JP2003080756A - サーマルプリンタ - Google Patents

サーマルプリンタ

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JP2003080756A
JP2003080756A JP2001272447A JP2001272447A JP2003080756A JP 2003080756 A JP2003080756 A JP 2003080756A JP 2001272447 A JP2001272447 A JP 2001272447A JP 2001272447 A JP2001272447 A JP 2001272447A JP 2003080756 A JP2003080756 A JP 2003080756A
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head
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temperature
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JP2001272447A
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English (en)
Inventor
Hisashi Enomoto
寿 榎本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃度ムラの補正を合理的に行ことができるサ
ーマルプリンタを提供する。 【解決手段】 1色の画像を記録するのに先立って、サ
ーマルヘッド5のヘッド温度及ぶそれが配された環境の
環境温度が測定され、これらの温度に応じて発熱素子6
が発生する熱エネルギーの補正量ΔEpが算出される。
この補正量ΔEpを含む条件式を満たし、濃度ムラを補
正するために補正された通電時間で発熱素子を通電して
記録ができるようにした最も小さいライン記録周期Tが
決定される。記録時には、発熱素子6の通電時間はヘッ
ド温度及ぶ環境温度に応じた温度補正、及び蓄熱補正さ
れたものが用いられ、決定されたライン記録周期Tで1
ラインずつ記録が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドで
画像を記録するサーマルプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタには、インクフイルム
を使用する熱転写プリンタと、感熱記録紙を直接に加熱
して画像を発色記録する感熱プリンタとがある。例え
ば、カラー感熱プリンタでは、シアン感熱発色層,マゼ
ンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層が支持体上に順次
層設されたカラー感熱記録紙が用いられる。このカラー
感熱記録紙では、各感熱発色層を選択的に発色させるた
めに、各感熱発色層の発色熱エネルギー(mJ/m
2 )が異なっており、深層の感熱発色層ほど発色熱エ
ネルギーが大きくなっている。また、次の感熱発色層を
熱記録する際に、その上にある記録済みの感熱発色層が
再度発色しないように、上側2つの感熱発色層には光定
着性与えられている。さらに、各感熱発色層は、与えら
れる熱エネルギーが高くなるほど発色濃度が高くなる。
【0003】サーマルヘッドには、多数の発熱素子(抵
抗素子)がライン状に配列されており、1色の画像を1
ラインずつ記録する。この1ラインを記録する場合に
は、各発熱素子は階調レベルに応じて通電時間やパルス
の数が増減され、所定の感熱発色層が目標とする濃度に
発色されるように、発生する熱エネルギーが制御され
る。
【0004】ところで、サーマルヘッドの発熱素子が発
生する熱エネルギーを正確に制御しても、サーマルヘッ
ドのヘッド温度や、サーマルヘッドの周囲の環境温度に
起因して濃度ムラが発生する。この濃度ムラは、ヘッド
温度や環境温度が異なると、カラー感熱記録紙に与えら
れる熱エネルギーが違ったものになるために発生するも
のであり、画像全体の濃度が濃くなったり薄くなったり
して、本来の濃度で記録されないというものである。こ
のような問題を解決するために、サーマルヘッドのヘッ
ド温度と、サーマルヘッドの周囲の環境温度とを測定し
て、サーマルヘッドの各発熱素子に印加するヘッド電圧
を調節するものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘッド
電圧を変化させる場合には、ヘッド温度,環境温度が低
い場合にヘッド電圧を高くして、発熱素子が発生する単
位時間当たりの熱エネルギーを大きくする。したがっ
て、低温時には、サーマルヘッドに対して大きな電力
(エネルギー)を供給する必要があり、その分定格容量
の大きな電源回路を用いる必要があるが、電源回路の大
容量化はコストアップを招くという問題がある。
【0006】また、サーマルプリンタでは、画像の記録
を行うと、サーマルヘッドが発熱するため、ヘッド温
度,環境温度が上昇する。したがって、例えば1枚目、
2枚目のプリントでは大きな電力が必要となるが、それ
以降では大きな電力を必要としない。このように、あま
り生じ得ないケースの為に定格容量の大き電源回路をサ
ーマルプリンタに搭載することは合理的,効率的とはい
えない。さらには、ヘッド電圧を精度よく調節するのも
難しく、補正の精度にも限界がある
【0007】本発明は、上記問題を解決するためのもの
であり、低コストでヘッド温度と環境温度の違いに起因
した濃度ムラの発生を抑えた画像を記録できるサーマル
プリンタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、サーマルヘッドのヘッド
温度を測定するヘッド温度センサと、前記サーマルヘッ
ドが配された環境温度を測定する環境温度センサと、前
記ヘッド温度センサと前記環境温度センサとから得られ
るヘッド温度と環境温度とに基づいてライン記録周期を
決定する決定手段とを備え、この決定手段で決定された
ライン記録周期で1ラインずつ画像を記録するものであ
る。
【0009】請求項2記載の発明では、各発熱素子の通
電時間を増減することにより、1ラインの記録時に発熱
素子が発生する熱エネルギーを補正するものである。
【0010】請求項3記載の発明では、決定手段は、測
定して得られるヘッド温度と予め決められた基準ヘッド
温度とのヘッド温度差、及び測定して得られる環境温度
と予め決められた基準環境温度との環境温度差に基づい
てライン記録周期を決定するものである。
【0011】請求項4記載の発明では、各発熱素子の発
生する熱エネルギーについてのヘッド温度差及び環境温
度差に応じた補正量をΔEp,ライン記録周期をT,ラ
イン記録周期に応じて予め決められた効率係数をW,発
熱素子が発生すべき熱エネルギーの最大値をEmax とし
たときに、決定手段は、「Emax ・W≦P・T+ΔE
p」の条件式を満たす最も小さいライン記録周期Tを画
像記録に用いるものである。
【0012】請求項5記載の発明では、決定手段は、画
像の1面の記録毎にライン記録周期を決定し、1面の記
録中には同じライン記録周期とするものである。
【0013】請求項6記載の発明では、ライン記録周期
に応じた補正用係数を用いて濃度ムラの発生を防止する
ための処理を行うものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を実施したサーマルプリン
タの概略を図1に示す。カラー感熱記録紙2は、図示し
ない給紙用カセットから回動自在なプラテンローラ3に
向かって送られ、搬送路を往復動している間に、3色面
順次でカラー画像が発色記録される。カラー画像が記録
されたカラー感熱記録紙2は排紙口4から排紙される。
【0015】プラテンローラ3に対向して、サーマルヘ
ッド5が配されている。サーマルヘッド5の下部には、
主走査方向(カラー感熱記録紙2の搬送方向と直交する
方向)に多数の発熱素子6(図3参照)をライン状に配
列した発熱素子アレイ7が形成されている。サーマルヘ
ッド5は、軸8を中心にして、画像を記録するためにプ
ラテンローラ3上のカラー感熱記録紙2に圧接した圧接
位置と、カラー感熱記録紙2から離れた退避位置との間
で揺動する。
【0016】カラー感熱記録紙2は、周知のように支持
体上に、シアン感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,イエ
ロー感熱発色層,透明な保護層が順次層設されている。
感熱発色層は、記録する順番に層設されており、イエロ
ー感熱発色層は420nmの紫外線(近紫外線)が、マ
ゼンタ感熱発色層は365nmの紫外線が照射されるこ
とによって発色能力が消失する。
【0017】また、各感熱発色層は、深層になるほど発
色するために大きな発色熱エネルギーが必要であり、こ
のカラー感熱記録紙2では、イエロー感熱発色層の発色
熱エネルギーが最も低く、シアン感熱発色層の発色熱エ
ネルギーが最も高い。発色熱エネルギーは、感熱発色層
が発色する直前のバイアス熱エネルギーと、階調値すな
わち記録すべき画素の発色濃度に応じた階調熱エネルギ
ーとからなる。バイアス熱エネルギーは各感熱発色層毎
に一定の値であるが、階調熱エネルギーは発色濃度が高
いほど大きくなる。
【0018】サーマルヘッド5は、搬送路の上流(図中
左側)から下流に向けて搬送中のカラー感熱記録紙2に
加熱を行って、1色の画像を1ラインずつ記録し、カラ
ー感熱記録紙2の3回往復動によって3色面順次でカラ
ー画像を記録する。
【0019】カラー感熱記録紙2には、後述するように
決められるライン記録周期Tで1ラインずつ記録され、
1ラインの記録毎にカラー感熱記録紙2が1ライン分ず
つステップ送りされる。サーマルヘッド5が1ラインを
記録する際には、発熱素子6を発熱させて発色熱エネル
ギーを与える加熱工程と、加熱工程に続いて発熱素子6
を自然冷却する冷却工程とからなる。加熱工程は、カラ
ー感熱記録紙2がステップ送りされた直後に開始され、
冷却工程は、加熱工程が終了した時点より次のラインの
加熱工程が開始されるまでである。したがって、加熱工
程の時間と冷却工程の時間の和は、ライン記録周期の値
「T」に等しい。なお、ライン記録周期Tの逆数がプリ
ント速度である。
【0020】サーマルヘッド5には、それ自体の温度
(以下、ヘッド温度という)を測定するためのヘッド温
度センサ11が取り付けられている。また、サーマルヘ
ッド5の近傍には、サーマルヘッド5が配された環境温
度を測定するための環境温度センサ12が配置されてい
る。各温度センサ11,12から得られるヘッド温度,
環境温度は、これらの各温度に起因した濃度ムラの発生
を防止するための補正(以下、温度補正という)に用い
られる。
【0021】プラテンローラ3の下流には、搬送ローラ
対14が配されている。この搬送ローラ対14は、一方
がパルスモータ15で駆動されるキャプスタンローラ1
4aであり、他方がカラー感熱記録紙2の搬送に伴って
従動回転するピンチローラ14bである。ピンチローラ
14bは、キャプスタンローラ14aとの間にカラー感
熱記録紙2をニップしたニップ位置と、カラー感熱記録
紙2から離れたニップ解除位置との間で移動する。搬送
ローラ対14は、キャプスタンローラ14aがパルスモ
ータ15によって正逆両方向に回転されることにより、
ニップしたカラー感熱記録紙2を往復動させる。
【0022】パルスモータ15には、エンコーダ16が
連結されている。エンコーダ16は、パルスモータ16
の回転量を検出し、パルスモータ16がカラー感熱記録
紙2を1ライン分移動させる回転量だけ回転すると同期
信号を出力する。同期信号は、サーマルヘッド5の通電
タイミングの制御に用いられる。
【0023】このサーマルプリンタでは、ヘッド温度,
環境温度に起因した濃度ムラの発生を防止するために、
各発熱素子6の通電時間を増減する。このため、1ライ
ンを記録する周期、すなわちライン記録周期Tをヘッド
温度,環境温度に応じて決定している。パルスモータ1
5は、ヘッド温度,環境温度に応じたライン記録周期T
でカラー感熱記録紙2が1ライン分ずつステップ送りさ
れるように駆動される。
【0024】搬送ローラ対14の下流には、イエロー用
光定着器17とマゼンタ用光定着器18とが配されてい
る。イエロー用光定着器17は、発光ピークが420n
mのイエロー用紫外線を放出する紫外線ランプ17を備
えている。マゼンタ用光定着器18は、発光ピークが3
65nmのマゼンタ用紫外線を放出する紫外線ランプ1
8aを備えている。
【0025】図2に上記サーマルプリンタの電気的な構
成を示す。記録すべき画像は、デジタルカメラやスキャ
ナ等で取り込まれ、イエロー画像データ,マゼンタ画像
データ,シアン画像データとして画像メモリ21に書き
込まれる。プリント時には、画像メモリ21から記録す
べき色の画像データが1ライン分ずつ読み出されて、第
1変換回路22に送られる。
【0026】第1変換回路22は、入力される画像デー
タを、それに示される階調値に応じた発色熱エネルギー
を表す基本発熱データに変換する。画像データに示され
る階調値と発色熱エネルギーとの対応関係は、感熱記録
紙の発色特性に基づいて決まる。基本発熱データは、補
正演算部23に送られる。
【0027】補正演算部23は、濃度ムラを補正するた
めに、基本発熱データに対して詳細を後述するようにヘ
ッド温度,環境温度に基づいた温度補正と、ーマルヘッ
ド5の蓄熱状態に基づいた蓄熱補正とを行い、補正され
た補正発熱データを出力する。補正発熱データは、第2
変換回路24に送られる。
【0028】第2変換回路24は、補正発熱データを、
それに表される熱エネルギーを発熱素子6が発生するの
に必要な通電時間を表す通電時間データに変換する。こ
の変換の際には、電源回路25からサーマルヘッド5に
印加されるヘッド電圧Vと、各発熱素子6の平均抵抗値
Rから決まる電力P(=V2 /R)で補正発熱データに
表される熱エネルギーを除することで通電時間データを
求める。
【0029】電力Pは、電源回路25からサーマルヘッ
ド5に印加されるヘッド電圧Vと各発熱素子6の平均抵
抗値Rを実際に測定することで求められ、EEPROM
26に予め書き込まれている。第2変換回路24には、
マイクロコンピュータ27が電力PをEEPROM26
から読み出してセットする。このように実測に基づいた
電力Pを用いることによって、個体毎のヘッド電圧V,
平均抵抗値Rのバラツキを補正している。
【0030】なお、この例では、画像データを基本発熱
データに変換して、熱エネルギー換算で補正を行ってい
るが、通電時間を単位として補正を行うことも可能であ
る。また、画像データの値と、発熱素子が発生する熱エ
ネルギーとの間に線型的な関係がある場合には画像デー
タをそのまま基本発熱データとして用いることも可能で
ある。
【0031】ラインメモリ28には、1ライン分の通電
時間データが書き込まれる。1ラインの記録時には、ラ
インメモリ28から1ライン分の通電時間データがヘッ
ド駆動回部29によって読み出される。ヘッド駆動回部
29は、通電開始信号の入力に応答して、サーマルヘッ
ド5の各発熱素子6を通電する。各発熱素子6の通電時
間は、対応する通電時間データに表される通電時間であ
る。また、発熱素子6の通電時には、電源回路25から
の一定のヘッド電圧Vが発熱素子6に印加される。これ
により各発熱素子6は、対応する通電時間データの元で
ある補正発熱データに表される熱エネルギーを発生す
る。
【0032】通電開始信号は、マイクロコンピュータ2
7からヘッド駆動回部29に送られる。マイクロコンピ
ュータ27は、エンコーダ16からの同期信号が入力さ
れることに応答して、通電開始信号をヘッド駆動回部2
9に送る。これにより、カラー感熱記録紙2のステップ
送りに同期して、ライン記録周期Tで通電開始信号がヘ
ッド駆動回部29に入力される。
【0033】パルスモータ15は、マイクロコンピュー
タ27で制御されるドライバ31で駆動される。マイク
ロコンピュータ27は、ライン記録周期Tで搬送信号を
ドライバ31に送る。ドライバ31は、搬送信号が入力
される毎に、パルスモータ15を駆動して、カラー感熱
記録紙2を1ライン分ステップ送りする。
【0034】ヘッド温度センサ11,環境温度センサ1
2からの信号は、A/D変換器32,33によってデジ
タル変換され、ヘッド温度Th,環境温度Taとしてマ
イクロコンピュータ27に送られる。マイクロコンピュ
ータ27は、ヘッド温度Th,環境温度Taに基づいて
ライン記録周期Tを決定する。このライン記録周期T
は、1色の画像を1面分記録するのに先立って決定さ
れ、1面のプリント中には変更されない。このように、
1面のプリント中にライン記録周期Tを変更しないこと
で、蓄熱補正等を簡単処理で高速に精度よく行えるよう
にしている。
【0035】データROM35には、図3に示すよう
に、ライン記録周期Tの候補として予め用意された周期
1 ,T2 ,T3 ・・・が書き込まれている。また、各
周期T 1 ,T2 ,T3 ・・・のそれぞれに対応させて、
効率係数W1 ,W2 ,W3 ・・・、蓄熱補正用の係数k
1〜k10からなる各係数セットが書き込まれている。
周期T1 ,T2 ,T3 ・・・は、この順番で大きく(長
く)なっており、例えば、T1 =16msec,T2
17msec,T3 =18msec・・・のようになっ
ている。
【0036】マイクロコンピュータ27は、データRO
M35に予め用意された周期T1 ,T2 ,T3 ・・・の
うちで、次の式を満たす最も小さいものをライン記録
周期Tとして記録時に用いる。 Emax ・Wi ≦P・Ti +ΔEp・・・ (iは、1,2,3・・・・)
【0037】上記の式中の値Emax は、温度補正及び
蓄熱補正を施したときに想定される発熱素子6が発生す
る最大の熱エネルギーの大きさである。この最大供給エ
ネルギーEmax は、イエロー用,マゼンタ用,シアン用
があり、記録すべき色のものが用いられる。効率係数W
i は、プリント速度(ライン記録周期T)に応じて熱効
率が変化するために導入された係数であり、対応する周
期Ti に応じて実験的に決められている。周期Ti
式を満たすか否かを調べる際には、それに対応する効率
係数Wi が用いられる。
【0038】値ΔEpは、ヘッド温度Th,環境温度T
aの違いに起因して発生する濃度ムラの発生を防止する
ための補正量である。マイクロコンピュータ27は、ヘ
ッド温度Thと基準ヘッド温度Th0 との差であるヘッ
ド温度差「Th−Th0 」,環境温度Taと基準環境温
度Ta0 との差である環境温度差「Ta−Ta0 」を求
め、これらの各温度差を所定の演算式に適用することに
よって、補正量ΔEp(=f((Th−Th0 ),(T
a−Ta0 ))を算出する。基準ヘッド温度Th0 ,基
準環境温Ta0 は、それぞれ予め決められてデータRO
M35に書き込まれている。この例では、基準ヘッド温
度Th0 ,基準環境温Ta0 は、いずれも「23℃」と
されている。
【0039】値Pは、前述したヘッド電圧Vと、サーマ
ルヘッド5の各発熱素子6の平均抵抗値Rから決まる電
力であり、EEPROM26に用意されたものが用いら
れる。
【0040】上記式を満たす最小のライン記録周期T
を決めることにより、冷却工程に必要な時間を含めて1
ラインを記録するのに必要な最大の時間がライン記録周
期Tと同じかそれよりも小さくなるようにするととも
に、最も高速なプリント速度となるようにする。
【0041】前述のように補正演算部23は、温度補正
と蓄熱補正を行う。温度補正は、ヘッド温度Thと環境
温度Taの違いにより、画像全体の濃度が高くなったり
低くなったりする濃度ムラの発生を防止するためのもの
である。温度補正の際には、補正演算部23は、次の補
正量ΔEpを含む式によって、ヘッド温度差「Th−
Th0 」,環境温度差「Ta−Ta0 」に応じて発熱素
子6が発生すべき熱エネルギーを補正する。なお、この
補正では、効率係数W(Wi )がライン周期Tに応じた
補正用係数となる。 E1 (M,N) =E0 (M,N) ・W−ΔEp・・・
【0042】上記式中の各値は次の通りである。なお、
ライン記録周期Tとされた周期Tiに対応する効率係数
i が効率係数Wとして用いられ、ΔEpはマイクロコ
ンピュータ27で算出されたものが用いられる。 M :ライン数 N :各発熱素子に対応する1ライン中のデータの番号 E0 (M,N) :温度補正前の発熱素子が発生すべき熱エネ
ルギーを表す第MラインのN番目の基本発熱データ E1 (M,N) :温度補正後の発熱素子が発生すべき熱エネ
ルギーを表す第MラインのN番目の温度補正発熱データ
【0043】上記の温度補正が画像を全体的な濃度ムラ
を補正するものであるの対し、蓄熱補正は、発熱素子6
の発熱履歴に起因して発生する1ライン毎の濃度ムラを
補正するためのものである。補正演算部23は、図4に
示されるサーマルヘッド5の構造の下で、図5に示す蓄
熱回路のモデルにしたがって蓄熱補正を行う。
【0044】図4に示されるように、サーマルヘッド5
は、グレーズ層41の下側表面に設けられた発熱素子6
と、グレーズ層41の上側に積層されたセラミック基板
42,サーマルヘッド5の放熱を良好にするアルミ板4
3等からなる。グレーズ層41の下側表面には、発熱素
子6の他にこの発熱素子6を通電するための電極44
と、これらを覆う保護膜45とが形成されている。な
お、ヘッド温度センサ11は、例えばアルミ板43に取
り付けられている。
【0045】グレーズ層41は、蓄熱回路を想定する際
に仮想的にグレーズ層(1)〜(3)の3層に分けてい
る。図5に示されるように、グレーズ層(1)〜
(3),セラミック基板42、アルミ板43をそれぞれ
蓄熱層とし、各蓄熱層に蓄積された熱の一部が発熱素子
6からカラー感熱記録紙2に伝わり記録に影響を与え、
また蓄積された熱の一部が他の蓄熱層に伝わり蓄熱され
るというモデルにしたがって、蓄熱補正が行われる。な
お、図5中の「Eh」は、通電することにより発熱素子
6が発生する熱エネルギーを、「Eout」は蓄熱の影
響を受けて実際にカラー感熱記録紙2に伝わる熱エネル
ギーを表している。
【0046】補正演算部23は、記録に用いられるライ
ン記録周期Tとされる周期Ti に対応してデータROM
45から読み出されてセットされる蓄熱補正用の係数k
1〜k10を用いて、次の式によって蓄熱補正を行
う。
【0047】 E(M,N) = (E1(M,N)−k2k3Eg1(M,N) −k4k5Eg2(M,N) −k6k7Eg3(M,N) −k8k9Ec(M,N) −k10 Ea(M,N))/k1・・・・・・・・・・
【0048】上記式の記号は次の通りであり、蓄熱デ
ータは、対応する蓄熱層の蓄熱状態(熱エネルギー)を
表す。 M :ライン数 N :各発熱素子に対応する1ライン中のデータの番号 E(M,N) :蓄熱補正された熱エネルギーを表す第Mラ
インのN番目の補正発熱データ E1(M,N) :蓄熱補正前の第MラインのN番目の温度補
正発熱データ Eg1(M,N) :第(M−1)ラインの蓄熱補正時に得られ
るグレーズ層(1)に対応する第Mライン用のN番目の
第1蓄熱データ Eg2(M,N) :第(M−1)ラインの蓄熱補正時に得られ
るグレーズ層(2)に対応する第Mライン用のN番目の
第2蓄熱データ Eg3(M,N) :第(M−1)ラインの蓄熱補正時に得られ
るグレーズ層(3)に対応する第Mライン用のN番目の
第3蓄熱データ Ec(M,N) :第(M−1)ラインの蓄熱補正時に得られ
るセラミック基板に対応する第Mライン用のN番目の第
4蓄熱データ Ea(M,N) :第(M−1)ラインの蓄熱補正時に得られ
るアルミ板に対応する第Mライン用のN番目の第5蓄熱
データ
【0049】グレーズ層(1)〜(3)に対応する第1
〜第3蓄熱データ、セラミック基板42に対応する第4
蓄熱データ、アルミ板43に対応する第5蓄熱データ
は、次の式〜によって更新される。 Eg1(M+1,N) =(1-k1)・ E(M,N) + (1-k2)・Eg1(M,N) ・・・・・ Eg2(M+1,N) =k2(1-k3)・ Eg1(M,N))+ (1-k4)・Eg2(M,N) ・・・ Eg3(M+1,N) =k4(1-k5)・ Eg1(M,N))+ (1-k6)・Eg3(M,N) ・・・ Ec(M+1,N)= k6(1-k7)・Eg3(M,N) + (1-k8)・Ec(M,N)・・・・・ Ea(M+1,N)= k8(1-k9)・Ec(M,N) + (1-k10)・ Ea(M,N)・・・・
【0050】図5の蓄熱回路にしたがい、蓄熱補正を行
わずに1個の発熱素子6を駆動したときに、この発熱素
子6から蓄熱の影響を受けて実際にカラー感熱記録紙2
に与えられる熱エネルギーをEout(M,N)とすると、この
熱エネルギーEout(M,N)は、次の式のように表すこと
ができる。そして、カラー感熱記録紙2に与えるべき熱
エネルギーはEh(M,N)であるから、式中のEout(M,N)
をE1(M,N)に置き換え、また発熱素子6が発生すべき熱
エネルギーをE(M,N) として右辺のEh(M,N)と置き換え
て、このE(M,N) について解けば、上記式を得ること
ができる。 Eout(M,N)=k1Eh(M,N)+k2k3Eg1(M,N)+k4k5Eg2(M,
N)+k6k7Eg3(M,N)+k8k9Ec(M,N)+k10 Ea(M,N)
【0051】上記各式中の蓄熱補正用の係数k1〜k1
0は、発熱素子6からグレーズ層41、各蓄熱層からカ
ラー感熱記録紙2、各蓄熱層から他の蓄熱層への熱の伝
わりやすさ等を表すものである。そして、蓄熱補正で
は、係数k1〜k10を用いて各蓄熱層の蓄熱状態を1
ラインの記録毎に推測している。このため、ライン記録
周期Tが変わると,蓄熱状態を推測する尺度が変化し、
また1ラインの記録毎の蓄熱状態も異なったものとなる
ので、記録に用いるライン記録周期Tに応じた係数k1
〜k10を用いる必要がある。なお、各周期Ti 毎に用
意された係数k1〜k10は、実験的にそれぞれ決めら
れている。
【0052】次に上記構成の作用について説明する。画
像を記録する場合には、記録すべき画像のイエロー画像
データ,マゼンタ画像データ,シアン画像データを画像
メモリ21に取り込んだ後に、プリントの指示を与え
る。この指示により、カラー感熱記録紙2がサーマルヘ
ッド5の位置に送られ、サーマルヘッド5がカラー感熱
記録紙2の記録開始位置に圧接されてから、イエロープ
リント工程が開始される。また、マイクロコンピュータ
27によってEEPROM26から読み出された電力P
が第2変換回路24にセットされる。
【0053】イエロープリント工程が開始されると、こ
の時点でヘッド温度センサ11,環境温度センサ12か
らの信号がA/D変換器32,33でヘッド温度Th及
び環境温度Taに変換されて、マイクロコンピュータ2
7に送られる。そして、このマイクロコンピュータ27
によって所定の演算式に適用されることで、各温度差に
応じたイエロー記録用の補正量ΔEpが算出される。
【0054】この補正量ΔEpの算出後に、イエロー用
の最大供給エネルギー値Emax がデータROM35か
ら、また電力PがEEPROM26からそれぞれマイク
ロコンピュータ27によって読み出される。この後に、
マイクロコンピュータ27により、データROM35か
ら最も値が小さい周期T1 と効率係数W1 とが読み出さ
れる。このようにして、マイクロコンピュータ27は、
各値(T1 ,W1 ,Ema x ,ΔEp,P)を取得する
と、それらの値を用いて、上記の式が成立するか否か
を調べる。
【0055】例えば、周期T1 と効率係数W1 によって
式が成立しない場合には、マイクロコンピュータ27
は、再びデータROM35にアクセスし、周期T1 の次
に小さい周期T2 と、それに対応する効率係数W2 を読
み出して式が成立するか否かを調べる。そして、周期
2 ,効率係数W2 で式が成立しない場合には、マイ
クロコンピュータ27は、さらに周期T2 の次に小さい
周期T3 と、それに対応する効率係数W3 を読み出し
て、式が成立するか否かを調べる。
【0056】このようにして、予め用意されている複数
の周期Ti のうちから式が成立する最も小さい周期T
i が調べられ、その周期Ti がライン記録周期Tとされ
る。また、式が成立する最も小さい周期Ti に対応す
る効率係数Wi とデータROM35から読み出された蓄
熱補正用の係数k1〜10と、補正量ΔEpとがマイク
ロコンピュータ27から補正演算部23に送られてセッ
トされる。
【0057】例えば周期T3 が式を成立させる最も小
さいものであることが分かると、周期T3 がライン記録
周期Tとして用いられるように設定される。また、補正
演算部23には、周期T3 に対応する効率係数W3 が効
率係数Wとしてセットされ、さらには周期T3 に対応し
てデータROM35に用意されている蓄熱補正用の係数
k1〜10が補正演算部23にセットされる。
【0058】この後、画像メモリ21から第1ラインの
各イエロー画像データが順番に読み出されて第1変換回
路22に送られる。第1ラインの1番目のイエロー画像
データが第1変換回路22に入力されると、このイエロ
ー画像データは、カラー感熱記録紙2の特性曲線から決
まる発色熱エネルギーを示す基本発熱データE0(1,1)に
変換されて、補正演算部23に送られる。
【0059】補正演算部23に上記基本発熱データE
0(1,1)が入力されると、先にセットされた補正量ΔEp
と効率係数Wを用いて、前記式により基本発熱データ
0(1,1)に対して温度補正を施した温度補正発熱データ
1(1,1)が算出される。補正量ΔEpは、ヘッド温度T
hと基準ヘッド温度Th0 のヘッド温度差、環境温度T
aと基準環境温度Ta0 との環境温度差に応じて算出さ
れたものであるので、結果的に基本発熱データE0(1,1)
がヘッド温度差と環境温度差とに応じて補正された熱エ
ネルギーを表す補正発熱データE1(1,1)とされる。もち
ろん、設定されたライン記録周期Tに応じた熱効率Wが
考慮されて補正される。
【0060】上記のようにして温度補正発熱データE
1(1,1)を算出すると、補正演算部23は、続いて蓄熱補
正を行う。補正演算部23の内部に記憶された第1ライ
ン用の1番目の第1〜第5蓄熱データEg1(1,1) ,Eg2
(1,1) ,Eg3(1,1) ,Ec(1,1),Ea(1,1)と、マイクロ
コンピュータ27によってセットされた係数k1〜k1
0と、算出された温度補正発熱データE1(1,1)とが、補
正演算部23によって上記の式に適用される。これに
より、温度補正発熱データE1(1,1)は、蓄熱補正された
補正発熱データE(1,1) とされ、第2変換回路24に送
られる。なお、この第1ラインの蓄熱補正時に用いる各
蓄熱データとしては、例えばヘッド温度Thに基づいて
適当に算出されたものが用いられる。
【0061】補正演算部23から第2変換回路24に送
られた補正発熱データE(1,1) は、この第2変換回路2
4により、電力Pを用いて第1ラインの通電時間t(1,
1)に変換される。そして、この通電時間t(1,1)がライ
ンメモリ28に書き込まれる。
【0062】また、補正発熱データE(1,1) が算出され
ると、この蓄熱補正を施した補正発熱データE(1,1) ,
第1ライン用の1番目の第1〜第5蓄熱データEg1(1,
1) ,Eg2(1,1) ,Eg3(1,1) ,Ec(1,1),Ea(1,1)
と、セットされている係数k1〜k10を用いて、補正
演算部23により上記の〜式が実行されることで、
第2ライン用の1番目の第1〜第5蓄熱データEg1(2,
1) ,Eg2(2,1) ,Eg3(2,1) ,Ec(2,1),Ea(2,1)が
求められ、補正演算部23内に記憶される。
【0063】上記のようにして、第1ラインの1番目の
補正発熱データの算出と、第1〜第5蓄熱データの更新
が完了すると、第1ラインの2番目のイエロー画像デー
タが画像メモリ21から読み出されて第1変換回路22
に送られ、基本発熱データE 0(1,2)に変換される。そし
て、この基本発熱データE0(1,2)が補正演算部23に送
られる。
【0064】上記と同様にして基本発熱データE0(1,2)
は、セットされた補正量ΔEpと効率係数Wを用いて補
正されて温度補正発熱データE1(1,2)とされる。さら
に、温度補正発熱データE1(1,2)は、第1ラインの2番
目の発熱データ用の第1〜第5蓄熱データEg1(1,2) ,
Eg2(1,2) ,Eg3(1,2) ,Ec(1,2),Ea(1,2)と、セッ
トされている係数k1〜k10とを用いて蓄熱補正され
て、補正発熱データE(1,2) とされる。そして、補正発
熱データE(1,2) は、第2変換回路34で通電時間t
(1,2)に変換されて、ラインメモリ28に書き込まれ
る。
【0065】さらには、蓄熱補正された補正発熱データ
E(1,2) と、第1〜第5蓄熱データEg1(1,2) ,Eg
2(1,2) ,Eg3(1,2) ,Ec(1,2),Ea(1,2)と、係数k
1〜k10とを用いて、第2ラインの2番目の発熱デー
タ用の第1〜第5蓄熱データEg1(2,2) ,Eg2(2,2) ,
Eg3(2,2) ,Ec(2,2),Ea(2,2)が求められ、補正演算
部23内に記憶される。
【0066】以下、同様にして第1ラインの全てのイエ
ロー画像データについて補正演算部23による補正が行
われ、得られる発熱データが第2変換回路24で通電時
間データに変換されてからラインメモリ28に書き込ま
れる。
【0067】1ライン分の通電時間データがラインメモ
リ28に書き込まれると、1ライン分の通電時間データ
がラインメモリ28から読み出されてヘッド駆動部29
にセットされた後に、マイクロコンピュータ27から1
番目の搬送信号がドライバ31に送られる。
【0068】搬送信号の入力によりドライバ31は、パ
ルスモータ15を駆動してカラー感熱記録紙2を1ライ
ン分ステップ送りする。そして、カラー感熱記録紙2が
1ライン分ステップ送りされると、エンコーダ16から
同期信号が出力されてマイクロコンピュータ27に送ら
れる。
【0069】マイクロコンピュータ27は、同期信号を
受け取ると、通電開始信号をヘッド駆動部29に送る。
ヘッド駆動部29に通電開始信号が入力されることによ
り、各発熱素子6はヘッド駆動部29によって一斉に通
電されて、対応する通電時間データに表される通電時間
が経過した時点で通電が停止される。通電中では、電源
回路25から出力されているヘッド電圧Vが各発熱素子
6に印加される。
【0070】各発熱素子6で発生した熱エネルギーは、
その一部は感熱記録紙2に与えられてイエロー感熱発色
層を発色させることで第1ラインを記録するが、残りの
熱エネルギーは、サーマルヘッド5に残る。各発熱素子
6は、通電が停止されると、その後に通電されるまでが
冷却期間となって自然冷却される。
【0071】第1ラインの記録中には、第2ラインのイ
エロー画像データが読み出されて、第1ラインの場合と
同様にして、補正演算部23による補正が行われ、第2
ラインの1ライン分の通電時間データがラインメモリ2
に書き込まれ、各発熱素子6が冷却期間となっている間
にヘッド駆動部29で読み出される。
【0072】このときの蓄熱補正では、例えば第2ライ
ンの第1番目の基本発熱データに対しては、第1ライン
の1番目の発熱データE(1,1) を算出した際に更新され
た第1〜第5蓄熱データEg1(1,2) ,Eg2(1,2) ,Eg3
(1,2) ,Ec(1,2),Ea(1,2)と、係数k1〜k10とが
用いられる。また、第2ラインの蓄熱補正された補正発
熱データと、第1ラインの蓄熱補正を行った際に更新さ
れた第2ライン用の第1〜第5蓄熱データとを用いて第
3ライン用に第1〜第3蓄熱データが更新される。
【0073】1番目の搬送信号の出力からライン記録周
期Tが経過すると、マイクロコンピュータ27は、ドラ
イバ31に2番目の搬送信号に送出することで、パルス
モータ15を駆動する。これにより、カラ−感熱記録紙
2が1ライン分ステップ送りされる。そして、エンコー
ダ16から同期信号がマイクロコンピュータ27に入力
されて、2番目の通電開始信号がヘッド駆動部39に送
られる。したがって、ライン記録周期Tで通電開始信号
が発生される。
【0074】2番目の通電開始信号がヘッド駆動部39
に入力されることにより、サーマルヘッド5の各発熱素
子6は、第2ラインの対応する通電時間データに応じた
時間だけ通電されて発熱し、イエロー画像の第2ライン
の記録を行う。
【0075】以降同様にして、温度補正と蓄熱補正を行
い、またカラー感熱記録紙2をライン記録周期Tでステ
ップ送りしながら、これに同期させて1ラインずつイエ
ロー画像の記録を行う。
【0076】イエロー画像の記録されたカラー感熱記録
紙2の部分は、イエロー用光定着器17から紫外線が照
射されることにより光定着される。イエロー画像の最終
ラインの記録が終了し、カラー感熱記録紙2の後端まで
光定着が完了すると、サーマルヘッド5による圧接が解
除されてから、カラー感熱記録紙2が戻される。この搬
送中に、カラー感熱記録紙2の記録開始位置がサーマル
ヘッド5に達すると、搬送が停止されるとともに、サー
マルヘッド5がカラー感熱記録紙2に圧接される。
【0077】サーマルヘッド5が圧接された後に、マゼ
ンタプリント工程が開始される。このマゼンタプリント
工程では、イエロープリント工程と同様に、最初にヘッ
ド温度センサ11及び環境温度センサ12での測定が行
われ、その時点のヘッド温度Thと環境温度Taとを取
得して補正量ΔEpが算出してから、上記の式が成立
させる最も小さい周期Ti がライン記録周期Tとして設
定される。なお、この場合には、最大供給エネルギー値
max としてはマゼンタ用のものが用いられる。
【0078】ライン記録周期Tとして設定される周期T
i が決まると、これに対応する効率係数Wi が温度補正
に用いられる効率係数Wとして補正演算部23にセット
されるとともに、周期Ti に対応する蓄熱補正用の係数
k1〜10が補正演算部23にセットされる。
【0079】この後に、画像メモリ21からマゼンタ画
像データが1ライン分ずつ読み出されて、第1変換回路
22を介して補正演算部23に送られる。イエロー画像
データの場合と同じ手順により、マゼンタ画像データが
温度補正されるとともに、蓄熱補正される。そして、カ
ラー感熱記録紙2をライン記録周期Tでステップ送りし
ながら、これに同期させて1ラインずつマゼン画像の記
録を行う。
【0080】マゼンタ画像の記録されたカラー感熱記録
紙2の部分は、マゼンタ用光定着器18からの紫外線が
照射されることにより光定着される。マゼンタ画像の最
終ラインの記録が終了し、カラー感熱記録紙2の後端ま
で光定着が完了すると、サーマルヘッド5による圧接が
解除されてから、カラー感熱記録紙2が戻される。この
搬送中に、カラー感熱記録紙2の記録開始位置がサーマ
ルヘッド5に達すると、搬送が停止されるとともに、サ
ーマルヘッド5がカラー感熱記録紙2に圧接される。サ
ーマルヘッド5が圧接された後に、シアンプリント工程
が開始され、上記と同様な手順でシアン画像が1ライン
ずつ記録される。
【0081】上記のようにして、ライン記録周期Tをサ
ーマルヘッドのヘッド温度と環境温度に基づいて決定
し、濃度ムラを補正するために補正された通電時間で発
熱素子を通電できるようにしたから、電源回路25から
サーマルヘッド5に供給する電圧を変更する必要もな
く、電源回路25として定格容量の大きなものを用いる
必要もない。しかも、ライン記録周期Tとしては、補正
された発熱素子の通電時間で記録が可能なもののうちで
最も小さいものとされているので、可能な範囲で最も高
速なプリント速度が得られ効率的にプリントできる。し
かも、ライン記録周期Tに応じた効率係数W,蓄熱補正
用の係数k1〜10を用いて補正を行っているので、温
度補正,蓄熱補正が精度よく施された良好な画質の画像
が記録される。
【0082】この例では、サーマルヘッドのヘッド温度
と環境温度に起因した濃度ムラを補正する温度補正、発
熱素子の発熱に起因して発生する濃度ムラを補正する蓄
熱補正を行っているが、補正はこれに限るものではな
く、例えばサーマルヘッドの発熱素子と記録紙との接触
状態やグレーズ層の厚みのバラツキに起因して発生する
濃度ムラや、負荷変動による濃度ムラを補正してもよ
い。
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、サーマ
ルヘッドのヘッド温度と、それが配された環境温度とを
測定して、これらにライン記録周期を決定する決定手段
とを備え、この決定手段で決定されたライン記録周期で
1ラインずつ画像を記録するようにしたから、各発熱素
子の通電時間を増減することで発熱素子が発生する熱エ
ネルギーを補正することが可能になり、高価な容量の大
きな電源回路を用いずにヘッド温度と環境温度の違いに
起因した濃度ムラの発生を精度よく補正した画像をプリ
ントすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したサーマルプリンタの概略を示
す説明図である。
【図2】サーマルプリンタの電気的な構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】データROMに書き込まれている周期,効率係
数、蓄熱補正用係数の関係を示す説明図である。
【図4】サーマルヘッドの構造を示す断面図である。
【図5】サーマルヘッド蓄熱回路を示す説明図である。
【符号の説明】
2 カラー感熱記録紙 5 サーマルヘッド 6 発熱素子 11 ヘッド温度センサ 12 環境温度センサ 23 補正演算部 27 マイクロコンピュータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドと記録紙とを相対的に移
    動しながら、サーマルヘッドの各発熱素子を通電して発
    熱させることにより、記録紙に1ラインずつ画像を記録
    するサーマルプリンタにおいて、 サーマルヘッドのヘッド温度を測定するヘッド温度セン
    サと、前記サーマルヘッドが配された環境温度を測定す
    る環境温度センサと、前記ヘッド温度センサと前記環境
    温度センサとから得られるヘッド温度と環境温度とに基
    づいてライン記録周期を決定する決定手段とを備え、こ
    の決定手段で決定されたライン記録周期で1ラインずつ
    画像を記録することを特徴とするサーマルプリンタ。
  2. 【請求項2】 各発熱素子の通電時間を増減することに
    より、1ラインの記録時に発熱素子が発生する熱エネル
    ギーを補正することを特徴とする請求項1記載のサーマ
    ルプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記決定手段は、測定して得られる前記
    ヘッド温度と予め決められた基準ヘッド温度とのヘッド
    温度差、及び測定して得られる前記環境温度と予め決め
    られた基準環境温度との環境温度差に基づいてライン記
    録周期を決定することを特徴とする請求項1または2記
    載の感熱プリンタ。
  4. 【請求項4】 各発熱素子の発生する熱エネルギーにつ
    いての前記ヘッド温度差及び環境温度差に応じた補正量
    をΔEp,ライン記録周期をT,ライン記録周期に応じ
    て予め決められた効率係数をW,発熱素子が発生すべき
    熱エネルギーの最大値をEmax としたときに、前記決定
    手段は、「Emax ・W≦P・T+ΔEp」の条件式を満
    たす最も小さいライン記録周期Tを画像記録に用いるこ
    とを特徴とする請求項3記載のサーマルプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記決定手段は、画像の1面の記録毎に
    ライン記録周期を決定し、1面の記録中には同じライン
    記録周期とすることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれか1項に記載のサーマルプリンタ。
  6. 【請求項6】 ライン記録周期に応じた補正用係数を用
    いて濃度ムラの発生を防止するための処理を行うことを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のサ
    ーマルプリンタ。
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