルム、エアマット、看護用ベットシート、ダイヤフラム、キーボードシート、ラバースクリーン、コンベアベルト、ガスケット、合成皮革、伸縮シート、柔軟フィルム、ターポリン、衣料、エアーマット、ライフジャケット、ウエットスーツ、ホットメルト、おむつ用品、梱包の緩衝フィルム、医療用サージカルフィルム等のフィルム・シート類、各種ギア類、各種グリップ類、ソリッドタイヤ、キャスター、ローラー、防振・防音部品、ピッカー、ブッシュ、軸受、スリップ止め、建材、パッキン、キャップ、時計ベルト、コネクター、ラバースクリーン、印字ドラム、グリスカバー、ハンマー、ダストカバー、フルイ部品、ボールジョイント等の工業部品類、インパネ表皮、ギアノブ表皮、コンソールボックス表皮、レザーシート、バンパー・サイドモール、テールランプシール、スノーチェーン、ブッシュ、ダストカバー、ギア、軸受、キャップ、ボールジョイント、ペダルストッパー、ドアロックストライカー、スプリングカバー、防振部品等の自動車部品類、コンベアベルト、タイミングベルト、丸ベルト、Vベルト、平ベルト等のベルト類、電力・通信ケーブル、自動車用ABSセンサーケーブル、ロボットケーブル、産業用ケーブル、コンピュータ配線等の電線類に使用でき、その他として、スポーツシューズ、登山靴、スキー靴、スキー板、スノーボード、モトクロスブーツ、安全靴、ハイヒール、シュノーケル、足ヒレ、ゴルフボールカバー、階段滑り止め、道路のポールコーン、ローラースケートホイール、各種タグ、セールボード用品、スキー部品、各種ロープ、バインダー、医療用ドレッシング材、カテーテル、医療用ロープ、絆創膏等、広範な用途に、また、熱硬化性のエラストマーとしては、製紙、鉄板圧延ロール、印刷、事務機器用小物ロール、プラテンロール、スケートローラー等のロール類、ソリッドタイヤ、キャスター、バッテリーフォークリフト、作業運搬車用(パレッドリフト等)、工業用トラックホイール等の車輪類、コンベアベルトのアイドラー、ケーブルやベルトのガイドロールやプレーリースプリング、ベルト緩衝材、オイルシール等のベルト類、エレクトロニクス機器部品や複写機用クリーニンググレード等のOA機器類、丸棒、パイプ、角柱、板、シート等の2次加工用素材に使用でき、その他として、各種ギア類、コネクションリング・ライナー、ポンプライニング、インペラサイクロンコーン、サイクロンライナー、研磨パッド等、広範な用途に用いることができる。
さらに、これらCASEと称される用途以外にも、本発明の組成物の反応生成物からなるポリウレタンの特徴から、皮革、スパンデックス、各種インキ等に用いることができる。
本発明の組成物の反応生成物からなるポリウレタンは、例えば、本発明の組成物に含まれるポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)とを反応させることにより製造することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本実施例は何ら本発明を制限するものではない。初めに、ポリアルキレンオキシドの分析方法を記述する。
(1)ポリアルキレンオキシドの分子量(単位:g/mol)
ゲル・パーミェション・クロマトグラフ(GPC)(東ソー社製、HLC8020)を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定を行い、標準物質としてポリスチレンを用い、ポリアルキレンオキシドの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、最も高いピークの分子量(Mh)を算出した。
また、JIS K−1557記載の方法により、ポリアルキレンオキシドの水酸基価d(単位:mgKOH/g)を測定した。得られるポリアルキレンオキシドの官能基数をeとし、次式によりポリアルキレンオキシドの分子量を算出した。
分子量=(56100/d)×e。
(2)ポリアルキレンオキシドの分子量分布(単位:無次元)
上記方法で算出したMn、Mwから、ポリアルキレンオキシドの分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
(3)ポリアルキレンオキシドの低分子量成分の面積比率(単位:%)
上記方法で算出したMhを3で除した分子量(Mh/3)以下である低分子量成分の面積比率を算出した。
(4)ポリアルキレンオキシドの不飽和度(単位:meq/g)
JIS K−1557記載の方法により、ポリアルキレンオキシドの不飽和度を算出した。
ここで、実施例に用いたホスファゼニウム塩の合成例を記述する。
<合成例1> : ホスファゼニウム塩Aの合成
攪拌翼を付した2リットルの4つ口フラスコを窒素雰囲気下とし、五塩化リン96g(0.46mol)、脱水トルエン800mlを加え、20℃で攪拌した。攪拌を維持したまま、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン345g(2.99mol)を滴下した後、100℃に昇温し、さらに1,1,3,3−テトラメチルグアニジン107g(0.92mol)を滴下した。得られた白色のスラリー溶液を100℃で14時間攪拌した後、80℃まで冷却し、イオン交換水250mlを加え、30分間攪拌した。攪拌を止めると、スラリーは全て溶解し、2相溶液が得られた。得られた2相溶液の油水分離を行い、水相を回収した。得られた水相にジクロロメタン100mlを加え、油水分離を行い、ジクロロメタン相を回収した。得られたジクロロメタン溶液をイオン交換水100mlで洗浄した。
得られたジクロロメタン溶液を、攪拌翼を付した2リットルの四つ口フラスコに移液し、2−プロパノール900gを加えた後、常圧下で温度を80〜100℃に昇温し、ジクロロメタンを除去した。得られた2−プロパノール溶液を攪拌しながら内部温度を60℃に放冷した後、85重量%水酸化カリウム31g(0.47mol)を加えて、60℃で2時間反応した。温度を25℃まで冷却し、析出した副生塩を濾過により除去することによって、目的とするホスファゼニウム塩A[上記一般式(1)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Xがヒドロキシアニオン、Yが炭素原子、aが2に相当するホスファゼニウム塩]の2−プロパノール溶液860gを、濃度25重量%、収率92%で得た。
<合成例2> : ホスファゼニウム塩Bの合成
磁気回転子を付した100mlシュレンク管を窒素雰囲気下とし、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリド5.7g(7.4mmol、Aldrich社製)、2−プロパノール16mlを加え、25℃で攪拌し溶解させた。攪拌を維持したまま、85重量%水酸化カリウム0.53g〔8.1mmol、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドに対して1.1mol当量〕を2−プロパノールに溶解した溶液を加えた。25℃で5時間攪拌後、析出した副生塩を濾過により除去することによって、目的とするホスファゼニウム塩B[上記一般式(1)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Xがヒドロキシアニオン、Yがリン原子、aが3に相当するホスファゼニウム塩]の2−プロパノール溶液32.7gを、濃度17重量%、収率98%で得た。
さらに、実施例に用いたポリアルキレンオキシドの重合例を記述する。
<重合例1> : ポリアルキレンオキシド[A1]の重合例
攪拌翼を付した0.2リットルのオートクレーブを窒素雰囲気下とし、ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製、サンニックスGP1000)18g(活性水素量54mmol)、合成例1で得られたホスファゼニウム塩Aの25重量%2−プロパノール溶液0.90g(0.45mmol)を加えた。内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mol/lトルエン溶液1.35ml(1.35mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行い、アルキレンオキシド重合触媒を得た。
得られたアルキレンオキシド重合触媒存在下、オートクレーブの内温を90℃とし、プロピレンオキシド92gを反応圧力0.3MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた。反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留プロピレンオキシドの除去をおこなった。続いて、オートクレーブの内温を110℃とし、エチレンオキシド18gを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留エチレンオキシドの除去をおこない、無色無臭のポリアルキレンオキシド127gを得た。得られたポリアルキレンオキシドの不飽和度は0.006meq/g、分子量分布は1.06、Mh/fは3,700g/mol、Mh/3以下の低分子量成分の面積比率は0.1%であった。得られたポリアルキレンオキシドを[A1]とした。
<重合例2> : ポリアルキレンオキシド[A2]の重合例
攪拌翼を付した0.2リットルのオートクレーブを窒素雰囲気下とし、ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製サンニックスGP1000)18g(活性水素量54mmol)、合成例1で得られたホスファゼニウム塩Aの25重量%2−プロパノール溶液0.90g(0.45mmol)を加えた。内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行った。その後、アルミニウムイソプロポキシド(Al(OiPr))の1.0mol/lヘキサン溶液1.35ml(1.35mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行い、アルキレンオキシド重合触媒を得た。
得られたアルキレンオキシド重合触媒存在下、オートクレーブの内温を90℃とし、プロピレンオキシド92gを反応圧力0.3MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた。反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留プロピレンオキシドの除去をおこなった。続いて、オートクレーブの内温を110℃とし、エチレンオキシド18gを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留エチレンオキシドの除去をおこない、無色無臭のポリアルキレンオキシド127gを得た。得られたポリアルキレンオキシドの不飽和度は0.005meq/g、分子量分布は1.08、Mh/fは3,500g/mol、Mh/3以下の低分子量成分の面積比率は1.4%であった。得られたポリアルキレンオキシドを[A2]とした。
<重合例3> : ポリアルキレンオキシド[A3]の重合例
攪拌翼を付した0.2リットルのオートクレーブを窒素雰囲気下とし、ポリエーテルポリオール(三洋化成工業製サンニックスGP1000)18g(活性水素量54mmol)、合成例2で得られたホスファゼニウム塩Bの17重量%2−プロパノール溶液2.0g(0.45mmol)を加えた。内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mol/lトルエン溶液1.35ml(1.35mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行い、アルキレンオキシド重合触媒を得た。
得られたアルキレンオキシド重合触媒存在下、オートクレーブの内温を90℃とし、プロピレンオキシド92gを反応圧力0.3MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた。反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留プロピレンオキシドの除去をおこなった。続いて、オートクレーブの内温を110℃とし、エチレンオキシド18gを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留エチレンオキシドの除去をおこない、無色無臭のポリアルキレンオキシド127gを得た。得られたポリアルキレンオキシドの不飽和度は0.006meq/g、分子量分布は1.06、Mh/fは3,700g/mol、Mh/3以下の低分子量成分の面積比率は0.1%であった。得られたポリアルキレンオキシドを[A3]とした。
上記重合例の結果を表1に併せて示す。
Figure 2017141360
<組成物の作製>
本発明の組成物は、ポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)を必須成分とする。ここで、ポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)との二成分だけでも二成分間の化学反応は進行し、ポリウレタンが得られるが、この場合は反応速度が遅い。ポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)とを含む位組成物に触媒を添加することで二成分間の反応速度が速まることから、ここでは少量の触媒を添加した。なお、触媒には、トリエチレンジアミンをジプロピレングリコールに33重量%の濃度で溶かした溶液(東ソー社製TEDA−L33)を用いた。
また、イソシアネート化合物には、市販のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(東ソー製コロネートC−1331)を用いた。C−1331のNCO基の含有量率は32.5重量%である。
表2には、実施例に用いた組成物を構成する材料とその配合量に関する一覧を記すが、上記組成物では、組成物中のイソシアネート基の全量(NCO基)と当該NCO基と反応しうるイソシアネート基反応性基(NCO反応性基)の比率、すなわちNCO/NCO反応性基=1.0となるようにイソシアネート化合物を混合した。
Figure 2017141360
また、表2の組成物を小型の高速撹拌機(プライミクス株式会社製PRIMIX)を用いて1400回転で1分間撹拌混合し、組成物の撹拌混合物を得た。
<ポリウレタンの物性測定方法>
弾性回復性の評価.
平行平板(パラレルプレート)が付いた回転型レオメーター(ユービーエム社製ソリキッドメーター)の2枚の平行平板間に、上記で得られた室温液状の撹拌混合組成物を挟み込み、装置内を窒素雰囲気下、25℃に保つことで、組成物中のポリアルキレンオキシドとイソシアネート化合物が経時で反応し、回転型レオメーターの平行平板間でポリウレタンが得られることになる。平行平板間で組成物を保持している間、時折、1%の歪量、周波数10Hzで平行平板を振動させ、組成物(ポリウレタン)の貯蔵弾性率を測定した。
得られるポリウレタンにとって25℃で測定される貯蔵弾性率はポリウレタンの架橋密度で決まり、ポリウレタンの架橋密度が大きくほどポリウレタンの貯蔵弾性率が大きくなる。ここで、貯蔵弾性率はポリウレタンの弾性回復性と関連し、貯蔵弾性率が大きいほど弾性回復性が大きくなる。そこで、貯蔵弾性率を弾性回復性の指標とし、時間が経過し、貯蔵弾性率が安定した際、すなわち、ポリアルキレンオキシドとイソシアネート化合物の反応が終了したと想定される際の貯蔵弾性率を弾性回復性の指標とした。
引張破断伸び、引張破断強度の評価.
上記で得られた室温液状の撹拌混合後組成物を室温環境下でSUS板に滴下し、50℃の小型オーブンにSUS板ごと入れて、1日間保持することでシート状のポリウレタンを得た。このポリウレタンのシートから所定の試験片を作製し、その試験片に下記条件で引張変形を加えることで、サンプルが破断するまでの伸び(引張破断伸び)とその際の応力(引張破断強度)を測定した。
試験片 : ダンベルAS1822
引張環境 : 恒温(23℃)、恒湿(50%RH)
引張速度 : 200mm/min
試験片厚み : 約1mm。
実施例1.
表2に示すように、ポリアルキレンオキシドとして[A1]を用い、表2に記載の組成物(A1−組成物)を上記の方法でポリウレタンとし、上記の方法でポリウレタンの物性を測定した。得られたポリウレタンの物性を表3に記す。
実施例2.
表2に示すように、ポリアルキレンオキシドとして[A2]を用い、表2に記載の組成物(A2−組成物)を上記の方法でポリウレタンとし、上記の方法でポリウレタンの物性を測定した。得られたポリウレタンの物性を表3に記す。
実施例3.
表2に示すように、ポリアルキレンオキシドとして[A3]を用い、表2に記載の組成物(A3−組成物)を上記の方法でポリウレタンとし、上記の方法でポリウレタンの物性を測定した。得られたポリウレタンの物性を表3に記す。
Figure 2017141360
次に、比較例に用いたポリアルキレンオキシドの重合例を記す。
<重合例4> : 比較例に用いたポリアルキレンオキシド[B1]の重合例
0.2リットルのオートクレーブを窒素雰囲気下とし、ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製、サンニックスGP1000)18g(18mmol)、合成例1で得られたホスファゼニウム塩Aの25重量%2−プロパノール溶液0.54g(0.27mmol)を加えた。内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行い、アルキレンオキシド重合触媒を得た。
得られたアルキレンオキシド重合触媒存在下、オートクレーブの内温を90℃とし、プロピレンオキシド92gを反応圧力0.3MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた。反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留プロピレンオキシドの除去をおこなった。続いて、オートクレーブの内温を110℃とし、エチレンオキシド18gを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留エチレンオキシドの除去をおこない、無色無臭のポリアルキレンオキシド127gを得た。得られたポリアルキレンオキシドの不飽和度は0.026meq/g、分子量分布は1.12、Mh/fは3,300g/mol、Mh/3以下の低分子量成分の面積比率は3.7%であった。得られたポリアルキレンオキシドを[B1]とした。
<重合例5> : 比較例に用いたポリアルキレンオキシド[B2]の重合例
0.2リットルのオートクレーブを窒素雰囲気下とし、ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製、サンニックスGP1000)18g(活性水素量54mmol)、水酸化カリウム(KOH)の50重量%水溶液500mg(4.5mmol)を加えた。内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行い、アルキレンオキシド重合触媒を得た。
得られたアルキレンオキシド重合触媒存在下、オートクレーブの内温を110℃とし、プロピレンオキシド108gを反応圧力0.3MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた。反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留プロピレンオキシドの除去をおこなった。無色無臭のポリアルキレンオキシド125gを得た。得られたポリアルキレンオキシドの不飽和度は0.090meq/g、分子量分布は1.32、Mh/fは3300g/mol、Mh/3以下の低分子量成分の面積比率は13.0%であった。得られたポリアルキレンオキシドを[B2]とした。
<重合例6> : 比較例に用いたポリアルキレンオキシド[B3]の重合例
0.2リットルのオートクレーブを窒素雰囲気下とし、ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製、サンニックスGP1000)6g(活性水素量18mmol)、及びホスファゼンP4塩基である1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス(トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ)−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)の1.0mol/lのヘキサン溶液18ml(18mmol)を加えた。内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の2.0mol/lトルエン溶液18ml(36mmol)を加え、内温を80℃とし、0.5kPaで減圧処理を行い、アルキレンオキシド重合触媒を得た。
得られたアルキレンオキシド重合触媒存在下、オートクレーブの内温を20℃とし、プロピレンオキシド37gを反応圧力0.3MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた。反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留プロピレンオキシドの除去をおこなった。無色無臭のポリアルキレンオキシド42gを得た。触媒活性は10g/mol・min、得られたポリアルキレンオキシドの不飽和度は0.016meq/g、分子量分布は1.36、Mh/fは3,300g/mol、Mh/3以下の低分子量成分の面積比率は3.7%であった。得られたポリアルキレンオキシドを[B3]とした。
上記重合例の結果を表4に併せて記す。
Figure 2017141360
表5に示すポリアルキレンオキシドを用いる以外は、上記<組成物の作製>と同様にして、組成物を得た。比較例に用いた組成物を構成する材料とその配合量に関する一覧を表5に併せて記す。
Figure 2017141360
なお、上記組成物も実施例と同様に、組成物中のイソシアネート基の全量(NCO基)と水に含まれる水酸基(OH基)を含めて当該NCO基と反応しうるイソシアネート基反応性基(NCO反応性基)の比率、すなわちNCO/NCO反応性基=1.0となるようにイソシアネート化合物を配合した。
上記組成物から実施例と同じ方法と条件でポリウレタンを作製し、実施例と同じ方法でポリウレタンの物性を測定した。
比較例1.
表5に示すように、ポリアルキレンオキシドとして[B1]を用い、表5に記載の組成物(B1−組成物)を実施例と同じ方法でポリウレタンとし、実施例と同じ方法でポリウレタンの物性を測定した。得られたポリウレタンの物性を表6に記すが、[B1]は不飽和度、Mw/Mn、Mh/3以下の低分子成分の面積比率が請求範囲より大きく、実施例に比べて、ポリウレタンの弾性回復性の指標となる貯蔵弾性率が小さく、引張破断伸びと引張破断強度も小さくなった。
Figure 2017141360
比較例2.
表5に示すように、ポリアルキレンオキシドとして[B2]を用い、表5に記載の組成物(B2−組成物)を実施例と同じ方法でポリウレタンとし、実施例と同じ方法でポリウレタンの物性を測定した。得られたポリウレタンの物性を表6に併せて記すが、[B2]も不飽和度、Mw/Mn、Mh/3以下の低分子成分の面積比率が請求範囲より大きく、実施例に比べて、ポリウレタンの弾性回復性の指標となる貯蔵弾性率が小さく、引張破断伸びと引張破断強度も小さくなった。
比較例3.
表5に示すように、ポリアルキレンオキシドとして[B3]を用い、表5に記載の組成物(B3−組成物)を実施例と同じ方法でポリウレタンとし、実施例と同じ方法でポリウレタンの物性を測定した。得られたポリウレタンの物性を表6に併せて記すが、[B3]はMw/MnとMh/3以下の低分子成分の面積比率が請求範囲より大きく、実施例に比べて、ポリウレタンの弾性回復性の指標となる貯蔵弾性率が小さく、引張破断伸びと引張破断強度も小さくなった。
実施例4
ポリアルキレンオキシド[A1]とイソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルジイソシアネートを1対1.2のモル比で混合した組成物を作製し、当該組成物に触媒としてジオクチルスズジラウレート(日東化成社製U810)を200ppm加え、それら組成物を110℃で8時間保持することでプレポリマー[A1−P]を得た。このプレポリマー[A1−P]を平行平板(パラレルプレート)が付いた回転型レオメーター(ユービーエム社製ソリキッドメーター)の下側平板(プレート)上に載せ、装置扉を解放し、室温下、プレポリマー[A1−P]が大気に触れる状態、すなわち、プレポリマー[A1−P]に大気中の水分が浸透しうる状態で7日間保持し、このプレポリマー[A1−P]と浸透した水分が反応した結果としてウレア結合を有するポリウレタン(ポリウレタンウレア)を得た。その後、回転型レオメーターの上側平板をポリウレタンウレアに密着させ、装置扉を閉めた上で、上下の平行平板に挟まれたポリウレタンウレアが存在する装置内を窒素雰囲気下、25℃に保った。その上で、ポリウレタンウレアが挟まれた平行平板を1%の歪量、周波数10Hzで振動させ、ポリウレタンウレアの貯蔵弾性率を測定、この貯蔵弾性率を弾性回復性の指標とした。また、プレポリマー[A1−P]を室温環境下でSUS板に滴下し、プレポリマー[A1−P]が大気に触れる状態、すなわち、プレポリマー[A1−P]に大気中の水分が浸透しうる状態で7日間保持し、シート状のポリウレタンウレアを得た。このポリウレタンウレアのシートから実施例1〜3、比較例1〜3と同様に引張破断伸びと引張破断強度を測定した。得られたポリウレタンウレアの物性を表7に記す。
Figure 2017141360
比較例4.
ポリアルキレンオキシドとして[B2]を用いる以外は、実施例4と同様にプレポリマー[B2−P]、ポリウレタンウレアを作製し、貯蔵弾性率及び引張破断伸びおよび引張破断強度を測定した。得られたポリウレタンウレアの物性を表7に示すが、[B2]は不飽和度、Mw/Mn、Mh/3以下の低分子成分の面積比率が請求範囲より大きく、[B2]から得られたプレポリマー[B2−P]を用いたポリウレタンウレアは、実施例に比べて、ポリウレタンの弾性回復性の指標となる貯蔵弾性率が小さく、引張破断伸びと引張破断強度も小さくなった。
本発明におけるポリアルキレンオキシドとイソシアネート化合物と水からなる組成物及びそれから得られるプレポリマーとポリウレタンは、コーテイング剤(塗料)粘接着剤、シーリング材、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、すなわち、4つの用途の英語の頭文字をとって当該分野でCASEと称される用途を中心に種々の用途に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 下記i)からiv)の全てを満たすポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)とを含むポリウレタン形成性組成物。
    i)不飽和度が0.020meq/g以下
    ii)Mw/Mnが1.10以下
    iii)Mh/fが1,000以上
    iv)Mh/3以下の分子量の面積比率が2.0%以下
    (ただし、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミテーションクロマトグラフィー測定から求めた数平均分子量をMn、重量平均分子量をMw、最も高いピークの分子量をMh、ポリアルキレンオキシドの官能基数をfとする)
  2. ポリアルキレンオキシド(A)が、JIS K−1557記載の方法により算出したポリアルキレンオキシドの水酸基価と、その官能基数とから算出した分子量が、1000〜50000g/molの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. イソシアネート化合物(B)が、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネート誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の組成物。
  4. ポリアルキレンオキシド(A)とイソシアネート化合物(B)との反応生成物からなるプレポリマーを含む請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の組成物の反応生成物からなるポリウレタン。
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