JP7395821B2 - ウレタンプレポリマー、それを用いた2液硬化型ポリウレタン及び粘着剤 - Google Patents

ウレタンプレポリマー、それを用いた2液硬化型ポリウレタン及び粘着剤 Download PDF

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Description

本開示は、ウレタンプレポリマー、それを用いた2液硬化型ポリウレタン及び粘着剤に関する。
粘着剤は、例えば、テープ、ラベル、シール、化粧用シート、滑り止めシート、両面粘着テープ等に用いられており、近年ではパソコン、テレビ、携帯電話等の液晶ディスプレイやタッチパネルの密着等の様々な分野で使用されている。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オキシアルキレン系粘着剤等が知られており、特に最近は、強い粘着力を有する強粘着型粘着剤から、微小な粘着力を有する微粘着型粘着剤まで広範囲の用途にアクリル系粘着剤が使用される傾向がある。
しかしながら、アクリル系粘着剤は、アクリルモノマーが粘着剤中に残存する場合に、臭気や皮膚刺激性が問題となる。またアクリル系粘着剤は、被着体に貼付した後、経時変化によって、粘着力が上昇したり移行性が高くなったりする傾向がある。このため被着体に糊残りが生じ易く、再剥離性が不充分になりやすいという問題がある。
これに対し、ウレタン系粘着剤は、アクリル粘着剤に比べて分子量が小さく、被着体の形状変化に容易に追従できる長所を有している。また、主剤のウレタン樹脂と架橋剤としてのポリイソシアネート化合物とを反応させて得るため、それらの使用量に応じて粘着剤の粘着力や凝集力を調整することができる。
例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(イソシアネート基末端プレポリマー)に、イソシアネート基と反応する3つ以上の官能基を有する鎖延長剤を反応させて得たポリウレタンウレア粘着剤が開示されている(特許文献1)。
特開2003-012751号公報
しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタンウレア粘着剤は、イソシアネート化合物や硬化剤を多く含むことで凝集力を確保し、再剥離性を付与しているため、粘着力が高くなりにくく、結晶性を有するハードドメインが多く形成されることがあり、透明性が劣り、溶剤への溶解性が悪く、未溶解分による外観不良が発生するといった懸念があった。
本発明の各態様は以下に示す[1]~[7]である。
本発明の一態様にかかるウレタンウレタンプレポリマーは、
[1]OH末端のウレタンプレポリマーであり、
該ウレタンプレポリマーは、
式(1)で示される、数平均分子量が200以上10,000以下の構造単位を含み、かつ、
不飽和度が0.02meq/g以下である
末端がOH基である液状ウレタンプレポリマー:
Figure 0007395821000001
式(1)中、
Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表し、
mは、2~8の整数を表し、
は、活性水素含有化合物残基を表す;
Figure 0007395821000002
式[I]中、Xはハロゲン原子を表す。
[2]
不飽和度が、0.016meq/g以下であることを特徴とする[1]に記載のウレタンプレポリマー。
[3]
[1]乃至[2]のいずれかに記載のウレタンプレポリマーと溶媒とを含み、当該ウレタンプレポリマーの濃度が10~90重量%の範囲であるウレタンプレポリマー溶液。
[4]
[1]乃至[2]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー、又は[3]に記載のウレタンプレポリマー溶液と、鎖延長剤、ウレタン化触媒、消泡剤、酸化防止剤、可塑剤のうち1種又は2種以上とを含む、ウレタンプレポリマー組成物。
[5]
[1]乃至[2]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー、[3]に記載のウレタンプレポリマー溶液、又は[4]に記載のウレタンプレポリマー組成物が、多官能ポリイソシアネート化合物との反応により硬化してなる、2液硬化型ポリウレタン。
[6]
[5]に記載の2液硬化型ポリウレタンを含む、粘着剤。
本発明の一態様によれば、中粘着(3N/25mm程度)から高粘着(13N/25mm以上)まで広範囲の粘着領域において再剥離性が発現し、高透明な粘着剤を提供できる。
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を詳細に説明する。
<ウレタンプレポリマー>
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーは、
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物を反応させることにより得ることができる。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール>>
該ハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、
式(2)で示され、
平均分子量が200以上10,000以下であり、かつ、
不飽和度が0.02meq/g以下である:
Figure 0007395821000003
式(2)中、
Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表し、
mは、2~8の整数を表し、
は、活性水素含有化合物残基を表す;
Figure 0007395821000004
式[I]中、Xはハロゲン原子を表す。
式[I]中、Xで表されるハロゲン原子は、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、取扱いの容易さからフッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子又は塩素原子であることがさらに好ましい。
式(1)及び式(2)中、Rで表される活性水素含有化合物残基としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシ残基、アミン残基、カルボン酸残基、チオール残基等が挙げられる。
また、このような活性水素含有化合物残基を含む活性水素含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、水酸基を有するポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、スクロース、グルコース、2-ナフトール、ビスフェノール等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン、1,2-ブチレンジアミン等が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、例えば、フタル酸、アジピン酸等が挙げられる。
チオール化合物としては、例えば、エタンジチオール、ブタンジチオール等が挙げられる。
水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子量200以上1000以下のポリエーテルポリオール等が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物のうち、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを効率よく製造することが可能となることから、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,9-ノナンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、エチレンジアミン、分子量200以上1,000以下のポリエーテルポリオールが好ましく、トリプロピレングリコール、2,5-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、分子量が200以上1,000以下のポリエーテルポリオールが特に好ましい。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの数平均分子量は200以上10,000以下であり、取扱い性、ポリウレタン生産効率に優れたものとなることから、数平均分子量200以上2,000以下であることが好ましく、500以上2,000以下であることが特に好ましい。
ポリウレタンとした際の硬化性が向上するため、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度は0.016meq/g以下が好ましく、0.01meq/g以下が特に好ましい。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの質量平均分子量Mwの数平均分子量Mnに対する比(Mw/Mn)は、ポリウレタンとした際の硬化性が向上するため、2.00以下が好ましく、特に好ましくは1.50以下である。ただし、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定から求めた数平均分子量をMn、質量平均分子量をMwとする。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールにおける末端水酸基の1級化率は、特に限定されるものではないが、反応性のバラツキが小さく、均一に反応し、得られるポリウレタンの分子量分布や組成が均一になりやすいため、10%未満であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法>>
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法で製造することができる。
例えば、(A)2官能以上の活性水素化合物にルイス酸触媒または複合金属シアン化物錯体触媒を用いて所定の分子量までハロゲン含有アルキレンオキシドを付加する方法;(B)2官能以上の活性水素含有化合物と、ホスファゼニウム塩又はアンモニウム塩やホスホニウム塩等のオニウム塩触媒と、ルイス酸触媒と、の存在下に、ハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行う方法;が挙げられる。
ルイス酸触媒としては、例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルモノイソブチルアルミニウム、モノフェニルジイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム;メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチル-イソブチルアルミノキサン等のアルミノキサン;塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機アルミニウム;が挙げられる。
亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等の有機亜鉛;塩化亜鉛、酸化亜鉛等の無機亜鉛;が挙げられる。
ホウ素化合物としては、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフルオロボラン等が挙げられる。
これらの中でも、触媒性能に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造用触媒となることから、有機アルミニウム、アルミノキサン、有機亜鉛が好ましく、有機アルミニウムが特に好ましい。
不飽和度が低く、分子量分布が狭いハロゲン含有ポリアルキレンオキシドが得やすくプレポリマーとする際のハンドリング性の向上や得られる粘着剤の硬化性が優れやすいため、(B)に記載のハロゲン含有アルキレンオキシドの開環重合を行うことによりハロゲン含有ポリエーテルポリオールを製造することが好ましい。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造の際に用いられるホスファゼニウム塩の構造は特に限定されるものではない。
該ホスファゼニウム塩は、例えば、式(2)で表されるホスファゼニウム塩である:
Figure 0007395821000005
式(3)中、
及びRは、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
とRとが互いに結合した環構造、
同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表し;
は、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、よう素アニオン又は炭酸水素アニオンを表し;
Yは、炭素原子又はリン原子を表し;
aは、
Yが炭素原子のとき2であり、
Yがリン原子のとき3である。
式(3)中、R、Rで表される炭素数1~20の炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等が挙げられる。
とRとが互いに結合し環構造を形成した場合としては、例えば、ピロリジニル基、ピロリル基、ピペリジニル基、インドリル基、イソインドリル基等が挙げられる。
同士又はR同士が互いに結合した環構造としては、特に限定されるものではないが、例えば、2つのRもしくは2つのRが、各々独立に、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基から選ばれる1つの基となって、一方のアルキレン基と、他方のアルキレン基と、が互いに結合した環構造が挙げられる。
これらの中で、R及びRとしては、特に触媒活性に優れるアルキレンオキシド重合触媒となり、原料の入手が容易という点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることが好ましい。
また、式(3)におけるZは、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンである。
炭素数1~4のアルコキシアニオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシアニオン、エトキシアニオン、n-プロポキシアニオン、イソプロポキシアニオン、n-ブトキシアニオン、イソブトキシアニオン、t-ブトキシアニオン等が挙げられる。
炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトキシアニオン、エチルカルボキシアニオン、n-プロピルカルボキシアニオン、イソプロピルカルボキシアニオン、n-ブチルカルボキシアニオン、イソブチルカルボキシアニオン、t-ブチルカルボキシアニオン等が挙げられる。
これらの中で、Zとしては、触媒活性に優れるハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒となることから、ヒドロキシアニオン、炭酸水素アニオンが特に好ましい。
式(3)で示されるホスファゼニウム塩としては、特に限定されるものではないが、具体的には、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-プロピル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-ブチル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3-ジエチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-プロピル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-ブチル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3-ジエチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート等を例示することができる。
また、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジエチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジn-プロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、1-tert-ブチル-4,4,4-トリス(ジメチルアミノ)-2,2-ビス(トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ)-2λ5,4λ5-カテナジ(ホスファゼン)、テトラキス[トリス(ジイソプロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジn-ブチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジフェニルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジエチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジn-プロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジイソプロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジn-ブチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジフェニルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート等を例示することができる。
これらの中で、触媒性能に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドが特に好ましい。
アンモニウム塩又はホスホニウム塩の構造は、式(4)で表される:
Figure 0007395821000006
式(4)中、
Dは、窒素原子又はリン原子を表し;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、
炭素数1~20の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、もしくは、ジアルキルアミノ基、
ハロゲン原子、又は、
水素原子を表し;
は、無機又は有機の基からなる対イオンを表し;
~Rのうち2~4つが結合して環状構造を形成していてもよく、またその環状構造中にヘテロ原子を含んでいてもよい。
式(4)中、R、R、R及びRで表される炭素数1~20のアルキル基、アリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、ベンジル基、トリル基、オクチル基、シクロオクチル基、キシリル基等が例示される。
式(4)中、R、R、R及びRで表される炭素数1~20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ビニルオキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、アリルオキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、シクロブトキシ基、ノルマルペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、へプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、トリルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、キシリルオキシ基が例示される。
式(4)中、R、R、R及びRで表される炭素数1~20のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジシクロプロピルアミノ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~10のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルブチル基、ノルマルオクチル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
~Rのうち、2~4つが結合して環状構造を形成していてもよく、2つ又は3つが結合して環状構造を形成していることが好ましい。該環状構造は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
~Rのうち2つ又は3つが結合して環状構造を形成したアンモニウム塩の構造としては、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩が例示され、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることからイミダゾリウム塩であることが好ましい。
式(4)中、Eで表される無機又は有機の基としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、水素化ホウ素基、ヘキサフルオロリン酸基が例示される。触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、Eは、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、ヘキサフルオロリン酸基であることが好ましい。
式(4)で表されるアンモニウム塩又はホスホニウム塩としては、特に限定されるものではないが、具体的には、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルプロピルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルペンチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルヘキシルアンモニウムブロミド、テトラノルマルヘプチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルプロピルアンモニウムクロライド、テトラノルマルブチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルペンチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルヘキシルアンモニウムクロライド、テトラノルマルヘプチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルオクチルアンモニウムクロライド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムクロリド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルプロピルホスホニウムブロミド、テトラノルマルブチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルペンチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルヘキシルホスホニウムブロミド、テトラノルマルヘプチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルオクチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルプロピルホスホニウムクロライド、テトラノルマルブチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルペンチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルヘキシルホスホニウムクロライド、テトラノルマルヘプチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルオクチルホスホニウムクロライド、ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等が例示される。
これらの中で、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、テトラノルマルオクチルアンモニウムクロリド、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルアンモニウムクロリド、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルエチルアンモニウムクロリド、テトラノルマルエチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルホスホニウムブロミドが好ましく用いられる。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを製造する際の重合温度としては、特に限定されるものではないが、ポリアルキレンオキシドが分解して分子量分布が広がりにくく触媒活性を発現しやすいため、70~150℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは90~110℃の範囲である。
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、重合反応は無溶媒で行うことが好ましいが、溶媒中で行うこともできる。使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等が挙げられる。
<<イソシアネート化合物>>
イソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物(単環式脂環族イソシアネート化合物、架橋環式脂環族イソシアネート化合物)、及びこれらのポリイソシアネート誘導体等が挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4-若しくは2,6-トリレンジイソシアネ-ト、又はこれらの混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m-若しくはp-フェニレンジイソシアネート、又はこれらの混合物)、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-、2,4’-若しくは2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、又はこれらの混合物)(MDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(1,3-若しくは1,4-キシリレンジイソシアネート、又はこれらの混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3-若しくは1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、又はこれらの混合物)(TMXDI)、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、ナフタレンジイソシアネート(1,5-、1,4-若しくは1,8-ナフタレンジイソシアネート、又はこれらの混合物)(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ニトロジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシジフェニル-4,4’-ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネ-ト、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプエート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
単環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4-シクロヘキサンジイソシアネ-ト、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート)、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート(4,4’-、2,4’-若しくは2,2’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、又はこれらの混合物)(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシネートメチル)シクロヘキサン(1,3-若しくは1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、又はこれらの混合物)(水添XDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート(水添TDI)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート(水添TMXDI)等が挙げられる。
架橋環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、ノルボルネンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、ビシクロヘプタントリイソシアネート、シイソシアナートメチルビシクロヘプタン、ジ(ジイソシアナートメチル)トリシクロデカン等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記イソシアネート化合物の多量体(2量体、3量体、5量体、7量体、ウレチジンジオン、ウレイトンイミン、イソシヌレート変性体、ポリカルボジイミド等)、ウレタン変性体(例えば、上記イソシアネート化合物又は多量体におけるイソシアネート基の一部を、モノオール又はポリオールで変性又は反応したウレタン変性体等)、ビウレット変性体(例えば、上記イソシアネート化合物と水との反応により生成するビウレット変性体等)、アロファネート変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とモノオール又はポリオール成分との反応により生成するアロファネート変性体等)、ウレア変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とジアミンとの反応により生成するウレア変性体等)、オキサジアジントリオン(例えば、上記イソシアネート化合物と炭酸ガス等との反応により生成するオキサジアジントリオン等)等が挙げられる。
<<ウレタンプレポリマーの合成方法>>
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーの合成方法としては特に制限されず、例えば、上記したハロゲン含有ポリエーテルポリオールおよび、必要に応じてその他活性水素化合物と、上記したポリイソシアネートとを、溶剤、鎖延長剤、ウレタン化触媒、可塑剤、消泡材、酸化防止剤等の存在下、ウレタン化反応させる方法等が挙げられる。よって、得られたウレタンプレポリマーは、溶剤、ウレタン化触媒、消泡材、酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
なお、上記のイソシアネート化合物又はその誘導体は単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
ここで、ウレタン化反応の温度としては、特に限定されないが、120℃以下であることが好ましく、更に好ましくは50~110℃である。120℃以下であれば、反応速度の制御や所定の数平均分子量と構造のウレタンプレポリマーが得られやすいため、好ましい。
したがってウレタン化反応は、120℃以下で1~20時間行なうのが好ましい。反応の終点は、滴定によるイソシアネート残留量測定、またはIR測定によるイソシアネートピークの消失により、OH基末端のプレポリマーが合成できたと判断することができる。
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーに用いるポリイソシアネートの添加量としては、末端基をOHとするため、ポリイソシアネートの有するNCO基総量と、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの有するOH基総量のモル比率([NCO基総量]/[OH基総量])が、1.00未満(モル比)である。これらのなかでも、保存安定性が高いOH基末端のプレポリマーが得られることから、好ましくはポリイソシアネートの有するNCO基総量とハロゲン含有ポリエーテルポリオールの有するOH基総量のモル比率が0.60~0.99(モル比)となる範囲であり、0.80~0.99(モル比)となる範囲が特に好ましい。 ウレタン化反応は、特に限定されないが、反応制御を容易にするため、溶媒を使用してもよい。溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等が挙げられる。ウレタンプレポリマーの溶解性、溶媒の沸点等の点から特に、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンまたはこれらの混合溶媒が好ましい。これら溶媒は、反応初期、反応中盤、反応終了後等任意のタイミングで添加してもよい。
ウレタン化反応時に溶媒を使用した場合のウレタンプレポリマー濃度(溶媒を除く未反応の原料を含む)としては、特に限定されず、用途により選択されるが、好ましくは10~90重量%の範囲であり、更に好ましくは20~55重量%の範囲である。ウレタンプレポリマー溶液中のウレタンプレポリマー濃度が10~90重量%の範囲であれば、ウレタン化の反応性の低下が小さく、ハンドリング性の向上効果が期待できるため好ましい。
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーの合成時には、公知のウレタン化触媒を使用することができる。
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーは、高分子量化を促進するため、鎖延長剤を用いて鎖延長することができる。特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のグリコール類、エチレンジアミン、N-アミノエチルエタノールアミン、ピペラジン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミンを使用して鎖延長することができる。
ウレタン化触媒としては、公知のウレタン化触媒を使用することができる。例えば、三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
三級アミン系化合物としては、特に限定されないが、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)等が挙げられる。これらは、単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
有機金属系化合物としては、特に限定されないが、錫系化合物、及び非錫系化合物が挙げられる。
錫系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、ジオクチル錫ジラウリレート(別名:DOTDL)、2-エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系、オレイン酸鉛、2-エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系、2-エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄系、安息香酸コバルト、2-エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
上記ウレタン化触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジオクチル錫ジラウレート(別名:DOTDL)、2-エチルヘキサン酸錫等が、反応性及び衛生性の点で好ましい。
上記三級アミン系化合物、有機金属系化合物等の触媒は、単独でも使用できるが、2種以上を併用することもできる。
可塑剤としては、特に限定されず、例えば、フタル酸エステル類、非芳香族二塩基酸エステル類、脂肪族エステル類、ポリアルキレングリコールのエステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、塩素化パラフィン類、炭化水素系油、プロセスオイル類、ポリエーテル類、エポキシ可塑剤、ポリエステル系可塑剤等が挙げられ、好ましくはフタル酸エステル類である。具体的には、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等が挙げられる。
消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定はされず、例えば、チオエーテル系化合物、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系化合物等ポリマー鎖の酸化を抑制する効果のある化合物が挙げられる。
<ウレタンプレポリマーの性状>
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーの粘度は、特に限定されず、用途により選択されるが、好ましくは15~1000000Pa・s(25℃)の範囲であり、さらに好ましくは15~500000Pa・s(25℃)の範囲である。ウレタンプレポリマーの粘度が15~1000000Pa・s(25℃)の範囲であれば、十分な分子量の樹脂が形成され、良好な溶剤への分散性や塗工性が期待できるため好ましい。
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーは、そのままウレタン粘着剤として使用することができ、また、後述する2液硬化型ウレタン粘着剤の成分として好適に使用される。
<ウレタンプレポリマー溶液>
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマー溶液は、上記ののウレタンプレポリマーと溶媒を含み、ウレタンプレポリマーの濃度が10~90重量%の範囲の溶液であり、20~55重量%の範囲が更に好ましい。ウレタンプレポリマー溶液中のウレタンプレポリマーの濃度が10~90重量%の範囲であれば、反応性の低下が小さく、ハンドリング性の向上効果が期待できるため好ましい。
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマー溶液に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等が挙げられる。これらのうち、ウレタンプレポリマーの溶解性、溶媒の沸点等の点から、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンまたはこれらの混合溶媒が特に好ましい。
<ウレタンプレポリマー組成物>
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマー組成物は上記のウレタンプレポリマー、又はウレタンプレポリマー溶液と、鎖延長剤、ウレタン化触媒、消泡剤、可塑剤、酸化防止剤のうち1種又は2種以上とを含むものである。
鎖延長剤及びウレタン化触媒、消泡剤、可塑剤、酸化防止剤は、特に限定されないが、上記したものが挙げられる。
本発明においてウレタンプレポリマー組成物は、液状又はペースト状であることが好ましい。
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマー組成物の粘度は、特に制限はなく用途により選択されるが、0.1~100Pa・s(25℃)の範囲が好ましく、さらに好ましくは1~50Pa・s(25℃)の範囲である。ウレタンプレポリマー組成物の粘度が0.1~100Pa・s(25℃)の範囲であれば、適度な液の流動性を示して良好なハンドリング性が期待できるため好ましい。
ウレタンプレポリマー組成物は、乾燥させることで、ウレタン粘着剤として使用することができ、また、後述する2液硬化型ウレタン粘着剤の成分として好適に使用される。
<2液硬化型ポリウレタン>
本発明の一態様にかかる2液硬化型ポリウレタンは、上記のウレタンプレポリマー、ウレタンプレポリマー溶液、又はウレタンプレポリマー組成物と架橋剤との反応により硬化してなる物である。2液硬化型ポリウレタンは、フィルム状やシート状、板状、ブロック状等任意の形状で提供することができる。
2液硬化型ポリウレタンの製造方法としては、例えば、本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーと、活性水素基に対し反応性を有する架橋剤とを混合し、所定の形状で硬化させることにより製造することができ、必要に応じて脱泡、乾燥して所定の形状で製造することができる。例えば、塗工することでシート状、フィルム状にすることができ、型内で成形することで板状、ブロック状にすることができる。
2液硬化型ポリウレタンの用途は、特に限定されないが、透明性、樹脂強度に優れることから、例えば、粘着剤、建築用弾性接着剤といった接着剤、表面保護フィルム、塗料、エラストマー、塗膜防水材、床材、建築・土木用シーリング材、可塑剤、軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム等の製造に用いることができる。これらのなかでも、透明性、粘着力とタック性が良好な硬化物が得られることから、2液硬化型ウレタン粘着剤として好適に用いることができる。
<架橋剤>
本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマー中の活性水素基との反応性を持つ架橋剤としては、多官能のポリイソシアネート化合物が挙げられる。該ポリイソシアネート化合物としては、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物が使用でき、特に限定されない。例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、それらとポリオールとの反応によるイソシアネート含有ウレタンプレポリマー、およびこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。さらに、これらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基またはオキサゾリドン基含有変性物)やポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等の縮合体(多核体と称されることもある)も包含される。
これらのなかでも、得られたウレタンプレポリマーの硬化物の柔軟性や透明性が発現しやすいため、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、これらの変性体が好ましく、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート含有ウレタンプレポリマー、脂環式ポリイソシアネート含有ウレタンプレポリマー、これらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基またはオキサゾリドン基含有変性物)が好ましい。これらイソシアネートは一種または二種以上混合して使用してもよい。さらに好ましくは、アロファネート基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を有する脂環式イソシアネート、これらアロファネート変性イソシアネートを1種以上含む混合物であり、特に限定されないが、例えば、東ソー社製コロネート2770、コロネート2785、コロネート2792、これらを1種以上含む混合物等が挙げられる。
架橋剤の官能基数としては、特に限定するものではないが、例えば、2~6の範囲が好ましく、さらに好ましくは2~3の範囲である。架橋剤の官能基数が2~6の範囲であれば、架橋が均一に進行しやすく、硬化も不十分となりにくい為好ましい。
本発明の一態様にかかる2液硬化型ポリウレタンに用いる架橋剤の添加量は、ウレタンプレポリマーの反応性基に対して、0.0001当量~20当量(モル比)の範囲が好ましく、0.01~2当量の範囲がさらに好ましく、0.1~1.5当量の範囲が特に好ましい。架橋剤の添加量が、ウレタンプレポリマーの反応性基(系中の水分を含む)に対して、0.0001当量~20当量(モル比)の範囲であれば、良好な硬化性を有し、高透明性が期待できるため好ましい。
<ウレタン粘着剤>
本発明の一態様にかかるウレタン粘着剤は、上記のウレタンプレポリマーを用いるものであれば、特に限定されず、具体的には、上記の2液硬化型ポリウレタン等、本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマー、または本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマー溶液を用いて得られたウレタン粘着剤が例示される。
本発明の一態様にかかるウレタン粘着剤は、例えば、1種以上の基材に積層した粘着フィルムや粘着シート、液状等任意の形状で提供することができる。
本発明の一態様にかかるウレタン粘着剤を用いた粘着シートに用いる基材としては、離型フィルム、芯材等が挙げられる。このような離型フィルムとしては、PET、PP、TPX、これらのシリコーン、フッソ等の離型処理したフィルム等が挙げられ、市販品としては帝人デュポン社製ピューレックスA31、A33、A35、A43等の離型PETが挙げられる。芯材としては、不織布やPETフィルム、PPフィルム等が挙げられる。
本発明の一態様にかかるウレタン粘着剤を用いた粘着シートの積層構成としては、例えば、離型PETで両面を挟み込んだ3層構造の基材レス型粘着シート、粘着剤層に芯材を用いた5層構成の両面粘着シート等が挙げられる。
本発明の一態様にかかるウレタン粘着剤を用いた粘着シート中の粘着剤層の厚みとしては、特に限定されないが、好ましくは10μm~1000μmの範囲であり、さらに好ましくは15μm~250μmの範囲であり、最も好ましくは20μm~130μmである。特にフィルムセンサー用の光学用粘着シートの場合、20μm~150μmの範囲が好ましく、タッチパネルとカバーパネル間用ガラスセンサー向け光学用粘着シートの場合、50μm~250μmの範囲が好ましい。
本発明の一態様にかかるウレタン粘着剤を用いた粘着シートの形状としては、所望の形状としてよい。特に限定されないが、ロール状としてもよく、裁断してシート状で提供してもよい。
本発明の一態様にかかるウレタン粘着剤を用いた粘着シートの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、本発明の一態様にかかるウレタンプレポリマーを含む成分と、架橋剤を含む成分とを所定の比率で混合して2液硬化型ポリウレタン組成物とした後、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、リバースコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター等による塗工する方法を挙げることが出来る。これらの塗工方式を用いる場合、基材の片面または両面に2液硬化型ポリウレタン組成物を塗布した後、必要に応じて脱泡、加熱、乾燥することが望ましい。加熱する方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、一般に使用される方法を用いることができる。乾燥温度は特に制限されないが、好ましくは50~200℃、より好ましくは70~180℃、更に好ましくは80~150℃の範囲である。基材として熱可塑性樹脂を使用する場合、乾燥温度はその融点以下であることが望ましい。乾燥温度50~200℃の範囲では、基材の劣化や色調の変化が生じにくいため好ましい。
本発明の一態様にかかるウレタン粘着剤、粘着シートの用途としては、特に限定されず、例えば、テープ、ラベル、シール、化粧用シート、滑り止めシート、両面粘着テープ等が挙げられ、具体的には、包装テープやラベル用テープ、マスキングテープ、クラフトテープ等の包装・事務・家庭用粘着テープ、絆創膏等の医療用テープ、壁紙用テープ、フォームテープ、建築用弾性粘着剤等の建築用テープ、パソコン、テレビ、携帯電話、自動車、太陽電池、その他家電等に用いる電子材料用テープ、液晶ディスプレイ、タッチパネルの密着等に用いる光学用粘着シート、製造工程における表面保護テープや防水テープ、導電性テープ、放熱性テープ等が例示される。
以下、実施例により本発明を説明するが、本実施例は何ら本発明を制限するものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用した原料、及び評価方法は以下に示す通りである。
<ポリオール>
実施例、比較例では、式(5)に示される構造をもつポリオールを用いた。ポリオールの性状は表1に示す。
Figure 0007395821000007
表1~表3に記載の原料としてはそれぞれ以下のものを使用した。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール(A)、(B)>>
テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)と、トリイソプロポキシアルミニウムを併用して脱水・脱溶媒を十分に行い、分子量400のポリプロピレングリコール(三洋化成工業社製、商品名:サンニックスPP-400)に対して、17.3mol当量のエピクロロヒドリン(富士フイルム和光純薬社)製)を付加することで、分子量が2,000で2官能のハロゲン含有ポリエーテルポリオール(A)を作製した。
さらに、ハロゲン含有ポリエーテルポリオール(A)の作製において、17.3mol当量のエピクロロヒドリンに代えて6.5mol当量のエピクロロヒドリンを付加する以外は同様にすることで、分子量が1,000で2官能のハロゲン含有ポリエーテルポリオール(B)を作製した。
<<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール(C)>>
ルイス酸触媒のBF-EtOを用いて、分子量400のポリプロピレングリコール(三洋化成工業社製、商品名:サンニックスPP-400)にエピクロロヒドリンを付加することで、分子量が2,000で2官能のポリエーテルポリオール(C)を作製した。
<イソシアネート化合物>
いずれの実施例、比較例においても、4,4‘-MDI(アルドリッチ社製)を、精製することなくそのまま使用した。
(ポリオール性状の分析)
<不飽和度>
JIS-K1557-6の方法に従い、測定した。
<分子量分布(Mw/Mn)>
ポリオール10mgとTHF10mlをサンプル瓶に添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカートリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。
検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとしてTSKgelGMR-HHRL×2本直列、HLC-8020GPCを用いた(いずれも東ソー社製)。
測定条件としては、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、溶媒THFの条件で測定し、東ソー社製標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線を検量線として、分子量分布(Mw/Mn)の解析を行った。
製造例(OH末端プレポリマー溶液の製造)
撹拌翼を付した4つ口のセパラブルフラスコに、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールAを100g投入し、80℃2時間で減圧脱水を行った。室温に冷却後、窒素下で4,4‘-MDIを11g、ジブチル錫ジラウレートを22mg、酢酸エチルを111g投入し75℃で反応を行った。反応器内容物のNCO基を赤外分光光度計にて追跡し、NCOピーク(2260cm-1)が完全に消失したことを確認し、プレポリマー1溶液を製造した。
表2に記載の所定の原材料を、所定量用いた以外はプレポリマー1の製造例と同様の操作にて、プレポリマー2から6を製造した。
(ウレタンプレポリマー溶液の評価方法)
<ウレタンプレポリマーの外観>
ウレタンプレポリマーの外観を目視評価。
A:良好な外観のもの
B:ゲル化やブツが発生している外観不良のもの
<塗工性>
ウレタンプレポリマーの塗工しやすさを評価。
A:原液または溶液状で塗工が可能
B:塗工可能であるがハンドリング性が悪いもの
C:溶液濃度20%へ調整しても粘度が低く塗工が困難なもの、
又は、粘度が高く脱泡できず溶媒への溶解も困難なもの
上記ウレタンプレポリマーの評価結果を表2に示す。
(粘着剤の評価方法)
<粘着剤シートの作製>
OH末端プレポリマー合成例にて得られたプレポリマー溶液と架橋剤を、[NCO]/[OH]=1.50となるようにサンプル瓶へ投入し、ペンシルミキサーにて均一になるまで撹拌した。本プレポリマー組成物を、PETフィルム(東レ社製ルミラー、厚み38μm)上にアプリケーター(YOSHIMITSU SEIKI社製)を用いて乾燥厚み80μmになるようにアプリケーターにて塗工し、100℃に加温した防爆乾燥機内で3分静置して溶媒を除去した。乾燥終了後、基材側と離型力に差異がある離型PET(帝人デュポン社製ピューレックス)を粘着剤面に気泡が入らないようにローラーで3往復して張り合わせた。その後、23~25℃、50%RHの恒温室で静置し、3日後IRにてNCO基の消失を確認。80μmの粘着剤厚みのPET/粘着剤/離型PETの3層構造のシートを作製し、実施例1の粘着剤評価サンプルとした。
<透明性>
作製した粘着剤評価サンプルの離型PETを剥がして得たPET/粘着剤の積層体と、基材に用いたPET(東レ製ルミラー)をそれぞれヘーズメーター(日本電色工業社製NDH-5000)にてヘーズを測定した。粘着剤の透明性を式(1)で計算し評価した。
粘着剤の透明性(%)=PET/粘着剤の積層体のヘーズ
-PET単独のヘーズ ・・・式(1)
A:1%未満
B:1%以上3%未満
C:3%以上
<剥離強度>
作製した粘着剤評価サンプルの離型PETを剥がし、ステンレス鋼板(SUS304(JIS))または、ガラス板(イーグルXG)に室温にて貼着し、20分間23~25℃、50%RHの雰囲気下に静置後、引張試験機(エー・アンド・デイ社製テンシロンTG-1210)を用いて、引張速度300mm/分での180°剥離試験を行い、剥離強度を測定した。測定は、23~25℃、50%RHの雰囲気下で行った。
<剥離状態>
作製した粘着剤評価サンプルの離型PETを剥がし、ガラス板(コーニング社製イーグルXG)に室温にて貼着し、20分間23~25℃、50%RHの雰囲気下に静置後、引きはがしたときの剥離状態を評価。
A:界面剥離
B:凝集破壊
<再剥離性>
作製した粘着剤評価サンプルの離型PETを剥がし、ガラス板(コーニング社製イーグルXG)に室温にて貼着し、40℃、80RH%の条件下に24時間放置し、23~25℃、50%RHの雰囲気下で冷却した後、剥離し、糊残り性を目視評価した。
A:ガラス板に対して、糊移行が見られない
B:ガラス板に対して、部分的に糊移行が見られる
C:ガラス板に対して、完全に糊が移行
剥離後、ガラス板に糊が残った場合には、貼着面積に対する糊残りの割合を式(2)で計算し評価した。
糊残り率(%)=(ガラス板へ移行した粘着剤の面積/粘着シートを貼り付けた面積) ×100 ・・・式(2)
実施例1~3.
粘着剤の評価方法に従い、プレポリマー1~3を用いて粘着剤シートを作製し、評価を行った。いずれも高透明で、ステンレス鋼板、ガラス板ともに中粘着性(3N/25mm)以上を示しており、剥離状態、再剥離性に優れた。
比較例1.
粘着剤の評価方法に従い、プレポリマー4を用いて粘着剤シートを作製し、評価を行った。透明性は良好で、中粘着性を示したが、凝集破壊し、再剥離性に劣るものだった。
比較例2.
粘着剤の評価方法に従い、プレポリマー5を用いて粘着剤シートを作製し、評価を行った。剥離状態、再剥離性に優れたが、透明性に劣り、ガラスに対する剥離強度が低いものだった。
比較例3.
粘着剤の評価方法に従い、プレポリマー6を用いて粘着剤シートを作製し、評価を行った。透明性が良好で、ガラスに対して高粘着性を示したが、剥離状態、再剥離性に劣るものだった。
上記実施例及び比較例の結果を表3に示す。

Claims (7)

  1. OH末端のウレタンプレポリマーであり、
    該ウレタンプレポリマーは、
    式(1)で示される、数平均分子量が200以上2000以下の構造単位を含み、かつ、
    不飽和度が、0.02meq/g以下である
    末端がOH基である液状ウレタンプレポリマー:
    式(1)中、
    Qは、式[I]で示される構造単位を含む重合体成分を表し、
    mは、2~8の整数を表し、
    は、活性水素含有化合物残基を表す;
    式[I]中、Xはハロゲン原子を表す。
  2. イソシアネート化合物の有するNCO基総量とハロゲン含有ポリエーテルポリオールの有するOH基総量のモル比率([NCO基総量]/[OH基総量])が0.60~0.99(モル比)である、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物の組成物を反応させることにより得られる請求項1に記載の液状ウレタンプレポリマー。
  3. 不飽和度が、0.016meq/g以下であることを特徴とする請求項1乃至2いずれか1項に記載の液状ウレタンプレポリマー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液状ウレタンプレポリマーと溶媒とを含み、当該ウレタンプレポリマーの濃度が10~90重量%の範囲であるウレタンプレポリマー溶液。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液状ウレタンプレポリマー、又は請求項4に記載のウレタンプレポリマー溶液と、鎖延長剤、ウレタン化触媒、消泡剤、酸化防止剤、可塑剤のうち1種又は2種以上とを含む、ウレタンプレポリマー組成物。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液状ウレタンプレポリマー、請求項4に記載のウレタンプレポリマー溶液、又は請求項5に記載のウレタンプレポリマー組成物が、多官能ポリイソシアネート化合物との反応により硬化してなる、2液硬化型ポリウレタン。
  7. 請求項6に記載の2液硬化型ポリウレタンを含む、粘着剤。
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