JPH09216403A - 感熱画像記録装置および記録方法 - Google Patents
感熱画像記録装置および記録方法Info
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- JPH09216403A JPH09216403A JP8025035A JP2503596A JPH09216403A JP H09216403 A JPH09216403 A JP H09216403A JP 8025035 A JP8025035 A JP 8025035A JP 2503596 A JP2503596 A JP 2503596A JP H09216403 A JPH09216403 A JP H09216403A
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Abstract
速に形成することができる感熱画像記録装置および記録
方法を提供すること。 【解決手段】画像データに対応する記録画像をサーマル
ヘッドを用いて感熱記録フィルムに形成する感熱画像記
録装置に適用される感熱画像記録方法であって、1画面
の記録画像を所定数の画素を有する所定数の領域に分割
して、この分割された各領域毎に、前記各領域内の画像
データの代表値を算出し、前記各領域内の画像データの
代表値と所定数のサーミスタにより検出される温度初期
値とから前記各領域の温度予測値を算出し、前記各領域
の温度予測値から前記各領域に対する温度補正値を算出
し、前記各領域に対する温度補正値を補間して、前記1
画面の記録画像の各画素に対する温度補正値を算出し、
前記各画素の画像データを温度補正することにより、上
記課題を解決する。
Description
する記録画像をサーマルヘッドを用いて感熱記録材料
(以下、感熱材料とする)に形成する感熱画像記録装置
およびその記録方法に関するものであって、さらに詳し
くは、記録濃度にむらのない記録画像を高速に形成する
ことができる感熱画像記録装置およびその記録方法に関
するものである。
等を支持体として感熱記録層を形成してなる感熱材料を
用いた感熱画像記録が利用されている。また、感熱画像
記録は湿式の現像処理が不要であり、取り扱いが簡単で
ある等の利点を有することから、近年では、超音波診断
のような小型の画像記録のみならず、MRI診断やX線
診断等の大型かつ高画質な画像が要求される用途におい
て、医療診断のための画像記録への利用も検討されてい
る。
は、1ラインの画素数に相当する発熱抵抗体を一方向に
配列してなるグレーズを有するサーマルヘッドを用い、
グレーズを感熱材料の感熱記録層に若干押圧した状態
で、両者を発熱抵抗体の配列方向とほぼ直交する方向に
相対的に移動しつつ、グレーズの各発熱抵抗体を記録画
像に応じて加熱することにより、感熱材料の感熱記録層
を加熱して画像記録を行っている。
は、例えば各発熱抵抗体を記録画像の各画素の画像デー
タに対応する所定時間通電することによって行われてい
る。しかし、通電する前の各発熱抵抗体の温度は、前ラ
インまでの発熱履歴に応じて個々に異なるため、現ライ
ンにおいて同じ画像データを有する画素に対応する発熱
抵抗体に対して同一時間通電したとしても、加熱後の発
熱抵抗体の間で温度差が生じ、記録濃度むらを発生する
という問題点があった。
るためには、例えば各発熱抵抗体毎に、画像データと前
ラインまでの発熱履歴とに基づいて、画像データの発熱
温度を補正する、即ち、画像データの温度補正を行う必
要がある。これに対して、例えば特開昭59−9887
8号公報には、高速記録時においても、記録濃度の安定
した記録画像を出力することのできるサーマル記録装置
が開示されている。
クリボンを用いる熱転写記録装置であって、各発熱抵抗
体に蓄積される蓄積エネルギー量を記憶する記憶手段
と、この記憶手段の出力データおよび入力画像データか
ら各発熱抵抗体への通電エネルギーを演算する第1の演
算手段と、記憶手段の出力データおよび入力画像データ
から各発熱抵抗体への蓄積エネルギーを演算する第2の
演算手段と、第1の演算手段の出力に応じて各発熱抵抗
体への通電エネルギー量を制御する制御手段とを備える
ものである。
抗体への画像データと現在までの蓄熱量とから、即ち、
各発熱抵抗体への画像データと過去に逆登るほど小さく
なるように重み付けをされた過去の画像データとから、
今回の通電エネルギーを算出しているため、その演算結
果は各発熱抵抗体の温度変化がより正確に反映されてお
り、従来の方式に比べて記録濃度をより均一にでき、特
に高速記録時においてその効果は顕著であるとしてい
る。
いては、1画面の全体にわたって、1画素毎に、これに
対応する発熱抵抗体への通電エネルギーを算出している
ため、各画素に対応する発熱抵抗体への通電エネルギー
を算出するために非常に多くの時間を必要とする。従っ
て、1画面のサイズが増大したり、高画質化に対応する
ため、記録画素数が増大すると、高速な記録を行うこと
が困難になるという問題点があるし、あるいは高速な計
算能力を得るために装置構成が複雑化し、装置がコスト
高になるという問題点がある。
従来技術に基づく種々の問題点をかえりみて、装置構成
をコンパクトかつ低コストにしても、記録濃度にむらの
ない、高画質な記録画像を高速に形成することができる
感熱画像記録装置および記録方法を提供することにあ
る。
に、本発明は、画像データに対応する記録画像をサーマ
ルヘッドを用いて感熱記録材料に形成する感熱画像記録
装置であって、1画面の記録画像を所定数の画素を有す
る所定数の領域に分割して、この分割された各領域毎
に、前記各領域内の画像データの代表値を算出する手段
と、前記各領域内の画像データの代表値と所定数のサー
ミスタにより検出される温度初期値とから前記各領域の
温度予測値を算出する手段と、前記各領域の温度予測値
から前記各領域に対する温度補正値を算出する手段と、
前記各領域に対する温度補正値を補間して、前記1画面
の記録画像の各画素に対する温度補正値を算出し、前記
各画素の画像データを温度補正する手段とを備える画像
処理部を有することを特徴とする感熱画像記録装置を提
供するものである。
録画像をサーマルヘッドを用いて感熱記録材料に形成す
る感熱画像記録装置に適用される感熱画像記録方法であ
って、1画面の記録画像を所定数の画素を有する所定数
の領域に分割して、この分割された各領域毎に、前記各
領域内の画像データの代表値を算出し、前記各領域内の
画像データの代表値と所定数のサーミスタにより検出さ
れる温度初期値とから前記各領域の温度予測値を算出
し、前記各領域の温度予測値から前記各領域に対する温
度補正値を算出し、前記各領域に対する温度補正値を補
間して、前記1画面の記録画像の各画素に対する温度補
正値を算出し、前記各画素の画像データを温度補正する
ことを特徴とする感熱画像記録方法を提供するものであ
る。
値は、前記各領域内の所定の1画素に対応する画像デー
タ、前記各領域内の所定数の画素に対応する画像データ
の平均値、または、前記各領域内の全画素に対応する画
像データの平均値であるのが好ましい。
ーマルヘッドの所定位置にそれぞれ配置されており、い
ずれかのサーミスタが故障したときには、故障したサー
ミスタにより検出される温度初期値として、故障したサ
ーミスタの近傍のサーミスタにより検出される温度初期
値を代用する、あるいは、両側のサーミスタにより検出
される温度初期値を補間して代用するのが好ましい。さ
らに、前記各領域の温度予測値は、サーマルヘッドのC
Rの電気等価回路モデル(以下、CRモデルという)に
基づいて算出されるのが好ましい。
1画面の記録画像を所定数の画素を有する所定数の領域
に分割して、これらの各領域に対する温度補正値を算出
し、各領域の温度補正値を補間して、1画面の記録画像
の個々の画素に対する温度補正値を算出するよう構成し
たものである。従って、本発明の感熱画像記録装置およ
び記録方法によれば、記録濃度にむらのない記録画像を
得ることができることは勿論、高画質な記録画像を高速
に形成することができるという利点を有している。
施例に基づいて、本発明の感熱画像記録装置および記録
方法を詳細に説明する。
施例の概略図である。図示例の感熱画像記録装置10
(以下、記録装置10とする)は、例えばB4サイズ等
の所定のサイズのカットシートである感熱フィルム等の
感熱記録材料に感熱画像記録を行うものであって、感熱
フィルムAが収容されるマガジン24が装填される装填
部14、供給搬送部16、サーマルヘッド66によって
感熱フィルムAに感熱画像記録を行う記録部20および
排出部22等を有して構成される。
レフタレート(PET)フィルム等の透明フィルムを支
持体として、その一面に感熱記録層を形成してなるもの
である。通常、このような感熱フィルムAは、100枚
等の所定単位の束とされて袋体や帯等で包装されてい
る。図示例において感熱フィルムAは、所定単位の束の
まま感熱記録層を下面として記録装置10のマガジン2
4に収納され、一枚ずつマガジン24から取り出されて
感熱画像記録に供される。
28に形成された挿入口30、案内板32、案内ロール
34,34および停止部材36等を有している。マガジ
ン24は、開閉自在な蓋体26を有する筐体であって、
蓋体26側を先にして装填部14の挿入口30から記録
装置10の内部に挿入され、案内板32および案内ロー
ル34,34に案内されつつ、停止部材36に当接する
位置まで押し込まれて記録装置10の所定の位置に装填
される。
たマガジン24から感熱フィルムAを取り出して、記録
部20へ搬送するものであって、吸引によって感熱フィ
ルムAを吸着する吸盤40を用いる枚葉機構、搬送手段
42、搬送ガイド44および搬送ガイド44の出口に位
置する規制ローラ対52等を有する。
送ローラ46と同軸のプーリ47a、回転駆動源に接続
されるプーリ47b、テンションプーリ47c、これら
3つのプーリに張架されるエンドレスベルト48、搬送
ローラ46に押圧されるニップローラ50等を有して構
成される。
れると、図示していない開閉機構によって蓋体26が開
放され、吸盤40を用いた枚葉機構によって、マガジン
24から感熱フィルムAが一枚取り出され、感熱フィル
ムAの先端は搬送手段42の搬送ローラ46とニップロ
ーラ50との間に供給される。感熱フィルムAが搬送ロ
ーラ46とニップローラ50との間に挟持された時点で
吸盤40による吸引は開放され、供給された感熱フィル
ムAは搬送ガイド44に沿って搬送される。
ガジン24から完全に排出された時点で、前記開閉手段
によって蓋体26が閉塞される。搬送ガイド44によっ
て規定される搬送手段42から規制ローラ対52に至る
までの距離は、感熱フィルムAの搬送方向の長さより若
干短く設定されており、搬送手段42による搬送で感熱
フィルムAの先端が規制ローラ対52に至るが、規制ロ
ーラ対52は最初は停止されており、感熱フィルムAの
先端はここで停止する。
に至った時点で、サーマルヘッド66の温度が確認さ
れ、サーマルヘッド66の温度が所定温度であれば、規
制ローラ対52による感熱フィルムAの搬送が開始さ
れ、感熱フィルムAは記録部20に搬送される。
す。図示例の記録部20は、サーマルヘッド66、プラ
テンローラ60、ローラ対56、ガイド58、サーマル
ヘッド66を冷却する冷却ファン76(図1参照、図2
では省略)、ガイド62および搬送ローラ対63等を有
する。
例えば最大B4サイズまでの画像記録が可能な、約30
0dpiの記録(画素)密度の感熱画像記録を行うもの
であって、感熱フィルムAに1ライン分の感熱記録を行
う発熱抵抗体が一方向(図中紙面と垂直方向)に配列さ
れたグレーズ66aが形成されたセラミック基板66b
と、セラミック基板66bが固定されたヒートシンク6
6cとを有する。サーマルヘッド66は、支点68aを
中心に矢印a方向および逆方向に回動自在な支持部材6
8に支持されている。
所定位置に保持しつつ所定の画像記録速度で回転し、グ
レーズ66aの延在方向とほぼ直交する方向(図2中の
矢印b方向)に感熱フィルムAを搬送する。
材68は上方(矢印a方向と逆の方向)に回動されてお
り、サーマルヘッド66のグレーズ66aとプラテンロ
ーラ60とは接触していない。前述の規制ローラ対52
によって搬送が開始されると、次いで、感熱フィルムA
はローラ対56に挟持され、さらに、ガイド58によっ
て案内されつつ搬送される。
レーズ66aに対応する位置)に搬送されると、支持部
材68が矢印a方向に回動され、感熱フィルムAはサー
マルヘッド66のグレーズ66aとプラテンローラ60
とで挟持され、グレーズ66aが記録層に押圧された状
態となる。次いで、感熱フィルムAは、プラテンローラ
60によって所定位置に保持されつつ、プラテンローラ
60、規制ローラ対52および搬送ローラ対63等によ
って矢印b方向に搬送される。
ズ66aの各発熱抵抗体を加熱することにより、感熱フ
ィルムAに感熱画像記録が行われる。感熱画像記録が終
了した感熱フィルムAは、ガイド62に案内されつつ、
プラテンローラ60および搬送ローラ対63によって搬
送され、排出部22のトレイ72に排出される。トレイ
72は、ハウジング28に形成された排出口74を経て
記録装置10の外部に突出しており、画像が記録された
感熱フィルムAは、この排出口74を経て外部に排出さ
れて取り出される。
行われる感熱画像記録方法について説明する。図3は、
画像データの処理系を表す一実施例のブロック図であ
る。同図に示されるように、画像データは、画像処理部
80により、サーミスタ67a,67b,67c,67
d,67e、ヒートシンクの温度や外気温度を検出する
サーミスタ等(図示していない)に基づいて、温度補正
を含む各種の画像処理が施された後、画像メモリ82に
格納される。そして、記録制御部84により、画像メモ
リ82に格納された画像データに基づいて、サーマルヘ
ッド66のグレーズ66a上にある個々の発熱抵抗体の
発熱が制御される。
理工程を表す一実施例の工程ブロック図である。同図に
示されるように、画像処理部80においては、まず、サ
ーマルヘッド66による画像記録に先立って、1画面の
記録画像が所定数の画素を有する所定数の領域に分割さ
れ、この所定数に分割された各領域内の画像データを間
引いて、各領域内の画像データの代表値が算出される。
各領域内の画像データの間引き方法としては、例えば領
域内の所定の1画素に対応する画像データを代表値とす
る方法、領域内の所定数の画素に対応する画像データの
平均値を代表値とする方法、領域内の全画素に対応する
画像データの平均値を代表値とする方法等を用いること
ができる。
が横3072画素×縦4224画素を有するものである
場合、例えば横128画素×縦32画素を有する領域に
よって、1画面の記録画像を横25個×縦133個の各
領域にメッシュ状に分割する。なお、1画面の記録画像
の画素数や、各領域の画素数および個数は、特に限定さ
れるものではない。また、画面端部の領域においては、
図示例のように、横128画素×縦32画素を有してい
ない領域があってもよい。
に対応する画像データを代表値とする場合、各領域内の
画像データの代表値M(i,j)は、例えば下記算出式
によって算出される。 M(i,j)=D(i×128,j×32) ここで、iおよびjは、横方向および縦方向の領域数を
示す係数であって、iは0≦i≦24の整数、jは0≦
j≦132の整数である。また、Dは1画面の記録画像
の画素に対応する画像データであって、この場合にはD
(0,0)〜D(3071,4223)の範囲のもので
ある。
画素に対応する画像データの平均値を代表値とする場
合、各領域内の画像データDの代表値M(i,j)は、
例えば下記算出式によって算出される。 M(i,j)={D(i×128−32,j×32−
8)+D(i×128−32,j×32+8)+D(i
×128+32,j×32−8)+D(i×128+3
2,j×32+8)}/4
画素×縦32画素に対応する画像データの平均値を代表
値とする場合、各領域内の画像データDの代表値M
(i,j)は、例えば下記4点 D(i×128−64,j×32−16) D(i×128−64,j×32+15) D(i×128+63,j×32−16) D(i×128+63,j×32+15) に囲まれた領域の画像データDの平均値を算出すること
によって算出される。
場合にはD(0,0)〜D(3071,4223)の範
囲であるため、上記各算出式において、画像データDの
範囲がこの範囲外になるときには、例えば画像データD
=0として各領域の画像データDの代表値を算出する。
また、補正精度を向上させるためには、各領域の画像デ
ータDの代表値として、各領域内の全画素に対応する画
像データDの平均値を用いるのが最も好ましいことはい
うまでもないことである。
域内の画像データDの代表値M(i,j)と、例えばサ
ーマルヘッド66の所定位置に配置されているサーミス
タ67a,67b,67c,67d,67eや、ヒート
シンク66cの温度Th 、外気温度Ta を検出するサー
ミスタ(図示していない)等により検出される温度初期
値とから各領域の温度予測値Vg (i,j)が算出され
る。ここで、各領域の温度予測値の具体的な算出方法の
一実施例を示す前に、まず、本発明の感熱画像記録装置
に用いられるサーマルヘッドの基本的な構造について簡
単に説明する。
ドの一実施例の斜視図および横断面図である。図示例の
サーマルヘッド66は、グレーズ66aが形成されてい
るセラミックの基板であるセラミック基板66bと、こ
のセラミック基板66bのグレーズ66aが形成されて
いない方の面に積層配置されているアルミ等の金属板で
あるベース66eと、このベース66eの他方の面に積
層配置され、多数の放熱フィン66dを持つヒートシン
ク66cとを有している。
ヒートシンク66cの放熱フィン66dの所定位置に5
つの切欠66fが形成されており、この5つの切欠66
fの内部にはそれぞれサーマルヘッド66の温度を検出
するサーミスタ67a,67b,67c,67d,67
e(図3参照)が設置されている。また、発熱抵抗体は
グレーズ66aの先端部に形成されており、図7に示さ
れるように、この発熱抵抗体による発熱は、グレーズ6
6a、セラミック基板66b、ベース66eの順に伝搬
し、最終的にはヒートシンク66cの放熱フィン66d
によって空中に放熱される。
ーマルヘッド66は、基本的に以上のような構成を有し
ている。なお、サーマルヘッドの構成の一実施例を示し
たが、本発明の感熱画像記録装置は、このサーマルヘッ
ド66の構成に限定されるものではない。以下の説明に
おいては、このようなサーマルヘッド66の伝熱系の構
成を、例えば容量成分Cと抵抗成分RとからなるCRモ
デルによる電気系の等価回路に置換した場合の各領域の
温度予測値の算出方法について説明する。なお、以下に
示す等価回路は、伝熱系の単位時間当たりの発熱量、温
度、熱容量および熱抵抗を、それぞれ電気系の電流、電
圧、容量および抵抗に置き換えたものである。
のCRモデルの一実施例の等価回路図である。この等価
回路86は、発熱抵抗体における発熱量を一定発熱量、
即ち、一定電流Iを発生する定電流源88とし、外気温
度Ta を一定温度、即ち、一定電圧Va を発生する定電
圧源(乾電池)90として、グレーズ66a、ベース6
6eおよびヒートシンク66cにおける容量成分Cおよ
び抵抗成分Rを用いて、図7に示されるサーマルヘッド
66の1つの発熱抵抗体の横断面の構造をCRモデル化
したものである。
ズ66a、ベース66eおよびヒートシンク66cにお
ける容量成分はそれぞれCg ,Cb ,Ch とされてお
り、同様に、グレーズ−ベース間、ベース−ヒートシン
ク間およびヒートシンク−外気間の抵抗成分はそれぞれ
Rgb,Rbh,Rhaとされている。また、グレーズ66
a、ベース66e、ヒートシンク66cおよび外気にお
ける電圧は、それぞれVg,Vb ,Vh ,Va として表
されている。
熱は、所定時間の後に、グレーズ66a、ベース66
e、ヒートシンク66c、外気の順に伝搬される。これ
に対して、この等価回路86においては、定電流源88
によって発生される電流Iは、まず、グレーズ66aに
おける容量成分Cg とグレーズ−ベース間の抵抗成分R
gbによるCR時定数に相当する時間の後に、定電流源8
8からグレーズ66aを介してベース66eまで到達
し、以下同様にしてヒートシンク66c、外気へと到達
する。
8に示される等価回路86を用いて、図6に示されるサ
ーマルヘッド66の全体の構造をCRモデル化したもの
である。この等価回路92において、個々の発熱抵抗体
のグレーズ66a間の抵抗成分はRg とされ、以下同様
に、ベース66e間の抵抗成分はRb 、ヒートシンク6
6c間の抵抗成分はRh とされている。また、個々のグ
レーズ66a、ベース66eおよびヒートシンク66c
における電圧は、それぞれVg (i,j),V b (i,
j),Vh (i,j)として表されている。
ッドの等価回路92において、図5に示されるように、
1画面の記録画像が横25個×縦133個の領域に分割
された各領域の温度予測値Vg (i,j)を算出する方
法について説明する。
よびベース66eにおける電圧Vbの初期値として、各
サーミスタ67a,67b,67c,67d,67eに
より検出される温度初期値T1 ,T2 ,T3 ,T4 ,T
5 を設定し、ヒートシンク66cにおける電圧Vh の初
期値として、ヒートシンク66cの温度初期値Th を設
定する。なお、外気における電圧Va としては、外気温
度一定として常に外気温度Ta を設定する。グレーズ6
6aにおける電圧Vg 、ベース66eにおける電圧Vb
およびヒートシンク66cにおける電圧Vh の初期値な
らびに外気における電圧Va は、例えば下記算出式によ
って設定される。
よびベース66eにおける電圧Vbの初期値は、iの値
が上記以外の場合、各サーミスタ67a,67b,67
c,67d,67eの温度初期値T1 ,T2 ,T3 ,T
4 ,T5 を直線補間して算出し設定する。また、本実施
例のサーマルヘッド66のように、複数個のサーミスタ
を持っている場合、あるサーミスタが故障したときに
は、同様に、両側のサーミスタにより直線補間して、あ
るいは近傍のサーミスタの温度初期値を代用して設定す
ることも可能である。
j)を、例えば下記算出式によって算出する。 Vg (i,j+1)=Vg (i,j)+(kI+Vg1+
Vg2)/Cg Vg1={Vg (i+1,j)−2Vg (i,j)+Vg
(i−1,j)}/Rg Vg2={Vb (i,j)−Vg (i,j)}/Rgb
(Vb1+Vb2+Vb3)/Cb Vb1={Vb (i+1,j)−2Vb (i,j)+Vb
(i−1,j)}/Rb Vb2={Vg (i,j)−Vb (i,j)}/Rgb Vb3={Vh (i,j)−Vb (i,j)}/Rbh
(Vh1+Vh2+Vh3)/Ch Vh1={Vh (i+1,j)−2Vh (i,j)+Vh
(i−1,j)}/Rh Vh2={Vb (i,j)−Vh (i,j)}/Rbh Vh3={Va −Vh (i,j)}/Rha
数であり、iは0≦i≦24の整数、jは0≦j≦13
1の整数であって、i=0の場合にはi−1=0とし、
i=24の場合にはi+1=24とするものとする。ま
た、Iは定電流源によって発生される電流、即ち、各発
熱抵抗体の発熱(量)であって、具体的には各領域内の
画像データDの代表値M(i,j)を代入する。画像処
理部80において、温度予測値Vg (i,j)は例えば
このようにして算出される。
の温度予測値Vg (i,j)から各領域に対する温度補
正値K(i,j)が算出される。各領域に対する温度補
正値K(i,j)は、例えば下記算出式によって算出さ
れる。 K(i,j)=1−Km {Vg (i,j)−Vs } ここで、Km およびVs はともに比例定数であって、特
に、Km の値は例えば0.001〜0.03くらいの実
数である。
域に対する温度補正値K(i,j)が補間され、1画面
の記録画像の各画素に対する温度補正値Kp が算出され
る。例えば図10に示されるように、 Ka =K(i,j) Kb =K(i+1,j) Kc =K(i,j+1) Kd =K(i+1,j+1) とし、 Δca=(Kc −Ka )/32 Δdb=(Kd −Kb )/32 とすれば、Ka から(x,y)の地点に存在する画素に
対する温度補正値Kp は、例えば下記算出式によって算
出される。 Kp (i×128+x,j×32+y)=(Ka +Δd
b×y)+{(K b +Δdb×y)−(Ka +Δca×
y)}×x/128 従って、温度補正後の画像データD’は、下記算出式に
より算出される。 D’(i×128+x,j×32+y)=Kp (i×1
28+x,j×32+y)×D(i×128+x,j×
32+y)
は、1画面の記録画像の各画素に対する温度補正値Km
が算出され、この温度補正値Km によって温度補正され
た画像データが算出され、画像メモリ82に書き込まれ
る。この後、記録制御部84は、この温度補正された画
像データを用いてサーマルヘッド66のグレーズ66a
を構成する個々の発熱抵抗体の発熱を制御する。こうし
て、サーマルヘッド66による1画面の画像記録が行わ
れる。本発明の感熱画像記録装置および記録方法は、基
本的に以上のように構成され、以上のように作用する。
いては特に限定していないが、上記各画素に対する温度
補正値を算出するためには、ソフトウェアによる方法お
よびハードウェアによる方法のいずれの方法ともに適用
可能である。また、温度補正値を算出するために、CR
モデルを使用する実施例を挙げて説明したが、特にCR
モデルだけに限定されるものではない。さらに、CRモ
デルを使用する場合にも、実施例のようにグレーズ、ベ
ース、ヒートシンク別にCRモデル化することには限定
されず、使用するサーマルヘッドの構造に応じて、ある
いは所望の補正精度に応じて、適宜変更可能なことは勿
論のことである。
画像記録装置および記録方法においては、1画面の記録
画像を所定数の領域に分割し、これらの分割された各領
域毎に温度補正値を算出し、次いで、各領域の温度補正
値を補間して、各画素に対する温度補正値が算出され
る。このため、本発明の感熱画像記録装置および記録方
法によれば、各画素の温度補正値を高速に算出すること
ができるため、記録濃度にむらのない高画質な記録画像
を高速に得ることができることは勿論、さらに高画質と
なり、かつデータ量が膨大となる将来の記録画像に対し
ても即座に適応可能であり、低コストかつコンパクトな
記録装置を提供することができる。
である。
の概念図である。
系を表す一実施例のブロック図である。
系の画像処理部における処理工程を表す一実施例の工程
ブロック図である。
画素を有する所定数の領域に分割されている記録画像の
一実施例の概念図である。
一実施例の斜視図である。
一実施例の横断面図である。
横断面のCRの電気等価回路モデルの一実施例の等価回
路図である。
全体のCRの電気等価回路モデルの一実施例の部分等価
回路図である。
の温度補正値の算出方法を説明する一実施例の概念図で
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】画像データに対応する記録画像をサーマル
ヘッドを用いて感熱記録材料に形成する感熱画像記録装
置であって、 1画面の記録画像を所定数の画素を有する所定数の領域
に分割して、この分割された各領域毎に、前記各領域内
の画像データの代表値を算出する手段と、前記各領域内
の画像データの代表値と所定数のサーミスタにより検出
される温度初期値とから前記各領域の温度予測値を算出
する手段と、前記各領域の温度予測値から前記各領域に
対する温度補正値を算出する手段と、前記各領域に対す
る温度補正値を補間して、前記1画面の記録画像の各画
素に対する温度補正値を算出し、前記各画素の画像デー
タを温度補正する手段とを備える画像処理部を有するこ
とを特徴とする感熱画像記録装置。 - 【請求項2】前記各領域内の画像データの代表値は、前
記各領域内の所定の1画素に対応する画像データ、前記
各領域内の所定数の画素に対応する画像データの平均
値、または、前記各領域内の全画素に対応する画像デー
タの平均値である請求項1に記載の感熱画像記録装置。 - 【請求項3】前記所定数のサーミスタは、前記サーマル
ヘッドの所定位置にそれぞれ配置されており、いずれか
のサーミスタが故障したときには、故障したサーミスタ
により検出される温度初期値として、故障したサーミス
タの近傍のサーミスタにより検出される温度初期値を代
用する、あるいは、両側のサーミスタにより検出される
温度初期値を補間して代用する請求項1に記載の感熱画
像記録装置。 - 【請求項4】前記各領域の温度予測値は、サーマルヘッ
ドのCRの電気等価回路モデルに基づいて算出される請
求項1に記載の感熱画像記録装置。 - 【請求項5】画像データに対応する記録画像をサーマル
ヘッドを用いて感熱記録材料に形成する感熱画像記録装
置に適用される感熱画像記録方法であって、 1画面の記録画像を所定数の画素を有する所定数の領域
に分割して、この分割された各領域毎に、前記各領域内
の画像データの代表値を算出し、前記各領域内の画像デ
ータの代表値と所定数のサーミスタにより検出される温
度初期値とから前記各領域の温度予測値を算出し、前記
各領域の温度予測値から前記各領域に対する温度補正値
を算出し、前記各領域に対する温度補正値を補間して、
前記1画面の記録画像の各画素に対する温度補正値を算
出し、前記各画素の画像データを温度補正することを特
徴とする感熱画像記録方法。 - 【請求項6】前記各領域内の画像データの代表値は、前
記各領域内の所定の1画素に対応する画像データ、前記
各領域内の所定数の画素に対応する画像データの平均
値、または、前記各領域内の全画素に対応する画像デー
タの平均値である請求項5に記載の感熱画像記録方法。 - 【請求項7】前記所定数のサーミスタは、前記サーマル
ヘッドの所定位置にそれぞれ配置されており、いずれか
のサーミスタが故障したときには、故障したサーミスタ
により検出される温度初期値として、故障したサーミス
タの近傍のサーミスタにより検出される温度初期値を代
用する、あるいは、両側のサーミスタにより検出される
温度初期値を補間して代用する請求項5に記載の感熱画
像記録方法。 - 【請求項8】前記各領域の温度予測値は、サーマルヘッ
ドのCRの電気等価回路モデルに基づいて算出される請
求項5に記載の感熱画像記録方法。
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