JP2021172817A - ハロゲン含有ポリエーテルポリオール - Google Patents

ハロゲン含有ポリエーテルポリオール Download PDF

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Abstract

【課題】機械物性に優れるポリウレタンの原料となる、イソシアネートとの反応性が良好な塩素含有ポリエーテルポリオールを提供する。【解決手段】分子量が500以上10,000以下で、不飽和度が0.02meq/g以下でかつ、末端にハロゲン含有構造を持つ割合が2mol%以上99.5mol%以下であるハロゲン含有ポリエーテルポリオール。【選択図】なし

Description

本開示は、機械物性に優れるポリウレタンの原料となる、イソシアネートとの反応性が良好なハロゲン含有ポリエーテルポリオールに関する。
ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキシドを開環重合することで得ることができ、ポリウレタンのソフトセグメントとして、塗料や接着剤、シーリング剤、自動車シート用フォーム等幅広い用途で用いられている。
さらに、せん断強度、難燃性に優れるポリウレタン系接着剤の原料としてハロゲン含有ポリエーテルポリオールが知られている(例えば、特許文献1参照)。ハロゲン含有ポリエーテルポリオールは三フッ化ホウ素化合物のような、酸触媒を用い、ハロゲン含有アルキレンオキシドを開環重合することにより合成できる。しかし、このようなハロゲン含有ポリエーテルポリオールには、製造する際の副反応により生成する不飽和成分等の副生成物が多く含まれていた。そのため、得られるポリウレタンには欠陥部分が多く架橋密度が低下するため、ヒステリシスロス、圧縮残留歪率等の物性が低下するといった問題点があった。
不飽和度の低いポリオールが得られるアルキレンオキシドの重合触媒として、複金属シアン化物錯体が知られており、ハロゲン含有アルキレンオキシドの重合へも展開されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開平2−202573号公報
RSC Advances,2014,4,21765−2177
しかしながら、このような塩素化ポリエーテルポリオールは、末端水酸基とイソシアネートとの反応性が低いため、ポリウレタンを製造する際の硬化性に課題があった。そこで、本発明の一態様は、機械物性に優れたポリウレタンを製造する原料となる、イソシアネートとの反応性に優れ、硬化性良好なハロゲン含有ポリエーテルポリオールを提供することに向けられている。
本発明の各態様は以下に示す[1]〜[7]である。
[1]
下記式(1)で示され、分子量が500以上10,000以下で、不飽和度が0.02meq/g以下でかつ、末端に構造単位[II]を持つ割合が2mol%以上99.5mol%以下であるハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
Figure 2021172817
(上記式(1)中、Qは下記構造単位[I]と下記構造単位[II]とを含む重合体成分を表し、mは2〜3の整数、Rは活性水素含有化合物残基を表す。)
Figure 2021172817
(式[I]中、Xはハロゲン原子を表す。)
Figure 2021172817
(上記構造単位[II]中、Aは水素原子又は炭素数が1〜10の炭化水素基を表す。)
[2]
Qが下記構造単位[III]と下記構造単位[IV]とを含む重合体成分を表すことを特徴とする、上記式(1)で示される[1]に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
Figure 2021172817
(上記構造単位[III]中、lは2以上100以下の整数を表す)
Figure 2021172817
(上記構造単位[IV]中、nは2以上100以下の整数を表す。)
[3]
上記構造単位[I]中、Xが塩素原子であり、上記構造単位[II]中、Aが水素原子、メチル基又はエチル基である[1]又は[2]に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
[4]
末端に構造単位[II]を持つ割合が50mol%以上99.5mol%以下の[1]乃至[3]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
[5]
オニウム塩、ルイス酸及び活性水素含有化合物を含む組成物の存在下、アルキレンオキシドの開環重合を行うハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法であって、前記活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対する、前記オニウム塩の使用量が0.001〜0.1モルの範囲であり、前記ルイス酸の使用量が0.002〜0.2モルの範囲であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
[6]
[1]乃至[4]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール残基を分子構造中に含有することを特徴とするポリウレタン。
[7]
[1]乃至[4]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール残基を分子構造中に含有することを特徴とする、発泡倍率1.2倍以上100倍以下のポリウレタンフォーム。
本発明の一態様であるハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、イソシアネートとの反応性に優れ、硬化性良好な機械物性に優れたポリウレタンを製造する原料となる。
<ハロゲン含有ポリエーテルポリオール>
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、上記式(1)で示され、分子量が500以上10,000以下で、不飽和度が0.02meq/g以下でかつ、末端に構造単位[II]を持つ割合が2mol%以上99.5mol%以下のハロゲン含有ポリエーテルポリオールである。
上記式(1)中、Qは上記構造単位[I]と上記構造単位[II]とを含む重合体成分を表す。上記構造単位[I]中、Xはハロゲン原子を表し、上記構造単位[II]中、Aは水素原子又は炭素数が1〜10の炭化水素基を表す。
上記式(1)中、末端に上記構造単位[II]を持つ割合が2mol%以上99.5mol%以下であり、イソシアネートとの反応性が向上するため、50mol%以上99.5mol%以下が好ましく、70mol%以上0.5mol%以下がより好ましい。
上記構造単位[I]中、Xで表されるハロゲン原子は、特に限定しないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、取扱いの容易さよりフッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子又は塩素原子であることがより好ましい。
上記構造単位[II]中、Aで表される水素原子又は炭素数が1から10の炭化水素としては、特に限定しないが、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基が挙げられる。これらのうち、前駆物質の入手しやすさと重合の進行しやすさより、水素原子、メチル基、エチル基、が好ましい。
上記式(1)中、Qが上記構造単位[I]と上記構造単位[II]とを含む重合体成分であり、構造単位の配列はランダムでもブロックでも良いが、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールのイソシアネート化合物との反応性が良好となりやすいため、上記構造単位[I]の重合体成分である上記構造単位[III]と上記構造単位[II]の重合体成分である上記構造単位[IV]を含むブロックであることが好ましい。
上記式(1)中、Rで表される活性水素含有化合物残基としては、特に限定しないが、例えばヒドロキシ残基、アミン残基、カルボン酸残基、チオール残基等が挙げられる。
また、このような活性水素含有化合物残基を含む活性水素含有化合物としては、特に限定しないが、例えば、ヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、水酸基を有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
ヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等を挙げることができる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−又は、1,2−ブチレンジアミン等を挙げることができる。
カルボン酸化合物としては、例えば、フタル酸、アジピン酸等を挙げることができる。
チオール化合物としては、例えばエタンジチオール、ブタンジチオール等を挙げることができる。
水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子量200〜2000のポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール及びその共重合体等を挙げることができる。 活性水素含有化合物残基を含む活性水素含有化合物としては、本発明一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールを効率よく製造することが可能となることから、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,9−ノナンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、エチレンジアミン、分子量200〜2000のポリプロピレングリコール、分子量が350〜2500のポリエステルポリオール、分子量が350〜1000のポリカーボネートポリオール、が好ましく、トリプロピレングリコール、2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、分子量が200〜1000のポリプロピレングリコール、分子量が350〜2500のポリエステルポリオールがより好ましい。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量は500以上10,000以下であり、ポリウレタン用原材料として用いる際の取扱い性、ポリウレタンの生産効率に優れたものとなることから、分子量500以上7,000以下であることが好ましく、500以上5,000以下であることがより好ましい。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度は、0.02meq/g以下であり、得られるポリウレタンのヒステリシスロス、圧縮残留歪率等の物性が向上するため、0.015meq/g以下が好ましい。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールのMw/Mnは、ポリウレタン樹脂とする際の成形性が向上するため、2.00以下が好ましく、1.50以下であることがより好ましい(ただし、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミテーションクロマトグラフィー測定から求めた数平均分子量をMn、重量平均分子量をMwとする)。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールにおける末端水酸基の1級化率は、特に限定しないが、反応性のバラツキが小さく、均一に反応し、得られるポリウレタンの分子量分布や組成が均一になりやすいため、10%未満であることが好ましい。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールは、特に制限はなく、従来公知の製造方法で製造することができる。
例えば、オニウム塩、ルイス酸及び活性水素含有化合物を含む組成物の存在下、活性水素含有化合物を開始剤とし、2種類以上のアルキレンオキシドを開環重合することにより得られる。
その際の第一のアルキレンオキシドとしては、例えば、ハロゲン含有アルキレンオキシドを挙げることができ、具体的には、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピフルオロヒドリン等を挙げることができる。これらの中で、入手が容易で、得られるポリアルキレンオキシドの工業的価値の高いことから、エピクロロヒドリンが好ましい。
第二のアルキレンオキシドとしては、例えば、炭素数2〜12のアルキレンオキシドを挙げることができ、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、ペンテンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド等を挙げることができる。これらの中で、アルキレンオキシドの入手が容易で、得られるポリアルキレンオキシドの工業的価値の高いことから、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドが好ましい。
第一及び第二のアルキレンオキシドは、いずれも単一で用いても2種以上を混合して用いても良い。
オニウム塩は特に限定しないが、ホスファゼニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等を挙げることができる。
ホスファゼニウム塩の構造は特に限定しないが、例えば、下記式(2)で表される。
Figure 2021172817
上記式(2)中、R及びRは各々独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、RとRが互いに結合した環構造、R同士又はR同士が互いに結合した環構造、Zはヒドロキシアニオン、炭素数1〜4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、よう素アニオン又は炭酸水素アニオンを表す。
、Rで表される炭素数1〜20の炭化水素基としては、特に限定しないが、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等を挙げることができる。
とRが互いに結合し環構造を形成した場合としては、例えば、ピロリジニル基、ピロリル基、ピペリジニル基、インドリル基、イソインドリル基等を挙げることができる。
同士又はR同士が互いに結合した環構造としては、特に限定しないが、例えば、一方の置換基がエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基となって、他方の置換基と互いに結合した環構造を挙げることができる。
これらの中で、R及びRとしては、特に触媒活性に優れるアルキレンオキシド重合触媒となり、原料の入手が容易という点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることが好ましい。
また、上記式(2)におけるZは、ヒドロキシアニオン、炭素数1〜4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンである。
炭素数1〜4のアルコキシアニオンとしては、特に限定しないが、例えば、メトキシアニオン、エトキシアニオン、n−プロポキシアニオン、イソプロポキシアニオン、n−ブトキシアニオン、イソブトキシアニオン、t−ブトキシアニオン等を挙げることができる。
炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオンとしては、特に限定しないが、例えば、アセトキシアニオン、エチルカルボキシアニオン、n−プロピルカルボキシアニオン、イソプロピルカルボキシアニオン、n−ブチルカルボキシアニオン、イソブチルカルボキシアニオン、t−ブチルカルボキシアニオン等を挙げることができる。
これらの中で、Zとしては、触媒活性に優れるハロゲン含有アルキレンオキシド重合触媒となることから、ヒドロキシアニオン、炭酸水素アニオンが特に好ましい。
上記式(2)で示されるホスファゼニウム塩としては、特に限定しないが特に限定しないが、具体的には、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−プロピル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−ブチル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−プロピル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−ブチル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3−テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート等を例示することができる。
また、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジエチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジn−プロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス(トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ)−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)、テトラキス[トリス(ジイソプロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジn−ブチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジフェニルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジエチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジn−プロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジイソプロピルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジn−ブチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジフェニルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムハイドロゲンカーボネート等を例示することができる。
これらの中で、触媒性能に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドが特に好ましい。
本発明の一態様においてアンモニウム塩又はホスホニウム塩の構造は、例えば、下記式(3)で表される。
Figure 2021172817
上記式(3)中、Dは窒素原子又はリン原子を表し、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでも良い炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子又は水素原子を表し、Eは無機又は有機の基からなる対イオンを表す。R〜Rのうち2〜4つが結合して環状構造を形成しても良く、またその環状構造中にヘテロ原子を含んでいても良い。
、R、R及びRで表される炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基としては、特に限定しないが、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、ベンジル基、トリル基、オクチル基、シクロオクチル基、キシリル基等が例示され、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ビニルオキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、アリルオキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、ノルマルペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、へプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、トリルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、キシリルオキシ基が例示され、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジシクロプロピルアミノ基等が挙げられる。
触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、ヘテロ原子を含んでも良い炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、メチル基、エチル基、ノルマルブチル基又はノルマルオクチル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
〜Rのうち2つ又は3つが結合して環状構造を形成したアンモニウム塩の構造としては、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩が例示され、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることからイミダゾリウム塩であることが好ましい。
上記式(3)におけるEは無機又は有機の基である。
これらの中で、特に限定しないが、具体的には、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、水素化ホウ素基、ヘキサフルオロリン酸基が例示され、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、ヘキサフルオロリン酸基のいずれかであることが好ましい。
上記式(3)で表されるアンモニウム塩又はホスホニウム塩としては、特に限定しないが、具体的には、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルプロピルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルペンチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルヘキシルアンモニウムブロミド、テトラノルマルヘプチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルプロピルアンモニウムクロライド、テトラノルマルブチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルペンチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルヘキシルアンモニウムクロライド、テトラノルマルヘプチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルオクチルアンモニウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルプロピルホスホニウムブロミド、テトラノルマルブチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルペンチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルヘキシルホスホニウムブロミド、テトラノルマルヘプチルホスホニウムブロミド、テトラノルマルオクチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルプロピルホスホニウムクロライド、テトラノルマルブチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルペンチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルヘキシルホスホニウムクロライド、テトラノルマルヘプチルホスホニウムクロライド、テトラノルマルオクチルホスホニウムクロライド、ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等が例示される。
これらの中で、触媒活性に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造触媒となることから、テトラノルマルオクチルアンモニウムクロリド、テトラノルマルオクチルアンモニウムブロミド、テトラノルマルブチルホスホニウムブロミドが好ましく用いられる。
本発明の一態様において、ルイス酸としては、例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物等を挙げることができる。
アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルモノイソブチルアルミニウム、モノフェニルジイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム;メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチル−イソブチルアルミノキサン等のアルミノキサン;塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機アルミニウムを挙げることができる。
亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等の有機亜鉛;塩化亜鉛、酸化亜鉛等の無機亜鉛を挙げることができる。
ホウ素化合物としては、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフルオロボラン等を挙げることができる。
これらの中でも、触媒性能に優れるハロゲン含有ポリエーテルポリオール製造用触媒となることから、有機アルミニウム、アルミノキサン、有機亜鉛が好ましく、有機アルミニウムが特に好ましい。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールを効率よく製造することが可能となることから、活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対し、オニウム塩は0.001〜0.1モルが好ましく、0.001〜0.05モルであることが特に好ましい。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールを効率よく製造することが可能となることから、活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対し、ルイス酸は0.002〜0.2モルが好ましく、0.002〜0.1モルであることが特に好ましい。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、重合圧力は、常圧〜1.0MPaの範囲、好ましくは、常圧〜0.5MPaの範囲が良い。本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、重合温度は、0〜180℃の範囲であり、50〜130℃の範囲がより好ましい。
本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、重合反応は無溶媒でも、溶媒中でも行うこともできる。溶媒を使用する際は、溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等を挙げることができる。
<ポリウレタン>
本発明の一態様にかかるポリウレタンの構造は、本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオール残基を分子構造中に含有していれば特に制限はなく、架橋体でも良いし、直鎖状でも分岐状でも良い。
また、本発明の一態様にかかるポリウレタンの製造方法は特に限定されないが、本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させることが挙げられる。
ここで、ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネート誘導体等が挙げられる。
これらの中で、芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−若しくは2,6−トリレンジイソシアネ−ト、又はそれらの混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−若しくはp−フェニレンジイソシアネート、又はそれらその混合物)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−、2,4’−若しくは2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、又はそれらの混合物)(MDI)、4,4’−トルイジンイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート、又はそれらの混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−若しくは1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、又はそれらの混合物)(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、ナフタレンジイソシアネート(1,5−、1,4−若しくは1,8−ナフタレンジイソシアネート、又はそれらの混合物)(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
単環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート(4,4’−、2,4’−若しくは2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、又はそれらの混合物)(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシネートメチル)シクロヘキサン(1,3−若しくは1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、又はそれらの混合物)(水添XDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート(水添TDI)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート(水添TMXDI)等が挙げられる。
架橋環式脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、ノルボルネンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、ビシクロヘプタントリイソシアネート、シイソシアナートメチルビシクロヘプタン、ジ(ジイソシアナートメチル)トリシクロデカン等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記イソシアネート化合物の多量体(2量体、3量体、5量体、7量体、ウレチジンジオン、ウレイトンイミン、イソシヌレート変性体、ポリカルボジイミド等)、ウレタン変性体(例えば、上記イソシアネート化合物又は多量体におけるイソシアネート基の一部を、モノオール又はポリオールで変性又は反応したウレタン変性体等)、ビウレット変性体(例えば、上記イソシアネート化合物と水との反応により生成するビウレット変性体等)、アロファネート変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とモノオール又はポリオール成分との反応により生成するアロファネート変性体等)、ウレア変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とジアミンとの反応により生成するウレア変性体等)、オキサジアジントリオン(例えば、上記イソシアネート化合物と炭酸ガス等との反応により生成するオキサジアジントリオン等)等を挙げることができる。
なお、上記のイソシアネート化合物又はその誘導体は単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
なお、本発明の一態様にかかる、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させポリウレタンを得る場合は、例えば、200℃を上限に組成物を加温したり、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、スタナスオクトエート、ジブチルスズジ−2−エチルヘキサノエ−ト、ナトリウム o−フェニルフェネート、カリウムオレート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネ−ト、塩化第二スズ、塩化第二鉄、三塩化アンチモン等の触媒を加えたりすると、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物の反応が加速され、短時間でポリウレタンを得ることができる。
本発明の一態様にかかるポリウレタンとしては、硬質フォーム又は軟質フォームのようなウレタンフォーム用途に用いることができる。また、コーテイング剤・塗料(Coatings)、粘着剤・接着剤(Adhesives)、シーリング材(Sealants)、熱可塑性又は熱硬化性のエラストマー(Elastomers)等、皮革、スパンデックス、各種インキ等に用いることができる。
<ポリウレタンフォーム>
ポリウレタン系のフォームは、軟質系と硬質系に大別されるが、本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールを用いて、ポリウレタンフォームを得ようとすると、軟質、硬質いずれにおいても、従来公知の製造方法が適用できる。
例えば、本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールに、必要に応じて、公知の他のポリオール、触媒、整泡剤、架橋剤、発泡剤、連通化剤等を配合した室温液状の混合液を撹拌混合した後に、ポリイソシアネート化合物と攪拌混合し、適当な金型内に注入し、発泡硬化させる方法が挙げられる。
また、本発明の一態様にかかるハロゲン含有ポリエーテルポリオールに、公知の他のポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤及びポリイソシアネート化合物を公知の撹拌混合機により混合して、発泡性の混合物を調製し、これを天面開放状態のモールド内に注入して自由発泡させ、スラブとして硬化成形する方法が挙げられる。
本発明の一態様にかかるポリウレタンフォームの発泡倍率は、特に限定しないが、取り扱い性が良好となるため、1.2倍以上、100倍以下であることが好ましく、10倍以上、80倍以下であることが特に好ましい。
本発明の一態様にかかるポリウレタンフォームは、利用される用途に特別な制限が加わるものでなく、本発明の一態様にかかる組成物の反応生成物からなるポリウレタンフォームの特徴から、自動車・車両用の天井材やシート、枕、家具・インテリア、寝装具、シューソール、スポンジ、各種クッション、テニスボール、着地マット等、軟質系のポリウレタンフォームが適用される用途に用いることができる。また、本発明の一態様にかかるポリウレタンフォームは、断熱・保冷材、防振・吸音材、緩衝材、浮力材等の硬質系のポリウレタンフォームが適用される用途に用いることができる。例えば、漁船・大型船・冷凍貨物船・LNG船、LPG船、液化ガス船、コンテナーの断熱材やFRPボートの芯材、大型船舶・救命艇・ブイ・浮き類の浮力材として船舶用に、冷凍車・保冷車・鉄道のコンテナー、タンクローリーの断熱材、車両・トラックの天井の断熱材としての車両用に、化学工業設備タンク・配管の断熱材、重油タンク・配管等の保温材、LPG・LNG低温液化ガス保冷・配管の断熱材、断熱カバー、タンク蓋用としてプラント用に、冷蔵庫・冷凍機の断熱材、エアコンの断熱部材、ショーケース・ストッカー・自動販売機・温水器・貯湯槽等の各種断熱機器の断熱材用に、さらに、住宅・オフィスビルの断熱材(壁、床下、天井、屋根下等)、断熱建材(ラミネートボード、複合パネル、サイデイング材等) 、浴槽(ステンレス・FRP・ほうろう)の断熱材、冷凍倉庫・冷蔵倉庫・農業倉庫・畜舎等の断熱材、ボイド充填(断熱サッシ)、恒温室・地域集中冷暖房の断熱材としての建築・建材用に、道路床の断熱材や振動防止材としての土木用に、その他として、椅子芯材、ドアーパネル、装飾工芸品、娯楽用具(クーラーボックス・水筒) 、教材(立体地図等) 、型材・治具関係、サーフィンの芯材、RIM方式製品(スキー芯材・ラケット芯材・ハウジング類)、梱包材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本実施例は何ら本発明を制限するものではない。まず、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分析方法及び製造方法について説明する。
(ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分析方法)
(1)ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量(単位:g/mol)
JIS K−1557記載の方法により、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの水酸基価d(単位:mgKOH/g)を測定した。得られるハロゲン含有ポリエーテルポリオールの官能基数をeとし、次式によりハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量を算出した。
分子量=(56100/d)×e。
(2)ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量分布(単位:無し)
ゲル・パーミェション・クロマトグラフ(GPC)(東ソー社製、HLC8020)を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定を行い、標準物質としてポリスチレンを用い、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)とした。
上記方法で算出したMn、Mwから、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
(3)ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度(単位:meq/g)
JIS K−1557記載の方法により、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの不飽和度を算出した。
(4)ハロゲン含有ポリエーテルポリオールの末端構造[II]を持つ割合(単位:mol%)
ハロゲン含有ポリエーテルポリオールをd−クロロホルム中で無水トリフルオロ酢酸と反応させることによりトリフルオロ酢酸エステルとし、核磁気共鳴測定装置(日本電子社製、JNM−ECZ400S)を用いたプロトン核磁気共鳴分光(H−NMR)スペクトル分析を行い、末端水酸基の1級化率を、次式により算出した。
1)上記式(1)中、Xが塩素原子でAが水素原子の場合
末端構造[II]率(mol%)=[(s/2)/(r+s/2)]×100。
ここで、rは5.3−5.4ppm付近の構造単位[I]由来の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値、sは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値を表す。
2)上記式(1)中、Xが塩素原子でAがメチル基の場合
末端構造[II]率(mol%)=[(t/3)/(u+s/2)]×100。
ここで、tは1.3−1.4ppm付近の2級水酸基が結合した炭素に結合したメチル基由来の信号の積分値、rは5.2−5.4ppm付近の構造単位[I]及び[II]由来の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値、sは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値を表す。
3)上記式(1)中、Xが塩素原子でAがエチル基の場合
末端構造[II]率(mol%)=[v/(r+v+s/2)]×100。
ここで、rは5.3−5.4ppm付近の構造単位[I]由来の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値、vは5.1−5.2ppm付近の構造単位[II]由来の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値、sは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値を表す。
実施例1.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]214.3g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、4.32gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(富士フイルム和光純薬社製、TiBAL)の1.0mol/Lのトルエン溶液40.2mLを加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[A−1]を得た。得られた組成物[A−1]を95℃に昇温し、エピクロロヒドリン(ECH)840mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなった。次いで、エチレンオキシド(EO)140gを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留エチレンオキシドの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−1]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−1]の分子量は2500g/mol、不飽和度は0.002meq/g、Mw/Mnは1.36、末端[II]率は90mol%であった。
実施例2.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量600のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP600;水酸基価187mgKOH/g]242.7g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、3.26gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソプロポキシアルミニウム(川研ファインケミカル社製、PADM)の1.0mol/Lのトルエン溶液30.3mLを加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[A−2]を得た。得られた組成物[A−2]を95℃に昇温し、エピクロロヒドリン(ECH)720mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなった。次いで、プロピレンオキシド(PO)150mLを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留POの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−2]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−2]の分子量は3020g/mol、不飽和度は0.008meq/g、Mw/Mnは1.40、末端[II]率は89mol%であった。
実施例3.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]226.6g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、4.56gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(富士フイルム和光純薬社製、TiBAL)の1.0mol/Lのトルエン溶液42.5mLを加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[A−3]を得た。得られた組成物[A−3]を95℃に昇温し、ECH720mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなった。次いで、PO100mLを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留POの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−3]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−3]の分子量は2040g/mol、不飽和度は0.004meq/g、Mw/Mnは1.45、末端[II]率は54mol%であった。
実施例4.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]226.6g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、4.56gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(富士フイルム和光純薬社製、TiBAL)の1.0mol/Lのトルエン溶液42.5mLを加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[A−4]を得た。得られた組成物[A−4]を95℃に昇温し、ECH720mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなった。次いで、PO65mLを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留POの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−4]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−4]の分子量は2020g/mol、不飽和度は0.003meq/g、Mw/Mnは1.45、末端[II]率は35mol%であった。
実施例5.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量1000のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP1000;水酸基価112mgKOH/g]291.5g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、2.38gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(富士フイルム和光純薬社製、TiBAL)の1.0mol/Lのトルエン溶液21.86mLを加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[A−5]を得た。得られた組成物[A−5]を95℃に昇温し、ECH840mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなった。次いで、PO105mLを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留POの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−5]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−5]の分子量は4700g/mol、不飽和度は0.004meq/g、Mw/Mnは1.45、末端[II]率は83mol%であった。
実施例6.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]180.2g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、3.63gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(富士フイルム和光純薬社製、TiBAL)の1.0mol/Lのトルエン溶液33.8mLを加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[A−6]を得た。得られた組成物[A−6]を95℃に昇温し、ECH840mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留ECHの除去をおこなった。次いで、ブチレンオキシド(BO)220mLを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留BOの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−6]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−6]の分子量は3010g/mol、不飽和度は0.008meq/g、Mw/Mnは1.48、末端[II]率は82mol%であった。
実施例7.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量1000のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP1000;水酸基価112mgKOH/g]136.0g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、1.00gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(富士フイルム和光純薬社製、TiBAL)の1.0mol/Lのトルエン溶液9.3mLを加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[A−7]を得た。得られた組成物[A−7]を95℃に昇温し、ECH840mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留ECHの除去をおこなった。次いで、ブチレンオキシド(BO)134mLを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留BOの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−7]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−7]の分子量は9300g/mol、不飽和度は0.016meq/g、Mw/Mnは1.62、末端[II]率は85mol%であった。
実施例8.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量600の硬質フォーム用ポリエステルポリオール(PES)[川崎化成社製、(商品名)マキシモールRLK−087;水酸基価203mgKOH/g]335.6g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、9.78gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソプロポキシアルミニウム(川研ファインケミカル社製、PADM)を9.30g加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[A−8]を得た。得られた組成物[A−8]を95℃に昇温し、ECH360mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなった。次いで、PO330mLを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留POの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−8]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[A−8]の分子量は1730g/mol、不飽和度は0.014meq/g、Mw/Mnは1.64、末端[II]率は88mol%であった。
上記実施例1〜8の結果を表1に併せて示す。
Figure 2021172817
比較例1.
攪拌翼を付した2リットルの四つフラスコに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]181.54g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)、3.66gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行った。その後、トリイソブチルアルミニウム(富士フイルム和光純薬社製、TiBAL)の1.0mol/Lのトルエン溶液34.0mLを加え、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧処理を2時間行い、組成物[B−1]を得た。得られた組成物[B−1]を95℃に昇温し、エピクロロヒドリン(ECH)1000mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[B−1]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[B−1]の分子量は3010g/mol、不飽和度は0.005meq/g、Mw/Mnは1.46、末端[II]率は1mol%であった。
比較例2.
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、活性水素含有化合物として2個の水酸基を有する分子量400のポリプロピレングリコール(PPG)[三洋化成工業社製、(商品名)サンニックスPP400;水酸基価280mgKOH/g]269.0g、及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体[富士フイルム和光純薬社製]3.59gを加えた。フラスコ内を窒素雰囲気とした後、内温を100℃とし、0.5kPaの減圧下で2時間脱水処理を行い、組成物[B−2]を得た。得られた組成物[B−2]を95℃に昇温し、エピクロロヒドリン(ECH)840mLを間欠的に4時間かけて供給した。エピクロロヒドリン供給後、内温85〜90℃の範囲で2時間エージングを行った後、95℃、0.5kPaの減圧下で残留エピクロロヒドリンの除去をおこなった。次いで、エチレンオキシド(EO)140gを反応圧力0.25MPa以下を保つように間欠的に供給しながら、反応させた反応終了後、0.5kPaの減圧下で残留エチレンオキシドの除去をおこない、淡黄色のハロゲン含有ポリエーテルポリオール[B−2]を得た。得られたハロゲン含有ポリエーテルポリオール[B−2]の分子量は2200g/mol、不飽和度は0.08meq/g、Mw/Mnは2.46、末端[II]率は53mol%であった。
上記比較例1.2の結果を表2に併せて示す。
Figure 2021172817

<ポリオールプレミックスの調整>
(1)原料
<<市販のPPG>>
いずれの実施例、比較例においても、三洋化成社製のサンニックスGP−3000を使用した。
<発泡剤>
いずれの実施例、比較例においても、発泡剤として、イオン交換水を使用した。
<整泡剤>
いずれの実施例、比較例においても、シリコーン系整泡剤として、東レ・ダウコーニング社製のSZ−1327を使用した。
<触媒>
いずれの実施例、比較例においても、触媒としてトリエチレンジアミンをジプロピレングリコールに33重量% の濃度で溶かした溶液(東ソー社製、TEDA−L33)とオクチル酸錫(日本化学産業社製、ニッカオクチックス錫)を使用した。
<イソシアネート化合物>
いずれの実施例、比較例においても、2,4/2,6異性体の混合比率が80/20のトリレンジイソシアネート(東ソー社製、コロネートT−80)を使用した。
表3に示す配合比で、ハロゲン含有ポリエーテルポリオールと水を混合し、さらに、その混合物に、触媒、整泡剤を混合し、それらの混合物を小型の高速撹拌機(プライミクス社製PRIMIX)を用いて毎分2000回転で20分間撹拌混合し、イソシアネート化合物を除く撹拌混合物(以下、プレミックスと記す)を得た。
Figure 2021172817
<ポリウレタンフォームの作製>
上記のように調整したプレミックス1〜9を、イソシアネート基の全量(NCO基)と水に含まれる水酸基(OH基)を含めて当該NCO基と反応しうるイソシアネート基反応性基(NCO反応性基)の比率、すなわちNCO/NCO反応性基=1.0となるように所定量のイソシアネート化合物を加え、小型の高速撹拌機(プライミクス社製PRIMIX)を用いて毎分4000回転で8秒間撹拌混合した後、250mm×250mm×250mmのアクリル水槽に直ちに注入し、ポリウレタンフォームを得た。
(ポリウレタンフォームの評価方法)
(1)発泡倍率
JIS Z−8804に記載の方法で測定したプレミックスの密度を、JIS Z−8807に記載の方法で測定したポリウレタンフォームの密度で除して求めた。
(2)硬化性
作製したポリウレタンフォームを23℃、50Rh%の恒温室で4時間静置させたのち、フォームカッターを用いてカットした断面を指で押した時の触感と、FT−IR()を用いて2250cm−1付近のNCO基由来のピーク減少量より転化率を算出し、硬化性を評価した。
A:べたつき無し且つ、NCO転化率が85%以上
B:べたつき無し且つNCO転化率が75%以上85%未満、又は強く押した場合にのみ若干のべたつき有り且つNCO転化率が75%以上
C:べたつき有り又は、NCO転化率が75%未満
(3)引張強度
作製したポリウレタンフォームを23℃、50Rh%の恒温室で24時間静置させたのち、JIS K―6400に準拠した手法で引張強度を測定した。
A:70kPa以上
B:50kPa以上、60kPa未満
C:50kPa未満
(4)圧縮硬度
作製したポリウレタンフォームを23℃、50Rh%の恒温室で24時間静置させたのち、JIS K―6400に準拠した手法で25%圧縮硬度を測定した。
A:70N/314cm以上
B:60N/314cm以上、70N/314cm未満
C:60N/314cm未満
(5)圧縮残留歪率
作製したポリウレタンフォームを23℃、50Rh%の恒温室で24時間静置させたのち、JIS K―6400に準拠したA法にて圧縮残留歪率を測定した。
A:10%未満
B:10%以上、20%未満
C:20%以上
(6)難燃性
作製したポリウレタンフォームを23℃、50Rh%の恒温室で24時間静置させたのち、200mm×10mm×10mmの試験片として水平に保持し、左端から38mm炎を15秒接炎しA標線(左端から38mmの位置)からの燃焼距離を測定。試験回数は10回とし、平均値をその試験片の燃焼距離とした。
A:51mm未満
B:51mm以上、127mm未満
C:127mm以上

実施例9.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス1を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が36倍で、硬化性、引張強度、圧縮硬度、圧縮残留歪率に優れるポリウレタンフォームだった。
実施例10.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス2を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が35倍で、硬化性、引張強度、圧縮硬度、圧縮残留歪率に優れていた。
実施例11.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス3を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が32倍で、硬化性、引張強度、圧縮硬度、圧縮残留歪率に優れていた。
実施例12.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス4を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が33倍で、硬化性、引張強度、圧縮硬度、圧縮残留歪率は良好だった。
実施例13.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス5を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が34倍で、硬化性、引張強度、圧縮硬度、圧縮残留歪率に優れていた。
実施例14.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス6を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が35倍で、硬化性、引張強度、圧縮硬度、圧縮残留歪率に優れていた。
実施例15.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス7を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が30倍で、硬化性に優れ、引張強度と圧縮硬度と圧縮残留歪率は良好だった。
実施例16.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス8を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が31倍で、硬化性に優れ、引張強度と圧縮硬度と圧縮残留歪率は良好だった。
上記実施例9〜16の結果を表4に併せて示す。
Figure 2021172817
比較例3.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス8を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が28倍で、硬化性、引張強度、圧縮硬度、圧縮残留歪率に劣るものだった。
比較例4.
上記ポリウレタンフォームの作製方法に従い、プレミックス9を用いてポリウレタンフォームを作製し、評価を行った。当該ポリウレタンフォームは、発泡倍率が33倍で、硬化性は良好だったが、引張強度、圧縮硬度、圧縮残留歪率に劣るものだった。
上記比較例3,4の結果を表5に併せて示す。
Figure 2021172817

Claims (7)

  1. 下記式(1)で示され、分子量が500以上10,000以下で、不飽和度が0.02meq/g以下でかつ、末端に下記構造単位[II]を持つ割合が2mol%以上99.5mol%以下であるハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
    Figure 2021172817
    (上記式(1)中、Qは下記構造単位[I]と下記構造単位[II]とを含む重合体成分を表し、mは2〜3の整数、Rは活性水素含有化合物残基を表す。)
    Figure 2021172817
    (式[I]中、Xはハロゲン原子を表す。)
    Figure 2021172817
    (上記構造単位[II]中、Aは水素原子又は炭素数が1〜10の炭化水素基を表す。)
  2. Qが下記構造単位[III]と下記構造単位[IV]とを含む重合体成分を表すことを特徴とする、上記式(1)で示される請求項1に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
    Figure 2021172817
    (上記構造単位[III]中、lは2以上100以下の整数を表す)
    Figure 2021172817
    (上記構造単位[IV]中、nは2以上100以下の整数を表す。)
  3. 上記構造単位[I]中、Xが塩素原子であり、上記構造単位[II]中、Aが水素、メチル基又はエチル基である請求項1又は2に記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
  4. 末端に構造単位[II]を持つ割合が50mol%以上99.5mol%以下である請求項1乃至3のいずれかに記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール。
  5. オニウム塩、ルイス酸及び活性水素含有化合物を含む組成物の存在下、アルキレンオキシドの開環重合を行うハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法において、前記活性水素含有化合物中の活性水素1モルに対する、前記オニウム塩の使用量が0.001〜0.1モルの範囲であり、前記ルイス酸の使用量が0.002〜0.2モルの範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオールの製造方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール残基を分子構造中に含有することを特徴とするポリウレタン。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載のハロゲン含有ポリエーテルポリオール残基を分子構造中に含有することを特徴とする、発泡倍率1.2倍以上100倍以下のポリウレタンフォーム。
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