JP3562842B2 - サーマルプリント方法及びプリンタ - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はサーマルプリント方法及びプリンタに関し、特にサーマルヘッドの温度と環境温度とを検出してサーマルヘッドの温度変動を管理するサーマルプリント方法及びプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サーマルプリンタでは、サーマルヘッドの温度を検出して、この検出信号に基づきサーマルヘッドに印加される電圧を制御して、温度変動を抑えるようにしている。例えば、特開昭60−240271号公報に示されるように、サーマルヘッドの温度が高くなるとサーマルヘッドの駆動電圧を低くし、逆に温度が低くなるとサーマルヘッドの駆動電圧を高くする。これによって、サーマルヘッドの温度が変化してもヘッドの印加電圧が変わることで熱エネルギ変動が抑えられ、所定の階調に応じた発熱温度が得られるようになる。
【0003】
また、サーマルヘッドに印加される熱エネルギーは、インクリボン,記録紙及びプラテンドラム等に拡散されるため、サーマルヘッドの温度が同じであっても、環境温度の変化によってインクリボンや記録紙に加えられる熱エネルギが変動し、印画濃度が変化してしまうという問題がある。このため、例えば特開平2−162060号公報に示されるように、サーマルヘッドの温度を検出するための第1温度検出手段の他に、環境温度を検出する第2温度検出手段を設けて、環境温度変化分も加味した制御を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示すように、サーマルヘッド2には、抵抗層3及び電極4,5からなる発熱素子6を駆動して一定の熱量を与えても、グレーズ7の温度によって発熱素子6の温度が変動し、一定の濃度が得られないという性質がある。また、サーマルヘッド2の温度を検出するためのサーミスタからなるヘッド温度検出器8は、サーマルヘッド2の製造上の問題から一般的にグレーズ7と接触するように配置することは困難であり、間にセラミック板9やアルミニウム板10などからなる基板11が介在している。このため、ヘッド温度検出器8によってグレーズ7の温度を直接的に検出することができないという問題がある。なお、基板11には放熱板13が取り付けられている。
【0005】
したがって、従来のものは、サーマルヘッド2のヘッド温度検出器8の出力をグレーズ7の温度データであるかのように扱い、その長周期の温度変動を打ち消すように、サーマルヘッド2の駆動電圧を制御して、サーマルヘッド2に印加される熱量を制御し、所定の画像データにより所定の濃度を得るようにしていた。しかしながら、このような制御方法では、グレーズ7の温度によって熱量を制御したことにはならないため、目標とする濃度が得られないという問題がある。なお、長周期とは、同じ画像を複数枚印画したときの1枚目とN枚目との期間や、1枚内での印画開始から印画終了までの期間等を周期とするものをいい、これら長周期の温度変動によって1枚目とN枚目との間や、1枚内においても、濃度変動が発生する。
【0006】
更に、印画する絵柄によってサーマルヘッドへの印加熱エネルギーが大きく変化し、これはグレーズの温度変動となって現れる。このため、絵柄に基づく温度変動によって印画濃度が変化してしまうという問題もある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するものであり、サーマルヘッドのグレーズの温度を正確に推測してこれに基づき温度制御を行って印画品質を向上させるようにするとともに、絵柄による温度変動を抑えるようにしたサーマルプリント方法及びプリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載したサーマルプリント方法は、放熱板と、この放熱板に取り付けられる基板と、この基板に形成したグレーズと、このグレーズにライン状に設けた発熱素子とを有するサーマルヘッドを用いて、前記各発熱素子を画像データに基づき駆動して画像を記録材料に記録するサーマルプリント方法において、前記画像データに基づき時間当たりの熱量データQ0を求め、この時間当たりの熱量データQ0から下記式により、絵柄による温度変動分ΔQを求め、
ΔQ={(S・rAL・CAL)/(1+S・rAL・CAL)}・Q0
前記基板の温度をヘッド温度検出器により検出し、このヘッド温度検出器からのヘッド温度に基づきグレーズ温度を推定し、前記温度変動分ΔQと、前記推定したグレーズ温度の変動分とを抑えるようにサーマルヘッドを駆動制御することを特徴とする。ただし、rAL:基板からヘッド温度検出器までの熱抵抗〔℃/kcal/min 〕、CAL:基板からヘッド温度検出器までの熱容量〔kcal/℃〕である。
【0009】
前記時間当たりの熱量データQ0は、各ラインの記録に際し、前のラインの画像データに基づく総熱量、総熱量を記録素子の個数で除した平均値、一定以上の濃度となる画像データで駆動された発熱素子の個数のいずれかを用いることが好ましい。また、前記サーマルヘッドが取り付けられる環境温度を環境温度検出器により検出し、前記ヘッド温度検出器と環境温度検出器とによる検出温度に基づきグレーズ温度を下記式により推定することが好ましい。
={(r AL +r +r )・(T AL −T )/(r +r )}+T
ただし、T :グレーズの温度〔℃〕、r :放熱板の熱抵抗〔℃/ kcal min 〕、r :大気の熱抵抗〔℃/ kcal min 〕、T AL :ヘッド温度検出器付近の温度〔℃〕、T :環境温度検出器付近の温度〔℃〕である。
【0010】
請求項3に記載したサーマルプリンタは、放熱板と、この放熱板に取り付けられる基板と、この基板に形成したグレーズと、このグレーズにライン状に設けた発熱素子とを有するサーマルヘッドを用いて、前記各発熱素子を画像データに基づき駆動して画像を記録材料に記録するサーマルプリンタにおいて、前記画像データに基づき時間当たりの熱量データQ0を求め、この時間当たりの熱量データQ0から下記式により、絵柄による温度変動分ΔQを求める手段と、
ΔQ={(S・rAL・CAL)/(1+S・rAL・CAL)}・Q0
前記基板の温度を検出するヘッド温度検出器と、このヘッド温度検出器からのヘッド温度に基づきグレーズ温度を推定する手段と、前記温度変動分ΔQと、前記推定したグレーズ温度の変動分とを抑えるようにサーマルヘッドを駆動制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。ただし、rAL:基板からヘッド温度検出器までの熱抵抗〔℃/kcal/min 〕、CAL:基板からヘッド温度検出器までの熱容量〔kcal/℃〕である。
【0011】
【作用】
各ラインを記録する際のサーマルヘッドのライン記録時の温度変動が画像データから求められる。この温度変動を抑えるようにサーマルヘッドの発熱量が制御される。更に、基板から第1温度検出手段までの熱抵抗と大気の熱抵抗との関係から、第1温度検出手段及び第2温度検出手段の温度信号に基づき定常的なグレーズ温度が推測される。この推測したグレーズ温度に基づきその長周期的な温度変動が抑えられるように、サーマルヘッドの発熱量が制御される。
【0012】
【実施例】
本発明を実施したモノクロの感熱プリンタの概略を示す図3において、プラテンドラム20は、パルスモータ21で駆動される回転軸22に取り付けられており、プリント時に矢線方向に回転する。このプラテンドラム20の外周には感熱記録材料23が巻き付けられ、その先端部がクランパ24で固定されている。クランパ24はカム機構25より開閉制御されるようになっている。これらプラテンドラム20,パルスモータ21,クランパ24,カム機構25,及び図示しない搬送ローラ対により記録材料搬送部26が構成される。また、プラテンドラム20の外周にはサーマルヘッド2が配置されている。更に、筐体29内には、筐体29内の環境温度を検出するための環境温度検出器36が配置されている。なお、カラー記録を行う場合には、更にマゼンタ定着用紫外線ランプ,イエロー定着用紫外線ランプが、プラテンドラム20の外周に順に配置される。
【0013】
図3に示すように、サーマルヘッド2の下面には発熱素子アレイ27が設けられている。この発熱素子アレイ27には、多数の発熱素子6(図8参照)が主走査方向にライン状に形成されている。各発熱素子は抵抗素子から構成されており、この発熱素子は、1画素を熱記録する際に、発色の直前まで加熱するバイアス熱エネルギと、発色濃度に応じた階調表現熱エネルギとを感熱記録材料23に与える。
【0014】
図1は感熱プリンタの電気回路を示すものである。ビデオカメラ,ビデオデッキ,テレビゲーム機等からの画像信号は画像入力部30を介して画像処理部31に入力される。画像処理部31はA/D変換や階調補正を行った後に、フレームメモリ32に1フレーム分の画像データを書き込む。
【0015】
システムコントローラ33はマイクロコンピュータから構成されており、記録材料搬送部26やプリント部28をシーケンス制御して、画像データに基づき感熱記録材料23にモノクロの中間調画像を記録してハードコピィを作成する。
【0016】
図2は、図8のサーマルヘッド2の自動制御系における等価回路を示している。
図2において、
Te :発熱素子6の表面温度〔℃〕
Tg :グレーズ7の温度〔℃〕
TAL:ヘッド温度検出器(第1温度検出手段)8付近の温度(基板11の温度)〔℃〕
Ta :環境温度検出器(第2温度検出手段)36(図1参照)付近の温度(環境温度)〔℃〕
rg :グレーズ7の熱抵抗〔℃/kcal/min 〕
rAL:セラミック板9からアルミニウム板10を介しヘッド温度検出器8までの熱抵抗〔℃/kcal/min 〕
rF :放熱板13の熱抵抗〔℃/kcal/min 〕
ra :大気の熱抵抗〔℃/kcal/min 〕
Cg :グレーズ7の熱容量〔kcal/℃〕
CAL:セラミック板9からアルミニウム板10を介しヘッド温度検出器8までの熱容量〔kcal/℃〕
Ea :筐体内の大気による熱源であり、温度Taを持っている〔℃〕
【0017】
ここで、アルミニウム板10に比べてグレーズ7は微小であり、rg ・Cg <<rAL・CALとみなせるから、グレーズ7の温度Tg は次式により求めることができる。
【数1】
Tg ={(rAL+rF +ra )・(TAL−Ta )/(rF +ra )}+Ta
【0018】
グレーズ7の温度Tg は蓄熱すなわちサーマルヘッド2の駆動状態によって変わり、このグレーズ温度Tg は数式1によってヘッド温度検出器8,環境温度検出器36の検出温度から推測することができる。したがって、この推測したグレーズ温度Tg を一定にするように、グレーズ温度Tg の変動をサーマルヘッド2の駆動電圧の中心電圧指令値に加えることで、サーマルヘッド2の長周期の温度変動が抑えられる。これにより長周期の温度変動が濃度変化となって印画に現れないようにすることができる。なお、サーマルヘッド2の基板11の構成が変わることにより、それに対応してグレース温度Tg を求める数式も変形される。
【0019】
図4は、サーマルヘッド2の駆動電圧を自動制御する系のブロック図である。システムコントローラ33は各温度検出器8,36からの温度検出信号TAL,Taに基づき、前記数式1によりグレーズ温度Tg の長周期的な変動を検出し、この変動を無くすように、中心電圧指令値に対する補正電圧値を求める。
【0020】
また、時間当たりの熱量データQ0 を画像データから求め、この時間当たりの熱量データQ0 から数式2により絵柄による温度変動分を補正する補正電圧値を求める。ヘッド温度検出器8の温度変動に現れるような熱量Qの変動ΔQは、アルミニウム板10に比べてグレーズ7は微小であり、rg ・Cg <<rAL1 ・CAL1 とみなせるから、伝達関数表示すると以下のようになる。この数式2により、温度検出器に現れない中周期の熱エネルギ変動を1ライン分の総熱エネルギ変動から推測することができる。
【0021】
【数2】
ΔQ={(S・rAL・CAL)/(1+S・rAL・CAL)}・Q0
【0022】
時間当たりの熱量データQ0 は、各ラインの記録に際し、前のラインの画像データG(iは1〜n(nはサーマルヘッドの発熱素子の総数))から数式3により求める。
【0023】
【数3】
Q0 =ΣG
なお、熱量データQ0 は数式3のような1ライン分記録時の総熱量の他に、数式3をnで除して求めた平均値を用いてもよい。更には、ある程度以上の濃度となる画像データで駆動される発熱素子の個数を用いてもよい。
【0024】
以上のようにして求めたこれら長周期的な温度変動を抑えるための電圧補正値と、絵柄によって現れる中周期的な温度変動を抑えるための電圧補正値とを、中心電圧指令値に加算することにより、サーマルヘッドの駆動電圧指令値を求める。得られた駆動電圧指令値はアンプ40で増幅されて駆動電圧制御部37に送られる。なお、駆動電圧指令値の算出や増幅はシステムコントローラ33によって行われる。具体的には、システムコントローラ33は、各温度検出器8,36からの温度検出信号TAL,TaをA/D変換器41でデジタル化した後に、CPU42で数式1及び数式2の演算処理を行い駆動電圧指令値を算出する。この後、駆動電圧指令値をD/A変換器43でアナログ化して、駆動電圧制御部37に送る。補正電圧値は数式1又は2に基づきその都度算出する他に、各温度信号の変化に応じて予め補正電圧値を算出しておき、これをルックアップテーブルデータとして記憶してもよく、この場合にはその都度演算を行う必要がなく迅速に補正電圧値を求めることができる。
【0025】
駆動電圧指令値信号は駆動電圧制御部37の電圧可変回路45に送られる。電圧可変回路45は駆動電圧指令値信号に基づきヘッド電源回路46の発熱素子駆動電圧を変える。これにより、サーマルヘッド2の長周期的な温度変動が抑えられ、これに起因する印画上での濃度変動が少なくなる。すなわち、発熱素子6の表面温度とグレーズ7の温度とはほぼ同じであり、このグレーズ温度Tg に基づき発熱素子6の駆動電圧を制御することにより、各発熱素子6の長周期的な温度変動を抑えることができる。これにより、同じ画像を複数枚印画する場合の1枚目とN枚目との濃度変動やシェーディングの発生が抑えられる。
【0026】
図5に示すように、プリントコントローラ50はラインメモリ50aを備えており、ラインメモリ50aに書き込まれた1ライン分の画像データを順に読み出して、これら画像データと比較データとをその都度比較してシリアルな階調駆動データを発生させる。この駆動データは記録する場合に「H」となり、記録しない場合に「L」となる。また、この階調駆動データを作成する前に、1ライン分のバイアスデータと比較データとを比較してこの比較データに基づきシリアルなバイアス駆動データを発生させる。このようなシリアルな駆動データはサーマルヘッド駆動部38に送られる。なお、比較データとの比較によりバイアス及び階調駆動データを発生させる方法及び装置については、特願平5−147591号,同5−147593号等に詳しく説明されている。
【0027】
サーマルヘッド駆動部38は、シリアルな駆動データをクロック信号に基づきシフトレジスタ52でシフトしてパラレル信号に変換する。シフトレジスタ52でパラレルに変換された駆動データはラッチ信号に同期してラッチアレイ53にラッチされる。ANDゲートアレイ54は、プリントコントローラ50内のストローブ信号発生回路51からストローブ信号が入力されている期間内に、駆動データが「H」の場合に「H」の信号を出力する。ANDゲートアレイ54の各出力端子には、トランジスタ55 〜55が接続されている。これらのトランジスタ55 〜55はANDゲートアレイ54の出力が「H」の場合にONとなる。トランジスタ55 〜55には、各発熱素子6 〜6が接続されており、これにより画像データに対応する濃度となるように各発熱素子6 〜6が駆動される。この後、図3に示すように、記録材料搬送部26により、プラテンドラム20を所定量だけ間欠回転して感熱記録材料23を1ライン分送り、以下同様にしてプリント部28及び記録材料搬送部26により次々と各ラインが熱記録される。
【0028】
次に、本実施例の感熱プリンタの作用を説明する。図3に示すように、給紙時には、プラテンドラム20はクランパ24がほぼ垂直となった状態のホームポジションで停止している。また、クランパ24が開いた状態にされている。この状態で感熱記録材料23がプラテンドラム20に送られ、その先端がクランパ24を通過するとクランパ24が閉じられ、この後プラテンドラム20が回転を開始する。これにより、プラテンドラム20の外周に感熱記録材料23が巻き付けられる。
【0029】
システムコントローラ33は感熱記録材料23の記録開始位置にサーマルヘッド2の各発熱素子6が位置すると熱記録を開始する。先ず、プリントコントローラ50はラインメモリ50aの画像データに基づき各発熱素子6 〜6の駆動データを発生させ、これをサーマルヘッド駆動部38に送る。サーマルヘッド駆動部38は、この駆動データに基づき各発熱素子6 〜6を駆動する。なお、階調表現加熱の前に、発色直前の温度になるようにバイアス加熱が行われる。これにより、画像データに対応する濃度で1ライン分の画像が感熱記録される。以下、同様にして、次々と各ラインの画像が記録される。感熱記録が終了すると、プラテンドラム20が逆転する。このプラテンドラム20の逆転により、感熱記録材料23の後端が図示しない分離爪によって給排紙通路に案内され、感熱記録済みの記録材料は排紙トレイに排出される。
【0030】
各ラインの画像記録によりサーマルヘッド2のグレーズ温度Tg が変動すると、これが各温度検出器8,36からの出力信号に基づき検出され、これに基づきサーマルヘッド2の駆動電圧指令値が求められ、これによって駆動電圧制御部37の電圧可変回路45は発熱素子6への駆動電圧を変更する。これによって、長周期的な温度変動を抑えるように発熱素子6の駆動電圧が制御されるため、複数枚の印画を行う場合の各枚毎の濃度変動や、1枚内のゆるやかな濃度変動を抑えることができる。
【0031】
また、前のライン記録時に用いた画像データから時間当たりの熱量Q0 が求められ、これに基づき数式2により絵柄によるサーマルヘッドの温度変動を抑える駆動電圧指令値が求められ、これによって駆動電圧制御部37の電圧可変回路45は発熱素子6への駆動電圧を変更する。これによって、絵柄による中周期的な温度変動を抑えるように発熱素子6の駆動電圧が制御されるため、各ライン毎の濃度変動が抑えられ、尾引き等の発生を少なくすることができる。
【0032】
次に、発熱素子6の駆動電圧を変更する代わりに、グレーズ温度Tg の長周期及び中周期的な変動を抑えるように、画像データに基づく階調表現駆動パルスの個数を変更する実施例について説明する。この場合には、図6に示すように、画像データから求められた階調表現駆動パルスの個数に対し、各温度検出器から得られた温度信号に基づき階調表現駆動パルスの補正パルス数を算出し、これを画像データから得られた階調表現駆動パルスの個数に加算して、実際のパルス総数を算出し、これに基づき階調表現記録する。なお、補正パルス数は数式1,数式2に基づきその都度算出する他に、各温度信号の変化に応じて予め補正パルス数を算出しておき、これをルックアップテーブルデータとして記憶してもよい。
【0033】
また、階調表現駆動パルスの個数を変更することにより温度変動を抑える代わりに、階調表現駆動パルスの幅を変えることにより温度変動を抑えるようにしてもよい。この場合には、図5に示すストローブ信号発生回路51によりストローブ信号の幅を変えて行う。
【0034】
また、階調表現駆動パルスの個数や幅を変える他に、図7に示すように、バイアスパルスの個数を変えることで、サーマルヘッドの長周期及び中周期的な温度変動を抑えるようにしてもよい。また、1個のバイアスパルスを用いる場合にはその幅を変更してもよい。更に、多数のバイアスパルスを用いる場合にそのストローブ信号を温度変動に応じて変化させることにより、各バイアスパルスの幅を変更してもよい。
【0035】
上記温度変動はサーマルヘッド単位で求めたが、中周期的な温度変動を抑える場合に、各発熱素子単位で絵柄による温度変動を求め、この温度変動を抑えるように、各発熱素子毎に画像データ補正量を求め、これに基づき各発熱素子毎に温度変動を抑えるようにしてもよい。また、上記実施例では、前のライン記録時の画像データを用いたが、これに限定されることなく、前回及び前々回のラインの記録時の画像データも併せて用いてもよい。この場合には直前の画像データに比べてその前の画像データの重み付けを軽くすることが好ましく、これにより中周期的な温度変動をより一層精度良く抑えることができる。
【0036】
上記実施例では、モノクロタイプの感熱プリンタに本発明を実施したものであるが、この他にカラー感熱プリンタや、他の昇華型や溶融型の熱転写プリンタに実施してもよい。カラー感熱プリンタの場合には、周知のように、例えばイエロー画像を熱記録した後にこれを光定着させ、次にマゼンタ画像を熱記録した後にこれを光定着させ、最後にシアン画像を熱記録する。この場合には、各色の記録時のサーマルヘッドの温度変動が抑えられるため、色むらの発生を抑えることができる。また、ラインプリンタに限定されることなくシリアルプリンタに本発明を実施してもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、各ラインを記録する際のサーマルヘッドのライン記録時の温度変動を画像データから求め、この温度変動を抑えるようにサーマルヘッドの発熱量を制御したから、絵柄によるサーマルヘッドの中周期的な温度変動を抑えることができる。したがって、各ライン記録時の画像データの影響が次のラインの記録時に現れることのないようにすることができ、尾引き等の発生を抑えることができる。
【0038】
また、サーマルヘッドを、基板と、基板に形成したグレーズと、グレーズに形成した発熱素子と、基板に取り付けた前記第1の温度検出手段とから構成し、基板から第1温度検出手段までの熱抵抗と大気の熱抵抗との関係から、第1温度検出手段及び第2温度検出手段の温度信号に基づきグレーズ温度を推測したから、サーマルヘッド周辺の温度に関係なく、サーマルヘッドの発熱素子の表面温度と近似値であるグレーズ温度をほぼ正確に把握することができる。したがって、画像データに忠実な発熱制御を行うことができ、印画品質を向上することができる。すなわち、サーマルヘッドの構造上、サーミスタ等の温度検出手段をグレーズに直接に取り付けることができないため、従来は、アルミニウム板等の基板の温度をサーマルヘッドの発熱素子の表面温度として用いていた。このため、グレーズの温度によって発熱素子の発熱量を制御したことにならず、目標とする濃度が得られなかったが、これを解消することができる。
【0039】
また、推測したグレーズ温度の長周期的な変動を抑えるようにサーマルヘッドの発熱量を制御したから、同じ画像を複数枚印画する場合の各プリント間の濃度変動が抑えられるとともに、1枚のプリント内における印画開始端と印画終了端との間の濃度変動(シェーディング)が抑えられ、印画品質を向上することができる。
【0040】
また、基板から第1温度検出手段までの熱抵抗をrAL、放熱板の熱抵抗をrF 、大気の熱抵抗をra 、第1温度検出手段付近の温度をTAL、第2温度検出手段付近の温度(環境温度)をTa としたときに、数式1により、グレーズ温度Tg を求めたから、精度よくグレーズの温度を推測することができる。
【0041】
また、基板から第1温度検出手段までの熱容量をCALとしたときに、数式2により絵柄による熱量変動分の補正量を求めたから、精度よく絵柄による濃度変動を抑えることができる。
【0042】
また、サーマルヘッドの発熱量の制御をヘッド駆動電圧を制御して行うから、簡単にグレーズ温度の変動を抑えることができるようになる。また、サーマルヘッドの発熱量の制御を、バイアスデータに基づくバイアスパルスや、画像データに基づく階調表現駆動パルスの幅又は個数を変更して行うから、発熱素子の温度制御をより一層きめ細かく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した感熱プリンタの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図2】同感熱プリンタのサーマルヘッドの自動制御系における等価回路を示す線図である。
【図3】同感熱プリンタの機械的構成を示す概略図である。
【図4】サーマルヘッドの駆動電圧を自動制御する系における特性を示すブロック図である。
【図5】サーマルヘッド駆動部を示すブロック図である。
【図6】画像データを修正して長周期及び中周期の温度変動を無くすようにした他の実施例における自動制御系の特性を示すブロック図である。
【図7】バイアスパルス数データを修正して長周期及び中周期の温度変動を無くすようにした他の実施例における自動制御系の特性を示すブロック図である。
【図8】サーマルヘッドの発熱素子を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
2 サーマルヘッド
6 発熱素子
7 グレーズ
8 ヘッド温度検出器
11 基板
20 プラテンドラム
23 感熱記録材料
27 発熱素子アレイ
29 筐体
36 環境温度検出器
37 駆動電圧制御部
38 サーマルヘッド駆動部

Claims (4)

  1. 放熱板と、この放熱板に取り付けられる基板と、この基板に形成したグレーズと、このグレーズにライン状に設けた発熱素子とを有するサーマルヘッドを用いて、前記各発熱素子を画像データに基づき駆動して画像を記録材料に記録するサーマルプリント方法において、
    前記画像データに基づき時間当たりの熱量データQ0を求め、
    この時間当たりの熱量データQ0から下記式により、絵柄による温度変動分ΔQを求め、
    ΔQ={(S・rAL・CAL)/(1+S・rAL・CAL)}・Q0
    前記基板の温度をヘッド温度検出器により検出し、このヘッド温度検出器からのヘッド温度に基づきグレーズ温度を推定し、
    前記温度変動分ΔQと、前記推定したグレーズ温度の変動分とを抑えるようにサーマルヘッドを駆動制御することを特徴とするサーマルプリント方法。
    ただし、rAL:基板からヘッド温度検出器までの熱抵抗〔℃/kcal/min 〕、CAL:基板からヘッド温度検出器までの熱容量〔kcal/℃〕である。
  2. 前記時間当たりの熱量データQ0は、各ラインの記録に際し、前のラインの画像データに基づく総熱量、総熱量を記録素子の個数で除した平均値、一定以上の濃度となる画像データで駆動された発熱素子の個数のいずれかを用いることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリント方法。
  3. 放熱板と、この放熱板に取り付けられる基板と、この基板に形成したグレーズと、このグレーズにライン状に設けた発熱素子とを有するサーマルヘッドを用いて、前記各発熱素子を画像データに基づき駆動して画像を記録材料に記録するサーマルプリンタにおいて、
    前記画像データに基づき時間当たりの熱量データQ0を求め、この時間当たりの熱量データQ0から下記式により、絵柄による温度変動分ΔQを求める手段と、
    ΔQ={(S・rAL・CAL)/(1+S・rAL・CAL)}・Q0
    前記基板の温度を検出するヘッド温度検出器と、
    このヘッド温度検出器からのヘッド温度に基づきグレーズ温度を推定する手段と、
    前記温度変動分ΔQと、前記推定したグレーズ温度の変動分とを抑えるようにサーマルヘッドを駆動制御する制御手段とを備えたことを特徴とするサーマルプリンタ。
    ただし、rAL:基板からヘッド温度検出器までの熱抵抗〔℃/kcal/min 〕、CAL:基板からヘッド温度検出器までの熱容量〔kcal/℃〕である。
  4. 各ラインの記録に際し、前のラインの画像データに基づく総熱量、総熱量を記録素子の個数で除した平均値、一定以上の濃度となる画像データで駆動された発熱素子の個数のいずれかを用いて、前記時間当たりの熱量データQ0を求めることを特徴とする請求項記載のサーマルプリンタ。
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